(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】荷物システム
(51)【国際特許分類】
A45C 13/00 20060101AFI20230627BHJP
A45C 5/03 20060101ALI20230627BHJP
A45C 5/00 20060101ALI20230627BHJP
A45C 5/14 20060101ALI20230627BHJP
A45C 13/02 20060101ALI20230627BHJP
A45C 13/10 20060101ALI20230627BHJP
A45C 13/26 20060101ALI20230627BHJP
A45C 13/36 20060101ALN20230627BHJP
【FI】
A45C13/00 D
A45C5/03
A45C5/00 D
A45C5/14 E
A45C13/00 F
A45C13/02 Z
A45C13/10 P
A45C13/26 K
A45C13/36 B
(21)【出願番号】P 2021539546
(86)(22)【出願日】2020-01-06
(86)【国際出願番号】 US2020012404
(87)【国際公開番号】W WO2020142777
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-07-06
(32)【優先日】2019-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515284526
【氏名又は名称】イエティ クーラーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Yeti Coolers,LLC
【住所又は居所原語表記】7601 Southwest Parkway,AustinTX 78735,USA
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス、スティーブ チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ボンデュース、アンディー
(72)【発明者】
【氏名】シーズコ、マイケル クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ロンバルディ―、ニコラス ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ、カイル エドワード
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0021132(US,A1)
【文献】実公昭46-028827(JP,Y1)
【文献】登録実用新案第3208907(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 13/00
A45C 5/03
A45C 5/00
A45C 5/14
A45C 13/02
A45C 13/10
A45C 13/26
A45C 13/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スーツケースであって、
ベースであって、
第1の側面と、前記第1の側面に対向する第2の側面とを含む第1のシェル構造であって、前記第1のシェル構造は、第1の端部と、前記第1の端部に対向する第2の端部とを有し、前記第1の側面は、第1の外向き面と、第2の外向き面とを有し、前記第2の外向き面は、前記第1の外向き面から第1の固定距離だけオフセットされている、第1のシェル構造と、
前記第1のシェル構造の第1の端部に接続され、表面で前記スーツケースを支持するように構成された底部と、
前記第1のシェル構造および前記底部によって画定される第1の内部空隙と、
前記第2の外向き面に配置された下部ヒンジ凹部と、
前記第2の外向き面に位置する下部ラッチ凹部であって、前記下部ラッチ凹部は裏面と、下面と、一対の側面と、を有する下部ラッチ凹部と
を含む、ベースと、
前記ベースに回転可能に接続された蓋であって、前記蓋は、
第3の側面と、前記第3の側面に対向する第4の側面とを含む第2のシェル構造であって、前記第2のシェル構造は、第3の端部と、前記第3の端部に対向する第4の端部とを有し、前記第3の側面は、第3の外向き面および第4の外向き面を有し、前記第4の外向き面は、前記第3の外向き面から第2の固定距離だけオフセットされている、第2のシェル構造と、
前記第2のシェル構造の前記第3の端部に接続された頂部と、
前記第2のシェル構造および前記頂部によって画定される第2の内部空隙と、
前記第4の外向き面に位置する上部ラッチ凹部であって、前記上部ラッチ凹部は、裏面と、上面と、一対の側面と、を有する、上部ラッチ凹部と
を含む、蓋と、
前記下部ラッチ凹部および前記上部ラッチ凹部内に配置されたラッチ組立体であって、前記下部ラッチ凹部および前記上部ラッチ凹部が位置合わせされ、前記ラッチ組立体の厚さよりも大きい深さを有し、
前記スーツケースが閉鎖構成にあるとき、前記ラッチ組立体の周囲は、前記上部ラッチ凹部と下部ラッチ凹部との結合された周囲内に位置する、ラッチ組立体と、
前記下部ヒンジ凹部内に少なくとも部分的に受容されたヒンジ組立体であって、前記蓋は、前記ヒンジ組立体によって前記ベースに回転可能に接続され、前記ヒンジ組立体は、少なくとも2つのリンケージを備え、前記スーツケースが開放構成にあるとき、前記ヒンジ組立体はヒンジ軸を画定し、前記ヒンジ軸は、前記ベースの後縁部および前記蓋の後縁部の外側に位置し、
ベースヒンジインサートおよび蓋ヒンジインサートをさらに備え、前記ベースヒンジインサートおよび前記蓋ヒンジインサートは両方とも、前記少なくとも2つのリンケージを少なくとも部分的に受容する空洞を含む、ヒンジ組立体と、
前記ベースヒンジインサートに設置される第1のリンケージピン、及び前記蓋ヒンジインサートに設置される第2のリンケージピンであって、少なくとも1つのリンケージは、前記ベースヒンジインサートに設置される前記第1のリンケージピンに設置され、少なくとも1つのリンケージは、前記蓋ヒンジインサートに設置される前記第2のリンケージピンに設置される、前記ベースヒンジインサートに設置される第1のリンケージピン、及び前記蓋ヒンジインサートに設置される第2のリンケージピン
を備える、スーツケース。
【請求項2】
前記蓋は、前記第3の外向き面を通って前記第2の内部空隙内に延びる開口部を含まない、請求項1に記載のスーツケース。
【請求項3】
前記ヒンジ
組立体の一部は、上部ヒンジ凹部に配置され、前記上部ヒンジ凹部は、前記第4の外向き面に配置される、請求項1に記載のスーツケース。
【請求項4】
前記ベースは、一対の車輪組立体を含み、各車輪組立体は、前記ベースに形成された車輪凹部に取り付けられ、各車輪組立体は、車輪筐体および車輪を含む、請求項1に記載のスーツケース。
【請求項5】
各車輪筐体は、前記車輪凹部の周りの前記ベースの隣接する表面から固定距離だけ外側に離間した外向きフランジ面を含む、請求項4に記載のスーツケース。
【請求項6】
前記ベースの前記底部は、前記一対の車輪組立体間にテーパ領域を含み、前記テーパ領域は、前記底部の中央部分から前記テーパ領域の下面まで測定したときに、1度から30度の範囲内の角度を形成する、請求項4に記載のスーツケース。
【請求項7】
前記ベースは、前記第1のシェル構造の前記第2の端部に沿った第2の端面を含み、前記蓋は、前記第2のシェル構造の前記第4の端部に沿った第4の端面を含み、前記スーツケースが前記閉鎖構成にあるとき、前記第2の端面および前記第4の端面は、互いに離間している、請求項1に記載のスーツケース。
【請求項8】
前記第2の端面は、前記第2の端面から突出するシールリブを含み、前記第4の端面は、ガスケットを受容するチャネルを含み、前記スーツケースが前記閉鎖構成にあるとき、前記シールリブは、前記ガスケットと係合する、請求項7に記載のスーツケース。
【請求項9】
前記ベースは、前記下部ラッチ凹部の下の表面から前記底部の内面まで延びる複数のリブを含む、請求項1に記載のスーツケース。
【請求項10】
前記複数のリブの各リブは、各リブの厚さの8~10倍の範囲内の距離だけ互いに離間している、請求項9に記載のスーツケース。
【請求項11】
前記第1の内部空隙の第1の容積は、前記第2の内部空隙の第2の容積の10%以内である、請求項1に記載のスーツケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、荷物および荷物システムに関する。
〔関連出願の相互参照〕
【0002】
本出願は、2020年1月6日に出願された米国特許出願第16/735,013号明細書、2019年1月6日に出願された米国仮特許出願第62/788,886号明細書、および2019年1月6日に出願された米国仮特許出願第62/788,888号明細書に対する優先権を主張する。上記出願の全ては、その全体が参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
スーツケースは、衣類、履物、および他の材料または物品を輸送するために使用することができる。しかしながら、旅行の要求は、時々、スーツケースに損傷を与え、中身に損傷を与える可能性がある。飛行機で移動する場合も自動車で移動する場合も、スーツケース内の中身を保護するために、耐久性のある防水のスーツケースが必要になる場合がある。動きを容易にするために、トロリハンドルは、車輪付きのスーツケースを引っ張ったり押したりする簡単な手段をユーザに与える。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、ベースを有するスーツケースであって、第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを有する第1のシェル構造であって、第1のシェル構造は、第1の端部と、第1の側面に対向する第2の端部とを有し、第1の側面は、第1の外向き面と、第2の外向き面とを有する、スーツケースに関する。第2の外向き面は、第1の外向き面から第1の固定距離だけオフセットされてもよい。第1のシェル構造は、第1のシェル構造の第1の端部に接続され、表面でスーツケースを支持するように構成された底部を有することができる。第1の内部空隙は、第1のシェル構造および底部によって画定されてもよく、下部ラッチ凹部は、第2の外向き面に配置されてもよく、下部ラッチ凹部は、裏面、下面、および一対の側面を含む。スーツケースはまた、ベースに回転可能に接続された蓋を含むことができ、蓋は、第3の側面と、第3の側面に対向する第4の側面とを有する第2のシェル構造を含み、第2のシェル構造は、第3の端部と、第3の端部に対向する第4の端部とを含む。第3の側面は、第3の外向き面および第4の外向き面を有してもよく、第4の外向き面は、第3の外向き面から第2の固定距離だけオフセットされてもよい。第2のシェル構造はまた、第2のシェル構造の第3の端部に接続された頂部を含むことができる。第2の内部空隙は、第2のシェル構造および頂部と、第2の外向き面に配置された上部ラッチ凹部によって画定されてもよい。ラッチ組立体は、下部ラッチ凹部および上部ラッチ凹部内に配置されてもよく、下部ラッチ凹部および上部ラッチ凹部は、ラッチ組立体の厚さよりも大きい深さを有する。さらに、スーツケースが閉鎖構成にあるとき、ラッチ組立体の周囲は、上部ラッチ凹部と下部ラッチ凹部との結合された周囲内に位置する。蓋は、第1の外向き面を通って第2の内部空隙内に延びる開口部を含まなくてもよい。第2の外向き面は、ベースの全周に沿って延在してもよい。第4の外向き面はまた、蓋の全周に沿って延在してもよい。蓋は、少なくとも1つのヒンジによってベースに回転可能に接続される。少なくとも1つのヒンジの一部は、上部ヒンジ凹部および下部ヒンジ凹部に配置され、下部ヒンジ凹部は、第2の外向き面に配置され、上部ヒンジ凹部は、第4の外向き面に配置され得る。
【0005】
本開示のさらに他の態様は、蓋が少なくとも1つのヒンジによってベースに接続されたスーツケースであって、少なくとも1つのヒンジは、少なくとも2つのリンケージを備え、スーツケースが開放構成にあるとき、少なくとも1つのヒンジは、回転軸を画定し、回転軸は、ベースの後縁部および蓋の後縁部の外側に位置する。ベースは、一対の車輪組立体を含み、各車輪組立体は、ベースに形成された車輪凹部に取り付けられ、各車輪組立体は、車輪筐体および車輪を含み得る。各車輪筐体は、車輪凹部の周りのベースの隣接する表面から固定距離だけ外側に離間した外向きフランジ面を含み得る。ベースの底部はまた、一対の車輪組立体間にテーパ領域を含み、テーパ領域は、底部の中央部分からテーパ領域の下面まで測定したときに、1度から30度の範囲内の角度を形成し得る。ベースは、第1のシェル構造の第2の端部に沿った第2の端面を含み、蓋は、第2のシェル構造の第4の端部に沿った第4の端面を含み、スーツケースが閉鎖構成にあるとき、第2の端面および第4の端面は、互いに離間していることがある。第2の端面は、第2の端面から突出するシールリブを含むことがあり、第4の端面は、ガスケットを受容するチャネルを含むことがあり、スーツケースが閉鎖構成にあるとき、リブは、ガスケットと係合し得る。ベースは、下部ラッチ凹部の下の表面から底部の内面まで延びる複数のリブを含むことができ、複数のリブの各リブは、各リブの厚さの8~10倍の範囲内の距離だけ互いに離間している。第1の内部空隙の第1の容積は、第2の内部空隙の第2の容積の10%以内であり得る。本開示のさらに別の態様は、ベースを有するスーツケースであって、第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを有する第1のシェル構造であって、シェル構造は、第1の端部と、第1の側面に対向する第2の端部とを有し、第1の端部は、第1の外向き面と、第2の外向き面とを有する、スーツケースに関する。第2の外向き面は、第1の外向き面から第1の固定距離だけオフセットされてもよい。第1のシェル構造はまた、第1のシェル構造の第1の端部に接続された底部を含むことができる。第1の内部空隙は、第1のシェル構造および底部によって画定されてもよく、下部ヒンジ凹部は、第2の外向き面内に配置されてもよい。蓋はベースに回転可能に接続されることがあり、蓋は、第3の側面と、第3の側面に対向する第4の側面とを有する第2のシェル構造を含み、シェル構造は、第3の端部と、第3の端部に対向する第4の端部とを有する。第3の側面は、第3の外向き面および第4の外向き面を有してもよく、第4の外向き面は、第3の外向き面から第2の固定距離だけオフセットされる。第2のシェル構造は、シェル構造の第3の端部に接続された上部を有することがあり、第2の内部空隙は、第2のシェル構造と頂部とによって画定されてもよい。ヒンジ組立体は、下部ヒンジ凹部内に少なくとも部分的に受容されてもよく、蓋は、ヒンジ組立体によってベースに回転可能に接続される。ヒンジ組立体は、少なくとも2つのリンケージを含むことができる。スーツケースが開放構成にあるとき、少なくとも1つのヒンジ組立体は、ヒンジ軸を画定することができ、ヒンジ軸は、ベースの後縁部および蓋の後縁部の外側に位置する。ヒンジ組立体は、上部ヒンジ凹部に少なくとも部分的に受容されてもよく、上部ヒンジ凹部は、第4の外向き面内に配置される。いくつかの例では、ヒンジ組立体は、3つのヒンジ組立体を含む。各ヒンジ組立体はベースヒンジインサートおよび蓋ヒンジインサートを含むことがあり、ベースヒンジインサートおよび蓋ヒンジインサートは両方とも、少なくとも2つのリンケージを少なくとも部分的に受容する空洞を含み得る。ベースヒンジインサートの凹部は、少なくとも2つのヒンジの厚さよりも大きい深さを有する。少なくとも2つのリンケージは、第1のリンケージおよび第2のリンケージを含むことができ、第1のリンケージは、第1のリンケージ開口部および第2のリンケージピンを含む。例えば、第1のリンケージピンは、第1のリンケージ開口部を通ってベースヒンジインサート内に延びることができ、第2のリンケージピンは、第2のリンケージ開口部を通って蓋ヒンジインサート内に延びる。
【0006】
本開示のさらに別の態様は、スーツケースを形成するための方法であって、(a)ベースシェルを成形することであって、ベースシェルは、複数の下部ラッチ凹部、複数の下部ヒンジ凹部、ベースシェル構造、およびベース内部空隙を有する、成形することと、(b)蓋シェルを成形することであって、蓋シェルは、複数の上部ラッチ凹部および複数の上部ヒンジ凹部と、蓋シェル構造と、蓋内部空隙とを有する、成形することと、(c)ベースシェルと蓋シェルとを互いに隣接させて配置することであって、ベース内部空隙と蓋内部空隙とが両方とも同じ方向を向いており、下部ヒンジ凹部と上部ヒンジ凹部とが互いに向き合っている、配置することと、(d)ヒンジ組立体の第1の部分を下部ヒンジ凹部内に配置することと、(e)ヒンジ組立体の第2の部分を上部ヒンジ凹部内に配置することと、(f)第1の機械的ファスナを使用してヒンジ組立体の第1の部分をベースに固定することと、(g)第2の機械的ファスナを使用してヒンジ組立体の第2の部分を蓋に固定することと、(h)第3の機械的ファスナを使用してラッチ組立体を蓋に固定することとを含み、第1の機械的ファスナ、第2の機械的ファスナ、および第3の機械的ファスナはすべて、互いにほぼ平行に向けられている、方法に関する。第1の機械的ファスナは、蓋シェルの第3の側面にほぼ平行に向けられてもよい。方法は、第4の機械的ファスナを使用してベースシェル上の車輪凹部内に車輪組立体を取り付けることをさらに含むことがあり、第4の機械的ファスナは第1の機械的ファスナとほぼ平行に向けられる。さらに、方法は、ラッチ組立体の一部を上部ラッチ凹部内に配置する前に、ラッチ組立体の一部を蓋ラッチマウントに取り付けることであって、蓋ラッチマウントは、本体部材とフランジとを含み、フランジは、本体部材から外向きに延び、蓋ラッチマウントの本体部材は、上部ラッチ凹部内に受容される、取り付けることをさらに含み得る。方法はまた、フランジ内の開口部を通って蓋シェルの厚肉部内に延びる第3の機械的ファスナを用いて、蓋ラッチマウントを蓋シェルに固定することをさらに含み得る。
【0007】
本開示の他の態様は、ベースを有するスーツケースであって、第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを有する第1のシェル構造に関してもよく、第1のシェル構造は、第1の端部と、第1の側面に対向する第2の端部とを有する。底部は、第1のシェル構造の第1の端部に接続され、表面でスーツケースを支持するように構成されてもよい。第1の内部空隙は、第1のシェル構造および底部によって画定されてもよく、下部ラッチ凹部は、第2の外向き面に配置されてもよく、下部ラッチ凹部は、裏面、下面、および一対の側面を有する。蓋はベースに回転可能に接続されることがあり、蓋は、第3の側面と、第3の側面に対向する第4の側面とを有する第2のシェル構造を含む。第2のシェル構造はまた、第3の端部および第4の端部を有することができ、上部は、第2のシェル構造の第3の端部に接続され、第2の内部空隙は、第2のシェル構造と頂部とによって画定される。内部ライナは、第1の内部空隙内のベースシェルまたは第2の内部空隙内の蓋のいずれかに取り外し可能に固定することができ、内部ライナは、ライナの上面から窪んだ少なくとも1つの保管空洞を含み、ベース取り付け部材と取り外し可能に係合するライナアタッチメント組立体を含む。ライナアタッチメント組立体は、内部ライナに恒久的に取り付けられてもよく、ベース取り付け部材は、スーツケースの内面に恒久的に取り付けられてもよい。ライナアタッチメント組立体は、ライナアタッチメント組立体をロック解除位置からロック位置に移動させるために所定量回転されるグリップ部材を含んでもよい。ライナアタッチメント組立体がロック解除位置にあるとき、ライナはスーツケースに固定され、ライナアタッチメント組立体がロック解除位置にあるとき、ライナはスーツケースから取り外すことができる。
【0008】
追加の態様は、ライナアタッチメント組立体によってスーツケースに取り外し可能に固定されるライナに関してもよく、ライナアタッチメント組立体は、テール部材と、フランジ部材と、グリップ部材とを含み、テール部材が、テール本体部材から外向きに延びるロック突起部を有するテール本体部材を含み得る。テール本体部材は、略円筒形状を有してもよい。いくつかの例では、ロック突起部は、互いに対向して配置された2つのロック突起部を含むことができ、各ロック突起部は少なくとも1つのテーパ面を含むことができる。フランジ部材は、テール部材の一部を受容するフランジ開口部を含んでもよく、グリップ部材は、フランジ開口部内に延びるテール部材の一部に取り付けられ得る。ライナアタッチメント組立体組立体は、グリップ部材を第1の方向に約90度回転させることによってロック解除位置からロック位置に移動されてもよく、ライナアタッチメント組立体組立体は、グリップ部材を第2の方向に約90度回転させることによってロック位置からロック解除位置に移動され、第2の方向は第1の方向と反対である。ベース取り付け部材は、第1の壁および第2の壁を含んでもよく、各壁は、内面に第1の端部を有し、第1の端部に対向する第2の端部を有してベースの内面から離れて延びる。第1の壁は、第2の壁に向かって延びる第2の端部に位置する第1のベースロック突起部を含むことができ、第2の壁は、第1の壁に向かって延びる第2の端部に位置する第2のベースロック突起部を含むことができる。ライナアタッチメント組立体がロック位置にあるとき、ライナアタッチメント組立体のロック突起部は、第1のベースロック突起部または第2のベースロック突起部の下に少なくとも部分的に配置される。
【0009】
本開示の別の態様は、第1の側面と、第1の側面に対向する第2の側面とを有する第1のシェル構造を含むスーツケースに関してもよく、第1のシェル構造は、第1の端部と、第1の端部に対向する第2の端部とを有し、第1のシェル構造は、第1の外向き面と、第2の外向き面とを有する。第2の外向き面は、第1の外向き面から第1の固定距離だけオフセットされてもよい。第1のシェル構造はまた、第1のシェル構造の第1の端部に接続された底部を含むことができる。第1の内部空隙は、第1のシェル構造および底部によって画定されてもよく、下部ヒンジ凹部は、第2の外向き面内に配置されてもよい。蓋はベースに回転可能に接続されることがあり、蓋は、第3の側面と、第3の側面に対向する第4の側面とを有する第2のシェル構造を含み、シェル構造は、第3の端部と、第3の端部に対向する第4の端部とを有する。第2のシェル構造は、第3の外向き面および第4の外向き面を有してもよく、第4の外向き面は、第3の外向き面から第2の固定距離だけオフセットされる。第2のシェル構造は、シェル構造の第3の端部に接続された上部を有することがあり、第2の内部空隙は、第2のシェル構造と頂部とによって画定されてもよい。スーツケースは、伸長可能なトロリハンドルを含むことができ、トロリハンドルは、(a)一対の入れ子式押出組立体であって、各押出組立体は、主押出および副押出を含み、副押出は、主押出の中央開口部内に入れ子にされ、主押出と摺動可能に係合する、一対の入れ子式押出組立体と、(b)一対の押出組立体の各々の副押出に接続されたグリップであって、解放ボタンを含む、グリップとを含む。グリップは、押圧されるとグリップ内に配置されたラックアンドピニオンギア組立体を作動させて、トロリハンドルが延びることを可能にする解放ボタンを含むことができる。ラックアンドピニオンギア組立体は、一対のラックギア部材を含むことができ、各ラックギア部材は、解放ボタンの一部に接触する係合部材、ラックギア部分を含む。各ラックギア部は、ピニオンギアに係合してラックギア部材の動きを均等化してもよく、係合部材は、解放ボタンに係合する第1の傾斜面を有し、第1の傾斜面は、ベース部材の上面に対して合成角度を含む。各ラックギア部材はまた、ラックギア部材に対向する端部に伝達部材をさらに含んでもよく、伝達部材は、作動部材上の第3の傾斜面に接触する第2の傾斜面を有し、作動部材は、トロリハンドル組立体のロック機構を係合解除する。
【0010】
本発明は、例として示されており、同様の参照番号が同様の要素を示す添付の図に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による例示的スーツケースの正面斜視図である。
【
図2】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースの背面斜視図である。
【
図3】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースの正面図である。
【
図4】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースの右側面図である。
【
図5】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースの背面図である。
【
図6】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースの左側面図である。
【
図7】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースの上面図である。
【
図8】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースの底面図である。
【
図9】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、伸長可能なトロリハンドルが上昇位置にある
図1のスーツケースの正面図である。
【
図10A】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースから除去された車輪組立体の正面斜視図である。
【
図10B】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースから除去された車輪組立体の背面斜視図である。
【
図11A】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図1のスーツケース上に設置されている代替の車輪組立体の分解斜視図である。
【
図11B】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図11Aに示す代替の車輪組立体の筐体の背面斜視図である。
【
図11C】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図11Aに示す代替の車輪組立体を受容するための、スーツケースの車輪凹部の拡大背面斜視図である。
【
図11D】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、明確にするためにいくつかの構成要素が取り外された、
図1のスーツケースに設置された
図11Aに示す代替の車輪組立体の部分断面図である。
【
図12A】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図1のスーツケースに設置されている識別タグホルダの部分分解図である。
【
図12B】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、識別タグホルダの背面斜視図である。
【
図12C】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図1のスーツケースに設置されている識別タグホルダの部分断面図である。
【
図13】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、開放構成にある
図1のスーツケースの上面斜視図である。
【
図14A】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースの側面斜視図である。
【
図14B】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、ラッチ組立体が除去された
図1のスーツケースの拡大側面斜視図である。
【
図15A】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図1のスーツケースの蓋に組み立てられているラッチ組立体の部分分解斜視図である。
【
図15B】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図1のスーツケースの蓋に組み立てられたラッチ組立体の部分斜視図である。
【
図15C】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図1のスーツケースのベースに組み立てられたラッチ組立体の部分分解斜視図である。
【
図16A】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、ロック位置にある
図1のスーツケースのラッチ組立体の部分側断面図である。
【
図16B】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、ロック解除位置にある
図1のスーツケースのラッチ組立体の部分側断面図である。
【
図17】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースのラッチ組立体の正面斜視図である。
【
図18】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図1のスーツケースのラッチ組立体の背面斜視図である。
【
図19】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、ロックされた方向にある
図1のスーツケースの代替実施形態の側方斜視図である。
【
図20】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、ロック解除された方向にある
図1のスーツケースの代替実施形態の側方斜視図である。
【
図21】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、展開可能なバッグを有する
図1のスーツケースの代替実施形態の概略斜視図である。
【
図22】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図21の展開可能なバッグを有するスーツケースの代替実施形態の上面斜視図である。
【
図23】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図21のスーツケースの閉鎖構成にある展開可能なバッグの正面右斜視図である。
【
図24】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図21のスーツケースの開放構成にある展開可能なバッグの正面右斜視図である。
【
図25】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図21のスーツケースの閉鎖構成にある展開可能なバッグの背面斜視図である。
【
図26】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図21のスーツケースの開放構成にある展開可能なバッグの背面斜視図である。
【
図27】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図21のスーツケースに設置された展開可能なバッグの拡大図である。
【
図28】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図21のスーツケースに設置された展開可能なバッグの拡大図である。
【
図29】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図21のスーツケースに設置された展開可能なバッグの拡大図である。
【
図30】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、トロリハンドルが伸長され、いくつかの構成要素が取り外された、
図1のスーツケースの背面斜視図である。
【
図31】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、例示的なスーツケースのトロリハンドル組立体のグリップ部分の正面斜視図である。
【
図32】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図31のグリップ部分の側面図である。
【
図33】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、外側筐体が除去された
図31のグリップ部分の正面図である。
【
図34】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図33のグリップ部分の斜視図である。
【
図35】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による例示的スーツケースの正面斜視図である。
【
図36】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースの背面斜視図である。
【
図37】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースの正面図である。
【
図38】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースの右側面図である。
【
図39】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースの背面図である。
【
図40】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースの左側面図である。
【
図41】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースの上面図である。
【
図42】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースの底面図である。
【
図43A】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、開放構成にある
図35のスーツケースの部分拡大右上斜視図である。
【
図43B】本明細書に記載の一または複数の態様による、
図35のスーツケースからライナが取り外された内部ライナ用の代替的なアタッチメント組立体の斜視部分分解図である。
【
図43C】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図43Bのアタッチメント組立体の部分斜視図である。
【
図43D】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図43Bのアタッチメント組立体の部分斜視図である。
【
図43E】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、
図43Bのライナアタッチメント組立体の分解斜視図である。
【
図44A】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、いくつかの構成要素が取り外された、開放構成にある
図35のスーツケースの正面図である。
【
図44B】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、いくつかの構成要素が取り外された、開放構成にある
図35のスーツケースの部分分解正面斜視図である。
【
図44C】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、いくつかの構成要素が取り外された、開放構成にある
図35のスーツケースの部分正面斜視図である。
【
図45】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、いくつかの構成要素が取り外された、開放構成にある
図35のスーツケースの部分正面斜視図である。
【
図46】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による、いくつかの構成要素が取り外された、開放構成にある
図35のスーツケースの部分上面図である。
【
図47】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースの車輪組立体の背面斜視図である。
【
図48】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースの車輪組立体の正面斜視図である。
【
図49】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースの蓋シェルの右正面斜視図である。
【
図50】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースの蓋シェルの左正面斜視図である。
【
図51】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースのベースシェルの左正面斜視図である。
【
図52】本明細書に記載の1つまたは複数の態様による
図35のスーツケースのベースシェルの右正面斜視図である。
【0012】
さらに、図面は、1つの単一の実施形態の異なる構成要素の縮尺を表す場合があるが、開示された実施形態は、その特定の縮尺に限定されないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明による様々な例示的な構造の以下の説明では、その一部を形成し、本発明の態様が実施可能な様々な例示的なデバイス、システム、および環境を例示として示す添付の図面を参照する。本発明の範囲から逸脱することなく、部品、例示的なデバイス、システム、および環境の他の特定の配置を利用することができ、構造的および機能的変更を行うことができることを理解されたい。また、本明細書では、「上」、「下」、「前」、「後」、「横」、「後」などの用語を使用して、本発明の様々な例示的な特徴および要素を説明することがあるが、これらの用語は、本明細書では、便宜上、例えば、図に示されている例示的な配向または典型的な使用中の配向に基づいて使用されている。本明細書のいかなるものも、本発明の範囲内に含めるために構造の特定の三次元配向を必要とすると解釈されるべきではない。また、読者は、添付の図面が必ずしも縮尺通りに描かれていないことを助言される。
【0014】
さらに、「複数」という用語は、本明細書で使用される場合、必要に応じて、分離的または結合的のいずれかで、無限の数までの2以上の任意の数を示す。
【0015】
本明細書で使用される「ほぼ平行」とは、第1の線、セグメント、平面、端部、表面などが、別の線、平面、端部、表面などから、第1の線、セグメント、もしくは端部の長さの少なくとも50%、または平面もしくは表面の面積の少なくとも50%などにわたって、ほぼ(この場合、5%以内)等距離にあることを意味する。いくつかの例では、線、セグメント、または端部は、そのような線、セグメント、または端部の1つが、考慮されている線、セグメント、または端部のいずれかの長さの少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、さらには少なくとも95%にわたって、別のそれぞれの線、セグメント、または端部ジに対してほぼ等距離(±5%)である場合、「ほぼ平行」であると見なされ得る。さらに、平面または表面は、1つの平面または表面が、考慮されている平面または表面のいずれかの表面積の少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、さらには少なくとも95%にわたって、別のそれぞれの平面または表面に対してほぼ等距離(±5%)である場合、「ほぼ平行」であると見なされ得る。
【0016】
本明細書で使用される「ほぼ垂直」とは、第1の線、セグメント、平面、端部、表面などが、別の線、平面、端部、表面などから、第1の線、セグメント、もしくは端部の長さの少なくとも50%、または平面もしくは表面の面積の少なくとも50%などにわたって、ほぼ(この場合、5%以内)直交していることを意味する。いくつかの例では、線、セグメント、または端部は、そのような線、セグメント、または端部の1つが、考慮されている線、セグメント、または端部のいずれかの長さの少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、さらには少なくとも95%にわたって、別のそれぞれの線、セグメント、または端部ジに対してほぼ直交(±5%)している場合、「ほぼ垂直」であると見なされ得る。さらに、平面または表面は、1つの平面または表面が、考慮されている平面または表面のいずれかの表面積の少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、さらには少なくとも95%にわたって別のそれぞれの平面または表面に対してほぼ直交(±5%)する場合、「ほぼ垂直」であると見なされ得る。
【0017】
一般に、本発明の態様は、スーツケースまたは容器、ならびにラッチ組立体、車輪組立体、および他のサブ組立体などのスーツケースの態様に関する。様々な態様および実施形態によれば、本明細書に記載のスーツケースおよびラッチ組立体は、金属(金属合金を含む)、ポリマー、および複合材料などの様々な材料の1つまたは複数から形成されてもよく、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な構成の1つで形成されてもよい。スーツケースは、いくつかの異なる材料で作られた構成要素を含んでもよいことが理解される。また、各種の形成方法により形成してもよい。例えば、金属部品は、フォージング、鍛造、成形、スタンピング、機械加工、および/または他の既知の技術によって形成することができる。さらに、ポリマー成分は、様々な成形および鋳造技術および/または他の既知の技術などのポリマー加工技術によって形成または製造することができる。
【0018】
本出願の様々な図は、本開示によるスーツケースの例を示す。同じ参照番号が複数の図面に現れる場合、その参照番号は本明細書で一貫して使用され、図面は全体を通して同じまたは類似の部分を指す。スーツケースは、衣類、履物、電子機器、または任意の他の物品を含むがこれらに限定されない物品を収容、保管、運搬などするように構成されてもよい。追加的または代替的に、スーツケースは、本明細書に記載の開示の範囲から逸脱することなく、壊れやすい材料を保管するように構成されてもよい。
【0019】
図1~
図8は、スーツケース100の図を示す。スーツケース100は、ベース102と、互いに結合され得る蓋104とを備えてもよい。例えば、ベース102および蓋104は、ベース102および蓋104がヒンジ106または複数のヒンジ106によって接続されるように、共に回転可能に結合されてもよい。ベース102および蓋104の両方は、本明細書でより完全に説明するように、物品を収容するための空隙を形成する構造であってもよい。いくつかの例では、ベース102および蓋104は、ベース102の内部空隙103のサイズが蓋104の内部空隙105のサイズと実質的に同じであるように、またはベース102の空隙の容積が蓋104の空隙の容積の10%以内であり得るように、同様の体積変位を有し得る。いくつかの実施形態では、スーツケース100の容積は、約42,000立方センチメートル、または35,000立方センチメートル~45,000立方センチメートルの範囲内であってもよい。ベース102および蓋104は、直方体または実質的に直方体の形状であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、スーツケース100は、約22インチ(55.9cm)の長さ、約14インチ(35.6cm)の幅、および9インチ(22.9cm)の高さを有することができる。他の実施形態では、スーツケース100は、異なる寸法を有してもよい。他の例では、ベース102は、形状が角柱状または実質的に角柱状(例えば、五角柱、六角柱、七角柱等)であってもよい。さらに他の例では、ベース102は、実質的に円筒形の形状であってもよく、または実質的に台形の断面を有してもよい。本発明から逸脱することなく、様々な他の形状を使用することができる。
【0020】
スーツケース100はまた、けん引または伸長可能なトロリハンドル組立体400と、複数のハンドル160と、スーツケース100の底部に配置された複数の車輪168と、複数のラッチ組立体180と、移動中にスーツケース100を固定するために南京錠を設置することを可能にする一対の格納式南京錠ループ178,179とを含むことができる。さらに、スーツケース100は、耐水性もしくは防水性、または実質的にいかなる水または湿気もスーツケース100の内部に入らないような構成にされてもよい。別の特徴として、スーツケース100の外側は、外形形状を有することができ、外形形状は、ラッチ組立体180、ヒンジ106、トロリハンドル組立体400、および車輪168を収容するための複数の凹部を含むことができ、移動中の他の物体との衝突による損傷の可能性を最小限に抑える。
【0021】
ベース102は、第1の側面110と、第1の側面110に対向する第2の側面112と、第1の側面110の縁部と第2の側面112の縁部との間に延びる第3の側面114と、第3の側面114に対向する第4の側面116とを有する下部シェル構造108を含んでもよい。下部シェル108はまた、ベース102の内部空隙103のための開口部の近くに第1の端部118および第2の端部120を有することができる。下部シェル108はまた、下部シェル構造108の第1の端部118に接続され、テーブルまたは地面などの表面上でスーツケース100を支持するように構成された底部122を含むことができる。同様に、蓋104は、第1の側面126と、第1の側面126に対向する第2の側面128と、第1の側面126の縁部と第2の側面128の縁部との間に延びる第3の側面130と、第3の側面130に対向する第4の側面132とを有する上部シェル構造124を含んでもよい。上部シェル構造124はまた、蓋104の内部空隙105のための開口部の近くに第1の端部134および第2の端部136を有することができる。上部シェル構造124はまた、上部シェル構造124の第1の端部134に接続され、テーブル、地面などの表面上でスーツケース100を支持するように構成された頂部138を含むことができる。
【0022】
いくつかの例では、上部シェル124と下部シェル108の両方は、各シェルが継ぎ目のないように、それぞれ単一または単一の部材として形成されてもよい。さらに、上部シェル124および下部シェル108は、外面からベース102および蓋104のそれぞれの内部空隙103,105に貫通または延びる開口部を含まなくてもよい。外部から内部に延びる開口部のないシェル108,124を有することにより、スーツケース100は、好適には、湿気または水がスーツケース100の内部に入るのを防止することができる。シェル108,124は、一般に、2mm~4mmの範囲内、または1.5mm~6mmの範囲内の厚さを有することができる。シェル108,124はまた、局所的な領域に様々な壁厚を含むことができる。例えば、いくつかの領域は、様々な構成要素の取り付け位置を提供するために、シェル108,124の他の領域よりも厚くてもよい。これらのより厚い領域は、機械的ファスナまたは他の接続部材を受容するように配置されてもよい。別の特徴として、シェル108,124は、下部シェル108および上部シェル124の外面または内面に沿って配置されてシェルの剛性および強度を高め、シェル108,124に追加の保護を提供することができるリブまたはラブレール(rubrail)109を含むことができる。例えば、リブ109は、上部シェル124の頂部138の長さに沿って、および下部シェル108の底部122に沿って配向されてもよい。いくつかの実施形態では、リブ109は、上部シェル124の第1および第2の側面126,128から均等に離間されてもよく、一対のリブ109で配置されてもよい。
【0023】
上述したように、上部シェル124および下部シェル108は、スーツケース100の外部の大部分を形成することができ、それぞれ、主面、隆起面、および複数の凹部を含む外形形状を有することができ、凹部は、衝突または損傷から構成要素を保護することができる。例えば、上部シェル124は、上部シェル124の周囲の近くで第2の端部120の近くおよび/またはそれに沿って延びる隆起した突出面140を含むことができる。隆起面140は、上部シェルの主面142から固定距離だけオフセットされてもよい。複数の上部ラッチ凹部144は、隆起面140内に少なくとも部分的に形成されてもよい。各上部ラッチ凹部144は、ラッチ組立体180を保護するために、ラッチ組立体180の各々の厚さ以上の深さを有することができる。上部ラッチ凹部144は、実質的に長方形の形状、または代替的にラッチ組立体180の形状に厳密に一致する形状を有してもよい。各ラッチ凹部144は、ラッチ組立体180を凹部144内に固定するための受容機構を有することができる。受容機構は、ラッチ組立体180用のピンまたは他の取り付けハードウェアを受容するために、凹部144の両側にポケットを備えてもよい。
【0024】
上部シェル124と同様に、下部シェル108は、主面146と、下部シェル108の周囲の近くで第2の端部136の近くおよび/またはそれに沿って延びる隆起した突出面148とを含むことができる。隆起面148は、上部シェルの主面146から固定距離だけオフセットされてもよい。複数の下部ラッチ凹部150は、隆起面148内に少なくとも部分的に形成されてもよい。各下部ラッチ凹部150は、ラッチ組立体180の各々の厚さ以上の深さを有することができる。下部ラッチ凹部150は、上部ラッチ凹部144の深さとほぼ同じ深さを有してもよい。ラッチ凹部150は、凹部150を横切って延在し、ラッチ組立体180が下部シェル108を上部シェル124に固定するための係合面を提供するラッチキーパ182を含むことができる。各凹部150は、実質的に長方形の形状、または代替的にラッチ組立体180の形状に厳密に一致する形状を有してもよい。凹部144,150の形状およびサイズは、互いに鏡像であってもよく、ラッチ組立体180全体を受容するためのより大きな凹部を形成するように位置合わせされてもよい。
【0025】
トロリハンドル組立体400は、底部122の外部に沿って下部シェル108に取り付けられてもよい。トロリハンドル組立体400は、別個の部材として形成され、下部シェル108に取り付けられてもよい。下部シェル108は、下部シェル108の底部122の主面146からオフセットされたトけん引凹部またはトロリハンドル凹部154を有することができる。けん引凹部154は、
図2に示すように実質的にU字形であってもよく、トロリハンドル組立体400を受容するための一対の対称的な細長い凹部154であってもよい。凹部154は、トロリハンドル組立体400を衝撃から適切に保護するために、トロリハンドルの押し出し部の厚さ以上の深さを有することができる。トロリハンドル組立体400は、
図9に示すように、ユーザがスーツケース100を容易に引っ張るための隆起グリップを提供するために、スーツケースの上部から上方に摺動する伸長可能な押出組立体410を含むことができる。
【0026】
さらに、ユーザがスーツケース100を容易に引っ張ることを可能にするために、スーツケースの底部は、スーツケース100の後部および底部に配置された複数の車輪組立体164を含むことができる。各車輪組立体164は、
図10Aおよび
図10Bに示すように、別個の部材として形成されてもよく、丸みを帯びた形状を有する車輪筐体166と、少なくとも一方の端部に配置された少なくとも1つの取り付けフランジ167と、車軸が丸みを帯びた形状の中心と位置合わせされるように車軸(図示せず)に取り付けられた車輪168とを含んでもよい。取り付けフランジ167は、取り付け穴を含むことができる。下部シェル108は、車輪組立体164を受容するための車輪凹部170を含むことができる。車輪組立体164は、取り付けフランジ167に配置された取り付け穴を通って延びる少なくとも1つの機械的ファスナを使用して車輪凹部に固定されてもよい。例示的な実施形態に示すように、スーツケース100は、一対の車輪組立体164を備えてもよいが、他の実施形態では、スーツケースは、より多くの追加の車輪組立体164を含んでもよい。車輪組立体164は、スーツケース100の側面から均等に離間されてもよい。筐体166は、ポリアミド(ナイロン)などのポリマー材料または同様の材料から形成されてもよく、車輪168は、ポリウレタンなどのポリマー材料または同様の材料から形成されてもよい。
【0027】
図11A~
図11Dは、スーツケース100に設置することができる車輪組立体264の別の選択肢を示す。車輪組立体264は、丸みを帯びた形状を有する車輪筐体266と、取り付けフランジ267とを含むことができる。車輪組立体264は、車軸269に取り付けられた車輪268をさらに含むことができる。筐体266は、下部シェル108の凹部270内に向けられた一対の溝部273に挿入することができる筐体266の各側面に沿って配置された一対の水平に向けられた突起部271をさらに含むことができる。一対の突起部の各突起部271は、一対の溝部の各溝部273に挿入され、凹部270内で筐体266を上下方向に支持する。次いで、車輪組立体264は、フランジ267の取り付け穴を通ってシェル108の厚肉部内に延びる機械的ファスナによって水平方向に固定されてもよく、これにより、ファスナがシェルの内部に穴を開けることが防止される。別の選択肢として、筐体266はまた、筐体266の前端に戻り止め275または突起部を含むことができる。戻り止め275は、凹部270の後端部付近のスロット277に収容されて、車輪組立体264に水平方向の追加の支持を提供することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、スーツケース100の底部(上部シェル124の第4の側面132に対応する)はまた、および/または代替的に、テーブル、地面などの表面上でスーツケース100を支持することができる1つまたは複数の脚部172Aを含むことができる。脚部172は、上部シェル124に取り付けられてもよく、
図8に示すように適切なバランスを与えるために車輪組立体164の反対側に配置されてもよい。脚部172は、ゴム、エラストマー、または他の同様の材料などの非滑りまたは非摺動衝撃吸収材料で形成されてもよい。例えば、脚部172は、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)ゴム(エチレンプロピレンジエンモノマー)または同様の材料から形成されてもよい。脚部は、接着剤、超音波溶接技術、または電磁結合(Emabond(登録商標)など)を使用してシェルに取り付けることができる。接着または溶接技術を使用して脚部を取り付けることにより、シェル108,124は、その内部へのいかなる侵入もないままであり得る。
【0029】
脚部172の各々は、上部シェル124の隆起面148内に形成され得る脚部凹部174内に受容され得る。脚部172は、略楕円形、正方形、または任意の形状を有してもよい。さらに、各脚部172は、各車輪168がスーツケースを越えて延びる距離に等しい量だけ延びてもよい。したがって、スーツケース100の上部は、地面に座ったときにほぼ水平であり得る。別の選択肢として、1つまたは複数の脚部172Bはまた、脚部172Bが上部シェル124および下部シェル108の両方で互いに対向して配置されるように、シェル108,124の第2の側面112,128に沿って配置されてもよい。
図6に示すように、脚部172Bは、上部シェル124の第2の側面128に沿って、かつ下部シェル108の第2の側面112に沿って配置されてもよい。脚部172Bは、スーツケース100の底部の脚部172Aと同様の材料から形成されてもよい。脚部172Bの形状は、同じ材料を有するが、脚部172Bが略截頭楕円形状を有してもよいという点で、脚部172Aとわずかに異なっていてもよい。脚部172は、脚部172Bの平坦部分がヒンジ106の縁部から離間しているヒンジ106の一方とほぼ位置合わせされてもよい。さらに、脚部172Bは、開いたときにヒンジおよびスーツケース100の他の構成要素にかかる衝撃力を低減するために、スーツケース100が完全に開いたときに互いに接触するように配置されてもよい。
【0030】
スーツケース100のさらに別の特徴は、
図12A~
図12Cに示すように、ユーザがスーツケース100を容易に識別するのを助けるための識別タグホルダ250である。識別タグホルダ250は、蓋104またはベース102のいずれかに配置されてもよい。例えば、識別ホルダ250は、トロリハンドル組立体400の押出組立体410の間に配置されてもよい。識別タグホルダ250は、透明なカードスリーブ252と、摺動可能なカードマウント254とを含むことができる。カードマウント254は、中央開口部253を有することができ、カードマウント254が垂直方向に移動するように、下部シェル108に配置されたスロット255と摺動可能に係合することができる。カードマウント254は、カードスリーブ252を固定するためのポケットを含むことができる。カードスリーブ252は、ユーザの識別情報を含むことができる名刺または同様の材料などの識別タグ257を受容するための開口部を有することができる。カードマウント254は、ユーザがカードスリーブ252を設置し、次いでカードマウント254をスロット255内に下方に摺動させることを可能にするために、ポケットを露出させる開放位置までスロット255に沿って上方に摺動することができる。カードマウント254は、スロット255内に配置された戻り止め260または突起部を受容するために、カードマウント254の両側に配置された一対の溝部または凹部258を含むことができる。カードマウント254がスロット255内で下方に摺動すると、戻り止め260は、カードマウント254の溝部258内に受容され得る。カードマウント254は、戻り止め260が溝部258と係合することによってスロット255内に固定されてもよい。スロット255は、スロット255の両側に位置する戻り止め260を有する一対の戻り止め260を有することができる。溝部258は、下部端部259の近くに配置されてもよい。次いで、識別材料は、カードマウント254の開口部253を通して容易に見ることができる。いくつかの実施形態では、戻り止め260は、カードマウント254に配置され、溝部258はスロット255内に配置されてもよい。
【0031】
スーツケース100のセキュリティを向上させるのを助けるために、スーツケース100は、スーツケース100の不正な開放を防止するための南京錠(図示せず)を受容するための一対の南京錠ループ178,179を含むことができる。第1の南京錠ループ178は上部シェル124に接続されてもよく、第2の南京錠ループ179は下部シェル108に接続されてもよく、それにより、第1の南京錠ループ178は第2の南京錠ループ179と位置合わせされ、南京錠が各南京錠ループ178,179の開口部に挿入されることを可能にする。各南京錠ループ178,179は、使用されていないときにループ178,179を格納および保護するために、それぞれのシェル124,108のスロット内に回転することができる格納式であってもよい。
【0032】
上部シェルおよび下部シェル124,108を含むスーツケース100は、1つまたは複数の金属、合金、ポリマー、セラミック、または繊維強化材料などの様々な材料から形成されてもよい。いくつかの例では、上部シェル124,108および下部シェル108,124は、両方のシェルを形成するように成形されたポリカーボネート合金、熱可塑性オレフィン(TPO)、または他の同様の材料などのポリマー材料から形成されてもよい。いくつかの構成では、シェル108,124は、当業者によって理解されるように、射出成形または回転成形プロセスを使用して形成される(図示せず)。しかしながら、本発明から逸脱することなく、様々な他のタイプの成形または他の製造プロセス(例えば、スタンピング、フォージング、鍛造など)を使用して、スーツケース100を形成することができる。
【0033】
上述したように、ベース102および蓋104は、互いに回転可能に結合されてもよい。ヒンジ106は、連続的なピアノヒンジ、ダブルヒンジ、ボールジョイントヒンジ、リビングヒンジなどのダブルヒンジを含む様々なタイプのヒンジのうちの1つであってもよく、
図13に示すように、完全に開いた位置でベース102および蓋104が少なくとも180度まで互いから外方に回転することを可能にする。いくつかの例では、蓋104は、ヒンジ106でベース102に取り外し可能にまたは恒久的に接続されてもよい。開放構成にあるとき、ベース102および蓋104の両方の内部空隙103,105は、ユーザがアクセス可能であり得る。閉鎖構成にあるとき、ヒンジ106は、内容物をスーツケース100内に固定するために蓋104およびベース102の回転を容易にすることができる。
【0034】
さらに、
図13に示すように、蓋104とベース102の両方の内部105,103は、柔らかい内面を提供するライナ115を含むことができる。ライナ115は、スーツケース100の内容物に追加レベルの防湿性を提供するために、防水布材料を含むことができる。別の選択肢として、複数の磁気または強磁性要素が、ベース102の下部シェル108の第2の端部120に沿った内縁部の周りに、また蓋104の上部シェル124の第2の端部136に沿った内縁部に沿って配置されてもよい。これらの磁気要素は、蓋104とベース102との位置合わせおよび閉鎖を助けることができる。
【0035】
さらに、いくつかの構成では、スーツケース100は、ガスケット176または他のシール装置を含むことができる。ガスケット176は、蓋104またはベース102のいずれかに配置されてもよく、スーツケース100が閉鎖構成にあるときに蓋104およびベース102を密封するのを助けることができる。ガスケット176は、蓋104の凹部またはチャネルに配置されてもよい。あるいは、ガスケット176は、ベース102に形成された凹部またはチャネル内に配置されてもよい。いくつかの例では、ガスケット176は、実質的に円形の断面を有する従来のガスケットであってもよい。
【0036】
さらに他の実施形態では、スーツケース100は、(国際電気標準会議によって示されるように)IP 67定格までのIP 52定格を達成することが可能であってもよい。例えば、一実施形態では、スーツケース100は、限られた粉塵の侵入から保護され、IP 52等級を達成することに対応する散水試験に対する耐水性を有するように製造されてもよい。他の実施形態では、スーツケース100は、8時間試験すると防塵性であり、および/または1メートルの水中下で30分間試験すると防水性であるように製造されてもよい。いくつかの実施形態では、スーツケース100は、8時間試験したときに粉塵の侵入がないまたは粉塵からの完全な保護が達成され、圧力および時間(最大1mの浸漬)の規定された条件下でエンクロージャが水に浸漬されたときに有害な量の水の侵入が不可能であることを指定するIP 67評価を達成することができてもよい。IP 67粉塵試験は8時間の長さであり、エンクロージャは真空中で試験される。IP 67水試験は30分の長さであり、エンクロージャは、エンクロージャの最低点が水面下1000mm、またはエンクロージャの最高点が水面下150mmのいずれか深い方で試験される。IP評価に応じて、スーツケース100は、一方向通気口を含むことができる。例えば、定格がIP 52である場合、一方向通気口は不要であり得るが、定格がIP 67などのより高い場合、一方向通気口が必要であり得る。
【0037】
いくつかの構成では、スーツケース100は、1つまたは複数のハンドル160を含むことができる。ハンドル160は、下部シェル108に沿ってベース102の1つまたは複数の部分に配置することができる。ハンドル160は、スーツケース100の上側および右側に配置されてもよい。ハンドル160は、下部シェル108の隆起面148に固定されてもよい。ハンドル160は、ポリマーから形成され、熱可塑性ウレタン(TPU)で成形されて、ユーザが握るための柔らかい快適な表面を提供することができる。ハンドル160は、ブラケット162に取り付けられるカムリング(camming ring)に接続されてもよい。ブラケット162は、機械的ファスナを使用して下部シェル108に係合/固定されてもよく、機械的ファスナは下部シェル108の内部に延びない。
【0038】
上述したように、スーツケース100はまた、1つまたは複数のラッチ組立体180を含むことができる。ラッチ組立体180は、ロック位置およびロック解除位置を有してもよく、蓋104が閉鎖構成にあるときに蓋104をベース102にロックするように構成されてもよい。ラッチ組立体180は、スーツケース100と一体的に形成されるか、そうでなければ取り付けられる1つまたは複数の部分を含むことができる。
図14A~
図16Bに示すように、スーツケース100は、下部ラッチ凹部150内に配置されたラッチキーパ182を含むことができる。ラッチキーパ182は、下部シェル108の下部ラッチ凹部150の側壁から延びてもよい。凹部150は、以下でより詳細に説明するように、ロック部材190の一部を受容するように構成された形状を有する。ラッチキーパ182は、上面184と、内面186と、下面188とを有してもよい。以下により詳細に説明するように、ラッチ組立体180は、ラッチキーパ182と係合して、スーツケース100が閉鎖構成にあるときに蓋104をベース102にロックすることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、ラッチ組立体180は、蓋104に設置される前に、蓋ラッチマウント181に回転可能に結合されてもよい。ラッチ組立体180は、ピン203またはヒンジを使用して蓋ラッチマウント181に結合されてもよい。ピン203は、
図15Aおよび
図15Bに示すように、ラッチ組立体180のラッチ本体200の開口部、および蓋ラッチマウント181の側面の一対の開口部に挿入することができる。蓋ラッチマウント181は、上部シェル124の上部ラッチ凹部144に受容されてもよい。蓋ラッチマウント181は、第1の側面126の表面にほぼ平行な方向に凹部144内に設置され、蓋ラッチマウント181のフランジ183の開口部に挿入された少なくとも1つの機械的ファスナを使用してシェル124に固定されてもよい。フランジ183を上部シェル124に固定する機械的ファスナは、シェル124の肉厚部分のねじ穴に挿入することができ、これにより、ファスナがシェル124の内部に穴を開けることを防止することができる。ピン203は、直線ピンまたは段付きピンであってもよく、ギザギザ形状を有してもよい。
【0040】
同様に、いくつかの例では、
図15Cに示すように、ベースラッチマウント185を下部シェル108の下部ラッチ凹部150に受容することができる。ラッチキーパ182は、ベース102に設置される前にベースラッチマウント185に設置されてもよい。ベースラッチマウント185は、第1の側面110の表面にほぼ平行な方向に凹部150内に設置され、蓋ラッチマウント185のフランジ187の開口部に挿入された少なくとも1つの機械的ファスナを使用して下部シェル108に固定されてもよい。フランジ187をシェル108に固定する機械的ファスナは、シェル108の肉厚部分のねじ穴に挿入することができ、これにより、ファスナがシェル108の内部に貫通するのを防止することができる。
【0041】
ここで
図15A~
図18に示すラッチ組立体180を参照すると、ラッチ組立体180は、ラッチ本体200、ロック部材190、付勢部材220、および作動部材230を含む複数の構成要素を含むことができる。上述したように、ラッチ組立体180は、ロック位置およびロック解除位置を含むことができる。
【0042】
ラッチ本体200は、蓋104と枢動可能に係合することができる。
図17に示すように、ラッチ本体200は、ピンまたはヒンジ203を使用して蓋104と枢動可能に係合することができるが、任意の適切な枢動可能な係合を使用することができる。いくつかの実施形態では、ヒンジ203は、スーツケース100と取り外し可能に係合することができる。このヒンジ203は、ラッチ組立体180が損傷した場合に、ユーザがラッチ組立体を容易に取り外して交換することを可能にすることができる。ラッチ本体200は、内面204および外面206を含むことができる。外面206は、起伏を有することができ、下部シェル108の隆起面148または上部シェル124の隆起面140の外縁部の外側に延在しなくてもよい。内面204はまた、湾曲していてもよく、いくつかの異なる特徴を含んでもよい。ラッチ本体200に含まれ得る例示的な特徴の1つは、1つまたは複数の係合ラグ208であってもよい。以下でより詳細に説明するように、係合ラグ208は、ベース102またはラッチキーパ182と係合することができ、蓋104をスーツケース100のベース102に対して圧縮するのを助けることができる。
【0043】
ラッチ本体200はまた、ロック部材190と係合してもよい。
図16Aおよび
図16Bに示すように、ロック部材190は、ロック部材190が略直線経路で上方位置と下方位置との間を移動することができるように、ラッチ本体200と摺動可能に係合することができる。ロック部材190は、ロック部材190が下方位置にあるときに蓋104を閉鎖構成でロックし、ロック部材190が上方位置にあるときに蓋104をロック解除するように構成されてもよい。
【0044】
主に
図18に示すように、ロック部材190は、ロック部材190がガイド部材192を上下に摺動することができるように、1つまたは複数のガイド部材192と移動可能に係合することができる。一実施形態では、ロック部材190は、ロック部材190を通過し、ガイド部材192も通過することができる開口部194を含むことができる。ガイド部材192は、上端195および下端196でラッチ本体200と係合することができる。
図18に示すように、ガイド部材192は円筒形ロッドであるが、ロック部材190の上方および下方への移動を可能にする任意の適切な形状を使用することができる。例えば、ガイド部材192は、形状が角柱状または実質的に角柱状(例えば、五角柱、六角柱、七角柱等)であってもよい。さらに他の例では、ラッチ組立体180は、例えばレールを含む、ロック部材190とラッチ本体200との間のほぼ直線的な移動を可能にするのに適した他の装置を含むことができる。
【0045】
図18にも示すように、ラッチ組立体180はまた、ラッチ本体200およびロック部材190と係合する少なくとも1つの付勢部材220を含むことができる。以下により詳細に説明するように、付勢部材220は、ロック部材190を下方位置に付勢するように構成される。付勢部材220は、
図18に示すような圧縮ばねであってもよいが、代替の実施形態では、ロック部材190を下方位置に付勢するための任意の適切な装置であってもよい。
【0046】
ロック部材190は、ベース部分210と、ベース部分210から内側に延びるフック部分212とを含むことができる。フック部分212は、下面214および内向き面216を含むことができる。
図15に示すように、ラッチ組立体180がロック位置にあるとき、ロック部材190のフック部分212の下面214は、ラッチキーパ182の上面184と係合してもよく、フック部分212の内向き面216は、ラッチキーパ182の内面186と係合してもよい。さらに、ラッチ組立体180がロック位置にあるとき、係合ラグ202の上面は、ラッチキーパ182の下面188と係合することができる。
【0047】
ラッチ本体200はまた、作動部材230と枢動可能に係合してもよい。作動部材230はまた、ロック部材190と係合してもよく、ロック部材190を下方位置から上方位置に移動させるように構成されてもよい。
図15および
図16に示すように、作動部材230は、ラッチ本体200および作動部材230を貫通して延びるヒンジ232によってラッチ本体200に枢動可能に係合することができる。作動部材230は、グリップ部分234と、作動バレル236と、グリップ部分234と作動バレル236とを接続する1つまたは複数のアーム238とを含むことができる。
図16Bに示すように、グリップ部分234は、下部シェル108の凹部150の下面から一定の距離を置いて配置されている。この距離により、ユーザは、凹部150の下面とグリップ部分234との間に指を置いた状態でグリップ部分234の背面240を把持することができる。
図15および
図16に示すように、作動部材230の作動バレル236は、ロック部材190と係合してもよい。作動バレル236は、隆起部分242を含むことができる。以下により詳細に説明するように、ユーザは、作動部材230のグリップ部分234を前方に引っ張り、作動バレル236の隆起部分242を回転させ、ロック部材190を持ち上げることができる。この移動は、ラッチ組立体180をロック解除させ、蓋104を閉鎖構成から開放構成に移動させることを可能にする。
【0048】
ここで
図16Aおよび
図16Bを参照すると、ラッチ組立体180の一実施形態をロック位置からロック解除位置に移動させるための手順が、ラッチ組立体180ならびにベース102および蓋104の一部の側面断面図と共に示されている。
図16Aおよび
図16Bは、図をラッチ組立体180に集中させるためのベース102および蓋104の簡略版を示す。
図16Aは、ロック位置にあるラッチ組立体180を示し、
図16Bは、ロック解除位置にあるラッチ組立体180を示す。
図16Aに示すように、ロック位置では、フック部分212の下面214がラッチキーパ182の上面184に係合しており、フック部分212の内向き面216がラッチキーパ182の内面186に係合し、係合ラグ202がラッチキーパ182の下面188に係合する。
【0049】
図16Bに示すように、ラッチ組立体180は、矢印で示すように作動部材230を回転させることによってロック解除位置に移動させることができる。この回転は、ユーザが背面240を前方に引っ張ることによって達成され得る。作動バレル236が回転すると、隆起部分242はロック部材190と係合し、ロック部材190を持ち上げる。
【0050】
ラッチ本体200、ロック部材190、および作動部材230を含むラッチ組立体180は、それぞれ別個に形成されてもよく、プラスチック材料または所望の形状に形成または成形することができる別の適切な材料などの材料で形成されてもよい。ラッチ組立体180は、ラッチが経時的にラッチキーパ182と係合/係合解除される際の繰り返しの応力サイクルに耐えるのに十分なサイズ、厚さ、および構成材料で作られてもよい。本明細書に記載のスーツケースは、耐久性および耐摩耗性を提供しながら、スーツケースの容易かつ効率的な製造を保証する様々な特徴を含む。
【0051】
図19~
図20は、蓋104をベース102にロックおよびロック解除するための代替的なラッチ組立体280を有するスーツケース100を示す。ラッチ組立体280は、下部シェル108の第1の側面110および上部シェル124の第1の側面126に対してほぼ垂直に向けられた軸の周りを回転することができるハンドル282を含んでもよい。ハンドル282は、蓋104に恒久的に取り付けられ、ロックされた向きにあるときにラッチがベース102に係合して蓋104をベース102にロックするように、ラッチまたはフックを有することができる。スーツケース100のロックを解除するために、ハンドル282を約90度回転させてラッチをベース102から係合解除し、蓋104をベース102に対して移動させることができる。
【0052】
図21~
図29は、スーツケース100の別の選択肢を示す。この実施形態では、スーツケース100は、内部空隙103,105の一方または両方に取り付けられる展開可能なバッグ300を含むことができる。
図21は、バッグ300が蓋104の内部空隙105から取り外され、次いでバックパックに変換されることの変換を示す。
図21はまた、前ポケットのジッパーが外された開放構成のバッグ300を示す。図示の実施形態は、蓋104の内部空隙105に取り外し可能に取り付けられた展開可能なバッグ300を示しているが、展開可能なバッグ300は、ベース102の内部空隙103に取り外し可能に取り付けられてもよい。展開可能なバッグ300は、スーツケース100内に固定され、次いで取り外して、ユーザが容易に持ち運ぶことができる可搬バッグに容易に変換することができる。展開可能なバッグ300は、バッグ300がユーザによってバックパックとして着用され得るように、図示のように少なくとも1つの搬送用帯または一対の搬送用帯302を有することができる。
【0053】
展開可能なバッグ300は、バッグ300がバッグ300の上部に配置されたハンドル306Aまたはバッグ300の側面に配置されたハンドル306Bのいずれかによって運ばれ得るように、帯302を固定および格納することができる後ポケット304を含む複数のポケットを有することができる。バッグ300はまた、バッグ300の内部へのアクセスを可能にする側面に沿ったクロージャ322と共に、バッグの前側にクロージャ320を有することができる。前クロージャ320は、バッグ300が蓋104内に固定されている場合でも、ユーザがバッグ300の内部にアクセスすることを可能にする。バッグ300は、防水外装材料を含んでもよく、約20リットルまたは15~30リットルの範囲内の容積を有してもよい。サイズを規定する別の方法として、バッグ300は、蓋104の内部空隙105の容積を実質的に満たすことができる。展開可能なバッグ300の別の選択肢として、バッグ300を圧縮してバッグ300から空気を除去して、スーツケース100内のバッグの容積を最小にすることを可能にする一方向通気口を設けることができる。
【0054】
さらに、バッグ300は、バッグ300の外周に沿って配置された複数のアタッチメントループ308を含むことができる。例えば、アタッチメントループ308は、バッグ300の上側、下側、左側、および右側に沿って均等に離間されてもよい。バッグ300の各側面は、少なくとも2つのアタッチメントループ308を含むことができ、またはいくつかの実施形態では、バッグ300の各側面は、3つ以上のアタッチメントループ308を有することができる。各アタッチメントループ308は、蓋104の内部空隙105の側面に沿って配置されたフック310に係合することができる。
図27に示すように、フック310は、バッグ300をスーツケース100に固定するために、ループ308に係合し、それを通って延びることができる。
図28は、バッグ300をスーツケース100から係合解除するためにフック310からループ308を取り外すことを示す。フック310は、蓋104の内側面312に恒久的に接続されてもよい。フック310は、側面312から外向きに延びる外向き部材314と、外向き部材314の縁部から蓋104の内部底面318に向かって延びる下向き部材316とを備えてもよい。
【0055】
アタッチメントループ308は、バッグ300の外面に取り付けられた外側バンドの一部であってもよく、あるいは、ループ308は、バッグの外面に沿って個別に配置されてもよい。アタッチメントループ308は、ナイロンまたは他の適切な布材料から形成されてもよい。代替として、アタッチメントループ308は、バッグ300の周囲に配置することができるフックおよびループ型ファスナ、磁気要素、または他の取り外し可能な要素などの代替の締結方法によって置き換えることができる。
【0056】
別の選択肢として、バッグ300は、蓋104の内部に取り外し可能に結合された複数の展開可能なバッグ300に置き換えられてもよい。複数の展開可能なバッグ300は、異なるサイズのモジュール式バッグであってもよい。例えば、複数の展開可能なバッグ300は、内部空隙105の約半分を充填する第1のバッグと、それぞれ内部空隙105の約4分の1を充填する第2および第3のバッグとを含むことができる。また、複数のバッグの少なくとも1つが防水であってもよいし、複数のバッグの全てが防水であってもよい。
【0057】
スーツケース100はまた、トロリハンドル組立体400またはけん引ハンドルを含むことができる。トロリハンドル組立体、またはけん引は、スーツケースを容易に引っ張ったり押したりして、より操縦しやすくするために、スーツケースの車輪と共に使用されてもよい。トロリハンドル組立体400は、スーツケース100のベース102に接続され、ハンドルまたはグリップ402によって互いに接続された一対の押出組立体410を備えることができる。トロリハンドル組立体400の構成要素は、様々な形成方法によって形成することができる。例えば、金属部品は、フォージング、押出成形、成形、鋳造、スタンピング、機械加工、および/または他の既知の技術によって形成されてもよい。ポリマー成分は、様々な成形および鋳造技術および/または他の既知の技術などのポリマー加工技術によって形成または製造することができる。
【0058】
上述したように、スーツケース100の外側は、外形形状を有することができ、外形形状は、ラッチ組立体、トロリハンドル組立体400、および車輪168を収容するための複数の凹部を含むことができ、移動中の他の物体との衝突による損傷の可能性を最小限に抑える。例えば、下部シェル108は、下部シェル108の底部122の主面146からオフセットされたけん引凹部154を有することができる。けん引引っ張り凹部154は、トロリハンドル組立体400を衝撃から適切に保護するために、押出組立体410の厚さ以上の深さを有することができる。トロリハンドル組立体400は、
図30に示すように、ユーザがスーツケース100を容易に引っ張るための隆起グリップ402を提供するために、スーツケース100の上部から上方に延びることができる一対の伸長可能な押出組立体410を含むことができる。押出組立体410は、主押出420と、1つまたは複数の副押出430,460とを含むことができ、副押出は、主押出420の中央開口部内に入れ子にされ、主押出420と摺動可能に係合することができる。
【0059】
図31~
図34は、トロリハンドル組立体400の例示的なグリップまたはハンドル402を示す。上述したように、グリップ402は、押出組立体410の間に延在し、ユーザがトロリハンドル400を伸長して下降させるためのインタフェースとして機能することができる。グリップ402は、解放ボタン411、上部グリップ筐体413、および下部グリップ筐体415を含むことができる。下部グリップ筐体415は、上部グリップ筐体413の上面419から離れるように延びる一対の延長部材417を含むことができる。これらの延長部材417は、最上部押出部材430,460が開口部431に挿入されて固定され得るように、副押出430または第3の押出460の外形よりもわずかに大きい形状および外形を有する開口部431を有してもよい。次いで、押出部材430,460は、当業者に知られている手段によってグリップ402に固定されてもよい。
【0060】
解放ボタン411は、グリップ402に沿って水平方向および垂直方向の両方の中央に配置されてもよい。さらに、上面419は、きれいな審美的外観を提供するために、スーツケースの隣接する表面と一致するように輪郭付けられてもよい。解放ボタン411はまた、グリップ402の上面419に対応するように輪郭形成された上面433を含むことができる。さらに、解放ボタン411は、上部グリップ筐体413および下部グリップ筐体415が取り外された状態で示されている
図33および
図34に示すように、ラックアンドピニオンギア組立体435に結合されてもよい。解放ボタン411は、一対のラックギア部材439の各々に配置された係合部材441に接触するボタン411の両端に2つの下部係合部材437を有することができる。各ラックギア部材439は、係合部材441と、第1の端部のラックギア部443と、ベース部材445と、第1の端部に対向する第2の端部の伝達部材447とを含んでもよい。ラックギア部材439のラックギア部443は、ピニオンギア449と係合してもよい。ピニオンギア449は、解放ボタン411が押されたときに解放ボタン411がグリップ402の上面419にほぼ垂直な方向に移動することができるように、解放ボタン411の下の中央に配置することができる。ボタン411が押されると、傾斜面461を有することができる下部係合部材437は、ラックギア部材439上の係合部材441の対応する傾斜面463に接触し、それに沿って摺動することができる。傾斜面463は、ベース部材445の上面に対して合成角度を有してもよく、合成角度は、ベース部材445の上面にも直交する2つの直交平面に対して傾斜している。表面463の合成角度は、2つの直交する平面に対して1度~60度の間の鋭角を形成することができる。傾斜面461,463が互いに沿って移動すると、ラックギア部材439の両方が外側に移動するように付勢される。ピニオンギア449は、両方のギア部材439間の動きを等しく、制御された方法で維持するのに役立ち得る。ギア部材439が外側に移動すると、伝達部材447は、下側延長部417内に配置されたスロットに配置された作動部材465に力を加える。伝達部材447は、作動部材465の傾斜面に接触する傾斜面を含むことができる。作動部材465は、トロリハンドル組立体400のロック機構を係合解除することができ、グリップ402を上方に引っ張り、押出組立体410を延ばすことができる。
【0061】
図35~
図52は、例示的なスーツケース500を示す。スーツケース500の特徴は、
図1~
図30に示す実施形態において使用されるような「1xx」ではなく、「5xx」という一連の参照番号の下で同様の参照符号を使用して参照される。したがって、
図1~
図30に示すように既に上述したスーツケース100の特定の特徴は、より詳細に説明されてもよく、または全く説明されなくてもよい。さらに、スーツケース500はまた、上述したようにラッチ組立体180およびトロリハンドル400を含むことができる。例示的なスーツケース500は、ヒンジ506または複数のヒンジ506によって互いに回転可能に結合されたベース502および蓋504を含むことができる。
【0062】
ベース502は、第1の側面510と、第1の側面510に対向する第2の側面512と、第1の側面510の縁部と第2の側面512の縁部との間に延びる第3の側面514と、第3の側面514に対向する第4の側面516とを有する下部シェル構造508を含んでもよい。下部シェル508はまた、ベース502の内部空隙503のための開口部の近くに第1の端部518および第2の端部520を有することができる。下部シェル508はまた、下部シェル構造508の第1の端部518に接続され、テーブルまたは地面などの表面上でスーツケース500を支持するように構成された底部522を含むことができる。同様に、蓋504は、第1の側面526と、第1の側面526に対向する第2の側面528と、第1の側面526の縁と第2の側面528の縁との間に延びる第3の側面530と、第3の側面530に対向する第4の側面532とを有する上部シェル構造524を含んでもよい。上部シェル構造524はまた、蓋504の内部空隙505のための開口部の近くに第1の端部534および第2の端部536を有することができる。上部シェル構造524はまた、上部シェル構造524の第1の端部534に接続され、テーブルまたは地面などの表面上でスーツケース100を支持するように構成された底部538を含むことができる。
【0063】
例示的なスーツケース100と同様に、上部シェル524および下部シェル508の両方は、各シェルが継ぎ目のないように、それぞれ一体または単一の部材として形成されてもよい。さらに、上部シェル524および下部シェル508は、スーツケース500の様々な構成要素がシェル524,508に組み立てられるときに、外面からベース502および蓋504のそれぞれの内部空隙503,505内に貫通または延びる開口部を含まなくてもよい。シェル508,524は、一般に、2mm~4mmの範囲内、または1.5mm~6mmの範囲内の厚さを有することができる。シェル508,524はまた、様々な壁厚を含むことができる。別の特徴として、シェル508,524は、シェルの剛性および強度を高め、シェルを衝撃から保護するために、下部シェル108および上部シェル524の外面または内面に沿って配置することができる外部リブ(またはラブレール)509を含むことができる。
【0064】
上部シェル524および下部シェル508は、スーツケース500の外部の大部分を形成することができ、それぞれ、主面、隆起面、および複数の凹部を含む外形形状を有することができ、凹部は、衝突または損傷から構成要素を保護することができる。例えば、上部シェル524は、上部シェル524の周囲の近くで第2の端部520の近くおよび/またはそれに沿って延びる隆起した外向き面540を含むことができる。隆起した外向き面540は、上部シェル524の外向きの主面542から固定距離だけオフセットされてもよい。複数の上部ラッチ凹部544およびヒンジ凹部545が隆起面540内に形成されてもよい。各上部ラッチ凹部544は、ラッチ組立体180を保護するために、ラッチ組立体180の各々の厚さ以上の深さを有することができる。いくつかの例では、各上部ラッチ凹部は、裏面544A、上面544B、および一対の対向する側面544C、ならびに上面545Bに対向する開口部544Dを有することができる。ラッチ凹部544の上部凹部深さは、外向き面540と裏面544Aとの間の水平距離として定義されてもよい。上部ラッチ凹部544は、実質的に長方形の形状、または代替的にラッチ組立体180の形状に厳密に一致する形状を有してもよい。各ラッチ凹部544は、ラッチ組立体180を凹部544内に固定するための受容機構を有することができる。受容機構は、ラッチ組立体180用のピンまたは他の取り付けハードウェアを受容するために、凹部544の両側にポケットを含むことができる。同様に、各ヒンジ凹部545は、隆起面540内に形成されてもよい。各上部ヒンジ凹部545は、ヒンジ506を衝撃から保護するために、各ヒンジ506の各々の厚さ以上の深さを有することができる。
【0065】
上部シェル124と同様に、下部シェル508は、主外向き面546と、下部シェル508の周囲の周りで第2の端部536の近くおよび/またはそれに沿って延びる隆起した外向き面548とを含むことができる。隆起した外向き面548は、下部シェル508の主外向き面546から固定距離だけオフセットされてもよい。複数の下部ラッチ凹部550および下部ヒンジ凹部551は、隆起面548内に形成されてもよい。各下部ラッチ凹部550は、ラッチ組立体180の各々の厚さ以上の深さを有することができる。下部ラッチ凹部550は、上部ラッチ凹部544の深さとほぼ同じ深さを有してもよい。いくつかの例では、各下部ラッチ凹部550は、裏面550A、上面550B、および一対の対向する側面550C、ならびに上面550Bに対向する開口部550Dを有することができる。下部ラッチ凹部550の下部凹部深さは、外向き面548と裏面550Aとの間の水平距離として定義することができる。ラッチ凹部550は、下部凹部550を横切って延在し、ラッチ組立体180が下部シェル508を上部シェル524に固定するための係合面を提供するラッチキーパ182を含むことができる。各ラッチ凹部550は、実質的に長方形の形状、または代替的にラッチ組立体180の形状に厳密に一致する形状を有してもよい。ラッチ凹部544,550の形状およびサイズは、互いに鏡像であってもよく、スーツケース500が閉鎖構成にあるときにラッチ組立体180全体を受容するためのより大きな凹部を形成するように位置合わせされてもよい。ラッチ組立体180全体をこのより大きな凹部内に受容することによって、ラッチ組立体180の露出面は、外向き面540,548の下にあってもよく、またラッチ組立体180の側面の周りに保護されてもよく、それにより、スーツケースが閉鎖構成にあるとき、ラッチ組立体180の周囲は、上部ラッチ凹部544と下部ラッチ凹部550とを結合された周囲内に配置されてもよい。
【0066】
いくつかの例では、
図44Bおよび
図44Cに示すように、ラッチ組立体180は、蓋504に設置される前に、蓋ラッチマウント181に回転可能に結合されてもよい。蓋ラッチマウント181は、上部ラッチ凹部544内に受容され得る本体部材189と、凹部544内の棚に取り付けられ得るか、または上部ラッチ凹部544に隣接する表面に取り付けられ得るフランジ183とを含み得る。蓋ラッチマウント181は、第1の側面526の表面にほぼ平行な方向に凹部544内に設置され、蓋ラッチマウント181のフランジ183の開口部に挿入された少なくとも1つの機械的ファスナを使用してシェル124に固定されてもよい。フランジ183を上部シェル524に固定する機械的ファスナは、シェル524の肉厚部分のねじ穴に挿入することができ、これにより、ファスナがシェル524の内部に穴を開けることを防止することができる。上述のように、いくつかの例では、ベースラッチマウント185は、下部シェル508の下部ラッチ凹部550に収容されてもよい。ラッチキーパ182は、ベース102に設置される前にベースラッチマウント185に設置されてもよい。ベースラッチマウント185は、下部ラッチ凹部550内に受容され得るベース部材191と、凹部544内の棚に取り付けられ得るか、または上部ラッチ凹部544に隣接する表面に取り付けられ得るフランジ部材187とを含み得る。下部ラッチマウント185は、第1の側面110の表面にほぼ平行な方向に下部ラッチ凹部550に設置され、蓋ラッチマウント185のフランジ187の開口部に挿入された少なくとも1つの機械的ファスナを使用して下部シェル508に固定されてもよい。フランジ187をシェル508に固定する機械的ファスナは、シェル508の肉厚部分のねじ穴に挿入することができ、これにより、ファスナがシェル508の内部に貫通するのを防止することができる。ラッチマウント181,185をそれぞれのシェル524,508に固定する機械的ファスナ624は、互いにほぼ平行に向けられてもよく、またシェル508の第1の側面510に平行であってもよく、またシェル524の第1の側面526に平行であってもよい。
【0067】
下部ヒンジ凹部551は、隆起面548内に形成されてもよい。各下部ヒンジ凹部551は、ヒンジ506を衝撃から保護するために、各ヒンジ506の厚さ以上の深さを有することができる。凹部545,551の形状およびサイズは、互いに鏡像であってもよく、ヒンジ506全体を受容するためのより大きな凹部を形成するように位置合わせされてもよい。凹部545,551から形成されたより大きな凹部は、ヒンジ組立体506の周囲の大部分を取り囲む形状を有することができる。
【0068】
図43Aに示すように、スーツケース500は、内部ライナ600を含むことができる。内部ライナ600は、成形されてもよく、ベース502の内部空隙503または蓋504の内部空隙505のいずれかに取り外し可能に固定されてもよい。内部ライナ600は、いずれかの内部空隙503,505の内部輪郭に一致するように形成された外部形状を有することができる。内部ライナ600は、異なる荷物を収容するためにライナ600の上面608から窪んだ保管空洞602を含むことができる。例えば、保管空洞602は、異なる形状の物品を受け入れて保護するための複数の異なる形状の空洞を含むことができる。内部ライナ600は、ライナ600がゴム、ポリマー、またはエチレン酢酸ビニル(EVA)または他の同様の材料などの発泡材料から成形される成形プロセスによって形成されてもよい。ライナ600は、ライナ600の外部の周りに間隔を置いて配置されたクリップまたはフックなどの機械的要素604を含むことができ、機械的要素604は、ベース502および蓋504の内部に沿って配置されたループなどの対応する機械的要素と係合する。任意選択的に、内部ライナ600はまた、接着剤、フックアンドループファスナ(Velcro)、磁気要素、または他の接続方法を使用して固定されてもよい。例えば、内部ライナ600は、シェル508,524の内面に沿ってまたは内面内に配置された対応する磁気要素または強磁性要素に取り付けることができる周囲および/または底面に沿って配置された複数の磁気要素または強磁性要素を有することができる。いくつかの例では、スーツケース500は、複数の内部ライナ600を含むことができ、内部ライナ600は、固定される内容物に応じて、スーツケース500内に交換可能に設置することができる。いくつかの例では、ライナ600は、ライナ600内に物品をさらに固定するために、取り外し可能なネットまたは層606を含むことができる。
【0069】
内部ライナ600をベースシェル508の内部空隙503または蓋シェル524の内部空隙505内に取り外し可能に固定する別の選択肢として、ライナ600は、ベース取り付け部材
639に取り外し可能に係合するライナアタッチメント組立体620を含むことができる。
図43B~
図43Eは、ライナ600をシェル508,524のいずれかに取り外し可能に取り付けるための代替手段を示す。ライナアタッチメント組立体620は、ライナ600をシェル508,524の一方に固定するロック位置と、ライナ600をスーツケース500から取り外すことを可能にするロック解除位置との間で移動することができる。ライナ取り付け部材620は、内部ライナ600に恒久的に取り付けられてもよく、ベース取り付け部材
639は、ベースシェル508または蓋シェル524の内面507,525に恒久的に取り付けられてもよい。ライナアタッチメント組立体620は、テール部材622、フランジ部材
627、およびグリップ部材634を含むことができる。テール部材622は、テール本体部材624から外側に延びるロック突起部
625を有するテール本体部材624を含むことができる。場合によっては、
図43Eに示す例のように、テール部材622は、互いに対向して配置された一対のロック突起部
625を有することができる。ロック突起部
625は、ベース取り付け部材
639にしっかりと係合するための少なくとも1つのテーパ面を有することができる。加えて、または任意選択的に、各ロック突起部
625は、ベース取り付け部材
639の対応する凹部または戻り止めと係合して、アタッチメント組立体620がロック位置に到達する正のフィードバックを提供するための戻り止めまたは凹部を有することができる。テール部材622の本体部材624は、略円筒形状を有してもよく、または中心軸の周りで対称である任意の形状を有してもよい。フランジ部材
627は、ライナ600(すなわち、ステッチ、リベット、接着剤、または当業者に知られている他の手段を介して、)に恒久的に固定することができるフランジ本体
629と、フランジ開口部
631とを含むことができる。フランジ開口部
631は、テール部材622の一部を受容することができ、グリップ部材634は、フランジ開口部
631内に延びるテール部材622の一部に取り付けることができる。グリップ部材634は、任意の形状であってもよく、ユーザがグリップ部材634を掴んで回転させることを可能にする表面を提供する。
【0070】
ベース取り付け部材639は、第1の壁641および第2の壁643を含んでもよく、各壁641,643は、ベースシェル508の内面507から離れて延びてもよく、内面に第1の端645および第1の端部645に対向する第2の端647を有する。第1の壁641は、第2の壁643に向かって延びる第2の端部647に位置する第1のベースロック突起部649を有してもよく、第2の壁643は、第1の壁641に向かって延びる第2の端部に位置する第2のベースロック突起部649を有してもよい。第1の壁641および第2の壁643は、互いに固定距離だけ離間していてもよい。ベースロック突起部649の各々は、テール部材622を受容するための輪郭付けられた縁形状651を含むことができ、それにより、本体部材624、輪郭付けられた縁形状651、および開口部631は、アタッチメント組立体620がロック位置にあるときに互いに同軸であり得る。
【0071】
ライナアタッチメント組立体620は、グリップ部材634を第1の方向に所定量回転させることによってロック解除位置からロック位置に移動させることができ、グリップ部材634を第1の方向とは反対の第2の方向に所定量回転させることによってロック位置からロック解除位置に移動させることができる。例えば、ライナアタッチメント組立体620は、グリップ部材634を第1の方向に約90度回転させることによってロック解除位置からロック位置に移動させることができ、グリップ部材634を第2の方向に約90度回転させることによってロック位置からロック解除位置に移動させることができ、第2の方向は第1の方向と反対である。いくつかの例では、グリップ部材634を同じ方向に所定量だけ移動させて、アタッチメント組立体620をロック位置からロック解除位置に移動させることができる。ロック位置にあるとき、ライナアタッチメント組立体のロック突起部は、第1のベースロック突起部または第2のベースロック突起部の下に少なくとも部分的に配置される。
【0072】
ライナは、ベース取り付け部材639に取り付けることができる複数のライナアタッチメント組立体620を含むことができる。例えば、ライナアタッチメント組立体620は、保管空洞602内に、または側壁もしくは底面などのライナ600上の任意の場所内に配置することができる。同様に、シェル508,524は、対応するシェルの内面に沿ってどこにでも配置することができる複数のベース取り付け部材639を含むことができる。例えば、ベース取り付け部材639は、シェル508,524の内側面および/または底面に沿って配置されてもよい。別の選択肢として、バックパック300はまた、ライナアタッチメント組立体620を含んでもよく、上述のようにシェル508,524に取り外し可能に固定されてもよい。
【0073】
図44Aは、いくつかの構成要素が取り外された開放構成のスーツケースの正面図を示す。ベース502と蓋504とを互いに接合する複数のヒンジ506は、ヒンジ506の蓋部分およびベース部分がそれぞれのヒンジ凹部545,551内に摺動され、次いで機械的ファスナなどの機械的要素
621を使用して固定され得るように、ベース502および蓋504に固定され得る。機械的要素
621は、ベース502の底部522に対してほぼ垂直に向けられてもよい。同様に、ラッチ組立体180は、ラッチ組立体180を蓋ラッチ凹部544内に摺動させ、機械的ファスナなどの機械的要素624を使用して蓋504に固定することによって、蓋504内に設置されてもよく、機械的要素624はまた、ベース502の底面522に対してほぼ垂直に配向されてもよい。
【0074】
上述したように、スーツケース500は、ガスケット576または他のシール装置を含むことができる。図示のように、ガスケット576は、蓋504の第2の端部536の下面537に配置された凹部577に配置されてもよい。ベース502は、スーツケース500が閉鎖構成にあるときにガスケット576と係合するベース502の第2の端部520の上面521に沿って配置されたシールリブ581を有してもよい。さらに、スーツケース500が閉鎖構成にあるとき、ガスケット576とシールリブ581との係合は、ベース502の上面521が蓋504の下面に接触することを防止することができ、上面および下面ならびに第4の端面は、互いに離間しており、蓋504は、ベース502から固定距離だけ離間しており、それらの間に隙間を形成している。ガスケット576は、ゴムまたはポリマー材料から形成されてもよく、いくつかの例では、実質的に円形の断面を有する。あるいは、ガスケット576は、ベース502に形成された凹部またはチャネル内に配置されてもよい。
【0075】
また、スーツケース500のベース502は、底部522と第4の面516との間にテーパ領域523を有してもよい。テーパ領域523は、一対の車輪組立体564の間に配置され、底部522の中央領域と鋭角を形成してもよい。このテーパ部分は、底部522の中央部からテーパ領域523の下面(またはテーパ領域523の下面の接平面)まで測定したときに、1度~30度の範囲内の角度で延びていてもよい。テーパ部分523は、異なる高さを有するユーザに対応するために、より多様な位置でトロリハンドル400を使用してスーツケース500を引っ張ることを可能にする。
【0076】
図45および図46は、ヒンジ506を示す。ヒンジ組立体506は、少なくとも2つのリンケージ626と、ベースヒンジインサート628と、蓋ヒンジインサート630と、複数のリンケージピン632とを含むことができる。各リンケージ626の一部は、リンケージピン632を介して蓋504に接続されてもよく、各リンケージ626の一部は、リンケージピン632を介してベース502に接続されてもよい。ヒンジ組立体506は、ベース502に対する蓋504の回転のためのヒンジ軸633を画定することができる。ヒンジ軸633は、ベース502の後縁部の外側に、また蓋504の後縁部の外側に位置してもよい。さらに、ヒンジ軸633は、ヒンジ組立体506の物理的形状の外側にあってもよい。ベースヒンジインサート628および蓋ヒンジインサート630はそれぞれ、凹部636,638を有することができる。ヒンジ凹部636,638は、複数のリンケージ626を受容することができる。各凹部636,638は、ヒンジインサート628,630のそれぞれの上面640,642から凹部の底面まで測定された、リンケージ626のそれぞれの厚さよりも大きい深さを有することができる。この配置は、ヒンジインサート628,630がリンケージ626を損傷から保護することを可能にする。
【0077】
各リンケージ626は、上面640と、上面640に対向する底面642と、上面と底面640,642との間に延びる側面644とを有することができる。一対の穴646は、穴646がリンケージピン632を受容する側面644を通って延びてもよい。例えば、リンケージ626は、開口部646を通ってベースヒンジインサート628の開口部内に延びる第1のリンケージピン632を受容する第1のリンケージ開口部646と、開口部646を通って蓋ヒンジインサート630の開口部内に延びる第2のリンケージピン632を受容する第2のリンケージ開口部646とを含んでもよい。したがって、各リンケージ626は、ベース502および蓋504の両方に接続される。さらに、底面642は、スーツケースが閉鎖構成にあるときにリンケージピン632のうちの一方を受容するスロット648と、スーツケースが開放構成にあるときにリンケージピン632のうちの一方を受容する上面640上のスロット650とを含むことができる。リンケージ626は、互いに隣接して配置されてもよく、
図45に示すように、スーツケース500が開放構成にあるとき、第1のリンケージは、上面640が蓋504とベース502の両方の上部周囲に面するように方向付けられてもよく、スーツケース500が開いた構成にあるとき、第2のリンケージは、底面642が蓋504とベース502の両方の上部周囲に面するように方向付けられてもよい。
【0078】
ベースヒンジインサート628および蓋ヒンジインサート630の各々は、スーツケース500の左側面図から見て、ほぼ長方形の形状を有してもよい。上述したように、各ヒンジインサート628,630はヒンジ凹部636,638を有し、各ヒンジ凹部は一端で開口し、残りの側面でヒンジインサート壁によって囲まれている。設置されると、各凹部636,638の開口端は互いに整列して全体的なヒンジ凹部を形成し、リンケージ626を受容し、リンケージを移動させることができる。各ヒンジインサート628,630は、凹部636,638の開口端を有するヒンジインサート628,630の端部でヒンジインサート壁から延びるヒンジフランジ652を有することができる。ヒンジフランジ652は、ヒンジ506をベース502および蓋504のそれぞれのヒンジ凹部550,551内に固定する機械的要素621を受容するための少なくとも1つの開口部を有することができる。
【0079】
スーツケース100の構成と同様に、脚部572は、脚部572Bの平坦部分がヒンジ506の縁部から離間しているヒンジ506のうちの1つまたは複数と概ね位置合わせされてもよい。さらに、脚部572Bは、
図46に示すように、スーツケース500が完全に開いたときに互いに接触して、開いたときのヒンジおよびスーツケース500の他の構成要素への衝撃力を低減するように配置されてもよい。図示の例示的なスーツケース500は、3つのヒンジ組立体506を有するが、スーツケース500は、2つのヒンジ506のみを有してもよく、または3つを超えるヒンジを有してもよい。
【0080】
リンケージ626、ヒンジインサート628,630、リンケージピン632などのヒンジ組立体506の構成要素は、十分な強度および剛性を提供するために、鋼またはアルミニウムなどの金属材料で形成されてもよい。あるいは、これらの構成要素は、繊維充填ポリマーなどのポリマー材料または複合材料から形成されてもよい。部品は、鋳造、機械加工、および成形などの既知の方法を使用して製造することができる。
【0081】
スーツケース100と同様に、スーツケース500は、スーツケース500の後部および底部の角の近くに配置された複数の車輪組立体564を含むことができる。
図47に示すように、車輪組立体564は、下部シェル508の車輪凹部570に設置されてもよい。車輪組立体564は、丸みを帯びた形状を有する車輪筐体566と、取り付けフランジ567とを含むことができる。車輪組立体564は、車軸に取り付けられた車輪568と、ベアリング(図示せず)とをさらに含むことができる。筐体566は、車輪筐体566の側面に沿って配向された複数のガイドレール569と、車輪筐体566の上面に沿って配置された複数のガイドレール571とをさらに含むことができる。ガイドレール569,571は、下部シェル508の車輪凹部570内に配置された対応するガイドスロット573,575内に摺動する。ガイドスロット573,575およびガイドレール569,571は、車輪組立体564がその最終位置に摺動されるときにより緊密な嵌合を提供するために、少なくとも1つのテーパ面を含むことができる。さらに、ガイドレール573,575およびガイドスロット569,571は、(スーツケース500の背面図を見るときに)水平方向および垂直方向の両方で車輪組立体564を固定することができる。車輪組立体564は、取り付けフランジ567に配置された取り付け穴を通って延びる機械的ファスナなどの少なくとも1つの機械的要素を使用して車輪凹部570に固定されてもよく、機械的要素は、ヒンジ506およびラッチ組立体180をそれぞれ固定する機械的要素
621および624と平行に向けられる。図示の例に示すように、各車輪組立体は、単一の機械的ファスナで固定されてもよい。
【0082】
各車輪組立体564は、図47および図48に示すように、別個の部材として形成されてもよい。各車輪組立体564は、丸みを帯びた形状を有する車輪筐体566と、少なくとも一方の端部に配置された少なくとも1つの取り付けフランジ567と、車軸が丸みを帯びた形状の中心と位置合わせされるように車軸およびベアリング(図示せず)に取り付けられた車輪568とを含むことができる。さらに、各車輪筐体566は、スーツケースの底面522の輪郭に概ね追従し、テーパ部分523を含む輪郭面を有してもよい。車輪筐体566の外向き面583は、設置されると、ベース502の底面522およびテーパ部分523の外側に離間してもよい。外向き面583をベース502から離間させることにより、ベース502を衝撃から保護するのに役立つことができる。
【0083】
図示の例に示されるように、スーツケース500は、一対の車輪組立体564を備えてもよいが、他の実施形態では、スーツケースは、追加の車輪組立体564を含んでもよい。車輪組立体564は、等間隔に離間されてもよく、車輪筐体566がベース502の少なくとも三方に露出されるように、スーツケース500の外縁に配置されてもよい。筐体566は、ポリアミド(ナイロン)などのポリマー材料または同様の材料から形成されてもよく、一方で、車輪568は、ポリウレタンなどのポリマー材料または同様の材料から形成されてもよい。いくつかの例では、車輪568は、より良好なけん引および摩耗のためにゴムコーティングまたはゴム外装を含むことができる。
【0084】
上述したように、ベース502は、下部シェル508を含むことができ、蓋504は、保管された内容物を保護するためのバリアを形成することができる剛性構造を提供するための上部シェル524を含むことができる。下部および上部シェル508,524は、1つまたは複数の金属、合金、ポリマー、セラミック、または繊維強化材料などの様々な材料から形成することができる。いくつかの例では、上部および下部シェル524,508は、両方のシェルを形成するように成形されたポリカーボネート合金、熱可塑性オレフィン(TPO)、または他の同様の材料などのポリマー材料から形成されてもよい。いくつかの構成では、シェル508,524は、当業者によって理解されるように、射出成形または回転成形プロセスを使用して形成される(図示せず)。構造をさらに強化するために、シェル508,524は、ラッチ組立体180およびヒンジ506の周りの領域の構造をさらに補強するための細長いリブ構造を含むことができる。例えば、図49および図50に示すように、上部シェル524は、各上部ラッチ凹部544の下の表面から上部シェル524の頂部538の内面まで延びる細長いリブ527のセットを有することができる。同様に、一組の細長いリブ527は、各上部ヒンジ凹部545の下の表面から上部シェル524の頂部538の内面まで延在してもよい。各セット内の各リブ527,529は、次の隣接するリブから均等に離間されてもよく、各リブは、各リブ527,529の厚さの約9.5倍の距離だけ互いに離間されてもよく、または各リブ527,529の厚さの8倍から10倍の範囲内で互いに離間されてもよく、または各リブ527,529の厚さの6倍から12倍の範囲内で互いに離間されてもよい。各リブ527,529は、約1.6mm、または1.0mm~2.2mmの範囲内の厚さを有することができる。同様に、図51および図52に示すように、下部シェル508は、下部ラッチ凹部550の各々の下の表面から下部シェル508の内面底部522まで延びる細長いリブ511のセットを有することができる。同様に、一組の細長いリブ513は、下部ヒンジ凹部551の各々の下の表面から下部シェル508の底部522の内面まで延びることができる。リブのセット内の各リブ511,513は、次の隣接するリブから均等に離間されてもよく、各リブ511,513は、各リブ511,513の厚さの約9.5倍の距離だけ互いに離間されてもよく、または各リブ511,513の厚さの8~10倍の範囲内で互いに離間されてもよく、または各リブ511,513の厚さの6~12倍の範囲内で互いに離間されてもよい。各リブ511,513は、約1.6mmまたは1.0mm~2.2mmの範囲内の厚さを有することができる。リブ構造511,513,527,529はまた、それぞれの蓋シェルおよびベースシェル524,508のシェル構造の隣接する内面に接続されてもよい。リブ構造511,513,527,529は、シェル508,524を補強および強化するのに役立つ。別の選択肢として、下部シェル508は、一方向圧力解放弁を受容するために、ヒンジ凹部551の一方の下のリブ513内に配置された開口部515を有することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、本開示は、ベースに回転可能に接続された蓋を備えるスーツケースに関し、蓋は、単一部材として形成された上部シェルを含むことができ、ベースは、単一部材として形成された下部シェルを含む。スーツケースは、開いた向きまたは閉鎖構成で構成されてもよく、閉鎖構成では、複数のラッチ組立体が蓋をベースに固定する。さらに、上部シェルおよび下部シェルは、外面から内面を通って延びる開口部を含まなくてもよい。別の選択肢として、ラッチ組立体は、蓋およびベースにそれぞれ配置された上部ラッチ凹部および下部ラッチ凹部内に配置されてもよい。さらに、筐体、車輪、および車軸を含む車輪組立体は、別個の部材として形成され、下部シェルに形成された凹部に受容されてもよい。
【0086】
本開示は、様々な例を参照して、上記および添付の図面に開示されている。しかしながら、本開示によって提供される目的は、本開示に関連する様々な特徴および概念の例を提供することであり、本発明の範囲を限定することではない。当業者であれば、上記で述べた例に対し数多くの変形および変更が、本開示の範囲を逸脱することなく、なされ得ると認識するであろう。