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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230628BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021132245
(22)【出願日】2021-08-16
(65)【公開番号】P2023026846
(43)【公開日】2023-03-01
【審査請求日】2023-03-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517032668
【氏名又は名称】クリニファー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】戸田 晃平
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/038739(WO,A1)
【文献】特開2003-216780(JP,A)
【文献】特開2004-302989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各薬剤についての薬剤名及び承認されている国に関する情報を含む薬剤情報を記憶する薬剤情報記憶手段(3)と,
輸入を希望する薬剤名及び国を含む輸入薬剤情報を入力する輸入薬剤情報入力手段(5)と,
前記輸入薬剤情報入力手段(5)からある薬剤に関する前記輸入薬剤情報が入力された場合に,前記薬剤情報記憶手段(3)から前記ある薬剤に関する薬剤情報を読み出し,前記ある薬剤が,前記ある薬剤の輸入を希望する国において承認されているか否かに関する情報である承認情報を出力する承認情報出力手段(7)と,
を有する,コンピュータを用いた情報提供システム(1)であって,
前記薬剤情報は,さらに前記各薬剤についての対象疾患に関する情報を含み,
前記対象疾患に関する情報を用いて,前記薬剤情報記憶手段(3)から前記ある薬剤に関する対象疾患に関する情報を読み出すとともに,
前記薬剤情報記憶手段(3)から当該対象疾患に関する薬剤名を読み出し,読み出した当該薬剤名を前記ある薬剤に関連する薬剤として出力する対象疾患関連薬剤情報の出力手段(9)をさらに有する,システム
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供システム(1)であって,
前記承認情報出力手段(7)は,前記ある薬剤が輸入を希望する国において承認されていない場合,警告を出力する,システム。
【請求項3】
各薬剤についての薬剤名及び承認されている国に関する情報を含む薬剤情報を記憶する薬剤情報記憶手段(3)と,
輸入を希望する薬剤名及び国を含む輸入薬剤情報を入力する輸入薬剤情報入力手段(5)と,
前記輸入薬剤情報入力手段(5)からある薬剤に関する前記輸入薬剤情報が入力された場合に,前記薬剤情報記憶手段(3)から前記ある薬剤に関する薬剤情報を読み出し,前記ある薬剤が,前記ある薬剤の輸入を希望する国において承認されているか否かに関する情報である承認情報を出力する承認情報出力手段(7)と,
を有する,コンピュータを用いた情報提供システム(1)であって,
前記薬剤情報は,さらに前記各薬剤についての有効成分に関する情報を含み,
前記有効成分に関する情報を用いて,前記薬剤情報記憶手段(3)から前記ある薬剤に関する有効成分に関する情報を読み出すとともに,
前記薬剤情報記憶手段(3)から当該有効成分を含む薬剤名を読み出し,読み出した当該薬剤名を前記ある薬剤と同じ有効成分を有する薬剤として出力する有効成分同一薬剤情報の出力手段(11)をさらに有する,システム。
【請求項4】
コンピュータを,
各薬剤についての薬剤名及び承認されている国に関する情報を含む薬剤情報を記憶する薬剤情報記憶手段(3)と,
輸入を希望する薬剤名及び国を含む輸入薬剤情報を入力する輸入薬剤情報入力手段(5)と,
前記輸入薬剤情報入力手段(5)からある薬剤に関する前記輸入薬剤情報が入力された場合に,前記薬剤情報記憶手段から前記ある薬剤に関する薬剤情報を読み出し,前記ある薬剤が,前記ある薬剤の輸入を希望する国において承認されているか否かに関する情報である承認情報を出力する承認情報出力手段(7)と,
を有する,コンピュータを用いた情報提供システムであって,
前記薬剤情報は,さらに前記各薬剤についての対象疾患に関する情報を含み,
前記対象疾患に関する情報を用いて,前記薬剤情報記憶手段(3)から前記ある薬剤に関する対象疾患に関する情報を読み出すとともに,
前記薬剤情報記憶手段(3)から当該対象疾患に関する薬剤名を読み出し,読み出した当該薬剤名を前記ある薬剤に関連する薬剤として出力する対象疾患関連薬剤情報の出力手段(9)をさらに有する,システムとして機能させるための,プログラム。
【請求項5】
コンピュータを,
各薬剤についての薬剤名及び承認されている国に関する情報を含む薬剤情報を記憶する薬剤情報記憶手段(3)と,
輸入を希望する薬剤名及び国を含む輸入薬剤情報を入力する輸入薬剤情報入力手段(5)と,
前記輸入薬剤情報入力手段(5)からある薬剤に関する前記輸入薬剤情報が入力された場合に,前記薬剤情報記憶手段から前記ある薬剤に関する薬剤情報を読み出し,前記ある薬剤が,前記ある薬剤の輸入を希望する国において承認されているか否かに関する情報である承認情報を出力する承認情報出力手段(7)と,
を有する,コンピュータを用いた情報提供システムであって,
前記薬剤情報は,さらに前記各薬剤についての有効成分に関する情報を含み,
前記有効成分に関する情報を用いて,前記薬剤情報記憶手段(3)から前記ある薬剤に関する有効成分に関する情報を読み出すとともに,
前記薬剤情報記憶手段(3)から当該有効成分を含む薬剤名を読み出し,読み出した当該薬剤名を前記ある薬剤と同じ有効成分を有する薬剤として出力する有効成分同一薬剤情報の出力手段(11)をさらに有する,システムとして機能させるための,プログラム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取ることのできる情報記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許第3816326号公報には,医薬関連商品情報の提供装置が記載されている。この装置は,ネットワークに接続される情報通信端末を利用し,顧客に対して医薬品を含む 健康管理に有用な製品およびサービスからなる医薬関連商品を提供する。
【0003】
医薬品は,国によっては承認され,国によっては承認されていない。このためある医薬品は,承認が得られた国においてのみ流通していた。このため,有効な医薬であっても,未承認国では流通しないという問題があった。一方で,未承認国であっても,ある医薬の有用性を確かめたいというニーズがある。さらに,ある医薬の未承認国であっても,有効成分が同じ別の医薬として流通している別の医薬が存在することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3816326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は,医薬品を知る機会や医薬品を調達する機会を与えるために必要な情報を提供できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書に開示される情報提供システム1は,薬剤情報記憶手段3と,輸入薬剤情報入力手段5と,承認情報出力手段7と,を有する。
薬剤情報記憶手段3は,各薬剤についての薬剤名及び承認されている国に関する情報を含む薬剤情報を記憶するための要素である。
輸入薬剤情報入力手段5は,輸入を希望する薬剤名及び国を含む輸入薬剤情報を入力するための要素である。
承認情報出力手段7は,輸入薬剤情報入力手段5からある薬剤に関する輸入薬剤情報が入力された場合に,薬剤情報記憶手段3からある薬剤に関する薬剤情報を読み出し,ある薬剤が,ある薬剤の輸入を希望する国において承認されているか否かに関する情報である承認情報を出力するための要素である。
【0007】
承認情報出力手段7の好ましい例は,ある薬剤が輸入を希望する国において承認されていない場合,警告を出力するものである。
【0008】
薬剤情報は,さらに各薬剤についての対象疾患に関する情報を含んでもよい。
そして,システム1は,対象疾患関連薬剤情報の出力手段9をさらに有するものが好ましい。対象疾患関連薬剤情報の出力手段9は,対象疾患に関する情報を用いて,薬剤情報記憶手段3からある薬剤に関する対象疾患に関する情報を読み出すとともに,
薬剤情報記憶手段3から当該対象疾患に関する薬剤名を読み出し,読み出した当該薬剤名をある薬剤に関連する薬剤として出力するための要素である。
【0009】
薬剤情報は,さらに各薬剤についての有効成分に関する情報を含むことが好ましい。
そして,システム1は,有効成分同一薬剤情報の出力手段11をさらに有するものが好ましい。
有効成分同一薬剤情報の出力手段11は,
有効成分に関する情報を用いて,薬剤情報記憶手段3からある薬剤に関する有効成分に関する情報を読み出すとともに,
薬剤情報記憶手段3から当該有効成分を含む薬剤名を読み出し,読み出した当該薬剤名をある薬剤と同じ有効成分を有する薬剤として出力するための要素である。
【0010】
この明細書は,コンピュータを,上記した情報提供システムとして機能させるための,プログラムや,そのプログラムを記憶したコンピュータが読み取ることのできる情報記録媒体をも開示する。
【0011】
この明細書は,各薬剤についての薬剤名及び承認されている国に関する情報を含む薬剤情報を記憶し,輸入を希望する薬剤名及び国を含む輸入薬剤情報を入力させ,ある薬剤に関する前記輸入薬剤情報が入力された場合に,前記ある薬剤に関する薬剤情報を読み出し,前記ある薬剤が,前記ある薬剤の輸入を希望する国において承認されているか否かに関する情報である承認情報を出力する,コンピュータを用いた情報提供方法をも開示する。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば,医薬品についての知る機会や医薬品を調達する機会を与えるために必要な情報を提供する情報提供システムなどを提供できる。このシステムによれば,アンメットニーズに応える薬剤情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は,情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は,本発明のシステム例を示す概念図である。
図3図3は,このシステムの動作例を示すフローチャートである。
図4図4は,記憶部に記憶される薬剤情報の例を示す概念図である。
図5図5は,ユーザの端末の出力例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0015】
図1は,情報提供システムの構成例を示すブロック図である。図1に示されるように,このシステム1は,薬剤情報記憶手段3と,輸入薬剤情報入力手段5と,承認情報出力手段7と,を有する。また,図1に示されるように,このシステムは,対象疾患関連薬剤情報の出力手段9,及び有効成分同一薬剤情報の出力手段11のいずれか又は両方をさらに含んでもよい。このシステムは,コンピュータに基づくシステムである。
【0016】
本明細書における各手段は,コンピュータにおける各部,各要素又は各工程によって実現できる。それらは,ソフトウェア又はハードウェアにより実現してもよいし,ソフトウェアとハードウェアの協働により実現してもよい。このシステムは,コンピュータにより実装されてもよいし,コンピュータとサーバを用いたサーバ・クライアントシステムにより実装されてもよい。コンピュータは,携帯端末,デスクトップ型パーソナルコンピュータ,及びサーバのいずれか又は2つ以上の組み合わせであってもよい。これらは通常インターネット(イントラネット)等により情報の授受を行うことができるように接続されている。一部の機能をいずれかのコンピュータにもたせるなど,複数のコンピュータを用いて,機能を分担してもよい。
【0017】
コンピュータは,入力部,出力部,制御部,演算部及び記憶部を有しており,各要素は,バスなどによって接続され,情報の授受を行うことができるようにされている。例えば,記憶部には,制御プログラムが記憶されていてもよいし,各種情報が記憶されていてもよい。入力部から所定の情報が入力された場合,制御部は,記憶部に記憶される制御プログラムを読み出す。そして,制御部は,適宜記憶部に記憶された情報を読み出し,演算部へ伝える。また,制御部は,適宜入力された情報を演算部へ伝える。演算部は,受け取った各種情報を用いて演算処理を行い,記憶部に記憶する。制御部は,記憶部に記憶された演算結果を読み出して,出力部から出力する。このようにして,各種処理が実行される。この各種処理を実行するものが,各手段や各部である。
【0018】
図2は,本発明のシステム例を示す概念図である。図2に示されるように,本発明のシステム(本発明の装置を含むシステム)1は,インターネット又はイントラネット23と接続された端末25と,インターネット又はイントラネット23に接続されたサーバ27とを含むものであってもよい。もちろん,単体のコンピュータや携帯端末が,本発明の装置として機能してもよいし,複数のサーバが存在してもよい。
【0019】
薬剤情報記憶手段3は,各薬剤についての薬剤名及び承認されている国に関する情報を含む薬剤情報を記憶するための要素である。記憶部が薬剤情報記憶手段3として機能する。
各薬剤は,市販されている医薬やそのジェネリック医薬品を含む。薬剤名は,その医薬の名称を意味する。承認されている国は,各医薬について薬事承認された国を意味する。これらを含む薬剤情報は,例えば,医薬のID(識別番号)と関連して,記憶部に記憶される。そして,各情報を用いて,それぞれの医薬に関する情報を読み出すことができるようにされている。薬剤情報は,各薬剤についての対象疾患に関する情報や有効成分に関する情報を含んでもよい。
【0020】
輸入薬剤情報入力手段5は,輸入を希望する薬剤名及び国を含む輸入薬剤情報を入力するための要素である。入力部が輸入薬剤情報入力手段5として機能する。例えば,ユーザが,ウェブサイトにて必要な情報をキーボードやマウスを用いて入力する。すると,その入力情報は,このシステムの入力部を介して,システム内に入力される。このようにシステムの入力部が,輸入薬剤情報入力手段5として機能する。
【0021】
承認情報出力手段7は,輸入薬剤情報入力手段5からある薬剤に関する輸入薬剤情報が入力された場合に,薬剤情報記憶手段3からある薬剤に関する薬剤情報を読み出し,ある薬剤が,ある薬剤の輸入を希望する国において承認されているか否かに関する情報である承認情報を出力するための要素である。コンピュータの各要素が承認情報出力手段7として機能する。承認情報出力手段7の好ましい例は,ある薬剤が輸入を希望する国において承認されていない場合,警告を出力してもよい。
【0022】
対象疾患関連薬剤情報の出力手段9は,対象疾患に関する情報を用いて,薬剤情報記憶手段3からある薬剤に関する対象疾患に関する情報を読み出すとともに,
薬剤情報記憶手段3から当該対象疾患に関する薬剤名を読み出し,読み出した当該薬剤名をある薬剤に関連する薬剤として出力するための要素である。コンピュータの各要素が対象疾患関連薬剤情報の出力手段として機能する。
【0023】
有効成分同一薬剤情報の出力手段11は,有効成分に関する情報を用いて,薬剤情報記憶手段3からある薬剤に関する有効成分に関する情報を読み出すとともに,薬剤情報記憶手段3から当該有効成分を含む薬剤名を読み出し,読み出した当該薬剤名をある薬剤と同じ有効成分を有する薬剤として出力する。コンピュータの各要素が有効成分同一薬剤情報の出力手段11として機能する。
【0024】
次に,このシステムを用いた情報提供方法について説明する。図3は,このシステムの動作例を示すフローチャートである。なお,このフローチャートは,概念的なものである。このため,順番はこのチャートの通りである必要はない。また,このフローチャートに含まれるいずれかの工程のみであっても発明として成立しうる。このフローチャートに示されるいずれかの工程がなくてもよい。前提として,このシステムの記憶部は,薬剤情報を記憶している。薬剤情報の例は,図4に示される通りである。図4に示されるように,薬剤情報は,各種項目を用いて他の項目を検索できるように記憶されていることが好ましい。
【0025】
(輸入)薬剤情報入力工程(S101)
ユーザが,ウェブサイトにアクセスする。そして,ウェブサイトに薬剤名,疾患名,又は有効成分に関する情報を,ポインティングデバイスを用いて入力する。なお,ウェブサイトに各種薬剤名が表示され,表示された薬剤名をクリックすることで薬剤名が選択されるようにしてもよい。このようにしてユーザの端末から入力された薬剤情報がインターネットを介してシステムに入力される。この薬剤情報は,輸入することを希望する薬剤の情報であってもよい。
【0026】
システムの記憶部にユーザの住所又は商品の郵送先が記憶されていてもよい。この場合,ユーザの情報がシステムに入力されると,システムは,記憶部からユーザの住所又は商品の郵送先と関連して記憶されている国情報を読み出してもよい。また,ウェブサイトには,医薬品を輸入する国を選択される部分が存在し,その部分にユーザの端末から情報を入力することにより,システムに国に関する情報が入力されるようにしてもよい。このようにして,国情報がシステムに入力される。このようにして,システムに,輸入を希望する薬剤名及び国を含む輸入薬剤情報が入力される。
【0027】
承認情報出力工程(S102)
制御部は,薬剤名などの薬剤情報を用いて,その薬剤に関する薬剤情報を記憶部から読み出す。薬剤情報には,その薬剤の承認国に関する情報も含まれる。制御部は,読み出した承認国と,入力された輸入希望国とを比較する演算を演算部に行わせる。その結果,輸入希望国が承認国である場合には,輸入国が承認国である旨の出力を行う。一方,輸入希望国が承認国でない場合には,輸入国が承認国でない旨の出力を行う。この際,輸入希望者に,注意を喚起するため,警告を行うようにしてもよい。この場合,制御部は,記憶部から警告に関する情報(表示情報や音声情報)を読み出して,警告を出力する。すると,ユーザの端末から警告が出力されることとなる。いずれにせよ,上記のような工程により,ある薬剤の輸入を希望する国において承認されているか否かに関する情報である承認情報がシステムから出力され,ユーザの端末においても出力されることとなる。
【0028】
これにより,ある薬剤を輸入(購入)しようとしているユーザにとって,その薬剤が輸入しようとしている国で承認されている薬剤か否かを判断するための情報を入手できることとなる。また,その薬剤がその国で承認されている場合,輸入しようとしている国の支店からその薬剤を発送することで,ユーザは,安価にその薬剤を入手できることとなる。また,輸入しようとする薬剤が未承認である場合,その旨がユーザの端末に表示されるので,ユーザは,その薬剤がその国では未承認であることを把握したうえで,その薬剤を輸入できることとなる。
【0029】
対象疾患関連薬剤情報の出力工程(S103)
先の工程で,薬剤名などの輸入薬剤情報を用いて,その薬剤に関する薬剤情報が記憶部から読み出された。この薬剤情報には,対象疾患に関する情報も含まれてもよい。制御部は,対象疾患に関する情報を用いて,記憶部から同じ対象疾患に関する薬剤である疾患関連薬剤に関する情報を読み出す。そして,システムは,それら同一疾患に関する薬剤名を含む薬剤情報を疾患関連薬剤として出力する。ユーザの端末は,この疾患関連薬剤に関する情報を受け取り,モニタなどの出力部に出力する。このようにユーザがある薬剤に関する情報をシステムに入力すると,その薬剤と対象疾患を同じくする他の薬剤についても,表示等されることとなる。このようにして,疾患関連薬剤に関する情報も表示されることとなる。すると,ユーザは,ついでに関連薬剤も購入しようと考える可能性があり,関連薬剤の一覧情報も簡単に入手できることとなる。この工程は,承認情報出力工程でNO(輸入希望国が承認国でない場合)である場合に特に有効であり,対象疾患に関する未承認薬剤以外の薬剤の候補に関する情報を適宜提供できることとなる。
【0030】
有効成分同一薬剤情報出力工程(S104)
先の工程で,薬剤名などの薬剤情報を用いて,その薬剤に関する薬剤情報が記憶部から読み出された。この薬剤情報には,その薬剤の有効成分に関する情報も含まれてもよい。制御部は,有効成分に関する情報を用いて,記憶部から同じ有効成分を含む薬剤である同効薬剤に関する情報を読み出す。そして,制御部は,同効薬剤の薬剤名を含む薬剤情報を出力する。ユーザの端末は,この同効薬剤の薬剤名を含む薬剤情報を受け取り,モニタなどの出力部に同効薬剤の薬剤名を出力する。
【0031】
このように,ユーザがある薬剤に関する情報をシステムに入力すると,その薬剤の有効成分と有効成分を同じくする他の薬剤に関する情報を入手できることとなる。すると,ユーザは,その薬剤がその国で未承認であっても,国内で承認されている薬剤であって有効成分が同じ薬剤を購入するための情報を入手できることとなる。
【0032】
このシステムは,コンピュータ又はプロセッサを,各薬剤についての薬剤名及び承認されている国に関する情報を含む薬剤情報を記憶させ,輸入を希望する薬剤名及び国を含む輸入薬剤情報を入力させ,ある薬剤に関する前記輸入薬剤情報が入力された場合に,ある薬剤に関する薬剤情報を読み出し,ある薬剤が,ある薬剤の輸入を希望する国において承認されているか否かに関する情報である承認情報を出力させる情報提供システムである。
【0033】
この明細書は,コンピュータを,これまで説明した情報提供システムとして機能させるためのプログラムをも記載する。また,この明細書は,そのようなプログラムを記憶したコンピュータが読み取ることのできる情報記録媒体をも提供する。情報記録媒体の例は,CD,CD-ROM,DVD,USBメモリ,及びハードディスクである。
【実施例
【0034】
例えば,サーバがA国に存在する例について説明する。B国のユーザBは,A国のウェブサイトAにアクセスする。このウェブサイトAに関連したサーバAには,ユーザBのユーザ情報が記憶されている。ユーザBのユーザ情報には,ユーザBの商品の郵送先情報を含んでいる。ユーザBの商品の郵送先情報は,B国の住所である。ユーザBが,ウェブサイトAにアクセスし,輸入を希望する薬剤Xを指定する。この際,ユーザBは,薬剤Xを輸入する国としてB国を選択してもよい。また,システムは,ユーザBの情報を記憶部から読み出し,輸入国としてB国を選択してもよい。
【0035】
例えば,システムには,薬剤Xと輸入国であるB国に関する情報が入力される。この際に,システムは,薬剤Xに関する承認国(A国,C国)を記憶部から読み出す。なお,システムは,記憶部から薬剤Xの対象疾患(疾患X)や有効成分(成分α)に関する情報を合わせて読み出してもよい。そして,システムは,B国が,読み出した承認国に含まれるか否か判断する。そして,システムは,ユーザBの端末に対し,薬剤Xが輸入希望国であるB国で承認された医薬であるか否かを出力する。ユーザBの端末のモニタ(出力部)は,薬剤Xが輸入希望国であるB国で承認された医薬であるか否かを表示する。
【0036】
薬剤Xの対象疾患に関する情報(疾患X)が記憶部から読み出されている。システムは,疾患Xと関連して記憶されている他の薬剤について薬剤名(薬剤Y,薬剤Z)や承認国に関する情報(薬剤Y:A国,D国;薬剤Z:B国,C国,D国)を記憶部から読み出す。そして,システムは,読み出した薬剤名やそれぞれの薬剤名に関して承認国に関する情報を出力する。ユーザの端末の出力部は,疾患Xに関する薬剤X以外の薬剤名(薬剤Y,薬剤Z)や,それぞれの薬剤についての承認国に関する情報(薬剤Y:A国,D国;薬剤Z:B国,C国,D国)を含む薬剤情報を表示する。
【0037】
薬剤Xの有効成分に関する情報(成分α)が記憶部から読み出されている。システムは,有効成分αと関連して記憶されている他の薬剤について薬剤名(薬剤V,薬剤W)や承認国に関する情報(薬剤V:A国;薬剤W:B国,C国)を記憶部から読み出す。
そして,システムは,読み出した薬剤名やそれぞれの薬剤名に関して承認国に関する情報を出力する。ユーザの端末の出力部は,成分αを有効成分とする薬剤X以外の薬剤名(薬剤V,薬剤W)や,それぞれの薬剤についての承認国に関する情報(薬剤V:A国;薬剤W:B国,C国)を含む薬剤情報を表示する。
【0038】
ユーザBの端末には,上記の情報が表示される。ユーザBは,表示された情報を考慮して,希望する薬剤を選択し,ウェブサイトAを用いて,適切な薬剤を購入することができる。商品を購入する仕組みや,商品を発送する仕組みは,公知のウェブサイトのものを適宜利用すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
このシステムは,商取引サイトなどで利用されうる。
【符号の説明】
【0040】
1 情報提供システム
3 薬剤情報記憶手段
5 輸入薬剤情報入力手段
7 承認情報出力手段
9 対象疾患関連薬剤情報の出力手段
11 有効成分同一薬剤情報の出力手段
図1
図2
図3
図4
図5