(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】流体組成センサ装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
G01N 15/06 20060101AFI20230628BHJP
G01N 15/00 20060101ALI20230628BHJP
G01N 15/14 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
G01N15/06 C
G01N15/00 C
G01N15/14 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021171491
(22)【出願日】2021-10-20
(62)【分割の表示】P 2020129927の分割
【原出願日】2020-07-31
【審査請求日】2021-10-20
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】アンディ・ウォーカー・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ディー.・マクブラディ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・マイケル・ボーク
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0136165(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106323825(CN,A)
【文献】国際公開第2018/117146(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/165590(WO,A1)
【文献】特表2011-502256(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147018(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0255375(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体粒子特性を検出するための装置であって、
流体体積を受容するように構成された流体組成センサであって、
複数の粒子のうちの1つ以上の粒子が、交換可能な収集媒体の
背面へ移動するのを停止するために、ある材料を有する交換可能な収集媒体と、
前記交換可能な収集媒体によって受容された前記複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像をキャプチャするように構成された撮像装置と、を備える、流体組成センサと、
コントローラであって、
前記交換可能な収集媒体内の前記複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のうちの少なくとも1つの粒子嵌入深度を決定し、
前記複数の粒子のうちの前記1つ以上の粒子のそれぞれの前記粒子嵌入深度に少なくとも部分的に基づいて、前記流体体積内の粒子状物質質量濃度を決定するように構成された、コントローラと
を備える、装置。
【請求項2】
前記流体組成センサによってキャプチャされた前記画像が、前記交換可能な収集媒体によって受容された前記複数の粒子のうちの前記1つ以上の粒子の2つ以上の粒子画像を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラは、1つ以上の計算的結像技術を使用して、前記交換可能な収集媒体内の前記複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度を決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記流体組成センサは、前記背面に位置付けられた透明基板をさらに備え、
前記コントローラは、1つ以上の結像技術を使用して決定された焦点深度と、前記撮像装置と前記透明基板との間の距離と、
前記交換可能な収集媒体の厚さとに基づいて、前記交換可能な前記収集媒体によって受容される粒子の前記粒子嵌入深度を決定し、前記焦点深度は、前記撮像装置と、前記粒子との間の距離である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記交換可能な収集媒体によって受容された前記1つ以上の粒子のそれぞれの質量に少なくとも部分的に基づいて、前記流体体積内に存在する前記複数の粒子
の近似集団質量を決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記コントローラは、粒子断面積、周囲温度、および周囲湿度のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、前記流体体積内に存在する前記複数の粒子
の近似集団質量に補償係数を適用するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラは、1つ以上の機械学習技術を使用して、前記交換可能な収集媒体によって受容された前記1つ以上の粒子のそれぞれの粒子タイプを決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記1つ以上の粒子のそれぞれの前記粒子嵌入深度に少なくとも部分的に基づいて、前記交換可能な収集媒体によって受容された前記1つ以上の粒子のそれぞれの粒子密度を決定するようにさらに構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記収集媒体は、前記流体組成センサに対して移動するように構成された取り外し可能な収集媒体スライドの一部として具現化される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
流体粒子特性を検出するための方法であって、
交換可能な収集媒体を介して、前記交換可能な収集媒体の
背面に移動する複数の粒子のうちの1つ以上の粒子を受容するステップであって、前記交換可能な収集媒体は、前記複数の粒子のうち1つ以上の粒子が、前記交換可能な収集媒体の
前記背面に移動するのを停止するために、ある材料を有する、受容するステップと、
前記収集媒体によって受容された前記複数の粒子のうちの前記1つ以上の粒子の画像をキャプチャするステップと、
前記収集媒体内の前記複数の粒子のうちの前記1つ以上の粒子のうち少なくとも1つの粒子嵌入深度を決定するステップと、
前記複数の粒子のうちの前記1つ以上の粒子のそれぞれの前記粒子嵌入深度に少なくとも部分的に基づいて、流体体積内に存在する前記複数の粒子の近似集団質量を決定するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
センサ及び装置を利用して、多種多様な用途における流体の様々な態様を特徴付けてもよい。単なる一例として、センサ装置は、空気の流れの粒子含量を監視かつ特徴付けることなどの空気条件を監視するために利用されてもよい。しかしながら、既存の流体センサ装置は、流体流内に含まれる粒子の粒子状物質質量濃度などの流体の特定の特性を示すデータを生成する際に、限定された機能性を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
したがって、高精度の粒子状物質質量濃度の推定及び粒子状物質特性評価機能性の向上を特徴とする改善された流体センサ装置に対する必要性が存在する。
【0003】
様々な実施形態は、流体粒子特性を検出するための装置に関し、この装置は、流体体積を受容するように構成された流体組成センサであって、複数の粒子のうちの1つ以上の粒子を受容するように構成された収集媒体と、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像をキャプチャするように構成された撮像装置と、を備える、流体組成センサと、コントローラであって、収集媒体内の複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のうちの少なくとも1つの粒子嵌入深度を決定し、複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度に少なくとも部分的に基づいて、流体体積内の粒子状物質質量濃度を決定するように構成されたコントローラと、を備える。様々な実施形態では、流体組成センサによってキャプチャされた画像は、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の2つ以上の粒子画像を含んでもよい。様々な実施形態では、粒子画像は、粒子のホログラフィ画像再構成を含んでもよい。様々な実施形態では、撮像装置は、レンズレスホログラフィを使用して、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像をキャプチャするように構成されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像は、光学顕微鏡法を使用してキャプチャされる。様々な実施形態では、コントローラは、1つ以上の計算的結像技術(computational image focusing technique)を使用して、収集媒体内の複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度を決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、1つ以上の計算的結像技術は、角スペクトル伝搬を含んでもよい。様々な実施形態では、収集媒体内の複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度は、1つ以上の機械的結像技術を使用して決定されてもよい。様々な実施形態では、コントローラは、1つ以上の結像技術を使用して決定された焦点深度、撮像装置と透明基板との間の距離、及び収集媒体厚さに少なくとも部分的に基づいて、収集媒体によって受容された粒子の粒子嵌入深度を決定してもよく、焦点深度は、撮像装置と粒子との間の距離である。様々な実施形態では、コントローラは、収集媒体によって受容された1つ以上の粒子のそれぞれの質量に少なくとも部分的に基づいて、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量を決定するように更に構成されてもよい。様々な実施形態では、コントローラは、1つ以上の粒子のそれぞれの初期運動量、収集媒体タイプ、及び1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度に少なくとも部分的に基づいて、収集媒体によって受容された1つ以上の粒子のそれぞれの質量を決定するように更に構成されてもよい。様々な実施形態では、コントローラは、1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度及び粒子初期速度に少なくとも部分的に基づいて、収集媒体によって受容された1つ以上の粒子のそれぞれの初期運動量を決定するように更に構成されてもよい。様々な実施形態では、コントローラは、粒子断面積、周囲温度、及び周囲湿度のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量に補償係数を適用するように更に構成されてもよい。様々な実施形態では、コントローラは、1つ以上の機械
学習技術を使用して、収集媒体によって受容された1つ以上の粒子のそれぞれの粒子タイプを決定するように更に構成されてもよい。様々な実施形態では、コントローラは、1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度に少なくとも部分的に基づいて、収集媒体によって受容された1つ以上の粒子のそれぞれの粒子密度を決定するように更に構成されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体は、流体組成センサに対して移動するように構成された取り外し可能な収集媒体スライドの一部分として具現化されてもよい。
【0004】
様々な実施形態は、収集媒体を介して、複数の粒子のうちの1つ以上の粒子を受容することと、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像をキャプチャすることと、収集媒体内の複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度を決定することと、複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度に少なくとも部分的に基づいて、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量を決定することと、を含む、流体粒子特性を決定するための方法に関する。様々な実施形態では、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像は、レンズレスホログラフィを使用してキャプチャされてもよい。様々な実施形態では、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像は、光学顕微鏡法を使用してキャプチャされる。様々な実施形態では、収集媒体内の複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度は、1つ以上の計算的結像技術を使用して決定されてもよい。様々な実施形態では、1つ以上の計算的結像技術は、角スペクトル伝搬を含んでもよい。様々な実施形態では、収集媒体内の複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度は、1つ以上の機械的結像技術を使用して決定されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体内の複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度は、焦点深度、撮像装置と透明基板との間の距離、透明基板の厚さ、及び収集媒体厚さに少なくとも部分的に基づいて決定されてもよく、焦点深度は、撮像装置と粒子との間の距離である。様々な実施形態では、方法は、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒径を決定することを更に含んでもよい。様々な実施形態では、収集媒体によって受容された1つ以上の粒子のそれぞれの質量は、1つ以上の粒子のそれぞれの初期運動量、収集媒体タイプ、及び1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度に少なくとも部分的に基づいて決定されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体によって受容された1つ以上の粒子のそれぞれの初期運動量は、1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度及び粒子初期速度に少なくとも部分的に基づいて決定されてもよい。様々な実施形態では、方法は、粒子断面積、周囲温度、及び周囲湿度のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量に補償係数を適用することを更に含んでもよい。様々な実施形態では、方法は、1つ以上の機械学習技術を使用して、収集媒体によって受容された1つ以上の粒子のそれぞれの粒子タイプを決定することを更に含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
ここで、必ずしも縮尺どおりに描かれていない添付図面を参照する。
【0006】
【
図1】
図1は、様々な実施形態による例示的な装置の概略図である。
【0007】
【
図2】
図2は、本明細書に記載される例示的な装置の断面図である。
【0008】
【
図3】
図3は、本開示の様々な実施形態を実施するための例示的な装置の概略図である。
【0009】
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による流体の流体粒子特性を検出するための例示的な方法のフロー図である。
【0010】
【
図5】
図5は、本明細書に記載される様々な実施形態による例示的な装置である。
【0011】
【
図6】
図6は、本明細書に記載される一実施形態による収集媒体アセンブリである。
【0012】
【
図7A】
図7Aは、本明細書に記載される一実施形態による収集媒体アセンブリの様々な図である。
【
図7B】
図7Bは、本明細書に記載される一実施形態による収集媒体アセンブリの様々な図である。
【0013】
【
図8A】
図8Aは、本明細書に記載される一実施形態による収集媒体アセンブリの様々な図である。
【
図8B】
図8Bは、本明細書に記載される一実施形態による収集媒体アセンブリの様々な図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、添付図面を参照して、様々な実施形態をより完全に説明する。いくつかの実施形態が本明細書に示されかつ記載されているが、すべての実施形態が示されかつ記載されているわけではないことを理解されたい。実際に、実施形態は、多くの異なる形態をとってもよく、したがって、本開示は、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の数字は、全体をとおして同様の要素を指す。
【0015】
始めに、1つ以上の態様の例示的な実装が以下に示されているが、開示されたアセンブリ、システム及び方法は、現在知られているか又はまだ存在していないかに関わらず、任意の数の技術を使用して実施されてもよいことを理解されたい。本開示は、以下に例示される例示的な実装、図面及び技術に決して限定されないべきであり、添付の特許請求の範囲及びその均等物の全範囲内で改変されてもよい。様々な要素の寸法の値が開示されているが、図面は、縮尺どおりでない場合もある。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「例」又は「例示的な」は、「一例、事例、又は実例としての役割を果たす」を意味することを意図する。「実施例」又は「例示的な実施形態」として本明細書に記載される任意の実装は、必ずしも他の実装よりも好ましくないか又は有利ではない。本明細書で使用するとき、「流体」は、単一の流れで気体、液体、又は気体と液体との組み合わせとして具体化されてもよい。したがって、用語「流体」は、液体及び/又は気体(例えば、空気、油など)などが挙げられるが、これらに限定されない、流動しやすい様々な材料を包含する。したがって、様々な実施形態は、ガス検知システム(例えば、特定の実施形態は、空気を用いる動作のために具体的に構成されている、他の実施形態は、不活性ガス、揮発性ガス、及び/又は同様のものなどの他のガスを用いる動作のために構成されている)、及び/又は液体検知システムなどの流体検知システムに関する。
【0017】
概要
本明細書では、流体体積内で粒子状物質を特徴付け、かつ監視するように構成された装置が記載されている。本明細書で論じる装置は、流体組成センサの収集媒体によって受容された粒子のそれぞれの嵌入深度、及び収集媒体の受容面に向かって流れる流体体積の既知の流体流量に少なくとも部分的に基づいて、流体体積内の粒子状物質質量濃度を推定するように構成されてもよい。本明細書に記載されるような粒子嵌入深度は、例えば、粒子直線速度及び粒子形状などの他の変数の中でも、粒子質量との直接的な相関を有しているため、本発明は、収集媒体によって受容された粒子の画像をキャプチャするように構成
された撮像装置を使用して、収集媒体内に嵌入した粒子の質量を正確に推定することができる。したがって、そのような構成は、粒子の質量を決定することに関連する近似の量を低減することができ、それによって、流体体積内に存在する測定された粒子状物質質量濃度に対する装置の精度を高めることができる。更に、本明細書で論じる装置は、流体組成センサの収集媒体によって受容された粒子のそれぞれの粒径及び粒子タイプを直接識別することによって、流体体積内の粒子組成を特徴付けるように構成されてもよい。粒径、粒子タイプ、及び粒子嵌入深度を直接決定することによって、本明細書に記載される装置は、経時的に流体体積内での粒子組成における変化を検出するように構成されてもよい。
【0018】
流体組成センサ
装置10は、その中を通って流れる流体体積を受容するように構成された流体組成センサ100を備えてもよい。具体的には、装置10は、その中を通って流れる、空気などの気体の体積を受容するように構成されてもよい。様々な実施形態では、流体組成センサ100は、受容された流体体積内に存在する複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像をキャプチャするように更に構成されてもよい。
図1に示すように、流体組成センサ100は、筐体101と、注入ノズル104と、収集媒体106と、少なくとも部分的に透明な透明基板108と、撮像装置110と、を備えてもよい。いくつかの実施形態では、流体組成センサ100は、流体組成センサ100に電力を供給するように構成された電源114と、流体体積を流体組成センサ100内へと、そしてそれを通り抜けるように引き込むように構成されたファン又はポンプ112と、を更に備えてもよい。様々な実施形態では、ファン又はポンプ112の動作特性(例えば、動作電力)に少なくとも部分的に基づいて、装置を通って移動する流体の流量が既知となる/決定されるように、ファン又はポンプ112が較正される。様々な実施形態では、流体組成センサ100は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際公開第2018/165590号に記載されているものなどの、レンズレス顕微鏡を含んでもよい。様々な実施形態では、レンズフリー顕微鏡は、例えば、レンズレスホログラフィなどの1つ以上の技術を利用して、本明細書に記載されるように、収集媒体106によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の粒子画像をキャプチャしてもよい。あるいは、流体組成センサ100は、収集媒体106によって捕捉された1つ以上の粒子の粒径及び粒子嵌入深度121を決定するために、本明細書に記載されるような装置によって分析されてもよい画像をキャプチャするように構成されたレンズベースの撮像装置又は任意の他の装置を備えてもよい。様々な実施形態では、レンズベースの撮像装置は、例えば、光学顕微鏡法などの1つ以上の撮像技術を利用して、本明細書に記載されるように、収集媒体106によって受容された複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子の粒子画像をキャプチャしてもよい。様々な実施形態では、光学顕微鏡法は、収集媒体106及び/又は収集媒体106の中に配置された複数の粒子120を通るか又はそれらから反射された可視光を、1つ以上のレンズを通過させて、収集媒体106内の複数の粒子120の粒子のうちの1つ以上の画像を拡大かつキャプチャすることを含んでもよい。本明細書に記載されるように、流体組成センサ100は、コントローラ200に電子的かつ通信可能に接続されてもよい。
【0019】
様々な実施形態では、
図1及び
図2に示すように、注入ノズル104は、流体組成センサ100によって受容された流体体積の流れを、収集媒体106の受容面に少なくとも実質的に垂直で、かつそれに向かう流れ方向130へと方向付けるように構成されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体106は、収集媒体アセンブリの一部分として具現化されてもよい。例えば、収集媒体アセンブリは、(
図5~
図8Bに示すように)交換可能なスライドとして具体化されてもよく、スライド内部に、交換可能な収集媒体106が配置されてもよい。他の実施形態では、交換可能なスライドの全体が使い捨てであってもよく、収集媒体106は、スライドの中に永続的に固定されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、収集媒体アセンブリは、収集媒体テープ106を含んでもよい(例えば、収集媒体テープの新しい(例えば、未使用の)部分が、注入ノズル104を通って流れる
流体に曝露されてもよいように、収集媒体テープは、流体組成センサ100を通って移動されてもよい細長い収集媒体106として具体化されてもよい)。更に別の例として、収集媒体106は、回転可能ディスクの上に、かつ/又は回転可能ディスクの一部として配置され、収集媒体ディスクの新しい(例えば、未使用の)部分が、注入ノズル104を通って流れる流体に曝露され得るように、収集媒体106は、流体組成センサ100に対して回転し得るようになっていてもよい。収集媒体106は、様々な形態のうちのいずれかで具現化されてもよいことを理解されたい。更に他の実施形態では、収集媒体106が組成センサ100を通って流れる流体からの粒子で十分に充填されると、組成センサ100全体を廃棄できるように、収集媒体106は、組成センサ100内に永続的に固着されてもよい。収集媒体106は、流体体積との相互作用を介して、複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子を受容するように構成されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体106は、受容面105と、背面107と、受容表面105と背面107との間の距離によって画定される厚さと、を含んでもよい。様々な実施形態では、収集媒体106の厚さは、少なくとも実質的に約10~約1000マイクロメートル(例えば、100マイクロメートル)であってもよい。様々な実施形態では、複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子が収集媒体106の厚さに沿ったある距離をもって収集媒体内に配置されるように、収集媒体106は、ある速度で受容面105へと移動する複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子を、粒子が背面107に到達する前に停止させるために好適な材料を含んでもよい。例えば、様々な実施形態では、収集媒体は、ゲルなどの接着性(すなわち、粘着性)材料を含んでもよい。様々な実施形態では、流体組成センサ100は、収集媒体106の背面107に少なくとも実質的に隣接して(例えば、直接固定されて)位置付けられた透明基板108を備えてもよい。様々な実施形態では、収集媒体アセンブリは、透明基板108を更に備えてもよい。更に、収集媒体アセンブリがスライドとして具現化されるような様々な実施形態では、収集媒体アセンブリは、ハンドル109を画定してもよい収集媒体筐体113を備えてもよい。様々な実施形態では、収集媒体筐体113は、収集媒体106及び/又は基板108の少なくとも一部分を受容かつ固定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体筐体113は、流体組成センサ100内に少なくとも部分的に取り外し可能に位置付けられるように構成されてもよいため、収集媒体106は、流れ方向130に移動する流体体積の流体流路内に配置される。様々な実施形態では、流体体積内に存在する複数の粒子のうちの1つ以上の粒子が収集媒体106の受容面105に係着し得るように、収集媒体筐体113は、収集媒体106の少なくとも一部分に隣接して位置付けられた少なくとも1つの開口部を有するように構成されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体筐体113は、ハンドル109を画定してもよい。様々な実施形態では、
図5に示すように、ハンドル109は、収集媒体106及び/又は筐体113のアクセス可能性を容易にして、例えば、流体組成センサ100からの収集媒体106の除去及び/又は交換を可能にするように構成されてもよい。上述したように、収集媒体106は、例えば、スライド、テープ、ディスク、又は収集媒体106の輸送を容易にするように構成された任意の他の適切な機構と共に使用するように構成されてもよい(又は、それらとして具現化されていてもよい)。
【0020】
様々な実施形態では、装置10において、例えば、収集媒体106内に収集された粒子の数が増加するにつれ、経時的に精度が低下し得る(また、収集媒体106の結果として得られる物理的特性は、収集媒体106の中に配置された粒子の数の増加の結果、変化する)。したがって、本明細書に記載されるような、収集媒体アセンブリの1つ以上の構成要素は、交換可能であってもよい。様々な実施形態では、収集媒体アセンブリの1つ以上の構成要素を交換することは、流体組成センサ100から1つ以上の構成要素を除去することと、収集媒体アセンブリの1つ以上の構成要素を、1つ以上の少なくとも実質的に同様の構成要素で交換することと、を含んでもよい。あるいは、様々な実施形態では、収集媒体アセンブリの1つ以上の構成要素を交換することは、組成センサ100内の空気流に曝露される収集媒体106の一部分内に存在する粒子の数を減少させるように、収集媒
体アセンブリの1つ以上の構成要素を洗浄すること、再配置すること、及び/又は修正することを含んでもよいことを理解されたい。非限定的な例として、収集媒体アセンブリが接着テープを含んでもよい様々な実施形態では、除去されたテープの少なくとも一部の下に配置され、除去されたテープの少なくとも一部に対応するテープの新しい部分を露出させるように、テープの少なくとも一部を除去してもよい。更なる非限定的な例として、収集媒体アセンブリがディスクを備えてもよい様々な実施形態では、ディスクは、そのディスクの特性が、新しいディスクの特性と少なくとも実質的に同様であり得るように、洗浄されるように構成されてもよい。様々な実施形態では、流体組成センサ100は、部分的に又は全体的に、交換可能かつ/又は使い捨てであるように構成されてもよい。
【0021】
様々な実施形態では、流体組成センサ100は、収集媒体106によって受容された複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子の画像をキャプチャするように構成された撮像装置110を備えてもよい。様々な実施形態では、撮像装置110は、撮像装置110が、収集媒体106内に捕捉された1つ以上の粒子の1つ以上の画像を効果的にキャプチャし得るように、透明基板108の背面107と少なくとも実質的に隣接して(例えば、透明基板108の背面107と接触しているか、又は背面107からある距離だけ離間されて)位置付けられてもよい。様々な実施形態では、流体組成センサ100は、複数の粒子の多数の粒子の画像を、永続的かつ/又は一時的に、同時にキャプチャするための指定された視野を有してもよい。収集媒体106は、収集媒体106によって捕捉された複数の粒子120が撮像装置110によって視認可能となるように、撮像装置110の視野内に少なくとも部分的に存在してもよい。
図2に示すように、撮像装置110は、収集媒体106に対して透明基板108の下方に位置付けられてもよい。例えば、撮像装置110は、透明基板108から約100マイクロメートル~約5mm(例えば、1mm)離して配置されてもよい。あるいは、撮像装置110は、収集媒体106に対して透明基板108の上方に位置付けられてもよい。
【0022】
様々な実施形態では、撮像装置110は、例えば、レンズレスホログラフィなどの1つ以上の撮像技術を使用して、収集媒体106によって受容された複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子の画像をキャプチャするように構成されてもよい。撮像装置がレンズレスホログラフィを利用するように構成されている様々な実施形態では、撮像装置は、レンズを使用せずに収集媒体106によって受容された1つ以上の粒子の1つ以上の顕微鏡画像をデジタル的に再構築することによって、収集媒体106によって受容された1つ以上の粒子の画像をコンピュータで生成してもよい。代替的に、かつ/又は追加的に、撮像装置110は、光学顕微鏡法を利用して、収集媒体106によって受容された複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子の画像をキャプチャしてもよい。いくつかの実施形態では、流体組成センサ100は、収集媒体106内の複数の粒子のうちの1つ以上の画像を同時にキャプチャするように構成されてもよい。例えば、流体組成センサ100は、本明細書に記載されるように、複数の粒子のうちの多数の粒子の画像を、永続的かつ/又は一時的に、同時にキャプチャするための指定された視野を有してもよい。様々な実施形態では、流体組成センサ100によってキャプチャされた1つ以上の画像は、少なくともコントローラ200に送信されてもよい。様々な実施形態では、撮像装置110は、1つ以上の画像を第1の時間及び第2の時間でキャプチャするように構成されてもよく、第1の時間は、収集媒体106によって捕捉された複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子の装置10による分析の開始を表し、第2の時間は、第1の時間の後である。そのような構成では、装置は、第1の時間及び第2の時間でキャプチャされたそれぞれの粒子画像を比較し、第2のキャプチャ粒子画像から、第1のキャプチャ粒子画像においてキャプチャされなかった任意の粒子を識別することによって、粒子分析の開始時に収集媒体106内に存在する粒子と、収集媒体106によって新たに受容された粒子とを区別することができてもよい。
【0023】
様々な実施形態では、流体組成センサ100は、電力を受け取り、流体組成センサ100に電力を供給するように構成された電源114に接続されてもよい。非限定的な例として、電源114は、1つ以上の電池、1つ以上のコンデンサ、1つ以上の定電力供給部(例えば、壁コンセント)、及び/又は同様のものを含み得る。いくつかの実施形態では、電源114は、流体組成センサ100の外側に位置付けられ、流体組成センサ100に交流電力又は直流電力を供給するように構成された外部電源を備えてもよい。更に、いくつかの実施形態では、
図1に示すように、電源114は、流体組成センサ100内に配置された、例えば、1つ以上の電池などの内部電源を備えてもよい。様々な実施形態では、電源114は、コントローラ200に接続されて、コントローラを通じて流体組成センサ100への電力の分配を可能にしてもよい。
【0024】
図6~
図8Bは、本明細書に記載されるような、収集媒体アセンブリの様々な例示的な実施形態を示す。
図6~
図8Bに示すように、収集媒体アセンブリは、交換可能なスライド上に配置された収集媒体106と、交換可能なスライド、したがって、スライドの中の収集媒体106を固定するように構成された収集媒体筐体113と、ハンドル109と、を備えてもよい。様々な実施形態では、収集媒体106は、収集媒体筐体113内に更に配置されてもよい透明基板108に取り付けられるように構成されてもよい。様々な実施形態では、交換可能なスライドは、透明基板108を画定してもよい。
図6に示すように、収集媒体筐体113は、交換可能なスライドが所望の位置にスナップ嵌めされることを可能にするヒンジ連結を介して交換可能なスライドを受容するように構成された開口部の少なくとも一部分に近接するタブを備えてもよい。収集媒体106が交換可能であるように構成されてもよいのは、収集媒体106は、収集媒体筐体113内のその固定された位置から交換可能なスライドを引き離すことによって、収集媒体筐体113から除去され、続いて異なる収集媒体106(例えば、新しい収集媒体106)と交換されてもよいためである。様々な実施形態では、収集媒体筐体113は、例えば、ハンドル109とユーザのインタラクション(interaction)により、流体組成センサ100から除去されても
よい。
【0025】
図7A及び
図7Bに示すように、収集媒体筐体113は、筐体113がスライドの上に配置された収集媒体106と共に交換可能なスライドをスロットを介して受容するように構成され得るように、交換可能なスライドの断面に対応する寸法を有するスロットを少なくとも1つの辺に沿って備えてもよい。交換可能なスライドを、スロットを通して収集媒体筐体113内のその固定された位置から摺動させることにより収集媒体106を収集媒体筐体113から除去し、続いて異なる収集媒体106と交換し得るため、収集媒体106は交換可能に構成され得る。収集媒体筐体113は、例えば、ハンドル109とユーザのインタラクションにより、流体組成センサ100から除去されてもよい。
【0026】
図8A及び
図8Bに示すように、収集媒体筐体113は、取り外し可能な面を備えてもよく、収集媒体筐体113が、取り外し可能な面が取り外された構成にあるときに交換可能なスライドを受容し、取り外し可能な面が組み立てられた構成にあるときに交換可能なスライドを所望の位置に固定するように構成されてもよい。収集媒体筐体113の取り外し可能な面の分離、及び収集媒体筐体113内のその固定された位置からの交換可能なスライドの回収を介して収集媒体筐体113から収集媒体106が除去され、続いて異なる収集媒体106に交換され得るため、収集媒体106は交換可能に構成され得る。収集媒体筐体113は、例えば、ハンドル109とユーザのインタラクションにより、流体組成センサ100から除去されてもよい。
【0027】
粒子嵌入深度
本明細書で論じられるように、複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子のそれぞれは、例えば、粒径、粒子質量、粒子密度、粒子速度(例えば、粒子直線速度)、粒子断面
積、及び粒子形状などの1つ以上の粒子特性を含んでもよい。様々な実施形態では、粒子の粒径は、粒子直径に基づいて近似されてもよい。様々な実施形態では、粒子の粒子速度は、装置10を通って移動する流体の既知の流速に少なくとも部分的に基づいて近似されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体106に向かって空気流方向130に、ある粒子速度で移動する粒子は、少なくとも部分的に1つ以上の粒子特性によって影響される場合がある粒子運動量を更に含んでもよい。粒子が収集媒体106の受容面105にあるとき、粒子は、初期運動量を規定してもよい。粒子がその後、収集媒体に埋め込まれている深度(すなわち、粒子嵌入深度121)は、粒子の初期運動量に少なくとも部分的に直接関連する。様々な実施形態では、粒子嵌入深度121は、粒径、粒子質量、及び粒子速度に関連してもよい。
【0028】
図2に示すように、収集媒体106内の複数の粒子120のそれぞれの粒子は、嵌入深度121及び焦点深度122の両方を更に規定してもよい。様々な実施形態では、粒子の嵌入深度121は、収集媒体106の受容面105と、収集媒体106内で粒子が停止されている位置との間の距離を含んでもよい。本明細書に記載されるように、粒子は、ある速度で受容表面105を通って空気流方向130に移動し、背面107に到達する前に収集媒体106内に配置されてもよい。粒子が収集媒体106に埋め込まれている深度は、粒子の嵌入深度121を規定してもよい。粒子の嵌入深度121は、収集媒体106によって消散されるはずである、収集媒体の受容面105における粒子の少なくとも初期運動量と相関し得る。様々な実施形態では、粒子の嵌入深度121は、収集媒体タイプ、粒子形状(例えば、粒子断面積、粒子配向)、周囲温度、及び/又は周囲湿度によって影響を受ける場合がある。様々な実施形態では、例えば、粒子断面積を考慮するために補償係数を粒子の推定質量に適用してもよい。これは、より大きな粒子断面積は、収集媒体内でより迅速に運動エネルギーを分散させることによって粒子嵌入深度を減少させることとなるためである。様々な実施形態では、周囲温度及び/又は周囲湿度を考慮するために、補償係数を粒子の推定質量に適用してもよいが、これは、周囲温度及び周囲湿度の両方は、収集媒体の粘度に影響を及ぼし、したがって、収集媒体から粒子が受ける抵抗力を増加させるか又は減少させるかのいずれかによって、粒子嵌入深度に影響を及ぼす場合があるからである。様々な実施形態では、周囲温度及び湿度は、装置又は装置に温度データ及び湿度データを送信するように構成された1つ以上のリモートセンサのいずれかによって測定されてもよい。
【0029】
様々な実施形態では、複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子の嵌入深度121は、焦点深度122に少なくとも部分的に基づいて、コントローラ200によって決定されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体106内の粒子の嵌入深度121は、収集媒体厚さ、透明基板厚さ、及び透明基板108と撮像装置110との間の距離の合計から、粒子の測定焦点深度122を差し引くことによって計算されてもよい。様々な実施形態では、粒子の焦点深度122は、撮像装置110と、収集媒体106内で粒子が停止されている位置との間の距離を含んでもよい。様々な実施形態では、
図2に示すように、収集媒体106内の粒子の焦点深度122は、収集媒体106内で粒子が停止されている位置と収集媒体106の背面107との間の距離、透明基板108の厚さ及び透明基板108と撮像装置110との間の距離の合計を含んでもよい。様々な実施形態では、複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子の焦点深度122は、計算手法(computational technique)
(例えば、角スペクトル伝搬(Angular Spectrum Propagation、ASP))又は機械的手法(例えば、オプトメカニカル調整)などの1つ以上の結像技術を使用して、コントローラ200により決定されてもよい。様々な実施形態では、オプトメカニカル調整は、粒子画像を最適化するようにレンズベースの撮像装置110の1つ以上の構成要素の機械的調整を含んでもよい。様々な実施形態では、焦点深度を決定するために、撮像装置の1つ以上の構成要素の調整に対応するデータを収集することを更に含んでもよい。
【0030】
コントローラ
図1~
図3に示すように、装置10は、収集媒体106内の複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度121を決定し、複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度121に少なくとも部分的に基づいて、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量を決定するように構成されたコントローラ200を備えてもよい。
図3に示すように、コントローラ200は、メモリ201と、プロセッサ202と、入力/出力回路203と、通信回路205と、撮像装置データリポジトリ107と、収集媒体特性データベース204と、粒子撮像回路206と、粒子タイプ識別回路207と、粒子質量濃度計算回路208と、を備えてもよい。コントローラ200は、本明細書に記載される動作を実行するように構成されてもよい。構成要素は、機能的制限に関して記載されているが、特定の実装は、特定のハードウェアの使用を必然的に含むことを理解されたい。本明細書に記載される構成要素の特定のものは、同様の又は共通のハードウェアを備えてよいこともまた理解されたい。例えば、回路の2つのセットは両方とも、同じプロセッサ、ネットワークインターフェース、記憶媒体などの使用を活用して、それらの関連する機能を実施するため、回路のそれぞれのセットに対して重複するハードウェアが不要である。したがって、用語「回路」の使用は、コントローラ200の構成要素に関して本明細書で使用するとき、本明細書に記載される特定の回路に関連付けられた機能を実施するように構成された特定のハードウェアを含むと理解されるべきである。
【0031】
用語「回路」は、ハードウェアを含み、いくつかの実施形態では、ハードウェアを構成するためのソフトウェアを含むことが広く理解されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、「回路」は、処理回路、記憶媒体、ネットワークインターフェース、入力/出力装置などを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ200の他の要素は、特定の回路機構の機能を提供してもよいか又は補完してもよい。例えば、プロセッサ202は、処理機能を提供してもよく、メモリ201は、記憶機能を提供してもよく、通信回路205は、ネットワークインターフェース機能を提供してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、プロセッサ202(及び/又はプロセッサを補助するか若しくはプロセッサに関連付けられた任意の他の処理回路)は、装置の構成要素間で情報を渡すためのバスを介してメモリ201と通信してもよい。メモリ201は、非一時的であってもよく、例えば、1つ以上の揮発性及び/又は不揮発性メモリを含んでもよい。例えば、メモリ201は、電子記憶装置(例えば、コンピュータ可読記憶媒体)であってもよい。様々な実施形態では、メモリ201は、装置が、本開示の例示的実施形態による様々な機能を実行することを可能にするために、情報、データ、コンテンツ、アプリケーション、命令などを記憶するように構成されてもよい。メモリ201は、本明細書に記載される任意の電子情報、データ、データ構造、実施形態、実施例、図、プロセス、動作、技術、アルゴリズム、命令、システム、装置、方法、ルックアップテーブル、若しくはコンピュータプログラム製品、又はこれらの任意の組み合わせを、部分的又は全体的に記憶するように構成されてもよいことが理解されよう。非限定的な例として、メモリ201は、粒径データ、粒子タイプデータ、粒子嵌入深度データ、粒子画像データ、粒子形状データ、粒子断面積データ、粒子質量データ、粒子密度データ、及び流体体積に関連付けられた粒子状物質質量濃度データを記憶するように構成されてもよい。様々な実施形態では、メモリは、1つ以上の粒子嵌入深度-運動量ルックアップテーブルを記憶するように更に構成されてもよい。
【0033】
プロセッサ202は、多くの異なる方法で具現化されてもよく、例えば、独立して実施するように構成された1つ以上の処理装置を含んでもよい。追加的に又は代替的に、プロセッサは、命令、パイプライン、及び/又はマルチスレッドの独立した実行を可能にするためにバスを介してタンデム型に構成された1つ以上のプロセッサを含んでもよい。用語「処理回路」の使用は、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、装置内部の
複数のプロセッサ、及び/又はリモートプロセッサ若しくは「クラウド」プロセッサを含むと理解されてもよい。
【0034】
例示的な実施形態では、プロセッサ202は、メモリ201に記憶された命令を実行するか、又は別の方法でプロセッサにアクセス可能な命令を実行するように構成されてもよい。代替的に、又は追加的に、プロセッサは、ハードコードされた機能を実行するように構成されてもよい。したがって、ハードウェア方法又はソフトウェア方法によって構成されるか、又はそれらの組み合わせによって構成されるかにかかわらず、プロセッサは、それに応じて構成されている間、本開示の実施形態による動作を実施することができる(例えば、回路内で物理的に具現化された)エンティティを表してもよい。あるいは、別の例として、プロセッサがソフトウェア命令の実行体として具体化される場合、命令は、命令が実行されたときに本明細書に記載されるアルゴリズム及び/又は動作を実施するようにプロセッサを具体的に構成してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、コントローラ200は、プロセッサ202と通信して、ユーザに出力を提供し、いくつかの実施形態では、ユーザによって提供されるコマンドなどの入力を受け付けてもよい入力-出力回路203を備えてもよい。入力-出力回路203には、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)などのユーザインターフェースを含んでもよく、ウェブユーザインターフェース、GUIアプリケーション、モバイルアプリケーション、クライアント装置、又は任意の他の好適なハードウェア若しくはソフトウェアを含んでもよいディスプレイを挙げてもよい。いくつかの実施形態では、入力-出力回路203にはまた、ディスプレイ装置、ディスプレイスクリーン、タッチスクリーン、タッチエリア、ソフトキー、キーボード、マウス、マイクロフォンなどのユーザ入力要素、スピーカ(例えば、ブザー)、発光装置(例えば、赤色発光ダイオード(light emitting diode、LED)、緑色LED、青色LED、白色LED、赤外線(infrared、IR)LED、紫外線(ultraviolet、UV)LED、又はこれら
の組み合わせ)、又は他の入力-出力機構を挙げてもよい。プロセッサ202、(処理回路を利用してもよい)入力-出力回路203、又はその両方は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ201)に記憶されたコンピュータ実行可能プログラムコード命令(例えば、ソフトウェア、ファームウェア)を介して1つ以上のユーザインターフェース要素の1つ以上の機能を制御するように構成されてもよい。入力-出力回路203は、任意選択的なものであり、いくつかの実施形態では、コントローラ200は、入力-出力回路を含まなくてもよい。例えば、コントローラ200がユーザと直接対話しない場合、コントローラ200は、1人以上のユーザが直接対話する1つ以上の他の装置によって表示するためのユーザインターフェースデータを生成し、生成したユーザインターフェースデータをそれらの装置のうちの1つ以上に送信してもよい。例えば、コントローラ200は、ユーザインターフェース回路を使用して、1つ以上の表示装置によって表示するためのユーザインターフェースデータを生成し、生成されたユーザインターフェースデータをそれらの表示装置に送信してもよい。
【0036】
通信回路205は、データを装置200と通信するネットワーク及び/又は任意の他の装置、回路、若しくはモジュールから受信する、かつ/又はそれらに送信するように構成されたハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせのいずれかで具現化された装置又は回路であってもよい。例えば、通信回路205は、有線(例えば、USB)又は無線(例えば、Bluetooth、Wi-Fi、セル方式、及び/又は同様のもの)の通信プロトコルを介して、1つ以上の計算装置と通信するように構成されてもよい。
【0037】
様々な実施形態では、プロセッサ202は、粒子撮像回路206と通信するように構成されてもよい。粒子撮像回路206は、撮像装置110によってキャプチャされた画像
などのデータを受信、処理、生成、かつ/又は送信するように構成されたハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせのいずれかで具現化された装置又は回路であってもよい。様々な実施形態では、粒子撮像回路206は、流体組成センサ100の撮像装置110によってキャプチャされた1つ以上の画像を分析して、収集媒体106内に存在する複数の粒子120のうちのどの粒子が、新しい粒子分析中に収集媒体106によって新たに受容されたかを判定するように構成されてもよい。粒子撮像回路206は、それぞれ第1の時間及び第2の時間でキャプチャされた第1のキャプチャ粒子画像及び第2のキャプチャ粒子画像を撮像装置から受信してもよく、第1の時間は、収集媒体106によって捕捉された複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子の装置10による分析の開始を表し、第2の時間は、第1の時間の後である(第1の時間の後に生じる)。そのような構成では、装置は、第1の時間及び第2の時間でキャプチャされたそれぞれの粒子画像を比較し、第2のキャプチャ粒子画像から、第1のキャプチャ粒子画像においてキャプチャされなかった任意の粒子を識別することによって、粒子分析の開始時に収集媒体106内に存在する粒子と、収集媒体106によって新たに受容された粒子とを区別するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子撮像回路206は、流体組成センサ100の撮像装置110によってキャプチャされた1つ以上の画像を分析して、収集媒体106内の複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子のそれぞれのサイズを決定するように更に構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子のサイズは、粒子の断面積によって規定されてもよい。様々な実施形態では、粒子撮像回路206は、様々な粒径のいずれかを有する粒子の粒径を決定するように構成されてもよい。一例として、粒子撮像回路206は、約0.3~約100マイクロメートル(例えば、2.5マイクロメートル)の直径を有する粒子の粒径、したがって、例えば、PM10、PM4、PM2.5、又はPM1などの、粒子が関連付けられてもよいサイズカテゴリを決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、コントローラ及び/又は粒子撮像回路206は、流体組成センサ100の撮像装置110によってキャプチャされた1つ以上の画像を分析して、収集媒体106内の複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの形状を決定するように更に構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子形状は、少なくとも部分的に粒子断面積によって画定されてもよい。粒子撮像回路206は、1つ以上の結像技術を使用して、収集媒体106内の複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度121を決定するように更に構成されてもよい。粒子撮像回路206は、例えば、1つ以上の結像技術を実行するためのメモリ201内に記憶された命令を実行するように構成されてもよい。様々な実施形態では、1つ以上の結像技術は、例えば、角スペクトル伝搬(ASP)などの1つ以上の計算手法を含んでもよい。他の実施形態では、オプトメカニカル調整を結像技術として使用してもよい。様々な実施形態では、粒子撮像回路206は、1つ以上の結像技術を使用して、収集媒体内の複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子のそれぞれに対する焦点深度122を決定してもよい。1つ以上の粒子のそれぞれに対する焦点深度を決定すると、粒子撮像回路206は、例えば、収集媒体厚さ及び透明基板108と撮像装置110との間の距離などの、流体組成センサ100の既知の寸法を使用して、収集媒体106内の複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの嵌入深度121を計算するように構成されてもよい。様々な実施形態では、例えば、収集媒体106内の粒子の嵌入深度121は、収集媒体厚さ、透明基板厚さ、及び透明基板108と撮像装置110との間の距離の合計から、粒子の測定焦点深度122を差し引くことによって計算されてもよい。粒子撮像回路206は、データを撮像装置データリポジトリ107に送信する、かつ/又は撮像装置データリポジトリ107から受信してもよい。様々な実施形態では、粒子撮像回路206は、1つ以上の機械学習技術を使用して粒子の嵌入深度を決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子の嵌入深度を決定するために粒子撮像回路206によって使用される1つ以上の機械学習技術は、粒子の嵌入深度を推定するために、例えば、粒子タイプ、粒子速度、粒径、粒子形状、及び/又はコントローラ200によって生成、送信かつ/又は受信された任意の他のデータなどの、1つ以上の既知の粒子特性の1つ以上の標識されたデータセットと共に教師あり深層学習(deep supervi
sed learning)を使用することを含んでもよい。
【0038】
様々な実施形態では、プロセッサ202は、粒子タイプ識別回路207と通信するように構成されてもよい。粒子タイプ識別回路207は、収集媒体106によって受容された複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子の粒子タイプ及び/又は粒子種を識別するように構成されたハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせのいずれかで具現化された装置又は回路であってもよい。様々な実施形態では、流体体積内の複数の粒子120は、例えば、細菌、花粉、芽胞、カビ、生物学的粒子、煤、無機粒子、及び有機粒子のうちの1つ以上などの、様々な粒子タイプのうちの1つ以上の粒子を含んでもよい。様々な実施形態では、粒子タイプ識別回路207は、1つ以上の機械学習技術を使用して、収集媒体106によって受容された複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子タイプ及び/又は粒子種を決定してもよい。様々な実施形態では、複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子タイプ及び/又は粒子種を決定するために、粒子タイプ識別回路207によって使用される1つ以上の機械学習技術は、撮像装置110によってキャプチャされた画像、粒径データ、粒子形状データ、及び/又はコントローラ200によって生成、送信、かつ/又は受信された任意の他のデータを解析することを含んでもよい。様々な実施形態では、粒子タイプ識別回路207は、データを撮像装置データリポジトリ107に送信する、かつ/又は撮像装置データリポジトリ107から受信してもよい。更に、様々な実施形態では、粒子タイプ識別回路207は、粒子状物質質量濃度計算回路208から、収集媒体106によって受容された複数の粒子120の粒子のうちの1つ以上に対応する決定された粒子初期速度データを受信するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子タイプ識別回路207は、粒子について決定された粒子初期速度を、流体組成センサ100を通って移動する流体の既知の流量に少なくとも部分的に基づいて近似された粒子の粒子速度と比較し、粒子に関連付けられた速度比較データを生成するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子タイプ識別回路207は、フィードバックループを実行するように構成されてもよく、収集媒体106によって受容された複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子に関連付けられた1つ以上の速度比較データは、本明細書に記載されるように、1つ以上の機械学習技術に関連付けられた機械学習速度を増加させるために、機械学習モデルへの1つ以上の入力を定義してもよい。
【0039】
様々な実施形態では、装置10は、収集媒体特性データベース204と共に構成されてもよいか、又は収集媒体特性データベース204と通信してもよい。収集媒体特性データベース204は、少なくとも部分的にシステムのメモリ201に記憶されてもよい。いくつかの実施形態では、収集媒体特性データベース204は、装置10から遠く離れていてもよいが、装置10と接続されている。収集媒体特性データベース204は、1つ以上の粒子嵌入深度-運動量関係ルックアップテーブルなどの情報を含んでもよい。様々な実施形態では、粒子嵌入深度-運動量関係ルックアップテーブルは、特定の収集媒体タイプに対する粒子嵌入深度と粒子初期運動量(すなわち、収集媒体106の受容面105における粒子の運動量であって、粒子は、本明細書に記載されているように、収集媒体106によって受容面105で受容される)との間の関係を定義するために使用されるデータマトリックスを含んでもよい。様々な粒子嵌入深度-運動量関係ルックアップテーブルは、様々な収集媒体タイプに対する粒子嵌入深度と粒子初期運動量との間の関係を定義するために使用されるデータ行列を含んでもよい。
【0040】
粒子状物質質量濃度計算回路208は、流体体積内の粒子状物質質量濃度を決定するように構成されたハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせのいずれかで具現化された装置又は回路であってもよい。様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量に基づいて、流体体積内の粒子状物質質量濃度を決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、
粒子状物質質量濃度計算回路208は、収集媒体106によって受容された複数の粒子120の集団質量に基づいて、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量を決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、複数の粒子120のそれぞれの粒子のそれぞれ対応する推定質量に基づいて、収集媒体106によって受容された複数の粒子120の集団質量を決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、それぞれの粒子のそれぞれ対応して決定された嵌入深度に少なくとも部分的に基づいて、複数の粒子120のそれぞれの粒子のそれぞれ対応する質量を推定するように構成されてもよい。
【0041】
様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、例えば、粒径データ、粒子形状データ(例えば、粒子断面積データ、粒子配向データ)、及び粒子嵌入深度などの粒子に対応するデータを検索することによって複数の粒子120のうちのある粒子の質量を推定し、所与の収集媒体106のタイプに対して粒子嵌入深度を粒子初期運動量に相関させる粒子嵌入深度-運動量ルックアップテーブル内のデータに基づいて、粒子が収集媒体106によって受容される前の粒子の初期運動量を決定するように構成されてもよい。粒子の運動量は、粒子の質量に粒子の速度を掛けたものに等しいという、運動量、速度、及び質量の間の既知の関係と、粒子の既知の速度、すなわち、装置10内の空気流速度に基づく制御された値と、を用いて、粒子状物質質量濃度計算回路208は、粒子の推定質量を決定するように構成されてもよい。
【0042】
様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、1つ以上の機械学習技術を使用して粒子の推定質量を決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子の粒子質量を決定するために粒子状物質質量濃度計算回路208によって使用される1つ以上の機械学習技術は、粒子の質量を推定するために、例えば、粒子タイプ、粒子速度、粒子嵌入深度、様々な粒子重量測定値、及び/又はコントローラ200によって生成、送信、かつ/又は受信された任意の他のデータなどの1つ以上の既知の粒子特性の1つ以上の標識されたデータセットと共に教師あり深層学習を使用することを含んでもよい。様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、1つ以上の機械学習技術を使用して、1つ以上の補償係数を決定された粒子質量に適用するように構成されてもよい。
【0043】
更に、様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、粒子嵌入深度、推定粒子質量、粒子形状、粒子タイプ、及び粒径データのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、粒子の推定密度を決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、収集媒体106によって受容された複数の粒子120の粒子のそれぞれの推定質量及び/又は推定密度を決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、粒子に関連する粒子条件及び周囲環境に関連する周囲条件のうちの1つ又は両方を考慮するために、粒子の推定質量に1つ以上の補償係数を適用するように構成されてもよい。様々な実施形態では、例えば、粒子状物質質量濃度計算回路208は、粒子断面積、周囲温度、及び/又は周囲湿度に少なくとも部分的に基づいて適切な補償係数を適用するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、収集媒体106によって受容された複数の粒子120の粒子のそれぞれの推定質量に基づいて、収集媒体によって受容された複数の粒子120の推定集団質量を決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、収集媒体106によって受容された複数の粒子120の決定された集団質量に基づいて、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量を決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量に基づいて、流体体積内の粒子状物質質量濃度を決定するように構成されてもよい。様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、例えば、粒子収集効率及び検出確率因子などの
実験的非効率性を考慮するために、流体体積内の決定された粒子状物質質量濃度に1つ以上のスケール係数を適用するように構成されてもよい。様々な実施形態では、適切なスケール係数は、経験的データに基づいて決定されてもよい。
【0044】
また、粒子状物質質量濃度計算回路208は、収集媒体106を交換する必要があると判定するように構成されてもよい。例えば、様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、収集媒体106が最後に交換されて以降、閾値時間量が経過したこと、収集媒体106内に存在する粒子の数が、所定の閾値数の粒子を上回ること、及び/又は視野内の粒子被覆率の割合が、閾値粒子被覆率の割合を上回ること、を判定するように構成されてもよい。
【0045】
更に、様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、粒子の決定された粒子質量に少なくとも部分的に基づいて、収集媒体106によって受容された複数の粒子120のうちの1つ以上の粒子の粒子初期速度を決定するように構成されてもよく、ここで、粒子初期速度は、収集媒体106の受容面105における粒子の速度である。様々な実施形態では、粒子状物質質量濃度計算回路208は、収集媒体106によって受容された複数の粒子120の粒子のうちの1つ以上に対応する決定された粒子初期速度データを、粒子タイプ識別回路207に送信するように構成されてもよい。
【0046】
様々な実施形態では、装置10は、撮像装置データリポジトリ107と共に構成されてもよいか、又は撮像装置データリポジトリ107と通信してもよい。撮像装置データリポジトリ107は、少なくとも部分的にシステムのメモリ201に記憶されてもよい。いくつかの実施形態では、撮像装置データリポジトリ107は、装置10から遠く離れていてもよいが、装置10と接続されている。撮像装置データリポジトリ107は、流体の1つ以上の潜在的構成要素に関連する画像などの情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、撮像装置データリポジトリ107及び/又は装置10と通信する他の類似の参照データベースは、粒子を識別するために使用される非画像情報を含んでもよい(例えば、蛍光粒子の場合、分光計が、本明細書で論じられるように流体組成センサ100によって使用されてもよく、装置10は、粒子を識別かつ/又は分類するためにスペクトル情報を受信してもよい)。また、いくつかの実施形態では、装置10が最初に装置10を訓練するために撮像装置データリポジトリ107などの参照データベースを使用することができ、その後は撮像装置データリポジトリ107又は他の参照データベースを参照することなく粒子を識別かつ/又は分類する(例えば、システムは、通常の動作中に撮像装置データリポジトリ107とアクティブに通信しなくてもよい)ように構成され得るように、装置10は、機械学習を使用して粒子を識別かつ/又は分類してもよい。
【0047】
方法
図4は、本明細書で論じるいくつかの実施形態による、流体粒子特性を検出するための例示的な方法400のブロック図を示す。
【0048】
ブロック402において、複数の粒子のうちの1つ以上の粒子は、流体体積を介して収集媒体によって受容されてもよい。複数の粒子は、複数の粒子を含む流体体積から収集媒体によって受容されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体によって受容される複数の粒子は、流体体積内に存在する複数の粒子を表してもよい。様々な実施形態では、流体組成センサは、収集媒体を含んでもよく、流体体積が収集媒体と相互作用して得るように、収集媒体の受容面に垂直な方向に、流体体積の少なくとも一部分を方向付けるように構成されてもよい。
【0049】
更に、ブロック404において、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像がキャプチャされる。様々な実施形態では、収集媒体によって受容さ
れた複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像は、撮像装置によってキャプチャされてもよい。様々な実施形態では、撮像装置は、粒子分析の開始時に収集媒体内に存在する複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像及び粒子分析の終了時に収集媒体内に存在する複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像の両方をキャプチャするように構成されてもよい。画像を比較して、収集媒体内に存在する複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のうちのどれの粒子が、粒子分析中に収集媒体によって受容されたかを判定してもよい。様々な実施形態では、撮像装置は、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子が、撮像装置の指定された視野内にあるように、収集媒体に近接して流体組成センサ内に配置されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子の画像は、例えば、レンズレスホログラフィ又は光学顕微鏡法などの1つ以上の撮像技術を使用してキャプチャされてもよい。様々な実施形態では、粒子画像は、ホログラフィ画像再構成を含んでもよい。
【0050】
ブロック406において、収集媒体内の複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度が決定される。収集媒体によって受容された粒子の粒子嵌入深度は、粒子が収集媒体内に埋め込まれている深度によって定義されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体内の複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度は、撮像装置によってキャプチャされた画像を使用して決定されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体内の複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度は、測定焦点深度、撮像装置と透明基板との間の距離、透明基板の厚さ、及び収集媒体厚さに基づいて決定されてもよく、ここで、焦点深度は、撮像装置と粒子との間の距離である。粒子の焦点深度は、撮像装置と粒子との間の距離として定義されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの焦点深度は、計算手法(例えば、角スペクトル伝搬)及び/又は機械的手法(例えば、オプトメカニカル調整)などの1つ以上の結像技術を使用して決定されてもよい。様々な実施形態では、収集媒体内の複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの嵌入深度は、収集媒体厚さ、透明基板厚さ、及び透明基板と撮像装置との間の距離の合計から、それぞれの粒子の測定焦点深度を差し引くことによって計算されてもよい。
【0051】
ブロック408において、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量は、複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度に少なくとも部分的に基づいて決定される。様々な実施形態では、それぞれの粒子のそれぞれ対応して決定された粒子嵌入深度は、複数の粒子のそれぞれの粒子のそれぞれ対応する質量を推定するために使用されてもよい。様々な実施形態では、所与の収集媒体タイプの粒子の初期運動量に粒子嵌入深度を相関させる、粒子嵌入深度-運動量ルックアップテーブル内のデータに基づいて、粒子嵌入深度データ及び測定された粒径データを使用して、粒子が収集媒体によって受容される前のそれぞれの粒子の初期運動量を決定してもよい。粒子の運動量は、粒子の質量に粒子の速度を掛けたものに等しいという、運動量、速度、及び質量の間の既知の関係と、それぞれの粒子の既知の速度、すなわち、流体体積の空気流速度に基づく制御された値と、を用いて、粒子のそれぞれの推定質量を決定してもよい。様々な実施形態では、粒子に関連する粒子条件及び周囲環境に関連する周囲条件のうちの1つ又は両方を考慮するために、1つ以上の補償係数は、粒子のそれぞれの推定質量に適用されてもよい。様々な実施形態では、例えば、適切な補償係数は、粒子断面積、周囲温度、及び/又は周囲湿度に少なくとも部分的に基づいて適用されてもよい。様々な実施形態では、複数の粒子のそれぞれの粒子のそれぞれ対応する推定質量を使用して、収集媒体によって受容された複数の粒子の集団質量を決定してもよい。様々な実施形態では、収集媒体によって受容された複数の粒子の決定された集団質量を使用して、流体体積内に存在する複数の粒子の集団質量を近似してもよい。様々な実施形態では、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量を使用して、流体体積内の粒子状物質質量濃度を推定してもよい。様々な実施形態では、1つ以上のスケール係数は、例えば、粒子収集効率及び検出確率因子などの実験的非効
率性を考慮するために、流体体積内の決定された粒子状物質質量濃度に適用されてもよい。様々な実施形態では、適切なスケール係数は、経験的データに基づいて決定されてもよい。
【0052】
ブロック410において、補償係数は、粒子断面積、周囲温度、及び周囲湿度のうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて、流体体積内に存在する複数の粒子の近似集団質量に適用されてもよい。様々な実施形態では、粒子に関連する粒子条件及び周囲環境に関連する周囲条件のうちの1つ又は両方を考慮するために、補償係数は、粒子のそれぞれの推定質量に適用されてもよい。様々な実施形態では、例えば、粒子断面積を考慮するために補償係数を粒子の推定質量に適用してもよく、これは、より大きな粒子断面積は、収集媒体内でより迅速に運動エネルギーを分散させることによって粒子嵌入深度を減少させることとなるためである。様々な実施形態では、周囲温度及び/又は周囲湿度を考慮するために、補償係数を粒子の推定質量に適用してもよく、これは、周囲温度及び周囲湿度の両方は、収集媒体の粘度に影響を及ぼし、したがって、粒子嵌入深度に影響を及ぼすからである。様々な実施形態では、周囲温度及び湿度は、装置又は装置に温度データ及び湿度データを送信するように構成された1つ以上のリモートセンサのいずれかによって測定されてもよい。
【0053】
ブロック412において、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒径が決定されてもよい。様々な実施形態では、1つ以上の粒子のそれぞれの粒径は、キャプチャ粒子画像に基づいて決定されてもよい。様々な実施形態では、約0.3~約100マイクロメートル(例えば、2.5マイクロメートル)の直径を有する粒子の粒径、及び例えば、PM10、PM4、PM2.5、又はPM1などのサイズカテゴリが決定されてもよい。様々な実施形態では、粒径データは、粒子断面積データを含んでもよい。
【0054】
ブロック414において、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子タイプは、1つ以上の機械学習技術を使用して決定されてもよい。様々な実施形態では、複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子タイプを決定するために使用される1つ以上の機械学習技術は、1つ以上の粒子のキャプチャ粒子画像、粒径データ、及び/又は1つ以上の粒子に関連する任意の他のデータを分析することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、機械学習技術は、粒子を識別かつ/又は分類するために使用されてもよい。様々な実施形態では、様々な粒子データを含む参照画像データベースを使用して、最初に機械学習装置を訓練してもよく、次いで、機械学習装置を利用して、画像データベース又は他の参照データベースを参照することなく粒子を識別かつ/又は分類してもよい。
【0055】
ブロック416において、収集媒体によって受容された複数の粒子のうちの1つ以上の粒子のそれぞれの粒子密度は、1つ以上の粒子のそれぞれの粒子嵌入深度に少なくとも部分的に基づいて決定されてもよい。様々な実施形態では、粒子の粒子密度は、粒子嵌入深度、推定粒子質量、粒子タイプ、及び粒径データのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて決定されてもよい。
【0056】
様々な実施形態では、本明細書に記載される方法は、本明細書に記載されるように、収集媒体を交換することを更に含んでもよい。様々な実施形態では、収集媒体は、例えば、経過した時間、受容した粒子の数、及び/又は視野内の粒子被覆率の割合などの1つ以上のパラメータに基づいて交換されてもよい。
【0057】
結論:
上述の説明及び関連する図面に示される教示の利益を有する多くの修正及び他の実施
形態が、本開示の属する分野における当業者に想到されるであろう。したがって、本開示は、開示される特定の実施形態に限定されるものではないこと、並びに修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。特定の用語が本明細書で用いられているが、これらは一般的かつ記述的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。