(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】バルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/10 20130101AFI20230629BHJP
【FI】
A61M25/10 520
A61M25/10 550
(21)【出願番号】P 2021572504
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 CN2019118314
(87)【国際公開番号】W WO2020244154
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】201910492068.9
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520398157
【氏名又は名称】山前(珠海)医療科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】肖 家華
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲ユエ▼
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-206208(JP,A)
【文献】国際公開第2001/012061(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106880400(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第02110151(EP,A1)
【文献】特開平02-283379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーンカテーテルであって、カテーテル(1)と、前記カテーテル(1)に嵌着されるバルーン本体(2)とを含み、前記バルーン本体(2)は内層バルーン(21)及び外層バルーン(22)を含み、前記内層バルーン(21)と前記外層バルーン(22)との両方は前記カテーテル(1)に直接被覆して固定され、且つ前記内層バルーン(21)が前記外層バルーン(22)の内部に位置し、前記内層バルーン(21)と前記外層バルーン(22)との間に媒体通路(23)が形成され、前記カテーテル(1)には、前記媒体通路(23)に連通する外層媒体流入孔(11)及び媒体還流孔(12)が開けられ
、
前記カテーテル(1)には、前記内層バルーン(21)に連通する内層媒体流入孔(13)がさらに設けられ、
前記カテーテル(1)内には、媒体流入管(14)及び媒体還流管(15)が設けられ、前記内層媒体流入孔(13)と前記外層媒体流入孔(11)との両方は前記媒体流入管(14)に連通し、前記媒体還流管(15)が前記媒体還流孔(12)に連通し、
前記媒体流入管(14)に制御弁(141)が設けられ、前記制御弁(141)は前記内層媒体流入孔(13)と前記外層媒体流入孔(11)との間に位置し、
前記制御弁(141)は、圧力の作用で開く単方向絞り弁である、ことを特徴とするバルーンカテーテル。
【請求項2】
前記媒体流入管(14)の一端がカテーテル末端(17)であり、前記外層媒体流入孔(11)は前記外層バルーン(22)の前記カテーテル末端(17)から離れる端部に位置し、前記内層媒体流入孔(13)は、前記外層媒体流入孔(11)の前記カテーテル末端(17)に近い側に位置する、ことを特徴とする請求項
1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項3】
前記媒体還流孔(12)は前記外層バルーン(22)の前記カテーテル末端(17)に近い端部に位置する、ことを特徴とする請求項
2に記載のバルーンカテーテル。
【請求項4】
前記カテーテル(1)内にガイドワイヤルーメン(16)がさらに設けられる、ことを特徴とする請求項
2に記載のバルーンカテーテル。
【請求項5】
前記ガイドワイヤルーメン(16)と前記カテーテル(1)がスライド可能に接続され、且つ前記ガイドワイヤルーメン(16)の前記カテーテル末端(17)から離れる端部が、前記外層バルーン(22)の前記カテーテル末端(17)から離れる端部に固定して接続される、ことを特徴とする請求項
4に記載のバルーンカテーテル。
【請求項6】
前記内層バルーン(21)又は前記外層バルーン(22)の内部に校正リング(24)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年6月6日に中国専利局に提出した、出願番号が201910492068.9であって、発明名称が「バルーンカテーテル」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全ては参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は医療機器の技術分野に関し、具体的にはバルーンカテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
バルーンカテーテルはインターベンション治療手術の端末器械であり、主に血管成形術、心臓血管、ステント留置、管腔拡張、気管及び食道の拡張と治療、高圧拡張、神経血管閉塞等の治療に適用され、バルーンカテーテルによって、血管、管腔、気管、食道及び尿道等に挿入され、それによりバルーンによって支持され、治療プロセスで、バルーン内の媒体の流れの分布及び流速の分布等は治療効果に大きな影響を与える。
【0004】
従来技術のバルーンカテーテルについては、膨張状態で、媒体がカテーテルを通って入口からバルーンルーメン内に入り、出口を通って還流し、循環を完了する。バルーン内の媒体入口の位置は、バルーンの内面の媒体の流速分布に影響を与える。媒体の流れの特徴により、媒体がバルーンの内面と接触して熱交換を行う場合、有効な熱交換媒体が比較的少なく、熱交換が不完全となり、それにより比較的優れた治療効果を得ることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術における熱交換媒体の不完全な熱交換の問題を解決するためのバルーンカテーテルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明が採用する技術的解決手段は、カテーテルと、前記カテーテルに嵌着されるバルーン本体とを含み、前記バルーン本体は内層バルーン及び外層バルーンを含み、前記内層バルーンと前記外層バルーンとの両方は前記カテーテルに直接被覆して固定され、且つ前記内層バルーンが前記外層バルーンの内部に位置し、前記内層バルーンと前記外層バルーンとの間に媒体通路が形成され、前記カテーテルには、前記媒体通路に連通する外層媒体流入孔及び媒体還流孔が開けられる、バルーンカテーテルを提供する。
【0007】
さらに、前記カテーテルには、前記内層バルーンに連通する内層媒体流入孔がさらに設けられる。
【0008】
さらに、前記カテーテル内には、媒体流入管及び媒体還流管が設けられ、前記内層媒体流入孔と前記外層媒体流入孔との両方は前記媒体流入管に連通し、前記媒体還流管が前記媒体還流孔に連通する。
【0009】
さらに、前記媒体流入管に制御弁が設けられ、前記制御弁は前記内層媒体流入孔と前記外層媒体流入孔との間に位置する。
【0010】
さらに、前記カテーテル内には、媒体流入管、媒体還流管及び内層媒体管が設けられ、前記内層媒体流入孔が前記内層媒体管に連通し、前記外層媒体流入孔が前記媒体流入管に連通し、前記媒体還流管が前記媒体還流孔に連通する。
【0011】
さらに、前記媒体流入管の一端がカテーテル末端であり、前記外層媒体流入孔は前記外層バルーンの前記カテーテル末端から離れる端部に位置し、前記内層媒体流入孔は、前記外層媒体流入孔の前記カテーテル末端に近い側に位置する。
【0012】
さらに、前記媒体還流孔は前記外層バルーンの前記カテーテル末端に近い端部に位置する。
【0013】
さらに、前記カテーテル内にガイドワイヤルーメンがさらに設けられる。
【0014】
さらに、前記ガイドワイヤルーメンと前記カテーテルがスライド可能に接続され、且つ前記ガイドワイヤルーメンの前記カテーテル末端から離れる端部が、前記外層バルーンの前記カテーテル末端から離れる端部に固定して接続される。
【0015】
さらに、前記内層バルーン又は前記外層バルーンの内部に校正リングが設けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るバルーンカテーテルの有益な効果は以下のとおりである。従来技術に比べて、本発明のバルーンカテーテルは、二層のバルーン本体を設けることにより、媒体が内層バルーンと外層バルーンとの間の媒体通路内を流れることができ、外層媒体流入孔を通って媒体が媒体通路内に流入し、次に媒体還流孔を通って媒体通路内の媒体が流出し、それにより循環を実現し、より多くの媒体は外層バルーンの内面で熱交換できるようになり、且つ流速分布が比較的均一であり、バルーン本体の表面での媒体の流れ品質を高めて、熱交換効率を向上させる。
本発明の具体的な実施形態又は従来技術における技術的解決手段をより明瞭に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の記述のために使用した図面を簡単に説明する。明らかに、以下に記述した図面は本願のいくつか実施例であり、当業者にとって、創造的な労力をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例に係るバルーンカテーテルの構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例に係るバルーンカテーテル内の媒体流れの模式図である。
【
図3】本発明の実施例に係るバルーンカテーテルの断面構造模式
図1である。
【
図4】本発明の実施例に係るバルーンカテーテルの断面構造模式
図2である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、明らかなように、説明される実施例は本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力をせずに得られるほかの実施例はすべて本発明の特許範囲に属する。
【0019】
なお、本発明の説明では、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等で指示される方位又は位置関係は図示に基づく方位又は位置関係であり、本発明の説明を容易にし且つ説明を簡素化するためだけに使用され、係る装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを指示又は暗示しないため、本発明を限定するものとして理解すべきではない。また、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」は説明の目的のみに使用され、相対的な重要性を指示又は暗示するものとして理解することができない。
【0020】
なお、本発明の説明では、特に明確に規定及び制限されていない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的接続、電気的接続であってもよく、直接接続、中間媒体を介する間接接続、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本発明での上記用語の具体的な意味を理解できる。
【0021】
また、以下説明される本発明の様々な実施形態に係る技術的特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
実施例1
【0022】
図1及び
図2を参照しながら、本発明に係るバルーンカテーテルを説明する。前記バルーンカテーテルは、カテーテル1と、前記カテーテル1に嵌着されるバルーン本体2とを含み、前記バルーン本体2は内層バルーン21及び外層バルーン22を含み、前記内層バルーン21と前記外層バルーン22との両方は前記カテーテル1に直接被覆して固定され、且つ前記内層バルーン21が前記外層バルーン22の内部に位置し、前記内層バルーン21と前記外層バルーン22との間に媒体通路23が形成され、前記カテーテル1には、前記媒体通路23に連通する外層媒体流入孔11及び媒体還流孔12が開けられる。
【0023】
本発明に係るバルーンカテーテルは、従来技術に比べて、二層のバルーン本体2を設けることにより、媒体が内層バルーン21と外層バルーン22との間の媒体通路23内を流れることができ、外層媒体流入孔11を通って媒体が媒体通路23内に流入し、次に媒体還流孔12を通って媒体通路23内の媒体が流出し、それにより媒体の循環を実現し、より多くの媒体は外層バルーン22の内面で熱交換できるようになり、且つ流速分布が比較的均一であり、媒体のバルーン本体2の表面での流れ品質を高めて、熱交換効率を向上させる。
【0024】
具体的には、バルーン本体2はカテーテル1に直接外嵌され、一般的にカテーテル1の末端に設けられ、バルーン本体2は、血管、気管及び尿道等の狭い箇所を充填して支持するように、媒体の充填下で膨張することができる。その中で、内層バルーン21及び外層バルーン22は媒体が充填された後に両方の中間部分が盛り上がることができ、且つ一般的に、内層バルーン21と外層バルーン22の形状が同じであり、内層バルーン21の外面と外層バルーン22の内面との間の距離が同じであり、それにより媒体通路23全体の通路のサイズが同じであることを確保し、さらに媒体の流速分布が比較的均一であることを確保する。勿論、実際の状況及び具体的な需要に応じて、本発明の他の実施例では、内層バルーン21と外層バルーン22の形状は同じでなくてもよく、ここで一意に限定しない。
【0025】
さらに、
図1~
図3に示すように、本発明に係るバルーンカテーテルの具体的な実施形態として、前記カテーテル1には、前記内層バルーン21に連通する内層媒体流入孔13がさらに設けられる。具体的には、媒体は内層媒体流入孔13を通って内層媒体の内部に流入することができ、それにより媒体が内層バルーン21を充填できることを確保し、内層バルーン21及び外層バルーン22を充填する媒体は一般的に同じ種類の媒体であり、カテーテル1の側壁に貫通孔を直接開けることで、カテーテル1内に位置する媒体を内層バルーン21内に流入させることができる。
【0026】
好ましくは、内層媒体流入孔13、外層媒体流入孔11及び媒体還流孔12のすべては、数が複数であってもよく、カテーテル1の側壁に均一に分布しており、それによりカテーテル1内の媒体がバルーン本体2に流入する速度を増加させることができ、さらに、外層バルーン22内の媒体の流速が均一であることを確保できる。
【0027】
さらに、
図1~
図3に示すように、本発明に係るバルーンカテーテルの具体的な実施形態として、前記カテーテル1内には、媒体流入管14及び媒体還流管15が設けられ、前記内層媒体流入孔13と前記外層媒体流入孔11との両方は前記媒体流入管14に連通し、前記媒体還流管15は前記媒体還流孔12に連通する。具体的には、媒体流入管14と媒体還流管15は2つの独立した配管であり、且つ媒体流入管14と媒体還流管15の両方はカテーテル1の外側に直接連通し、媒体流入管14は内層媒体流入孔13及び外層媒体流入孔11に直接連通することができ、すなわち、内層バルーン21内の媒体と外層バルーン22内の媒体はすべて媒体流入管14により輸送され、外層バルーン22内の媒体が媒体通路23を通って媒体還流孔12から媒体還流管15に流出し、それによりすべての媒体の循環を実現する。勿論、実際の状況及び具体的な需要に応じて、本発明の他の実施例では、媒体流入管14は外層媒体流入孔11にしか連通しなくてもよく、内層バルーン21に必要な媒体は独立した配管により直接輸送されてもよく、ここで一意に限定しない。
【0028】
さらに、
図1~
図3に示すように、本発明に係るバルーンカテーテルの具体的な実施形態として、前記媒体流入管14に制御弁141が設けられ、前記制御弁141は前記内層媒体流入孔13と前記外層媒体流入孔11との間に位置する。具体的には、制御弁141は媒体の流れ方向を制御して、媒体が優先的に媒体流入管14から内層バルーン21内に流入することを確保することができ、次に内層バルーン21内の圧力が閾値を超える場合、制御弁141は開き、媒体が外層媒体流入孔11に流れることができるようにし、それにより外層バルーン22を充填し、媒体が外層バルーン22に直接入って循環して、内層バルーン21を充填できないという問題を回避することができる。
【0029】
さらに、
図1~
図3に示すように、本発明に係るバルーンカテーテルの具体的な実施形態として、前記制御弁141は単方向絞り弁である。具体的には、絞り弁と逆止弁を並列接続すれば単方向絞り弁に組み合わせることができる。絞り弁は圧力の作用で開くことができ、且つ絞り弁が単方向であるため、媒体は、内層媒体流入孔13を通って外層媒体流入孔11内にのみ流入することができ、媒体の還流現象を効果的に回避することができ、単方向絞り弁により、該バルーンカテーテルの使用の際の安定性を確保することができ、それにより媒体が先ず内層バルーン21を充填し、その後、外層バルーン22を充填することを確保し、媒体が外層バルーン22内に直接還流する現象を回避する。
【0030】
さらに、
図1~
図3に示すように、本発明に係るバルーンカテーテルの具体的な実施形態として、前記媒体流入管14と前記媒体還流管15は前記カテーテル1の内側の対向する両側に位置する。具体的には、媒体流入管14と媒体還流管15は、カテーテル1の内側に位置し、且つすべてカテーテルの側壁に近い側に位置し、それにより内層媒体流入孔13、外層媒体流入孔11及び媒体還流孔12との間の接続を容易に実現することができ、媒体流入管14又は媒体還流管15に貫通孔を直接開けることで接続を実現することができる。勿論、実際の状況及び具体的な需要に応じて、本発明の他の実施例では、媒体流入管14及び媒体還流管15はさらにカテーテル1の内部に直接充填して設けられてもよく、又は媒体流入管14及び媒体還流管15は、カテーテル1に対して独立した配管であってもよく、又はすべての通路を複合マルチルーメン配管として設計してもよく、ここで一意に限定しない。
【0031】
さらに、
図1~
図3に示すように、本発明に係るバルーンカテーテルの具体的な実施形態として、前記媒体流入管14の一端がカテーテル末端17であり、前記外層媒体流入孔11は前記外層バルーン22の前記カテーテル末端17から離れる端部に位置し、前記内層媒体流入孔13は、前記外層媒体流入孔11の前記カテーテル末端17に近い側に位置する。具体的には、カテーテル1の一端がカテーテル末端17であり、カテーテル末端17は媒体の流入端、ガイドワイヤの挿入端として使用されてもよい。内層媒体流入孔13はカテーテル末端17に近い側に位置し、すなわち、媒体は先ず内層バルーン21を充填し、その後、外層バルーン22を充填し、それにより媒体がすべて外層バルーン22内に流入して媒体還流孔12から流出することを回避し、従って、バルーン本体2の内層と外層との両方が充填できることを確保する。勿論、実際の状況及び具体的な需要に応じて、本発明の他の実施例では、内層媒体管が単独で設けられる場合、内層媒体流入孔13と外層媒体流入孔11の位置は必要に応じて調整することができ、ここで一意に限定しない。
【0032】
さらに、
図1~
図3に示すように、本発明に係るバルーンカテーテルの具体的な実施形態として、前記媒体還流孔12は前記外層バルーン22の前記カテーテル末端17に近い端部に位置する。具体的には、媒体還流孔12及び外層媒体流入孔11はそれぞれ外層バルーン22の対向する両端に位置し、それにより媒体が外層バルーン22内に完全な循環を形成できることを確保し、従って、媒体が外層バルーン22を完全に充填できないことを回避して、外層バルーン22が完全に膨張できず、その結果、支持及び固定効果が不十分となることを回避する。勿論、実際の状況及び具体的な需要に応じて、本発明の他の実施例では、媒体還流孔12の箇所に絞り弁をさらに設けてもよく、外層バルーン22内の圧力が一定の程度を超える場合のみ、媒体は媒体還流孔12を通って還流を実現することができ、ここで一意に限定しない。
【0033】
さらに、
図1~
図3に示すように、本発明に係るバルーンカテーテルの具体的な実施形態として、前記カテーテル1内にガイドワイヤルーメン16がさらに設けられる。具体的には、ガイドワイヤルーメン16は、ガイドワイヤの通過、液体の導入等の補助機能を有し、一般的にカテーテル1の中央部に位置し、媒体流入管14及び媒体還流管15はいずれもガイドワイヤルーメン16の両側に位置し、且つカテーテル1内にガイドワイヤルーメン16のための空間が残されており、それにより該バルーンカテーテルの適用性を向上させて該バルーンカテーテルの機能を高めることができる。
【0034】
さらに、
図3及び
図4に示すように、本発明に係るバルーンカテーテルの具体的な実施形態として、前記ガイドワイヤルーメン16と前記カテーテル1がスライド可能に接続され、且つ前記ガイドワイヤルーメン16の前記カテーテル末端17から離れる端部が、前記外層バルーン22の前記カテーテル末端17から離れる端部に固定して接続される。具体的には、カテーテル1は長い配管であり、ガイドワイヤルーメン16は、カテーテル1の内部に設けられて、カテーテル1の内部に相対的にスライドすることができ、ガイドワイヤルーメン16のカテーテル末端17から離れる端部は、外層バルーン22のカテーテル末端17から離れる端部に固定して接続され得、外層バルーン22のカテーテル末端17に近い端部はカテーテル1に固定して接続され、それにより外層バルーン22の両端の間隔の変化を実現することができ、外層バルーン22の両端の間隔が大きくなると、外層バルーン22は辺の長さが長くなり、カテーテル1の外側に密着され、それによりバルーンカテーテル全体はインターベンション治療をより便利に実行することができ、外層バルーン22の両端の間隔が短くなると、外層バルーン22の膨張を実現することができ、それにより支持効果を奏する。
【0035】
さらに、
図3及び
図4に示すように、本発明に係るバルーンカテーテルの具体的な実施形態として、前記内層バルーン21又は前記外層バルーン22の内部に校正リング24が設けられる。具体的には、校正リング24はバルーン本体2の内部に設けられて、バルーン本体2の位置をマークすることができ、外部から便利に観測することができ、校正リング24は一般的に内層バルーン21又は外層バルーン22の内部に設けられ、且つ校正リング24はカテーテル1の外側に設けられて、校正リング24の固定を実現する。そのうち、校正リング24の材質は一般的に白金イリジウム合金又はマーク機能を果たすことができる他の合金材料である。
実施例2
【0036】
本発明の別の実施例として、
図1~
図3に示すように、本実施例の実施例1との相違点は以下のとおりである。前記カテーテル1内には、媒体流入管14、媒体還流管15及び内層媒体管(図示せず)が設けられ、前記内層媒体流入孔13が前記内層媒体管に連通し、前記外層媒体流入孔11が前記媒体流入管14に連通し、前記媒体還流管15は前記媒体還流孔12に連通する。具体的には、媒体流入管14、媒体還流管15及び内層媒体管はいずれも独立した配管であり、内層媒体流入孔13が内層媒体管に連通し、且つ内層媒体管と媒体流入管は2つの独立した配管であり、制御弁141を設けて流量を制御する必要がないため、その制御方法はよりシンプルであり、内層バルーン21及び外層バルーン22に対して媒体を直接輸送することができる。外層バルーン22内の媒体が媒体通路23を通って媒体還流孔12から媒体還流管15に流出し、それによりすべての媒体の循環を実現する。
【0037】
なお、上記の実施例は挙げられた例を明瞭に説明するためのものに過ぎず、実施形態を限定するものではない。当業者にとって、上記説明に基づいて他の異なる形態の変形や変更を行うことができる。ここでは、すべての実施形態を挙げる必要がなく、不可能である。これに由来する明らかな変形や変更は依然として本発明によって作成された特許範囲に属する。
【符号の説明】
【0038】
1、カテーテル
2、バルーン本体
11、外層媒体流入孔
12、媒体還流孔
13、内層媒体流入孔
14、媒体流入管
15、媒体還流管
16、ガイドワイヤルーメン
17、カテーテル末端
18、固定端部
19、スライド可能な管体
141、制御弁
21、内層バルーン
22、外層バルーン
23、媒体通路
24、校正リング