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特許7303747変圧器診断を実行するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】変圧器診断を実行するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/12 20200101AFI20230628BHJP
   G01R 31/62 20200101ALI20230628BHJP
   G01R 31/00 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G01R31/12 Z
G01R31/62
G01R31/00
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019542211
(86)(22)【出願日】2018-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 US2018018018
(87)【国際公開番号】W WO2018152114
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-02-15
(31)【優先権主張番号】15/436,403
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519278446
【氏名又は名称】ドーブル エンジニアリング カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ラックマン マーク エフ
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-214963(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0268291(US,A1)
【文献】特開2011-38924(JP,A)
【文献】特開2009-14528(JP,A)
【文献】特表2010-515048(JP,A)
【文献】特開平11-344524(JP,A)
【文献】実開平2-668(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/12-31/20
G01R 31/50-31/74
G01R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の相を含むターゲット変圧器の診断を実行するための診断装置によって実施される方法であって、
前記方法が、前記診断装置のプロセッサによって、前記ターゲット変圧器の前記複数の相の各々に電源を結合するようスイッチ回路を制御する段階を含み、前記相の各々において、前記プロセッサが、
第1周波数で電圧を出力するよう前記電源を制御する段階と、
前記第1周波数に関連する前記ターゲット変圧器内に流入する、誘導分及び容量分から成る第1励磁電流の振幅及び位相角を測定する段階と、
第2周波数で電圧を出力するよう前記電源を制御する段階と、
前記第2周波数に関連する前記ターゲット変圧器内に流入する、誘導分及び容量分から成る第2励磁電流の振幅及び位相角を測定する段階と、
前記第1周波数及び前記第2周波数の励磁電流に応じて、前記ターゲット変圧器の通常動作周波数での前記ターゲット変圧器の誘導分の振幅及び容量分の振幅を決定し、これにより前記ターゲット変圧器の励磁電流の誘導分及び容量分の振幅パターンを決定する段階と、
前記プロセッサによって、前記ターゲット変圧器の前記決定されたパターンを、既知の電気特性を有する1又は2以上のベンチマーク変圧器に関連するパターンと比較する段階と、
前記ターゲット変圧器に関連する前記パターンが、前記ベンチマーク変圧器のうちの1つのベンチマーク変圧器のパターンに一致するときには、前記ターゲット変圧器の電気特性が前記1つのベンチマーク変圧器の電気特性に一致すると決定する段階と、
を含み、前記既知の電気特性を有する前記1又は2以上のベンチマーク変圧器のパターンに対する前記ターゲット変圧器のパターンの比較により、前記ターゲット変圧器に欠陥があるかどうかの決定が可能となる、動作を実行する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ターゲット変圧器が三相変圧器である、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲット変圧器は、負荷時タップ切換装置(LTC)又は非通電タップ切換装置(DETC)を含み、前記ターゲット変圧器の通常動作周波数での前記励磁電流の誘導分及び容量分の振幅パターンが、前記LTC又はDETC位置の各々に対して決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電圧が、12,000ボルトか又はそれ以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1又は2以上のベンチマーク変圧器は、正常に機能する変圧器及び1又は2以上の不具合を示す変圧器を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲット変圧器の通常動作周波数での前記励磁電流の誘導分及び容量分が、データベース内に格納される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記通常動作周波数は、居住用又は商業用ユーザに電力を送給する高電圧変圧器の通常動作周波数である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
複数の相を含むターゲット変圧器の診断を実行するためのシステムであって、
電源から電圧を受け取る入力と、
前記ターゲット変圧器の複数の相の各々に前記電圧を選択的に印加するように構成されたスイッチセクションと、
前記ターゲット変圧器の選択された相を通って流れる電流を検知するように構成された電流センサと、
前記電源、前記スイッチセクション、及び前記電流センサと通信するプロセッサと、
前記プロセッサと通信し、前記プロセッサによって実行されたときに、前記プロセッサに動作を実行させる命令コードを格納する非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備え、
前記動作が、
前記受け取った電圧を前記ターゲット変圧器の各相に印加するようスイッチセクションを制御する段階と、
前記相の各々において、
第1周波数で電圧を出力するよう前記電源を制御する段階と、
前記電流センサを介して、前記第1周波数に関連する前記ターゲット変圧器内に流入する、誘導分及び容量分から成る第1励磁電流の振幅及び位相角を測定する段階と、
第2周波数で電圧を出力するよう前記電源を制御する段階と、
前記電流センサを介して、前記第2周波数に関連する前記ターゲット変圧器内に流入する、誘導分及び容量分から成る第2励磁電流の振幅及び位相角を測定する段階と、
前記第1周波数及び前記第2周波数の励磁電流に応じて、前記ターゲット変圧器の通常動作周波数での前記ターゲット変圧器の誘導分の振幅及び容量分の振幅を決定し、これにより前記ターゲット変圧器の励磁電流の誘導分及び容量分の振幅パターンを決定する段階と、
前記ターゲット変圧器の前記決定されたパターンを、既知の電気特性を有する1又は2以上のベンチマーク変圧器に関連するパターンと比較する段階と、
前記ターゲット変圧器に関連する前記パターンが、前記ベンチマーク変圧器のうちの1つのベンチマーク変圧器のパターンに一致するときには、前記ターゲット変圧器の電気特性が前記1つのベンチマーク変圧器の電気特性に一致すると決定する段階と、
を含み、前記既知の電気特性を有する前記1又は2以上のベンチマーク変圧器のパターンに対する前記ターゲット変圧器のパターンの比較により、前記ターゲット変圧器に欠陥があるかどうかの決定が可能となる、
ことを含む、
ことを特徴とするシステム。
【請求項9】
前記ターゲット変圧器が三相変圧器である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ターゲット変圧器は、負荷時タップ切換装置(LTC)又は非通電タップ切換装置(DETC)を含み、前記命令コードは、前記LTC又はDETC位置の各々に対して、前記ターゲット変圧器の通常動作周波数での前記励磁電流の誘導分及び容量分の振幅パターンを前記プロセッサに決定させる、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記電圧が、12,000ボルトか又はそれ以下である、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記1又は2以上のベンチマーク変圧器は、正常に機能する変圧器及び1又は2以上の不具合を示す変圧器を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記ターゲット変圧器の通常動作周波数での前記励磁電流の誘導分及び容量分が、データベース内に格納される、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記通常動作周波数は、居住用又は商業用ユーザに電力を送給する高電圧変圧器の通常動作周波数である、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
複数の相を含むターゲット変圧器の診断を実行するための少なくとも1つのコードセクションを含むコンピュータプログラムを格納させた非一時的マシン可読ストレージ媒体であって、前記少なくとも1つのコードセクションが、マシンによって実行可能であり、
前記ターゲット変圧器の前記複数の相の各々に電源を結合するようスイッチ回路を制御する段階と、
前記相の各々において、
第1周波数で電圧を出力するよう前記電源を制御する段階と、
前記第1周波数に関連する前記ターゲット変圧器内に流入する、誘導分及び容量分から成る第1励磁電流の振幅及び位相角を測定する段階と、
第2周波数で電圧を出力するよう前記電源を制御する段階と、
前記第2周波数に関連する前記ターゲット変圧器内に流入する、誘導分及び容量分から成る第2励磁電流の振幅及び位相角を測定する段階と、
前記第1周波数及び前記第2周波数の励磁電流に応じて、前記ターゲット変圧器の通常動作周波数での前記ターゲット変圧器の誘導分の振幅及び容量分の振幅を決定し、これにより前記ターゲット変圧器の励磁電流の誘導分及び容量分の振幅パターンを決定する段階と、
前記ターゲット変圧器の前記決定されたパターンを、既知の電気特性を有する1又は2以上のベンチマーク変圧器に関連するパターンと比較する段階と、
前記ターゲット変圧器に関連する前記パターンが、前記ベンチマーク変圧器のうちの1つのベンチマーク変圧器のパターンに一致するときには、前記ターゲット変圧器の電気特性が前記1つのベンチマーク変圧器の電気特性に一致すると決定する段階と、
を含み、前記既知の電気特性を有する前記1又は2以上のベンチマーク変圧器のパターンに対する前記ターゲット変圧器のパターンの比較により、前記ターゲット変圧器に欠陥があるかどうかの決定が可能となる、動作を前記マシンに実行させる非一時的マシン可読ストレージ媒体。
【請求項16】
前記1又は2以上のベンチマーク変圧器は、正常に機能する変圧器及び1又は2以上の不具合を示す変圧器を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の非一時的マシン可読ストレージ媒体。
【請求項17】
前記ターゲット変圧器の前記通常動作周波数は、居住用又は商業用ユーザに電力を送給する高電圧変圧器の通常動作周波数である、
ことを特徴とする請求項15に記載の非一時的マシン可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、診断システムに関する。特に、本出願は、変圧器診断を実行するためのシステム及び方法について記載されている。
【背景技術】
【0002】
高電圧変圧器は、送電で利用され、伝送路上に存在する電圧を居住用又は商業地域用としてより好適な電圧に降圧するのに広く利用されている。変圧器は一般に、1又は2以上の1次巻線及び1又は2以上の2次巻線を含む。三相電気システムの場合、1次巻線は、3本の巻線を含むことができ、その各々が、電気システムの異なる位相に結合される。
【0003】
負荷に送られる電圧は、負荷自体に幾分依存する。従って、一部の高電圧変圧器は、負荷時タップ切換装置(load-tap-changer、LTC)及び/又は非通電タップ切換装置(de-energized tap changer、DETC)を内蔵する。LTC及びDETCは、変圧器のターン数比の変更を容易にするスイッチ機構である。LTC/DETCは、自己の出力電圧を制御するために位置を変更する。
【0004】
高電圧変圧器は、動作中に大量の応力を受ける傾向がある。これは、夏の暑い日など、ピーク電力利用期間中に特に当てはまる。応力は、変圧器の性能低下につながる可能性がある。例えば、巻線間の絶縁体が劣化する恐れがあり、隣接するターン又は巻線間で短絡が発生し始めることがある。他の問題も生じる可能性がある。これらの問題が、十分に長い間継続すると、変圧器は、壊滅機能不全となる。その結果、この機能不全により、電力システムの他の構成要素に不具合を生じさせることがある。
【0005】
この種の崩壊を最小限にしようとする目的で、変圧器は、通常、設置後に定期診断検査を受けて、最終的に壊滅的機能不全につながる可能性がある何らかの問題が存在するかどうかを確認する。利用される1つの検査は、変圧器の巻線又は位相にAC電圧を通電して、変圧器内に流れる励磁電流の電力周波数成分の振幅を測定することである。
【0006】
残念ながら、特定の最新の電力変圧器では、励磁電流の容量分が、測定された電流の予想パターンを変形させて、診断解析の結果の確実性を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
変圧器診断の実行を容易にする方法、システム、及びコンピュータ可読媒体が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様において、ターゲット変圧器の診断を実行するための方法は、電圧発生器の電圧出力をターゲット変圧器の巻線又は位相に印加する段階と、第1周波数で、次に第2周波数で、AC電圧を出力するよう電圧発生器を制御する段階と、第1周波数及び第2周波数にそれぞれ関連するターゲット変圧器内に流入する第1及び第2励磁電流を測定する段階と、を含む。本方法は、第1及び第2の両方の励磁電流に応じて、ターゲット変圧器の実際の励磁電流を決定する段階と、ターゲット変圧器の実際の励磁電流と、既知の電気特性を有する1又は2以上のベンチマーク変圧器に関連する励磁電流と比較する段階と、を更に含む。ターゲット変圧器の実際の励磁電流が、ベンチマーク変圧器のうちの1つの励磁電流に一致するときには、ターゲット変圧器の電気特性がこの1つのベンチマーク変圧器の電気特性に一致すると決定する段階を含む。
【0009】
第2の態様では、ターゲット変圧器の診断を実行するためのシステムが提供される。システムは、第1周波数及び第2周波数でAC電圧を生成する電圧発生器と、ターゲット変圧器の複数の巻線又は位相のうちの1つにAC電圧を選択的に印加するように構成されたスイッチセクションと、ターゲット変圧器の選択された巻線又は位相を通って流れる電流を検知するように構成された電流センサと、電圧発生器、スイッチセクション、及び電流センサと通信するプロセッサと、プロセッサと通信する非一時的コンピュータ可読媒体と、を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されると、a)電圧発生器の電圧出力をターゲット変圧器の巻線又は位相に印加するようスイッチ回路を制御する段階と、b)第1周波数でAC電圧を出力するよう電圧発生器を制御する段階と、c)第1周波数に関連するターゲット変圧器内に流入する第1励磁電流を、電流センサを介して測定する段階と、d)第2周波数でAC電圧を出力するよう電圧発生器を制御する段階と、e)第2周波数に関連するターゲット変圧器内に流入する第2励磁電流を、電流センサを介して測定する段階と、f)第1及び第2の両方の励磁電流に応じて、ターゲット変圧器の実際の励磁電流を決定する段階と、g)ターゲット変圧器の決定された実際の励磁電流と、既知の電気特性を有する1又は2以上のベンチマーク変圧器に関連する励磁電流と比較する段階と、を含む動作をプロセッサに実行させる命令コードを格納する。ターゲット変圧器の実際の励磁電流が、ベンチマーク変圧器のうちの1つの励磁電流に一致するときには、命令コードで、プロセッサに対して、ターゲット変圧器の電気特性がこの1つのベンチマーク変圧器の電気特性に一致すると決定させる。
【0010】
第3の態様では、ターゲット変圧器の診断を実行するためのコンピュータプログラムを格納する非一時的マシン可読ストレージ媒体が提供される。プログラムは、マシンによって実行可能であり、a)電圧発生器の電圧出力をターゲット変圧器の巻線又は位相に印加するようスイッチ回路を制御する段階と、b)第1周波数でAC電圧を出力するよう電圧発生器を制御する段階と、c)第1周波数に関連するターゲット変圧器内内に流入する第1励磁電流を、電流センサを介して測定する段階と、d)第2周波数でAC電圧を出力するよう電圧発生器を制御する段階と、e)第2周波数に関連するターゲット変圧器内に流入する第2励磁電流を、電流センサを介して測定する段階と、f)第1及び第2の両方の励磁電流に応じて、ターゲット変圧器の実際の励磁電流を決定する段階と、g)ターゲット変圧器の決定された実際の励磁電流を、既知の電気特性を有する1又は2以上のベンチマーク変圧器に関連する励磁電流と比較する段階と、ターゲット変圧器の実際の励磁電流が、ベンチマーク変圧器のうちの1つの励磁電流に一致するときには、ターゲット変圧器の電気特性がこの1つのベンチマーク変圧器の電気特性に一致すると決定する段階と、をマシンに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ターゲット変圧器の診断を実行するための例示的なシステムを示す図である。
図2A図1のシステムの出力を結合することができる例示的な変圧器構成を示す図である。
図2B図1のシステムの出力を結合することができる例示的な変圧器構成を示す図である。
図3】システムによって実行することができる種々の例示的な動作を示す図である。
図4A】変圧器の位相の例示的な回路表現を示す図である。
図4B図4Aの例示的な回路内に流れる電流のベクトル表現を示す図である。
図5】システムの様々なモジュールを実施することができるコンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下で説明する実施形態は、ターゲット変圧器のより完全な診断解析を実行することができるシステムを提供することによって、上記の問題を克服する。一般に、システムは、ターゲット変圧器の1又は2以上の巻線又は位相を、正弦波AC電圧で駆動して、ターゲット変圧器の巻線/位相内に流入する励磁電流の特性パラメータを測定するように構成される。パラメータは、いわゆるベンチマーク変圧器に関連するパラメータ又はターゲット変圧器の過去のデータと比較されて、ターゲット変圧器が所与のベンチマーク変圧器の特性に一致するかどうかを決定する。ベンチマーク変圧器は、正常に機能する変圧器及び特定の種類の不具合を示す変圧器を含むことができる。
【0013】
作動時には、ターゲット変圧器に関連するパラメータは、正常に機能する変圧器を表すベンチマーク変圧器に関連する対応するパラメータ又はターゲット変圧器の過去のデータと比較して、ターゲット変圧器が正常に動作しているかどうかを決定することができる。一方、ターゲット変圧器に関連するパラメータは、例えば、短絡した巻線又は他の不具合を有するベンチマーク変圧器に関連するパラメータに一致する場合がある。この場合、ターゲット変圧器は、短絡した巻線を有すると決定することができる。
【0014】
図1は、変圧器診断を実行するための例示的なシステム100を示している。システム100は、電圧発生器セクション105と、スイッチセクション110と、プロセッサ120と、ストレージデバイス125と、を含む。電圧発生器セクション105は、電源106と、電流測定デバイス107と、を含む。電源は、正常動作中にターゲット変圧器に印加される電圧よりも通常は低い電圧を発生させるように構成される。例えば、テスト電圧は、およそ12kVとすることができる。結果として生じるターゲット変圧器内への電流は、非正弦波AC電流とすることができる。
【0015】
電流測定デバイス107は、電源106からターゲット変圧器の巻線に流れる励磁電流を測定するように構成される。電流測定デバイス107は、小型抵抗器のような電流検知部を含むことができる。抵抗器を流れる電流が、抵抗器の両端で電圧低下を引き起こす。電流測定デバイス107は、抵抗器の両端で生じる電圧をサンプリングして、サンプリングされた電圧のデジタル表現をプロセッサ120に伝達するアナログ-デジタル変換回路を含むことができる。
【0016】
スイッチセクション110は、電圧発生器セクション105の出力を、ターゲット変圧器の異なる巻線に転送するように構成される。スイッチセクション110は、機械又は固体スイッチに対応することができる。図2A及び2Bは、スイッチセクション110に結合することができる例示的な変圧器構成を示している。図2Aは、LTC/DETC210を含むY型変圧器205を示している。スイッチセクション110は、第1電圧発生器出力を変圧器205の中央ノードH0に結合することができる。スイッチセクション110は、他方の出力を、ノードH1、H2、及びH3のうちの1つに結合して、巻線H1-H0、H2-H0、又はH3-H0のうちの1つに流入する励磁電流の測定を容易にすることができる。図2Bは、変圧器の中性点ノードへのアクセスを提供することができないLTC/DETC220を含む異なる変圧器215を示している。この場合、スイッチセクション110は、電圧発生器セクション105の出力をノードH1、H2、及びH3のうちの1つに結合して、巻線/位相H1-H2、H1-H3、又はH2-H3のうちの1つの中に流入する励磁電流の測定を容易にすることができる。
【0017】
図1に戻ると、プロセッサ120は、励磁電流に関連する電流成分を、ターゲット変圧器又はベンチマーク変圧器に関連する過去に決定された成分データと比較するように構成される。プロセッサ120は、電圧発生器セクション105及びスイッチセクション110と通信して、それぞれのセクションの動作を制御することができる。例えば、プロセッサ120は、電圧発生器セクション105の電圧発生器106の起動を制御することができ、また、電圧発生器セクション105の出力電圧及び周波数を制御することができる。プロセッサ120は、ターゲット変圧器の特定の巻線/位相を選択するために、電圧調整セクション105からの電圧を転送するようスイッチセクション110のスイッチ構成を制御することができる。
【0018】
一部の実施構成において、プロセッサ120は、情報及び/又は命令をオペレータに伝達するように構成することができる。例えば、システム100は、オペレータへの命令の伝達を円滑にして、ターゲット変圧器の動作の検査時に、特定のLTC/DETC位置をオペレータに選択させるようにするディスプレイ又はネットワークインタフェースを含むことができる。代替の実施構成において、プロセッサ120は、検査中にLTC/DETC位置の自動変更を容易にするために、ターゲット変圧器のLTC/DETCに結合されたサーボ又は他の形態のアクチュエータを管理することができる。
【0019】
システム100によって実行される動作が図3のフロー図に示される。種々の動作の性能を促進するために、RAM、ROM、フラッシュ等の1又は2以上の非一時的タイプのメモリが、プロセッサ120と通信することができ、また、プロセッサ120が種々の動作の全て又は一部分を実行できるようにプロセッサ120によって実行可能な命令コードを格納することができる。
【0020】
ブロック300において、初期LTC/DETC位置の選択を実行することができる。例えば、ターゲット変圧器のLTC/DETC位置を初期位置(LTC/DETC位置1のような)に設定するための命令は、ディスプレイを介してオペレータに伝達することができる。
【0021】
ブロック305において、スイッチセクション110は、電圧発生器セクション105の電圧出力を、ターゲット変圧器の第1位相又は巻線に転送するよう制御することができる。例えば、プロセッサ120は、図2Bに示すように、変圧器の位相H1-H3を選択するようスイッチセクション110を制御することができる。
【0022】
ブロック310において、電圧発生器セクション105の電圧発生器106は、第1周波数で通電することができ、第1周波数に関連する励磁電流の電流フェーザを捕捉することができる。例えば、通電時、電圧発生器106は、ターゲット変圧器の正常動作周波数よりも約5%低い周波数で、例えば、正常動作周波数が60Hzのときに57Hzなどで12kVの正弦波AC電圧を生成することができる。周波数が低くなると、変圧器のインダクタンスが非線形になる結果を生じることがある。電圧の生成により、ターゲット変圧器の選択された巻線/位相を励磁電流が流れることになる。
【0023】
電圧発生器セクション105の電流測定デバイス107は、電源の位相に対して電流の振幅及び位相を測定して、ターゲット変圧器内に流入する電流の同相(I)成分及び位相外れ(Q)成分を決定することができる。例えば、電流測定デバイス107は、検知抵抗器の両端に発生する電圧をデジタル的にサンプリングして、このサンプルに基づいて、電流の同相(I)成分及び位相外れ(Q)成分を決定する。上述のように、ターゲット変圧器内に流入する電流は、非正弦波AC電流とすることができる。この場合、電流のI及びQ成分を決定するには、測定された電流の第1高調波形を決定する必要がある。例えば、フィルタ又は調波分析器を利用して、第1高調波を決定することができる。
【0024】
図4Aは、変圧器の単相の例示的な回路表現400にわたって流れる様々な電流を示している。図示するように、変圧器の位相は、インダクタLm、抵抗器Rm、及びキャパシタCの並列結合として表すことができる。電源が、電流Imを成分の並列結合内に供給し、この場合は、Imが、それぞれがインダクタLm、抵抗器Rm、及びキャパシタC内を流れる電流IL、IR、及びICの合計に等しい。
【0025】
図4Bは、様々な電流成分のベクトル表現を示している。図示するように、同相電流(IR)は、変圧器位相の等価抵抗を流れる電流IRに対応する。位相外れ電流(IQ)の振幅は、変圧器位相の等価インダクタ及びキャパシタをそれぞれ流れる電流IL及びICの振幅間の差分に対応する。
【0026】
図3に戻れば、ブロック315において、電圧発生器セクション105の電圧発生器106には、第2周波数で通電することができ、第2周波数に関連する励磁電流の同相(I)及び位相外れ(Q)成分の電流フェーザを捕捉することができる。例えば、電圧発生器106は、ターゲット変圧器の正常動作周波数よりも約5%高い周波数(例えば、正常動作周波数が60Hzのときに63Hzなど)で12kVの正弦波AC電圧を発生するよう制御することができる。周波数が高くなると、変圧器のインダクタンスが非線形になる結果を生じることがある。この周波数における同相(I)及び位相外れ(Q)成分を捕捉することができる。
【0027】
ブロック320において、インダクタLm及びキャパシタCをそれぞれ流れる電流IL及びICは、ブロック310及び315において実行された同相(I)及び位相外れ(Q)成分の電流測定に基づいて決定することができる。1つの実施構成では、誘導分及び容量分に関連する電流は、以下の方法に従って決定される。
【0028】
より低い周波数f1(例えば60Hz)で測定される電流の直角分は、以下のように表すことができる。
Q1=IL1+IC1 式(1)
【0029】
より高い周波数f2(例えば70Hz)で測定される電流の直角分は、以下のように表すことができる。
Q2=IL2+IC 式(2)
【0030】
印加電圧を基準として用いると、誘導分及び容量分は、以下のように表すことができる。
L1=V/jω1L 式(3)
C1=jVω1C 式(4)
L2=V/jω2L 式(5)
C2=jVω2C 式(6)
L=V/jωL 式(7)
C=jVωC 式(8)
ここで、ω1=2πf1、ω2=2πf2、ω=2πfで、f1<f<f2であり、fは、電力周波数である。
【0031】
ω1=ω-Δω 式(9)
ω2=ω+Δω 式(10)
ξ=Δω/ω=Δf/f 式(11)
を用いると、
方程式(3-8)、(1)及び(2)は、以下のように書き換えることができる。
Q1=V/jω1L+jVω1C=IL/(1-ξ)+IC(1-ξ) 式(12)
【0032】
同様に、
Q2=IL/(1+ξ)+IC(1+ξ) 式(13)
【0033】
(12)から
L=IQ1(1-ξ)-IC(1-ξ)2 式(14)
【0034】
(13)に(14)を代入すると、以下が得られる。
Q2=IQ1(1-ξ)/(1+ξ)+IC[4ξ/(1+ξ)] 式(15)
【0035】
(15)から
C=(1/4ξ)[IQ2(1+ξ)-IQ1(1-ξ)] 式(16)
【0036】
(16)に(14)を代入すると、以下が得られる。
L=[(1-ξ2)/4ξ][IQ1(1+ξ)-IQ2(1-ξ)] 式(17)
【0037】
計算後、計算電流IL、IC、及び測定電流IRは、ストレージデバイス125に記憶され、表1に示すように、電流のLTC/DETC位置及び電流位相と関連付けることができる。
表1
【0038】
表1を参照すると、データベース内の第1レコードは、LTC/DETC位置及び巻線/位相の第1組合せに関連するデータを含むことができる。同様に、第2レコードは、LTC/DETC位置及び巻線/位相の第2組合せに関連するデータを含む。他のブリッジ及び非ブリッジLTC/DETC位置に関連するデータは、データベースの付加的なレコードで指定することができる。
【0039】
上述の異なるパターンタイプに従ってデータベースの検索を容易にするために、データを異なるように表すことができる。例えば、データベース内のレコードは、特定のLTC/DETパターン及び/又は位相パターンのデータベースでの検索を容易にするように配置することができる。このようにして、ターゲット変圧器に関して所与のパターンが決定された後、パターンタイプに従って、データベースを検索することができる。例えば、所与のLTC/DETC位置に関して、位相パターンを決定することができる。同じLTC/DETC位置に関連するレコードに関して、データベースを検索することができ、レコードの値を、決定された位相パターンと比較することができる。
【0040】
ターゲット変圧器の診断を実行するときには、ターゲット変圧器に関連するデータは、1又は2以上のベンチマーク変圧器に関連するデータと比較することができる。比較は、測定ベースで又は異なるベースで行うことができる。例えば、3相全てに関連する全てのLTC/DETC位置についての電流測定値及び/又は上記の計算電流は、1又は2以上のベンチマーク変圧器の対応する電流測定値及び/又は計算電流と比較することができる。この場合、位相及びLTC/DETC位置の全ての組合せについての電流測定値及び/又は計算電流は、ターゲット変圧器に対して実行される必要がある。完了すると、電流測定値及び/又は計算電流を比較して、ターゲット変圧器がベンチマーク変圧器の特性に一致するかどうかを決定することになる。場合によっては、他の成分を上回る1つの成分の重要度を表すために、様々な成分に対して異なる重みを付けることができる。例えば、IL電流には、IC電流よりも大きな重みを与えることができる。
【0041】
場合によっては、図3に示した動作の反復は、ターゲット変圧器で最初に異常に気付いた後に終了することができる。例えば、第1LTC/DETC位置での診断実行時に異常が検出されると、動作は、他の全てのLTC/DETC位置にわたって継続する代わりに、単にその位置で終了することができる。例えば、所与のLTC/DETCのための電流成分の計算を実行して、次に、同じLTC/DETC位置に設定されるときに、ベンチマーク変圧器に関連する電流成分データと比較することができる。この場合、ターゲット変圧器とベンチマーク変圧器との間の測定値の差分が閾値を上回る場合、ターゲット変圧器のそれ以上の分析は中断することができる。
【0042】
代替的に、選択されたLTC/DETCに関して類似の電流成分特性を有するベンチマーク変圧器を見出すために、測定値は、1又は2以上の異なるベンチマーク変圧器に関連する測定値と比較することができる。例えば、これを利用して、ターゲット変圧器の不具合モードを決定することができる。例えば、ターゲット変圧器の所与のLTC/DETC位置に関連する測定値が、同じ位相で短絡した巻線を有するベンチマーク変圧器に一致することがある。ターゲット変圧器とベンチマーク変圧器との間で測定値が一致する場合、ターゲット変圧器は、短絡した巻線を有すると決定することができる。
【0043】
図3に戻ると、ブロック340において、測定すべき付加的な巻線又は位相が存在する場合、次の巻線又は位相が選択され、動作はブロック310から繰り返す。例えば、三相変圧器は、各位相について3本の巻線又は一連の巻線を有する。この場合、各相又は一連の巻線を通る励磁電流の流れに関連する電流成分が測定されることになる。
【0044】
ブロック340において、全ての位相において測定が完了した場合、ブロック350において、測定すべき付加的なLTC/DETC位置がある場合には、次のLTC/DETC位置が選択されて、動作はブロック305から繰り返すことができる。例えば、ターゲット変圧器に16の位置を含むLTC/DETCを有する場合、各位置を選択して、16の全位置に関して上述の測定を実行することができる。LTC/DETC位置は、非ブリッジ位置及びブリッジ位置の両方を含むことができ、ブリッジ位置とは、ターゲット変圧器の2つの隣接するタップが、予防単巻変圧器を介して接続されるものである。
【0045】
ブロック305において、全てのLTC/DETC位置が評価された場合、ブロック370によって表されるように、ターゲット変圧器の診断を完了することができる。ブロック320において上述したように、ターゲット変圧器に関連する測定値とベンチマーク変圧器に関連する測定値との比較は、LTC/DETC位置及び巻線/位相の全ての組合せを測定した後に行うことができる。この場合、比較は、ブロック370で行うことができる。代替的に、比較は、各LTC/DETC位置及び位相が測定された後に実行することができる。
【0046】
図5は、本明細書で参照されるプロセッサ120に対応し、又はモジュールのいずれかの一部分を形成することができるコンピュータシステム500を示している。コンピュータシステム500は、上記で説明した動作のいずれかをコンピュータシステム500に実行させるようにプロセッサ505が実行できる命令セット545を含むことができる。コンピュータシステム500は、スタンドアロンデバイスとして動作することができ、或いは、例えば、ネットワークを用いて他のコンピュータシステム又は周辺デバイスに接続することができる。
【0047】
ネットワーク配置において、コンピュータシステム500は、サーバ-クライアントユーザネットワーク環境ではサーバ又はクライアント-ユーザコンピュータとして、或いはピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境ではピアコンピュータシステムとして動作することができる。コンピュータシステム500はまた、パーソナルコンピュータ又はモバイルデバイスのような、そのマシンによって行われるべき動作を指定する命令545(シーケンシャル又はそれ以外)を実行する能力がある種々のデバイスとして実施され又はそのようなデバイスに内蔵することもできる。更に、ここで説明するシステムの各々は、1又は2以上のコンピュータ機能を実行するための命令セット又は命令の複数セットを個別に又は共同で実行するあらゆるサブシステム集合を含むことができる。
【0048】
コンピュータシステム500は、情報を通信するためにバス上に1又は2以上のメモリデバイス510を含むことができる。加えて、コンピュータシステムに上述の動作のいずれかを実行させるよう動作可能なコードを、メモリ510内に格納することができる。メモリ510は、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリ、プログラマブルメモリ、ハードディスクドライブ、又はいずれかの他のタイプのメモリ又はストレージデバイスとすることができる。
【0049】
コンピュータシステム500は、液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管(CRT)、又は情報を伝達するための適切ないずれかの他のディスプレイを含むことができる。ディスプレイ530は、プロセッサ505の機能をユーザが確認するためのインタフェースとして、或いはメモリ510内又はドライブユニット515内に格納されたソフトウェアとのインタフェースとして特に、機能することができる。
【0050】
付加的に、コンピュータシステム500は、ユーザがシステム500の構成要素のいずれかと相互作用できるように構成されたキーボード又はマウスのような入力デバイス525を含むことができる。
【0051】
コンピュータシステム500はまた、ディスク又は光学ドライブユニット515も含むことができる。ディスクドライブユニット515は、その中に命令545を格納することができるコンピュータ可読媒体540を含むことができる。命令545は、コンピュータシステム500による実行中、メモリ510内に及び/又はプロセッサ505内に完全に又は少なくとも部分的に常駐することができる。メモリ510及びプロセッサ505はまた、上述のようなコンピュータ可読媒体も含むことができる。
【0052】
コンピュータシステム500は、ネットワーク550経由の通信をサポートするために通信インタフェース535を含むことができる。ネットワーク550は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はこれらの組合せを含むことができる。通信インタフェース535ネットワークは、802.11、802.12、802.20、WiMax、セルラー電話規格、又は他の通信規格のようなあらゆる数の通信規格を介して通信を可能にすることができる。
【0053】
従って、方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組合せで実現可能である。方法及びシステムは、少なくとも1つのコンピュータシステムにおいて集中方式で、或いは幾つかの相互接続されたコンピュータシステムにわたって様々な要素が分散された分散方式で実現可能である。本明細書で説明する方法を実行するよう適応されたあらゆる種類のコンピュータシステム又は他の装置を利用することができる。
【0054】
方法及びシステムはまた、本明細書で説明する動作の実施を可能にする全ての特徴を含み、コンピュータシステムにロードにされると、これらの動作を実行することができるコンピュータプログラム製品に埋め込むこともできる。本文脈では、コンピュータプログラムは、情報処理能力を有するシステムに、特定の機能を直接、或いはa)別の言語、コード、又は表記への変換、b)異なる材料形態での再現、のうちのいずれか又は両方の後で実行させることを目的とした、命令セットのあらゆる言語、コード、又は表記によるあらゆる表現を意味する。
【0055】
特定の実施形態を参照しながら本方法及びシステムについて説明してきたが、当業者であれば、範囲から逸脱することなく、種々の変更を加えることができ、均等物を代替することができる点は理解されるであろう。加えて、特定の状況又は材料を本開示の教示に適合させるために、本開示の範囲から逸脱することなく多くの修正を加えることができる。従って、本方法及びシステムは、ここに開示する特定の実施形態に限定されず、開示する方法及びシステムは、添付の特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0056】
100 システム
105 電圧発生器セクション
106 電源
107 電流測定デバイス
110 スイッチセクション
120 プロセッサ
125 ストレージ
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5