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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】飲料自動提供システム
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20230628BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021115072
(22)【出願日】2021-07-12
(65)【公開番号】P2022021314
(43)【公開日】2022-02-02
【審査請求日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】P 2020124806
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519020616
【氏名又は名称】TechMagic株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207066
【弁理士】
【氏名又は名称】米山 毅
(72)【発明者】
【氏名】白木 裕士
(72)【発明者】
【氏名】高田 俊之
(72)【発明者】
【氏名】稲井 俊介
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-524570(JP,A)
【文献】特開2018-062371(JP,A)
【文献】特開2003-160197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の注文を受け付ける注文受付部と、
飲料を供給する飲料供給部と、
飲料容器を前記飲料供給部による飲料の供給位置に移動する飲料容器搬送部と
が設けられた飲料自動提供システムであって、
複数の前記飲料容器が保管される飲料容器保管部と、
前記注文受付部により受け付けられた注文に基づき、前記飲料容器搬送部を制御する制御装置と、
が設けられ、
前記飲料容器搬送部が、少なくとも、前記飲料容器保管部の前記飲料容器の取上位置、前記飲料供給部による飲料の供給位置、及び、飲料の提供位置の間で共通の前記飲料容器を移動させることによって前記注文受付部により受け付けられた注文に応じた飲料を自動で提供することを特徴とする飲料自動提供システム。
【請求項2】
前記飲料容器搬送部が、
ロボットアームと、前記飲料容器保管部内に保管された飲料容器を前記飲料容器保管部から前記ロボットアームによって取り上げ可能な飲料容器取上位置に供給する飲料容器供給機構と、を有し、
前記飲料容器保管部が前記ロボットアームの下方に位置すると共に、前記ロボットアームが前記飲料容器取上位置、前記飲料供給部による飲料の供給位置、又は、飲料の提供位置の間で飲料容器を移動させることを特徴とする請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項3】
前記飲料容器保管部が、内部を冷却する冷却部を有することを特徴とする請求項2に記載の飲料自動提供システム。
【請求項4】
前記ロボットアームが、複数仕様の飲料容器を把持可能なハンド部を有し、
前記飲料容器供給機構が、複数仕様の飲料容器を搬送可能であることを特徴とする請求項2又は3に記載の飲料自動提供システム。
【請求項5】
前記飲料の供給位置又は前記飲料の提供位置の少なくともいずれか一方に飲料容器に注入される飲料の分量を測定する計量装置を設けたことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の飲料自動提供システム。
【請求項6】
前記注文受付部が前記制御装置との無線通信が可能な携帯端末であり、
前記携帯端末により受け付けられた注文に応じた飲料を前記携帯端末の位置情報を用いて顧客の位置に自動で配膳する飲料配膳装置がさらに設けられたことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の飲料自動提供システム。
【請求項7】
注文受付部により飲料の注文を受け付けるステップと、
飲料供給部により飲料を供給するステップと、
飲料容器搬送部により飲料容器を該飲料供給部による飲料の供給位置に移動するステップと、
を含む飲料自動提供方法であって、
前記飲料容器搬送部が、少なくとも、飲料容器保管部の前記飲料容器の取上位置、前記飲料供給部による飲料の供給位置、及び、飲料の提供位置の間で共通の前記飲料容器を移動させることによって前記注文受付部により受け付けられた注文に応じた飲料を自動で提供するステップを含むことを特徴とする飲料自動提供方法。
【請求項8】
請求項7記載の飲料自動提供方法の各ステップをコンピュータにより実行することを特徴とする飲料自動提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール飲料を含む飲料を、顧客からの注文に応じて自動的に提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店においては、水やソフトドリンクに加え、アルコール飲料を含む飲料が提供されており、顧客に飲料を提供する工程には、例えば、
(1)顧客からの注文に備え材料や容器を準備しておく工程、
(2)顧客をレジないし席に案内する工程、
(3)注文を取る工程、
(4)注文に応じて飲料を調製する工程、
(5)飲料を容器に注ぐ工程、
(6)飲料を顧客に届ける工程、
(7)顧客から使用済みの容器を受け取る工程、及び、
(8)使用済みの容器を洗浄する工程
等の工程を含むが、従来の飲食店においては上記全ての工程を人手によっている。ところが、近年、飲食店における従業員不足等の背景から、飲食店におけるサービスの工程を自動化したいという要請がある。
【0003】
特許文献1には、上記(5)の工程を自動化する試みとして、ビールを紙コップへ自動的に注入するロボット装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、上記(3)~(5)の工程を自動化する試みとして、インターネットによって顧客からの注文を受け取り、カクテルを自動的に調製し、使い捨ての容器に注ぐロボットステーションが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】登録実用新案第3090574号公報
【文献】特表2016-524570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載のロボット装置では、紙コップへ自動的にビールを注入することはできるが、上記(1)~(8)の工程の中の一部分が自動化できるのみである。しかも、ビール以外の飲料への応用が明示されていない。また、使い捨てコップを前提としており、実際の飲食店に適用できる範囲は限定されている。
【0007】
上記特許文献2に記載のロボットステーションでは、インターネットによって顧客からの注文を受け取り、カクテルを自動的に調製し、使い捨ての容器に注ぐことはできるが、上記(1)~(8)の工程の中の一部分が自動化できるのみである。しかも、飲料としてはカクテルを例示するのみであり、また、使い捨てコップを前提としており、実際の飲食店に適用できる範囲は限定されている。
【0008】
そこで、本発明の目的は、さまざまな飲食店において利用でき、しかも、飲食店での飲料提供サービスにおける多くの工程を自動化することができる飲料自動提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成できる。すなわち、本発明の第1の態様の飲料自動提供システムは、
飲料の注文を受け付ける注文受付部と、
飲料を供給する飲料供給部と、
飲料容器を前記飲料供給部による飲料の供給位置に移動する飲料容器搬送部と
が設けられた飲料自動提供システムであって、
複数の前記飲料容器が保管される飲料容器保管部と、
前記注文受付部により受け付けられた注文に基づき、前記飲料容器搬送部を制御する制御装置と、
が設けられ、
前記飲料容器搬送部が、少なくとも、前記飲料容器保管部の前記飲料容器の取上位置、前記飲料供給部による飲料の供給位置、及び、飲料の提供位置の間で共通の前記飲料容器を移動させることによって前記注文受付部により受け付けられた注文に応じた飲料を自動で提供することを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の態様の飲料自動提供システムは、第1の態様の飲料自動提供システムにおいて、前記飲料容器搬送部が、
ロボットアームと、前記飲料容器保管部内に保管された飲料容器を前記飲料容器保管部から前記ロボットアームによって取り上げ可能な飲料容器取上位置に供給する飲料容器供給機構と、を有し、
前記飲料容器保管部が前記ロボットアームの下方に位置すると共に、前記ロボットアームが前記飲料容器取上位置、前記飲料供給部による飲料の供給位置、又は、飲料の提供位置の間で飲料容器を移動させることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の態様の飲料自動提供システムは、第2の態様の飲料自動提供システムにおいて、前記飲料容器保管部が、内部を冷却する冷却部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の態様の飲料自動提供システムは、第2又は第3の態様の飲料自動提供システムにおいて、前記ロボットアームが、複数仕様の飲料容器を把持可能なハンド部を有し、前記飲料容器供給機構が、複数仕様の飲料容器を搬送可能であることを特徴とする。
【0013】
本発明の第5の態様の飲料自動提供システムは、第2~4のいずれかの態様の飲料自動提供システムにおいて、前記飲料の供給位置又は前記飲料の提供位置の少なくともいずれか一方に飲料容器に注入される飲料の分量を測定する計量装置を設けたことを特徴とする。
【0014】
本発明の第6の態様の飲料自動提供システムは、第1~5のいずれかの態様の飲料自動提供システムにおいて、前記注文受付部が前記制御装置との無線通信が可能な携帯端末であり、前記携帯端末により受け付けられた注文に応じた飲料を前記携帯端末の位置情報を用いて顧客の位置に自動で配膳する飲料配膳装置がさらに設けられたことを特徴とする。
【0015】
本発明の第7の態様の飲料自動提供方法は、
注文受付部により飲料の注文を受け付けるステップと、
飲料供給部により飲料を供給するステップと、
飲料容器搬送部により飲料容器を該飲料供給部による飲料の供給位置に移動するステップと、
を含む飲料自動提供方法であって、
前記飲料容器搬送部が、少なくとも、飲料容器保管部の前記飲料容器の取上位置、前記飲料供給部による飲料の供給位置、及び、飲料の提供位置の間で共通の前記飲料容器を移動させることによって前記注文受付部により受け付けられた注文に応じた飲料を自動で提供するステップを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の第8の態様の飲料自動提供プログラムは、第7の態様の各ステップをコンピュータにより実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1の態様の飲料自動提供システムによれば、注文受付部により受け付けられた注文に基づき飲料容器搬送部を制御する制御装置が設けられ、飲料容器搬送部が、飲料容器保管部、前記飲料供給部による飲料の供給位置、又は、飲料の提供位置の間で飲料容器を移動させることによって前記注文受付部により受け付けられた注文に応じた飲料を自動で提供するため、飲料容器を飲料容器搬送部により搬送して、飲料供給部から提供される多様な飲料を飲料容器に注入して顧客の注文どおりの飲料を提供することができる。これにより、さまざまな飲食店において利用でき、しかも、飲食店での飲料提供サービスにおける多くの工程を自動化することができる飲料自動提供システムを適用することができる。
【0018】
本発明の第2の態様の飲料自動提供システムによれば、飲料容器保管部がロボットアームの下方に位置するため、飲料容器の保管スペースをロボットアームの下方に確保することが可能であるので、飲料容器の保管スペースを十分に確保することができる。
【0019】
本発明の第3の態様の飲料自動提供システムによれば、飲料容器保管部が内部を冷却する冷却部を有しているので、飲料容器を所望の温度に冷却した状態で保管しておくことができると共に、飲料容器保管部がロボットアームの下方に位置しているため、冷気は下方に留まる性質を利用して、冷却効率を高めることが可能である。
【0020】
本発明の第4の態様の飲料自動提供システムによれば、ロボットアームが、複数仕様の飲料容器を把持可能なハンド部を有し、飲料容器供給機構が、複数仕様の飲料容器を搬送可能であるため、飲料の種類に応じた複数仕様の容器を用いることができ、しかも、異なる仕様であってもロボットアームのハンド部を共通で使用でき、さらに、飲料容器供給機構も複数仕様の食器を供給可能である。これによって、飲料自動提供システムの汎用性を高めることができる。
【0021】
本発明の第5の態様の飲料自動提供システムによれば、飲料の供給位置又は飲料の提供位置の少なくともいずれか一方に飲料容器に注入される飲料の分量を測定する計量装置を設けているので、飲料供給部が飲料容器に飲料を注入する分量を検出しながら注入量を制御することができる。また、飲料の提供位置に飲料容器に注入される飲料の分量を測定する計量装置を設けることにより、飲料を提供する前に飲料容器に所定の分量の飲料が注入された状態となっているか否かを判定することができる。これによって、提供される飲料の分量をより適正化することができる。
【0022】
本発明の第6の態様の飲料自動提供システムによれば、注文受付部が前記制御装置との無線通信が可能な携帯端末であり、前記携帯端末により受け付けられた注文に応じた飲料を前記携帯端末の位置情報を用いて顧客のテーブル席に自動で配膳する飲料配膳装置がさらに設けられているので、顧客が携帯端末を操作することにより飲料を注文することができると共に、さらに携帯端末の位置情報を用いることにより、顧客の位置、例えば顧客が居るテーブル席を把握することが可能である。これにより、顧客の注文に応じて飲料容器に注入された飲料を、顧客の位置、例えば顧客が居るテーブル席まで自動的に配膳することが可能であり、無人店舗に適用可能な飲料自動提供システムを提供することできる。
【0023】
本発明の第7の態様の飲料自動提供方法によれば、第1の態様の飲料自動提供システムと同様な効果を奏する飲料自動提供方法を提供することができる。
【0024】
本発明の第8の態様の飲料自動提供プログラムによれば、第1の態様の飲料自動提供システムと同様な効果を奏する飲料自動提供プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態1に係る飲料自動提供システムの説明図である。
図2】飲料容器供給機構の説明図である。
図3図3Aはロボットアームのハンド部の斜視図であり、図3Bはロボットアームのハンド部の後面図であり、図3Cはロボットアームのハンド部の上面図である。
図4】ロボットアームのハンド部が複数仕様の飲料容器を把持することができることを説明するための図である。
図5】本発明の実施形態1に係る飲料自動提供システムの全体構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施形態2に係る飲料自動提供システムの全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る飲料自動提供システムを説明する。但し、以下に示す実施形態は本発明の技術思想を具体化するための飲料自動提供システムを例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【0027】
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る飲料自動提供システム100について、図1乃至図5を参照して説明する。図1は、飲料自動提供システム100の説明図である。図2は、飲料容器供給機構160の説明図である。図3Aは、ロボットアーム150のハンド部152の斜視図である。図3Bは、ロボットアーム150のハンド部152の後面図である。図3Cは、ロボットアーム150のハンド部152の上面図である。図4は、飲料自動提供システム100の全体構成を示すブロック図である。図5は、本発明の実施形態1に係る飲料自動提供システム100の全体構成を示すブロック図である。飲料自動提供システム100は、顧客に飲料を提供するものとして説明しているが、顧客とは飲料自動提供システム100が設置された店舗に来訪して来訪客だけを意味するものでは無く、例えば店舗の店員等を含むユーザを広く包含する。
【0028】
飲料自動提供システム100は、飲料の注文を受け付ける注文受付部110と、飲料を供給する飲料供給部120と、飲料容器105を飲料供給部120による飲料の供給位置に移動する飲料容器搬送部130とが設けられ、注文受付部110により受け付けられた注文に応じた飲料を自動で提供する。
尚、本実施形態では、飲料自動提供システム100が飲料自動提供ユニット101を含み、飲料の注文受付から注文された飲料が自動で提供されるまでの処理が飲料自動提供ユニット101によって行わる。
また、飲料自動提供システム100は、使用済みの飲料容器105を洗浄する容器洗浄ユニット(不図示)が設けられている。
尚、飲料容器105とは、ワイングラス、シャンパングラス、ブランデーグラス、カクテルグラス、ロックグラス、ビールジョッキ、ぐい呑み、デカンタ、タンブラー、水用グラス、お湯用グラス、ソフトドリンク用グラス、スープ用のカップ、お椀等の飲料容器全般のことをいう。
【0029】
飲料自動提供ユニット101は、装置本体102と、飲料の注文を受け付ける注文受付部110と、飲料を供給する飲料供給部120と、飲料容器105を飲料供給部120による飲料の供給位置に移動する飲料容器搬送部130と、複数の飲料容器が保管される飲料容器保管部170と、注文受付部110により受け付けられた注文に基づき、飲料容器搬送部130を制御する制御装置180と、が設けられている。
尚、本実施形態では、飲料容器搬送部130が、ロボットアーム150と、飲料容器供給機構160と、を有し、飲料容器保管部170、飲料供給部120による飲料の供給位置、又は、飲料の提供位置の間で飲料容器105を移動させることによって注文受付部110により受け付けられた注文に応じた飲料を自動で提供する。
飲料容器搬送部130は防水構造となっており、湿った状態、濡れた状態又は凍結した状態の飲料容器105を搬送することができるようになっている。防水構造としては、防水型アクチュエータを用いるものでも、駆動源だけを水分から隔離するものでも、飲料容器搬送部の搬送機構の少なくとも一部を含めて水分から隔離するものであってもよい。
【0030】
装置本体102は、ロボットアーム150が設置される部分であると共に、ロボットアーム150による飲料の提供位置となる飲料容器105の載置面が形成された飲料提供テーブル103と、ロボットアーム150の周囲を囲うように設けられた囲いパネル104と、を有する。
本実施形態では、囲いパネル104が、ロボットアーム150の前面側を囲う前面パネル104aと、ロボットアーム150の側方側を囲う側面パネル104bと、ロボットアーム150の背面側を囲う背面パネル104cと、後方パネル104dを含む。
【0031】
前面パネル104aは、飲料が入った飲料容器105の提供側となる前面の一部を囲い、動くロボットアーム150を安全な状態で目視できるように飲料提供テーブル103より上部のパネルが透明になっている。前面パネル104aの材質は例えば透明なアクリル板とすることができる。前面パネル104aは側面パネル104b側の両側で例えば45度程度の屈曲面が形成されている。
【0032】
また、前面パネル104aには、飲料提供テーブル103に載置された飲料入りの飲料容器105を顧客が取り出し可能な提供口が形成されている。提供口にはロボットアーム150の動作中等に提供口の開放を防止するための提供口電磁ロック107が設けられている。また、ロボットアーム150の動作中等には、飲料容器保管部170及びメンテナンス用開口部(図示省略)についても電磁ロックによりロック状態とされる。電磁ロックは、外部から各部開口部へのアクセスに対する施錠の役割もある。飲料作成中である動作モードの時には、各部開口は解放できないように電磁ロックがロック状態となる。一方、メンテナンス時には、メンテスモードとすることにより、電磁ロックは解除され、各開口部が開放可能となる。メンテンナンスや飲料の補充時にはメンテナンスモードとすることにより、電磁ロックを解除することができる。
本実施形態の飲料自動提供ユニット101では、ロボットアーム150の周辺をパネルによって囲うことによって人に対する安全性が担保されるため、協働用に限らず産業用のロボットアームを採用することができる。
後方パネル104dは、ビール樽121b、炭酸ガスボンベ121c、炭酸水サーバ122用のポンプ等を配置する際の目隠しとするためのパネルである。後方パネル104dは省略することが可能であり、この場合には飲料自動提供ユニット101の奥行き方向の寸法を小さくすることができる。
【0033】
前面パネル104a以外のパネルは透過性がないが、前面パネル104aと同様にアクリルを用いることができる。この場合、前面パネル104a以外のパネルの内面に模様シートを貼ることにより、壁のような外観とすることができる。各パネルの適宜の位置にはメンテナンスや補充用の開口部が設けられており、これらの開口部には電磁ロックが設けられており、ロボットアーム150の動作中等には、ロック状態とされる。各パネルの材質はアクリル板に限定されるものではないが、少なくとも電磁ロックの取り付けが可能な程度の剛性が必要である。
【0034】
前面パネル104aには、例えばヒンジにより開閉可能なドア部材からなる供給口104eが設けられている。供給口104eが開放しないようにロックするために、供給口104eの近傍には供給口電磁ロック107が設けられている。飲料提供テーブル103には、前面パネル104aの内側で供給口104eの対向部に、飲料が注がれた飲料容器105が載置される供給口計量装置140が設けられている。飲料が注がれた飲料容器105は、供給口計量装置140によって、飲料の分量、例えば重量が注文されたメニューに対応する規定量となっているか否かが確認され、適量である場合には供給口電磁ロック107が解錠され、供給口104eから飲料が提供される。
【0035】
飲料提供テーブル103は、飲料容器保管部170の上方に設けられ、飲料容器供給機構160によって飲料容器保管部170から搬送された飲料容器105が装置本体102の内部から飲料提供テーブル103の飲料容器105を載置する側の面に送り出されるように開口孔103aが形成されている。
また、飲料提供テーブル103には、飲料供給部120としての後述するビールサーバ121、氷ディスペンサ123、及び、炭酸水サーバ122が設けられている。飲料提供テーブル103の注入口122aの下方には、炭酸水が注がれる飲料容器105が載置される炭酸水計量装置142が設けられている。炭酸水計量装置142は、例えば重量を測定することにより、飲料容器105に注がれる炭酸水の量を測定し、所定量の炭酸水が飲料容器105に注がれたことを検知する。
尚、飲料提供テーブル103は、顧客に飲料入り飲料容器105を提供するのに十分な広さを有している。
【0036】
注文受付部110は、顧客からの注文を受け付けるものであり、例えばタッチパネルディスプレイによって実現される。本実施形態では、注文受付部110は、装置本体102の飲料の提供側の面となる前面パネル104aに固定されている。
【0037】
顧客は、タッチパネルディスプレイ110を操作することによって、飲料メニューの中から注文したい商品を選択する。飲料メニューの中には、本日のお勧め、季節のお勧め、当店のお勧め、あるいは、特定の顧客に対する好みに基づいたお勧め等の推奨メニューを準備しておくこともできる。さらに、ソフトドリンクメニュー、低アルコールメニュー、低糖質メニュー、アルコール度高めメニュー等のリストを設けておくことも可能である。商品の表示も、例えば原産地表示、生産者表示、銘柄表示、原材料表示等の多様な表示が可能であり、顧客の選択を補助することが可能である。タッチパネルディスプレイ110は制御装置180に接続されているので、制御装置180からの制御指令に基づき各部が制御されることにより、ロボットアーム150によって飲料容器105を搬送して、各種飲料が指定されたレシピに応じて飲料容器105に所定量注入されることにより、顧客がタッチパネルディスプレイ110から入力した注文どおりの飲料が飲料容器105に注入されて顧客に提供される。
【0038】
タッチパネルディスプレイ110を用いた注文に当たっては、商品の選択だけでなく、飲み方の選択、分量の選択、レシピの変更等も可能である。例えば、ビールであればビールの原産地、銘柄の選択とジョッキのサイズ(グラス、小ジョッキ、中ジョッキ、大ジョッキ、デキャンタ、取り分けのグラスの数等)の選択を行う。タッチパネル式ディスプレイには、メニュー表示の他に、顧客から注文された飲料のリスト表示、作成中の飲料の状態表示、提供される飲料に対応する顧客情報や注文情報等の表示等が可能である。なお、後述の携帯端端末210からの注文を受け付けるようにした場合には、タッチパネル式ディスプレイからの注文リストだけでなく、さらに、携帯端端末210からの注文リスト等も、タッチパネル式ディスプレイに表示されるようにしてもよい。タッチパネルディスプレイ110には、各飲料ディスペンサの飲料の残量情報や補充情報、飲料容器保管部170の飲料容器105の残量や補充情報や異常発生情報、飲料自動供給システムのメンテナンス情報やステイタス情報や異常発生情報(注入された飲料の過不足情報、飲料供給テーブル内の異物検出の情報、各種飲料サーバ等の状態を監視するカメラにより検出された異常の情報、飲料ボトルの補充情報等)、店舗情報(混雑状況や混雑予測情報や予約情報等の情報、天気や気候やイベント等の環境情報、顧客状況検知部(カメラ290)からの顧客状況や異常状況等の情報等)等を表示することが可能である。タッチパネルディスプレイ110は、全ての顧客に対して表示可能な情報を表示するだけでなく、特定の顧客、例えば店員だけ、あるいは、店長だけが閲覧可能な情報を所定の認証後に表示するようにしてもよい。また、タッチパネルディスプレイ110に音声発生装置及び/又は音声認識装置をさらに設け、音声による報知を行うと共に、音声認識による顧客からの音声による入力を受け付けるようにしてもよい。
【0039】
例えばハイボールであれば、ウイスキー(バーボン、スコッチ等を含む)の原産地、銘柄の選択とウイスキーの量(シングルかダブルか等)、氷の量等の選択を行う。
【0040】
例えばサワーであれば、何で割るのか、フルーツを加えるのか、トッピングは必要か、焼酎の量を増量ないし減量するか、糖分を増量ないし減量するか等の選択を行う。
【0041】
例えば焼酎であれば焼酎の原産地、焼酎の種類、飲み方(ストレート、ロック、水割り、お湯割り、ソーダ割(焼酎ハイボール)等)、分量(グラス、カラフェ、デキャンタ、ボトル、取り分けのグラスの数等)、氷の量等の選択を行う。
【0042】
例えばウイスキーであれば、ウイスキーの産地、銘柄、原料、割り方(ストレート、水割り、ロック、ハイボール、チェーサーの有無等)、分量(シングル、ダブル、ボトル、取り分けの場合のグラスの数と飲み方等)、氷の量等の選択を行う。
【0043】
例えばカクテルであれば、グラスはショートかロングか、カクテルの種類は何か、アルコールの量は増量ないし減量するか、糖分は増量ないし減量するか、トッピングを追加、増量ないし減量するか、レシピの変更はあるか、原料の追加ないし省略はあるか、氷の量等の選択を行う。
【0044】
例えばワインであれば、赤・白・ロゼの種類、産地、銘柄、原料(ぶどうの種類)、製造年、ビンテージ、分量(グラス、カラフェ、デカンタ、ボトル等)等の選択を行う。
【0045】
例えば日本酒であれば甘口か辛口か、産地、銘柄、原料と醸造方法(純米大吟醸酒、純米吟醸酒、特別純米酒、純米酒、大吟醸酒、吟醸酒、特別本醸造酒、本醸造酒、普通醸造酒、醸造酒、生貯蔵酒、生詰め酒、生酒、新酒、古酒、長期貯蔵酒等)、分量(グラス、徳利、カラフェ、ボトル(4合瓶、1升瓶)、取り分け用のお猪口ないしグラスの数等)、温度(冷、常温、ぬる燗、熱燗等)等の選択を行う。例えば梅酒であれば原酒の産地、銘柄、飲み方(ストレート、ロック、水割り、お湯割り、ハイボール、ジュース割り、各種梅酒カクテル等)、氷の量等の選択を行う。
【0046】
例えばその他のアルコールドリンクについては、アルコールドリンクの産地、種類、銘柄、飲み方(ストレート、ロック、水割り、お湯割り等)、分量(シングル、ダブル、グラス、カラフェ、デカンタ、取り分け用のグラスの数等)、氷の量等の選択を行う。例えばソフトドリンクであれば、ソフトドリンクの種類、分量(グラスの大中小のサイズ)、氷の有無ないし分量、ソフトカクテルドリンクであれば、ドリンクの種類、分量(グラスの大中小のサイズ)、氷の有無ないし分量、レシピの変更、糖分の調整等の選択を行う。例えば水であれば、原産地、銘柄、分量(グラスのサイズ、ボトルのサイズ)、氷の有無ないし分量等の選択を行う。
【0047】
これらの選択はタッチパネルディスプレイ110において対話形式で行われ、ヘルプ画面も参酌することができるため、顧客により容易に選択ないし入力することが可能である。例えば、顧客の好みのカスタマイズした注文を受け付けることが可能である。顧客の過去のオーダーは制御装置180の後述する記憶部が記憶しているため、顧客特有のメニューや人気のメニュー等を注文時に顧客に提示することも可能である。
例えば、特定の顧客によってカスタマイズされたメニューをお薦めメニューないしレギュラーメニューとして提供することも可能である。
【0048】
複数店舗の情報を収集、分析することにより、機械学習によって顧客の要望に合ったメニューをお薦めできるようにすることも可能である。これにより顧客の状況、日にち、曜日、時間、天候、イベント情報等に応じて、適切なメニューを顧客にお勧めすることができると共に、その顧客のニーズにふさわしい状態のドリンクを調製し、提供することも可能である。例えば暑い日にはよく冷やしたグラスで、氷を多めに入れて提供するというような、きめ細やかなサービスが実現できる。
【0049】
尚、注文受付部110としては、タッチパネルディスプレイでなく音声認識装置を用いることもできる。例えば、音声認識により、「ビールの中ジョッキをください。」、「〇〇ウイスキーのダブルのハイボールをください。」等の顧客の音声による注文を認識することができる。注文を受け付けると「顧客番号〇〇番です。ただいまお作りしておりますので、少々お待ちください。」等の音声ガイドないし文字表示を行い、顧客に顧客番号を報知すると共に、注文どおりの飲料を容器に注ぎ、「顧客番号〇〇番のお客、お待たせ致しました。」等の音声ガイドないし文字表示を行なって、顧客に対して、飲料を提供することができる。
【0050】
尚、飲料自動提供システム100は、制御装置180の不図示の記憶部によって全ての顧客の注文データに加え、他の店舗の注文データ、過去の注文履歴データ、天候データ、気温データ、湿度データ、カレンダー情報、イベント情報、災害情報、感染症流行情報、人出予想情報等の各種情報を記憶し、顧客が注文する可能性のあるメニューを予め予測することが可能である。
このため、飲料自動提供システム100は、注文受付部110によって顧客から注文を受ける際に、顧客が注文する可能性のある予め予測されたメニューをおすすめメニューとして提示することが可能である。これらの顧客が注文する可能性のあるメニューの予測には前述の機械学習を用いることが可能である。
【0051】
飲料供給部120としては、ビールサーバ121、炭酸水サーバ122、氷ディスペンサ123、ワンショットメジャー124、及びウォータサーバ125の5つの飲料供給部120が設けられている。
【0052】
ビールサーバ121は、顧客からの注文に応じた種類のビールを注ぐものである。このビールサーバ121には注入口121aと注入ボタン121dが設けられている。注入ボタン121dは、ロボットアーム150のハンド部152によって押圧することができるようになっている。ロボットアーム150により飲料容器105が、飲料容器載置部121eに載置され、ハンド部152によって注入ボタン121dが押圧されると、所定量の飲料容器105に適量の泡が生じた状態で、所定量のビールが注がれる。図1の例では、ビールサーバ121は、飲料容器載置部121eに載置された飲料容器105を傾けながらビールを注ぐことによって、適量の泡を生じさせる。ビールサーバ121は、ビール樽121bに繋がっており、ビール樽121bが液化炭酸ガスボンベ121cに繋がっている。
【0053】
尚、図1ではビールの注入口121aは、2か所であるが、この注入口121aは2か所に限定されるものではなく、1か所とすることも、3か所以上とすることもできる。2か所の注入口121aのそれぞれから異なる種類のビール、例えば生ビールと黒ビールを注入するようにすることもできる。ビールの種類ごとに注入口121aの数を増やすこともできるが、1つの注入口121aから複数種類のビールを切り替えて注入できるようにしてもよい。また、ハーフアンドハーフのビールが注文され得た場合には、飲料容器105の半分には黒ビールを、残りの半分には生ビールを注ぐが、この場合に、一方の注入口から黒ビールを飲料容器105の半分まで注ぎ、ロボットアーム150により、他方の注入口121aに飲料容器105を移動して残りの半分は生ビールを注ぐようにしてもよいし、あるいは、一つの注入口121aから容器の半分までは黒ビールを注ぎ、残りの半分は同じ注入口121aからビールの種類を切り替えて、生ビールを注ぐようにしてもよい。
また、ビールサーバ121を制御装置180に接続することもでき、この場合には、制御装置180から指令により、飲料容器105がロボットアームで搬送されたタイミングに合わせてビールを飲料容器105に注入することができる。
【0054】
炭酸水サーバ122は、顧客からの注文に応じて炭酸水を飲料容器105に注ぐものである。この炭酸水サーバ122は、浄水器W2を介して水道W1に接続されていると共に、液化炭酸ガスボンベ121cにも接続されている。炭酸水サーバ122には、注入口122aが設けられていると共に、注入口122aの上部にはロボットアーム150のハンド部152によって操作できる注入レバー122bが設けられている。炭酸水計量装置142が制御装置180に接続されており、例えば飲料容器の炭酸水サーバから飲料容器105に注入された炭酸水の重量を計量することにより、所定量の炭酸水を飲料容器105に注入することができる。この場合、炭酸水計量装置142からの信号をロボットアーム150のハンド部152の制御にフィードバックしてもよいし、または、炭酸水サーバ122の注入を制御装置180により制御できるようにして、炭酸水計量装置142からの信号により炭酸水サーバ122による炭酸水の注入量をフィードバック制御してもよい。炭酸水サーバ122の注入を制御装置180により制御できる場合には、注入レバー122bを省略することもできる。
ここでは、炭酸水サーバ122が炭酸水だけを注入するものとして説明したが、本実施形態ではこれに限定されるものではなく、例えば、炭酸水サーバ122は、炭酸水、リカー、リカーと炭酸水との混合の3種類の飲料を切り替えて注入するものとすることもできる。この場合の注入レバー122bは、例えばレバーを回転することにより飲料の種類を切り替えることができるものとしてもよい。
なお、炭酸水サーバ122を制御装置180に接続することもでき、この場合には、制御装置180から指令により、飲料容器105がロボットアームで搬送されたタイミングに合わせて、指令に応じた飲料を飲料容器105に注入することができる。
【0055】
氷ディスペンサ123は、顧客からの注文に応じて氷を供給するものである。氷ディスペンサ123には注入レバー123aが設けられており、ロボットアーム150がハンド部152に把持された飲料容器105により注入レバー123aを押圧すると、氷注入口(図示省略)から所定量の氷が飲料容器105に投入される。氷の種類はキューブアイス又はチップアイス等とすることができる。
氷ディスペンサ123を制御装置180に接続することもでき、この場合には、制御装置180から指令により、飲料容器105がロボットアームで搬送されたタイミングに合わせて、指令に応じた種類の氷等を飲料容器105に投入することができる。
【0056】
ワンショットメジャー124は、顧客からの注文に応じてウイスキー等のアルコールを飲料容器105に注ぐものである。このワンショットメジャー124は、側面パネル104bの上部に設けられている。このワンショットメジャー124には、ウイスキー、バーボン、ウオッカ、ジン等の飲料ボトル124aを注ぎ口が下方に向けられた状態で保持されてる。ワンショットメジャー124の正面のレバーを飲料容器105により押圧すると定量分、例えばワンフィンガー分の飲料が飲料容器105に注入される。
ワンショットメジャー124の個数は、図1では左側に3個、右側に3個の合計6個であるが、ワンショットメジャー124は飲料ボトル124aの種類毎に設けられており、6個に限定されるものえはなく、飲料の種類と、配置スペースに応じて、任意の個数とすることができる。ワンショットメジャー124は側面パネル104bの上部の空間を有効に利用して設置されている。
また、ワンショットメジャー124を制御装置180に接続することもでき、この場合には、制御装置180から指令により、飲料容器105がロボットアームで搬送されたタイミングに合わせて、指令に応じた種類のウイスキー等の飲料を飲料容器105に所定量だけ注入することができる。さらに、飲料ボトル124aの残量を検出するための残量センサ124b、例えば、重量計や画像センサ等を設けることができ、この場合には、飲料ボトル124aの飲料の残量が検出するため、飲料ボトル124aの交換時期を報知することができる。残量センサ124bが制御装置180に接続されている場合には、制御装置180が飲料ボトル124aの残量を把握することができるので、適切なタイミングで飲料ボトル124aを交換することができる。すなわち、他の飲料の補充時期、飲料自動供給システム100がメンテナンスモードになった時期などに合わせて、飲料ボトル124aを交換することができるため、飲料補充のために飲料自動供給システム100を休止させる時間をより短くすることができる。同様に、他の飲料の補充、液化炭酸ガスボンベ121cの交換、メンテナンス等の時期についても常に制御装置180で把握することにより、飲料自動供給システム100を休止させる時間をより短くすることができる。
【0057】
ウォータサーバ125は、顧客からの注文に応じた冷水、お湯等の温度の異なる水を注ぐものである。ウォータサーバ125を制御装置180に接続することもでき、この場合には、制御装置180から指令により、飲料容器105がロボットアーム150で搬送されたタイミングに合わせて、指令に応じた種類の水を飲料容器105に所定量注入することができる。ウォータサーバ125の注入口の位置に対応する飲料提供テーブル103にウォータ計量装置を設け、例えば重量計等からなるウォータ計量装置に飲料容器105を載置することにより、ウォータサーバ125から飲料容器105に注入された水等の分量を計測するようにしてもよい。この場合、ウォータ計量装置144からの計量値をウォータサーバ125にフィードバックしたり、あるいは、制御装置180を介してウォータサーバ125を制御したりすることにより、ウォータサーバ125から飲料容器105に注入された水等の分量を調節することができる。
【0058】
供給口計量装置140は、制御装置180に接続されており、飲料が注がれた飲料容器105が供給口104eから提供される前に、飲料の分量が適正かどうかを制御装置180において判断する。飲料の分量が適正であった場合には、供給口電磁ロック107を解除して、供給口104eを開放可能とし、供給口104eからする飲料が注がれた飲料容器105が提供される。もしも飲料容器105に注がれた飲料の分量が適正でないと判断された場合には、その飲料は廃棄処理され、新たな飲料容器105に改めて飲料を注いで、飲料の分量が適正であることを確認した後に、供給口104eから提供される。
【0059】
尚、ビールサーバ121、炭酸水サーバ122、氷ディスペンサ123、及びウォータサーバ125は、浄水器W2を通して水道W1に接続されると共に排水Dにそれぞれ接続されている。
【0060】
尚、本実施形態では、5つの飲料供給部120を設けるものを例示したが、飲料供給部120を1以上設けていればよく、5つ以上設けるものでもよく、飲料供給部120の仕様を変更すること、あるいは、飲料供給部120の種類を増やすことにより、提供可能な飲料の種類を増大することができる。飲料供給部120は、飲料を供給することができれば本実施形態で例示したもの以外のその他の飲料を供給するものを用いてもよい。例えば、飲料供給部120として、コーンスープ、みそ汁等のスープを供給することができるスープディスペンサーを用いてもよい。
また、飲料供給部120として、チップアイス等の氷、水、又はお湯を提供できるサーバを設けることができる。このようなサーバとしては、チップアイス等の氷、水、又はお湯を提供するサーバを独立に設けてもよいが、氷、水、又はお湯の中から2つ、または、3つを1つのサーバで提供できるマルチサーバを設けるようにしてもよい。
【0061】
ロボットアーム150は、特に限定されるものではないが、例えば6軸等の多関節のロボットアームであり、ロボットアーム150の動作を制御するロボット制御部151と、飲料容器105を把持するハンド部152とを有する。ロボット制御部151は制御装置180に接続されており、ロボット制御部151は制御装置180からの指令により、ロボットアーム150を制御する。また、ロボットアーム150がティーチングペンダント154に接続されている場合には、制御装置180からの指令がなくとも、ティーチングペンダント154からの設定信号に応じてロボットアーム150を制御することができる。
【0062】
ハンド部152は、複数仕様の飲料容器105を把持することができるようになっている。
本実施形態では、図3及び図4を参照するように、ハンド部152は、挟持方向に向かい合う一対の把持片153を含み、各把持片が中間部分の直線状の片状部分153aに対して両端の片状部分153b,153cが下り傾斜状に連接されている。このようなハンド部152は、外径の異なる仕様の飲料容器105を把持する場合にも、複数の接点位置で飲料容器105に接触するため、仕様の異なる飲料容器105であっても同ハンド部152で確実に把持することができる。図4において実線で描かれている径の大きい飲料容器105を把持する場合にも、把持片153の片状部分153bの内側で飲料容器105に接触することに加え、さらに、片状部分153cの内側においても飲料容器105に接触している。これにより、もう一方の把持片153と合わせて合計4箇所で飲料容器105の外周に接触して確実に飲料容器105を把持している。図4において2点破線で描かれている径の小さい飲料容器105を把持する場合にも、把持片153の片状部分153bの内側で飲料容器105に接触することに加え、さらに、片状部分53cの内側においても飲料容器105に接触している。これにより、もう一方の把持片153と合わせて合計4箇所で飲料容器105の外周に接触して確実に飲料容器105を把持している。
尚、ハンド部152は、飲料容器105を挟持する側の面に例えばウレタンスポンジ等のクッション材を設けることによって飲料容器105を柔らかく把持することができるようにしてもよい。
【0063】
ロボットアーム150は、飲料容器105を三次元的に移動させると共に、飲料容器105の姿勢を三次元的に制御することができる。これによりロボットアーム150は、飲料容器105を傾けた状態で飲料供給部120の注入口から飲料を注入することができる。例えば、ビールサーバ121の例について説明する。上述ではビールサーバ121が飲料容器105を傾けている機構を有するものとして説明した。このような傾け機構を有しないビールサーバ121を用いる場合、ロボットアーム150は、飲料容器105を鉛直上向きから所定確度だけ傾けた状態で注入口からビールを注ぎ始め、徐々に飲料容器105の角度を鉛直上向きになるように制御しながらビールを注ぐことにより、ビールの泡の量が適量となるようにビールを注ぐことができる。
【0064】
また、ロボットアーム150は、マドラーの位置と姿勢と移動を制御することにより、飲料容器105内の飲料をマドラーにより混ぜることができる。
また、ロボットアーム150は、飲料容器105自体を回転させ、飲料に渦を作ることによって混ぜることができる。
また、ロボットアーム150は、シェイカーのボディに氷や飲料を注入した後、ボディに対してストレーナー及びトップをセットしてシェイカーを振ることにより飲料を調製し、最後に、トップを取り外してストレーナーから飲料容器105に調整された飲料を注ぐことができる。
【0065】
ロボットアーム150は、飲料が入った飲料容器105を移動させる際、加速度に合わせて飲料容器105を傾けることによって飲料の液面が波立たないようにし、飲料が飲料容器105からこぼれることを防ぐことができる。
なお、このような加速度に合わせたロボットアーム150の制御を行う場合、加速度と飲料容器105内の飲料の液面の状態との関係を数式化して制御する方法、あるいは、機械学習を用いて制御する方法がある。
機械学習を用いて制御する方法として、例えば、飲料が入った飲料容器105を振りまさしてもこぼさない条件をいくつか定量化しておき、それを教師データとして加速度と飲料容器105の傾きを機械学習によって最適化する。
なお、ロボットアーム150を加速度だけではなく、その他の各種のパラーメータと液面の状態との関係に基づいた制御を行うことによって、より速度を速めた飲料の提供を可能とすることが可能である。
【0066】
ロボットアーム150を用いて飲料容器105を移動させることにより、次のような作用、効果を奏することができる。
(1)三次元的な飲料容器105の移動ができる。
(2)飲料を調製すると共に、飲料を調製するロボットアーム150の動作にエンターテイメント性を持たせることがきる。例えば、バーテンダーの動作、シェイカーを振る動作、ビールジョッキを傾けながらビールを注ぐ動作、マドラーにより飲料容器105内の飲料を混ぜる動作なども可能である。
(3)ロボットアーム150、人、動物、人形又はキャラクターに似せた作りとすることにより、顧客との親和性を持たせることができる。さらに、マンマシンインターフェイスを備えることにより、例えば、音声認識、顔認識、文字認識、表示装置、音声発生装置等を付加することにより、顧客とのコミュニケーションが可能となる。
(4)AIによる学習機能により、バーテンダーと同様な飲料の調整や顧客へのサービスを提供することができる。さらに、日にち、天気、店の状況、顧客の状況に合わせ、顧客に対して適切なメニューの提案、適切な状態の飲料の提供が可能となる。
(5)ロボットアーム150に協働ロボットとしての安全機能を持たせることにより、人と協調してロボットアームを安全に制御することが可能である。
【0067】
飲料容器保管部170は、ロボットアーム150の下方に設けられている。本実施形態では複数の飲料容器保管部170が設けられており、各飲料容器保管部170が洗浄済みの飲料容器105をセットし易いように引き出し式になっている。なお、本実施形態では、上下2段に飲料容器保管部170が設けられている。尚、飲料容器保管部170の段数は、2段に限定されない。
飲料容器保管部170は、断熱構造になっており、内部空間を冷却する冷却部171を有する。
冷却部171は、例えば、ペルチェ素子を用いた冷却ユニットが用いられる。
この飲料容器保管部170は、冷却部171によって内部が冷蔵ないし冷凍温度帯に保持される。
【0068】
飲料容器保管部170は、ロボットアーム150の下方に設けられていることによって冷却部171によって冷やされた冷気が、飲料容器保管部170の内部に留まり易いようになっている。冷却部171により冷却された冷気が下方に溜まりやすいという性質を利用している。このため飲料容器保管部170は、引き出し動作が頻繁に行われる場合であっても所望の温度帯を保持し易い。また、冷却部171において冷却のために必要となる電力も低減することが可能である。
【0069】
また、飲料容器保管部170がロボットアーム150の下方に設けられていることによって、ロボットアーム150の下方の空間を有効利用することができるため、省スペース化を図ることができる。
【0070】
尚、本実施形態では、飲料容器105を急速冷却するCO2チラー172が飲料提供テーブル103の一部領域に設けられている。
CO2チラー172は、ノズルからCO2(二酸化炭素ガス)を噴射することによって飲料容器105を急速冷却する。このCO2チラー172は、押圧操作部172aを有し、ロボットアーム150によって移動される飲料容器105が、例えば、飲み口を下方に向けて押圧操作部172aに押圧されるとノズルから飲料容器105に炭酸ガスを噴射するようになっている。CO2チラー172は炭化酸素ガスボンベに接続されている。またCO2チラー172を制御装置180に接続することもでき、この場合には、制御装置180から指令により、飲料容器105がロボットアームで搬送されたタイミングに合わせて、指令に応じて飲料容器105の内面に二酸化炭素ガスを噴射して、飲料容器105を冷却することが可能である。
【0071】
飲料容器保管部170は、冷却部171を備えており、保管される飲料容器105を冷却しておくことができる。また、飲料容器保管部170は、冷却部171以外にも温かい飲料に対応するため、ヒーターによって実現される保温部(不図示)を設けるようにしてもよい。飲料容器保管部170に保温部(不図示)を設けた場合、例えば、複数の飲料容器保管部170を冷却用と保温用とに分けることもできる。
冷却部171を制御装置180に接続することもでき、この場合には、制御装置180からの指令により冷却部171が制御され、飲料容器105を指令に応じた所定の温度条件で保管しておくことができる。
【0072】
飲料容器供給機構160は、飲料容器保管部170内に保管された飲料容器105を飲料容器保管部170の上方位置にあるロボットアーム150による取り上げ可能な飲料容器取上位置Pに供給するものである。また飲料容器供給機構160を制御装置180に接続することもでき、この場合には、制御装置180から指令にしたがったタイミングで、飲料容器供給機構160によって、飲料容器105を飲料容器保管部170から飲料容器取上位置Pに取り出すことができる。
この飲料容器供給機構160は、保管部内容器移動機構161と、ストッパー162と、押し出し機構163と、連結部164と、昇降機構165とを有する。
【0073】
保管部内容器移動機構161は、飲料容器保管部170内に保管される複数の飲料容器105が載置されるトレー161aと、トレー161aをスライド移動させるトレースライド移動機構161cと、を含む。
トレー161は、滑りローラ部161bを有する。滑りローラ部161bは、飲料容器保管部170内に保管された飲料容器105の底面が当接されることによって、飲料容器105を滑り移動させるものである。
本実施形態では、飲料容器保管部170が引き出し方向に直交する方向の前面側に向けて下り傾斜となるように傾けて装置本体102にセットされることによって、滑りローラ部161bによって飲料容器105が自重を利用して前面側に滑り移動されるようになっている。
また、トレー161a上において、下り傾斜に沿った各列を、レーンによって区切っておいてもよい。
トレースライド移動機構161cは、例えばベルト駆動によって実現され、トレー161aを飲料容器保管部170の引き出し方向において前後にスライド移動させる。
トレースライド移動機構161cがトレー161aを引き出し方向の前後に移動させることによって、昇降機構165の後述するガイド壁部165cの開口165dの前に供給したい飲料容器105が並ぶ飲料容器105の列を配置させることができる。
また、トレー161aに配置されている飲料容器105の有無を検出するセンサーを設け、このセンサーによって、トレー161a上のどの列に飲料容器105があるのかを判定した上で、トレースライド移動機構161cによりトレー161aを駆動するようにしてもよい。
【0074】
ストッパー162は、例えば、ギアドモータを用いて駆動され、先頭の飲料容器に隣接する、2番目の飲料容器105が自重によって前面側に滑り移動されることを阻止するものである。尚、図2において、ストッパー162が解除状態であるものを示している。ストッパー162を飲料容器105の滑り移動を阻止するように機能させる場合、例えば、図2においてストッパー162の下方に描かれている先頭から2番目の飲料容器105の滑りを阻止するようにストッパー162が駆動される。これにより2番目の飲料容器105以降の各飲料容器105がストッパー162により移動阻止されるため、滑り移動されないので、先頭の飲料容器105だけを取り出すことができる。図2においては便宜上、先頭の飲料容器105が2箇所(図2において連結部164の位置及びその左に隣接する位置)に描かれているが、これは先頭の飲料容器の移動経路を示すためのもので、ストッパー162で移動阻止される先頭から2番目の飲料容器105よりも下方には、実際には、先頭の飲料容器が1個だけ配置されている。
なお、ここではストッパー162がアクチュエータにより駆動可能な例を説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、平板状の固定式のストッパーを先頭の飲料容器105と2番目の飲料容器105との間に挿入されるように配置することもできる。この場合、トレー161aをトレースライド移動機構161cによりスライド移動させることにより、ストッパー自体が固定されていても、先頭の飲料容器105と2番目の飲料容器105との間においてストッパーを差し入れた入り、解除したりを切り替えることができる。
【0075】
押し出し機構163は、例えば、ギアドモータを用いて駆動され、先頭の飲料容器105を飲料容器保管部170の最前面側に配置された飲料容器105を、連結部164を経由し、昇降機構165の後述する載置台165aまで押し出すものである。
【0076】
連結部164は、飲料容器保管部170と昇降機構165の後述する載置台165aとの間を連結する部分であり、滑りローラ部161bに連続するように傾斜して配置されたローラ部164aを含む。この連結部164は、押し出し機構163によって飲料容器保管部170から押し出された飲料容器105を飲料容器105の自重を利用して載置台165aに誘導する。
【0077】
昇降機構165は、飲料容器105が載置される載置台165aと、載置台165aを昇降移動させる昇降駆動部165bと、載置台165aに載置された状態で上昇移動される飲料容器105が載置台165aから脱落することを阻止するように載置台165aの側方の領域を囲うガイド壁部165cと、を含む。
尚、ガイド壁部165cは、飲料容器105と昇降駆動部165bとの間を隔てる壁としても機能し、飲料容器105が湿った状態、濡れた状態又は凍結した状態であっても昇降駆動部165bへの水の侵入を防止している。
ガイド壁部165cは、飲料容器105を連結部164から1つずつ載置台165aに誘導可能な開口165dが形成されている。
昇降機構165は、載置台165a及びガイド壁部165cを各種仕様の飲料容器105に対応できる寸法に調整しておくことによって、各種仕様の飲料容器105の移送を可能とする。
【0078】
このような飲料容器供給機構160は、保管部内容器移動機構161によって複数の飲料容器105を飲料容器保管部170の引き出し方向で前後に移動させると共に、ストッパー162を飲料容器105の滑り移動を阻止する位置及び飲料容器105の滑り移動を可能とする位置で駆動させることによって、飲料容器保管部170内に保管された複数の飲料容器105から注文に応じた飲料容器105を1つずつ飲料容器取上位置Pに供給する。
【0079】
制御装置180は、飲料自動提供ユニット101の各部を制御するものであり、例えばマイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ等によって実現される。
【0080】
容器洗浄ユニット(不図示)は、顧客から使用済みの飲料容器105を回収し、回収した飲料容器105を洗浄するものである。この容器洗浄ユニットによって洗浄された飲料容器105は、飲料自動提供ユニット101の飲料容器保管部170にセットされる。
【0081】
次に、飲料自動提供システム100が顧客の注文に応じた飲料を提供する手順について説明する。
まず、顧客から注文受付部110によって注文内容が入力されと、顧客からの注文に応じて、例えば、飲料容器105の種類、容量及び提供温度が決定される。
例えば、ビールが注文された場合には、その注文の容量に応じ、かつ、冷やされた飲料容器105が飲料容器供給機構160によって飲料容器保管部170から飲料容器取上位置Pに供給される。
また、温かい飲料、例えば、コーヒー、紅茶、お茶、ホットミルク、お湯等が注文された場合には、温めた飲料容器105が飲料容器供給機構160によって飲料容器保管部170から飲料容器取上位置Pに供給される。
【0082】
飲料容器105には、例えば、識別情報が添付されている。識別情報には少なくとも注文した顧客を識別可能な番号等の情報が記載されており、提供された飲料がどの顧客の注文に対応するものか識別できるようになっている。
【0083】
次に、ロボットアーム150が飲料容器取上位置Pに供給された飲料容器105を注文の飲料に対応した飲料供給部120の供給位置に移動し、飲料供給部120の注入口から注文の飲料が飲料容器105に注入される。
例えば、ビールが注文された場合には、ロボットアーム150が飲料容器105をビールサーバ121のビールの供給位置、より具体的には注入口121aに移動し、ビールサーバ121から飲料容器105にビールが注入される。
尚、図1では注入口121aは、2か所に設けられているが、この注入口121aは2か所に限定されるものではなく、1か所とすることも、3か所以上とすることもできる。2か所の注入口のそれぞれから異なる種類のビール、例えば生ビールと黒ビールを注入するようにすることもできる。ビールの種類ごとに注入口121aの数を増やすこともできるが、1つの注入口121aから複数種類のビールを切り替えて注入できるようにしてもよい。また、ハーフアンドハーフのビールが注文され得た場合には、飲料容器105の半分には黒ビールを、残りの半分には生ビールを注ぐが、この場合に、一方の注入口121aから黒ビールを飲料容器105の半分まで注ぎ、他方の注入口121aに飲料容器105を移動して残りの半分は生ビールを注ぐようにしてもよいし、あるいは、1つの注入口121aから飲料容器105の半分までは黒ビールを注ぎ、残りの半分は同じ注入口からビールの種類を切り替えて、生ビールを注ぐようにしてもよい。
【0084】
次に、ウイスキーシングルハイボールが注文された場合について説明する。注文受付部110から注文が受け付けられると、飲料容器保管部170で冷却された状態で保管された飲料容器105が、飲料容器供給機構160によって、飲料容器取上位置Pに取り出される。ロボットアーム150が飲料容器取上位置Pに取り出された飲料容器105をハンド部152により把持し、CO2チラー172に運び、飲料容器105の開口が下を向く位置に姿勢を調整して、この姿勢で飲料容器105により押圧操作部172aを押圧操作することにより、CO2チラーにより噴霧されるCO2により飲料容器105を冷却する。次に、ロボットアーム150が飲料容器105の開口が上を向いた姿勢で氷ディスペンサ123の注入口に対応する位置まで運び、飲料容器105によって注入レバー123aを押し込み操作することにより、氷ディスペンサ123から飲料容器105に所定量のキューブアイスを投入する。キューブアイスの投入が完了したことは経過時間により判定することができる。次にロボットアーム150は飲料容器105を、ウイスキーのボトル124aがセットされたワンショットメジャー124の操作位置に移動させ、飲料容器105でワンショットメジャーの操作レバーを押し込み操作することにより、飲料容器105にワンフィンガーに相当する量のウイスキーを注入する。ウイスキーが所定量注入されたことは、経過時間により判定することができる。次に、ロボットアーム150は飲料容器105を、炭酸水サーバ122の注入口122aの下方に位置する炭酸水計量装置142まで運んで置く。次に、ロボットアーム150は炭酸水サーバ122の注入レバー122bを操作して炭酸水計量装置142からの計量値が所定量になるまで飲料容器105に炭酸水を注入する。ここでは、炭酸水計量装置142により炭酸水の注入量を計測したが炭酸水計量装置142を用いない場合には、例えば注入時間を測定することにより炭酸水の注入量を判定してもよい。次に、ロボットアーム150は飲料が注がれた飲料容器105をハンド部152で把持して持ち上げて、供給口104eの対向位置の供給口計量装置140まで運んで置く。供給口計量装置140で計量した測定値がメニューに対応した所定量、例えば所定の重量である場合には、供給口電磁ロック107が解除され、供給口104eから顧客に飲料が提供される。
【0085】
ビールサーバ121の注入口121aには、伸縮可能なノズルが設けられたり、注入位置が斜めに傾けられたりすることも可能である。注入口121aからは、ビール及びビールの泡を注入することが可能である。
【0086】
飲料容器105に注文の飲料が供給されると、ロボットアーム150が飲料入りの飲料容器105を飲料提供テーブル103上の飲料の提供位置に配置する。
ロボットアーム150によって飲料の提供位置に飲料入りの飲料容器105が配置されると、飲料自動提供システム100は、例えば、注文受付部110によって、音声ガイドないし文字表示を行い、顧客に識別番号等の識別情報を報知すると共に、「識別番号〇〇番のお客、お待たせ致しました。」等の音声ガイドないし文字表示を行なって、顧客に対して、飲料を提供することができる。このように、注文受付部110によって、顧客を識別する識別情報を提供する飲料に対応させて音声ガイドないし文字表示を行うことによって、他の顧客による飲料の取り間違えを防ぐことができる。
【0087】
次に、飲料自動提供システム100が顧客の来客数を予測し、飲料の在庫を準備する手順について説明する。飲料自動提供システム100は、例えば、制御装置180の不図示の記憶部に、全ての顧客の注文データに加え、他の店舗の注文データ、過去の注文履歴データ、天候データ、気温データ、湿度データ、カレンダー情報、イベント情報、災害情報、感染症流行情報、人出予想情報等の各種情報を記憶している。
【0088】
飲料自動提供システム100は、記憶部に記憶されたこれらの情報から、当該店舗の来客数及び各メニューの注文を予測し、予め飲料の在庫を準備しておくことができる。当該店舗の来客数及び各メニューの注文を予測のためには、各顧客の注文データ、過去の注文履歴データ、他店舗等の関連システムからの情報、情報調査機関の情報、及び、インターネットの情報等も利用可能であり、これらの多量の情報を例えば人工知能を用いた機械学習により解析することが可能である。
【0089】
予め予測された注文に対応する在庫については、発注の内容に応じて、飲料自動提供システム100の在庫管理にしたがって管理される。納品されたビール樽121b、ウイスキー等の在庫は、所定のストック場所に管理され、適宜、ビールサーバ121及び炭酸水サーバ122に供給される。
例えば、ビール樽121bの在庫を管理する方法としては、ビール樽121bがストックされる場所に重量センサを設置し、ストックされたビール樽121bの重量を重量センサによって検出することによって在庫量を算出するようにする。
【0090】
本発明の実施形態1に係る飲料自動提供システム100では、飲料容器搬送部130が制御装置180に制御されることによって、注文受付部110によって受け付けられた注文に基づいた飲料を自動で飲料容器105に供給して提供位置に提供することができるため、さまざまな飲食店において利用でき、しかも、飲食店での飲料提供サービスにおける多くの工程を自動化することができる。
【0091】
また、本発明の実施形態1に係る飲料自動提供システム100では、飲料容器搬送部130が、ロボットアーム150と、飲料容器保管部170内に保管された飲料容器105を飲料容器保管部170からロボットアーム150によって取り上げ可能な飲料容器取上位置Pに供給する飲料容器供給機構160と、を有し、飲料容器保管部170がロボットアーム150の下方に位置すると共に、ロボットアーム150が飲料容器取上位置P、飲料供給部120による飲料の供給位置、又は、飲料の提供位置の間で飲料容器105を移動させている。
このため、本発明の実施形態1に係る飲料自動提供システム100では、ロボットアーム150の下方の空間を複数仕様の飲料容器105を保管するための飲料容器保管部170を設置する空間として有効利用することができ、結果的に省スペース化を図ること及び多様な飲料の注文に対応することができる。
【0092】
また、本発明の実施形態1に係る飲料自動提供システム100では、飲料容器保管部170が、内部を冷却する冷却部171を有するため、ロボットアーム150の下方位置となる冷気が留まり易い位置に設けられた飲料容器保管部170によって複数の飲料容器105を所望の冷却温度帯に保持することができる。
【0093】
また、本発明の実施形態1に係る飲料自動提供システム100では、ロボットアーム150が、複数仕様の飲料容器105を把持可能なハンド部152を有するため、多様な飲料の注文に対応することができる。
【0094】
また、本発明の実施形態1に係る飲料自動提供システム100では、飲料容器供給機構160が、飲料容器保管部170から飲料容器取上位置Pまでの飲料容器105の一つの搬送経路によって複数仕様の飲料容器105を搬送することができるため、装置の小型化を図ることができる。
【0095】
また、本発明の実施形態1に係る飲料自動提供方法では、飲料容器搬送部130を用いることによって、注文受付部110によって受け付けられた注文に基づいた飲料を自動で飲料容器105に供給して提供位置に提供することができるため、さまざまな飲食店において利用でき、しかも、飲食店での飲料提供サービスにおける多くの工程を自動化することができる。
【0096】
また、本発明の実施形態1に係る飲料自動提供プログラムでは、飲料容器搬送部130を用いることによって、注文受付部110によって受け付けられた注文に基づいた飲料を自動で飲料容器105に供給して提供位置に提供する処理をコンピュータにより実行することができる。
【0097】
[実施形態2]
本発明の実施形態2に係る飲料自動提供システム200について図6を用いて説明する。
図6は、本発明の実施形態2に係る飲料自動提供システム200の全体構成を示すブロック図である。実施形態1の図1~5と同様の構成には200番台の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。
【0098】
この実施形態2に係る飲料自動提供システム200は、注文受付部210として携帯端末210を用いている点、及び、注文された飲料を顧客のテーブル席まで自動で配膳する点で実施形態1の飲料自動提供システム100と異なる。尚、上述した実施形態1の飲料自動提供システム100と同一構成部分について対応する200番台の符号を付すことにより、その重複する説明を省略する。
【0099】
飲料自動提供システム200は、飲料の注文を受け付ける注文受付部210と、飲料を供給する飲料供給部220と、飲料容器205を飲料供給部220による飲料の供給位置に移動する飲料容器搬送部230と、を設けられている。飲料自動提供システム200では、注文受付部210から注文された飲料を顧客のテーブル席に配膳するまでを自動で行う。
【0100】
尚、本実施形態では、飲料自動提供システム200が飲料自動提供ユニット201を含み、飲料自動提供ユニット201が飲料の注文受付から注文された飲料を自動で飲料提供テーブル103に配置するまでを自動で行い、飲料提供テーブル103に配置された飲料を飲料配膳装置291が顧客のテーブル席に自動で配膳する。
【0101】
注文受付部210は、携帯端末であり、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)等が挙げられる。
尚、注文受付部210は、顧客自身の端末や店舗で用意した専用端末でもかまわない。専用のアプリをダウンロードして注文する場合、店舗のウエッブサイト上で注文する場合等のいずれの場合でも利用可能である。
【0102】
飲料自動提供ユニット201の制御装置280は、無線通信部280aを有し、注文受付部としての携帯端末210と無線通信が可能になっている。
【0103】
ここで、顧客が注文受付部としての携帯端末210を用いて飲料の注文を行う手順について説明する。
顧客は、例えば、携帯端末210に飲料自動提供システム200への飲料の注文を可能にする専用のアプリケーションを店舗のウエッブサイトから予めダウンロードしておく。
顧客は、例えば、店内のテーブル席から専用のアプリケーションを起動し、飲料メニューの中から注文したい飲料を選択する。飲料メニューの中には、本日のお勧め、季節のお勧め、当店のお勧め、あるいは、特定の顧客に対する好みに基づいたお勧め等の推奨メニューを準備しておくこともできる。さらに、ソフトドリンクメニュー、低アルコールメニュー、低糖質メニュー、アルコール度高めメニュー等のリストを設けておくことも可能である。商品の表示も、例えば原産地表示、生産者表示、銘柄表示、原材料表示等の多様な表示が可能であり、顧客の選択を補助することが可能である。
【0104】
これらの選択は携帯端末210において対話形式で行われ、ヘルプ画面も参酌することができるため、顧客により容易に選択ないし入力することが可能である。例えば、顧客の好みのカスタマイズした注文を受け付けることが可能である。顧客の過去のオーダーは飲料自動提供ユニットの記憶部が記憶しているため、顧客特有のメニューや人気のメニュー等を注文時に顧客に提示することも可能である。例えば、特定の顧客によってカスタマイズされたメニューをお薦めメニューないしレギュラーメニューとして提供することも可能である。
【0105】
ここでは、顧客は、店内のテーブル席で注文を行う場合について説明したが、顧客は携帯端末210から無線通信により注文することができるので、飲料自動提供ユニット201から離れた場所、例えば店舗の外からでも注文を行うことができる。注文を遠隔地から行う場合には、実際に店舗に到着する時刻を予め入力できるようにしておくことができ、また、店舗に到着時に簡単な操作により、あるいは、ジオフェンスにより自動的に顧客の位置が判別され、飲料自動提供システム200により飲料の提供が行われる。なお、携帯端末210に、上述のタッチパネルディスプレイ110と同様の報知機能を持たせてもよい。
【0106】
また、本実施形態2の飲料自動提供システム200は、店舗内の顧客の状況を検知する顧客状況検知部290を備える。
顧客状況検知部290は、例えば、制御装置280に接続されたカメラ290によって実現される。カメラ290によって取得された画像を解析することにより、店内の混雑状況を把握することが可能である。さらに、顧客に提供される飲料を画像認識により解析することにより、顧客がどのようなペースで飲料を消費しているかを把握することができる。
このため、飲料自動提供システム200は、顧客の飲むペースに合わせて、携帯端末210を介して次の飲料の注文を勧めることができる。前述のとおり、飲料自動提供システム200は、全ての顧客の注文データに加え、他の店舗の注文データ、過去の注文履歴データ、天候データ、気温データ、湿度データ、カレンダー情報、イベント情報、災害情報、感染症流行情報、人出予想情報等の各種情報を把握しており、顧客が次に注文する可能性のあるメニューを予め予測することが可能である。
そこで、飲料自動提供システム200は、例えば、携帯端末210により顧客に次におすすめのメニューを提示して、注文を促すことが可能である。これらの顧客が注文する可能性のあるメニューの予測には機械学習を用いることも可能である。
【0107】
飲料配膳装置291は、例えば、ロボットアーム(不図示)を設け、飲料提供テーブルの飲料の提供位置に配置された飲料入りの飲料容器205をロボットアーム(不図示)によって把持し、顧客のテーブル席まで搬送する。尚、飲料配膳装置291は、無線通信部280aとの間で通信が可能である。
例えば、飲料容器205に顧客の識別情報がバーコードで添付されており、飲料配膳装置はバーコードリーダによって読み取った識別情報から顧客の情報を取得する。
顧客は携帯端末210を所持しているため、飲料自動提供システム200は店内における顧客の位置情報を把握することができる。これにより、飲料配膳装置291は、飲料容器205に添付された識別情報から、配膳先の顧客のテーブル席の位置を把握することができる。
尚、飲料容器205に添付される識別情報としてバーコードリーダを用いるものを例示したが、本実施例はこれ限定されるものではなく、例えば、飲料自動提供システム200の制御装置280から飲料配膳装置291に配膳される飲料のデータが送信されるように構成することも可能である。
【0108】
飲料配膳装置291は、例えば、店内を自走可能な自動搬送装置であり、店内の床に設けられたガイドパターンや、飲料配膳装置291が有する位置情報手段による誘導により、目標となる顧客のテーブル席まで、飲料を配膳することができる。また、飲料配膳装置291は、顧客の使用済みの容器を回収することも可能である。例えば、飲料配膳装置291に画像認識装置及びロボットアームが設けられている場合、顧客の使用済みの容器を認識し、ロボットアームにより容器を回収することが可能である。なお、使用済みの容器を回収する際には、顧客に容器を回収することの許可を求める質問を行い、顧客の許可があった場合には、容器を回収する旨の報知を行った上で、容器を回収することが望ましい。
【0109】
また、飲料配膳装置291は携帯端末210を用いなくとも顧客からの注文を受け付けることが可能である、すなわち、飲料配膳装置291に注文受付部としての機能を設け、音声認識により、「ビールの中ジョッキをください。」、「〇〇ウイスキーのダブルのハイボールをください。」等の顧客の音声による注文を認識させることができる。注文を受け付けると、発話者から顧客情報を把握し、「顧客番号〇〇番です。ただいまお作りしておりますので、少々お待ちください。」等の音声ガイドないし文字表示を行い、顧客に識別番号等の識別情報を報知すると共に、注文内容を飲料自動提供システム200の制御装置280に送信する。
【0110】
なお、発話者から顧客情報を把握する方法としては、例えば、各席にマイクを配置し、そのマイクに関連付けられたテーブル席の情報から顧客情報を把握する方法がある。
また、発話者から顧客情報を把握するより高度な方法としては、顧客情報として事前に顧客の音声を学習させる方法がある。
【0111】
飲料配膳装置291が顧客のテーブル席まで飲料を配膳する場合、例えば、顧客が電話するために席を外すタイミングを避け、顧客が着席していることがカメラによって確認されたタイミングである。
なお、飲料配膳装置291は、顧客が席を外している場合、カメラ290によって把握された顧客の状況から、着座までの予想時間を解析し、予想される待ち時間に応じてその他の配膳作業を行うとよい。顧客が席を外す等して待ち時間が発生する場合、飲料配膳装置291は、複数の顧客に対する配膳作業の順番を適宜調整する。
また、飲料配膳装置291は、飲料を配膳するロボットアーム(不図示)の動作にエンターテイメント性を持たせることがきる。例えば、顧客のテーブル席にて飲料容器205内にレモンを絞り入れ、マドラーを用いて混ぜる動作をロボットアームに行わせてもよい。
飲料配膳装置291は、注文の受付け、および配膳以外にも、顧客の各種要求に対応する。例えば、飲料配膳装置は、入店した顧客を席に誘導してもよし、追加注文を勧めてもよいし、カメラ290によって把握された顧客の状況から、顧客の表情を画像認識によって解析し、不機嫌そうな顧客に対して対話形式で要求を確認し、その要求に対応してもよい。
【0112】
本実施形態では顧客状況検知部290としてカメラを設ける例を説明したが、さらに、飲料自動提供システム200に飲料自動提供ユニット201、ロボットアーム250、飲料提供テーブル103、各種飲料サーバ等の状態を監視するカメラを設けることができる。この場合には、飲料自動提供システム200の不具合や、飲料提供テーブル103内に置かれた不要な物体の存在や、ワンショットメジャー224に設置された飲料ボトル224aの飲料の残量等を画像認識により判別することができる。これにより飲料自動提供システム200の不具合や異常の検知、飲料ボトル224aの残量の検知が可能となる。
【0113】
制御装置280はさらに通信ネットワーク200cを介して、本部サーバ200a、データベース200b、他の飲料自動供給システム200等と通信することが可能である。本部サーバ200aでは、各店舗の飲料自動供給システム200からの情報を収集すると共に、データベース200bからの情報等のビッグデータを用いて、機械学習などの手段を用いて各店舗の推奨メニューの情報や推奨されるレシピ等の分析を行い、分析の結果得られた学習済みのデータを各店舗に提供することができる。各店舗の飲料自動供給システム200は相互に通信を行うことに顧客情報の共有やメニューの検討等を連携して行うことが可能であり、この場合には、本部サーバ200aの情報だけに依存しない分散型の情報分析システムを構築することも可能である。
【0114】
尚、本発明の実施形態1、2に係る飲料自動提供システム100,200では、飲料容器搬送部130,230がロボットアーム150,と、飲料容器供給機構160,260とを有する構成であるものを例示したが、飲料容器保管部170,270、飲料供給部120,220による飲料の供給位置、又は、飲料の提供位置の間で飲料容器105、205を移動させることができればその他の構成であっても構わない。例えば、飲料容器搬送部130,230が飲料容器供給機構160,260を有しない構成であってもよい。
また、本発明の実施形態1、2に係る飲料自動提供システム100,200では、飲料容器保管部170,270がロボットアーム150,250の下方に位置する構成を例示したが、飲料保管部の位置はこれに限らない。例えば、飲料容器保管部がロボットアームの横に位置する構成であってもよい。
【0115】
また、本発明の実施形態1、2に係る飲料自動提供システム100,200では、各飲料供給部120,220が制御装置180,280に接続され、ロボットアーム150,250により飲料の供給位置に移送された飲料容器105,205に対して自動で飲料を注入するものを例示したが、これに限らず、各飲料供給部120,220が制御装置180,280に接続されていなくても構わない。例えば、ロボットアーム150,250によって各飲料供給部120,220の飲料注入操作用のハンドル、あるいはスイッチ等を操作するように飲料容器を移動することにより供給位置に移送された飲料容器に対して飲料を注入するようにしてもよい。
【0116】
以上の各実施形態は本発明の技術思想を具体化するための飲料自動提供システム、飲料自動提供方法及び飲料自動提供プログラムを例示するものであって、本発明をこれらに特定するものではなく、各実施形態に変更を加えたもの、各実施形態を組み合わせたもの等、その他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。また、本発明の飲料自動提供システムの用途は飲食店だけに限定されるものでは無く、例えば、病院、社員食堂、宿泊施設、家庭用等、さまざまな用途に幅広く適用可能である。
【0117】
例えば上記実施形態において飲料容器搬送部としてロボットアームを用いることを中心に説明してきたが、飲料容器搬送部はロボットアームに限定されるものではなく、コンベア式の搬送手段、昇降機構付きの搬送手段等、移動ロボット式の搬送手段等、多様な搬送手段を用いることが可能である。
【符号の説明】
【0118】
100、200 …飲料自動提供システム
101,201 …飲料自動提供ユニット
102 …装置本体
103 …飲料提供テーブル
103a …開口孔
104 …囲いパネル
104a …前面パネル
104b …側面パネル
104c …背面パネル
104d …後方パネル
104e …供給口
105,106 …飲料容器
107,207 …供給口電磁ロック
110,210 …注文受付部
120,220 …飲料供給部
121,221 …ビールサーバ
121a …注入口
121b,221b …ビール樽
121c,221c …液化炭酸ガスボンベ
121d …注入ボタン
121e …飲料容器載置部
122,222 …炭酸水サーバ
122a …注入口
122b …注入レバー
122c,222c …液化炭酸ガスボンベ
123 …氷ディスペンサ
123a …注入レバー
124,224 …ワンショットメジャー
124a,224a …飲料ボトル
124b,224b …残量センサ
125,225 …ウォータサーバ
130,230 …飲料容器搬送部
140,240 …供給口計量装置
142、242 …炭酸水計量装置
144、244 …ウォータ計量装置
150,250 …ロボットアーム
151,251 …ロボット制御部
152 …ハンド部
153 …把持片
153a、153b、153c…片状部分
154,254 …ティーチングペンダント
160,260 …飲料容器供給機構
161 …保管部内容器移動機構
161a …トレー
161b …滑りローラ部
161c …トレースライド移動機構
162 …ストッパー
163 …押し出し機構
164 …連結部
164a …ローラ部
165 …昇降機構
165a …載置台
165b …昇降駆動部
165c …ガイド壁部
165d …開口
170,270 …飲料容器保管部
171,271 …冷却部
172,272 …CO2チラー
172a …押圧操作部
180,280 …制御装置
280a …無線通信部
290 …顧客状況検知部(カメラ)
291 …飲料配膳装置
P …飲料容器取上位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6