(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】スピーカ装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/06 20060101AFI20230628BHJP
【FI】
H04R1/06 310
(21)【出願番号】P 2018207167
(22)【出願日】2018-11-02
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】久保 文人
(72)【発明者】
【氏名】川本 真也
(72)【発明者】
【氏名】梁瀬 博明
(72)【発明者】
【氏名】上籠 秀則
【審査官】中村 天真
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-175666(JP,A)
【文献】米国特許第07201251(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0091199(US,A1)
【文献】実開昭54-107325(JP,U)
【文献】特開2009-111670(JP,A)
【文献】特開2000-244992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74
G10K 11/175
H04R 1/02,1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切るパネル部材に取付けられるスピーカ装置であって、
スピーカを内装するボックスは、該ボックスの外部から電気的接続が可能な2極をもつ2つのコネクタを備えており、
前記スピーカと前記2つのコネクタとは前記ボックス内部で極ごとに電気的に並列接続され、
前記ボックスは、左右方向に延びる略直方体であり、その下面に前記コネクタが配設され、前記コネクタには前記ボックス外部から配線ケーブルが接続され、
前記スピーカ装置は、
前記パネル部材の上部に備えられた隣り合う2つのパネルカバーに渡って横架するように前記パネルカバー上に固定されており、前記2つのパネルカバーの少なくとも一方には前記2つのパネルカバーの接続部に前記配線ケーブルが挿通される切欠が形成されていることを特徴とするスピーカ装置。
【請求項2】
前記2つのコネクタは、前記ボックスの下面に左右に離間して形成された2つの差込口にそれぞれ配設されており、前記配線ケーブルを左右内側に誘導させる構造を有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記ボックスは、その下面に左右方向に延びる凹溝が形成されていること特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記スピーカ装置は、前記ボックス内部にトランスを備えており、一方の前記コネクタと前記スピーカとの間に前記トランスが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記ボックスの前後幅を25ないし40mm、左右幅を200ないし300mm、内容積を100ないし120cm
3としていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のスピーカ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカ装置に係り、特にサウンドマスキングシステムに適したスピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
間仕切り用のパネルを用いて空間を様々な形に仕切ることで、応接スペースや商談スペース等のブースを簡単に設置することができる。このように形成されたブースにあっては、パネルによって仕切られたブース内にいる者のプライバシーを視覚的に守ることができるものの、ブース内での会話音声が外に漏れて第三者に聞かれる可能性があるため、ブース内にいる者のプライバシーを聴覚的に守ることが求められている。
【0003】
ブース内における会話音声が外部へ漏れないようにする技術として、音声をマスキングするスピーカユニットが知られており、例えば特許文献1には、アンプに接続された接続コードを隣り合うパネルの間を通してパネル上部に設置されるスピーカユニットに備えられた入力端子(コネクタ)に接続するようにして、アンプから電気信号を送信することでスピーカユニットから音が出力されるようになっている。また、パネル上部に複数のスピーカユニットを設置することで、ブース毎の聴覚的なプライバシーを守ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特公平7-81347号公報(第2頁、第3図)
【0005】
しかしながら、複数のスピーカユニットを用いるには、それぞれのスピーカユニットの入力端子とアンプとの間を接続コードにより電気的に接続するものであるため、スピーカユニットの増設の際手間となる問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、スピーカ装置の増設がしやすいスピーカ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のスピーカ装置は、
空間を仕切るパネル部材に取付けられるスピーカ装置であって、
スピーカを内装するボックスは、該ボックスの外部から電気的接続が可能な2極をもつ2つのコネクタを備えており、
前記スピーカと前記2つのコネクタとは前記ボックス内部で極ごとに電気的に並列接続され、
前記ボックスは、左右方向に延びる略直方体であり、その下面に前記コネクタが配設され、前記コネクタには前記ボックス外部から配線ケーブルが接続され、
前記スピーカ装置は、パネル部材の上部に備えられた隣り合う2つのパネルカバーに渡って横架するように前記パネルカバー上に固定されており、前記2つのパネルカバーの少なくとも一方には前記2つのパネルカバーの接続部に前記配線ケーブルが挿通される切欠が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、一方のコネクタを入力端子として利用でき、他方のコネクタを他のスピーカ装置のコネクタに電気的接続すると出力端子として利用できるため、スピーカ装置の増設がしやすい。
【0009】
前記2つのコネクタは、前記ボックスの下面に左右に離間して形成された2つの差込口にそれぞれ配設されており、前記配線ケーブルを左右内側に誘導させる構造を有することを特徴としている。
この特徴によれば、スピーカ装置増設の際、大きな曲げを生じさせることなく配線ケーブルを延ばすことができる。
【0010】
前記ボックスは、その下面に左右方向に延びる凹溝が形成されていること特徴としている。
この特徴によれば、配線ケーブルを収納するスペースをボックスの下面に確保できる。
【0011】
前記スピーカ装置は、前記ボックス内部にトランスを備えており、一方の前記コネクタと前記スピーカとの間に前記トランスが電気的に接続されていることを特徴としている。
この特徴によれば、スピーカ装置に係る電気回路がハイインピーダンス接続となり、配線での伝送ロスを低減できるため、長距離伝送が可能となる。
【0013】
前記ボックスの前後幅を25ないし40mm、左右幅を200ないし300mm、内容積を100ないし120cm3としていることを特徴としている。
この特徴によれば、ボックスの前後幅を25ないし40mmとして、パネル部材の厚さ以下にすることで、前後にスピーカ装置が突出せず見栄えがよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例におけるパネル部材に取付けられたスピーカ装置を示す斜視図である。
【
図2】実施例におけるスピーカ装置を示す分解斜視図である。
【
図3】ボックス内での部品同士の配線を示した斜視図である。
【
図4】スピーカ装置の下面図であり、(a)はコネクタを取り付ける前の状態、(b)はコネクタを取り付けた状態を示す図である。
【
図7】複数のスピーカ装置とアンプとが配線ケーブルによって接続された様子を示す斜視図である。
【
図9】パネル部材上部に取付けられるスピーカ装置の斜視図である。
【
図10】配線ケーブルをスピーカ装置下方にまとめたときのスピーカ装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るスピーカ装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0016】
実施例1に係る商品陳列具につき、
図1から
図9を参照して説明する。以下、
図2の紙面右下側及び
図4の紙面下方を商品陳列具の正面側(前方側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
【0017】
図1に示されるように、複数のパネル部材10,10,…を組合せて設置し、空間を仕切ることで、応接スペースや商談スペース等のブースBが形成される。スピーカ装置1は、パネル部材10の上面に載置され、パネル部材10に固定されている(
図9参照)。スピーカ装置1をパネル部材10,10,…に複数設置してマスキング音を出力させることで、各ブースB,B,…内における会話音声が隣接するブースBや外部の通路に漏洩しにくくなっている。
【0018】
図2に示されるように、スピーカ装置1は、左右方向に延び略直方体を成すボックス2と、該ボックス2の左右前後寸法が略同一な板でありボックス2の上面を覆う上面板3と、から主に構成されている。ボックス2は、上方が開口する箱体4と、略中央に上方を向くスピーカ6を備え箱体4を上方より塞ぐバッフル板5と、を備えている。尚、以後説明の便宜上、左右略同一を成す部材・部位については、特に断らない限り、一方についてのみ説明する。
【0019】
上面板3は左右に延びる略板状の部材であり、平板の前後端に左右方向に延び下方に延設する延設部32,32が形成されており、該延設部32,32の左右両端部の前後から左右外側にかけて開口部31が形成されている(
図5,6参照)
【0020】
バッフル板5は左右に延びる平面板50を備え、略中央部に形成された凹部には、スピーカ6が載置される台座55が備えられており、該台座55に形成された円形の貫通孔51には、スピーカ6が上方を向いたまま載置できるようになっている。バッフル板5の左右両端部にはバスレフポート52が備えられている。バスレフポート52はバッフル板5の端部56と該端部56から下方に延びるダクト52aにより構成されており、バスレフポート52には上下に貫通する貫通孔52bが形成されている。
【0021】
箱体4は、トランス7、基板8及び該基板8に固定されるコネクタ9が取り付けられている。箱体4の底板部には、左右方向の中心からの距離が略等しい位置に基板8が載置される2つの台座42,42が備えられており、各台座42には下向きに貫通し箱体4の外部に連通する貫通孔41が形成されている。
【0022】
図3に示されるように、各基板8はそれぞれコネクタ9に電気的に接続されている。2つの基板8,8は2本の導線18a,18bによって電気的に接続されている。また、一方の基板8はトランス7を介してスピーカ6に電気的に接続されている。具体的には、一方の基板8とトランス7との間に導線17a,17b、トランス7とスピーカ6との間に導線16a,16bが配線されている。尚、各コネクタ9は、ボックス2の外部から電気的接続が可能な2極を有しており、コネクタ9,9、基板8,8、トランス7及びスピーカ6は極毎に接続されており、並列接続を成している。
【0023】
図4(a)に示されるように、箱体4の底板面46には左右に延びる凹溝47が形成されており、該凹溝47の底面47aには貫通孔41が形成されている。該貫通孔41の左右内側には略四分円の円弧状の斜面を成す傾斜面48が備えられており、貫通孔41が下方側に向けて漸次内側に拡開するようになっている。また、
図4(b)に示されるように、基板8が台座42に配設されたとき、コネクタ9が下方を向いて貫通孔41を挿通した状態となっており、箱体4の下面において2つのコネクタ9,9が左右方向の中心からの距離が略等しい位置に配置されるため、スピーカ装置1から出力される音の左右バランスが保たれる。尚、底板面46にはダルマ穴45が形成されている。
【0024】
配線ケーブル91のコネクタ9への接続方法及び構造を説明する。配線ケーブル91は、その先端でむき出しとなった銅線をコネクタ9が弾性的に挟むことで接続・固定できる。
図5に示されるように、コネクタ9に接続された配線ケーブル91は、配線ケーブル91の先端側を傾斜面48に沿って這わせて、配線ケーブル91の端部から離れた側を凹溝47の底面47aに略直線状に沿って延ばした状態に配置する。このとき、凹溝47の前後幅は配線ケーブル91の2本分よりも広いため、凹溝47内において2本の配線ケーブル91,91をすれ違わせて配列できる。尚、配線ケーブル91が凹溝47に収納されていることから、配線ケーブル91が隠蔽され美観に優れる(
図6参照)。
【0025】
図7に示されるように、電気信号を入力するアンプ11は、スピーカ装置1に配線ケーブル91aにより接続され、スピーカ装置1は他のスピーカ装置1’に配線ケーブル91bにより接続される。このように、アンプ11及び隣り合う複数のスピーカ装置1,1’,…を配線ケーブル91a,91b,…によって接続できるようになっている。このとき、
図8より、アンプ11から入力される電気信号がスピーカ装置1内にあるトランス7を介してスピーカ6に伝送されるとともに、スピーカ装置1内で分岐した配線と電気的に接続される配線ケーブル91bから他のスピーカ装置1’内にあるトランス7’を介してスピーカ6’に伝送されるため、同時に複数のスピーカ装置1,1’,…のスピーカ6,6’から音を出力でき、複数の配線ケーブル91a,91b,…によって電気的に接続された複数のスピーカ装置1,1’,…は、一群の並列回路を成している。
【0026】
スピーカ装置1のパネル部材10の上部への取付けについて説明する。
図9に示されるように、パネル部材10の上部には、左右に亘って断面視略U字状の溝部12が形成されており、該溝部12に沿って配線ケーブル91を左右方向に延ばす。次いで、左右方向に延びるパネルカバー13は、左右両端に配線ケーブル91が挿通される切欠14が形成されており、溝部12に上部から嵌合して覆設できるため、溝部12に収納した配線ケーブル91を隠蔽でき見栄えがよい。その後、パネルカバー13の上面に図示しないネジによりネジ止めまたは釘により釘止めし、スピーカ装置1の底板面46のダルマ穴45(
図4参照)を係合させることで、スピーカ装置1をパネル部材10上部に着脱可能に固定できる。尚、配線ケーブル91は、コネクタ9から傾斜面48に沿って這い、凹溝47に沿って略直線状に延び、左右中央部において斜め下方に延びて切欠14に挿通する構造となっており、コネクタ9の近傍や切欠14の位置で配線ケーブル91を折り返していないため、配線ケーブル91に大きな曲げを生じさせることなく延ばすことができる。
【0027】
次いで、スピーカ装置1の大きさと出力される音の関係について詳しく説明する。一般的なスピーカ装置の場合、式1によって共振周波数の特性が決められており、低音域から高音域までの出力バランスが考慮されるが、本実施例におけるスピーカ装置1の場合、小型でありながらサウンドマスキングに適するものとしたいので、高音域の音を多少犠牲にしながらも低音域の音が十分に出力できるよう、125Hzに共振周波数を有し、当該125Hzにおいて50dB以上を出力可能なスピーカ装置について検討した。このようなスピーカ装置の実現には、実験的に導出された式2を満たす必要があると判明し、さらに寸法関係の条件としてボックス2の前後幅を25ないし40mm、左右幅を200ないし300mm、内容積を100ないし120cm3とし、バスレフポート52の内径を3ないし5mm、長さを15ないし20mmである必要があるとも判明した。例えば、ボックス2の前後幅を40mm、上下幅を25mm、左右幅を250mm、内容積を110cm3、バスレフポート52の内径を4mm(半径2mm)とすると、バスレフポート52の長さLは19mmとなる(ただし、バスレフポート52の断面積Sを3.14×0.22=0.1256cm2、内容積を0.11Lとした)。
【0028】
【0029】
【0030】
以上説明したように、スピーカ6を内装するボックス2は、該ボックス2の外部から電気的接続が可能な2極をもつ2つのコネクタ9を備えており、スピーカ6と2つのコネクタ9とはボックス2内部で極ごとに並列接続されていることから、一方のコネクタ9を入力端子として利用でき、他方のコネクタ9を他のスピーカ装置1のコネクタ9に電気的接続すると出力端子として利用できるため、スピーカ装置1の増設がしやすい。
【0031】
また、ボックス2は、左右方向に延びる略直方体であり、その下面にコネクタ9が配設され、コネクタ9にはボックス2外部から配線ケーブル91が接続されていることから、コネクタ9に接続された配線ケーブル91がボックス2の下方を這うため、配線ケーブル91を隠蔽できる。
【0032】
また、ボックス2は、その下面に左右方向に延びる凹溝47が形成されていることから、配線ケーブル91を収納するスペースをボックス2の下面に確保できる。
【0033】
また、2つのコネクタ9は、ボックス2の下面に左右に離間して形成された2つの差込口にそれぞれ配設されており、配線ケーブル91を左右内側に誘導させる構造としての傾斜面48を有することから、スピーカ装置1増設の際、大きな曲げを生じさせることなく配線ケーブル91を延ばすことができる。
【0034】
また、スピーカ装置1は、ボックス2内部にトランス7を備えており、一方のコネクタ9とスピーカ6との間にトランス7が電気的に接続されていることから、スピーカ装置1に係る電気回路がハイインピーダンス接続となり、配線での伝送ロスを低減できるため、長距離伝送が可能となる。
【0035】
また、スピーカ装置1は、パネル部材10の上部に備えられた隣り合う2つのパネルカバー13,13に渡って横架するようにパネルカバー13上に固定されており、2つのパネルカバー13,13の接続部に前記配線ケーブル91が挿通される切欠14が形成されている。このことから、2つのパネルカバー13,13の接続部に形成された切欠14による挿通孔があるので、配線ケーブル91をスピーカ装置1の下面及びパネルカバー13の下に通すことができ、配線ケーブル91が露出しない。
【0036】
また、ボックス2の前後幅を40mm、左右幅を250mm、内容積を110cm3とし、バスレフポートの内径を4mm、長さを19mmとしていることから、スピーカ装置1を小型に構成でき、種々のパネル部材10にスピーカ装置1を設置しながらサウンドマスキングシステムに必要な低音域の音を十分に鳴らすことができる。また、ボックス2の前後幅を40mmとして、パネル部材10の厚さ以下にすることで、前後にスピーカ装置1が突出せず見栄えがよい。
【0037】
また、ボックス2は、該ボックス2の左右前後寸法が略同一な上面板3によって面を覆われていることから、スピーカ装置と外見上認識され難く、美観に優れ、パネル部材10への設置に適している。
【0038】
また、トランス7、基板8、突出部43及び係合部44は、箱体4の底板部において前後略中央に配置されていることから、これらの部品と箱体の前後壁との間に左右に延びる空間が形成されているため、ボックス空間部V2における共振が良好となる。
【0039】
また、左右のバスレフポート52,52は、前後にずれて配置され、各々バッフル板5の中心について略対称であるため、バッフル板5を上下軸の周りに180度回転させても機能性を損なうことなく箱体4に装着できる。
【0040】
また、複数の配線ケーブル91,91,…によって電気的に接続された複数のスピーカ装置1,1,…は、一群の並列回路を成すため、一つのスピーカ装置1のスピーカ6が不調となっても、他のスピーカ装置1のスピーカ6の出力を妨げない。
【0041】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0042】
例えば、スピーカ装置1は、パネル部材10に設置してブースB内における会話音声が外部へ漏れないように用いられると説明したが、これに限らずパネル部材10以外に設置してもよいし、会話音声の外部漏洩防止以外の用途に用いられてもよい。
【0043】
また、スピーカ装置1はパネル部材10の上面に設置されると説明したが、これに限らず、パネル部材の他の面に設置されていてもよい。
【0044】
また、ボックス2は左右方向に延び略直方体を成すと説明したが、これに限らず、例えば平面視における正方形や楕円形等を成していてもよい。
【0045】
また、開口部31は、上面板3の左右両端部の前後から左右外側にかけて連続して形成されていると説明したが、これに限らず、上面板3の左右両端部の前後のみに形成されていてもよい。
【0046】
また、スピーカ装置1のパネル部材10への固定について、パネルカバー13にネジ止めしたネジまたは釘止めした釘にダルマ穴45を係合させると説明したが、これに限らず、例えば面ファスナーによる固定でもよい。
【0047】
また、配線ケーブル91は、その先端でむき出しとなった銅線をコネクタ9が弾性的に挟むことで電気的に接続できると説明したが、コネクタの種類はこれに限らず、例えばバナナプラグをコネクタに形成された挿入穴に挿入してもよい。
【0048】
また、コネクタ9の位置は箱体4の下方に配設されていると説明したが、これに限らず、例えば後方側面であってもよい。
【0049】
また、箱体4の下面において2つのコネクタ9,9が左右方向の中心からの距離が略等しい位置に配置されると説明したが、これに限らず、箱体の下面の中心に2つのコネクタが隣接して配置されていてもよいし、左右一方側に2つのコネクタが隣接して配置されていてもよい。
【0050】
また、スピーカ装置1には2つのコネクタ9,9が備えられていると説明したが、これに限らず、3つ以上あってもよい。
【0051】
また、スピーカ6の向きは上向きであると説明したが、これに限らず上向きでなくてもよい。
【0052】
また、
図4に示すように配線ケーブル91,91が左右に延びる構造について説明したが、
図10に示すように配線ケーブル91,91を中央下方にまとめるように延ばしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1,1’ スピーカ装置
2 ボックス
3 上面板
4 箱体(ボックス)
5 バッフル板(ボックス)
6,6’ スピーカ
7,7’ トランス
8 基板
9,9’ コネクタ
10 パネル部材
11 アンプ
13 パネルカバー
14 切欠
31 開口部
47 凹溝
48 傾斜面
91 配線ケーブル
91a~c 配線ケーブル