(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】被測定物の硬さ測定装置および被測定物の硬さ測定方法
(51)【国際特許分類】
G01N 3/40 20060101AFI20230628BHJP
【FI】
G01N3/40 A
(21)【出願番号】P 2022001381
(22)【出願日】2022-01-07
【審査請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】P 2021004055
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(73)【特許権者】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 哲也
(72)【発明者】
【氏名】尾関 智恵
(72)【発明者】
【氏名】山田 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】粂 和弘
(72)【発明者】
【氏名】神田 章裕
(72)【発明者】
【氏名】田北 和幸
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-047119(JP,A)
【文献】特開2013-205020(JP,A)
【文献】特開2020-120978(JP,A)
【文献】特開平10-267816(JP,A)
【文献】米国特許第6526813(US,B1)
【文献】米国特許第6196073(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0061700(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108844838(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物の硬さを測定するための測定装置であって、
前記被測定物の一側面を押圧するための第1側部と、
前記被測定物の前記一側面とは対称側の対称側側面を押圧するための第2側部と、
底板部と、前記底板部の天面に取り付けられたスライドレール部とを含み、前記第1側部に対して前記第2側部を移動可能に構成された台座部と、
前記第1側部が前記一側面を押圧しかつ前記第2側部が前記対称側側面を押圧するように、前記台座部を介して前記第1側部に対して前記第2側部を移動させることで、前記被測定物に荷重を作用させるための荷重部と、
前記被測定物に前記荷重が作用した状態において、前記第1側部に対する前記第2側部の移動距離あるいは、前記第2側部を所定の速度で又は所定の位置まで移動させたときの前記荷重の変化量の、少なくとも一方を測定可能に構成された測定部と、
前記台座部の前記スライドレール部の上に接続された保持部とを備え、
前記保持部は、前記被測定物を保持可能に構成されており、かつ前記第1側部と前記第2側部との間において前記スライドレール部によって移動可能に構成されている、被測定物の硬さ測定装置。
【請求項2】
前記第1側部は、第1突起部を含み、
前記第1突起部は、前記被測定物の前記一側面を押圧するように構成されており、
前記第2側部は、第2突起部を含み、
前記第2突起部は、前記被測定物の前記対称側側面を押圧するように構成されている、請求項1に記載の被測定物の硬さ測定装置。
【請求項3】
前記保持部は、基台部と、前記基台部から突出した突出部とを含み、
前記保持部の移動方向が、前記第2側部の移動方向と並行である、請求項1または2に記載の被測定物の硬さ測定装置。
【請求項4】
前記第1側部は、第1側板部を含み、
前記第2側部は、第2側板部を含み、
前記第1突起部は、前記第1側板部に位置変更可能に取り付けられており、
前記第2突起部は、前記第2側板部に位置変更可能に取り付けられている、請求項2に記載の被測定物の硬さ測定装置。
【請求項5】
前記被測定物が、野球またはソフトボール用捕球具である、請求項1~4のいずれか1項に記載の被測定物の硬さ測定装置。
【請求項6】
被測定物の硬さを測定するための測定方法であって、
前記被測定物の一側面に第1側部が接しかつ前記被測定物の前記一側面とは対称側の対称側側面に第2側部が接するように、底板部と前記底板部の天面に取り付けられたスライドレール部とを含む台座部によって前記第1側部に対して前記第2側部が移動され、かつ、前記台座部の前記スライドレール部の上に接続された保持部に前記被測定物が保持され、前記保持部が前記第1側部と前記第2側部との間において前記スライドレール部によって移動される工程と、
前記第1側部が前記一側面を押圧しかつ前記第2側部が前記対称側側面を押圧するように、前記第1側部に対して前記第2側部を移動させたときに、前記第1側部および前記第2側部によって前記被測定物に作用する荷重と前記第1側部に対する前記第2側部の移動距離あるいは、前記第2側部を所定の速度又は所定の位置まで移動させたときの前記荷重の変化量の、少なくとも一方が測定される工程とを備えた、被測定物の硬さ測定方法。
【請求項7】
被測定物の硬さを測定するための測定装置であって、
前記被測定物の一側面を押圧するための第1側部と、
前記被測定物の前記一側面とは対称側の対称側側面を押圧するための第2側部と、
底板部と、前記底板部の天面に取り付けられたスライド部とを含む台座部と、
前記第1側部が前記一側面を押圧しかつ前記第2側部が前記対称側側面を押圧するように、前記第1側部に対して前記第2側部を移動させることで、前記被測定物に荷重を作用させるための荷重部と、
前記被測定物に前記荷重が作用した状態において、前記第1側部に対する前記第2側部の移動距離あるいは、前記第2側部を所定の速度で又は所定の位置まで移動させたときの前記荷重の変化量の、少なくとも一方を測定可能に構成された測定部と、
前記台座部の前記スライド部の上に接続された保持部とを備え、
前記保持部は、前記被測定物を保持可能に構成されており、かつ前記第1側部と前記第2側部との間において前記スライド部によって移動可能に構成されている、被測定物の硬さ測定装置。
【請求項8】
前記台座部は、回転台を含み、
前記回転台は、前記底板部の前記天面に沿って回転するように構成されており、
前記保持部は、前記回転台を介して前記スライド部の上に接続されている、請求項7に記載の被測定物の硬さ測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物の硬さ測定装置および被測定物の硬さ測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被測定物の一例としての野球またはソフトボール用捕球具の硬さは、使用者が野球またはソフトボール用捕球具を装着して野球またはソフトボール用捕球具を開閉したときの感覚によって評価されている。従ってスポーツ用品店によっては、捕球具を叩いたり伸ばしたりすることにより使用者にとって好みの硬さになるまで調整するサービスを提供しているところもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、使用者の感覚によって評価される商品は、使用者本人も、ましてや店側にとっても、どこまで調整すれば良いのか、適宜判断することが困難であった。すなわち、被測定物の硬さが個人の感覚により評価を受ける場合には、それを定量的に評価する適当な方法がないため、予め使用者毎に商品を準備することができず、店舗ごとに顧客と調整のための時間がかかるという問題があった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被測定物の硬さを定量的に評価することができる被測定物の硬さ測定装置および被測定物の硬さ測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の被測定物の硬さ測定装置は、被測定物の硬さを測定するための測定装置である。被測定物の硬さ測定装置は、第1側部と、第2側部と、台座部と、荷重部と、測定部と、保持部とを備えている。第1側部は、被測定物の一側面を押圧するためのものである。第2側部は、被測定物の一側面とは対称側の対称側側面を押圧するためのものである。台座部は、底板部と、底板部の天面に取り付けられたスライドレール部とを含んでいる。台座部は、第1側部に対して第2側部を移動可能に構成されている。荷重部は、第1側部が一側面を押圧しかつ第2側部が対称側側面を押圧するように、台座部を介して第1側部に対して第2側部を移動させることで、被測定物に荷重を作用させるためのものである。測定部は、被測定物に荷重が作用した状態において第1側部に対する第2側部の移動距離あるいは、第2側部を所定の速度で又は所定の位置まで移動させたときの荷重の変化量の、少なくとも一方を測定可能に構成されている。保持部は、台座部のスライドレール部の上に接続されている。保持部は、被測定物を保持可能に構成されており、かつ第1側部と第2側部との間においてスライドレール部によって移動可能に構成されている。
【0006】
本発明の被測定物の硬さ測定方法は、被測定物の硬さを測定するための測定方法である。被測定物の硬さ測定方法は次の工程を備えている。被測定物の一側面に第1側部が接しかつ被測定物の一側面とは対称側の対称側側面に第2側部が接するように、底板部と底板部の天面に取り付けられたスライドレール部とを含む台座部によって第1側部に対して第2側部が移動される。台座部のスライドレール部の上に接続された保持部に被測定物が保持され、保持部が第1側部と第2側部との間においてスライドレール部によって移動される。第1側部が一側面を押圧しかつ第2側部が対称側側面を押圧するように、第1側部に対して第2側部を移動させたときに、第1側部および第2側部によって被測定物に作用する荷重と第1側部に対する第2側部の移動距離あるいは、第2側部を所定の速度で又は所定の位置まで移動させたときの荷重の変化量の、少なくとも一方が測定される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の被測定物の硬さ測定装置および被測定物の硬さ測定方法によれば、被測定物の硬さを定量的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る被測定物の硬さ測定装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る被測定物の硬さ測定装置の構成を第1側部側から概略的に示す斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る被測定物の硬さ測定装置の構成を第2側部側から概略的に示す斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る被測定物の硬さ測定装置の構成を概略的に示す平面図である。
【
図5】実施の形態に係る被測定物の硬さ測定装置の保持部の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図6】実施の形態に係る被測定物の硬さ測定方法を概略的に示す斜視図である。
【
図7】実施の形態に係る被測定物の硬さ測定方法を概略的に示す上面図である。
【
図8】実施の形態に係る被測定物の硬さ測定装置の保持部に被測定物が装着された状態を概略的に示す斜視図である。
【
図10】実施の形態に係る被測定物の硬さ測定装置の変形例の構成を概略的に示す平面図である。
【
図11】実施の形態に係る他の被測定物の硬さ測定装置の構成を概略的に示す側面図である。
【
図12】実施の形態に係る他の被測定物の硬さ測定装置のスライド部、回転台および保持部の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図13】実施の形態に係る他の被測定物の硬さ測定装置において被測定物に対して第1側部の第1突起部の位置が調整される様子を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、特に言及しない限り、以下の図面において同一または対応する部分には同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0010】
図1~
図5を参照して、実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1の構成について説明する。
【0011】
図1および
図2に示されるように、本発明の硬さ測定装置1は、被測定物100の硬さを測定するための測定装置である。本実施の形態では、被測定物100は、野球またはソフトボール用捕球具を例としている。野球またはソフトボール用捕球具の硬さとは、当該捕球具を使用者が開閉させるときに感じる剛軟度を本発明の装置により客観的な数値で示す値である。なお、被測定物100は、野球またはソフトボール用捕球具に限定されず、バッグ、シューズ、枕などであってもよい。
【0012】
実施の形態に係る被測定物の硬さ測定装置1は、第1側部10と、第2側部20と、台座部30と、荷重部40と、測定部50と、保持部60とを主に備えている。
【0013】
第1側部10と第2側部20とは、互いに向かい合うように配置されている。第1側部10は、第1突起部11と、第1側板部12とを含んでいる。第1側部10は、被測定物100の一側面(親指外側面)101(
図6参照)を押圧するためのものである。
【0014】
被測定物100の一側面(親指外側面)101は、本例において被測定物100の親指側の側面である。被測定物100の一側面(親指外側面)101は、被測定物100の親指が挿入される親指部の小指と反対側の側面である。
【0015】
第1側板部12は、矩形の板状に構成されている。第1側板部12は、第2側部20と向かい合う第1内側面12aと、第1内側面12aと反対側に配置された第1外側面12bとを含んでいる。第1突起部11は、第1側板部12の第1内側面12aに取り付けられている。第1突起部11は、被測定物100の一側面(親指側側面)101を押圧するように構成されている。被測定物の形状および押圧時の変形に応じて第1突起部11が配置される。
【0016】
第1突起部11は、第1側板部12から第2側部20に向かって突出している。第1突起部11は、第1先端部11aと、第1根元部11bとを含んでいる。第1先端部11aは、第1根元部11bから第2側部20に向かって突出している。第1先端部11aは、円柱形状に構成されている。第1根元部11bは、第1側板部12の第1内側面12aに取り付けられている。第1根元部11bは、第1先端部11aから第1側板部12に向かって外径が大きくなるように構成されている。第1根元部11bは、円錐台形状に構成されている。押圧時に安定して力がかけられるように根本側の第1根元部11bが太くなっている。
【0017】
第1突起部11は、第1側板部12に位置変更可能に取り付けられている。第1突起部11は、第1側板部12の第2側板部22と向かい合う第1内側面12aに接着剤によって着脱可能に取り付けられている。なお、第1突起部11は、第1内側面12aに設けられた複数の穴のいずれかに挿入され、また、複数の穴から取り外されることによって第1側板部12に着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0018】
第2側部20は、第1側部10に対して移動可能に構成されている。第2側部20は、第2突起部21と、第2側板部22とを含んでいる。第2側部20は、被測定物100の対称側側面(小指外側面)102(
図6参照)を押圧するためのものである。被測定物100の対称側側面(小指外側面)102は、一側面(親指側側面)101とは対称側に配置されている。
【0019】
被測定物100の対称側側面(小指外側面)102は、被測定物100の小指側の側面である。被測定物100の対称側側面(小指外側面)102は、被測定物100の小指が挿入される小指部の親指と反対側の側面である。
【0020】
第2側板部22は、第1側板部12と同様に矩形の板状に構成されている。第1側板部12、第2側板部22共に、円盤状の他、被測定物100に第1突起部11、第2突起部21を接触させることができる大きさと形状を有していれば良い。第2側板部22は、第1側部10と向かい合う第2内側面22aと、第2内側面22aと反対側に配置されて第2外側面22bとを含んでいる。第2突起部21は、第2側板部22の第2内側面22aに取り付けられている。第2突起部21は、被測定物100の対称側側面(小指側側面)102を押圧するように構成されている。
【0021】
第2突起部21は、第2側板部22から第1側部10に向かって突出している。第2突起部21は、第2先端部21aと、第2根元部21bとを含んでいる。第2先端部21aは、第2根元部21bから第1側部10に向かって突出している。第2先端部21aは、円柱形状に構成されている。第2根元部21bは、第2側板部22の第2内側面22aに取り付けられている。第2根元部21bは、第2先端部21aから第2側板部22に向かって外径が大きくなるように構成されている。第2根元部21bは、円錐台形状に構成されている。
【0022】
第2突起部21は、第2側板部22に位置変更可能に取り付けられている。第2突起部21は、第2側板部22の第1側板部12と向かい合う第2内側面22aに接着剤によって着脱可能に取り付けられている。なお、第2突起部21は、第2内側面22aに設けられた複数の穴のいずれかに挿入され、また、複数の穴から取り外されることによって第2側板部22に着脱可能に取り付けられていてもよい。被測定物100の形状と押圧時の変化に応じて第1突起部11と第2突起部21とが配置される。
【0023】
第1側板部12および第2側板部22の各々は、台座部30に取り付けられている。第1側板部12および第2側板部22は、台座部30上で互いの距離が変化するように、台座部30に取り付けられている。
【0024】
台座部30は、第1側部10に対して第2側部20を移動可能に構成されている。台座部30は、底板部31と、スライドレール部32とを含んでいる。底板部31の底面は、台座部30が地面などに載置される面である。底板部31の天面にスライドレール部32が取り付けられている。スライドレール部32は、第1スライドレール32aと、第2スライドレール32bと、第3スライドレール32cと、第4スライドレール32dとを含んでいる。スライドレールは第1側部10に対する第2側部20の移動方向を特定するためのもので、例示のスライドレールに限定されない。スライドレールは移動方向を制限できれば1本でもよい。
【0025】
第1側板部12は、台座部30の底板部31の天面に固定されている。本実施の形態では、第1側板部12は、台座部30の底板部31の天面にL字金具によって固定されている。そのため、第1側板部12は、台座部30に対して移動しないように構成されている。
【0026】
第2側板部22は、台座部30の底板部31の天面に取り付けられた第1スライドレール32aおよび第2スライドレール32bに固定されている。本実施の形態では、第2側板部22は、台座部30の底板部31の天面に取り付けられた第1スライドレール32aおよび第2スライドレール32bにL字金具によって固定されている。第1スライドレール32aおよび第2スライドレール32bは、第1側部10と第2側部20とが向かい合う方向に、第2側部20を第1側部10に対して移動可能に構成されている。そのため、第2側板部22は、第1側板部12に対して移動可能に構成されている。
【0027】
荷重部40は、第1側部10が被測定物100の一側面(親指外側面)101(
図6参照)を押圧しかつ第2側部20が被測定物100の対称側側面(小指外側面)102(
図6参照)を押圧するように、台座部30を介して第1側部10に対して第2側部20を移動させることで、被測定物100に荷重を作用させるためのものである。
【0028】
荷重部40は、固定台41と、軸部42と、一対の滑車43と、紐44と、フォースゲージ45と、係止部46とを含んでいる。荷重部40の紐44はワイヤー等でも代用可能である。フォースゲージ45は複数の錘(一定荷重)でも代用可能である。
【0029】
固定台41は、第1側板部12の第1外側面12bに固定されている。固定台41は、板状に構成されている。固定台41の天面に軸部42が固定されている。軸部42は、円柱形状に構成されている。軸部42の両端部は、固定台41から外側に張り出している。軸部42の両端部の各々に一対の滑車43の各々が取り付けられている。一対の滑車43は、軸部42を中心として回転可能に構成されている。一対の滑車43の各々の中心には貫通孔が設けられている。滑車43の貫通孔に軸部42が挿入されている。一対の滑車43の各々の外周面には溝が設けられている。一対の滑車43の各々の溝は、紐44が嵌まるように構成されている。
【0030】
図2および
図3に示されるように、紐44は、輪状に構成されている。本実施の形態では、紐44の両端部が互いに結ばれることによって、紐44は輪状に構成されている。紐44は、第1側部10および第2側部20を囲むように構成されている。紐44は、第2側板部22の第2外側面22bに取り付けられた係止部46に係止されている。紐44は、係止部46の天面に載置されている。係止部46は、固定台41と略同じ高さ位置に配置されている。
【0031】
一対の滑車43の間において、紐44にフォースゲージ45が取り付けられている。フォースゲージ45は、本体部45aと、フック45bとを含んでいる。本体部45aは、フック45bに作用した荷重を表示可能に構成されている。フック45bは、紐44に取り付けられている。また、紐44にフォースゲージ45ではなく重りが取り付けられてもよい。
【0032】
測定部50は、被測定物100に荷重が作用した状態において第1側部10に対する第2側部20の移動距離あるいは、第2側部20を所定の速度で又は所定の位置まで移動させたときの荷重の変化量の、少なくとも一方を測定可能に構成されている。測定部50は、第1側部10と第2側部20との間の距離を測定可能に構成されている。
【0033】
本実施の形態では、測定部50は、リニアスケールである。測定部50は、目盛51と、検出部52と、表示部53とを含んでいる。目盛51は、第1側部10と第2側部20とが向かい合う方向に沿って延びている。検出部52は、目盛51から位置情報を検出可能に構成されている。表示部53は、検出部52が検出した位置情報から第1側部10と第2側部20との間の距離の変化を表示するように構成されている。本実施の形態では、表示部53は、固定台41の天面に載置されている。
【0034】
図1および
図4に示されるように、保持部60は、第1側部10と第2側部20との間に配置されている。保持部60は、台座部30に接続されている。保持部60は、台座部30のスライドレール部32の上に接続されている。保持部60は、被測定物100を保持可能に構成されている。保持部60は、被測定物100の手口103(
図6参照)に挿入された状態で被測定物100を保持可能に構成されている。
【0035】
保持部60は、第1側部10と第2側部20との間においてスライドレール部32によって移動可能に構成されている。保持部60は、台座部30の底板部31の天面に取り付けられた第3スライドレール32cおよび第4スライドレール32dに固定されている。第3スライドレール32cおよび第4スライドレール32dは、第1側部10と第2側部20とが向かい合う方向に保持部60を移動可能に構成されている。保持部60の移動方向は、第2側部20の移動方向と並行である。
【0036】
図4および
図5に示されるように、保持部60は、基台部61と、突出部62とを含んでいる。基台部61は、板状に構成されている。基台部61は、矩形状に構成されている。基台部61は、第3スライドレール32cおよび第4スライドレール32dに取り付けられている。基台部61は、第3スライドレール32cおよび第4スライドレール32dに沿って移動可能に構成されている。
【0037】
突出部62は、基台部61から突出している。具体的には、突出部62は、基台部61から台座部30と反対側に突出している。突出部62は、屈曲している。突出部62は、直線部62aと、傾斜部62bとを含んでいる。直線部62aは、基台部61に接続されている。傾斜部62bは、基台部61と反対側で直線部62aに接続されている。傾斜部62bは、基台部61に対して傾斜している。傾斜部62bは、被測定物100の背面側に傾斜している。
【0038】
図6~
図9を参照して、実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1に、被測定物100が装着された状態について説明する。
【0039】
図6および
図7に示されるように、被測定物100は、第1側部10と第2側部20との間において保持部60に保持されている。第1突起部11は、被測定物100の親指外側面101を押圧するように配置されている。第2突起部21は、被測定物100の小指外側面102を押圧するように配置されている。
【0040】
図8に示されるように、保持部60の突出部62は、被測定物100の手口103から挿入されている。保持部60の突出部62は、被測定物100の手口103から被測定物100の内部に挿入されている。
【0041】
図9に示されるように、突出部62は、被測定物100の手口103に挿入された状態で、手口103との間に隙間Gが設けられるように配置されている。突出部62は、被測定物100の手口103に挿入された状態で、手口103の開口内において移動可能に構成されている。
【0042】
次に、
図6および
図7を参照して、実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定方法について説明する。
【0043】
実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定方法は、被測定物100の硬さを測定するための測定方法である。
【0044】
実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定方法は、次の工程を備えている。
被測定物100の一側面(親指外側面)101に第1側部10が接しかつ被測定物100の対称側側面(小指外側面)102に第2側部20が接するように、底板部31と底板部31の天面に取り付けられたスライドレール部32とを含む台座部30によって第1側部10に対して第2側部20が移動される。台座部30のスライドレール部32の上に接続された保持部60に被測定物100が保持される。保持部60が第1側部10と第2側部20との間においてスライドレール部32によって移動される。本実施の形態では、被測定物100の一側面(親指外側面)101に第1側部10の第1突起部11が接し、被測定物100の対称側側面(小指外側面)102に第2側部20の第2突起部21が接する。
【0045】
第1側部10が一側面(親指外側面)101を押圧しかつ第2側部20が対称側側面(小指外側面)102を押圧するように、第1側部10に対して第2側部20を移動させたときに、第1側部10および第2側部20によって被測定物100に作用する荷重と第1側部10に対する第2側部20の移動距離あるいは、第2側部20を所定の速度で又は所定の位置まで移動させたときの荷重の変化量の、少なくとも一方が測定される。
【0046】
続いて、実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定方法をさらに具体的に説明する。
被測定物100の手口103から保持部60の突出部62が挿入される。この状態で、被測定物100が保持部60に保持される。被測定物100の親指外側面101が第1側部10に向かい合いかつ被測定物100の小指外側面102が第2側部20に向かい合うように、被測定物100が配置される。
【0047】
被測定物100の親指外側面101に接するように第1側部10の第1突起部11の位置が変更される。被測定物100の親指は、硬い芯を挿入して革ひもで固定して内側に動きやすくしているので、革ひもの上部より例えば10mm下の位置に接するように第1突起部11の位置が設定される。第1突起部11の先端の径は、例えば15mmである。被測定物100の小指外側面102に接するように第2側部20の第2突起部21の位置が変更される。被測定物100の小指は、硬い芯を挿入して革ひもで固定して内側に動きやすくしているので、革ひもの上部より例えば10mm下の位置に接するように第2突起部21の位置が設定される。第2突起部21の先端の径は、例えば15mmである。
【0048】
そして、被測定物100の親指外側面101に第1側部10の第1突起部11が接しかつ被測定物100の小指外側面102に第2側部20の第2突起部21が接するように第1側部10および第2側部20が配置される。
【0049】
紐44が第2側部20の第2外側面22bに通されかつ一対の滑車43の溝に通される。被測定物100の親指外側面101に第1側部10の第1突起部11が接し、被測定物100の小指外側面102に第2側部20の第2突起部21が接しており、かつ無荷重の状態において、測定部50であるリニアスケールの初期値がゼロに設定される。また、フォースゲージ45の初期値がゼロに設定される。
【0050】
この状態から、第1突起部11が親指外側面101を押圧しかつ第2突起部21が小指外側面102を押圧するように、第1側部10に対して第2側部20を移動させたときに、第1突起部11および第2突起部21によって被測定物100に作用する荷重と第1側部10に対する第2側部20の移動距離とが測定される。この時の移動は、移動距離と力が同時に計測できれば、手動または自動でよい。
【0051】
被測定物100に作用する荷重は、例えば0g以上1000g以下である。なお、被測定物100に作用する荷重は、一定の荷重であってもよい。一定の荷重を複数利用して測定する場合、被測定物100の変形が一定になってから測定が行われる。
【0052】
フォースゲージ45によって紐44が引かれながらフォースゲージ45の値が読まれるとともにリニアスケールの値が読まれる。フォースゲージ45の値およびリニアスケールの値はビデオで録画されていてもよい。ビデオ録画の場合、フォースゲージ45から押圧時の力が測定され、リニアスケールから移動距離が測定される。
【0053】
次に、
図10を参照して、本実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1の変形例について説明する。
【0054】
図10に示されるように、本実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1の変形例では、上記の被測定物100の硬さ測定装置1に比べて、荷重部40および測定部50の構成が主に異なっている。
【0055】
荷重部40は、第2側部20および台座部30に取り付けられている。荷重部40は、本体40aと、移動部40bとを含んでいる。本体40aは、台座部30に載置されている。移動部40bは、本体40aに対して移動可能に構成されている。移動部40bは、第2側部20に取り付けられている。移動部40bは、第1側部10と第2側部20とが向かい合う方向に移動可能に構成されている。移動部40bは、モーターによって移動するように構成されている。
【0056】
測定部50は、第2側部20を所定の速度で又は所定の位置まで移動させたときの荷重の変化量を測定可能に構成されている。測定部50は、第1側部10および荷重部40に取り付けられている。測定部50は、検出部50aと、圧力センサー50bとを含んでいる。検出部50aは、荷重部40に接続されている。検出部50aは、圧力センサー50bに接続されている。検出部50aは、移動部40bのモーターの制御で第2側部20の移動速度または移動距離を検出するように構成されている。測定部50は、移動部40bのモーターの制御で第2側部20の移動速度または移動距離を測定可能に構成されている。
【0057】
圧力センサー50bは、第1側部10に取り付けられている。圧力センサー50bは、荷重部40から被測定物100を介して第1側部10に作用する荷重の変化量を検出するように構成されている。測定部50は、圧力センサー50bで第1側部10に作用する荷重の変化量を測定可能に構成されている。
【0058】
続いて、本実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定方法の変形例について説明する。
【0059】
本実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定方法の変形例では、第2側部20を所定の速度で又は所定の位置まで移動させたときの荷重の変化量が測定される。具体的には、荷重部40の移動部40bがモーターによって移動されることで移動部40bが取り付けられた第2側部20を所定の速度で又は所定の位置まで移動させる。このときの荷重の変化量が測定部50により測定される。
【0060】
次に、本実施の形態に係る作用効果について説明する。
実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1によれば、測定部50は、被測定物100に荷重が作用した状態において第1側部10に対する第2側部20の移動距離あるいは、第2側部20を所定の速度又は所定の位置まで移動させたときの荷重の変化量の、少なくとも一方を測定可能に構成されている。このため、被測定物100の硬さを使用者の感覚ではなく測定装置1によって測定することができる。したがって、被測定物100の硬さを定量的に評価することができる。
【0061】
また、保持部60は、第1側部10と第2側部20との間においてスライドレール部32によって移動可能に構成されている。このため、被測定物100に作用する力の方向をスライドレール部32が延びる方向に沿って一定にすることができる。
【0062】
実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1によれば、第1突起部11は被測定物100の一側面(親指外側面)101を押圧するように構成されており、第2突起部21は被測定物100の対称側側面(小指外側面)102を押圧するように構成されている。このため、測定したい箇所を限定することができる。側面より押圧するので被測定物100を測定する際に重力による影響がでない。また、被測定物100の変形箇所をピンポイントで指定することができるので面等で押圧するよりも正確な評価ができる。
【0063】
実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1によれば、保持部60の移動方向が第2側部20の移動方向と並行である。したがって、被測定物100が保持部60に保持されるときに、被測定物100の配置の調整が容易である。また、移動方向が並行なので、一方向に移動方向が拘束されるので摩擦も小さく、正確に測定できる。
【0064】
実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1によれば、第1突起部11は、第1側板部12に位置変更可能に取り付けられており、第2突起部21は、第2側板部22に位置変更可能に取り付けられている。したがって、被測定物100にあわせて、第1突起部11および第2突起部21の位置を変更することができる。位置を変更することで被測定物100の形状および変形に応じて押圧部分を調整できる。また、変形を見たい箇所をピンポイントで押圧できるので、より正確な測定が可能になる。
【0065】
実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1によれば、被測定物100が野球またはソフトボール用捕球具である。このため、野球またはソフトボール用捕球具の硬さを定量的に評価することができる。
【0066】
実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1によれば、突出部62は、野球またはソフトボール用捕球具の手口103に挿入された状態で、手口103との間に隙間Gが設けられるように配置されている。したがって、野球またはソフトボール用捕球具が保持部60に保持されるときに、野球またはソフトボール用捕球具の配置の調整がさらに容易である。
【0067】
実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定方法によれば、第1側部10が被測定物100の一側面(親指外側面)101を押圧しかつ第2側部20が被測定物100の対称側側面(小指外側面)102を押圧するように、第1側部10に対して第2側部20を移動させたときに、第1側部10および第2側部20によって被測定物100に作用する荷重と第1側部10に対する第2側部20の移動距離あるいは、第2側部20を所定の速度又は所定の位置まで移動させたときの荷重の変化量の、少なくとも一方が測定される。このため、被測定物100の硬さを使用者の感覚ではなく、第1突起部11および第2突起部21によって被測定物100に作用する荷重と第1側部10に対する第2側部20の移動距離とによって測定することができる。したがって、被測定物100の硬さを定量的に評価することができる。
【0068】
次に、実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定装置1および被測定物100の硬さ測定方法について説明する。実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定装置1および被測定物100の硬さ測定方法は、特に説明しない限り、上記の実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1および被測定物100の硬さ測定方法と同一の構成、測定方法および効果を有する。したがって、上記の実施の形態に係る被測定物100の硬さ測定装置1および被測定物100の硬さ測定方法と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
【0069】
図11および
図12を参照して、実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定装置1の構成について説明する。
図11では、説明の便宜のため、被測定物100は破線で模式的に示されている。
【0070】
実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定装置1では、第1側部10は、第1突起部11と、第1側板部12と、第1スライド部材13と、第2スライド部材14とを含んでいる。第1突起部11は、第1スライド部材13を介して第1側板部12に取り付けられている。第1側板部12は、固定部121と、可動部122とを含んでいる。固定部121は、第2スライド部材14を介して可動部122と接続されている。
【0071】
第1スライド部材13は、たとえば、リニアガイドである。第1スライド部材13は、第1ガイドレール13aと、第1ブロック13bとを含んでいる。第1ガイドレール13aは上下方向に延在している。第1ブロック13bは、第1ガイドレール13aに沿って上下方向に移動可能に構成されている。
【0072】
第1突起部11は、第1スライド部材13の第1ブロック13bに取り付けられている。第1突起部11は、第1ブロック13bから被測定物100に向けて突き出している。第1突起部11は、第1ブロック13bに対して第1ガイドレール13aと反対側に配置されている。第1突起部11は、第1ブロック13bが第1ガイドレール13aに沿って上下方向に移動することにより、上下方向に移動することができる。
【0073】
第2スライド部材14は、たとえば、リニアガイドである。第2スライド部材14は、第2ガイドレール14aと、第2ブロック14bとを含んでいる。第2ガイドレール14aは前後方向(紙面に対して垂直方向)に延在している。第2ブロック14bは、第2ガイドレール14aに沿って前後方向に移動可能に構成されている。
【0074】
固定部121は、台座部30の底板部31の天面に固定されている。可動部122は、第2ガイドレール14aによって固定部121に対して移動可能に構成されている。固定部121の上面に第2ガイドレール14aが取り付けられている。可動部122の下面に第2ブロック14bが取り付けられている。可動部122は、第2ブロック14bが第2ガイドレール14aに沿って前後方向に移動することにより、前後方向に移動可能に構成されている。第1突起部11は、可動部122が前後方向に移動することにより、前後方向に移動することができる。したがって、第1突起部11は、第1スライド部材13によって上下方向に移動することができ、第2スライド部材14によって前後方向に移動することができる。
【0075】
台座部30は、底板部31と、スライド部33とを含んでいる。スライド部33は、底板部31の天面に取り付けられている。底板部31は、第1底板部材31aと、第2底板部材31bとを含んでいる。第1底板部材31aは、第2底板部材31bよりも上方に配置されている。第1底板部材31aの天面に第1側板部12の固定部121およびスライド部33が取り付けられている。
【0076】
スライド部33は、第1スライド部分33aと、第2スライド部分33bと、第3スライド部分33cとを有している。第1スライド部分33aと第2スライド部分33bとは左右方向に互いに間隔をあけて配置されている。
【0077】
第1スライド部分33a、第2スライド部分33bおよび第3スライド部分33cは、たとえば、リニアガイドである。第1スライド部分33aおよび第2スライド部分33bの各々は、下側ガイドレールLGおよび下側ブロックLBを含んでいる。第3スライド部分33cは、上側ガイドレールUGと、上側ブロックUBとを含んでいる。上側ブロックUBは、上側ガイドレールUGに沿って左右方向に2つに分離されている。
【0078】
第1スライド部分33aおよび第2スライド部分33bの各々の下側ガイドレールLGは前後方向に延在している。第1スライド部分33aおよび第2スライド部分33bの各々の下側ブロックLBは、下側ガイドレールLGに沿って前後方向に移動可能に構成されている。第1スライド部分33aおよび第2スライド部分33bの各々の下側ブロックLBは、第3スライド部分33cの上側ガイドレールUGに取り付けられている。第3スライド部分33cの上側ガイドレールUGは左右方向に延在している。第3スライド部分33cの上側ブロックUBは、上側ガイドレールUGに沿って左右方向に移動可能に構成されている。
【0079】
また、台座部30は、回転台34を含んでいる。回転台34は、底板部31の天面に沿って回転するように構成されている。回転台34は、下側部分34aと、上側部分34bとを含んでいる。下側部分34aおよび上側部分34bは互いに相対的に回転するように構成されている。回転台34は、スライド部33の上に配置されている。回転台34の下側部分34aは、第3スライド部分33cの上側ブロックUBに取り付けられている。回転台34の上側部分34bは、保持部60に取り付けられている。回転台34は、角度指定なしで360°自由に回転するように構成されていてもよい。また、回転台34は、角度目盛付きで指定した角度に回転するように構成されていてもよい。
【0080】
保持部60は、台座部30のスライド部33の上に接続されている。保持部60は、被測定物100を保持可能に構成されている。保持部60は、第1側部10と第2側部20との間においてスライド部33によって移動可能に構成されている。保持部60は、スライド部33によって左右方向および前後方向に移動することができる。保持部60は、回転台34を介してスライド部33の上に接続されている。保持部60は、回転台34によって底板部31の天面の面内方向に回転することができる。
【0081】
第2側部20は、第2突起部21と、第2側板部22とを含んでいる。第2突起部21は、第2側板部22に取り付けられている。第2突起部21は、第2側板部22から被測定物100に向けて突き出している。第2突起部21は、被測定物100の対称側側面(小指側側面)102を押圧するときに、荷重部40よりも第1側部10側に突き出すように構成されている。
【0082】
第2側部20の第2側板部22は、荷重部40に接続されている。荷重部40は第2側部20を左右方向に移動させるように構成されている。荷重部40は、第1側部10が一側面(親指外側面)101を押圧しかつ第2側部20が対称側側面(小指外側面)102を押圧するように、第1側部10に対して第2側部20を移動させることで、被測定物100に荷重を作用させるためのものである。第2突起部21は、荷重部40が第2側部20を左右方向に移動させることにより、左右方向に移動することができる。
【0083】
測定部50は、被測定物100に荷重が作用した状態において第1側部10に対する第2側部20の移動距離あるいは、第2側部20を所定の速度で又は所定の位置まで移動させたときの荷重の変化量の、少なくとも一方を測定可能に構成されている。測定部50は、第1側部10に対知る第2側部20の移動距離あるいは第2側部20を所定の速度で又は所定の位置まで移動させたときの荷重の変化量の少なくとも一方を表示するためのモニターを含んでいてもよい。
【0084】
第2側部20、荷重部40および測定部50として、既存の圧縮試験機が用いられてもよい。
【0085】
第2底板部材31bの天面に昇降台200が取り付けられている。昇降台200は、テーブル201と、ハンドル202とを含んでいる。テーブル201は、ハンドル202が操作されることによって上下方向に昇降可能に構成されている。昇降台200として、既存の昇降ユニットが用いられてもよい。昇降台200のテーブル201に第2側部20、荷重部40、測定部50が載せられている。第2側部20、荷重部40および測定部50として、既存の圧縮試験機が用いられる場合には、昇降台200のテーブル201に既存の圧縮試験機が載せられてもよい。第2突起部21は、昇降台200がハンドル202が操作されることによって上下方向に昇降することにより、上下方向に移動することができる。したがって、第2突起部21は、荷重部40によって左右方向に移動することができ、昇降台200によって上下方向に移動することができる。
【0086】
次に、
図11を参照して、実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定方法について説明する。
【0087】
実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定方法は、被測定物100の硬さを測定するための測定方法である。
【0088】
実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定方法は、次の工程を備えている。
被測定物100の一側面(親指外側面)101に第1側部10が接しかつ被測定物100の対称側側面(小指外側面)102に第2側部20が接するように、荷重部40によって第1側部10に対して第2側部20が移動される。台座部30の底板部31の天面に取り付けられたスライド部33の上に接続された保持部60に被測定物100が保持される。保持部60が第1側部10と第2側部20との間においてスライド部33によって移動される。被測定物100の一側面(親指外側面)101に第1側部10の第1突起部11が接し、被測定物100の対称側側面(小指外側面)102に第2側部20の第2突起部21が接する。
【0089】
第1側部10が一側面(親指外側面)101を押圧しかつ第2側部20が対称側側面(小指外側面)102を押圧するように、荷重部40が第1側部10に対して第2側部20を移動させたときに、第1側部10および第2側部20によって被測定物100に作用する荷重と第1側部10に対する第2側部20の移動距離あるいは、第2側部20を所定の速度で又は所定の位置まで移動させたときの荷重の変化量の、少なくとも一方が測定部50によって測定される。
【0090】
第1スライド部材13および第2スライド部材14によって第1突起部11の上下方向および前後方向の位置が調整される。スライド部33によって被測定物100の左右方向および前後方向の位置が調整される。
【0091】
次に、実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定装置1および被測定物100の硬さ測定方法の作用効果について説明する。
【0092】
実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定装置1によれば、保持部60は、被測定物100を保持可能に構成されており、かつ第1側部10と第2側部20との間においてスライド部33によって移動可能に構成されている。このため、スライド部33によって被測定物100の適切な位置に第1側部10および第2側部20を当てることができる。
【0093】
また、実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定装置1によれば、スライド部33によって被測定物100の左右方向および前後方向の位置が調整される。このため、左右方向および前後方向において被測定物100を適切な位置に配置することができる。
【0094】
実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定装置1によれば、保持部60は、回転台34を介してスライド部33の上に接続されている。このため、回転台34が回転することによって被測定物100の向きを変更することができる。これにより、被測定物100のさらに適切な位置に第1側部10および第2側部20を当てることができる。
【0095】
図11および
図13を参照して、実施の形態に係る他の被測定物100の硬さ測定装置1では、第1スライド部材13および第2スライド部材14によって第1突起部11の位置を上下方向および前後方向に調整することができる。このため、第1突起部11および第2突起部21から被測定物100に作用する荷重の方向を一致させることができる。
【0096】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0097】
1 被測定物の硬さ測定装置、10 第1側部、11 第1突起部、12 第1側板部、20 第2側部、21 第2突起部、22 第2側板部、30 台座部、31 底板部、32 スライドレール部、33 スライド部、40 荷重部、41 固定台、42 軸部、43 滑車、44 紐、45 フォースゲージ、46 係止部、50 測定部、51 目盛、52 検出部、53 表示部、60 保持部、61 基台部、62 突出部、101 一側面(親指外側面)、102 対称側側面(小指外側面)、103 手口、G 隙間。