(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】殺菌システム、殺菌装置、制御装置、制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20230628BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L9/20
(21)【出願番号】P 2020153590
(22)【出願日】2020-09-14
【審査請求日】2022-12-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 翔悟
(72)【発明者】
【氏名】佐川 賀宏
【審査官】上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0246329(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0101183(US,A1)
【文献】特開2018-069028(JP,A)
【文献】特表2015-509031(JP,A)
【文献】特開2022-043880(JP,A)
【文献】特開2022-037594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
A61L 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に近接して設けられ、放射状の紫外線を照射する光源部と、
前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する
、省略される場合がある水平角度調整部
と、
前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、
少なくとも垂直角度を含む設定情報を読み出して
少なくとも前記垂直角度調整部の回動を制御し、前記光源部による紫外線の照射を制御する制御装置と、
を備え、
前記設定情報は、運用開始前に設定され、紫外線を照射しない位置に対応する
少なくとも垂直角度を含まず、紫外線を照射すべき位置に対応する
少なくとも垂直角度を含み、
前記設定情報は、紫外線を照射すべき位置に対応する
少なくとも垂直角度を含む複数の情報を含み、
前記制御装置は、読み出した前記設定情報の前記複数の
情報のそれぞれに対し
、垂直角度と天井高とから床面までの距離を三角関数により推定し、照射時間、照射強度、または、波長を変更し、前記設定情報に自動設定する、
殺菌システム。
【請求項2】
放射状の紫外線を照射する光源部と、
前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する水平角度調整部および/または、
前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、
水平角度および/または垂直角度を含む設定情報を読み出して前記水平角度調整部および/または前記垂直角度調整部の回動を制御し、前記光源部による紫外線の照射を制御する制御装置と、
を備え、
前記設定情報は、運用開始前に設定され、紫外線を照射しない位置に対応する水平角度および/または垂直角度を含まず、紫外線を照射すべき位置に対応する水平角度および/または垂直角度を含み、
前記設定情報は、水平角度および/または垂直角度による位置の複数により特定される範囲を含み、
前記制御装置は、前記紫外線を照射すべき位置の間に1以上の分割点を付与し、前記分割点の上を通り、紫外線を照射すべき範囲内における任意の経路により紫外線の照射を行わせる、
殺菌システム。
【請求項3】
前記設定情報は、照射時間および/または、照射強度、および/または、波長を含み、
前記制御装置は、前記設定情報に基づいて紫外線の照射を制御する、
請求項1または2に記載の殺菌システム。
【請求項4】
前記制御装置は、設定されたスケジュール情報または人の検出結果に応じ、紫外線の照射を制御する、
請求項1~3のいずれか一つに記載の殺菌システム。
【請求項5】
天井に近接して設けられ、放射状の紫外線を照射する光源部と、
前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する
、省略される場合がある水平角度調整部
と、
前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、
少なくとも垂直角度を含む設定情報を読み出して
少なくとも前記垂直角度調整部の回動を制御し、前記光源部による紫外線の照射を制御する制御装置と、
を備え、
前記設定情報は、運用開始前に設定され、紫外線を照射しない位置に対応する
少なくとも垂直角度を含まず、紫外線を照射すべき位置に対応する
少なくとも垂直角度を含み、
前記設定情報は、紫外線を照射すべき位置に対応する
少なくとも垂直角度を含む複数の情報を含み、
前記制御装置は、読み出した前記設定情報の前記複数の
情報のそれぞれに対し
、垂直角度と天井高とから床面までの距離を三角関数により推定し、照射時間、照射強度、または、波長を変更し、前記設定情報に自動設定する、
殺菌装置。
【請求項6】
天井に近接して設けられ、放射状の紫外線を照射する光源部と、
前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する
、省略される場合がある水平角度調整部
と、
前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、
に対し、
少なくとも垂直角度を含む設定情報を読み出して
少なくとも前記垂直角度調整部の回動を制御し、前記光源部による紫外線の照射を制御し、
前記設定情報は、運用開始前に設定され、紫外線を照射しない位置に対応する
少なくとも垂直角度を含まず、紫外線を照射すべき位置に対応する
少なくとも垂直角度を含み、
前記設定情報は、紫外線を照射すべき位置に対応する
少なくとも垂直角度を含む複数の情報を含み、
読み出した前記設定情報の前記複数の
情報のそれぞれに対し
、垂直角度と天井高とから床面までの距離を三角関数により推定し、照射時間、照射強度、または、波長を変更し、前記設定情報に自動設定する、
制御装置。
【請求項7】
天井に近接して設けられ、放射状の紫外線を照射する光源部と、
前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する
、省略される場合がある水平角度調整部
と、
前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、
に対し、
少なくとも垂直角度を含む設定情報を読み出して
少なくとも前記垂直角度調整部の回動を制御し、前記光源部による紫外線の照射を制御し、
前記設定情報は、運用開始前に設定され、紫外線を照射しない位置に対応する
少なくとも垂直角度を含まず、紫外線を照射すべき位置に対応する
少なくとも垂直角度を含み、
前記設定情報は、紫外線を照射すべき位置に対応する
少なくとも垂直角度を含む複数の情報を含み、
読み出した前記設定情報の前記複数の
情報のそれぞれに対し
、垂直角度と天井高とから床面までの距離を三角関数により推定し、照射時間、照射強度、または、波長を変更し、前記設定情報に自動設定する、
制御方法。
【請求項8】
天井に近接して設けられ、放射状の紫外線を照射する光源部と、
前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する
、省略される場合がある水平角度調整部
と、
前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、
に対し、
少なくとも垂直角度を含む設定情報を読み出して
少なくとも前記垂直角度調整部の回動を制御し、前記光源部による紫外線の照射を制御し、
前記設定情報は、運用開始前に設定され、紫外線を照射しない位置に対応する
少なくとも垂直角度を含まず、紫外線を照射すべき位置に対応する
少なくとも垂直角度を含み、
前記設定情報は、紫外線を照射すべき位置に対応する
少なくとも垂直角度を含む複数の情報を含み、
読み出した前記設定情報の前記複数の
情報のそれぞれに対し
、垂直角度と天井高とから床面までの距離を三角関数により推定し、照射時間、照射強度、または、波長を変更し、前記設定情報に自動設定する、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌システム、殺菌装置、制御装置、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紫外線(紫外光)の放射を用いて、ヒト細胞を害することなくバクテリアの殺菌を行うものが提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の殺菌装置は、特定の殺菌を行いたい物体に対して殺菌を行うものであり、部屋や工場などの広範囲の空間を殺菌することには対応してない。
【0005】
一方で、COVID-19などのウィルスや菌などの殺菌対象物は、空間や、空間を形成する壁などに浮遊、付着している。そのため、空間内の空気の入れ替えや、消毒液散布による不活性化など、空調設備の変更が必要となったり、作業負担が大きかったりすることで実施が限られる対策を行うしかなく、より簡便に空間における環境改善を図れるようにすることが要望されていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、広範囲の殺菌対象空間を容易に殺菌することができる殺菌システム、殺菌装置、制御装置、制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る殺菌装置は、光源部と、水平角度調整部と、垂直角度調整部と、制御装置とを備える。前記光源部は、天井に近接して設けられ、放射状の紫外線を照射する。前記水平角度調整部は、省略される場合があり、前記光源部を水平方向に対して回動することで、前記光源部の水平角度を調整する。前記垂直角度調整部は、前記光源部を垂直方向に対して回動することで、前記光源部の垂直角度を調整する。前記制御装置は、少なくとも垂直角度を含む設定情報を読み出して少なくとも前記垂直角度調整部の回動を制御し、前記光源部による紫外線の照射を制御する。前記設定情報は、運用開始前に設定され、紫外線を照射しない位置に対応する少なくとも垂直角度を含まず、紫外線を照射すべき位置に対応する少なくとも垂直角度を含む。前記設定情報は、紫外線を照射すべき位置に対応する少なくとも垂直角度を含む複数の情報を含む。前記制御装置は、読み出した前記設定情報の前記複数の情報のそれぞれに対し、垂直角度と天井高とから床面までの距離を三角関数により推定し、照射時間、照射強度、または、波長を変更し、前記設定情報に自動設定する。
【0008】
本発明の一態様に係る殺菌システムは、広範囲の殺菌対象空間を容易に殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る殺菌装置等の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、複数の殺菌装置等が含まれる場合の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、殺菌装置の一例の機械的な構成例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、殺菌装置の他の例の機械的な構成例を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部のハードウェア構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部の機能構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部に保持される設定情報のデータ構造例を示す図である。
【
図8】
図8は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部による制御例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部に保持される設定情報の他のデータ構造例を示す図である。
【
図10】
図10は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部による他の制御例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部に保持される設定情報の他のデータ構造例を示す図である。
【
図12】
図12は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部に保持される設定情報の他のデータ構造例を示す図である。
【
図13】
図13は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部に保持される設定情報の他のデータ構造例を示す図である。
【
図14】
図14は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部に保持される設定情報の他のデータ構造例を示す図である。
【
図15】
図15は、床上の位置による殺菌装置からの距離の違いの例を示す図である。
【
図16】
図16は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部に保持される設定情報の他のデータ構造例を示す図である。
【
図17】
図17は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部による他の制御例を示すフローチャートである。
【
図18B】
図18Bは、指定された範囲が複数の小範囲に分割された例を示す図である。
【
図18C】
図18Cは、分割された小範囲についての殺菌装置による紫外線の照射の状態を示す図(1)である。
【
図18D】
図18Dは、分割された小範囲についての殺菌装置による紫外線の照射の状態を示す図(2)である。
【
図19】
図19は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部による他の制御例を示すフローチャートである。
【
図20B】
図20Bは、指定された複数の位置の間に分割点による位置が付与された状態を示す図である。
【
図20C】
図20Cは、各位置についての殺菌装置による紫外線の照射の状態を示す図(1)である。
【
図20D】
図20Dは、各位置についての殺菌装置による紫外線の照射の状態を示す図(2)である。
【
図21】
図21は、制御装置の制御部、端末の制御部、または、制御装置の制御部による他の制御例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る殺菌システム、殺菌装置、制御装置、制御方法および制御プログラムについて図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0011】
<装置構成、システム構成>
図1は、一実施形態に係る殺菌装置1等の構成例を示すブロック図である。
図1において、殺菌装置1は、例えば天井を構成する天井壁100にベース部41が取り付けられており、光源部21を有する本体部2と、本体部2を回動可能に支持する垂直角度調整部3および水平角度調整部4と、制御装置5とを備えている。
【0012】
なお、
図1におけるX方向は水平方向であり、殺菌装置1Aの前後方向である。Y方向は水平方向であり、殺菌装置1Aの幅方向である。Z方向は水平方向と直交する垂直方向であり、殺菌装置1Aの上下方向である。なお、本実施形態においては、Z方向が殺菌対象空間Sの鉛直方向と平行であるが、これに限定されるものではなく、Z方向が鉛直方向に対して傾斜、あるいはZ方向が鉛直方向と直交する方向と平行であってもよい。
【0013】
制御装置5は、殺菌装置1を制御するものである。制御装置5は、光源部21、垂直角度調整部3および水平角度調整部4を制御するものであり、ベース部41の内部空間に収容されている。制御装置5は、通信部51、制御部52、光源部駆動回路53、第1モータ駆動回路54と、第2モータ駆動回路55を有する。制御装置5は、電源200から供給された電力に基づき、光源部21による紫外線の点灯・消灯、照射強度の調整、垂直角度調整部3による光源部21の垂直角度の調整、水平角度調整部4による光源部21の水平角度の調整などを行う。なお、制御装置5のハードウェア構成は、一般的な制御装置のハードウェア構成と同様であり、詳細については後述する。また、電源200は、商業電源、発電機、バッテリなどである。
【0014】
通信部51は、ユーザーが所持する端末10との間で情報を送受信するものであり、例えば、端末10からの操作情報を受信したり、殺菌装置1の状態、光源部21の照射状態(例えば、点灯・消灯、照射強度)、光源部21の姿勢状態(例えば、垂直角度および水平角度)を端末10に送信したりするものである。通信部51は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行うものである。
【0015】
制御部52は、光源部21に対する照射制御、第1モータ32に対する駆動制御および第2モータ42に対する駆動制御などを行うものである。ここで、照射制御には、光源部21の点灯・消灯制御、照射強度制御などが含まれる。
【0016】
光源部駆動回路53は、制御部52からの光源部21に対する照射制御信号に基づき、光源部21に電力を供給するものである。光源部駆動回路53は、光源部21が紫外線の照射強度を変更できるタイプである場合、照射強度の調整も行う。また、光源部駆動回路53は、光源部21が照射する紫外線の波長を変更(切替)できるタイプである場合、波長の変更(切替)も行う。光源部駆動回路53は、制御部52および光源部21と電気的に接続されている。なお、光源部駆動回路53は、制御装置5が有しているがこれに限定されるものではなく、光源部21が有していてもよい。また、光源部21が異なる波長領域の光源が組み合わされた光源であった場合、それぞれの光源の照射強度を調整できるように調整を行う。
【0017】
第1モータ駆動回路54は、制御部52からの第1モータ32に対する駆動制御信号に基づき、第1モータ32に対して駆動電力を供給することで、光源部21を垂直方向において回動させるものである。第1モータ駆動回路54は、制御部52および第1モータ32と電気的に接続されている。なお、第1モータ駆動回路54は、制御装置5が有しているがこれに限定されるものではなく、第1モータ32が有していてもよい。
【0018】
第2モータ駆動回路55は、制御部52からの第2モータ42に対する駆動制御信号に基づき、第2モータ42に対して駆動電力を供給することで、光源部21を水平方向において回動させるものである。第2モータ駆動回路55は、制御部52および第2モータ42と電気的に接続されている。なお、第2モータ駆動回路55は、制御装置5が有しているがこれに限定されるものではなく、第2モータ42が有していてもよい。
【0019】
端末10は、ユーザーが操作することで殺菌装置1Aを操作するものであるとともに、ユーザーが殺菌装置1Aの状態を把握するものである。端末10は、通信部11と、制御部12と、操作・表示部13とを有する。なお、端末10は、殺菌装置1A用の専用端末であってもよいし、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなどの汎用端末であってもよい。また、端末10のハードウェア構成は、一般的な端末のハードウェア構成と同様であり、詳細については後述する。
【0020】
通信部11は、制御装置5との間で情報を送受信するものである。通信部11は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行うものである。なお、情報の送受信は無線に限られるものではなく、有線によるものであってもよい。
【0021】
制御部12は、端末10を制御するものであり、少なくとも操作・表示部13に対するユーザーの操作に基づいて、操作情報を通信部11に出力するものである。制御部12は、操作・表示部13による表示も制御する。制御部12は、通信部11および操作・表示部13と電気的に接続されている。なお、制御部12は、自装置側の通信部11および殺菌装置1側の通信部51を介して接続された制御部52の処理の一部を代行することができる。
【0022】
操作・表示部13は、端末10における一般的な操作および表示のほかに、殺菌装置1Aを遠隔操作する際に用いられるものである。操作・表示部13は、図示はしないが例えば、紫外線の点灯・消灯に対応するスイッチ、照射強度に対応するスイッチ、光源部21の垂直角度の調整に対応するスイッチ、光源部21の水平角度の調整に対応するスイッチなどが含まれる。なお、スイッチは、通電・非通電や抵抗変化などの機械式のスイッチであっても、タッチパネルなどの電気式のスイッチであってもよい。
【0023】
また、本体部2の近傍には人の存在を検出する人感センサ400が設けられている。人感センサ400は、殺菌装置1が設けられる周囲の広範囲における人の検出を行うものでもよいし、紫外線の照射範囲と同等の狭範囲における人の検出を行うものでもよい。
【0024】
図2は、複数の殺菌装置1等が含まれる場合の構成例を示す図である。
図2において、例えば天井を構成する天井壁100に複数の殺菌装置1が取り付けられている。各殺菌装置1の制御装置5は、それぞれが対等な関係で制御を行うか、いずれかがマスターとなって統括的に制御を行う。また、殺菌装置1の制御装置5とは別に、統括制御用の制御装置500が設けられるものであってもよい。制御装置500は、通信部501と、制御部502と、操作・表示部503とを備えている。
【0025】
通信部501は、各殺菌装置1の制御装置5との間で情報を送受信するものである。通信部501は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行うものである。なお、情報の送受信は無線に限られるものではなく、有線によるものであってもよい。
【0026】
制御部502は、制御装置500を制御するものであり、少なくとも操作・表示部503に対するユーザーの操作または予め設定された情報に基づいて、操作情報を通信部501に出力するものである。制御部502は、通信部501および操作・表示部503と電気的に接続されている。
【0027】
操作・表示部503は、制御装置500における一般的な操作および表示のほかに、各殺菌装置1を遠隔操作する際に用いられるものである。操作・表示部503は、図示はしないが例えば、紫外線の点灯・消灯に対応するスイッチ、照射強度に対応するスイッチ、光源部21の垂直角度の調整に対応するスイッチ、光源部21の水平角度の調整に対応するスイッチ、各種自動動作の設定のためのスイッチなどが含まれる。なお、スイッチは、通電・非通電や抵抗変化などの機械式のスイッチであっても、タッチパネルなどの電気式のスイッチであってもよい。
【0028】
端末10は、各殺菌装置1の制御装置5との間、マスターに設定された制御装置5との間、または、制御装置500との間で通信を行い、ユーザーによる各種の操作や、状態の確認に対応する。端末10は、制御装置500とともに、または、制御装置500に代わって、個々の殺菌装置1を制御することができる。
【0029】
図3は、殺菌装置1の一例(殺菌装置1A)の機械的な構成例を示す斜視図である。殺菌装置1Aは、
図3に示されるように、紫外線UVを殺菌対象空間Sに照射するものである。殺菌装置1Aは、殺菌対象空間Sの一部を構成する壁、本実施形態では天井を構成する天井壁100に取り付けられている。具体的には、殺菌装置1Aは、天井壁100から殺菌対象空間Sに突出した状態で天井壁100に対して、図示しないレール等を介して取り付けられている。殺菌装置1Aは、光源部21が取り付けられる本体部2と、垂直角度調整部3と、水平角度調整部4と、制御装置5とを備える。
【0030】
本体部2は、光源部21が取り付けられるものである。本体部2は、略円筒形状に形成されており、軸方向のうち、殺菌対象空間S側に開口22が形成され、殺菌対象空間Sと反対側が閉塞されている。本体部2は、図示しない支持軸を介して、垂直角度調整部3に対して回転自在に支持されている。
【0031】
光源部21は、放射状の紫外線UVを殺菌対象空間Sに対して照射するものである。光源部21は、本体部2の内部空間のうち、本体部2の軸方向において開口22と対向した位置に取り付けられている。光源部21は、開口22を介して紫外線UVを殺菌対象空間Sに照射する。ここで、光源部21が殺菌対象空間Sに照射する紫外線UVは、可視光線とは異なる波長の電磁波であり、本実施形態では、190nm~230nmの波長の電磁波をいう。なお、190nm未満の紫外線は、空気、特に空気中の酸素に吸収されるため、殺菌対象空間Sに存在する物体、例えば人体まで到達する線量が大幅に減少してしまい、物体に対する殺菌効果が減少する。一方、230nmを超える紫外線は、殺菌対象空間Sに存在する物体が人体の場合に、細胞に吸収され細胞内のDNAに損傷を与える可能性がある。本実施形態における光源部21は、例えば、222nmにピークを有するKrClエキシマランプを光源として有する。また、放射状の紫外線UVは、光源から出射する紫外線が放射状であってもよいし、光源から出射する紫外線UVは直線状であって、図示しないレンズにより実現してもよい。
【0032】
また、光源部21は、1つの波長領域の紫外線UVを照射する光源に限られず、波長領域の異なる紫外線UVを切り替えられるものであってもよい。また、光源部21は、紫外線UVを照射する光源と、紫外線UVとは異なる波長領域の電磁波、例えば、可視光線、赤外線を照射する光源とが組み合わされたものでもよい。また、光源部21は、1つの波長領域の紫外線を照射する光源と、それとは異なる波長領域の紫外線を照射する光源とが組み合わされたものであってもよい。具体的には、190nm~230nmの波長の紫外線を照射する光源と、230nmを超える波長の紫外線を照射する光源とが組み合わされたものでもよい。
【0033】
垂直角度調整部3は、光源部21を垂直方向Zにおいて回動することで、垂直角度を調整、すなわちチルト方向Tを調整する。垂直角度調整部3は、アーム部31と、第1モータ32とを有する。アーム部31は、本体部2を垂直方向Zに回動可能に支持するものである。アーム部31は、下方向に開口するU字状に形成されており、開口を形成する両先端部31a、31aにおいて、本体部2が両先端部31a、31aの対向方向周りに回転自在に支持されている。第1モータ32は、垂直アクチュエータであり、本体部2をアーム部31に対して回動させるものである。第1モータ32は、アーム部31に取り付けられており、図示しない駆動機構を介して、支持軸周り、すなわち対向方向周りに本体部2を回動させるものである。本実施形態における光源部21は、第1モータ32により、下方向を0度とした場合に、例えば、±90度の範囲で揺動させる。垂直角度調整部3は、図示しない支持軸を介して、水平角度調整部4に対して回転自在に支持されている。
【0034】
水平角度調整部4は、光源部21を水平方向(前後方向X、幅方向Y)において回動することで、水平角度を調整、すなわちパン方向Pを調整する。水平角度調整部4は、ベース部41と、第2モータ42とを有する。ベース部41は、アーム部31を介して本体部2を水平方向に回動可能に支持するものである。ベース部41は、天井壁100に取り付けられており、前後方向を長手方向として立方体状に形成されており、アーム部31の上方向側の先端部31bにおいてアーム部31が垂直方向Z周りに回転自在に支持されている。第2モータ42は、水平アクチュエータであり、アーム部31をベース部41に対して回動させるものである。第2モータ42は、ベース部41に取り付けられており、図示しない駆動機構を介して、支持軸周り、すなわち垂直方向周りにアーム部31を回動させることで、本体部2を回動させるものである。本実施形態における光源部21は、第2モータ42により、水平方向のうち、任意の方向を0度とした場合に、例えば、±180度の範囲で揺動させる。
【0035】
なお、上記の説明においては、各アクチュエータをモータとしたが、これに限定されるものではなく、液圧式シリンダ、気圧式シリンダなどであってもよい。
【0036】
図4は、殺菌装置1の他の例(殺菌装置1B)の機械的な構成例を示す斜視図である。
図4において、殺菌装置1Bは、天井壁100に対する取り付け状態の点で、前述の殺菌装置1Aと異なる。殺菌装置1Bの基本的構成は、殺菌装置1Aの基本的構成と同一、またはほぼ同一であるので、同一符号についてはその説明を省略あるいは簡略化する。
【0037】
殺菌装置1Bは、
図4に示されるように、紫外線UVを殺菌対象空間Sに照射するものである。殺菌装置1Bは、殺菌対象空間Sの一部を構成する天井壁100に取り付けられている。具体的には、殺菌装置1Aは、天井壁100から殺菌対象空間S側と反対側に突出、すなわち天井壁100に埋設した状態で天井壁100に取り付けられている。天井壁100には、開口101が形成されており、殺菌装置1B、特に本体部2の開口22が開口101を介して、殺菌対象空間Sに露出して取り付けらえている。殺菌装置1Bは、光源部21を取り付けられる本体部2と、垂直角度調整部3と、水平角度調整部4と、制御装置5とを備える。
【0038】
本体部2は、放射状の紫外線UVを殺菌対象空間Sに対して照射する光源部21が取り付けられるものである。本体部2は、略円筒形状に形成されており、軸方向のうち、殺菌対象空間S側に開口22が形成され、殺菌対象空間S側と反対側が閉塞されている。本体部2は、図示しない支持軸を介して、垂直角度調整部3に対して回転自在に支持されている。
【0039】
垂直角度調整部3は、光源部21を垂直方向Zにおいて回動することで、垂直角度を調整、すなわちチルト方向Tを調整する。垂直角度調整部3は、サブ枠部33と、第1モータ32とを有する。サブ枠部33は、本体部2を垂直方向Zに回動可能に支持するものである。サブ枠部33は、上下方向を軸とする円筒形状に形成され、上下方向に開口を介して外部連通する内部空間33aが形成されている。サブ枠部33は、内部空間33aにおいて、本体部2が水平方向周りに回動自在に支持されている。つまり、サブ枠部33は、本体部2の少なくとも一部が内部空間33aに収容され、かつ本体部2を垂直方向に回動可能に支持する。第1モータ32は、サブ枠部33に取り付けられており、図示しない駆動機構を介して、支持軸周り、すなわち対向方向周りに本体部2を回動させるものである。本実施形態における光源部21は、第1モータ32により、下方向を0度とした場合に、例えば、-35度~+45度の範囲で揺動させる。
【0040】
水平角度調整部4は、光源部21を水平方向(前後方向X、幅方向Y)において回動することで、水平角度を調整、すなわちパン方向Pを調整する。水平角度調整部4は、ベース枠部43と、第2モータ42とを有する。ベース枠部43は、サブ枠部33を介して本体部2を水平方向に回動可能に支持するものである。ベース枠部43は、上下方向において開口101と対向して天井壁100に取り付けられており、上下方向を軸とする円筒形状に形成され、上下方向に開口を介して外部連通する内部空間43aが形成されている。ベース枠部43は、内部空間43aにおいて、本体部2が垂直方向周りに回動自在に支持されている。つまり、ベース枠部43は、サブ枠部33の少なくとも一部が内部空間43aに収容され、かつサブ枠部33を垂直方向に回動可能に支持する。本実施形態における光源部21は、第2モータ42により、水平方向のうち、任意の方向を0度とした場合に、例えば、+355度の範囲で揺動させる。
【0041】
なお、上記の説明においては、各アクチュエータをモータとしたが、これに限定されるものではなく、液圧式シリンダ、気圧式シリンダなどであってもよい。
【0042】
図5は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502のハードウェア構成例を示す図である。
図5において、制御部52、12、502は、一般的なコンピュータの構成を有しており、処理部(プロセッサ)H1と、記憶部(メモリ)H2と、入出力部(I/O:Input Output)H3とを備えている。記憶部H2には、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NV-RAM(Nonvolatile-RAM)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等が含まれる。
【0043】
処理部H1は、記憶部H2に記憶されたプログラムに従い、記憶部H2に記憶されたデータまたは入出力部H3から入力されたデータに基づいて処理を行う。処理により得られたデータは、入出力部H3から出力される。
【0044】
図6は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502の機能構成例を示す図である。
図6において、制御部52、12、502は、照射位置設定部C1と、照射位置制御部C2と、照射制御部C3とを備えている。
【0045】
照射位置設定部C1は、殺菌のために紫外線を照射する位置または範囲(複数の位置等により範囲を特定)の設定を行う機能を有する。照射位置制御部C2は、設定情報に基づいて殺菌装置1の垂直角度調整部3および水平角度調整部4を制御し、紫外線を照射する位置を制御する機能を有する。照射制御部C3は、設定情報等に基づいて紫外線の点灯・消灯、強度変更(光源により強度が変更できる場合とできない場合とがある)または波長変更(人体に照射可能な波長と、人体に照射はできないが殺菌効果の高い波長との切り替えが可能)を行う機能を有する。
【0046】
<ユーザーによるリアルタイムでの操作>
図1~
図6において、ユーザーは、端末10等を操作することで、殺菌装置1(1A、1B)の状態、光源部21の照射状態、光源部21の姿勢状態を変更する。例えば、制御装置5は、ユーザーが端末10を操作することで、光源部21を点灯する場合に、点灯に対応する操作情報に対応する照射制御信号に基づき、光源部駆動回路53を介して、光源部21を点灯する。殺菌装置1は、光源部21が点灯されることで、放射状の紫外線UVが殺菌対象空間Sに照射され、殺菌対象空間Sの空気および殺菌対象空間Sに存在する物体を紫外線UVにより殺菌する。また、制御装置5は、ユーザーが端末10を操作することで、殺菌対象空間Sにおける紫外線UVの照射範囲を垂直方向において変更する場合に、垂直角度の調整に対応する操作情報に対応する第1モータ32に対する駆動制御信号に基づき、第1モータ駆動回路54を介して、第1モータ32を駆動し、光源部21を垂直方向に回動させる。また、制御装置5は、ユーザーが端末10を操作することで、殺菌対象空間Sにおける紫外線UVの照射範囲を水平方向において変更する場合に、水平角度の調整に対応する操作情報に対応する第2モータ42に対する駆動制御信号に基づき、第2モータ駆動回路55を介して、第2モータ42を駆動し、光源部21を水平方向に回動させる。つまり、ユーザーが殺菌対象空間Sに存在する物体を殺菌したい場合は、光源部21を垂直方向および水平方向に回動させることで、光源部21の紫外線UVの照射範囲を物体にまで移動させて、殺菌を行う。
【0047】
以上のように、本実施形態に係る殺菌装置1(1A、1B)は、光源部21が水平方向および垂直方向に回動させることができるので、光源部21が回動できない場合と比較して、殺菌対象空間Sに対する紫外線UVの照射範囲を広くすることができる。したがって、広範囲の殺菌対象空間Sを殺菌することができるので、簡便に空間における環境改善を図ることができる。
【0048】
また、光源部21は、190nm~230nmの波長の電磁波である紫外線UVを照射するので、殺菌対象空間Sに人がいて、人に対して光源部21から紫外線UVが照射されていても、照射される紫外線が人体に対する影響が著しく低い。したがって、殺菌対象空間Sに人がいても、殺菌装置1による殺菌を安全に行える。
【0049】
なお、上記の説明においては、ユーザーが手動操作することで殺菌装置1(1A,1B)が動作するが、これに限定されるものではなく、自動操作により動作するようにしてもよい。例えば、物体の動きに反応するセンサ、例えば人感センサなどを用いて、物体の動きに連動して、紫外線UVの照射範囲が変化する連動モードを有しており、所定の物体、例えば、人がいる方向に照射方向を連動させ、紫外線UVを照射してもよい。また、制御部52は、予め設定された動作、例えば殺菌対象空間Sを構成する床や壁の全域に紫外線UVが照射される殺菌モードを有しており、所定時間、例えば、殺菌対象空間Sに人がいない時間帯となると、紫外線UVを殺菌対象空間Sに照射してもよい。
【0050】
<設定された位置に基づく自動照射(照射時間固定)>
図7は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502に保持される設定情報のデータ構造例を示す図である。
図7において、設定情報は、水平角度と垂直角度との組を複数含んでいる。水平角度と垂直角度との組は、1つの位置に対応する照射方向を示している。水平角度は、水平角度調整部4(
図1)によって制御の対象となる角度(パン)である。垂直角度は、垂直角度調整部3(
図1)によって制御の対象となる角度(チルト)である。また、設定情報には、各位置に共通の照射時間が含まれている。
【0051】
図8は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502による制御例を示すフローチャートである。
図8において、制御部52等は、処理を開始すると、次の設定情報(最初は先頭の設定情報)の読み出しを行い(ステップS11)、設定情報があって読み出せたか否か判断する(ステップS12)。制御部52等は、設定情報がない場合または最後まで読み出し済で読み出せなかったと判断した場合(ステップS12のNo)、処理を終了する。
【0052】
制御部52等は、設定情報が読み出せたと判断した場合(ステップS12のYes)、続いて、設定情報に矛盾がない等により適正であるか否か判断する(ステップS13)。制御部52等は、読み出した設定情報が適正でないと判断した場合(ステップS13のNo)、次の設定情報の読み出し(ステップS11)に移行する。
【0053】
制御部52等は、読み出した設定情報が適正であると判断した場合(ステップS13のYes)、読み出した設定情報に従って紫外線の照射を開始する(ステップS14)。すなわち、設定情報に含まれる水平角度および垂直角度に光源部21の光軸を向けて紫外線の照射を行う。
【0054】
次いで、制御部52等は、ユーザーからの終了指示等による終了条件を満たすか否か判断し(ステップS15)、終了条件を満たさないと判断した場合(ステップS15のNo)、続いて、設定情報に含まれる共通の照射時間を経過したか否か判断する(ステップS16)。制御部52等は、共通の照射時間を経過していないと判断した場合(ステップS16のNo)、終了条件の判断(ステップS15)に移行する。
【0055】
制御部52等は、共通の照射時間を経過したと判断した場合(ステップS16のYes)、紫外線の照射を停止し(ステップS17)、次の設定情報の読み出し(ステップS11)に移行する。制御部52等は、終了条件の判断(ステップS15)において、終了条件を満たしたと判断した場合(ステップS15のYes)、紫外線の照射を終了し(ステップS18)、処理を終了する。
【0056】
以上の処理により、予め設定された1または複数の位置に紫外線の照射を行って殺菌を行うことができる。これにより、殺菌が要望されるドアノブ等の特定の位置を自動的に殺菌することができる。また、複数の特定の位置を連続して殺菌することができる。
【0057】
<設定された位置に基づく自動照射(照射時間可変)>
図9は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502に保持される設定情報の他のデータ構造例を示す図である。
図9において、設定情報は、水平角度と垂直角度と照射時間との組を複数含んでいる。水平角度および垂直角度については、
図7と同様である。照射時間は、水平角度と垂直角度とにより特定された位置についての紫外線の照射時間である。紫外線の照射による殺菌効果は、光源部21からの距離と、紫外線の照射強度と、紫外線の照射時間とに依存するため、位置に応じて照射時間を設定可能とすることにより、所定の殺菌効果が得られるようにしている。
【0058】
図10は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502による他の制御例を示すフローチャートである。
図10において、制御部52等は、処理を開始すると、次の設定情報(最初は先頭の設定情報)の読み出しを行い(ステップS21)、設定情報があって読み出せたか否か判断する(ステップS22)。制御部52等は、設定情報がない場合または最後まで読み出し済で読み出せなかったと判断した場合(ステップS22のNo)、処理を終了する。
【0059】
制御部52等は、設定情報が読み出せたと判断した場合(ステップS22のYes)、続いて、設定情報に矛盾がない等により適正であるか否か判断する(ステップS23)。制御部52等は、読み出した設定情報が適正でないと判断した場合(ステップS23のNo)、次の設定情報の読み出し(ステップS21)に移行する。
【0060】
制御部52等は、読み出した設定情報が適正であると判断した場合(ステップS23のYes)、読み出した設定情報に従って紫外線の照射を開始する(ステップS24)。すなわち、設定情報に含まれる水平角度および垂直角度に光源部21の光軸を向けて紫外線の照射を行う。
【0061】
次いで、制御部52等は、ユーザーからの終了指示等による終了条件を満たすか否か判断し(ステップS25)、終了条件を満たさないと判断した場合(ステップS25のNo)、続いて、設定情報に含まれる位置ごとの照射時間を経過したか否か判断する(ステップS26)。制御部52等は、位置ごとの照射時間を経過していないと判断した場合(ステップS26のNo)、終了条件の判断(ステップS25)に移行する。
【0062】
制御部52等は、位置ごとの照射時間を経過したと判断した場合(ステップS26のYes)、紫外線の照射を停止し(ステップS27)、次の設定情報の読み出し(ステップS21)に移行する。制御部52等は、終了条件の判断(ステップS25)において、終了条件を満たしたと判断した場合(ステップS25のYes)、紫外線の照射を終了し(ステップS28)、処理を終了する。
【0063】
以上の処理により、予め設定された1または複数の位置ごとに照射時間を変えて紫外線の照射を行って殺菌を行うことができる。これにより、光源部21から離れた位置や、念入りな殺菌が要求される位置について、要求される殺菌効果を得ることができる。また、複数の位置に対して、要求される殺菌効果を一括に与えることができる。具体的には、光源部21から比較的離れた位置に照射する照射時間より光源部21から近い位置に照射する照射時間を短くすることにより、光源部21と所望される位置の間の距離に依存する殺菌効果のばらつきを抑制することができる。
【0064】
<設定情報の他の例>
図11~
図14は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502に保持される設定情報の他のデータ構造例を示す図である。
【0065】
図11は、
図9の設定情報における照射時間に代えて照射強度を設定可能としたものである。なお、設定情報には、図示は省略されているが、共通の照射時間を含むものとする。この例は、光源部21として、紫外線の照射強度を制御できる場合に利用可能である。処理フローとしては、
図8と同様になる。
【0066】
図12は、
図9の設定情報における照射時間に照射強度が加わったものである。処理フローとしては、
図10と同様になる。
【0067】
図13は、
図7、
図9、
図11または
図12の設定情報に波長が加わったものである。光源部21として、例えば、人に照射可能な222nmの波長と、人には照射できないが殺菌効果の高い230nmを超える波長とが切替可能である場合に利用可能である。人がいる可能性のある位置については222nmの波長、人がいる可能性のない位置については230nmを超える波長が設定される。
【0068】
図14は、
図13の設定情報に光源部21から殺菌対象までの距離が加わったものである。後述するように、殺菌装置1から床面までの距離は水平角度および垂直角度から算出することができるが、テーブルの上や壁面等については距離が容易に算出ができないため、設定可能としている。距離から、照射時間や照射強度は算出することができるため、照射時間や照射強度は省略することができる。
【0069】
<照射時間、照射強度、距離の自動設定の例>
図15は、床150上の位置P1、P2による殺菌装置1からの距離L1、L2の違いの例を示す図である。例えば、予め殺菌装置1の真下の位置P1までの距離L1(ほぼ天井高としてよい)が予め設定されていれば、離れた位置P2までの距離L2は、距離L1、L2の線分のなす角度θにより、三角関数を用いて算出(L2=L1/cosθ)することができる。なお、殺菌装置1の真下の位置P1までの距離L1がわからなくても、真下の位置P1に対する標準的な照射時間や照射強度を基準に、それに対してどの程度に照射時間や照射強度を増大させるべきかがわかる。これにより、
図9、
図11~
図14における、照射時間、照射強度、距離(床面の場合だけ)を自動設定することができる。
【0070】
<設定された範囲に基づく自動照射>
図16は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502に保持される設定情報の他のデータ構造例を示す図である。
図16において、設定情報は、複数の範囲の情報を含んでおり、各範囲は、複数の水平角度および垂直角度の組により特定されている。なお、範囲を囲む多角形の頂点により範囲を特定する例としているが、その他に、中心点の位置と半径とを用いたり、他の種々の範囲の特定手法を採用したりすることができる。また、設定情報は、
図7に示された複数の設定情報に共通の照射時間や、
図9、
図11~
図14に示された個々の設定情報ごとの照射時間、照射強度、波長、距離等を含むことができる。
【0071】
図17は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502による他の制御例を示すフローチャートである。
図17において、制御部52等は、処理を開始すると、次の設定情報(最初は先頭の設定情報)の読み出しを行い(ステップS31)、設定情報があって読み出せたか否か判断する(ステップS32)。制御部52等は、設定情報がない場合または最後まで読み出し済で読み出せなかったと判断した場合(ステップS32のNo)、処理を終了する。
【0072】
制御部52等は、設定情報が読み出せたと判断した場合(ステップS32のYes)、続いて、設定情報に矛盾がない等により適正であるか否か判断する(ステップS33)。制御部52等は、読み出した設定情報が適正でないと判断した場合(ステップS33のNo)、次の設定情報の読み出し(ステップS31)に移行する。
【0073】
制御部52等は、読み出した設定情報が適正であると判断した場合(ステップS33のYes)、読み出した設定情報の範囲から、紫外線の照射幅を考慮して小範囲に分割し(ステップS34)、分割された先頭の小範囲から設定情報に従って紫外線の照射を開始する(ステップS35)。
【0074】
ここで、
図18A~
図18Dにより、小範囲への分割および紫外線の照射の例について説明する。
図18Aは、複数の位置P1~P4により範囲が指定された例を示す図である。ここでは、位置P1~P4により矩形の範囲が指定されているものとしている。
図18Bは、指定された範囲が複数の小範囲R1~R3に分割された例を示す図である。ここでは、位置P1から位置P2に直線状に伸びる小範囲R1と、小範囲R1に並ぶ小範囲R2と、位置P3から位置P4に直線状に伸びる小範囲R3とに分割されたものとしている。
【0075】
図18Cは、分割された小範囲R1についての殺菌装置1による紫外線の照射の状態を示す図(1)であり、位置P1から紫外線の照射を開始している。
図18Dは、分割された小範囲R1についての殺菌装置1による紫外線の照射の状態を示す図(2)であり、位置P1から位置P2まで紫外線の照射が行われてきた状態を示している。同様に、位置P2からX軸のマイナス方向にほぼ照射幅だけ移動した後、小範囲R2についてY軸のマイナス方向に移動しつつ紫外線の照射を行う。そして、小範囲R3についても同様に紫外線の照射を行い、位置P1~P4により指定される範囲について紫外線の照射を完了する。なお、設定情報において、照射時間、照射強度、波長、距離等が設定されている場合、それらの設定に従って紫外線の照射が行われる。
【0076】
図17に戻り、次いで、制御部52等は、ユーザーからの終了指示等による終了条件を満たすか否か判断し(ステップS36)、終了条件を満たさないと判断した場合(ステップS36のNo)、続いて、範囲内の照射を終了したか否か判断する(ステップS37)。制御部52等は、範囲内の照射を終了していないと判断した場合(ステップS37のNo)、終了条件の判断(ステップS36)に移行する。
【0077】
制御部52等は、範囲内の照射を終了したと判断した場合(ステップS37のYes)、紫外線の照射を停止し(ステップS38)、次の設定情報の読み出し(ステップS31)に移行する。制御部52等は、終了条件の判断(ステップS36)において、終了条件を満たしたと判断した場合(ステップS36のYes)、紫外線の照射を終了し(ステップS39)、処理を終了する。
【0078】
以上の処理により、予め設定された1または複数の範囲に紫外線の照射を行って殺菌を行うことができる。これにより、殺菌が要望される範囲を漏れなく自動的に殺菌することができる。
【0079】
<設定された範囲に基づく自動照射(簡略型)>
上述した
図17の処理では、範囲を複数の小範囲に分割を行っていたが、より簡略な手法として、範囲を指定する位置(点)の間に中点等の分割点を付与し、それらの位置(点)を紫外線の照射の対象とすることで、より簡易に処理を行うようにしている。
【0080】
図19は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502による他の制御例を示すフローチャートである。なお、設定情報は、
図16と同様であり、複数の範囲に共通の照射時間や、個々の範囲ごとの照射時間、照射強度、波長、距離等を含むことができる。
【0081】
図19において、制御部52等は、処理を開始すると、次の設定情報(最初は先頭の設定情報)の読み出しを行い(ステップS41)、設定情報があって読み出せたか否か判断する(ステップS42)。制御部52等は、設定情報がない場合または最後まで読み出し済で読み出せなかったと判断した場合(ステップS42のNo)、処理を終了する。
【0082】
制御部52等は、設定情報が読み出せたと判断した場合(ステップS42のYes)、続いて、設定情報に矛盾がない等により適正であるか否か判断する(ステップS43)。制御部52等は、読み出した設定情報が適正でないと判断した場合(ステップS43のNo)、次の設定情報の読み出し(ステップS41)に移行する。
【0083】
制御部52等は、読み出した設定情報が適正であると判断した場合(ステップS43のYes)、読み出した設定情報の範囲から、予め定められたルールや紫外線の照射幅を考慮して分割点を付与し(ステップS44)、分割された先頭の位置または分割点から設定情報に従って紫外線の照射を開始する(ステップS45)。
【0084】
ここで、
図20A~
図20Dにより、分割点の付与および紫外線の照射の例について説明する。
図20Aは、複数の位置P1~P4により範囲が指定された例を示す図である。ここでは、位置P1~P4により矩形の範囲が指定されているものとしている。
図20Bは、指定された複数の位置P1~P4の間に分割点による位置P5~P9が付与された状態を示す図である。ここでは、位置P1と位置P2との間に位置P5の分割点が、位置P1と位置P3との間に位置P6の分割点が、位置P2と位置P4との間に位置P7の分割点が、位置P3と位置P4との間に位置P8分割点が、位置P5と位置P8との間(または位置P6と位置P7との間)に位置P9の分割点が付与されている。
【0085】
なお、紫外線の照射幅を考慮しないルールとして、例えば、範囲の設定(指定)において、ユーザーから指定されたパラメータに応じ、パラメータが「1」ならば指定された位置だけを照射の対象、パラメータが「2」ならば指定された位置の間(中点)に分割点を付与、パラメータが「3」ならば指定された位置の間に3等分の分割点を付与というようにしてもよい。
【0086】
図20Cは、各位置についての殺菌装置1による紫外線の照射の状態を示す図(1)であり、位置P1から紫外線の照射を開始している。
図20Dは、各位置についての殺菌装置1による紫外線の照射の状態を示す図(2)であり、位置P1に続いて位置P5に紫外線の照射が行われている状態を示している。同様に、位置P2→位置P7→位置P9→位置P6→位置P3→位置P8→位置P4に紫外線の照射が行われ、位置P1~P4により指定される範囲について紫外線の照射を完了する。なお、設定情報において、照射時間、照射強度、波長、距離等が設定されている場合、それらの設定に従って紫外線の照射が行われる。また、分割点に対しても設定情報に基づいて紫外線の照射が行われる。
【0087】
図19に戻り、次いで、制御部52等は、ユーザーからの終了指示等による終了条件を満たすか否か判断し(ステップS46)、終了条件を満たさないと判断した場合(ステップS46のNo)、続いて、範囲内の照射を終了したか否か判断する(ステップS47)。制御部52等は、範囲内の照射を終了していないと判断した場合(ステップS47のNo)、終了条件の判断(ステップS46)に移行する。
【0088】
制御部52等は、範囲内の照射を終了したと判断した場合(ステップS47のYes)、紫外線の照射を停止し(ステップS48)、次の設定情報の読み出し(ステップS41)に移行する。制御部52等は、終了条件の判断(ステップS46)において、終了条件を満たしたと判断した場合(ステップS46のYes)、紫外線の照射を終了し(ステップS49)、処理を終了する。
【0089】
以上の処理により、予め設定された1または複数の範囲に紫外線の照射を行って殺菌を行うことができる。これにより、殺菌が要望される範囲を漏れなく自動的に殺菌することができる。また、付与した分割点により所定範囲を離散的に殺菌することができることから、小範囲に分割する場合に比べて光源部21の点灯時間を短くして光源部21の長寿命化を図ることができる。
【0090】
<時刻や人の有無に応じた処理>
図21は、制御装置5の制御部52、端末10の制御部12、または、制御装置500の制御部502による他の制御例を示すフローチャートである。
図21において、制御部52等は、処理を開始すると、トリガタイプによって処理を分岐する(ステップS501)。なお、トリガタイプは予めユーザー等により設定されているものとする。
【0091】
制御部52等は、トリガタイプが時刻である場合、予め設定された開始時刻に到達したか否か判断し(ステップS502)、まだ到達していない場合(ステップS502のNo)は同判断を繰り返す。なお、時刻については、曜日や年月日が付加された、いわゆるスケジュール情報であってもよい。また、時刻についての判断は、制御部52等に内蔵されたタイマーの情報を用いて行われる。
【0092】
制御部52等は、予め設定された開始時刻に到達したと判断した場合(ステップS502のYes)、
図8、
図10、
図17または
図19の処理を開始する(ステップS503)。
【0093】
次いで、制御部52等は、開始された処理が終了したか否か判断し(ステップS504)、終了していない場合(ステップS504のNo)は同判断を繰り返す。そして、制御部52等は、開始された処理が終了したと判断した場合(ステップS504のYes)、処理を終了する。
【0094】
一方、制御部52等は、トリガタイプが開始のみ人検出(開始条件が人の検出)である場合、所定範囲内に人を検出したか否か判断し(ステップS505)、まだ検出していない場合(ステップS505のNo)は同判断を繰り返す。なお、人の検出は人感センサ400(
図1)等を用いて行われる。
【0095】
制御部52等は、所定範囲内に人を検出したと判断した場合(ステップS505のYes)、
図8、
図10、
図17または
図19の処理を開始する(ステップS506)。
【0096】
次いで、制御部52等は、開始された処理が終了したか否か判断し(ステップS507)、終了していない場合(ステップS507のNo)は同判断を繰り返す。そして、制御部52等は、開始された処理が終了したと判断した場合(ステップS507のYes)、処理を終了する。
【0097】
一方、制御部52等は、トリガタイプが開始および終了が人検出(開始条件が人の検出、終了条件が人の不検出)である場合、所定範囲内に人を検出したか否か判断し(ステップS508)、まだ検出していない場合(ステップS508のNo)は同判断を繰り返す。
【0098】
制御部52等は、所定範囲内に人を検出したと判断した場合(ステップS508のYes)、
図8、
図10、
図17または
図19の処理を開始する(ステップS509)。
【0099】
次いで、制御部52等は、所定範囲内に人を検出していないか否か判断し(ステップS510)、まだ検出している場合(ステップS510のNo)は同判断を繰り返す。
【0100】
制御部52等は、所定範囲内に人を検出していないと判断した場合(ステップS510のYes)、紫外線の照射を終了し(ステップS511)、処理を終了する。
【0101】
なお、一つのパターンとして、人が検出されている間だけ紫外線の照射を行う場合について説明したが、反対に、人が検出されていない間だけ紫外線の照射を行うようにすることもできる。
【0102】
以上の処理により、所望のスケジュール情報や、人の有無に応じて紫外線の照射を行わせることができる。
【0103】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0104】
以上のように、実施形態に係る殺菌システムは、放射状の紫外線を照射する光源部と、光源部を水平方向に対して回動することで、光源部の水平角度を調整する水平角度調整部および/または、光源部を垂直方向に対して回動することで、光源部の垂直角度を調整する垂直角度調整部と、水平角度および/または垂直角度を含む設定情報を読み出して水平角度調整部および/または垂直角度調整部の回動を制御し、光源部による紫外線の照射を制御する制御装置とを備える。これにより、広範囲の殺菌対象空間を容易に殺菌することができる。
【0105】
また、設定情報は、照射時間および/または、照射強度、および/または、波長を含み、制御装置は、設定情報に基づいて紫外線の照射を制御する。これにより、所定の殺菌効果を担保することができる。
【0106】
また、制御装置は、読み出した設定情報の垂直角度から床面までの距離を推定し、照射時間、照射強度、または、波長を変更する。これにより、所定の殺菌効果を担保することができる。
【0107】
また、設定情報は、水平角度および/または垂直角度による位置の複数により特定される範囲を含み、制御装置は、範囲を複数の小範囲に分割し、または、位置の間に1以上の分割点を付与し、小範囲または位置および分割点に対して紫外線の照射を行わせる。これにより、所望の範囲内を漏れなく殺菌することができる。
【0108】
また、制御装置は、設定されたスケジュール情報または人の検出結果に応じ、紫外線の照射を制御する。これにより、柔軟な殺菌作業が可能となる。
【0109】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0110】
1、1A、1B 殺菌装置,21 光源部,3 垂直角度調整部,4 水平角度調整部,5 制御装置,10 端末,500 制御装置,C1 照射位置設定部,C2 照射位置制御部,C3 照射制御部