(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】ムライト質れんがの製造方法
(51)【国際特許分類】
C04B 35/185 20060101AFI20230629BHJP
C21B 9/10 20060101ALI20230629BHJP
F27D 1/02 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
C04B35/185
C21B9/10 301
F27D1/02
(21)【出願番号】P 2019048897
(22)【出願日】2019-03-15
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000170716
【氏名又は名称】黒崎播磨株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山岡 由宗
(72)【発明者】
【氏名】三島 昌昭
(72)【発明者】
【氏名】小出石 吉隆
(72)【発明者】
【氏名】中村 倫
(72)【発明者】
【氏名】三上 頼儀
(72)【発明者】
【氏名】竹内 宏典
【審査官】小川 武
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103130515(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102424878(CN,A)
【文献】特開昭62-065988(JP,A)
【文献】特開2007-062797(JP,A)
【文献】特開平08-283073(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0200958(US,A1)
【文献】特開2018-62435(JP,A)
【文献】特開2015-189641(JP,A)
【文献】特開昭57-124604(JP,A)
【文献】特開2017-65956(JP,A)
【文献】特開昭57-108210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00-35/84
F27D 1/00-1/02
C21B 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火原料配合物にバインダーを添加して混練し成形後、焼成するムライト質れんがの製造方法において、
前記ムライト質れんがは熱風炉のドームに用いられ、
耐火原料配合物が、電融ムライトを50~80質量%、
シリマナイトを10~40質量%、及び粘土を3~15質量%含有し、しかも耐火原料配合物中の電融ムライトと
シリマナイトの合量が70質量%以上である、ムライト質れんがの製造方法。
【請求項2】
前記シリマナイトの一部又は全部が粒径0.2mm未満である、請求項1に記載のムライト質れんがの製造方法。
【請求項3】
耐火原料配合物が、さらに仮焼アルミナを3~20質量%含有する、請求項1又は請求項2に記載のムライト質れんがの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉に熱風を供給するための熱風炉のドームに好適に使用されるムライト質れんがの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高炉に熱風を供給するために熱風炉が使用されているところ、熱風炉には、大きく分けると内燃式、外燃式、及び炉頂燃焼式の3つのタイプがある。いずれのタイプも、高温ガスを発生させる燃焼室と、発生した高温ガスの熱を蓄積する蓄熱室とを有する。
【0003】
内燃式あるいは外燃式の熱風炉では、燃焼室は下部にあるが炉の上部に行くほど温度が高くなり、炉頂部であるドームが最も高温になる。近年では、送風温度が1350℃以上にもなり、ドームの温度が1550℃以上にもなることがある。
【0004】
一方、炉頂燃焼式の熱風炉では、ドームにバーナーが設置されており、バーナーの直火がドームを構成するれんがに当たるため、ドームの部位により温度分布の差が発生し、ドームを構成するれんがに熱応力が発生する。したがって、炉頂燃焼式の熱風炉のドームに使用されるれんがには、内燃式あるいは外燃式の熱風炉のドームに使用されるれんがよりも、さらに熱間での強度の優れたものが要求される。
【0005】
従来一般的にドームのれんがとしては、高純度な珪石れんがが使用されているが、耐クリープ性や熱間強度の面から改善が要望されている。これに対して、ムライト質れんがは珪石れんがと比べて、耐クリープ性や熱間強度の面から優れると考えられている。
【0006】
このようなムライト質れんがとして例えば特許文献1には、10μm以上によく発達した柱状ムライト結晶でAl2O3-SiO2以外の成分が0.9重量%以下の熱溶融ムライト55~98重量%と、針状ムライト結晶でAl2O3-SiO2以外の成分が1.9重量%以下の焼結ムライト2~45重量%とからなる原料に粘土10重量%添加し成形したのち1550~1830℃(実施例では1750℃)で焼成するムライト質れんがの製造方法が開示されている。特許文献1によると、このムライト質れんがの組織は熱溶融ムライトの粗粒間に焼結ムライトが粘土によって結合されて混在した状態となっており、緻密な組織を形成しているとされている。
しかしながら、この特許文献1のムライト質れんがは、焼結ムライトと粘土による結合組織(ボンド)となっているため、熱間強度が十分ではない。このため、例えば炉頂燃焼式の熱風炉のドームに使用すると、熱応力によってれんがにヒビや割れが発生する問題があり改善が必要である。
【0007】
また、特許文献2には、シリマナイト族鉱物を21質量%以上65質量%以下、ムライトを5質量%以上30質量%以下、シャモットを10質量%以上35質量%以下、粘土を1質量%以上10質量%以下、及びアルミナを30質量%以下(0を含む)を合量で90質量%以上含有する配合物を混練し、成形後、焼成するアルミナ-シリカれんがの製造方法が開示されている(特許文献2の段落0020)。
しかしながら、特許文献2のれんがの配合物中には、原料としてのムライトが最大30質量%までしか含有されていない。したがって、熱風炉のドーム等の使用温度が高温かつ長期間になる用途には、耐クリープ性が十分ではない。
【0008】
さらに、特許文献3には、アンダリュサイト及び/又はシリマナイトを60質量%以上88質量%以下、コージェライトを10質量%以上30質量%以下、及び粘土を2質量%以上12質量%以下含有する耐火原料配合物を使用したコージェライト含有アルミナ-シリカれんがの製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献3のれんがに使用されているコージェライトは融点が1450℃と低いため、熱風炉のドームではクリープが大きすぎて使用できない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特公昭57-11873号公報
【文献】特開2017-65956号公報
【文献】特開2018-62435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、熱間強度及び耐クリープ性に優れるムライト質れんがの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、電融ムライトを主体とし、粒径0.2mm未満の粒子を含むシリマナイト族鉱物及び粘土を含有する耐火原料配合物を使用してバインダーとともに混練し、成形後に焼成することで、従来のムライト質れんがと比較して各段に熱間強度及び耐クリープ性に優れるれんがが得られることを知見した。
【0012】
すなわち、本発明によれば、次の1~3に記載のムライト質れんがの製造方法が提供される。
1.
耐火原料配合物にバインダーを添加して混練し成形後、焼成するムライト質れんがの製造方法において、
前記ムライト質れんがは熱風炉のドームに用いられ、
耐火原料配合物が、電融ムライトを50~80質量%、シリマナイトを10~40質量%、及び粘土を3~15質量%含有し、しかも耐火原料配合物中の電融ムライトとシリマナイトの合量が70質量%以上である、ムライト質れんがの製造方法。
2.前記シリマナイトの一部又は全部が粒径0.2mm未満である、前記1に記載のムライト質れんがの製造方法。
3.
耐火原料配合物が、さらに仮焼アルミナを3~20質量%含有する、前記1又は前記2に記載のムライト質れんがの製造方法。
【0013】
なお、本発明でいう粒径とは、耐火原料粒子を篩いで篩って分離したときの篩い目の大きさのことであり、例えば粒径0.2mm未満のシリマナイト族鉱物とは、篩い目が0.2mmの篩いを通過するシリマナイト族鉱物のことで、粒径0.2mm以上のシリマナイト族鉱物とは、篩い目が0.2mmの篩い目を通過しないシリマナイト族鉱物のことである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電融ムライト、シリマナイト族鉱物、及び粘土を特定範囲で含有する耐火原料配合物を使用して、バインダーとともに混練し、成形後に焼成することで、熱間強度が高く耐クリープ性に優れるムライト質れんがを得ることができる。したがって、このムライト質れんがを熱風炉のドーム用れんがとして使用することで、熱風炉の長寿命化を図ることができる。また、熱風炉の高温操業が可能となるので生産性を大幅に向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
電融ムライトは、針状結晶が大きく発達して耐クリープ性に非常に優れていること、及び熱膨張率が低く耐熱衝撃性に優れていることから、特に熱風炉のドーム用れんがの原料として優れており、本発明では耐火原料配合物に50~80質量%使用する。電融ムライトの含有率が50質量%未満では、耐クリープ性及び耐熱衝撃性が不十分となり、80質量%を超えると熱間強度が不十分となる。
【0016】
シリマナイト族鉱物は、加熱によってムライト及びクリストバライトを生成する。そして、本発明においてシリマナイト族鉱物は、焼成時に、同時に配合された粘土中の微粉状のアルミナ系成分及び/又はシリカ系成分と反応することで、結合力の高いムライトを主体とするセラミックボンドを形成する。このボンドは焼成中に反応によって生じたムライトで形成されるため、従来(例えば前述の特許文献1)の焼結ムライトで形成されるボンドに比べ、結合力がはるかに高いボンドとなり熱間強度に優れたれんがとなる。しかもムライトを主体とするボンドであるため、耐クリープ性にも優れる。なお、れんが中のボンドに寄与しないシリマナイト族鉱物も焼成中のムライトの生成によって耐クリープ性を補うことができる。
シリマナイト族鉱物は、前述のように分解生成物によるセラミックボンド形成によって熱間強度向上効果を発揮するが、本発明ではより熱間強度を高めるために、微粉のシリマナイト族鉱物を使用することが好ましい。具体的には耐火原料配合物中のシリマナイト族鉱物の一部又は全部を粒径0.2mm未満とすることが好ましい。より具体的には、本発明の耐火原料配合物はシリマナイト族鉱物を総量で10~40質量%含有するところ、この総量10~40質量%のシリマナイト族鉱物の一部又は全部を粒径0.2mm未満とすることが好ましい。
シリマナイト族鉱物の含有率が10質量%未満では、十分な熱間強度が得られず、40質量%を超えると相対的に電融ムライトの含有率が減るため耐クリープ性が不十分となる。
【0017】
また、本発明において耐火原料配合物中の電融ムライトとシリマナイト族鉱物の合量は70質量%以上とする。この合量が70質量%未満では耐クリープ性及び熱間強度が不十分となる。
【0018】
粘土は、前述のとおり焼成時にシリマナイト族鉱物と反応してセラミックボンドを形成するために、耐火原料配合物に3~15質量%使用する。粘土の含有率が3質量%未満では熱間強度が不足し、15質量%を超えると耐クリープ性が低下する。なお、次に述べるように仮焼アルミナと併用する際には、粘土の含有率は10質量%以下でも十分な効果が得られる。
【0019】
本発明の耐火原料配合物において、電融ムライト、シリマナイト族鉱物、及び粘土以外の残部として、仮焼アルミナを使用することができる。仮焼アルミナは、焼成中に前述のシリマナイト族鉱物に由来するクリストバライトなどのフリーなシリカ系成分と反応してムライトを生成する。また、焼成中に粘土中から生成するフリーなシリカ系成分とも反応してムライトを生成する。これらのムライトは、結合力の高いボンドを形成するため熱間強度向上効果を発揮し、さらに耐クリープ性向上効果も発揮する。したがって、熱間強度あるいは耐クリープ性をより向上させたい場合、仮焼アルミナを3~20質量%の範囲で使用することができる。
【0020】
さらに、本発明の耐火原料配合物において、電融ムライト、シリマナイト族鉱物、及び粘土以外の残部として仮焼アルミナのほかに使用可能な原料として、焼結ムライト、電融アルミナ、焼結アルミナ、ばん土頁岩、及びシャモットのうち1種又は2種以上が挙げられる。これらは、耐火原料配合物中に20質量%まで、好ましくは10質量%までであれば、本発明の効果に悪影響を与えることなく問題なく使用することが可能である。
【0021】
本発明のムライト質れんがの製造方法は、このような耐火原料配合物にバインダーを添加して混練し成形後、焼成するものである。混練には、フレットミキサー等の一般的な混練機を使用することができ、成形には、フリクションプレスやオイルプレス等を使用することができる。また、焼成には、トンネルキルンやバッチ炉等を使用することができる。焼成温度は、一般的な高アルミナ質れんがの焼成温度とすることができ、具体的には1400~1730℃とすることができる。
【0022】
このようにして得られる本発明のムライト質れんがは、従来のムライト質れんがと比較して熱間強度が高く、かつ耐クリープ性に優れるため、熱風炉のドーム用れんがとして使用することで熱風炉の寿命を延ばすことができる。中でも炉頂燃焼式の熱風炉のドーム用として使用することで大きな寿命延長効果が期待される。
【0023】
次に、本発明の耐火原料配合物に使用される主な耐火原料について説明する。
本発明の耐火原料配合物に使用される電融ムライトとしては、例えばアーク炉等を使用した溶融法によって製造された電融ムライトを使用することができ、一般に耐火物の原料として市販されているものを使用可能である。例えばAl2O3とSiO2の合量が97質量%以上のものを使用することができる。
【0024】
シリマナイト族鉱物としては、シリマナイト、アンダルサイト及びカイアナイトのうち1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのシリマナイト族鉱物はいずれも、焼成することでムライト及びクリストバライトを生成するため、粒径0.2mm未満の微粉として使用することで、結合力の高いボンドを形成することができる。これらのシリマナイト族鉱物は、天然から採掘される鉱物であり、それらを精製して使用することができる。より耐クリープ性を確保したい場合には、不純物としての酸化鉄の含有率が約2質量%以下、好ましくは1質量%以下のものを使用することもできる。
シリマナイト族鉱物のうち、シリマナイトは熱膨張係数が小さく耐熱衝撃性を向上する効果を発揮するので、熱風炉のドーム用のムライト質れんがの原料として特に適している。アンダルサイトはシリマナイトよりもやや熱膨張係数が大きく、カイアナイトはアンダルサイトよりもさらに熱膨張係数が大きくなるため、使用する窯炉や使用部位の使用条件に応じて使い分けることができる。
【0025】
粘土としては、一般に耐火物の原料として市販されているものを使用することができ、例えばSiO2の含有率が40~70質量%、Al2O3の含有率が20~30質量%のものなどを使用することができる。
【0026】
仮焼アルミナとしては、通常、耐火物の原料として使用されているものであれば問題なく使用することができ、例えば、Al2O3の含有率が95質量%以上で、粒度としては平均粒径が50μm以下のものを使用することができる。
なお、本発明でいう平均粒径とは、レーザ回折散乱式粒度分布計で測定された累積曲線の中央累積値(D50)にあたる体積平均粒径をいう。
【実施例】
【0027】
<ラボテスト>
表1に示す各例の耐火原料配合物に水系のバインダーを添加してフレットミキサーで混練し、オイルプレス機で230mm×115mm×75mmのれんが形状に成形し乾燥した。乾燥後、実施例10では1500℃、実施例11では1730℃、比較例3では1750℃、比較例4では1450℃、他の例では1600℃で、それぞれバッチ炉で焼成した。
【0028】
使用した原料としては、電融ムライト及び焼結ムライトはAl2O3含有率が71質量%、SiO2含有率が27質量%のもの、シリマナイト族鉱物としてのシリマナイトはAl2O3含有率が75質量%、SiO2含有率が20質量%のもの、アンダルサイトはAl2O3含有率が60質量%、SiO2含有率が37質量%のもの、カイアナイトはAl2O3含有率が58質量%、SiO2含有率が39質量%のもの、粘土はAl2O3含有率が25質量%、SiO2含有率が55質量%のもの、仮焼アルミナ及び焼結アルミナはAl2O3含有率が99.5質量%のもの、シャモットはAl2O3含有率が38質量%、SiO2含有率が55質量%のものである。
【0029】
得られたれんがの評価として、見掛気孔率をJIS-R2205、熱間曲げ強度をJIS-R2656に従い測定した、また、クリープ変形率をJIS-R2658に従い、1550℃で50時間、0.2MPaの条件で測定した。このクリープ変形率の絶対値が小さいほど耐クリープ性に優れているということである。
【0030】
【0031】
表1中、実施例1~5は電融ムライト及びシリマナイトの含有率を本発明の範囲内で変えた例であり、いずれも熱間曲げ強度(以下、単に「熱間強度」という。)が高くクリープ変形率も小さく良好である。
これに対して比較例1は電融ムライトが40質量%と本発明の下限値を下回り、さらに相対的にシリマナイトが50質量%と本発明の上限値を超えており、熱間強度及び耐クリープ性が低下している。一方、比較例2は電融ムライトが90質量%と本発明の上限値を超えており、相対的にシリマナイトが少なくなり熱間強度が大幅に低下している。
また、実施例2~実施例4ではシリマナイトの粒度構成を変えており、粒径0.2mm未満のシリマナイトを使用することで、熱間強度及び耐クリープ性が向上することがわかる。
さらに、実施例6は粒径0.2mm未満のシリマナイトを上限値の40質量%とした例であり、熱間強度及び耐クリープ性がさらに向上している。
【0032】
実施例7~9は平均粒径が5μmの仮焼アルミナを使用した例であり、熱間強度がさらに向上し、しかも耐クリープ性にも優れている。
【0033】
実施例10と実施例11は異なる焼成温度で焼成した例であるが、十分な熱間強度と耐クリープ性を備えている。これに対して、比較例3は本発明のシリマナイト族鉱物の代わりに焼結ムライトを使用した例であり、1750℃と高温で焼成しても熱間強度は非常に低いレベルとなっている。
【0034】
参考例12はシリマナイト族鉱物としてアンダルサイトを使用した例、参考例13はシリマナイト族鉱物としてカイアナイトを使用した例であるが、いずれも熱間強度及び耐クリープ性に優れている。
【0035】
参考例14は焼結ムライトを10質量%、参考例15はシャモットを10質量%、参考例16は焼結アルミナを10質量%それぞれ添加した例であるが、熱間強度及び耐クリープ性には大きな悪影響を与えていない。
【0036】
参考例17は平均粒径が0.5μmの仮焼アルミナを使用した例であり、熱間強度及び耐クリープ性に優れている。
【0037】
以上の実施例1~11は、従来の熱風炉のドーム用の珪石れんがである比較例4と比較しても、耐クリープ性及び熱間強度が格段に優れていることがわかる。
【0038】
<実機テスト>
実施例3のムライト質れんがを、炉頂燃焼式の熱風炉のドームにテスト使用したところ、6カ月経過後も亀裂や剥離等は見られず、良好な状態で使用されていることを確認した。