(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】電源装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20230628BHJP
H02M 7/12 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H02M7/12 P
(21)【出願番号】P 2019171842
(22)【出願日】2019-09-20
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】寺坂 博志
【審査官】白井 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-100164(JP,A)
【文献】特開2015-084616(JP,A)
【文献】特開2012-164633(JP,A)
【文献】特開2017-050086(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0381054(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00~ 3/44
H02M 7/00~ 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を整流する整流回路と;
少なくともスイッチング素子およびこのスイッチング素子に接続されるインダクタを有し、前記整流回路で整流された電圧を直流電圧に変換して光源に供給する電力変換回路と;
前記光源に直列に接続され、前記光源に流れる電流を一定にするリップル電流低減回路と;
前記光源と前記リップル電流低減回路の接続点の検出電圧を入力し、前記電力変換回路の前記スイッチング素子をフィードバック制御する制御部と;
前記電力変換回路の前記インダクタに磁気的に結合された二次巻線を有し、この二次巻線に誘起される制御電源を前記リップル電流低減回路に供給する制御電源生成部と;
前記制御電源生成部によって生成される制御電源が所定の値に上昇するまで、前記制御部に対する前記検出電圧の入力を停止させる検出電圧調整部と;
を備えることを特徴とする電源装置
。
【請求項2】
交流電圧を整流する整流回路と;
少なくともスイッチング素子およびこのスイッチング素子に接続されるインダクタを有し、前記整流回路で整流された電圧を直流電圧に変換して光源に供給する電力変換回路と;
前記光源に直列に接続され、前記光源に流れる電流を一定にするリップル電流低減回路と;
前記光源と前記リップル電流低減回路の接続点の検出電圧を入力し、前記電力変換回路の前記スイッチング素子をフィードバック制御する制御部と;
前記電力変換回路の前記インダクタに磁気的に結合された二次巻線を有し、この二次巻線に誘起される制御電源を前記リップル電流低減回路に供給する制御電源生成部と;
前記制御電源生成部によって生成される制御電源が所定の値に上昇するまで、前記制御部に入力される前記検出電圧を低下させる検出電圧調整部
と;
を備えることを特徴とす
る電源装置。
【請求項3】
光源と;
前記光源に直流電圧を供給する請求項1
または2記載の電源装置と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光源に直流電圧を供給する電源装置、およびこの電源装置を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力変換回路によって交流電圧を直流電圧に変換して光源に供給するとともに、光源に流れる電圧を検出して電力変換回路をフィードバック制御する電源装置がある。この電源装置では、光源に流れる電流を一定にするために、光源と直列にリップル電流低減回路を接続している場合がある。リップル電流低減回路が動作するのに必要な制御電源は、電力変換回路の出力側から取り出して供給している場合がある。
【0003】
リップル電流低減回路の制御電源を電力変換回路の出力側経路から取り出して供給する場合、電力変換回路の出力側経路から取り出される直流電圧をリップル電流低減回路に供給する制御電源の電圧値に調整する必要があり、この調整のための回路構成が必要となるとともに、調整の際つまり制御電源を生成する際に電力損失が発生してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、簡単な構成で、リップル電流低減回路の制御電源の生成による電力損失を低減できる電源装置および照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電源装置は、整流回路、電力変換回路、リップル電流低減回路、制御部、制御電源生成部および検出電圧調整部を備える。整流回路は、交流電圧を整流する。電力変換回路は、少なくともスイッチング素子およびスイッチング素子に接続されるインダクタを有し、整流回路で整流された電圧を直流電圧に変換して光源に供給する。リップル電流低減回路は、光源に直列に接続され、光源に流れる電流を一定にする。制御部は、光源とリップル電流低減回路の接続点の検出電圧を入力し、電力変換回路のスイッチング素子をフィードバック制御する。制御電源生成部は、電力変換回路のインダクタに磁気的に結合された二次巻線を有し、二次巻線に誘起される制御電源をリップル電流低減回路に供給する。検出電圧調整部は、制御電源生成部によって生成される制御電源が所定の値に上昇するまで、制御部に対する検出電圧の入力を停止させる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の電源装置によれば、簡単な構成で、リップル電流低減回路の制御電源の生成による電力損失を低減することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態を示す電源装置の回路図である。
【
図2】第2の実施形態を示す電源装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
【0010】
照明装置10は、光源11、およびこの光源11に直流電源を供給する電源装置12を備えている。
【0011】
光源11は、例えば、半導体発光素子であるLEDが用いられる。なお、光源11は、LED以外に、EL等の他の半導体発光素子が用いられてもよい。また、光源11は、例えば、電源装置12と一体形の構成としてもよいし、あるいは、器具本体に着脱可能な光源ユニットにて構成し、器具本体への光源ユニットの装着時に電源装置12に電気的に接続されるように構成してもよい。
【0012】
そして、電源装置12は、交流電圧を整流する整流回路19、この整流回路19で整流された電圧を直流電圧に変換して光源11に供給する電力変換回路20、光源11に流れる電流を一定にするリップル電流低減回路21、電力変換回路20をフィードバック制御する制御部22、リップル電流低減回路21および制御部22に制御電源を供給する制御電源生成部23、および電源装置12の起動時に起動用電源を制御部22に供給する起動用電源生成部24を備えている。
【0013】
整流回路19は、外部電源である交流電源eに一対の入力端が接続されている。整流回路19は、交流電源eから入力される交流電圧を整流し、整流電圧(直流電圧)を一対の出力端から出力する。整流回路19は、例えば4個の整流素子を組み合わせたダイオードブリッジの全波整流器である。なお、整流回路19は、半波整流器などでもよい。また、整流電圧は、全波整流された脈流でもよいし、半波整流された脈流でもよい。
【0014】
また、電力変換回路20は、セピック(SEPIC:Single Ended Primary Inductance Converter)回路であり、力率改善回路の機能とDC/DCコンバータ回路の機能を備えている1コンバータ方式の変換回路である。
【0015】
電力変換回路20は、整流回路19の一対の出力端に接続されるコンデンサ(入力側コンデンサ)C1を有している。このコンデンサC1の両端に、インダクタ(第1のインダクタ)L1および例えば電界効果トランジスタ等のスイッチング素子Q1の直列回路が接続されている。さらに、スイッチング素子Q1の両端に、コンデンサC2およびインダクタ(第2のインダクタ)L2の直列回路が接続されている。インダクタL1とインダクタL2は、カップリング用のコンデンサC2を介して直列に接続されている。インダクタL2は、光源11およびリップル電流低減回路21の直列回路と並列に接続されているため、光源11に供給される直流電圧と同じ電圧値となる。
【0016】
インダクタL2の両端に、逆流阻止用のダイオードD1および例えば電解コンデンサ等のコンデンサ(出力側コンデンサ)C3が接続されている。ダイオードD1は、アノードがコンデンサC2とインダクタL2との接続点に接続され、カソードがコンデンサC3に接続されている。
【0017】
コンデンサC3の両端に、光源11およびリップル電流低減回路21の直列回路が接続されている。コンデンサC3は、電力変換回路20の出力側で光源11およびリップル電流低減回路21の直列回路と並列に接続されている。
【0018】
また、リップル電流低減回路21は、電力変換回路20の出力側(出力端)に光源11と直列に接続されている。リップル電流低減回路21は、電力変換回路20の出力側に光源11と直列に接続される可変インピーダンス素子Q2および電流検出部である検出抵抗R1、および、検出抵抗R1を介して検出される検出電流が所定の値となるように可変インピーダンス素子Q2を制御する誤差増幅器27を備えている。リップル電流低減回路21は、光源11がLEDである場合、LEDのカソード側に直列に接続されている。
【0019】
可変インピーダンス素子Q2は、例えば電界効果トランジスタ等のスイッチング素子が用いられている。なお、可変インピーダンス素子Q2には、インピーダンスを連続的に可変できる可変抵抗等を用いてもよい。
【0020】
検出抵抗R1は、光源11に流れる電流を電圧信号(検出電圧)に変換して誤差増幅器27に出力する。なお、電流検出部としては、検出抵抗R1以外に、例えばカレントトランス等を用いてもよい。
【0021】
誤差増幅器27は、反転入力端子が可変インピーダンス素子Q2と検出抵抗R1との接続点に接続され、非反転入力端子が基準電圧V1に接続されている。そして、誤差増幅器27は、検出抵抗R1で検出されるリップル電流に応じた検出電圧と基準電圧V1とを比較し、検出電圧が基準電圧V1よりも小さい場合にインピーダンスを小さくするように可変インピーダンス素子Q2を制御し、一方、検出電圧が基準電圧V1よりも大きい場合にインピーダンスを大きくするように可変インピーダンス素子Q2を制御することにより、リップル電流を低減し、光源11に流れる電流を一定とするように動作する。
【0022】
また、制御部22は、例えば制御IC等で構成されている。制御部22は、光源11とリップル電流低減回路21との接続点からの検出電圧を入力し、リップル電流低減回路21に印加される電圧が所定の電圧値となるようにスイッチング素子Q1のスイッチング動作をフィードバック制御する。
【0023】
また、制御電源生成部23は、電力変換回路20のインダクタL2に磁気的に結合される二次巻線L3を有している。二次巻線L3には、インダクタL2と二次巻線L3との巻数比に応じた電圧の制御電源が生成される。なお、二次巻線L3は、電力変換回路20のインダクタL1およびインダクタL2とともに1つのトランスで構成してもよいし、インダクタL1とは別構成としてインダクタL2と磁気的に結合されるように構成してもよい。
【0024】
二次巻線L3の高電位側の一端にダイオードD2および例えば電解コンデンサ等のコンデンサC4が直列に接続され、二次巻線L3の他端およびコンデンサC4が電力変換回路20の低電位側に接続されている。ダイオードD2は、アノードが二次巻線L3の一端に接続され、カソードがコンデンサC4に接続されている。ダイオードD2のカソードとコンデンサC4との接続点がリップル電流低減回路21の誤差増幅器27および制御部22に接続されている。
【0025】
二次巻線L3に誘起される制御電源がダイオードD2のカソードとコンデンサC4との接続点から、リップル電流低減回路21の誤差増幅器27および制御部22に供給される。制御電源の電圧は、インダクタL2と二次巻線L3との巻数比によって任意に調整可能である。そのため、光源11に供給する直流電圧に応じて、所定の制御電源の電圧が二次巻線L3に誘起されるように、インダクタL2と二次巻線L3との巻数比が調整されている。
【0026】
また、起動用電源生成部24は、コンデンサC1の両端に抵抗R2およびコンデンサC5の直列回路が接続され、コンデンサC5と並列にツエナーダイオードZD1が接続されている。ツエナーダイオードZD1は、カソードが抵抗R2とコンデンサC5の接続点に接続され、アノードがコンデンサC1とコンデンサC5との間に接続されている。ツエナーダイオードZD1の両端に制御部22の電源入力端子が接続されている。そして、起動用電源生成部24では、電源投入による電源装置12の起動時(始動時)において、抵抗R2を通じて限流された直流電圧をコンデンサC5およびツエナーダイオードZD1によって定電圧の起動用電源とし、この起動用電源が制御部22に供給される。
【0027】
さらに、制御部22の電源入力端子には、制御電源生成部23がダイオードD3を介して接続されている。ダイオードD3は、アノードが制御電源生成部23に接続され、カソードが制御部22の電源入力端子に接続されている。ダイオードD3は、電源装置12の起動時において、起動用電源生成部24にて生成される起動用電源がリップル電流低減回路21に流れるのを防止し、制御電源生成部23にて生成される制御電源が高くなれば、この制御電源を制御部22に供給するように機能する。
【0028】
そして、電源装置12への交流電源eの投入により、起動用電源生成部24にて生成される起動用電源が制御部22に供給され、制御部22が動作する。制御部22は、スイッチング素子Q1をオンオフ制御して電力変換回路20を動作させ、整流回路19で整流された電圧を直流電圧に変換して光源11に供給する。
【0029】
電力変換回路20では、スイッチング素子Q1がオンすると、コンデンサC1、インダクタL1、スイッチング素子Q1、コンデンサC1の経路で電流が流れて、インダクタL1にエネルギー(磁気エネルギー)が蓄積される。さらに、コンデンサC2、スイッチング素子Q1、インダクタL2、コンデンサC2の経路で電流が流れて、インダクタL2にエネルギー(磁気エネルギー)が蓄積される。
【0030】
スイッチング素子Q1がオフすると、インダクタL1に起電力が発生し、インダクタL1、コンデンサC2、ダイオードD1、コンデンサC3、コンデンサC1、インダクタL1の経路で電流が流れて、コンデンサC2,C3を充電する。さらに、インダクタL2に起電力が発生し、インダクタL2、ダイオードD1、コンデンサC3、インダクタL2の経路で電流が流れて、コンデンサC3を充電する。
【0031】
したがって、スイッチング素子Q1のオンオフによって入力電圧を昇降圧動作し、コンデンサC3の両端間に所定の直流電圧を発生させ、この直流電圧を光源11に供給することにより、光源11が点灯する。
【0032】
また、制御部22は、光源11とリップル電流低減回路21との接続点からの検出電圧を入力し、リップル電流低減回路21に印加される電圧が所定の電圧値となるようにスイッチング素子Q1のスイッチング動作をフィードバック制御する。
【0033】
さらに、光源11と直列に接続されたリップル電流低減回路21では、誤差増幅器27により検出抵抗R1で検出されるリップル電流に応じた検出電圧と基準電圧V1とを比較し、検出電圧が基準電圧V1よりも小さい場合にはインピーダンスを小さくするように可変インピーダンス素子Q2を制御し、一方、検出電圧が基準電圧V1よりも大きい場合にはインピーダンスを大きくするように可変インピーダンス素子Q2を制御することにより、リップル電流を低減し、光源11に流れる電流を一定とするように動作する。
【0034】
これら制御により、光源11に一定の直流電圧および一定の電流が供給され、光源11が安定的に点灯する。
【0035】
また、電力変換回路20のインダクタL2に磁気的に接続された制御電源生成部23の二次巻線L3に制御電圧が誘起され、この制御電圧がリップル電流低減回路21の誤差増幅器27に供給され、誤差増幅器27が動作する。さらに、起動後に、制御電源生成部23の二次巻線L3に誘起される制御電源が所定の電圧値以上に高くなると、制御電源生成部23からの制御電源が制御部22に供給され、制御部22が動作する。
【0036】
ところで、例えば、リップル電流低減回路21の制御電源を電力変換回路20の出力側経路(例えばコンデンサC3と光源11との間の出力側経路)から取り出して供給する場合、電力変換回路20の出力側経路から取り出される直流電圧をリップル電流低減回路21に供給する制御電源の電圧値に調整する必要があり、この調整のための回路構成が必要となるとともに、調整の際つまり制御電源を生成する際に電力損失が発生してしまう。
【0037】
本実施形態では、電力変換回路20のインダクタL2に磁気的に接続された二次巻線L3に誘起される制御電圧をリップル電流低減回路21に供給するため、簡単な構成で、リップル電流低減回路21の制御電源の生成による電力損失を低減することができる。
【0038】
しかも、インダクタL2は、光源11およびリップル電流低減回路21の直列回路と並列に接続されていて、光源11に供給される直流電圧と同じ電圧値となるため、インダクタL2と二次巻線L3との巻数比を適切に調整することにより、光源11に供給する直流電圧に応じて、所定の制御電源の電圧を二次巻線L3に誘起させることができ、少ない電力損失で、制御電源を生成することができる。
【0039】
また、制御電源生成部23は、制御電源をリップル電流低減回路21および制御部22に供給するため、リップル電流低減回路21と制御部22とで共用でき、構成を簡素化できる。
【0040】
【0041】
光源11とリップル電流低減回路21の接続点の検出電圧を制御部22に送る経路途中に検出電圧調整部30が設けられている。すなわち、検出電圧調整部30の入力端が光源11とリップル電流低減回路21の接続点に接続され、検出電圧調整部30の出力端が制御部22に接続されている。検出電圧調整部30は、制御電源生成部23から制御電源を入力して動作する。なお、他の構成および作用効果は、第1の実施形態と同様である。
【0042】
検出電圧調整部30は、制御電源生成部23によって生成される制御電源が所定の値(電圧値)に上昇するまで、制御部22に対する検出電圧の入力を停止させる検出電圧停止調整機能、または、制御電源生成部23によって生成される制御電源が所定の値(電圧値)に上昇するまで、制御部22に入力される検出電圧を低下させる検出電圧低下調整機能いずれか一方の機能を有している。なお、制御電源生成部23によって生成される制御電源が所定の値に上昇したか否かを判断する制御電圧判定部の機能を有している。
【0043】
ところで、電源装置12への交流電源eの投入時には、制御部22は起動用電源生成部24によって起動して電力変換回路20の動作を開始させるが、制御電源生成部23で生成される制御電源が所定の値に上昇するまでは、リップル電流低減回路21が動作しない。そのため、光源11とリップル電流低減回路21との接続点から制御部22に入力する検出電圧が高くなり、制御部22は電力変換回路20の動作を低減または停止させるように制御し、光源11の点灯が遅れたり点灯しないおそれがある。
【0044】
本実施形態では、検出電圧調整部30により、制御電源生成部23によって生成される制御電源が所定の値に上昇するまで、制御部22に対する検出電圧の入力を停止させるか、または、制御部22に入力される検出電圧を低下させるため、制御部22は、検出電圧が0または低いと判断し、出力電圧が高くなるように電力変換回路20を動作させる。したがって、電力変換回路20の動作により、制御電源生成部23で生成される制御電圧が所定の値に上昇し、この制御電圧がリップル電流低減回路21に供給されてリップル電流低減回路21が動作し、光源11を点灯させることができる。
【0045】
また、制御電源生成部23は、制御電源をリップル電流低減回路21、制御部22および検出電圧調整部30に供給するため、リップル電流低減回路21と制御部22と検出電圧調整部30とで共用でき、構成を簡素化できる。
【0046】
なお、電力変換回路は、セピック回路に限らず、少なくともスイッチング素子とインダクタとを用いて交流電圧を整流した電圧を光源に供給する直流電圧に変換することが可能であれば、例えばフライバックコンバータ等の他の回路構成でもよい。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
10 照明装置
11 光源
12 電源装置
19 整流回路
20 電力変換回路
21 リップル電流低減回路
22 制御部
23 制御電源生成部
30 検出電圧調整部
L2 インダクタ
L3 二次巻線
Q1 スイッチング素子