(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】工作機械の主軸内切削液供給回収装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/10 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
B23Q11/10 E
(21)【出願番号】P 2019115226
(22)【出願日】2019-06-21
【審査請求日】2022-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000149066
【氏名又は名称】オークマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】青山 知史
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-198772(JP,A)
【文献】特開2014-151387(JP,A)
【文献】特開2002-273641(JP,A)
【文献】特開平09-159098(JP,A)
【文献】特許第3620954(JP,B2)
【文献】特許第2965468(JP,B2)
【文献】特開平11-165235(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0297127(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削液供給源から切削液流通路を流通して供給された切削液が、主軸および工具ホルダの内部に形成された切削液流通孔を流通して、ワーク加工領域へ吐出されるようになされた工作機械において、
切削液流通路の途中に流路切換弁が設けられており、
流路切換弁は、第1ないし第3のポートを有し、第1のポートに、1次側の切削液流通路の先端が接続され、第2のポートに、2次側の切削液流通路の基端が接続され、第3のポートに、主軸および工具ホルダの内部の切削液流通孔に残留した切削液を切削液供給源へ回収するための切削液回収路の基端が接続されており、
切削液回収路の途中に、エア供給源からエア主流路を介して供給されたエアによって駆動するエジェクタが設けられて
いるとともに、切削液回収路におけるエジェクタおよび切削液供給源間に分岐が設けられておらず、
ワーク加工時には、流路切換弁の第1のポートおよび第2のポートを連通させることで切削液をワーク加工領域に吐出し、ワーク非加工時には、流路切換弁の第2のポートおよび第3のポートを連通させ、エアをエジェクタに供給しエジェクタを駆動させることで、主軸および工具ホルダの内部の切削液流通孔に残留した切削液をエジェクタにより吸引して回収する工作機械の主軸内切削液供給回収装置。
【請求項2】
エア主流路の途中にエア主流路を開放および遮断するための弁が設けられており、エア主流路
における弁およびエジェクタ間から分岐して、エアをエジェクタ以外の供給先に供給するためのエア副流路が設けられている、請求項1に記載の工作機械の主軸内切削液供給回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マシニングセンタ等の工作機械の主軸内切削液供給回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、工作機械において、主軸の後部から先端方向に主軸および工具ホルダを貫通するように切削液流通孔を設け、この切削液流通孔を通してワーク加工領域に切削液の噴射を行うスルースピンドル方式が知られている。スルースピンドル方式の切削液供給方法を用いた工作機械は、ワークの非加工時に切削液の供給を停止し、エアを切削液流通孔に供給することにより主軸及び工具ホルダに残留する切削液を排出している。
【0003】
しかし、例えば、工具交換時に、自動工具交換装置により工具の交換を行う場合、主軸の先端から工具ホルダが取り外されると、主軸と工具ホルダの間で切削液流通孔が分断されるため、この分断部分から切削液流通孔に残留する切削液が漏れ出す。残留する切削液が漏水し、主軸テーパ面が汚れて工具装着精度が劣化するおそれがある。
【0004】
そこで、ワーク非加工時に、主軸および工具ホルダの内部の切削液流通孔に残留した切削液を吸引する装置を備えた工作機械の切削液供給回収装置が提案されている。例えば下記特許文献1に記載の工作機械の切削液供給回収装置は、切削液流通孔に切削液を供給する切削液流通路から分岐して切削液回収路が設けられ、切削液回収路上に設けられたエジェクタを切削液供給源から供給された切削液によって駆動させ、主軸および工具ホルダの内部の切削液流通孔に残留した切削液を吸引、回収するようになされている。
【0005】
また、主軸および工具ホルダの内部の切削液流通孔に残留した切削液を吸引、回収する他の工作機械の切削液供給回収装置として、例えば下記の特許文献2には、切削液流通路と切削液回収路の分岐点にエジェクタが設けられ、かつ、切削液回収路の途中に開閉弁が設けられた工作機械の切削液供給回収装置と、切削液流通路と切削液回収路の分岐点にエジェクタ機能を有するボール弁が設けられた工作機械の切削液供給回収装置とが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第2965468号公報
【文献】特許第3620954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の工作機械の切削液供給回収装置は、エジェクタを駆動させる為に、切削液を流通させる必要があり、切削液ポンプを常に駆動させるもしくは新たな切削液ポンプを設ける必要があった。また、切削液流通孔内に残留する切削液が切削液流通路から切削液回収路への分岐点を通るため、圧力損失が生じ、切削液を吸引する力が低下し、切削液の吸引、回収を十分に行うことができないという問題があった。
【0008】
また、特許文献2記載の工作機械の切削液供給回収装置は、切削液流通孔に切削液を供給する際に、エジェクタを介するため、圧力損失が生じ、ワーク加工領域に十分な圧力で切削液を噴射できないおそれがあった。
【0009】
この発明の目的は、切削液供給源から切削液流通路を流通して供給された切削液が、主軸および工具ホルダの内部に形成された切削液流通孔を流通して、ワーク加工領域へ吐出されるようになされた工作機械において、ワーク加工時にワーク加工領域へ切削液を吐出する場合には、ワーク加工領域への切削液の吐出の圧力が低下しないとともに、非加工時に切削液流通孔に残留した切削液を吸引、回収する場合には、切削液ポンプを駆動させることなく、切削液の吸引、回収を行うことができる工作機械の主軸内切削液供給回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
【0011】
1)切削液供給源から切削液流通路を流通して供給された切削液が、主軸および工具ホルダの内部に形成された切削液流通孔を流通して、ワーク加工領域へ吐出されるようになされた工作機械において、
切削液流通路の途中に流路切換弁が設けられており、
流路切換弁は、第1ないし第3のポートを有し、第1のポートに、1次側の切削液流通路の先端が接続され、第2のポートに、2次側の切削液流通路の基端が接続され、第3のポートに、主軸および工具ホルダの内部の切削液流通孔に残留した切削液を切削液供給源へ回収するための切削液回収路の基端が接続されており、
切削液回収路の途中に、エア供給源からエア主流路を介して供給されたエアによって駆動するエジェクタが設けられており、
ワーク加工時には、流路切換弁の第1のポートおよび第2のポートを連通させることで切削液をワーク加工領域に吐出し、ワーク非加工時には、流路切換弁の第2のポートおよび第3のポートを連通させ、エアをエジェクタに供給しエジェクタを駆動させることで、主軸および工具ホルダの内部の切削液流通孔に残留した切削液をエジェクタにより吸引して回収する工作機械の主軸内切削液供給回収装置。
【0012】
2)エア主流路から分岐して、エアをエジェクタ以外の供給先に供給するためのエア副流路が設けられている上記1)に記載の工作機械の主軸内切削液供給回収装置。
【発明の効果】
【0013】
上記1)の工作機械の主軸内切削液供給回収装置によれば、ワーク加工時に、流路切換弁の第1のポートおよび第2のポートを連通させ、1次側および2次側の切削液流通路が連通させられることで、切削液の供給経路に分岐点およびエジェクタがなく、圧力損失が生じず、ワーク加工領域に十分な圧力で切削液を吐出できる。さらに、ワーク非加工時に、流路切換弁の第2のポートおよび第3のポートを連通させ、2次側の切削液流通路および切削液回収路が連通させることで、主軸および工具ホルダの内部の切削液流通孔とエジェクタの間に分岐点がなく、圧力損失が生じず、切削液の吸引、回収を行うことができる。さらに、エジェクタの駆動にエアを用いているため、エジェクタの駆動のために切削液ポンプを駆動する必要がなく、主軸および工具ホルダの内部の切削液流通孔に残留した切削液のみを回収することができる。
【0014】
上記2)の工作機械の主軸内切削液供給回収装置によれば、エア主流路を分岐させてエア副流路が設けられていることで、エアブローなどのエアを用いた作業を行う場合に別の装置を設ける必要がなく、コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明の第1の実施形態に係る工作機械の主軸内切削液供給回収装置の概略図である。
【
図2】
図1に示した流路切換弁および開閉弁により流路が切り替えられた状態を示す概略図である。
【
図4】この発明の第2の実施形態に係る工作機械の主軸内切削液供給回収装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。
【0017】
図1および
図2に示すように、工作機械は、主軸装置(1)と、主軸装置(1)への切削液の供給および回収を行う主軸内切削液供給回収装置(2)とを備えている。
【0018】
主軸装置(1)は、円筒形の中空部を有するハウジング(11)を有している。ハウジング(11)の中空部には、先端部にテーパ状の工具ホルダ装着孔を有する主軸(12)がベアリング(13)を介して回転自在に支持されており、工具ホルダ装着孔に切削工具が取り付けられた工具ホルダ(14)が装着されている。そして、切削液を工具の先端からワーク加工領域に向けて吐出させるために、主軸(12)および工具ホルダ(14)の内部には、切削液流通孔(15)が設けられている。
【0019】
主軸内切削液供給回収装置(2)は、切削液を貯留する切削液供給源(3)と、切削液供給源(3)と主軸装置(1)の後端との間に設けられた切削液流通路(4)と、切削液流通路(4)の途中に設けられた流路切換弁(5)と、流路切換弁(5)と切削液供給源(3)との間に設けられた切削液を回収するための切削液回収路(6)と、切削液回収路(6)の途中に設けられたエジェクタ(7)とを備えている。
【0020】
切削液流通路(4)において、流路切換弁(5)と切削液供給源(3)との間に接続されている側を1次側の切削液流通路(4)といい、流路切換弁(5)と主軸装置(1)との間に接続されている側を2次側の切削液流通路(4)というものとする。
【0021】
流路切換弁(5)は、1次側の切削液流通路(4)と2次側の切削液流通路(4)とを連通させる第1の流路形態、および、切削液回収路(6)と2次側の切削液流通路(4)とを連通させる第2の流路形態のいずれかに切り換えるようになされている。
【0022】
切削液供給源(3)は、切削液タンク(31)と、ポンプ(32)とを備えている。ポンプ(32)の吸込口は、管路を介して切削液タンク(31)に接続されている。ポンプ(32)の流出口には、1次側の切削液流通路(4)の基端が接続されている。切削液タンク(31)からポンプ(32)により吸引された切削液は、ワーク加工領域に切削液を供給する場合、
図1に示すように流路切換弁(5)を介して主軸(12)の切削液流通孔(15)に供給されている。
【0023】
切削液回収路(6)において、流路切換弁(5)とエジェクタ(7)との間に接続されている側を1次側の切削液回収路(6)といい、エジェクタ(7)と切削液供給源(3)との間に接続されている側を2次側の切削液回収路(6)というものとする。切削液回収路(6)の先端は切削液タンク(31)に接続されて、回収された切削液が切削液タンク(31)に吐出されるようになされている。
【0024】
エジェクタ(7)は、一般的に周知の流体排出装置であり、
図3に示すように、エジェクタ(7)内に形成された噴出ノズル(71)から第1の流体を高速に噴出し、噴流の巻き込み作用により負圧を発生させて、この負圧により第2の流体を吸引、排出する機能を有する装置であり、エジェクタ(7)を駆動させる第1の流体が流入する流入口(7a)と、第2の流体が吸引される吸引口(7b)と、第2の流体が第1の流体に伴われて吐出される吐出口(7c)とを有している。
【0025】
流入口(7a)には、エア供給源(8)からのびたエア主流路(9)が接続されている。流入口(7a)は、エジェクタ(7)内に形成された噴出ノズル(71)と連通している。噴出ノズル(71)は、所定の圧力で流入したエアが、吐出口(7c)に向けて高速の噴流状に噴出されるように形成されている。吸引口(7b)は、噴出ノズル(71)の先端より流入口(7a)に近接した側面に形成されている。なお、エア主流路(9)の途中には開閉弁(91)が設けられており、エア主流路(9)は開閉弁(91)によって開放または遮断されるようになされている。
【0026】
流路切換弁(5)は、流路方向を切り換えるソレノイド方式の電磁弁であり、第1ないし第3のポート(5a)(5b)(5c)を有している。
【0027】
流路切換弁(5)は、
図1に示すように、ワーク加工時に流路切換弁(5)が励磁された状態にあり、第1のポート(5a)と第2のポート(5b)とが連通している第1の流路形態と、
図2に示すように、ワークの非加工時に流路切換弁(5)が消磁されて、第2のポート(5b)と第3のポート(5c)が連通している第2の流路形態との間での切り換えが行われるようになっている。
【0028】
第1のポート(5a)には、1次側の切削液主流路(4)の先端が接続され、第2のポート(5b)には、2次側の切削液主流路(4)の基端が接続され、第3のポート(5c)には、1次側の切削液回収路(6)の基端が接続されている。
【0029】
1次側の切削液流通路(4)の基端は、ポンプ(32)の流出口に接続されており、2次側の切削液流通路(4)の先端は、ロータリージョイント(図示略)等を介して主軸(12)の切削液流通孔(15)の後端に接続されている。切削液供給源(3)から供給された切削液は、切削液流通孔(15)の後端から先端に流通して、工具先端からワーク加工領域に噴出される。
【0030】
第3のポート(5c)に接続された1次側の切削液回収路(6)の先端はエジェクタ(7)の吸引孔(7b)に接続されている。
【0031】
ポンプ(32)、流路切換弁(5)、エア供給源(8)および開閉弁(91)は、図示しない制御装置に接続されており、制御装置によってそれぞれ切削液の供給、切削液流路の切り換え、エアの供給およびエア主流路の開閉が制御されている。
【0032】
次に、この発明による第1実施形態の工作機械の主軸内切削液供給回収装置(2)の作用を説明する。
【0033】
まず、
図1に示すように、工作機械がワークの切削加工を行う際、流路切換弁(5)は、励磁されて第1のポート(5a)と第2のポート(5b)とが連通する第1の流路形態となる。これにより切削液タンク(31)内の切削液は、ポンプ(32)により、切削液流通路(4)および流路切換弁(5)の第1、第2のポート(5a)(5b)を介して主軸(12)の切削液流通孔(15)に供給される。切削液流通孔(15)に供給された高圧の切削液は、主軸(12)および工具ホルダ(14)を貫通してワークの加工領域に向けて吐出される。
【0034】
所定の加工プロセスが終了すると、主軸(12)の回転が停止され、工作機械が工具の交換動作を開始する。
【0035】
このとき、制御装置によって、ポンプ(32)による切削液の供給が停止されるとともに、
図2に示すように、流路切換弁(5)が消磁されて、第2のポート(5b)と第3のポート(5c)が連通する第2の流路形態となる。これにより主軸(12)の切削液流通孔(15)が、2次側の切削液流通路(4)、流路切換弁(5)の第2、第3のポート(5b)(5c)および1次側の切削液回収路(6)を介してエジェクタ(7)の吸引口(7b)に連通する。
【0036】
さらに、エア供給源(8)からエアが送り出さるとともに、制御装置によって開閉弁(91)が開状態とされることで、エアがエア主流路(9)を介してエジェクタ(7)の流入口(7a)に供給されると、エアはエジェクタ(7)の噴出ノズル(71)から高速で噴出して負圧が発生し、吸引口(7b)の圧力が大気圧よりも低下する。これとほぼ同時に、主軸(12)および工具ホルダ(14)の切削液流通孔(15)に残留していた切削液が流路切換弁(5)の第2、第3のポート(5b)(5c)を介して吸引口(7b)からエジェクタ(7)に吸引され、流入口(7a)からエジェクタ(7)に供給されるエアとともにエジェクタ(7)の吐出口(7c)から切削液が吐出される。
【0037】
所定の時間、切削液の吸引を継続して主軸(12)および工具ホルダ(14)の切削液流通孔(15)に残留する切削液が除去された後、工作機械の制御装置によって、エア供給源(8)によるエアの供給が停止されるとともに、開閉弁(91)が閉状態とされる。エアの供給が停止されると、エジェクタ(7)の流入口(7a)にエアが供給されなくなるので、エジェクタ(7)による切削液の吸引動作も停止する。
【0038】
切削液流通孔(15)から切削液が漏れるのは、切削液流通孔(15)に切削液が残留しているときに工具ホルダ(14)を主軸(12)から取り外す場合や、工具を交換する場合であるので、切削液が切削液流通孔(15)から除去された後は、工具ホルダ(14)の取り外しや工具の交換によって、切削液が漏れ出すことはない。
【0039】
一方、
図4に示すように、第2実施形態による工作機械の主軸内切削液供給回収装置では、エア主流路(9)が分岐して、エアをエジェクタ(7)以外の供給先へ供給するためのエア副流路(10)が設けられており、エア副流路(10)の先端は図示しないエアの供給先へのびている。エア主流路(9)が分岐するのは、開閉弁(91)およびエジェクタ(7)間であることが好ましい。上記の構成以外は、
図1および
図2に示した第1実施形態の構成と同様であるので、
図1および
図2と同じ構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0040】
エア副流路(10)によるエアの供給先として、例えば、ワーク加工領域に設けられたエアノズルを有するエアブロー装置がある。エア副流路(10)がエアブロー装置に接続されていると、ワーク非加工時に、主軸(12)および工具ホルダ(14)の切削液流通孔(15)に残留している切削液をエジェクタ(7)によって吸引するのと同時に、エアノズルからエアをワーク加工領域に向けて噴射することで、ワーク加工領域に残留した切り粉や切削液などを飛散させて取り除く異物除去や、ワークに付着した水分を吹き飛ばして蒸発させる乾燥、さらには加工過程において昇温したワークの温度を下げる冷却など、種々の目的で利用することができる。
【0041】
さらに、エア主流路(9)およびエア副流路(10)の分岐点にエア流路切換弁を設け、エアの流通時に、エジェクタ(7)のみにエアが供給される流路、エジェクタ(7)以外のエアの供給先のみにエアが供給される流路、および、エジェクタ(7)およびエジェクタ(7)以外のエアの供給先どちらにもエアが供給される流路、を切り換えられるようにして、エジェクタ(7)およびエジェクタ(7)以外のエアの供給先へのエアの供給をそれぞれ独立して制御できるようにしてもよい。さらに、エア流路切換弁に、エア主流路(9)およびエア副流路(10)双方のエアの流通を遮断する機能を備えさせ、開閉弁(91)の代わりとしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
(2)・・・主軸内切削液供給回収装置
(3)・・・切削液供給源
(4)・・・切削液流通路
(5)・・・流路切換弁
(5a)・・・第1のポート
(5b)・・・第2のポート
(5c)・・・第3のポート
(6)・・・切削液回収路
(7)・・・エジェクタ
(7a)・・・流入口
(7b)・・・吸引口
(7b)・・・吐出口
(8)・・・エア供給源
(9)・・・エア主流路
(10)・・・エア副流路
(12)・・・主軸
(14)・・・工具ホルダ
(15)・・・切削液流通孔