(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-26
(45)【発行日】2023-07-04
(54)【発明の名称】電力変換装置のサブモジュール
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20230627BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
(21)【出願番号】P 2022530782
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 JP2021040791
【審査請求日】2022-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 聡
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/021532(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0036137(US,A1)
【文献】国際公開第2019/043849(WO,A1)
【文献】特開平10-295087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M7/42-7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1~第8のIGBTと、
前記第1~第8のIGBTを駆動する第1~第4の駆動回路と、
前記第1~第8のIGBTを搭載する第1および第2のラミネートブスバーと、
前記第1~第4の駆動回路を搭載する第1~第4の基板と、
前記第1~第8のIGBTと、前記第1~第4の駆動回路と、前記第1および第2のラミネートブスバーと、前記第1~第4の基板とを収容するための収容フレームと、
前記第1~第4の駆動回路および前記第1~第4の基板が配置される空間と、前記第1~第8のIGBTおよび前記第1および第2のラミネートブスバーが配置される空間とを分離するための第1および第2の分離フレームと、
前記第1~第8のIGBTに近接した位置に配置される冷却フィンとを備え、
前記第1および第2のラミネートブスバーと前記冷却フィンとの間に前記第1~第8のIGBTが配置され、
前記第1の駆動回路は、前記第1のIGBTおよび第2のIGBTを駆動し、
前記第2の駆動回路は、前記第3のIGBTおよび第4のIGBTを駆動し、
前記第
3の駆動回路は、前記第5のIGBTおよび第6のIGBTを駆動し、
前記第4の駆動回路は、前記第7のIGBTおよび第8のIGBTを駆動し、
前記第1のラミネートブスバーは、前記第1~第4のIGBTを搭載し、
前記第2のラミネートブスバーは、前記第5~第8のIGBTを搭載し、
前記第1~第4の基板は、それぞれ、前記第1~第4の駆動回路を搭載し、
前記収容フレームは、前記冷却フィンと、前記第1~第8のIGBTと、前記第1~第4の駆動回路と、前記第1および第2のラミネートブスバーと、前記第1~第4の基板とを収容し、
前記冷却フィンは、前記冷却フィンの深さ方向が、前記収容フレームの対向する第1の面および第2の面に垂直となるように配置され、
前記収容フレームの内部は、前記冷却フィンによって、第1の空間と第2の空間に分離され、
前記第1の空間において、前記冷却フィンに近い方から、前記第1~第4のIGBT、前記第1のラミネートブスバー、前記第1および第2の基板、前記第1および第2の駆動回路が配置され、
前記第2の空間において、前記冷却フィンに近い方から、前記第5~第8のIGBT、前記第2のラミネートブスバー、前記第3および第4の基板、前記第3および第4の駆動回路が配置され、
前記第1の分離フレームが、前記第1の空間を、前記第1および第2の駆動回路および前記第1および第2の基板が配置される第1の領域と、前記第1~第4のIGBTおよび前記第1のラミネートブスバーが配置される第2の領域とに分離し、
前記第2の分離フレームが、前記第2の空間を、前記第3および第4の駆動回路および前記第3および第4の基板が配置される第3の領域と、前記第5~第8のIGBTおよび前記第2のラミネートブスバーが配置される第4の領域とに分離する、電力変換装置のサブモジュール。
【請求項2】
前記収容フレームは、直方体の枠状に形成された枠体であり、
前記冷却フィンは、前記収容フレームの中央に位置する、請求項
1記載の電力変換装置のサブモジュール。
【請求項3】
前記第1の分離フレームと前記第1の面とが接合し、前記第1の分離フレームと前記第1の面とによって囲まれる領域が前記第1の領域であり、
前記第2の分離フレームと前記第2の面とが接合し、前記第2の分離フレームと前記第2の面とによって囲まれる領域が前記第3の領域である、請求項
2記載の電力変換装置のサブモジュール。
【請求項4】
前記第1の領域に空気が流入および流出するために、前記第1の面に2つの開口部が形成され、
前記第3の領域に空気が流入および流出するために、前記第2の面に2つの開口部が形成され、
前記第2の領域に空気が流入および流出するために、前記第1の面に2つの開口部が形成され、
前記第4の領域に空気が流入および流出するために、前記第2の面に2つの開口部が形成されている、請求項
3記載の電力変換装置のサブモジュール。
【請求項5】
前記第2の領域に空気が流入および流出するために、さらに、前記収容フレームの第3の面に開口部が形成され、
前記第4の領域に空気が流入および流出するために、さらに、前記第3の面に開口部が形成されている、請求項
4記載の電力変換装置のサブモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置のサブモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、STATCOM(Static Synchronous Compensator)などの自励式無効電力補償装置、BTB(Back to Back)システムなどの直流送電システム、および、モータドライブインバータなどにおいては、モジュラー・マルチレベル変換器(MMC:Modular Multilevel Converter)の適用が検討されている(たとえば、国際公開第2016/203516号(特許文献1)参照)。
【0003】
MMCは、複数の単位変換器を直列に接続して構成されている。単位変換器は、コンデンサと、そのコンデンサと交流電源との間で電力を授受する電力変換器と、MMC全体を制御する上位の制御装置から供給される制御信号に基づいて電力変換器を駆動させる駆動回路とを備える。電力変換器は、複数のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電力変換装置の構成要素が複数のサブモジュールに分割されて、電力変換装置のあるサブモジュールがIGBTと、IGBTを搭載するラミネートブスバーと、駆動回路と、駆動回路を搭載する基板を含む場合には、以下のような問題が生じる。
【0006】
IGBTおよびラミネートブスバーなどの発熱源と、基板とが同じ空間に配置された場合には、発熱源によって基板が加熱される。
【0007】
それゆえに、本開示の目的は、基板の加熱を抑制することができる電力変換装置のサブモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の電力変換装置は、IGBTと、IGBTを駆動する駆動回路と、IGBTを搭載するラミネートブスバーと、駆動回路を搭載する基板と、IGBTと、駆動回路と、ラミネートブスバーと、基板とを収容するための収容フレームと、駆動回路および基板が配置される空間と、IGBTおよびラミネートブスバーが配置される空間とを分離するための分離フレームとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、基板の加熱を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態の電力変換装置100の構成図である。
【
図2】単位変換器5の構成を示す回路ブロック図である。
【
図3】参考例1の電力変換装置の第1のサブモジュール101aおよび第2のサブモジュール101bの断面図である。
【
図4】実施の形態1の電力変換装置の第1のサブモジュール201aおよび第2のサブモジュール201bの断面図である。
【
図5】実施の形態2の電力変換装置のサブモジュール301の断面図である。
【
図6】電力変換装置100の全体の構造を表わす図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態の電力変換装置100の構成図である。
【0012】
電力変換装置100は、電力系統1の無効電力を補償する無効電力補償装置として使用される。
図1を参照して、電力変換装置100は、少なくとも1つの主回路給電方式の単位変換器5を直列接続して構成されたアームA1~A3と、少なくとも1つの単位変換器5を制御する制御装置4とを備える。より詳細には、電力変換装置100は、スイッチS1~S6、変圧器2,3、限流抵抗器R1~R3、交流ラインUL,VL,WL、変流器C1~C3、リアクトルL1~L3、アームA1~A3、および制御装置4を備える。
【0013】
スイッチS1,S2,S3の各々の一方端子はそれぞれ電力系統1の三相の送電線1u,1v,1wに接続され、他方端子はそれぞれ変圧器2の3つの一次巻線に接続される。スイッチS1,S2,S3は、通常は導通状態であり、たとえば電力変換装置100のメンテナンス時に非導通状態にされる。変圧器2は、3つの一次巻線と3つの二次巻線とを含み、三相交流電力を授受する。
【0014】
限流抵抗器R1~R3の各々の一方端子はそれぞれ変圧器2の3つの二次巻線に接続され、他方端子はそれぞれ交流ラインUL,VL,WLに接続される。限流抵抗器R1~R3は、電力変換装置100の起動時に電力系統1からアームA1~A3にそれぞれ流れる電流を制限する。
【0015】
スイッチS4,S5,S6は、それぞれ限流抵抗器R1~R3に並列接続される。スイッチS4,S5,S6は、電力変換装置100の起動時においてアームA1~A3に流れる電流が安定した後に導通状態にされる。変圧器3は、交流ラインUL,VL,WLの交流電圧に応じた値の三相交流電圧Vu,Vv,Vwを制御装置4に出力する。
【0016】
リアクトルL1およびアームA1は、交流ラインULと交流ラインVLとの間に直列接続される。リアクトルL2およびアームA2は、交流ラインVLと交流ラインWLとの間に直列接続される。リアクトルL3およびアームA3は、交流ラインWLと交流ラインULとの間に直列接続される。すなわち、アームA1~A3はデルタ接続されている。アームA1~A3は、制御装置4によって制御され、三相交流電力を発生する。
【0017】
アームA1~A3の各々は、カスケード接続された複数の単位変換器5を含む。複数の単位変換器5の各々は、制御装置4からの制御信号に従って交流電力を発生する。
【0018】
アームA1の初段の単位変換器5の第1端子5aは、リアクトルL1の一方端子に接続されている。アームA1において、最終段以外の単位変換器5の第2端子5bは、後段の単位変換器5の第1端子5aに接続されている。アームA1の最終段の単位変換器5の第2端子5bは、リアクトルL2の一方端子に接続されている。
【0019】
アームA2の初段の単位変換器5の第1端子5aは、リアクトルL2の一方端子に接続されている。アームA2において、最終段以外の単位変換器5の第2端子5bは、後段の単位変換器5の第1端子5aに接続されている。アームA2の最終段の単位変換器5の第2端子5bは、リアクトルL3の一方端子に接続されている。
【0020】
アームA3の初段の単位変換器5の第1端子5aは、リアクトルL3の一方端子に接続されている。アームA3において、最終段以外の単位変換器5の第2端子5bは、後段の単位変換器5の第1端子5aに接続されている。アームA3の最終段の単位変換器5の第2端子5bは、リアクトルL1の一方端子に接続されている。
【0021】
リアクトルL1~L3は、アームA1~A3に流れる循環電流をそれぞれ抑制する。変流器C1~C3は、アームA1~A3に流れる交流電流Iuv,Ivw,Iwuをそれぞれ検出して、制御装置4に出力する。
【0022】
制御装置4は、無効電力指令値Qr、三相交流電圧Vu,Vv,Vw、交流電流Iuv,Ivw,Iwu、後述する直流電圧Vdcなどの入力を受け、後述する制御信号GC、ゲートブロック信号GB、ゲートデブロック信号DEB、導通指令Sonなどを出力することにより、3つのアームA1~A3の各々(すなわち複数個の単位変換器5の各々)を制御する。無効電力指令値Qrは、たとえば電力系統1の中央指令室(図示せず)から与えられる。電力変換装置100は、無効電力指令値Qrに応じた値の無効電力を電力系統1に供給する。
【0023】
図2は、単位変換器5の構成を示す回路ブロック図である。
図2を参照して、単位変換器5は、主回路30と、制御回路32と、限流抵抗回路80と、電源50とを含む。
【0024】
主回路30は、コンデンサを備えたフルブリッジ回路により構成される。具体的には、主回路30は、第1端子5aおよび第2端子5bを有する。主回路30は、IGBT11~14と、ダイオードD1~D4と、第1のコンデンサ15とを含む。主回路30は、IGBT11~14の導通/非導通を制御することにより第1のコンデンサ15の電圧に応じた振幅の電圧パルスを第1端子5aおよび第2端子5b間に出力することで、電力変換を行なう。
【0025】
IGBT11~14は、自己消弧型電力用半導体素子である。IGBT11,13は第1の直流ラインPLおよび第2の直流ラインNLの間に直列に接続されている。IGBT12,14は第1の直流ラインPLおよび第2の直流ラインNLの間に直列に接続されている。IGBT11,12のコレクタはともに第1の直流ラインPLに接続され、IGBT13,14のエミッタはともに第2の直流ラインNLに接続されている。IGBT11のエミッタとIGBT13のコレクタとの接続点は第1端子5aに接続されている。IGBT12のエミッタとIGBT14のコレクタとの接続点は第2端子5bに接続されている。
【0026】
ダイオードD1~D4は、IGBT11~14にそれぞれ逆並列に接続されている。第1のコンデンサ15は、第1の直流ラインPLと第2の直流ラインNLとの間に電気的に接続され、直流電力を蓄える。
【0027】
単位変換器5において、IGBT11~14は制御回路32によって導通/非導通が制御される。IGBT11,13はそれぞれ相補的に導通状態とされる。IGBT12,14はそれぞれ相補的に導通状態とされる。
【0028】
主回路30は、スイッチS7をさらに含む。スイッチS7は、第1端子5aと第2端子5bとの間に接続されている。スイッチS7は、制御回路32からの導通指令Sonに応じて閉成することにより、第1端子5aおよび第2端子5bを短絡することが可能に構成されている。
【0029】
制御回路32は、駆動回路40,42と、スイッチ操作回路44と、I/F(インターフェイス)回路48とを含む。制御回路32は、制御装置4から受信した制御信号に従ってIGBT11~14の導通/非導通を制御するように構成される。
【0030】
I/F回路48は、図示しない有線または無線で制御装置4と通信する。I/F回路48は、制御装置4から、主回路30のフルブリッジ回路を制御するための制御信号GCを受信する。I/F回路48はさらに、制御装置4から、フルブリッジ回路を構成するIGBT11~14を全て非導通に固定するためのゲートブロック信号GBを受信する。IF回路48は、制御装置4から、フルブリッジ回路を構成するIGBT11~14の非導通固定を解除するためのゲートデブロック信号DEBを受信する。I/F回路48は、受信した制御信号GC、ゲートブロック信号GB、およびゲートデブロック信号DEBを駆動回路40,42へ出力する。
【0031】
駆動回路40は、制御信号GCに応答してIGBT11,13の導通/非導通を制御する。駆動回路40は、ゲートブロック信号GBに応答して、IGBT11,13を非導通状態に固定された状態(停止状態、またはゲートブロック状態)とする。駆動回路40は、ゲートデブロック信号DEBに応答して、IGBT11,13の非導通固定状態が解除された状態(ゲートブロック状態ではない状態、またはゲートデブロック状態)とする。
【0032】
駆動回路42は、制御信号GCに応答してIGBT12,14の導通/非導通を制御する。駆動回路42は、ゲートブロック信号GBに応答して、IGBT12,14を非導通状態に固定された状態(停止状態、またはゲートブロック状態)とする。駆動回路42は、ゲートデブロック信号DEBに応答して、IGBT12,14の非導通固定状態が解除された状態(ゲートブロック状態ではない状態、またはゲートデブロック状態)とする。
【0033】
スイッチ操作回路44は、スイッチS7を操作するための回路である。スイッチ操作回路44は、励磁コイル18への通電を制御装置4からの指令に応じて制御する。通常動作時、励磁コイル18への電流供給が停止されているため、スイッチS7は非導通状態とされる。一方、制御装置4は、複数の単位変換器5のうちのいずれかの単位変換器5において、IGBT11~14の短絡故障等の異常を検知した場合には、この故障した単位変換器5に向けてスイッチS7の導通指令Sonを出力する。故障した単位変換器5では、I/F回路48が導通指令Sonを受信してスイッチ操作回路44へ出力する。導通指令Sonに応じてスイッチ操作回路44が励磁コイル18に電流を供給することにより、スイッチS7が導通状態にされる。これにより、故障した単位変換器5の出力が短絡される。
【0034】
限流抵抗回路80は、主回路30と電源50との間の第1の直流ラインPLに介挿される。限流抵抗回路80は、第1のコンデンサ15の直流電圧Vdcを降圧する。
【0035】
電源50は、入力端子501,502を含む。入力端子501は第1の直流ラインPLに接続される。入力端子502は第2の直流ラインNLに接続される。電源50は、第1のコンデンサ15に電気的に並列に接続される。電源50は、第1のコンデンサ15の電圧を降圧して電源電圧を生成し、電源電圧を制御回路32へ供給する。これにより、単位変換器5は、主回路30から制御回路32に電力を供給することができる自給式のセルを形成する。
【0036】
電力変換装置は、複数個のサブモジュールを備える。各サブモジュールは、上述の電力変換装置の1個以上の構成要素を備える。
【0037】
(参考例の電力変換装置のサブモジュール)
図3は、参考例1の電力変換装置の第1のサブモジュール101aおよび第2のサブモジュール101bの断面図である。
【0038】
参考例1では、2つのサブモジュールが1セットを構成し、2つのサブモジュールが隣接した位置に配置される。
【0039】
電力変換装置の第1のサブモジュール101aは、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、および第4のIGBT14aを備える。
【0040】
電力変換装置の第1のサブモジュール101aは、さらに、第1の駆動回路40a、および第2の駆動回路42aを備える。第1の駆動回路40aは、第1のIGBT11aおよび第2のIGBT12aを駆動する。第2の駆動回路42aは、第3のIGBT13aおよび第4のIGBT14aを駆動する。
【0041】
電力変換装置の第1のサブモジュール101aは、さらに、ラミネートブスバー22aを備える。ラミネートブスバー22aは、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、および第4のIGBT14aを搭載する。
【0042】
電力変換装置の第1のサブモジュール101aは、さらに、第1の支持板25a、第2の支持板26a、第1の基板23a、および第2の基板24aを備える。第1の基板23aは、第1の駆動回路40aを搭載する。第2の基板24aは、第2の駆動回路42aを搭載する。第1の支持板25aは、第1の基板23aを支持する。第2の支持板26aは、第2の基板24aを支持する。
【0043】
電力変換装置の第1のサブモジュール101aは、さらに、冷却フィン21aと、収容フレーム55aとを備える。
【0044】
収容フレーム55aは、直方体の枠状に形成された枠体である。
収容フレーム55aは、冷却フィン21a、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、第1の駆動回路40a、第2の駆動回路42a、ラミネートブスバー22a、第1の支持板25a、第2の支持板26a、第1の基板23a、および第2の基板24aを収容する。
【0045】
冷却フィン21aは、冷却フィン21aの深さ方向が、収容フレーム55aの対向する第1の面71aおよび第2の面72aに垂直となるように配置される。冷却フィン21aは、第2の面72aに近い位置に配置される。
【0046】
収容フレーム55aの内部空間において、冷却フィン21aに最も近い位置に、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、および第4のIGBT14aが配置される。収容フレーム55aの内部空間において、冷却フィン21aに次に近い位置に、ラミネートブスバー22aが配置される。収容フレーム55aの内部空間において、冷却フィン21aに、さらに次に近い位置に、第1の支持板25aおよび第2の支持板26aが配置される。収容フレーム55aの内部空間において、冷却フィン21aに、さらに次に近い位置に、第1の基板23aおよび第2の基板24aが配置される。収容フレーム55aの内部空間において、冷却フィン21aに、さらに次に近い位置に、第1の駆動回路40aおよび第2の駆動回路42aが配置される。
【0047】
収容フレーム55aの内部空間に空気が流入および流出するために、第1の面71aに2つの開口部L1a,L2aが形成されている。
【0048】
以上のように構成された第1のサブモジュール101aは、以下のような問題を有する。第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、およびラミネートブスバー22aと、第1の基板23aおよび第2の基板24aとが同一の連続した空間に配置されている。よって、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、およびラミネートブスバー22aの発する熱によって、第1の基板23aおよび第2の基板24aが加熱される。
【0049】
電力変換装置の第2のサブモジュール101bは、第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、および第4のIGBT14bを備える。
【0050】
電力変換装置の第2のサブモジュール101bは、さらに、第1の駆動回路40b、および第2の駆動回路42bを備える。第1の駆動回路40bは、第1のIGBT11bおよび第2のIGBT12bを駆動する。第2の駆動回路42bは、第3のIGBT13bおよび第4のIGBT14bを駆動する。
【0051】
電力変換装置の第2のサブモジュール101bは、さらに、ラミネートブスバー22bを備える。ラミネートブスバー22bは、第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、および第4のIGBT14bを搭載する。
【0052】
電力変換装置の第2のサブモジュール101bは、さらに、第1の支持板25b、第2の支持板26b、第1の基板23b、および第2の基板24bを備える。第1の基板23bは、第1の駆動回路40bを搭載する。第2の基板24bは、第2の駆動回路42bを搭載する。第1の支持板25bは、第1の基板23bを支持する。第2の支持板26bは、第2の基板24bを支持する。
【0053】
電力変換装置の第2のサブモジュール101bは、さらに、冷却フィン21bと、収容フレーム55bと、分離フレーム52bとを備える。
【0054】
収容フレーム55bは、直方体の枠状に形成された枠体である。
収容フレーム55bは、冷却フィン21b、第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、第4のIGBT14b、第1の駆動回路40b、第2の駆動回路42b、ラミネートブスバー22b、第1の支持板25b、第2の支持板26b、第1の基板23b、および第2の基板24bを収容する。
【0055】
冷却フィン21bは、冷却フィン21bの深さ方向が、収容フレーム55bのある対向する第1の面71bおよび第2の面72bに垂直となるように配置される。冷却フィン21bは、第2の面72bに近い位置に配置される。
【0056】
収容フレーム55bの内部空間において、冷却フィン21bに最も近い位置に、第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、および第4のIGBT14bが配置される。収容フレーム55aの内部空間において、冷却フィン21bに次に近い位置に、ラミネートブスバー22bが配置される。収容フレーム55bの内部空間において、冷却フィン21bに、さらに次に近い位置に、第1の支持板25bおよび第2の支持板26bが配置される。収容フレーム55bの内部空間において、冷却フィン21bに、さらに次に近い位置に、第1の基板23bおよび第2の基板24bが配置される。収容フレーム55bの内部空間において、冷却フィン21bに、さらに次に近い位置に、第1の駆動回路40bおよび第2の駆動回路42bが配置される。
【0057】
収容フレーム55bの内部空間に空気が流入および流出するために、第1の面71bに2つの開口部L1b,L2bが形成されている。
【0058】
以上のように構成された第2のサブモジュール101bは、以下のような問題を有する。第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、第4のIGBT14b、およびラミネートブスバー22bと、第1の基板23bおよび第2の基板24bとが同一の連続した空間に配置されている。よって、第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、第4のIGBT14b、およびラミネートブスバー22bの発する熱によって、第1の基板23bおよび第2の基板24bが加熱される。
【0059】
(実施の形態1の電力変換装置のサブモジュール)
図4は、実施の形態1の電力変換装置の第1のサブモジュール201aおよび第2のサブモジュール201bの断面図である。
【0060】
実施の形態1では、参考例と同様に、2つのサブモジュールが1セットを構成し、2つのサブモジュールが隣接した位置に配置される。
【0061】
電力変換装置の第1のサブモジュール201aは、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、および第4のIGBT14aを備える。
【0062】
電力変換装置の第1のサブモジュール201aは、さらに、第1の駆動回路40a、および第2の駆動回路42aを備える。第1の駆動回路40aは、第1のIGBT11aおよび第2のIGBT12aを駆動する。第2の駆動回路42aは、第3のIGBT13aおよび第4のIGBT14aを駆動する。
【0063】
電力変換装置の第1のサブモジュール201aは、さらに、ラミネートブスバー22aを備える。ラミネートブスバー22aは、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、および第4のIGBT14aを搭載する。
【0064】
電力変換装置の第1のサブモジュール201aは、さらに、第1の基板23a、および第2の基板24aを備える。第1の基板23aは、第1の駆動回路40aを搭載する。第2の基板24aは、第2の駆動回路42aを搭載する。
【0065】
電力変換装置の第1のサブモジュール201aは、さらに、冷却フィン21aと、収容フレーム55aと、分離フレーム52aとを備える。
【0066】
収容フレーム55aは、直方体の枠状に形成された枠体である。
収容フレーム55aは、冷却フィン21a、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、第1の駆動回路40a、第2の駆動回路42a、ラミネートブスバー22a、第1の基板23a、および第2の基板24aを収容する。
【0067】
冷却フィン21aは、冷却フィン21aの深さ方向が、収容フレーム55aの対向する第1の面71aおよび第2の面72aに垂直となるように配置される。冷却フィン21aは、第2の面72aに近い位置に配置される。
【0068】
収容フレーム55aの内部空間において、冷却フィン21aに最も近い位置に、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、および第4のIGBT14aが第1の面71aおよび第2の面72aに平行に配置される。収容フレーム55aの内部空間において、冷却フィン21aに次に近い位置に、ラミネートブスバー22aが第1の面71aおよび第2の面72aに平行に配置される。収容フレーム55aの内部空間において、冷却フィン21aに、さらに次に近い位置に、第1の基板23aおよび第2の基板24aが第1の面71aおよび第2の面72aに平行に配置される。収容フレーム55aの内部空間において、冷却フィン21aに、さらに次に近い位置に、第1の駆動回路40aおよび第2の駆動回路42aが第1の面71aおよび第2の面72aに平行に配置される。
【0069】
分離フレーム52aが、収容フレーム55aの内部空間を、第1の駆動回路40a、第2の駆動回路42a、第1の基板23a、および第2の基板24aが配置される第1の領域81aと、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、およびラミネートブスバー22aが配置される第2の領域82aとに分離する。
【0070】
分離フレーム52aと、第3の面73aおよび第4の面74aとが接合する。分離フレーム52aと第1の面71aと第3の面73aと第4の面74aとによって囲まれる領域が第1の領域81aとなる。分離フレーム52aと第2の面72aと第3の面73aと第4の面74aとによって囲まれる領域が第2の領域82aとなる。
【0071】
第1の領域81aに空気が流入および流出するために、第1の面71aに2つの開口部L1a,L2aが形成されている。第2の領域82aに空気が流入および流出するために、第4の面74aに開口部L3aが形成され、第3の面73aに開口部L4aが形成されている。
【0072】
以上のように構成された第1のサブモジュール201aは、以下のような利点を有する。第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、およびラミネートブスバー22aが配置される第2の領域82aと、第1の基板23aおよび第2の基板24aが配置される第1の領域81aとが、分離フレーム52aによって分離される。よって、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、およびラミネートブスバー22aの発する熱によって、第1の基板23aおよび第2の基板24aが加熱されるのを抑制することができる。
【0073】
電力変換装置の第2のサブモジュール201bは、第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、および第4のIGBT14bを備える。
【0074】
電力変換装置の第2のサブモジュール201bは、さらに、第1の駆動回路40b、および第2の駆動回路42bを備える。第1の駆動回路40bは、第1のIGBT11bおよび第2のIGBT12bを駆動する。第2の駆動回路42bは、第3のIGBT13bおよび第4のIGBT14bを駆動する。
【0075】
電力変換装置の第2のサブモジュール201bは、さらに、ラミネートブスバー22bを備える。ラミネートブスバー22bは、第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、および第4のIGBT14bを搭載する。
【0076】
電力変換装置の第2のサブモジュール201bは、さらに、第1の基板23b、および第2の基板24bを備える。第1の基板23bは、第1の駆動回路40bを搭載する。第2の基板24bは、第2の駆動回路42bを搭載する。
【0077】
電力変換装置の第2のサブモジュール201bは、さらに、冷却フィン21bと、収容フレーム55bと、分離フレーム52bとを備える。
【0078】
収容フレーム55bは、直方体の枠状に形成された枠体である。
収容フレーム55bは、冷却フィン21b、第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、第4のIGBT14b、第1の駆動回路40b、第2の駆動回路42b、ラミネートブスバー22b、第1の基板23b、および第2の基板24bを収容する。
【0079】
冷却フィン21bは、冷却フィン21bの深さ方向が、収容フレーム55bのある対向する第1の面71bおよび第2の面72bに垂直となるように配置される。冷却フィン21bは、第2の面72bに近い位置に配置される。収容フレーム55bの第2の面72bは、収容フレーム55aの第2の面72aとが重なっている。第2の面72aと第2の面72bは、共通であってもよい。
【0080】
収容フレーム55bの内部空間において、冷却フィン21bに最も近い位置に、第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、および第4のIGBT14bが第1の面71bおよび第2の面72bに平行に配置される。収容フレーム55aの内部空間において、冷却フィン21bに次に近い位置に、ラミネートブスバー22bが第1の面71bおよび第2の面72bに平行に配置される。収容フレーム55bの内部空間において、冷却フィン21bに、さらに次に近い位置に、第1の基板23bおよび第2の基板24bが第1の面71bおよび第2の面72bに平行に配置される。収容フレーム55bの内部空間において、冷却フィン21bに、さらに次に近い位置に、第1の駆動回路40bおよび第2の駆動回路42bが第1の面71bおよび第2の面72bに平行に配置される。
【0081】
分離フレーム52bが、収容フレーム55bの内部空間を、第1の駆動回路40b、第2の駆動回路42b、第1の基板23b、および第2の基板24bが配置される第1の領域81bと、第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、第4のIGBT14b、およびラミネートブスバー22bが配置される第2の領域82bとに分離する。
【0082】
分離フレーム52bと、第3の面73bおよび第4の面74bとが接合する。分離フレーム52bと第1の面71bと第3の面73bと第4の面74bとによって囲まれる領域が第1の領域81bとなる。分離フレーム52bと第2の面72bと第3の面73bと第4の面74bとによって囲まれる領域が第2の領域82bとなる。
【0083】
第1の領域81bに空気が流入および流出するために、第1の面71bに2つの開口部L1b,L2bが形成されている。第2の領域82bに空気が流入および流出するために、第4の面74bに開口部L3bが形成され、第3の面73bに開口部L4bが形成されている。
【0084】
以上のように構成された第2のサブモジュール201bは、以下のような利点を有する。第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、第4のIGBT14b、およびラミネートブスバー22bが配置される第2の領域82bと、第1の基板23bおよび第2の基板24bが配置される第1の領域81bとが、分離フレーム52bによって分離される。よって、第1のIGBT11b、第2のIGBT12b、第3のIGBT13b、第4のIGBT14b、およびラミネートブスバー22bの発する熱によって、第1の基板23bおよび第2の基板24bが加熱されるのを抑制することができる。
【0085】
実施の形態2.
(実施の形態2の電力変換装置のサブモジュール)
図5は、実施の形態2の電力変換装置のサブモジュール301の断面図である。
【0086】
電力変換装置のサブモジュール301は、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、第5のIGBT11b、第6のIGBT12b、第7のIGBT13b、および第8のIGBT14bを備える。
【0087】
サブモジュール301は、さらに、第1の駆動回路40a、第2の駆動回路42a、第3の駆動回路40b、および第4の駆動回路42bを備える。第1の駆動回路40aは、第1のIGBT11aおよび第2のIGBT12aを駆動する。第2の駆動回路42aは、第3のIGBT13aおよび第4のIGBT14aを駆動する。第3の駆動回路40bは、第5のIGBT11bおよび第6のIGBT12bを駆動する。第4の駆動回路42bは、第7のIGBT13bおよび第8のIGBT14bを駆動する。
【0088】
電力変換装置のサブモジュール301は、さらに、第1のラミネートブスバー22a、および第2のラミネートブスバー22bを備える。第1のラミネートブスバー22aは、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、および第4のIGBT14aを搭載する。第2のラミネートブスバー22bは、第5のIGBT11b、第6のIGBT12b、第7のIGBT13b、および第8のIGBT14bを搭載する。
【0089】
電力変換装置のサブモジュール301は、さらに、第1の基板23a、第2の基板24a、第3の基板23b、および第4の基板24bを備える。第1の基板23aは、第1の駆動回路40aを搭載する。第2の基板24aは、第2の駆動回路42aを搭載する。第3の基板23bは、第3の駆動回路40bを搭載する。第4の基板24bは、第4の駆動回路42bを搭載する。
【0090】
電力変換装置のサブモジュール301は、さらに、冷却フィン21と、収容フレーム55と、第1の分離フレーム52aと、第2の分離フレーム52bとを備える。
【0091】
収容フレーム55は、冷却フィン21、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、第5のIGBT11b、第6のIGBT12b、第7のIGBT13b、第8のIGBT14b、第1の駆動回路40a、第2の駆動回路42a、第3の駆動回路40b、第4の駆動回路42b、第1のラミネートブスバー22a、第2のラミネートブスバー22b、第1の基板23a、第2の基板24a、第3の基板23b、および第4の基板24bを収容する。
【0092】
収容フレーム55は、直方体の枠状に形成された枠体である。冷却フィン21は、収容フレーム55の中央に位置する。すなわち、冷却フィン21と第1の面71との距離、および冷却フィン21と第2の面72との距離が等しい。冷却フィン21は、冷却フィン21の深さ方向が、収容フレーム55の対向する第1の面71および第2の面72に垂直となるように配置される。
【0093】
収容フレーム55の内部は、冷却フィン21によって、第1の空間と第2の空間に分離される。
【0094】
第1の空間において、冷却フィン21に最も近い位置に、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、および第4のIGBT14aが第1の面71および第2の面72に平行に配置される。第1の空間において、冷却フィン21に次に近い位置に、第1のラミネートブスバー22aが第1の面71および第2の面72に平行に配置される。第1の空間において、冷却フィン21に、さらに次に近い位置に、第1の基板23aおよび第2の基板24aが第1の面71および第2の面72に平行に配置される。第1の空間において、冷却フィン21に、さらに次に近い位置に、第1の駆動回路40aおよび第2の駆動回路42aが第1の面71および第2の面72に平行に配置される。
【0095】
第2の空間において、冷却フィン21に最も近い位置に、第5のIGBT11b、第6のIGBT12b、第7のIGBT13b、および第8のIGBT14bが第1の面71および第2の面72に平行に配置される。第2の空間において、冷却フィン21に次に近い位置に、第2のラミネートブスバー22bが第1の面71および第2の面72に平行に配置される。第2の空間において、冷却フィン21に、さらに次に近い位置に、第3の基板23bおよび第4の基板24bが第1の面71および第2の面72に平行に配置される。第2の空間において、冷却フィン21に、さらに次に近い位置に、第3の駆動回路40bおよび第4の駆動回路42bが第1の面71および第2の面72に平行に配置される。
【0096】
第1の分離フレーム52aが、第1の空間を、第1の駆動回路40a、第2の駆動回路42a、第1の基板23a、および第2の基板24aが配置される第1の領域81aと、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、および第1のラミネートブスバー22aが配置される第2の領域82aとに分離する。
【0097】
第2の分離フレーム52bが、第2の空間を、第3の駆動回路40b、第4の駆動回路42b、第3の基板23b、および第4の基板24bが配置される第3の領域81bと、第5のIGBT11b、第6のIGBT12b、第7のIGBT13b、第8のIGBT14b、および第2のラミネートブスバー22bが配置される第4の領域82bとに分離する。
【0098】
第1の分離フレーム52aと第1の面71とが接合する。第1の分離フレーム52aと第1の面71によって囲まれる領域が第1の領域81aとなる。第2の分離フレーム52bと第2の面72とが接合する。第2の分離フレーム52bと第2の面72とによって囲まれる領域が第3の領域81bとなる。
【0099】
第1の領域81aに空気が流入および流出するために、第1の面71に2つの開口部R3a,R4aが形成されている。第3の領域81bに空気が流入および流出するために、第2の面72に2つの開口部R3b,R4bが形成されている。
【0100】
第2の領域82aに空気が流入および流出するために、第1の面71に2つの開口部R2a,R5aが形成されている。第4の領域82bに空気が流入および流出するために、第2の面72に2つの開口部R2b,R5bが形成されている。
【0101】
第2の領域82aに空気が流入および流出するために、さらに、収容フレーム55の第3の面73に開口部R1aが形成されている。第4の領域82bに空気が流入および流出するために、さらに、収容フレーム55の第3の面73に開口部R1bが形成されている。
【0102】
以上のように構成された第2の実施形態の電力変換装置のサブモジュール301は、以下のような利点を有する。第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、および第1のラミネートブスバー22aが配置される第2の領域82aと、第1の基板23aおよび第2の基板24aが配置される第1の領域81aとが、第1の分離フレーム52aによって分離される。よって、第1のIGBT11a、第2のIGBT12a、第3のIGBT13a、第4のIGBT14a、および第1のラミネートブスバー22aの発する熱によって、第1の基板23aおよび第2の基板24aが加熱されるのを抑制することができる。第5のIGBT11b、第6のIGBT12b、第7のIGBT13b、第8のIGBT14b、および第2のラミネートブスバー22bが配置される第4の領域82bと、第3の基板23bおよび第4の基板24bが配置される第3の領域81bとが、第2の分離フレーム52bによって分離される。よって、第5のIGBT11b、第6のIGBT12b、第7のIGBT13b、第8のIGBT14b、および第2のラミネートブスバー22bの発する熱によって、第3の基板23bおよび第4の基板24bが加熱されるのを抑制することができる。
【0103】
さらに、第2の実施形態の電力変換装置のサブモジュール301は、以下のような利点を有する。
【0104】
図6は、電力変換装置100の全体の構造を表わす図である。
電力変換装置100の内部に、複数のサブモジュール301を配置される。各サブモジュール301を支持するために支持板200が設けられる。
【0105】
実施の形態1のサブモジュール101a,101bでは、支持板200と接触する第4の面74a,74bに開口部L3a,L3bが設けられているので、空気の流入または流出が阻害される。
【0106】
実施の形態2のサブモジュール301では、支持板200と接触する第4の面74には、開口部が設けられていないので、空気の流入または流出が阻害されることがない。
【0107】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0108】
1 電力系統、1u,1v,1w 送電線、2,3 変圧器、4 制御装置、5 単位変換器、5a 第1端子、5b 第2端子、15 第1のコンデンサ、18 励磁コイル、21,21a,21b 冷却フィン、22a,22b ラミネートブスバー、23a,23b,24a,24b 基板、25a,25b,26a,26b,200 支持板、30 主回路、32 制御回路、40,42,40a,40b,42a,42b 駆動回路、44 スイッチ操作回路、50 電源、52a,52b 分離フレーム、55,55a,55b 収容フレーム、71,71a,71b,72,72a,72b,73,73a,73b,74,74a,74b 面、80 限流抵抗回路、81a,81b,82a,82b 領域、100 電力変換装置、101a,101b,201a,201b,301 サブモジュール、501,502 入力端子、A1,A2,A3 アーム、C1,C3 変流器、D1,D4 ダイオード、L1,L2,L3 リアクトル、L1b,L1a,L2a,L2b,L3b,L3a,L4a,L4b,R1a,R1b,R2a,R2b,R3a,R3b,R4b,R4a,R5a,R5b 開口部、NL,PL 直流ライン、R1,R3 限流抵抗器、S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7 スイッチ、UL,VL,WL 交流ライン。
【要約】
電力変換装置のサブモジュールは、IGBT(11a~14a,11b~14b)と、IGBT(11a~14a,11b~14b)を駆動する駆動回路(40a,42a,40b,42b)と、IGBT(11a~14a,11b~14b)を搭載するラミネートブスバー(22a,22b)と、駆動回路(40a,42a,40b,42b)を搭載する基板(23a,24a,23b,24b)と、IGBT(11a~14a,11b~14b)と、駆動回路(40a,42a,40b,42b)と、ラミネートブスバー(22a,22b)と、基板(23a,24a,23b,24b)を収容するための収容フレーム(55)と、駆動回路(40a,42a,40b,42b)および基板(23a,24a,23b,24b)が配置される空間と、IGBT(11a~14a,11b~14b)およびラミネートブスバー(22a,22b)が配置される空間とを分離するための分離フレーム(52a,52b)とを備える。