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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】ローラユニットおよび巻き寿司製造装置
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20230629BHJP
【FI】
A23L7/10 G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019035317
(22)【出願日】2019-02-28
(65)【公開番号】P2020137448
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【弁理士】
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】小根田 育冶
(72)【発明者】
【氏名】竹田 大祐
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-027928(JP,A)
【文献】特開2012-139130(JP,A)
【文献】特開2009-089643(JP,A)
【文献】特開2004-049170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に所定の間隔を空けて配置された第1のローラ対と、
前記第1のローラ対の下方において相互に所定の間隔を空けて配置され、前記第1のローラ対と協働して食材をシート状にして送り出す第2のローラ対と、
前記第1のローラ対および前記第2のローラ対の回転軸に沿って移動可能に設けられ、これらのローラ対により送り出される食材の幅を規制する一対の規制手段と、
前記第1のローラ対および前記第2のローラ対の少なくとも一部のローラを支持するフレームと、
を有し、
前記一対の規制手段は、前記フレームに摺動可能に取り付けられた一対の規制プレートである、
ことを特徴とするローラユニット。
【請求項2】
前記第2のローラ対は、前記第1のローラ対よりも相互に狭い間隔を空けて配置されている、
ことを特徴とする請求項1記載のローラユニット。
【請求項3】
前記一対の規制手段は、相互に接近および離間するように移動可能になっている、
ことを特徴とする請求項1または2記載のローラユニット。
【請求項4】
前記一対の規制手段を相互に接近および離間する方向に移動させる駆動手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のローラユニット。
【請求項5】
前記一対の規制プレートは、相互に接近するように斜め下方に向けて対称的に形成されたテーパ面を備える、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載のローラユニット。
【請求項6】
前記テーパ面の下端から屈曲して下方に延びるように形成されたガイド面をさらに備える、
ことを特徴とする請求項5記載のローラユニット。
【請求項7】
食材である米飯が貯留される貯留部と、
前記貯留部内の米飯をシート状にして送り出す請求項1~6の何れか一項に記載のローラユニットと、
前記ローラユニットから送り出されたシート状の米飯を分割する分割手段と、
複数の板状部材が相互に屈曲自在に結合されて前記分割手段で分割されたシート状の米飯が載置される成形プレートと、
前記成形プレートを巻き込むように屈曲させる屈曲手段と、
を有することを特徴とする巻き寿司製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラユニットおよび巻き寿司製造装置に関し、特に米飯などの食材をシート状に成形して送り出す際のシート幅に関するものである。
【背景技術】
【0002】
巻き寿司製造装置などに設けられているローラユニットでは、米飯(食材)をシート状に成形して送り出す機能を有している。そして、送り出されたシート状の米飯を所定の長さに分割し、この分割されたシート状の米飯を例えば板海苔の敷かれた成形プレート上に供給して海苔巻きを製造している。
【0003】
従来、この種の巻き寿司製造装置に関連する技術としては、本出願人の出願に係る特開2012-217364号公報等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-217364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、前述した従来のローラユニットでは、シート幅を調整することができないために、シート状の米飯を作成する場合には、シート幅に対応したローラユニットが必要になる。すると、異なるシート幅のレシピが場合には、それらのシート幅ごとにローラユニットを用意する必要があり、装置の管理等が煩わしくなる。
【0006】
また、従来のローラユニットでは、決められた幅のシート状の米飯が作成されるのみであるために、シート幅の微調整(数mm程度)を行うことができない。
【0007】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、シート状に成形される食材の幅を調整することができるローラユニットおよび巻き寿司製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明のローラユニットは、相互に所定の間隔を空けて配置された第1のローラ対と、前記第1のローラ対の下方において相互に所定の間隔を空けて配置され、前記第1のローラ対と協働して食材をシート状にして送り出す第2のローラ対と、前記第1のローラ対および前記第2のローラ対の回転軸に沿って移動可能に設けられ、これらのローラ対により送り出される食材の幅を規制する一対の規制手段と、前記第1のローラ対および前記第2のローラ対の少なくとも一部のローラを支持するフレームと、を有し、前記一対の規制手段は、前記フレームに摺動可能に取り付けられた一対の規制プレートである、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の本発明のローラユニットは、請求項1記載の発明において、前記第2のローラ対は、前記第1のローラ対よりも相互に狭い間隔を空けて配置されている、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の本発明のローラユニットは、請求項1または2記載の発明において、前記一対の規制手段は、相互に接近および離間するように移動可能になっている、ことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の本発明のローラユニットは、請求項1~3の何れか一項に記載の発明において、前記一対の規制手段を相互に接近および離間する方向に移動させる駆動手段をさらに有する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の本発明のローラユニットは、請求項1~4の何れか一項に記載の発明において、前記一対の規制プレートは、相互に接近するように斜め下方に向けて対称的に形成されたテーパ面を備える、ことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の本発明のローラユニットは、請求項5記載の発明において、前記テーパ面の下端から屈曲して下方に延びるように形成されたガイド面をさらに備える、ことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するため、請求項7に記載の本発明の巻き寿司製造装置は、食材である米飯が貯留される貯留部と、前記貯留部内の米飯をシート状にして送り出す請求項1~6の何れか一項に記載のローラユニットと、前記ローラユニットから送り出されたシート状の米飯を分割する分割手段と、複数の板状部材が相互に屈曲自在に結合されて前記分割手段で分割されたシート状の米飯が載置される成形プレートと、前記成形プレートを巻き込むように屈曲させる屈曲手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、一対の規制手段が第1のローラ対および第2のローラ対の回転軸に沿って移動可能になっており、こられのローラ対により送り出されるシート状の食材の幅が一対の規制手段により規制されるようになっている。したがって、シート状に成形される食材の幅を調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態における巻き寿司製造装置を示す斜視図である。
図2図1の巻き寿司製造装置の断面図である。
図3図1の巻き寿司製造装置においてフロントカバーを外した斜視図である。
図4図1の巻き寿司製造装置に装着されるローラユニットの分解斜視図である。
図5図1の巻き寿司製造装置に装着されるローラユニットの斜視図である。
図6図1の巻き寿司製造装置に装着されるローラユニットを、間隔を広くした一対の規制プレートとともに示す斜視図である。
図7図1の巻き寿司製造装置に装着されるローラユニットを、間隔を狭くした一対の規制プレートとともに示す斜視図である。
図8図1の巻き寿司製造装置に装着されるローラユニットの要部断面図である。
図9図6のローラユニットの正面図である。
図10図6のローラユニットを、当該ローラユニットから送り出されるシート状の米飯とともに示す斜視図である。
図11図7のローラユニットの正面図である。
図12図7のローラユニットを、当該ローラユニットから送り出されるシート状の米飯とともに示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る巻き寿司製造装置Mは、食材である米飯R(例えば、炊飯され酢や砂糖等の調味料が混合された米飯R)が貯留されるホッパ(貯留部)1と、ホッパ1から供給された米飯Rを解す米飯解し部2と、米飯解し部2で解された米飯Rを2組のローラ対5(第1のローラ対5a、第2のローラ対5b)で上方より下方へシート状に圧縮して送り出すローラユニット4と、ローラユニット4によって送り出される連続したシート状の米飯Rを搬送方向と直交する方向に分割する分割シャッタ(分割手段)6と、前後方向に延びるガイドレール(図示せず)上を往復移動するプレート装着部7に装着されて進退移動し、分割シャッタ6で分割されたシート状の米飯Rが載置される成形プレート8とを備えている。また、巻き寿司製造装置Mの右側手前には、巻き寿司の製造時に押下されるスタートボタン9が配置されている。なお、スタートボタン9は、巻き寿司製造装置Mの右側手前および左側手前の2箇所に配置することができる。この場合、2箇所のスタートボタン9を同時に押下した場合に動作開始となる。
【0020】
また、巻き寿司製造装置Mには、ローラユニット4、分割シャッタ6、プレート装着部7、成形プレート8といった装置全体の動作を制御するマイクロコンピュータ等で構成される制御部10が備えられている。
【0021】
前述した米飯解し部2は、複数の解し羽根3を有しており、解し羽根3の回転によってホッパ1からの米飯Rを解しながらローラユニット4に供給する。また、ローラユニット4は、第1のローラ対5aと第2のローラ対5bとが上下方向に配置されている。そして、上方に位置する第1のローラ対5aを構成するローラ5a-1,5a-2の間隔よりも、下方に位置する第2のローラ対5bを構成するローラ5b-1,5b-2の間隔の方が狭くなっており、駆動手段(図示せず)により回転駆動されることで米飯Rをシート状に圧縮しながら送り出す。
【0022】
なお、2組のローラ対5(第1のローラ対5a、第2のローラ対5b)を構成するローラの間隔は同じであっても、逆に下方に位置する第2のローラ対5bの方が広くなっていてもよい。また、本実施の形態ではローラ対5は3組以上であってもよい。この場合、各ローラ対を構成するローラの間隔は自由に設定することができる。但し、上方に位置するローラ対よりも下方に位置するローラ対の間隔の方が狭くなっていると、米飯Rを痛めることなく徐々に圧縮することができるので望ましい。
【0023】
図2および図3に示すように、ローラユニット4は、巻き寿司製造装置Mに形成されたユニット収容室12内に着脱可能に収容されている。ユニット収容室12は前方に開口しており、フロントカバー13が取り付けられると当該ユニット収容室12が閉塞され、内部に位置するローラユニット4が隠蔽される。なお、ローラユニット4の詳細な構造については後述する。
【0024】
ユニット収容室12の底面には、ローラユニット4の前後位置を規制する規制溝(図示せず)が横方向に延びて形成されている。したがって、フロントカバー13を取り外してローラユニット4を前方からユニット収容室12に押し込んで規制溝に嵌め込むことにより、当該ローラユニット4は前後の動きが規制されるとともに、横方向(ローラ対5の軸方向)には移動可能な状態となる。
【0025】
フロントカバー13はインターロック機能を有しており、フロントカバー13が正規位置に装着されたときに、フロントカバー13の裏側に取り付けられた磁石(図示せず)の磁界が装置本体側の磁気センサ(図示せず)により検知され、制御部10により動作が許可される。
【0026】
巻き寿司製造装置Mの前面側には、液晶表示部を備えるタッチパネル11が設けられている。そして、ユーザがタッチパネル11を操作することにより、シート状の米飯Rの幅および厚さ、分割されたシート状の米飯Rの長さ等が設定可能になっている。なお、設定内容に応じてローラ対5の回転速度と分割シャッタ6の分割タイミングが規定され、これにより、所定の断面積の連続したシート状の米飯Rが容積計量されてローラユニット4から送り出され、当該シート状の米飯Rが設定内容に沿って分割シャッタ6で分割される。
【0027】
なお、分割された米飯Rは、例えば板海苔がセットされて後退位置に移動した成形プレート8上に落下して載置される。そして、当該成形プレート8が前進位置に移動し、米飯R上に所望の具材を載せた後に巻き寿司製造装置Mの右側手前に設けられたスタートボタン9を押下することで、当該成形プレート8の前後が隆起して上方で合わさり、海苔巻きが作製される。
【0028】
図3に示すように、成形プレート8は、例えば表面がフッ素樹脂等でコーティングされた金属製で矩形の複数枚の板状部材8aがヒンジ8bを介して相互に屈曲自在に結合された構造を有している。
【0029】
この成形プレート8は、内側に位置する一部の(本実施の形態では1枚の)板状部材8a-1がネジ18および座金板15によりプレート装着部7に固定されている。また、それ以外の板状部材8aは底面がプレート装着部7に支持されており、全体として成形プレート8は展開した状態となっている。そして、固定された板状部材8a-1以外の板状部材8aは上方に屈曲自在となる。
【0030】
成形プレート8の下方からは、移動方向に対して前後に位置するようにして、プレート装着部7に形成された突起片7aが突出している。また、成形プレート8の移動方向に対して左右となる位置には、前述した座金板15の屈曲部である突起片15aが立設されている。そして、これらの突起片7a,15aに囲まれた成形プレート8の領域がシート状の米飯Rが載置される領域となり、作業者にとっては板海苔を載せる際の位置決めとして機能する。
【0031】
図2に示すように、前進端に位置する成形プレート8の下方には、プレート装着部7に装着された成形プレート8をローラ状の突上部16aで突き上げて当該成形プレート8を巻き込むように屈曲させる突上ローラユニット(屈曲手段)16が配置されている。なお、突上ローラユニット16は、駆動モータ17に駆動されて成形プレート8を屈曲させる。
【0032】
次に、本実施の形態の巻き寿司製造装置Mに設けられたローラユニット4について、図4および図5を用いて説明する。ここで、図4図1の巻き寿司製造装置に装着されるローラユニットの分解斜視図、図5図1の巻き寿司製造装置に装着されるローラユニットの斜視図である。
【0033】
これらの図面において、ローラユニット4は、前述した2組のローラ対5(第1のローラ対5a、第2のローラ対5b)と、これらのローラ対5を支持するフレーム14とで構成されている。
【0034】
フレーム14は、両側にそれぞれ位置する2枚の側壁プレート14aと、これらの側壁プレート14aの間に架け渡されて幅方向の両端が側壁プレート14aと嵌合する前後部および底部の3枚の横断プレート14bとで構成されている。
【0035】
それぞれの側壁プレート14aには、米飯Rの送り出し方向上流側に位置する第1のローラ対5aの一方のローラ5a-1が回転自在に嵌合する軸受部14a-1が上方向に開口して、他方のローラ5a-2が回転自在に嵌合する軸受部14a-2が横方向に開口して形成されている。
【0036】
さらに、それぞれの側壁プレート14aには、米飯Rの送り出し方向下流側に位置する第2のローラ対5bの一方のローラ5b-1が回転自在に嵌合する軸受部14a-3が横方向に開口して形成されている。また、側壁プレート14aの前部は湾曲した切り欠き部14a-4が形成されており、駆動手段の駆動力を伝達する軸継手(図示せず)に支持されてローラ5b-1との間隔が調整可能になった他方のローラ5b-2が位置している。なお、図5においては、図4に示したローラ5b-2の図示が省略されている。また、図5においては、図4に対して、規制プレート20a,20b(後述する)が追加して示されている。
【0037】
このように、ローラ5b-2は、フレーム14に支持されておらず、ローラ5b-1との間隔が調整可能な構造になっており、ユーザがタッチパネル11を操作することによりシート状の米飯Rを所望の厚さに設定すると、当該設定に応じた位置にローラ5b-2が移動してローラ5b-1との間隔が調整される。但し、ローラ5b-2もフレーム14に支持されるようにしてもよい。
【0038】
さて、前述した図5ならびに図6および図7に示すように、ローラユニット4には、第1のローラ対5aおよび第2のローラ対5bによってシート状にして送り出される米飯Rの幅を規制する一対の規制プレート(規制手段)20a,20bが設けられている。
【0039】
これらの図面に示すように、また図8に詳しく示すように、規制プレート20a,20bには、相互に対向する面(テーパ面20a-1,20b-1およびガイド面20a-2,20b-2)が形成されており、第1のローラ対5aおよび第2のローラ対5bの回転軸に沿って相互に接近および離間するように移動可能になっている。すなわち、規制プレート20a,20bの移動方向の両側には係合突起21が形成されており、フレーム14の前後部の横断プレート14bの内側には、嵌まり込んだ当該係合突起21が移動可能な水平方向に延びる長溝14baが形成されている。これにより、係合突起21が長溝14baに沿って移動することで、規制プレート20a,20bがフレーム14に対して摺動可能になっている。
【0040】
規制プレート20a,20bは、相互に接近するように斜め下方に向けて対称的に形成されたテーパ面20a-1,20b-1、およびテーパ面20a-1,20b-1の下端から屈曲して下方に延びるように形成されたガイド面20a-2,20b-2を備えており、ローラ5a-1,5a-2,ローラ5b-1の軸方向の両側の隙間を塞ぐ形状になっている。
【0041】
さらに、規制プレート20a,20bのローラ5a-1,5a-2,ローラ5b-1に面した部分の形状は、ローラ5a-1,5a-2,ローラ5b-1との隙間が出来るだけ小さくなるように、ローラ5a-1,5a-2,ローラ5b-1に沿った円弧状になっている(図8参照)。
【0042】
これにより、ホッパ1から米飯解し部2を通ってローラユニット4に導入された米飯Rは、第1のローラ対5aおよび第2のローラ対5bとによりシート状に圧縮されながら搬送される中で、規制プレート20aと規制プレート20bとの間隔に応じたテーパ面20a-1とテーパ面20b-1とにより幅が徐々に狭められ、ガイド面20a-2とガイド面20b-2とによりその幅が維持されて送り出される。
【0043】
すなわち、図9に示すように、規制プレート20aと規制プレート20bとを相対的に広い間隔である間隔W1に設定した場合には、ローラユニット4に導入された米飯Rはこれらの間隔に応じた幅に狭められ、図10に示す幅(相対的に広い幅)のシート状になって送り出される。また、図11に示すように、規制プレート20aと規制プレート20bとを相対的に狭い間隔である間隔W2に設定した場合には、ローラユニット4に導入された米飯Rはこれらの間隔に応じた幅に狭められ、図12に示す幅(相対的に狭い幅)のシート状になって送り出される。
【0044】
そして、本実施の形態における規制プレート20aと規制プレート20bとの最大間隔を図9に示す間隔W1、最小間隔を図11に示す間隔W2とすると、間隔W1と間隔W2との間の間隔に設定すれは、米飯Rはその間隔に応じた幅のシート状になって送り出されることになる。つまり、間隔W1と間隔W2との間で、シート状の米飯Rの幅を自在に設定することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、ガイド面20a-2,20b-2は下方に向けて僅かに内側に傾斜しているが、真っ直ぐ下方を向いていてもよい。また、規制プレート20a,20bは、このようなガイド面20a-2,20b-2を設けず、テーパ面20a-1,20b-1だけで構成してもよい。但し、ガイド面20a-2,20b-2を設ければ、テーパ面20a-1,20b-1により形成されたシート幅がガイド面20a-2,20b-2で維持されることによりクセ付けされるので、シート状に成形された米飯Rが形崩れしにくくなる。
【0046】
ここで、前述した図6および図7に示すように、本実施の形態では、規制プレート20a,20bを相互に接近および離間する方向に移動させる機構が設けられている。すなわち、正回転・逆回転が可能なモータ(駆動手段)22と、モータ22の回転運動を往復直線運動に変換する変換ボックス23と、変換ボックス23で変換された往復直線運動で規制プレート20a,20bを移動させる駆動板24a,24bが設けられている。変換ボックス23内には、モータ22の出力軸に結合された減速機構と、減速機構を介してモータ22により回転するピニオンギアと、当該ピニオンギアと噛み合って上下に平行に配置された一対のラックギアが設けられている。そして、ラックギアに固定された駆動板24a,24bにより規制プレート20a,20bが移動するようになっている。
【0047】
なお、このような機構を設けることなく、規制プレート20a,20bを手動で移動するようになっていてもよい。但し、手動にした場合には、設定した位置で規制プレート20a,20bを固定しておくための固定手段を設けるのが望ましい。
【0048】
このように、本実施の形態の巻き寿司製造装置Mのローラユニット4によれば、規制プレート20aと規制プレート20bとが第1のローラ対5aおよび第2のローラ対5bの回転軸に沿って移動可能になっており、こられのローラ対5a,5bにより送り出されるシート状の米飯Rの幅が規制プレート20a,20bにより規制されるようになっている。したがって、シート状に成形される米飯Rの幅を自在に調整することが可能になる。
【0049】
これにより、異なる幅のシート状の米飯Rを製造する場合でも1台のローラユニット4を用意しておけば足りるので、装置の管理等が容易になる。また、シート状の米飯Rの幅の微調整を行うことができる。
【0050】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0051】
例えば、本実施の形態では、一対の規制プレート20a,20bは、それぞれが動いて、第1のローラ対5aおよび第2のローラ対5bの回転軸に沿って相互に接近および離間するように移動可能になっているが、それぞれ個別に移動するようになっていてもよく、一方が固定されて、他方のみが移動するようになっていてもよい。但し、相互に接近および離間するように移動可能になっていれば、米飯Rのシート幅にかかわらず、送り出されるシート状の米飯Rの幅方向の中心位置を同じにすることができる。
【0052】
また、本実施の形態では、規制手段の一例として規制プレート20a,20bが示されているが、これに限定されるものではない。例えば、規制手段としては、ローラ5a-1,5a-2,ローラ5b-1の全周に形成されて軸方向に移動可能になったフランジでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上の説明では、食材として米飯を適用し、本発明のローラユニットを巻き寿司製造装置に適用した場合が示されているが、これに限定されるものではない。つまり、様々の食材をシート状に成形するローラユニットに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 ホッパ(貯留部)
2 米飯解し部
3 解し羽根
4 ローラユニット
5 ローラ対
5a 第1のローラ対
5a-1,5a-2 ローラ
5b 第2のローラ対
5b-1,5b-2 ローラ
6 分割シャッタ(分割手段)
7 プレート装着部
8 成形プレート
11 タッチパネル
12 ユニット収容室
13 フロントカバー
14 フレーム
14a 側壁プレート
14a-1~14a-3 軸受部
14a-4 切り欠き部
14b 横断プレート
14ba 長溝
16 突上ローラユニット(屈曲手段)
17 駆動モータ
20a,20b 規制プレート(規制手段)
20a-1,20b-1 テーパ面
20a-2,20b-2 ガイド面
21 係合突起
22 モータ(駆動手段)
23 変換ボックス
24a,24b 駆動板
M 巻き寿司製造装置
R 米飯(食材)
W1 間隔
W2 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12