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特許7303309岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法、デバイス及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法、デバイス及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20230627BHJP
   G08G 1/015 20060101ALI20230627BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20230627BHJP
   G01S 17/89 20200101ALI20230627BHJP
   B65G 63/00 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
G08G1/09 V
G08G1/015 A
G08G1/09 F
G05D1/02 L
G01S17/89
B65G63/00 G
【請求項の数】 54
(21)【出願番号】P 2021537079
(86)(22)【出願日】2019-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 CN2019077079
(87)【国際公開番号】W WO2020133694
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-02-21
(31)【優先権主張番号】201811602327.0
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521254764
【氏名又は名称】北京図森智途科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李 一鳴
(72)【発明者】
【氏名】肖 旭
(72)【発明者】
【氏名】金 宇和
(72)【発明者】
【氏名】蔡 金鵬
(72)【発明者】
【氏名】呉 楠
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106541945(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G05D 1/02
G01S 17/89
B65G 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
停車制御システムによる岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法であって、
車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信することと、
レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得することと、
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することと、
反復最接近点ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信することにより、前記車両コントローラは前記リアルタイム距離に応じて、前記停車するトラックを前記目標停車位置に停止するように制御することであって、前記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて前記目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合であることとを含む、ことを特徴とする岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項2】
ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算することは、
前記停車するトラックの車種を決定することと、
モデルライブラリから前記停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択することと、
ICPアルゴリズムを用いて、前記停車するトラックの点群集合、及び前記停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを計算することであって、前記モデルライブラリは、事前にレーザレーダを用いて、前記目標停車位置に停車した、異なる車種の複数のトラックを走査して得た複数の車両点群モデルを含むこととを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項3】
モデルライブラリから前記停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択することは、
前記停車するトラックにコンテナが積載されていると判断すると、第1のモデルライブラリから、前記停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択することであって、前記第1のモデルライブラリは、事前にレーザレーダを用いて前記目標停車位置に停車した、車種が異なり、且つコンテナが積載されている複数のトラックを走査して得た複数の車両点群モデルを含むことと、
前記停車するトラックにコンテナが積載されていないと判断すると、第2のモデルライブラリから、前記停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択することであって、前記第2のモデルライブラリは、事前にレーザレーダを用いて前記目標停車位置に停車した、車種が異なり、且つコンテナが積載されていない複数のトラックを走査して得た複数の車両点群モデルを含むこととを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項4】
前記停車するトラックの車種を決定することは、前記停車要求から前記停車するトラックの車両識別子を解析し、既知の車両識別子と車種の対応関係に応じて前記停車するトラックの車種を決定することを含む、ことを特徴とする請求項2~3のいずれか1項に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項5】
前記停車するトラックの車種を決定することは、前記停車要求から前記停車するトラックの車種を解析することを含む、ことを特徴とする請求項2~3のいずれか1項に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項6】
ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得することは、
ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合から前記車両点群モデルへの平行移動行列を計算することと、
前記平行移動行列によって、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得することとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項7】
ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合から前記車両点群モデルへの平行移動行列を計算することは、
初期平行移動行列を決定することであって、初期平行移動行列は、停車するトラックの点群集合のうち、停車するトラックの走行方向における最も前方に位置する所定の数の点の平均中心から、車両点群モデルのうち、停車するトラックの走行方向における最も前方に位置する前記所定の数の点の平均中心に平行移動するために使用される行列であり、前記平均中心の座標は、前記所定の数の点の座標の平均値であることと、
前記初期平行移動行列を用いて、前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを反復計算し、前記停車するトラックの点群集合から前記車両点群モデルへの平行移動行列を取得することとを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項8】
ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合から前記車両点群モデルへの平行移動行列を計算することは、
前記停車要求から、前記停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データを解析することと、
初期平行移動行列を決定することであって、初期平行移動行列は、前記測位データが対応する点を前記目標停車位置が対応する測位点に平行移動するために使用される行列であり、前記測位点は、車両点群モデルの決定過程でトラックが目標停車位置に停止したときに、その車載測位デバイスにより取得された測位データが対応する点であることと、
前記初期平行移動行列を用いて、前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを反復計算し、前記停車するトラックの点群集合から前記車両点群モデルへの平行移動行列を取得することとを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項9】
前記停車するトラックにコンテナが積載されているか否かを判断することは、前記停車要求から前記停車するトラックにコンテナが積載されているか否かの情報を解析し、該情報に従って前記停車するトラックにコンテナが積載されているか否かを判断することを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項10】
前記停車要求を受信することは、前記停車要求を受信して岸壁クレーン識別子を解析し、前記岸壁クレーン識別子を自身が対応する岸壁クレーンと照合し、照合が成功すると、前記車両コントローラと通信接続を確立することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項11】
V2Xデバイスによって前記停車要求を受信する、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項12】
前記車両点群モデルは次のように決定され、
事前にレーザレーダを用いて、前記目標停車位置へ走行して最終的に前記目標停車位置に停車するトラックを走査し、
前記トラックが前記目標停車位置に到達していない時の点群データを、前記目標停車位置に到達した時の点群データが所在する座標系へ変換し、
変換して得た点群集合を前記車両点群モデルとして決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項13】
事前にレーザレーダを用いて、前記目標停車位置へ走行して最終的に前記目標停車位置に停車するトラックを走査することは、
事前にレーザレーダを用いて、所定の停車識別線へ走行して前記停車識別線に従って停車するトラックを走査することを含む、ことを特徴とする請求項12に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項14】
前記停車識別線に従って停車することは、
トラックのトレーラーの後側立面は前記停車識別線と同一の垂直面にあるときに停車することを含む、ことを特徴とする請求項13に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項15】
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することは、
前記停車要求から、前記停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データを解析することと、
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして1つ又は複数のトラックの点群集合を取得し、前記1つ又は複数のトラックの点群集合のうち、前記測位データを含む点群集合を前記停車するトラックの点群集合として決定することとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項16】
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することは、
前記停車要求から、前記停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データを解析することと、
前記リアルタイム点群データから、前記測位データが対応する位置及びその周囲の所定の長さ内のエリアが対応する点群データを切り出し、切り出した点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項17】
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することは、
前記停車要求から前記停車するトラックが所在する車道の番号を解析することと、
前記停車するトラックが所在する車道の番号、及び既知の岸壁クレーンが跨る各車道と前記レーザレーダの相対的位置に応じて、前記リアルタイム点群データから前記停車するトラックが所在する車道の点群データを切り出すことと、
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして1つ又は複数のトラックの点群集合を取得することと、
前記1つ又は複数のトラックの点群集合のうちの、前記停車するトラックが所在する車道の点群データと共通部分がある点群集合を、前記停車するトラックの点群集合として決定することとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項18】
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することは、
前記停車要求から前記停車するトラックが所在する車道の番号を解析することと、
前記停車するトラックが所在する車道の番号、及び既知の岸壁クレーンが跨る各車道と前記レーザレーダの相対的位置に応じて、前記リアルタイム点群データから前記停車するトラックが所在する車道の点群データを切り出し、切り出した点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項19】
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することは、
前記停車要求から、前記停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データ、及び前記停車するトラックが所在する車道の番号を解析することと、
前記停車するトラックが所在する車道の番号、及び既知の岸壁クレーンが跨る各車道と前記レーザレーダの相対的位置に応じて、前記リアルタイム点群データから前記停車するトラックが所在する車道の点群データを切り出すことと、
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして1つ又は複数のトラックの点群集合を取得し、前記1つ又は複数のトラックの点群集合のうちの、前記測位データを含み、且つ前記停車するトラックが所在する車道の点群データと共通部分がある点群集合を、前記停車するトラックの点群集合として決定することとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項20】
レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得することは、
前記停車要求から前記停車するトラックが所在する車道の番号を解析することと、
前記停車するトラックが所在する車道の番号に応じて、前記車道を走査するためのレーザレーダを決定して該レーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得することとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項21】
各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る1つの車道を走査するためにのみ使用され、各メインコントローラは、1つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するためにのみ使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項22】
各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る少なくとも2つの車道を走査するために使用され、各メインコントローラは、1つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するためにのみ使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項23】
各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る1つの車道を走査するためにのみ使用され、各メインコントローラは、少なくとも2つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するために使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項24】
各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る少なくとも2つの車道を走査するために使用され、各メインコントローラは、少なくとも2つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するために使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項25】
停車制御システムによる岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法であって、
停車するトラックの停車要求を送信することと、
メインコントローラが前記停車要求に対して送信した前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を受信することと、
前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離に応じて、前記停車するトラックを前記目標停車位置に停止するように制御することとを含み、
前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離は、次のように計算され、
メインコントローラは、車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信し、レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得し、前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得し、ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信し、前記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて、前記目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合である、ことを特徴とする岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項26】
停車するトラックの停車要求を送信することは、送信される停車するトラックの停車要求に、
前記停車するトラックの車両識別子と、
前記停車するトラックの車種と、
前記停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データと、
前記停車するトラックが所在する車道の番号と、
前記停車するトラックにコンテナが積載されているか否かの情報と、
岸壁クレーン識別子とのいずれか1項又は複数の項が含まれることを含む、ことを特徴とする請求項25に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項27】
トレーラーの上方の水平方向において、前記停車するトラックの前部から所定の距離に物体が存在するか否かを検出することにより、前記停車するトラックにコンテナが積載されているか否かを判断することと、
検出結果に従って、前記停車するトラックにコンテナが積載されているか否かの情報を生成することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項28】
コンテナの積み下ろし作業の命令を受信することと、
前記コンテナの積み下ろし作業の命令から前記岸壁クレーン識別子を解析することと、
前記停車するトラックを前記岸壁クレーン識別子が対応する岸壁クレーンへ走行するように制御することとをさらに含む、ことを特徴とする請求項26に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項29】
停車するトラックの停車要求を送信することは、ビークルツーエブリシングV2Xデバイスによって停車するトラックの停車要求をブロードキャストすることを含む、ことを特徴とする請求項25に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項30】
停車するトラックの停車要求を送信することは、
前記停車するトラックと前記岸壁クレーンの間の距離が所定の距離以下であると決定したときに停車要求を送信すること、又は、岸壁クレーンを検出したときに停車要求を送信することを含む、ことを特徴とする請求項25に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの停車方法
【請求項31】
第1のプロセッサと、第1のメモリと、第1のメモリに記憶され、第1のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含むメインコントローラであって、
前記第1のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車処理を実行し、該処理は、
車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信することと、
レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得することと、
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することと、
反復最接近点ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信することにより、前記車両コントローラは前記リアルタイム距離に応じて、前記停車するトラックを前記目標停車位置に停止するように制御することであって、前記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて前記目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合であることとを含む、ことを特徴とするメインコントローラ。
【請求項32】
第2のプロセッサと、第2のメモリと、第2のメモリに記憶され、第2のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含む車両コントローラであって、
前記第2のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車処理を実行し、該処理は、
停車するトラックの停車要求を送信することと、
メインコントローラが前記停車要求に対して送信した前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を受信することと、
前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離に応じて、前記停車するトラックを前記目標停車位置に停止するように制御することとを含み、
前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離は、次のように計算され、
メインコントローラは、車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信し、レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得し、前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得し、ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信し、前記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて、前記目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合である、ことを特徴とする車両コントローラ。
【請求項33】
メインコントローラ、車両コントローラ及びレーザレーダを含み、
前記メインコントローラは、第1のプロセッサと、第1のメモリと、第1のメモリに記憶され、第1のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記第1のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信する過程と、レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得する過程と、前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得する過程と、反復最接近点ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信することにより、前記車両コントローラは前記リアルタイム距離に応じて、前記停車するトラックを前記目標停車位置に停止するように制御する過程であって、前記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて前記目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合である過程とを含む処理を実行し、
前記車両コントローラは、第2のプロセッサと、第2のメモリと、第2のメモリに記憶され、第2のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記第2のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに、停車するトラックの停車要求を送信する過程と、メインコントローラが前記停車要求に対して送信した前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を受信する過程と、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離に応じて、前記停車するトラックを前記目標停車位置に停止するように制御する過程とを含む処理を実行し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離は、次のように計算され、メインコントローラは、車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信し、レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得し、前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得し、ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信し、前記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて、前記目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合である、ことを特徴とする岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システム。
【請求項34】
前記メインコントローラ及び/又は前記レーザレーダは岸壁クレーンに装着されている、ことを特徴とする請求項33に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システム。
【請求項35】
前記車両コントローラは停車するトラックに装着されている、ことを特徴とする請求項33に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システム。
【請求項36】
各前記レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る1つの車道を走査するためにのみ使用され、各前記メインコントローラは、1つの前記レーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するためにのみ使用される、ことを特徴とする請求項33に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システム。
【請求項37】
各前記レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る少なくとも2つの車道を走査するために使用され、各前記メインコントローラは、1つの前記レーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するためにのみ使用される、ことを特徴とする請求項33に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システム。
【請求項38】
各前記レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る1つの車道を走査するためにのみ使用され、各前記メインコントローラは、少なくとも2つの前記レーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するために使用される、ことを特徴とする請求項33に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システム。
【請求項39】
各前記レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る少なくとも2つの車道を走査するために使用され、各前記メインコントローラは、少なくとも2つの前記レーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するために使用される、ことを特徴とする請求項33に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システム。
【請求項40】
前記メインコントローラに接続されたビークルツーエブリシングV2Xデバイス、及び前記車両コントローラに接続されたV2Xデバイスをさらに含む、ことを特徴とする請求項33に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システム。
【請求項41】
前記メインコントローラ及び/又は前記レーザレーダに電力を供給するための給電デバイスをさらに含む、ことを特徴とする請求項33に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システム。
【請求項42】
前記給電デバイスは、岸壁クレーンの給電システムから電力を取得する、ことを特徴とする請求項41に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システム。
【請求項43】
前記給電デバイスが停電した時に前記メインコントローラ及び/又は前記レーザレーダに電力を供給するための無停電電源UPSをさらに含む、ことを特徴とする請求項41に記載の岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システム。
【請求項44】
レーザレーダとメインコントローラとが装着されており、
前記メインコントローラは、第1のプロセッサと、第1のメモリと、第1のメモリに記憶され、第1のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記第1のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車処理を実行し、該処理は、
車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信することと、
レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得することと、
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することと、
反復最接近点ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信することにより、前記車両コントローラは前記リアルタイム距離に応じて、前記停車するトラックを前記目標停車位置に停止するように制御することであって、前記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて前記目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合であることとを含む、ことを特徴とする岸壁クレーン。
【請求項45】
前記メインコントローラに接続されたビークルツーエブリシングV2Xデバイスがさらに装着されている、ことを特徴とする請求項44に記載の岸壁クレーン。
【請求項46】
前記メインコントローラ及び/又は前記レーザレーダに電力を供給するための給電デバイスがさらに装着されている、ことを特徴とする請求項44に記載の岸壁クレーン。
【請求項47】
前記給電デバイスは、岸壁クレーンの給電システムから電力を取得する、ことを特徴とする請求項46に記載の岸壁クレーン。
【請求項48】
前記給電デバイスが停電した時に前記メインコントローラ及び/又は前記レーザレーダに電力を供給するための無停電電源UPSがさらに装着されている、ことを特徴とする請求項46に記載の岸壁クレーン。
【請求項49】
車両コントローラが装着されており、
前記車両コントローラは、第2のプロセッサと、第2のメモリと、第2のメモリに記憶され、第2のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記第2のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車処理を実行し、該処理は、
停車するトラックの停車要求を送信することと、
メインコントローラが前記停車要求に対して送信した前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を受信することと、
前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離に応じて、前記停車するトラックを前記目標停車位置に停止するように制御することとを含み、
前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離は、次のように計算され、
メインコントローラは、車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信し、レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得し、前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得し、ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信し、前記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて、前記目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合である、ことを特徴とする自動車。
【請求項50】
前記車両コントローラには、前記自動車のアクセル制御システムとブレーキシステムとが接続されている、ことを特徴とする請求項49に記載の自動車。
【請求項51】
前記車両コントローラに接続されたビークルツーエブリシングV2Xデバイスが装着されている、ことを特徴とする請求項49に記載の自動車。
【請求項52】
車載測位デバイスが装着されている、ことを特徴とする請求項50に記載の自動車。
【請求項53】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるときに、岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車処理を実現し、該処理は、
車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信することと、
レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得することと、
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することと、
反復最接近点ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信することにより、前記車両コントローラは前記リアルタイム距離に応じて、前記停車するトラックを前記目標停車位置に停止するように制御することであって、前記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて前記目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合であることとを含む、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項54】
コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるときに、岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車処理を実現し、該処理は、
停車するトラックの停車要求を送信することと、
メインコントローラが前記停車要求に対して送信した前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を受信することと、
前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離に応じて、前記停車するトラックを前記目標停車位置に停止するように制御することとを含み、
前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離は、次のように計算され、
メインコントローラは、車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信し、レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得し、前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得し、ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信し、前記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて、前記目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合である、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年12月26日に中国専利局に出願され、出願番号が201811602327.0の、発明の名称が「岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法、デバイス及びシステム」の中国特許出願の優先権を主張し、引用によってその内容全体を本願に援用する。
【0002】
<技術分野>
本発明は、知能交通の技術分野に関し、より具体的には、本願の実施形態は、岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法、デバイス及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
この部分は、特許請求の範囲に記載の本願の実施形態に背景又はコンテキストを提供することを意図している。ここでの説明は、この部分に含まれているからといって、従来の技術であると認めるものではない。
【0004】
現在、一般的な車両の停車方法は、車載測位デバイス又は車載カメラなどで車両と停車位置を測位することが多いが、この方法は誤差が大きく、速度が遅いなどの欠点があり、特に大型トラックの精確な停車に適していない。
【0005】
コンテナ用岸壁クレーンは岸壁クレーンとも呼ばれ、港埠頭でコンテナを積み下ろす専用クレーンであり、主に専用のコンテナ用吊り具を用いてコンテナの積み下ろし作業を完了する。岸壁クレーンの積み下ろし効率は、港の荷物輸送能力に直接影響する。岸壁クレーンの効率的な積み下ろし作業は、トラックの停車に対して比較的高い要求が提出され、トラックを岸壁クレーンの下方の目標停車位置に迅速且つ精確に停車することが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のコンテナの積み下ろし作業では、トラックがブレーキをかけた後、一度に目標停車位置に精確に停車できないことが多く、人為的な指導によりトラックを前後に移動しないと精確な停車ができず、コンテナの積み下ろし作業の効率が大幅に低下する。したがって、トラックが精確に停車できるか否かは、現在のコンテナの積み下ろし作業における技術的な難点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の問題を鑑みて、本願は、上記の問題を克服するか、又は少なくとも部分的に上記の問題を解決する、岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法、デバイス及びシステムを提供するために提案される。
【0008】
本願の実施形態の第1の態様では、メインコントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法を提供しており、該方法は、
車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信することと、
レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得することと、
前記リアルタイム点群データをクラスタリングして前記停車するトラックの点群集合を取得することと、
ICPアルゴリズムを用いて前記停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信することであって、前記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて前記目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合であることとを含む。
【0009】
本願の実施形態の第2の態様では、車両コントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法を提供しており、該方法は、
停車するトラックの停車要求を送信することと、
メインコントローラから送信された前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を受信することと、
前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離に応じて、前記停車するトラックを前記目標停車位置に停止するように制御することとを含む。
【0010】
本願の実施形態の第3の態様では、第1のプロセッサと、第1のメモリと、第1のメモリに記憶され、第1のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含むメインコントローラを提供しており、前記第1のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに上記のメインコントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法の各ステップを実行する。
【0011】
本願の実施形態の第4の態様では、第2のプロセッサと、第2のメモリと、第2のメモリに記憶され、第2のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含む車両コントローラを提供しており、前記第2のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行するときに上記の車両コントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法の各ステップを実行する。
【0012】
本願の実施形態の第5の態様では、上記のメインコントローラ、上記の車両コントローラ及びレーザレーダを含む岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システムを提供する。
【0013】
本願の実施形態の第6の態様では、レーザレーダと上記のメインコントローラとが装着されている岸壁クレーンを提供する。
【0014】
本願の実施形態の第7の態様では、上記の車両コントローラが装着されている自動車を提供する。
【0015】
本願の実施形態の第8の態様では、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を提供しており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるときに、上記のメインコントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法の各ステップを実現する。
【0016】
本願の実施形態の第9の態様では、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を提供しており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるときに、上記の車両コントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法の各ステップを実現する。
【0017】
上記技術案により、本願は、反復最接近点(Iterative Closest Points,ICP)アルゴリズムを用いてトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を計算し、該リアルタイム距離に応じて、トラックを一度に目標停車位置に精確に停止するように制御し、停車過程全体が、人による指示が必要なく自動的に完了し、センチメートルレベルの精度を達成できるだけでなく、実施コストが低く、可搬性が高い。
【0018】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の明細書で説明され、且つ明細書から部分的に明らかになるか、或いは本発明を実施することにより理解される。本発明の目的及び他の利点は、記載された明細書、特許請求の範囲、及び図面で特に指摘される構造により実現及び取得することができる。
【0019】
以下、図面及び実施例によって、本発明の技術案をさらに詳細に説明する。
【0020】
図面は、本発明のさらなる理解を提供するために使用され、且つ明細書の一部を構成し、本発明の実施例と共に、本発明を説明するために使用され、本発明を限定するものではない。以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な労働を行わない前提で、これらの図面に従って他の図面を取得できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本願の実施例に係る使用シナリオを示す模式図である。
図2】本願の実施例に係る岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法のフローを示す模式図である。
図3】本願の実施例に係るメインコントローラ、レーザレーダ及び車道の構成モードを示す模式図である。
図4】本願の一実施例に係る初期平行移動行列の決定方法を示す模式図である。
図5】本願の一実施例に係るトラックがコンテナの船からの下ろしタスクを実行する過程における岸壁クレーンエリアでの精確な停車を示す模式図である。
図6】本願の一実施例に係るトラックがコンテナの船からの下ろしタスクを実行する過程における岸壁クレーンエリアでの精確な停車を示す模式図である。
図7】本願の実施例に係るメインコントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法のフローを示す模式図である。
図8】本願の実施例に係る車両コントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法のフローを示す模式図である。
図9】本願の実施例に係る岸壁クレーンを示す模式図である。
図10】本願の実施例に係る自動車を示す模式図である。
図11】本願の実施例に係る岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システムを示す模式図である。
【0022】
図面において、同じ又は対応する記号は、同じ又は対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、当業者が本発明の技術案をよりよく理解できるようにするために、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明確且つ完全に説明し、説明される実施例は、本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わない前提で得られるすべての他の実施例は、本発明の保護範囲に属すべきである。
【0024】
当業者は、本願の実施形態がシステム、装置、デバイス、方法、又はコンピュータプログラム製品として実現可能であることを知っている。したがって、本開示は、以下の形態、即ち、完全なハードウェア、完全なソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせの形態として具体的に実現可能である。
【0025】
以下、理解を容易にするために、本願に係る専門用語を説明する。
【0026】
(1)目標停車位置:岸壁クレーンの吊り具がトラックのトレーラー上のコンテナを吊り上げるか、或いはコンテナをトラックのトレーラー上に下ろすことがちょうどできるときにトラックが所在する位置である。岸壁クレーンが跨る各車道は平行であり、岸壁クレーンの橋枠は各車道に垂直であるため、各車道には目標停車位置がある。車道の延長方向において、各車道の目標停車位置は1つの最前端と1つの最後端があり、車道の垂直方向において、各車道の目標停車位置の最前端は同じ直線上に位置し、最後端も同じ直線上に位置する。
【0027】
(2)停車識別線:トラックを目標停車位置に停止するように指示するための識別子であり、例えば、岸壁クレーンの門枠ガーダに描かれた垂直線であり、トラックが停車標識線に従って停止すると、トラックはちょうど目標停車位置に停止する。岸壁クレーンが跨る各車道は平行であり、岸壁クレーンの橋枠は各車道に垂直であるため、各車道の目標停車位置は同じ停車識別線に対応する。
【0028】
(3)反復最接近点(Iterative Closest Points,ICP)アルゴリズム:異なる点集合間の平行移動行列と回転行列を計算するために使用できる。
【0029】
(4)本明細書の「及び/又は」という用語は、関連する対象の関連関係を説明するものにすぎず、3種類の関係が存在可能であることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在する状況、A及びBが同時に存在する状況、Bのみが存在する状況の3種類を示せる。また、本文の記号「/」は、通常、前後の関連する対象が「又は」の関係にあることを示す。
【0030】
(5)本明細書で言及する「自動運転車」とは、自動運転技術を使用して実現された、人間の運搬機能(ファミリーカー、バスなどのようなタイプ)、荷物の運搬機能(普通のトラック、バン、密閉型トラック、タンクローリー、平板トラック、コンテナトラック、ダンプトラック、特殊構造トラックなどのようなタイプ)又は特殊な救助機能(消防車、救急車などのようなタイプ)を備えた車両を指す。
【0031】
また、本明細書の図面中の任意の要素数は、いずれも限定ではなく、例示のために使用され、さらに任意の命名は、区別のためにのみ使用され、限定する意味を持たないことを理解する必要がある。
【0032】
発明の概要
図1はコンテナの積み下ろし作業の模式図を示し、図1に示すように、岸壁クレーンは、橋枠11、トロリ走行機構12、吊り具13、海側門枠14、陸側門枠15、門枠ガーダ16、カート走行機構17、連結ガーダ24などの構造を含む。そのうち、連結ガーダ24は海側門枠14と陸側門枠15を連結するガーダであり、該ガーダは平行な複数の車道に跨り、トラック19はこれらの車道内を自由に通行できる。
【0033】
コンテナの積み下ろし作業の時に、カート走行機構17は、橋枠11が船舶21のコンテナ位置に直面するように岸壁レール20に沿って移動し、トロリ走行機構12は、橋枠11に沿って移動し、吊り具13は、トロリ走行機構12の下方に吊り下げてそれと共に移動する。船への積み作業では、吊り具13は、橋枠11に沿ってトラック19のコンテナが積載されているトレーラーに移動してコンテナ22を吊り上げてから、船舶21のコンテナ位置に移動してコンテナ22を下ろし、船からの下ろし作業では、吊り具13は、橋枠11に沿って船舶21のコンテナ位置に移動してコンテナ22を吊り上げてから、トラック19のトレーラーに移動してコンテナ22を下ろす。
【0034】
コンテナ22を吊り上げるときに、吊り具13は橋枠11に沿って移動することにより、異なる車道上のトラック19に対する操作を実現可能であるが、吊り具13は橋枠11に沿ってのみ移動でき、車道の延在方向において移動できないため、車道の延在方向において、吊り具13がトラック19のトレーラー上のコンテナ22を吊り上げ可能であるか、或いは、吊り具13がコンテナ22をトラック19のトレーラーに下ろし可能である位置にトラック19を停止する必要があり、即ち、トラック19を目標停車位置25に精確に停車する必要がある。
【0035】
トラック19の目標停車位置25への精確な停車を容易にするために、岸壁クレーンの門枠ガーダ16に停車識別線18が描かれ、トラック19を停車識別線18に従って停車するときに、岸壁クレーンの吊り具13がちょうどトラック19のトレーラー上のコンテナ22を吊り上げるか、或いはコンテナ22をトラック19のトレーラー上に下ろすようにすることができる。通常の状況では、トラック19が停車識別線18に従って停車することは、トラック19は、車両の後方に位置するトラックのトレーラーの側立面(以前は、トレーラーの後側立面と略称する)を停車識別線18が所在する垂直面と同一平面上にするまで走行すると、トラック19は停止することを指す。
【0036】
しかしながら、トラック19がブレーキをかけた後、トレーラーの後側立面と停車識別線18が所在する垂直面を同一平面にすることは一度に実現できないことが多く、つまり、目標停車位置25に一度に精確に停車できず、人為的な指導によりトラック19を前後に移動するように案内しないと精確に停車できず、コンテナの積み下ろし作業の効率が大幅に低下する。したがって、トラック19が精確に停車できるか否かは、現在のコンテナの積み下ろし作業における技術的な難点である。
【0037】
上記の問題を解決するための技術案がいくつかあり、例えば、
(1)いくつかの技術案は、車載グローバル測位システムGPS又はキャリア位相差RTK測位デバイスを使用して、トラックの位置を収集し、トラックの停車を制御するものであるが、GPS又はRTK測位デバイスは環境に対する要求が厳しく、開放された遮るもののない周囲環境が必要である。しかしながら、コンテナの積み下ろし作業中にトラックは岸壁クレーンの橋枠下方に留まり、岸壁クレーンの海/陸側門枠、橋枠、ガーダなどの大型鉄骨構造は、GPS及びRTK測位デバイスの信号を深刻にブロックするので、その結果、トラックが岸壁クレーンの周囲の一定の範囲に入ると、GPS又はRTK測位デバイスによって精確な自己測位を取得することができなくなる。
(2)車載カメラを使用して停車識別線を視覚的に測位することにより、トラックの停車を制御する技術案もいくつかあるが、アルゴリズムと計算能力に制限されるため、このような技術案はまだセンチメートルレベルの精確な停車を実現できない。
(3)車載レーザレーダを使用して、停車識別線を測位することにより、トラックの停車を制御する技術案もいくつかあり、このような技術案では、岸壁でのコンテナの積み下ろし作業を行う可能性のあるエリアで高反射率の塗料を十分に塗装する必要があるが、繁忙な港に対しては、塗料の摩耗が酷く、頻繁に再塗装する必要があるため、コストが高い。
【0038】
要約すると、既存の技術案は、車載デバイスだけでトラックの精確な停車をよく実現することは困難であり、さらにこのタイプの技術案は車載デバイスに対する要求が高く、精度が低く、コストが高く、可搬性が低く、大規模な普及が難しいなどの欠点がある。
【0039】
そのため、本願は、岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車案を提出し、該案は、まずレーザレーダを使用してすでに目標停車位置に停車したトラックを走査して車両点群モデルを取得し、次にコンテナの積み下ろし作業中にレーザレーダを再使用し、目標停車位置へ走行するトラックをリアルタイムで走査し、その点群集合を取得し、その後ICPアルゴリズムによってトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、トラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得し、最終的に該リアルタイム距離に応じてトラックを目標停車位置に精確に停止するように制御する。
【0040】
本願に係る岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車案は、センチメートルレベルの精度を達成できるだけでなく、実施コストが低く、可搬性が高い。
【0041】
本願の基本的な原理を説明した後、以下、本願のさまざまな非限定的な実施形態を具体的に説明する。
【0042】
使用シナリオの概要
本願の実施例は使用シナリオの例示を提供しており、図1に示すように、船舶は港に停泊しており、岸壁クレーンは船舶の停泊地の岸壁に位置し、岸壁クレーンの連結ガーダ24は複数の車道に跨っており、トラックはこれらの車道を走行する。岸壁クレーンの連結ガーダ24の底部に装着されたレーザレーダ23によってこれらの車道を走査してリアルタイム点群データを取得する。
【0043】
停車するトラックはコンテナの積み下ろしタスクを受信した後に岸壁クレーンへ走行し、停車するトラックの車両コントローラは停車要求を送信し、メインコントローラはレーザレーダ23で取得したリアルタイム点群データを用いて走行中の停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を計算して車両コントローラに通知し、車両コントローラは該リアルタイム距離に応じて停車するトラックを目標停車位置に精確に停止するように制御する。
【0044】
なお、図1に示される使用シナリオは本願の精神及び原理を容易に理解するために示されるものにすぎず、本願の実施形態は、この態様では如何なる限定もされない。反対に、本願の実施形態は、任意の適用可能なシナリオに適用可能である。
【0045】
例示的な方法
以下、図1の使用シナリオに関連して図2を参照しながら、本願の実施例に係る岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法を説明する。図2に示すように、本願の実施例は岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法を提供しており、該方法は、以下のステップを含む。
【0046】
ステップS100において、車両コントローラは停車するトラックの停車要求を送信する。
【0047】
トラックはコンテナの積み下ろし作業を実行する際に目標停車位置に精確に停止する必要があるため、具体的に実施する際、車両コントローラは所定の条件を満たすと判断したときにのみ停車要求を送信し、該所定の条件は、例えば、トラックと岸壁クレーンの間の距離(例えば、トラックの車載測位デバイスで取得された車載測位データと岸壁クレーンが所在する位置の間の距離を計算する)が所定の距離以下であると判断した場合であってもよく、岸壁クレーン(例えば、トラックの車載カメラで撮影した図像を視覚的に識別して岸壁クレーンを検出する)を検出した場合などであってもよい。
【0048】
本願では、車両コントローラは、基地局、WIFI、V2Xなどの無線通信方式によって停車要求を送信できる。いくつかの実施例において、車両コントローラは、トラックに装着されたV2Xデバイスを用いて停車要求をブロードキャストする。
【0049】
具体的に実施する際、車両コントローラが送信する停車要求には、岸壁クレーン識別子、コンテナ識別子、停車するトラックの車種、停車するトラックの車両識別子、コンテナが積載されているか否か、停車するトラックの車載測位デバイスで取得された測位データ、停車するトラックが所在する車道の番号、車両コントローラのMACアドレス、車両コントローラに接続されたV2X通信デバイスのMACアドレスなどのいくつかの情報の1つ又は複数が含まれる。
【0050】
いくつかの実施例において、車両コントローラはコンテナの積み下ろしタスクの命令を受信した後に、コンテナの積み下ろしタスクの命令を解析することにより、岸壁クレーン識別子、コンテナ識別子などの情報を取得する。そのうち、岸壁クレーン識別子とは、停車するトラックが今回のコンテナの積み下ろしタスクにおいて向かう必要のある岸壁クレーンを指し、該識別子は岸壁クレーンの番号及び/又は岸壁クレーンの位置情報(岸壁クレーンの位置情報は岸壁クレーンにGPS、RTKなどの測位装置を装着することにより取得可能である)であってもよく、コンテナ識別子とは、停車するトラックが今回のコンテナの積み下ろしタスクにおいて積み下ろすコンテナを指し、該識別子はコンテナの番号などであってもよい。
【0051】
ステップS200において、メインコントローラは停車要求を受信し、レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得する。
【0052】
いくつかの実施例において、レーザレーダは常に走査状態にあり、メインコントローラは停車要求を受信した後、直ちにレーザレーダによってリアルタイムで走査して得たリアルタイム点群データを取得する。
【0053】
停車するトラックが積み下ろすコンテナと該コンテナの積み下ろしを担当する岸壁クレーンを滞りなく見つけられるように、いくつかの実施例において、車両コントローラはブロードキャストによって停車要求を送信し、且つ停車要求に岸壁クレーン識別子を含め、メインコントローラは停車要求を受信して解析し、その中に含まれる岸壁クレーン識別子を自身が対応する岸壁クレーンと照合し、照合が成功すると、停車するトラックの車両コントローラと通信接続を確立する。例えば、メインコントローラは車両コントローラのMACアドレス、車両コントローラに接続されたV2X通信デバイスのMACアドレスなどによって、車両コントローラと通信接続を確立する。
【0054】
そのうち、メインコントローラが対応する岸壁クレーンとは、該メインコントローラに接続されたレーザレーダで走査した車道に跨る岸壁クレーンを指し、メインコントローラはそれが対応する岸壁クレーンの下方の1つ又は複数の車道上のトラックの精確な停車タスクを担当し、メインコントローラが対応する岸壁クレーンは1つ又は複数有してもよく、具体的に実施する際、メインコントローラは、自身が対応する岸壁クレーンの岸壁クレーン識別子リストをローカルで配置可能であり、車両コントローラによりブロードキャストされる停車要求を受信したときに、停車要求における岸壁クレーン識別子を該リストと照合し、照合が成功した岸壁クレーン識別子があると、メインコントローラは該停車要求をブロードキャストした車両コントローラと通信接続を確立することができる。このタイプの実施例において、車両コントローラはブロードキャストによってそれとの通信を確立可能なメインコントローラを検索し、上記の照合が成功すると、車両コントローラとメインコントローラの間の通信接続が正常に確立される。
【0055】
いくつかの実施例において、メインコントローラはV2Xデバイスを用いて車両コントローラによりブロードキャストされた停車要求を受信する。
【0056】
いくつかの実施例において、車両コントローラは受信したコンテナの積み下ろし作業の命令から岸壁クレーン識別子を解析し、ブロードキャストする停車要求に該岸壁クレーン識別子を含め、停車するトラックを該岸壁クレーン識別子が対応する岸壁クレーンへ走行するように制御する。例えば、埠頭管理システムTOSはコンテナの積み下ろし作業タスクを処理するときに、積み下ろす必要なコンテナをある岸壁クレーンに割り当て、割り当て結果に応じてコンテナ識別子を岸壁クレーン識別子と関連付けて車両コントローラに送信するコンテナの積み下ろし作業の命令にコンテナ識別子及び岸壁クレーン識別子を含め、そのうち、コンテナ識別子は停車するトラックがどのコンテナを積み下ろす必要があるかを示し、岸壁クレーン識別子は停車するトラックがどの岸壁クレーンに向かう必要があるかを示す。
【0057】
岸壁クレーンは通常、複数本の車道に跨るが、レーザレーダのレーザ射出光源の数(即ち、レインの数)と走査範囲は有限であるため、1つのレーザレーダは岸壁クレーンが跨る車道全体を同時に走査できないことが多く、複数のレーザレーダを配置する必要がある。また、メインコントローラとレーザレーダは独立した2種類のデバイスとして、両者間には複数の接続モードが存在する。上記の要因を考慮すると、具体的に実施する際、メインコントローラ、レーザレーダ及び車道は、図3に示すように、複数の構成モードを有することが可能である。
(a)1つのメインコントローラに1つのレーザレーダのみ接続され、1つのレーザレーダは1つの車道の走査作業のみ担当する。
(b)1つのメインコントローラに1つのレーザレーダのみ接続され、1つのレーザレーダは少なくとも2つの車道の走査作業を担当する。
(c)1つのメインコントローラに少なくとも2つのレーザレーダが接続され、1つのレーザレーダは1つの車道の走査作業のみ担当する。
(d)1つのメインコントローラに少なくとも2つのレーザレーダが接続され、1つのレーザレーダは少なくとも2つの車道の走査作業を担当する。
【0058】
具体的に実施する際、岸壁クレーンが跨る車道の総数、車道の幅、レーザレーダのレインの数及び走査範囲などの情報に応じて、どの構成モードを採用するかを統合的に決定でき、本願の実施例はこれを具体的に限定するものではない。
【0059】
いくつかの実施例において、上記のさまざまな構成モードのいずれか1つを採用しても、車両コントローラは送信する停車要求に停車するトラックが所在する車道の番号を含めることができ、メインコントローラは停車要求を受信した後にその中の車道番号に応じて停車するトラックが所在する車道を決定し、さらに該車道を走査するためのレーザレーダを決定することにより、該レーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得することができる。
【0060】
いくつかの実施例において、各メインコントローラは、いずれも、停車要求における車道番号に応じてレーザレーダを決定するように、メインコントローラ、レーザレーダ及び車道番号間の対応関係テーブルをローカルで配置可能である。
【0061】
ステップS300において、メインコントローラは取得したリアルタイム点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得する。
【0062】
具体的には、停車するトラックは岸壁クレーンが跨る車道内を走行してレーザレーダの走査範囲内に進入すると、レーザビームが停車するトラックに射出して戻り、レーザレーダに受光されることで、走査して得たリアルタイム点群データに停車するトラックが対応する点群が存在し、リアルタイム点群データをクラスタリングすることにより停車するトラックの点群集合を抽出することができる。
【0063】
該ステップでは、現在、一般的に任意の形状をクラスタリングするためのアルゴリズム、例えば、WaveCluster、ROCK、CURE、K-Prototypes、DENCLUE、DBSCANなどを採用可能である。
【0064】
岸壁クレーンが跨る車道は、通常、複数(例えば、6本)あり、これらの車道で同時に複数台のトラックが走行する可能性があるため、リアルタイム点群データには、複数台のトラックが対応する点群が同時に存在する可能性があり、この状況で、リアルタイム点群データをクラスタリングすると、複数のトラック(停車するトラック及び他のトラックを含む)の点群集合を取得する可能性があり、この点を考慮し、メインコントローラがリアルタイム点群データからクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得することを容易にするために、本願の実施例では、下記のようないくつかの処理方法を提供する。
【0065】
(1)いくつかの実施例において、車両コントローラは送信する停車要求に停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データを含め、メインコントローラはリアルタイム点群データをクラスタリングして1つ又は複数のトラックの点群集合を取得し、これらの点群集合のうちの上記測位データを含む点群集合を停車するトラックの点群集合として決定する。
【0066】
このタイプの実施例において、異なるトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データは、それぞれ異なるトラックの位置情報であり、該測位データによって異なるトラックを区別できるため、停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データを含む点群集合は、停車するトラックの点群集合である。
【0067】
具体的に実施する際、車載測位デバイスは、グローバル測位システムGPS測位デバイス、キャリア位相差RTK測位デバイス、北斗衛星測位システム測位デバイス、GLONASS測位システム測位デバイス、Galileo測位システム測位デバイス、グローバルナビゲーション衛星システムGNSS測位デバイス、超広帯域UWB測位デバイスなどであってもよい。
【0068】
(2)いくつかの実施例において、車両コントローラは、送信する停車要求に停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データを含め、メインコントローラは、リアルタイム点群データから上記測位データが対応する位置及びその周囲の所定の長さ内のエリアが対応する点群データを切り出し、切り出した点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得する。
【0069】
このタイプの実施例において、停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データは、停車するトラックの位置情報に対応し、メインコントローラは、上記測位データに応じて停車するトラックの位置を決定できるが、上記測位データが対応する位置は点位置であり、車体全体のそれぞれの位置を表すことができないため、トラックの車体長さに応じて所定の長さを決定し、さらに上記測位データが対応する位置及びその周囲の該所定の長さ内のエリアを決定することができ、よって、該エリアは車体全体をカバーできる。メインコントローラは、リアルタイム点群データから該エリアが対応する点群データを切り出し、その中に必ず停車するトラックが対応する点群が含まれ、それに対してクラスタリングすれば、停車するトラックの点群集合を取得可能である。
【0070】
(3)いくつかの実施例において、車両コントローラは、送信する停車要求に停車するトラックが所在する車道の番号を含め、メインコントローラは、停車するトラックが所在する車道の番号、及び既知の岸壁クレーンが跨る各車道とレーザレーダの相対的位置に応じて、リアルタイム点群データから停車するトラックが所在する車道の点群データを切り出し、リアルタイム点群データをクラスタリングして1つ又は複数のトラックの点群集合を取得し、前記1つ又は複数のトラックの点群集合のうちの、停車するトラックが所在する車道の点群データと共通部分がある点群集合を、停車するトラックの点群集合として決定する。
【0071】
このタイプの実施例において、レーザレーダの位置を決定すると、岸壁クレーンが跨る各車道とレーザレーダの相対的位置が決定され、既知の情報としてメインコントローラのローカルに記憶することができ、メインコントローラは、停車するトラックが所在する車道の番号に応じて、停車するトラックがどの車道で走行するかを決定し、各車道とレーザレーダの相対的位置関係に関連し、メインコントローラは、リアルタイム点群データから停車するトラックが所在する車道の点群データを切り出すことができ、メインコントローラは、リアルタイム点群データをクラスタリングして1つ又は複数のトラックの点群集合を取得した後に、そのうちの停車するトラックが所在する車道の点群データと共通部分がある点群集合を見つけ、該点群集合は停車するトラックの点群集合である。
【0072】
なお、このタイプの実施例において、岸壁クレーンがタスクを実行するときに、レーザレーダが走査して得た同一の車道の点群データのうち、最大1つのトラックの点群集合しかないことを確保するように、岸壁クレーンが跨る各車道で、同一の車道内で走行する隣のトラック間の距離をレーザレーダの走査範囲よりも大きくする必要がある。例えば、レーザレーダの走査範囲が40メートルであると、同一の車道内での隣のトラック間の距離を40メートルよりも大きくする必要がある。
(4)いくつかの実施例において、車両コントローラは、送信する停車要求に停車するトラックが所在する車道の番号を含め、メインコントローラは、停車するトラックが所在する車道の番号、及び既知の岸壁クレーンが跨る各車道とレーザレーダの相対的位置に応じて、リアルタイム点群データから停車するトラックが所在する車道の点群データを切り出し、切り出した点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得する。
【0073】
このタイプの実施例において、レーザレーダの位置を決定すると、岸壁クレーンが跨る各車道とレーザレーダの相対的位置が決定され、既知の情報としてメインコントローラのローカルに記憶することができ、メインコントローラは、停車するトラックが所在する車道の番号に応じて、停車するトラックがどの車道で走行するかを決定し、各車道とレーザレーダの相対的位置関係に関連し、メインコントローラは、リアルタイム点群データから停車するトラックが所在する車道の点群データを切り出すことができる。
【0074】
なお、このタイプの実施例において、岸壁クレーンがタスクを実行するときに、レーザレーダが走査して得た同一の車道の点群データのうち、最大1つのトラックの点群集合しかないことを確保するように、岸壁クレーンが跨る各車道で、同一の車道内で走行する隣のトラック間の距離をレーザレーダの走査範囲よりも大きくする必要もある。
【0075】
(5)いくつかの実施例において、車両コントローラは、送信する停車要求に停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データ及びそれが所在する車道の番号を含め、メインコントローラは、停車するトラックが所在する車道の番号、及び既知の岸壁クレーンが跨る各車道とレーザレーダの相対的位置に応じて、リアルタイム点群データから停車するトラックが所在する車道の点群データを切り出し、メインコントローラは、リアルタイム点群データをクラスタリングして1つ又は複数のトラックの点群集合を取得し、これらの点群集合のうちの、上記測位データを含み、且つ切り出した停車するトラックが所在する車道の点群データと共通部分がある点群集合を、停車するトラックの点群集合として決定する。
【0076】
このタイプの実施例において、異なるトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データは、それぞれ異なるトラックの位置情報であり、一般的には、該測位データによって異なるトラックを区別できるが、車載測位デバイスで取得された測位データに一定の誤差が存在し、且つ岸壁クレーンの下方の車道間の距離が比較的近いことを考慮し、測位データが近いものの異なる車道にあるトラックを区別するために、上記測位データを含み、且つ切り出した停車するトラックが所在する車道の点群データと共通部分がある点群集合を、停車するトラックの点群集合として決定することができる。
【0077】
ステップS400において、メインコントローラはICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得する。上記車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて、目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合である。
【0078】
ICPアルゴリズムは、異なる点集間の平行移動行列と回転行列を計算するために使用でき、停車するトラックの点群集合は、走行中の停車するトラックが対応する点集であり、車両点群モデルは、目標停車位置に精確に停車したトラックの点集であるため、ICPアルゴリズムを用いて上記の2種の点集を計算することにより、走行中の停車するトラックと目標停車位置に精確に停車したトラックの間の平行移動行列と回転行列を取得することができ、トラックは車道内でしか走行できないため、両者の回転行列を考慮しなくてよく、両者の平行移動行列に基づいて、走行中の停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得できる。
【0079】
港でコンテナの積み下ろし作業を行うトラックには異なる車種があることを考慮すると、レーザレーダによって異なる車種のトラックに対して走査して得た点群集合も異なるため、いくつかの実施例において、事前にレーザレーダを用いて、目標停車位置に停車した異なる車種の複数のトラックを走査して複数の車両点群モデルを取得し、これらの車両点群モデルを1つのモデルライブラリに記憶することができ、且つステップS400は次のように実行される。メインコントローラは停車するトラックの車種を決定し、モデルライブラリから停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択し、ICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合及び停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを計算する。
【0080】
例えば、モデルライブラリは複数の車両点群モデルa、b、c、d、e、f、gを含み、これらの車両点群モデルが対応する車種はそれぞれA、B、C、D、E、F、Gであり、停車するトラックの車種がFであると、メインコントローラは照合によって停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルをfに決定してから、ICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合とfを計算することができる。
【0081】
コンテナの積み下ろし業務を実行するために岸壁クレーンに来るすべてのトラックが、その点群集合と一致する車両点群モデルを見つけることができることを確保するために、具体的に実施するときに、モデルライブラリは港内でコンテナの積み下ろし作業を実行するすべてのトラック車種の車両点群モデルを含むべきであり、且つ、新しい車種のトラックが加わると、モデルライブラリにおける車両点群モデルもそれと共に更新する必要がある。
【0082】
コンテナの積み下ろし作業は船への積み、船からの下ろし2種類の作業に分けられるため、船への積み作業中に、トラックはコンテナを岸壁クレーンの下方の目標停車位置に搬送し、吊り具によってコンテナをトラックのトレーラーから船に吊り上げ、該過程において、トラックは目標停車位置へ走行するときに、そのトレーラー上にコンテナが積載されており、船からの下ろし作業中に、トラックは岸壁クレーンの下方の目標停車位置に走行して停止し、吊り具によってコンテナを船からトラックのトレーラー上に吊り下げてから、トラックによってコンテナをヤードに搬送して保管し、該過程において、トラックが目標停車位置へ走行するときに、そのトレーラー上は空いている。これにより、船への積み作業及び船からの下ろし作業中に、目標停車位置へ走行するトラックは、それぞれコンテナが積載されている場合とコンテナが積載されていない場合の2種類の状況に分けられ、それに応じてこの2種類の状況で取得された点群集合も異なることが分かる。
【0083】
上記の状況を考慮すると、いくつかの実施例において、事前にレーザレーダを用いて目標停車位置に停車した、車種が異なり、且つコンテナが積載されている複数のトラックを走査して複数の車両点群モデルを取得して、第1のモデルライブラリに記憶し、事前にレーザレーダを用いて目標停車位置に停車した、車種が異なり、且つコンテナ積載されていない複数のトラックを走査して得た複数の車両点群モデルを取得して、第2のモデルライブラリに記憶することができ、且つ、メインコントローラがモデルライブラリから停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択することは、次のように実行可能である。メインコントローラは停車するトラックにコンテナが積載されていると判断すると、第1のモデルライブラリから停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択し、メインコントローラは停車するトラックにコンテナが積載されていないと判断すると、第2のモデルライブラリから停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択する。
【0084】
コンテナの積み下ろし業務を実行するために岸壁クレーンに来るすべてのトラックが、その点群集合と一致する車両点群モデルを見つけることができることを確保するために、具体的に実施するときに、第1のモデルライブラリ及び第2のモデルライブラリは港内でコンテナの積み下ろし作業を実行するすべてのトラック車種の車両点群モデルを含むべきであり、且つ、港内で新しい車種のトラックが加わると、第1のモデルライブラリ及び第2のモデルライブラリにおける車両点群モデルもそれと共に更新すべきである。
【0085】
いくつかの実施例において、車両コントローラが送信する停車要求に停車するトラックの車種を含むと、メインコントローラは解析によって、停車要求を受信した後にその中から停車するトラックの車種を解析することができる。
【0086】
いくつかの実施例において、メインコントローラは、停車するトラックの車両識別子を取得してから、既知の車両識別子と車種の対応関係に応じて停車するトラックの車種を決定することができる。そのうち、車両識別子は車両番号であってもよい。
【0087】
いくつかの実施例において、メインコントローラは、停車するトラックのライセンスプレートを撮影して識別することにより、停車するトラックの車両識別子を取得する。例えば、メインコントローラはカメラを用いて停車するトラックのライセンスプレートを撮影する。
【0088】
いくつかの実施例において、車両コントローラが送信する停車要求に停車するトラックの車両識別子を含むと、メインコントローラは停車要求を受信した後にその中から該車両識別子を解析することができる。
【0089】
いくつかの実施例において、車両コントローラが送信する停車要求に停車するトラックにコンテナが積載されているか否かの情報が含まれていれば、メインコントローラは停車要求を受信した後にその中から該情報を解析して、該情報に従って停車するトラックにコンテナが積載されているか否かを判断することができる。
【0090】
いくつかの実施例において、車両コントローラはトレーラーの上方の水平方向において停車するトラックの前部からの所定の距離で物体が存在するか否かを検出することにより、停車するトラックにコンテナが積載されているか否かを判断して、検出結果に従って停車するトラックにコンテナが積載されているか否かの情報を生成する。例えば、トラックの車体形状によって、トレーラーにコンテナが積載されているときに該コンテナからトラックの前部までの水平距離を事前に決定し、トラックの前部に装着されたレーザ距離計を用いてトレーラーに向かって水平方向のレーザビームを射出し、反射されたレーザビームを受光した時間に応じてトレーラー上で停車するトラックの前部から上記水平距離の位置にコンテナが存在するか否かを判断することができる。
【0091】
ICPアルゴリズムは、停車するトラックの点群集合と車両点群モデルの間の回転行列と平行移動行列を反復の方法で計算し、そのうち、すべてのトラックは車道に沿って目標停車位置に走行するため、停車するトラックの点群集合と車両点群モデルの間の回転量は考慮しなくてもよく、即ち、回転行列は単位行列を採用してもよく、平行移動行列のみ計算すればよい。
【0092】
いくつかの実施例において、ステップS400では、メインコントローラはICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得することは、メインコントローラはICPアルゴリズムを用いて、停車するトラックの点群集合から車両点群モデルへの平行移動行列を計算してから、該平行移動行列に基づいて停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得することを含む。
【0093】
ICPアルゴリズムの反復過程で採用される初期平行移動行列は最終的に計算した結果の精確性に非常に重要な影響を与えるため、本願の実施例は次のような2種類の初期平行移動行列の決定方法を提供する。
【0094】
(1)いくつかの実施例において、停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルのうち、停車するトラックの走行方向における最も前方に位置する所定の数の点をそれぞれ決定し、停車するトラックの点群集合のうち、停車するトラックの走行方向における最も前方に位置する該所定の数の点の平均中心を第1の平均中心として決定し、第1の平均中心の座標は停車するトラックの点群集合のうちの該所定の数の点の座標の平均値であり、車両点群モデルのうち、停車するトラックの走行方向における最も前方に位置する該所定の数の点の平均中心を第2の平均中心として決定し、第2の平均中心の座標は車両点群モデルのうちの該所定の数の点の座標の平均値であり、第1の平均中心を第2の平均中心に平行移動するために使用される行列を初期平行移動行列として決定する。
【0095】
図4に示すように、停車するトラックの点群集合は座標系1に位置し、車両点群モデルは座標系2に位置し、停車するトラックの点群集合のうち、停車するトラックの走行方向における最も前方に位置するn個の点(破線枠により識別される)は、
【数1】
であり、i=1,2,3...nであり、第1の平均中心は
【数2】
であり、
【数3】
であり、
【数4】
であり、
【数5】
であり、
車両点群モデルのうち、停車するトラックの走行方向における最も前方に位置するn個の点(破線枠により識別される)は
【数6】
であり、i=1,2,3...nであり、第2の平均中心は
【数7】
であり、
【数8】
であり、
【数9】
であり、
【数10】
であり、
第1の平均中心
【数11】
を第2の平均中心
【数12】
に平行移動するために使用される行列を初期平行移動行列として決定する。
【0096】
(2)いくつかの実施例において、車両コントローラは、送信する停車要求に停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データを含め、メインコントローラは停車要求を解析することにより該測位データを取得すると、メインコントローラはICPアルゴリズムを用いて、停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算するときに、初期平行移動行列は、該測位データが対応する点を目標停車位置が対応する測位点に平行移動するために使用される行列である。そのうち、測位点は車両点群モデルの決定過程中にトラックを目標停車位置に停止したときにその車載測位デバイスで取得された測位データが対応する点である。
【0097】
車両点群モデルの決定過程中に使用されるトラックに車載測位デバイスが装着されており、トラックを目標停車位置に停止したときに、該トラック上の車載測位デバイスで取得された測位データにより決定された点は目標停車位置が対応する測位点である。
【0098】
このタイプの実施例において、車載測位デバイスは、GPS測位デバイス、RTK測位デバイス、北斗衛星測位システム測位デバイス、GLONASS測位システム測位デバイス、Galileo測位システム測位デバイス、グローバルナビゲーション衛星システムGNSS測位デバイス、UWB測位デバイスなどであってもよい。
【0099】
車両点群モデルは目標停車位置に精確に停車したトラックの点集であり、クラスタリングにより取得された停車するトラックの点群集合は走行中の停車するトラックの点集であるため、ICPアルゴリズムによって、クラスタリングにより取得された停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算すれば、走行中の停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得することができる。この過程において、車両点群モデルの精確度は最終的に計算した結果の精確性に直接影響を与える。しかしながら、現在の一般的なレーザレーダのライン数は限られており(例えば、32ライン、64ライン)、固定位置のレーザレーダを用いて目標停車位置に静止的に停車したトラックを走査するときに、レーザビームの数と射出方向に制限があり、レーザビームはトラック車体の少ないエリアにしか射出できず、取得された点群データもトラック車体の少ないエリアしか反映できず、そのクラスタリングして取得された点群集合(即ち、車両点群モデル)はトラックの車体全体の位置をうまく反映できず、ひいてはクラスタリングアルゴリズムによって車両点群モデルを取得することさえできない。
【0100】
上記の問題を克服するために、いくつかの実施例において、車両点群モデルはステップS402~S406に従って取得できる。
【0101】
ステップS402において、事前にレーザレーダを用いて、目標停車位置へ走行して最終的に目標停車位置に停車するトラックを走査する。
【0102】
いくつかの実施例において、目標停車位置へ走行して最終的に目標停車位置に停車するトラックとは、所定の停車識別線へ走行して停車識別線に従って停車するトラックを指す。
【0103】
例えば、停車識別線は岸壁クレーンの門枠ガーダに描かれた、トレーラーの前側立面又は後側立面に対して設置された垂直線であり、トラックは停車識別線へ走行してそのトレーラーの前側立面又は後側立面と停車識別線が同一の垂直面にあるときに停車する。
【0104】
いくつかの実施例において、停車識別線は、岸壁クレーンの門枠ガーダに描かれた、トレーラーの後側立面に対して設置された垂直線であり、トラックは停車識別線へ走行してそのトレーラーの後側立面と停車識別線が同一の垂直面にあるときに停車する。
【0105】
ステップS404において、トラックが目標停車位置に到達していない時の点群データを、目標停車位置に到達した時の点群データが所在する座標系へ変換する。
【0106】
具体的に実施する際、該過程はICPアルゴリズムを用いて異なる座標系間の点群データの変換を実現することができる。
【0107】
ステップS406において、変換して得た点群集合を車両点群モデルとして決定する。
【0108】
ステップS402~S406はレーザレーダを用いて運動中のトラックを走査することであり、この方法でレーザビームをトラック車体のより多くのエリアに射出でき、それに応じて、取得された点群データはトラック車体のより多くのエリアを反映し、取得された車両点群モデルもトラック車体のより多くのエリアを反映し、これによりトラックの車体全体の位置をよりよく反映し、ICPアルゴリズムの要求を満たし、計算結果の精確性を向上させることができる。
【0109】
岸壁クレーンが跨る各車道の最前端と最後端はそれぞれ同じ直線上にあり、且つ走行するトラックと目標停車位置の間の距離は、両者の平行移動行列により直接取得可能であるため、岸壁クレーンが跨る各車道のいずれか1つの車道上の目標停車位置を選択して車両点群モデルを決定することができ、決定された車両点群モデルはそのいずれか1つの車道上で走行するトラックと目標停車位置の間の距離の計算に使用できる。
【0110】
ステップS500において、車両コントローラは停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離に応じて、停車するトラックを目標停車位置に停止するように制御する。
【0111】
コンテナの積み下ろし作業を安全に実行することを確保するために、トラックを岸壁クレーンが跨る車道で低速で走行させるよう、岸壁クレーンが跨る車道の制限速度は一般的に低く設定されており、この状況を考慮し、いくつかの実施例において、ステップS500は次のように実行される。車両コントローラは、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離が無動力惰性走行距離(即ち、トラックは無動力状態で惰性により惰性走行する距離)よりも小さく、且つ両者の差値が予定の閾値以下であると判断すると、アクセル閉信号を発行して停車するトラックのアクセルの閉鎖を制御し、停車するトラックを目標停車位置まで惰性走行して停止させる。
【0112】
具体的に実施する際、該予定の閾値を0に近い値に設定可能であり、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離は無動力惰性走行距離よりも小さく、且つ両者の差値は予定の閾値以下であることは、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離が、無動力惰性走行距離に非常に近いことを指し、この時、車両コントローラはアクセル閉信号を発行し、停車するトラックは無動力の状況で惰性によって目標停車位置まで惰性走行して停止する。
【0113】
車両の無動力惰性走行距離は、車両の走行速度、車体の重量、タイヤの性能、路面の摩擦係数に関連し、そのうち、走行速度、車体の重量、タイヤの性能などのデータは、停車するトラックの中央制御システムから収集可能であり、路面の摩擦係数は事前に車両コントローラに設定可能であり、車両コントローラはこれらのデータを取得した後に、停車するトラックの無動力惰性走行距離を計算可能である。
【0114】
上記の停車するトラックが無動力の状態で惰性によって目標停車位置まで惰性走行して停止する実施形態では、無動力惰性走行距離の精確度に比較的高い要求が提出され、車両コントローラにより計算した無動力惰性走行距離が精確ではないと、停車するトラックは慣性によって目標停車位置まで惰性走行して停止できなくなる可能性がある。この点を考慮し、停車するトラックを目標停車位置に精確に停止することをさらに確保するために、いくつかの実施例において、ステップS500は次のように実行されてもよい。車両コントローラは、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離が無動力惰性走行距離よりも小さく、且つ両者の差値が予定の閾値以下であると判断すると、アクセル閉信号を発行して停車するトラックのアクセルの閉鎖を制御し、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離が所定のブレーキ距離よりも小さく、且つ停車するトラックの走行速度が所定の速度よりも大きいと判断すると、ブレーキ信号を発行して、停車するトラックにブレーキをかけ、目標停車位置に停止するように制御する。
【0115】
この実施形態では、車両コントローラはアクセル閉信号を発行して、停車するトラックを惰性によって惰性走行する無動力状態にする過程において、さらに、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離が所定のブレーキ距離よりも小さく、且つ停車するトラックの走行速度が所定の速度よりも大きいと判断したときに、ブレーキ信号を発行して、停車するトラックにブレーキをかけ、目標停車位置に停止するように制御する。
【0116】
そのうち、所定のブレーキ距離、所定の速度、ブレーキ信号の間には次の関係が存在する。ブレーキ信号の作用下で、停車するトラックの走行速度が該所定の速度から停止まで低下する過程において、停車するトラックが走行した距離はちょうど該所定のブレーキ距離に等しい。
【0117】
車両のブレーキ距離は車両のブレーキ制動力、ブレーキ時の走行速度、車体の重量及びタイヤの性能に関連し、ブレーキ制動力はブレーキ信号に直接関連するため、車両コントローラは、事前に車両の過去のブレーキデータ(例えば、過去の各回のブレーキ過程中のブレーキ速度とブレーキ距離など)及び車両の中央制御システムから収集された走行速度、車体の重量及びタイヤの性能などのデータに応じて、車両の所定のブレーキ距離、所定の速度及びブレーキ信号を計算することができる。
【0118】
実施例1
図5に示すように、番号がAD1000の岸壁クレーンは、番号がそれぞれE1~E6の6本の車道に跨り、岸壁クレーンの連結ガーダの底部に番号がそれぞれLidar1~Lidar6の6つのレーザレーダが装着され、Lidar1~Lidar6はそれぞれE1~E6を走査し、即ち、各レーザレーダは1本の車道の走査を担当し、メインコントローラMにレーザレーダLidar1~Lidar6が接続され、岸壁クレーンAD1000の下方の各車道上のトラックの精確な停車タスクを担当した。
【0119】
メインコントローラMは、ローカルで、
(1)レーザレーダ番号Lidar1~Lidar6と、
(2)岸壁クレーン番号AD1000と、
(3)車道番号E1~E6と、
(4)第1のモデルライブラリ及び第2のモデルライブラリとが記憶され、そのうち、第1のモデルライブラリにおける車両点群モデルは、コンテナが積載されているトラックに対応し、第2のモデルライブラリにおける車両点群モデルは、コンテナが積載されていないトラックに対応し、車両点群モデルが対応するトラックの車種はSQ01~SQ09、BQ01~BQ09を含んだ。
【0120】
番号がK007の停車するトラックは、コンテナの船からの下ろしタスクの命令を受信し、該命令は、経度と緯度の位置が(Lon1,Lat1)の岸壁クレーンAD1000でコンテナJZX2019を積載するように指示した。停車するトラックK007は該命令を受信した後に、車載ナビゲーションデバイスによって岸壁クレーンAD1000へ走行し、車両コントローラは、リアルタイムで停車するトラックK007の車載GPS測位デバイスにより取得された測位データ(Lon2,Lat2)を取得し、停車するトラックのリアルタイム測位データ(Lon2,Lat2)と位置(Lon1,Lat1)を比較することにより、停車するトラックK007と岸壁クレーンAD1000の間の距離を判断し、両者間の距離が50メートル未満であると、車両コントローラは車載V2Xデバイスによって停車要求をブロードキャストし、該停車要求に、
(1)車両番号K007と、
(2)岸壁クレーン番号AD1000と、
(3)車種SQ07と、
(4)リアルタイム測位データ(Lon2,Lat2)と、
(5)コンテナが積載されていない情報とが含まれ、該情報の生成方法は次の通りであった。停車するトラックは、トラックの前部に装着されたレーザ距離計を用いて、トレーラーに向かって水平方向のレーザビームを射出し、反射されたレーザビームを受光した時間に応じてトレーラー上でコンテナが積載されているか否かを判断し、判断結果によって該情報を生成した。
【0121】
メインコントローラMは、V2Xデバイスによって上記停車要求を受信した後に、それを解析することにより岸壁クレーン番号AD1000を取得し、メインコントローラMがローカルで記憶した岸壁クレーン番号と比較することにより、該停車するトラックを該メインコントローラMにより担当される岸壁クレーンAD1000の下方で精確に停車する必要があることを決定するため、メインコントローラMは確認メッセージを返し、停車するトラックK007の車両コントローラと通信接続を確立した。
【0122】
メインコントローラMは、上記停車要求を解析してリアルタイム測位データ(Lon2,Lat2)をさらに取得し、メインコントローラMは、それに接続された各レーザレーダLidar1~Lidar6により走査して得たリアルタイム点群データを取得し、これらのリアルタイム点群データをクラスタリングして複数のトラックの点群集合を取得し、これらの点群集合のうちの、リアルタイム測位データ(Lon2,Lat2)を含む点群集合を停車するトラックK007の点群集合として決定した。
【0123】
メインコントローラMは、上記停車要求を解析して車種SQ07及びコンテナが積載されていない情報をさらに取得したため、メインコントローラMは、第2のモデルライブラリから車種SQ07が対応する車両点群モデルK1-K2-MX-SQ07を抽出した。
【0124】
メインコントローラMはICPアルゴリズムを用いて、停車するトラックK007の点群集合及び車両点群モデルK1-K2-MX-SQ07を計算し、停車するトラックK007から目標停車位置までの距離を取得して車両コントローラに送信した。そのうち、ICPアルゴリズム反復計算で使用される回転行列は単位行列であり、初期平行移動行列は停車するトラックの点群集合のうち、目標停車位置に最も近いN個の点の平均中心を車両点群モデルK1-K2-MX-SQ07の目標停車位置に最も近いN個の点の平均中心に平行移動するために使用される行列であった。
【0125】
停車するトラックK007の走行過程において、車両コントローラは、第1の所定の周波数に従って停車要求を持続的に送信し、メインコントローラMは、第2の所定の周波数に従って、レーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを持続的に取得し、クラスタリングして停車するトラックK007の点群集合を取得し、該第2の所定の周波数に従って、ICPアルゴリズムを用いて、停車するトラックK007の点群集合及び車両点群モデルK1-K2-MX-SQ07を計算し、停車するトラックK007から目標停車位置までのリアルタイム距離を取得し、最終的に計算したリアルタイム距離を車両コントローラに送信した。
【0126】
車両コントローラは、メインコントローラMからのリアルタイム距離を受信するたびに、該リアルタイム距離に応じて、停車するトラックK007の走行速度を調整する必要があるか否かを判断し、これにより停車するトラックK007を最終的に目標停車位置に精確に停止するように制御した。
【0127】
岸壁クレーンAD1000はコンテナJZX2019を停車するトラックK007のトレーラー上に積載してコンテナの船からの下ろしタスクを完了した。
【0128】
実施例2
図6に示すように、番号がAD1000の岸壁クレーンは、番号がそれぞれE1~E6の6本の車道に跨り、岸壁クレーンの連結ガーダの底部に番号がそれぞれLidar1、Lidar2の2つのレーザレーダが装着され、Lidar1は車道E1~E3の走査を担当し、Lidar2はE4~E6の走査を担当し、即ち、各レーザレーダは3本の車道の走査を担当し、メインコントローラMにレーザレーダLidar1、Lidar2が接続され、岸壁クレーンAD1000の下方の各車道上のトラックの精確な停車タスクを担当した。
【0129】
メインコントローラMは、ローカルで、
(1)レーザレーダ番号Lidar1、Lidar2と、
(2)岸壁クレーン番号AD1000と、
(3)車道番号E1~E6と、
(4)第1のモデルライブラリ及び第2のモデルライブラリとが記憶され、そのうち、第1のモデルライブラリにおける車両点群モデルは、コンテナが積載されているトラックに対応し、第2のモデルライブラリにおける車両点群モデルは、コンテナが積載されていないトラックに対応し、車両点群モデルが対応するトラックの車種はSQ01~SQ09、BQ01~BQ09を含んだ。
【0130】
番号がK007の停車するトラックは、コンテナの船への積みタスクの命令を受信し、該命令は、経度と緯度の位置が(Lon1,Lat1)の岸壁クレーンAD1000でコンテナJZX2019を積載するように指示した。停車するトラックK007は該命令を受信した後に、車載ナビゲーションデバイスによって岸壁クレーンAD1000へ走行し、車両コントローラはリアルタイムで停車するトラックK007の車載GPS測位デバイスにより取得された測位データ(Lon2,Lat2)を取得し、停車するトラックのリアルタイム測位データ(Lon2,Lat2)と位置(Lon1,Lat1)を比較することにより、停車するトラックK007と岸壁クレーンAD1000の間の距離を判断し、両者間の距離が50メートル未満であると、車両コントローラは車載V2Xデバイスによって停車要求をブロードキャストし、該停車要求には、
(1)車両番号K007と、
(2)岸壁クレーン番号AD1000と、
(3)車道番号E4と、
(4)リアルタイム測位データ(Lon2,Lat2)と、
(5)コンテナが積載されている情報とが含まれた。
【0131】
メインコントローラMは、V2Xデバイスによって上記停車要求を受信した後に、それを解析することにより岸壁クレーン番号AD1000を取得し、メインコントローラMがローカルで記憶した岸壁クレーン番号と比較することにより、該停車するトラックを該メインコントローラMにより担当される岸壁クレーンAD1000の下方で精確に停車する必要があることを決定するため、メインコントローラMは確認メッセージを返し、停車するトラックK007の車両コントローラと通信接続を確立した。
【0132】
メインコントローラMは、上記停車要求を解析して車道番号E4をさらに取得し、車道E4とレーザレーダLidar2の間の相対的位置に応じて、リアルタイム点群データから車道E4の点群データを切り出し、車道E4の点群データをクラスタリングして停車するトラックK007の点群集合(同一の車道内で走行する隣のトラック間の距離をレーザレーダの走査範囲よりも大きく設定したため、同一の車道の点群データのうち最大1つのトラックの点群集合しかない)を取得した。
【0133】
メインコントローラMは、上記停車要求を解析して車両番号K007をさらに取得したため、車両番号及び車種間の対応関係に応じて、停車するトラックK007の車種をSQ07に決定した。
【0134】
メインコントローラMは、上記停車要求を解析してコンテナが積載されている情報をさらに取得したため、メインコントローラMは、第1のモデルライブラリから車種SQ07が対応する車両点群モデルK1-MX-SQ07を抽出した。
【0135】
メインコントローラMはICPアルゴリズムを用いて、停車するトラックK007の点群集合及び車両点群モデルK1-MX-SQ07を計算し、停車するトラックK007から目標停車位置までの距離を取得して車両コントローラに送信した。そのうち、ICPアルゴリズム反復計算で使用される回転行列は単位行列であり、初期平行移動行列はリアルタイム測位データ(Lon2,Lat2)が対応する点を目標停車位置の測位点(Lon3,Lat3)に平行移動するために使用される行列であり、そのうち、目標停車位置の測位点(Lon3,Lat3)は、車両点群モデルK1-MX-SQ07の決定過程で車種がSQ07のトラックが目標停車位置に停止したときに、その車載測位デバイスにより取得された測位データが対応する点であった。
【0136】
停車するトラックK007の走行過程において、車両コントローラは、第1の所定の周波数に従って停車要求を持続的に送信し、メインコントローラMは、第2の所定の周波数に従ってレーザレーダLiadar2により走査して得たリアルタイム点群データを持続的に取得し、クラスタリングして停車するトラックK007の点群集合を取得し、該周波数に従って、ICPアルゴリズムを用いて、停車するトラックK007の点群集合及び車両点群モデルK1-MX-SQ07を計算し、停車するトラックK007から目標停車位置までのリアルタイム距離を取得し、最終的に計算したリアルタイム距離を車両コントローラに送信した。
【0137】
車両コントローラは、メインコントローラMからのリアルタイム距離を受信するたびに、該リアルタイム距離に応じて、停車するトラックK007の走行速度を調整する必要があるか否かを判断し、これにより停車するトラックK007を目標停車位置に精確に停止するように制御した。
【0138】
岸壁クレーンAD1000はコンテナJZX2019を停車するトラックK007のトレーラーから船に吊り上げ、コンテナの船への積みタスクを完了した。
【0139】
同じ発明の思想に基づいて、本願の実施例は、メインコントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法を提供しており、図7に示すように、該方法は、
車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信するステップA100と、
レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得するステップA200と、
リアルタイム点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得するステップA300と、
ICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信することにより、車両コントローラが該リアルタイム距離に応じて、停車するトラックを目標停車位置に停止するように制御するステップであって、車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合であるステップA400とを含む。
【0140】
いくつかの実施例において、ICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算することは、
停車するトラックの車種を決定することと、
モデルライブラリから停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択することと、
ICPアルゴリズムを用いて、停車するトラックの点群集合、及び停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを計算することであって、モデルライブラリは、事前にレーザレーダを用いて、目標停車位置に停車した、異なる車種の複数のトラックを走査して得た複数の車両点群モデルを含むこととを含む。
【0141】
いくつかの実施例において、モデルライブラリから停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択することは、
停車するトラックにコンテナが積載されていると判断すると、第1のモデルライブラリから、停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択することであって、第1のモデルライブラリは、事前にレーザレーダを用いて目標停車位置に停車した、車種が異なり、且つコンテナが積載されている複数のトラックを走査して得た複数の車両点群モデルを含むことと、停車するトラックにコンテナが積載されていないと判断すると、第2のモデルライブラリから、停車するトラックの車種と一致する車両点群モデルを選択することであって、第2のモデルライブラリは、事前にレーザレーダを用いて目標停車位置に停車した、車種が異なり、且つコンテナが積載されていない複数のトラックを走査して得た複数の車両点群モデルを含むこととを含む。
【0142】
いくつかの実施例において、停車するトラックの車種を決定することは、停車要求から停車するトラックの車両識別子を解析し、既知の車両識別子と車種の対応関係に応じて停車するトラックの車種を決定することを含む。
【0143】
いくつかの実施例において、停車するトラックの車種を決定することは、停車要求から停車するトラックの車種を解析することを含む。
【0144】
いくつかの実施例において、ICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得することは、
ICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合から車両点群モデルへの平行移動行列を計算することと、
前記平行移動行列によって、前記停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得することとを含む。
【0145】
いくつかの実施例において、ICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合から車両点群モデルへの平行移動行列を計算することは、
初期平行移動行列を決定することであって、初期平行移動行列は、停車するトラックの点群集合のうち、目標停車位置に最も近い所定の数の点の平均中心から、車両点群モデルのうち、目標停車位置に最も近い所定の数の点の平均中心に平行移動するために使用される行列であり、平均中心の座標は、所定の数の点の座標の平均値であることと、
初期平行移動行列を用いて、停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを反復計算し、前記停車するトラックの点群集合から前記車両点群モデルへの平行移動行列を取得することとを含む。
【0146】
いくつかの実施例において、ICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合から車両点群モデルへの平行移動行列を計算することは、
停車要求から、停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データを解析することと、
初期平行移動行列を決定することであって、初期平行移動行列は、測位データが対応する点を目標停車位置が対応する測位点に平行移動するために使用される行列であり、測位点は、車両点群モデルの決定過程でトラックが目標停車位置に停止したときに、その車載測位デバイスにより取得された測位データが対応する点であることと、
初期平行移動行列を用いて、停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを反復計算し、前記停車するトラックの点群集合から前記車両点群モデルへの平行移動行列を取得することとを含む。
【0147】
いくつかの実施例において、停車するトラックにコンテナが積載されているか否かを判断することは、停車要求から停車するトラックにコンテナが積載されているか否かの情報を解析し、該情報に従って停車するトラックにコンテナが積載されているか否かを判断することを含む。
【0148】
いくつかの実施例において、停車要求を受信することは、停車要求を受信して岸壁クレーン識別子を解析し、岸壁クレーン識別子を自身が対応する岸壁クレーンと照合し、照合が成功すると、車両コントローラと通信接続を確立することを含む。
【0149】
いくつかの実施例において、V2Xデバイスによって停車要求を受信する。
【0150】
いくつかの実施例において、車両点群モデルは次のように決定され、
事前にレーザレーダを用いて、目標停車位置へ走行して最終的に目標停車位置に停車するトラックを走査し、
トラックが目標停車位置に到達していない時の点群データを、目標停車位置に到達した時の点群データが所在する座標系へ変換し、
変換して得た点群集合を車両点群モデルとして決定する。
【0151】
いくつかの実施例において、事前にレーザレーダを用いて、目標停車位置へ走行して最終的に目標停車位置に停車するトラックを走査することは、
事前にレーザレーダを用いて、所定の停車識別線へ走行して停車識別線に従って停車するトラックを走査することを含む。
【0152】
いくつかの実施例において、停車識別線に従って停車することは、
トラックのトレーラーの後側立面が停車識別線と同一の垂直面にあるときに停車することを含む。
【0153】
いくつかの実施例において、リアルタイム点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得することは、
停車要求から、停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データを解析することと、
リアルタイム点群データをクラスタリングして1つ又は複数のトラックの点群集合を取得し、1つ又は複数のトラックの点群集合のうち、測位データを含む点群集合を停車するトラックの点群集合として決定することとを含む。
【0154】
いくつかの実施例において、リアルタイム点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得することは、
停車要求から、停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データを解析することと、
リアルタイム点群データから、測位データが対応する位置及びその周囲の所定の長さ内のエリアが対応する点群データを切り出し、切り出した点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得することとを含む。
【0155】
いくつかの実施例において、リアルタイム点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得することは、
停車要求から停車するトラックが所在する車道の番号を解析することと、
停車するトラックが所在する車道の番号、及び既知の岸壁クレーンが跨る各車道とレーザレーダの相対的位置に応じて、リアルタイム点群データから停車するトラックが所在する車道の点群データを切り出すことと、
リアルタイム点群データをクラスタリングして1つ又は複数のトラックの点群集合を取得することと、
1つ又は複数のトラックの点群集合のうちの、停車するトラックが所在する車道の点群データと共通部分がある点群集合を、停車するトラックの点群集合として決定することとを含む。
【0156】
いくつかの実施例において、リアルタイム点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得することは、
停車要求から停車するトラックが所在する車道の番号を解析することと、
停車するトラックが所在する車道の番号、及び既知の岸壁クレーンが跨る各車道とレーザレーダの相対的位置に応じて、リアルタイム点群データから停車するトラックが所在する車道の点群データを切り出し、切り出した点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得することとを含む。
【0157】
いくつかの実施例において、レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得することは、
停車要求から停車するトラックが所在する車道の番号を解析することと、
停車するトラックが所在する車道の番号に応じて、車道を走査するためのレーザレーダを決定して該レーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得することとを含む。
【0158】
いくつかの実施例において、各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る1つの車道を走査するためにのみ使用され、各メインコントローラは、1つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するためにのみ使用される。
【0159】
いくつかの実施例において、各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る少なくとも2つの車道を走査するために使用され、各メインコントローラは、1つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するためにのみ使用される。
【0160】
いくつかの実施例において、各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る1つの車道を走査するためにのみ使用され、各メインコントローラは、少なくとも2つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するために使用される。
【0161】
いくつかの実施例において、各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る少なくとも2つの車道を走査するために使用され、各メインコントローラは、少なくとも2つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するために使用される。
【0162】
図7に示されるメインコントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法と、図2に示される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法とは、同じ発明の思想に基づいて実現され、且つ同じ非限定的な実施形態を有し、具体的には、上記の図2に示される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法の説明を参照可能であるため、ここでは繰り返さない。
【0163】
同じ発明思想に基づいて、本願は車両コントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法を提供しており、図8に示すように、該方法は、
停車するトラックの停車要求を送信するステップB100と、
メインコントローラが停車要求に対して送信した停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を受信するステップB200と、
停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離に応じて、停車するトラックを目標停車位置に停止するように制御するステップB300とを含む。
【0164】
そのうち、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離は、次のように計算され、
メインコントローラは、車両コントローラから送信された停車するトラックの停車要求を受信し、レーザレーダで岸壁クレーンが跨る車道を走査して得たリアルタイム点群データを取得し、リアルタイム点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得し、ICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信し、車両点群モデルは、事前にレーザレーダを用いて、目標停車位置に停車したトラックを走査して得た点群集合である。
【0165】
いくつかの実施例において、送信される停車するトラックの停車要求には、
停車するトラックの車両識別子と、
停車するトラックの車種と、
停車するトラックの車載測位デバイスにより収集された測位データと、
停車するトラックが所在する車道の番号と、
停車するトラックにコンテナが積載されているか否かの情報と、
岸壁クレーン識別子とのいずれか1項又は複数の項が含まれる。
【0166】
いくつかの実施例において、該車両コントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法は、
トレーラーの上方の水平方向において、停車するトラックの前部から所定の距離に物体が存在するか否かを検出することにより、停車するトラックにコンテナが積載されているか否かを判断することと、
検出結果に従って、停車するトラックにコンテナが積載されているか否かの情報を生成することとをさらに含む。
【0167】
いくつかの実施例において、該車両コントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法は、
コンテナの積み下ろし作業の命令を受信することと、
コンテナの積み下ろし作業の命令から岸壁クレーン識別子を解析することと、
停車するトラックを岸壁クレーン識別子が対応する岸壁クレーンへ走行するように制御することとをさらに含む。
【0168】
いくつかの実施例において、停車するトラックの停車要求を送信することは、ビークルツーエブリシング(vehicle to everything)V2Xデバイスによって停車するトラックの停車要求をブロードキャストすることを含む。
【0169】
いくつかの実施例において、停車するトラックの停車要求を送信することは、
停車するトラックと岸壁クレーンの間の距離が所定の距離以下であると決定したときに停車要求を送信すること、又は、岸壁クレーンを検出したときに停車要求を送信することを含む。
【0170】
いくつかの実施例において、停車するトラックを目標停車位置に停止するように制御することは、停車するトラックのアクセル制御システム及びブレーキシステムを制御することにより、停車するトラックを目標停車位置に停止するように制御することを含む。
【0171】
図8に示される車両コントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法と、図2に示される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法とは、同じ発明の思想に基づいて実現され、且つ同じ非限定的な実施形態を有し、具体的には、上記の図2に示される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法の説明を参照可能であるため、ここでは繰り返さない。
【0172】
同じ発明の思想に基づいて、本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供しており、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるときに、本願の実施例に係るメインコントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法の各ステップを実行する。該コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線、又は半導体のシステム、装置又はデバイス、或いは上記のいずれかの組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、該コンピュータ可読記憶媒体は、1つ又は複数の導線を有する電気的接続、ポータブルディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス又は上記のいずれかの適切な組み合わせであってもよい。
【0173】
同じ発明の思想に基づいて、本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供しており、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるときに、本願の実施例に係る車両コントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法の各ステップを実行する。該コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線、又は半導体のシステム、装置又はデバイス、或いは上記のいずれかの組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、該コンピュータ可読記憶媒体は、1つ又は複数の導線を有する電気的接続、ポータブルディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス又は上記のいずれかの適切な組み合わせであってもよい。
【0174】
例示的なデバイス
同じ発明の思想に基づいて、本願の実施例は、第1のプロセッサと、第1のメモリと、第1のメモリに記憶され、第1のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含むメインコントローラをさらに提供しており、第1のプロセッサは、コンピュータプログラムを実行するときに図7のメインコントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法を実行する。
【0175】
第1のメモリにおけるコンピュータプログラムが実行されるときに実行される方法と、図2に示される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法とは、同じ発明の思想に基づいて実現され、且つ同じ非限定的な実施形態を有し、具体的には、上記の例示的な方法のうちの図2に示される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法の説明を参照可能であるため、ここでは繰り返さない。
【0176】
好ましくは、本願では、第1のプロセッサは回路、チップ、又は他の電子部品により実現可能である。例えば、第1のプロセッサは、1つ又は複数のマイクロコントローラ、1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ又は複数の特定用途向け回路(ASIC)、1つ又は複数のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、1つ又は複数の集積回路などをさらに含んでもよい。
【0177】
好ましくは、本願では、第1のメモリは回路、チップ、又は他の電子部品により実現可能である。例えば、第1のメモリは、1つ又は複数の読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、電気的プログラム可能なメモリ(EPROM)、電気的プログラム可能で消去可能なメモリ(EEPROM)、組み込みマルチメディアカード(eMMC)、ハードドライブ、或いはいずれの揮発性又は不揮発性媒体などを含んでもよい。
【0178】
本願の実施例では、メインコントローラは、産業用コンピュータ、サーバ、PC、ポータブルコンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA、iMacなどの形態のコンピュータデバイスであってもよい。
【0179】
同じ発明の思想に基づいて、本願の実施例は、第2のプロセッサと、第2のメモリと、第2のメモリに記憶され、第2のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含む車両コントローラをさらに提供しており、第2のプロセッサは、コンピュータプログラムを実行するときに図8の車両コントローラに適用される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法を実行する。
【0180】
第2のメモリにおけるコンピュータプログラムが実行されるときに実行される方法と、図2に示される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法とは、同じ発明の思想に基づいて実現され、且つ同じ非限定的な実施形態を有し、具体的には、上記の例示的な方法のうちの図2に示される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法の説明を参照可能であるため、ここでは繰り返さない。
【0181】
好ましくは、本願では、第2のプロセッサは回路、チップ、又は他の電子部品により実現可能である。例えば、第2のプロセッサは、1つ又は複数のマイクロコントローラ、1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ又は複数の特定用途向け回路(ASIC)、1つ又は複数のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、1つ又は複数の集積回路などをさらに含んでもよい。
【0182】
好ましくは、本願では、第2のメモリは回路、チップ、又は他の電子部品により実現可能である。例えば、第2のメモリは、1つ又は複数の読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、電気的プログラム可能なメモリ(EPROM)、電気的プログラム可能で消去可能なメモリ(EEPROM)、組み込みマルチメディアカード(eMMC)、ハードドライブ、或いはいずれかの揮発性又は不揮発性媒体などを含んでもよい。
【0183】
本願の実施例では、車両コントローラは、DSP(Digital Signal Processing,デジタルシグナルプロセッサ)、FPGA(Field-Programmable Gate Array,フィールドプログラマブルゲートアレイ)コントローラ、産業用コンピュータ、自動車用コンピュータ、ECU(Electronic Control Unit,電子制御ユニット)、ARM又はVCU(Vehicle Control Unit,車両全体コントローラ)などであってもよいが、本願では具体的に限定されない。
【0184】
同じ発明の思想に基づいて、本願の実施例は岸壁クレーンをさらに提供しており、図9に示すように、該岸壁クレーンにレーザレーダとメインコントローラとが装着されている。
【0185】
そのうち、レーザレーダ、メインコントローラは、岸壁クレーンの橋枠、海側門枠、陸側門枠、門枠ガーダ又は連結ガーダに装着できる。レーザレーダは、該岸壁クレーンが跨る車道を走査するために使用され、メインコントローラは、レーザレーダによって車道を走査して取得したリアルタイム点群データを取得し、取得したリアルタイム点群データをクラスタリングして停車するトラックの点群集合を取得するために使用され、ICPアルゴリズムを用いて停車するトラックの点群集合及び車両点群モデルを計算し、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を取得して送信することにより、停車するトラックを目標停車位置に精確に停止する。
【0186】
いくつかの実施例において、該岸壁クレーンには、メインコントローラに接続されたV2Xデバイスがさらに装着されている。
【0187】
いくつかの実施例において、該岸壁クレーンには、メインコントローラ及び/又はレーザレーダに電力を供給するための給電デバイスがさらに装着されている。
【0188】
いくつかの実施例において、上記給電デバイスは、岸壁クレーンの給電システムから電力を取得する。
【0189】
いくつかの実施例において、岸壁クレーンの給電システムの突然の停電によって上記給電デバイスが電力を供給できないなどの緊急事態に対処するために、該岸壁クレーンには、上記給電デバイスが停電した時にメインコントローラ及び/又はレーザレーダに電力を供給するための無停電電源UPS(Uninterruptible Power System)がさらに装着されている。
【0190】
同じ発明の思想に基づいて、本願の実施例は自動車をさらに提供しており、図10に示すように、該自動車には車両コントローラが装着されている。そのうち、該車両コントローラは、停車するトラックの停車要求を送信し、メインコントローラが送信した停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離を受信し、停車するトラックから目標停車位置までのリアルタイム距離に応じて、停車するトラックを目標停車位置に停止するように制御するために使用される。
【0191】
いくつかの実施例において、該車両コントローラには、自動車のアクセル制御システムとブレーキシステムとが接続されている。即ち、車両コントローラは、自動車のアクセル制御システム及びブレーキシステムを制御することにより、停車するトラックを目標停車位置に停止するように制御する目的を間接的に達成する。
【0192】
いくつかの実施例において、該自動車には、該車両コントローラに接続されたビークルツーエブリシングV2Xデバイスがさらに装着されている。
【0193】
いくつかの実施例において、該自動車には、測位データを取得するための車載測位デバイスがさらに装着されている。
【0194】
該自動車は、人間により運転される従来の車両(ファミリーカー、エンジニアリング車両、消防車、救急車、トラックなど)であってもよく、自動運転車であってもよく、ガソリン、ディーゼルなどの従来のエネルギーを消費する車両であってもよく、電気エネルギー、太陽エネルギーなどの新しいエネルギーを消費する車両であってもよい。そのうち、自動運転車とは、自動運転技術を使用して実現される、人間の運搬機能(ファミリーカー、バスなどのようなタイプ)、荷物の運搬機能(普通のトラック、バン、密閉型トラック、タンクローリー、平板トラック、コンテナトラック、ダンプトラック、特殊構造トラックなどのようなタイプ)又は特殊な救助機能(消防車、救急車などのようなタイプ)を備えた車両を指す。
【0195】
例示的なシステム
同じ発明の思想に基づいて、本願の実施例は、岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システムをさらに提供しており、図11に示すように、該システムは、メインコントローラ、車両コントローラ及びレーザレーダを含む。
【0196】
該岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システムの動作原理は、図2に示される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法を参照可能であるため、ここでは繰り返さない。
【0197】
該岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システムでは、レーザレーダは16ライン、32ライン、又は64ラインのタイプを選択可能であり、レーザビームの数が多いほど、走査して得た点群データが車両の車体全体をカバーしやすくなり、それに応じて、コストも高くなり、メインコントローラ及び車両コントローラのハードウェア構成構造は、例示的なデバイスで説明されたため、ここでは繰り返さない。
【0198】
該岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システムと、図2に示される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法とは、同じ発明の思想に基づいて実現され、且つ同じ非限定的な実施形態を有し、具体的には、上記の例示的な方法のうちの図2に示される岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車方法の説明を参照可能であるため、ここでは繰り返さない。
【0199】
レーザレーダによって岸壁クレーンが跨る車道を走査する目的を実現するために、具体的に実施するときに、レーザレーダをコンテナの積み下ろし作業の現場の機械設備又は専用支持フレームに取り付けることができる。さらに、岸壁クレーンが移動するときにレーザレーダの重複取り付けとデバッグの過程を省くために、いくつかの実施例において、レーザレーダは岸壁クレーン上(例えば、連結ガーダの底部)に固着され、これにより岸壁クレーンが移動するときに、レーザレーダと岸壁クレーンの相対的位置はそのまま固定し、レーザレーダは常に岸壁クレーンが跨る車道を走査する。
【0200】
いくつかの実施例において、メインコントローラは岸壁クレーン上(例えば、連結ガーダの底部又は岸壁クレーンの制御室内)に固着され、レーザレーダに接続されている。
【0201】
いくつかの実施例において、車両コントローラは停車するトラックに装着されている。
【0202】
いくつかの実施例において、車両コントローラは、停車するトラック以外に装着されたデバイスであり、例えば、ある場所に固定して装着されたデバイス又は任意のモバイルデバイスに装着されたデバイスであり、これらの実施例において、車両コントローラは、基地局、WIFIなどの無線通信方式で停車するトラックの動力システムを制御することにより、停車するトラックの停車を間接的に制御する。
【0203】
いくつかの実施例において、図3の(a)に示すように、メインコントローラ、レーザレーダ及び車道は次のようなモードに設置される。各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る1つの車道を走査するためにのみ使用され、各メインコントローラは、1つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するためにのみ使用される。
【0204】
いくつかの実施例において、図3の(b)に示すように、メインコントローラ、レーザレーダ及び車道は次のようなモードに設置される。各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る少なくとも2つの車道を走査するために使用され、各メインコントローラは、1つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するためにのみ使用される。
【0205】
いくつかの実施例において、図3の(c)に示すように、メインコントローラ、レーザレーダ及び車道は次のようなモードに設置される。各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る1つの車道を走査するためにのみ使用され、各メインコントローラは、少なくとも2つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するために使用される。
【0206】
いくつかの実施例において、図3の(d)に示すように、メインコントローラ、レーザレーダ及び車道は次のようなモードに設置される。各レーザレーダは、岸壁クレーンが跨る少なくとも2つの車道を走査するために使用され、各メインコントローラは、少なくとも2つのレーザレーダにより走査して得たリアルタイム点群データを取得するために使用される。
【0207】
いくつかの実施例において、図11に示すように、該岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システムは、メインコントローラに接続されたV2Xデバイス、及び車両コントローラに接続されたV2Xデバイスをさらに含む。
【0208】
いくつかの実施例において、図11に示すように、該岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システムは、メインコントローラ及び/又はレーザレーダに電力を供給するための給電デバイスをさらに含む。
【0209】
いくつかの実施例において、上記給電デバイスは、岸壁クレーンの給電システムから電力を取得する。
【0210】
いくつかの実施例において、該岸壁クレーンエリアでのトラックの精確な停車制御システムは、上記給電デバイスが停電した時にメインコントローラ及び/又はレーザレーダに電力を供給するための無停電電源UPSをさらに含む。
【0211】
以上、本願の目的、技術案及び有益な効果を詳細に説明したが、上記は、本願の具体的な実施例にすぎず、本願の保護範囲を限定するためのものではないことを理解すべきである。本願の精神及び原則内で行われるあらゆる修正、等価の置換及び改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【0212】
図面において本願の方法の操作を特定の順序で説明したが、これは、この特定の順序でこれらの操作或いはすべての示された操作を実行しなければ、希望する結果を達成できないことが要求又は暗示されるものではない。追加的又は代替的に、いくつかのステップを省略したり、複数のステップを1つのステップに合併して実行したり、及び/又は1つのステップを複数のステップに分解して実行したりしてもよい。
【0213】
当業者はまた、本願の実施例に列挙されたさまざまな例示的な論理ブロック(illustrative logical block)、ユニット、及びステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又は両者の組み合わせによって実現可能であることを理解することができる。ハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に示すために、上記のさまざまな例示的なコンポーネント(illustrative components)、ユニット、及びステップは、汎用的にそれらの機能を説明した。このような機能がハードウェアで実現されるかソフトウェアで実現されるかは、特定のアプリケーションとシステム全体の設計要求により決められる。当業者は、特定のアプリケーションごとにさまざまな方法を使用して前記機能を実現可能であるが、このような実現は、本願の実施例の保護範囲を超えると理解されるべきではない。
【0214】
本願の実施例で説明されるさまざまな例示的な論理ブロック、又はユニット、又は装置は、いずれも汎用プロセッサ、ジタルシグナルプロセッサ、定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ又はその他のプログラマブル論理装置、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品又は上記のいずれかを組み合わせた設計により、説明される機能を実現する、又は操作することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよく、好ましくは、該汎用プロセッサは、いずれかの従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又はステートマシンであってもよい。プロセッサは、コンピューティング装置の組み合わせにより実現されてもよく、例えば、デジタルシグナルプロセッサとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、1つのデジタルシグナルプロセッサコアと組み合わせた1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又はいずれの他の類似な構成により実現されてもよい。
【0215】
本願の実施例で説明される方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュール又はこの両者の組み合わせに直接組み込み可能である。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、又はその当技術分野の他のいずれの形態の記憶媒体に記憶可能である。例示的に、記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を記憶及び書き込むことができるようにプロセッサに接続可能である。好ましくは、さらに記憶媒体をプロセッサに統合可能である。プロセッサと記憶媒体はASICに設置可能であり、ASICはユーザ端末に設置可能である。好ましくは、プロセッサと記憶媒体はさらにユーザ端末の異なるコンポーネントに設置可能である。
【0216】
1つ又は複数の例示的な設計では、本願の実施例で説明された上記機能はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこの3つの任意の組み合わせにより実現可能である。ソフトウェアにおいて実現される場合、これらの機能は、コンピュータ可読媒体に記憶するか、或いは1つ又は複数の指令又はコードの形でコンピュータ可読媒体に伝送することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする通信媒体とを含む。記憶媒体は、汎用又は特殊なコンピュータによりアクセスできる任意の使用可能な媒体であってもよい。例えば、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、或いは他の光ディスク記憶、磁気ディスク記憶又は他の磁気記憶装置、或いは、指令やデータ構造及び他の汎用や特殊なコンピュータ、又は汎用や特殊なプロセッサによって読み取り可能な形態、のプログラムコードを、伝送又は記憶するための他のいずれかの媒体を含むが、これらに限定されない。また、いずれの接続もコンピュータ可読媒体として適切に定義可能であり、例えば、ソフトウェアがWebサイト、サーバ、又はその他のリモートソースから、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、ジタル加入者回線(DSL)を介して、或いは、例えば、赤外線、無線、及びマイクロ波などの無線手段により伝送されれば、定義されるコンピュータ可読媒体にも含まれる。前記ディスク(disk)と磁気ディスク(disc)には、圧縮磁気ディスク、レーザディスク、光ディスク、DVD、フロッピーディスク、及びブルーレイディスクが含まれ、磁気ディスクは、通常、データを磁気的にコピーし、ディスクは、通常、レーザを使用してデータを光学的にコピーする。上記の組み合わせは、コンピュータ可読媒体に含めることもできる。
図1
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図11