(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】改良された最小圧力弁及び当該最小圧力弁を点検整備する方法
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20230628BHJP
F04B 39/10 20060101ALI20230628BHJP
F04B 39/04 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
F16K27/00 B
F04B39/10 A
F04B39/04 G
(21)【出願番号】P 2020552402
(86)(22)【出願日】2018-10-02
(86)【国際出願番号】 IB2018057628
(87)【国際公開番号】W WO2019186258
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-01-20
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】マルテンス クリストフ エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ド シャンフェラエーレ ピーター
【審査官】笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-539182(JP,A)
【文献】特開平09-119375(JP,A)
【文献】特開2010-270839(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第00953755(GB,A)
【文献】特開昭57-161374(JP,A)
【文献】特表2016-530450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00
F04B 39/10
F04B 39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のチャンバ及び接続空間(22a、22b)によって互いに接続された弁入口(11)及び弁出口(12)を有するハウジング(17)を備える最小圧力弁(10)であって、前記最小圧力弁(10)は、第2のチャンバ(20)内に設置されて、一方において、前記弁入口(11)が閉鎖された閉鎖位置と、他方において、前記弁入口(11)が開放された開放位置との間を移動できる弁本体(21)をさらに備え、前記最小圧力弁(10)は、シール及び/又はスライド部品(24、26、30)を有する構成要素をさらに備え、前記最小圧力弁(10)の部分組立体(22)は、前記ハウジング(17)の開口(31)を介して分解及び/又は組立ができ、前記部分組立体(22)は、
装着中及び装着後に1つの方向でのみ前記最小圧力弁(10)の前記ハウジング(17)内に装着できるような形状を有することを特徴とする、最小圧力弁(10)。
【請求項2】
前記開口(31)は、前記最小圧力弁(10)の前記ハウジング(17)の側壁に位置する、請求項1に記載の最小圧力弁(10)。
【請求項3】
前記部分組立体(22)は、前記シール及び/又はスライド部品(24、26、30)を備える構成要素を備え、前記構成要素は、前記第2のチャンバ(20)、前記弁本体(21)、及び逆止弁(36)を備える、請求項1又は2に記載の最小圧力弁(10)。
【請求項4】
前記最小圧力弁(10)の前記ハウジング(17)の前記開口(31)は、蓋(32)で覆われる、請求項1から3のいずれかに記載の最小圧力弁(10)。
【請求項5】
前記蓋(32)は、取り外すこと及びその後に再び取り付けることができるボルト(34)で前記ハウジング(17)上に装着される、請求項4に記載の最小圧力弁(10)。
【請求項6】
シール(38)が、気密を保証するために前記蓋(32)と前記最小圧力弁(10)の前記ハウジング(17)との間に設けられる、請求項4又は5に記載の最小圧力弁(10)。
【請求項7】
前記シール及び/又はスライド部品(24、26、30)を備えた構成要素を有する前記部分組立体(22)は、前記最小圧力弁(10)の前記ハウジング(17)の前記側壁の前記開口(31)を貫通することができる、請求項2に記載の最小圧力弁(10)。
【請求項8】
前記シール及び/又はスライド部品(24、26、30)を備えた構成要素を有する前記部分組立体(22)は、前記最小圧力弁(10)の内部に固定することができる、請求項1から7のいずれかに記載の最小圧力弁(10)。
【請求項9】
前記蓋(32)、及び、前記シール及び/又はスライド部品(24、26、30)を備えた構成要素を有する前記部分組立体(22)は結合されており、前記部分組立体(22)は、前記蓋(32)と一緒に取り外すことができる、請求項4に記載の最小圧力弁(10)。
【請求項10】
前記部分組立体(22)及び/又は前記蓋(32)は、例えば、取り扱いを容易にするための追加の機能を備える、請求項1から9のいずれかに記載の最小圧力弁(10)。
【請求項11】
前記部分組立体(22)は、特定の空気圧を前記構成要素に加えることができるように接続部(40)を備える、請求項1から10のいずれかに記載の最小圧力弁(10)。
【請求項12】
前記接続部(40)は、前記最小圧力弁(10)の前記ハウジング(17)の結合部に結合する、請求項11に記載の最小圧力弁(10)。
【請求項13】
前記接続部(40)は、前記シール及び/又はスライド部品(24、26、30)を備えた構成要素を有する前記部分組立体(22)を前記ハウジング(17)に対してクランプすることで実現され、前記ハウジング内の出口は、前記部分組立体(22)の入口に接続されている、請求項12に記載の最小圧力弁(10)。
【請求項14】
前記接続部(40)は、可撓管及びねじ又はバヨネットキャッチを用いて前記最小圧力弁(10)の前記ハウジング(17)の結合部に結合される、請求項11に記載の最小圧力弁(10)。
【請求項15】
前記接続部(40)は前記ハウジング(17)の前記開口(31)を覆う蓋(32)に一体化され、前記蓋(32)は、前記シール及び/又はスライド部品(24、26、30)を備えた構成要素を有する前記部分組立体(22)に結合され、前記蓋(32)を備えた前記部分組立体(22)の組立後に、前記シール及び/又はスライド部品(24、26、30)を備えた構成要素を有する前記部分組立体(22)に空気圧を供給するために、外部可撓管を前記蓋(32)に接続できるようになっている、請求項11に記載の最小圧力弁(10)。
【請求項16】
ガス入口(3)及び圧縮ガス用の出口(4)を有する圧縮機要素(2)を備える圧縮機(1)であって、前記圧縮機(1)は、前記圧縮ガス用の出口(4)に接続した入口(7)を有する圧力容器(6)をさらに備え、請求項1から15のいずれかに記載の最小圧力弁(10)が、前記圧力容器(6)の出口(8)上に設けられ、前記最小圧力弁(10)は、前記弁入口(11)が前記圧力容器(6)の前記出口(8)へ接続され、前記弁出口(12)がユーザネットワーク(9)に接続するように構成されており、前記最小圧力弁(10)は、ハウジング(17)を備え、前記弁入口(11)及び前記弁出口(12)は、第1のチャンバ及び接続空間(22a、22b)で接続されており、前記最小圧力弁(10)は、第2のチャンバ(20)内に設置されて、前記弁入口(11)が閉鎖される閉鎖位置と、前記弁入口(11)が開放される開放位置との間で移動できる弁本体(21)をさらに備え、前記最小圧力弁(10)の部分組立体(22)は、前記ハウジング(17)の開口(31)を介して分解及び/又は組立ができる、圧縮機(1)。
【請求項17】
前記圧縮機は液体又はオイル注入式圧縮機である、請求項16に記載の圧縮機(1)。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の圧縮機(1)であって、前記圧縮機(1)は、請求項1から15のいずれかに記載の最小圧力弁(10)を備える、圧縮機(1)。
【請求項19】
圧縮機(1)の最小圧力弁(6)を点検整備する方法であって、前記圧縮機(1)は、ガス入口(3)及び圧縮ガス用の出口(4)を有する圧縮機要素(2)を備え、前記圧縮機(1)は、前記圧縮ガス用の出口(4)に接続した入口(7)を有する圧力容器(6)をさらに備え、請求項1から15のいずれかに記載の最小圧力弁(10)が、前記圧力容器(6)の出口(8)上に設けられ、前記最小圧力弁(10)は、前記弁入口(11)が前記圧力容器(6)の前記出口(8)へ接続され、前記弁出口(12)がユーザネットワーク(9)に接続するように構成されており、前記最小圧力弁(10)は、ハウジング(17)を備え、前記弁入口(11)及び前記弁出口(12)は、第1のチャンバ及び接続空間(22a、22b)で接続されており、前記最小圧力弁(10)は、第2のチャンバ(20)内に設置されて、前記弁入口(11)が閉鎖される閉鎖位置と、前記弁入口(11)が開放される開放位置との間で移動できる弁本体(21)をさらに備え、前記最小圧力弁(10)の部分組立体(22)は、前記ハウジング(17)の開口(31)を介して分解及び/又は組立ができ、前記部分組立体(22)は、前記シール及び/又はスライド部品(24、26、30)を有する構成要素を備える、方法。
【請求項20】
a.前記最小圧力弁(10)の前記開口(31)から前記部分組立体(22)を取り外すステップと、
b.前記弁本体(21)を取り外すステップと、
c.前記シール及び/又は前記スライド部品(24、26、30)を交換するステップと、
d.前記部分組立体(22)から逆止弁(36)を取り外して、前記逆止弁(
36)のスライドリング(37)を交換するステップと、
e.前記逆止弁(36)及び前記弁本体(21)の再組立を行うステップと、
f.前記部分組立体(22)を前記最小圧力弁(10)の前記ハウジング(17)の前記開口(31)に戻すステップと、
を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に圧縮機装置と共に使用するための最小圧力弁に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機装置は、多くの場合、圧力容器の出口に取り付けられた最小圧力弁を備え、最小圧力弁は、オイル注入式圧縮機の場合、圧縮機要素から流出する圧縮ガスからオイルなどの液体を分離する際に役立つことが知られている。
【0003】
ガス圧縮時に圧縮機の要素内に例えばオイルなどの液体を注入することで、圧縮ガスの温度上昇を制御することができる。冷却媒体は、通常、多くの場合、圧縮機要素の下流側に配置された圧力容器内に統合された液体分離器内で圧縮ガス流から分離される。次に、冷却媒体は、通常、リサイクルされて圧力容器又は液体分離器から冷却器を通って圧縮機要素に戻される。
【0004】
冷却媒体が冷却回路を貫流する間、冷却媒体の圧力は低下することになる。冷却媒体の圧力が圧縮機要素の中に注入するために十分に高い状態のままであることを保証するために、圧力容器内の圧力は、十分に高いレベルに維持する必要がある。
【0005】
最小圧力弁は、圧縮機装置の負荷運転時に、圧力容器内の圧力が所定の最小レベルよりも低くならないことを保証する。この最小値は、最小圧力弁の「設定点」として知られている。
【0006】
この設定点は、冷却媒体の注入がどのような状況でも常に保証されるように選択される。このことは、一時的な状態の間であっても、圧力がピーク温度を防ぐために十分に高いままであることを意味する。また、設定点は、圧力容器又は液体分離器を通過する流量がそれほど高くないように、詳細には液体分離器又は圧力容器の中に配置された、液体分離器の後の(合体)フィルタを通過する流量が構成要素の損傷を防止するためにさほど高くないように選択される。
【0007】
加えて、通常、逆止弁が最小圧力弁に取り付けられる。この逆止弁は、圧縮機が停止される又は無負荷で運転される場合に、ユーザネットワークからエネルギが失われないように、圧縮機に接続されたユーザネットワークが加圧されたままであることを保証する。
【0008】
このような最小圧力弁は、例えば中国公開第101,520,103号に記載されたような産業で使用される。
【0009】
しかしながら、最小圧力弁に関連した特定の問題が存在する。
【0010】
最小圧力弁は、適宜、保守管理を必要とする。より詳細には、経時的に、ピストンのスライドリング及び/又は弁ステム、及び/又は存在する場合はシールの摩耗が存在する。このような摩耗は空気漏れを引き起こす可能性があり、これは可動部品上の圧力及び/又は意図された圧力バランスを妨害する可能性があり、弁が不正確に作動する原因になる可能性がある。最悪の場合、一部の可動部品が動かなくなり、弁が非効果的に作動することにつながる。
【0011】
この理由から、スライドリング及び/又はシールは、例えば圧縮機に対する他の保守管理、例えばオイル交換、新しい吸い込みフィルタ、又はオイルフィルタなどと組み合わせて定期的に交換される。オイル注入式圧縮機に関して、保守管理は8000運転時間毎に行うことができる。
【0012】
スライドリング及び/又はシールを交換するために、技術者は最初に最小圧力弁を分解する。最小圧力弁の入口は、通常、オイル分離容器の最上部に取り付けられており、さらにオイル分離容器の出口に接続するが、大部分のオイルから分離された後の空気は、オイル分離容器から出る。通常、最小圧力弁の出口は、後段冷却器に接続する。両方の接続は、直接、又は追加の配管を用いて行われる。接続は、ボルト締めフランジ又は可撓性接続を用いて行うことができる。
【0013】
技術者は、最小圧力弁の出口を後段冷却器から取り外すことができ、多くの場合、最小圧力弁と後段冷却器との間の配管を外し、次にオイル分離容器の出口側で最小圧力弁を切り離し、最後に最小圧力弁を圧縮機から取り外す。この最小圧力弁を取り外すために多くの作業を必要とすることが明らかである。
【0014】
最小圧力弁のサイズに応じて、最小圧力弁の重量は相当になる可能性がある。20kg以上の重量の最小圧力弁は珍しくない。しかしながら、技術者は、常に現場で持ち上げ装置を持っておらず、仮に持ち上げ装置を持っていても圧縮機の中央から最小圧力弁を取り外すのは大変である。技術者は、多くの場合、単独で作業を行うので手を貸してくれる仲間がいない。従って、多くの場合、技術者は、自分で手を使って最小圧力弁を取り外すことになる。これは人間工学的な観点から理想的ではく、危険を伴うことさえある。
【0015】
次に、技術者は、最小圧力弁を検査できる場所に搬送することになる。これは作業場、可能な場合は自身の会社車両、場合によっては単純に床上の空地である。いずれの場合でも、技術者は、最小圧力弁を適切な場所に搬送するする必要がある。場合によっては、技術者は、最小圧力弁は搬送するのに利用できる台車を有することができるが、技術者は、多くの場合、最小圧力弁をまさに自分で運ぶことになる。この場合も人間工学の観点から理想ではない。
【0016】
次に、技術者は、最小圧力弁を分解し、スライドリング及び/又はシールを交換して、最小圧力弁の再組立を行うことができる。従って、技術者は、最小圧力弁を圧縮機内に戻すことができ、この場合も上記と全く同じ不都合がある。
【0017】
最小圧力弁の保守管理は、時間がかかり、場合によっては全く人間工学的でなく、時として危険であることが明らかである。
【0018】
さらなる問題は、最小圧力弁の解体後、オイル分離容器の出口が露出することである(特に、最小圧力弁がオイル分離容器上に直接取り付けられた場合)。ほこりや水分が容器及びオイル回路に入る可能性があり、小規模(オイルフィルタ内にほこり)から大規模(例えば、圧縮機要素の中に軸受の早期故障)の範囲の様々な影響がもたらされる。例えば、ナット又はボルトなどの物体がオイル分離容器の中に落下することが起こり得る。オイル分離容器からこの落下物を取り出す試行は、多くの場合複雑であるが、これは技術者が多くの場合余分な予備部品をもっておらず、さらに費用がいくらかかっても落下物がオイル分離容器内の残るのを回避することは不可欠なので、必須である。
【0019】
技術者は、オイル分離器の出口を一時的シールすることで、このような出来事の全てを防ぐことができるが、これは余分な工具及び作業を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、上記及び他の欠点のうちの少なくとも1つに対する解決策を提供することである。
【0021】
本発明の目標は、補修又は保守管理に時間がかからず、より人間工学的で、危険性が少なく、保守管理の間にほこり及び他の汚染物質にあまり晒されない、最小圧力弁を提供することである。
【0022】
従って、本出願は、最小圧力弁の改良された設計に関する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
このために、本発明は、接続空間によって他方に接続された弁入口及び弁出口を有するハウジングを備える最小圧力弁に関し、最小圧力弁は、チャンバ内に設置されて、一方において、弁入口がシールされた閉鎖位置と、他方において、弁入口が開放された開放位置との間を移動できる弁本体をさらに備え、最小圧力弁は、シール及び/又はスライド部品を有する構成要素をさらに備え、最小圧力弁の部分組立体は、ハウジングの開口を介して組立及び/又は分解ができる。
【0024】
好ましくは、最小圧力弁の部分組立体は、最小圧力弁のハウジングの側壁の開口を介して組立及び/又は分解ができる。
【0025】
本発明による最小圧力弁の好ましい実施形態において、部分組立体は、典型的に、シールリング及び/又はスライドリングなどのシール及び/又はスライド部品を有する構成要素を備える。
【0026】
この利点は、最小圧力弁全体を分解するのに伴う重労働及び時間損失なしで、摩耗及び/又は経年変化を受けたシール及び/又はスライド部品を簡単に検査することができ、必要であれば交換することができる。
【0027】
加えて、最小圧力弁の取り外された部分組立体は、最小圧力弁全体よりもかなり軽量であり、部分組立体の取り外し及び交換はより人間工学的に行うことができる。部分組立体の他の全ての取り扱いは単純かつ実用的である。
【0028】
他の利点は、最小圧力弁とオイル分離容器及び/又は後段冷却器(又はオイル分離容器及び/又は後段冷却器に通じる配管)との間の接続部をシールするために、これらは切断する必要がないので再利用に適している必要のないシールを用いることができる。これは、安価及び/又は永続的とすることができる金属製シール、接着剤、又は平面シールを使用できることも意味する。
【0029】
他の利点は、オイル分離容器及び/又は後段冷却器との接続部は、最小圧力弁の部分組立体が取り外された場合に少なくとも部分的に覆われることである。
【0030】
本発明による最小圧力弁の第1の実施形態において、最小圧力弁のハウジングの側壁の開口は、蓋で覆われる。
【0031】
この蓋は、好ましくは、取り外すこと及びその後に再び取り付けることができるボルト又は他の種類の留め具で取り付けられる。
【0032】
好ましくは、シールが、気密を保証するために蓋と最小圧力弁のハウジングとの間に設けられる。
【0033】
本発明による最小圧力弁の他の好ましい実施形態において、シール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する部分組立体は、最小圧力弁のハウジングの側壁の開口を貫通することができる。
【0034】
本発明による最小圧力弁の他の好ましい実施形態において、シール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する部分組立体は、例えば、取り外すこと及びその後に再び取り付けることができるクランプ又は他の種類の留め具を用いて、最小圧力弁の内部に固定することができる。
【0035】
この利点は、オイル分離容器との接続部が、少なくとも部分的に覆われたままであり、ほこり及び/又は湿分又は他の物体が貫通してオイル分離容器の中に入る/落下するリスクが低減することである。
【0036】
好ましくは、シール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する部分組立体は特定の形状を有するので、部分組立体は1つの特定の方法でのみ最小圧力弁のハウジング内に装着できる。
【0037】
本発明による最小圧力弁の第2の実施形態において、蓋、及び、シール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する部分組立体は結合されており、シール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する部分組立体は、蓋と一緒に取り外すことができる。
【0038】
好ましくは、シール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する部分組立体及び/又は蓋は、例えば、取り扱いを容易にするための蓋のハンドルなどの追加の機能を備えることができる。
【0039】
他の実施例は、シール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する部分組立体上の追加の脚部/伸長部であり、部分組立体は、表面上に適切な方法で置くことができ、技術者は検査及び/又は修正のために容易にアクセスすることができる。
【0040】
本発明による最小圧力弁の他の実施形態において、シール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する部分組立体は、接続部を備えているので、例えばピストンに作用する特定の空気圧を構成要素に加えることができる。
【0041】
このような接続部の第1の実施形態において、この接続部は、最小圧力弁のハウジングの結合部に結合することができる。
【0042】
このような接続部の特定の実施形態において、この接続部は、シール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する部分組立体をハウジングに対してクランプすることで実現され、ハウジング内の出口は、部分組立体の入口に接続され、好ましくは、結合部は、特定の公差及び気密を保証するのに適しているシールも有する。
【0043】
このような接続部の第2の実施形態において、この接続部は、可撓管及びねじ又はバヨネットキャッチを用いて最小圧力弁のハウジングの結合部に結合される。
【0044】
このような接続部の第3の実施形態において、この接続部は、蓋に一体化され、蓋は、シール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する部分組立体に結合され、蓋を備えた部分組立体の組立後に、シール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する部分組立体に空気圧を供給するために、外部可撓管を蓋に接続できるようになっている。
【0045】
第2の態様において、本発明は、ガス入口及び圧縮ガス用の出口を有する圧縮機要素を備える圧縮機に関し、圧縮機は、圧縮ガス用の出口に接続した入口を有する圧力容器をさらに備え、上記のような最小圧力弁が、圧力容器の出口上に直接、又は所定の距離で(中間接続要素を用いて)設けられ、最小圧力弁は、弁入口が圧力容器の出口へ接続され、弁出口がユーザネットワークに接続するように構成されており、最小圧力弁は、ハウジングを備え、弁入口及び弁出口は、チャンバ及び接続空間で接続されており、最小圧力弁は、チャンバ内に設置されて、弁入口が閉鎖される閉鎖位置と、弁入口が開放される開放位置との間で移動できる弁本体をさらに備え、最小圧力弁のシール及び/又はスライド部品を備えた構成要素を有する一部分(部分組立体)は、ハウジングの、好ましくはハウジングの側壁の、開口を介して分解及び/又は組立ができる。
【0046】
圧縮機は、好ましくは液体又はオイル注入式圧縮機である。
【0047】
本発明の第3の態様は、上記のような圧縮機の最小圧力弁を点検整備するための方法に関し、圧縮機は、ガス入口及び圧縮ガス用の出口を有する圧縮機要素を備え、圧縮機は、圧縮ガス用の出口に接続した入口を有する圧力容器をさらに備え、上記のような最小圧力弁は、圧力容器の出口上に直接、又は所定の距離で(中間接続要素を用いて)設けられ、最小圧力弁が、弁入口が圧力容器の出口へ接続され、弁出口がユーザネットワークに接続するように構成されており、最小圧力弁は、ハウジングを備え、弁入口及び弁出口は、チャンバ及び接続空間で接続されており、最小圧力弁は、チャンバ内に設置されて、弁入口が閉鎖される閉鎖位置と、弁入口が開放される開放位置との間で移動できる弁本体をさらに備え、最小圧力弁の、シールリング及び/又はスライドリングなどのシール及び/又はスライド部品を有する構成要素を備える部分組立体は、ハウジングの、好ましくはハウジングの側壁の、開口を介して分解及び/又は組立ができ、部分組立体は、シールリング及び/又はスライドリンなどのシール及び/又はスライド部品を有する構成要素を備える。
【0048】
本方法は、a)部分組立体のボルトを取り外すステップと、b)最小圧力弁の開口から部分組立体を取り外すステップと、c)弁本体を取り外すステップと、d)シール及びスライドリングを交換するステップと、e)逆止弁を取り外して、スライドリングを交換するステップと、f)逆止弁及び弁本体の再組立を行うステップと、g)部分組立体のボルトを最小圧力弁のハウジング上に締結するステップと、を含む。
【0049】
本発明との関連において、最小圧力弁に関連する上記の利点は、圧縮機及び方法に適用されることを理解されたい。
【0050】
本発明の特徴を最善に示す目的で、本発明による最小圧力弁の好ましい実施形態は、非限定的に添付図面を参照して、例示的に以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図2】本発明による実施形態の最小圧力弁の断面を概略的に示す。
【
図3】本発明による実施形態の最小圧力弁の断面を概略的に示す。
【
図4】本発明による最小圧力弁と共に使用することができるシールを概略的に示す。
【
図5】本発明による最小圧力弁と共に使用することができるシールを概略的に示す。
【
図6】本発明の好ましい実施形態による最小圧力弁の概観を概略的に示す。
【
図7】本発明の好ましい実施形態による最小圧力弁の断面を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、ガス入口3及び圧縮ガス出口4を備える圧縮機要素2で構成される圧縮機1を示す。圧縮機1は、通常、固定速度又は可変速モータ5で駆動される。
【0053】
圧縮機要素2は、ロータを用いて又はピストン圧縮機運動によって圧縮プロセスが行われるハウジングとして解釈される必要がある。
【0054】
圧縮機1は、圧縮ガス出口4に接続された入口7及びユーザネットワーク9に接続された出口8を含む圧力容器6を備える。この圧力容器6は、容器内部で空気が大部分の液体から分離されるので液体分離器としても知られている。次に、分離された液体は、戻り管16を通って圧縮機要素に戻される。
【0055】
また、圧縮機1は、液体分離器6の中に又は液体分離器6の後の圧力容器13の中に取り付けられた(合体)フィルタを備える。
【0056】
最小圧力弁10は、圧力容器6とユーザネットワーク9との間に設けられた液体管上で出口8に設けられる。
【0057】
最小圧力弁10は、圧力容器6の出口8に接続された弁入口11と、ユーザネットワーク9に接続されるようになった弁出口12とを有する。
【0058】
管14は、最小圧力弁10の圧力制御エントリと共に圧力容器6の出口8に接続する。すなわち、この管には、供給管14を通して供給される圧力を調整する制御ユニット15が設けられている。
【0059】
図2及び3は、本発明による最小圧力弁10の断面を示す。
【0060】
最小圧力弁10は、ハウジング入口18、ハウジング出口19、取り外し可能な部分組立体22を収容するためのチャンバ22a、及びチャンバ22aとハウジング出口19との間の接続空間22bを有するハウジング17を備える。
【0061】
最小圧力弁が圧縮機1の内部に取り付けられると、ハウジング入口18は弁入口11と流体接続し、ハウジング出口19は弁出口12と流体接続する。
【0062】
最小圧力弁10は、チャンバ20内で弁入口11が閉鎖される閉鎖位置と弁入口11が開放される開放位置との間を移動できる弁本体21を備える。
【0063】
弁入口11が閉鎖されると、流体は、全く又はほとんど最小圧力弁10を通過できない、すなわちハウジング入口18からハウジング出口19へ、さらにユーザネットワーク9に向かって流れることができない。
【0064】
弁入口11が開放される場合を考えると、液体は、ハウジング入口18からハウジング出口19へ、さらにユーザネットワーク9に向かって最小圧力弁10を通過することができる。
【0065】
弁本体21が開放位置に移動するか否かを決定する圧力は、制御ユニット15で決定される。
【0066】
一般的な最小圧力弁10において、最小圧力弁が開放される圧力値を設定するためにばねが使用され、当該ばねは、圧縮機1の容量及び圧力範囲に適合するように選択される。
【0067】
図面の実施形態において、制御ユニット15は当該ばねに置き換わり、これによって、BE2018/5011に記載されたようなものに適合する又は置き換えるのが難しいであろう構成要素の必要性を回避する。
【0068】
制御ユニット15は、圧力容器6の出口8と、弁本体21とチャンバ20との間に包含された空間との間の接続部を形成する管14を備える、
【0069】
流路40は、空気を弁本体21の第1の端部21aへ移送するために使用することができる。チャンバ20は、弁本体21の第1の端部21aの上に溝27又は凹部を備える
【0070】
この溝27は、チャンバ20の内部と、第1の端部21aの高さでの弁本体21との間に空洞を作る。
【0071】
本発明との関連において、一方ではばねを又は他方では制御ユニット15を含む最小圧力弁は、本発明の範囲にあることを理解されたい。
【0072】
弁本体21は、弁本体21の外側輪郭24a上に、従って弁本体21とチャンバ20の内側との間に取り付けられるように構成されているシール24を備える。
【0073】
シール24は、弁本体21の第1の端部21aと第2の端部21bとの間に取り付けられる。
【0074】
従って、このシール24は、一方において、シール24、溝27、及び第1の端部21aの間に包含され、これによって圧力値が流路40を通って流れる液体の圧力によって定められる空間と、他方において、シール24、第2の端部21b、及びハウジング入口18とハウジング出口19との間のハウジング17内の接続空間の間に包含され、これによって圧力値が、弁本体が開放位置にある場合にはハウジング入口18に供給された圧力によって、弁本体が閉鎖位置にある場合には弁出口19の関連圧力によって定められる空間と、の間に隔離距離が存在するように配置される。
【0075】
最小圧力弁10の要件に応じて、例えば2、3、又はそれ以上のシールといった2以上のシール24を装着することができる。
【0076】
好ましくは、双方向シールが使用される。このようなシールは、両方向で機能することができる。
図4及び5は、当該シールの断面を示す。
【0077】
代替的に、背中合わせで又は向かい合わせで配置された2つの単動式シールを使用することができる。
【0078】
各図は弁本体21の周りに配置されたシールを示すが、シールは、チャンバ20内に溝を形成することで最小圧力弁10のハウジング17内に配置することできる。
【0079】
好ましくは、限定されるものではないが、これらのシールは、非常に低摩擦でスティックスリップが少ないことで特徴付けることができる。
【0080】
弁本体21は、弁本体21とチャンバ20の内側との間で、弁本体21の外側輪郭26a上に装着されるように構成されている伝導要素26を備える。
【0081】
このような伝導要素26は、弁本体21上及びチャンバ20の内側上の摩耗を低減する。この摩耗は、チャンバ20内の弁本体21の移動及びこれによって引き起こされる摩擦によって生じる。
【0082】
1又は2以上の伝導要素を設けることができる。加えて、伝導要素26は、弁本体21がチャンバ20の中で移動する際に発生する横方向の力を吸収する。その結果として、これらの伝導要素26は、弁本体21がチャンバ20の中で傾き、その後にチャンバ20内で動けなくなることを防止する。
【0083】
シール24は、2つの伝導要素26の間に装着される。
【0084】
伝導要素26は、シール、スライドリング、又は伝導テープの形で達成することができる。
【0085】
各図では、伝導要素26は弁本体21の周りに設けられているが、チャンバ20内に溝を形成することで伝導要素26を最小圧力弁10のハウジング17内に設けることも可能である。
【0086】
弁本体21は、逆止弁36のピストン23がはめ込まれるボア28を備える。この逆止弁は、ハウジング入口18が閉鎖される閉鎖位置と、ハウジング入口18が開放される開放位置との間を移動できる。
【0087】
ピストン23には流路25が設けられており、ピストン23の端部と、ピストン23が移動する弁本体21の内側ボア28の端部との間で空気が嵩まないことを保証するようになっている。
【0088】
逆止弁の安定かつバランスのとれた動作のために、ボア28の軸線は、弁本体21の軸線に整列又はほぼ整列している。
【0089】
逆止弁36のステップ部分29は、最小圧力弁10の出口12と圧力容器6の出口との間のシールを保証する。
【0090】
ピストン23と弁本体21との間のなめらかな動き(flowing movement)のために、及び引き起こされる摩擦の悪影響からピストン23及び弁本体21から保護するために、ピストン23は、ピストン23と弁本体21との間の位置30aに装着できるように構成されている第2の伝導要素30を備える。
【0091】
各図において、第2の伝導要素30は、ピストン23の周りに設けられているが、弁本体21の中央ボア28内に溝を設けることで第2の伝導要素30を最小圧力弁10の弁本体21に設けることもできる。
【0092】
設計に応じて、最小圧力弁10は、本明細書に記載の一部又は全ての技術的特徴部及び機能部、並びにこれらの何らかの組み合わせで構成することができる。本明細書では「技術的特徴部及び機能部」は、圧縮機1及び制御ユニット15(ばねで置き換えることができる)、管14、弁本体21、流路25、ピストン23、シール24、伝導ユニット26、溝27、ステップ部分29、及び第2の伝導ユニット30を意味する。これらの機能部の全てを提示する必要はない。
【0093】
図2、3、6、及び7に示すように、最小圧力弁10の一部(部分組立体22)は、ハウジング17内の開口31を通して取り外し可能であり、取り外し可能な部分は部分組立体と呼ばれる。ここでは、部分組立体は、蓋32、弁本体21、シール24、伝導ユニット26、ピストン23、ステップ部分29、及び第2の伝導ユニット30を指す。これらの構成要素はその全てが存在する必要はない。
【0094】
部分組立体は、一体化されたカバープレート又は蓋32を有し、これは最小圧力弁10のハウジング17内の、好ましくはハウジング17の側壁内の開口31を覆う。随意的な部分組立体を容易に取り外すために用いられるハンドル33は、蓋32の外側に装着される。
【0095】
部分組立体は、4本のボルト34の助けを借りて最小圧力弁10のハウジング17の外側に取り付けられる。
【0096】
加えて、最小圧力弁10から外すことができる部分組立体は、特定の空気圧を構成要素に加えることができるように接続部40を備える。
【0097】
本発明による最小圧力弁10の点検整備は以下のように行うことができる。
【0098】
最初に、部分組立体の4本のボルト34、及びハウジング17内の接続部40上の制御ユニット15からの圧力供給管の接続部を取り外す。次に、ハンドル33を用いて部分組立体をハウジング17から外す。次に、弁本体21をチャンバ20から外す。
【0099】
この時点でシール24及び2つのスライドリング26は交換ために容易にアクセスできる。
【0100】
逆止弁36(ピストン23を含む)を弁本体21から外し、これによって2つのスライドリング30を交換することができる。
【0101】
ピストン23及び逆止弁36を自己整列を利用して弁本体21に装着する。同じように弁本体21をチャンバ20内に装着する。
【0102】
最後に、部分組立体上の4本のボルト34を最小圧力弁10のハウジング17上で締結し、制御ユニット15からの圧力供給管をハウジング17内の接続部40に再度取り付ける。
【0103】
図示の実施例において、気密を保証するために、蓋32と最小圧力弁10のハウジング17との間にシール38が設けられる。このシール38は、部分組立体がハンドル33を用いてハウジング17から取り外された場合に交換のために容易にアクセスすることもできる。
【0104】
本発明は、実施例として記載されて図示された実施形態に限定されるものではないが、特許請求の範囲に記載された本発明による最小圧力弁、圧縮機、及び方法は、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変形例でもって実現することができる。
【符号の説明】
【0105】
10 最小圧力弁
11 弁入口
12 弁出口
17 ハウジング
21 弁本体
22a チャンバ
22b 接続空間
24 シール
26 伝導要素
30 第2の伝導要素