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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】医用情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20230629BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230629BHJP
   G16H 50/30 20180101ALI20230629BHJP
【FI】
G16H20/00
A61B5/00 G
G16H50/30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019091682
(22)【出願日】2019-05-14
(65)【公開番号】P2020187550
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 千尋
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-218954(JP,A)
【文献】特開2007-287027(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0038093(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00ー80/00
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の容態を示す生体指標値のこれまでの遷移を表した第1の遷移データを入力する第1の入力部と、
前記被検体が実施する治療手段のこれまでの遷移を表した第2の遷移データを入力する第2の入力部と、
目標とする前記生体指標値を治療指標値として設定する設定部と、
前記被検体の前記第1の遷移データ及び前記第2の遷移データの特性に基づいて、当該特性に類似する過去の被検体の前記第1の遷移データ及び前記第2の遷移データから、前記被検体の前記生体指標値が前記治療指標値に到達する時期を予測する予測部と、
を備える医用情報処理装置。
【請求項2】
前記予測部は、前記被検体の前記第1の遷移データが更新されると、更新後の前記第1の遷移データの特性に基づいて、前記時期を予測する請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記予測部は、前記被検体の今後の治療手段が入力されると、当該治療手段を含めた前記被検体の前記第2の遷移データの特性に基づいて、前記時期を予測する請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記予測部は、過去の被検体の前記第1の遷移データ及び前記第2の遷移データを記憶したデータベースを参照し、前記被検体の前記第2の遷移データの特性に類似する前記過去の被検体の前記第1の遷移データの中から、前記被検体の前記第1の遷移データの特性に類似する第1の遷移データを抽出し、抽出した前記第1の遷移データに基づいて、前記時期を予測する請求項1~3の何れか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
前記予測部は、前記過去の被検体の前記第1の遷移データ及び前記第2の遷移データを学習用データとして作成された、第1の遷移データ及び第2の遷移データの入力を受け付けて、当該第1の遷移データの将来の遷移を出力する学習済みモデルに対し、前記被検体の前記第1の遷移データ及び前記第2の遷移データを入力することで得られた、前記被検体の第1の遷移データの将来の遷移に基づき、前記時期を予測する請求項1~3の何れか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記予測部は、特定の時期が指定されると、互いに異なる条件の今後の治療手段を含んだ前記被検体の前記第2の遷移データ毎に前記時期を予測し、予測した前記時期の中から指定された前記特定の時期を充足する前記治療手段の条件を出力する請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記予測部の予測結果を表示する表示部を更に備える請求項1~6の何れか一項に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記表示部は、前記予測部が予測した前記時期に至るまでの、前記被検体の前記生体指標値の遷移を表示させる請求項7に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
前記表示部は、前記被検体の前記第1の遷移データと、前記過去の被検体の前記第1の遷移データとを対比可能に表示させる請求項7又は8に記載の医用情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
被検体の容態を示す生体指標値のこれまでの遷移を表した第1の遷移データを入力する第1の入力機能と、
前記被検体が実行する治療手段のこれまでの遷移を表した第2の遷移データを入力する第2の入力機能と、
目標とする前記生体指標値を治療指標値として設定する設定機能と、
前記被検体の前記第1の遷移データ及び前記第2の遷移データの特性に基づいて、当該特性に類似する過去の被検体の前記第1の遷移データ及び前記第2の遷移データから、前記被検体の前記生体指標値が前記治療指標値に到達する時期を予測する予測機能と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院等の医療機関では、疾病や外傷等の様々な原因により生じた慢性疾患の治療が行われている。慢性疾患では容体が急変する可能性が低いため、患者は通院しながら治療を行うことが一般的である。また、生活習慣起因の疾患では運動療法や食事療法等が治療手段の基本となっており、日々の生活の仕方が容体の快方に向かう重要な要素となる。
【0003】
ところで、上述した慢性疾患や生活習慣起因の疾患のように治療が長期化すると、患者は治療の終わりが分からないため治療や通院を億劫に感じ、治療や通院を勝手に中断したりすることがある。なお、治療が完了する時期については、従来、特定疾患の外観的形態から当該特定疾患の治療に要する期間を予測する技術が提案されている。
【0004】
しかしながら、従来の技術では、上述した慢性疾患や生活習慣起因の疾患のように治療が長期に亘る被検体に対応することができず、治療が完了する時期を予測できない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-56133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、治療が長期に亘る被検体の治療が完了する時期を予測することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る医用情報処理装置は、第1の入力部と、第2の入力部と、設定部と、予測部とを備える。第1の入力部は、被検体の容態を示す生体指標値のこれまでの遷移を表した第1の遷移データを入力する。第2の入力部は、前記被検体が実施する治療手段のこれまでの遷移を表した第2の遷移データを入力する。設定部は、目標とする前記生体指標値を治療指標値として設定する。予測部は、前記被検体の前記第1の遷移データ及び前記第2の遷移データの特性に基づいて、当該特性に類似する過去の被検体の前記第1の遷移データ及び前記第2の遷移データから、前記被検体の前記生体指標値が前記治療指標値に到達する時期を予測する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る医用情報処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態の表示制御機能が表示する画面例を示す図である。
図4図4は、実施形態の表示制御機能が表示する他の画面例を示す図である。
図5図5は、実施形態の表示制御機能が表示する他の画面例を示す図である。
図6図6は、実施形態の医用情報処理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、変形例3に係る医用情報処理装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、医用情報処理装置及びプログラムの実施形態について説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係る医用情報処理システムの構成例を示す図である。図1に示すように、医用情報処理システムは、医用情報処理装置100と、医用データ保管装置300とを有する。医用情報処理装置100は、ネットワーク200を介して、医用データ保管装置300と通信可能に接続される。例えば、医用情報処理装置100及び医用データ保管装置300は、病院等に設置され、院内LAN等のネットワーク200によって相互に接続される。
【0011】
医用データ保管装置300は、患者等の被検体に関する医用データを保管する。例えば、医用データ保管装置300は、データベースサーバ等のコンピュータ機器によって実現され、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等の記憶回路に診療データを記憶させる。
【0012】
具体的には、医用データ保管装置300は、治療中の被検体の医用データを記憶する第1のデータベース301と、治療が完了した被検体の医用データを記憶する第2のデータベース302とを保持する。なお、本実施形態において、治療の完了(同義として治療の終了)とは、被検体の容態を表す後述する生体指標値が正常範囲にある(戻る)ことや、症状の完治、治癒、寛解を含む概念である。
【0013】
第1のデータベース301は、各被検体を識別可能な患者IDに対応付けて、当該被検体の診療データを記憶する。診療データは、例えば、被検体の疾患種別、被検体から採取された生体指標値の遷移を示す第1の遷移データ、及び被検体の治療手段の遷移を示す第2の遷移データ等を含む。
【0014】
疾患種別は、被検体の病名等を示すものである。本実施形態では、疾患種別として慢性の肝臓疾患や肺疾患等の慢性疾患、生活習慣起因の疾患等、長期に亘る治療が必要な疾患を主な対象とするが、この条件に限定されないものとする。例えば、疾患種別は、癌の種別や骨折の部位や種別等であってもよい。また、例えば、疾患種別は、手術の種別等であってもよい。
【0015】
生体指標値は、被検体の容体を定量的に示す情報である。生体指標値は、任意に設定することが可能であるとするが、疾患種別で設定された疾患の容態を表すものを選定することが好ましい。例えば、疾患種別が慢性の肝臓疾患(脂肪肝等)である場合、LDL(Low Density Lipoprotein)コレステロール値や、γ-GTP(Glutamyl TransPetidase)等の肝機能を表す生体指標値が選定される。また、疾患種別が慢性の肺疾患の場合、肺活量等の肺機能を表す生体指標値が選定される。また、疾患種別が癌の場合には、癌組織のサイズや腫瘍マーカの値を生体指標値としてもよい。また、疾患種別が骨折の場合、骨折部分のX線画像等から測定される軟骨の厚みを被検体の生体指標値としてもよい。また、疾患種別が手術であるような場合、術後の体温、心拍数といったバイタル値や、血液検査等の検査値を生体指標値としてもよい。
【0016】
第1の遷移データは、上述した生体指標値の経時的な遷移(変化)を示すデータである。具体的には、第1の遷移データは、生体指標値と、生体指標値が採取された時期(年月日時等)を示す日時情報との組で表される。
【0017】
治療手段は、治療や容態改善のために被検体自身が実施する身体活動、被検体に実施すする治療方法等を意味する。治療手段は、例えば、治療手段の項目と用量との組で表される。例えば、治療手段は、一日に歩く歩数や時間を規定するものであってもよい。また、治療手段は、薬剤の種別とその投薬量とを規定するものであってもよい。なお、治療手段は、任意に設定することが可能であるとするが、疾患種別で設定された疾患に好適な治療手段を選定することが好ましい。
【0018】
第2の遷移データは、上述した治療手段の経時的な遷移(変化)を示すデータである。具体的には、第2の遷移データは、治療手段と、その治療手段が実施された時期(年月日時等)を示す日時情報との組で表される。なお、治療手段が恒常的に設定されてもよい。この場合、第2の遷移データには、治療開始から現在までの間、同一種別且つ同一用量の治療手段が記録される。また、治療の途中で治療手段が変更された場合には、変更前後で異なる治療手段が記録されることになる。
【0019】
一方、第2のデータベース302は、治療が完了した各被検体(以下、過去の被検体ともいう)の第1の遷移データ及び第2の遷移データを記憶する。かかる第2のデータベース302は、例えば、第1のデータベース301から、治療が完了した被検体の第1の遷移データ及び第2の遷移データを抽出することで生成される。
【0020】
第2のデータベース302のデータ構成は特に問わず、種々の形態を採用することが可能である。例えば、第2のデータベース302は、過去の被検体の第1の遷移データを、当該被検体の第2の遷移データ(治療手段)の種別毎に分類して記憶してもよい。かかるデータ構成では、第2のデータベース302は、例えば、一日に5000歩歩く治療を受けた被検体の第1の遷移データと、一日に10000歩歩く治療を受けた被検体の第1の遷移データとを別々に管理する。
【0021】
また、この場合、治療の途中で治療手段が変更された被検体の第1の遷移データについては、変更前後の治療手段を一纏めに分類して記憶する。例えば、一日に5000歩歩く治療から、一日に10000歩歩く治療に変更された被検体の場合、5000歩から10000歩に変更されたグループに分類して第1の遷移データを記憶する。
【0022】
また、他のデータ構成としては、過去の被検体毎に第1の遷移データと第2の遷移データとを対応付けて記憶する形態としてもよい。なお、何れのデータ構成であっても、過去の被検体の第1の遷移データ及び第2の遷移データは、疾患種別毎に分類して記憶される。
【0023】
医用情報処理装置100は、医師等の医療従事者によって使用され、医用データを用いた各種情報処理を行う。例えば、医用情報処理装置100は、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
【0024】
図2は、医用情報処理装置100の構成例を示す図である。図2に示すように、医用情報処理装置100は、I/F(インタフェース)回路110と、記憶回路120と、入力回路130と、ディスプレイ140と、処理回路150とを有する。
【0025】
I/F回路110は、処理回路150に接続され、医用データ保管装置300との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、I/F回路110は、医用データ保管装置300から医用データを受信し、受信した医用データを処理回路150に出力する。例えば、I/F回路110は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0026】
記憶回路120は、処理回路150に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路120は、医用データ保管装置300から受信した第1の遷移データや第2の遷移データを記憶する。例えば、記憶回路120は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0027】
入力回路130は、処理回路150に接続され、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路150に出力する。例えば、入力回路130は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等によって実現される。
【0028】
ディスプレイ140は、処理回路150に接続され、処理回路150から出力される各種情報及び各種画像データを表示する。例えば、ディスプレイ140は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。
【0029】
処理回路150は、医用情報処理装置100の動作を統括的に制御する。例えば、処理回路150は、プロセッサによって実現される。
【0030】
以上、本実施形態に係る医用情報処理装置100の全体構成について説明した。このような構成のもと、本実施形態に係る医用情報処理装置100は、治療中の被検体のこれまでの生体指標値及び治療手段の遷移に基づき、治療が完了する時期を予測するための機能を有する。
【0031】
具体的には、処理回路150は、第1の入力機能151と、第2の入力機能152と、設定機能153と、予測機能154と、表示制御機能155と、登録機能156とを有する。ここで、第1の入力機能151は、特許請求の範囲における第1の入力部の一例である。また、第2の入力機能152は、特許請求の範囲における第2の入力部の一例である。また、設定機能153は、特許請求の範囲における設定部の一例である。また、予測機能154は、特許請求の範囲における予測部の一例である。また、表示制御機能155は、特許請求の範囲における表示部の一例である。
【0032】
第1の入力機能151は、予測対象の被検体(以下、対象被検体という)の容態を示す生体指標値のこれまでの遷移を表した第1の遷移データを入力する。具体的には、第1の入力機能151は、入力回路130を介して対象被検体の患者IDが指定されると、第1のデータベース301に記憶された当該患者IDの診療データから第1の遷移データを読み出す。そして、第1の入力機能151は、読み出した第1の遷移データを予測機能154に入力する。
【0033】
第2の入力機能152は、対象被検体が実施する治療手段のこれまでの遷移を表した第2の遷移データを入力する。具体的には、第2の入力機能152は、入力回路130を介して対象被検体の患者IDが指定されると、第1のデータベース301に記憶された当該患者IDの診療データから第2の遷移データを読み出す。そして、第2の入力機能152は、読み出した第2の遷移データを予測機能154に入力する。
【0034】
設定機能153は、目標とする生体指標値を治療指標値として設定する。具体的には、設定機能153は、入力回路130を介して目標とする生体指標値が指定されると、指定された生体指標値を治療指標値に設定する。治療指標値は任意の値を設定できるものとするが、治療完了と見なすことが可能な生体指標値を設定することが好ましい。例えば、治療指標値は、正常範囲内の値を設定することが好ましい。また、設定機能153は、対象被検体の疾患種別や生体指標値に基づいて、その生体指標値の正常範囲の上限値等を治療指標値として自動で設定する構成としてもよい。
【0035】
予測機能154は、対象被検体の第1の遷移データ及び第2の遷移データの特性に基づき、当該特性に類似する過去の被検体の第1の遷移データ及び第2の遷移データから、対象被検体の生体指標値が治療指標値に到達する時期(以下、治療完了時期ともいう)を予測する。ここで、遷移データの特性とは、その遷移データの経時的な変化の特性を意味する。なお、表示制御機能155は、予測機能154と協働することで、予測機能154による予測結果を表す画面をディスプレイ140に表示させる。
【0036】
具体的には、予測機能154は、対象被検体の第1の遷移データの特性と、対象被検体の第2の遷移データの特性とに基づき、この両特性に類似する第1の遷移データ及び第2の遷移データの組を、第2のデータベース302から特定する。そして、予測機能154は、特定した過去の被検体の第1の遷移データ及び第2の遷移データの組の、第1の遷移データを読み出し、治療完了時期の予測を行う。ここで、過去の被検体の第1の遷移データの読み出しは、第2のデータベース302のデータ構造に応じた方法で行うものとする。
【0037】
例えば、第2のデータベース302が、過去の被検体の第1の遷移データを、第2の遷移データ(治療手段)の種別毎に分類して記憶している場合、予測機能154は、対象被検体と同一種別の第2の遷移データ(治療手段)に分類されている、過去の被検体の第1の遷移データを絞り込む。次いで、予測機能154は、絞り込んだ第1の遷移データの中から、対象被検体の第1の遷移データの特性に類似するものを抽出する。
【0038】
また、例えば、第2のデータベース302が、過去の被検体の第1の遷移データと第2の遷移データとを対応付けて記憶している場合、予測機能154は、対象被検体の第2の遷移データの特性と類似する特性を有した、過去の被検体の第2の遷移データを絞り込む。次いで、予測機能154は、絞り込んだ第2の遷移データに対応付けられている第1の遷移データの中から、対象被検体の第1の遷移データの特性に類似するものを抽出する。
【0039】
そして、予測機能154は、抽出した過去の被検体の第1の遷移データの特性に基づき、対象被検体の生体指標値が、設定機能153で設定された治療指標値に到達する治療完了時期を予測する。
【0040】
表示制御機能155は、例えば、予測機能154による治療完了時期の予測に際し、対象被検体及び過去の被検体の第1の遷移データを比較可能な画面を表示させる。
【0041】
以下、図3を参照し、予測機能154の予測動作の一例について説明する。図3は、表示制御機能155が表示する画面例を示す図である。図3において、縦軸は生体指標値(肝機能生体指標値)を意味し、横軸は治療開始からの経過時間を意味する。また、実線で示すグラフG1は、対象被検体の第1の遷移データを表しており、一点鎖線で示すグラフG2は、予測機能154によって抽出された過去の被検体の第1の遷移データを表している。なお、図3では、抽出された過去の被検体の第1の遷移データのデータ数を1としており、治療完了時の生体指標値をVeとしている。
【0042】
上述したように、予測機能154は、対象被検体の第1の遷移データの特性と、類似の関係にある過去の被検体の第1の遷移データを抽出する。そのため、グラフG1とグラフG2との形状は、図3に示すように、類似性を有するものとなる。また、グラフG2は、治療が完了した過去の被検体の第1の遷移データであるため、治療完了に至るまでの生体指標値の変遷が記録されている。
【0043】
予測機能154は、グラフG2が表す生体指標値の変遷に基づき、対象被検体の第1の遷移データが辿る将来の変遷を予測する。具体的には、予測機能154は、グラフG1から延設された破線グラフG1aに示すように、最後にプロットされた時点(現在)以降の生体指標値が、グラフG2の形状と同様の遷移を辿ると仮定することで、対象被検体の第1の遷移データの将来の遷移を予測する。なお、予測の方法は特に問わず、最小二乗法等の公知の技術を用いることができる。
【0044】
そして、予測機能154は、予測した第1の遷移データの将来の変遷(破線グラフG1a)に基づき、治療完了時期を予測する。例えば、治療指標値がVeの場合、予測機能154は、破線グラフG1aの変遷に基づき、対象被検体の生体指標値がVeに到達する時期T1を導出する。ここで、時期T1の始点は、対象被検体の治療開始日であってもよいし、生体指標値が最後にプロットされた時点(現在)であってもよい。
【0045】
このように、予測機能154は、対象被検体の生体指標値及び治療手段の経時的な変化の特性に基づき、当該特性に類似する過去の被検体の生体指標値の変遷から、治療完了時期を予測する。これにより、例えば、対象被検体の疾患が、慢性疾患や生活習慣起因の疾患であっても、同様の特性を有する過去の被検体の生体指標値の変遷から、治療完了時期を予測することができる。
【0046】
また、表示制御機能155は、予測機能154の予測結果に基づき、対象被検体の生体指標値の変遷と、過去の被検体の生体指標値の変遷とを対比可能な状態で表示させるため、医用情報処理装置100の操作者に対し、生体指標値の比較の容易化を図ることができる。また、表示制御機能155は、予測機能154が予測した対象被検体の生体指標値が治療指標値に至るまでの変遷をグラフ表示させるため、医用情報処理装置100の操作者に対し、対象被検体の生体指標値が治療指標値に至るまでの変遷を、直感的に把握させることができる。
【0047】
なお、過去の被検体から複数の第1の遷移データが抽出された場合には、予測機能154は、抽出された複数の第1の遷移データの平均値等を算出することで、図3と同様の一本のグラフG2で、抽出された複数の第1の遷移データを表してもよい。この場合、予測機能154は、抽出された複数の第1の遷移データの平均値に基づいて、対象被検体の将来の生体指標値の変遷を予測してもよいし、何れか一の第1の遷移データに基づいて、対象被検体の将来の生体指標値の変遷を予測してもよい。
【0048】
また、第2のデータベース302から複数の第1の遷移データが抽出された場合、予測機能154は、抽出された第1の遷移データの各々を用いて対象被検体の将来の生体指標値の変遷を予測することで、治療完了時期を複数個導出してもよい。
【0049】
図4は、表示制御機能155が表示する他の画面例を示す図である。図4では、過去の被検体から4個の第1の遷移データが抽出された場合の画面例を示しており、これら第1の遷移データの各々から予測された対象被検体の生体指標値の変遷を、破線グラフG1b~G1eで表している。
【0050】
例えば、破線グラフG1b~G1eのうち、破線グラフG1bが治療指標値Veに最も早く到達する時期T21となっており、破線グラフG1eが治療指標値Veに最も遅く到達する時期T24となっている。
【0051】
このように、予測機能154は、過去の被検体から抽出された第1の遷移データ毎に、対象被検体の生体指標値の将来の変遷を予測することで、対象被検体の生体指標値が治療指標値Veに到達する治療完了時期を複数提示することができる。また、表示制御機能155は、過去の被検体から抽出された第1の遷移データ毎に予測された、対象被検体の生体指標値が治療指標値に至るまでの変遷の各々をグラフ表示させるため、医用情報処理装置100の操作者に対し、対象被検体の生体指標値が治療指標値Veに到達する治療完了時期の最大値と最小値とをレンジとして提示することができる。
【0052】
また、予測機能154は、入力回路130等を介して現在の治療手段が、他の種別の治療手段に変更された場合、変更後の治療手段を今後実施予定の治療手段として、対象被検体の第2の遷移データを更新する。そして、予測機能154は、更新後の第2の遷移データを用いて、治療完了時期を予測する。
【0053】
例えば、予測機能154は、治療手段の変更が指示された場合、その変更前後の治療手段を現在以降の治療手段として第2の遷移データに組み込むことで、更新後の第2の遷移データとしてもよい。また、他の例として、予測機能154は、変更後の治療手段のみを含んだ更新後の第2の遷移データとしてもよい。この場合、更新後の第2の遷移データは、治療開始の時点から変更後の治療手段が実施されていたことを示すものとなる。
【0054】
図5は、表示制御機能155が表示する他の画面例を示す図である。ここで、図5は、現在設定されている治療手段が、他の治療手段に変更された場合の画面例を示している。
【0055】
例えば、一日に「5000歩歩く」ことが現在までの治療手段であり、この治療手段が一日に「10000歩歩く」ことに変更されたとする。この場合、予測機能154は、治療手段の変更に応じて、変更後の治療手段に対応する過去の被検体の第1の遷移データから、治療完了時期を予測する。
【0056】
この場合、表示制御機能155は、図5に示すように、変更前の治療手段に基づき予測された破線グラフG1g及び時期T31と、変更後の治療手段に基づき予測された破線グラフG1g及び時期T32とを識別可能に表示させる。また、表示制御機能155は、変更前後の治療手段の内容を、予測された治療完了時期に対応付けて表示させる。
【0057】
これにより、表示制御機能155は、医用情報処理装置100の操作者に対し、治療手段の変更により治療完了時期がどの程度変化するかを確認させることができる。したがって、医用情報処理装置100の操作者は、治療手段を変更しながら、被検体の容態や要望に適した治療手段を模索することができるため、利便性の向上を図ることができる。
【0058】
登録機能156は、入力回路130等を介して入力される情報に基づき、対象被検体の生体指標値又は治療手段を第1のデータベース301に登録する。
【0059】
例えば、診察の度に生体指標値の採取が行われる場合、登録機能156は、対象被検体から採取された生体指標値と、診察が行われた日時を示す日時情報との組を、対象被検体(患者ID)の診療データに登録する。また、登録機能156は、登録対象の生体指標値と日時情報との組を、予測機能154に入力することで、予測に使用される対象被検体の第1の遷移データを更新してもよい。これにより、生体指標値と日時情報との組が、第1の遷移データとして診療データに記録される。
【0060】
なお、登録機能156は、生体指標値とともに特定の日付を指定する日時情報が入力された場合、この日時情報を用いて生体指標値を登録する。これにより、例えば、過去の任意の時点での生体指標値を遡って登録したりすることができる。また、登録機能156は、治療手段についても生体指標値と同様に登録を行う構成としてもよい。
【0061】
次に、図6を参照して、医用情報処理装置100が実行する処理の一例について説明する。ここで、図6は、医用情報処理装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0062】
入力回路130を介して対象被検体の患者IDが入力されると、第1の入力機能151は、第1のデータベース301から対象被検体の第1の遷移データを読み出し、予測機能154に入力する(ステップS11)。また、第2の入力機能152は、第1のデータベース301から対象被検体の第2の遷移データを読み出し、予測機能154に入力する(ステップS12)。
【0063】
続いて、設定機能153は、入力回路130を介して目標とする生体指標値が入力されると、入力された生体指標値を治療指標値に設定する(ステップS13)。
【0064】
予測機能154は、第2のデータベース302から、対象被検体の第2の遷移データに類似した特性を有する過去の被検体の第2の遷移データを絞り込む(ステップS14)。次いで、予測機能154は、ステップS14で絞り込んだ第2の遷移データに対応する過去の被検体の第1の遷移データの中から、対象被検体の第1の遷移データの特性に類似する第1の遷移データを抽出する(ステップS15)。
【0065】
続いて、予測機能154は、ステップS15で抽出した過去の被検体の第1の遷移データに基づき、対象被検体の生体指標値が治療指標値に到達する治療完了時期を予測する(ステップS16)。また、表示制御機能155は、予測機能154の予測結果を示す画面をディスプレイ140に表示させる(ステップS17)。
【0066】
続いて、登録機能156は、入力回路130を介して、対象被検体の生体指標値が新たに入力されたか否かを判定する(ステップS18)。ここで、新たな生体指標値が入力された場合(ステップS18;Yes)、登録機能156は、入力された生体指標値を現在の日時情報と対応付け、対象被検体の診療データとして登録することで、第1の遷移データを更新し(ステップS19)、ステップS15に移行する。
【0067】
これにより、予測機能154は、ステップS15で更新後の第1の遷移データを用いて、過去の被検体の第1の遷移データを抽出し直す。そして、抽出された過去の被検体の第1の遷移データに基づき、治療完了時期の予測が再度実行される。なお、ステップS18で、生体指標値と日時情報との組が入力された場合には、登録機能156は、入力された日時情報を用いて生体指標値の登録を行うものとする。
【0068】
一方、ステップS18において、生体指標値が入力されない場合には(ステップS18;No)、予測機能154は、入力回路130を介して、治療手段を変更する指示が入力されたか否かを判定する(ステップS20)。
【0069】
ここで、治療手段の変更が指示された場合(ステップS20;Yes)、予測機能154は、変更後の治療手段を今後実施予定の治療手段として第2の遷移データを更新する(ステップS21)。次いで、予測機能154は、第2のデータベース302から、変更後の第2の遷移データの特性に類似した過去の被検体の第2の遷移データを絞り込み(ステップS22)、ステップS15に移行する。
【0070】
これにより、予測機能154は、ステップS15で、変更後の第2の遷移データを用いて抽出された過去の被検体の第1の遷移データの中から、対象被検体の第1の遷移データの特性と類似するものを抽出する。そして、抽出された過去の被検体の第1の遷移データに基づき、治療完了時期の予測が再度実行される。なお、登録機能156は、変更後の治療手段を、日時情報と対応付けて、第1のデータベース301に登録する処理を行ってもよい。
【0071】
また、治療手段の変更が指示されない場合には(ステップS20;No)、ステップS23に移行する。ステップS23では、予測機能154が、入力回路130を介し、処理の終了が指示されたか否かを判定する。終了が指示されない場合には(ステップS23;No)、ステップS18に戻ることで本処理を継続する。一方、終了が指示された場合には(ステップS23;Yes)、本処理を終了する。
【0072】
このように、医用情報処理装置100は、治療途中にある対象被検体の生体指標値及び治療手段の経時的な変化の特性に基づき、当該特性に類似する過去の被検体の生体指標値の変遷から、対象被検体の治療完了時期を予測する。これにより、例えば、対象被検体の疾患が、治療が長期に亘る慢性疾患や生活習慣起因の疾患であっても、これまでの容態変化や治療手段の履歴から、対象被検体の治療完了時期を効率的に予測することができる。したがって、治療途中にある被検体は、自己の治療が完了するまでの期間が分かるため、治療に対するモチベーションを維持することができ、治療の中断や来院中断の発生を抑止することができる。
【0073】
なお、上述した実施形態は、医用情報処理装置100が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0074】
(変形例1)
上述の実施形態では、対象被検体の生体指標値が治療指標値に到達する治療完了時期を予測する形態を説明したが、予測の対象はこれに限定されるものではない。
【0075】
例えば、予測機能154は、入力回路130を介して治療完了時期が指定された場合、この治療完了時期を実現することが可能な治療手段を予測(推定)してもよい。具体的には、予測機能154は、治療手段の条件を切り替えながら予測を行うことで、対象被検体の生体指標値が治療指標値に到達する治療完了時期をそれぞれ予測する。そして、予測機能154は、予測した治療完了時期のうち、指定された治療完了時期を充足する治療手段を抽出する。
【0076】
この場合、例えば、表示制御機能155は、予測機能154によって抽出された治療手段をディスプレイ140に表示させることで、治療完了時期を実現可能な治療手段を、医用情報処理装置100の操作者に提示する。また、表示制御機能155は、予測に使用された治療手段の各々と、当該治療手段を用いて導出された治療完了時期とを比較可能な状態で表示させてもよい。
【0077】
これにより、医用情報処理装置100は、指定された治療完了時期の条件に対応した治療手段を、医用情報処理装置100の操作者に提示することができるため、治療手段の選定作業を支援することができる。また、医用情報処理装置100は、治療手段の各々と、当該治療手段から予測される治療完了時期との関係を、医用情報処理装置100の操作者に提示することもできるため、治療手段の選定作業を効率的に支援することができる。
【0078】
(変形例2)
上述した実施形態では、対象被検体の生体指標値や治療手段を、第1のデータベース301から取得する形態としたが、取得先はこれに限定されるものではない。
【0079】
例えば、対象被検体が生体指標値や治療手段を計測可能な活動量計等の携帯機器を身に付けているような場合、このデバイスから日々の計測結果を生体指標値や治療手段として取得する形態としてもよい。この場合、第1の入力機能151は、携帯機器と接続可能なインタフェースを介して、携帯機器から第1の遷移データ又は第2の遷移データを取得してもよい。また、例えば、携帯機器での計測結果がサーバ装置やクラウド等に保存される構成の場合、第1の入力機能151は、I/F回路110等を介して、保存先のサーバ装置やクラウドから対象被検体の第1の遷移データ又は第2の遷移データを取得してもよい。
【0080】
(変形例3)
上述した実施形態では、第2のデータベース302に記憶された過去の被検体の第1の遷移データ及び第2の遷移データを用いて、治療完了時期を予測する形態としたが、治療完了時期の予測方法はこれに限定されるものではない。
【0081】
他の予測方法として、例えば、生体指標値及び治療手段の経時的な変化の特性と、治療完了時期との関係性を機械学習した学習済みモデルを用いて、治療完了時期を予測する形態としてもよい。
【0082】
図7は、変形例3に係る医用情報処理装置100の構成例を示す図である。図7に示すように、本変形例に係る医用情報処理装置100は、記憶回路120に学習済みモデルM1を記憶する。
【0083】
学習済みモデルM1は、過去の被検体の第1の遷移データ及び第2の遷移データを学習用データとして機械学習することで生成(作成)されたニューラルネットワーク等のモデルである。学習済みモデルM1は、第1の遷移データと第2の遷移データとの入力を受け付け、当該第1の遷移データが辿る将来の生体指標値の遷移を推論結果として出力するよう機能付けられている。なお、第1の遷移データ(生体指標値)と、第2の遷移データ(治療手段)とは、上述の実施形態と同様、統計的に有意な相関関係を有するデータセットが選定されるものとする。
【0084】
学習済みモデルM1の生成時には、第1の遷移データ(生体指標値)と第2の遷移データ(治療手段)との相関関係を機械学習する。かかる学習済みモデルM1によれば、治療中の被検体の第1の遷移データと、第2の遷移データとを入力することで、第1の遷移データと第2の遷移データとの関係から、治療中の被検体の生体指標値が辿る将来の遷移が推論結果として出力される。なお、学習済みモデルM1は、疾患種別毎に生成することが好ましい。
【0085】
予測機能154は、上述した学習済みモデルM1に対し、第1の入力機能151及び第2の入力機能152が入力した対象被検体の第1の遷移データ及び第2の遷移データを入力することで、対象被検体の生体指標値が辿る将来の遷移を推論結果として取得する。そして、予測機能154は、取得した推論結果に基づき、対象被検体の生体指標値が設定機能153で設定された治療完了指標値に到達する治療完了時期を予測する。
【0086】
これにより、本変形例の医用情報処理装置100では、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、図7では、医用情報処理装置100が学習済みモデルM1を保持する形態としたが、これに限らず、医用情報処理装置100がアクセス可能な医用データ保管装置300等の他の装置が学習済みモデルM1を保持する形態としてもよい。
【0087】
なお、上述した実施形態では、医用情報処理装置100が備える機能構成を、処理回路150によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における機能構成は、ハードウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
【0088】
また、上述した説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、記憶回路120に保存されたプログラムを読み出して実行することで、機能を実現する。なお、記憶回路120にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合は、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。また、本実施形態のプロセッサは、単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0089】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0090】
以上説明した実施形態によれば、治療が長期に亘る被検体の治療完了時期を予測することができる。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0092】
100 医用情報処理装置
200 ネットワーク
300 医用データ保管装置
151 第1の入力機能
152 第2の入力機能
153 設定機能
154 予測機能
155 表示制御機能
156 登録機能
301 第1のデータベース
302 第2のデータベース
M1 学習済みモデル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7