(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】GPRC5Dキメラ抗原受容体及びそれを発現する細胞
(51)【国際特許分類】
C07K 19/00 20060101AFI20230627BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20230627BHJP
C07K 14/705 20060101ALI20230627BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230627BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20230627BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20230627BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20230627BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20230627BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230627BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230627BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230627BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20230627BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230627BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230627BHJP
C12Q 1/04 20060101ALI20230627BHJP
G01N 33/574 20060101ALI20230627BHJP
【FI】
C07K19/00 ZNA
C07K16/28
C07K14/705
C12N5/10
C12N15/62 Z
C12N15/12
C12N15/13
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
A61K35/17
A61P35/00
A61P35/02
C12Q1/04
G01N33/574 D
(21)【出願番号】P 2021541185
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(86)【国際出願番号】 IB2020050310
(87)【国際公開番号】W WO2020148677
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-08-30
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100153693
【氏名又は名称】岩田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】アター,リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ガネサン,ラジクマール
(72)【発明者】
【氏名】ゴーデット,フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイドリッチ,ブラッドリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,カルメン バカ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リ,インジェ
(72)【発明者】
【氏名】シン,サンジャヤ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカタラマニ,サティヤ
【審査官】北村 悠美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/090312(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/017786(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C07K 1/00-19/00
CAplus/REGISTRY(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む、キメラ抗原受容体(CAR)であって、
前記細胞外抗原結合ドメインが、
(a)配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号72のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、又は
(b)配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号64のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
を含み、
前記細胞外抗原結合ドメインが
、Gタンパク質受容体ファミリーCグループ5メンバーD(GPRC5D)抗原に結合する、
前記キメラ抗原受容体(CAR)。
【請求項2】
前記細胞外抗原結合ドメインが、単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、請求項
1に記載のCAR。
【請求項3】
前記scFvが、前記軽鎖可変領域と前記重鎖可変領域との間にリンカーポリペプチドを含む、請求項
2に記載のCAR。
【請求項4】
前記リンカーポリペプチドが、配列番号7のアミノ酸配列を含む、請求項
3に記載のCAR。
【請求項5】
前記scFvが、配列番号78、77、75、
及び7
6からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項
2~
4のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項6】
前記細胞外抗原結合ドメインが、シグナルポリペプチドを含む、請求項1~
5のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項7】
前記シグナルポリペプチドが、配列番号11のアミノ酸配列を含む、請求項
6に記載のCAR。
【請求項8】
前記細胞内シグナル伝達ドメインが、TNF受容体スーパーファミリーメンバー9(CD137)成分、T細胞表面糖タンパク質CD3ゼータ鎖(CD3z)成分、分化クラスタ(CD27)成分、分化クラスタスーパーファミリーメンバー成分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ポリペプチド成分を含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項9】
前記CD137成分が、配列番号12のアミノ酸配列を含む、請求項
8に記載のCAR。
【請求項10】
前記CD3z成分が、配列番号13のアミノ酸配列を含む、請求項
8記載のCAR。
【請求項11】
前記細胞内シグナル伝達ドメインが、配列番号14のアミノ酸配列を含む、請求項
8に記載のCAR。
【請求項12】
前記膜貫通ドメインが、CD8a膜貫通領域(CD8A-TM)ポリペプチドを含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項13】
前記CD8a-TMポリペプチドが、配列番号15のアミノ酸配列を含む、請求項
12に記載のCAR。
【請求項14】
前記膜貫通ドメインを前記細胞外抗原結合ドメインに連結するヒンジ領域を更に含む、請求項1~
13のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項15】
前記ヒンジ領域が、CD8aヒンジ領域である、請求項
14に記載のCAR。
【請求項16】
前記CD8aヒンジ領域が、配列番号16のアミノ酸配列を含む、請求項
15記載のCAR。
【請求項17】
前記細胞外抗原結合ドメインが、配列番号82、81、80、
及び7
9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~
16のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項18】
前記CARが、配列番号86、85、83、
及び8
4からなる群から選択され
るアミノ酸配列を含む、請求項1~
17のいずれか一項に記載のCAR。
【請求項19】
請求項1~
18のいずれか一項に記載のCARを発現する、単離されたリンパ球。
【請求項20】
前記リンパ球が、Tリンパ球である、請求項
19に記載の単離されたリンパ球。
【請求項21】
前記Tリンパ球が、ナイーブT細胞である、請求項
20に記載の単離されたリンパ球。
【請求項22】
前記Tリンパ球が、記憶幹T細胞である、請求項
20に記載の単離されたリンパ球。
【請求項23】
前記Tリンパ球が、中央記憶T細胞である、請求項
20に記載の単離されたリンパ球。
【請求項24】
前記Tリンパ球が、CD4+である、請求項
20~
23のいずれか一項に記載の単離されたリンパ球。
【請求項25】
前記Tリンパ球が、CD8+である、請求項
20~
23のいずれか一項に記載の単離されたリンパ球。
【請求項26】
前記Tリンパ球が、CD4+及びCD8+である、請求項
20~
23のいずれか一項に記載の単離されたリンパ球。
【請求項27】
請求項1~
18のいずれか一項に記載のCARをコードする、単離された核酸分子。
【請求項28】
前記核酸分子が、配列番号90、89、87、
及び8
8からなる群から選択され
る核酸配列を含む、請求項
27に記載の単離された核酸分子。
【請求項29】
前記核酸分子が、配列番号90、89、87、
又は8
8のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む、請求項
27に記載の単離された核酸分子。
【請求項30】
請求項
27~
29のいずれか一項に記載の核酸分子を含む、ベクター。
【請求項31】
請求項
27~
29のいずれか一項に記載の核酸分子を発現する、細胞。
【請求項32】
請求項
19~
26のいずれか一項に記載の有効量のリンパ球を含む、医薬組成物。
【請求項33】
請求項
19~
26のいずれか一項に記載の有効量のリンパ球と、医薬的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項34】
治療において使用するための、請求項1~
18のいずれか一項に記載のCAR、
請求項19~26のいずれか一項に記載のリンパ球、又は請求項
32若しくは
33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
癌を有する対象を治療する方法において使用するための、請求項1~
18のいずれか一項に記載のCAR、
請求項19~26のいずれか一項に記載のリンパ球、又は請求項
32若しくは
33に記載の医薬組成物。
【請求項36】
癌を有する対象を治療する方法
において使用するための、請求項19~26のいずれか一項に記載のリンパ球、又は請求項32又は33に記載の医薬組成物であって、
前記方法は、治療有効量の
前記リンパ球
又は医薬組成物を、
該治療を必要とする対象に投与することを含み、それにより、前記リンパ球
又は医薬組成物が、前記対象における癌細胞の死滅を誘導する、
前記
リンパ球又は医薬組成物。
【請求項37】
前記癌が、肺癌、胃癌、結腸癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、及び非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される
、請求項
35に記載の方法において使用するための前記CAR
、前記リンパ球、若しくは前記医薬組成物
、又は請求項36に記載の方法において使用するための前記リンパ球、若しくは前記医薬組成物。
【請求項38】
前記癌が、多発性骨髄腫である
、請求項
35若しくは
37に記載の方法において使用するための前記CAR
、前記リンパ球、若しくは前記医薬組成物
、又は請求項36若しくは37に記載の方法において使用するための前記リンパ球、若しくは前記医薬組成物。
【請求項39】
癌細胞の標的化死滅の
in vitro方法であって、
前記癌細胞を、請求項
19~
26のいずれか一項に記載のリンパ球と接触させることを含み、それにより、前記リンパ球が、前記癌細胞の死滅を誘導する、
前記方法。
【請求項40】
前記癌細胞が、肺癌、胃癌、結腸癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、及び非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項
39に記載の方法。
【請求項41】
前記癌細胞が、多発性骨髄腫細胞である、請求項
40に記載の方法。
【請求項42】
対象における癌の存在を検出する方法
において使用するための、請求項1~18のいずれか一項に記載のCARであって、
前記方法は、
(a)前記対象から得られた細胞サンプルを請求項1
~18のいずれか一項に記載のCARと接触させることにより、CAR-細胞複合体を形成すること、及び
(b)前記複合体を検出することを含み、該複合体の検出が、前記対象における癌の存在を示す、
前記
CAR。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出済みであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている配列表を含む。当該ASCIIのコピーは、2020年1月9日に作成され、JBI6043WOPCT1_SL.txtの名称であり、150,002バイトのサイズである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、GPRC5D単鎖可変フラグメントを含むGPRC5D標的化キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptors、CAR)、及びCARを発現する遺伝子操作されたGPRC5D標的化免疫細胞に関する。また、CARをコードする核酸及び発現ベクター、当該ベクターを含む組み換え細胞、並びにGPRC5D標的化CARを発現する遺伝子操作された免疫細胞を含む組成物も提供される。CAR及び遺伝子操作された免疫細胞を作製する方法、並びに癌を含む状態を治療するために遺伝子操作された免疫細胞を使用する方法も提供される。
【背景技術】
【0003】
T細胞療法では、特定の腫瘍関連抗原に対する特異性を高めるために遺伝子改変され単離されたT細胞を利用する。遺伝子改変は、キメラ抗原受容体(CAR)又は外因性T細胞受容体の発現を伴い、T細胞上に新たな抗原特異性を提供し得る。キメラ抗原受容体を発現するT細胞(CAR-T細胞)は、腫瘍免疫反応を誘導することができる。CAR-T細胞を利用したより良好な癌療法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示されるのは、キメラ抗原受容体(CAR)、例えば、Gタンパク質共役型受容体、Gタンパク質共役型受容体ファミリーCグループ5メンバーD(GPRC5D)、CARを含む細胞、CARをコードするベクター(例えば、組み換え発現ベクター)、及びCARをコードする核酸分子を標的とするCAR、CARを作製する方法、組成物、ポリペプチド、タンパク質、核酸、宿主細胞、細胞集団、並びに開示されたCARを使用して障害(例えば、癌)を治療する方法である。
【0005】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む、CARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、又は
配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号47のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、
細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0006】
一実施形態では、
細胞外抗原結合ドメインは、配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号69のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号70のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号71のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、
細胞外抗原結合ドメインは、配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号61のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号62のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号63のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、
細胞外抗原結合ドメインは、配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号48のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、
細胞外抗原結合ドメインは、配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号51のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号53のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、又は
細胞外抗原結合ドメインは、配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号47のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号54のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号55のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号56のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む。
【0007】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号73、65、1、3、及び5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(light chain variable region、LCVR)、又は配列番号72、64、2、4、及び6からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(heavy chain variable region、HCVR)、又は配列番号73、65、1、3、及び5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVRと、配列番号72、64、2、4、及び6からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVRとの組み合わせを含む。
【0008】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号72のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号64のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
配列番号3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、又は
配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
【0009】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、単鎖可変フラグメント(scFv)を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、軽鎖可変領域と重鎖可変領域との間にリンカーポリペプチドを含む。
【0010】
一実施形態では、リンカーポリペプチドは、配列番号7のアミノ酸配列を含む。
【0011】
一実施形態では、scFvは、配列番号78、77、75、76、8、9、10、24、25、及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0012】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、シグナルポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、シグナルポリペプチドは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。
【0013】
一実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、TNF受容体スーパーファミリーメンバー9(CD137)成分、T細胞表面糖タンパク質CD3ゼータ鎖(CD3z)成分、分化クラスタ(CD27)成分、分化クラスタスーパーファミリーメンバー(例えば、CD28又は誘導性T細胞共刺激因子(inducible T-cell co-stimulator、ICOS)など)成分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリペプチド成分を含む。
【0014】
一実施形態では、CD137成分は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。
【0015】
一実施形態では、CD3z成分は、配列番号13のアミノ酸配列を含む。
【0016】
一実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号14のアミノ酸配列を含む。
【0017】
一実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8a膜貫通領域(CD8A-TM)ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、CD8a-TMポリペプチドは、配列番号15のアミノ酸配列を含む。
【0018】
一実施形態では、CARは、膜貫通ドメインを細胞外抗原結合ドメインに連結するヒンジ領域を更に含む。いくつかの実施形態では、ヒンジ領域は、CD8aヒンジ領域である。いくつかの実施形態では、CD8aヒンジ領域は、配列番号16のアミノ酸配列を含む。
【0019】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号82、81、80、79、17、18、19、20、21、及び22からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0020】
一実施形態では、本開示のCARは、配列番号86、85、83、84、27、28、29、30、31及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0021】
一態様では、本開示は、本明細書に記載のCARを発現する単離されたリンパ球を提供する。いくつかの実施形態では、リンパ球は、Tリンパ球である。いくつかの実施形態では、Tリンパ球は、ナイーブT細胞である。いくつかの実施形態では、Tリンパ球は、記憶幹T細胞である。いくつかの実施形態では、Tリンパ球は、中央記憶T細胞である。いくつかの実施形態では、Tリンパ球は、CD4+である。いくつかの実施形態では、Tリンパ球は、CD8+である。いくつかの実施形態では、Tリンパ球は、CD4+及びCD8+である。
【0022】
一態様では、本開示は、本明細書に記載のCARのいずれかをコードする単離された核酸分子を提供する。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号90、89、87、88、33、34、35、36、37、及び38からなる群から選択される核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号90、89、87、88、33、34、35、36、37又は38のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、本開示は、核酸分子を含むベクターを提供する。一実施形態では、本開示は、核酸分子を発現する細胞を提供する。
【0023】
一態様では、本開示は、記載される1つ又は2つ以上のCARを発現する有効量のリンパ球と、医薬的に許容される賦形剤とを含む、組成物、例えば、医薬組成物を提供する。
【0024】
一態様では、本開示は、治療方法で使用するための本開示によるCARを提供する。
【0025】
一態様では、本開示は、治療方法で使用するための本開示によるリンパ球を提供する。一態様では、本開示は、治療方法で使用するための本開示による組成物、例えば、医薬組成物を提供する。
【0026】
一態様では、本開示は、癌を治療する方法で使用するための本開示によるCARを提供する。一態様では、本開示は、癌を治療する方法で使用するための本開示によるリンパ球を提供する。一態様では、本開示は、癌を治療する方法で使用するための本開示による組成物、例えば、医薬組成物を提供する。一実施形態では、癌は、膀胱癌、転移性膀胱癌、食道癌、非小細胞肺腺癌、非小細胞肺扁平上皮癌、前立腺癌、尿路上皮癌、小細胞肺癌、子宮内膜癌、胆管癌、肝細胞癌、肉腫、扁平上皮起源の固形腫瘍、肺癌、胃癌、結腸癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin’s lymphoma、NHL)、急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia、ALL)、慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia、CLL)、慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia、CML)、くすぶり型多発性骨髄腫(smoldering multiple myeloma、SMM)、多発性骨髄腫(multiple myeloma、MM)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia、AML)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、治療される癌は、多発性骨髄腫である。
【0027】
一態様では、本開示は、癌を有する対象を治療する方法を提供し、本方法は、記載される1つ又は2つ以上のCARを発現する治療有効量のリンパ球を、それを必要とする対象に投与することを含み、それにより、リンパ球は対象における癌細胞の死滅を誘導する。一実施形態では、癌は、膀胱癌、転移性膀胱癌、食道癌、非小細胞肺腺癌、非小細胞肺扁平上皮癌、前立腺癌、尿路上皮癌、小細胞肺癌、子宮内膜癌、胆管癌、肝細胞癌、肉腫、扁平上皮起源の固形腫瘍、肺癌、胃癌、結腸癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、対象において治療される癌は、多発性骨髄腫である。
【0028】
一態様では、癌細胞の標的化死滅の方法が開示される。該方法は、癌細胞を、記載される1つ又は2つ以上のCARを発現するリンパ球と接触させることを含み、それにより、リンパ球は癌細胞の死滅を誘導する。いくつかの実施形態では、癌細胞は、肺癌細胞、胃癌細胞、結腸癌細胞、肝細胞癌細胞、腎細胞癌細胞、膀胱尿路上皮癌細胞、転移性黒色腫細胞、乳癌細胞、卵巣癌細胞、子宮頸癌細胞、頭頸部癌細胞、膵臓癌細胞、神経膠腫細胞、神経膠芽腫細胞、及び非ホジキンリンパ腫(NHL)細胞、急性リンパ性白血病(ALL)細胞、慢性リンパ性白血病(CLL)細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)細胞、多発性骨髄腫(MM)細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、癌細胞は、多発性骨髄腫細胞である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
前述は、以下の付属の図面に示される例示的実施形態のより詳細な説明から明らかとなるであろう。
【
図1-1】
図1-1、
図1-2は、mRNAなし(mock)、又はα-GPRC5D scFv CAR若しくはアイソタイプ対照CARのいずれかを発現する10μgのmRNAでエレクトロポレーションされた初代ヒト汎T細胞のフローサイトメトリ分析を示す。エレクトロポレーションから24時間後、ビオチン化L-タンパク質及びストレプトアビジンコンジュゲートPEを用いた染色後のフローサイトメトリによって、CARの表面発現を測定した。白抜きのヒストグラムはmockであり、塗りつぶされた灰色のヒストグラムは、CAR-T集団である。
【
図2-1】
図2-1、
図2-2は、多発性骨髄腫細胞株と共培養され一過性にトランスフェクションされた汎T細胞のフローサイトメトリ分析を示す。一過性トランスフェクションの24時間後、初代汎T細胞を蛍光増殖色素(Cell Trace Violet、CTV)で標識し、次いで、多発性骨髄腫細胞株H929と共培養した。共培養4日後、細胞をCD8+CD4集団上で事前にゲーティングし、CAR-T上の活性化マーカーCD25及びCD71の表面発現を、単独又はα-CD3/CD28ビーズの存在下で培養したT細胞と比較した。
【
図3】CAR発現mRNAで一過性にトランスフェクションされ、様々な骨髄腫細胞株と共培養された初代汎T細胞のサイトカインプロファイル分析を示す。CAR発現mRNAで24時間前に一過性にトランスフェクションした初代汎T細胞を、標的抗原GPRC5Dを発現する様々な骨髄腫細胞株と1:1の比で、高(+++)、中(++)、低(+)又は陰性(-)レベルで共培養した。共培養16時間後、上清を採取し、共培養からの上清のMeso Scale Discovery(MSD)によるサイトカインプロファイル分析を行った。
【
図4-1】
図4-1、
図4-2は、CAR発現mRNAで一過性にトランスフェクションされ、自己末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cells、PBMC)及び多発性骨髄腫細胞株と共培養された初代汎T細胞のサイトカインプロファイル分析を示す。CAR発現mRNAとの一過性トランスフェクションの24時間後、初代汎T細胞を自己PBMC及び多発性骨髄腫細胞株H929と(1:1:1比で)共培養した。共培養16時間後、上清を採取した。3つの集団全て(CAR-T、H929,自己PBMC)を含有する共培養物からの上清のMSDによるサイトカインプロファイル分析を、CAR-T細胞、PBMC、又はH929を含まない対照共培養物と、単独で培養された細胞の各集団と比較した。
【
図5-1】
図5-1、
図5-2、
図5-3は、GPRC5D発現骨髄腫細胞に対するCAR-T細胞における細胞傷害の潜在能力のフローサイトメトリ分析を示す。初代汎T細胞(前述の3つのCARのうちの1つを一過性に発現する)を、示されたエフェクタ:標的(E:T)比で、蛍光標識された骨髄腫細胞株、MM1R、H929、及びK562と8時間共培養した。この時点で、共培養物を生存性色素で染色した。死滅率は、CAR-T細胞なしで培養された生存標的の数に対する共培養物中に残存する生存(生存性色素陰性)標的(CTV陽性)細胞の絶対数の比率である。
【
図6】GPRC5D発現骨髄腫細胞に対するCAR-T細胞における細胞傷害の潜在能力のフローサイトメトリ分析を示す。原発性多発性骨髄腫患者のT細胞(前述の2つのCARのうちの1つを一過性に発現する)を、示されたエフェクタ:標的(E:T)比で、蛍光標識された骨髄腫細胞株MM.1S又は対照GPRC5d-陰性細胞株KG-1と48時間共培養した。この時点で、共培養物を生存性色素で染色した。細胞傷害率(細胞死を示す)を、生存性色素に対して陽性に染色された蛍光標識細胞の割合として判定した。
【
図7-1】
図7-1、
図7-2、
図7-3は、α-GPRC5D-CAR-T細胞の増殖能のフローサイトメトリ分析の結果を示す。蛍光標識された汎T細胞(α-GPRC5D CAR又はアイソタイプCAR対照を一過性に発現する)をE:T比1にて、H929と4日間共培養した。希釈された蛍光標識(CTV)を有する生存(生存性色素陰性)CAR-T細胞の絶対数として、増殖を測定した。H929に応答した増殖を、α-CD3/CD28ビーズ刺激の4日後のCAR-T増殖、及び単独で培養されたCAR-T(刺激制御なし)と比較した。
【
図8】フローサイトメトリによって測定した、健康なドナーT細胞におけるGPRC5D-CAR発現の百分率を示す棒グラフを示す。影付きの灰色のバーは、非形質導入(mock)細胞におけるバックグラウンドのCAR検出を表す。黒色バーは、形質導入CAR-T細胞中のGPRC5D GC5B680-N68S-LHを示す。示される値は、6人の健康なドナーの平均±SDを表す。
【
図9A-C】GPRC5D CAR-T細胞上のCD4、CD8、及び記憶マーカーの発現を示すデータを示す。棒グラフを示し、データは、GPRC5D GC5B680-N68S-LH CARがCD4及びCD8 T細胞の両方においてフローサイトメトリによって検出されたこと、及びCD4/CD8比率が非形質導入集団とあまり異ならなかったことを集合的に示している。
図9Aは、CD8+及びCD4+細胞のそれぞれによって構成される、Mock(非形質導入)細胞集団の百分率を示す。
図9B~
図9Cはそれぞれ、CD8
+及びCD4
+細胞のそれぞれによって構成されるCAR
-細胞(GPRC5D CARを発現しない形質導入細胞)の百分率、並びにCD8
+及びCD4
+細胞のそれぞれによって構成されるCAR
+細胞(GPRC5D CARを発現する形質導入細胞)の百分率を示す。
図9A~
図9Cに示される値は、6人の健康なドナーの平均±SDを表す。
図9Bに示される値は、6人の健康なドナーの平均±SDを表す。
【
図9D-F】GPRC5D CAR-T細胞上のCD4、CD8、及び記憶マーカーの発現を示すデータを示す。
図9Dは、1人のドナーから調製されたフローサイトグラムを示しており、表面マーカー(CD45RA及びCD62L)を使用した、CAR-T集団における示された異なる記憶集団の選択のためのゲーティングストラテジーを示している。
図9E及び
図9Fは、GPRC5D GC5B680-N68S-LHが、主に、T
N/SCM及びT
CM上で発現したことを示す棒グラフを示す。これらには、増殖能、生存、及び治療有効性が増加したことが示されている。
図9E~
図9Fに示される値は、6人の健康なドナーの平均±SDを表す。
【
図10A】GPRC5D CAR-T毒性を示す散乱プロットを示す。GPRC5D GC5B680-N68S-LH又は非形質導入(Mock)T細胞を、様々なE:T比にて、ルシフェラーゼ導入遺伝子を含有するGPRC5D
+MM.1S細胞又はGPRC5D
-K562細胞に添加した。CAR-Tは、6人の健康なドナーから作製された。値は、6時間の平均±SDとして表される。比溶解率(percent specific lysis)は、(i)6又は24時間のCAR-Tの存在下で、腫瘍細胞中のルシフェラーゼシグナルを、同じ時点で、腫瘍細胞内のルシフェラーゼシグナルで除算し、100を乗算し、(ii)100からその数を減算することによって計算した。式は、100-[(CAR-T+腫瘍発光/平均腫瘍単独発光)×100]である。点線は、ゼロに等しい比溶解率を表す。陰性溶解は、細胞成長を示す。
【
図10B】GPRC5D CAR-T毒性を示す散乱プロットを示す。GPRC5D GC5B680-N68S-LH又は非形質導入(Mock)T細胞を、様々なE:T比にて、ルシフェラーゼ導入遺伝子を含有するGPRC5D
+MM.1S細胞又はGPRC5D
-K562細胞に添加した。CAR-Tは、6人の健康なドナーから作製された。値は、24時間の平均±SDとして表される。比溶解率(percent specific lysis)は、(i)6又は24時間のCAR-Tの存在下で、腫瘍細胞中のルシフェラーゼシグナルを、同じ時点で、腫瘍細胞内のルシフェラーゼシグナルで除算し、100を乗算し、(ii)100からその数を減算することによって計算した。式は、100-[(CAR-T+腫瘍発光/平均腫瘍単独発光)×100]である。点線は、ゼロに等しい比溶解率を表す。陰性溶解は、細胞成長を示す。
【
図11A】示されたE:T比で添加されたGPRC5D CAR-T細胞の細胞傷害が、GPRC5D
+H929、MM.1S、MM.1R、MOLP-2、及びEJM細胞又はGPRC5D
-K562細胞を使用して評価されたことを示す散乱プロットを示す。GPRC5D CAR-T細胞は、全てのGPRC5D
+細胞株に対して細胞傷害を示した。
【
図11B】示されたE:T比で添加されたGPRC5D CAR-T細胞の細胞傷害が、GPRC5D
+H929、MM.1S、MM.1R、MOLP-2、及びEJM細胞又はGPRC5D
-K562細胞を使用して評価されたことを示す散乱プロットを示す。GPRC5D CAR-T細胞は、全てのGPRC5D
+細胞株に対して細胞傷害を示した。
【
図11C】示されたE:T比で添加されたGPRC5D CAR-T細胞の細胞傷害が、GPRC5D
+H929、MM.1S、MM.1R、MOLP-2、及びEJM細胞又はGPRC5D
-K562細胞を使用して評価されたことを示す散乱プロットを示す。GPRC5D CAR-T細胞は、全てのGPRC5D
+細胞株に対して細胞傷害を示した。
【
図11D】示されたE:T比で添加されたGPRC5D CAR-T細胞の細胞傷害が、GPRC5D
+H929、MM.1S、MM.1R、MOLP-2、及びEJM細胞又はGPRC5D
-K562細胞を使用して評価されたことを示す散乱プロットを示す。GPRC5D CAR-T細胞は、全てのGPRC5D
+細胞株に対して細胞傷害を示した。
【
図11E】示されたE:T比で添加されたGPRC5D CAR-T細胞の細胞傷害が、GPRC5D
+H929、MM.1S、MM.1R、MOLP-2、及びEJM細胞又はGPRC5D
-K562細胞を使用して評価されたことを示す散乱プロットを示す。GPRC5D CAR-T細胞は、全てのGPRC5D
+細胞株に対して細胞傷害を示した。
【
図11F】示されたE:T比で添加されたGPRC5D CAR-T細胞の細胞傷害が、GPRC5D
+H929、MM.1S、MM.1R、MOLP-2、及びEJM細胞又はGPRC5D
-K562細胞を使用して評価されたことを示す散乱プロットを示す。GPRC5D CAR-T細胞は、全てのGPRC5D
+細胞株に対して細胞傷害を示した。
【
図12】3:1のE:T比においてK562細胞の存在下での、非形質導入(mock)又はGC5B680-N68S-LH細胞による表面CD25発現レベル(%CD25)を示す棒グラフを示す。CAR-Tは、6人の健康なドナーから作製された。データは平均±SDとして表される。
【
図13-1】
図13-1、
図13-2、
図13-3は、GC5B680-N68S-LHが、GPRC5D+標的細胞(H929又はMM.1S)又は陽性対照(作動薬CD3/CD28ビーズ)の存在下で特異的に増殖し、標的細胞の非存在下又はGPRC5D-細胞(K562)の存在下では増殖しないことを示すフローサイトグラムを示す。CELLTRACE Violet(CTV)(X軸)を使用して細胞増殖を測定した。抗イディオタイプ抗体(Y軸)を使用して、CAR
+事象を検出した。
【
図14】CAR-T(GC5B680-N68S-LH)細胞中で、GPRC5D
+細胞株H929と共に24時間インキュベーションされた切断カスパーゼ3/7レベルのレベルが、対照(スタウロスポリン、GPRC5D-K562細胞、又は単独)と比較して変化のないことを示す棒グラフである。E:T比1:2を、H929及びK562細胞に使用した。CAR
-は、GPRC5D CARを発現しない形質導入細胞を表す。CAR
+は、GPRC5D CARを発現する形質導入細胞を表す。
【
図15】実施例15による、NSG-B2Mマウスにおいて確立されたMM.1SヒトMM異種移植片におけるGPRC5D指向性CAR-T細胞の効果を実証するグラフを示す。GC5B680-N68S-LH、GC5B680-N68S-HL、GC5B83-N24T-N31S-LH、及びGC5B83-N24T-N31S-HL、GPRC5D指向性CAR-T、Mock、非形質導入CAR-T、PBS、リン酸緩衝生理食塩水、NSG、非肥満糖尿病重症複合免疫不全ガンマ、B2M、ベータ-2ミクログロブリン、MM、多発性骨髄腫。群の腫瘍体積は、平均±SEMとしてグラフ化されている。腫瘍細胞を0日目に移植し、1×10
6のCAR+T細胞を13日目に移植した。記号「
*」は、26日目のPBS対照との有意差を示す(p≦0.05、n=10/群)。
【
図16】実施例16による、播種性H929ヒトMM異種移植片を有するNSGマウスの生存期間に対するGC5B680-N68S-LHの効果を実証するグラフを示す。GC5B680-N68S-LH、GC5B680-N68S-HL、GC5B83-N24T-N31S-LH、及びGC5B83-N24T-N31S-HL、GPRC5D指向性CAR-T、Mock、非形質導入CAR-T、PBS、リン酸緩衝生理食塩水、NSG、非肥満糖尿病重症複合免疫不全ガンマ、MM、多発性骨髄腫。腫瘍細胞を0日目に移植した。1×10
6のCAR+T細胞を9日目に移植した。記号「
*」は、111日目のPBS対照との有意差を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
例示的実施形態の記述が以下に続く。
【0031】
本開示は、Gタンパク質共役型受容体Gタンパク質共役型受容体ファミリーCグループ5メンバーD(GPRC5D)を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)、かかるCARを含む細胞、並びに本明細書に記載のCARを使用した癌(例えば、血液悪性腫瘍及び固形腫瘍)を治療する方法を提供する。
【0032】
本発明のCARは、GPRC5D(例えば、配列番号57のアミノ酸配列を有するヒトGPRC5Dポリペプチド又はそのフラグメント)に対する抗原特異性を有する。本明細書で使用するとき、「抗原特異性を有する」及び「抗原特異的応答を誘発する」という句は、CARが抗原に特異的に結合し、抗原を免疫学的に認識することができ、その結果、CARのGPRC5D抗原への結合により免疫応答を誘発することを意味する。抗原特異性及び標的細胞を認識する能力についてCARを試験する方法は、当技術分野で知られている。
【0033】
本開示はまた、関連する核酸、組み換え発現ベクター、宿主細胞、細胞集団、抗体、又はその抗原結合部分、及び本発明のCARに関する医薬組成物も提供する。
【0034】
本発明のいくつかの態様は、例示のみを目的とした例を参照して、以下に記載される。本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細、関係、及び方法が記載されていることを理解されたい。しかしながら、当業者であれば、本発明は、具体的な詳細のうちの1つ若しくは2つ以上を伴わずに実施することができる、又は他の方法、プロトコル、試薬、細胞株、及び動物で実施することができることを容易に認識するであろう。いくつかの行為は、異なる順序で、及び/又は他の行為若しくは事象と同時に生じ得るため、本発明は、例示される行為又は事象の順序によって限定されない。更に、本発明による手法を実施するために、例示された全ての行為、ステップ、又は事象が必要とされるわけではない。本明細書に記載される又は参照される技術及び手順のうちの多くは、当業者によって十分に理解されており、従来の手法を使用して一般的に用いられている。
【0035】
別途定義のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語、表記、及び他の科学用語、又は専門用語は、本発明が関係する当業者によって通常理解される意味を有することを意図している。場合によっては、通常理解される意味を有する用語は、明確にするため及び/又は即座に参照できるように本明細書に定義され、本明細書におけるかかる定義を含めることは、当該技術分野において概ね理解されているものと実質的な違いを表すと必ずしも解釈されるべきではない。通常使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして、及び/又は本明細書において別様に定義されているものとして解釈する必要があることが更に理解されるであろう。
【0036】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためであり、限定することを意図しない。本明細書で使用される場合、文脈により別途明確に示されない限り、冠詞「a」、「an」及び「the」は、複数の指示物を含むものと理解されたい。
【0037】
キメラ抗原受容体
本発明は、概して、所望のキメラ抗原受容体を安定して発現するように遺伝子改変されたT細胞の使用に関する。キメラ抗原受容体(CAR)は、T細胞シグナル伝達ドメインに結合された抗体(scFv)の抗原結合ドメインを含有する人工的に構築されたハイブリッドタンパク質又はポリペプチドである。CARの特性には、非MHC制限様式で選択された標的に向かってT細胞特異性及び反応性をリダイレクトし、モノクローナル抗体の抗原結合特性を利用する能力が含まれ得る。非MHC制限抗原認識により、CARを発現するT細胞は、抗原プロセシングとは無関係に抗原を認識することができるため、腫瘍回避の主要なメカニズムを迂回する。更に、T細胞において発現される場合、CARは、内因性T細胞受容体(T cell receptor、TCR)アルファ及びベータ鎖と有利に二量体化しない。
【0038】
本明細書に記載のCARは、少なくとも細胞外抗原結合ドメインと、膜貫通ドメインと、以下に定義された刺激分子に由来する機能的シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメイン(本明細書では「細胞質シグナル伝達ドメイン」とも称される)と、を含む組み換えポリペプチド構築物を提供する。CARを発現するT細胞は、本明細書では、CAR T細胞、CAR-T細胞、又はCAR修飾T細胞と称され、これらの用語は、本明細書において互換的に使用される。細胞は、その表面上に抗体結合ドメインを安定して発現するように遺伝子改変することができ、MHC非依存性の新規抗原特異性を付与する。
【0039】
場合によっては、特異的抗体の抗原認識ドメインをCD3-ゼータ鎖又はFcγRIタンパク質の細胞内ドメインと組み合わせて単一のキメラタンパク質にするCARを安定して発現するように、T細胞は遺伝子改変されている。一実施形態では、刺激分子は、T細胞受容体複合体に関連するゼータ鎖である。
【0040】
「細胞内シグナル伝達ドメイン」は、本用語が本明細書において使用されるとき、分子の細胞内部分を指す。これは、タンパク質の機能的部分であり、セカンドメッセンジャを生成することにより定められたシグナル伝達経路を介して細胞活動を調節するために細胞内で情報を伝達することによって作用する、又はかかるメッセンジャに応答することによりエフェクタとして機能することによって作用する。細胞内シグナル伝達ドメインは、CAR含有細胞(例えば、CAR-T細胞)の免疫エフェクタ機能を促進するシグナルを生成する。例えばCAR-T細胞における免疫エフェクタ機能の例としては、細胞溶解活性及びヘルパー活性(サイトカインの分泌を含む)が挙げられる。
【0041】
一実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次細胞内シグナル伝達ドメインを含み得る。一次細胞内シグナル伝達ドメインの例としては、一次刺激又は抗原依存性シミュレーションに関与する分子に由来するものが挙げられる。一実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、共刺激細胞内ドメインを含み得る。共刺激細胞内シグナル伝達ドメインの例としては、共刺激シグナル又は抗原非依存性刺激に関与する分子に由来するものが挙げられる。例えば、CAR-Tの場合、一次細胞内シグナル伝達ドメインは、T細胞受容体の細胞質配列を含み得、共刺激細胞内シグナル伝達ドメインは、共受容体又は共刺激分子から細胞質配列を含み得る。
【0042】
一次細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ又はITAMとして知られるシグナル伝達モチーフを含み得る。一次細胞質シグナル伝達配列を含有するITAMの例としては、CD3-ゼータ、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD5、CD22、CD79a、CD79b、並びにCD66d DAP10及びDAP12に由来するものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
一次細胞内シグナル伝達ドメインは、例えば、CD3-ゼータ、CD3イプシロン、CD22、CD79a、CD66d、CD39 DAP10、DAP12、Fcイプシロン受容体Iガンマ鎖(FCER1G)、FcRベータ、CD3デルタ、CD3ガンマ、CD5、CD226、又はCD79Bのシグナル伝達ドメインに由来し得る。
【0044】
「ゼータ」又は代替的に「ゼータ鎖」、「CD3-ゼータ」又は「TCR-ゼータ」という用語は、GenBankアクセッション番号BAG36664.1として提供されるタンパク質、又は非ヒト種、例えば、ネズミ、ウサギ、霊長類、マウス、げっ歯類、サル、類人猿などからの同等の残基として定義され、「ゼータ刺激ドメイン」又は代替的に「CD3-ゼータ刺激ドメイン」又は「TCR-ゼータ刺激ドメイン」は、T細胞活性化に必要な初期シグナルを機能的に伝達するために十分なゼータ鎖の細胞質ドメインからのアミノ酸残基として定義される。一態様では、ゼータの細胞質ドメインは、GenBankアクセッション番号BAG36664.1の残基52~164、又はその機能的オルソログである、非ヒト種、例えば、マウス、げっ歯類、サル、類人猿などに由来する同等の残基を含む。
【0045】
好ましい実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ刺激ドメインを含む。一態様では、「ゼータ刺激ドメイン」又は「CD3ゼータ刺激ドメイン」は、配列番号13として提供される配列である。
【0046】
「共刺激分子」という用語は、T細胞上の同族結合パートナーを指し、共刺激リガンドと特異的に結合することにより、T細胞による共刺激応答(例えば、限定するものではないが、増殖)を媒介する。共刺激分子は、効率的な免疫応答に必要な抗原受容体又はそのリガンド以外の細胞表面分子である。共刺激分子としては、MHCクラス1分子、BTLA及びTollリガンド受容体、並びにOX40、CD2、CD27、CD28、CDS、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、4-1BB(CD137)、CD30、CD40、CD54(ICAM)、CD83、CD134(OX40)、CD150(SLAMF1)、CD152(CTLA4)、CD223(LAG3)、CD270(HVEM)、CD278(ICOS)、DAP10、LAT、NKD2C SLP76、TRIM、BTLA、GITR、CD226、HVEM、及びZAP70が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
共刺激細胞内シグナル伝達ドメインは、共刺激分子の細胞内部分であり得る。共刺激分子は、以下のタンパク質ファミリー、すなわち、TNF受容体タンパク質、免疫グロブリン様タンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、シグナル伝達リンパ球活性化分子(SLAMタンパク質)、及び活性化NK細胞受容体で表すことができる。かかる分子の例としては、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、GITR、CD30、CD40、ICOS、BAFFR、HVEM、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、SLAMF7、NKp80、CD160、B7-H3、及びCD83と特異的に結合するリガンドなどが挙げられる。
【0048】
細胞内シグナル伝達ドメインは、それが由来する分子の細胞内部分全体、又は天然の細胞内シグナル伝達ドメイン全体、又はそれらの機能的フラグメントを含み得る。
【0049】
「4-1BB」という用語は、GenBankアクセッション番号AAA62478.2として提供されるアミノ酸配列を有するTNFRスーパーファミリーのメンバー、又は非ヒト種、例えば、マウス、げっ歯類、サル、類人猿などの同等の残基を指し、「4-1BB共刺激ドメイン」は、GenBankアクセッション番号AAA62478.2のアミノ酸残基214~255、又は非ヒト種、例えば、マウス、げっ歯類、サル、及び類人猿などに由来する同等の残基として定義される。
【0050】
一態様では、「4-1BB共刺激ドメイン」は、配列番号12として提供される配列、又は非ヒト種、例えば、マウス、げっ歯類、サル、及び類人猿などに由来する同等の残基である。
【0051】
いくつかの実施形態では、細胞質シグナル伝達ドメインは、本明細書で定義される少なくとも1つの共刺激分子に由来する1つ又は2つ以上の機能的シグナル伝達ドメインを更に含む。一実施形態では、共刺激分子は、4-1BB(すなわち、CD137)、CD27、CD3-ゼータ及び/又はCD28から選択される。CD28は、T細胞共刺激において重要なT細胞マーカーである。CD27は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーであり、共刺激免疫チェックポイント分子として機能する。4-1BBは、T細胞に強力な共刺激シグナルを伝達し、分化を促進し、Tリンパ球の長期生存期間を向上させる。CD3-ゼータは、TCRと会合してシグナルを生成し、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based activation motifs、ITAM)を含有する。
【0052】
好ましい実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、共刺激細胞内シグナル伝達ドメインを含み、共刺激細胞内シグナル伝達ドメインは、4-1BB共刺激ドメインである。好ましい実施形態では、4-1BB共刺激ドメインは、配列番号12として提供される配列である。
【0053】
一実施形態では、CAR内のドメインの1つに自然に関連する膜貫通ドメインが使用される。別の実施形態では、膜貫通ドメインを、アミノ酸置換によって選択又は修飾し、同じ又は異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへのかかるドメインの結合を回避して、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑えることができる。一例の実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8α膜貫通ドメインである。
【0054】
一実施形態では、CARは、CD8αヒンジドメインを含むヒンジドメインを含む。
【0055】
一実施形態では、CARは、CD8αヒンジドメイン及びCD8α膜貫通ドメインを含む。
【0056】
一実施形態では、CARは、CD8αヒンジドメインを含むヒンジドメインと、CD28、4-1BB、及びCD3-ゼータを含む細胞内シグナル伝達ドメインと、を含む。
【0057】
本明細書に記載のCARは、少なくとも細胞外抗原結合ドメインと、膜貫通ドメインと、例えば以下に定義された刺激分子に由来する機能的シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメイン(本明細書では「細胞質シグナル伝達ドメイン」とも称される)と、を含む組み換えポリペプチド構築物を提供する。
【0058】
一実施形態では、CARは、細胞外抗原認識ドメインと、膜貫通ドメインと、刺激分子に由来する機能的シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインと、を含むキメラ融合タンパク質を含む。一実施形態では、CARは、細胞外抗原認識ドメインと、膜貫通ドメインと、共刺激分子に由来する機能的シグナル伝達ドメイン及び刺激分子に由来する機能的シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインと、を含むキメラ融合タンパク質を含む。一実施形態では、CARは、細胞外抗原認識ドメインと、膜貫通ドメインと、1つ又は2つ以上の共刺激分子に由来する少なくとも2つの機能的シグナル伝達ドメイン及び刺激分子に由来する機能的シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインと、を含むキメラ融合タンパク質を含む。
【0059】
本発明のCARは、CD28及び/若しくは4-1BBシグナル伝達ドメインをそれ自体が含むように、又は本発明のCARの文脈において有用な他の任意の所望の細胞質ドメインと組み合わせるように設計することができる。一実施形態では、CARの細胞質ドメインは、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを更に含み得る。例えば、CARの細胞質ドメインとしては、CD3-ゼータ、4-1BB、及びCD28シグナル伝達モジュール、並びにこれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0060】
好ましい実施形態では、CARは、CD8αヒンジドメインと、CD8α膜貫通ドメインと、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインと、を含む。
【0061】
好ましい実施形態では、CARは、CD8αヒンジドメインと、CD8α膜貫通ドメインと、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメイン及び4-1BB共刺激ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインと、を含む。
【0062】
したがって、本発明は、CAR T細胞、及び養子療法のためのそれらの使用方法を提供する。
【0063】
本開示は、本明細書に記載のCAR、核酸、ポリペプチド、及びタンパク質の変異体(例えば機能的変異体)を更に提供する。「変異体」は、例えば、置換、挿入、又は欠失といった1つ又は2つ以上の改変によって参照ポリペプチド又は参照ポリヌクレオチドと異なるポリペプチド又はポリヌクレオチドを指す。本明細書で使用するとき、「機能的変異体」という用語は、親CAR、ポリペプチド、又はタンパク質と実質的又は著しい配列同一性又は類似性を有するCAR、ポリペプチド、又はタンパク質を指し、これらの機能的変異体は、変異体であるCAR、ポリペプチド、又はタンパク質の生物活性を保持する。機能的変異体は、例えば、本明細書に記載のCAR、ポリペプチド、又はタンパク質(親CAR、ポリペプチド、又はタンパク質)の変異体を包含し、親CAR、ポリペプチド、又はタンパク質とほぼ同程度、同程度、又はより高い程度で標的細胞を認識する能力を保持する。親CAR、ポリペプチド、又はタンパク質に関して、機能的変異体は、例えば、親CAR、ポリペプチド、又はタンパク質に対して、アミノ酸配列が少なくとも約30%、約40%、約50%、約60%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%又はそれ以上同一であり得る。
【0064】
本明細書では、ポリペプチドの構造は、列挙された参照配列(所与の配列番号を有する)との%配列同一性に基づいて定義された場所にある。これに関連して、2つのアミノ酸配列間の%配列同一性は、最適な方法でアラインメントされたこれらの2つの配列を比較することによって判定することができ、比較されるアミノ酸配列は、これらの2つの配列間における最適なアラインメントのために参照配列に対して付加又は欠失を含み得る。同一性の百分率は、2つの配列間のアミノ酸残基が同一である同一位置の数を判定し、この同一の位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で同一位置で除算し、得られた結果に100を乗算し、これら2つの配列間における同一性の百分率を得るようにすることにより計算される。典型的には、比較ウィンドウは、比較される配列の全長に対応する。例えば、BLASTプログラム、「BLAST 2配列」(Tatusova et al、「Blast 2配列-タンパク質及びヌクレオチド配列を比較するための新しいツール」、FEMS Microbiol Lett.174:247-250)を使用することが可能であり、サイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/bl2.htmlで入手可能であり、使用されるパラメータは、デフォルト(具体的には、パラメータ「オープンギャップペナルティ」:5、及び「エクステンションギャップペナルティ」:2;選択されたマトリックスは、例えば、プログラムによって提案されるマトリックス「BLOSUM 62」)で指定されているパラメータであり、比較される2つの配列間における同一性の百分率は、プログラムによって直接計算される。クエリ配列の参照配列に対する配列同一性の判定は、当業者の能力の範囲内であり、BLAST(商標)などの市販の分析ソフトウェアを使用して実行することができる。
【0065】
機能的変異体は、例えば、少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する親CAR、ポリペプチド、又はタンパク質のアミノ酸配列を含み得る。別の実施形態では、機能的変異体は、少なくとも1つの非保存的アミノ酸置換を有する親CAR、ポリペプチド、又はタンパク質のアミノ酸配列を含み得る。この場合、非保存的アミノ酸置換は、機能的変異体の生物活性を抑制又は阻害しない場合がある。非保存的アミノ酸置換により、機能的変異体の生物活性を向上させることができ、その結果、機能的変異体の生物活性は、親CAR、ポリペプチド、又はタンパク質と比較して増加する。
【0066】
本発明のCARのアミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換であり得る。保存的アミノ酸置換は、当該技術分野において既知であり、特定の物理的及び/又は化学的特性を有する1つのアミノ酸を、同じ又は類似の化学的又は物理的特性を有する別のアミノ酸と交換するアミノ酸置換を含む。例えば、保存的アミノ酸置換は、別の酸性アミノ酸で置換された酸性アミノ酸(例えば、Asp又はGlu)、非極性側鎖を有する別のアミノ酸で置換された非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、Ala、Gly、Val、Ile、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Valなど)、別の塩基性アミノ酸で置換された塩基性アミノ酸(Lys、Argなど)、極性側鎖を有する別のアミノ酸で置換された極性側鎖を有するアミノ酸(Asn、Cys、Gln、Ser、Thr、Tyrなど)等であり得る。
【0067】
CAR、ポリペプチド、又はタンパク質は、特定のアミノ酸配列又は本明細書に記載の配列から本質的に構成され得、その結果、他の構成成分、例えば、他のアミノ酸は、機能的変異体の生物活性を実質的に変化させない。
【0068】
本開示の実施形態のCAR、ポリペプチド、及びタンパク質(機能的部分及び機能的変異体を含む)は、任意の長さであり得る、すなわち、任意の数のアミノ酸を含み得る。但し、その条件は、CAR、ポリペプチド、又はタンパク質(又は機能的部分若しくはその機能的変異体)が、それらの生物活性、例えば、抗原に特異的に結合する能力、宿主内の疾患細胞(例えば、癌細胞)を検出する能力、又は宿主内の疾患を治療若しくは予防する能力などを保持することである。例えば、ポリペプチドは、約50~約5000個のアミノ酸長、例えば、約50、約70、約75、約100、約125、約150、約175、約200、約225、約250、約275、約300、約325、約350、約375、約400、約425、約450、約475、約500、約525、約550、約575、約600、約625、約650、約675、約700、約725、約750、約775、約800、約825、約850、約875、約900、約925、約950、約975、約1000又はそれ以上のアミノ酸の長さであり得る。本発明のポリペプチドはまた、オリゴペプチドも含む。
【0069】
本発明の実施形態のCAR、ポリペプチド、及びタンパク質(本発明の機能的部分及び機能的変異体を含む)は、1つ又は2つ以上の天然に存在するアミノ酸の代わりに合成アミノ酸を含むことができる。かかる合成アミノ酸は、当該技術分野において既知であり、例としては、アミノシクロヘキサンカルボン酸、ノルロイシン、α-アミノn-デカン酸、ホモセリン、S-アセチルアミノメチル-システイン、トランス-3-及びトランス-4-ヒドロキシプロリン、4-アミノフェニルアラニン、4-ニトロフェニルアラニン、α-(2-アミノ-2-ノルボルナン)-カルボン酸、α,γ-ジアミノ酪酸、α,β-ジアミノプロピオン酸、ホモフェニルアラニン、4-クロロフェニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、β-フェニルセリンβ-ヒドロキシフェニルアラニン、フェニルグリシン、α-ナフチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、シクロヘキシルグリシン、N’-ベンジル-N’-メチル-リジン、N’,N’-ジベンジル-リジン、6-ヒドロキシリジン、オルニチン、α-アミノシクロペンタンカルボン酸、α-アミノシクロヘキサンカルボン酸、α-アミノシクロヘプタンカルボン酸、インドリン-2-カルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、アミノアルドン酸、アミノアルドン酸モノアミド、及びα-tert-ブチルグリシンが挙げられる。
【0070】
本発明の実施形態のCAR、ポリペプチド、及びタンパク質(機能的部分及び機能的変異体を含む)は、翻訳後修飾を受けることができる。これらは、グリコシル化、エステル化、N-アシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、例えば、ジスルフィド架橋を介して環化するか、又は酸付加塩に変換することができる。いくつかの実施形態では、これらは、二量体化若しくは重合、又はコンジュゲートされている。
【0071】
本発明の実施形態のCAR、ポリペプチド、及び/又はタンパク質(機能的部分及びその機能的変異体を含む)は、当該技術分野において既知の方法によって得ることができる。ポリペプチド及びタンパク質をデノボ合成する好適な方法は、参考文献、例えばChan et al.,Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis,Oxford University Press,Oxford,United Kingdom,2000;Peptide and Protein Drug Analysis,ed.Reid,R.,Marcel Dekker,Inc.,2000;and Epitope Mapping,ed.Westwood et al.,Oxford University Press,Oxford,United Kingdom,2001に記載されている。また、ポリペプチド及びタンパク質は、標準的な組み換え方法を使用して本明細書に記載の核酸を使用して、組み換えにより産生され得る。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.2001;及びAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons,NY,1994.を参照されたい。更に、本発明のCAR、ポリペプチド、及びタンパク質(機能的部分及びその機能的変異体を含む)の一部は、植物、細菌、昆虫、哺乳動物などの供給源から単離及び/又は精製することができる。単離及び精製の方法は、当該技術分野において既知である。代替的に、本明細書に記載のCAR、ポリペプチド、及び/又はタンパク質(機能的部分及びその機能的変異体を含む)は、商業的に合成することができる。この点において、CAR、ポリペプチド、及びタンパク質は、合成、組み換え、単離、及び/又は精製することができる。
【0072】
本明細書に記載のポリペプチドを生成するために利用される組み換え核酸を生成するために使用することができる修飾ヌクレオチドの例としては、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、N6-置換アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルケオシン、5”-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ウィブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、クエオシン、ベータ-D-ガラクトシルケオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、及び2,6-ジアミノプリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
核酸は、CAR、ポリペプチド若しくはタンパク質、又は機能的部分若しくはその機能的変異体のいずれかをコードする、任意の単離又は精製されたヌクレオチド配列を含み得る。代替的に、ヌクレオチド配列は、配列のいずれかに縮重したヌクレオチド配列、又は縮重配列の組み合わせを含み得る。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態はまた、単離又は精製された核酸を提供し、本核酸は、本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列、又は本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。
【0075】
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列は、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし得る。「高ストリンジェンシー条件」は、ヌクレオチド配列が、非特異的ハイブリダイゼーションよりも優れた検出可能な量で標的配列(本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列)に特異的にハイブリダイズすることを意味する。高ストリンジェンシー条件としては、正確に相補的な配列を有するポリヌクレオチド、又は散らばったミスマッチをほんのわずか含むポリヌクレオチドを、ヌクレオチド配列とマッチしたいくつかの小領域(例えば、3~12塩基)を偶然有するランダム配列から識別する条件が挙げられる。かかる相補的な小領域は、14~17又はそれ以上の塩基の完全長相補体よりも容易に融解され、高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーションにより、それらが容易に識別可能となる。比較的高いストリンジェンシー条件としては、例えば、低塩及び/又は高温条件(約50~70℃の温度の約0.02~0.1MのNaCl又は同等のものによって提供される等)が挙げられる。かかる高ストリンジェンシー条件は、どちらかといえば、ヌクレオチド配列とテンプレート鎖又は標的鎖との間のミスマッチがほとんど許容されず、本明細書に記載のCARのいずれかの発現を検出するために特に好適である。条件は、漸増量のホルムアミドの添加によって、よりストリンジェントになり得ることが、概ね理解される。
【0076】
一実施形態では、本発明の核酸は、組み換え発現ベクターに組み込むことができる。本開示は、本発明の核酸のいずれかを含む組み換え発現ベクターを提供する。本明細書で使用するとき、「組み換え発現ベクター」という用語は、宿主細胞によるmRNA、タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドの発現を可能にする、遺伝的に改変されたオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド構築物を意味し、この場合、構築物は、mRNA、タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、ベクターは、細胞内でmRNA、タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドを発現させるために十分な条件下で、細胞と接触させられる。本明細書に記載のベクターは、全体として天然には存在しない。しかしながら、ベクターの一部は、天然に存在し得る。記載される組み換え発現ベクターは、DNA及びRNA(一本鎖又は二本鎖であり得、合成されるか、又は一部が天然のソースから得られ得、天然、非天然又は改変されたヌクレオチドを含有し得る)を含むがこれらに限定されない、任意のタイプのヌクレオチドを含み得る。組み換え発現ベクターは、天然に存在するヌクレオチド間結合、若しくは天然に存在しないヌクレオチド間結合、又は両方のタイプの結合を含み得る。天然に存在しない又は改変されたヌクレオチド又はヌクレオチド間結合は、ベクターの転写又は複製を阻害しない。
【0077】
一実施形態では、本発明の組み換え発現ベクターは、任意の好適な組み換え発現ベクターであり得、任意の好適な宿主を形質転換又はトランスフェクションするために使用され得る。好適なベクターとしては、プラスミド及びウイルスなどの繁殖及び増殖のため、若しくは発現のため、又は両方のために設計されたベクターが挙げられる。ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences,Glen Burnie,Md.)、pBluescriptシリーズ(Stratagene,LaJolla、Calif.)、pETシリーズ(Novagen,Madison,Wis.)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech,Uppsala,Sweden)、及びpEXシリーズ(Clontech,Palo Alto,Calif.)からなる群から選択され得る。λGT10、λGT11、λEMBL4、及びλNM1149、λZapII(Stratagene)などのバクテリオファージベクターを使用することができる。植物発現ベクターの例としては、pBI01、pBI01.2、pBI121、pBI101.3、及びpBIN19(Clontech)が挙げられる。動物発現ベクターの例としては、pEUK-Cl、pMAM、及びpMAMneo(Clontech)が挙げられる。組み換え発現ベクターは、ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスベクター、例えば、ガンマレトロウイルスベクターであり得る。
【0078】
一実施形態では、本発明の組み換え発現ベクターは、例えば、上記のSambrook et al.(上記)及びAusubel et al.(上記)に記載の標準的な組み換えDNA技術を使用して調製される。環状又は線状である発現ベクターの構築物は、原核又は真核の宿主細胞において機能する複製系を含有するように調製され得る。複製系は、例えば、ColEl、SV40、2μプラスミド、λ、ウシ乳頭腫ウイルスなどに由来し得る。
【0079】
組み換え発現ベクターは、適宜、ベクターがDNAベースであるかRNAベースであるかを考慮して、ベクターが導入される宿主のタイプ(例えば、細菌、植物、真菌、又は動物)に特異的な、転写及び翻訳の開始及び終止コドンなどの調節配列を含み得る。
【0080】
組み換え発現ベクターは、形質転換又はトランスフェクションされた宿主の選択を可能にする1つ又は2つ以上のマーカー遺伝子を含み得る。マーカー遺伝子は、殺生物剤耐性(例えば、抗生物質、重金属などに対する耐性)、栄養要求性宿主における原栄養を提供するための補完などを含む。記載される発現ベクターに好適なマーカー遺伝子としては、例えば、ネオマイシン/G418耐性遺伝子、ヒスチジノールx耐性遺伝子、ヒスチジノール耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、及びアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。
【0081】
組み換え発現ベクターは、CAR、ポリペプチド、若しくはタンパク質(機能的部分及びその機能的変異体を含む)をコードするヌクレオチド配列に、又はCAR、ポリペプチド、若しくはタンパク質をコードするヌクレオチド配列に相補的であるか若しくはそれにハイブリダイズするヌクレオチド配列に、作動可能に連結された天然の又は標準のプロモーターを含み得る。プロモーターの選択(例えば、強い、弱い、組織特異的、誘導性、及び発生特異的)は、当業者の技術範囲内である。同様に、ヌクレオチド配列をプロモーターと組み合わせることも当業者の技術の範囲内である。プロモーターは、非ウイルスプロモーター又はウイルスプロモーター、例えば、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus、CMV)プロモーター、RSVプロモーター、SV40プロモーター、又はネズミ幹細胞ウイルスの長い末端反復に見出されるプロモーターであり得る。
【0082】
組み換え発現ベクターは、一過性の発現のため、安定な発現のため、又はその両方のために設計され得る。また、組み換え発現ベクターは、構成的発現又は誘導性発現のために作製され得る。
【0083】
更に、組み換え発現ベクターは、自殺遺伝子を含むように作製され得る。本明細書で使用するとき、「自殺遺伝子」という用語は、自殺遺伝子を発現する細胞を死に至らしめる遺伝子を指す。自殺遺伝子は、遺伝子を発現する細胞に対し薬剤(例えば、薬物)に対する感受性を付与し、細胞が薬剤と接触したとき又は薬剤に曝露されたときに細胞を死に至らしめる遺伝子であり得る。自殺遺伝子は、当該技術分野において既知であり、例えば、単純ヘルペスウイルス(Herpes Simplex Virus、HSV)チミジンキナーゼ(thymidine kinase、TK)遺伝子、シトシンダミナーゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、及びニトロレダクターゼが挙げられる。
【0084】
本発明の範囲内には、CAR、ポリペプチド、若しくはタンパク質(その機能的部分又は変異体のいずれかを含む)宿主細胞、核酸、組み換え発現ベクター、宿主細胞集団、又は抗体、若しくはその抗原コンジュゲート部分のいずれかを含むコンジュゲート(例えば、バイオコンジュゲート)が含まれる。コンジュゲート、並びにコンジュゲートの合成方法は、概ね、当該技術分野において既知である(例えば、Hudecz,F.,Methods Mol.Biol.298:209-223(2005)and Kirin et al.,Inorg Chem.44(15):5405-5415(2005)を参照されたい)。
【0085】
本発明の一実施形態は、本発明のCARのエピトープに結合する、例えば特異的に結合する抗体又はその抗原結合部分を更に提供する。
【0086】
抗体は、当該技術分野において既知の任意のタイプの免疫グロブリンであり得る。免疫グロブリンは、5つの主要クラス、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMに割り当てられ得る。IgA及びIgGは、アイソタイプIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4として更に細かく分類される。脊椎動物種の抗体軽鎖も、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいてカッパ(κ)及びラムダ(λ)の2つのタイプの一方に割り当てられ得る。抗体は、任意のクラス又はアイソタイプのものであり得る。
【0087】
抗体は、ネズミ、ヒト、ヒト化及びキメラモノクローナル抗体を含むモノクローナル抗体、ポリクローナル、抗原結合フラグメント、二重特異性又は多重特異性抗体、単量体、二量体、四量体又は多量体抗体、一本鎖抗体、ドメイン抗体、並びに必要とされる特異性の抗原結合部位を含む任意の他の修飾された立体配置の免疫グロブリン分子を含む、免疫グロブリン分子を含む。抗体は、天然に存在する抗体、例えば、哺乳動物(例えば、ネズミ、霊長類、マウス、ウサギ、ヤギ、ウマ、ニワトリ、ハムスター、ヒトなど)から単離及び/又は精製された抗体であり得る。代替的に、抗体は、遺伝子操作された(例えば、遺伝的に操作された)抗体であり得る。
【0088】
「ヒト抗体」は、ヒト対象に投与されるときに、最小の免疫応答を有するように最適化された抗体を意味する。ヒト抗体の可変領域は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する。ヒト抗体が定常領域又は定常領域の一部を含む場合、当該定常領域もヒト免疫グロブリン配列に由来する。ヒト抗体は、ヒト抗体の可変領域がヒト生殖細胞系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子を使用する系から得られた場合、ヒト起源の配列に「由来する」重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む。かかる例示的な系は、ファージにディスプレイされたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリ、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座を保有するトランスジェニック非ヒト動物、例えばマウス又はラットを含む。「ヒト抗体」は、典型的には、ヒト抗体及びヒト免疫グロブリン遺伝子座を得るために使用した系の違い、フレームワーク若しくはCDRへの体細胞変異の導入若しくは置換の意図的な導入、又はこれらの両方により、ヒトで発現した免疫グロブリンと比較したときにアミノ酸の違いを含有する。典型的には、「ヒト抗体」は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子によってコードされているアミノ酸配列に対して、アミノ酸配列が少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である。場合によっては、「ヒト抗体」は、例えばKnappik et al.,(2000)J Mol Biol 296:57-86に記載されるヒトフレームワーク配列分析から得られたコンセンサスフレームワーク配列、又は例えばShi et al.,(2010)J Mol Biol 397:385-96及び国際公開第WO2009/085462号に記載される、ファージ上に提示されたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリに組み込まれた合成HCDR3を含有し得る。少なくとも1つのCDRが非ヒト種に由来する抗体は、「ヒト抗体」の定義には含まれない。
【0089】
「ヒト化抗体」は、少なくとも1つのCDRが非ヒト種に由来し、少なくとも1つのフレームワークがヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体を意味する。ヒト化抗体は、フレームワークに置換を含むことができるため、フレームワークは、発現したヒト免疫グロブリン又はヒト免疫グロブリン生殖細胞系列遺伝子配列の厳密なコピーではない場合がある。
【0090】
典型的には、ヒト化抗体は、非ヒト種に由来する抗原結合部位を有し、可変領域フレームワークがヒト免疫グロブリン配列に由来する。ヒト抗体は、フレームワーク及び抗原結合部位の両方がヒト起源の配列に由来する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する。
【0091】
また、抗体は、CARの機能的部分に対して任意のレベルの親和性又は結合活性を有し得る。いくつかの実施形態では、抗体は、ある範囲の親和性(KD)でGPRC5D抗原に結合することができる。本発明による一実施形態では、及び以下に列挙される付番された実施形態のうちの各実施形態及び全実施形態のうちのいくつかの実施形態において、当業者により実施される表面プラズモン共鳴又は結合平衡除外(Kinexa)法によって判定されるように、抗体は、高い親和性で、例えば、約10-7M以下のKDで、例えば、限定はしないが、1~9.9(又は1、2、3、4、5、6、7、8、若しくは9などの、これに収まる任意の範囲若しくは値)×10-8M、10-9M、10-10M、10-11M、10-12M、10-13M、10-14M、10-15M、又はこれに収まる任意の範囲若しくは値のKDで、GPRC5D抗原に結合する。親和性の1つの例は、1×10-8M以下である。親和性の別の1つの例は、1×10-9M以下である。
【0092】
CARの任意の機能的部分に結合する能力について抗体を試験する方法は、当該技術分野において既知であり、任意の抗体-抗原結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(radioimmunoassay、RIA)、ウエスタンブロット、酵素結合免疫吸着アッセイ(enzyme-linked immunosorbent assay、ELISA)、免疫沈降、及び競合阻害アッセイなどが挙げられる。
【0093】
抗体を作製する好適な方法は、当該技術分野において既知である。例えば、標準的なハイブリドーマ法は、例えば、Kohler and Milstein,Eur.J.Immunol.,5,511-519(1976),Harlow and Lane(eds.),Antibodies:A Laboratory Manual,CSH Press(1988)、及びC.A.Janeway et al.(eds.),Immunobiology,5th Ed.,Garland Publishing,New York,N.Y.(2001)に記載されている。代替的に、他の方法、例えば、EBV-ハイブリドーマ法(Haskard and Archer,J.Immunol.Methods,74(2),361-67(1984),and Roder et al.,Methods Enzymol.,121,140-67(1986))、及びバクテリオファージベクター発現系(例えば、Huse et al.,Science,246,1275-81(1989)を参照されたい)などが当該技術分野において既知である。更に、非ヒト動物において抗体を産生する方法は、例えば、米国特許第5,545,806号、同第5,569,825号及び同第5,714,352号、並びに米国特許出願公開第2002/0197266(A1)号に記載されている。
【0094】
ファージディスプレイを使用して、抗体を生成することもできる。これに関して、抗体の抗原結合可変(V)ドメインをコードするファージライブラリーは、標準的な分子生物学及び組み換えDNA技術を使用して生成することができる(例えば、Sambrook et al.(上記)、及びAusubel et al.(上記)を参照されたい)。所望の特異性を有する可変領域をコードするファージは、所望の抗原(すなわち、GPRC5D)への特異的結合のために選択され、選択された可変ドメインを含む完全又は部分的な抗体が再構成される。再構成された抗体をコードする核酸配列は、ハイブリドーマ産生に使用される骨髄腫細胞などの好適な細胞株に導入され、モノクローナル抗体の特性を有する抗体が細胞によって分泌される(例えば、Janeway et al.(上記)、Huse et al.(上記)、及び米国特許第6,265,150号を参照されたい)。
【0095】
抗体は、特定の重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝子のトランスジェニックであるトランスジェニックマウスによって産生され得る。かかる方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、上記の米国特許第5,545,806号及び同第5,569,825号、並びにJaneway et al.(上記)に記載されている。
【0096】
ヒト化抗体を生成する方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、Janeway et al.(上記)、米国特許第5,225,539号、同第5,585,089号及び同第5,693,761号、欧州特許第0239400(B1)号、並びに英国特許第2188638号に記載されている。ヒト化抗体はまた、米国特許第5,639,641号及びPedersen et al.,J.Mol.Biol.,235,959-973(1994)に記載の抗体リサーフェシング技術を使用して生成することもできる。
【0097】
本明細書で使用するとき、抗体は、多鎖又は単鎖、又は無傷の免疫グロブリンであり得、天然の供給源又は組み換えの供給源に由来し得る。抗体は、免疫グロブリン分子の四量体であり得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性抗体である。「二重特異性」は、同じ抗原内の2つの異なる抗原、又は2つの異なるエピトープに特異的に結合する、抗体などの分子を意味する。二重特異性分子は、他の関連抗原、例えば、ヒト又はサル、例えば、Macaca cynomolgus(カニクイザル、cyno)又はPan troglodytesなどの、他の種(ホモログ)の同じ抗原に対して交差反応性を有し得るか、あるいは2つ又はそれ以上の異なる抗原間で共有されるエピトープに結合し得る。既存の抗体のVL及び/若しくはVH領域、又は本明細書に記載されるようにして新たに特定されたVL及びVH領域は、遺伝子操作を受けて二重特異性の完全長抗体にされてもよい。かかる二重特異性抗体は、以下に記載されるもの等の技術を使用して、二重特異性抗体を形成するように、抗体Fc中のCH3相互作用を調節することにより製造され得る:米国特許第7,695,936号、国際特許公開第WO04/111233号、米国特許公開第U52010/0015133号、米国特許公開第US2007/0287170号、国際特許公開第WO2008/119353号、米国特許公開第US2009/0182127号、米国特許公開第US52010/0286374号、米国特許公開第US2011/0123532号、国際特許公開第WO2011/131746号、国際特許公開第WO2011/143545号、又は米国特許公開第US2012/0149876号。例えば、本発明の二重特異性抗体は、国際公開第WO2011/131746号に記載された方法に従って、in vitroで無細胞環境下、2種類の単一特異性ホモ二量体抗体のCH3領域中に非対称な突然変異を導入し、ジスルフィド結合を異性化させる還元条件下において、2種類の親単一特異性ホモ二量体抗体から二重特異性ヘテロ二量体抗体を形成することにより生成されてもよい。この方法において、第1の単一特異性二価抗体及び第2の単一特異性二価抗体は、ヘテロ二量体の安定性を促進するCH3ドメインにおいてある特定の置換を有するように遺伝子操作されるが、これらの抗体は、ヒンジ領域におけるシステインがジスルフィド結合を異性化させるために十分な還元条件下において共にインキュベーションされ、それにより、Fabアーム交換により二重特異性抗体が生成される。インキュベーション条件は、最適には、非還元条件に戻され得る。使用され得る還元剤の例は、2-メルカプトエチルアミン(2-MEA)、ジチオスレイトール(DTT)、ジチオエリスリトール(DTE)、グルタチオン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、L-システイン、及びベータ-メルカプトエタノールであり、好ましくは、2-メルカプトエチルアミン、ジチオスレイトール、及びトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンからなる群から選択される還元剤である。例えば、少なくとも20℃の温度において、少なくとも25mMの2-MEAの存在下又は少なくとも0.5mMのジチオスレイトールの存在下で、pH5~8、例えば、pH7.0又はpH7.4において、少なくとも90分のインキュベーションが使用されてもよい。
【0099】
「抗体フラグメント」という用語は、親の完全長抗体の抗原結合特性を保持する、無傷の抗体又はその組み換え変異体の少なくとも1つの部分を指す。例えば、認識及び結合(例えば、抗原などの標的に対する抗体フラグメントの特異的結合)を付与するために十分である、抗原結合ドメイン(例えば、無傷の抗体の抗原決定可変領域)を指す。「抗原結合フラグメント」は、免疫グロブリン分子の一部を指す。抗体フラグメントの例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFvフラグメント、一本鎖抗体(scFv)、線状抗体、sdAbなどの単一ドメイン抗体(VL又はVHのいずれか)、ラクダVHHドメイン、並びに抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
「scFv」という用語は、軽鎖の可変領域を含む少なくとも1つの抗体フラグメントと、重鎖の可変領域を含む少なくとも1つの抗体フラグメントと、を含むタンパク質を指す。いくつかの実施形態では、軽鎖可変領域及び重鎖可変領域は、短い柔軟なポリペプチドリンカーを介して連続的に連結され、単鎖ポリペプチドとして発現することができ、scFvは、その元となった無傷の抗体の特異性を保持する。指定されない限り、本明細書で使用するとき、scFvは、VL及びVH可変領域をいずれかの順序で有してもよく、例えば、ポリペプチドのN末端及びC末端の終端に関して、scFvは、VL-リンカー-VHを含んでもよく、又はVH-リンカー-VLを含んでもよい。
【0101】
本発明の一実施形態はまた、本明細書に記載の抗体のいずれかの抗原結合部分を提供する。抗原結合部分は、Fab、F(ab’)2、dsFv、sFv、ダイアボディ、及びトリアボディなどの少なくとも1つの抗原結合部位を有する任意の部分であり得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、抗原結合フラグメントは、重鎖相補性決定領域(heavy chain complementarity determining regions、HCDR)1、2、及び/若しくは3、軽鎖相補性決定領域(light chain complementarity determining regions、LCDR)1、2、及び/若しくは3、重鎖可変領域(VH)、又は軽鎖可変領域(VL)、Fab、F(ab’)2、Fd、及びFvフラグメント、並びに1つのVHドメイン又は1つのVLドメインのいずれかを含む(例えば、それらからなる)ドメイン抗体(dAb)である。VHドメイン及びVLドメインは、リンカー、例えば、合成リンカーを介して一緒に連結され得る。
【0103】
「相補性決定領域(Complementarity determining regions、CDR)」は、抗体における抗原結合部位である。CDRは、様々な用語を使用して定義され得る:(i)VH内に3つ(HCDR1、HCDR2、HCDR3)及びVL内に3つ(LCDR1、LCDR2、LCDR3)の相補性決定領域(CDR)は、配列多様性に基づいている(Wu and Kabat,J Exp Med 132:211-50,1970;Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1991)。(ii)VH内に3つ(H1、H2、H3)及びVL内に3つ(L1、L2、L3)の「超可変性領域」、「HVR」、又は「HV」は、Chothia及びLesk(Chothia and Lesk Mol Biol 196:901-17,1987)により定義されるとおり、構造において超可変性である、抗体可変ドメインの領域を指す。International ImMunoGeneTics(IMGT)データベース(http://www_imgt_org)は、抗原結合部位についての標準的番号及び定義を提供する。CDR、HV、及びIMGT概要説明の対応が、Lefranc et al.,Dev Comparat Immunol 27:55-77,2003に記載されている。本明細書で使用されている「CDR」、「HCDR1」、「HCDR2」、「HCDR3」、「LCDR1」、「LCDR2」、及び「LCDR3」という用語は、本明細書において別途記載のない限り、上掲のKabat、Chothia、又はIMGTにより記載されている方法のいずれかにより定義されるCDRを含む。
【0104】
また、抗体又はその抗原結合部分は、例えば、放射性同位体、フルオロフォア(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate、FITC)、フィコエリトリン(phycoerythrin、PE))、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、及び元素粒子(例えば、金粒子)などの検出可能な標識を含むように修飾され得る。
【0105】
本開示によって提供されるのは、本明細書に記載のCAR、ポリペプチド、又はタンパク質(機能的部分及びその機能的変異体を含む)のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含む核酸である。
【0106】
抗体又はその抗体フラグメントを含むCARの一部は、様々な形態で存在してもよく、その場合、抗原結合ドメインは、例えば、単一ドメイン抗体フラグメント(sdAb)、scFv及びヒトキメラ抗体又はヒト化抗体などの連続するポリペプチド鎖の一部として発現される(Harlow et al.,1999、In:Using Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,N.Y.;Harlow et al.,1989、In:Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,N.Y.;Houston et al.,1988、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883;Bird et al.,1988,Science 242:423-426)。一態様では、本発明のCAR組成物の抗原結合ドメインは、抗体フラグメントを含む。一態様では、CARは、scFvを含む抗体フラグメントを含む。
【0107】
「組み換え抗体」という用語は、例えば、バクテリオファージ又は酵母発現系によって発現される抗体などの組み換えDNA技術を使用して生成される抗体を指す。用語は、抗体をコードするDNA分子の合成によって生成され、このDNA分子が抗体タンパク質、又は抗体を特定するアミノ酸配列を発現する抗体を意味すると解釈されるべきであり、その場合、DNA又はアミノ酸配列は、利用可能であり当該技術分野において既知である組み換えDNA又はアミノ酸配列技術を使用して得られる。
【0108】
「抗原」という用語は、免疫応答を引き起こす分子を指す。この免疫応答には、抗体産生、又は特定の免疫学的コンピテント細胞の活性化、あるいはその両方が含まれ得る。当業者は、実質的に全てのタンパク質又はペプチドを含む任意の高分子が抗原として機能し得ることを理解するであろう。更に、抗原は、組み換え又はゲノムDNAに由来し得る。当業者であれば、任意のDNAが、免疫応答を誘発するタンパク質をコードするヌクレオチド配列又は部分ヌクレオチド配列を含むことにより、本明細書中でその用語が使用されるとおりの「抗原」をコードすることを理解するであろう。更に、当業者であれば、抗原は、遺伝子の完全長ヌクレオチド配列によってのみコードされる必要はないことを理解するであろう。本開示が、2つ以上の遺伝子の部分的ヌクレオチド配列の使用を含むがこれに限定されないこと、及びこれらのヌクレオチド配列が、様々な組み合わせで配置されて、所望の免疫応答を誘発するポリペプチドをコードすることは明らかである。
【0109】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0110】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、又は
配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号47のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、
細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0111】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、を含み、細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0112】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、を含み、細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0113】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、を含み、細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0114】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、を含み、細胞外抗原結合ドメインはGPRC5D抗原に結合する。
【0115】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号47のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、
細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0116】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号69のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号70のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号71のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、細胞外抗原結合ドメイン、
配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号61のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号62のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号63のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、細胞外抗原結合ドメイン、
配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号48のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、細胞外抗原結合ドメイン、
配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号51のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号53のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、細胞外抗原結合ドメイン、又は
配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号47のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号54のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号55のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号56のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、細胞外抗原結合ドメイン、を含む。
【0117】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号66、配列番号58、配列番号39、配列番号42、及び配列番号45、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1を含み、細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0118】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号67、配列番号59、配列番号40、配列番号43、及び配列番号46、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2を含み、細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0119】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号68、配列番号60、配列番号41、配列番号44、及び配列番号47、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0120】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号66、配列番号58、配列番号39、配列番号42、及び配列番号45、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、
配列番号67、配列番号59、配列番号40、配列番号43、及び配列番号46、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び、
配列番号68、配列番号60、配列番号41、配列番号44、及び配列番号47、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、を含み、
細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0121】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号69、配列番号54、配列番号48、配列番号51、及び配列番号54、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1を含み、細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0122】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号70、配列番号55、配列番号49、配列番号52、及び配列番号55、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2を含み、細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0123】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号71、配列番号56、配列番号50、配列番号53、及び配列番号56、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含み、細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0124】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号69、配列番号54、配列番号48、配列番号51、及び配列番号54、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、
配列番号70、配列番号55、配列番号49、配列番号52、及び配列番号55、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び、
配列番号71、配列番号56、配列番号50、配列番号53、及び配列番号56、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含み、細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0125】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号66、配列番号58、配列番号39、配列番号42、及び配列番号45、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、
配列番号67、配列番号59、配列番号40、配列番号43、及び配列番号46、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び、
配列番号68、配列番号60、配列番号41、配列番号44、及び配列番号47、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、及び、
配列番号69、配列番号54、配列番号48、配列番号51、及び配列番号54、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、
配列番号70、配列番号55、配列番号49、配列番号52、及び配列番号55、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び、
配列番号71、配列番号56、配列番号50、配列番号53、及び配列番号56、並びにこれらの保存的修飾からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3、を含み、
細胞外抗原結合ドメインは、GPRC5D抗原に結合する。
【0126】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号69のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号70のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号71のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む。
【0127】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号61のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号62のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号63のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む。
【0128】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号48のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む。
【0129】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号51のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号53のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む。
【0130】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、
配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号47のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含み、配列番号54のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号55のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号56のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む。
【0131】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号73、65、1、3、及び5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)、又は配列番号72、64、2、4、及び6からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)、又は配列番号73、65、1、3、及び5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVRと、配列番号72、64、2、4、及び6からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVRとの組み合わせを含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号73、65、1、3又は5のいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号73、65、1、3、又は5のいずれか1つと少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号73と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号65と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号1と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号3と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号5と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号72、64、2、4、又は6のいずれか1つのアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号72、64、2、4、又は6のいずれか1つと少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号72と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号64と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号2と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号6のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号4と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号6と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)を含む。
【0134】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号73のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号72のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、を含む。
【0135】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号65のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号64のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、を含む。
【0136】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号2のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、を含む。
【0137】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号3のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号4のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、を含む。
【0138】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号5のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号6のアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、を含む。
【0139】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号72のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、を含む。
【0140】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号64のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、を含む。
【0141】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを含む。
【0142】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを含む。
【0143】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域とを含む。
【0144】
本明細書において、VHドメインのアミノ酸配列が所与の参照VH配列と100%未満の配列同一性を示す実施形態では、それでも、参照配列のHCDR1、HCDR2、及びHCDR3と同一である重鎖CDRを含み得、一方で、フレームワーク領域内のアミノ酸配列の変異を示す。同様に、VLドメインのアミノ酸配列が所与の参照配列と100%未満の配列同一性を示す実施形態では、それでも、参照配列のLCDR1、LCDR2、及びLCDR3と同一である軽鎖CDRを含み得、一方で、フレームワーク領域内のアミノ酸配列の変異を示す。同様に、本開示のCARのscFv又は細胞外ドメインは、所与の参照VH配列と100%未満の配列同一性を示す場合、それでも、参照配列のHCDR1、HCDR2及びHCDR3と同一である重鎖CDR、及び参照配列のLCDR1、LCDR2、及びLCDR3と同一である軽鎖CDRを含み得、一方で、フレームワーク領域内のアミノ酸配列の変異を示す。
【0145】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、scFvを含む。いくつかの実施形態では、scFvは、軽鎖可変領域と重鎖可変領域との間にリンカーポリペプチドを含む。ある特定の実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号78、77、75、76、8、9、10、24、25及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むscFvであり、GPRC5Dポリペプチド(例えば、配列番号57のアミノ酸配列を有するヒトGPRC5Dポリペプチド又はそのフラグメント)に特異的に結合するscFvである。
【0146】
いくつかの実施形態では、scFvは、N末端からC末端まで、VH、リンカー、及びVL(VH-リンカー-VL)を含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、scFvは、N末端からC末端まで、VL、リンカー、及びVH(VL-リンカー-VH)を含む。
【0148】
組み換え発現系において、リンカーはペプチドリンカーであり、任意の天然に存在するアミノ酸を含み得る。リンカーに含まれ得る例示的なアミノ酸は、Gly、Ser Pro、Thr、Glu、Lys、Arg、Ile、Leu、His及びTheである。リンカーは、GPRC5Dへの結合などの所望の活性を保持するように、互いに正しい立体構造を形成するように、VH及びVLを連結するために十分な長さを有する必要がある。
【0149】
リンカーは、約5~50個のアミノ酸長であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、約10~40個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、約10~35個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、約10~30個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、約10~25個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、約10~20個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、約15~20個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは6個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは7個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは8個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは9個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは10個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは11個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは12個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは13個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは14個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは15個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは16個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは17個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは18個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは19個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは20個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは21個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは22個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは23個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは24個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは25個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは26個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは27個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは28個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは29個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは30個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは31個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは32個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは33個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは34個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは35個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは36個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは37個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは38個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは39個のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは40個のアミノ酸長である。使用され得る例示的なリンカーは、Glyリッチリンカー、Gly及びSer含有リンカー、Gly及びAla含有リンカー、Ala及びSer含有リンカー、並びに及び他の柔軟なリンカーである。
【0150】
一実施形態では、リンカーポリペプチドは、配列番号7のアミノ酸配列を含む。
【0151】
他のリンカー配列は、免疫グロブリン重鎖又は軽鎖アイソタイプに由来する免疫グロブリンヒンジ領域、CL又はCH1の部分を含み得る。使用され得る例示的なリンカーを表1に示す。追加のリンカーは、例えば、国際公開第WO2019/060695号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0152】
一実施形態では、リンカーポリペプチドは、配列番号91~123のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0153】
【0154】
一実施形態では、scFvは、配列番号78、77、75、76、8、9、10、24、25、及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号78、77、75、76、8、9、10、24、25及び26のいずれか1つと少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号78のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号78と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号77のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号77と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号75のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号75と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号76のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号76と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号8のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号8と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号9のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号9と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号10のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号10と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号24のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号24と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号25のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号25と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、scFvは、配列番号26のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、scFvは、配列番号26と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0155】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、シグナルポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、シグナルポリペプチドは、配列番号11のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号11と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0156】
一態様では、本開示は、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARを提供し、本細胞外抗原結合ドメインは、配列番号82、81、80、79、17、18、19、20、21、及び22からなる群から選択されるアミノ酸配列、又はそれに対して少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。配列番号82、81、80、79、17、18、19、20、21及び22からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む細胞外抗原結合ドメインを有するCARの別の特徴は、細胞外抗原結合ドメインがGPRC5D抗原に結合することである。
【0157】
一実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、TNF受容体スーパーファミリーメンバー9(CD137)成分、T細胞表面糖タンパク質CD3ゼータ鎖(CD3z)成分、分化クラスタ(CD27)成分、分化クラスタスーパーファミリーメンバー(例えば、CD28又は誘導性T細胞共刺激因子(ICOS)など)成分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリペプチド成分を含む。
【0158】
一実施形態では、CD137成分は、配列番号12のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD137成分は、配列番号12と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0159】
一実施形態では、CD3z成分は、配列番号13のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD3z成分は、配列番号13と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD137成分及びCD3z成分を含む。
【0161】
一実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号14のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号14と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0162】
CARの膜貫通ドメインは、CD8の膜貫通ドメイン、T細胞受容体のα、β、若しくはζ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、KIRDS2、OX40、CD2、CD27、LFA-1(CDI la、CD18)、ICOS(CD278)、4-1 BB(CD137)、4-1 BBL、GITR、CD40、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRFI)、CD160、CD1 9、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7R a、ITGA1、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CDI Id、ITGAE、CD103、ITGAL、CDI la、LFA-1、ITGAM、CDI lb、ITGAX、CDI lc、ITGB1、CD29、ITGB2、CD1 8、LFA-1、ITGB7、TNFR2、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(触覚)、CEACAM1、CRT AM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、SLAMF6(NTB-A、Lyl08)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、PAG/Cbp、NKp44、NKp30、NKp46、NKG2D、及び/又はNKG2Cに由来し得る。
【0163】
一実施形態では、膜貫通ドメインは、CD8a膜貫通領域(CD8A-TM)ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、CD8a-TMポリペプチドは、配列番号15のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD8a-TMポリペプチドは、配列番号15と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0164】
一実施形態では、膜貫通ドメインは、T細胞受容体のα、β又はζ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD8α、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD40、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、又はCD154の膜貫通領域を少なくとも含む。別の実施形態では、膜貫通ドメインは、ζ、η、又はFcεR1γ、及び-β、MB1(Igα)、B29又はCD3-γ、ζ、又はηの膜貫通ドメインを少なくとも含む。別の実施形態では、膜貫通ドメインは合成であり、例えば、ロイシン及びバリン、フェニルアラニンのトリプレット、又はトリプトファンなどの疎水性の残基を主に含む。
【0165】
一実施形態では、CARは、膜貫通ドメインを細胞外抗原結合ドメインに連結するヒンジ領域を更に含む。いくつかの実施形態では、ヒンジ領域は、CD8aヒンジ領域である。いくつかの実施形態では、CD8aヒンジ領域は、配列番号16のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CD8aヒンジ領域は、配列番号16と少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも98、又は少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒンジ領域は、配列EPKSCDKTHTCPPCP(配列番号124)を含む、又はEPKSCDKTHTCPPCP(配列番号124)と少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも98、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒンジ領域は、配列ERKCCVECPPCP(配列番号125)を含む、又はERKCCVECPPCP(配列番号125)と少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも98、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒンジ領域は、配列ELKTPLGDTTHTCPRCP(EPKSCDTPPPCPRCP)3(配列番号126)を含む、又はELKTPLGDTTHTCPRCP(EPKSCDTPPPCPRCP)3(配列番号126)と少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも98、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒンジ領域は、配列ESKYGPPCPSCP(配列番号127)を含む、又はESKYGPPCPSCP(配列番号127)と少なくとも50、少なくとも55、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも80、少なくとも85、少なくとも90、少なくとも95、少なくとも98、若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0166】
一実施形態では、CARは、細胞外抗原結合ドメイン、ヒンジ領域、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む。かかる一実施形態では、ヒンジ領域はCD8αヒンジ領域であり、膜貫通ドメインはCD8α-TMドメインであり、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータドメイン及び4-1BB/CD137ドメインを含む。かかる一実施形態では、ヒンジ領域は、配列番号16のアミノ酸配列を含むCD8αヒンジ領域であり、膜貫通ドメインは、配列番号15のアミノ酸配列を含むCD8α-TMドメインであり、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータドメイン及び4-1BB/CD137ドメインを含み、細胞内シグナル伝達ドメインは、配列番号14のアミノ酸配列を含む。
【0167】
一実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号82、81、80、79、17、18、19、20、21、及び22からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号82、81、80、79、17、18、19、20、21、及び22のいずれか1つと少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号82のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号82と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号81のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号81と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号80のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号80と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号79のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号79と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号17のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号17と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号18のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号18と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号19のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号19と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号20のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号20と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号21のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号21と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号22のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、細胞外抗原結合ドメインは、配列番号22と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0178】
一実施形態では、本開示のCARは、配列番号86、85、83、84、27、28、29、30、31及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号86、85、83、84、27、28、29、30、31、及び32のいずれか1つと、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号86と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号85のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号85と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号83のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号83と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号84のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号84と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号27のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号27と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号28のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号28と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号29のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号29と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号30のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号30と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号31のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号31と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号32のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号32と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0189】
ある特定の実施形態では、CARは、シグナルペプチドを含み得る。ある特定の実施形態では、シグナルペプチドは、CAR配列のN末端にある。ある特定の実施形態では、シグナルペプチドは、CAR配列のC末端にある。ある特定の実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号11のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。
【0190】
CAR構築物及びCARを発現する免疫応答性細胞
一態様では、本開示は、本明細書に記載のCARをコードする単離された核酸分子を提供する。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号90、89、87、88、33、34、35、36、37、及び38からなる群から選択される核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号90、89、87、88、33、34、35、36、37又は38のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号90の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号90のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号89の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号89のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号87の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号87のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号88の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号88のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号33の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号33のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号34の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号34のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号35の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号35のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号36の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号36のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号37の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号37のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、配列番号38の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、配列番号38のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0192】
「コード(すること)」という用語は、ヌクレオチドの定義された配列(例えば、rRNA、tRNA及びmRNA)又はアミノ酸の定義された配列のいずれかを有する、生物学的プロセスにおける他のポリマー及び高分子の合成のためのテンプレートとして機能する、遺伝子、cDNA、又はmRNAなどのポリヌクレオチド中のヌクレオチドの特異的配列の固有の特性、並びにそれから生じる生物学的特性を指す。したがって、細胞又は他の生物系において、遺伝子に対応するmRNAの転写及び翻訳がタンパク質を生成する場合、その遺伝子、cDNA、又はRNAは、タンパク質をコードする。ヌクレオチド配列がmRNA配列と同一であるコード鎖と、遺伝子又はcDNAの転写のテンプレートとして使用される非コード鎖はどちらも、その遺伝子又はcDNAのタンパク質又は他の産物をコードするとして言及され得る。
【0193】
別途記載のない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」は、互いの縮重型であるヌクレオチド配列、及び同じアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列全てを包含する。タンパク質又はRNAをコードするヌクレオチド配列という句はまた、いくつかの場合においてそのタンパク質をコードするヌクレオチド配列がイントロンを含有し得る程度にイントロンを包含し得る。
【0194】
「単離された」という用語は、組み換え細胞などの分子が産生される系の他の成分から実質的に分離及び/又は精製された分子の均質な集団(例えば、合成ポリヌクレオチド又は合成ポリペプチド)に加えて、少なくとも1つの精製又は単離工程に供されたタンパク質を指す。「単離された」は、他の細胞材料及び/又は化学物質を実質的に含まない分子を指し、より高い純度、例えば80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の純度まで単離された分子を包含する。
【0195】
いくつかの実施形態では、本開示は、記載される核酸分子(例えば、配列番号90、89、87、88、33、34、35、36、37、又は38)を含む発現ベクターを提供する。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号90、89、87、88、33、34、35、36、37又は38のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。
【0196】
いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号90の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号90のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号89の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号89のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号87の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号87のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号88の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号88のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号33の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号33のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号34の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号34のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号35の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号35のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号36の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号36のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号37の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号37のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号38の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号38のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。
【0197】
記載された核酸分子は、配列番号86、85、83、84、27、28、29、30、31及び32からなる群から選択される配列を有するアミノ酸、又はこれらの変異体をコードする。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号86のアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号86のアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号85のアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号85のアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号83のアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号83のアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号84のアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号84のアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号27のアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号27のアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号28のアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態において、発現ベクターは、配列番号28のアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号29のアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号29のアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号30のアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態において、発現ベクターは、配列番号30のアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号31のアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号31のアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号32のアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、発現ベクターは、配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列をコードする核酸分子を含む。
【0198】
本明細書では、核酸分子の構造は、列挙された参照配列(所与の配列番号を有する)と%配列同一性に基づいて適切に定義されている。これに関連して、核酸分子に関する%配列同一性は、少なくとも2つの異なる核酸配列間の類似性を指す。2つの比較された配列の両方の位置が同じ塩基によって占められている場合、例えば、2つのDNA分子のそれぞれの位置がアデニンによって占められている場合、分子はその位置で同一であり、2つの配列間における同一性の割合は、2つの配列によって共有される位置での一致又は相同である数の関数であり、比較された位置の数で除算し、100を乗算したものである。例えば、2つの配列の10個の位置のうち6個が一致又は相同である場合、2つの配列は60%同一(又は相同)である。例として、DNA配列ATTGCC及びTATGGCは、50%の同一性(又は相同性)を共有する。概ね、2つの配列がアライメントされて最大相同性を与える場合に比較が行われる。それぞれの同一性パーセントは、標準的なアラインメントアルゴリズム、例えば、Altshul et al.によって記載されるBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)((1990)J.MoI.Biol.215:403-10);Needleman et al.のアルゴリズム((1970)J.MoI.Biol.48:444-53);又はMeyers et al.のアルゴリズム((1988)Comput.Appl.Biosci.4:11-17)によって判定することができる。パラメータのセットは、ギャップペナルティが12、ギャップ伸長ペナルティが4、フレームシフトギャップペナルティが5のBlosum62スコアリングマトリックスであり得る。2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれているMeyers and Miller((1989)CABIOS 4:11-17)のアルゴリズムを使用して、PAM120重み付き残基表を使用してギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4で、判定することができる。同一性パーセントは、通常、同様の長さの配列を比較することによって計算される。
【0199】
「発現ベクター」という用語は、発現させるヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含む組み換えポリヌクレオチドを含むベクターを指す。発現ベクターは、発現に十分なシス作用エレメントを含み、発現のための他のエレメントは、宿主細胞によって、又はin vitro発現系において供給され得る。発現ベクターとしては、組み換えポリヌクレオチドを組み込んだコスミド、プラスミド(例えば、裸の、又はリポソームに含有されるもの)、及びウイルス(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス)を含む、当該技術分野において既知の全てのベクターが挙げられる。
【0200】
一実施形態では、本開示は、本明細書に記載の核酸分子を発現する細胞を提供する。一実施形態では、本開示は、本開示のCARを発現する細胞を提供する。一実施形態では、本開示のCARは、配列番号86、85、83、84、27、28、29、30、31及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のCARは、配列番号86、85、83、84、27、28、29、30、31及び32のいずれか1つと、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、CARは、配列番号86のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号85のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号83のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号84のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号27のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号28のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号29のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号30のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号31のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号32のアミノ酸配列を含む。
【0202】
いくつかの実施形態では、CARは、配列番号86と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号85と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号83と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号84と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号27と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号28と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号29と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号30と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号31と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、CARは、配列番号32と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する、アミノ酸配列を含む。
【0203】
一態様では、本開示は、本明細書に記載のCARを含む単離された免疫応答性細胞を提供する。いくつかの実施形態では、単離された免疫応答性細胞は、CARで形質導入される、例えば、CARは、免疫応答性細胞の表面上に構成的に発現される。ある特定の実施形態では、単離された免疫応答性細胞は、少なくとも1つの共刺激リガンドで更に形質導入され、免疫応答性細胞が少なくとも1つの共刺激リガンドを発現するようにする。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの共刺激リガンドは、4-1BBL、CD48、CD70、CD80、CD86、OX40L、TNFRSF14、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、単離された免疫応答性細胞は、少なくとも1つのサイトカインで更に形質導入され、免疫応答性細胞が少なくとも1つのサイトカインを分泌するようにする。ある特定の実施形態では、少なくともサイトカインは、IL-2、IL-3、IL-6、IL-7、IL-11、IL-12、IL-15、IL-17、IL-21、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、単離された免疫応答性細胞は、Tリンパ球(T細胞)、ナチュラルキラー(NK)細胞、細胞毒性Tリンパ球(CTL)、調節性T細胞、ヒト胚性幹細胞、リンパ系前駆細胞、T細胞前駆細胞、及びリンパ系細胞が分化する可能性のある多能性幹細胞からなる群から選択される。
【0204】
CARをコードする本発明の核酸配列は、「トランスフェクション」、「形質転換」、又は「形質導入」によって細胞に導入され得る。本明細書で使用するとき、「トランスフェクション」、「形質転換」、又は「形質導入」は、物理的又は化学的方法を使用することによって、宿主細胞への1つ又は2つ以上の外因性ポリヌクレオチドを導入することを指す。多くのトランスフェクション技術は、当該技術分野において既知であり、例えば、リン酸カルシウムDNA共沈殿法(例えば、Murray E.J.(ed.),Methods in Molecular Biology,Vol.7,Gene Transfer and Expression Protocols,Humana Press(1991)を参照);DEAE-デキストラン法;エレクトロポレーション法;カチオン性リポソーム媒介性トランスフェクション法;タングステン粒子促進微小粒子衝撃法(Johnston,Nature,346:776-777(1990));及びリン酸ストロンチウムDNA共沈殿法(Brash et al.,Mol.Cell Biol.,7:2031-2034(1987))が挙げられる。ファージベクター又はウイルスベクターは、好適なパッケージング細胞中の感染性粒子の成長後、宿主細胞に導入することができ、これらの多くは市販されている。
【0205】
一実施形態では、本開示のCAR T細胞は、所望のCAR、例えば、抗GPRC5D、CD8αヒンジ及び膜貫通ドメイン、並びにヒト4-1BB及びCD3-ゼータシグナル伝達ドメインを含むCARを含むレンチウイルスベクターを、細胞に導入することによって生成され得る。本発明のCAR T細胞は、in vivoで複製することができ、持続的な腫瘍制御につながる可能性のある長期持続性をもたらす。
【0206】
本発明の実施形態は、本明細書に記載の組み換え発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞を更に提供する。本明細書で使用するとき、「宿主細胞」という用語は、組み換え発現ベクターを含有し得る任意のタイプの細胞を指す。宿主細胞は、真核細胞、例えば、植物、動物、若しくは藻類、真菌であり得るか、又は、原核細胞、例えば、細菌若しくは原生動物であり得る。宿主細胞は、培養細胞又は初代細胞であり得る、すなわち、生物、例えば、ヒトから直接単離され得る。宿主細胞は、接着細胞又は浮遊細胞、すなわち、懸濁物中で増殖する細胞であり得る。好適な宿主細胞は、当該技術分野において既知であり、例えば、DH5α大腸菌細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、サルVERO細胞、COS細胞、HEK293細胞などが挙げられる。組み換え発現ベクターを増幅又は複製する目的で、宿主細胞は、原核細胞、例えば、DH5α細胞であり得る。組み換えCAR、ポリペプチド、又はタンパク質を産生する目的で、宿主細胞は、哺乳動物細胞であり得る。宿主細胞はヒト細胞であり得る。宿主細胞は、任意の細胞タイプのものであり得る、任意の組織タイプに由来し得、任意の発達段階のものであり得るが、宿主細胞は末梢血リンパ球(peripheral blood lymphocyte、PBL)であり得る。宿主細胞はT細胞であり得る。
【0207】
本明細書の目的のために、T細胞は、培養T細胞(例えば、初代T細胞)、又は培養T細胞株(例えば、Jurkat、SupT1など)からのT細胞、又は哺乳動物から得られたT細胞など、任意のT細胞であり得る。哺乳動物から得られる場合、T細胞は、多数の供給源(骨髄、血液、リンパ節、胸腺、又は他の組織若しくは体液を含むが、これらに限定されない)から得ることができる。T細胞はまた、濃縮又は精製され得る。T細胞は、ヒトT細胞であり得る。T細胞は、ヒトから単離されたT細胞であり得る。T細胞は、任意のタイプのT細胞であり得、任意の発達段階のもの(CD4+/CD8+二重陽性T細胞、CD8+T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞)、CD4+ヘルパーT細胞(例えば、Th1及びTh2細胞)、末梢血単核球(PBMC)、末梢血白血球(PBL)、腫瘍浸潤細胞、記憶T細胞、ナイーブT細胞などが含まれるが、これらに限定されない)であり得る。T細胞は、CD8+T細胞又はCD4+T細胞であり得る。
【0208】
T細胞はまた、「NKT細胞」を含み得る。NKT細胞は、半不変のαβT細胞受容体を発現するT細胞の特殊な集団を指すが、NK1.1などのNK細胞に通常関連する様々な分子マーカーも発現する。NKT細胞としては、NK1.1+及びNK1.1-、並びにCD4+、CD4-、CD8+、及びCD8細胞が挙げられる。NKT細胞のTCRは、MHC I様分子CD Idによって提示される糖脂質抗原を認識するという点で独特である。NKT細胞は、炎症又は免疫寛容のいずれかを促進するサイトカインを産生する能力により、保護効果又は有害効果のいずれかを有し得る。また、「ガンマデルタT細胞(γδT細胞)」も含まれる。ガンマデルタT細胞は、それらの表面に異なるTCRを有するT細胞の小さなサブセットの特殊な集団を指し、TCRがα及びβ-TCR鎖と表記される2つの糖タンパク質鎖から構成されるT細胞の大部分とは異なる。γδT細胞におけるTCRは、γ鎖及びδ鎖から構成される。γδT細胞は、免疫監視及び免疫調節において役割を果たすことができ、IL-17の重要な供給源であること、及び活発なCD8+細胞傷害性T細胞応答を誘導することが見出された。また、異常又は過剰な免疫応答を抑制し、免疫寛容における役割を果たすT細胞を指す「調節性T細胞」又は「Treg」も含まれる。Treg細胞は、典型的には、転写因子Foxp3陽性CD4+T細胞であり、また、IL-10産生CD4+T細胞である転写因子Foxp3陰性調節性T細胞も含み得る。
【0209】
T細胞株は、例えば、American Type Culture Collection(ATCC,Manassas,VA)、及びGerman Collection of Microorganisms and Cell Cultures(DSMZ)から入手可能であり、例えば、Jurkat細胞(ATCC TIB-152)、Sup-Tl細胞(ATCC CRL-1942)、RPMI 8402細胞(DSMZ ACC-290)、Karpas 45細胞(DSMZ ACC-545)、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0210】
別の実施形態では、宿主細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞である。NK細胞は、先天性免疫系において役割を果たす細胞傷害性リンパ球の一種である。NK細胞は、大顆粒リンパ球として定義され、Bリンパ球及びTリンパ球を更に生み出すリンパ球系共通前駆細胞から分化された第3のタイプの細胞を構成する(例えば、Immunobiology,5th ed.,Janeway et al.,eds.,Garland Publishing,New York,NY(2001)を参照されたい)。NK細胞は、骨髄、リンパ節、脾臓、扁桃腺、及び胸腺において分化及び成熟する。成熟後、NK細胞は、特徴的な細胞傷害性顆粒を有する大きなリンパ球として循環する。NK細胞は、一定の異常細胞(例えば、一定の腫瘍細胞及びウイルス感染細胞など)を認識して死滅させることができ、細胞内病原体に対する先天性免疫防御において重要であると考えられる。T細胞に関して上述したように、NK細胞は、任意のNK細胞(培養NK細胞、例えば、初代NK細胞、又は培養NK細胞株からのNK細胞、又は哺乳動物から得られるNK細胞など)であり得る。哺乳動物から得られる場合、NK細胞は、多数の供給源(血液、骨髄、リンパ節、胸腺、又は他の組織若しくは体液を含むが、これらに限定されない)から得ることができる。NK細胞はまた、濃縮又は精製され得る。NK細胞は、好ましくはヒトNK細胞(例えば、ヒトから単離される)である。NK細胞株は、例えば、American Type Culture Collection(ATCC,Manassas,VA)から入手可能であり、例えば、NK-92細胞(ATCC CRL-2407)、NK92MI細胞(ATCC CRL-2408)、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0211】
本明細書に記載の少なくとも1つの宿主細胞を含む細胞集団も提供される。細胞集団は、少なくとも1つの他の細胞、例えば、組み換え発現ベクターのいずれも含まない宿主細胞(例えば、T細胞)、又はT細胞以外の細胞(例えば、B細胞、マクロファージ、赤血球、好中球、肝細胞、内皮細胞、上皮細胞、筋細胞、脳細胞など)に加えて、記載される組み換え発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞を含む不均質な集団であり得る。代替的に、細胞集団は、実質的に均質な集団であり得、この場合、その集団は、組み換え発現ベクターを含む宿主細胞を主に含む(例えば、本質的にそれらからなる)。集団はまた、細胞のクローン集団であり得、この場合、集団の全ての細胞が組み換え発現ベクターを含む単一の宿主細胞のクローンであり、そのため、集団の全ての細胞は組み換え発現ベクターを含む。一実施形態では、細胞集団は、本明細書に記載の組み換え発現ベクターを含む宿主細胞を含むクローン集団である。
【0212】
医薬組成物/投与
本開示の実施形態では、CAR発現細胞は、組成物、例えば、CAR発現細胞及び医薬的に許容される担体を含む好適な医薬組成物で提供され得る。一態様では、本開示は、記載される1つ又は2つ以上のCARを発現する有効量のリンパ球及び医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。本開示の医薬組成物は、CAR発現細胞、例えば、本明細書に記載されるような複数のCAR発現細胞を、1つ又は2つ以上の医薬的又は生理学的に許容される担体、賦形剤、又は希釈剤と組み合わせて含み得る。医薬的に許容される担体は、対象に対して無毒性である有効成分以外の医薬組成物中の成分であり得る。
【0213】
医薬的に許容される担体としては、緩衝液、賦形剤、安定剤、又は防腐剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。医薬的に許容される担体の例は、生理学的に適合性の溶剤、分散媒体、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、等張及び吸収遅延剤などであり、例えば、塩、緩衝液、抗酸化剤、糖類、水性若しくは非水性担体、防腐剤、湿潤剤、界面活性剤、若しくは乳化剤、又はこれらの組み合わせである。医薬組成物中の医薬的に許容される担体の量は、担体の活性及び製剤の所望の特性、例えば、安定性及び/又は最小酸化に基づいて実験的に判定され得る。
【0214】
かかる組成物は、酢酸、クエン酸、ギ酸、コハク酸、リン酸、炭酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、ヒスチジン、ホウ酸、トリス緩衝液、HEPPSO、HEPES、中性緩衝生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水などの緩衝液;グルコース、マンノース、スクロース又はデキストラン、マンニトールなどの炭水化物;タンパク質;グリシンなどのポリペプチド又はアミノ酸;抗酸化剤;EDTA又はグルタチオンなどのキレート剤;アジュバント(例えば水酸化アルミニウム);抗菌剤及び抗真菌剤;並びに防腐剤を含み得る。
【0215】
本開示の組成物は、非経口投与又は経口(non-parenteral)投与の様々な手段のために製剤化され得る。一実施形態では、組成物は、注入又は静脈内投与向けに製剤化され得る。本明細書に開示される組成物は、例えば、無菌液体調製物(例えば、等張水溶液、乳剤、懸濁液、分散液、又は粘性組成物)として提供することができ、これらは、望ましいpHに緩衝され得る。経口投与に好適な製剤としては、液体溶液、カプセル剤、サッシェ剤、タブレット剤、ドロップ剤、及びトローチ剤、適切な液体及び乳剤中の粉末液体懸濁液を挙げることができる。
【0216】
医薬組成物に関して本明細書で使用するとき、「医薬的に許容される」という用語は、動物及び/又はヒトにおける使用について、連邦政府若しくは州政府の規制機関によって承認されているか、又は米国薬局方若しくは他の一般に認められている薬局方に列挙されていることを意味する。
【0217】
一態様では、本開示は、癌を有するか又は癌を有するリスクがある対象の治療のために、リンパ球注入を使用して、CARを発現する遺伝子改変T細胞を投与することに関する。少なくとも1つの実施形態では、自己リンパ球注入が治療に使用される。自己PBMCは、治療を必要とする対象から収集され、本明細書に記載され当該技術分野において既知の方法を使用して、T細胞を活性化及び増殖して、次いで対象に注入して戻される。
【0218】
一態様では、本開示は、概して、癌を発症するリスクのある対象の治療に関する。本発明はまた、対象における化学療法及び/又は免疫療法により著しい免疫抑制がもたらされ、それによって癌を発症する対象のリスクを増加させる、悪性腫瘍又は自己免疫疾患を治療することも含む。一態様では、本開示は、癌を予防する方法を提供し、本方法は、記載される1つ又は2つ以上のCARを発現するリンパ球の量を、それを必要とする対象に投与することを含む。
【0219】
一態様では、本開示は、癌を有する対象を治療する方法を提供し、本方法は、記載される1つ又は2つ以上のCARを発現する治療有効量のリンパ球を、それを必要とする対象に投与することを含み、それにより、リンパ球は対象における癌細胞の死滅を誘導又は調節する。
【0220】
別の態様では、本開示は、癌を有する対象における腫瘍量を低減する方法を提供し、本方法は、記載される1つ又は2つ以上のCARを発現する治療有効量のリンパ球を、それを必要とする対象に投与することを含み、それにより、リンパ球は対象における癌細胞の死滅を誘導する。別の態様では、本開示は、癌を有する対象の生存期間を増加させる方法を提供し、本方法は、記載される1つ又は2つ以上のCARを発現する治療有効量のリンパ球を、それを必要とする対象に投与することを含み、それにより、対象の生存期間が長くなる。概ね、CARを発現するリンパ球により、対象における癌細胞の死滅が誘導され、対象における腫瘍/癌細胞の低減又は根絶がもたらされる。標的化され得る転移性病変を含む、癌の非限定的なリストには、肺癌、胃癌、結腸癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、及びこれらの組み合わせが含まれる。一実施形態では、対象において治療される癌は、多発性骨髄腫である。
【0221】
一態様では、本明細書に記載の方法は、癌性状態(例えば、MM又はリンパ腫などの血液癌に発展するリスクがある意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(monoclonal gammopathy of undetermined significance、MGUS)、及び白血病などの血液癌に発展するリスクのある骨髄異形成症候群など)に発展するリスクがある非癌性状態の治療に適用可能である。
【0222】
一態様では、癌を有する対象を治療する方法が提供される。該方法は、GPRC5D抗原に結合する細胞外抗原結合ドメインを有するCARを発現する治療有効量のリンパ球を、それを必要とする対象に投与することを含み、それにより、リンパ球は対象における癌細胞の死滅を誘導する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのCARは、配列番号86、85、83、84、27、28、29、30、31及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0223】
一態様では、癌細胞の標的化死滅の方法が開示される。該方法は、癌細胞を、記載される1つ又は2つ以上のCARを発現するリンパ球と接触させることを含み、それにより、リンパ球は癌細胞の死滅を誘導する。標的化され得る転移性癌細胞を含む癌細胞の非限定的なリストには、肺癌細胞、胃癌細胞、結腸癌細胞、肝細胞癌細胞、腎細胞癌細胞、膀胱尿路上皮癌細胞、転移性黒色腫細胞、乳癌細胞、卵巣癌細胞、子宮頸癌細胞、頭頸部癌細胞、膵臓癌細胞、神経膠腫細胞、神経膠芽腫細胞、及び非ホジキンリンパ腫(NHL)細胞、急性リンパ性白血病(ALL)細胞、慢性リンパ性白血病(CLL)細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)細胞、多発性骨髄腫(MM)細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、及びこれらの組み合わせが含まれる。一実施形態では、癌細胞は、多発性骨髄腫細胞である。
【0224】
本開示の医薬組成物は、治療される(又は予防される)疾患に適切な方法で投与され得る。投与の量及び頻度は、対象の状態、対象の疾患のタイプと重症度などの要因によって判定されるが、適切な投与量は臨床試験によって判定され得る。
【0225】
「処置する」又は「処置」という用語は、所望されない生理的変化若しくは疾患を遅延する(減らす)こと、又は処置中に有益な若しくは所望される臨床的結果をもたらすことが目的である、治療的処置を指す。有益な若しくは所望の臨床転帰としては、検出可能又は検出不可能であるかどうかにかかわらず、症状の緩和、疾患の程度の軽減、安定した(すなわち、悪化しない)疾患状態、疾患の進行の遅延又は鈍化、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解(部分的又は全体的であるかどうかにかかわらず)が挙げられる。「治療」はまた、対象が治療を受けていない場合に予想される生存期間と比較して、生存期間を延長させることを意味し得る。治療を必要とする対象としては、所望されない生理的変化又は疾患をすでに有している対象、並びに生理的変化又は疾患を有しやすい傾向がある対象が含まれる。
【0226】
本明細書において互換的に使用される「治療有効量」又は「有効量」は、必要な投薬量及び期間で、所望される治療結果を得るために有効な量を指す。治療有効量は、個体の病態、年齢、性別、及び体重などの要因、並びに個体において所望の応答を誘発する治療薬又は治療薬の組み合わせの能力によって様々であってよい。有効な治療剤又は治療剤の組み合わせの指標の例としては、例えば、患者の健康状態の改善、腫瘍量の減少、腫瘍の成長の停止若しくは鈍化、及び/又は体内の他の場所への癌細胞の転移の不在が含まれる。
【0227】
本明細書で使用するとき、「対象」という用語は、動物を指す。「対象」及び「患者」という用語は、対象に関して本明細書で互換的に使用されてもよい。したがって、「対象」は、患者として、疾患、又は疾患の予防のために治療されるヒトを含む。
【0228】
本明細書に記載の方法は、任意の分類に属する動物対象を治療するために使用され得る。かかる動物の例としては、哺乳動物が挙げられる。哺乳動物としては、ネズミ目(マウス及びハムスターなど)の哺乳動物、及びウサギ目(ウサギなど)の哺乳動物が挙げられるが、これらに限定されない。哺乳動物は、ネコ科動物(ネコ)及びイヌ科動物(イヌ)を含む食肉目からのものであり得る。哺乳動物は、ウシ亜科動物(ウシ)及びイノシシ科動物(ブタ)を含む偶蹄目、又はウマ科動物(ウマ)を含む奇蹄目からのものであり得る。哺乳動物は、サル目、セボイド(Ceboid)目、若しくはシモイド(Simoid)目(サル)、又は真猿亜目(ヒト及び類人猿)であり得る。一実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
【0229】
治療有効量が示される場合、投与される本開示の組成物の正確な量は、対象の年齢、体重、腫瘍サイズ、感染又は転移の程度、及び状態における個々の差異を考慮して、医師によって判定され得る。本明細書に記載のT細胞を含む医薬組成物は、これらの範囲内の全ての整数値を含む、約104~約1010細胞/kg体重、場合によっては約105~約106細胞/kg体重の投与量で投与され得ることが概ね述べられ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のT細胞を含む医薬組成物は、約106細胞/体重kgの投与量で投与され得る。T細胞組成物はまた、これらの投与量で複数回投与され得る。細胞は、免疫療法において通常に知られている注入技術を使用することによって投与することができる(例えば、Rosenberg et al.,New Eng.J.of Med.319:1676,1988を参照)。
【0230】
本発明の実施形態の文脈において有用な送達システムは、徐放性、遅延放出、及び持続性放出送達システムを含み得、T細胞組成物の送達が、治療される部位の感作の前に、そしてそれを引き起こすために十分な時間で行われるようにする。組成物は、他の治療剤又は療法と併用することができる。かかるシステムは、組成物の反復投与を回避することにより、対象及び医師に対する利便性を高めることができ、本発明における特定の組成物の実施形態に対して特に好適であり得る。
【0231】
多くのタイプの放出送達システムが利用可能であり、当業者に既知である。これらには、ポリ(ラクチド-グリコリド)、コポリオキサレート、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、及びポリ無水物などのポリマーベースシステムが含まれる。前述の薬物含有ポリマーのマイクロカプセルは、例えば、米国特許第5,075,109号に記載されている。送達システムとしては、コレステロール、コレステロールエステル、及び脂肪酸などのステロール、又はモノ-ジ-グリセリド及びトリ-グリセリドなどの中性脂肪を含む脂質である非ポリマーシステム;シラスティック(sylastic)システム;ペプチドベースのシステム;ヒドロゲル放出システム;ワックスコーティング;従来の結合剤及び賦形剤を使用した圧縮錠剤;部分的に融合した埋め込みなども挙げられる。具体的な例としては、(a)マトリックス内に活性組成物が含有される形の侵食システム(例えば、米国特許第4,452,775号;同第4,667,014号;同第4,748,034号;及び同第5,239,660号に記載されたものなど)並びに(b)活性成分がポリマーから制御された速度で透過する拡散システム(例えば、米国特許第3,854,480号及び同第3,832,253.号に記載されたものなど)が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ポンプベースのハードウェア送達システムを使用することができ、その一部は埋め込みに適合されている。
【0232】
特定の態様では、活性化T細胞を対象に投与し、その後、血液を再採取し(又はアフェレーシスを実施し)、本開示によるT細胞を活性化し、これらの活性化及び増殖したT細胞を対象に再注入することが望ましい場合がある。このプロセスは、数週間ごとに複数回実行することができる。特定の態様では、T細胞は、10cc~400ccの採血から活性化され得る。特定の態様では、T細胞は、20cc、30cc、40cc、50cc、60cc、70cc、80cc、90cc、又は100ccの採血から活性化される。
【0233】
CAR-T細胞及び組成物の投与は、任意の方法、例えば、非経口投与又は経口投与(エアロゾル吸入、注射、注入、経口摂取、輸血、埋め込み、又は移植を含む)によって実施することができる。例えば、本明細書に記載されるCAR-T細胞及び組成物は、経動脈、皮内、皮下、腫瘍内、髄内、節内、筋肉内経路で、静脈内(i.v.)注射によって、又は腹腔内経路で患者に投与され得る。一態様では、本開示の組成物は、i.v.注射によって投与される。一態様では、本開示の組成物は、皮内注射又は皮下注射によって対象に投与される。T細胞の組成物は、例えば、腫瘍、リンパ節、組織、器官、又は感染部位に直接注射することができる。
【0234】
投与は、自己投与又は非自己投与であり得る。例えば、Gタンパク質共役型受容体(例えば、GPRC5D)特異的CARを発現する免疫応答性細胞は、1つの対象から得られ、同じ対象又は異なる対象に投与され得る。本開示の末梢血由来T細胞、又は増殖T細胞(例えば、in vivo、ex vivo又はin vitro由来)は、例えば、静脈内注射、局所注射、全身注射、カテーテル投与、又は非経口投与を介して投与することができる。
【0235】
特定の実施形態では、対象は白血球アフェレーシスを受けることができ、その場合、白血球は、ex vivoで収集、濃縮、又は枯渇されて、対象となる細胞、例えば、T細胞を選択及び/又は単離する。これらの単離されたT細胞は、当該技術分野において既知の方法によって増殖させることができ、本開示の1つ又は2つ以上のCAR構築物が導入され得るように処理され、それによってCAR-T細胞を作製することができる。それを必要とする対象は、その後、高用量化学療法と、それに続く末梢血幹細胞移植による標準的な治療を受ける場合がある。特定の態様では、移植後又は移植と同時に、対象は、増殖したCAR-T細胞の注入を受ける。一態様では、増殖した細胞は、手術の前又は後に投与される。
【0236】
悪性腫瘍を有する患者に投与される投与量は、治療される疾患を緩和するか、又は少なくとも部分的に阻止するために十分な量である(「治療有効量」)。対象に投与される上記治療の投与量は、治療される状態の正確な性質及び治療のレシピエントによって変化する。ヒト投与のための投与量のスケーリングは、当該技術分野において概ね受け入れられている慣行に従って実行することができる。
【0237】
本発明のCART T細胞は、in vivoでのT細胞増殖を受けることができ、血中及び骨髄中で長期間にわたって高レベルで持続するGPRC5D特異的記憶細胞を定着させることができる。いくつかの例では、対象に注入された本発明のCAR T細胞は、進行した化学療法抵抗性癌を有する対象において、in vivoで癌細胞(例えば、白血病細胞)を排除することができる。
【0238】
一実施形態では、本開示のCARは、例えば、in vitro転写を使用して、T細胞に導入され、対象(例えば、ヒト)に、本開示のCAR-T細胞を初回投与して、CAR-T細胞を1回又は2回以上後続投与する。その場合、1回又は2回以上の後続投与は、前回の投与後の15日未満、例えば、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2日で投与される。一実施形態では、CAR-T細胞を対象(例えば、ヒト)に1週間に2回以上投与する、例えば、CAR-T細胞を1週間に2、3、又は4回投与する。一実施形態では、対象に、CAR-T細胞を1週間に2回以上投与し(例えば、1週間に2、3又は4回投与)(本明細書ではサイクルとも称される)、その後、CAR-T細胞投与がない週が続き、続いて、CAR-T細胞を1回又は2回以上の追加投与する(例えば、CAR-T細胞を1週間に2回以上投与)。別の実施形態では、対象に、CAR-T細胞を2サイクル以上で投与し、各サイクル間の時間は、10、9、8、7、6、5、4、又は3日未満である。一実施形態では、CAR-T細胞は、1週間に3回の投与のために、1日おきに投与される。一実施形態では、CAR-T細胞は、少なくとも2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、又はそれ以上の週にわたって投与される。
【0239】
一実施形態では、投与は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、又はそれ以上後に繰り返され得る。治療を繰り返すことも可能であり、長期にわたる投与も同様に可能である。反復投与は、同じ投与量、又は異なる投与量であってもよい。
【0240】
CAR-T細胞は、例えば、1週間に1回、6ヶ月又はそれ以上の期間などの維持療法によって、本発明の方法で投与することができる。
【0241】
一実施形態では、CAR-T細胞は、レンチウイルスなどのレンチウイルスウイルスベクターを使用して生成される。かかるウイルスベクターで生成されたCAR-T細胞は、安定したCAR発現を一般的に有する。
【0242】
一実施形態では、CAR-T細胞は、形質導入後4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15日間、CARベクターを一過性に発現する。CARの一過性発現は、RNA CARベクターの送達によって影響を受け得る。一実施形態では、CAR RNAは、エレクトロポレーションによってT細胞に形質導入される。
【0243】
一過性のCAR療法(RNA形質導入によって生成されるものなど)の過程で患者が抗CAR抗体応答を生成するリスクが高い場合、CAR T注入の中断は、10~14日を超えてはならない。
【0244】
本明細書に記載のCAR発現細胞は、他の既知の薬剤及び療法と組み合わせて使用することができる。本明細書で使用するとき、「組み合わせて」投与されるとは、対象の治療の過程中に、2つ(又はそれ以上)の異なる治療が対象に送達されること、例えば、対象が癌と診断された後、その癌が治癒される若しくは排除される前、又は他の理由で治療が中止される前に、2つ又はそれ以上の治療が送達されることを意味する。いくつかの実施形態では、1つの治療の送達は、第2の開始の送達が開始されるときにも依然として起こるため、投与に関して重複がある。これは、本明細書において「同時」又は「同時送達」と称されることがある。他の実施形態では、1つの治療の送達は、もう1つの治療の送達が始まる前に終了する。いずれかの場合のいくつかの実施形態では、併用投与のため、治療はより効果的である。例えば、第2の治療はより効果的であり、例えば、同等の効果が、第2の治療が少なくても見られるか、又は第2の治療が、第1の治療なく第2の治療が施される場合に見られるよりも、症状を大幅に軽減するか、又は第1の治療と同様の状況が見られる。いくつかの実施形態では、送達は、障害に関連する症状又は他のパラメータの軽減が、他の治療なしで送達される1つの治療から観察される軽減よりも大きくなるようなものである。2つの治療の効果は、部分的に相加的であるか、全体的に相加的であるか、又は相加的を超えるものであり得る。送達は、送達された第1の治療の効果が、第2の送達時に依然として検出可能であるようなものであり得る。
【0245】
一実施形態では、因子などの他の治療剤は、CAR-T細胞の前、後、又は一緒に(同時に)投与され得、例えば、インターロイキン(例えば、IL-2、IL-3、IL-6、IL-7、IL-11、IL-12、IL-15、IL-21、並びに他のインターロイキン)、G-、M-及びGM-CSFなどのコロニー刺激因子、並びにインターフェロン(例えば、γ-インターフェロン)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0246】
本明細書に記載のCAR発現細胞及び少なくとも1つの追加の治療剤は、同時に、同じ若しくは別個の組成物で、又は連続して投与することができる。連続投与の場合、本明細書に記載のCAR発現細胞を最初に投与し、次に追加の薬剤を投与するか、又は投与の順序を逆にすることができる。
【0247】
更なる実施形態では、本明細書に記載のCAR発現細胞は、手術、放射線、化学療法、免疫抑制剤、例えば、メトトレキサート、シクロスポリン、アザチオプリン、ミコフェノール酸、及びFK506、抗体、又は他の免疫除去剤(immunoablative agent)、例えば、抗CD3抗体若しくは他の抗体療法薬、サイトシン(cytoxin)、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸、ステロイド、FR901228、サイトカイン、及び放射線と組み合わせて治療レジメンで使用することができる。
【0248】
一実施形態では、本明細書に記載のCAR発現細胞は、化学療法剤と組み合わせて使用することができる。例えば、化学療法剤としては、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン(例えば、リポソームドキソルビシン))、ビンシンアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、ダカルバジン、メルファラン、イホスファミド、テモゾロミド)、免疫細胞抗体(例えば、アレムツザマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、トシツモマブ)、代謝拮抗剤(例えば、葉酸拮抗剤、ピリミジン類似体、プリン類似体、及びアデノシンデアミナーゼ阻害剤(例えばフルダラビン)を含む)mTOR阻害剤、TNFRグルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)作動薬、プロテアソーム阻害剤(例えば、アクラシノマイシンA、グリオトキシン又はボルテゾミブ)、免疫調節薬例えば、サリドマイド又はサリドマイド誘導体(例えば、レナリドミド)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0249】
併用療法での使用が検討されている化学療法剤の非網羅的なリストには、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、ビカルタミド(Casodex(登録商標))、ブレオマイシン硫酸塩(Blenoxane(登録商標))、ブスルファン(Myleran(登録商標))、ロイコボリンカルシウム、メルファラン(Alkeran(登録商標))、6-メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、メトトレキサート(Folex(登録商標))、ミトキサトロン(Novantrone(登録商標))、マイロターグ、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、フェニックス(Yttrium90/MX-DTPA)、ペントスタチン、カルムスチンインプラントを含むポリフェプロサン20(Gliadel(登録商標))、ダクチノマイシン(Actinomycin D、Cosmegan)、ダウノルビシン塩酸塩(Cerubidine(登録商標))、ダウノルビシンクエン酸塩リポソーム注射剤(DaunoXome(登録商標))、デキサメタゾン、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、ドキソルビシン塩酸塩(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、エトポシド(Vepesid(登録商標))、ブスルファン注射剤(Busulfex(登録商標))カペシタビン(Xeloda(登録商標))、N4-ペントキシカルボニル-5-デオキシ-5-フルオロシチジン、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、カルムスチン(BiCNU(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)又はNeosar(登録商標))、シタラビン、シトシンアラビノシド(Cytosar-U(登録商標))、シタラビンリポソーム注射剤(DepoCyt(登録商標))、ダカルバジン(DTIC-Dome(登録商標))リン酸フルダラビン(Fludara(登録商標))、5-フルオロウラシル(Adrucil(登録商標))、Efudex(登録商標))、フルタミド(Eulexin(登録商標))、テザシチビン、ゲムシタビン(ジフルオロデオキシシチジン)、ヒドロキシ尿素(Hydrea(登録商標))、イダルビシン(Idamycin(登録商標))、イホスファミド(IFEX(登録商標))、イリノテカン(Camptosar(登録商標))、L-アスパラギナーゼ(ELSPAR(登録商標))、タモキシフェンクエン酸塩(Nolvadex(登録商標))、テニポシド(Vumon(登録商標))、6-チオグアニン、チオテパ、チラパザミン(Tirazone(登録商標))、注射用トポテカン塩酸塩(Hycamptin(登録商標))、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、及びビノレルビン(Navelbine(登録商標))が含まれる。
【0250】
アルキル化剤の例としては、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、スルホン酸アルキル、ニトロソ尿素及びトリアゼン:ウラシルマスタード(Aminouracil Mustard(登録商標)、Chlorethaminacil(登録商標)、Haemanthamine(登録商標)、Nordopan(登録商標)、Uracil Nitrogen Mustard(登録商標)、Uracillost(登録商標)、Uracilmostaza(登録商標)、Uramustin(登録商標)、Uramustine(登録商標))、クロルメチン(Mustargen(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)、Neosar(登録商標)、Clafen(登録商標)、Endoxan(登録商標)、Procytox(登録商標)、Revimmune(商標))、イホスファミド(Mitoxana(登録商標))、メルファラン(Alkeran(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、ピポブロマン(Amedel(登録商標)、Vercyte(登録商標))、トリエチレンメラミン(Hemel(登録商標)、Hexylen(登録商標)、Hexastat(登録商標))、Demethyldopan(登録商標)、Desmethyldopan(登録商標)、トリエチレンチオホスホラミン、テモゾロミド(Temodar(登録商標))、チオテパ(Thioplex(登録商標))、ブスルファン(Busilvex(登録商標)、Myleran(登録商標))、カルムスチン(BiCNU(登録商標))、ロムスチン(CeeNU(登録商標))、ストレプトゾシン(Zanosar(登録商標))、及びダカルバジン(DTIC-Dome(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。アルキル化剤の更なる例としては、オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標));メルファラン(L-PAM、L-サルコリシン、及びフェニルアラニンマスタード、Alkeran(登録商標)としても知られている);アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン(HMM)、Hexylen(登録商標)としても知られている);カルムスチン(BiCNU(登録商標));ベンダムスチン(Treanda(登録商標));ブスルファン(Busulfex(登録商標)及びMyleran(登録商標));カルボプラチン(Paraplatin(登録商標));テモゾロミド(Temodar(登録商標)及びTemodal(登録商標));ダクチノマイシン(アクチノマイシン-D、Cosmegen(登録商標)としても知られる);ロムスチン(CCNU、CeeNU(登録商標)としても知られる);シスプラチン(CDDP、Platinol(登録商標)及びPlatinol(登録商標)-AQとしても知られる);クロラムブシル(Leukeran(登録商標));シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)及びNeosar(登録商標));ダカルバジン(DTIC、DIC及びイミダゾールカルボキサミド、DTIC-Dome(登録商標)としても知られている);アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン(HMM)、Hexylen(登録商標)としても知られている);イホスファミド(Ifex(登録商標));プレドヌムスチン;プロカルバジン(Matulane(登録商標));メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード、ムスチン及びメクロレタミン塩酸塩、Mustargen(登録商標)としても知られている);ストレプトゾシン(Zanosar(登録商標));チオテパ(チオホスホアミド、TESPA及びTSPA、Thioplex(登録商標)としても知られている);シクロホスファミド(Endoxan(登録商標)、Cytoxan(登録商標)、Neosar(登録商標)、Procytox(登録商標)、Revimmune(登録商標));及びベンダムスチンHCl(Treanda(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0251】
本明細書で有用な免疫調節薬の例としては、例えば、アフツズマブ(Roche(登録商標)から入手可能);ペグフィルグラスチム(Neulasta(登録商標))、レナリドミド(CC-5013、Revlimid(登録商標));サリドマイド(Thalomid(登録商標))、アクチミド(CC4047)、及びIRX-2(インターロイキン1、インターロイキン2、及びインターフェロンγを含むヒトサイトカインの混合物、CAS 951209-71-5、IRX Therapeuticsから入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0252】
一実施形態では、対象に、CAR発現細胞の活性を増強する薬剤を投与することができる。例えば、一実施形態では、薬剤は、阻害分子を阻害する薬剤であり得る。阻害分子、例えば、Programmed Death 1(PD1)は、いくつかの実施形態において、免疫エフェクタ応答を展開するCAR発現細胞の能力を低下させることができる。阻害分子の例としては、PD1、PD-L1、CTLA4、TIM3、LAG3、VISTA、BTLA、TIGIT、LAIR1、CD160、2B4、及びTGFRベータが挙げられる。
【0253】
例示的実施形態の記述が以下に続く。
【0254】
実施形態1.細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)であって、細胞外抗原結合ドメインが、
配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、又は
配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号47のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3
を含み、
細胞外抗原結合ドメインが、抗Gタンパク質受容体ファミリーCグループ5メンバーD(GPRC5D)抗原に結合する、
キメラ抗原受容体。
【0255】
実施形態2.
配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含む、細胞外抗原結合ドメインが、配列番号69のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号70のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号71のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、
配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含む、細胞外抗原結合ドメインが、配列番号61のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号62のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号63のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、
配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含む、細胞外抗原結合ドメインが、配列番号48のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、
配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含む、細胞外抗原結合ドメインが、配列番号51のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号53のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、又は
配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号47のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含む、細胞外抗原結合ドメインが、配列番号54のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号55のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号56のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、
実施形態1に記載のCAR。
【0256】
実施形態3.細胞外抗原結合ドメインが、配列番号73、65、1、3、及び5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)、又は配列番号72、64、2、4、及び6からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)、又は配列番号73、65、1、3、及び5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVRと、配列番号72、64、2、4、及び6からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVRとの組み合わせを含む、実施形態1又は2に記載のCAR。
【0257】
実施形態4.細胞外抗原結合ドメインが、
配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号72のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号64のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
配列番号3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、又は
配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、を含む、
実施形態1~3に記載のCAR。
【0258】
実施形態5.細胞外抗原結合ドメインが、単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、実施形態1~4に記載のいずれか1つに記載のCAR。
【0259】
実施形態6.scFvが、軽鎖可変領域と重鎖可変領域との間にリンカーポリペプチドを含む、実施形態5に記載のCAR。
【0260】
実施形態7.リンカーポリペプチドが、配列番号7のアミノ酸配列を含む、実施形態6に記載のCAR。
【0261】
実施形態8.scFvが、配列番号78、77、75、76、8、9、10、24、25、及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態5~7のいずれか1つに記載のCAR。
【0262】
実施形態9.細胞外抗原結合ドメインが、シグナルポリペプチドを含む、実施形態1~8に記載のいずれか1つに記載のCAR。
【0263】
実施形態10.シグナルポリペプチドが、配列番号11のアミノ酸配列を含む、実施形態9に記載のCAR。
【0264】
実施形態11.細胞内シグナル伝達ドメインが、TNF受容体スーパーファミリーメンバー9(CD137)成分、T細胞表面糖タンパク質CD3ゼータ鎖(CD3z)成分、分化クラスタ(CD27)成分、分化クラスタスーパーファミリーメンバー成分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリペプチド成分を含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載のCAR。
【0265】
実施形態12.CD137成分が、配列番号12のアミノ酸配列を含む、実施形態11に記載のCAR。
【0266】
実施形態13.CD3z成分が、配列番号13のアミノ酸配列を含む、実施形態11記載のCAR。
【0267】
実施形態14.細胞内シグナル伝達ドメインが、配列番号14のアミノ酸配列を含む、実施形態11に記載のCAR。
【0268】
実施形態15.膜貫通ドメインが、CD8a膜貫通領域(CD8A-TM)ポリペプチドを含む、実施形態1~14に記載のいずれか一項に記載のCAR。
【0269】
実施形態16.CD8a-TMポリペプチドが、配列番号15のアミノ酸配列を含む、実施形態15に記載のCAR。
【0270】
実施形態17.膜貫通ドメインを細胞外抗原結合ドメインに連結するヒンジ領域を更に含む、実施形態1~16に記載のいずれか1つに記載のCAR。
【0271】
実施形態18.ヒンジ領域が、CD8aヒンジ領域である、実施形態17に記載のCAR。
【0272】
実施形態19.CD8aヒンジ領域が、配列番号16のアミノ酸配列を含む、実施形態18に記載のCAR。
【0273】
実施形態20.細胞外抗原結合ドメインが、配列番号82、81、80、79、17、18、19、20、21及び22からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~19に記載のいずれか一項に記載のCAR。
【0274】
実施形態21.CARが、配列番号86、85、83、84、27、28、29、30、31及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、実施形態1~20のいずれか1つに記載のCAR。
【0275】
実施形態22.実施形態1~21のいずれか1つに記載のCARを発現する単離されたリンパ球。
【0276】
実施形態23.リンパ球が、Tリンパ球である、実施形態22に記載の単離されたリンパ球。
【0277】
実施形態24.実施形態1~21のいずれか1つに記載のCARをコードする単離された核酸分子。
【0278】
実施形態25.核酸分子が、配列番号90、89、87、88、33、34、35、36、37、及び38からなる群から選択される核酸配列を含む、実施形態24に記載の単離された核酸分子。
【0279】
実施形態26.核酸分子が、配列番号90、89、87、88、33、34、35、36、37及び38のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む、実施形態24に記載の単離された核酸分子。
【0280】
実施形態27.実施形態24~26のいずれか1つに記載の核酸分子を含む、ベクター。
【0281】
実施形態28.実施形態24~26のいずれか1つに記載の核酸分子を発現する細胞。
【0282】
実施形態29.実施形態22~23のいずれか1つに記載の有効量のリンパ球を含む、医薬組成物。
【0283】
実施形態30.実施形態22~23のいずれか1つに記載の有効量のリンパ球及び医薬的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【0284】
実施形態31.治療に使用するための、実施形態1~21のいずれか1つに記載のCAR、又は実施形態29若しくは30に記載の医薬組成物。
【0285】
実施形態32.癌を有する対象を治療する方法で使用するための、実施形態1~21のいずれか1つに記載のCAR、又は実施形態29若しくは30に記載の医薬組成物。
【0286】
実施形態33.癌を有する対象を治療する方法であって、
治療有効量の実施形態22~23のいずれか1つに記載のリンパ球を、それを必要とする対象に投与することを含み、それにより、リンパ球が対象における癌細胞の死滅を誘導する、方法。
【0287】
実施形態34.癌が、肺癌、胃癌、結腸癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、及び非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態33に記載の方法、又は実施形態32に記載の方法で使用するためのCAR若しくは医薬組成物。
【0288】
実施形態35.癌が多発性骨髄腫である、実施形態33若しくは34に記載の方法、又は実施形態32若しくは34に記載の方法で使用するためのCAR若しくは医薬組成物。
【0289】
実施形態36.癌細胞の標的化死滅の方法であって、
癌細胞を、実施形態22~23のいずれか1つに記載のリンパ球と接触させることを含み、それにより、リンパ球が癌細胞の死滅を誘導する、方法。
【0290】
実施形態37.癌細胞が、肺癌、胃癌、結腸癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、及び他の固形腫瘍、並びに非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、及び他の液体腫瘍、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態36に記載の方法。
【0291】
実施形態38.癌細胞が、多発性骨髄腫細胞である、実施形態36又は37に記載の方法。
【0292】
実施形態39.対象における癌の存在を検出する方法であって、
(a)対象から得られた細胞サンプルを請求項1に記載のCARと接触させることにより、CAR-細胞複合体を形成すること、及び、
(b)複合体を検出することを含み、複合体の検出が、対象における癌の存在を示す、
方法。好ましくは、実施形態は、in vitroで実施される。
【実施例】
【0293】
本明細書にて開示した実施形態のいくつかを更に説明するために、以下の実施例を提供する。これらの実施例は、例示を目的とするものであって、本開示の実施形態を制限するものではない。
【0294】
実施例1:GPRC5D scFv CARの発現
mRNAなし(Mock)又はα-GPRC5D scFv CAR若しくはアイソタイプ対照CARのいずれかを発現する10μgのmRNAで、初代ヒト汎T細胞を、エレクトロポレーションした。エレクトロポレーションの24時間後、ビオチン化Lタンパク質及びストレプトアビジンコンジュゲートPEで染色した後のフローサイトメトリによって、CAR表面発現を測定した。(
図1)。CAR発現率を、プロテインLで染色することによって判定した。発現率は、CAR A、CAR B、CAR C、及びアイソタイプCARに対して、それぞれ95、88、70、及び67%陽性であると判定された。MockT細胞はエレクトロポレーションのみを行ったが、細胞にmRNAは添加されなかった。MockT細胞は、予想されるように、いかなるCAR構造も発現しなかった。これらのデータは、T細胞がCAR構造を高度に発現していることを示していた。白抜きのヒストグラムはMockであり、塗りつぶされた灰色のヒストグラムは、CAR-T集団である。
【0295】
GPRC5D標的化CAR構築物の各構成要素のアミノ酸配列は、表2に示すとおりであった。
【0296】
【0297】
【0298】
実施例2:抗原刺激CAR-T細胞における活性化マーカーの誘導
一過性トランスフェクションの24時間後、初代汎T細胞をCell Trace Violet(CTV)蛍光増殖色素で標識し、次いで、多発性骨髄腫細胞株H929と共培養した。共培養4日後、細胞をCD8+CD4集団上で事前にゲーティングし、CAR-T上の活性化マーカーCD25及びCD71の表面発現を、単独又はα-CD3/CD28ビーズの存在下で培養したT細胞と比較した。(
図2)。
図1と同じCAR T細胞を、GPRC5D抗原発現-H929細胞に対するT細胞活性化応答について分析した。エレクトロポレーションの4日後、CAR A及びCAR Bは、T細胞活性化応答の増加を示した。これは、H929細胞との培養に応答してCD25及びCD71発現の増加によって示される。比較すると、Mock及びCAR C発現細胞は、H929細胞に応答して、T細胞活性化の低下を示した。陰性対照として、GPRC5D又はT細胞抗原がいずれも存在しない状態で同じ細胞を増殖させ、CD25又はCD71の最小限の増加を示した。陽性対照として、Mock、CAR A、CAR B、及びCAR C細胞をCD3/CD28ビーズと共培養した。4つの細胞集団のそれぞれは、CD25及びCD71発現において同様の増加を示した。全体的に、これらのデータは、CAR A及びCAR B細胞が、GPRC5D発現H929細胞に対して最大のT細胞活性化応答を示したことを示す。
【0299】
実施例3:抗原刺激CAR-T細胞のサイトカインプロファイリング
CAR発現mRNAで24時間前に一過性にトランスフェクションした初代汎T細胞を、標的抗原GPRC5Dを発現する様々な骨髄腫細胞株と1:1の比で、高(+++)、中(++)、低(+)又は陰性(-)レベルで共培養した。共培養16時間後、上清を採取し、共培養からの上清のMeso Scale Discovery(MSD)によるサイトカインプロファイル分析を行った。(
図3)。GPRC5D CAR-T細胞からの上清は、炎症誘発性サイトカインINF-γ、TNF-α、又はIL-2の増加を示した。炎症誘発性サイトカインのそれぞれの増加は、GPRC5D発現のそれぞれであり、細胞株は、GPRC5D CAR-T細胞と共培養された。MM.1Sとの共培養は、最も高いINF-γ及びTNF-α発現をもたらしたが、KMS11細胞との共培養は、最も高いIL-2レベルをもたらした。K562細胞株を陰性対照として使用し、非GPRC5D発現細胞株を有する基本的なバックグラウンドサイトカインレベルを実証した。
【0300】
CAR発現mRNAとの一過性トランスフェクションの24時間後、初代汎T細胞を、自己末梢血単核球(PBMC)及び多発性骨髄腫細胞株H929と共培養した(1:1:1比で)。共培養16時間後、上清を採取した。3つの集団全て(CAR-T、H929,自己PBMC)を含有する共培養物からの上清のMSDによるサイトカインプロファイル分析を、CAR-T細胞、PBMC、又はH929を含まない対照共培養物と、単独で培養された細胞の各集団と比較した。(
図4)。
図3と同様に、Mock、CAR-T A、CAR-T B、CAR-T C、又はアイソタイプCAR-T細胞を、H929及び/又は自己PBMCと共培養した。H929細胞をPBMCと共培養したとき、TNF-α及びIL-2の増加は、CAR-T A及びCAR-T B細胞で観察された。CAR-T C細胞をH929及びPBMCと共培養した場合、限定的ないし検出不可能(limited-to-no detectable)なレベルのINF-γ放出が観察された。全体的に、CAR-T C細胞は、サイトカイン放出の減少を示し、
図2のT細胞活性化マーカーの減少と一致している。CAR-T、H929、及びPBMC細胞を、陰性対照として単独で培養し、バックグラウンドサイトカインレベルを示した。
【0301】
実施例4:GPRC5D発現腫瘍細胞株の標的化細胞傷害:高/低/非発現GPRC5D標的細胞株
GPRC5D発現骨髄腫細胞に対するCAR-T細胞の細胞傷害の潜在能力をフローサイトメトリによって評価した。初代汎T細胞(前述の3つのCARのうちの1つを一過性に発現する)を、示されたエフェクタ:標的(E:T)比で、蛍光標識された骨髄腫細胞株、MM1R、H929、及びK562と8時間共培養した。この時点で、共培養物を生存性色素で染色した。死滅率は、CAR-T細胞なしで培養された生存標的の数に対する共培養物中に残存する生存(生存性色素陰性)標的(CTV陽性)細胞の絶対数の比率である。(
図5)。CAR A、CAR B、CAR C、アイソタイプCAR、及びMockT細胞を、GPRC5D+細胞株MM1R及びH929又はGPRC5D-K562細胞と8時間共培養した。様々なエフェクタ対標的比を分析し、CAR A、CAR B、及びCAR C細胞が、MM1R細胞の細胞傷害を誘導できることが示された。細胞傷害の増加は、より高いエフェクタ対標的比と相関していた。アイソタイプ対照及びMock対照は、対照として含まれ、約20~30%の細胞傷害を示した。同様に、CAR A及びCAR B細胞は、H929細胞の細胞傷害を誘導した。CAR A及びCAR B細胞は、アイソタイプ及びMock細胞と同様の細胞傷害活性を示した。これらのデータは、CAR A細胞及びCAR B細胞の、MM1R及びH929細胞に対する特異性を示しているが、K562細胞(GPRC5D)に対する特異性は示していない。
【0302】
実施例5:GPRC5D発現腫瘍細胞株の標的化細胞傷害:多発性骨髄腫患者由来T細胞
GPRC5D発現骨髄腫細胞に対するCAR-T細胞の細胞傷害の潜在能力をフローサイトメトリによって評価した。原発性多発性骨髄腫患者のT細胞(前述の2つのCARのうちの1つを一過性に発現する)を、示されたエフェクタ:標的(E:T)比で、蛍光標識された骨髄腫細胞株MM.1S又は対照GPRC5D-陰性細胞株KG-1と48時間共培養した。この時点で、共培養物を生存性色素で染色した。細胞傷害率を、細胞死を示す、生存性色素に対して陽性に染色された蛍光標識細胞の割合として判定した。(
図6)。GC5B81_LH又はGC5B483_LHのいずれかで形質導入された原発性多発性骨髄腫患者のT細胞は両方とも、MockT細胞と比較して、エフェクタ細胞の量が増加したGPRC5D+MM.1S細胞の細胞傷害を誘導した。GPRC5D-KG-1細胞株と共培養した場合、GC5B81_LH又はGC5B483_LH GPRC5D CAR-T細胞では観察可能な細胞傷害は存在しなかった。これらのデータは、GPRC5D CARで形質導入された多発性骨髄腫T細胞により、GPRC5D+細胞の死滅は誘発し得るが、GPRC5D細胞の死滅は誘発し得ないことを示している。
【0303】
実施例6:α-GPRC5D CAR-T細胞の抗原刺激増殖応答
Α-GPRC5D CAR-T細胞の増殖能をフローサイトメトリによって評価した。蛍光標識された汎T細胞(α-GPRC5D CAR又はアイソタイプCAR対照を一過性に発現する)を、1エフェクタ:1標的の比でH929と4日間共培養した。希釈された蛍光標識(CTV)を有する生存(生存性色素陰性)CAR-T細胞の絶対数として、増殖を測定した。H929に応答した増殖を、α-CD3/CD28ビーズ刺激の4日後のCAR-T増殖、及び単独で培養されたCAR-T(刺激制御なし)と比較した。(
図7)。Mock、アイソタイプCAR、CAR-T A、CAR-T B、及びCAR-T C細胞を、GPRC5D+H929細胞、CD3/CD28ビーズと、又は刺激なしで共培養した。4日後、CD4及びCD8集団を総生存数について分析し、GPRC5D抗原に応答して細胞の増殖能を反映した。CD4集団では、CD3/CD28ビーズを陽性対照として使用し、全ての細胞集団は、刺激なしと比較して、CD4事象の増加を示した。CAR-T A及びCAR-T B細胞のみが、アイソタイプ及びMockと比較して、H929細胞に応答して、活発な数の増加を示した。CD8集団でも、同様の結果が観察された。しかしながら、CAR-T Cは、H929細胞に応答した増殖の応答を示さなかった。まとめると、これらのデータは、CAR-T A及びCAR-T B細胞が、GPRC5D+H929細胞に応答して増殖することを示している。
【0304】
実施例7:健康なドナーT細胞におけるGPRC5D-CARの発現
Miltenyi Biotec T細胞TRANSACTシステムを使用して、6つの初代ヒト汎T細胞を活性化及び増殖させた。活性化から24時間後、T細胞に、GPRC5D GC5B680-N68S-LH CARをコードするヌクレオチド配列(配列番号90)を含むレンチウイルスで形質導入した。細胞を12日間増殖させ、6日目と10日目にフローサイトメトリによって、市販のウサギ抗ヒトH+L検出抗体を使用して表面CAR発現を測定した。結果を
図8に示す。データは6人の健康なドナーからの平均±SDを表している。黒色バー(GCB6800-N68S-LH)のすぐ左側にある灰色の網掛けのバー(Mock)は、非形質導入(Mock)細胞で市販の抗体を使用したバックグラウンドCAR検出を表している。黒色バーは、GPRC5D GC5B680-N68S-LHで形質導入されたCAR-T細胞を表している。
【0305】
実施例8;GPRC5D CAR-T細胞でのCD4、CD8、及び記憶マーカーの発現
6人の健康なドナーからの汎T細胞に、GPRC5D GC5B680-N68S-LH CARをコードするヌクレオチド配列(GPRC5D CAR;配列番号90)を含むレンチウイルスを形質導入した。Mock(非形質導入)細胞及び形質導入細胞[表面CARを有する細胞(CAR発現又はCAR
+)及び表面CARを有さない細胞(CAR非発現又はCAR
-)を含む「T細胞プール」]を、表面CD4(CD4
+)を有する細胞の比率、及び表面CD8(CD8
+)を有する細胞の比率について評価した。データを
図9A~
図9Cに示す。
図9Cのデータは、予想されるように、GPRC5D CARが、CD4
+及びCD8
+T細胞の両方において検出されたことを示している。
図9A~
図9Cはまた、CD4:CD8比が、CAR
+細胞、CAR
-細胞、及びMock細胞を含む、評価された全ての細胞集団間で類似していたことを示している。
【0306】
CAR-T集団のT細胞サブタイプを、2つの表面マーカーCD45RA及びCD62Lを使用して判定し、4つの記憶細胞集団、すなわち、エフェクタ記憶RA
+T細胞(T
EMRA+)、エフェクタ記憶細胞T
EM、ナイーブT細胞及び記憶幹細胞T
N/SCM、並びに中央記憶T細胞(T
CM)を区別した。データを
図9D~
図9Fに示す。
図9Dは、1人のドナーサンプルを表すフローサイトグラムであり、2つの表面マーカーを使用して4つの異なる記憶集団を識別するためのゲーティングストラテジーを強調している。
図9E及び
図9Fは、GPRC5D GC5B680-N68S-LHが、T
N/SCM及びT
CM細胞で主に発現したことを示しており、これにより、高い増殖能、生存、及び治療有効性を有することが分かる。
【0307】
実施例9:6時間及び24時間でのGPRC5D CAR-T細胞傷害のアッセイ
6人の健康なドナーの1人からのGPRC5D GC5B680-N68S-LH形質導入T細胞、又は非形質導入(Mock)T細胞を、様々なE:T比にて、(i)ルシフェラーゼ導入遺伝子を含むGPRC5D
+MM.1S腫瘍細胞の培養物、又は(ii)ルシフェラーゼ導入遺伝子を含むGPRC5D
-K562腫瘍細胞の培養物に添加した。細胞傷害を、各E:T比にて、インキュベーションの6時間後又は24時間後で評価した。データは、6時間の時点については
図10Aに、24時間の時点については
図10Bに示されている。比溶解率は、(i)6又は24時間のCAR-Tの存在下で、インキュベーションされた腫瘍細胞中のルシフェラーゼシグナルを、同じ時点で、インキュベーションされた腫瘍細胞内のルシフェラーゼシグナルで除算し、100を乗算し、(ii)100からその数を減算することによって計算した。式は、100-[(CAR-T+腫瘍発光/平均腫瘍単独発光)]×100である。点線は、ゼロ溶解を強調している。陰性溶解は、細胞成長を示す。
【0308】
実施例10:48時間でのGPRC5D CAR-T細胞傷害のアッセイ
GPRC5D GC5B680-N68S-LHに形質導入及び非形質導入(Mock)T細胞を健康なドナーから調製した。(i)GPRC5D GC5B680-N68S-LH形質導入T細胞又は(ii)形質導入(Mock)T細胞のいずれかを、様々なE:T比にて、GPRC5D
+H929、GPRC5D
+MM.1S、GPRC5D
+MM.1R、GPRC5D
+MOLP-2、GPRC5D
+EJM及びGPRC5D
-K562細胞と標識された、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)に添加した。48時間のインキュベーション後、細胞を生存/死滅色素で染色し、死滅細胞及びCFSE
+細胞の百分率(細胞傷害%)について評価した。細胞傷害率を、対数変換されたx軸(E:T比)に対して、4パラメータの非線形回帰カーブフィットでプロットした。データは、
図11A~
図11Fにおいて平均±SDとして示されている。Mock陰性対照T細胞は、EJM以外の全てのGPRC5D
+細胞株においてある程度の細胞傷害を誘導したが、GPRC5D GC5B680-N68S-LH細胞よりも程度は低くなった(特により高いE:T比において)。理論に束縛されるものではないが、細胞傷害の低下は、同種異系応答から生じる可能性が高い。加えて、GPRC5D CAR細胞の細胞傷害は、細胞株によって異なった。
【0309】
実施例11:48時間でのGPRC5D CAR-T活性化のアッセイ
GPRC5D GC5B680-N68S-LHに形質導入及び非形質導入(Mock)T細胞を健康なドナーから調製した。GPRC5D GC5B680-N68S-LH形質導入又は非形質導入(Mock)T細胞を、3:1のE:T比にて、GPRC5D
+H929、GPRC5D
+MM.1S、GPRC5D
+MOLP-2、GPRC5D
+EJM、及びGPRC5D
-K562細胞で標識された、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(CFSE)に添加した。48時間のインキュベーション後、細胞を、生存/死滅色素、抗CD25、抗CD3、及び抗CAR視覚マーカーで染色した。次いで、細胞を、表面CD25発現について評価した。データは、
図12で平均±SDとして表されている。
図12に示すように、13%未満のバックグラウンド表面CD25発現が、Mock細胞で観察された(すなわち、活性化なし)。対照的に、GC5B680-N68S-LH CAR-T細胞は、CD25発現レベルの上昇によって示されるように、GPRC5D
+細胞株の存在下で活性化された。(i)Mock及び(ii)GC5B680-N68S-LH CAR-T細胞のみの両方で、K562細胞とのインキュベーション又は単独でのインキュベーションで、低レベルの表面CD25発現が観察された。
【0310】
実施例12:GPRC5D CAR-T多機能性のアッセイ
GC5B680-N68S-LH形質導入(CAR-T)細胞を、PMA/イオノマイシン(陽性対照として)、GPRC5D+細胞株H929(H929)、GPRC5D-K562(K562)細胞(CFSE-標識)、又は単独で18時間インキュベーションした。細胞をE:T比1:2にてインキュベーションし、その場合、H929又はK562細胞の存在下でインキュベーションした。次いで、細胞を、生存/死滅色素、抗CD3、及び抗イディオタイプで、最初に表面染色した後、抗IFN-γ、抗IL-2、及び抗TNF-αで、固定、透過処理、及び細胞内染色を行った。次に、染色された細胞をフローサイトメトリによって分析した。個々のサイトカインレベルの百分率を、ブール(階層)ゲーティングを使用して、フローサイトグラムの分析に続いて計算し、その百分率が、以下の表3~6に示されている。また、表3~表6では、各群の多機能サイトカイン放出のレベルが灰色で強調され、平均の合計が表示されている。
【0311】
【0312】
【0313】
【0314】
【0315】
実施例13:GPRC5D CAR-T増殖のアッセイ
GC5B680-N68S-LH細胞を、1人のドナーからの細胞を使用して調製した。(i)GC5B680-N68S-LH形質導入細胞及び(ii)Mock細胞を、GPRC5D
+細胞(MM.1S及びH929)の存在下又は非存在下でインキュベーションした。Mock(非形質導入)細胞を陰性対照として使用した。細胞内のCELLTRACE Violet(CTV)色素濃度の希釈の程度をアッセイすることにより、6日間のインキュベーション後に、細胞増殖の程度を測定した。量は
図13のグラフのX軸で表されている。抗イディオタイプ抗体を使用してCAR
+細胞を染色した。染色の程度は、
図13のグラフのY軸によって表されている。
【0316】
図13に示すように、Mock及びCTV標識CAR T細胞は、単独で、又はGPRC5D
-K562細胞の存在下で、CTV色素の低希釈からゼロ希釈まで見られるように、細胞増殖はほとんど又は全く示されなかった。作動薬CD3/CD28ビーズ(陽性対照として機能する)は、予測されるように、評価された全てのT細胞集団の増殖をもたらした。CAR-T細胞をGPRC5D
+標的細胞(H929又はMM.1S)と共にインキュベーションした場合、増殖は主に、表面にGC5B680-N68S-LHを発現している形質導入細胞(CAR
+)に集中した(
図13のグラフに示される)。この結果、GC5B680-N68S-LH細胞の増殖は、GPRC5D
+標的細胞の存在下で増強されることが示唆されている。
図13に示されるデータは、他のドナーから調製された細胞を使用して行われた同様の観察結果を表している。
【0317】
実施例14:GPRC5D CAR-T増殖のアッセイ
GC5B680-N68S-LH(CAR-T)細胞を、陽性対照スタウロスポリン、GPRC5D
+H929細胞、GPRC5D
-K562細胞、又は単独で24時間インキュベーションした。E:T比1:2を、GC5B680-N68S-LH(CAR-T)細胞と、H929又はK562細胞とのインキュベーションに使用した。次いで、細胞を、生存/死滅色素、抗CD3、抗イディオタイプ、及び抗切断カスパーゼ3/7色素で染色した。染色した細胞をフローサイトメトリによって分析した。データは、
図14のグラフで表される。
図14に示すように、スタウロスポリンは、CAR
+及びCAR
-T細胞集団の両方において、切断カスパーゼ3/7染色を誘導した。また、24時間の時点の4時間後に開始して50~65%の陽性細胞が存在した。CAR
+T細胞集団及びCAR
-T細胞集団のいずれも、陰性対照インキュベーション(K562及びCART単独)とH929の存在下でのインキュベーションとの間で、カスパーゼ3/7レベルの有意差を示した。
【0318】
実施例15:NSG-B2Mマウスにおける確立されたMM.1SヒトMM異種移植片に対するGC5B680-N68S-LH、GC5B680-N68S-HL、GP5B83_N24T_N31S-LH、及びGP5B83_N24T_N31S-HLの有効性のアッセイ
GC5B680-N68S-LH(配列番号86)、GC5B680-N68S-HL(配列番号85)、GP5B83_N24T_N31S-LH(配列番号84)、及びGP5B83_N24T_N31S-HL(配列番号83)形質導入T細胞(CAR-T細胞)の抗腫瘍有効性を、確立された皮下(sc)MM.1Sヒト多発性骨髄腫(MM)異種移植モデルで、女性NSG B2m(代替的に、NOD-scid Il2rgnull B2mnull、又はNOD-scidガンマB2mと称される)において評価した。(i)GC5B680-N68S-LH、(ii)GC5B680-N68S-HL、(iii)GP5B83_N24T_N31S-LH、又は(iv)GP5B83_N24T_N31S-HL CAR-T細胞を、1x106のCAR+細胞又は5x106のCAR+細胞の投与量で、静脈内(iv)にて13日目に合計1回投与した。MM.1S異種移植片保有マウスの3群、すなわち、(i)PBSで処置したマウス、(ii)Mock形質導入を受けたマウス、及び(iii)GPRC5Dで形質導入されたマウスを評価した。SC(皮下)MM.1S異種移植片を有するマウスの3群のデルタ腫瘍成長阻害率(%ΔTGI)を、以下の式を使用して腫瘍移植後26日目に計算した:([(TVc-TVc0)-(TVt-TVt0)]/(TVc-TVc0))×100、式中、「TVc」は所与の対照群の平均腫瘍量であり、「TVc0」は所与の対照群の平均初期腫瘍量であり、「TVt」は処置群の平均腫瘍量であり、「TVt0」は処置群の平均初期腫瘍量である。
【0319】
統計的有意性は、Rの線形混合効果分析を使用して計算され、処置及び時間は固定効果、動物はランダム効果として計算された。個々の縦方向の応答軌跡が線形でない場合、対数変換(基数10)を実施した。この統計モデルから得られた情報を使用して、PBS対照群又はMock形質導入群との対を処置比較した。P値は、<0.05の場合に統計的に有意であると見なした。
【0320】
表7及び
図15に概要が示されるように、4つ全てのGPRC5D指向性CAR-T構築物は、PBS及びMockCAR-T対照と比較して、1×10
6及び5×10
6のCAR+T細胞投与量レベルの両方で統計的に有意な%ΔTGIを誘導した。完全な反応(触知可能な腫瘍を伴わない完全な腫瘍退縮)は、腫瘍移植後47日目に評価された。
【0321】
【表7】
有意ではない(ns)と記載されている場合を除き、PBS及びMockCAR-T対照に対してp<0.05。
CR=完全な応答
【0322】
実施例16 NSGマウスにおける播種性H929 IVヒトMM異種移植片に対するGC5B680-N68S-LH、GC5B680-N68S-HL、GP5B83_N24T_N31S-LH、及びGP5B83_N24T_N31S-HLの有効性
GC5B680-N68S-LH(配列番号86;配列番号90のヌクレオチドによってコードされる)、GC5B680-N68S-HL(配列番号85;配列番号89のヌクレオチドによってコードされる)、GP5B83_N24T_N31S-LH(配列番号84;配列番号88のヌクレオチドによってコードされる)、及びGP5B83_N24T_N31S-HL(配列番号83;配列番号87のヌクレオチドによりコードされる)形質導入T細胞の有効性を、雌NSG(商標)(代替的に、NOD scidガンマ)又はNOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJと称される)マウスにおいて、播種性(iv)H929ヒトMMモデルで評価した。この実施例では、GC5B680-N68S-LH、GC5B680-N68S-HL、GP5B83_N24T_N31S-LH、又はGP5B83_N24T_N31S-HL発現(CAR+)T細胞を、腫瘍移植後9日目に1×106のCAR+細胞又は5x106のCAR+細胞の投与量で静脈内にて単回投与した。
【0323】
生存期間評価を実施し、様々な試験日における生存率を試験日に対してプロットした。過剰な播種性腫瘍量の後肢麻痺又は他の臨床徴候を、死亡の代替エンドポイントとして使用した。生存期間中央値は、カプラン・マイヤー生存分析を使用して判定した。ILS率(%ILS)は、処置群と対照群の生存期間中央値の差として定義され、ILS=([MSt-MSc]/MSc)×100として計算した。式中、「MSc」は所与の対照群の生存期間中央値であり、「MSt」は所与の処置群の生存期間中央値である。有害な一般徴候(潰瘍性腫瘍、体重減少など)又は処置とは関係のない死亡が原因で、代替エンドポイントに到達できなかった動物は、生存期間評価では除外した。生存率を、カプラン・マイヤー曲線を使用してグラフで表し、GraphPad Prismソフトウェア(バージョン7.0)を使用してログランク(Mantel-Cox)試験により評価した。
【0324】
PBSで処置した対照マウスでは、腫瘍移植後52日目(CAR+注射後43日)までに生存期間中央値が50%に達した。MockCAR-T細胞処置マウスの腫瘍移植後44日目(CAR-T注射後35日)までに生存期間中央値が50%に達した。1x106の投与量で投与されたGC5B680-N68S-LH CAR+細胞で処置されたマウスでは、111日目(CAR-T注射後102日)の後に生存期間中央値が50%に達した。それぞれ1x106細胞の投与量で投与されたGC5B680-N68S-HL CAR+細胞で処置されたマウスでは、63.5日目(CAR-T注射後54.5日)に生存期間中央値が50%に達した。1x106細胞の投与量で投与されたGP5B83_N24T_N31S-LH CAR+細胞で処置されたマウスでは、93.5日目(CAR-T注射後84.5日)に生存期間中央値が50%に達した。1x106細胞の投与量で投与されたGP5B83_N24T_N31S-HL CAR+細胞で処置されたマウスでは、111日目(CAR-T注射後102日)の後に生存期間中央値が50%に達した。寿命の増加率(ILS)を、カプラン・マイヤー曲線を介して評価し、ログランクマンテルコックス検定によって評価した。
【0325】
以下に考察され、表8及び
図16に概説されるように、4つ全てのGPRC5D指向性CAR-T構築物は、PBS及びMockCAR-T対照と比較して、1x10
6の投与量レベルで統計的に有意な%ILSを誘発した。111日目までに生存した動物をCRと見なした。
【0326】
【表8】
有意ではない(ns)と記載されている場合を除き、PBS及びMockCAR-T対照に対してp<0.05。
CR=完全な応答
【0327】
腫瘍移植後52日目に開始したPBS-処置対照群において、進行性腫瘍疾患の負荷に関連する有害な一般徴候が観察されたが、腫瘍移植後48日目に開始したMock形質導入群又はGPRC5D CAR-T処置群で発症した移植片対宿主病の一般徴候が観察された。
【0328】
本明細書で引用する全ての特許、公開特許、及び引用文献による教示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
【0329】
例示的実施形態について具体的に示し、記載してきたが、当業者らは、添付の特許請求の範囲に包含される実施形態の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細における様々な変更を行い得ることを理解する。
【0330】
配列表
軽鎖配列1(GC5B483)(配列番号1)
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPLTFGQGTKVEIK
重鎖配列1(GC5B483)(配列番号2)
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYFIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGKSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARVYSFGGRHKALFDYWGQGTLVTVSS
軽鎖配列2(GC5B81)(配列番号3)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPLTFGQGTKVEIK
重鎖配列2(GC5B81)(配列番号4)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARESRWRGYKLDYWGQGTLVTVSS
軽鎖配列3(GC5B596)(配列番号5)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVATHVGWYQQKPGKAPKRLIYSASYRYSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISNLQPEDFATYYCQQYNRYPYTFGQGTKLEIK
重鎖配列3(GC5B596)(配列番号6)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYNSDTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARVALRVALDYWGQGTLVTVSS
リンカーポリペプチド配列(配列番号7)
GTEGKSSGSGSESKST
scFv配列1(GC5B483)(配列番号8)
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPLTFGQGTKVEIKGTEGKSSGSGSESKSTEVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYFIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGKSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARVYSFGGRHKALFDYWGQGTLVTVSS
scFv配列2(GC5B81)(配列番号9)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPLTFGQGTKVEIKGTEGKSSGSGSESKSTQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARESRWRGYKLDYWGQGTLVTVSS
scFv配列3(GC5B596)(配列番号10)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVATHVGWYQQKPGKAPKRLIYSASYRYSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISNLQPEDFATYYCQQYNRYPYTFGQGTKLEIKGTEGKSSGSGSESKSTQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYNSDTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARVALRVALDYWGQGTLVTVSS
シグナル配列(配列番号11)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQA
CD137配列(配列番号12)
KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL
CD3z配列(配列番号13)
RVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
細胞内シグナル伝達ドメイン(配列番号14)
KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
CD8a-TM配列(配列番号15)
IYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC
CD8aヒンジ配列(配列番号16)
TSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACD
細胞外結合ドメイン(GC5B483)(配列番号17)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQAEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPLTFGQGTKVEIKGTEGKSSGSGSESKSTEVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYFIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGKSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARVYSFGGRHKALFDYWGQGTLVTVSS
細胞外結合ドメイン(GC5B81)(配列番号18)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQADIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPLTFGQGTKVEIKGTEGKSSGSGSESKSTQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARESRWRGYKLDYWGQGTLVTVSS
細胞外結合ドメイン(GC5B596)(配列番号19)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQADIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVATHVGWYQQKPGKAPKRLIYSASYRYSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISNLQPEDFATYYCQQYNRYPYTFGQGTKLEIKGTEGKSSGSGSESKSTQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYNSDTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARVALRVALDYWGQGTLVTVSS
細胞外結合ドメイン(GC5B483)(配列番号20)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQAEVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYFIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGKSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARVYSFGGRHKALFDYWGQGTLVTVSSGTEGKSSGSGSESKSTEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPLTFGQGTKVEIK
細胞外結合ドメイン(GC5B81)(配列番号21)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQAQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARESRWRGYKLDYWGQGTLVTVSSGTEGKSSGSGSESKSTDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPLTFGQGTKVEIK
細胞外結合ドメイン(GC5B596)(配列番号22)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQAQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYNSDTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARVALRVALDYWGQGTLVTVSSGTEGKSSGSGSESKSTDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVATHVGWYQQKPGKAPKRLIYSASYRYSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISNLQPEDFATYYCQQYNRYPYTFGQGTKLEIK
scFv配列4(GC5B483)(配列番号24)
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYFIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGKSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARVYSFGGRHKALFDYWGQGTLVTVSSGTEGKSSGSGSESKSTEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPLTFGQGTKVEIK
scFv配列5(GC5B81)(配列番号25)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARESRWRGYKLDYWGQGTLVTVSSGTEGKSSGSGSESKSTDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPLTFGQGTKVEIK
scFv配列6(GC5B596)(配列番号26)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYNSDTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARVALRVALDYWGQGTLVTVSSGTEGKSSGSGSESKSTDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVATHVGWYQQKPGKAPKRLIYSASYRYSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISNLQPEDFATYYCQQYNRYPYTFGQGTKLEIK
pDR000074490 GC5B483-LH-CAR配列(配列番号27)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQAEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPLTFGQGTKVEIKGTEGKSSGSGSESKSTEVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYFIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGKSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARVYSFGGRHKALFDYWGQGTLVTVSSTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
pDR000074489 GC5B81-LH-CAR配列(配列番号28)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQADIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPLTFGQGTKVEIKGTEGKSSGSGSESKSTQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARESRWRGYKLDYWGQGTLVTVSSTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
pDR000074488 GC5B596-LH-CAR配列(配列番号29)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQADIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVATHVGWYQQKPGKAPKRLIYSASYRYSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISNLQPEDFATYYCQQYNRYPYTFGQGTKLEIKGTEGKSSGSGSESKSTQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYNSDTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARVALRVALDYWGQGTLVTVSSTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
pDR000074483 GC5B483-HL-CAR配列(配列番号30)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQAEVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYFIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGKSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARVYSFGGRHKALFDYWGQGTLVTVSSGTEGKSSGSGSESKSTEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPLTFGQGTKVEIKTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR 配列番号30
pDR000074482 GC5B81-HL-CAR配列(配列番号31)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQAQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQAPGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARESRWRGYKLDYWGQGTLVTVSSGTEGKSSGSGSESKSTDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPLTFGQGTKVEIKTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
pDR000074481 GC5B596-HL-CAR配列(配列番号32)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQAQVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYSFTGYTMNWVRQAPGQGLEWMGLINPYNSDTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARVALRVALDYWGQGTLVTVSSGTEGKSSGSGSESKSTDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASQNVATHVGWYQQKPGKAPKRLIYSASYRYSGVPSRFSGSGSGTEFTLTISNLQPEDFATYYCQQYNRYPYTFGQGTKLEIKTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
pDR000074490 GC5B483-LH-CDSのDNA配列(配列番号33)
GAGATCGTGCTGACCCAGAGCCCAGCCACCCTGAGCCTGAGCCCAGGCGAGCGCGCCACCCTGAGCTGCCGCGCCTCTCAGAGCGTGAGCAGCTACCTGGCTTGGTATCAGCAGAAGCCCGGACAGGCCCCACGCCTGCTGATCTACGACGCCAGCAACCGCGCCACCGGCATCCCAGCCCGCTTCAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTGGAGCCAGAGGACTTCGCCGTGTACTACTGCCAGCAGCGCAGCAACTGGCCACTGACCTTCGGCCAGGGCACCAAGGTGGAGATCAAGGGTACAGAGGGCAAGTCTAGTGGAAGTGGTAGCGAAAGTAAGAGTACCGAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCTGAGGTCAAAAAGCCAGGCGAAAGCCTTAAAATATCATGCAAAGGAAGTGGATATTCCTTTACCAGCTACTTCATCGGCTGGGTGCGCCAGATGCCAGGCAAGGGCCTGGAGTGGATGGGCATCATCTACCCAGGCAAGAGCGACACCCGCTACAGCCCAAGCTTCCAGGGCCAGGTGACCATCAGCGCCGACAAGAGCATCAGCACCGCCTACCTGCAGTGGAGCAGCCTGAAGGCCAGCGACACCGCCATGTACTACTGCGCCCGCGTGTACAGCTTCGGCGGCCGCCACAAGGCCCTGTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCACTAGTACCCCAGCCCCACGCCCTCCCACCCCTGCTCCTACAATAGCATCCCAGCCCTTGTCACTTCGCCCCGAAGCATGCAGACCAGCCGCAGGCGGTGCTGTGCATACCCGAGGACTGGACTTCGCCTGCGACATCTACATCTGGGCCCCACTGGCCGGCACCTGCGGCGTGCTGCTGCTGAGCCTGGTGATCACCCTGTACTGCAAGCGCGGCCGCAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCATTCATGCGCCCAGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCCGCTTCCCAGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTGCGCGTGAAGTTCAGCCGCAGCGCCGACGCCCCAGCCTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAACGAGCTGAACCTGGGCCGCCGCGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGCCGCGGCCGCGACCCAGAGATGGGCGGCAAGCCACGCCGCAAGAACCCACAGGAGGGCCTGTACAACGAGCTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACAGCGAGATCGGCATGAAGGGCGAGCGCCGCCGCGGCAAGGGCCACGACGGCCTGTACCAGGGCCTGAGCACCGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTGCACATGCAGGCCCTGCCACCACGC
pDR000074489 GC5B81-LH-CDSのDNA配列(配列番号34)
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCAAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGCGACCGCGTAACCATTACTTGTCGGGCTTCCCAAAGCATTAGTAGCTATTTGAATTGGTATCAACAAAAACCAGGCAAGGCCCCAAAGCTGCTGATCTACGCCGCCTCTAGCCTGCAGAGCGGAGTGCCAAGCCGCTTCAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTGCAGCCAGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGAGCTACAGCACCCCACTGACCTTCGGCCAGGGCACCAAGGTGGAGATCAAGGGTACAGAGGGCAAGTCTAGTGGAAGTGGTAGCGAAAGTAAGAGTACCCAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAGAAGCCAGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCGGCACCTTCAGCAGCTACGCCATCAGCTGGGTGCGCCAGGCCCCAGGCCAGGGACTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCAATCTTCGGCACCGCCAACTACGCCCAGAAGTTCCAGGGCCGCGTGACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGCGCAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCACGCGAGAGCCGCTGGCGCGGCTACAAGCTGGACTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCACTAGTACCCCAGCCCCACGCCCTCCCACCCCTGCTCCTACAATAGCATCCCAGCCCTTGTCACTTCGCCCCGAAGCATGCAGACCAGCCGCAGGCGGTGCTGTGCATACCCGAGGACTGGACTTCGCCTGCGACATCTACATCTGGGCCCCACTGGCCGGCACCTGCGGCGTGCTGCTGCTGAGCCTGGTGATCACCCTGTACTGCAAGCGCGGCCGCAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCATTCATGCGCCCAGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCCGCTTCCCAGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTGCGCGTGAAGTTCAGCCGCAGCGCCGACGCCCCAGCCTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAACGAGCTGAACCTGGGCCGCCGCGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGCCGCGGCCGCGACCCAGAGATGGGCGGCAAGCCACGCCGCAAGAACCCACAGGAGGGCCTGTACAACGAGCTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACAGCGAGATCGGCATGAAGGGCGAGCGCCGCCGCGGCAAGGGCCACGACGGCCTGTACCAGGGCCTGAGCACCGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTGCACATGCAGGCCCTGCCACCACGC
pDR000074488 GC5B596-LH-CDSのDNA配列(配列番号35)
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCAAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGCGACCGCGTTACAATAACTTGTAAAGCAAGCCAAAATGTTGCTACTCACGTCGGATGGTATCAGCAAAAGCCAGGCAAGGCCCCAAAGCGCCTGATCTACAGCGCCAGCTACCGCTACAGCGGAGTGCCAAGCCGCTTCAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGAGTTCACCCTGACCATCAGCAACCTGCAGCCAGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGTACAACCGCTACCCATACACCTTCGGCCAGGGCACCAAGCTGGAGATCAAGGGTACAGAGGGCAAGTCTAGTGGAAGTGGTAGCGAAAGTAAGAGTACCCAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCAGGCGCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACAGCTTCACCGGCTACACCATGAACTGGGTGCGCCAGGCCCCAGGCCAGGGACTGGAGTGGATGGGCCTGATCAACCCATACAACAGCGACACCAACTACGCCCAGAAGCTGCAGGGCCGCGTGACCATGACCACCGACACCAGCACCAGCACCGCCTACATGGAGCTGCGCAGCCTGCGCAGCGACGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCCGCGTGGCCCTGCGCGTGGCCCTGGACTACTGGGGACAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCACTAGTACCCCAGCCCCACGCCCTCCCACCCCTGCTCCTACAATAGCATCCCAGCCCTTGTCACTTCGCCCCGAAGCATGCAGACCAGCCGCAGGCGGTGCTGTGCATACCCGAGGACTGGACTTCGCCTGCGACATCTACATCTGGGCCCCACTGGCCGGCACCTGCGGCGTGCTGCTGCTGAGCCTGGTGATCACCCTGTACTGCAAGCGCGGCCGCAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCATTCATGCGCCCAGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCCGCTTCCCAGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTGCGCGTGAAGTTCAGCCGCAGCGCCGACGCCCCAGCCTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAACGAGCTGAACCTGGGCCGCCGCGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGCCGCGGCCGCGACCCAGAGATGGGCGGCAAGCCACGCCGCAAGAACCCACAGGAGGGCCTGTACAACGAGCTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACAGCGAGATCGGCATGAAGGGCGAGCGCCGCCGCGGCAAGGGCCACGACGGCCTGTACCAGGGCCTGAGCACCGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTGCACATGCAGGCCCTGCCACCACGC
pDR000074483 GC5B483-HL-CDSのDNA配列(配列番号36)
GAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCTGAGGTCAAAAAGCCAGGCGAAAGCCTTAAAATATCATGCAAAGGAAGTGGATATTCCTTTACCAGCTACTTCATCGGCTGGGTGCGCCAGATGCCAGGCAAGGGCCTGGAGTGGATGGGCATCATCTACCCAGGCAAGAGCGACACCCGCTACAGCCCAAGCTTCCAGGGCCAGGTGACCATCAGCGCCGACAAGAGCATCAGCACCGCCTACCTGCAGTGGAGCAGCCTGAAGGCCAGCGACACCGCCATGTACTACTGCGCCCGCGTGTACAGCTTCGGCGGCCGCCACAAGGCCCTGTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCGGTACAGAGGGCAAGTCTAGTGGAAGTGGTAGCGAAAGTAAGAGTACCGAGATCGTGCTGACCCAGAGCCCAGCCACCCTGAGCCTGAGCCCAGGCGAGCGCGCCACCCTGAGCTGCCGCGCCTCTCAGAGCGTGAGCAGCTACCTGGCTTGGTATCAGCAGAAGCCCGGACAGGCCCCACGCCTGCTGATCTACGACGCCAGCAACCGCGCCACCGGCATCCCAGCCCGCTTCAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTGGAGCCAGAGGACTTCGCCGTGTACTACTGCCAGCAGCGCAGCAACTGGCCACTGACCTTCGGCCAGGGCACCAAGGTGGAGATCAAGACTAGTACCCCAGCCCCACGCCCTCCCACCCCTGCTCCTACAATAGCATCCCAGCCCTTGTCACTTCGCCCCGAAGCATGCAGACCAGCCGCAGGCGGTGCTGTGCATACCCGAGGACTGGACTTCGCCTGCGACATCTACATCTGGGCCCCACTGGCCGGCACCTGCGGCGTGCTGCTGCTGAGCCTGGTGATCACCCTGTACTGCAAGCGCGGCCGCAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCATTCATGCGCCCAGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCCGCTTCCCAGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTGCGCGTGAAGTTCAGCCGCAGCGCCGACGCCCCAGCCTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAACGAGCTGAACCTGGGCCGCCGCGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGCCGCGGCCGCGACCCAGAGATGGGCGGCAAGCCACGCCGCAAGAACCCACAGGAGGGCCTGTACAACGAGCTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACAGCGAGATCGGCATGAAGGGCGAGCGCCGCCGCGGCAAGGGCCACGACGGCCTGTACCAGGGCCTGAGCACCGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTGCACATGCAGGCCCTGCCACCACGC
pDR000074482 GC5B81-HL-CDSのDNA配列(配列番号37)
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCCGAGGTGAAGAAGCCAGGCAGCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCGGCACCTTCAGCAGCTACGCCATCAGCTGGGTGCGCCAGGCCCCAGGCCAGGGACTGGAGTGGATGGGCGGCATCATCCCAATCTTCGGCACCGCCAACTACGCCCAGAAGTTCCAGGGCCGCGTGACCATCACCGCCGACGAGAGCACCAGCACCGCCTACATGGAGCTGAGCAGCCTGCGCAGCGAGGACACCGCCGTGTACTACTGCGCACGCGAGAGCCGCTGGCGCGGCTACAAGCTGGACTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCGGTACAGAGGGCAAGTCTAGTGGAAGTGGTAGCGAAAGTAAGAGTACCGACATCCAGATGACCCAGAGCCCAAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGCGACCGCGTAACCATTACTTGTCGGGCTTCCCAAAGCATTAGTAGCTATTTGAATTGGTATCAACAAAAACCAGGCAAGGCCCCAAAGCTGCTGATCTACGCCGCCTCTAGCCTGCAGAGCGGAGTGCCAAGCCGCTTCAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCAGCAGCCTGCAGCCAGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGAGCTACAGCACCCCACTGACCTTCGGCCAGGGCACCAAGGTGGAGATCAAGACTAGTACCCCAGCCCCACGCCCTCCCACCCCTGCTCCTACAATAGCATCCCAGCCCTTGTCACTTCGCCCCGAAGCATGCAGACCAGCCGCAGGCGGTGCTGTGCATACCCGAGGACTGGACTTCGCCTGCGACATCTACATCTGGGCCCCACTGGCCGGCACCTGCGGCGTGCTGCTGCTGAGCCTGGTGATCACCCTGTACTGCAAGCGCGGCCGCAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCATTCATGCGCCCAGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCCGCTTCCCAGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTGCGCGTGAAGTTCAGCCGCAGCGCCGACGCCCCAGCCTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAACGAGCTGAACCTGGGCCGCCGCGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGCCGCGGCCGCGACCCAGAGATGGGCGGCAAGCCACGCCGCAAGAACCCACAGGAGGGCCTGTACAACGAGCTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACAGCGAGATCGGCATGAAGGGCGAGCGCCGCCGCGGCAAGGGCCACGACGGCCTGTACCAGGGCCTGAGCACCGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTGCACATGCAGGCCCTGCCACCACGC
pDR000074481 GC5B596-HL-CDSのDNA配列(配列番号38)
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGAGCCGAGGTGAAGAAGCCAGGCGCCAGCGTGAAGGTGAGCTGCAAGGCCAGCGGCTACAGCTTCACCGGCTACACCATGAACTGGGTGCGCCAGGCCCCAGGCCAGGGACTGGAGTGGATGGGCCTGATCAACCCATACAACAGCGACACCAACTACGCCCAGAAGCTGCAGGGCCGCGTGACCATGACCACCGACACCAGCACCAGCACCGCCTACATGGAGCTGCGCAGCCTGCGCAGCGACGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCCGCGTGGCCCTGCGCGTGGCCCTGGACTACTGGGGACAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGCGGTACAGAGGGCAAGTCTAGTGGAAGTGGTAGCGAAAGTAAGAGTACCGACATCCAGATGACCCAGAGCCCAAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGCGACCGCGTTACAATAACTTGTAAAGCAAGCCAAAATGTTGCTACTCACGTCGGATGGTATCAGCAAAAGCCAGGCAAGGCCCCAAAGCGCCTGATCTACAGCGCCAGCTACCGCTACAGCGGAGTGCCAAGCCGCTTCAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGAGTTCACCCTGACCATCAGCAACCTGCAGCCAGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCCAGCAGTACAACCGCTACCCATACACCTTCGGCCAGGGCACCAAGCTGGAGATCAAGACTAGTACCCCAGCCCCACGCCCTCCCACCCCTGCTCCTACAATAGCATCCCAGCCCTTGTCACTTCGCCCCGAAGCATGCAGACCAGCCGCAGGCGGTGCTGTGCATACCCGAGGACTGGACTTCGCCTGCGACATCTACATCTGGGCCCCACTGGCCGGCACCTGCGGCGTGCTGCTGCTGAGCCTGGTGATCACCCTGTACTGCAAGCGCGGCCGCAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCATTCATGCGCCCAGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCCGCTTCCCAGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTGCGCGTGAAGTTCAGCCGCAGCGCCGACGCCCCAGCCTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAACGAGCTGAACCTGGGCCGCCGCGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGCCGCGGCCGCGACCCAGAGATGGGCGGCAAGCCACGCCGCAAGAACCCACAGGAGGGCCTGTACAACGAGCTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACAGCGAGATCGGCATGAAGGGCGAGCGCCGCCGCGGCAAGGGCCACGACGGCCTGTACCAGGGCCTGAGCACCGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTGCACATGCAGGCCCTGCCACCACGC
HCDR1(GC5B81)(配列番号39)
GGTFSSY
HCDR2(GC5B81)(配列番号40)
ESRWRGYKLDY
HCDR3(GC5B81)(配列番号41)
IPIFGT
HCDR1(GC5B483)(配列番号42)
GYSFTSY
HCDR2(GC5B483)(配列番号43)
YPGKSD
HCDR3(GC5B483)(配列番号44)
VYSFGGRHKALFDY
HCDR1(GC5B596)(配列番号45)
GYSFTGY
HCDR2(GC5B596)(配列番号46)
NPYNSD
HCDR3(GC5B596)(配列番号47)
VALRVALDY
LCDR1(GC5B81)(配列番号48)
RASQSISSYLN
LCDR2(GC5B81)(配列番号49)
AASSLQS
LCDR3(GC5B81)(配列番号50)
QQSYSTPLT
LCDR1(GC5B483)(配列番号51)
RASQSVSSYLA
LCDR2(GC5B483)(配列番号52)
DASNRAT
LCDR3(GC5B483)(配列番号53)
QQRSNWPLT
LCDR1(GC5B596)(配列番号54)
KASQNVATHVG
LCDR2(GC5B596)(配列番号55)
SASYRYS
LCDR3(GC5B596)(配列番号56)
QQYNRYPYT
ヒトGPRC5Dポリペプチド(配列番号57)
MYKDCIESTGDYFLLCDAEGPWGIILESLAILGIVVTILLLLAFLFLMRKIQDCSQWNVLPTQLLFLLSVLGLFGLAFAFIIELNQQTAPVRYFLFGVLFALCFSCLLAHASNLVKLVRGCVSFSWTTILCIAIGCSLLQIIIATEYVTLIMTRGMMFVNMTPCQLNVDFVVLLVYVLFLMALTFFVSKATFCGPCENWKQHGRLIFITVLFSIIIWVVWISMLLRGNPQFQRQPQWDDPVVCIALVTNAWVFLLLYIVPELCILYRSCRQECPLQGNACPVTAYQHSFQVENQELSRARDSDGAEEDVALTSYGTPIQPQTVDPTQECFIPQAKLSPQQDAGGV
HCDR1(GP5B83)(配列番号58)
GGSLSSSSY
HCDR2(GP5B83)(配列番号59)
YYSGN
HCDR3(GP5B83)(配列番号60)
HVGYSYGRRFWYFDL
LCDR1(GP5B83)(配列番号61)
RASQSVSSYLA
LCDR2(GP5B83)(配列番号62)
DASNRAT
LCDR3(GP5B83)(配列番号63)
QQRSNWPPT
重鎖配列(GP5B83)(配列番号64)
QLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSLSSSSYWWGWTRQPPGRGLEWIGTMYYSGNIYYNPSLQSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARHVGYSYGRRFWYFDLWGRGTLVTVSS
軽鎖配列(GP5B83)(配列番号65)
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIK
HCDR1(GC5B680)(配列番号66)
GFSLTNIRM
HCDR2(GC5B680)(配列番号67)
FSNDE
HCDR3(GC5B680)(配列番号68)
MRLPYGMDV
LCDR1(GC5B680)(配列番号69)
RSSQSLVHSDGNTYLS
LCDR2(GC5B680)(配列番号70)
KISNRFF
LCDR3(GC5B680)(配列番号71)
MQATQFPHT
重鎖配列(GC5B680)(配列番号72)
QVTLKESGPVLVKPTETLTLTCTVSGFSLTNIRMSVSWIRQPPGKALEWLAHIFSNDEKSYSSSLKSRLTISRDTSKSQVVLTLTNVDPVDTATYYCARMRLPYGMDVWGQGTTVTVSS
軽鎖配列(GC5B680)(配列番号73)
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFFGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQATQFPHTFGQGTKLEIK
リンカーポリペプチド配列(配列番号74)
GGSEGKSSGSGSESKSTGGS
scFv配列(GP5B83-HL)(配列番号75)
QLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSLSSSSYWWGWTRQPPGRGLEWIGTMYYSGNIYYNPSLQSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARHVGYSYGRRFWYFDLWGRGTLVTVSSGGSEGKSSGSGSESKSTGGSEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIK
scFv配列(GP5B83-LH)(配列番号76)
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIKGGSEGKSSGSGSESKSTGGSQLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSLSSSSYWWGWTRQPPGRGLEWIGTMYYSGNIYYNPSLQSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARHVGYSYGRRFWYFDLWGRGTLVTVSS
scFv配列(GC5B680-HL)(配列番号77)
QVTLKESGPVLVKPTETLTLTCTVSGFSLTNIRMSVSWIRQPPGKALEWLAHIFSNDEKSYSSSLKSRLTISRDTSKSQVVLTLTNVDPVDTATYYCARMRLPYGMDVWGQGTTVTVSSGGSEGKSSGSGSESKSTGGSDIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFFGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQATQFPHTFGQGTKLEIK
scFv配列(GC5B680-LH)(配列番号78)
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFFGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQATQFPHTFGQGTKLEIKGGSEGKSSGSGSESKSTGGSQVTLKESGPVLVKPTETLTLTCTVSGFSLTNIRMSVSWIRQPPGKALEWLAHIFSNDEKSYSSSLKSRLTISRDTSKSQVVLTLTNVDPVDTATYYCARMRLPYGMDVWGQGTTVTVSS
細胞外結合ドメイン(GP5B83-HL)(配列番号79)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQAQLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSLSSSSYWWGWTRQPPGRGLEWIGTMYYSGNIYYNPSLQSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARHVGYSYGRRFWYFDLWGRGTLVTVSSGGSEGKSSGSGSESKSTGGSEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIK
細胞外結合ドメイン(GP5B83-LH)(配列番号80)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQAEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIKGGSEGKSSGSGSESKSTGGSQLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSLSSSSYWWGWTRQPPGRGLEWIGTMYYSGNIYYNPSLQSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARHVGYSYGRRFWYFDLWGRGTLVTVSS
細胞外結合ドメイン(GC5B680-HL)(配列番号81)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQAQVTLKESGPVLVKPTETLTLTCTVSGFSLTNIRMSVSWIRQPPGKALEWLAHIFSNDEKSYSSSLKSRLTISRDTSKSQVVLTLTNVDPVDTATYYCARMRLPYGMDVWGQGTTVTVSSGGSEGKSSGSGSESKSTGGSDIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFFGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQATQFPHTFGQGTKLEIK
細胞外結合ドメイン(GC5B680-LH)(配列番号82)
MAWVWTLLFLMAAAQSIQADIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFFGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQATQFPHTFGQGTKLEIKGGSEGKSSGSGSESKSTGGSQVTLKESGPVLVKPTETLTLTCTVSGFSLTNIRMSVSWIRQPPGKALEWLAHIFSNDEKSYSSSLKSRLTISRDTSKSQVVLTLTNVDPVDTATYYCARMRLPYGMDVWGQGTTVTVSS
GP5B83-HL-CAR配列(配列番号83)
QLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSLSSSSYWWGWTRQPPGRGLEWIGTMYYSGNIYYNPSLQSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARHVGYSYGRRFWYFDLWGRGTLVTVSSGGSEGKSSGSGSESKSTGGSEIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIKTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
GP5B83-LH-CAR配列(配列番号84)
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPPTFGQGTKVEIKGGSEGKSSGSGSESKSTGGSQLQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGGSLSSSSYWWGWTRQPPGRGLEWIGTMYYSGNIYYNPSLQSRATISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCARHVGYSYGRRFWYFDLWGRGTLVTVSSTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
GC5B680-HL-CAR配列(配列番号85)
QVTLKESGPVLVKPTETLTLTCTVSGFSLTNIRMSVSWIRQPPGKALEWLAHIFSNDEKSYSSSLKSRLTISRDTSKSQVVLTLTNVDPVDTATYYCARMRLPYGMDVWGQGTTVTVSSGGSEGKSSGSGSESKSTGGSDIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFFGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQATQFPHTFGQGTKLEIKTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
GC5B680-LH-CAR配列(配列番号86)
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLSWLQQRPGQPPRLLIYKISNRFFGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQATQFPHTFGQGTKLEIKGGSEGKSSGSGSESKSTGGSQVTLKESGPVLVKPTETLTLTCTVSGFSLTNIRMSVSWIRQPPGKALEWLAHIFSNDEKSYSSSLKSRLTISRDTSKSQVVLTLTNVDPVDTATYYCARMRLPYGMDVWGQGTTVTVSSTSTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
pDR000084454 GP5B83-HL配列のDNA配列(配列番号87)
ATGGCTTGGGTGTGGACCTTGCTATTCCTGATGGCAGCTGCCCAAAGTATACAGGCCCAACTCCAGCTGCAAGAATCTGGTCCTGGACTCGTAAAACCATCAGAAACCCTCTCATTGACCTGCACAGTGAGTGGTGGATCATTGTCTTCCAGCAGCTATTGGTGGGGGTGGACTCGACAGCCACCAGGTCGCGGTCTCGAGTGGATAGGTACAATGTATTACAGTGGTAACATTTATTACAACCCTAGCCTCCAAAGCCGGGCAACCATCTCTGTTGACACATCCAAGAATCAATTTAGCCTGAAATTGTCTAGTGTGACTGCTGCTGATACAGCTGTTTATTATTGCGCTAGGCATGTCGGATACTCTTATGGTCGTAGATTCTGGTACTTCGATTTGTGGGGTCGCGGGACCTTGGTAACAGTCTCCTCCGGAGGATCAGAGGGGAAATCTTCCGGTAGCGGCAGTGAATCAAAGTCAACTGGTGGTTCCGAAATCGTGCTGACTCAGTCACCCGCAACTCTTTCACTGAGTCCTGGAGAACGTGCTACTCTGTCATGTCGGGCTTCTCAGTCAGTAAGTTCTTATTTGGCATGGTACCAGCAAAAGCCCGGCCAAGCCCCCCGACTCTTGATATACGATGCATCAAACCGTGCCACTGGAATCCCAGCACGGTTTTCCGGAAGTGGTTCCGGAACCGACTTCACCCTCACCATATCCAGTTTGGAGCCCGAGGACTTCGCAGTTTACTATTGTCAACAACGGTCCAACTGGCCCCCCACATTTGGACAAGGCACCAAAGTCGAAATAAAGACTAGTACCCCAGCCCCACGCCCTCCCACCCCTGCTCCTACAATAGCATCCCAGCCCTTGTCACTTCGCCCCGAAGCATGCAGACCAGCCGCAGGCGGTGCTGTGCATACCCGAGGACTGGACTTCGCCTGCGACATCTACATCTGGGCCCCACTGGCCGGCACCTGCGGCGTGCTGCTGCTGAGCCTGGTGATCACCCTGTACTGCAAGCGCGGCCGCAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCATTCATGCGCCCAGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCCGCTTCCCAGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTGCGCGTGAAGTTCAGCCGCAGCGCCGACGCCCCAGCCTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAACGAGCTGAACCTGGGCCGCCGCGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGCCGCGGCCGCGACCCAGAGATGGGCGGCAAGCCACGCCGCAAGAACCCACAGGAGGGCCTGTACAACGAGCTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACAGCGAGATCGGCATGAAGGGCGAGCGCCGCCGCGGCAAGGGCCACGACGGCCTGTACCAGGGCCTGAGCACCGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTGCACATGCAGGCCCTGCCACCACGCTGA
GP5B83-LH配列のDNA配列(配列番号88)
ATGGCTTGGGTGTGGACCTTGCTATTCCTGATGGCAGCTGCCCAAAGTATACAGGCCGAAATCGTACTGACTCAAAGTCCCGCTACTCTCAGTCTGTCACCCGGCGAGAGAGCCACACTGTCATGCCGCGCCAGCCAATCAGTCAGTTCCTACCTTGCTTGGTATCAGCAGAAACCTGGCCAAGCACCTCGGCTGCTTATCTACGACGCCAGCAATCGCGCCACTGGTATCCCAGCTCGGTTTTCAGGTAGCGGCAGTGGGACAGACTTTACCTTGACTATTAGCTCTCTTGAACCCGAAGACTTTGCCGTTTATTACTGCCAGCAACGGTCAAACTGGCCTCCCACTTTTGGCCAAGGAACCAAAGTAGAGATAAAAGGTGGTTCAGAAGGTAAATCAAGTGGGTCCGGTTCCGAAAGTAAGTCCACCGGAGGCTCTCAACTCCAGTTGCAGGAAAGTGGGCCTGGGCTTGTAAAACCAAGCGAGACATTGTCTCTCACATGCACTGTATCAGGGGGATCTCTTTCAAGTTCCTCTTATTGGTGGGGGTGGACTCGTCAACCCCCCGGTAGGGGTCTCGAATGGATCGGTACCATGTATTATTCTGGGAATATATACTATAATCCAAGCCTTCAAAGTAGAGCTACTATATCCGTGGACACATCCAAGAATCAGTTCTCCTTGAAACTTTCTAGCGTGACCGCCGCCGATACTGCTGTCTACTACTGCGCACGGCATGTGGGATACTCCTACGGGAGACGGTTCTGGTATTTCGACTTGTGGGGTCGCGGTACACTCGTTACAGTGTCCTCTACTAGTACCCCAGCCCCACGCCCTCCCACCCCTGCTCCTACAATAGCATCCCAGCCCTTGTCACTTCGCCCCGAAGCATGCAGACCAGCCGCAGGCGGTGCTGTGCATACCCGAGGACTGGACTTCGCCTGCGACATCTACATCTGGGCCCCACTGGCCGGCACCTGCGGCGTGCTGCTGCTGAGCCTGGTGATCACCCTGTACTGCAAGCGCGGCCGCAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCATTCATGCGCCCAGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCCGCTTCCCAGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTGCGCGTGAAGTTCAGCCGCAGCGCCGACGCCCCAGCCTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAACGAGCTGAACCTGGGCCGCCGCGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGCCGCGGCCGCGACCCAGAGATGGGCGGCAAGCCACGCCGCAAGAACCCACAGGAGGGCCTGTACAACGAGCTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACAGCGAGATCGGCATGAAGGGCGAGCGCCGCCGCGGCAAGGGCCACGACGGCCTGTACCAGGGCCTGAGCACCGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTGCACATGCAGGCCCTGCCACCACGCTGA
GC5B680-HL配列のDNA配列(配列番号89)
ATGGCTTGGGTGTGGACCTTGCTATTCCTGATGGCAGCTGCCCAAAGTATACAGGCCCAAGTAACACTCAAGGAGAGCGGACCAGTCTTGGTGAAACCAACTGAGACCTTGACTTTGACATGTACTGTAAGTGGCTTCAGCCTTACCAACATCAGGATGTCAGTATCTTGGATAAGGCAACCACCTGGCAAGGCACTCGAATGGCTGGCACACATCTTTTCTAACGACGAAAAATCCTATTCTTCCAGTCTCAAAAGTCGCCTTACCATCAGCCGAGATACCAGTAAGAGTCAAGTAGTTCTTACATTGACCAATGTAGATCCAGTTGATACAGCCACATACTACTGCGCACGAATGCGGCTTCCATACGGCATGGATGTATGGGGACAGGGAACTACTGTTACCGTTAGTTCCGGCGGCTCCGAGGGCAAGAGCAGCGGCAGCGGCAGCGAGAGCAAGAGCACCGGCGGCAGCGACATTGTGATGACCCAAACACCTCTTAGTAGTCCTGTAACTCTCGGACAGCCAGCTTCAATATCTTGTCGCTCAAGTCAATCCCTCGTCCATTCCGACGGCAACACCTACCTCTCTTGGCTCCAACAGAGACCCGGCCAGCCTCCCAGACTTCTCATCTACAAAATCAGTAACAGGTTCTTCGGCGTCCCTGACAGGTTCAGTGGATCTGGAGCAGGTACAGATTTCACCTTGAAGATAAGTAGAGTGGAGGCTGAGGACGTAGGCGTCTATTATTGTATGCAAGCTACCCAATTCCCACATACATTCGGCCAAGGCACTAAATTGGAAATAAAAACTAGTACCCCAGCCCCACGCCCTCCCACCCCTGCTCCTACAATAGCATCCCAGCCCTTGTCACTTCGCCCCGAAGCATGCAGACCAGCCGCAGGCGGTGCTGTGCATACCCGAGGACTGGACTTCGCCTGCGACATCTACATCTGGGCCCCACTGGCCGGCACCTGCGGCGTGCTGCTGCTGAGCCTGGTGATCACCCTGTACTGCAAGCGCGGCCGCAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCATTCATGCGCCCAGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCCGCTTCCCAGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTGCGCGTGAAGTTCAGCCGCAGCGCCGACGCCCCAGCCTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAACGAGCTGAACCTGGGCCGCCGCGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGCCGCGGCCGCGACCCAGAGATGGGCGGCAAGCCACGCCGCAAGAACCCACAGGAGGGCCTGTACAACGAGCTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACAGCGAGATCGGCATGAAGGGCGAGCGCCGCCGCGGCAAGGGCCACGACGGCCTGTACCAGGGCCTGAGCACCGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTGCACATGCAGGCCCTGCCACCACGCTGA
GC5B680-LH配列のDNA配列(配列番号90)
ATGGCTTGGGTGTGGACCTTGCTATTCCTGATGGCAGCTGCCCAAAGTATACAGGCCGACATTGTGATGACCCAAACACCTCTTAGTAGTCCTGTAACTCTCGGACAGCCAGCTTCAATATCTTGTCGCTCAAGTCAATCCCTCGTCCATTCCGACGGCAACACCTACCTCTCTTGGCTCCAACAGAGACCCGGCCAGCCTCCCAGACTTCTCATCTACAAAATCAGTAACAGGTTCTTCGGCGTCCCTGACAGGTTCAGTGGATCTGGAGCAGGTACAGATTTCACCTTGAAGATAAGTAGAGTGGAGGCTGAGGACGTAGGCGTCTATTATTGTATGCAAGCTACCCAATTCCCACATACATTCGGCCAAGGCACTAAATTGGAAATAAAAGGCGGCTCCGAGGGCAAGAGCAGCGGCAGCGGCAGCGAGAGCAAGAGCACCGGCGGCAGCCAAGTAACACTCAAGGAGAGCGGACCAGTCTTGGTGAAACCAACTGAGACCTTGACTTTGACATGTACTGTAAGTGGCTTCAGCCTTACCAACATCAGGATGTCAGTATCTTGGATAAGGCAACCACCTGGCAAGGCACTCGAATGGCTGGCACACATCTTTTCTAACGACGAAAAATCCTATTCTTCCAGTCTCAAAAGTCGCCTTACCATCAGCCGAGATACCAGTAAGAGTCAAGTAGTTCTTACATTGACCAATGTAGATCCAGTTGATACAGCCACATACTACTGCGCACGAATGCGGCTTCCATACGGCATGGATGTATGGGGACAGGGAACTACTGTTACCGTTAGTTCCACTAGTACCCCAGCCCCACGCCCTCCCACCCCTGCTCCTACAATAGCATCCCAGCCCTTGTCACTTCGCCCCGAAGCATGCAGACCAGCCGCAGGCGGTGCTGTGCATACCCGAGGACTGGACTTCGCCTGCGACATCTACATCTGGGCCCCACTGGCCGGCACCTGCGGCGTGCTGCTGCTGAGCCTGGTGATCACCCTGTACTGCAAGCGCGGCCGCAAGAAGCTGCTGTACATCTTCAAGCAGCCATTCATGCGCCCAGTGCAGACCACCCAGGAGGAGGACGGCTGCAGCTGCCGCTTCCCAGAGGAGGAGGAGGGCGGCTGCGAGCTGCGCGTGAAGTTCAGCCGCAGCGCCGACGCCCCAGCCTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAACGAGCTGAACCTGGGCCGCCGCGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGCCGCGGCCGCGACCCAGAGATGGGCGGCAAGCCACGCCGCAAGAACCCACAGGAGGGCCTGTACAACGAGCTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACAGCGAGATCGGCATGAAGGGCGAGCGCCGCCGCGGCAAGGGCCACGACGGCCTGTACCAGGGCCTGAGCACCGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTGCACATGCAGGCCCTGCCACCACGCTGA
リンカー配列(配列番号91)
GGSEGKSSGSGSESKSTGGS
リンカー配列(配列番号92)
GGGSGGGS
リンカー配列(配列番号93)
GGGSGGGSGGGS
リンカー配列(配列番号94)
GGGSGGGSGGGSGGGS
リンカー配列(配列番号95)
GGGSGGGSGGGSGGGSGGGS
リンカー配列(配列番号96)
GGGGSGGGGSGGGGS
リンカー配列(配列番号97)
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
リンカー配列(配列番号98)
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS
リンカー配列(配列番号99)
GSTSGSGKPGSGEGSTKG
リンカー配列(配列番号100)
IRPRAIGGSKPRVA
リンカー配列(配列番号101)
GKGGSGKGGSGKGGS
リンカー配列(配列番号102)
GGKGSGGKGSGGKGS
リンカー配列(配列番号103)
GGGKSGGGKSGGGKS
リンカー配列(配列番号104)
GKGKSGKGKSGKGKS
リンカー配列(配列番号105)
GGGKSGGKGSGKGGS
リンカー配列(配列番号106)
GKPGSGKPGSGKPGS
リンカー配列(配列番号107)
GKPGSGKPGSGKPGSGKPGS
リンカー配列(配列番号108)
GKGKSGKGKSGKGKSGKGKS
リンカー配列(配列番号109)
STAGDTHLGGEDFD
リンカー配列(配列番号110)
GEGGSGEGGSGEGGS
リンカー配列(配列番号111)
GGEGSGGEGSGGEGS
リンカー配列(配列番号112)
GEGESGEGESGEGES
リンカー配列(配列番号113)
GGGESGGEGSGEGGS
リンカー配列(配列番号114)
GEGESGEGESGEGESGEGES
リンカー配列(配列番号115)
GSTSGSGKPGSGEGSTKG
リンカー配列(配列番号116)
PRGASKSGSASQTGSAPGS
リンカー配列(配列番号117)
GTAAAGAGAAGGAAAGAAG
リンカー配列(配列番号118)
GTSGSSGSGSGGSGSGGGG
リンカー配列(配列番号119)
GKPGSGKPGSGKPGSGKPGS
リンカー配列(配列番号120)
GSGS
リンカー配列(配列番号121)
APAPAPAPAP
リンカー配列(配列番号122)
APAPAPAPAPAPAPAPAPAP
リンカー配列(配列番号123)
AEAAAKEAAAKEAAAAKEAAAAKEAAAAKAAA
ヒンジ配列(配列番号124)
EPKSCDKTHTCPPCP
ヒンジ配列(配列番号125)
ERKCCVECPPCP
ヒンジ配列(配列番号126)
ELKTPLGDTTHTCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPEPKSCDTPPPCPRCPEPKSCDTPPPCPRCP
ヒンジ配列(配列番号127)
ESKYGPPCPSCP
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載の発明を列挙する。
[発明1]
細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメインを含む、キメラ抗原受容体(CAR)であって、
前記細胞外抗原結合ドメインが、
配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号58のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号59のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号39のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、配列番号40のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、
配列番号42のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号44のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、又は
配列番号45のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、及び配列番号47のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3
を含み、
前記細胞外抗原結合ドメインが、抗Gタンパク質受容体ファミリーCグループ5メンバーD(GPRC5D)抗原に結合する、
前記キメラ抗原受容体(CAR)。
[発明2]
配列番号66のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR1、配列番号67のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR2、及び配列番号68のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR3を含む、前記細胞外抗原結合ドメインが、配列番号69のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号70のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号71のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、
配列番号58のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR1、配列番号59のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR2、及び配列番号60のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR3を含む、前記細胞外抗原結合ドメインが、配列番号61のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号62のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号63のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、
配列番号39のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR1、配列番号40のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR2、及び配列番号41のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR3を含む、前記細胞外抗原結合ドメインが、配列番号48のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号49のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号50のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、
配列番号42のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR1、配列番号43のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR2、及び配列番号44のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR3を含む、前記細胞外抗原結合ドメインが、配列番号51のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号52のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号53のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、又は
配列番号45のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR1、配列番号46のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR2、及び配列番号47のアミノ酸配列を有する前記重鎖CDR3を含む、前記細胞外抗原結合ドメインが、配列番号54のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号55のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、及び配列番号56のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を更に含む、
発明1に記載のCAR。
[発明3]
前記細胞外抗原結合ドメインが、配列番号73、65、1、3、及び5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)、又は配列番号72、64、2、4、及び6からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)、又は配列番号73、65、1、3、及び5からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むLCVRと、配列番号72、64、2、4、及び6からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHCVRとの組み合わせを含む、発明1又は2に記載のCAR。
[発明4]
前記細胞外抗原結合ドメインが、
配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号72のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号64のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、
配列番号3のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、又は
配列番号5のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び配列番号6のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、
発明1~3のいずれか一つに記載のCAR。
[発明5]
前記細胞外抗原結合ドメインが、単鎖可変フラグメント(scFv)を含む、発明1~4のいずれか一つに記載のCAR。
[発明6]
前記scFvが、前記軽鎖可変領域と前記重鎖可変領域との間にリンカーポリペプチドを含む、発明5に記載のCAR。
[発明7]
前記リンカーポリペプチドが、配列番号7のアミノ酸配列を含む、発明6に記載のCAR。
[発明8]
前記scFvが、配列番号78、77、75、76、8、9、10、24、25、及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、発明5~7のいずれか一つに記載のCAR。
[発明9]
前記細胞外抗原結合ドメインが、シグナルポリペプチドを含む、発明1~8のいずれか一つに記載のCAR。
[発明10]
前記シグナルポリペプチドが、配列番号11のアミノ酸配列を含む、発明9に記載のCAR。
[発明11]
前記細胞内シグナル伝達ドメインが、TNF受容体スーパーファミリーメンバー9(CD137)成分、T細胞表面糖タンパク質CD3ゼータ鎖(CD3z)成分、分化クラスタ(CD27)成分、分化クラスタスーパーファミリーメンバー成分、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、ポリペプチド成分を含む、発明1~10のいずれか一つに記載のCAR。
[発明12]
前記CD137成分が、配列番号12のアミノ酸配列を含む、発明11に記載のCAR。
[発明13]
前記CD3z成分が、配列番号13のアミノ酸配列を含む、発明11記載のCAR。
[発明14]
前記細胞内シグナル伝達ドメインが、配列番号14のアミノ酸配列を含む、発明11に記載のCAR。
[発明15]
前記膜貫通ドメインが、CD8a膜貫通領域(CD8A-TM)ポリペプチドを含む、発明1~14のいずれか一つに記載のCAR。
[発明16]
前記CD8a-TMポリペプチドが、配列番号15のアミノ酸配列を含む、発明15に記載のCAR。
[発明17]
前記膜貫通ドメインを前記細胞外抗原結合ドメインに連結するヒンジ領域を更に含む、発明1~16のいずれか一つに記載のCAR。
[発明18]
前記ヒンジ領域が、CD8aヒンジ領域である、発明17に記載のCAR。
[発明19]
前記CD8aヒンジ領域が、配列番号16のアミノ酸配列を含む、発明18記載のCAR。
[発明20]
前記細胞外抗原結合ドメインが、配列番号82、81、80、79、17、18、19、20、21、及び22からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、発明1~19のいずれか一つに記載のCAR。
[発明21]
前記CARが、配列番号86、85、83、84、27、28、29、30、31、及び32からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む、発明1~20のいずれか一つに記載のCAR。
[発明22]
発明1~21のいずれか一つに記載のCARを発現する、単離されたリンパ球。
[発明23]
前記リンパ球が、Tリンパ球である、発明22に記載の単離されたリンパ球。
[発明24]
前記Tリンパ球が、ナイーブT細胞である、発明23に記載の単離されたリンパ球。
[発明25]
前記Tリンパ球が、記憶幹T細胞である、発明23に記載の単離されたリンパ球。
[発明26]
前記Tリンパ球が、中央記憶T細胞である、発明23に記載の単離されたリンパ球。
[発明27]
前記Tリンパ球が、CD4+である、発明23~26のいずれか一つに記載の単離されたリンパ球。
[発明28]
前記Tリンパ球が、CD8+である、発明23~26のいずれか一つに記載の単離されたリンパ球。
[発明29]
前記Tリンパ球が、CD4+及びCD8+である、発明23~26のいずれか一つに記載の単離されたリンパ球。
[発明30]
発明1~29のいずれか一つに記載のCARをコードする、単離された核酸分子。
[発明31]
前記核酸分子が、配列番号90、89、87、88、33、34、35、36、37、及び38からなる群から選択される、核酸配列を含む、発明30に記載の単離された核酸分子。
[発明32]
前記核酸分子が、配列番号90、89、87、88、33、34、35、36、37、及び38のヌクレオチド配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるヌクレオチド配列を含む、発明30に記載の単離された核酸分子。
[発明33]
発明30~32のいずれか一つに記載の核酸分子を含む、ベクター。
[発明34]
発明30~32のいずれか一つに記載の核酸分子を発現する、細胞。
[発明35]
発明22~29のいずれか一つに記載の有効量のリンパ球を含む、医薬組成物。
[発明36]
発明22~29のいずれか一つに記載の有効量のリンパ球と、医薬的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
[発明37]
治療において使用するための、発明1~21のいずれか一つに記載のCAR、又は発明35若しくは36に記載の医薬組成物。
[発明38]
癌を有する対象を治療する方法において使用するための、発明1~21のいずれか一つに記載のCAR、又は発明35若しくは36に記載の医薬組成物。
[発明39]
癌を有する対象を治療する方法であって、
治療有効量の発明22~29のいずれか一つに記載のリンパ球を、治療を必要とする対象に投与することを含み、それにより、前記リンパ球が、前記対象における癌細胞の死滅を誘導する、
前記方法。
[発明40]
前記癌が、肺癌、胃癌、結腸癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、及び非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、発明39に記載の方法、又は発明38に記載の方法において使用するための前記CAR若しくは前記医薬組成物。
[発明41]
前記癌が、多発性骨髄腫である、発明39若しくは40に記載の方法、又は発明38若しくは40に記載の方法において使用するための前記CAR若しくは前記医薬組成物。
[発明42]
癌細胞の標的化死滅の方法であって、
前記癌細胞を、発明22~29のいずれか一つに記載のリンパ球と接触させることを含み、それにより、前記リンパ球が、前記癌細胞の死滅を誘導する、
前記方法。
[発明43]
前記癌細胞が、肺癌、胃癌、結腸癌、肝細胞癌、腎細胞癌、膀胱尿路上皮癌、転移性黒色腫、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、頭頸部癌、膵臓癌、神経膠腫、神経膠芽腫、及び非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)、多発性骨髄腫(MM)、急性骨髄性白血病(AML)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、発明42に記載の方法。
[発明44]
前記癌細胞が、多発性骨髄腫細胞である、発明42に記載の方法。
[発明45]
対象における癌の存在を検出する方法であって、
(a)前記対象から得られた細胞サンプルを発明1に記載のCARと接触させることにより、CAR-細胞複合体を形成すること、及び
(b)前記複合体を検出することを含み、該複合体の検出が、前記対象における癌の存在を示す、
前記方法。
【配列表】