(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】ディスプレイ支持構造体
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20230629BHJP
F16M 11/10 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
G09F9/00 351
F16M11/10 Z
G09F9/00 312
(21)【出願番号】P 2019569288
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(86)【国際出願番号】 EP2018084236
(87)【国際公開番号】W WO2020119886
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】519440179
【氏名又は名称】コールブルック ボッソン アンド サンダース プロダクツ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】アンブリッジ アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ビビー サイモン
(72)【発明者】
【氏名】オリバー ケビン
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第04318669(DE,A1)
【文献】独国実用新案第000020118841(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0048224(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0251388(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0213151(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0035989(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0263968(US,A1)
【文献】中国実用新案第206112442(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2002/0016988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M1/00-13/08
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G09F9/00
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイを支持する支持構造体であって、
第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸線に沿って延びるポストと、
前記ポストに可動的に結合されたアームと、
前記アームを前記ポストに可動的に結合するためのグリップ組立体とを有し、前記グリップ組立体は、
前記ポストに面した開口部および前記開口部に対向して配置された後壁とを有する空所を含むハウジングと、
前記アームを前記ポストに対して動かすためのアクチュエータ組立体と、
前記ハウジング内に可動的に位置決めされた保持コンポーネントであって、前記保持コンポーネントは前記後壁に面した後面を有する、前記保持コンポーネントと、
前記保持コンポーネントを前記グリップ組立体が前記ポストに係合する第1の位置に付勢して、前記アームの前記ポストに対する位置を維持する弾性部材とを含み、
前記保持コンポーネントおよび前記弾性部材は、前記ポストの長手方向軸線に対して傾斜した角度で前記ハウジング内で移動可能であり、前記後面は、前記第1の位置で前記後壁に直接係合して前記保持コンポーネントを前記ポストに向けて付勢する、支持構造体。
【請求項2】
前記第1の位置において、前記保持コンポーネントの上面と前記空所の上壁との間に隙間が形成される、請求項1記載の支持構造体。
【請求項3】
前記アクチュエータ組立体の運動は、前記保持コンポーネントを前記グリップ組立体が前記ポストから離脱する第2の位置に動かすよう定められている、請求項1記載の支持構造体。
【請求項4】
前記グリップ組立体は、前記ポストの軸方向に動くことができる、請求項3記載の支持構造体。
【請求項5】
前記グリップ組立体は、前記アームを前記ポストに対して動かす際にユーザを助ける、前記アームが前記ポストに沿って滑るための滑らかな表面を有する支承面をさらに含む、請求項4記載の支持構造体。
【請求項6】
前記ポストは、1組の軌道を有し、前記グリップ組立体は、前記軌道内で動くことができる、請求項1に記載の支持構造体。
【請求項7】
前記グリップ組立体は、前記軌道の一つに係合する前方に延びるリップを含む、請求項6記載の支持構造体。
【請求項8】
前記アームは、前記グリップ組立体に回転可能に結合された第1のアームと、前記第1のアームに回転可能に結合された第2のアームと、前記第2のアームに回転可能に結合された取り付けヘッドとを含む、請求項1に記載の支持構造体。
【請求項9】
前記ポストに結合された第2のアームをさらに有する、請求項1に記載の支持構造体。
【請求項10】
前記グリップ組立体は、前記ポストよりも高い摩擦係数を有する把持パッドを含む、請求項1に記載の支持構造体。
【請求項11】
前記ポストは、水平ベースに結合されるよう構成されている、請求項1に記載の支持構造体。
【請求項12】
支持構造体であって、
第1の端部と第2の端部との間で長手方向軸線に沿って延びるポストを有し、前記ポストは、軌道を有し、
前記ポストに可動的に結合されたアームを有し、
前記アームを前記ポストに可動的に結合するためのグリップ組立体を有し、前記グリップ組立体は、
前記ポストの前記軌道上に位置決めされた前方に延びるリップを備えているハウジングと、
第1のアクチュエータ、および、前記第1のアクチュエータの反対側に位置決めされた第2のアクチュエータを含むアクチュエータ組立体と、
前記ハウジング内に可動的に位置決めされた保持コンポーネントと、
前記保持コンポーネントを前記グリップ組立体が前記ポストに係合する第1の位置に付勢する弾性部材とを含み、
前記保持コンポーネントおよび前記
弾性部材は、前記ポストの長手方向軸線に対して傾斜した角度で前記ハウジング内で移動可能であり、
前記第1のアクチュエータおよび前記第2のアクチュエータは、互いに相対的に平行移動して、前記
弾性部材を押圧する、支持構造体。
【請求項13】
前記第1のアクチュエータおよび前記第2のアクチュエータは、互いにインターロックする二又突出部を有する、請求項12記載の支持構造体。
【請求項14】
前記アクチュエータ組立体の運動は、前記保持コンポーネントを前記グリップ組立体が前記ポストから離脱する第2の位置に動かすよう定められている、請求項12記載の支持構造体。
【請求項15】
前記前方に延びるリップは、前記保持コンポーネントが前記第2の位置にあるときに前記軌道上で動くことができる、請求項14に記載の支持構造体。
【請求項16】
前記アームは、ディスプレイを前記アームに取り付けるよう構成された取り付けヘッドを有する、請求項12に記載の支持構造体。
【請求項17】
前記アームは、前記グリップ組立体に回転可能に結合された第1のアームと、前記第1のアームに回転可能に結合された第2のアームと、前記第2のアームに回転可能に結合された取り付けヘッドとを含む、請求項12に記載の支持構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持構造体、特にスクリーンのための支持構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ、例えばコンピュータモニタ、TVなどは、作業環境で用いられる場合が多い。典型的には、ディスプレイは、支持構造体によって支持される。ディスプレイの良好な視界を得るためにディスプレイの高さを調節することができることがユーザによって望まれている場合が多い。しかしながら、ディスプレイ用の多くの支持構造体は、調節するのが困難であり、しかも高さを調節するためにはユーザによって多大な労力を必要とする。加うるに、多くのディスプレイは、調節するのが困難であるかあるいは十分な人間工学的解決を得るのに必要な運動範囲を許容することがないかのいずれかである組み込み状態の支持構造体を備えて提供されている。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、本発明は、ディスプレイを支持する支持構造体であって、第1の端部と第2の端部との間に延びるポストと、ポストに可動的に結合されたアームと、アームをポストに可動的に結合するためのグリップ組立体とを有する支持構造体を提供する。グリップ組立体は、ハウジングと、アクチュエータ組立体と、ハウジング内に可動的に位置決めされた保持コンポーネントと、保持コンポーネントをグリップ組立体がポストに係合する第1の位置に付勢する弾性部材とを含む。
【0004】
別の実施形態では、本発明は、第1の端部と第2の端部との間に延びるポストを有する支持構造体を提供する。ポストは、軌道を有する。支持構造体は、ポストに可動的に結合されたアームおよびアームをポストに可動的に結合するためのグリップ組立体を有する。グリップ組立体は、ポストの軌道上に位置決めされた前方に延びるリップを備えているハウジングと、アクチュエータ組立体と、ハウジング内に可動的に位置決めされた保持コンポーネントと、保持コンポーネントをグリップ組立体がポストに係合する第1の位置に付勢する弾性部材とを含む。
【0005】
別の実施形態では、本発明は、第1の部分および第2の部分を備えた内側ハウジングを含むポストに支持構造体を結合するためのグリップ組立体を提供する。第1の部分と第2の部分との間には空所が形成されている。グリップ組立体は、内側ハウジングの空所内に可動的に位置決めされた保持部材を含む。保持部材は、ウェッジコンポーネント、接触面、およびウェッジコンポーネントと接触面との間に構成されたチャネルを有する。グリップ組立体は、保持部材のチャネル内に位置決めされた第1のボタンと、保持部材のチャネル内で第1のボタンと反対側に位置決めされた第2のボタンと、保持部材を接触面がポストに係合する第1の位置に付勢する弾性部材とを含む。第1のボタンと第2のボタンを互いに向かって動かすと、保持部材が弾性部材の付勢に抗して、接触面がポストから離脱する第2の位置に動く。
【0006】
本発明の他の観点は、詳細な説明および添付の図面を考慮すると、明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図1の支持構造体のアーム組立体の分解組立図である。
【
図3】
図1の支持構造体のグリップ組立体の分解組立図である。
【
図4】
図1の4‐4線に沿って取ったポストに係合している状態のグリップ組立体の断面図である。
【
図5】
図1の5‐5線に沿って取ったポストに係合している状態のグリップ組立体の断面図である。
【
図6】
図1の6‐6線に沿って取ったポストに係合している状態のグリップ組立体の断面図である。
【
図7】
図1の4‐4線に沿って取ったポストから離脱している状態のグリップ組立体の断面図である。
【
図8】
図1の5‐5線に沿って取ったポストから離脱している状態のグリップ組立体の断面図である。
【
図9】
図1の6‐6線に沿って取ったポストから離脱している状態のグリップ組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態のどれであれ詳細に説明する前に、本発明は、その用途が以下の説明に記載されまたは以下の図面に示されたコンポーネントの構成および配置の細部に限定されないことは理解されるべきである。本発明は、他の実施形態を取ることができ、しかも種々の仕方で具体化できまたは実施できる。理解されるべきこととして、特定の実施形態の説明は、本開示内容が本発明の精神および範囲に含まれる全ての改造例、均等例、および変形例を含むのを制限することを意図していない。また、理解されるべきこととして、本明細書で用いられる語句および用語は、説明の目的のためであって、本発明を限定するものと見なされてはならない。
【0009】
図1を参照すると、支持構造体10がコンピュータモニタ、スクリーン、または他のディスプレイを支持するよう構成されている。支持構造体10は、ベースに結合されるのが良い。ベースの例は、水平ベース、例えばデスクトップおよびテーブルトップ、垂直ベース、例えば壁およびポスト、または他のベース、例えば水平と垂直との間の角度を有する傾斜した天井である。幾つかの実施形態では、支持構造体10は、ディスプレイをユーザにとって好ましい仕方で位置決めすることができるよう多くの位置に関節運動することができる。したがって、支持構造体10は、種々の位置に動くことができる。支持構造体10は、ポスト組立体14およびポスト組立体14に可動的に結合されたアーム組立体18を有する。ポスト組立体14は、テーブルまたはデスクの縁部に固定できるクランプ22およびクランプ22から垂直に延びるポスト26を含む。クランプ22は、テーブルまたはデスクを受け入れるチャネル34を備えたC字形ブラケット30を有する。クランプ22は、チャネル34中に延びて支持構造体10を定位置に固定する締結具38をさらに有する。締結具38は、支持体、シャフト46、およびノブ50に係合する平坦な表面を備えたフランジ42を有する。支持構造体10が使用のために位置決めされると、ユーザは、ノブ50を用いてクランプ22を締め付けて支持構造体10を定位置に固定することができる。他の実施形態では、支持構造体10は、支持体への他の結合手段を有することができる。
【0010】
引き続き
図1を参照すると、ポスト26は、クランプ22に隣接して位置する第1の端部54、第1の端部54と反対側の第2の端部58、および第1の端部54と第2の端部58との間でポスト26の中央を貫通して延びる軸線62を有する。ポスト26は、軸線62に沿って定められていて約1フィート(0.305m)~約4フィート(1.219m)との間にある長さを有する。他の実施形態では、ポストは、4フィートよりも長くても良く、あるいは1フィートよりも短くても良い。ポスト26は、第1の端部54から第2の端部58まで延びる複数の軌道66をさらに有する。図示の実施形態では、3本の軌道66が存在する。他の実施形態では、4本以上または2本以下の軌道66が設けられても良い。軌道66は、ポスト26の第1の端部54と第2の端部58との間で軸線62に沿って平行移動可能にアーム組立体18に係合する縁部70を有する。図示の実施形態では、ポスト26は、軌道66の一部をさらに構成する端キャップ74を有する。
【0011】
図2を参照すると、アーム組立体18は、第1のアーム78、第2のアーム82、取り付けヘッド86、およびグリップ組立体90を含む。第1のアーム78は、第1の端部94および第1の端部94と反対側の第2の端部98を有する。第1のアーム78の第1の端部94は、グリップ組立体90に結合されかつ軸線Y1回りに回転可能である。締結具102が第1のアーム78をグリップ組立体90に固定するために用いられている。第1のアーム78の第1の端部94に設けられたキャップ106が締結具102を隠すために締結具102に覆って配置されている。第2のアーム82は、第1の端部110および第1の端部110とは反対側の第2の端部114を有する。第2のアーム82の第1の端部110は、第1のアーム78の第2の端部98に軸線Y2回りに回転可能に結合されている。第2のアーム82の第2の端部114は、取り付けヘッド86が収納状態で位置決めされた連結部分122を有する。取り付けヘッド86は、連結部分122に結合されていてかつ軸線Y3回りに回転可能である。取り付けヘッド86は、ディスプレイを例えば取り付けプレートへの連結によりアーム組立体18に結合するよう構成された傾斜ヘッド130を有する。他の実施形態では、ディスプレイは、締結具または他の支持体により取り付けヘッド86に結合されても良い。第1、第2、および第3の回転軸線Y1,Y2,Y3により第1のアーム78、第2のアーム82、および取り付けヘッド86は、ディスプレイまたは他のスクリーンを多くの位置に位置決めすることができる。したがって、アーム組立体18は、関節連結されている。幾つかの実施形態では、第1のアーム78、第2のアーム82、および取り付けヘッド86は、射出成形プラスチックから作られるのが良い。
【0012】
図3を参照すると、グリップ組立体90は、アーム組立体18をポスト組立体14に可動的に結合している。グリップ組立体90は、カバー138、内側ハウジング142、保持コンポーネント、例えばホルダ146、および支承体150を含む。図示の実施形態では、カバー138は、内側ハウジング142を隠している。他の実施形態では、カバー138は、グリップ組立体90の機能に悪影響を及ぼさないで取り外し可能である。カバー138は、第1の側部孔154、第1の側部孔154と反対側の第2の側部孔158、および頂部孔162を有する。内側ハウジング142は、カバー138内に位置決めされている。内側ハウジング142は、第1のハウジング部分166および第2のハウジング部分170を有する。第1のハウジング部分166と第2のハウジング部分170の両方は、カバー138内に位置決めされると、カバー138の第1および第2の側部孔154,158と整列する孔174を有する。第1および第2のハウジング部分166,170の孔174は両方とも、上側および下側タブスロット178を有する。第1および第2のハウジング部分166,170は、カバー138内で互いに隣接して配置されると、頂部開口部162から延びて支承体受座186(
図2)を構成する延長部182をさらに有する。支承体190が支承体受座186上に位置決めされており、この支承体により、アーム組立体18の第1のアーム78は、グリップ組立体90に対して回転することができる。第1のハウジング部分166は、ばね受座スロット194および前方に延びるリップ198をさらに有する。第2のハウジング部分170は、ばね受座スロット194に対応したばね受座202および前方に延びるリップ198を有する。内側ハウジング142がカバー138内に位置決めされると、ばね受座202は、ばね受座スロット194内に位置決めされる。加うるに、内側ハウジング142がカバー138内に位置決めされると、第1のハウジング部分166と第2のハウジング部分170との間には空所206が形成される。第1のハウジング部分166についてのみ示されているが、空所206は、傾斜面214を備えた後壁210および傾斜面216を備えた前壁215を有する。
【0013】
引き続き
図3を参照すると、ホルダ146は、空所206内に位置決めされている。ホルダ146は、後壁210の傾斜面214に係合した後側傾斜面222を備えたウェッジコンポーネント218を有する。ウェッジコンポーネントは、前壁215の傾斜面216と係合した前側傾斜面224をさらに有する。ホルダ146は、第1の傾斜面224と反対側に位置する把持パッド226をさらに有する。把持パッド226は、高い摩擦係数を提供し、かくして別の表面との接触時に高い摩擦力を提供する粘着性物質を有するのが良い。幾つかの実施形態では、粘着性物質は、熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性ポリウレタンであるのが良い。別の実施形態では、把持パッド226は、ホルダ146上にオーバーモールド成形される。チャネル230がウェッジコンポーネント218内に位置決めされている。チャネル230は、全体として長方形でありかつ4つの側部234A~234Dによって画定されている(
図4)。チャネル230の底側部234Dは、頂点242のところで一体となる2つの傾斜面238によって構成されている(
図4)。頂点242の反対側では、突出部246がチャネル236から遠ざかって延びている。
【0014】
グリップ組立体は、内側ハウジング142の第1のハウジング部分166の孔174内に位置決めされた第1のボタン250および内側ハウジング142の第2のハウジング部分170の孔174内に位置決めされた第2のボタン254を備えたアクチュエータ248をさらに含む。幾つかの実施形態では、単一のボタンまたは他のアクチュエータを用いることができる。第1のボタン250と第2のボタン254の両方は、上側および下側タブ258を有し、上側および下側タブ258は、第1および第2のボタン250,254をグリップ組立体90に固定するようそれぞれのハウジング部分166,170のそれぞれの上側および下側タブスロット178内に位置決めされる。第1および第2のボタン250,254は、傾斜面266を備えた二又突出部262をさらに有する。二又突出部262の傾斜面266は、チャネル230内で傾斜面238上に位置決めされている。したがって、第1のボタン250の傾斜面266は、第1のハウジング部分166の近くに位置決めされたチャネル230の傾斜面238上に位置決めされ、第2のボタン254の傾斜面266は、第2のハウジング部分170の近くに位置決めされたチャネル230の傾斜面238上に位置決めされている。第1のボタン250の二又突出部262は、チャネル230内に位置決めされると、第2のボタン254の二又突出部262とインターロックする。
【0015】
グリップ組立体90の支承体150は、内側ハウジング142の第1および第2のハウジング部分166,170の前方に延びるリップ198相互間に位置決めされている。支承体150は、支承面278を備えた頂側部274、第1および第2のハウジング部分166,170の前方に延びるリップ198に対応した前方に延びる縁部286を備えた2つの横方向側部282、底側部290、および側部274,282,290相互間に画定された開口部294を有する。ホルダ146の把持パッド226は、開口部294からポスト26に向かって突き出ている。グリップ組立体90は、第2のハウジング部分170のばね受座202上にかつホルダ146の突出部246上に位置決めされた弾性部材298をさらに含む。突出部246は、軸線Y4を定め、ばねがこの軸線Y4回りに位置決めされている。軸線Y4は、軸線Y1,Y2,Y3に対して僅かに傾けられかつ後壁210および前壁215に平行である。したがって、弾性部材298は、ホルダ146のウェッジコンポーネント218を軸線Y4に沿う方向でポスト26に向かって付勢し、その結果、ホルダ146の前側および後側傾斜面222,224は、内側ハウジング142の傾斜面214,216に圧接されるようになっている。加うるに、締結具を用いてグリップ組立体90を固定して結合するのが良い。
【0016】
取り付けの際、第1および第2のハウジング部分166,170の前方に延びるリップ198を軌道66の縁部70と整列させる。次に、アーム組立体18を軌道66上で軸方向に滑らせるのが良い。
【0017】
図4~
図6に示されているように、アーム組立体18がポスト組立体14上に位置決めされているとき、グリップ組立体90は、ポスト26に係合する。グリップ組立体90がポスト26に係合すると、弾性部材298は、ホルダ146をポスト26に押し付けて傾斜面222,224を傾斜面214,216に当てる。その結果、空所206の後壁210および前壁215の傾斜面214,216は、ホルダ146を軸線Y4に沿ってポスト26に向かって押し戻し、それによりクランプ力を生じさせる。傾斜面に起因して、クランプ力は、軸線Y1,Y2,Y3に垂直な方向に作用する水平成分および軸線Y1,Y2,Y3に平行な方向に作用する垂直成分を生じさせる。クランプ力の水平成分により、把持パッド226は、ポスト26に係合してアーム組立体18をポスト26上のその位置に固定する。ホルダ146の付勢力はまた、チャネル230の底側部234Dの傾斜面238が第1および第2のボタン250,254を付勢するようにし、それにより第1および第2のボタンがカバー138の第1および第2の側部孔154,158から延び出るようにする。
【0018】
図4を参照すると、ホルダ146がポスト26と係合しているが、ウェッジコンポーネント218の頂部と空所206の頂部との間には隙間300が存在する。追加の荷重がアーム組立体18(例えば、ディスプレイ)に加えられると、クランプ力が増大する。クランプ力の垂直成分の増大により、前壁210および後壁215の傾斜面214,216は、ウェッジコンポーネント218の傾斜面222,224に沿って下方に動き、かくして隙間300が減少する。加うるに、クランプ力の水平成分の増大により、把持パッド226がポスト26にさらに圧接される。換言すると、追加の荷重がアーム組立体18をポスト26上にさらに支持する。
【0019】
図7~
図9に示されているように、アーム組立体18を動かすためには、把持パッド226をポスト26から離脱させなければならない。把持パッド226をポスト26から離脱させるため、ユーザは、アクチュエータ組立体248(すなわち、第1および第2のボタン250,254を同時に)を押し、それにより第1および第2のボタン250,254の傾斜面266がチャネル230の底側部234Dの傾斜面238に沿って滑ってホルダ146を弾性部材298の付勢力に抗するようにし、そしてホルダ146を軸線Y4に沿ってかつポスト26から遠ざかって動かす。ホルダ146が滑っているとき、ウェッジコンポーネント218の傾斜面222,224は、空所206の前壁210および後壁215の傾斜面214,216に沿って滑り、それによりホルダ146および把持パッド226をポスト26から引き離す。把持パッド226がポスト26からいったん離脱すると、ユーザは、アーム組立体18をポスト26に沿って所望の高さまで軸方向に滑らせるのが良い。支承体150の支承面278は、アーム組立体18がポスト26に沿って滑るための滑らかな表面を提供する。所望の高さにいったん位置すると、ユーザは、アクチュエータ組立体248(すなわち、第1および第2のボタン250,254)を解除するのが良く、それにより把持パッド226は、ポスト26に再び係合してこれを定位置に固定することができる。
【0020】
図10は、本発明の別の実施形態としての支持構造体310を示している。支持構造体310は、支持構造体10に類似しているが、2つのディスプレイを支持するために2つのアーム組立体18を有する。支持構造体の2つのアーム組立体18は、上述のアーム組立体18と同一の仕方で動作する。2つのアーム組立体18は、互いに隣接した状態で軌道66内でポスト組立体14に結合されている。アーム組立体18の両方を他方に影響を及ぼすことなく動作させることができる。他の実施形態では、支持構造体は、第3のディスプレイを支持するために3つまたは4つ以上のアーム組立体18を有することができる。
【0021】
ポスト組立体および関節連結するとともにディスプレイを多くの仕方で位置決めするための関節連結および融通性を許容する把持組立体を含むアーム組立体を備えた支持構造体が提供されている。加うるに、第1および第2のボタンを含むアクチュエータ組立体を提供することにより、ディスプレイを見るのにユーザにとって望ましい位置へのアーム組立体の容易な高さ調節が可能である。
【0022】
ある特定の例示の実施形態についての上述の詳細な説明は、一般的な原理および実用的用途を説明する目的で提供されており、それにより当業者であれば、種々の実施形態についての開示内容および想定される特定の使用にあった種々の改造を施すことを理解することができる。本明細書は、網羅的であることまたは本開示内容を開示した例示の実施形態に限定することを必ずしも意図していない。本明細書において開示した実施形態および/または要素のうちの任意のものを互いに組み合わせて具体的には開示されていない種々の追加の実施形態を構成することができる。したがって、追加の実施形態が可能でありかつ本明細書および特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるものである。本明細書は、別の仕方で達成可能なより一般的な目的を達成するための特定の実施例を記載している。
【0023】
本明細書で用いられる「前側」、「後側」、「上側」、「下側」、「上方に」、「下方に」という用語および他の方向を指示する用語は、本発明の例示の実施形態の説明を容易にすることを意図しており、本発明の例示の実施形態の構造を任意特定の位置または向きに限定することを意図していない。程度を表す用語、例えば「実質的に」または「約」という用語は、所与の値から外れた妥当な範囲、例えば説明した実施形態の製造、組み立て、および使用と関連した一般的な公差を意味するものとして当業者により理解される。