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特許7303664情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20230628BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20230628BHJP
   G07F 7/08 20060101ALI20230628BHJP
   G07F 7/10 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G06Q20/08
G06Q20/32 330
G07F7/08 R
G07F7/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019092289
(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公開番号】P2020187589
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】500394834
【氏名又は名称】株式会社DGフィナンシャルテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ラケシュ・シェンベカール
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/230185(WO,A1)
【文献】特開2006-268446(JP,A)
【文献】特開2015-122009(JP,A)
【文献】特開2000-148858(JP,A)
【文献】特開2015-97003(JP,A)
【文献】特開2016-95547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07F 7/08
G07F 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置された所定コードを、決済を行うユーザが利用するユーザ端末にインストールされたアプリケーションにて読み取ることで決済が行われるシステムにおける情報処理装置であって、
所定の店舗で決済を行うユーザが利用するユーザ端末から、複数の決済事業者のうち決済処理を実行させる一の決済事業者と、前記所定の店舗とを指定する決済要求を受付ける受付部と、
前記受付部が前記決済要求を受け付けた場合に、前記決済事業者に対応する決済実行装置に、前記決済処理を要求する要求部と、
前記決済事業者に対応する決済実行装置から、前記決済処理の処理結果を取得する取得部と、
前記ユーザ端末に、前記決済処理の処理結果を応答する通知部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部が前記ユーザ端末から事前確認要求を受付けた場合に、前記決済処理に関連するトランザクションを関連づけるトランザクション情報を発行する発行部、を有し、
前記通知部は、前記発行部が発行したトランザクション情報を前記ユーザ端末に通知し、
前記受付部は、トランザクション情報を更に含む前記決済要求を受付け、
前記要求部は、前記決済要求に含まれるトランザクション情報が、前記発行部が発行したトランザクション情報と同一である場合に、前記決済事業者に対応する決済実行装置に前記決済処理を要求する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記決済事業者に対応する決済実行装置により予め前記ユーザ端末に対して払い出されたトークンを含む前記決済要求を前記ユーザ端末から受付け、
前記要求部は、前記決済事業者に対応する決済実行装置に前記決済処理を要求する際に、前記トークンを前記決済事業者に対応する決済実行装置に送信する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記所定の店舗に対応する店舗端末に、前記決済処理の処理結果を通知する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
少なくとも、決済を行うユーザと決済事業者と店舗と決済金額とを含む決済履歴を記憶する第2記憶部を有し、
前記受付部は、前記所定の店舗が利用する店舗端末から、決済履歴の参照の要求を受付け、
前記通知部は、前記所定の店舗に関連する決済履歴を、前記第2記憶部から取得して前記店舗端末に通知する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記店舗の店頭に設置された所定コードは、前記複数の決済事業者が共通で利用する、決済事業者が夫々発行する各アプリケーションで読み取れる共通コードである、
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
店舗に設置された所定コードを、決済を行うユーザが利用するユーザ端末にインストールされたアプリケーションにて読み取ることで決済が行われるシステムにおける情報処理装置であって、
所定の店舗で決済を行うユーザが利用するユーザ端末から、複数の決済事業者のうち決済処理を実行させる一の決済事業者と、前記所定の店舗との情報を含む事前確認要求を受付ける受付部と、
前記ユーザ端末に、前記事前確認要求に基づく前記一の決済事業者と前記所定の店舗との情報を応答する通知部と、を有し、
前記所定コードは、前記複数の決済事業者が共通で利用する、決済事業者が夫々発行する各アプリケーションで読み取れる共通コードである、
情報処理装置。
【請求項8】
当該情報処理装置は、前記決済事業者とは異なる事業者により管理される装置である、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
店舗に設置された所定コードを、決済を行うユーザが利用するユーザ端末にインストールされたアプリケーションにて読み取ることで決済が行われるシステムにおける情報処理装置が行う情報処理方法であって、
所定の店舗で決済を行うユーザが利用するユーザ端末から、複数の決済事業者のうち決済処理を実行させる一の決済事業者と、前記所定の店舗とを指定する決済要求を受付けるステップと、
前記決済要求を受け付けた場合に、前記決済事業者に対応する決済実行装置に、前記決済処理を要求するステップと、
前記決済事業者に対応する決済実行装置から、前記決済処理の処理結果を取得するステップと、
前記ユーザ端末に、前記決済処理の処理結果を応答するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項10】
店舗に設置された所定コードを、決済を行うユーザが利用するユーザ端末にインストールされたアプリケーションにて読み取ることで決済が行われるシステムにおけるコンピュータに、
所定の店舗で決済を行うユーザが利用するユーザ端末から、複数の決済事業者のうち決済処理を実行させる一の決済事業者と、前記所定の店舗とを指定する決済要求を受付けるステップと、
前記決済要求を受け付けた場合に、前記決済事業者に対応する決済実行装置に、前記決済処理を要求するステップと、
前記決済事業者に対応する決済実行装置から、前記決済処理の処理結果を取得するステップと、
前記ユーザ端末に、前記決済処理の処理結果を応答するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、二次元コードを用いた決済サービスが多数の決済事業者から提供されている。ユーザは、店頭で金銭の支払いを行う際、スマートフォンを操作することで、利用したい決済サービスのアプリケーションを起動させ、所定の操作を行うことで支払いを行うことができる。
【0003】
二次元コードを用いた決済サービスには、2つの方式が存在する。1つ目の方式は、ユーザのスマートフォンの画面に二次元コードを表示させ、店員がPOSレジ等で当該二次元コードを読み取る方式である。当該方式は、CPM(Consumer Presented Mode)と呼ばれる。2つ目の方式は、店舗に固定的に設置された二次元コードを、ユーザのスマートフォンで読み取る方式である。当該方式は、MPM(Merchant Presented Mode)と呼ばれる。特許文献1には、二次元コードを利用した決済サービスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2016-522938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、MPMによる二次元コード決済では、各決済事業者がそれぞれ決済用の二次元コードを提供している。そのため、複数の決済事業者と契約をしている店舗は、契約をしている決済事業者の数と同じ数の二次元コードを設置するためのスペースを確保する必要がある。また、支払いを行うユーザは、複数の二次元コードの中から、支払いを行う決済事業者に対応する二次元コードを探す必要があり、ユーザの負担が大きい。また、ユーザが誤って異なる決済事業者の二次元コードを読み取ってしまうリスクも存在する。従って、MPMによる二次元コード決済の利便性は高くないのが現状である。
【0006】
そこで、本発明は、MPMによる決済処理の利便性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、店舗に設置された所定コードを、決済を行うユーザが利用するユーザ端末にインストールされたアプリケーションにて読み取ることで決済が行われるシステムにおける情報処理装置であって、所定の店舗で決済を行うユーザが利用するユーザ端末から、複数の決済事業者のうち決済処理を実行させる一の決済事業者と、所定の店舗とを指定する決済要求を受付ける受付部と、受付部が決済要求を受け付けた場合に、決済事業者に対応する決済実行装置に、決済処理を要求する要求部と、決済事業者に対応する決済実行装置から、決済処理の処理結果を取得する取得部と、ユーザ端末に、決済処理の処理結果を応答する通知部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、MPMによる決済処理の利便性を向上させることが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る決済システムのシステム構成例を示す図である。
図2】本実施形態により提供されるMPMによる二次元コード決済のサービス提供イメージを示す図である。
図3】共通装置のハードウェア構成例を示す図である。
図4】共通装置の機能ブロック構成例を示す図である。
図5】決済事業者情報、店舗情報、トランザクションキー情報及び決済履歴情報の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る決済システムが行う処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0011】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る決済システム1のシステム構成例を示す図である。決済システム1は、MPMによるコード決済を提供するシステムである。当該コード決済に用いられるコードは、一次元コードでもよいし、二次元コードでもよいし、更に多次元のコードであってもよい。本実施形態では、便宜上、二次元コードであるものとして説明する。
【0012】
決済システム1は、ユーザ端末10と、店舗端末20と、共通装置30(情報処理装置)と、決済装置(A社)40-Aと、決済装置(B社)40-Bと、決済装置(Z社)40-Zとを含む。ユーザ端末10と、店舗端末20と、共通装置30とは、無線又は有線の通信ネットワークN1を介して接続され、相互に通信を行うことができる。また、共通装置30と、決済装置(A社)40-Aと、決済装置(B社)40-Bと、決済装置(Z社)40-Zとは、無線又は有線の通信ネットワークN2を介して接続され、相互に通信を行うことができる。
【0013】
以下の説明において、決済装置(A社)40-Aと、決済装置(B社)40-Bと、決済装置(Z社)40-Zとを区別しない場合は、決済装置40(決済実行装置)と記載する。図1には、決済装置(A社)40-Aと、決済装置(B社)40-Bと、決済装置(Z社)40-Zとが図示されているが、決済装置40の台数に制限はない。
【0014】
ユーザ端末10は、店舗にて、商品やサービスに対する決済を行うユーザが利用する端末である。なお、本実施形態において、「決済」とは、金銭、電子マネー、ポイント等の引き落とし及び相手方への支払いが実際に完了することのみならず、クレジットカードによる決済等の、金銭、電子マネー、ポイント等の引き落とし及び/又は相手方への支払いが事後的に行われるポストペイ方式の決済も含む。また、「店舗」とは、店舗にて行う商品及びサービスの提供に対する対価の支払(決済)を、決済システム1を用いて行うことが可能な店舗(すなわち加盟店と同義)を意図している。また、「店舗」は、実際の店舗であってもよいし、インターネット上に存在するオンラインの店舗であってもよい。
【0015】
ユーザ端末10には、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、携帯情報端末(PDA)、家庭用ゲーム機器など、通信機能を備えた端末であればあらゆる端末を用いることができる。図1には、ユーザ端末10が1つ図示されているが、決済システム1に含まれるユーザ端末10の台数に制限はない。
【0016】
店舗端末20は、店舗が利用する端末である。店舗端末20には、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、携帯情報端末(PDA)、家庭用ゲーム機器など、通信機能を備えた端末であればあらゆる端末を用いることができる。図1には、店舗端末20が1つ図示されているが、決済システム1に含まれる店舗端末20の台数に制限はない。
【0017】
共通装置30は、店舗で商品又はサービスの提供を受けるユーザのユーザ端末10から決済要求を受信し、受信した決済要求を適切な決済装置40に処理させるように制御する装置である。共通装置30は、1又は複数の物理的なサーバ等から構成されていてもよいし、ハイパーバイザー(hypervisor)上で動作する仮想的なサーバを用いて構成されていてもよい。共通装置30は、決済装置40に関わる決済事業者とは異なる事業者により管理される装置である。
【0018】
決済装置40は、二次元コードによる決済サービスを提供する決済事業者が、決済処理を行うための装置である。例えば、決済装置(A社)40-Aは、A社が提供する決済サービスを処理する決済装置40である。同様に、決済装置(B社)40-Bは、B社が提供する決済サービスを処理する決済装置40である。ここでいう二次元コードによる決済サービスとは、アプリケーションを用いた決済サービスのことをいい、決済サービスの提供を受けるためには、ユーザは、ユーザ端末10に各決済事業者が発行する各アプリケーションの少なくとも1つをインストールする必要がある。また、ここでいうアプリケーションは、ウェブブラウザや、SNSのアプリケーションのような、1つのアプリケーションを用いて複数のサービスコンテンツを提供可能なものであってもよく、この場合、各サービスコンテンツが本実施形態でいう各アプリケーションに対応する。なお、以下、アプリケーションを決済アプリケーションともいう。
【0019】
前述した共通装置30は、ユーザが、A社が提供する決済サービスを利用することを希望する場合、ユーザのユーザ端末10から受信した決済要求を決済装置(A社)40-Aに処理させるように制御する。また、例えば、ユーザが、B社が提供する決済サービスを利用することを希望する場合、ユーザのユーザ端末10から受信した決済要求を決済装置(B社)40-Bに処理させるように制御する。
【0020】
図2は、本実施形態により提供されるMPMによる二次元コードの決済サービス提供イメージを示す図である。図2のAに示すように、従来、MPMによる二次元コード決済では、各決済事業者がそれぞれ決済サービス用の二次元コードが印字されたもの等を提供している。そのため、複数の決済事業者と契約をしている店舗は、図2のAに示すように、契約をしている決済事業者の数と同じ数の二次元コードが印字されたもの等を設置するための設置スペースを確保する必要がある。また、ユーザは、利用したい決済サービスに対応するアプリケーションをユーザ端末10にて起動させ、当該アプリケーションを用いて、利用したい決済サービスに対応する二次元コードを読み取ることで、決済を行う必要がある。決済サービスのアプリケーションは、各決済装置40に対応する各決済事業者が夫々発行したものである。
【0021】
一方、本実施形態では、各決済事業者がそれぞれ決済用の二次元コードを提供するのではなく、図2のBに示すように、各決済事業者が共通で利用する共通二次元コードを振分事業者が発行し、発行した共通二次元コードを振分事業者が店舗ごとに1つ用意しておく。また、共通二次元コードは、決済事業者が夫々発行する各アプリケーションで読み取れるようにしておく。これにより、ユーザは、利用したい決済サービスに対応するアプリケーションをユーザ端末10にて起動させ、当該アプリケーションを用いて共通二次元コードを読み取ることで、決済を行うことができる。つまり、ユーザが利用したい決済サービスに対応するアプリケーションを用いて、当該アプリケーションでのみ利用可能な二次元コードとは異なる共通二次元コードを読み取り、利用したい決済サービスの決済を違和感なく行うことができる。
【0022】
本実施形態によれば、複数の決済事業者と契約をしている店舗であっても、共通二次元コードが印字されたもの等を1つ用意するだけで十分である。ユーザは、利用したい決済サービスに対応する二次元コードを探す必要がないことから、決済を迅速に行うことができる。また、二次元コードが印字されたものの設置について、本実施形態では、共通二次元コードが印字されたものを1つ用意しているが、これに限定されるものではない。例えば、共通二次元コードを、POSレジ等の表示部に表示してもよい。この場合、共通二次元コードが印字されたものを別途設置しなくてもよい。また、共通二次元コードをPOSレジ等の表示部に表示する際に、表示する二次元コードの種類の取り間違えを防止することができる。
【0023】
<動作概要>
共通装置30は、決済を実行する前に、セキュリティ向上を目的として、予めユーザ端末との間で、店頭に設置された共通二次元コードの妥当性を確認するためのデータ送受信を行う。より具体的には、ユーザ端末10は、決済を行う店舗に関する情報の確認を要求するメッセージ(以下、「確認要求」又は「事前確認要求メッセージ」と言う。)を共通装置30に送信する。確認要求を受信した共通装置30は、決済を行う店舗に関する情報(店舗名や店舗住所等)をユーザ端末10に送信する。ユーザ端末10は、共通装置30から受信した当該情報を画面に表示する。
【0024】
続いて、ユーザが決済の実行を指示すると、ユーザ端末10は、共通装置30に、決済の実行を要求するメッセージ(以下、「決済要求」又は「決済要求メッセージ」と言う。)を送信する。決済要求を受信した共通装置30は、決済を処理する決済装置40に対して決済の実行を要求する。共通装置30は、決済装置40から、決済が完了したことの通知を受けると、決済が完了したことをユーザ端末10に通知する。
【0025】
なお、確認要求を受信した共通装置30は、決済を行う店舗に関する情報をユーザ端末10に送信する際、ユーザ端末10と共通装置30との間で送受信される決済処理に関連する一連のメッセージ(トランザクション)を関連づけるための情報(以下、「トランザクションキー」と言う。)を含めてユーザ端末10に送信するようにしてもよい。また、ユーザ端末10は、決済要求を共通装置30に送信する際、受信したトランザクションキーを決済要求に含めて送信するようにしてもよい。
【0026】
また、共通装置30は、決済要求を受信すると、ユーザ端末10に送信したトランザクションキーと同一のトランザクションキーが決済要求に含まれていることを確認し、確認が取れた場合に、決済装置40に対して決済の実行を要求するようにしてもよい。
【0027】
<ハードウェア構成>
図3は、共通装置30のハードウェア構成例を示す図である。共通装置30は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical processing unit)等のプロセッサ11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、及び情報の出力を行う出力デバイス15を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等である。
【0028】
<機能ブロック構成>
図4は、共通装置30の機能ブロック構成例を示す図である。共通装置30は、記憶部100と、受付部101と、発行部102と、認証部103と、要求部104と、取得部105と、通知部106とを含む。記憶部100は、共通装置30が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、受付部101と、発行部102と、認証部103と、要求部104と、取得部105と、通知部106とは、共通装置30のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0029】
記憶部100は、決済事業者情報と、店舗情報と、トランザクションキー情報と、決済履歴情報とを記憶する。記憶部100のうち店舗情報を記憶する部分を、第1記憶部と称してもよい。また、記憶部100のうち決済履歴情報を記憶する部分を、第2記憶部と称してもよい。
【0030】
決済事業者情報は、決済事業者に関する各種の情報(決済事業者名など)を含む。店舗情報は、店舗に関連する情報(店舗名や店舗の位置情報など)と、店舗を特定する店舗識別子とを関連づける情報を含む。トランザクションキー情報は、共通装置30で発行されたトランザクションキーを記録する情報を含む。決済履歴情報は、決済装置40にて行われた決済に関する履歴を含む。また、決済履歴情報は、少なくとも、決済を行うユーザと決済事業者と店舗と決済金額とを含んでいてもよい。
【0031】
図5のAは、決済事業者情報の一例を示す。「決済事業者ID」は、決済事業者を一意に識別するための識別子である。「決済事業者名」は、決済事業者の名称を示す。「アクセス先情報」は、共通装置30が決済装置との間で通信する際のアドレス情報(IPアドレス、URL等)を示す。
【0032】
図5のBは、店舗情報の一例を示す。「店舗ID」は、店舗を一意に識別するための識別子である。「店舗情報」は、店舗に関する各種の情報であり、例えば、店舗名及び店舗場所を含む。「店舗名」は、店舗の名称やブランド名等を示す。「店舗場所」は、店舗の場所を示す情報(住所でもよいし、店舗が存在する場所の緯度・経度であってもよい)を示す。「決済事業者ID」は、各店舗にて利用可能な決済サービスを提供している決済事業者の決済事業者IDを示す。例えば、「AコンビニB駅前店」の決済事業者IDには、aaaa、bbbb及びccccが格納されている。これは、AコンビニB駅前店では、A社、B社及びC社の二次元コードの決済サービスを利用することが可能であることを示している。「決済金額」は、決済金額が固定されている決済手法が用いられる場合における決済金額を示す。なお、MPMによるコード決済では、決済金額を任意に指定可能な決済手法も用意されており、当該決済手法が用いられる場合には、「決済金額」には何も格納されない。
【0033】
図5のCは、トランザクションキー情報の一例を示す。「トランザクションキー」には、共通装置30が発行したトランザクションキーが格納される。「発行日時」は、共通装置30がトランザクションキーを発行した日時を示す。「決済内容」は、ユーザが行う決済の内容(例えばユーザが利用する決済サービスを提供する事業者の決済事業者ID、決済を行う店舗の店舗ID、決済を行うユーザのユーザID等)を示す。
【0034】
図5のDは、決済履歴情報の一例を示す。「ユーザID」は、決済を行ったユーザを特定する識別子を示す。「決済事業者ID」は、決済に利用された決済サービスを提供する決済事業者の決済事業者IDを示す。「店舗ID」は、ユーザが決済を行った店舗の店舗IDを示す。「決済日時」は、決済が行われた日時を示す。「決済金額」は、決済された金額を示す。
【0035】
受付部101は、所定の店舗で決済を行うユーザが利用するユーザ端末10から、複数の決済事業者のうち決済処理を実行させる一の決済事業者(より詳細には決済事業者ID)と、所定の店舗(より詳細には店舗ID)とを指定する決済要求メッセージを受付ける機能を有する。
【0036】
また、受付部101は、ユーザ端末10から、決済を実行する前に、所定の店舗(より詳細には店舗ID)を指定する事前確認要求メッセージを受付けるようにしてもよい。また、受付部101は、ユーザ端末10から、決済を実行する前に、複数の決済事業者のうち決済を実行させる一の決済事業者を示す情報と、所定の店舗(より詳細には店舗ID)を示す情報とを含む事前確認要求メッセージを受付けるようにしてもよい。また、受付部101は、トランザクションキー(トランザクション情報)を更に含む決済要求メッセージを受付けるようにしてもよい。また、受付部101は、決済処理を実行させる一の決済事業者に対応する決済装置40から、予めユーザ端末10に対して払い出されたトークンを含む決済要求メッセージをユーザ端末10から受付けるようにしてもよい。また、受付部101は、所定の店舗が利用する店舗端末20から、決済履歴の参照の要求を受付けるようにしてもよい。
【0037】
発行部102は、受付部101がユーザ端末10から確認要求を受付けた場合に、トランザクションキーを発行する機能を有する。また、発行部102は、発行したトランザクションキーを、トランザクションキー情報に格納する。
【0038】
認証部103は、受付部101がユーザ端末10から決済要求を受付けた場合、当該決済要求に含まれるトランザクションキーが、発行部102が発行したトランザクションキーと同一であるか否かを確認する機能を有する。
【0039】
要求部104は、受付部101がユーザ端末10から決済要求を受け付けた場合に、決済要求が指定する決済事業者に対応する決済装置40に、決済処理を要求する機能を有する。また、要求部104は、事前確認要求時において、ユーザがいずれの決済サービスの決済アプリケーションを用いたのかを判別し、決済要求時において、判別した決済アプリケーションを発行した決済事業者に対応する決済装置40に決済処理を要求することも機能として有する。要求部104は、認証部103において、決済要求に含まれるトランザクションキーと発行部102が発行したトランザクションキーとが同一であることが確認された場合に、決済事業者に対応する決済装置40に決済処理を要求するようにしてもよい。また、要求部104は、決済事業者に対応する決済装置40に決済処理を要求する際に、受付部101が受け付けた決済要求メッセージに含まれるトークンを決済事業者に対応する決済装置40に送信するようにしてもよい。
【0040】
取得部105は、要求部104が決済を要求した決済装置40から、決済処理の処理結果を取得する機能を有する。
【0041】
通知部106は、ユーザ端末10に、取得部105が取得した決済処理の処理結果を通知する機能を有する。また、通知部106は、受付部101がユーザ端末10から事前確認要求メッセージを受け付けた場合、当該事前確認要求メッセージに含まれる店舗IDに対応する所定の店舗に関連する情報を店舗情報から取得して、ユーザ端末10に通知するようにしてもよい。
【0042】
また、通知部106は、発行部102が発行したトランザクションキーをユーザ端末10に通知するようにしてもよい。このとき、通知部106は、トランザクションキーを、所定の店舗に関連する情報と共にユーザ端末10に通知するようにしてもよい。
【0043】
また、通知部106は、受付部101が、所定の店舗が利用する店舗端末20から、決済履歴の参照の要求を受付けた場合、当該所定の店舗に関連する決済履歴を、決済履歴情報から取得して当該店舗端末20に通知するようにしてもよい。また、通知部106は、決済処理の処理結果を、所定の店舗が利用する店舗端末20に通知するようにしてもよい。また、通知部106は、受付部101が事前確認要求メッセージを受け付けた場合、ユーザ端末10に、事前確認要求メッセージに基づく一の決済事業者を示す情報と所定の店舗に関する情報とを応答するようにしてもよい。
【0044】
<処理手順>
図6は、本実施形態に係る決済システム1が行う処理手順の一例を示すシーケンス図である。以下、ユーザが、店舗Aにて商品の購入を行い、店舗Aに設置された共通二次元コード(共通コード)を読み取ることで決済を行う前提で説明する。
【0045】
ステップS100で、ユーザ端末10は、ユーザから、決済に用いる決済サービスに対応する決済アプリケーションの起動を受け付ける。決済アプリケーションは、決済事業者が提供するアプリケーションであり、本実施形態では、決済サービスごとに異なるものとする。また、決済アプリケーションには、予め決済事業者IDが格納されているものとする。しかしながら、これに限定されず、複数の決済サービスで共通に利用可能な決済アプリケーションであってもよい。この場合、ユーザは、どの決済サービスを利用するのかを決済アプリケーションの画面で指定することになる。
【0046】
図6の例では、A社が提供する決済サービスに対応する決済アプリケーションが起動されたと仮定する。また、ユーザは、起動した決済アプリケーションに、自身のユーザID及びパスワードを入力することでログインを行う。なお、自身のユーザID及びパスワードを事前に記憶し、自動ログインを行えるようにしてもよい。
【0047】
ステップS101で、ユーザ端末10の決済アプリケーションは、ユーザからの指示に基づいて、店舗Aに設置された共通二次元コードを読み取る。ユーザ端末10は、読み取った共通二次元コードをデコードすることで、共通二次元コードに含まれる情報を取得する。本実施形態では、共通二次元コードには、店舗IDと、共通装置30のアクセス先を示す情報(URL又はIPアドレスなど)が格納されているものとするが、これに限定されるものではない。
【0048】
ステップS102で、ユーザ端末10の決済アプリケーションは、決済アプリケーションに格納されている決済事業者IDと、共通二次元コードを読み取ることで得られた店舗IDと、ユーザがログイン時に入力するユーザIDとを含む事前確認要求メッセージを共通装置30に送信する。共通装置30の受付部101は、ユーザ端末10から送信された事前確認要求メッセージを受け付ける。
【0049】
ステップS103で、共通装置30の発行部102は、トランザクションキーを発行する。また、発行部102は、発行したトランザクションキーを、発行日時と、受付部101が受け付けた事前確認要求メッセージに含まれる決済事業者ID、店舗ID及びユーザIDと対応づけてトランザクションキー情報に格納する。また、取得部105又は通知部106は、ステップS102で受け付けた店舗IDに対応する店舗情報及び決済金額を店舗情報から取得する。なお、店舗情報に決済金額が格納されていない場合(つまり、決済金額が固定ではない場合)には、決済金額は取得されない。
【0050】
ステップS104で、共通装置30の通知部106は、ユーザ端末10に、店舗情報、決済金額及びトランザクションキーを含む事前確認応答メッセージを通知する。なお、店舗情報に決済金額が格納されていない場合には、事前確認応答メッセージに決済金額は含まれない。また、事前確認応答メッセージには、決済事業者IDが含まれていてもよい。
【0051】
ステップS105で、ユーザ端末10の決済アプリケーションは、受信した店舗情報(例えば、店舗名や店舗場所等)を画面に表示する。ユーザは、画面に表示された店舗情報が、自身が商品を購入しようとしている店舗と同一であることを確認することで、不正に設置された共通二次元コードではないことを確認することができる。
【0052】
ステップS106及びステップS107で、ユーザ端末10の決済アプリケーションは、決済装置(A社)40-Aにアクセスすることで、決済装置(A社)40-Aから決済トークンを取得する。決済トークンは、例えば、不正な決済要求が共通装置30から決済装置40に送信されていないかを決済装置40側で確認するために用いられる情報である。
【0053】
ステップS108で、ユーザ端末10の決済アプリケーションは、確認応答メッセージに決済金額が含まれている場合、決済金額を画面に表示し、確認応答メッセージに決済金額が含まれていない場合、決済金額の入力を受け付ける。ユーザは、決済金額が固定である場合、店舗で店員から伝えられた決済金額と、画面に表示された決済金額とが一致していることを確認することで、正しい金額で決済が行われることを認識することができる。
【0054】
ステップS109で、ユーザ端末10の決済アプリケーションは、ユーザから、決済を実行するか否かの選択を受け付ける。もし、ユーザが決済を実行しないことを選択した場合、決済アプリケーションは、決済を行わずに処理を終了する。ユーザが決済を実行することを選択した場合、ステップS110の処理手順に進む。
【0055】
ステップS110で、ユーザ端末10の決済アプリケーションは、決済事業者IDと、店舗IDと、ユーザIDと、トランザクションキーと、決済トークンと、決済金額とを含む決済要求メッセージを共通装置30に送信する。共通装置30の受付部101は、ユーザ端末10から送信された決済要求メッセージを受け付ける。
【0056】
ステップS111で、共通装置30の認証部103は、決済要求メッセージに含まれるトランザクションキーが、トランザクションキー情報に格納されているか否かを確認する。格納されている場合はステップS112の処理手順に進み、格納されていない場合は不正な決済要求メッセージであるとみなして、決済要求メッセージを破棄するように受付部101に指示する。なお、認証部103は、決済要求メッセージに含まれるトランザクションキーが、トランザクションキー情報に格納されている場合、更に、決済要求メッセージを受信した日時と、トランザクションキー情報の「発行日時」とが所定の時間内であるか否かを確認するようにしてもよい。所定の時間内である場合には、ステップS112の処理手順に進み、所定の時間内ではない場合には、不正な決済要求メッセージであるとみなして、決済要求メッセージを破棄するように受付部101に指示するようにしてもよい。
【0057】
また、認証部103は、決済要求メッセージに含まれるトランザクションキーが、トランザクションキー情報に格納されている場合、更に、決済要求メッセージに含まれる決済事業者ID、店舗ID及びユーザIDが、トランザクションキー情報の「決済内容」と一致するか否かを確認するようにしてもよい。一致する場合には、ステップS112の処理手順に進み、一致しない場合には、不正な決済要求メッセージであるとみなして、決済要求メッセージを破棄するように受付部101に指示するようにしてもよい。
【0058】
ステップS112で、共通装置30の要求部104は、決済装置(A社)40-Aに、ユーザID、店舗ID、決済トークン及び決済金額を含む決済要求メッセージを送信する。
【0059】
ステップS113で、決済装置(A社)40-Aは、受信した決済要求メッセージに基づいて決済処理を行う。
【0060】
ステップS114で、決済装置(A社)40-Aは、決済処理の処理結果(例えば、決済完了、残高不足による決済不可、決済トークン不一致による決済不可など)を共通装置30に通知する。共通装置30の取得部105は、決済装置(A社)40-Aから通知された決済処理の処理結果を取得する。
【0061】
ステップS115で、共通装置30の通知部106は、決済処理の処理結果を、決済が行われた店舗の店舗端末20(つまり、決済要求メッセージに含まれる店舗IDに対応する店舗端末20)に通知する。
【0062】
ステップS116で、店舗端末20は、ユーザにより行われた決済が完了したか否かを画面に表示する。店舗の店員は、決済が完了したことを店舗端末20の画面で確認してから商品をユーザに渡すことで、不正に商品を搾取されることを防止することができる。
【0063】
なお、店員は、決済が完了したことを、ユーザ端末10の画面を参照することで確認することも可能である。しかしながら、この場合、ユーザが決済成功時のスクリーンショットを店員に見せるといった不正を行う可能性がある。本実施形態では、店員は、決済が完了したことを店舗端末20の画面で直接確認することができることから、このような不正を排除することが可能になる。
【0064】
ステップS117で、共通装置30の通知部106は、決済処理の処理結果を、ユーザ端末10に通知する。なお、決済処理の処理結果には、決済の処理結果に加えて、決済事業者IDが含まれていてもよい。
【0065】
ステップS118で、ユーザ端末10の決済アプリケーションは、決済処理の処理結果を画面に表示する。
【0066】
ステップS119で、決済装置(A社)40-Aは、決済処理の処理結果を示すメッセージ(例えばSMSやメール等)をユーザ端末10に直接送信する。
【0067】
ステップS120で、ユーザ端末10は、受信したSMSやメールを表示する。ユーザは、SMSやメールを参照することで、決済装置(A社)40-Aにて決済処理が実行されたことを直接確認することができる。
【0068】
以上説明したシーケンスにおける各処理手順は、処理に矛盾が生じない限り任意に入れ替えることができる。例えば、ステップS105、ステップS106及びステップS108の処理手順の順序は任意に入れ替えることができる。また、ステップS115及びステップS117の処理手順を入れ替えることもできる。また、ステップS106及びステップS107の処理手順を省き、処理工数の簡素化を図ってもよい。この場合、ステップS107以降の処理手順において決済トークンに関する対応は省略される。
【0069】
<まとめ>
以上説明した実施形態によれば、MPMによる決済処理において、各決済事業者が共通で利用する共通二次元コードを店舗ごとに1つ用意しておき、共通装置30が、決済要求を、ユーザが利用する決済サービスを提供する決済事業者の決済装置40に送信するようにした。これにより、ユーザは、店舗にて、決済サービスに応じた二次元コードを探す手間がなくなり、MPNによる決済処理の利便性を向上させることが可能になる。また、共通二次元コードを利用することで、各決済事業者の決済装置40が独自に店舗IDを管理する必要がなくなり、記憶装置のリソースを削減することが可能になる。
【0070】
また、以上説明した実施形態によれば、ユーザ端末10で共通二次元コードを読み取った後、決済の実行を受け付ける前に、共通二次元コードに対応する店舗の名称や場所をユーザ端末10の画面に表示させるようにした。これにより、ユーザは、自身が決済を行おうとしている店舗と、ユーザ端末10の画面に表示された店舗名や店舗住所等とが一致していることを確認することで、店頭に設置された共通二次元コードは正規の二次元コードであり、不正に設置された二次元コードではないことを認識することが可能になる。
【0071】
また、以上説明した実施形態によれば、共通装置30は、決済要求メッセージを受けた際、決済要求メッセージに含まれるトランザクションキーが、予め発行されたトランザクションキーと同一であることを確認するようにした。これにより、不正に生成された決済要求を決済装置40が処理してしまうことを抑止することができ、セキュリティを向上させることが可能になる。
【0072】
また、以上説明した実施形態によれば、ユーザ端末10と共通装置30との間で送受信される事前確認要求メッセージ及び決済要求メッセージに、決済事業者IDを含めるようにした。これにより、共通装置30は、ユーザ端末10から受信したメッセージが、どの決済サービスに該当するメッセージなのかを認識することができることから、決済サービスごとに共通装置30が行う処理内容を変更することが可能になる。例えば、共通装置30は、決済事業者IDがA社である場合、事前確認応答に含める店舗情報には店舗名のみを含めるようにしておき、決済事業者IDがB社である場合、事前確認応答に含める店舗情報には店舗名及び店舗場所の両方を含めるといったように、決済サービスごとに共通装置30が行う処理内容を変更することが可能になる。
【0073】
また、以上説明した実施形態によれば、共通装置30は、決済事業者(決済装置40)に代わって店舗に対して決済処理が正常に完了したことを通知するとともに、決済アプリケーションと決済装置40との間で行われる決済処理を仲介する。一方、ユーザに対しては、共通装置30が決済処理を仲介しているのではなく、決済アプリケーションが決済事業者(決済装置40)との間で直接決済処理を行っているように見せることができる。これにより、1つの共通二次元コードを用いることで、複数の決済事業者夫々に対応した決済処理を、1つの共通装置30にて実行することが可能になる。
【0074】
また、以上説明した実施形態によれば、金銭、電子マネー、ポイント等を用いた「決済」を対象としているが、これに限定されるものではない。例えば、クーポン等の「マーケティング」に関連するものであってもよく、または、対象として、金銭、電子マネー、ポイント等の「決済」に関連するものに、クーポン等の「マーケティング」に関連するものを併せてもよい。
【0075】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…決済システム、10…ユーザ端末、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…店舗端末、30…共通装置、40…決済装置、100…記憶部、101…受付部、102…発行部、103…認証部、104…要求部、105…取得部、106…通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6