(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】光源ユニットおよび照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20230628BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230628BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230628BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20230628BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21S2/00 230
F21Y115:10
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2019180885
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】高野 はるか
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 則雅
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勝也
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-058266(JP,A)
【文献】特開2015-162376(JP,A)
【文献】特開2005-317356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源モジュールと;
前記光源モジュールが設けられた取付面部、この取付面部の両側に設けられた側面部、これら側面部から折曲部を介して折り返された折返し部、および前記折曲部に設けられた連結溝を有するシャーシと;
少なくとも一部に透光性を有し、前記光源モジュールが設けられた前記シャーシが挿通される筒状のカバーと;
先端側下部から爪部が突出する係止爪を有し、
この係止爪が前記シャーシの前記側面部の上部に位置する前記折曲部上に配置されるとともに、前記係止爪の前記爪部が前記折曲部から前記連結溝に挿入されることで前記爪部が前記連結溝に係合され、前記シャーシの端部に連結される連結部材と;
前記連結部材に取り付けられ、前記カバーの端部を覆うキャップと;
を備えることを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
前記折返し部は、前記側
面部の内側に前記折曲部を介して折り返されている
ことを特徴とする請求項1記載の光源ユニット。
【請求項3】
器具本体と;
前記器具本体に取り付けられる請求項1または2記載の光源ユニットと;
を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、筒状のカバーを用いた光源ユニット、およびこの光源ユニットを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透光性を有する筒状のカバーが用いられ、このカバー内に光源モジュールが設けられたシャーシが挿通され、このシャーシの両端に連結されている連結部材にカバーの両端を覆うキャップが取り付けられた光源ユニットがある。
【0003】
シャーシと連結部材との連結は、連結部材に設けられた爪部がシャーシの両側の側面部の内側からシャーシに係止される構造となっているが、シャーシの両側の側面部が広がるように変形した場合、連結部材の爪部がシャーシから外れるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、シャーシと連結部材との連結状態を確実に維持することができる光源ユニットおよび照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の光源ユニットは、光源モジュール、シャーシ、カバー、連結部材およびキャップを備える。シャーシは、光源モジュールが設けられた取付面部、取付面部の両側に設けられた側面部、側面部から折曲部を介して折り返された折返し部、および折曲部に設けられた連結溝を有する。カバーは、筒状で、少なくとも一部に透光性を有し、光源モジュールが設けられたシャーシが挿通される。連結部材は、先端側下部から爪部が突出する係止爪を有し、係止爪がシャーシの側面部の上部に位置する折曲部上に配置されるとともに、係止爪の爪部が折曲部から連結溝に挿入されることで爪部が連結溝に係合され、シャーシの端部に連結される。キャップは、連結部材に取り付けられ、カバーの端部を覆う。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の光源ユニットによれば、シャーシと連結部材との連結状態を確実に維持することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】同上照明装置の器具本体と光源ユニットの分離状態の斜視図である。
【
図3】同上器具本体および光源ユニットの端部構造を省略した端面図である。
【
図4】同上光源ユニットの分解状態の斜視図である。
【
図5】同上光源ユニットのシャーシと連結部材の分解状態の斜視図である。
【
図6】同上光源ユニットのシャーシと連結部材の連結状態の斜視図である。
【
図7】同上光源ユニットのシャーシと連結部材の分解状態の平面図である。
【
図8】同上光源ユニットのシャーシと連結部材の連結状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし
図3に示すように、照明装置10は、天井直付形照明装置である。さらに、照明装置10は、防水構造を備えた屋外形照明装置である。なお、以下、照明装置10は、例えば天井面などの設置面に設置されるものとして、光照射方向の前面側を下側、光照射方向に対して反対の背面側を上側として説明する。
【0011】
照明装置10は、設置面に設置される器具本体11、およびこの器具本体11の下部側に着脱可能に取り付けられる光源ユニット12を備えている。照明装置10は、器具本体11および光源ユニット12とも長尺に形成されている。
【0012】
そして、器具本体11は、長尺な本体部15、この本体部15の長手方向両端に設けられた端板16、およびこれら本体部15と端板16との間に設けられた下方に開口する開口部17を有している。
【0013】
本体部15は、天板部18、およびこの天板部18の長手方向に交差する両側に設けられた側板部19を有し、下方に開口する断面略コ字形に形成されている。天板部18には、設置面に取り付けるための図示しない取付孔や、電源ケーブルを引き込むための図示しない配線孔などが設けられている。
【0014】
本体部15は、側板部19の下部側から開口部17内に向けて斜め下方に折曲された反射面部20、およびこの反射面部20の先端側から側板部19の内面側に向けて上方に折り返された折返し部21を有している。側板部19に対する反射面部20の曲げ角度は90°よりも小さく、側板部19と反射面部20の内面側のなす角度は90°よりも大きい関係にある。反射面部20の外面側である表面は、下方であって開口部17側とは反対の斜め外側方に向けて設けられている。また、反射面部20に対する折返し部21の曲げ角度は90°よりも大きく、反射面部20と折返し部21の内面側のなす角度は90°よりも小さい関係にある。
【0015】
本体部15の両端側において、反射面部20および折返し部21の端部側から所定距離だけ中央側に離れた位置に、光源ユニット12の一部が入り込む切欠部22が設けられている。
【0016】
端板16は、本体部15の端面を覆う端板部23、および光源ユニット12を取り付けるための取付部24を有している。端板部23は、本体部15の端部に取り付けられている。取付部24は、端板部23と一体に形成され、端板部23の下部側から本体部15側に向けて折曲され、開口部17の端部側に配置されている。取付部24には、光源ユニット12をねじ止めするための取付孔25、および光源ユニット12を仮吊りするための引掛部26が設けられている。
【0017】
次に、
図1ないし
図5に示すように、光源ユニット12は、防水構造を備えている。光源ユニット12は、長手方向に交差する一方側である上部側が器具本体11の開口部17に挿入される挿入領域12a、他方側である下部側が器具本体11の外部に配置される突出領域12bとして構成されている。
【0018】
光源ユニット12は、筒状のカバー30、このカバー30内に挿通配置される支持部材であるシャーシ31、このシャーシ31の両端に取り付けられる連結部材32、シャーシ31に取り付けられる光源モジュール33および電源部34、カバー30の両端に取り付けられるパッキング35およびキャップ36などを備えている。
【0019】
カバー30は、長尺で、長手方向に同一形状とする筒状に形成されている。カバー30は、挿入領域12aに対応した上部側に光が透過しない不透過部である不透光部30aが設けられ、突出領域12bに対応した下部側に光が透過する透過部である透光部30bが設けられている。
【0020】
不透光部30aは、光が透過しない樹脂材料にて形成されている。不透光部30aは、天面部40、この天面部40の両側から下方に突出する側面部41、および側面部41と透光部30bとの間でカバー30の内部側に突出する屈曲部42を有している。屈曲部42は、透光部30bの背面側で透光部30bの両側から屈曲され、シャーシ31の両側に当接される。屈曲部42は、側面部41の下部側からカバー30の内部側に突出する上側段部43、透光部30bからカバー30の内側に突出する下側段部44、これら上側段部43と下側段部44の間にカバー30の内側に突出する内側突出面部45を有している。この屈曲部42によって、カバー30の両側に凹部46が長手方向に沿って形成されている。そして、不透光部30aの内部にシャーシ31および電源部34が配置される。不透光部30aの内側に配置されたシャーシ31の一部に屈曲部42が当接される。
【0021】
透光部30bは、光が透過する樹脂材料にて形成されている。透光部30bは、中央が下方に突出する凸湾曲状に形成され、両側が屈曲部42の下側段部44に連続されている。透光部30bの長手方向に交差する方向の幅は、不透光部30aの長手方向に交差する方向の幅よりも広い関係にある。そして、透光部30bの内側には、光源モジュール33が配置される。
【0022】
カバー30は、不透光部30aおよび透光部30bの二色成形によって一体に形成されている。すなわち、カバー30は、不透光部30aの溶融樹脂材料と透光部30bの溶融樹脂材料を押し出して成形する押出成形によって一体に形成されている。
【0023】
なお、不透光部30aと透光部30bの境は、不透光部30aの下側段部44の直接部分の端部側と、この下側段部44の直接部分の端部側に連続する透光部30bの湾曲部分との間とされている。不透光部30aと透光部30bの境の部分、もしくは不透光部30aと透光部30bの境の部分から不透光部30a側に少し入った部分に、器具本体11の反射面部20の先端側(反射面部20と折返し部21との折曲部分)が接触される。
【0024】
また、
図3ないし
図8に示すように、シャーシ31は、金属製で、長尺に形成されている。シャーシ31は、上方に開口する断面略コ字形に形成されている。シャーシ31は、取付面部50、この取付面部50の両側から上方に折曲して設けられた側面部51、およびこれら側面部51の上部側から内側に折曲された折曲部52を介して折り返された折返し部53を有している。取付面部50の前面側に光源モジュール33が取り付けられている。
【0025】
側面部51は、取付面部50の両側から上方に折曲された側面下部51a、両側の側面下部51aから互いに離反するように上方に拡開傾斜された傾斜面部51b、および両側の傾斜面部51bから上方に折曲された側面上部51cを有している。両側の側面部51間に電源部34が配置される。傾斜面部51bは、電源部34の外形状に沿って傾斜されており、電源部34と接触してもよい。
【0026】
取付面部50および側面下部51aなどによって、両側の側面部51の間から下方へ向けて突出する凸部54が構成されている。凸部54は、カバー30の両側の屈曲部42の間に、透光部30b側へ向けて突出するように配置されている。凸部54(取付面部50)の背面側と両側の側面部51間に配置される電源部34との間には、配線スペースでもある空間部55が設けられている。凸部54(取付面部50)の背面側と電源部34との間の空間部55の間隔は、ケーブルなどが配線可能な寸法を有している。
【0027】
折返し部53は、側面部51の内側面に所定の間隔をあけて対向されている。折返し部53は、側面部51の傾斜面部51bよりも上部側の側面上部51cに対向されている。
【0028】
さらに、シャーシ31の端部側には、連結部材32を連結するための連結溝である第1連結溝56および第2連結溝57が設けられている。
【0029】
第1連結溝56は、両側の側面部51の下部側である側面下部51aの位置であって、側面部51の端部側から所定距離だけ中央側に離れた位置に設けられている。第1連結溝56は、シャーシ31の長手方向に沿って長い長方形状に形成されている。
【0030】
第2連結溝57は、折曲部52の位置であって、折曲部52の端部側から所定距離だけ中央側に離れた位置に設けられている。第2連結溝57は、折曲部52から側面部15(側面上部51c)の上部側の一部に亘って設けられている。そのため、側面部15の側面視において、第2連結溝57を通じて折返し部53の一部が露出されている。第2連結溝57は、シャーシ31の長手方向に沿って長い長方形状に形成されている。
【0031】
また、連結部材32は、金属製で、シャーシ31の端面を覆って、シャーシ31の端部に取り付けられている。連結部材32は、シャーシの端面を覆う端面部60、およびこの端面部60から突設された第1連結部61および第2連結部62を有している。
【0032】
端面部60は、カバー30の内側に挿通可能な形状および寸法に形成されている。端面部60には、キャップ36をねじ止めするための複数の取付孔63、および電源部34に接続される引出ケーブルが挿通される配線孔64が設けられている。
【0033】
第1連結部61は、端面部60の両側からシャーシ31の方向に向けて折曲された係止片65を有している。両側の係止片65は、シャーシ31の両側の側面部51(側面下部51a)の内側に挿入される。両側の係止片65の外側面間の間隔は、両側の側面下部51aの内側面間の間隔と同じか僅かに大きい関係を有している。係止片65の外側面には、第1連結溝56に係合される係止部66が突設されている。係止部66は、シャーシ31の長手方向に対応した方向に沿って長く、係止片65から切り起こし形成されている。係止部66は、係止片65の先端側に対応する係止部66の先端側および下部側が係止片65に曲面状に連続され、係止部66の先端側および下部側と反対の基端側および上部側が切り起こされている。そして、係止部66が第1連結溝56に係合されることにより、第1連結部61によって連結部材32がシャーシ31の端部に連結される。
【0034】
第2連結部62は、端面部60の両側の上部側からシャーシ31の方向に向けて折曲された係止爪67を有している。両側の係止爪67の先端側下部には爪部68が突設されている。両側の係止爪67はシャーシ31の両側の折曲部52上に配置され、係止爪67の爪部68が第2連結溝57に係合される。両側の係止爪67および爪部68の内側面間の間隔は、シャーシ31の両側の折返し部53の外側面間の間隔と同じか僅かに小さい関係を有している。第2連結溝57に係合される爪部68の内側面は折返し部53の外側面に接触される。そして、爪部68が第2連結溝57に係合されることにより、第2連結部62によって連結部材32がシャーシ31の端部に連結される。
【0035】
図7示すように、端面部60からの第1連結部61(係止片65)および第2連結部62(係止爪67)の突出寸法は、第1連結部61(係止片65)が第2連結部62(係止爪67)よりも大きい関係を有している。
【0036】
また、光源モジュール33は、長尺な基板70、およびこの基板70に長手方向に沿って実装された複数の発光素子71を備えている。発光素子71は、LEDや有機ELなどのいずれを用いてもよい。光源モジュール33は、シャーシ31の取付面部50の前面側に取り付けられ、同じシャーシ31に取り付けられる電源部34の出力側に図示しない接続配線によって電気的に接続されている。
【0037】
また、電源部34は、長尺な電源ケース73、およびこの電源ケース73内に配置された図示しない電源回路を備えている。電源ケース73は、前面部73aの両側角部に傾斜面73bを有する断面略台形状に形成されている。電源回路は、外部から供給される交流電源などの外部電源を直流電源などの所定の点灯電源に変換して光源モジュール33に供給し、発光素子71を点灯させる。
【0038】
電源部34は、取付部材74によってシャーシ31に取り付けられている。取付部材74は、天面部75、およびこの天面部75の両側に設けられた側面部76を有し、下方に開口する断面略コ字形に形成されている。天面部75の下面側に電源部34がねじ止めなどによって取り付けられ、両側の側面部76がシャーシ31の両側の側面部51(側面上部51c)に取り付けられている。シャーシ31に対する取付部材74の取付構造は、爪構造による係止や、ねじ止めなどのいずれを用いてもよい。取付部材74をシャーシ31に取り付けた状態において、電源部34がシャーシ31の長手方向に沿って両側の側面部51間に配置されるとともに、電源部34(電源ケース73)の傾斜面73bがシャーシ31の傾斜面部51bに接触または対向される。さらに、電源部34の前面部73aが、シャーシ31の凸部54(取付面部50)の背面側との間に空間部55を介して対向される。
【0039】
取付部材74の天面部75には、複数の球面状の突出部77が突出されている。そして、シャーシ31とともに取付部材74などがカバー30内に挿通配置された状態で、取付部材74の突出部77がカバー30の天面部40に接触されるとともに、シャーシ31の傾斜面部51bがカバー30の屈曲部42に接触され、シャーシ31側とカバー30側とが互いに位置決めされる。
【0040】
また、パッキング35は、例えばシリコーンゴムなどで一体に形成されている。パッキング35は、カバー30の端部形状と相似した形状に形成されている。パッキング35の周辺部には、カバー30の内側に挿入されて密着する環状の挿入部80、およびこの挿入部80の端部側にカバー30の端部に接触して密着するフランジ部81が形成されている。パッキング35の内側には隔壁部82が形成されている。この隔壁部82には、複数のねじ用挿通部83が形成されているとともに、配線用挿通部84が形成されている。これら複数のねじ用挿通部83および配線用挿通部83は、連結部材32の複数の取付孔63および配線孔64の各位置に対応して形成されている。
【0041】
また、キャップ36は、例えば樹脂材料で形成されている。キャップ36は、カバー30の端部外周にパッキング35を介して取り付けられるキャップ部90、およびこのキャップ部90の端部側に設けられるキャップカバー部91を有している。
【0042】
キャップ部90は、カバー30の端部形状と相似した形状に形成されている。すなわち、キャップ部90は、上部側がカバー30の上部側の不透光部30aに対応して形状に形成され、下部側がカバー30の下部側の透光部30bに対応して形状に形成され、これら上部側と下部側との間の両側にカバー30の両側の凹部46に対応した凹部92が形成されている。
【0043】
キャップ部90は、キャップ面部93、およびこのキャップ面部93の周囲からカバー30の方向に突出してカバー30の端部外周に嵌合する嵌合部94を有している。キャップ部90とカバー30の端部との間にパッキング35が介在され、パッキング35によってカバー30の端部開口が密閉される。
【0044】
キャップ部90のキャップ面部93には、パッキング35の複数のねじ用挿通部83および配線用挿通部84の位置に対応して図示しないねじ挿通孔および配線孔95が設けられている。
【0045】
キャップ部90は、カバー30の端部外周に嵌合するため、カバー30の外周に対して突出する段差部である。この段差部によって、キャップ部90(キャップ36)の両側間の間隔は器具本体11の両側の側板部19の下部間の間隔よりも広く形成されている。そして、器具本体11に光源ユニット12が取り付けられた際、キャップ部90の両側の凹部92の下縁側の段差部が器具本体11の切欠部22に入り込むように構成されている。
【0046】
キャップカバー部91は、突出領域12bにおいて、キャップ部90の端部側から突出され、キャップ部90の表面形状に連続する形状に形成されている。キャップカバー部91の内側には器具本体11に対向するように上方に向けて開口する凹部96が形成されている。キャップカバー部91の下面には、操作孔97が設けられている。操作孔97には、この操作孔97を閉塞するブッシュ98が着脱可能に取り付けられる。キャップカバー部91の端面の下部側には水抜き孔99が形成されている。なお、凹部96は、取付部品などを配置するスペースとして利用される。
【0047】
また、キャップ36には、取付板110が取り付けられている。取付板110は、例えば金属板によって、断面略L字状に形成されている。取付板110は、キャップ面部93の外端面側に配置される第1取付板部111と、キャップカバー部91に配置される第2取付板部112とを有している。第1取付板部111には、連結用の複数のねじ113が挿通され、これらねじ113がパッキング35のねじ用挿通部83を通じて連結部材32の取付孔63に螺着される。また、第2取付板部112は、キャップカバー部91の凹部96内に設けられたリブ114上に配置されている。第2取付板部112には、光源ユニット取付用の取付部品であるねじ115が回動可能に取り付けられている。ねじ115は、キャップカバー部91の操作孔97から差し込まれる工具によって回動操作可能とする。ねじ115は、器具本体11の取付部24の取付孔25に螺着され、光源ユニット12を器具本体11に固定する。
【0048】
さらに、キャップ36には、光源ユニット12を器具本体11に仮吊りするための取付部品である吊金具120が取り付けられている。吊金具120は、金属製の線材によって形成されている。吊金具120の両端に円弧状に屈曲した屈曲部121が設けられている。吊金具120の一端側が取付板110の第2取付板部112に連結され、他端側が器具本体11の取付部24の引掛部26に着脱可能に引っ掛けられるように構成されている。
【0049】
そして、光源ユニット12を組み立てるには、まず、連結部材32をシャーシ31の端部に連結する。連結部材32の第1連結部61である両側の係止片65をシャーシ31の両側の側面下部51aの内側に上方から挿入する。この挿入過程では、係止部66が側面下部51aの内側に当接するが、係止片65が弾性変形しながら挿入が継続され、係止部66が側面下部51aの第1連結溝56に向けて移動される。さらに、第2連結部62である両側の係止爪67の爪部68をシャーシ31の両側の折返し部53の外側面に係合させながら第2連結溝57に挿入する。そして、係止片65の係止部66が第1連結溝56に係合するとともに係止爪67の爪部68が第2連結溝57に係合することにより、連結部材32の端面部60がシャーシ31の端部に係合する状態で、連結部材32がシャーシ31の端部に連結される。
【0050】
なお、連結部材32はシャーシ31の端部側から挿入して連結してもよい。この場合、係止爪67の爪部68がシャーシ31の折曲部52の上方を移動して第2連結溝57に挿入されるように、連結部材32を斜めにして操作すればよい。
【0051】
シャーシ31の第2連結溝57に係合した係止爪67の爪部68は、シャーシ31の折曲部52および側面部51(側面上部51c)に係止されることで外れにくい。さらに、係止爪67の爪部68が折返し部53の外側面に接触されることで、シャーシ31の両側の側面部51の間隔が広がるのを規制することが可能となる。
【0052】
そして、光源モジュール33、電源部34、連結部材32がそれぞれ取り付けられたシャーシ31をカバー30内(不透光部30a内)に挿入する。このとき、電源部34をシャーシ31に取り付けている取付部材74の突出部77がカバー30の天面部40に接触されるとともに、シャーシ31の傾斜面部51bがカバー30の屈曲部42に接触され、シャーシ31側とカバー30側とが互いに位置決めされる。
【0053】
パッキング35の挿入部80をカバー30の端部開口に挿入する。キャップ36のキャップ部90を、パッキング35を介してカバー30の端部外周に嵌合する。取付板110、ねじ115、吊金具120をキャップ36に組み込み、複数のねじ113を取付板110、キャップ部90、パッキング35を通じて連結部材32に螺着し、カバー30とキャップ部90との間にパッキング35を挟み込んで締め付け固定し、カバー30の端部開口をパッキング35で密閉する。なお、電源部34からの引出ケーブルは、連結部材32、パッキング35、キャップ36を組み立てる際に、パッキング35の配線用挿通部84に挿通され、キャップ36のキャップ部90から引き出される。
【0054】
なお、光源ユニット12を組み立てる場合の順序は、このような順序に限られるものではなく、例えば、シャーシ31をカバー30内に挿入した後に、シャーシ31の端部に連結部材32を連結してもよい。また、シャーシ31の一端側に連結部材32、パッキング35およびキャップ36を予め取り付けておき、シャーシ31の他端側をカバー30に挿入し、一端側のパッキング35をカバー30の一端側に密着させるとともに、シャーシ31の他端側に連結部材32、パッキング35およびキャップ36を取り付けるようにしてもよい。
【0055】
そして、光源ユニット12は、カバー30の両端開口がパッキング35によって密閉され、防水構造が確保される。
【0056】
次に、照明装置10を設置するには、器具本体11を例えば天井面などの設置面に設置する。このとき、電源ケーブルを器具本体11内に引き込んでおく。
【0057】
光源ユニット12の両端のキャップ36に取り付けられている吊金具120を器具本体11の両端の取付部24に設けられている引掛部26に引っ掛け、光源ユニット12を器具本体11の下方に仮吊りする。
【0058】
仮吊りされた光源ユニット12と器具本体11との間の間隙を通じ、光源ユニット12から引き出されている引出ケーブルを器具本体11内に引き込まれている電源ケーブルと電気的に接続する。これらケーブルの電気的な接続には、器具本体11内に配置される端子台を用いてもよい。
【0059】
光源ユニット12の上部側の挿入領域12aを器具本体11の開口部17に挿入し、光源ユニット12のキャップ36の操作孔97から工具を差し込んでねじ115を器具本体11の取付部24に螺着し、光源ユニット12を器具本体11に取り付ける。操作孔97にブッシュ98を嵌め込み、設置完了となる。
【0060】
そして、光源ユニット12を器具本体11に取り付ける際、キャップ36のキャップ部90が光源ユニット12のカバー30の端部外周に嵌り込み、キャップ部90がカバー30の表面か出っ張るように段差があるが、このキャップ部90の段差の部分が器具本体11に設けられている切欠部22に入り込むことにより、光源ユニット12が器具本体11に近付き、光源ユニット12と器具本体11との隙間が低減される。これにより、光が器具本体11の内部に入り込むのが低減される。
【0061】
また、外部電源が電源部34に供給されると、電源部34によって外部電源を変換した点灯電源が光源モジュール33に供給され、光源モジュール33の発光素子71が点灯し、発光素子71が発する光がカバー30を透過して外部に出射される。
【0062】
カバー30は、不透光部30aと透光部30bを有し、不透光部30aが器具本体11の内側に配置され、透光部30bが器具本体11の外部に配置されるため、発光素子71の光の一部がカバー30の透光部30bの内面で反射して不透光部30aの方向に向かっても、不透光部30aから器具本体11内に漏れることがなく、光が不透光部30aの内面で反射して透光部30bに向い、透光部30bから外部に出射されやすい。
【0063】
カバー30の不透光部30aとの境である透光部30bの湾曲した両側部の表面から上方へ向けて出射される光は、器具本体11の反射面部20で透光部30bの側方域へ向けて反射されるため、光が器具本体11内に入り込んだり透光部30bに向かうのを低減でき、光の取出効率を向上できる。なお、器具本体11の反射面部20の先端側に折返し部21を設けているため、器具本体11の取扱い時に、例えば金属板の切断部分となる折返し部21の先端側に作業者の指などが触れにくくできる。
【0064】
また、点灯時において、発光素子71が発生する熱は、主にシャーシ31に伝達され、シャーシ31から例えば連結部材、複数のねじ113および取付板110などを通じて外部に放熱される。さらに、電源部34が発生する熱は、主に取付部材74およびシャーシ31に伝わり、シャーシ31から例えば連結部材、複数のねじ113および取付板110などを通じて外部に放熱される。
【0065】
シャーシ31に両側の側面部51間から突出する凸部54が設けられ、この凸部54の突出方向の前面側に光源モジュール33が取り付けられるとともに、凸部54の背面側と電源部34との間に空間部55が設けられるため、筒状のカバー30内に光源モジュール33および電源部34が収容される場合でも、電源部34の熱が光源モジュール33に伝わりにくく、光源モジュール33の温度上昇を抑制し、光源モジュール33の光出力の低下や寿命などへの影響を低減できる。
【0066】
さらに、カバー30内の限られたスペース内にシャーシ31および電源部34が配置されるため、光源モジュール33および電源部34の配線のための配線スペースなども限られるが、凸部54の背面側と電源部34との間に設けられる空間部55を配線スペースとして有効に利用することができる。
【0067】
しかも、シャーシ31の凸部54の突出方向の前面側に光源モジュール33を取り付けているため、光源モジュール33をカバー30の透光部30bの内側に容易に配置することが可能となり、光源モジュール33の発光素子71の光がカバー30の透光部30bの内側で広がり、カバー30の透光部30bを透過して外部に出射される光が増加し、光の取出効率を向上できる。
【0068】
そして、本実施形態の光源ユニット12では、シャーシ31の両側の側面部51から折曲部52を介して折返し部53が折り返され、折曲部52に第2連結溝57が設けられているため、連結部材32の係止爪67を第2連結溝57に連結することにより、係止爪67が外れにくく、シャーシ31と連結部材32との連結状態を確実に維持することができる。
【0069】
また、折返し部53は、側面部51の内側に折り返しているため、シャーシ31の側面に突出せず、小形に構成できる。さらに、シャーシ11の取扱い時に、例えば金属板の切断部分となる折返し部53の先端側に作業者の指などが触れにくくできる。
【0070】
また、連結部材32の両側の係止爪67は、シャーシ31の両側の折返し部53の外側面に接触されるため、シャーシ31の両側の側面部51の間隔が広がるのを規制することができる。
【0071】
また、端面部60からの係止片65および係止爪67の突出寸法は、係止片65が係止爪67よりも大きい関係を有しているため、まず、係止片65がシャーシ31の側面部51に係合することにより、係止爪67と折曲部52の第2連結溝57とが位置決めされ、係止爪67を折曲部52の第2連結溝57に挿入しやすく、作業性がよい。
【0072】
なお、連結部材32の係止爪37は、シャーシ31の側面部51と折返し部53との間の隙間に差し込まれるように構成してもよい。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
10 照明装置
11 器具本体
12 光源ユニット
30 カバー
31 シャーシ
32 連結部材
33 光源モジュール
36 キャップ
50 取付面部
51 側面部
52 折曲部
53 折返し部
57 連結溝である第2連結溝
67 係止爪
68 爪部