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特許7303462コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/58 20140101AFI20230628BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20230628BHJP
【FI】
A63F13/58
A63F13/79
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022007623
(22)【出願日】2022-01-21
(62)【分割の表示】P 2019146702の分割
【原出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2022040385
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-076312(JP,A)
【文献】特開2015-003080(JP,A)
【文献】特開2018-192228(JP,A)
【文献】特開2020-194316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行させるゲーム実行手段、
上限値が定められているパラメータであって、前記ゲームを実行するために消費されるとともに所定量の消費ごとにその回復に所定時間の経過を要するパラメータを管理するパラメータ管理手段、および
前記ユーザの前記ゲームのプレイ履歴に基づいて、前記パラメータを回復させる速度を変更する日にち、および、前記パラメータを回復させる速度を変更する時間帯の少なくともいずれか一方である変更日時を自動で設定する回復速度変更手段、
として機能させる、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラムおよびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンなどの端末装置でプレイされ、プレイされるたびにゲーム上のコストであるスタミナが消費されるゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、このようなゲームにおいては、ユーザは、スタミナを消費することでゲームをプレイすることができる。また、時間の経過によって、あるいは、ユーザが所定のゲームアイテムを使用することによって、スタミナを回復させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-018689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のゲームにおいてはスタミナには上限値があり、ユーザがゲームをプレイすることができない時間が長い場合には、スタミナが上限値に到達した状態が長時間継続してしまうことがあった。そのため、ユーザによってはゲームをプレイすることができない時間だけ損をしていると感じてしまう場合があった。
【0006】
本発明の目的は、ユーザが自身のプレイスタイルに応じてスタミナの回復速度を変更することのできるコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行させるゲーム実行手段、
上限値が定められているパラメータであって、前記ゲームを実行するために消費されるとともに所定量の消費ごとにその回復に所定時間の経過を要するパラメータを管理するパラメータ管理手段、および
前記ユーザの操作に基づいて、前記パラメータを回復させる速度を変更する日にち、および、前記パラメータを回復させる速度を変更する時間帯の少なくともいずれか一方である変更日時を設定する回復速度変更手段、
として機能させる、
コンピュータプログラムである。
【0008】
また、第1の発明において、
前記変更日時は、前記ユーザの操作に基づいて、あらかじめ設定されている複数のモードのうちから1つのモードが選択されることによって設定されてもよい。
【0009】
また、第1の発明において、
前記回復速度変更手段は、前記ユーザの前記ゲームのプレイ履歴に基づいて、お勧めの前記モードを前記ユーザに示唆あるいは提示するための情報を生成されてもよい。
【0010】
また、第1の発明において、
前記変更日時は、前記パラメータを回復させる速度を速くする日時であり、
前記変更日時以外の日時は、前記パラメータを回復させる速度を遅くする日時であってもよい。
【0011】
第2の発明は、第1の発明のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、を備える、
コンピュータ装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザが自身のプレイスタイルに応じてスタミナの回復速度を変更することのできるコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態における、ゲームシステムの構成を示す図である。
図2】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図3】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図4】本実施形態における、スタミナ回復速度変更処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態]
本発明の実施形態にかかるゲームシステム1について、図1図4を参照して説明する。ゲームシステム1は、図1のとおり、サーバ装置2とゲーム装置3とを備える。
【0015】
<ゲームの説明>
サーバ装置2により、ゲーム装置3で実行される下記のゲームが提供される。具体的には、ゲーム装置3では、ユーザがタッチパッド350を介して仮想ゲーム空間上のプレイヤキャラクタを操作して進行する複数のイベント(以下、「クエスト」という。)を備える所定のゲームが実行される。
【0016】
本実施形態において、ゲーム装置3にて実行されるゲームには、図2のとおり、ユーザの操作に基づいて使用キャラクタとして設定されるとともにユーザが操作するプレイヤキャラクタが敵キャラクタであるモンスターを討伐するクエストパートがある。例えば、ゲーム中の1つのクエストでは、制限時間内にプレイヤキャラクタがモンスターを討伐すればそのクエストのクリア条件が満たされる。このクエストは、ユーザがタッチパッド350を操作することで進行する。
【0017】
また、このゲームには、前記クエストパートのほか、媒体抽選(ガチャ)パートがある。このガチャパートでは、複数種類のゲーム媒体のうちからいずれかのゲーム媒体が選択される。具体的には、ガチャパートでは、ユーザがゲームを有利に進めることができるよう、より強力な装備、あるいは、より能力値の高いキャラクタなどのゲーム媒体に関する情報とユーザの識別情報とを関連づけるためのガチャが実行される。
【0018】
ユーザは、ガチャパートで得られたキャラクタ等を使用キャラクタ等に設定することができる。
【0019】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、サーバ装置2のハードウェア構成および機能的構成、ならびに前記ゲームが実行されるゲーム装置3のハードウェア構成および機能的構成について説明する。
【0020】
なお、ゲーム装置3には、そのゲーム装置3に対応づけてユーザアカウントが付与される。このユーザアカウントはユーザアカウント情報(ユーザの識別情報)として管理される。
【0021】
ゲーム装置3が通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信を行う場合には、そのゲーム装置3からユーザの識別情報が送信される。送信されたユーザの識別情報は、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2とゲーム装置3との通信が可能となる。
【0022】
また、ユーザには、ゲームをプレイするにあたってゲームアカウントが付与される。ゲームアカウントは、ゲームアカウント情報として管理される。
【0023】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
サーバ装置2は、図1のとおり、制御部20、記憶部21、およびネットワークインターフェース22を備える。
【0024】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス200を介してサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0025】
制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。
【0026】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される。
【0027】
記憶部21には、例えば、ゲーム装置3にてプレイされるゲームを実行するためのゲームプログラムを配信するための配信プログラムおよびデータが記憶される。
【0028】
ネットワークインターフェース22は、サーバ装置2とゲーム装置3との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。
【0029】
<サーバ装置2の制御部20の機能的構成>
サーバ装置2の制御部20は、図1のとおり、本発明のコンピュータプログラムを実行することにより、照合手段201、ゲーム進行管理手段202、および通信手段203として機能する。
【0030】
<照合手段201の説明>
照合手段201は、ゲーム装置3から送信されるユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0031】
<ゲーム進行管理手段202の説明>
ゲーム進行管理手段202は、後述のイベント開始要求情報を受信して、クエストを開始する。
【0032】
また、ゲーム進行管理手段202は、ゲーム装置3のユーザからの操作信号を受信して、ゲームの本編(クエスト)の進行状況を管理する。
【0033】
ゲーム進行管理手段202は、図2のとおり複数のクエストをユーザに提供する。
【0034】
そして、ゲーム進行管理手段202は、後述のパラメータ管理手段303からクエストの実行に必要なスタミナ量が消費された旨の情報を受信したのちに、選択されたクエストを開始する。
【0035】
各クエストには、クエストの難易度、クエストの内容、およびクエストのクリア報酬の設定がなされている。
【0036】
また、ゲーム進行管理手段202は、例えば、クエストが実行される仮想ゲーム空間でキャラクタを動作させたり、キャラクタの体力値を管理したりする。
【0037】
また、ゲーム進行管理手段202は、後述の通信手段203を介してクエストの進行状況をゲーム装置3へ送信する。
【0038】
<通信手段203の説明>
通信手段203は、ゲーム装置3との間で、ユーザの識別情報、ゲームプログラム、ゲームアカウント情報、および課金アイテムなどのゲームデータなどを送受信する。
【0039】
また、通信手段203は、ユーザによる操作信号、およびイベント開始要求情報などをゲーム装置3から受信する。通信手段203が受信したイベント開始要求情報はゲーム進行管理手段202へ送信される。
【0040】
また、通信手段203は、クエストの進行状況に関する情報、および示唆画面に関する情報などをゲーム装置3へ送信する。
【0041】
<ゲーム装置3のハードウェア構成>
ゲーム装置3は、図1のとおり、スピーカ330、液晶画面340、およびタッチパッド350が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このゲーム装置3において、サーバ装置2から配信されたゲームに関するゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0042】
また、ゲーム装置3は、サーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク4を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0043】
ゲーム装置3は、制御部30、記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35を備える。
【0044】
記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35は、バス300を介して、制御部30に接続される。
【0045】
制御部30は、ゲーム装置3の動作を制御する。
【0046】
記憶部31は、主にHDD、RAMおよびROMで構成される。記憶部31には、例えば、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0047】
ネットワークインターフェース32は、ゲーム装置3とサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。これにより、ゲーム装置3にゲームプログラムおよびゲームデータがダウンロードされる。
【0048】
オーディオ処理部33は、制御部30の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部33には、スピーカ330が接続される。ゲーム音声は、スピーカ330から出力される。
【0049】
グラフィック処理部34は、制御部30の指示に従って仮想ゲーム空間およびプレイヤキャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部34にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面340に表示される。
【0050】
操作部35には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部35には、入力位置検出装置であるタッチパッド350を介してユーザからの操作信号が入力される。ユーザはタッチパッド350をタッチすることによって、キャラクタの選択、クエストの選択、あるいは、プレイヤキャラクタの操作等を行う。
【0051】
<ゲーム装置3の制御部30の機能的構成>
ゲーム装置3の制御部30は、サーバ装置2からダウンロードされたゲームプログラムを実行することで、図1のとおり、ゲーム実行手段301、回復速度変更手段302、パラメータ管理手段303、および通信手段304として機能する。
【0052】
<ゲーム実行手段301の説明>
ゲーム実行手段301は、ユーザによるタッチパッド350の操作に基づいて、クエストパートおよびガチャパートを備えるゲームをゲーム装置3に実行させる。
【0053】
ゲーム実行手段301は、ユーザの操作およびサーバ装置2のゲーム進行管理手段202から送信される情報などに基づいてゲームを進行させる。
【0054】
具体的には、ゲーム実行手段301は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部31から読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0055】
また、ゲーム実行手段301は、仮想ゲーム空間にプレイヤキャラクタを配置する。そして、ゲーム実行手段301は、ユーザによるタッチパッド350の操作、および、ゲーム進行管理手段202から送信されるゲームの進行状況に応じて、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0056】
また、ゲーム実行手段301は、仮想ゲーム空間、プレイヤキャラクタ、および仮想操作ボタンをゲーム画面として液晶画面340に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部34が液晶画面340上にゲーム画像を描画する。
【0057】
例えば、液晶画面340には、図2のとおり、画面上部から「ユーザランク」、「スタミナ」(スタミナの残量)、「石」(石の所有数)などが表示される。なお、このアイテム(石)は、ユーザが購入することにより、または、ログインボーナスなどにより、ユーザに付与される。
【0058】
また、ゲーム実行手段301は、ユーザの操作に基づいて、クエストの開始を要求するためのイベント開始要求情報を生成する。このイベント開始要求情報は、通信手段304を介してゲーム進行管理手段202へ送信される。
【0059】
<回復速度変更手段302の説明>
回復速度変更手段302は、ユーザの操作に基づいて、後述のスタミナを回復させる速度を変更する日にち、および、スタミナを回復させる速度を変更する時間帯の少なくともいずれか一方である変更日時を設定する。この変更日時を設定するための情報は、後述のパラメータ管理手段303へ送信される。
【0060】
本実施形態において、変更日時は、ユーザの操作に基づいて、あらかじめ設定されている複数のモードのうちから1つのモードが選択されることによって設定される。
【0061】
具体的には、例えば、モードには、図3のとおり、放課後である午後4時以降から午前2時までのスタミナ回復速度が速くなる学生モード、土曜日および日曜日のスタミナ回復速度が速くなる社会人モード、午前9時から午後2時までのスタミナ回復速度が速くなる主婦モードなどがある。なお、本実施形態のモードにおいて、スタミナ回復速度が速くなる変更日時以外は、スタミナ回復速度が遅くなる日時である。
【0062】
ユーザは、複数のモードのうちから1つのモードを選択することができる。回復速度変更手段302は、ユーザの操作に基づいて選択されたモードを選択モードに設定する。図3の例では、学生モードが選択されている。
【0063】
<パラメータ管理手段303の説明>
パラメータ管理手段303は、上限値(例えば、100)が定められているパラメータであって、ゲームを実行するために消費されるとともに所定量の消費ごとにその回復に所定時間の経過を要するスタミナを管理する。
【0064】
具体的には、パラメータ管理手段303は、ユーザがゲームをプレイする際に1つのクエストを選択した場合には、そのクエストを実行するために必要なスタミナを減少させる。
【0065】
例えば、図2のとおり、ユーザが「モンスターT討伐」のクエストを選択した場合には、スタミナは30消費される。
【0066】
パラメータ管理手段303は、ユーザのスタミナの残量(図2の例では、70)が、クエストの実行に必要なスタミナ量を超えているかを判断する。そして、ユーザのスタミナの残量がクエストの実行に必要なスタミナ量を超えていると判断された場合には、パラメータ管理手段303は、クエストの実行に必要な量のスタミナを消費させる。
【0067】
ついで、パラメータ管理手段303は、クエストの実行に必要な量のスタミナが消費された旨の情報を、通信手段304を介してサーバ装置2のゲーム進行管理手段202へ送信する。これにより、ゲーム装置3にてクエストが開始される。
【0068】
また、パラメータ管理手段303は、スタミナが消費されている場合(スタミナが上限値に到達していない場合)には、所定時間の経過に伴って所定量のスタミナを回復させる。スタミナを回復させる速度(以下、「スタミナ回復速度」という。)が変更されていない場合(後述のモードが選択されていない通常時)には、消費されているスタミナが1回復するには、例えば、3分かかる。
【0069】
図2の例では、スタミナの上限値が100であり、30のスタミナが消費されている(スタミナの残量が70である)。そのため、スタミナが所定時間の経過によって上限値に回復するまで、90分(=3分×30スタミナ)かかる。
【0070】
パラメータ管理手段303は、回復速度変更手段302から、スタミナ回復速度を速くする変更日時を設定するための情報を受信する。
【0071】
本実施形態では、通常時のスタミナ回復速度は、前述のとおり、スタミナが1回復するために3分かかる速度である。
【0072】
一方、スタミナ回復速度が速くなる場合には、スタミナが1回復するために1分かかる。すなわち、スタミナ回復速度が速くなっている場合のスタミナ回復速度は、通常時のスタミナ回復速度の3倍である。
【0073】
また、スタミナ回復速度が遅くなる場合には、スタミナが1回復するために9分かかる。すなわち、スタミナ回復速度が遅くなっている場合のスタミナ回復速度は、通常時のスタミナ回復速度の1/3倍である。
【0074】
したがって、ユーザが例えば学生モードを選択した場合には、午前2時から午後4時まではスタミナが1回復するために9分かかり、午後4時から午前2時まではスタミナが1回復するために1分かかる。
【0075】
また、パラメータ管理手段303は、現在の日時を管理している。そして、現在の日時が、ユーザが選択したモードにおける、スタミナ回復速度が速くなる変更日時に該当しているか否かを判定する。
【0076】
<通信手段304の説明>
通信手段304は、例えば、サーバ装置2からゲームに関するゲームプログラム、イベントの進行状況に関する情報などを受信する。
【0077】
また、通信手段304は、例えば、ユーザの識別情報、ゲームアカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ユーザによる操作信号、イベント開始要求情報などの情報をサーバ装置3へ送信する。
【0078】
<スタミナ回復速度変更処理の説明>
以下、図4を参照して、本発明のスタミナ回復速度変更処理について説明する。なお、後述の制御手段および処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0079】
まず、回復速度変更手段302が、ユーザの操作に基づいて、スタミナ回復速度のモード選択がなされているか否かを判定する(ステップS1)。
【0080】
スタミナ回復速度のモード選択がなされていないと判定された場合(S1:NO)には、パラメータ管理手段303は、3分でスタミナを1回復させるための処理を実行する(ステップS4)。
【0081】
一方、スタミナ回復速度のモード選択がなされていると判定された場合(S1:YES)には、パラメータ管理手段303が、現在の日時が、ユーザが選択したモードにおける、スタミナ回復速度が速くなる変更日時に該当しているか否かを判定する(ステップS2)。
【0082】
現在の日時が、ユーザが選択したモードにおける変更日時に該当していると判定された場合(S2:YES)には、パラメータ管理手段303は、1分でスタミナを1回復させるための処理を実行する(ステップS3)。
【0083】
一方、現在の日時が、ユーザが選択したモードにおける変更日時に該当していないと判定された場合(S2:NO)には、パラメータ管理手段303は、9分でスタミナを1回復させるための処理を実行する。その後、本発明のスタミナ回復速度変更処理は終了する。
以上の手順により、本発明のスタミナ回復速度変更処理が実行される。
【0084】
以上をまとめると、本実施形態のコンピュータプログラムは、
ユーザの操作を受けつける操作部35を備えるゲーム装置3を、
ユーザの操作に基づいて所定のゲームをゲーム装置3にて実行させるゲーム実行手段301、
上限値が定められているパラメータであって、ゲームを実行するために消費されるとともに所定量の消費ごとにその回復に所定時間の経過を要するスタミナを管理するパラメータ管理手段303、および
ユーザの操作に基づいて、スタミナ回復速度を速くする日にち、および、スタミナ回復速度を速くする時間帯の少なくともいずれか一方である変更日時を設定する回復速度変更手段302、
として機能させる。
【0085】
<発明の効果>
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、ユーザが自身のプレイスタイルに応じてスタミナの回復速度を変更することのできるコンピュータプログラムを提供することができる。
【0086】
[他の実施形態]
前記実施形態では、スタミナ回復速度が速くなる変更日時を設定することができたが、パラメータ管理手段は、スタミナ回復速度が遅くなる変更日時を受けつけてもよい。この場合には、スタミナ回復速度が遅くなる変更日時以外の日時のスタミナ回復速度が速くなればよい。
【0087】
また、前記実施形態では、なんらの条件なくユーザによるスタミナ回復速度の変更操作を受けつける例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、所定のゲーム条件が満たされた場合(例えば、ユーザのログイン回数が所定回数以上となった場合、所定のクエストをクリアした場合、所定のアイテムを消費した場合)に、回復速度変更手段は、ユーザによるスタミナ回復速度の変更操作を受けつけてもよい。
【0088】
また、前記実施形態とは異なり、例えば、午後3時から午後9時まで(6時間)のスタミナ回復速度が通常時の3倍になった場合には、残りの18時間のスタミナ回復速度が通常時の1/3倍となり、午後3時から午前3時まで(12時間)のスタミナ回復速度が通常時の3倍になった場合に、残りの12時間のスタミナ回復速度が通常時の1/6倍となるなど、スタミナ回復速度が速くなっている時間の長さによって、スタミナ回復速度が遅くなる場合の回復速度が変化してもよい。
【0089】
また、スタミナ回復速度が速くなっているときに、スタミナを即座に回復させる所定の条件が満たされた場合(例えば、スタミナの回復アイテムが用いられた場合、ユーザが課金を行った場合、ユーザランクが上がるなどの所定のゲーム条件が満たされた場合、ユーザがフレンドユーザからスタミナの提供を受けた場合)には、回復の効力が増幅してもよい。例えば、通常時にスタミナ回復アイテムを用いた場合にはスタミナが20回復するのに対し、スタミナ回復速度が速くなっているときにスタミナ回復アイテムを用いた場合にはスタミナが40回復してもよい。
【0090】
また、前記実施形態とは異なり、ユーザの操作に基づいて、スタミナ回復速度を設定することができてもよい。例えば、ユーザが、午後10時から午前0までのスタミナ回復速度を通常時の2倍、午前0時から午前2時までのスタミナ回復速度を通常時の3倍など、任意に設定することができてもよい。
【0091】
さらに、例えば、午前10時から午後4時までのスタミナ回復速度が通常時の1/2倍、午後4時から午前0時までのスタミナ回復速度が通常時の2倍、午前0時から午前10時までのスタミナ回復速度が通常時の1/3倍など、ユーザが任意に設定することができてもよい。
【0092】
前記実施形態では、スタミナの回復速度が速い場合には、スタミナが1回復するために1分かかる例が記載されているが、本発明はこれには限られない。スタミナ回復速度が速い場合には、3分経過するごとにスタミナが3回復してもよい。
【0093】
なお、本発明は、時間全体の半分を超えてスタミナ回復速度を速くすることができないように制限されていてもよい。例えば、1日(24時間)の間では、ユーザが12時間を超えてスタミナ回復速度を速くすることができないようになっていてもよい。
【0094】
また、回復速度変更手段が、ユーザのゲームのプレイ履歴に基づいて、お勧めのモードをユーザに示唆あるいは提示するための情報を生成してもよい。この場合には、ユーザは、自身のプレイ時間に一番近いモードの提示等を受けることができる。
【0095】
ユーザによるスタミナ回復速度の変更操作はゲーム実行中以外のタイミングでなされてもよい。例えば、ゲームの開始前(ゲームのインストール直後、ユーザのアカウント作成時)に設定することができるようになっていてもよい。
【0096】
また、その他の例として、
コンピュータを、
前記ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行させるゲーム実行手段、
上限値が定められているパラメータであって、前記ゲームを実行するために消費されるとともに所定量の消費ごとにその回復に所定時間の経過を要するパラメータを管理するパラメータ管理手段、および
前記ユーザの前記ゲームのプレイ履歴に基づいて、前記パラメータを回復させる速度を変更する日にち、および、前記パラメータを回復させる速度を変更する時間帯の少なくともいずれか一方である変更日時を自動で設定する回復速度変更手段、
として機能させる、
コンピュータプログラムがある。
【0097】
この場合には、例えば、総時間に占める、ユーザの総プレイ時間の70%が午後4時から午後10時までの時間帯に集中していると判定された場合には、パラメータ管理手段は、その時間帯のスタミナ回復速度を速くするように制御することができる。
【0098】
また、前記の場合において、総時間に占める、ユーザの総プレイ時間の割合(50%、70%など)を指定することができてもよい。
【0099】
また、前記実施形態では、コンピュータ装置がゲーム装置である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、サーバ装置がゲーム実行手段、およびパラメータ管理手段の機能を備えていてもよい。また、一のユーザのゲーム装置がサーバ装置として機能してもよい。この場合には、BLUETOOTH(登録商標)で一方のゲーム装置と他方のゲーム装置とが接続されていてもよい。
【0100】
また、前記実施形態においては、ゲーム装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本発明は、これには限られない。ゲーム装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
201 照合手段
202 ゲーム進行管理手段
203 通信手段
3 ゲーム装置
301 ゲーム実行手段
302 回復速度変更手段
303 パラメータ管理手段
304 通信手段
4 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4