(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】高周波特性検査装置、及び高周波特性検査方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/00 20060101AFI20230628BHJP
G01R 31/50 20200101ALI20230628BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G01R31/00
G01R31/50
G01R31/28 K
(21)【出願番号】P 2019158277
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2022-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】594123387
【氏名又は名称】ヤマハファインテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】松井 洋道
(72)【発明者】
【氏名】鈴川 勝
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 誠人
(72)【発明者】
【氏名】竹山 裕隆
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-48599(JP,A)
【文献】特開2010-256614(JP,A)
【文献】米国特許第5736279(US,A)
【文献】特開平5-273590(JP,A)
【文献】特開平4-27874(JP,A)
【文献】特開平2-62974(JP,A)
【文献】実開平4-24076(JP,U)
【文献】国際公開第2019/163288(WO,A1)
【文献】特開2006-138808(JP,A)
【文献】特開2007-3517(JP,A)
【文献】特開昭61-164168(JP,A)
【文献】特開2010-48565(JP,A)
【文献】特開昭63-184400(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0105087(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/00
G01R 31/50
G01R 31/28
G01R 31/26
G01R 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の高周波特性を検査する高周波特性検査装置であって、
前記基板の主面側から前記基板を検査するための、複数の検査プローブを有する移動可能な検査治具と、
前記基板の主面側を撮像する撮像部と、
前記基板を保持し、少なくとも前記基板の主面に対して平行に移動可能な基板ホルダーと、
前記撮像部が撮像した画像に基づいて、少なくとも前記基板ホルダーを移動させて、前記検査プローブを前記基板にコンタクトさせる制御部と
を備え、
前記検査治具には、前記基板の第1主面側に配置される第1検査治具と、前記第1主面側と反対側の第2主面側に配置される第2検査治具とが含まれ、
前記撮像部には、前記第1主面側の基板パターンを撮像する第1撮像部と、前記第2主面側の基板パターンを撮像する第2撮像部とが含まれ、
前記制御部は、
前記第1撮像部及び前記第2撮像部が撮像した前記基板パターンに基づいて、前記基板ホルダーを前記基板の主面に対して平行に移動させて、前記検査治具に対する前記基板の位置決めを行った後、
前記第1検査治具及び前記第2検査治具と前記基板ホルダーとを相対的に前記主面の垂直方向に移動させて
、前記
複数の検査プローブを前記基板にコンタクトさせる
高周波特性検査装置。
【請求項2】
前記第2検査治具は、前記平行に移動可能であり、
前記制御部は、
前記第2撮像部が撮像した前記基板パターンに基づいて、前記第2検査治具を前記平行に移動させて、前記基板に対する前記第2検査治具の位置決めを行い、
前記基板ホルダーを前記垂直方向に移動させて、前記第2検査治具の前記複数の検査プローブを前記基板にコンタクトさせ、
前記第1検査治具を前記垂直方向に移動させて、前記第1検査治具の前記複数の検査プローブを前記基板にコンタクトさせる
請求項
1に記載の高周波特性検査装置。
【請求項3】
前記第1主面が、前記基板の上側の主面であり、前記第2主面が、前記基板の下側の主面である
請求項
1又は請求項
2に記載の高周波特性検査装置。
【請求項4】
前記第1検査治具の前記垂直方向の移動量は、50mm(ミリメートル)以下である
請求項
1から請求項
3のいずれか一項に記載の高周波特性検査装置。
【請求項5】
前記第2検査治具の前記平行の方向の移動量は、5mm以下であり、前記基板の主面と平行な面上の角度方向の移動量は、3°(度)以下である
請求項
1から請求項
4のいずれか一項に記載の高周波特性検査装置。
【請求項6】
前記複数の検査プローブは、前記基板の高周波特性を検査する分析装置と検査ケーブルにより接続されており、
前記検査ケーブルは、同軸ケーブルである
請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載の高周波特性検査装置。
【請求項7】
基板の主面側から前記基板を検査するための、複数の検査プローブを有する移動可能な検査治具と、前記基板の主面側を撮像する撮像部と、前記基板を保持し、少なくとも前記基板の主面に対して平行に移動可能な基板ホルダーと、前記撮像部が撮像した画像に基づいて、少なくとも前記基板ホルダーを移動させて、前記検査プローブを前記基板にコンタクトさせる制御部とを備え、前記基板の高周波特性を検査する高周波特性検査装置の高周波特性検査方法であって、
前記検査治具には、前記基板の第1主面側に配置される第1検査治具と、前記第1主面側と反対側の第2主面側に配置される第2検査治具とが含まれ、
前記撮像部には、前記第1主面側の基板パターンを撮像する第1撮像部と、前記第2主面側の基板パターンを撮像する第2撮像部とが含まれ、
前記制御部が、
前記第1撮像部及び前記第2撮像部が撮像した前記基板パターンに基づいて、前記基板ホルダーを前記基板の主面に対して平行に移動させて、前記検査治具に対する前記基板の位置決めを行った後、
前記第1検査治具及び前記第2検査治具と前記基板ホルダーとを相対的に前記主面の垂直方向に移動させて
、前記
複数の検査プローブを前記基板にコンタクトさせる
高周波特性検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波特性検査装置、及び高周波特性検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板を検査する従来の検査装置では、回路パターンの導通・絶縁検査を行うものがあり、基板の高周波特性を測定するものではなかった。また、基板の高周波特性を測定する技術として、非接触電磁誘導プローブ手段を用いた簡易に検査する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、非接触電磁誘導プローブ手段を用いて簡易に検査するものであり、検査する基板に検査プローブを自動で接続して、高周波特性を検査することは困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、基板に検査プローブを自動で接続して、高周波特性を適切に検査することができる高周波特性検査装置、及び高周波特性検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、基板の高周波特性を検査する高周波特性検査装置であって、前記基板の主面側から前記基板を検査するための、複数の検査プローブを有する移動可能な検査治具と、前記基板の主面側を撮像する撮像部と、前記基板を保持し、少なくとも前記基板の主面に対して平行に移動可能な基板ホルダーと、前記撮像部が撮像した画像に基づいて、少なくとも前記基板ホルダーを移動させて、前記検査プローブを前記基板にコンタクトさせる制御部とを備え、前記検査治具には、前記基板の第1主面側に配置される第1検査治具と、前記第1主面側と反対側の第2主面側に配置される第2検査治具とが含まれ、前記撮像部には、前記第1主面側の基板パターンを撮像する第1撮像部と、前記第2主面側の基板パターンを撮像する第2撮像部とが含まれ、前記制御部は、前記第1撮像部及び前記第2撮像部が撮像した前記基板パターンに基づいて、前記基板ホルダーを前記基板の主面に対して平行に移動させて、前記検査治具に対する前記基板の位置決めを行った後、前記第1検査治具及び前記第2検査治具と前記基板ホルダーとを相対的に前記主面の垂直方向に移動させて、前記複数の検査プローブを前記基板にコンタクトさせる高周波特性検査装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、基板の主面側から前記基板を検査するための、複数の検査プローブを有する移動可能な検査治具と、前記基板の主面側を撮像する撮像部と、前記基板を保持し、少なくとも前記基板の主面に対して平行に移動可能な基板ホルダーと、前記撮像部が撮像した画像に基づいて、少なくとも前記基板ホルダーを移動させて、前記検査プローブを前記基板にコンタクトさせる制御部とを備え、前記基板の高周波特性を検査する高周波特性検査装置の高周波特性検査方法であって、前記検査治具には、前記基板の第1主面側に配置される第1検査治具と、前記第1主面側と反対側の第2主面側に配置される第2検査治具とが含まれ、前記撮像部には、前記第1主面側の基板パターンを撮像する第1撮像部と、前記第2主面側の基板パターンを撮像する第2撮像部とが含まれ、前記制御部が、前記第1撮像部及び前記第2撮像部が撮像した前記基板パターンに基づいて、前記基板ホルダーを前記基板の主面に対して平行に移動させて、前記検査治具に対する前記基板の位置決めを行った後、前記第1検査治具及び前記第2検査治具と前記基板ホルダーとを相対的に前記主面の垂直方向に移動させて、前記複数の検査プローブを前記基板にコンタクトさせる高周波特性検査方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板に検査プローブを自動で接続して、高周波特性を適切に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態による高周波特性検査装置の構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態による高周波特性検査装置の一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態による検査治具及び基板ホルダーの移動動作の一例を説明する図である。
【
図4】本実施形態による高周波特性検査装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態による高周波特性検査装置の動作の別の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態による高周波特性検査装置、及び高周波特性検査方法について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による高周波特性検査装置1の構成例を示す図である。また、
図2は、本実施形態による高周波特性検査装置の一例を示す機能ブロック図である。
【0011】
図1及び
図2に示すように、高周波特性検査装置1は、上面検査治具21と、下面検査治具22と、上面カメラ31と、下面カメラ32と、基板ホルダー40と、上面検査治具駆動部41と、下面検査治具駆動部42と、基板ホルダー駆動部43と、制御PC(制御パーソナルコンピュータ)50とを備える。高周波特性検査装置1は、基板PBの高周波特性を検査する検査装置である。
また、高周波特性検査装置1には、基板PBの高周波特性を検査する分析装置であるネットワークアナライザー2が接続されている。
【0012】
基板PBは、検査対象のプリント基板であり、内部に回路パターンが形成されている。また、基板シートSTには、複数の基板PBが形成されている。基板シートSTが有する各基板PBの表面には、高周波特性を検査する際に検査治具をコンタクト(接続)する電極や、個片の基板PBの位置決めマークであるアライメントマークなどの基板パターンが形成されている。
【0013】
なお、本実施形態において、基板PBの主面に対して平行な方向を、例えば、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向とし、基板PBの主面と垂直な方向(垂直方向)をZ軸方向として説明する。なお、以下の説明において、基板PBの主面と平行な方向を、平行方向と言うことがある。ここで、θ方向は、基板PBの主面と平行な面上の角度方向であり、Z軸方向を回転軸とした回転角を示す。また、本実施形態において、基板PBの上側の主面を主面F1(第1主面の一例)とし、基板PBの下側の主面を主面F2(第2主面の一例)として説明する。
【0014】
基板ホルダー40は、基板PB(基板シートST)を保持し、少なくとも基板PBの主面に対して平行に移動可能に構成されている。基板ホルダー40は、後述する基板ホルダー駆動部43によって、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向に移動可能である。
【0015】
上面検査治具21は、基板PBの上側の主面F1側から基板PBを検査するための検査治具であり、複数の検査プローブ11を有し、基板PBの主面F1側に配置されている。また、上面検査治具21は、ネットワークアナライザー2と検査ケーブルCB1によって接続されている。上面検査治具21は、検査ケーブルCB1の姿勢変化が高周波特性の検査に影響を与えない範囲で、且つ、基板PBの主面(例えば、主面F1)の垂直方向にのみ移動可能に構成されている。例えば、上面検査治具21は、後述する上面検査治具駆動部41によって、Z軸方向に移動可能である。
【0016】
下面検査治具22は、基板PBの下側の主面F2側から基板PBを検査するための検査治具であり、複数の検査プローブ12を有し、基板PBの主面F2側に配置されている。また、下面検査治具22は、ネットワークアナライザー2と検査ケーブルCB2によって接続されている。下面検査治具22は、検査ケーブルCB2の姿勢変化が高周波特性の検査に影響を与えない範囲で、且つ、基板PBの主面(例えば、主面F2)と平行にのみ移動可能に構成されている。例えば、下面検査治具22は、後述する下面検査治具駆動部42によって、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向に移動可能である。
【0017】
なお、本実施形態において、上面検査治具21が有する検査プローブ11と、下面検査治具22が有する検査プローブ12とは、高周波特性検査装置1が備える任意の検査プローブを示す場合、又は特に区別しない場合には、検査プローブ10として説明する。
また、上面検査治具21及び下面検査治具22は、高周波特性検査装置1が備える任意の検査治具を示す場合、又は特に区別しない場合には、検査治具20として説明する。
【0018】
上面カメラ31(撮像部の一例)は、基板PBの主面F1側に配置され、基板PBの主面F1側(上面側)を撮像する。上面カメラ31は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサなどの撮像素子を備え、基板PBの主面F1側の基板パターンを撮像し、撮像した基板パターン(の画像データ)を、制御PC50に出力する。
【0019】
下面カメラ32(撮像部の一例)は、基板PBの主面F2側に配置され、基板PBの主面F2側(下面側)を撮像する。下面カメラ32は、例えば、CCDセンサなどの撮像素子を備え、基板PBの主面F2側の基板パターンを撮像し、撮像した基板パターン(の画像データ)を、制御PC50に出力する。
【0020】
なお、本実施形態において、上面カメラ31(第1撮像部の一例)及び下面カメラ32(第2撮像部の一例)は、高周波特性検査装置1が備える任意のカメラを示す場合、又は特に区別しない場合には、カメラ30として説明する。
【0021】
検査ケーブルCB1(第1検査ケーブルの一例)は、例えば、同軸ケーブルであり、ネットワークアナライザー2と上面検査治具21との間に接続され、ネットワークアナライザー2と検査プローブ11との間で、高周波特性を検査するための検査信号を伝達する。すなわち、複数の検査プローブ11は、ネットワークアナライザー2と検査ケーブルCB1により接続されており、検査ケーブルCB1は、同軸ケーブルである。
【0022】
検査ケーブルCB2(第2検査ケーブルの一例)は、例えば、同軸ケーブルであり、ネットワークアナライザー2と下面検査治具22との間に接続され、ネットワークアナライザー2と検査プローブ12との間で、高周波特性を検査するための検査信号を伝達する。すなわち、複数の検査プローブ12は、ネットワークアナライザー2と検査ケーブルCB2により接続されており、検査ケーブルCB2は、同軸ケーブルである。
【0023】
上面検査治具駆動部41は、上面検査治具21を移動させる駆動機構である。上面検査治具駆動部41は、上面検査治具21を、基板PBの主面(例えば、主面F1)の垂直方向に移動させる。上面検査治具駆動部41は、後述する制御PC50の制御により、上面検査治具21を、Z軸方向に移動させる。
【0024】
下面検査治具駆動部42は、下面検査治具22を移動させる駆動機構である。下面検査治具駆動部42は、下面検査治具22を、基板PBの主面(例えば、主面F2)と平行方向に移動させる。下面検査治具駆動部42は、後述する制御PC50の制御により、下面検査治具22を、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向に移動させる。
【0025】
基板ホルダー駆動部43は、基板ホルダー40を移動させる駆動機構である。基板ホルダー駆動部43は、基板PBの主面(例えば、主面F1)と平行方向移動させるとともに、基板PBの主面の垂直方向に移動させる。基板ホルダー駆動部43は、後述する制御PC50の制御により、基板ホルダー40を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方法、及びθ方向に移動させる。
【0026】
制御PC50は、高周波特性検査装置1を制御する制御部である。制御PC50は、カメラ30が撮像した画像に基づいて、少なくとも基板ホルダー40を移動させて、検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせる。例えば、制御PC50は、基板ホルダー40を基板PBの主面に対して平行に移動させて、検査治具20に対する基板PBの位置決めを行った後、検査治具20と基板ホルダー40とを相対的に主面の垂直方向に移動させて検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせる。
【0027】
具体的に、制御PC50は、上面カメラ31及び下面カメラ32が撮像した基板パターンに基づいて、基板ホルダー40を平行に移動させて、検査治具20に対する基板PBの位置決めを行う。すなわち、制御PC50は、基板ホルダー駆動部43を制御して、基板ホルダー40を、例えば、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向のいずれか又はこれらを組み合わせて移動させて、上面検査治具21に対する基板PBの位置決めを行う。
なお、制御PC50は、下面検査治具駆動部42を制御して、下面カメラ32が撮像した基板パターンに基づいて、下面検査治具22を平行(例えば、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向のいずれか又はこれらを組み合わせた方向)に移動させて、下面検査治具22に対する基板PBの位置決めの微調整を行う。
【0028】
制御PC50は、検査治具20に対する基板PBの位置決めを行った後に、上面検査治具21及び下面検査治具22と基板ホルダー40とを相対的に垂直方向に移動させて、複数の検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせる。制御PC50は、基板ホルダー駆動部43を制御して、例えば、基板ホルダー40を垂直方向(Z軸方向)に移動させて、下面検査治具22の複数の検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせる。さらに、制御PC50は、上面検査治具駆動部41を制御して、例えば、上面検査治具21を垂直方向(Z軸方向)に移動させて、上面検査治具21の複数の検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせる。
【0029】
このように、制御PC50は、上面検査治具21及び下面検査治具22と基板ホルダー40とを相対的に垂直方向に移動させて、基板PBの位置決め及び検査プローブ10のコンタクトを実行する。ここで、
図3を参照して、本実施形態における上面検査治具21、下面検査治具22、及び基板ホルダー40の移動方向の詳細について説明する。
【0030】
図3は、本実施形態による検査治具20及び基板ホルダー40の移動動作の一例を説明する図である。
図3に示すように、上面検査治具21は、上面検査治具駆動部41の駆動により、検査ケーブルCB1の姿勢変化が高周波特性の検査に影響を与えない範囲で、且つ、Z軸方向にのみ移動可能である。なお、上面検査治具21は、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向に移動できない構成になっている。ここで、上面検査治具21の垂直方向(Z軸方向)の移動量は、例えば、50mm(ミリメートル)以下である。上面検査治具21の垂直方向(Z軸方向)の移動は、上面検査治具21の検査プローブ11と基板PBとのコンタクトに用いられる。
【0031】
また、下面検査治具22は、下面検査治具駆動部42の駆動により、検査ケーブルCB2の姿勢変化が高周波特性の検査に影響を与えない範囲で、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向のいずれか又はこれらの組み合わせた方向に移動可能である。なお、下面検査治具22は、Z軸方向に移動できない構成になっている。ここで、下面検査治具22の平行方向(X軸方向、及びY軸方向)の移動量は、基板ホルダー40の移動量より小さく、例えば、5mm以下であり、基板PBの主面と平行な面上の角度方向(θ方向)の移動量は、例えば、3°(度)以下である。下面検査治具22の平行方向(X軸方向、Y軸方向、及びθ方向)の移動は、基板PBに対する下面検査治具22の位置決めに用いられる。
【0032】
また、基板ホルダー40は、基板ホルダー駆動部43の駆動により、平行方向(X軸方向、Y軸方向、及びθ方向)、並びに、垂直方向(Z軸方向)に移動可能である。基板ホルダー40の平行方向(X軸方向、Y軸方向、及びθ方向)の移動は、上面検査治具21及び下面検査治具22に対する基板PBの位置決め、並びに、基板シートST上の検査対象の基板PBの移動に用いられる。また、基板ホルダー40の垂直方向(Z軸方向)の移動は、下面検査治具22の検査プローブ12と基板PBとのコンタクトに用いられる。
【0033】
このように特定の方向に移動可能な上面検査治具21、下面検査治具22、及び基板ホルダー40を用いて、制御PC50は、上面検査治具21及び下面検査治具22に対する基板PBの位置決め、並びに、上面検査治具21及び下面検査治具22の検査プローブ12と基板PBとのコンタクトを行う。制御PC50は、上面検査治具21及び下面検査治具22の検査プローブ10と基板PBとのコンタクトを行う際に、基板ホルダー40を下方向に移動させて、下面検査治具22の検査プローブ12と基板PBとをコンタクトさせ、さらに、上面検査治具21を下方向に移動させて、上面検査治具21の検査プローブ11と基板PBとをコンタクトさせる。
【0034】
制御PC50は、上面検査治具21及び下面検査治具22の検査プローブ10と基板PBとをコンタクトさせた後に、ネットワークアナライザー2を用いた基板PBの高周波特性の検査を実行させる。
【0035】
次に、図面を参照して、本実施形態による高周波特性検査装置1の動作について説明する。
図4は、本実施形態による高周波特性検査装置1の動作の一例を示すフローチャートである。この図では、高周波特性検査装置1の制御PC50による基板PBの高周波特性の検査を基板PBの両面側から行う動作を示している。
【0036】
図4に示すように、高周波特性検査装置1の制御PC50は、まず、基板ホルダー40を検査の開始位置に移動させる(ステップS101)。制御PC50は、基板ホルダー駆動部43を制御して、基板ホルダー40に保持された基板シートSTが有する複数の基板PBのうちの、検査の開始位置の基板PBに、上面検査治具21及び下面検査治具22が来るように移動させる。なお、基板シートSTのサイズ、基板PBのサイズ、及び基板シートST内の基板PBの数、等の設定情報は、制御PC50が備える記憶部(不図示)に記憶されているものとする。
【0037】
次に、制御PC50は、上面カメラ31で基板PBの上面を撮像開始し、下面カメラ32で基板PBの下面を撮像開始する(ステップS102)。制御PC50は、上面カメラ31の撮像動作を開始させて、撮像された基板PBの上面側(主面F1側)の基板パターンの画像を定期的に取得する。また、制御PC50は、下面カメラ32の撮像動作を開始させて、撮像された基板PBの下面側(主面F2側)の基板パターンの画像を定期的に取得する。ここで、基板パターンには、例えば、アライメントマークや配線パターンが含まれる。
【0038】
次に、制御PC50は、上面カメラ31及び下面カメラ32の撮像画像に基づいて、基板ホルダー40をX軸方向、Y軸方向、及びθ方向に移動させて、上面検査治具21の検査位置を決定する(ステップS103)。制御PC50は、上面カメラ31及び下面カメラ32が撮像した基板パターンの画像に基づいて、基板ホルダー駆動部43を制御して、上面検査治具21の検査位置を決定する。
【0039】
次に、制御PC50は、下面カメラ32の撮像画像と上述したステップS103で決定された上面検査治具21の検査位置の情報とに基づいて、下面検査治具22をX軸方向、Y軸方向、及びθ方向に移動させて、下面検査治具22の検査位置を決定する(ステップS104)。制御PC50は、下面カメラ32が撮像した基板パターンの画像と上述したステップS103で決定された上面検査治具21の検査位置の情報とに基づいて、下面検査治具駆動部42を制御して、下面検査治具22の検査位置を決定する。ここでは、制御PC50は、検査ケーブルCB2の姿勢変化が高周波特性の検査に影響を与えない範囲で、下面検査治具22の検査位置を移動させる。
【0040】
次に、制御PC50は、基板ホルダー40をZ軸方向に移動させて、下面検査治具22の検査プローブ12を基板PBにコンタクトさせる(ステップS105)。制御PC50は、基板ホルダー駆動部43を制御して、基板ホルダー40をZ軸方向の下方向に移動させて、下面検査治具22の検査プローブ12を基板PBにコンタクトさせる。
【0041】
次に、制御PC50は、上面検査治具21をZ軸方向に移動させて、上面検査治具21の検査プローブ11を基板PBにコンタクトさせる(ステップS106)。制御PC50は、上面検査治具駆動部41を制御して、上面検査治具21をZ軸方向の下方向に移動させて、上面検査治具21の検査プローブ11を基板PBにコンタクトさせる。
【0042】
次に、制御PC50は、ネットワークアナライザー2により基板PBの高周波特性を検査する(ステップS107)。ネットワークアナライザー2は、例えば、基板PBの高周波特性として、例えば、基板PBの高周波回路の経路の通過電力、及び反射電力の周波数特性を測定し、合否判定を行う。
【0043】
次に、制御PC50は、上面検査治具21及び基板ホルダー40をZ軸方向に移動させて、検査プローブ10のコンタクトを解除する(ステップS108)。制御PC50は、上面検査治具駆動部41を制御して、上面検査治具21をZ軸方向の上方向に移動させて、上面検査治具21の検査プローブ11のコンタクト(電気的な接続)を解除する。また、制御PC50は、基板ホルダー駆動部43を制御して、基板ホルダー40をZ軸方向の上方向に移動させて、下面検査治具22の検査プローブ12のコンタクト(電気的な接続)を解除する。
【0044】
次に、制御PC50は、次の検査位置があるか否かを判定する(ステップS109)。制御PC50は、上述した不図示の記憶部が記憶する設定情報(例えば、基板PB内の複数の検査位置情報、等)と、現在の検査位置とに基づいて、現在の基板PB内に次の検査位置があるか否かを判定する。制御PC50は、次の検査位置がある場合(ステップS109:YES)に、処理をステップS103に進め、ステップS103からステップS109の処理を繰り返す。また、制御PC50は、次の検査位置がない場合(ステップS109:NO)に、処理をステップS110に進める。
【0045】
ステップS110において、制御PC50は、次に検査する基板PBがあるか否かを判定する。制御PC50は、上述した不図示の記憶部が記憶する設定情報(例えば、基板シートSTのサイズ、基板PBのサイズ、及び基板シートST内の基板PBの数、等)と、現在の検査位置とに基づいて、基板シートSTが有する複数の基板PBのうちの、次に検査する基板PBがあるか否かを確認する。制御PC50は、次に検査する基板PBがある場合(ステップS110:YES)に、処理をステップS111に進める。また、制御PC50は、次に検査する基板PBがない場合(ステップS110:NO)に、処理を終了する。
【0046】
ステップS111において、制御PC50は、基板ホルダー40を次に検査する基板PBの位置に移動する。制御PC50は、基板ホルダー駆動部43を制御して、基板シートSTが有する複数の基板PBのうちの、次の検査対象の基板PBの位置に移動させる。ステップS111の処理後に、制御PC50は、処理をステップS102に進め、移動した次に検査する基板PBにおいてステップS102からステップS110の処理を繰り返す。
【0047】
次に、
図5を参照して、基板PBの上面側のみで高周波特性を検査する場合の本実施形態による高周波特性検査装置1の動作の変形例について説明する。
図5は、本実施形態による高周波特性検査装置1の動作の別の一例を示すフローチャートである。この図では、高周波特性検査装置1の制御PC50による基板PBの高周波特性の検査を基板PBの上面側(主面F1側)から行う動作を示している。
【0048】
図5において、ステップS201の処理は、上述した
図4に示すステップS101の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0049】
ステップS202において、制御PC50は、上面カメラ31で基板PBの上面を撮像開始する。制御PC50は、上面カメラ31の撮像動作を開始させて、撮像された基板PBの上面側(主面F1側)の基板パターンの画像を定期的に取得する。
【0050】
次に、制御PC50は、上面カメラ31の撮像画像に基づいて、基板ホルダー40をX軸方向、Y軸方向、及びθ方向に移動させて、上面検査治具21の検査位置を決定する(ステップS203)。制御PC50は、上面カメラ31が撮像した基板パターンの画像に基づいて、基板ホルダー駆動部43を制御して、上面検査治具21の検査位置を決定する。
【0051】
次に、制御PC50は、上面検査治具21をZ軸方向に移動させて、上面検査治具21の検査プローブ11を基板PBにコンタクトさせる(ステップS204)。制御PC50は、上面検査治具駆動部41を制御して、上面検査治具21をZ軸方向の下方向に移動させて、上面検査治具21の検査プローブ11を基板PBにコンタクトさせる。
【0052】
次に、制御PC50は、ネットワークアナライザー2により基板PBの高周波特性を検査する(ステップS205)。
【0053】
次に、制御PC50は、上面検査治具21をZ軸方向に移動させて、検査プローブ10のコンタクトを解除する(ステップS206)。制御PC50は、上面検査治具駆動部41を制御して、上面検査治具21をZ軸方向の上方向に移動させて、上面検査治具21の検査プローブ11のコンタクト(電気的な接続)を解除する。
【0054】
続く、ステップS207からステップS209の処理は、上述した
図4に示すステップS109からステップS111の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。なお、ステップS207において、制御PC50は、次の検査位置がある場合(ステップS207:YES)に、処理をステップS203に進め、ステップS203からステップS207の処理を繰り返す。また、ステップS208において、制御PC50は、基板シートSTが有する複数の基板PBのうちの、次に検査する基板PBがある場合(ステップS208:YES)に、処理をステップS209に進める。また、ステップS209の処理後に、制御PC50は、処理をステップS202に進め、移動した次に検査する基板PBにおいてステップS202からステップS208の処理を繰り返す。
【0055】
以上説明したように、本実施形態による高周波特性検査装置1は、基板PBの高周波特性を検査する高周波特性検査装置であって、検査治具20と、カメラ30(撮像部)と、基板ホルダー40と、制御PC50(制御部)とを備える。検査治具20は、基板PBの主面側から基板PBを検査するための、複数の検査プローブ10を有し、検査ケーブル(CB1、CB2)の姿勢変化が高周波特性の検査に影響を与えない範囲で移動可能である。カメラ30は、基板PBの主面側(例えば、主面F1側)を撮像する。基板ホルダー40は、基板PBを保持し、少なくとも基板PBの主面に対して平行(例えば、X軸方向、Y軸方向、θ方向)に移動可能である。制御PC50は、カメラ30が撮像した画像に基づいて、少なくとも基板ホルダー40を移動させて、検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせる。制御PC50は、基板ホルダー40を基板PBの主面に対して平行に移動させて、検査治具20に対する基板PBの位置決めを行った後、検査治具20と基板ホルダー40とを相対的に主面の垂直方向(例えば、Z軸方向)に移動させて検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせる。
【0056】
これにより、本実施形態による高周波特性検査装置1は、基板ホルダー40を主面と平行に移動させて基板PBの位置決めを行い、検査治具20を垂直方向に移動させて検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせるため、高周波特性の検査の際に、検査ケーブル(CB1、CB2)の姿勢変化を低減することができる。よって、本実施形態による高周波特性検査装置1は、検査ケーブル(CB1、CB2)の姿勢変化が影響を与えないように基板PBに検査プローブ10を自動で接続して、高周波特性を適切に検査することができる。
【0057】
なお、高周波特性の検査において、検査ケーブルの姿勢が変化するなど、測定環境が変化すると、高周波特性の測定結果が変化する場合がある。そのため、高周波特性の検査において、検査ケーブル(CB1、CB2)の姿勢変化などの測定環境を極力変化させないことが望ましい。本実施形態による高周波特性検査装置1は、検査ケーブル(CB1、CB2)の姿勢変化を低減することができるため、高周波特性の測定結果の再現性を確保しつつ、高周波特性を適切に検査することができる。
【0058】
また、本実施形態では、検査治具20には、基板PBの第1主面側(主面F1側)に配置される第1検査治具(上面検査治具21)と、第1主面側(主面F1側)と反対側の第2主面側(主面F2側)に配置される第2検査治具(下面検査治具22)とが含まれる。カメラ30には、第1主面側(主面F1側)の基板パターンを撮像する第1撮像部(上面カメラ31)と、主面F2側(第2主面側)の基板パターンを撮像する第2撮像部(下面カメラ32)とが含まれる。制御PC50は、第1撮像部(上面カメラ31)及び第2撮像部(下面カメラ32)が撮像した基板パターンに基づいて、基板ホルダー40を主面と平行に移動させて、検査治具20に対する基板PBの位置決めを行う。制御PC50は、第1検査治具(上面検査治具21)及び第2検査治具(下面検査治具22)と基板ホルダー40とを相対的に垂直方向に移動させて、複数の検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせる。ここで、第1主面が、基板PBの上側の主面F1であり、第2主面が、基板PBの下側の主面F2である。
【0059】
これにより、本実施形態による高周波特性検査装置1は、第1主面側(主面F1側)と第2主面側(主面F2側)との両方の面から、高周波特性を適切に検査することができ、回路パターンの異なる様々な基板PBに対して、高周波特性を適切に検査することができる。
【0060】
また、本実施形態では、下面検査治具22は、主面F2と平行(例えば、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向)に移動可能である。制御PC50は、下面カメラ32が撮像した基板パターンに基づいて、下面検査治具22を主面F2と平行(例えば、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向)に移動させて、基板PBに対する下面検査治具22の位置決めを行う。制御PC50は、基板ホルダー40を垂直方向(例えば、Z軸方向)に移動させて、下面検査治具22の複数の検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせる。制御PC50は、上面検査治具21を垂直方向(例えば、Z軸方向)に移動させて、上面検査治具21の複数の検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせる。
【0061】
これにより、本実施形態による高周波特性検査装置1は、下面検査治具22を主面F2と平行(例えば、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向)に移動させることで、基板PBに対する下面検査治具22の位置決めの精度を高めることができる。また、本実施形態による高周波特性検査装置1は、例えば、上面検査治具21が主面の垂直方向に加えて主面と平行にも移動可能とし、下面検査治具22を固定とした場合でも検査は可能であるが、この場合は上面検査治具21の移動方向が多くなることで検査ケーブルCB1の姿勢変化も大きくなる。そこで、本実施形態のように主面と平行な方向の移動を、上面検査治具21の代わりに下面検査治具22に分担させることで、上下面の検査治具20がある場合であっても、検査ケーブル(CB1、CB2)の姿勢変化を適切に低減することができる。
【0062】
また、本実施形態では、上面検査治具21の垂直方向の移動量は、50mm以下である。また、下面検査治具22の平行の方向の移動量は、5mm以下であり、基板PBの主面と平行な面上の角度方向の移動量は、3°以下である。
これにより、本実施形態による高周波特性検査装置1は、上下面の検査治具20がある場合であっても、検査ケーブル(CB1、CB2)の姿勢変化を適切に低減することができる。
【0063】
また、本実施形態では、複数の検査プローブ10は、基板PBの高周波特性を検査するネットワークアナライザー2と検査ケーブル(CB1、CB2)により接続されており、検査ケーブル(CB1、CB2)が、同軸ケーブルである。
これにより、本実施形態による高周波特性検査装置1は、同軸ケーブルのシールド効果により、高周波特性をさらに適切に検査することができる。
【0064】
また、本実施形態による高周波特性検査方法は、基板PBの高周波特性を検査する高周波特性検査装置1の高周波特性検査方法であって、制御PC50が、基板ホルダー40を基板PBの主面に対して平行に移動させて、検査治具20に対する基板PBの位置決めを行った後、検査治具20と基板ホルダー40とを相対的に主面の垂直方向に移動させて検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせる。
これにより、本実施形態による高周波特性検査方法は、上述した高周波特性検査装置1と同様の効果を奏し、基板PBに検査プローブ10を自動で接続して、高周波特性を適切に検査することができる。
【0065】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0066】
例えば、上記の実施形態において、基板PBの高周波特性を検査する分析装置の一例として、ネットワークアナライザー2を用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、高周波特性を検査する分析装置であれば、他の装置であってもよい。
また、上記の実施形態では、高周波特性検査装置1に外付けのネットワークアナライザー2を接続する例を説明したが、高周波特性検査装置1が、ネットワークアナライザー2の機能を備えるようにしてもよい。
【0067】
また、上記の実施形態において、第1主面が、基板PBの上側の主面F1であり、第2主面が、基板PBの下側の主面F2である例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2主面が、基板PBの上側の主面F1であり、第1主面が、基板PBの下側の主面F2であってもよい。
【0068】
この場合、上面検査治具21は、主面F1と平行(例えば、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向)に移動可能にし、制御PC50は、上面カメラ31が撮像した基板パターンに基づいて、上面検査治具21を主面F1と平行(例えば、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向)に移動させて、基板PBに対する上面検査治具21の位置決めを行うようにしてもよい。また、制御PC50は、基板ホルダー40を垂直方向(例えば、Z軸方向)に移動させて、上面検査治具21の複数の検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせ、下面検査治具22を垂直方向(例えば、Z軸方向)に移動させて、下面検査治具22の複数の検査プローブ10を基板PBにコンタクトさせるようにしてもよい。
【0069】
また、上記の実施形態において、制御部の一例として、制御PC50を備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、組込み式の制御ユニットや、制御ボードなどであってもよい。また、高周波特性検査装置1は、制御PC50を含まずに、外部に備えるようにしてもよい。
【0070】
また、上記の実施形態において、高周波特性検査装置1は、上面検査治具21及び上面カメラ31と、下面検査治具22及び下面カメラ32との両方を備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、いずれか一方を備えるようにしてもよい。
【0071】
また、上記の実施形態において、基板ホルダー40は、複数の基板PBを有するシート状の基板シートSTを保持する例を説明したが、これに限定されるものではなく、個片の基板PBを保持するようにしてもよい。また、基板ホルダー40は、ロール状態になっている基板シートSTを保持するようにしてもよい。
【0072】
なお、上述した高周波特性検査装置1が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した高周波特性検査装置1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した高周波特性検査装置1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0073】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に高周波特性検査装置1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0074】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個片にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…高周波特性検査装置、2…ネットワークアナライザー、10,11,12…検査プローブ、20…検査治具、21…上面検査治具、22…下面検査治具、30…カメラ、31…上面カメラ、32…下面カメラ、40…基板ホルダー、41…上面検査治具駆動部、42…下面検査治具駆動部、43…基板ホルダー駆動部、50…制御PC、CB1,CB2…検査ケーブル、PB…基板、ST…基板シート