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特許7303876調整機構を有する外科用ヘルメットアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】調整機構を有する外科用ヘルメットアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/28 20060101AFI20230628BHJP
   A41D 13/12 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
A42B3/28
A41D13/12 118
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021522989
(86)(22)【出願日】2019-09-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 US2019050222
(87)【国際公開番号】W WO2020086180
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】62/749,837
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・ノートウィック,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】キッドマン,ボー・エム.
【審査官】山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-500127(JP,A)
【文献】特開2014-141776(JP,A)
【文献】特表2006-505373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 3/28
A41D 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)であって、
フレームアセンブリ(40,340)と、
ヘッドバンドアセンブリ(78,378)と、
第1の調整アセンブリ(100)と、
第2の調整アセンブリ(118)と、
を備え、
前記フレームアセンブリ(40,340)は、
第1の端(46,346)及び第2の端(48,348)を有するヘルメットシェル(42,342)と、
空気を循環させるために前記ヘルメットシェル(42,342)に連結されたファン(62,362)と、
を備え、
前記ヘッドバンドアセンブリ(78,378)は、
前記ヘルメットシェル(42,342)の第1の端(46,346)に隣接して前記ヘルメットシェル(42,342)に連結された前部支持部材(80,380)であって、前記ユーザーの額に当接するように構成されている前記前部支持部材(80,380)と、
前記ヘルメットシェル(42,342)の第2の端(48,348)に隣接して前記ヘルメットシェル(42,342)に連結された後部支持部材(82,382)であって、前記ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている前記後部支持部材(82,382)と、
前記後部支持部材(82,382)に移動可能に連結された第1の端及び前記前部支持部材(80,380)に連結された第2の端を有するストラップ(96a,396a)と、
を備え、
前記第1の調整アセンブリ(100)は、
前記後部支持部材(82,382)に回転可能に連結され、作動軸を中心として回転可能である第1の作動部材(102)と、
前記第1の作動部材(102)に動作可能に接続された第1の端及び前記前部支持部材(80,380)に連結された第2の端を有する張力要素(104)であって、前記ユーザーの頭に対する前記フレームアセンブリ(40,340)及び前記ヘッドバンドアセンブリ(78,378)の矢状方向フィットを調整するために、前記第1の作動部材(102)の回転に応じて前記ヘルメットシェル(42,342)に対して移動可能である前記張力要素(104)と、
を備え、
前記第2の調整アセンブリ(118)は、前記後部支持部材(82,382)に回転可能に連結された第2の作動部材(120)を備え、前記第2の作動部材(120)は、前記第1の作動部材(102)及び前記第2の作動部材(120)が同心になるように前記作動軸を中心として回転可能であり、前記第2の作動部材(120)は、前記ストラップ(96a,396a)の第1の端に隣接して前記ストラップ(96a,396a)に動作可能に連結され、前記ストラップ(96a,396a)は、前記ユーザーの頭に対する前記ヘッドバンドアセンブリ(78,378)の周方向フィットを調整するために、前記第2の作動部材(120)の回転に応じて前記後部支持部材(82,382)に対して移動可能である、
外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項2】
前記ストラップ(96a,396a)は、第1のストラップ(96a,396a)として更に画定され、前記ヘッドバンドアセンブリ(78,378)は、前記前部支持部材(80,380)及び前記後部支持部材(82,382)に連結された第2のストラップ(96b,396b)を備え、前記第1のストラップ(96a,396a)及び前記第2のストラップ(96b,396b)は、協働して一対のストラップ(396a,396b,96a,96b)を形成し、前記一対のストラップ(396a,396b,96a,96b)、前記前部支持部材(80,380)、及び前記後部支持部材(82,382)は、協働して前記ユーザーの頭を周方向に取り囲む連続ループを形成する、請求項1に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項3】
前記第2の作動部材(120)は、前記一対のストラップ(396a,396b,96a,96b)の少なくとも1つのストラップ(396a,396b,96a,96b)に係合するように配置され、前記一対のストラップ(396a,396b,96a,96b)の前記少なくとも1つのストラップ(396a,396b,96a,96b)は、前記第2の作動部材(120)の回転に応じて前記連続ループによって画定された周囲の大きさを調整するために前記後部支持部材(82,382)に対して移動可能である、請求項2に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項4】
前記前部支持部材(80,380)は、前記ユーザーの額に当接するように構成されたベース部分(84,384)を備え、前記前部支持部材(80,380)は、前記ベース部分(84,384)から延在する脚部分(86)を備え、前記脚部分(86)は、前記ヘルメットシェル(42,342)の第1の端(46,346)に隣接して前記ヘルメットシェル(42,342)に連結されると共に前記張力要素(104)の第2の端に連結されている、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項5】
前記ヘルメットシェル(42,342)及び前記前部支持部材(80,380)の前記脚部分(86)の一方は、長孔(90)を画定する表面(88)を備え、前記長孔(90)は、前記ヘルメットシェル(42,342)の第1の端(46,346)に近い第1の端(90a)及び前記ヘルメットシェル(42,342)の第1の端(46,346)から遠い第2の端(48,348)を有し、前記ヘルメットシェル(42,342)及び前記前部支持部材(80,380)の前記脚部分(86)の他方は、突起(92)を備え、前記長孔(90)は、前記ヘルメットシェル(42,342)に対する前記前部支持部材(80,380)の相対運動を拘束するために前記突起(92)の少なくとも一部を受け入れるように構成されている、請求項4に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項6】
前記張力要素(104)の第2の端は、前記前部支持部材(80,380)の前記脚部分(86)に連結され、前記突起(92)は、前記第1の作動部材(102)の回転による前記張力要素(104)の移動に応じて前記長孔(90)内において移動可能である、請求項5に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項7】
前記前部支持部材(80,380)の前記脚部分(86)は、前記突起(92)を備え、前記フレームアセンブリ(40,340)は、前記突起(92)を前記長孔(90)の第1の端(90a)の方に付勢するために前記ヘルメットシェル(42,342)及び前記突起(92)に連結された付勢機構(114)を更に備える、請求項6に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項8】
前記後部支持部材(82,382)及び前記ヘルメットシェル(42,342)の一方は、前記第1の作動部材(102)に隣接して前記作動軸を中心として環状に配置された調整面(188)を備え、前記調整面(188)は、前記作動軸から半径方向に離間すると共に周方向において互いに離間した複数の戻り止め(190)を画定し、前記第1の調整アセンブリ(100)は、前記第1の作動部材(102)に連結された1つ又は複数の付勢機構(186)を更に備え、前記1つ又は複数の付勢機構(186)は、前記第1の作動部材(102)と協働して前記複数の戻り止め(190)に係合し、前記作動軸を中心とする前記第1の作動部材(102)の自由な回転を拘束するように構成されている、請求項7に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項9】
前記ヘルメットシェル(42,342)は、前記ヘルメットシェル(42,342)の第1の端(46,346)と第2の端(48,348)との間に配置された張力要素ガイド(106)を備え、前記張力要素(104)の少なくとも一部は、前記ヘルメットシェル(42,342)の前記張力要素ガイド(106)に受け入れられるようになっている、請求項1~請求項8のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項10】
前記第1の作動部材(102)は、前記張力要素(104)に当接するように構成された表面(178)を備え、前記張力要素(104)の少なくとも一部は、前記第1の作動部材(102)の回転に応じて前記第1の作動部材(102)の前記表面(178)に巻き付けられるように及び前記表面(178)から巻き戻されるように構成されている、請求項1~請求項9のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項11】
前記ヘルメットシェル(42,342)は、外科用衣服(32)を前記ヘルメットシェル(42,342)に連結する1つ又は複数の連結特徴部(76)を備える、請求項1~請求項10のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項12】
前記1つ又は複数の連結特徴部(76)は、衣服の対応する相補的留め特徴部に連結するためのフック及びループ留め具と、磁気留め具と、ボタン及びスナップ留め具とのうちの1つからなる相補的留め特徴部から構成されている、請求項11に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項13】
前記第1の作動部材(102)は、前記作動軸から外方に前記第2の作動部材(120)よりも遠くに延在している、請求項1~請求項12のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項14】
前記ヘルメットシェル(42,342)は、ダクト(54,354)を備え、前記ダクト(54,354)は、入口開口(58)及び出口開口(60a,60b)を画定し、前記ファン(62,362)は、空気を前記入口開口(58)を通して前記ダクト(54,354)内に吸い込み、空気を前記出口開口(60a,60b)を通して前記ダクト(54,354)から外に排出するように構成されている、請求項13に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項15】
前記ダクト(54,354)は、前記入口開口(58)と前記出口開口(60a)との間に配置された圧力逃がし通気孔(500)を更に画定し、前記ファン(62,362)は、前記出口開口(60a)に向かって前記ダクト(54,354)内に空気を送り込み、この空気を前記出口開口(60a)及び前記圧力逃がし通気孔(500)を通して前記ダクト(54,354)から外に排出するように構成され、前記ダクト(54,354)の前記出口開口(60a)は、前記ファン(62,362)が空気を前記出口開口(60a)を通して前記ユーザーの下顔面の方に排出するように構成されるように配置され、
前記ダクト(54,354)内の空気の流れ特性を最適化し、前記ファン(62,362)の効率を高めるために、前記ファン(62,362)が空気を前記ダクト(54,354)を通して前記出口開口(60a)内に送り込みながら空気を前記圧力逃がし通気孔(500)を通して排出するように構成されるように、前記ダクト(54,354)の前記圧力逃がし通気孔(500)が前記出口開口(60a)と前記ファン(62,362)との間に配置されている、請求項14に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)。
【請求項16】
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)であって、
フレームアセンブリ(40,340)と、
前記ユーザーの頭を周方向に取り囲むように構成された連続ループを形成するヘッドバンドアセンブリ(78,378)と、
調整アセンブリ(100)と、
を備え、
前記フレームアセンブリ(40,340)は、
第1の端(46,346)及び第2の端(48,348)を有すると共に内面(56,356)を有するヘルメットシェル(42,342)と、
空気を循環させるために前記ヘルメットシェル(42,342)に連結されたファン(62,362)と、
を備え、
前記ヘッドバンドアセンブリ(78,378)は、
前記ヘルメットシェル(42,342)の第1の端(46,346)に隣接して前記ヘルメットシェル(42,342)に連結された前部支持部材(80,380)であって、前記ユーザーの額に当接するように構成されたベース部分(84)を備える前記前部支持部材(80,380)と、
前記ヘルメットシェル(42,342)の第2の端(48,348)に隣接して前記ヘルメットシェル(42,342)に連結された後部支持部材(82,382)であって、前記ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている前記後部支持部材(82,382)と、
を備え、
前記調整アセンブリ(100)は、
前記ヘルメットシェル(42,342)及び前記後部支持部材(82,382)の一方に回転可能に連結された作動部材(102)であって、作動軸を中心として回転可能である前記作動部材(102)と、
前記作動部材(102)に動作可能に接続された第1の端及び前記前部支持部材(80,380)に連結された第2の端を有する張力要素(104)であって、前記作動部材(102)の回転に応じて前記ヘルメットシェル(42,342)に対して移動可能である前記張力要素(104)と、
を備え、
前記前部支持部材(80,380)は、前記作動部材(102)の回転による前記張力要素(104)の移動に応じて前記ヘルメットシェル(42,342)に対して移動可能であり、前記前部支持部材(80,380)は、前記ヘルメットシェル(42,342)の前記内面(56,356)及び前記連続ループによって画定された第1の頭受容容積を画定する第1の位置(108)に移動可能であり、前記前部支持部材(80,380)は、前記ヘルメットシェル(42,342)に対して、前記ヘルメットシェル(42,342)の前記内面(56,356)及び前記連続ループによって画定された第2の頭受容容積を画定する第2の位置(110)に移動可能であり、
前記前部支持部材(80,380)が前記第1の位置(108)、前記第2の位置(110)、及び中間位置の間を移動するときに前記ヘルメットシェル(42,342)の前記内面(56,356)を前記ユーザーの頭に近接して維持しながら複数の頭のサイズに適応させるために、前記第1の頭受容容積は、前記第2の頭受容容積よりも大きくなっている、
外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項17】
前記調整アセンブリ(100)は、第1の調整アセンブリ(100)として更に画定され、前記作動部材(102)は、第1の作動部材(102)として更に画定され、前記外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)は、前記後部支持部材(82,382)に連結された第2の調整アセンブリ(118)を更に備え、前記第2の調整アセンブリ(118)は、前記ユーザーの頭に対する前記ヘッドバンドアセンブリ(78,378)の周方向フィットを調整するように構成されている、請求項16に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項18】
前記ヘッドバンドアセンブリ(78,378)は、前記後部支持部材(82,382)及び前記前部支持部材(80,380)の前記ベース部分(84)に連結された一対のストラップ(396a,396b,96a,96b)を更に備え、前記前部支持部材(80,380)の前記ベース部分(84)、前記一対のストラップ(396a,396b,96a,96b)、及び前記後部支持部材(82,382)は、協働して前記ユーザーの頭を周方向に取り囲む前記連続ループを形成する、請求項17に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項19】
前記第2の調整アセンブリ(118)は、前記後部支持部材(82,382)に回転可能に連結された第2の作動部材(120)を備え、前記第2の作動部材(120)は、前記一対のストラップ(396a,396b,96a,96b)の少なくとも1つのストラップに係合するように配置され、前記一対のストラップ(396a,396b,96a,96b)の前記少なくとも1つのストラップは、前記第2の作動部材(120)の回転に応じて前記連続ループによって画定された周囲の大きさを調整するために前記後部支持部材(82,382)に対して移動可能である、請求項18に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項20】
前記第1の作動部材(102)は、前記後部支持部材(82,382)に連結され、前記第2の作動部材(120)は、前記第1の作動部材(102)が前記第2の作動部材(120)と同心になるように、前記第1の作動部材(102)の前記作動軸を中心として回転可能である、請求項19に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項21】
前記後部支持部材(82,382)及び前記ヘルメットシェル(42,342)の一方は、前記作動部材(102)に隣接して前記作動軸を中心として環状に配置された調整面(188)を備え、前記調整面(188)は、前記作動軸から半径方向に離間すると共に周方向において互いに離間した複数の戻り止め(190)を画定し、前記調整アセンブリ(100)は、前記作動部材(102)に連結された1つ又は複数の付勢機構(186)を更に備え、前記1つ又は複数の付勢機構(186)は、前記作動部材(102)と協働して前記複数の戻り止め(190)に係合し、前記作動軸を中心とする前記作動部材(102)の自由な回転を拘束するように構成され、前記調整アセンブリ(100)は、前記作動部材(102)に連結された1つ又は複数のピン(192)を備え、前記1つ又は複数のピン(192)は、前記作動部材(102)の回転に応じて前記作動軸を中心として回転するように構成され、前記付勢機構(186)は、前記1つ又は複数のピン(192)を前記複数の戻り止め(190)に係合させるように付勢するように構成されている、請求項16に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項22】
前記前部支持部材(80,380)に連結された付勢機構(114)は、前記前部支持部材(80,380)を前記第1の位置(108)の方に付勢するために第1の力を前記張力要素(104)に加えるように構成され、前記1つ又は複数のピン(192)を前記複数の戻り止め(190)の少なくとも1つとの係合から離脱させるために第2の力が必要であり、前記第2の力は、前記第1の力よりも大きくなっている、請求項21に記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項23】
前記ヘルメットシェル(42,342)は、前記ヘルメットシェル(42,342)の第1の端(46,346)と第2の端(48,348)との間に配置された張力要素ガイド(106)を備え、前記張力要素(104)の少なくとも一部は、前記ヘルメットシェル(42,342)の前記張力要素ガイド(106)に受け入れられるようになっている、請求項16~請求項22のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【請求項24】
前記作動部材(102)は、前記張力要素(104)に当接するように構成された表面(178)を備え、前記張力要素(104)の少なくとも一部は、前記作動部材(102)の回転に応じて前記作動部材(102)の前記表面(178)に巻き付けられるように及び前記表面(178)から巻き戻されるように構成されている、請求項16~請求項23のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ(30,330)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外科用ヘルメットアセンブリに関する。
【0002】
[関連出願]
本願は、2018年10月24に出願された米国仮特許出願第62/749,837号の優先権及び利得の全てを主張するものであり、その内容は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
外科処置において外科従事者と患者との間に無菌バリアをもたらすために、個人保護システムが用いられている。具体的には、従来のシステムは、トーガ(toga)又はフード(hood)を支持するヘルメットを備えている。このシステムは、無菌バリアを確保したい医療/外科従事者によって着用される。トーガ又はフードは、透明な顔面シールドを備えることがある。ヘルメットは、ファンを有する通気ユニットを備えている。通気ユニットが空気をトーガ/フードを通して吸い込み、該空気が着用者の周りを循環する。これによって、トーガ/フード内に捕捉される熱量及びこの空間内に蓄積する二酸化炭素の量の両方が低減される。外科部位を照明するための照明器具をヘルメットに取り付けることも更に知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの場合、外科従事者は長時間にわたってヘルメットを着用する。ヘルメットのフィット感及び形態は、外科従事者の快適さを維持する上で大きな役割を果たす。適切なフィット感を維持するために、ヘルメットは、異なる外科従事者の様々な頭のサイズに適応できなければならない。少なくとも前述の課題を克服するように設計された機能を有する外科用ヘルメットアセンブリが望まれている。本開示のこれら及び他の構成、特徴、及び利点は、当業者には明らかだろう。本開示は、これらの構成、特徴、及び利点に制限されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、概して、外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリに関する。例示的な構成では、フレームアセンブリを備える外科用ヘルメットアセンブリが提示される。フレームアセンブリは、第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルを備えている。フレームアセンブリは、空気を循環させるためにヘルメットシェルに連結されたファンも備えている。フレームアセンブリは、ヘッドバンドアセンブリを更に備えている。ヘッドバンドアセンブリは、ヘルメットシェルの第1の端の近くでヘルメットシェルに連結された前部支持部材を備えている。前部支持部材は、ユーザーの額に当接するように構成されている。ヘッドバンドアセンブリは、ヘルメットシェルの第2の端に隣接してヘルメットシェルに連結された後部支持部材も備えている。後部支持部材は、ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている。ヘッドバンドアセンブリは、後部支持部材に移動可能に連結された第1の端及び前部支持部材に連結された第2の端を有するストラップを更に備えている。外科用ヘルメットアセンブリは、後部支持部材に回転可能に連結された第1の作動部材を備える第1の調整アセンブリも備えている。第1の作動部材は、作動軸を中心として回転可能である。第1の調整アセンブリは、第1の作動部材に動作可能に接続された第1の端及び前部支持部材に連結された第2の端を有する張力要素も備えている。張力要素は、ユーザーの頭に対するフレームアセンブリ及びヘッドバンドアセンブリの矢状方向フィットを調整するために、第1の作動部材の回転に応じてヘルメットシェルに対して移動可能である。外科用ヘルメットアセンブリは、第2の調整アセンブリを更に備えている。第2の調整アセンブリは、後部支持部材に回転可能に連結された第2の作動部材を有している。第2の作動部材は、第1の作動部材及び第2の作動部材が同心になるように作動軸を中心として回転可能である。第2の作動部材は、ストラップの第1の端に隣接してストラップに動作可能に連結されている。ストラップは、ユーザーの頭に対するヘッドバンドアセンブリの周方向フィットを調整するために、第2の作動部材の回転に応じて後部支持部材に対して移動可能である。
【0006】
他の例示的構成では、フレームアセンブリを備える外科用ヘルメットアセンブリが提示される。フレームアセンブリは、第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルを備えている。ヘルメットシェルは、内面も有している。フレームアセンブリは、空気を循環させるためにヘルメットシェルに連結されたファンも備えている。フレームアセンブリは、ユーザーの頭を周方向に取り囲むように構成された連続ループを形成するヘッドバンドアセンブリを更に備えている。ヘッドバンドアセンブリは、ヘルメットシェルの第1の端の近くでヘルメットシェルに連結された前部支持部材を有している。前部支持部材は、ユーザーの額に当接するように構成されたベース部分を備えている。ヘッドバンドアセンブリは、ヘルメットシェルの第2の端に隣接してヘルメットシェルに連結された後部支持部材も備えている。後部支持部材は、ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている。外科用ヘルメットアセンブリは、調整アセンブリを更に備えている。調整アセンブリは、ヘルメットシェル及び後部支持部材の一方に回転可能に連結された作動部材を有している。作動部材は、作動軸を中心として回転可能である。調整アセンブリは、作動部材に動作可能に接続された第1の端及び前部支持部材に連結された第2の端を有する張力要素も有している。張力要素は、作動部材の回転に応じてヘルメットシェルに対して移動可能である。前部支持部材は、作動部材の回転による張力要素の移動に応じてヘルメットシェルに対して移動可能である。前部支持部材は、連続ループ及びヘルメットシェルの内面によって画定された第1の頭受容容積を画定する第1の位置に移動可能である。前部支持部材は、ヘルメットシェルに対して、連続ループ及びヘルメットシェルの内面によって画定された第2の頭受容容積を画定する第2の位置に移動可能である。前部支持部材が第1の位置、第2の位置、及び中間位置の間を移動するときにヘルメットシェルの内面をユーザーの頭に近接して維持しながら複数の頭のサイズに適応させるために、第1の頭受容容積は、第2の頭受容容積よりも大きくなっている。
【0007】
更に他の例示的構成では、フレームアセンブリを備える外科用ヘルメットアセンブリが提示される。フレームアセンブリは、第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルを備えている。フレームアセンブリは、空気を循環させるためにヘルメットシェルに連結されたファンも備えている。フレームアセンブリは、ユーザーの頭を周方向に取り囲むようの構成された連続ループを形成するヘッドバンドアセンブリを更に備えている。ヘッドバンドアセンブリは、ヘルメットシェルの第1の端の近くでヘルメットシェルに連結された前部支持部材を有している。前部支持部材は、ユーザーの額に当接するように構成されている。ヘッドバンドアセンブリは、ヘルメットシェルの第2の端に隣接してヘルメットシェルに連結された後部支持部材も有している。後部支持部材は、ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている。ヘッドバンドアセンブリは、後部支持部材及び前部支持部材に連結された一対のストラップも有している。前部支持部材、一対のストラップ、及び後部支持部材は、協働して連続ループを形成している。一対のストラップの少なくとも1つのストラップは、作動部材によって係合されるように構成されている。前部支持部材は、第1の材料から形成されている。後部支持部材は、第2の材料から形成されている。一対のストラップは、第3の材料から形成されている。第2及び第3の材料は、第1の材料と異なっている。
【0008】
他の例示的な構成では、フレームアセンブリを備える外科用ヘルメットアセンブリが提示される。フレームアセンブリは、第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルを備えている。ヘルメットシェルは、ダクトを有している。ダクトは、入口開口、下顔面ノズル、及び圧力逃がし通気孔を画定している。下顔面ノズルは、ヘルメットシェルの第1の端に隣接して配置され、圧力逃がし通気孔は、下顔面ノズルとヘルメットシェルの第2の端との間に配置されている。フレームアセンブリは、ヘルメットシェルに連結されたファンを有する通気サブアセンブリも備えている。ファンは、空気を入口開口を通してダクト内に吸い込むように構成されている。ファンは、空気を下顔面ノズルに向かってダクト内に送り込むように更に構成されている。また、ファンは、空気を下顔面ノズル及び圧力逃がし通気孔を通してダクトから外に排出するように構成されている。外科用ヘルメットアセンブリは、ヘッドバンドアセンブリを更に備えている。ヘッドバンドアセンブリは、ユーザーの頭に当接してフレームアセンブリをユーザーの頭に連結させるための前部支持部材及び後部支持部材を有している。ダクトの下顔面ノズルは、ファンが空気を下顔面ノズルを通してユーザーの下顔面の方に排出するように構成されるように配置されている。ダクト内の空気の流れ特性を最適化し、通気サブアセンブリの効率を高めるために、ファンが空気をダクトを通して下顔面ノズルに送り込みながら空気を圧力逃がし通気孔を通して排出するように構成されるように、ダクトの圧力逃がし通気孔が下顔面ノズルとファンとの間に配置されている。
【0009】
本開示の利点は、添付の図面と関連して以下の詳細な説明を参照することによってよく理解されたなら、容易に認識されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】外科用ヘルメットアセンブリに連結された外科用衣服の斜視図である。
図2】外科用ヘルメットアセンブリの正面図である。
図3図2の線3-3に沿って切断された外科用ヘルメットアセンブリの断面図である。
図4】フレームアセンブリの一部が取り外されている、外科用ヘルメットアセンブリの正面図である。
図5】前部支持部材が第1の位置にある、図4の線5-5に沿って切断された図4の外科用ヘルメットアセンブリの断面図である。
図6】前部支持部材が第2の位置にある、図4の外科用ヘルメットアセンブリの他の断面図である。
図7】前部支持部材が第3の位置にある、図4の外科用ヘルメットアセンブリの別の断面図である。
図8】外科用ヘルメットアセンブリの一部の分解斜視図である。
図9図8の外科用ヘルメットアセンブリの一部の他の分解斜視図である。
図10】外科用ヘルメットアセンブリのヘッドバンドアセンブリ及び2つの調整アセンブリの背面図である。
図11図10の線11-11に沿って切断された外科用ヘルメットアセンブリのヘッドバンドアセンブリ及び2つの調整アセンブリの断面図である。
図12】作動部材が取り外されている、外科用ヘルメットアセンブリのヘッドバンドアセンブリ及び2つの調整アセンブリの他の背面図である。
図13】2つの調整アセンブリの作動部材の他の背面図である。
図14】一方の作動部材が取り外され、他方の作動部材が第1の方位にある、外科用ヘルメットアセンブリのヘッドバンドアセンブリ及び2つの調整アセンブリの他の背面図である。
図15】一方の作動部材が取り外され、他方の作動部材が第2の方位にある、外科用ヘルメットアセンブリのヘッドバンドアセンブリ及び2つの調整アセンブリの他の背面図である。
図16A】一方の作動部材が取り外され、他方の作動部材が第2の方位にある、外科用ヘルメットアセンブリのヘッドバンドアセンブリ及び2つの調整アセンブリの側面図である。
図16B】一方の作動部材が取り外され、他方の作動部材が第2の方位にある、図16Aの線16B―16Bに沿って切断された外科用ヘルメットアセンブリのヘッドバンドアセンブリ及び2つの調整アセンブリの断面図である。
図17】外科用ヘルメットアセンブリの他の構成の斜視図である。
図18図17の外科用ヘルメットアセンブリの底面図である。
図19図17の外科用ヘルメットアセンブリの他の斜視図である。
図20図17の外科用ヘルメットアセンブリの前部支持部材のパッドの立面図である。
図21図17の外科用ヘルメットアセンブリの前部支持部材のパッドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照すると、いくつかの図を通して同様の番号が同様の構造を示すために用いられている。医療及び/又は外科処置中に用いられる外科用ヘルメットアセンブリ30が、図1において外科用衣服(外科用ガーメント)32に連結された状態で示されている。外科用衣服32は、外科用ヘルメットアセンブリ30に取り付けられるように構成されている。外科用衣服32は、外科用衣服32を着衣するユーザーと周囲環境との間にバリア、例えば、微生物バリアをもたらすように構成されている。外科用衣服32によって生じるバリアは、ユーザーと患者の両方に有益である。外科用衣服32によってもたらされるバリアによって、ユーザーが外科処置の過程において生じる患者からの流体又は固体粒子に接触する可能性が軽減される。また、バリアによって、外科処置中にユーザーから放出される異物が患者に移るのが実質的に防止される。場合によっては、特にユーザーと患者との間にバリアをもたらす必要がない場合、外科用衣服32は、外科用ヘルメットアセンブリ30に連結されなくてもよい。外科用ヘルメットアセンブリ30、例えば、通気システムの種々の特徴は、米国特許第7,735,156号に記載されている。この文献は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0012】
図1を参照すると、外科用衣服32は、外科用ヘルメットアセンブリ30及びユーザーの頭の少なくとも一部を覆うように構成された外科用布34を備えている。外科用衣服32は、図1に示されるように、フードとして構成されているとよい。フードは、ユーザーによって着衣されるときに頭を覆って首の下方にわずかに延びる外科用衣服32を意味することを理解されたい。しかし、図示されないが、外科用衣服32は、トーガ、シャツ、又はジャケットとして構成されてもよいことも更に考慮されている。トーガは、ユーザーによって着衣されたときにフードと同じように頭を覆って少なくとも腰まで延びる外科用衣服32を意味することを理解されたい。
【0013】
図1に示されるように、外科用衣服32は、顔面シールド36を更に備えている。顔面シールド36は、外科用衣服32によってもたらされるバリア性を損なうことなくユーザーに可視性を与えるものである。顔面シールド36は、略シート状の構造を有し、略1mm又はそれ未満の厚みを有している。顔面シールド36は、1mmよりも大きな厚みを有してもよいことも考慮されている。顔面シールド36は、外科用衣服32の外科用布34に形成された開口又は切欠きに取り付けられるとよく及び/又は貼り付けられるとよい。外科用布34は、縫込み、スナップ留め、フック及びループ留め、接着、溶着、又はそれらの組合せによって、顔面シールド36の周囲又は縁の周りに取り付けられるとよい。顔面シールド36は、透明材料、例えば、ポリカーボネートから構成されているとよい。このようなポリカーボネートの一例として、SabicによってLEXANTMの商標で市販されているものが挙げられる。外科用衣服32の顔面シールド36は、ユーザーの眼が明るい光に強く晒されるのを防ぐために着色されていてもよい。更に、顔面シールド36は、外科用ヘルメットアセンブリ30の形状に応じて湾曲させられるように柔軟性を有してもよい。
【0014】
外科用衣服32は、外科用衣服32の周りに配置された1つ又は複数の衣服留め具38も備えている。衣服留め具38は、外科用衣服32を外科用ヘルメットアセンブリ30に取外し可能に固定するように構成されている。衣服留め具38は、どのような適切な形態を取っていてもよく、金属鋲、リベット、ボタン、磁石、フック及びループ、スナップ、又は同様の形式の留め具から構成されていてもよく、又はこれらの組合せから構成されていてもよい。図1に示されるように、衣服留め具38は、顔面シールド36のユーザー側から内方に延びるように外科用衣服32の顔面シールド36に取り付けられている。図示されないが、衣服留め具38は、外科用衣服32の周りのどのような他の位置又は箇所、例えば、外科用布34に配置されてもよいことも考慮されている。衣服留め具38は、接着剤、リベット、スナップ、同様の取付装置、又はそれらの組合せによって顔面シールド36及び/又は外科用布34に取り付けられるとよい。2019年1月25日に出願された共同所有の国際特許出願公開第2019/147923号に開示される外科用衣服及び留め機構が外科用ヘルメットアセンブリ30と併せて用いられてもよいことも考慮されている。この文献は、参照することによって、その全体がここに含まれるものとする。
【0015】
図1図3を参照すると、外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリ30が示されている。図3を参照すると、外科用ヘルメットアセンブリ30は、フレームアセンブリ40を備えている。フレームアセンブリ40は、ユーザーの頭の上に少なくとも部分的に略支持されるヘルメットシェル42と、ヘルメットシェル42に連結された通気サブアセンブリ44とを備えている。ヘルメットシェル42は、外科用ヘルメットアセンブリ30を着用するユーザーの頭にフィット(適合)するように弧状に構成されている。他のヘルメット設計も考慮されている。ヘルメットシェル42は、第1の端46及び第1の端46の反対側の第2の端48を有している。第1の端46は、外科用衣服32が取り付けられるときに外科用衣服32の顔面シールド36に隣接するように配置されている。ヘルメットシェル42は、上部50及び上部50に連結された底部52を備えている。ヘルメットシェル42の底部52は、外科用ヘルメットアセンブリ30がユーザーによって着用されたときにユーザーの方を向くように構成された内面56を備えている。ヘルメットシェル42の上部50及び底部52は、協働してダクト54を形成している。ヘルメットシェル42は、ダクト54を形成するために追加的な部分を備えてもよいことも考慮されている。また、ヘルメットシェル42は、ダクト54を形成するために単一の部分のみから構成されてもよいことも考慮されている。ヘルメットシェル42は、1つ又は複数の入口開口58及び1つ又は複数の出口開口60a,60bを画定している。図3に示されるヘルメットシェル42のダクト54は、1つの入口開口58を画定し、また、ヘルメットシェル42のダクト54は、ヘルメットシェル42の第1の端46に隣接する第1の出口開口60aと、ヘルメットシェル42の第2の端48に隣接する第2の出口開口60b(図10参照)とを画定している。ダクト54は、空気が入口開口58と出口開口60a,60bとの間で移動することを可能にするヘルメットシェル42内の通路として機能する。第1及び第2の出口開口60a,60bは、第1及び第2の「ノズル」と呼ばれることもある。何故なら、ファン62と開口60a,60bとの間のダクト54の位置において、開口60a,60bの断面積がダクト54の断面積よりも小さいからである。
【0016】
ユーザーが外科用衣服32がユーザーの頭を覆うように外科用ヘルメットアセンブリ30を着用すると、外科用衣服32内においてユーザーの呼吸によって二酸化炭素の蓄積及び温度上昇が生じる傾向にある。また、外科用衣服32内の温度上昇によってユーザー及び/又は顔面シールド36上に水蒸気が溜まり、その結果、ユーザーの視界が遮られることもある。これらの望ましくない影響を防ぐために、通気サブアセンブリ44が用いられる。通気サブアセンブリ44は、ヘルメットシェル42に回転可能に連結されたファン62と、ファン62に動作可能に接続されたモーター64とを備えている。モーター64は、電源からの電力供給によってファン62を回転させるように構成されている。モーター64は、ファン62の作動を制御し及び/又はファン62の回転速度を調整する種々の指令を受けるように更に構成されている。図3に示される構成では、ファン62及びモーター64は、ヘルメットシェル42のダクト54内に配置されている。モーター64は、ファン62を作動し、空気を入口開口58を通してダクト54内に吸い込み、空気を出口開口60a,60bを通してダクト54から外に排出するように構成されている。ダクト54は、入口開口58から出口開口60a,60bに吸い込まれる空気を分散させるように機能する。更に具体的には、第1の出口開口60aに分散された空気は、顔面シールド36又はユーザーの顔に放出され、第2の出口開口60bに分散された空気は、ユーザーの首の後ろに放出される。通気サブアセンブリ44は、ヘルメットシェル42のダクト54内に完全に配置された状態で示されているが、異なって配置されてもよいことも考慮されている。例えば、通気サブアセンブリ44がヘルメットシェル42に隣接して配置されるか又はヘルメットシェル42のダクト54内に部分的にのみ配置されるように、通気サブアセンブリ44がヘルメットシェル42に取外し可能に連結されてもよい。このような構成であっても、通気サブアセンブリ44は、空気を入口開口58を通してダクト54内に吸い込み又は取り込み、空気を出口開口60a,60bを通してダクト54から外に排出するように依然として構成されている。ファン62は、ファンブレード、インペラ、プロペラ、ファンホイール、又は空気の動きを引き起こすように構成された同様のブレード機構を含んで構成され得る。
【0017】
外科用ヘルメットアセンブリ30は、外科用衣服32が取り付けられたときに顔面シールド36に対する構造を提供するために(例えば顔面シールド36を支持するために)、ヘルメットシェル42から下方に延在する顎バー66を備えている。顎バー66は、ヘルメットシェル42の第1の端46に連結された上側ビーム68を備えている。上側ビーム68は、外科用ヘルメットアセンブリ30が着用されたときにユーザーの顔の周りを部分的に包むように配置されている。上側ビーム68は、第1の端及び第2の端を備えている。ヘルメットシェル42は、第1及び第2のアーム69a,69bを備えている。第1及び第2のアーム69a,69bは、剛性のための追加的な取付点をもたらすために、ヘルメットシェル42の第1及び第2の端46,48の間において、ヘルメットシェル42の本体部分から外方に上側ビーム68の第1及び第2の端に向かって延在している。顎バー66は、第1の支柱70及び第2の支柱72を更に備えている。第1の支柱70は、第1の端に隣接して上部ビーム68から下方に延在している。第2の支柱72は、第2の端に隣接して上部ビーム68から下方に延在している。下側ビーム74は、上側ビーム68の下方に間隔を置いて配置され、第1及び第2の支柱70,72間に延在してそれらに連結されている。顎バー66は、ユーザーが外科用ヘルメットアセンブリ30を着用しているときに下側ビーム74がユーザーの顎の下方のいくらか前方に位置するように、形成されている。下側ビーム74は、第1及び第2の支柱70,72から外方に弓状に湾曲している。顎バー66は、略柔軟性又は可撓性のある材料から構成されている。
【0018】
複数の留め具76、例えば、磁石、フック及びループ、金属リベット、スナップ、又は同様の形式の留め具が顎バー66に取り付けられている。これらの留め具76は、外科用衣服32の顔面シールド36と真っすぐに並ぶように及び/又は外科用衣服32の顔面シールド36に取り付けられるように構成されている。各留め具76は、顎バー66上の第1及び第2の支柱70,72が下側ビーム74に連結される場所の近くに配置されている。代替的に、留め具76は、外科用衣服32を外科用ヘルメットアセンブリ30に取外し可能に固定するために、前述したような顔面シールド36の相補的な衣服留め具38と任意の適切な方法によって協働するように配置されてもよく又は構成されてもよい。
【0019】
外科用ヘルメットアセンブリ30は、(図示されない)1つ又は複数の電動式周辺装置、例えば、制限されるものではないが、照明アセンブリ、カメラ、マイクロフォン又は他の通信装置、冷却装置、又はそれらの組み合わせを備えることもできる。これらの装置は、外科用ヘルメットアセンブリ30に対して種々の位置及び方向に取り付けられるとよく及び/又は貼り付けられるとよい。周辺装置は、各々、対応する周辺装置の作動状態に影響を与える指令を受信するように構成されているとよい。例えば、周辺装置は、各々、オン/オフ指令を受信するように構成されているとよい。代替的に、周辺装置は、周辺装置の1つ又は複数の設定を変更する指令を受信してもよい。このような構成によって、外科用ヘルメットアセンブリ30のユーザーは、外科処置中に種々の周辺装置の作動状態を制御することが可能になる。
【0020】
図1及び図4図7を参照すると、ヘッドバンドアセンブリ78が、ヘルメットシェル42と協働して外科用ヘルメットアセンブリ30をユーザーの頭に固定するために、ヘルメットシェル42に連結されている。ユーザーの頭への外科用ヘルメットアセンブリ30のフィットに関連する特徴を一層よく示すために、図4図7では、ヘルメットシェル42の上部50、通気サブアセンブリ44、及び顎バー66が取り外されている。ヘッドバンドアセンブリ78は、ヘルメットシェル42の第1の端46に隣接してヘルメットシェル42に移動可能に連結された前部支持部材80と、ヘルメットシェル42の第2の端48に隣接してヘルメットシェル42に連結された後部支持部材82とを備えている。前部支持部材80は、外科用ヘルメットアセンブリ30が着用されたときにユーザーの額に当接するように構成されている。前部支持部材80の反対側に配置された後部支持部材82は、外科用ヘルメットアセンブリ30が着用されたときにユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている。前述したように、ヘルメットシェル42の内面56は、外科用ヘルメットアセンブリ30が着用されたときにユーザーの頭頂部に当接するように構成されている。いくつかの構成では、ユーザーにクッション性をもたらすために、パッド85又はライナーが前部支持部材80、後部支持部材82、及びヘルメットシェル42の1つ又は複数の上に配置されている。外科用ヘルメットアセンブリ30は、本明細書に記載される特定の顎バー66を備えることなく又は顎バーを全く備えることなく利用されてもよいことを理解されたい。
【0021】
前部支持部材80は、ユーザーの額に当接するように構成されたベース部分84を備えている。前部支持部材80は、ベース部分84から延在する脚部分86を更に備えている。脚部分86は、ヘルメットシェル42の第1の端46に隣接してヘルメットシェル42に移動可能に連結されている。前部支持部材80は、ユーザーに対するヘッドバンドアセンブリ78及びヘルメットシェル42の矢状方向フィット(矢状方向での適合度合い)を調整するために、ヘルメットシェル42に対して移動可能である。図4図7に示される構成では、ヘルメットシェル42は、長孔(スロット)90を画定する内面88を備えている。長孔90は、ヘルメットシェル42の第1の端46に近い第1の端90aと、ヘルメットシェル42の第1の端46から遠い第2の端90bとを有している。前部支持部材80の脚部分86は、長孔90内に延びる突起92を備えている。図示される構成では、突起92は、脚部分86をヘルメットシェル42に連結する留め具の一部である。代替的に、突起92が脚部分86と一体に形成されもよいことも考慮されている。長孔90は、ヘルメットシェル42に対する前部支持部材80の相対運動を拘束(制限)するために、突起92の少なくとも一部を受け入れている。前部支持部材80の脚部分86が長孔90を画定し、ヘルメットシェル42が前部支持部材80とヘルメットシェル42との間を連結する突起92を備えてもよいことも考慮されている。
【0022】
他の構成では、留め具は、ヘルメットシェル42に移動可能に連結された(図示されない)摺動ブロックから構成されていてもよい。この場合、摺動ブロックは、長孔90内において、長孔90の第1及び第2の端90a,90b間を移動するように拘束される。突起92は、摺動ブロックに連結されているとよい。この構成では、ヘルメットシェル42に対する前部支持部材80の移動は、長孔90内の摺動ブロックの移動によって拘束される。摺動ブロックによって、長孔90内における留め具の移動時に前部支持部材80の脚部分86がヘルメットシェル42に対して摺動するときに生じる摩擦の大きさを軽減させることができる。
【0023】
以下、ヘルメットシェル42に対する前部支持部材80の移動について、更に詳細に説明する。前部支持部材80のベース部分84は、ユーザーの額を少なくとも部分的に包むように形成されている。前部支持部材80は、前部支持部材80が種々の形状の頭に適応することを可能にするために、柔軟性又は可撓性のある材料から構成されているとよい。
【0024】
後部支持部材82は、1つ又は複数のフィンガー94を備えている。これらのフィンガー94は、後部支持部材82の第1の部分から延在し、ヘルメットシェル42に連結されている。後部支持部材82のフィンガー94は、ヘルメットシェル42に対する後部支持部材82のヒンジ運動を可能にするものである。フィンガー94は、ヘルメットシェル42と後部支持部材82との間にヒンジ関係をもたらすために、柔軟性又は可撓性のある材料から構成されているとよい。代替的に、フィンガー94は、ヘルメットシェル42と後部支持部材82との間にヒンジ関係をもたらすために、ヘルメットシェル42に回転可能に連結されていてもよい。
【0025】
ヘッドバンドアセンブリ78は、一対のストラップ96a,96bを更に備えている。これらのストラップ96a,96bは、前部支持部材80のベース部分84に連結されると共に、後部支持部材82に移動可能に連結されている。いくつかの構成では、前部支持部材80のベース部分84、一対のストラップ96a,96b、及び後部支持部材82は、協働してユーザーの頭を周方向に取り囲む連続ループを形成している。種々のサイズの頭の周長に適応するように連続ループの大きさを調整するために、一対のストラップ96a,96bが後部支持部材82に対して移動可能である。以下、後部支持部材82に対する一対のストラップ96a,96bの移動について、更に詳細に説明する。代替的なストラップ構成、例えば、単一ストラップを利用するシステムも可能であることも考慮されている。
【0026】
図5を参照すると、外科用ヘルメットアセンブリ30は、(以下、矢状方向調整アセンブリ100と呼ぶ)第1の調整アセンブリ100を備えている。矢状方向調整アセンブリ100は、ユーザーの頭に対する外科用ヘルメットアセンブリ30の矢状方向フィットを調整するように機能する。更に具体的には、矢状方向調整アセンブリ100は、ヘルメットシェル42に対する前部支持部材80の相対位置を変化させることで矢状方向調整を達成するものである。矢状方向調整アセンブリ100は、後部支持部材82に回転可能に連結された矢状方向作動部材102を備えている。他の構成では、矢状方向作動部材102は、ヘルメットシェル42に回転可能に連結されていてもよい。矢状方向作動部材102は、作動軸AXを中心として回転可能である。矢状方向調整アセンブリ100は、張力要素(引張要素)104を更に備えている。張力要素104は、矢状方向作動部材102に動作可能に接続された第1の端と、前部支持部材80に連結された第2の端とを有している。図示される構成では、張力要素104の第2の端は、前部支持部材80の脚部分86の突起92に連結されている。張力要素104は、前部支持部材80の脚部分86の他の一部又はベース部分84の一部に連結されてもよいことも考慮されている。
【0027】
ヘルメットシェル42は、ヘルメットシェル42の第1及び第2の端46,48間に配置された張力要素ガイド106を備えている。張力要素ガイド106は、張力要素104を少なくとも部分的に受け入れるための溝、通路(チャネル)、及び空洞(キャビティ)の少なくとも1つを画定するフック構造又は環状構造を備えている。これによって、張力要素ガイド106は、通気サブアセンブリ44又は周辺装置の機能を損なうことなく及びユーザーの頭に接触することなく、矢状方向作動部材102と前部支持部材80との間で張力要素104を誘導するように作用することができる。張力要素104は、矢状方向作動部材102の回転に応じてヘルメットシェル42及び張力要素ガイド106に対して移動可能である。従って、矢状方向作動部材102の回転によって、張力要素104を移動させることで、ヘルメットシェル42に対する前部支持部材80の位置を変更させることが可能になる。
【0028】
図5図7に示されるように、前部支持部材80は、ヘルメットシェル42に対して、第1の位置108(図7)、第2の位置110(図6)、及びそれらの間の1つ又は複数の中間位置(1つの中間位置:図5)に移動可能である。ヘルメットシェル42に対する前部支持部材80の位置の変化は、ヘッドバンドアセンブリ78の連続ループとヘルメットシェル42の内面56との間に画定される頭受容容積を変更させる。更に、ヘルメットシェル42に対する前部支持部材80の位置の変化は、フレームアセンブリ40の重心(質量中心)と前部支持部材80のベース部分84との間の距離を変更させる。以下、受容容積及び重心位置の変化について、更に詳細に説明する。前述したように、前部支持部材80がヘルメットシェル42に対して移動するときに、前部支持部材80の脚部分86の突起92が長孔90内で移動可能である。従って、突起92は、矢状方向作動部材102の回転によって、張力要素104を介して長孔90内で移動可能である。前部支持部材80が第1の位置108にあるときに、突起92が長孔90の第1の端90aに隣接するように適合されている。前部支持部材80が第2の位置110にあるときに、突起92が長孔90の第2の端90bに隣接するように更に適合されている。いくつかの構成では、長孔90の第1及び第2の端90a,90bの一方又は両方における突起92の配置は、前部支持部材80の第1及び第2の位置108,110の一方又は両方をそれぞれ画定する。換言すれば、いくつかの構成では、前部支持部材80が第1及び第2の位置108,110の1つにあるときに、突起92は、長孔90の第1及び第2の端90a,90bの1つに当接する。他の構成では、前部支持部材80が第1及び第2の位置108,110にあるときに、突起92は、長孔90の第1及び第2の端90a,90bのいずれかに当接せず、代わって、長孔90の第1及び第2の端90a,90bの中間に位置するようになっていてもよい。
【0029】
前部支持部材80を第1の位置108に向かって付勢するために、付勢機構114がヘルメットシェル42及び前部支持部材80に連結されている。また、付勢機構114は、矢状方向作動部材102が張力要素104を弛ませたときに、この張力要素104をぴんと張るように機能する。図示される構成では、付勢機構114は、ヘルメットシェル42の第1の端46に隣接して連結された第1の端114aと、前部支持部材80の脚部分86の突起92に連結された第2の端114bとを有する弾性部材、例えば、ストラップから構成されている。付勢機構114は、突起92を長孔90の第1の端90aに向かって付勢するように構成されている。代替的な構成では、付勢機構114は、突起92を長孔90の第1の端90aに向かって付勢するためにベース部分84又は脚部分86の他の一部に連結されていてもよい。
【0030】
図6及び図7を参照すると、前述したように、半球状の頭受容容積は、底部のヘッドバンドアセンブリ78の連続ループと頂部のヘルメットシェル42の内面56との間に画定されている。前部支持部材80が第1の位置108にあるときに(図7参照)、この第1の位置108は、第1の頭受容容積を画定する。前部支持部材80が第2の位置110にあるときに(図6参照)、この第2の位置110は、第2の頭受容容積を画定する。第1の頭受容容積は、第2の頭受容容積よりも大きい。この容積の変化によって、外科用ヘルメットアセンブリ30は、前部支持部材80が第1の位置108と、第2の位置110と、1つ又は複数の中間位置との間を移動するときに、ヘルメットシェル42の内面56をユーザーの頭に極めて近接して維持しながら、複数の頭のサイズに適応することが可能になる。更に具体的には、ユーザーは、より大きい頭を前部支持部材80の第2の位置110ではなく前部支持部材80の第1の位置108において受け入れるために、矢状方向作動部材102を調節することで、外科用ヘルメットアセンブリの矢状方向フィットを調整することが可能になる。
【0031】
前述したように、フレームアセンブリ40は、図3に116で略示される重心(質量中心)を有している。図3は、フレームアセンブリ40の一構成例の重心116を示している。重心116の正確な位置は、フレームアセンブリ40の構成要素の重量分布に基づくので、他の構成では異なることがある。ヘルメットシェル42及び前部支持部材80を用いてヘッドバンドアセンブリ78の連続ループとヘルメットシェル42の内面56との間に画定される容積を変化させる1つの利点は、フレームアセンブリ40の重心116をユーザーの頭に近接して維持することにある。図4図7に示されないが、図3に示されるヘルメットシェル42に対する重心116の相対位置は、図5図7において同様に維持されることを理解されたい。前部支持部材80が第1の位置108にあるときに(図7参照)、フレームアセンブリ40の重心116は、前部支持部材80のベース部分84から第1の距離にある。前部支持部材80が第2の位置110にあるときに(図6参照)、フレームアセンブリ40の重心116は、前部支持部材80のベース部分84から第2の距離にある。第1の距離は、第2の距離よりも大きい。ユーザーの頭に対する矢状方向フィットを調整するときの前部支持部材80のベース部分84とフレームアセンブリ40の重心116との間の距離の変化によって、フレームアセンブリ40の重心116は、ユーザーの頭に近接して維持されることが可能になる。フレームアセンブリ40の重心116をユーザーの頭に近接して維持することによって、ユーザーが外科用ヘルメットアセンブリ30を着用した状態で頭を移動させたときにユーザーの頭に生じるフレームアセンブリ40の慣性モーメントが低減する。ユーザーの頭におけるフレームアセンブリ40の慣性モーメントを低減させることによって、外科用ヘルメットアセンブリ30を着用するユーザーの身体に加えられる重圧が軽減される。前部支持部材80が第1の位置108、第2の位置110、及び1つ又は複数の中間位置にあるときにフレームアセンブリ30の重心116をユーザーの頭に近接して維持することによって、種々の頭のサイズを有するユーザー間における慣性モーメントの変動が軽減される。
【0032】
図11に示されるように、外科用ヘルメットアセンブリ30は、後部支持部材82に連結された周方向調整アセンブリ118を更に備えている。周方向調整アセンブリ118は、ユーザーの頭に対するヘッドバンドアセンブリ78の周方向フィット(周方向での適合度合い)を調整するように構成されている。周方向調整アセンブリ118は、後部支持部材82に回転可能に連結された周方向作動部材120を備えている。周方向作動部材120は、一対のストラップ96a,96bの少なくとも1つに係合するように配置されている。図示される構成では、周方向作動部材120は、ストラップ96a,96bの両方に係合するように配置されている。ストラップ96a,96bは、周方向作動部材120の回転に応じてヘッドバンドアセンブリ78の連続ループによって画定される周囲の大きさを調整するように後部支持部材82に対して移動可能である。図示される構成では、周方向作動部材120及び矢状方向作動部材102は、同心である。すなわち、周方向作動部材120も、作動軸AXを中心として回転可能である。同心の作動部材102,120を用いる1つの利点は、2つの調整アセンブリ100,118の位置を一箇所に集中させることが可能になる点にある。これは、矢状方向フィット及び周方向フィットの両方を調整するためのユーザーによるアクセスの容易さを向上させるという利点をもたらす。2つの調整アセンブリ100,118の位置を一箇所に集中させることによる更なる利点は、2つの調整アセンブリ100,118が離れて用いられる場合よりも少ない空間しか占有しないので、調整アセンブリの効率的な包装が可能になる点にある。効率的な包装は、調整アセンブリ100,118の構成要素を修理又は交換するためのアクセスにとって有益である。
【0033】
図10及び図11に示されるように、矢状方向作動部材102は、作動軸AXから外方に周方向作動部材120よりも遠くに延在している。周方向作動部材120は、後部支持部材82から軸方向に矢状方向作動部材102よりも遠くに延在している。作動部材102,120は、ユーザーが矢状方向作動部材102を周方向作動部材120から区別することを助長する他の構成、すなわち、互いに異なる大きさ又は形状を有してもよいことも考慮されている。作動部材102,120は、回転又は並進させるためにユーザーによって把持されるノブ、ダイヤル、又は他の物理的構造を備えているとよい。
【0034】
図8図11を参照すると、後部支持部材82は、ヘルメットシェル42に連結された第1の部分122と、第1の部分122に連結された第2の部分124と、第1及び第2の部分122,124間に配置された中間部分126とを備えている。第2の部分124は、ユーザーが外科用ヘルメットアセンブリ30を着用するときにユーザーに面する内面128を備えている。後部支持部材82の部分122,124,126は、協働して調整アセンブリ100,118の機能を助長する。具体的には、部分122,124,126は、協働して、1対のストラップ96a,96bを周方向作動部材120に係合させるように案内するための構造をもたらす。更に、部分122,124,126は、互いに協働すると共に作動部材102,120とも協働し、作動部材102,120の半径方向位置を維持するのを助長する。後部支持部材82の部分122,124,126は、互いに組み合わされる個々の構成要素として図8図11に示されている。しかし、部分122,124,126の1つ又は複数は、単一の一体化された構成要素から形成されてもよいことも考慮されている。換言すれば、部分122,124,126の1つ又は複数は、一体物であってもよい。
【0035】
図8図11に示されるように、ストラップ96a,96bの各々は、周方向作動部材120を受け入れるための長孔(スロット)l30a,l30bを画定している。長孔l30a,l30bの各々は、上面l32a,l32b、底面l34a,l34b、及び端部によって画定されている。後部支持部材82の第2の部分124は、第1の隆起136及び第1の隆起136から離間した第2の隆起138を備えている。第1及び第2の隆起136,138は、内面128の反対側の表面140から離れる方に延在している。後部支持部材82の中間部分126は、略円筒体として示される本体142を備えている。本体142は、作動軸AXに沿って延在し、周方向作動部材120を受け入れるための開口144を画定している。中間部分126は、壁146を備えている。壁146は、本体142の一端において本体142から離れる方に作動軸AXを略横切って延在している。後部支持部材82の第2の部分124の第1及び第2の隆起136,138は、後部支持部材82の中間部分126の壁146に当接することで通路148を形成する(図11参照)。通路148は、ストラップ96a,96bの各々を受け入れてこれらのストラップ96a,96bを周方向作動部材120に係合させるように案内するように構成されている。第1及び第2の隆起136,138は、後部支持部材82の中間部分126の壁146に形成されて後部支持部材82の第2の部分124に当接することで通路148を形成してもよいことも考慮されている。
【0036】
周方向作動部材120と一対のストラップ96a,96bとの係合は、ラック及びピニオン係合であり得る。周方向作動部材120は、周方向作動部材120を回転するためにユーザーによって把持可能な作動部分150を備えている。作動部分150は、後部支持部材82の第1の部分122から離れる方に延在している。周方向作動部材120は、係合部分152も備えている。係合部分152は、後部支持部材82の第2の部分124及び後部支持部材82の中間部分126によって画定された通路148内においてストラップ96a,96bに係合するために、中間部分126の開口144内において第2の部分124の方に延びている。一方のストラップ96aの長孔130aの上面132a及び他方のストラップ96bの長孔130bの底面134bは、それぞれ、上面l32a及び底面134bに沿って線状に配置された複数の歯154a,l54bを備えている。周方向作動部材120の係合部分152は、ストラップ96a,96bの複数の歯154a,154bと係合するように周方向に配置された複数の歯156を備えている。周方向作動部材120が回転すると、係合部分152の歯156がストラップ96a,96bの歯154a,154bに係合し、通路148内においてストラップ96a,96bを互いに対して及び周方向作動部材120に対して移動させる。通路148内のストラップ96a,96bの移動によって、ヘッドバンドアセンブリ78の連続ループの周長が変化する。連続ループの周長の変化によって、ユーザーの頭に対するヘッドバンドアセンブリ78の周方向フィットが調整される。
【0037】
図14図16Bに示されるように、矢状方向作動部材102は、略円筒体として示される本体158を備えている。本体158は、周方向調整部材120の少なくとも一部及び後部支持部材82の中間部分126の本体142の少なくとも一部を受け入れるための開口160を画定している。矢状方向作動部材102の特徴及び作動を一層よく示すために、図14図16Bにおいて周方向調整部材120が取り外されている。矢状方向作動部材102は、1つ又は複数の突起162を備えている。突起162は、ユーザーが矢状方向作動部材102をより容易に回転させることを可能にするために、作動軸AX及び矢状方向作動部材102の本体158から外方に延在している。
【0038】
図8図11に示されるように、後部支持部材82の第1の部分122は、フランジ164を備えている。フランジ164は、周方向作動部材120の少なくとも一部及び矢状方向作動部材102の少なくとも一部を受け入れるための開口166を画定している。図11を参照すると、後部支持部材82の第1の部分122は、張力要素104を受け入れるための開口168を画定している。張力要素104を開口168から矢状方向作動部材102に案内するために、フランジ164は、開口166及び開口168に連通する長孔170を画定している。
【0039】
図14図16Bに示されるように、矢状方向作動部材102は、張力要素104を受け入れるためのポケット172を画定している。矢状方向作動部材102は、開口174を更に画定している。開口174は、張力要素104が長孔170からポケット172内に導かれることを可能にするために、ポケット172と後部支持部材82の第1の部分122のフランジ164によって画定された開口166とに連通している。図示される構成では、張力要素104は、張力要素104の第1の端にスタッド176を備えている。スタッド176は、張力要素104の第1の端を矢状方向作動部材102のポケット172内に固定し、これによって、張力要素104は、作動軸AXから半径方向に離間した点において矢状方向作動部材102に連結されることになる。矢状方向作動部材102は、フランジ164に面するように配置された巻付面178(図16参照)を備えている。巻付面178は、矢状方向作動部材102が回転されたときに張力要素104の少なくとも一部に当接するように構成されている。換言すれば、張力要素104の少なくとも一部は、矢状方向作動部材102の回転に応じて、矢状方向作動部材102の巻付面178に巻き付けられるように及び巻付面178から巻き戻される(繰り出される)ように構成されている。張力要素104は、張力要素104が矢状方向作動部材102の回転に応じて巻き付けられるように及び巻き戻されるように構成されている限り、矢状方向作動部材102に別の態様によって連結されていてもよいことも考慮されている。
【0040】
図14図16Bに示される例示的な構成では、矢状方向作動部材102が図14に示される第1の方位180から図15及び図16に示される第2の方位182に回転すると、張力要素104は、巻付面178に巻き付けられる。張力要素104が巻付面178に巻き付けられると、張力要素104は、ヘルメットシェル42に対して移動する。従って、矢状方向作動部材102の回転によって、前部支持部材80は、ヘルメットシェル42に対して第1の位置108、第2の位置110、及び1つ又は複数の中間位置に移動する。例えば、矢状方向作動部材102が図14に示される第1の方位180にあるときに、前部支持部材80は、第1の位置108(図7)にある。矢状方向作動部材102が図15及び図16に示される第2の方位182に回転されると、張力要素104は、巻付面178に巻き付けられ、張力要素104の第2の端を引っ張り、前部支持部材80を第2の位置110(図6)に移動させる。矢状方向作動部材102が第2の方位182から第1の方位180に戻すように回転されると、矢状方向作動部材102は、付勢機構114が張力要素104及び前部支持部材80を第1の位置108に引き戻すことを可能にする。
【0041】
矢状方向作動部材102及び周方向作動部材120の方位を維持するために、付勢機構184,186が、矢状方向作動部材102及び周方向作動部材120に連結されている。図12及び図13を参照すると、後部支持部材82の中間部分126は、矢状方向調整面188を備えている。矢状方向調整面188は、矢状方向作動部材102に隣接して作動軸AXを中心として環状に配置されている。矢状方向調整面188は、複数の戻り止め190(すなわち、凹み)を画定している。これらの戻り止め190は、作動軸AXから半径方向に離間し、周方向において互いに離間している。矢状方向調整アセンブリ100は、矢状方向作動部材102に連結された1つ又は複数のピン192を備えている。ピン192は、矢状方向作動部材102の回転に応じて作動軸AXを中心に回転するように構成されている。いくつかの構成では、矢状方向作動部材102は、1つ又は複数のピン192を形成するために戻り止め190に向かって延在する突起を備えている。他の構成では、1つ又は複数のピン192は、矢状方向作動部材102に取り付けられている。一方の付勢機構184は、1つ又は複数のピン192を矢状方向調整面188に係合させ、従って、複数の戻り止め190に係合するように付勢し、これによって、作動軸AXを中心とする矢状方向作動部材102の自由な回転を拘束(制限)するように構成されている。同様に、後部支持部材82の中間部分126は、周方向調整面194を備えている。周方向調整面194は、周方向作動部材120に隣接して作動軸AXを中心として環状に配置されている。周方向調整面194は、複数の戻り止め196(すなわち、凹み)を画定している。これらの戻り止め196は、作動軸AXから半径方向に離間し、周方向において互いに離間している。周方向調整アセンブリ118は、周方向作動部材120に連結された1つ又は複数のピン198を備えている。これらのピン198は、周方向作動部材120の回転に応じて作動軸AXを中心に回転するように構成されている。いくつかの構成では、周方向作動部材120は、1つ又は複数のピン198を形成するために複数の戻り止め196に向かって延在する突起を備えている。他の構成では、1つ又は複数のピン198は、周方向作動部材120に取り付けられている。他方の付勢機構186は、1つ又は複数のピン198を周方向調整面194に係合させ、従って、複数の戻り止め196に係合するように付勢し、これによって、作動軸AXを中心とする周方向作動部材120の自由な回転を拘束するように構成されている。前部支持部材80に連結された付勢機構114は、張力要素104に一定力を加え、前部支持部材80を第1の位置108の方に付勢するように構成されている。この一定力は、1つ又は複数のピン198を複数の戻り止め196の少なくとも1つから離脱させるのに十分な力ではない。
【0042】
図17図21を参照すると、代替的な構成の外科用ヘルメットアセンブリ330が示されている。様々な構成の外科用ヘルメットアセンブリ330は、300番台の同様の参照番号が付された同様の要素を備えることを理解されたい。すなわち、300番台の参照番号を有する要素は、前述したのと同じ特徴を有することを理解されたい。
【0043】
図18を参照すると、ヘルメットシェル342のダクト354は、ファン362と第1の出口開口360aとの間に配置された通気孔500を画定している。通気孔500は、ファン362からダクト354を通って第1の出口開口360aに向かって送り込まれる空気の一部が第1の出口開口360aに達する前にダクト354から排出されることを可能にするように構成されている。いくつかの構成では、第1の出口開口360aは、手術中に空気をユーザーの下顔面(顔面下部)に導くようになっている。このような構成では、第1の出口開口360aは、「下顔面ノズル」と呼ばれることがある。複数の通気孔500が示されているが、単一の通気孔500が用いられてもよいことも考慮されている。通気孔500は、ファン362によってダクト354を通って第1の出口開口360aに送り込まれる空気の流れ特性を最適化し、ひいては、通気サブアセンブリ344の効率を改良する。更に具体的には、通気孔500は、空気がファン362からダクト354に入る箇所と空気が第1の出口開口360aを通って排出される箇所との間の圧力差を低減する。この理由から、通気孔は「圧力逃がし通気孔(pressure relief vent)」と呼ばれることもある。この圧力差の低減によって、モーター364は、第1の出口開口360aから排出される空気の体積流量を目標値に維持しながら、比較的低速でファン362を作動させることが可能になる。ファン362の低速作動によって、通気サブアセンブリ344を低エネルギー消費で作動させることが可能になる。
【0044】
通気孔500の他の利点は、ファン362の低速作動によって騒音及び/又は振動が低減する点にある。騒音と振動のレベルが高くなると、使用中、例えば、手術中にユーザーの注意が散漫になる可能性がある。ファン速度が上昇すると、多くの場合、騒音及び/又は振動が増大する。通気孔500を設けることによって、第1の出口開口360aから排出される空気の体積流量を目標値に維持しながらファン362を減速作動させることができる。ファン速度の低下によって、騒音及び/又は振動が比較的少なくなり、使用中のファン362の作動によるユーザーの注意散漫を軽減し、より静かな環境をもたらすことによってユーザーの快適さが改良される。
【0045】
図19を参照すると、ヘルメットシェル342の第1の出口開口360aは、ヘッドバンドアセンブリ378の連続ループの上部の下方に配置され、ファン362は、空気を第1の出口開口360aを通してユーザーの下顔面に排出するように構成されているとよい。通気孔500は、ヘッドバンドアセンブリ378の連続ループの上方に配置され、ファン362は、空気を通気孔500を通してユーザーの頭頂部に向かって排出するように構成されていてもよい。
【0046】
ヘルメットシェル342は、第1の出力開口360aを1つ又は複数の顔面シールド開口504と1つ又は複数の下顔面開口506とに分割する流れ誘導部材502を備えている。1つ又は複数の顔面シールド開口504は、前部支持部材380から1つ又は複数の下顔面開口506よりも遠くに配置されている。更に、流れ誘導部材502は、1つ又は複数の下顔面開口506を通って排出される空気の一部がユーザーの下顔面に導かれるように配向されているとよい。
【0047】
いくつかの構成では、前部支持部材380は、発泡体から基本的に(本質的に)構成されているか又は発泡体から構成されている。換言すれば、前部支持部材380の全体が発泡体から構成され得る。発泡体は、エチレン酢酸ビニル(EVA)発泡体から基本的に(本質的に)構成されているとよい。前部支持部材380が発泡体によって形成されている構成では、前部支持部材380は、ユーザーの頭に、より快適に順応する。ユーザーの頭に、より快適に順応する構成によって、前部支持部材380は、ユーザーの頭に圧力をより均一に加え、ヘルメットシェル342及びヘッドバンドアセンブリ378の矢状方向調整及び周方向調整中のユーザーの頭の圧力点を低減することができる。前部支持部材380の全体が発泡体で形成されるいくつかの構成では、一対のストラップ396a,396b及び後部支持部材382は、他の材料、例えば、剛性プラスチックから形成されているとよい。これによって、ヘッドバンドアセンブリ378のいくつかの特性に有利な別の材料からヘッドバンドアセンブリ378を形成することができる。例えば、剛性プラスチック材料は、その剛性によって周方向調整アセンブリ418の作動中の耐久性及び機能性を良好に発揮させる点において、一対のストラップ396a,396b及び後部支持部材382にとって有利な材料選択である。前述したように、発泡材料は、前部支持部材380がユーザーの頭に順応し、ユーザーの頭に対するヘルメットシェル342及びヘッドバンドアセンブリ378の矢状方向調整及び周方向調整中の圧力点を低減させるので、前部支持部材380にとって有益な材料選択である。前述したように発泡体から構成される前部支持部材380は、前述したのと異なる調整アセンブリと併せて用いられてもよいことも考慮されている。
【0048】
図19図21を参照すると、外科用ヘルメットアセンブリ330が着用されたときにユーザーに面するように構成された、前部支持部材380、ヘルメットシェル342の内面356、及び後部支持部材382の表面の1つ又は複数に、パッド385が連結されるとよい。パッド385は、外科用ヘルメットアセンブリ330が着用されるときにユーザーの頭に当接し、これによって、ユーザーにクッションを与え、快適さを高めるように構成されている。パッド385は、網状発泡体から構成されているとよい。網状発泡体は、ポリエーテル、ポリエステル、他のポリウレタン材料、又は別の有機ポリマーの一種又は複数種から形成されているとよい。網状発泡体は、従来の発泡体よりも軽いため、パッドにとって有利である。パッド385は、吸水布(吸湿布)508も備えている。吸水布508は、ユーザーの頭に当接してユーザーの頭から水分(及び湿気)を吸い込むために網状発泡体の上に配置される。吸水布508は、ポリエステル、ポリプロピレン、毛織物(毛糸)、スパンデックス、又はユーザーとの接触時にユーザーから水分を吸い込むのに適する他の材料から選択される一種又は複数種の材料によって形成されるとよい。
【0049】
本明細書に記載されている図の多くにおいて、説明の都合上及び例示の容易さのために、外科用ヘルメットアセンブリ30,330のいくつかの構成要素が取り外されていることに留意されたい。
【0050】
外科用ヘルメットアセンブリ30,330は、外科用途に向けられているが、非外科用途、例えば、通気サブアセンブリが必要とされない用途又は外科用衣服が必要とされない用途に用いられてもよいことにも留意されたい。
【0051】
「備える(include, includes, including)」という用語は、「備える(comprise, comprises, comprising)」という用語と同じ意味を有することを更に理解されたい。加えて、「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」、等の用語は、明確性及び一貫性のある非制限的な例示を目的として、いくつかの構造的特徴及び構成要素を区別するために、本明細書において用いられることを理解されたい。
【0052】
以上、いくつかの構成について検討してきた。しかし、本明細書において検討された構成は、包括的であることが意図されるものではなく、又は本発明をどのような特定の形態に制限することが意図されるものでもない。用いられてきた専門用語は、制限のための用語ではなく説明のための用語であることが意図されている。前述の示唆に照らして多くの修正及び変更が可能であり、本発明は、具体的に記載される以外の方法によって実施されてもよい。
【0053】
本発明は、独立請求項に規定されることが意図され、特定の特徴は、従属請求項に開示される。1つの独立請求項に従属する請求項の主題は、他の独立請求項に関連して実施されてもよい。
【0054】
本開示は、前述の構成及び図面を参照して詳細に説明したように具体的に実施され得る以下の条項も含み、特定の特徴は、従属条項に開示される。
【0055】
[条項I]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
ヘッドバンドアセンブリと、
第1の調整アセンブリと、
第2の調整アセンブリと、
を備え、
フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルと、
空気を循環するためにヘルメットシェルに連結されたファンと、
を備え、
ヘッドバンドアセンブリは、
ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに連結された前部支持部材であって、ユーザーの額に当接するように構成されている、前部支持部材と、
ヘルメットシェルの第2の端に隣接してヘルメットシェルに連結された後部支持部材であって、ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている、後部支持部材と、
後部支持部材に移動可能に連結された第1の端及び前部支持部材に連結された第2の端を有するストラップと、
を備え、
第1の調整アセンブリは、
後部支持部材に回転可能に連結された第1の作動部材であって、作動軸を中心として作動可能である、第1の作動部材と、
第1の作動部材に動作可能に連結された第1の端及び前部支持部材に連結された第2の端を有する張力要素であって、ユーザーの頭に対するフレームアセンブリ及びヘッドバンドアセンブリの矢状方向フィットを調整するために、第1の作動部材の回転に応じてヘルメットシェルに対して移動可能である、張力要素と、
を備え、
第2の調整アセンブリは、後部支持部材に回転可能に連結された第2の作動部材を備え、第2の作動部材は、第1の作動部材及び第2の作動部材が同心になるように作動軸を中心として回転可能であり、作動部材は、第1の端に隣接してストラップに動作可能に連結され、ストラップは、ユーザーの頭に対するヘッドバンドアセンブリの周方向フィットを調整するために、第2の作動部材の回転に応じて後部支持部材に対して移動可能である、
外科用ヘルメットアセンブリ。
【0056】
[条項II]
ストラップは、第1のストラップとして更に画定され、ヘッドバッドアセンブリは、前部支持部材及び後部支持部材に連結された第2のストラップを備え、第1及び第2のストラップは、協働して一対のストラップを形成し、一対のストラップ、前部支持部材、及び後部支持部材は、協働してユーザーの頭を周方向に取り囲む連続ループを形成する、条項Iに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0057】
[条項III]
第2の作動部材は、一対のストラップの少なくとも1つのストラップに係合するように配置され、一対のストラップの少なくとも1つのストラップは、第2の作動部材の回転に応じて連続ループによって画定された周囲の大きさを調整するために後部支持部材に対して移動可能である、条項IIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0058】
[条項IV]
前部支持部材は、ユーザーの額に当接するように構成されたベース部分を備え、前部支持部材は、ベース部分から延在する脚部分を備え、脚部分は、ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに連結されると共に張力要素の第2の端に連結されている、条項I-IIIのいずれかに記載の外科用ヘルメット。
【0059】
[条項V]
ヘルメットシェル及び前部支持部材の脚部分の一方は、長孔を画定する表面を備え、長孔は、ヘルメットシェルの第1の端に近い第1の端を有し、ヘルメットシェルの第1の端から遠い第2の端を有し、ヘルメットシェル及び前部支持部材の脚部分の他方は、突起を備え、長孔は、ヘルメットシェルに対する前部支持部材の相対運動を拘束するために突起の少なくとも一部を受け入れるように構成されている、条項IVに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0060】
[条項VI]
張力要素の第2の端は、前部支持部材の脚部分に連結され、突起は、作動部材の回転による張力要素の移動に応じて長孔内において移動可能である、条項Vに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0061】
[条項VII]
前部支持部材の脚部分は、突起を備え、フレームアセンブリは、突起を長孔の第1の端の方に付勢するためにヘルメットシェル及び突起に連結された付勢機構を更に備える、条項VIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0062】
[条項VIII]
後部支持部材及びヘルメットシェルの一方は、第1の作動部材に隣接して作動軸を中心として環状に配置された調整面を備え、調整面は、作動軸から半径方向に離間すると共に周方向において互いに離間した複数の戻り止めを画定し、第1の調整アセンブリは、第1の作動部材に連結された1つ又は複数の付勢機構を更に備え、1つ又は複数の付勢機構は、第1の作動部材と協働して複数の戻り止めに係合し、作動軸を中心とする第1の作動部材の自由な回転を拘束するように構成されている、条項VIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0063】
[条項IX]
ヘルメットシェルは、ヘルメットシェルの第1及び第2の端間に配置された張力要素ガイドを備え、張力要素の少なくとも一部は、ヘルメットシェルの張力要素ガイドに受け入れられるようになっている、条項I-VIIIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0064】
[条項X]
第1の作動部材は、張力要素に当接するように構成された表面を備え、張力要素の少なくとも一部は、第1の作動部材の回転に応じて第1の作動部材の表面に巻き付けられるように及び該表面から巻き戻されるように構成されている、条項I-IXのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0065】
[条項XI]
ヘルメットシェルは、外科用衣服をヘルメットシェルに連結する1つ又は複数の連結特徴部を備える、条項I-Xのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0066】
[条項XII]
1つ又は複数の連結特徴部は、衣服の対応する相補的留め特徴部に連結するためのフック及びループ留め具と、磁気留め具と、ボタン及びスナップ留め具とのうちの1つからなる相補的留め特徴部を備える、条項XIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0067】
[条項XIII]
第1の作動部材は、作動軸から外方に第2の作動部材よりも遠くに延在している、条項I-XIIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0068】
[条項XIV]
ヘルメットシェルは、ダクトを備え、ダクトは、入口開口及び出口開口を画定し、ファンは、空気を入口開口を通してダクト内に吸い込み、空気を出口開口を通してダクトから外に排出するように構成されている、条項XIIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0069】
[条項XV]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリであって、
重心(質量中心)を有するフレームアセンブリと、
ヘッドバンドアセンブリと、
調整アセンブリと、
を備え、
フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルと、
空気を循環するためにヘルメットシェルに連結されたファンと、
を備え、
ヘッドバンドアセンブリは、
ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに連結された前部支持部材であって、ユーザーの額に当接するように構成されたベース部分を備える、前部支持部材と、
ヘルメットシェルの第2の端に隣接してヘルメットシェルに連結された後部支持部材であって、ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている、後部支持部材と、
を備え、
調整アセンブリは、
ヘルメットシェル及び後部支持部材の一方に回転可能に連結された作動部材であって、作動軸を中心として回転可能である、作動部材と、
作動部材に動作可能に接続された第1の端及び前部支持部材に連結された第2の端を有する張力要素であって、作動部材の回転に応じてヘルメットシェルに対して移動可能である、張力要素と、
を備え、
前部支持部材は、作動部材の回転による張力要素の移動に応じて、ヘルメットシェルに対して第1の位置、第2の位置、及びそれらの間の中間位置に移動可能であり、フレームアセンブリの重心は、前部支持部材が第1の位置にあるときに前部支持部材のベース部分から第1の距離にあり、前部支持部材が第2の位置にあるときに前部支持部材のベース部分から第2の距離にあり、
前部支持部材が第1の位置、第2の位置、及び中間位置の間を移動するときにフレームアセンブリの重心をユーザーの頭に近接して維持しながら複数の頭のサイズに適応するために、第1の距離は、第2の距離よりも大きくなっている、
外科用ヘルメットアセンブリ。
【0070】
[条項XVI]
調整アセンブリは、第1の調整アセンブリとして更に画定され、作動部材は、第1の作動部材として更に画定され、外科用ヘルメットアセンブリは、後部支持部材に連結された第2の調整アセンブリを更に備え、第2の調整アセンブリは、ユーザーの頭に対するヘッドバンドアセンブリの周方向フィットを調整するように構成されている、条項XVに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0071】
[条項XVII]
ヘッドバンドアセンブリは、後部支持部材及び前部支持部材のベース部分に連結された一対のストラップを更に備え、前部支持部材のベース部分、一対のストラップ、及び後部支持部材は、協働してユーザーの頭を周方向に取り囲む連続ループを形成する、条項XVIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0072】
[条項XVIII]
第2の調整アセンブリは、後部支持部材に回転可能に連結された第2の作動部材を備え、第2の作動部材は、一対のストラップの少なくとも1つのストラップに係合するように配置され、一対のストラップの少なくとも1つのストラップは、第2の作動部材の回転に応じて連続ループによって画定された周囲の大きさを調整するために後部支持部材に対して移動可能である、条項XVIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0073】
[条項XIX]
第1の作動部材は、後部支持部材に連結され、第2の作動部材は、第1の作動部材が第2の作動部材と同心になるように第1の作動部材の作動軸を中心として回転するように構成されている、条項XVIIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0074】
[条項XX]
第1の調整アセンブリの作動部材は、作動軸から外方に第2の調整アセンブリの作動部材よりも遠くに延在している、条項XIXに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0075】
[条項XXI]
前部支持部材は、ベース部分から延在する脚部分を備え、脚部分は、ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに連結されている、条項XV-XXのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0076】
[条項XXII]
ヘルメットシェル及び前部支持部材の脚部分の一方は、長孔を画定する表面を備え、長孔は、ヘルメットシェルの第1の端に近い第1の端及びヘルメットシェルの第1の端から遠い第2の端を有し、ヘルメットシェル及び前部支持部材の脚部分の他方は、突起を備え、長孔は、ヘルメットシェルに対する前部支持部材の相対運動を拘束するために突起の少なくとも一部を受け入れるように構成されている、条項XXIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0077】
[条項XXIII]
突起は、前部支持部材が第1の位置にあるときに、長孔内において長孔の第1の端に隣接するように移動可能であり、突起は、前部支持部材が第2の位置にあるときに、長孔内において長孔の第2の端に隣接するように移動可能である、条項XXIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0078】
[条項XXIV]
張力要素の第2の端は、前部支持部材の脚部分に連結され、突起は、作動部材の回転による張力要素の移動に応じて長孔内において移動可能である、条項XXIIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0079】
[条項XXV]
フレームアセンブリは、前部支持部材を第1の位置の方に付勢するためにヘルメットシェル及び前部支持部材に連結された付勢機構を更に備える、条項XXIVに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0080】
[条項XXVI]
前部支持部材の脚部分は、突起を備え、付勢機構は、突起を長孔の第1の端の方に付勢するために突起に連結されている、条項XXVに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0081】
[条項XXVII]
後部支持部材及びヘルメットシェルの一方は、作動部材に隣接して作動軸を中心として環状に配置された調整面を備え、調整面は、作動軸から半径方向に離間すると共に周方向において互いに離間した複数の戻り止めを画定し、調整アセンブリは、作動部材に連結された1つ又は複数の付勢機構を更に備え、1つ又は複数の付勢機構は、作動部材と協働して複数の戻り止めに係合し、作動軸を中心とする作動部材の自由な回転を拘束するように構成されている、条項XXIV-XXVIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0082】
[条項XXVIII]
調整アセンブリは、作動部材に連結された1つ又は複数のピンを備え、1つ又は複数のピンは、作動部材の回転に応じて作動軸を中心として回転するように構成され、付勢機構は、1つ又は複数のピンを複数の戻り止めに係合させるように付勢するように構成されている、条項XXVIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0083】
[条項XXIX]
前部支持部材に連結された付勢機構は、第1の力を張力要素に加えて前部支持部材を第1の位置の方に付勢するように構成され、1つ又は複数のピンを複数の戻り止めの少なくとも1つとの係合から離脱させるために、第2の力が必要であり、第2の力は、第1の力よりも大きくなっている、条項XXVIIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0084】
[条項XXX]
ヘルメットシェルは、ヘルメットシェルの第1及び第2の端間に配置された張力要素ガイドを備え、張力要素の少なくとも一部は、ヘルメットシェルの張力要素ガイドに受け入れられるようになっている、条項XV-XXIXのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0085】
[条項XXXI]
作動部材は、張力要素に当接するように構成された表面を備え、張力要素の少なくとも一部は、作動部材の回転に応じて作動部材の表面に巻き付けられるように及び該表面から巻き戻されるように構成されている、条項XV-XXXのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0086】
[条項XXXII]
ヘルメットシェルは、外科用衣服をヘルメットシェルに連結する1つ又は複数の連結特徴部を備える、条項XV-XXXIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0087】
[条項XXXIII]
1つ又は複数の連結特徴部は、衣服の対応する相補的留め特徴部に連結するためのフック及びループ留め具と、磁気留め具と、ボタン及びスナップ留め具とのうちの1つからなる相補的留め特徴部を備える、条項XXXIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0088】
[条項XXXIV]
ヘルメットシェルは、ダクトを備え、ダクトは、入口開口及び出口開口を画定し、ファンは、空気を入口開口を通してダクト内に吸い込み、空気を出口開口を通してダクトから外に排出するように構成されている、条項XV-XXXIIIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0089】
[条項XXXV]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
ユーザーの頭を周方向に囲むように構成された連続ループを形成するヘッドバンドアセンブリと、
調整アセンブリと、
を備え、
フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有すると共に内面を有するヘルメットシェルと、
空気を循環するためにヘルメットシェルに連結されたファンと、
を備え、
ヘッドバンドアセンブリは、
ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに連結された前部支持部材であって、ユーザーの額に当接するように構成されたベース部分を備える、前部支持部材と、
ヘルメットシェルの第2の端に隣接してヘルメットシェルに連結された後部支持部材であって、ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている、後部支持部材と、
を備え、
調整アセンブリは、
ヘルメットシェル及び後部支持部材の一方に回転可能に連結された作動部材であって、作動軸を中心として回転可能である、作動部材と、
作動部材に動作可能に接続された第1の端及び前部支持部材に連結された第2の端を有する張力要素であって、作動部材の回転に応じてヘルメットシェルに対して移動可能である、張力要素と、
を備え、
前部支持部材は、作動部材の回転による張力要素の移動に応じてヘルメットシェルに対して移動可能であり、前部支持部材は、連続ループ及びヘルメットシェルの内面によって画定された第1の頭受容容積を画定する第1の位置に移動可能であり、前部支持部材は、ヘルメットシェルに対して、連続ループ及びヘルメットシェルの内面によって画定された第2の頭受容容積を画定する第2の位置に移動可能であり、
前部支持部材が第1の位置、第2の位置、及び中間位置の間を移動するときにヘルメットシェルの内面をユーザーの頭に近接して維持しながら複数の頭のサイズに適応するために、第1の頭受容容積は、第2の頭受容容積よりも大きくなっている、
外科用ヘルメットアセンブリ。
【0090】
[条項XXXVI]
調整アセンブリは、第1の調整アセンブリとして更に画定され、作動部材は、第1の作動部材として更に画定され、外科用ヘルメットアセンブリは、後部支持部材に連結された第2の調整アセンブリを更に備え、第2の調整アセンブリは、ユーザーの頭に対するヘッドバンドアセンブリの周方向フィットを調整するように構成されている、条項XXXVに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0091】
[条項XXXVII]
ヘッドバンドアセンブリは、後部支持部材及び前部支持部材のベース部分に連結された一対のストラップを更に備え、前部支持部材のベース部分、一対のストラップ、及び後部支持部材は、協働してユーザーの頭を周方向に取り囲む連続ループを形成する、条項XXXVIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0092】
[条項XXXVIII]
第2の調整アセンブリは、後部支持部材に回転可能に連結された第2の作動部材を備え、第2の作動部材は、一対のストラップの少なくとも1つのストラップに係合するように配置され、一対のストラップの少なくとも1つのストラップは、第2の作動部材の回転に応じて連続ループによって画定された周囲の大きさを調整するために後部支持部材に対して移動可能である、条項XXXVIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0093】
[条項XXXIX]
第1の作動部材は、後部支持部材に連結され、第2の作動部材は、第1の作動部材が第2の作動部材と同心になるように第1の作動部材の作動軸を中心として回転可能である、条項XXXVIIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0094】
[条項XL]
第1の調整アセンブリの作動部材は、作動軸から外方に第2の調整アセンブリの作動部材よりも遠くに延在している、条項XXXIXに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0095】
[条項XLI]
前部支持部材は、ベース部分から延在する脚部分を備え、脚部分は、ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに連結されている、条項XXXV-XLのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0096】
[条項XLII]
ヘルメットシェル及び前部支持部材の脚部分の一方は、長孔を画定する表面を備え、長孔は、ヘルメットシェルの第1の端に近い第1の端及びヘルメットシェルの第1の端から遠い第2の端を有し、ヘルメットシェル及び前部支持部材の脚部分の他方は、突起を備え、長孔は、ヘルメットシェルに対する前部支持部材の相対運動を拘束するために突起の少なくとも一部を受け入れるように構成されている、条項XLIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0097】
[条項XLIII]
突起は、前部支持部材が第1の位置にあるときに、長孔内において長孔の第1の端に隣接するように移動可能であり、突起は、前部支持部材が第2の位置にあるときに、長孔内において長孔の第2の端に隣接するように移動可能である、条項XLIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0098】
[条項XLIV]
張力要素の第2の端は、前部支持部材の脚部分に連結され、突起は、作動部材の回転による張力要素の移動に応じて長孔内において移動可能である、条項XLIIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0099】
[条項XLV]
フレームアセンブリは、前部支持部材を第1の位置の方に付勢するためにヘルメットシェル及び前部支持部材に連結された付勢機構を更に備える、条項XLIVに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0100】
[条項XLVI]
前部支持部材の脚部分は、突起を備え、付勢機構は、突起を長孔の第1の端の方に付勢するために突起に連結されている、条項XLVに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0101】
[条項XLVII]
後部支持部材及びヘルメットの一方は、作動部材に隣接して作動軸を中心として環状に配置された調整面を備え、調整面は、作動軸から半径方向に離間すると共に周方向において互いに離間した複数の戻り止めを画定し、調整アセンブリは、作動部材に連結された1つ又は複数の付勢機構を更に備え、1つ又は複数の付勢機構は、作動部材と協働して複数の戻り止めに係合し、作動軸を中心とする作動部材の自由な回転を拘束するように構成されている、条項XLIV-XLVIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0102】
[条項XLVIII]
調整アセンブリは、作動部材に連結された1つ又は複数のピンを備え、1つ又は複数のピンは、作動部材の回転に応じて作動軸を中心として回転するように構成され、付勢機構は、1つ又は複数のピンを複数の戻り止めに係合させるように付勢するように構成されている、条項XLVIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0103】
[条項XLIX]
前部支持部材に連結された付勢機構は、第1の力を張力要素に加え、前部支持部材を第1の位置の方に付勢するように構成され、1つ又は複数のピンを複数の戻り止めの少なくとも1つとの係合から離脱させるために第2の力が必要であり、第2の力は、第1の力よりも大きくなっている、条項XLVIIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0104】
[条項L]
ヘルメットシェルは、ヘルメットシェルの第1及び第2の端間に配置された張力要素ガイドを備え、張力要素の少なくとも一部は、ヘルメットシェルの張力要素ガイドに受け入れられるようになっている、条項XXXV-XLIXのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0105】
[条項LI]
作動部材は、張力要素に当接するように構成された表面を備え、張力要素の少なくとも一部は、作動部材の回転に応じて作動部材の表面に巻き付けられるように及び該表面から巻き戻されるように構成されている、条項XXXV-Lのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0106】
[条項LII]
ヘルメットシェルは、外科用衣服をヘルメットシェルに連結する1つ又は複数の連結特徴部を備える、条項XXXV-LIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0107】
[条項LIII]
1つ又は複数の連結特徴部は、衣服の対応する相補的留め特徴部に連結するためのフック及びループ留め具と、磁気留め具と、ボタン及びスナップ留め具とのうちの1つからなる相補的留め特徴部を備える、条項LIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0108】
[条項LIV]
ヘルメットシェルは、ダクトを備え、ダクトは、入口開口及び出口開口を画定し、ファンは、空気を入口開口を通してダクト内に吸い込み、空気を出口開口を通してダクトから外に排出するように構成されている、条項XXXV-LIIIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0109】
[条項LV]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
ヘッドバンドアセンブリと、
調整アセンブリと、
を備え、
フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルであって、ヘルメットシェルは、ダクトを備え、ダクトは、入口開口及び出口開口を画定する、ヘルメットシェルと、
ヘルメットシェルに連結されたファンであって、空気を入口開口を通してダクト内に吸い込み、空気を出口開口を通してダクトから外に排出するように構成されている、ファンと、
を備え、
ヘッドバンドアセンブリは、
ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに摺動可能に連結された前部支持部材であって、ユーザーの額に当接するように構成されている、前部支持部材と、
ヘルメットシェルの第2の端に隣接してヘルメットシェルに連結された後部支持部材であって、ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている、後部支持部材と、
を備え、
調整アセンブリは、
ヘルメットシェル及び後部支持部材の一方に回転可能に連結された作動部材であって、作動軸を中心として回転可能である、作動部材と、
作動部材に動作可能に接続された第1の端及び前部支持部材に連結された第2の端を有する張力要素であって、作動部材の回転に応じてヘルメットシェルに対して移動可能である、張力要素と、
を備え、
張力要素の第2の端は、ユーザーの頭に対するフレームアセンブリ及びヘッドバンドアセンブリの矢状方向フィットを調整するために作動部材の回転に応じてヘルメットシェル及び作動部材に対して前部支持部材と共に移動可能である、
外科用ヘルメットアセンブリ。
【0110】
[条項LVI]
調整アセンブリは、第1の調整アセンブリとして更に画定され、作動部材は、第1の作動部材として更に画定され、外科用ヘルメットアセンブリは、後部支持部材に連結された第2の調整アセンブリを更に備え、第2の調整アセンブリは、ユーザーの頭に対するヘッドバンドアセンブリの周方向フィットを調整するように構成されている、条項LVに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0111】
[条項LVII]
前部支持部材は、ユーザーの頭の額に当接するように構成されたベース部分を備え、ヘッドバンドアセンブリは、後部支持部材及び前部支持部材のベース部分に連結された一対のストラップを更に備え、前部支持部材のベース部分、一対のストラップ、及び後部支持部材は、協働してユーザーの頭を周方向に取り囲む連続ループを形成する、条項LVIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0112】
[条項LVIII]
第2の調整アセンブリは、後部支持部材に回転可能に連結された第2の作動部材を備え、第2の作動部材は、一対のストラップの少なくとも1つのストラップに係合するように構成され、一対のストラップの少なくとも1つのストラップは、第2の作動部材の回転に応じて連続ループによって画定された周囲の大きさを調整するために後部支持部材に対して移動可能である、条項LVIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0113】
[条項LIX]
第1の作動部材は、後部支持部材に連結され、第2の作動部材は、第1の作動部材が第2の作動部材と同心になるように第1の作動部材の作動軸を中心として回転可能である、条項LVIIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0114】
[条項LX]
第1の調整アセンブリの作動部材は、作動軸から外方に第2の調整アセンブリの作動部材よりも遠くに延在している、条項LIXに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0115】
[条項LXI]
前部支持支持部材は、ユーザーの額に当接するように構成されたベース部分を備え、前部支持部材は、ベース部分から延在する脚部分を備え、脚部分は、ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに連結されると共に張力要素の第2の端に連結されている、条項LV-LXのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0116】
[条項LXII]
ヘルメットシェル及び前部支持部材の脚部分の一方は、長孔を画定する表面を備え、長孔は、ヘルメットシェルの第1の端に近い第1の端及びヘルメットシェルの第1の端から遠い第2の端を有し、ヘルメットシェル及び前部支持部材の脚部分の他方は、突起を備え、長孔は、ヘルメットシェルに対する前部支持部材の相対運動を拘束するために突起の少なくとも一部を受け入れるように構成されている、条項LXIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0117】
[条項LXIII]
張力要素の第2の端は、前部支持部材の脚部分に連結され、突起は、作動部材の回転による張力要素の移動に応じて長孔内において移動可能である、条項LXIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0118】
[条項LXIV]
前部支持部材の脚部分は、突起を備え、フレームアセンブリは、突起を長孔の第1の端の方に付勢するためにヘルメットシェル及び突起に連結された付勢機構を更に備える、条項LXIIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0119】
[条項LXV]
ヘルメットシェルは、ヘルメットシェルの第1及び第2の端間に配置された張力要素ガイドを備え、張力要素の少なくとも一部は、ヘルメットシェルの張力要素ガイドに受け入れられるようになっている、条項LV-LXIVのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0120】
[条項LXVI]
作動部材は、張力要素に当接するように構成された表面を備え、張力要素の少なくとも一部は、作動部材の回転に応じて作動部材の表面に巻き付けられるように及び該表面から巻き戻されるように構成されている、条項LV-LXVのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0121】
[条項LXVII]
ヘルメットシェルは、外科用衣服をヘルメットシェルに連結する1つ又は複数の連結特徴部を備える、条項LV-LXVIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0122】
[条項LXVIII]
1つ又は複数の連結特徴部は、衣服の対応する相補的留め特徴部に連結するためのフック及びループ留め具と、磁気留め具と、ボタン及びスナップ留め具とのうちの1つからなる相補的留め特徴部を備える、条項LXVIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0123】
[条項LXIX]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
ユーザーの頭を周方向に取り囲むように構成された連続ループを形成するヘッドバンドアセンブリと、
を備え、
フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルであって、ヘルメットシェルは、ダクトを備え、ダクトは、入口開口、出口開口、及び通気孔を画定し、出口開口は、ヘルメットシェルの第1の端に隣接して配置され、通気孔は、出口開口とヘルメットシェルの第2の端との間に配置されている、ヘルメットシェルと、
ヘルメットシェルに連結されたファンであって、空気を入口開口を通してダクト内に吸い込み、空気を出口開口及び通気孔を通してダクトから外に排出させるように構成されている、ファンと、
を備え、
ヘッドバンドアセンブリは、
ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに連結された前部支持部材であって、ユーザーの額に当接するように構成されている、前部支持部材と、
ヘルメットシェルの第2の端に隣接してヘルメットシェルに連結された後部支持部材であって、ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている、後部支持部材と、
を備え、
ヘルメットシェルの出口開口は、連続ループの上部の下方に配置され、ファンは、空気を出口開口を通してユーザーの顔面に向かって排出するように構成され、ヘルメットの通気孔は、ヘッドバンドアセンブリの連続ループの上方に配置され、ファンは、空気を通気孔を通してユーザーの頭の頂部に向かって排出するように構成されている、
外科用ヘルメットアセンブリ。
【0124】
[条項LXX]
出口開口は、第1の出口開口として更に画定され、ヘルメットシェルのダクトは、ヘルメットシェルの第2の端に隣接して配置された第2の出口開口を画定し、通気孔は、第1及び第2の出口開口間に配置され、ファンは、空気を第2の出口開口からユーザーの後頭部及び首に向かって排出するように構成されている、条項LXIXに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0125】
[条項LXXI]
ヘルメットシェルは、上部及び底部を画定し、上部及び底部は、ダクトを画定し、底部は、ダクトから離れてヘッドバンドアセンブリの方を向く内面を有し、底部は、ユーザーの頭の頂部に向かう空気の排出を可能するように通気孔を画定している、条項LXIX-LXXのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0126】
[条項LXXII]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
ユーザーの頭を周方向に取り囲むように構成された連続ループを形成するヘッドバンドアセンブリと、
を備え、
フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルと、
空気を循環するためにヘルメットシェルに連結されたファンと、
を備え、
ヘッドバンドアセンブリは、
ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに連結された前部支持部材であって、ユーザーの額に当接するように構成されている、前部支持部材と、
ヘルメットシェルの第2の端に隣接してヘルメットシェルに連結された後部支持部材であって、ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている、後部支持部材と、
後部支持部材及び前部支持部材に連結された一対のストラップであって、前部支持部材、一対のストラップ、及び後部支持部材は、協働して連続ループを形成する、一対のストラップと、
を備え、
前部支持部材は、一対のストラップ間に延在し、基本的に発泡体から構成されている、
外科用ヘルメットアセンブリ。
【0127】
[条項LXXIII]
前部支持部材は基本的にエチレン酢酸ビニル発泡体から構成されている、条項LXXIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0128】
[条項LXXIV]
前部支持部材は、一対のストラップ間に延在してそれらに連結されたベース部分を備え、前部支持部材は、前部支持部材をヘルメットシェルに連結するためにベース部分から延在する脚部分を備える、条項LXXII-LXXIIIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0129】
[条項LXXV]
前部支持部材に連結され、ユーザーの額に当接するように構成されたパッドを更に備える、条項LXXII-LXXIVのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0130】
[条項LXXVI]
パッドは、網状発泡体から構成されている、条項LXXVに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0131】
[条項LXXVII]
パッドは、ユーザーの額に当接するように構成された吸水材(ウィッキング材:wicking material)を備える、条項LXXV-LXXVIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0132】
[条項LXXVIII]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
ユーザーの頭を周方向に取り囲むように構成された連続ループを形成するヘッドバンドアセンブリと、
を備え、
フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルと、
空気を循環するためにヘルメットシェルに連結されたファンと、
を備え、
ヘッドバンドアセンブリは、
ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに連結された前部支持部材であって、ユーザーの額に当接するように構成されている、前部支持部材と、
ヘルメットシェルの第2の端に隣接してヘルメットシェルに連結された後部支持部材であって、ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている、後部支持部材と、
後部支持部材及び前部支持部材に連結された一対のストラップであって、前部支持部材、一対のストラップ、及び後部支持部材は、協働して連続ループを形成する、一対のストラップと、
を備え、
前部支持部材は、第1の材料から形成され、後部支持部材は、第2の材料から形成され、一対のストラップは、第3の材料から形成され、第2及び第3の材料は、第1の材料と異なっている、
外科用ヘルメットアセンブリ。
【0133】
[条項LXXIX]
後部支持部材に連結された調整アセンブリを更に備え、調整アセンブリは、ユーザーの頭に対するヘッドバンドアセンブリの周方向フィットを調整するように構成されている、条項LXXVIIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0134】
[条項LXXX]
調整アセンブリは、後部支持部材に回転可能に連結された作動部材を備え、作動部材は、一対のストラップの少なくとも1つのストラップに係合するように配置され、一対のストラップの少なくとも1つのストラップは、作動部材の回転に応じて連続ループによって画定された周囲の大きさを調整するために後部支持部材に対して移動可能である、条項LXXIXに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0135】
[条項LXXXI]
作動部材と一対のストラップの少なくとも1つのストラップとの間の係合は、ラック及びピニオン係合であり、作動部材は、ピニオン歯を有するピニオンを備え、一対のストラップの少なくとも1つのストラップは、作動部材のピニオン歯に係合するラック歯を有するラックを備える、条項LXXXに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0136】
[条項LXXXII]
第1の材料は基本的に発泡体から構成されている、条項LXXVIII-LXXXIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0137】
[条項LXXXIII]
第1の材料は基本的にエチレン酢酸ビニル発泡体から構成されている、条項LXXXIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0138】
[条項LXXXIV]
前部支持部材に連結され、ユーザーの額に当接するように構成されたパッドを更に備える、条項LXXVIII-LXXXIIIのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0139】
[条項LXXXV]
パッドは、網状発泡体から構成されている、条項LXXXIVに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0140】
[条項LXXXVI]
パッドは、ユーザーの額に当接するように構成された吸水材を備える、条項LXXXIV-LXXXVのいずれかに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0141】
[条項LXXXVII]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
ヘッドバンドアセンブリと、
第1の作動部材と、
第2の作動部材と、
を備え、
フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルと、
空気を循環させるためにヘルメットシェルに連結されたファンと、
を備え、
ヘッドバンドアセンブリは、
ヘルメットシェルの第1の端に隣接してヘルメットシェルに連結された前部支持部材であって、ユーザーの額に当接するように構成されている、前部支持部材と、
ヘルメットシェルの第2の端に隣接してヘルメットシェルに連結された後部支持部材であって、ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている、後部支持部材と、
を備え、
第1の作動部材は、後部支持部材に回転可能に連結され、ユーザーの頭に対するフレームアセンブリ及びヘッドバンドアセンブリの矢状方向フィットを調整するために作動軸を中心として回転可能であり、
第2の作動部材は、後部支持部材に回転可能に連結され、ユーザーの頭に対するヘッドバンドアセンブリの周方向フィットを調整するために作動軸を中心として回転可能であり、第1の作動部材及び第2の作動部材は、同心である、
外科用ヘルメットアセンブリ。
【0142】
[条項LXXXVIII]
第1の作動部材は、作動軸から外方に第2の作動部材よりも遠くに延在している、条項LXXXVIIに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
【0143】
[条項LXXXIX]
ヘルメットシェルは、ダクトを備え、ダクトは、入口開口及び出口開口を画定し、ファンは、空気を入口開口を通してダクト内に吸い込み、空気を出口開口を通してダクトから外に排出するように構成されている、条項LXXXVII-LXXXVIIIのいずれかに記載に外科用ヘルメットアセンブリ。
【0144】
[条項XC]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられるように構成された外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
ヘッドバンドアセンブリと、
を備え、
フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルと、
ヘルメットシェルに連結されたファンを備える通気サブアセンブリと、
を備え、
ヘルメットシェルは、ダクトを有し、ダクトは、入口開口、下顔面ノズル、及び圧力逃がし通気孔を画定し、下顔面ノズルは、ヘルメットシェルの第1の端に隣接して配置され、圧力逃がし通気孔は、下顔面ノズルとヘルメットシェルの第2の端との間に配置され、
ファンは、
(i)空気を入口開口を通してダクト内に吸い込み、
(ii)空気を下顔面ノズルに向かってダクト内に送り込み、
(iii)空気を下顔面ノズル及び圧力逃がし通気孔を通してダクトから外に排出するように構成され、
ヘッドバンドアセンブリは、ユーザーの頭に当接してフレームアセンブリをユーザーの頭に連結させるための前部支持部材及び後部支持部材を備え、
ダクトの下顔面ノズルは、ファンが空気を下顔面ノズルを通してユーザーの下顔面の方に排出するように構成されるように配置され、
ダクト内の空気の流れ特性を最適化し、通気サブアセンブリの効率を高めるために、ファンが空気をダクトを通して下顔面ノズル内に送り込みながら空気を圧力逃がし通気孔を通して排出するように構成されるように、ダクトの圧力逃がし通気孔が下顔面ノズルとファンとの間に配置されている、
外科用ヘルメットアセンブリ。
尚、出願当初の請求項は以下の通りであった。
[請求項1]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
ヘッドバンドアセンブリと、
第1の調整アセンブリと、
第2の調整アセンブリと、
を備え、
前記フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルと、
空気を循環させるために前記ヘルメットシェルに連結されたファンと、
を備え、
前記ヘッドバンドアセンブリは、
前記ヘルメットシェルの第1の端に隣接して前記ヘルメットシェルに連結された前部支持部材であって、前記ユーザーの額に当接するように構成されている前記前部支持部材と、
前記ヘルメットシェルの第2の端に隣接して前記ヘルメットシェルに連結された後部支持部材であって、前記ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている前記後部支持部材と、
前記後部支持部材に移動可能に連結された第1の端及び前記前部支持部材に連結された第2の端を有するストラップと、
を備え、
前記第1の調整アセンブリは、
前記後部支持部材に回転可能に連結され、作動軸を中心として回転可能である第1の作動部材と、
前記第1の作動部材に動作可能に接続された第1の端及び前記前部支持部材に連結された第2の端を有する張力要素であって、前記ユーザーの頭に対する前記フレームアセンブリ及び前記ヘッドバンドアセンブリの矢状方向フィットを調整するために、前記第1の作動部材の回転に応じて前記ヘルメットシェルに対して移動可能である前記張力要素と、
を備え、
前記第2の調整アセンブリは、前記後部支持部材に回転可能に連結された第2の作動部材を備え、前記第2の作動部材は、前記第1の作動部材及び前記第2の作動部材が同心になるように前記作動軸を中心として回転可能であり、前記第2の作動部材は、前記ストラップの第1の端に隣接して前記ストラップに動作可能に連結され、前記ストラップは、前記ユーザーの頭に対する前記ヘッドバンドアセンブリの周方向フィットを調整するために、前記第2の作動部材の回転に応じて前記後部支持部材に対して移動可能である、
外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項2]
前記ストラップは、第1のストラップとして更に画定され、前記ヘッドバンドアセンブリは、前記前部支持部材及び前記後部支持部材に連結された第2のストラップを備え、前記第1及び第2のストラップは、協働して一対のストラップを形成し、前記一対のストラップ、前記前部支持部材、及び前記後部支持部材は、協働して前記ユーザーの頭を周方向に取り囲む連続ループを形成する、請求項1に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項3]
前記第2の作動部材は、前記一対のストラップの少なくとも1つのストラップに係合するように配置され、前記一対のストラップの前記少なくとも1つのストラップは、前記第2の作動部材の回転に応じて前記連続ループによって画定された周囲の大きさを調整するために前記後部支持部材に対して移動可能である、請求項2に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項4]
前記前部支持部材は、前記ユーザーの額に当接するように構成されたベース部分を備え、前記前部支持部材は、前記ベース部分から延在する脚部分を備え、前記脚部分は、前記ヘルメットシェルの第1の端に隣接して前記ヘルメットシェルに連結されると共に前記張力要素の第2の端に連結されている、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項5]
前記ヘルメットシェル及び前記前部支持部材の前記脚部分の一方は、長孔を画定する表面を備え、前記長孔は、前記ヘルメットシェルの第1の端に近い第1の端及び前記ヘルメットシェルの第1の端から遠い第2の端を有し、前記ヘルメットシェル及び前記前部支持部材の前記脚部分の他方は、突起を備え、前記長孔は、前記ヘルメットシェルに対する前記前部支持部材の相対運動を拘束するために前記突起の少なくとも一部を受け入れるように構成されている、請求項4に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項6]
前記張力要素の第2の端は、前記前部支持部材の前記脚部分に連結され、前記突起は、前記作動部材の回転による前記張力要素の移動に応じて前記長孔内において移動可能である、請求項5に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項7]
前記前部支持部材の前記脚部分は、前記突起を備え、前記フレームアセンブリは、前記突起を前記長孔の第1の端の方に付勢するために前記ヘルメットシェル及び前記突起に連結された付勢機構を更に備える、請求項6に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項8]
前記後部支持部材及び前記ヘルメットシェルの一方は、前記第1の作動部材に隣接して前記作動軸を中心として環状に配置された調整面を備え、前記調整面は、前記作動軸から半径方向に離間すると共に周方向において互いに離間した複数の戻り止めを画定し、前記第1の調整アセンブリは、前記第1の作動部材に連結された1つ又は複数の付勢機構を更に備え、前記1つ又は複数の付勢機構は、前記第1の作動部材と協働して前記複数の戻り止めに係合し、前記作動軸を中心とする前記第1の作動部材の自由な回転を拘束するように構成されている、請求項7に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項9]
前記ヘルメットシェルは、前記ヘルメットシェルの第1及び第2の端間に配置された張力要素ガイドを備え、前記張力要素の少なくとも一部は、前記ヘルメットシェルの前記張力要素ガイドに受け入れられるようになっている、請求項1~請求項8のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項10]
前記第1の作動部材は、前記張力要素に当接するように構成された表面を備え、前記張力要素の少なくとも一部は、前記第1の作動部材の回転に応じて前記第1の作動部材の前記表面に巻き付けられるように及び前記表面から巻き戻されるように構成されている、請求項1~請求項9のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項11]
前記ヘルメットシェルは、外科用衣服を前記ヘルメットシェルに連結する1つ又は複数の連結特徴部を備える、請求項1~請求項10のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項12]
前記1つ又は複数の連結特徴部は、衣服の対応する相補的留め特徴部に連結するためのフック及びループ留め具と、磁気留め具と、ボタン及びスナップ留め具とのうちの1つからなる相補的留め特徴部から構成されている、請求項11に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項13]
前記第1の作動部材は、前記作動軸から外方に前記第2の作動部材よりも遠くに延在している、請求項1~請求項12のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項14]
前記ヘルメットシェルは、ダクトを備え、前記ダクトは、入口開口及び出口開口を画定し、前記ファンは、空気を前記入口開口を通して前記ダクト内に吸い込み、空気を前記出口開口を通して前記ダクトから外に排出するように構成されている、請求項13に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項15]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
前記ユーザーの頭を周方向に取り囲むように構成された連続ループを形成するヘッドバンドアセンブリと、
調整アセンブリと、
を備え、
前記フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有すると共に内面を有するヘルメットシェルと、
空気を循環させるために前記ヘルメットシェルに連結されたファンと、
を備え、
前記ヘッドバンドアセンブリは、
前記ヘルメットシェルの第1の端に隣接して前記ヘルメットシェルに連結された前部支持部材であって、前記ユーザーの額に当接するように構成されたベース部分を備える前記前部支持部材と、
前記ヘルメットシェルの第2の端に隣接して前記ヘルメットシェルに連結された後部支持部材であって、前記ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている前記後部支持部材と、
を備え、
前記調整アセンブリは、
前記ヘルメットシェル及び前記後部支持部材の一方に回転可能に連結された作動部材であって、作動軸を中心として回転可能である前記作動部材と、
前記作動部材に動作可能に接続された第1の端及び前記前部支持部材に連結された第2の端を有する張力要素であって、前記作動部材の回転に応じて前記ヘルメットシェルに対して移動可能である前記張力要素と、
を備え、
前記前部支持部材は、前記作動部材の回転による前記張力要素の移動に応じて前記ヘルメットシェルに対して移動可能であり、前記前部支持部材は、前記ヘルメットシェルの前記内面及び前記連続ループによって画定された第1の頭受容容積を画定する第1の位置に移動可能であり、前記前部支持部材は、前記ヘルメットシェルに対して、前記ヘルメットシェルの前記内面及び前記連続ループによって画定された第2の頭受容容積を画定する第2の位置に移動可能であり、
前記前部支持部材が前記第1の位置、前記第2の位置、及び中間位置の間を移動するときに前記ヘルメットシェルの前記内面を前記ユーザーの頭に近接して維持しながら複数の頭のサイズに適応させるために、前記第1の頭受容容積は、前記第2の頭受容容積よりも大きくなっている、
外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項16]
前記調整アセンブリは、第1の調整アセンブリとして更に画定され、前記作動部材は、第1の作動部材として更に画定され、前記外科用ヘルメットアセンブリは、前記後部支持部材に連結された第2の調整アセンブリを更に備え、前記第2の調整アセンブリは、前記ユーザーの頭に対する前記ヘッドバンドアセンブリの周方向フィットを調整するように構成されている、請求項15に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項17]
前記ヘッドバンドアセンブリは、前記後部支持部材及び前記前部支持部材の前記ベース部分に連結された一対のストラップを更に備え、前記前部支持部材の前記ベース部分、前記一対のストラップ、及び前記後部支持部材は、協働して前記ユーザーの頭を周方向に取り囲む前記連続ループを形成する、請求項16に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項18]
前記第2の調整アセンブリは、前記後部支持部材に回転可能に連結された第2の作動部材を備え、前記第2の作動部材は、前記一対のストラップの少なくとも1つのストラップに係合するように配置され、前記一対のストラップの前記少なくとも1つのストラップは、前記第2の作動部材の回転に応じて前記連続ループによって画定された周囲の大きさを調整するために前記後部支持部材に対して移動可能である、請求項17に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項19]
前記第1の作動部材は、前記後部支持部材に連結され、前記第2の作動部材は、前記第1の作動部材が前記第2の作動部材と同心になるように、前記第1の作動部材の前記作動軸を中心として回転可能である、請求項18に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項20]
前記第1の調整アセンブリの前記作動部材は、前記作動軸から外方に前記第2の調整アセンブリの前記作動部材よりも遠くに延在している、請求項19に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項21]
前記前部支持部材は、前記ベース部分から延在する脚部分を備え、前記脚部分は、前記ヘルメットシェルの第1の端に隣接して前記ヘルメットシェルに連結されている、請求項15~請求項20のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項22]
前記ヘルメットシェル及び前記前部支持部材の前記脚部分の一方は、長孔を画定する表面を備え、前記長孔は、前記ヘルメットシェルの第1の端に近い第1の端及び前記ヘルメットシェルの第1の端から遠い第2の端を有し、前記ヘルメットシェル及び前記前部支持部材の前記脚部分の他方は、突起を備え、前記長孔は、前記ヘルメットシェルに対する前記前部支持部材の相対運動を拘束するために前記突起の少なくとも一部を受け入れるように構成されている、請求項21に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項23]
前記突起は、前記前部支持部材が前記第1の位置にあるときに、前記長孔内において前記長孔の第1の端に隣接するように移動可能であり、前記突起は、前記前部支持部材が前記第2の位置にあるときに、前記長孔内において前記長孔の第2の端に隣接するように移動可能である、請求項22に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項24]
前記張力要素の第2の端は、前記前部支持部材の前記脚部分に連結され、前記突起は、前記作動部材の回転による前記張力要素の移動に応じて前記長孔内において移動可能である、請求項23に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項25]
前記フレームアセンブリは、前記前部支持部材を前記第1の位置の方に付勢するために前記ヘルメットシェル及び前記前部支持部材に連結された付勢機構を更に備える、請求項24に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項26]
前記前部支持部材の前記脚部分は、前記突起を備え、前記付勢機構は、前記突起を前記長孔の第1の端の方に付勢するために前記突起に連結されている、請求項25に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項27]
前記後部支持部材及び前記ヘルメットシェルの一方は、前記作動部材に隣接して前記作動軸を中心として環状に配置された調整面を備え、前記調整面は、前記作動軸から半径方向に離間すると共に周方向において互いに離間した複数の戻り止めを画定し、前記調整アセンブリは、前記作動部材に連結された1つ又は複数の付勢機構を更に備え、前記1つ又は複数の付勢機構は、前記作動部材と協働して前記複数の戻り止めに係合し、前記作動軸を中心とする前記作動部材の自由な回転を拘束するように構成されている、請求項24~請求項26のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項28]
前記調整アセンブリは、前記作動部材に連結された1つ又は複数のピンを備え、前記1つ又は複数のピンは、前記作動部材の回転に応じて前記作動軸を中心として回転するように構成され、前記付勢機構は、前記1つ又は複数のピンを前記複数の戻り止めに係合させるように付勢するように構成されている、請求項27に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項29]
前記前部支持部材に連結された前記付勢機構は、前記前部支持部材を前記第1の位置の方に付勢するために第1の力を前記張力要素に加えるように構成され、前記1つ又は複数のピンを前記複数の戻り止めの少なくとも1つとの係合から離脱させるために第2の力が必要であり、前記第2の力は、前記第1の力よりも大きくなっている、請求項28に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項30]
前記ヘルメットシェルは、前記ヘルメットシェルの第1及び第2の端間に配置された張力要素ガイドを備え、前記張力要素の少なくとも一部は、前記ヘルメットシェルの前記張力要素ガイドに受け入れられるようになっている、請求項15~請求項29のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項31]
前記作動部材は、前記張力要素に当接するように構成された表面を備え、前記張力要素の少なくとも一部は、前記作動部材の回転に応じて前記作動部材の前記表面に巻き付けられるように及び前記表面から巻き戻されるように構成されている、請求項15~請求項30のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項32]
前記ヘルメットシェルは、外科用衣服を前記ヘルメットシェルに連結する1つ又は複数の連結特徴部を備える、請求項15~請求項31のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項33]
前記1つ又は複数の連結特徴部は、衣服の対応する相補的留め特徴部に連結するためのフック及びループ留め具と、磁気留め具と、ボタン及びスナップ留め具とのうちの1つからなる相補的留め特徴部から構成されている、請求項32に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項34]
前記ヘルメットシェルは、ダクトを備え、前記ダクトは、入口開口及び出口開口を画定し、前記ファンは、空気を前記入口開口を通して前記ダクト内に吸い込み、空気を前記出口開口を通して前記ダクトから外に排出するように構成されている、請求項15~請求項33のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項35]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられる外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
前記ユーザーの頭を周方向に取り囲むように構成された連続ループを形成するヘッドバンドアセンブリと、
を備え、
前記フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルと、
空気を循環させるために前記ヘルメットシェルに連結されたファンと、
を備え、
前記ヘッドバンドアセンブリは、
前記ヘルメットシェルの第1の端に隣接して前記ヘルメットシェルに連結された前部支持部材であって、前記ユーザーの額に当接するように構成されている前記前部支持部材と、
前記ヘルメットシェルの第2の端に隣接して前記ヘルメットシェルに連結された後部支持部材であって、前記ユーザーの頭の後領域に当接するように構成されている前記後部支持部材と、
前記後部支持部材及び前記前部支持部材に連結された一対のストラップであって、前記前部支持部材、前記一対のストラップ、及び前記後部支持部材は、協働して前記連続ループを形成し、前記一対のストラップの少なくとも1つのストラップは、作動部材に係合されるように構成されている、前記一対のストラップと、
を備え、
前記前部支持部材は、第1の材料から形成され、前記後部支持部材は、第2の材料から形成され、前記一対のストラップは、第3の材料から形成され、前記第2及び第3の材料は、前記第1の材料と異なっている、
外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項36]
前記後部支持部材に連結された調整アセンブリを更に備え、前記調整アセンブリは、前記ユーザーの頭に対する前記ヘッドバンドアセンブリの周方向フィットを調整するように構成されている、請求項35に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項37]
前記調整アセンブリは、前記後部支持部材に回転可能に連結された作動部材を備え、前記作動部材は、前記一対のストラップの少なくとも1つのストラップに係合するように配置され、前記一対のストラップの前記少なくとも1つのストラップは、前記作動部材の回転に応じて前記連続ループによって画定された周囲の大きさを調整するために前記後部支持部材に対して移動可能である、請求項36に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項38]
前記作動部材と前記一対のストラップの前記少なくとも1つのストラップとの間の係合は、ラック及びピニオン係合であり、前記作動部材は、ピニオン歯を有するピニオンを備え、前記一対のストラップの前記少なくとも1つのストラップは、前記作動部材の前記ピニオン歯と係合するラック歯を有するラックを備える、請求項37に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項39]
前記第1の材料は基本的に発泡体から構成されている、請求項35~請求項38のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項40]
前記第1の材料は基本的にエチレン酢酸ビニル発泡体から構成されている、請求項39に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項41]
前記前部支持部材に連結され、前記ユーザーの額に当接するように構成されたパッドを更に備える、請求項35~請求項40のいずれか1つに記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項42]
前記パッドは、網状発泡体から構成されている、請求項41に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項43]
前記パッドは、前記ユーザーの額に当接するように構成された吸水材を備える、請求項41又は請求項42に記載の外科用ヘルメットアセンブリ。
[請求項44]
外科手術中にユーザーの頭に取り付けられるように構成された外科用ヘルメットアセンブリであって、
フレームアセンブリと、
ヘッドバンドアセンブリと、
を備え、
前記フレームアセンブリは、
第1の端及び第2の端を有するヘルメットシェルと、
前記ヘルメットシェルに連結されたファンを備える通気サブアセンブリと、
を備え、
前記ヘルメットシェルは、ダクトを有し、前記ダクトは、入口開口、下顔面ノズル、及び圧力逃がし通気孔を画定し、前記下顔面ノズルは、前記ヘルメットシェルの第1の端に隣接して配置され、前記圧力逃がし通気孔は、前記下顔面ノズルと前記ヘルメットシェルの第2の端との間に配置され、
前記ファンは、
(i)空気を前記入口開口を通して前記ダクト内に吸い込み、
(ii)空気を前記下顔面ノズルに向かって前記ダクト内に送り込み、
(iii)空気を前記下顔面ノズル及び前記圧力逃がし通気孔を通して前記ダクトから外に排出するように構成され、
前記ヘッドバンドアセンブリは、前記ユーザーの頭に当接して前記フレームアセンブリを前記ユーザーの頭に連結させるための前部支持部材及び後部支持部材を備え、
前記ダクトの前記下顔面ノズルは、前記ファンが空気を前記下顔面ノズルを通して前記ユーザーの下顔面の方に排出するように構成されるように配置され、
前記ダクト内の空気の流れ特性を最適化し、前記通気サブアセンブリの効率を高めるために、前記ファンが空気を前記ダクトを通して前記下顔面ノズルに送り込みながら空気を前記圧力逃がし通気孔を通して排出するように構成されるように、前記ダクトの前記圧力逃がし通気孔が前記下顔面ノズルと前記ファンとの間に配置されている、
外科用ヘルメットアセンブリ。
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