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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-27
(45)【発行日】2023-07-05
(54)【発明の名称】グリッパを制御する方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/22 20060101AFI20230628BHJP
   B65H 29/24 20060101ALI20230628BHJP
   B25J 15/06 20060101ALI20230628BHJP
【FI】
B65H5/22 B
B65H29/24 B
B25J15/06 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021564115
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 AT2020060244
(87)【国際公開番号】W WO2020252512
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】A50540/2019
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】521468914
【氏名又は名称】ゲーエフエム・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】ディータハマイア・ハーラルト
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-516665(JP,A)
【文献】特開平06-048679(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
B65H 5/22
B65H 29/24
B21D 45/00
B25J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッパ(1)を制御する方法であって、
このグリッパ(1)は、平らに設置されている材料ウェブ(6)からブランク(21)を取り除く複数のグリッパ要素(3)を備え、
このグリッパ要素(3)が、材料ウェブ(6)に対して平行な基準面(4)を決定し、かつこの基準面(4)にはグリッド状に分布し、
グリッパ要素(3)が、基準面(4)に対して垂直方向にフレーム(2)内で互いに独立して位置を調節することができるように支持されていて、
その際、グリッパ要素(3)は、ブランク(21)に対して位置決めされているグリッパ(1)の受け取り位置において、制御装置によって、あらかじめ設定されているブランク(21)の輪郭線(22)に依存して、材料ウェブ(6)に当接され、かつ作動されている、当該方法において、
グリッパ要素(3)は吸着ヘッド(7)として形成されていて、グリッパ(1)の位置決めされている受け取り位置においてブランク(21)の輪郭線(22)の内側に位置する吸着ヘッド(7)は、ブランク(21)に隣接し少なくともブランク(21)の輪郭線(22)の外側に位置する吸着ヘッド(7)と共に、材料ウェブ(6)に当接されていて
料ウェブ(6)からブランク(21)を持ち上げる場合には、一方では、持ち上げるべきブランク(21)の輪郭線の内側に位置する吸着ヘッド(7)のみが作動し、この吸着ヘッド(7)に真空が作用し、この吸着ヘッド(7)がシリンダベース(19)に吸着されたブランク(21)を連行しながら材料ウェブ(6)からブランク(21)を持ち上げ
他方では、ブランク(21)の輪郭線(22)の外側に位置する吸着ヘッド(7)は、押さえ装置として材料ウェブ(6)に当接し、材料ウェブ(6)を連行しない
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
平らに設置されている材料ウェブ(6)からブランク(21)を取り除くためのグリッパ(1)であって、
グリッパ(1)は、複数のグリッパ要素(3)が配置されているフレーム(2)を備え、複数のグリッパ要素(3)の吸着ヘッド(7)側の端部では、材料ウェブ(6)を支持する平坦な支持体(5)に対して平行に延在する基準面(4)を決定し、この基準面(4)内でグリッパ要素(3)がグリッド状に分布し、グリッパ要素(3)はグリッパ要素(3)が備える個別の作動駆動体(8)を使って共通の基準面(4)に対して垂直に互いに独立して変位可能であり、
ブランク(21)の所定の輪郭線(22)に応じてグリッパ要素(3)と作動駆動体(8)とを操作するための制御装置とを備える、当該グリッパ(1)において、
グリッパ要素(3)は吸着ヘッド(7)として形成されていてグリッパ(1)の位置決めされている受け取り位置においてブランク(21)の輪郭線(22)の内側に位置する吸着ヘッド(7)は、ブランク(21)に隣接し少なくともブランクの輪郭線(22)の外側に位置する吸着ヘッド(7)と共に、材料ウェブ(6)に当接されていて、
材料ウェブ(6)からブランク(21)を持ち上げる場合には、一方では、持ち上げるべきブランク(21)の輪郭線(22)の内側に位置する吸着ヘッド(7)のみが作動し、この吸着ヘッド(7)に真空が作用し、この吸着ヘッド(7)がシリンダベース(19)に吸引されたブランク(21)を連行しながら、材料ウェブ(6)からブランク(21)を持ち上げ、
他方では、ブランク(21)の輪郭線(22)の外側に位置する吸着ヘッド(7)は、押さえ装置として材料ウェブ(6)に当接し、材料ウェブ(6)を連行しないことを特徴とするグリッパ(1)。
【請求項3】
グリッパ要素(3)は吸着ヘッド(7)として形成されていることを特徴とする請求項2に記載のグリッパ(1)。
【請求項4】
吸着ヘッド(7)は、吸引シリンダ(11)として形成され、かつフレーム(2)内で変位可能に支持され
フレーム(2)は、吸引ボックス(9)を形成し、
引シリンダ(11)は、
ブランク(21)を吸引するための吸引孔を有する、穿孔したシリンダベース(19)を吸引シリンダ(11)の一方の先端に有し、
この吸引シリンダ(11)はブランク(21)を吸引する吸引作動位置と、ブランク(21)を解放する解放位置との間で作動駆動体(8)によって移動可能であり、
吸引作動位置では、吸引ボックス(9)と上記吸引孔が連通してブランク(21)を吸引し、
解放位置では、吸引シリンダ(11)が制御シリンダ(13)に係合し、かつ吸引シリンダ(11)が吸引ボックス(9)に対して閉じられ、ブランク(21)がグリッパ(1)から解放される、
ことを特徴とする請求項3に記載のグリッパ(1)。
【請求項5】
作動駆動体(8)は、作動駆動体(8)によって作動され、かつフレーム(2)に固定されている制御シリンダ(13)の内側で変位可能に案内されている制御ピストン(14)を備え、
制御ピストン(14)は
吸引シリンダ(11)がフレーム(2)から外へ繰り出している場合、吸引シリンダ(11)の穿孔したシリンダベース(19)と吸引ボックス(9)が連通しないように制御ピストン(14)が吸引シリンダ(11)係合する位置と
吸引シリンダ(11)の穿孔したシリンダベース(19)と吸引ボックス(9)が連通するように制御ピストン(14)が吸引シリンダ(11)に係合しない、位置との間に
アイドルストロークを有し、
このアイドルストロークは、制御ピストン(14)を貫通していて、ストップヘッド(16)を有する、吸引シリンダ(11)を引っ張れるように固定して接続された引張ロッド(15)によって達成され、このストップヘッド(16)は、アイドル走行後、制御ピストン(14)のドライバストップ(17)に当たる、ことを特徴とする請求項4に記載のグリッパ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリッパを制御する方法及びこの方法を実行する為のグリッパに関するものであって、本発明のグリッパが、平らに載置されている材料ウェブからブランクを取り除き、かつそれぞれ個別に作動可能なグリッパ要素を備え、これらのグリッパ要素は材料ウェブに対して平行な基準面を決定し、かつこの基準面においてグリッド状に分布グリッパ要素が基準面に対して垂直フレーム内で互いに独立して位置を調節することができるように支持されていて、その際、グリッパ要素は、ブランクに対して位置決めされているグリッパの受け取り位置において、制御装置によって、所定のブランクの輪郭線に依存して、材料ウェブに当接され、かつ作動されている。
【背景技術】
【0002】
切断テーブル上に設置されている繊維層から、異なる形状及び異なるサイズのブランクを取り出すことができるように、切断テーブルに平行な共通の基準平面内にグリッド状に分布され、並びに、引き戻された停止位置から基準平面に対して垂直に切断テーブルに対して突出する作業位置へ共に調整することができる、複数の吸着ヘッドを有するグリッパを使用することが知られている(特許文献1:DE 10 2008 032 574 A1)。ブランクを取り除くために、取り外すべきブランクに対応して位置決めされたグリッパのすべての吸着ヘッドが繊維層に当接される。個別に制御可能な吸着ヘッドのうち、ブランクの輪郭線の内側に位置する吸着ヘッドのみが、真空と作用し、その結果、すべての吸着ヘッドを共に持ち上げる際、選択したブランクのみが繊維層によって形成されている材料ウェブから持ち上げられる。しかし、特に繊維スクリムの場合、ブランクを取り出すときに切断テーブルに残っている繊維スクリムのエッジに引っかかってしまう危険があることが欠点であり、これは切断テーブルに残っている材料ウェブの位置に影響するだけでなく、吸着ヘッドによって決定される基準面に関して、取り外したブランクの位置にも影響する。
【0003】
同様の困難が生じるのは、すべての吸着ヘッドを一緒に使用しない場合ではなく、取り外されるべきブランクの輪郭線の内側の吸着ヘッドのみが切断テーブル上に降され、真空を負荷した後、選択されたブランクを連行しながら切断テーブルから再び持ち上げられる場合である(特許文献2:WO 03/035375 A1)。何故ならば、そこでは、少なくとも材料ウェブから選択されたブランクを持ち上げるときに、ブランクの隣接するエッジ部分と材料ウェブの残りの部分との間の局所的な摩擦ロック又はポジティブロックが発生する可能性があるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国特許出願公開第102008032574号明細書
【文献】国際公開第03/035375号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、基準面でグリッド状に分布された複数のグリッパ要素を有する、グリッパを使って材料ウェブからブランクを取り出す、ブランクを問題なく取り出すことが確保できる方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述したタイプの方法に基づいて、本発明は、グリッパの位置決めされている受け取り位置においてブランクの輪郭線の内側に位置するグリッパ要素に加え、ブランクに隣接し、その輪郭線の外側に位置する少なくとも複数のグリッパ要素も、押さえ装置として材料ウェブに当接されることによって、
受け取り位置からグリッパが材料ウェブから離れる前に、ブランクの輪郭線の内側のグリッパ要素のみが作動され、そして材料ウェブからブランクを連行しながら引き戻されることによって、
課題を解決する。
【0007】
これらの措置の結果、取り出されるべきブランクに対してグリッパを調整する後にこのブランクの輪郭線の内側に位置するグリッパ要素だけでなく、少なくともこのブランクに隣接するグリッパ要素が材料ウェブ上に下され、そして、材料ウェブからブランクを除する間に、選択したブランクの輪郭線の外側のこれらグリッパ要素が、押さえ装置として使用されているので、材料ウェブは、取り出されるべきブランクを中心として周囲領域で、ブランクに対して抑えられている。その結果、ブランクは、場合によってはエッジ側での摩擦ロック又はポジティブロックにかかわらず、材料ウェブから離すことができ、ブランクの輪郭線の内側で作用するグリッパ要素によって決定する基準面で材料ウェブから外され得る。材料ウェブからブランクを離した後、押さえ装置として材料ウェブに当接したグリッパ要素は、グリッパが更なる処理のために取り出したブランクを搬出し得る前に、材料ウェブから取り外される。このための前提条件は、グリッパ要素が基準面に対して垂直に変位するだけでなく、そのグリッパ機能に関して別々に制御することができるため、押さえ装置として使用されるグリッパ要素が材料ウェブを連行しないことである。
【0008】
平らに設置されている材料ウェブからブランクを取り除くために、基準面を決定し、この基準面内でグリッド状に分布し、それぞれ個別に作動可能なグリッパ要素が個別の作動駆動体を使って共通の基準面に対して垂直に互いに独立して変位可能であるフレームを備える、グリッパを使用することができ、しかも、ブランクの所定の輪郭線に応じてグリッパ要素と作動駆動体とを操作するための制御装置を使って、グリッパを使用することができる。グリッパ要素が本発明による押さえ装置を形成する場合、ブランクの所定の輪郭線に依存して、ブランクを取り囲む周囲領域内でブランクの輪郭の外側にあるグリッパ要素は、押さえ装置としての制御装置を介して使用することができ、その結果、抑えられている材料ウェブからブランクを問題なく外すことができる。
【0009】
材料ウェブの特性に応じて異なるグリッパ要素(例えば、案内スリーブで変位可能に支持されたグリッパフックを有するグリッパ要素であって、グリッパフックが材料ウェブの押さえ装置のために及びブランクを開放するために、案内スリーブへ引き戻されるグリッパ要素か、又は切替可能な磁石を有するグリッパ要素)を使用することができるが、公知であるように、グリッパ要素が吸着ヘッドとして形成されている場合に、複数の用途に有利な設計条件が存在する。各吸着ヘッドを、真空ラインを介して個別に制御する必要がないように、吸着ヘッドは、フレーム内で変位可能に支持され、吸引ボックス内に開口する吸引シリンダを備えることができ、この吸引シリンダは、同軸で、フレーム固定されていて、吸引ボックスに対して密閉されている制御シリンダと相互作用し及び作動駆動体を使って、繰り出た作動位置から、作用ばねの力に逆らって、吸引シリンダが密閉方式で制御シリンダに係合する解放位置へ移動可能である。
【0010】
作用ばねによって繰り出た作動位置で保持されている吸引シリンダは、少なくともグループごとで共通の吸引ボックスに通じ、その結果、繰り出た吸引シリンダは、吸引ボックスから真空を負荷することができる。しかしながら、吸引シリンダが、作用ばねの力に逆らってそれら吸引シリンダの作動駆動体によって解放位置へ引き戻される場合、それらは、フレーム固定されている制御シリンダに密閉方式で係合し、それによって、吸引シリンダと吸引ボックスとの間の、吸着ヘッドからブランクを取り除く為の前提である流れ接続が中断される。
【0011】
吸着ヘッドの押さえ機能に関して重要な吸引シリンダの繰り出た作動位置において吸着ヘッドに選択的に負圧がかけられるように、作動駆動体は、フレーム固定されている制御シリンダの内側で変位可能に案内され、吸引シリンダに駆動接続される制御ピストンを備え、制御ピストンと吸引シリンダとの間の駆動接続は、制御ピストンが、繰り出た吸引シリンダで、密閉方式で係合する押さえ位置と、制御ピストンが吸引シリンダから出る連行位置との間に、アイドルストロークを有する。
【0012】
制御ピストンと吸入シリンダとの間の駆動接続部に設けられているアイドルストロークによって、作動駆動体に接続されている制御ピストンは、作用ばねによってその外へ出された作動位置に保持された吸入シリンダに対しての変位が可能となる。その結果、制御用ピストンが吸入シリンダに密閉状態で係合するときには、吸引ボックスに対してこの吸入シリンダが遮断されるが、制御用ピストンが吸入シリンダから引き出されるときには、吸引ボックスに接続される。駆動接続は、アイドルストロークを通過した後にのみ有効になる。その結果、1回の作動ストロークで制御ピストンによって、吸入シリンダを、繰り出た作動位置から解放位置に引き戻すことができる。
【0013】
平らに設置されている材料ウェブからブランクを除去するグリッパを制御するための本発明による方法を、図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明によるグリッパを概略側面図で示す。
図2】グリッパ要素の異なる位置を拡大した、図1のII-II線に沿った断面図を示す。
図3】グリッパ要素の異なる位置を拡大した、図1のII-II線に沿った断面図を示す。
図4】グリッパ要素の異なる位置を拡大した、図1のII-II線に沿った断面図を示す。
図5】グリッパの底面図を示す。
図6】材料ウェブの上面図において、破線で示され、ブランクを取り出すための材料ウェブに対して位置決めされているグリッパ位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るグリッパ1は、複数のグリッパ要素3が配置されているフレーム2を有する。これらのグリッパ要素3は、材料ウェブ6、例えば予め防水加工した又は乾燥した繊維材料、布ウェブ又は革ウェブ、フィルム等のための平坦な支持体5に対して平行に延びる基準面4を形成する。グリッパ要素3は、図5から見て取ることができるように、基準面4内でグリッド状(独語:rasterartig)に分布されている。グリッド状な分布は均一である必要はない。図5によれば、グリッパ1の中央領域に示されているように、個々のブランクの輪郭線が集まる領域では、より密な分布が設けられていることが可能である。
【0016】
グリッパ要素3は、材料ウェブ6の特性に応じて、ブランクを、例えば機械的又は磁気的に把持し得るが、大抵の用途に対して、図2から図4に示されているような、吸着ヘッド7を形成するグリッパ要素3によって有利な仕様が得られる。グリッパ要素3のタイプにかかわらず、グリッパ要素3は、基準面4に対して垂直に、変位可能にフレーム2で支持しなければならず、及び、図2での繰り出た作業位置と、図4での引き戻した解位置との間で、作動駆動体8を使って移動しなければならない。これらの作動駆動体は、グリッパ要素3自体のように、ブランクの輪郭線に依存して、明瞭さの理由から不図示の制御装置によって制御される。
【0017】
図2から図4によれば、フレーム2は、吸引ボックス9を形成し、その吸引ボックス9の底部10には、吸引シリンダ11によって形成されている吸着ヘッド7が軸方向に変位可能に支持されている。制御シリンダ13は、吸引ボックス9の天井12において、吸引シリンダ11に対して同軸に、密閉して装入されていて、この制御シリンダ13には、吸引シリンダ11が、図4による引き戻した解位置で、密閉方式で係合する。
【0018】
作動駆動体8に接続されていて、アイドルストロークを介して吸入シリンダ11と駆動可能に接続されている制御ピストン14は、フレーム固定されている制御シリンダ13の内側で、軸方向に変位可能に支持されている。このアイドルストロークは、吸引シリンダ11と引張り方式で接続され、制御ピストン14を、貫通し、ストップヘッド16を有する引張りロッド15によって達成され、このストップヘッド16は、アイドル走行後、制御ピストン14のドライバストップ17に当たる。吸引シリンダ11は、フレーム固定されている制御シリンダ13で支持する作用ばね18を使って、図2及び図3での繰り出た作動位置に保持される。
【0019】
図2によれば、作動駆動体8によって作動する制御ピストン14が、繰り出た吸入シリンダ11で、密閉方式で係合すると、吸入シリンダ11が吸入ボックス9に対して遮断される。その結果、吸入シリンダ11が穿孔したシリンダベース19を介して通気される。作動駆動体8が制御ピストン14のこの初期位置から作動されると、制御ピストン14は吸入シリンダ11との係合から引き出され、開口部でもって吸入ボックス9に開口する吸引シリンダ11の正面開口部を開放する。この結果、図3から見て取ることができるように、吸入ボックス9を介して吸入シリンダ11に真空が負荷される。吸引シリンダ11の繰り出た作動位置は、ストップヘッド16が引張りロッド15のドライバストップ17に当たって、吸引シリンダ11は、吸引シリンダ11と制御ピストン14との間で結果として生じる駆動接続によって、作用ばね18の力に逆らって、図3での繰り出た作動位置から、図4での解位置へ引きされるまで、作用ばね18による作用に起因して残り、この解位置で、吸引シリンダ11は、制御シリンダ13に密閉方式で係合し、これにより、吸引シリンダ11は、吸引ボックス9に対して再び閉じられる。吸入シリンダ11を介して空気不透過性ブランクを持ち上げる場合には、制御シリンダ13へ吸入シリンダ11の密閉方式で係合した後に、吸入シリンダ11内の真空度は低下しない。このため、吸入シリンダ11は、好ましくは制御ピストン14によって制御可能な通気ライン20を介して通気することができ、これは、図2から4に概略的に示されている。
【0020】
複数のブランクを有する材料ウェブ6からブランク21を取り出すために、図6でのグリッパ1は、先ず、材料ウェブ6に対して受け取り位置に一致して、持ち上げるべきブランク21に関して位置決めされている。位置決めされているグリッパ1の受け取り位置において、ブランク21の輪郭線22の内側に位置するクロスハッチングで示されている吸着ヘッド7は、白丸(独語:leere Kreise)で示されている、持ち上げるべきブランク21を取り囲む周囲領域内で配置された吸着ヘッド7とともに平らに設置されている材料ウェブ6に当接され、吸引ボンベ11が通気される図2に示される位置をとるコントロールピストン14である。材料ウェブ6へ吸引シリンダ11を位置決めした後、制御ピストン14が、図3による位置へ引き出されることによって、ブランク21の輪郭線22内側に位置する吸着ヘッド7の吸引シリンダ11は真空が負荷され、続けて、図1に示されているように、この吸着ヘッド7が、シリンダベース19へ吸引されたブランク21を連行しながら、搬送位置へ持ち上げる。ブランク21の輪郭線22の外側に位置し、材料ウェブ6に当接した吸着ヘッド7は、材料ウェブ6からブランク21を持ち上げる間に、押さえ装置として図2に従った位置で残り、その結果、ブランク21が、押さえ装置によって抑えられている材料ウェブ6から、問題なく持ち上げることができる。次いで、取り外したブランク21は、更なる処理のためにグリッパ1によって搬送され、グリッパ1からのブランク21の解放は、制御ピストン14を吸引シリンダ11が通気される図4での解放位置に引き戻すことによって発生する。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
グリッパ(1)を制御する方法であって、
このグリッパ(1)は、平らに設置されている材料ウェブ(6)からブランク(21)を取り除き、かつそれぞれ個別に作動可能なグリッパ要素(3)を備え、
このグリッパ要素(3)が、材料ウェブ(6)に対して平行な基準面(4)を決定し、かつこの基準面(4)にはグリッド状に分布し、
グリッパ要素(3)が、基準面(4)に対して垂直方向にフレーム(2)内で互いに独立して位置を調節することができるように支持されていて、
その際、グリッパ要素(3)は、ブランク(21)に対して位置決めされているグリッパ(1)の受け取り位置において、制御装置によって、あらかじめ設定されているブランク(21)の輪郭線(22)に依存して、材料ウェブ(6)に当接され、かつ作動されている、当該方法において、
グリッパ(1)の位置決めされている受け取り位置においてブランク(21)の輪郭線(22)の内側に位置するグリッパ要素(3)に加え、ブランク(21)に隣接し少なくともブランク(21)の輪郭線(22)の外側に位置するグリッパ要素(3)も、押さえ装置として材料ウェブに当接され、
受け取り位置からグリッパ(1)が材料ウェブ(6)から離れる前に、ブランク(21)の輪郭線の内側にあるグリッパ要素(3)のみが作動し、ブランク(21)を連行しながら材料ウェブ(6)から引き戻される、
ことを特徴とする方法。
2.
平らに設置されている材料ウェブ(6)からブランク(21)を取り除くためのグリッパ(1)であって、
グリッパ(1)がフレーム(2)を備え、このフレーム(2)内で基準面(4)を決定し、この基準面(4)内でグリッド状に分布し、それぞれ個別に作動可能なグリッパ要素(3)が個別の作動駆動体(8)を使って共通の基準面(4)に対して垂直に互いに独立して変位可能であり、
ブランク(21)の所定の輪郭線(22)に応じてグリッパ要素(3)と作動駆動体(8)とを操作するための制御装置とを備える、当該グリッパ(1)において、
グリッパ要素(3)は、ブランク(21)の輪郭線(22)に依存する制御装置によって制御可能な押さえ装置を形成することを特徴とするグリッパ(1)。
3.
グリッパ要素(3)は吸着ヘッド(7)として形成されていることを特徴とする上記2に記載のグリッパ(1)。
4.
吸着ヘッド(7)は、フレーム(2)内で変位可能に支持され、吸引ボックス(9)内で開口する吸引シリンダ(11)を備え、
この吸引シリンダ(11)は、
同軸で、フレーム固定されていて、吸引ボックス(9)に対して密閉されている制御シリンダ(13)と相互作用し、かつ、
作動駆動体(8)を使って、作用ばね(18)の力に反して、繰り出た作動位置と、吸引シリンダが密閉して制御シリンダ(13)に係合する解放位置との間で移動可能であることを特徴とする上記3に記載のグリッパ(1)。
5.
作動駆動体(8)は、フレーム固定された制御シリンダ(13)の内側で変位可能に案内され、吸引シリンダ(11)に駆動接続される制御ピストン(14)を備え、
制御ピストン(14)と吸引シリンダ(11)との間の駆動接続は、
制御ピストン(14)が、繰り出た吸引シリンダ(11)内で密閉して係合する押さえ位置と、制御ピストン(14)が、吸引シリンダ(11)から出た連行位置との間に、アイドルストロークを有することを特徴とする上記4に記載のグリッパ(1)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6