(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】アダプタ
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230628BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20230628BHJP
H01M 10/633 20140101ALI20230628BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20230628BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20230628BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20230628BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01M10/613
H01M10/633
H01M10/6556
H01M10/6563
H01M50/20
(21)【出願番号】P 2019161363
(22)【出願日】2019-09-04
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 真也
(72)【発明者】
【氏名】小倉 裕紀
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-100033(JP,A)
【文献】特開2001-245436(JP,A)
【文献】特開2017-192280(JP,A)
【文献】特開2008-067521(JP,A)
【文献】特開2006-139982(JP,A)
【文献】国際公開第2001/080396(WO,A1)
【文献】特開2004-147360(JP,A)
【文献】特開2015-162930(JP,A)
【文献】特表2015-504647(JP,A)
【文献】国際公開第2013/190955(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 -10/667
H01M 50/20 -50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックと電池関連機器を接続するアダプタであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容された回路基板と、
前記ハウジングの内部に収容された遮蔽部材を備えており、
前記ハウジングが、前記電池パックが前記アダプタに取り付けられた時に前記電池パックに対向する電池パック用開口を備えており、
前記電池パック用開口は、前記ハウジングの内部と外部を連通しており、
前記遮蔽部材が、前記電池パック用開口と前記回路基板の間を遮るように配置されて
おり、
前記アダプタを水平面に載置した状態で前記アダプタを前記水平面に向かって見たときに、前記遮蔽部材は、前記回路基板と前記電池パック用開口のそれぞれと少なくとも部分的に重なり合っている、アダプタ。
【請求項2】
前記遮蔽部材が、前記電池パック用開口から前記ハウジングの内部に入り込んだ水を排出するための第1水抜き通路を備える、請求項1のアダプタ。
【請求項3】
前記遮蔽部材が、前記アダプタが前記電池関連機器に取り付けられた時に、前記第1水抜き通路に向けて水を案内する形状を有する、請求項2のアダプタ。
【請求項4】
前記遮蔽部材が、前記アダプタを
前記水平面に載置した時に、前記第1水抜き通路に向けて水を案内する形状を有する、請求項2または3のアダプタ。
【請求項5】
前記アダプタが、前記電池関連機器に対してスライドさせることで前記電池関連機器に対して着脱され、
前記アダプタを前記電池関連機器に対して取り付ける時に前記アダプタをスライドさせる方向を前方向とした時に、前記第1水抜き通路が、前記遮蔽部材の前端近傍に配置されており、
前記遮蔽部材の前記第1水抜き通路に向けて水を案内する形状が、前記遮蔽部材の後端から前端に向けて鉛直方向の下方に傾斜した形状である、請求項3または4のアダプタ。
【請求項6】
前記アダプタが、前記電池関連機器に対してスライドさせることで前記電池関連機器に対して着脱され、
前記アダプタを前記電池関連機器に対して取り付ける時に前記アダプタをスライドさせる方向を前方向とした時に、前記第1水抜き通路が、前記遮蔽部材の左端および右端にそれぞれ形成されており、
前記遮蔽部材の、前記第1水抜き通路に向けて水を案内する形状が、前記遮蔽部材の左右方向の中央から左端および右端に向けて鉛直方向の下方に傾斜した形状である、請求項3から5の何れか一項のアダプタ。
【請求項7】
前記ハウジングが、前記遮蔽部材の前記第1水抜き通路から排出される水を前記ハウジングの外部に排出する第2水抜き通路を備えており、
前記第2水抜き通路の寸法が、前記第1水抜き通路の寸法よりも大きい、請求項2から6の何れか一項のアダプタ。
【請求項8】
前記電池関連機器が、前記アダプタが前記電池関連機器に取り付けられた時に前記アダプタに対向する外面に、
前記水平面に対して傾斜した傾斜面を備えており、
前記アダプタが前記電池関連機器に取り付けられた時に、前記第2水抜き通路が前記傾斜面に対向している、請求項
7のアダプタ。
【請求項9】
前記遮蔽部材に対して前記電池パック用開口が位置する方向を上方向とした時に、前記遮蔽部材の周縁に、上方に向けて突出する側板が形成されている、請求項1から8の何れか一項のアダプタ。
【請求項10】
前記電池パックの接続端子と接続する電池パック側接続端子と、
前記電池パック側接続端子と前記回路基板を接続する配線をさらに備えており、
前記ハウジングが、前記側板よりも上方から前記側板よりも下方まで伸びるリブを備えており、
前記配線が、前記電池パック側接続端子から、前記リブの下方を通過し、さらに前記側板の上方を通過して、前記回路基板まで到達している、請求項9のアダプタ。
【請求項11】
前記ハウジングに対して移動可能に支持されており、前記アダプタが前記電池関連機器に取り付けられた時に、前記電池関連機器の被係合部と係合するフックを備えており、
前記ハウジングが、前記フックが取り付けられるフック用開口を備えており、
前記遮蔽部材が、前記フック用開口と前記回路基板の間を遮るように配置されている、請求項1から10の何れか一項のアダプタ。
【請求項12】
前記ハウジングが、
前記アダプタの前記電池関連機器に取り付けられる側の部分の外形形状を規定する第1ハウジングと、
前記アダプタの前記電池パックが取り付けられる側の部分の外形形状を規定する第2ハウジングを備えており、
前記第1ハウジングが、前記第1ハウジングを貫通して冷却風が通過する第1冷却風通路を備えており、
前記第2ハウジングが、前記第1冷却風通路に連通しており、前記第2ハウジングを貫通して前記冷却風が通過する第2冷却風通路を備えており、
前記第1冷却風通路と前記第2冷却風通路が連通する箇所において、前記冷却風が流れる方向に対して直交する方向に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが重なり合っている、請求項1から11の何れか一項のアダプタ。
【請求項13】
前記遮蔽部材が、前記第1冷却風通路と前記第2冷却風通路が連通する箇所と前記回路基板の間を遮るように配置されている、請求項12のアダプタ。
【請求項14】
電池パックと電池関連機器を接続するアダプタであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容された回路基板と、
前記ハウジングの内部に収容された遮蔽部材と、
前記ハウジングに対して移動可能に支持されており、前記アダプタが前記電池関連機器に取り付けられた時に、前記電池関連機器の被係合部と係合するフックと、を備えており、
前記ハウジングが、前記電池パックが前記アダプタに取り付けられた時に前記電池パックに対向する電池パック用開口を備えており、
前記遮蔽部材が、前記電池パック用開口と前記回路基板の間を遮るように配置されており、
前記ハウジングが、前記フックが取り付けられるフック用開口を備えており、
前記遮蔽部材が、前記フック用開口と前記回路基板の間を遮るように配置されている、アダプタ。
【請求項15】
電池パックと電池関連機器を接続するアダプタであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容された回路基板と、
前記ハウジングの内部に収容された遮蔽部材を備えており、
前記ハウジングが、前記電池パックが前記アダプタに取り付けられた時に前記電池パックに対向する電池パック用開口を備えており、
前記遮蔽部材が、前記電池パック用開口と前記回路基板の間を遮るように配置されており、
前記ハウジングが、
前記アダプタの前記電池関連機器に取り付けられる側の部分の外形形状を規定する第1ハウジングと、
前記アダプタの前記電池パックが取り付けられる側の部分の外形形状を規定する第2ハウジングを備えており、
前記第1ハウジングが、前記第1ハウジングを貫通して冷却風が通過する第1冷却風通路を備えており、
前記第2ハウジングが、前記第1冷却風通路に連通しており、前記第2ハウジングを貫通して前記冷却風が通過する第2冷却風通路を備えており、
前記遮蔽部材が、前記第1冷却風通路と前記第2冷却風通路が連通する箇所と前記回路基板の間を遮るように配置されている、アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、電池パックと電池関連機器を接続するアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電池パックと電池関連機器を接続するアダプタが開示されている。前記アダプタは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に収容された回路基板を備えている。前記ハウジングは、前記電池パックが前記アダプタに取り付けられた時に前記電池パックに対向する電池パック用開口を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなアダプタにおいては、電池パック用開口を介して、ハウジングの外部から内部へ水が入り込むことがある。ハウジングの内部に入り込んだ水が回路基板に到達してしまうと、アダプタの誤作動や故障を生じるおそれがある。本明細書では、電池パックと電池関連機器を接続するアダプタにおいて、電池パック用開口からハウジングの内部に入り込んだ水が回路基板に到達することを抑制することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示するアダプタは、電池パックと電池関連機器を接続してもよい。前記アダプタは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に収容された回路基板と、前記ハウジングの内部に収容された遮蔽部材を備えていてもよい。前記ハウジングは、前記電池パックが前記アダプタに取り付けられた時に前記電池パックに対向する電池パック用開口を備えていてもよい。前記遮蔽部材は、前記電池パック用開口と前記回路基板の間を遮るように配置されていてもよい。
【0006】
上記の構成によれば、電池パック用開口を介して、ハウジングの外部から内部へ水が入り込んだ場合であっても、遮蔽部材が水受けとして機能するので、ハウジングの内部に入り込んだ水が回路基板に到達することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例に係るアダプタ2と、電池パック4と、充電器6を示す斜視図である。
【
図2】実施例に係るアダプタ2を用いて、電池パック4と充電器6を接続した状態を示す斜視図である。
【
図3】実施例に係るアダプタ2を、後方左方上方から見た斜視図である。
【
図4】実施例に係るアダプタ2の、端子カバー22が開いた状態を、後方左方上方から見た斜視図である。
【
図5】実施例に係るアダプタ2の、上側ハウジング32を取り外した状態を、後方左方上方から見た斜視図である。
【
図6】実施例に係るアダプタ2の、上側ハウジング32とターミナルベース34を取り外した状態を、後方左方上方から見た斜視図である。
【
図7】実施例に係るアダプタ2を、後方左方下方から見た斜視図である。
【
図9】実施例に係るアダプタ2の上側ハウジング32を、上方から見た平面図である。
【
図10】実施例に係るアダプタ2の上側ハウジング32を、前方左方下方から見た斜視図である。
【
図11】実施例に係るアダプタ2の端子カバー22を、前方左方上方から見た斜視図である。
【
図12】実施例に係るアダプタ2において、上側ハウジング32に端子カバー22を組み付けている状態を、後方左方上方から見た斜視図である。
【
図13】実施例に係るアダプタ2のターミナルベース34を、上方から見た平面図である。
【
図14】実施例に係るアダプタ2の、水抜き通路90,92の近傍の横断面図である。
【
図15】実施例に係るアダプタ2を充電器6に取り付けた状態の、水抜き通路90の近傍の縦断面図である。
【
図16】実施例に係るアダプタ2を水平面Pに載置した状態の、水抜き通路90の近傍の縦断面図である。
【
図17】実施例に係るアダプタ2を、下方から見た平面図である。
【
図18】実施例に係るアダプタ2の、下側ハウジング30を取り外した状態を、前方右方下方から見た斜視図である。
【
図19】実施例に係るアダプタ2を用いて電池パック4と充電器6を接続した状態の、冷却風通路50,108の近傍の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善されたアダプタを提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、アダプタは、電池パックと電池関連機器を接続してもよい。前記アダプタは、ハウジングと、前記ハウジングの内部に収容された回路基板と、前記ハウジングの内部に収容された遮蔽部材を備えていてもよい。前記ハウジングは、前記電池パックが前記アダプタに取り付けられた時に前記電池パックに対向する電池パック用開口を備えていてもよい。前記遮蔽部材は、前記電池パック用開口と前記回路基板の間を遮るように配置されていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、電池パック用開口を介して、ハウジングの外部から内部へ水が入り込んだ場合であっても、遮蔽部材が水受けとして機能するので、ハウジングの内部に入り込んだ水が回路基板に到達することを抑制することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記遮蔽部材は、前記電池パック用開口から前記ハウジングの内部に入り込んだ水を排出するための第1水抜き通路を備えていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、電池パック用開口を介してハウジングの内部に入り込み、遮蔽部材に付着した水が、遮蔽部材に溜まってしまうことを抑制することができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記遮蔽部材は、前記アダプタが前記電池関連機器に取り付けられた時に、前記第1水抜き通路に向けて水を案内する形状を有していてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、アダプタが電池関連機器に取り付けられた状態とした時に、遮蔽部材に付着した水を第1水抜き通路から排出することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記遮蔽部材は、前記アダプタを水平面に載置した時に、前記第1水抜き通路に向けて水を案内する形状を有していてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、アダプタを水平面に載置した状態とした時に、遮蔽部材に付着した水を第1水抜き通路から排出することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記アダプタは、前記電池関連機器に対してスライドさせることで前記電池関連機器に対して着脱されてもよい。前記アダプタを前記電池関連機器に対して取り付ける時に前記アダプタをスライドさせる方向を前方向とした時に、前記第1水抜き通路は、前記遮蔽部材の前端近傍に配置されていてもよい。前記遮蔽部材の前記第1水抜き通路に向けて水を案内する形状は、前記遮蔽部材の後端から前端に向けて鉛直方向の下方に傾斜した形状であってもよい。
【0020】
上記の構成によれば、遮蔽部材に付着した水を、遮蔽部材の前端近傍に配置された第1水抜き通路に案内することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記アダプタは、前記電池関連機器に対してスライドさせることで前記電池関連機器に対して着脱されてもよい。前記アダプタを前記電池関連機器に対して取り付ける時に前記アダプタをスライドさせる方向を前方向とした時に、前記第1水抜き通路は、前記遮蔽部材の左端および右端にそれぞれ形成されていてもよい。前記遮蔽部材の、前記第1水抜き通路に向けて水を案内する形状は、前記遮蔽部材の左右方向の中央から左端および右端に向けて鉛直方向の下方に傾斜した形状であってもよい。
【0022】
上記の構成によれば、遮蔽部材に付着した水を、遮蔽部材の左端および右端に配置された第1水抜き通路に案内することができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ハウジングは、前記遮蔽部材の前記第1水抜き通路から排出される水を前記ハウジングの外部に排出する第2水抜き通路を備えていてもよい。前記第2水抜き通路の寸法は、前記第1水抜き通路の寸法よりも大きくてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、電池パック用開口を介してハウジングの内部に入り込み、遮蔽部材に付着した水を、第1水抜き通路と第2水抜き通路を介して、ハウジングの外部に排出することができる。また、上記の構成によれば、第1水抜き通路を介して遮蔽部材から排出される水を、ハウジングの内部に残留させることなく、第2水抜き通路を介してハウジングの外部に排出することができる。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記電池関連機器は、前記アダプタが前記電池関連機器に取り付けられた時に前記アダプタに対向する外面に、水平面に対して傾斜した傾斜面を備えていてもよい。前記アダプタが前記電池関連機器に取り付けられた時に、前記第2水抜き通路は、前記傾斜面に対向していてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、アダプタのハウジングの内部から第2水抜き通路を介して排出された水を、電池関連機器の外面の傾斜面に沿って流すことができ、電池関連機器の内部に水が入り込むことを抑制することができる。
【0027】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記遮蔽部材に対して前記電池パック用開口が位置する方向を上方向とした時に、前記遮蔽部材の周縁に、上方に向けて突出する側板が形成されていてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、電池パック用開口を介してハウジングの内部に入り込み、遮蔽部材に付着した水が、遮蔽部材の周縁から滴下してしまうことを抑制することができる。
【0029】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記アダプタは、前記電池パックの接続端子と接続する電池パック側接続端子と、前記電池パック側接続端子と前記回路基板を接続する配線をさらに備えていてもよい。前記ハウジングは、前記側板よりも上方から前記側板よりも下方まで伸びるリブを備えていてもよい。前記配線は、前記電池パック側接続端子から、前記リブの下方を通過し、さらに前記側板の上方を通過して、前記回路基板まで到達していてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、リブの下端は側板の上端よりも低い位置にあるので、仮に水が配線に付着して、配線を伝って水が流れる場合であっても、リブの下方から側板の上方に水が流れることはない。このため、電池パック用開口を介してハウジングの内部に入り込んだ水が、電池パック側接続端子や配線に付着した場合であっても、水が配線を伝って回路基板に到達することを抑制することができる。
【0031】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記アダプタは、前記ハウジングに対して移動可能に支持されており、前記アダプタが前記電池関連機器に取り付けられた時に、前記電池関連機器の被係合部と係合するフックを備えていてもよい。前記ハウジングは、前記フックが取り付けられるフック用開口を備えていてもよい。前記遮蔽部材は、前記フック用開口と前記回路基板の間を遮るように配置されていてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、フック用開口を介して、ハウジングの外部から内部へ水が入り込んだ場合であっても、遮蔽部材が水受けとして機能するので、ハウジングの内部に入り込んだ水が回路基板に到達することを抑制することができる。
【0033】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ハウジングは、前記アダプタの前記電池関連機器に取り付けられる側の部分の外形形状を規定する第1ハウジングと、前記アダプタの前記電池パックが取り付けられる側の部分の外形形状を規定する第2ハウジングを備えていてもよい。前記第1ハウジングは、前記第1ハウジングを貫通して冷却風が通過する第1冷却風通路を備えていてもよい。前記第2ハウジングは、前記第1冷却風通路に連通しており、前記第2ハウジングを貫通して前記冷却風が通過する第2冷却風通路を備えていてもよい。前記第1冷却風通路と前記第2冷却風通路が連通する箇所において、前記冷却風が流れる方向に対して直交する方向に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが重なり合っていてもよい。
【0034】
上記の構成によれば、第1冷却風通路と第2冷却風通路が連通する箇所において、第1ハウジングと第2ハウジングが重なり合っているので、第1冷却風通路と第2冷却風通路が連通する箇所を介して、ハウジングの内部に水が入り込むことを抑制することができる。
【0035】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記遮蔽部材は、前記第1冷却風通路と前記第2冷却風通路が連通する箇所と前記回路基板の間を遮るように配置されていてもよい。
【0036】
上記の構成によれば、前記第1冷却風通路と前記第2冷却風通路が連通する箇所を介して、ハウジングの外部から内部へ水が入り込んだ場合であっても、遮蔽部材が水受けとして機能するので、ハウジングの内部に入り込んだ水が回路基板に到達することを抑制することができる。
【0037】
(実施例)
図1に示すアダプタ2は、電池パック4と、充電器6を接続するために使用される。電池パック4は、例えば、ドライバやドリル等の電動工具や、草刈機やブロワ等の電動作業機に取り付けて使用される電池パックである。電池パック4は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池を内蔵している。充電器6は、電池パック4に対応する電池関連機器であって、電池パック4を充電するために使用される。本実施例のアダプタ2は、例えば、旧型の電池パック4と旧型の充電器6が互いに接続可能に構成されており、新型の電池パック4と新型の充電器6が互いに接続可能に構成されている場合に、新型の充電器6に旧型の電池パック4を接続するために、新型の充電器6と旧型の電池パック4に対応して用意される。あるいは、本実施例のアダプタ2は、旧型の充電器6に新型の電池パック4を接続するために、旧型の充電器6と新型の電池パック4に対応して用意されてもよい。
【0038】
電池パック4の下面には、機器取付部8が設けられている。充電器6の上面には、電池パック取付部10が設けられている。アダプタ2の下面には、充電器6の電池パック取付部10に対応する機器取付部12が設けられており、アダプタ2の上面には、電池パック4の機器取付部8に対応する電池パック取付部14が設けられている。充電器6の電池パック取付部10にアダプタ2の機器取付部12を前後方向にスライドさせることで、アダプタ2を充電器6に着脱可能である。アダプタ2の電池パック取付部14に電池パック4の機器取付部8を前後方向にスライドさせることで、電池パック4をアダプタ2に着脱可能である。充電器6にアダプタ2を取り付け、アダプタ2に電池パック4を取り付けることで、
図2に示すように、電池パック4はアダプタ2を介して充電器6に接続される。
【0039】
図3-
図8に示すように、アダプタ2は、ハウジング20と、端子カバー22と、端子台24と、回路基板26と、フック28と、ターミナルベース34を備えている。ハウジング20は、下側ハウジング30と、上側ハウジング32を備えている。下側ハウジング30は、アダプタ2の下側の外形形状を規定している。下側ハウジング30の下面に、機器取付部12が設けられている。上側ハウジング32は、アダプタ2の上側の外形形状を規定している。上側ハウジング32の上面に、電池パック取付部14が設けられている。下側ハウジング30と上側ハウジング32はボルト36(
図17参照)によって互いに固定されている。回路基板26と、ターミナルベース34は、下側ハウジング30および上側ハウジング32の内部に収容されている。
【0040】
図3、
図4に示すように、上側ハウジング32には、レール38、40と、カバー用開口42(
図9参照)、44と、端子用開口46と、係合溝48と、冷却風通路50と、フック用開口52が形成されている。
図3、
図4に示すように、レール38は、上側ハウジング32の上面の左端に配置されている。レール38は、上側ハウジング32の上面から上方向に突出する支持壁38aと、支持壁38aの上端から右方向に突出するガイドリブ38bを備えている。レール40は、上側ハウジング32の上面から上方向に突出する支持壁40aと、支持壁40aの上端から左方向に突出するガイドリブ40bを備えている。電池パック4がアダプタ2に取り付けられる際には、電池パック4の機器取付部8に設けられたガイドリブ8a(
図1参照)とアダプタ2のガイドリブ38b、40bが係合するとともに、電池パック4の機器取付部8に設けられたフック8b(
図19参照)が係合溝48に係合することで、電池パック4がアダプタ2に保持される。
【0041】
図4に示すように、端子台24は、電池パック側接続端子24aを備えている。電池パック側接続端子24aは、端子用開口46を介して上側ハウジング32の外部へ突出している。
図8に示すように、端子台24は、上下方向に移動可能に、ターミナルベース34に支持されている。端子台24は、圧縮ばね54によって、ターミナルベース34に対して上方向に向けて付勢されている。このような構成とすることによって、製造誤差によって、電池パック4の機器取付部8に設けられた接続端子8c(
図19参照)と端子台24の電池パック側接続端子24aの上下方向の位置にずれが存在する場合であっても、端子台24が上下方向に移動可能であるため、電池パック4がアダプタ2に取り付けられた時に、電池パック4の接続端子8cと端子台24の電池パック側接続端子24aを確実に接続することができる。
図8に示すように、電池パック側接続端子24aは、配線24bを介して、回路基板26に接続されている。
【0042】
図9に示すように、カバー用開口42は、レール38に近接して配置されている。カバー用開口42は、前後方向に長手方向を有しており、右側の縁に端子カバーレール42a形成されているレール部42bと、レール部42bの前端においてレール部42bよりも右側に広がる通過部42cを備えている。カバー用開口44は、レール40に近接して配置されている。カバー用開口44は、前後方向に長手方向を有しており、左側の縁に端子カバーレール44a形成されているレール部44bと、レール部44bの前端においてレール部44bよりも左側に広がる通過部44cを備えている。
【0043】
図3、
図4に示すように、端子カバー22は、前後方向にスライド可能に、端子カバーレール42a、44aに保持されている。端子カバー22は、電池パック側接続端子24aを覆う保護位置(
図3参照)と、電池パック側接続端子24aを露出させる露出位置(
図4参照)の間でスライド可能である。端子カバー22は、引張ばね56,58(
図10参照)の弾性復元力によって、露出位置から保護位置へ向かう方向に付勢されている。このため、電池パック4がアダプタ2に取り付けられていない状態では、引張ばね56,58の弾性復元力によって、端子カバー22は保護位置に保持されている。電池パック4がアダプタ2に取り付けられる際には、端子カバー22が電池パック4によって押圧されることで、端子カバー22は保護位置から露出位置へと移動する。
【0044】
図11に示すように、端子カバー22は、カバー本体60と、カバーフック62,64を備えている。カバー本体60とカバーフック62、64は、一体的に形成されている。カバー本体60は、電池パック側接続端子24aの前方を覆う前板60aと、上方を覆う上板60bと、左方を覆う左板60cと、右方を覆う右板60d(
図3、
図4参照)と、隣接する電池パック側接続端子24aの間に配置される仕切り板60e(
図3、
図4参照)を備えている。カバー本体60の左板60cと、右板60dと、仕切り板60eは、前後方向および上下方向に沿って配置されている。カバーフック62は、カバー本体60の左板60cと一体的に形成されている。カバーフック62は、前後方向に長手方向を有し、上下方向に短手方向を有する平板部62aと、平板部62aの下端から右側に向けて屈曲した係合部62bと、平板部62aの下端から下方に突出したばね取付部62cと、平板部62aを左板60cに連結する連結部62dを備えている。カバーフック64は、カバー本体60の右板60dと一体的に形成されている。カバーフック64は、前後方向に長手方向を有し、上下方向に短手方向を有する平板部64aと、平板部64aの下端から左側に向けて屈曲した係合部64bと、平板部64aの下端から下方に突出したばね取付部64cと、平板部64aを右板60dに連結する連結部64dを備えている。
【0045】
図12に示すように、端子カバー22を上側ハウジング32に取り付ける際には、端子カバー22を前端が上方に向かうように上側ハウジング32に対して傾けた状態で、カバーフック62、64を後端側からカバー用開口42、44の通過部42c、44cに差し込んでいく。この際に、端子カバーレール42aが係合部62bと連結部62dの間に配置され、かつ端子カバーレール44aが係合部64bと連結部64dの間に配置されるように、端子カバー22を上側ハウジング32に対して倒しながら差し込んでいくことで、端子カバー22が上側ハウジング32に取り付けられる。端子カバー22が上側ハウジング32に取り付けられた状態では、端子カバー22は上側ハウジング32に対して前後方向にスライド可能に保持される。
【0046】
図10に示すように、上側ハウジング32の内側上面には、下方に向けて突出するばね取付柱66,68が形成されている。引張ばね56,58は、それぞれ、前端がカバーフック62、64のばね取付部62c、64cに保持されるとともに、後端がばね取付柱66,68に保持される。なお、ばね取付柱66、68の外側面には、ストッパリブ66a、68aが形成されている。また、
図5に示すように、ターミナルベース34には、ばね取付柱66、68が入り込むボス70、72が形成されている。アダプタ2を組み立てた状態では、引張ばね56,58の後端は、ストッパリブ66a、68aとボス70、72によって挟持されて、上下方向の位置が固定される。
【0047】
図5に示すように、ターミナルベース34は、全体が略H字形状に形成された底板74と、底板74の外周縁から上方に向けて突出する側板76と、底板74の後方で側板76の外側に設けられたねじ止め部78(
図8参照)と、ねじ止め部78の周囲を囲うように上方に向けて突出する角筒壁80と、回路基板26と冷却風通路50の間を遮るように下方に向けて突出する前方ガード板82(
図8参照)と、回路基板26とフック用開口52の間を遮るように下方に向けて突出する後方ガード板84(
図8参照)を備えている。
【0048】
図5に示すように、底板74は、上側ハウジング32のカバー用開口42、44および端子用開口46(
図3、
図4参照)と、回路基板26(
図6参照)の間を遮るように配置されている。このため、カバー用開口42、44や端子用開口46を介して、上側ハウジング32の外部から内部へ水が入り込んだ場合でも、底板74が水受けとして機能し、回路基板26に水がかかることを抑制することができる。
【0049】
図13に示すように、底板74には、水抜き通路86、88が形成されている。水抜き通路86は、底板74の前端近傍の左端に配置されており、水抜き通路88は、底板74の前端近傍の右端に配置されている。
図6、
図7に示すように、下側ハウジング30には、水抜き通路86、88に対応して、水抜き通路90、92が形成されている。ターミナルベース34の水抜き通路86、88は、下側ハウジング30の水抜き通路90、92に連通している。このため、ターミナルベース34の底板74に滴下した水を、水抜き通路86,88および水抜き通路90,92を介して、ハウジング20の外部に排出することができる。
【0050】
図14に示すように、底板74の中央よりも左側の部分は、水平面に対して、右方から左方に向かうにつれて上方から下方へ向かうように傾斜している。このため、底板74の中央よりも左側の部分に滴下した水は、重力によって底板74の左端へと流れて、水抜き通路86から排出される。また、底板74の中央よりも右側の部分は、水平面Pに対して、左方から右方に向かうにつれて上方から下方へ向かうように傾斜している。このため、底板74の中央よりも右側の部分に滴下した水は、重力によって底板74の右端へと流れて、水抜き通路88から排出される。
【0051】
図15に示すように、アダプタ2を水平面Pに載置された充電器6に取り付けた状態では、底板74は、水平面Pに対して、後方から前方に向かうにつれて上方から下方に向かうように傾斜している。このため、底板74に滴下した水は、重力によって底板74の前端へと流れて、水抜き通路86、88から排出される。なお、アダプタ2を充電器6に取り付けた状態では、水抜き通路86,88および水抜き通路90、92を介して排出された水は、充電器6の上面の傾斜面6aに滴下し、充電器6の傾斜面6aを伝って充電器6の側面6bに流れ、充電器6の下方に滴下する。
【0052】
また、
図16に示すように、アダプタ2を水平面Pに直接的に載置した状態においても、底板74は、水平面Pに対して、後方から前方に向かうにつれて上方から下方に向かうように傾斜している。このため、底板74に滴下した水は、重力によって底板74の前端へと流れて、水抜き通路86、88から排出される。
【0053】
図6、
図8に示すように、回路基板26は、ボルト94によって、下側ハウジング30に固定されている。また、
図8に示すように、ターミナルベース34は、ねじ止め部78が回路基板26とともに、ボルト96によって、下側ハウジング30に固定されている。なお、
図10に示すように、上側ハウジング32の内側上面には、下方に向けて突出する固定リブ98,100が形成されている。固定リブ98は、ターミナルベース34の後左端において側板76の上面に当接し、固定リブ100は、ターミナルベース34の後右端において側板76の上面に当接する。さらに、上側ハウジング32の内側上面には、下方に向けて突出する押さえリブ99が形成されている。
図8に示すように、電池パック側接続端子24aから伸びる配線24bは、押さえリブ99の下方を通過し、さらにターミナルベース34の側板76の上方を通過して、回路基板26に到達する。このような構成とすることで、配線24bに水が付着した場合であっても、配線24bを伝って回路基板26に水が到達してしまうことを抑制することができる。
【0054】
図17に示すように、下側ハウジング30には、レール102,104と、端子用開口106と、冷却風通路108と、フック用開口110,112が形成されている。
図7に示すように、レール102は、端子用開口106よりも左側であって、水抜き通路90よりも右側に配置されている。レール102は、下側ハウジング30の下面から下方向に突出する支持壁102aと、支持壁102aの下端から左方向に突出するガイドリブ102bを備えている。レール104は、端子用開口106よりも右側であって、水抜き通路92よりも左側に配置されている。レール104は、下側ハウジング30の下面から下方向に突出する支持壁104aと、支持壁104aの下端から右方向に突出するガイドリブ104bを備えている。アダプタ2が充電器6に取り付けられる際には、アダプタ2のガイドリブ102b、104bが充電器6の電池パック取付部10に設けられたガイドリブ10a、10b(
図1参照)に係合するとともに、アダプタ2のフック28が充電器6の係合溝10c(
図1参照)に係合することで、アダプタ2が充電器6に保持される。なお、本実施例のアダプタ2では、レール102の前後方向の長さは、レール104の前後方向の長さよりも長く、レール102の前端は、レール104の前端よりも前方に突出している。レール104の前後方向の長さは、充電器6において受け入れ可能な長さであるとともに、電池パック4を取り付け可能な電動工具や電動作業機において受け入れ可能な長さである。これに対して、レール102の前後方向の長さは、充電器6において受け入れ可能な長さであるものの、電池パック4を取り付け可能な電動工具や電動作業機において受け入れ不能な長さであり、アダプタ2の機器側接続端子118が電動工具や電動作業機の接続端子と接触することがない。このような構成とすることによって、アダプタ2が電動工具や電動作業機に取り付けられてしまうことを防止することができる。
【0055】
フック28は、操作部28aと、係合部28bを備えている。操作部28aは、内側に向けて窪んだ形状を有しており、上側ハウジング32のフック用開口52と、下側ハウジング30のフック用開口110を介して、ハウジング20の外部からアクセス可能である。係合部28bは、側方から見た時に、後面が上下方向および左右方向に沿う略三角形状を有しており、下側ハウジング30のフック用開口112を介して、下側ハウジング30の下面よりも下方に突出している。
図10に示すように、フック28は、圧縮ばね114、116によって、上側ハウジング32に対して下方向に向けて付勢されている。アダプタ2が充電器6に取り付けられる際には、係合部28bの前面が充電器6によって押圧されて、フック28がハウジング20に対して上方に向けて移動し、係合部28bが充電器6の係合溝10cの位置まで到達すると、フック28がハウジング20に対して下方に向けて移動し、係合部28bが係合溝10cに係合する。アダプタ2を充電器6から取り外す際には、操作部28aに指をかけてフック28をハウジング20に対して上方に向けて移動させることで、係合部28cが係合溝10cから離脱し、この状態でアダプタ2を取り外すことができる。
【0056】
ターミナルベース34の後方ガード板84は、回路基板26とフック用開口52,110,112の間を遮るように配置されている。このため、フック用開口52,110,112からハウジング20の内部に水が入り込んだ場合であっても、回路基板26に水がかかることを抑制することができる。
【0057】
図18に示すように、回路基板26には、機器側接続端子118が設けられている。機器側接続端子118は、回路基板26の下面から下方に向けて突出している。機器側接続端子118は、下側ハウジング30の端子用開口106に対応して配置されている。アダプタ2を充電器6に取り付ける際には、充電器6の電池パック取付部10に設けられた接続端子10d(
図19参照)が、下側ハウジング30の端子用開口106から下側ハウジング30の内部に入り込み、機器側接続端子118と接続する。なお、回路基板26に搭載された各種の回路素子も、機器側接続端子118と同様に、回路基板26の下面側に設けられている。また、回路基板26を下側ハウジング30に対して固定するボルト94,96は、前後方向に関して、機器側接続端子118を間に挟む位置に配置されている。
【0058】
図8に示すように、冷却風通路108は、上側ハウジング32の冷却風通路50と連通している。冷却風通路50と冷却風通路108が連通する箇所では、下側ハウジング30と上側ハウジング32は、いわゆるラビリンス構造によって接続されており、冷却風が流れる方向に直交する方向に関して、下側ハウジング30と上側ハウジング32が重なり合っている。このため、冷却風通路50と冷却風通路108が連通する箇所を介して、ハウジング20の内部に水が入り込むことを抑制することができる。
【0059】
ターミナルベース34の前方ガード板82は、冷却風通路50と冷却風通路108が連通する箇所と回路基板26の間を遮るように配置されている。このため、冷却風通路50と冷却風通路108が連通する箇所からハウジング20の内部に水が入り込んだ場合であっても、回路基板26に水がかかることを抑制することができる。
【0060】
図19に示すように、充電器6は、第1空気孔120と、第2空気孔122と、送風機124を備えている。充電器6は、電池パック4への充電を行う際に、送風機124を駆動して、第1空気孔120から空気を吸引し、第2空気孔122から空気を排出することで、電池パック4の内部に冷却風を流して、電池パック4を冷却する。電池パック4は、第1空気孔126と、第2空気孔128と、第3空気孔130を備えている。第1空気孔126と、第2空気孔128は、電池パック4の下面(機器取付部8が設けられている面)に形成されており、第3空気孔130は、電池パック4の上面に形成されている。電池パック4は、第1空気孔126から空気が吸引され、第2空気孔128および第3空気孔130から空気が流入すると、内部を流れる冷却風によって冷却される。あるいは、電池パック4は、第2空気孔128から空気が送り込まれると、第1空気孔126および第3空気孔130から空気が流出して、内部を流れる冷却風によって冷却される。電池パック4は、例えば、アダプタ2を介さずに他の種類の充電器6に取り付けられる場合に、その充電器6から第2空気孔128に空気が送り込まれると、電池パック4の内部に冷却風が流れて、電池パック4の内部が冷却される。なお、電池パック4の第3空気孔130は、電池パック4の上面を下向きにして載置面に載置したときに、電池パック4の内部に入り込んだ水を排出する水抜き孔としても機能する。
【0061】
充電器6にアダプタ2が取り付けられた状態では、下側ハウジング30の冷却風通路108は、充電器6の第1空気孔120に対向して配置される。また、アダプタ2に電池パック4が取り付けられた状態では、上側ハウジング32の冷却風通路50は、電池パック4の第1空気孔126に対向して配置される。このため、充電器6が電池パック4を充電する際に、送風機124を駆動して第1空気孔120から空気を吸引すると、アダプタ2の冷却風通路108および冷却風通路50を介して、電池パック4の第1空気孔126から空気が吸引される。これによって、電池パック4の内部に冷却風が流れて、電池パック4の内部が冷却される。
【0062】
なお、充電器6は、送風機124を駆動した時に、第2空気孔122から空気を吸引して、第1空気孔120から空気を送出する構成としてもよい。この場合、充電器6が電池パック4を充電する際に、送風機124を駆動して第1空気孔120から空気を送出すると、アダプタ2の冷却風通路108および冷却風通路50を介して、電池パック4の第1空気孔126に空気が送り込まれ、第2空気孔128および第3空気孔130から空気が排出される。これによって、電池パック4の内部に冷却風が流れて、電池パック4の内部が冷却される。
【0063】
なお、上記の実施例では、アダプタ2を介して電池パック4が接続される電池関連機器として、充電器6を例として説明したが、電池関連機器はこれに限られるものではなく、例えば、電池パック4の電力残量や健全性をチェックするバッテリチェッカ等であってもよい。
【0064】
上記のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、アダプタ2は、電池パック4と充電器6(電池関連機器の例)を接続する。アダプタ2は、ハウジング20と、ハウジング20の内部に収容された回路基板26と、ハウジング20の内部に収容されたターミナルベース34(遮蔽部材の例)を備えている。ハウジング20は、電池パック4がアダプタ2に取り付けられた時に電池パック4に対向するカバー用開口42、44、端子用開口46(電池パック用開口の例)を備えている。ターミナルベース34は、カバー用開口42、44、端子用開口46と回路基板26の間を遮るように配置されている。
【0065】
上記の構成によれば、カバー用開口42、44、端子用開口46を介して、ハウジング20の外部から内部へ水が入り込んだ場合であっても、ターミナルベース34が水受けとして機能するので、ハウジング20の内部に入り込んだ水が回路基板26に到達することを抑制することができる。
【0066】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ターミナルベース34は、カバー用開口42、44、端子用開口46からハウジング20の内部に入り込んだ水を排出するための水抜き通路86,88(第1水抜き通路の例)を備えている。
【0067】
上記の構成によれば、カバー用開口42、44、端子用開口46を介してハウジング20の内部に入り込み、ターミナルベース34に付着した水が、ターミナルベース34に溜まってしまうことを抑制することができる。
【0068】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ターミナルベース34は、アダプタ2が充電器6に取り付けられた時に、水抜き通路86,88に向けて水を案内する形状を有している。
【0069】
上記の構成によれば、アダプタ2が充電器6に取り付けられた状態とした時に、ターミナルベース34に付着した水を水抜き通路86,88から排出することができる。
【0070】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ターミナルベース34は、アダプタ2を水平面に載置した時に、水抜き通路86,88に向けて水を案内する形状を有していてもよい。
【0071】
上記の構成によれば、アダプタ2を水平面に載置した状態とした時に、ターミナルベース34に付着した水を水抜き通路86,88から排出することができる。
【0072】
1つまたはそれ以上の実施形態において、アダプタ2は、充電器6に対してスライドさせることで充電器6に対して着脱される。アダプタ2を充電器6に対して取り付ける時にアダプタ2をスライドさせる方向を前方向とした時に、水抜き通路86,88は、ターミナルベース34の前端近傍に配置されている。ターミナルベース34の水抜き通路86,88に向けて水を案内する形状は、ターミナルベース34の後端から前端に向けて鉛直方向の下方に傾斜した形状である。
【0073】
上記の構成によれば、ターミナルベース34に付着した水を、ターミナルベース34の前端近傍に配置された水抜き通路86,88に案内することができる。
【0074】
1つまたはそれ以上の実施形態において、アダプタ2は、充電器6に対してスライドさせることで充電器6に対して着脱される。アダプタ2を充電器6に対して取り付ける時にアダプタ2をスライドさせる方向を前方向とした時に、水抜き通路86,88は、ターミナルベース34の左端および右端にそれぞれ形成されている。ターミナルベース34の、水抜き通路86,88に向けて水を案内する形状は、ターミナルベース34の左右方向の中央から左端および右端に向けて鉛直方向の下方に傾斜した形状である。
【0075】
上記の構成によれば、ターミナルベース34に付着した水を、ターミナルベース34の左端および右端に配置された水抜き通路86,88に案内することができる。
【0076】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ハウジング20は、ターミナルベース34の水抜き通路86,88から排出される水をハウジング20の外部に排出する水抜き通路90,92(第2水抜き通路の例)を備えている。水抜き通路90,92の寸法は、水抜き通路86,88の寸法よりも大きい。
【0077】
上記の構成によれば、カバー用開口42、44、端子用開口46を介してハウジング20の内部に入り込み、ターミナルベース34に付着した水を、水抜き通路86,88と水抜き通路90,92を介して、ハウジング20の外部に排出することができる。また、上記の構成によれば、水抜き通路86,88を介してターミナルベース34から排出される水を、ハウジング20の内部に残留させることなく、水抜き通路90,92を介してハウジング20の外部に排出することができる。
【0078】
1つまたはそれ以上の実施形態において、充電器6は、アダプタ2が充電器6に取り付けられた時にアダプタ2に対向する外面に、水平面に対して傾斜した傾斜面6aを備えている。アダプタ2が充電器6に取り付けられた時に、水抜き通路90,92は、傾斜面6aに対向している。
【0079】
上記の構成によれば、アダプタ2のハウジング20の内部から水抜き通路90,92を介して排出された水を、充電器6の外面の傾斜面6aに沿って流すことができ、充電器6の内部に水が入り込むことを抑制することができる。
【0080】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ターミナルベース34に対してカバー用開口42、44、端子用開口46が位置する方向を上方向とした時に、ターミナルベース34の周縁に、上方に向けて突出する側板76が形成されている。
【0081】
上記の構成によれば、カバー用開口42、44、端子用開口46を介してハウジング20の内部に入り込み、ターミナルベース34に付着した水が、ターミナルベース34の周縁から滴下してしまうことを抑制することができる。
【0082】
1つまたはそれ以上の実施形態において、アダプタ2は、電池パック4の接続端子8cと接続する電池パック側接続端子24aと、電池パック側接続端子24aと回路基板26を接続する配線24bをさらに備えている。ハウジング20は、側板76よりも上方から側板76よりも下方まで伸びる押さえリブ99(リブの例)を備えている。配線24bは、電池パック側接続端子24aから、押さえリブ99の下方を通過し、さらに側板76の上方を通過して、回路基板26まで到達している。
【0083】
上記の構成によれば、押さえリブ99の下端は側板76の上端よりも低い位置にあるので、仮に水が配線24bに付着して、配線24bを伝って水が流れる場合であっても、押さえリブ99の下方から側板76の上方に水が流れることはない。このため、カバー用開口42、44、端子用開口46を介してハウジング20の内部に入り込んだ水が、電池パック側接続端子24aや配線24bに付着した場合であっても、水が配線24bを伝って回路基板26に到達することを抑制することができる。
【0084】
1つまたはそれ以上の実施形態において、アダプタ2は、ハウジング20に対して移動可能に支持されており、アダプタ2が充電器6に取り付けられた時に、充電器6の係合溝10c(被係合部の例)と係合するフック28を備えている。ハウジング20は、フック28が取り付けられるフック用開口52,110,112を備えている。ターミナルベース34は、フック用開口52,110,112と回路基板26の間を遮るように配置されている。
【0085】
上記の構成によれば、フック用開口52,110,112を介して、ハウジング20の外部から内部へ水が入り込んだ場合であっても、ターミナルベース34が水受けとして機能するので、ハウジング20の内部に入り込んだ水が回路基板26に到達することを抑制することができる。
【0086】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ハウジング20は、アダプタ2の充電器6に取り付けられる側の部分の外形形状を規定する下側ハウジング30(第1ハウジングの例)と、アダプタ2の電池パック4が取り付けられる側の部分の外形形状を規定する上側ハウジング32(第2ハウジングの例)を備えている。下側ハウジング30は、下側ハウジング30を貫通して冷却風が通過する冷却風通路108(第1冷却風通路の例)を備えている。上側ハウジング32は、冷却風通路108に連通しており、上側ハウジング32を貫通して冷却風が通過する冷却風通路50(第2冷却風通路の例)を備えている。冷却風通路108と冷却風通路50が連通する箇所において、冷却風が流れる方向に対して直交する方向に、下側ハウジング30と上側ハウジング32は重なり合っている。
【0087】
上記の構成によれば、冷却風通路108と冷却風通路50が連通する箇所において、下側ハウジング30と上側ハウジング32が重なり合っているので、冷却風通路108と冷却風通路50が連通する箇所を介して、ハウジング20の内部に水が入り込むことを抑制することができる。
【0088】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ターミナルベース34は、冷却風通路108と冷却風通路50が連通する箇所と回路基板26の間を遮るように配置されている。
【0089】
上記の構成によれば、冷却風通路108と冷却風通路50が連通する箇所を介して、ハウジング20の外部から内部へ水が入り込んだ場合であっても、ターミナルベース34が水受けとして機能するので、ハウジング20の内部に入り込んだ水が回路基板26に到達することを抑制することができる。
【符号の説明】
【0090】
2 :アダプタ
4 :電池パック
6 :充電器
6a :傾斜面
6b :側面
8 :機器取付部
8a :ガイドリブ
8b :フック
8c :接続端子
10 :電池パック取付部
10a :ガイドリブ
10b :ガイドリブ
10c :係合溝
10d :接続端子
12 :機器取付部
14 :電池パック取付部
20 :ハウジング
22 :端子カバー
24 :端子台
24a :電池パック側接続端子
24b :配線
26 :回路基板
28 :フック
28a :操作部
28b :係合部
28c :係合部
30 :下側ハウジング
32 :上側ハウジング
34 :ターミナルベース
36 :ボルト
38 :レール
38a :支持壁
38b :ガイドリブ
40 :レール
40a :支持壁
40b :ガイドリブ
42 :カバー用開口
42a :端子カバーレール
42b :レール部
42c :通過部
44 :カバー用開口
44a :端子カバーレール
44b :レール部
44c :通過部
46 :端子用開口
48 :係合溝
50 :冷却風通路
52 :フック用開口
54 :圧縮ばね
56 :引張ばね
58 :引張ばね
60 :カバー本体
60a :前板
60b :上板
60c :左板
60d :右板
60e :仕切り板
62 :カバーフック
62a :平板部
62b :係合部
62c :ばね取付部
62d :連結部
64 :カバーフック
64a :平板部
64b :係合部
64c :ばね取付部
64d :連結部
66 :ばね取付柱
66a :ストッパリブ
68 :ばね取付柱
68a :ストッパリブ
70 :ボス
72 :ボス
74 :底板
76 :側板
78 :ねじ止め部
80 :角筒壁
82 :前方ガード板
84 :後方ガード板
86 :水抜き通路
88 :水抜き通路
90 :水抜き通路
92 :水抜き通路
94 :ボルト
96 :ボルト
98 :固定リブ
99 :押さえリブ
100 :固定リブ
102 :レール
102a :支持壁
102b :ガイドリブ
104 :レール
104a :支持壁
104b :ガイドリブ
106 :端子用開口
108 :冷却風通路
110 :フック用開口
112 :フック用開口
114 :圧縮ばね
116 :圧縮ばね
118 :機器側接続端子
120 :第1空気孔
122 :第2空気孔
124 :送風機
126 :第1空気孔
128 :第2空気孔
130 :第3空気孔