(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】ステント拡張ディスプレイ、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 1/045 20060101AFI20230629BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20230629BHJP
A61B 1/313 20060101ALI20230629BHJP
A61B 8/12 20060101ALI20230629BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230629BHJP
【FI】
A61B1/045 618
A61B1/00 526
A61B1/00 530
A61B1/313 510
A61B8/12
G06T7/00 612
(21)【出願番号】P 2020566782
(86)(22)【出願日】2019-05-29
(86)【国際出願番号】 US2019034434
(87)【国際公開番号】W WO2019232078
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-05-26
(32)【優先日】2018-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509128672
【氏名又は名称】ライトラボ・イメージング・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナス,アジェイ
(72)【発明者】
【氏名】サヴィッジ,カイル
(72)【発明者】
【氏名】シュタインブレッヒャー,ロバート
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-527418(JP,A)
【文献】国際公開第2017/019634(WO,A1)
【文献】特表2016-508750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステント留置血管内のステント拡張を評価する
プロセッサベースのシステムの作動方法であって、
前記システムは、
少なくとも1つのメモリデバイスと、
前記少なくとも1つのメモリデバイスと通信するコンピューティングデバイスと
を含んでなり、
前記少なくとも1つのメモリデバイスは、前記コンピューティングデバイスによって実行可能な命令を含み、前記命令は、前記コンピューティングデバイスに対し、
血管画像データの
第1のセットを、
第1の画像化システムと電気通信状態にある電子メモリデバイスに記憶
させること
であって、前記血管画像データの第1のセットは、前記第1の画像化システムを用いて前記血管をスキャンすることによって生成されるものである、記憶させることと、
1つ以上のソフトウェアモジュールを使用して前記ステント留置血管の長さに沿ってステントストラットを検出
させることと、
ステント拡張のレベルを示す前記血管のセグメントの第1の表現を生成することと、
前記検出されたステントストラットを使用して、前記ステントの第1の端部及び前記ステントの第2の端部を決定
させることと、
前記ステントの前記第1の端部からの第1のオフセット距離(D1)及び前記ステントの前記第2の端部からの第2のオフセット距離(D2)を規定
させることと、
前記セグメントのテーパリングプロファイルと組み合わせてD1及びD2を使用して、前記血管の前記セグメントの第2の表現を生成
させることと、
前記セグメントの前記長さに沿う異なる位置において、前記第1の表現に関連する第1の値を前記第2の表現に関連する第2の値と比較することによって、血管セグメントに沿う目標ステント拡張のレベルを決定
させることと
を含んでなる
、システムの作動方法。
【請求項2】
前記第1の表現は前記ステント留置血管の第1の管腔プロファイルであり、前記管腔プロファイルは、前記セグメントの長さに沿うステントの実際の拡張レベルに基づいて生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の表現は、D1及びD2のそれぞれにおける前記血管の幾何学的値に基づいて生成された第2の管腔プロファイルであり、前記第2の管腔プロファイルは、前記血管の前記幾何学的値及び前記テーパリングプロファイルに基づいて補間される、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記セグメントに沿う1つ以上の側枝を検出することを更に含み、前記第2の管腔プロファイルの補間は、1つ以上の検出された側枝を使用して生成される、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記血管の前記幾何学的値は、面積、直径、コード、ユークリッド距離メトリック、及び体積からなる群から選択される、請求項
3に記載の方法。
【請求項6】
前記目標ステント拡張のレベルを決定することは、前記セグメントに沿う複数の位置における、前記第1の管腔プロファイルの前記第1の値と前記第2の管腔プロファイルの前記第2の値との比を使用して、ステント拡張閾値に対してステント拡張の程度を決定することを更に含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の表現は、前記血管の1つ以上のビューを含み、前記血管の1つ以上のビューは、検出されたステントストラット及び前記血管の前記管腔の表現を表示する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ステント留置血管の前記
血管画像データの第1のセットを記憶させることは、光コヒーレンス断層撮影、血管造影、超音波、X線、光画像化、圧力検知、流れ検知及び断層画像化
のうちの少なくとも1つに関連するデータを記憶させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ステント留置血管の前記
血管画像データの第1のセットを記憶させることは、
血管内データ
を記憶させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ステント留置血管の前記
血管画像データの第1のセットを記憶させることは、血管画像データの前記第1のセットからの影又は反射の1つ以上
に関連するデータを記憶させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
D1及びD2は、ステントが留置されたときの、ユーザ選択目標着地ゾーンに対する近接性に基づいて選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記血管内でのステントの展開後に、血管管腔プロファイルを、1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して生成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記血管の1つ以上のビュー及び/又は前記第1の血管表現を表示することと、前記血管の前記セグメントの長さに沿うステントの不十分な拡張の領域を示す1つ以上の視覚的キューを表示することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記血管のセグメントの長さに沿う側枝を検出することと、前記側枝を前記管腔に対して表示することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記側枝は、前記第1の表現に対して、ドット、楕円、円、又は他の形状として表示される、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の表現は、画像化システムのユーザインタフェースを使用して表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ステント拡張閾値を超えるステント拡張を示す第1の視覚的キュー
と、前記ステント拡張閾値未満のステント拡張を示す第2の視覚的キュー
とを
提供させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ステントを含む前記第1の表現の領域を視覚的に強調することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ユーザインタフェースは、前記領域に対して別の視覚的要素のコントラスト、輝度、カラーを変更することによって前記領域を強調する、請求項
18に記載の方法。
【請求項20】
D1及びD2は、0.1mm~1.0mmに及ぶ距離から選択される、請求項
4に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、前記セグメントに沿って1つ以上の側枝を検出することを更に含み、前記セグメントのテーパリングプロファイルを決定することは、少なくとも1つの検出された側枝の直径に基づいてプロファイルを調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
最小拡張フレームを決定することと、前記最小拡張フレームの指標を表示することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
ステント留置血管内のステント拡張を評価するためのプロセッサベースのシステムであって、
1つ以上のメモリデバイスと、
前記メモリデバイスと通信状態にあるコンピューティングデバイスと
を備えており、前記メモリデバイスは前記コンピューティングデバイスによって実行可能な命令を含み、前記命令は、前記コンピューティングデバイスに対し、
血管画像データの第1のセットであって、第1の画像化システムによって前記血管をスキャンすることによって生成される、血管画像データの前記第1のセットを、前記第1の画像化システムと電気通信状態にある電子メモリに記憶することと、
1つ以上のソフトウェアモジュールを使用して前記ステント留置血管の長さに沿ってステントストラットを検出することと、
ステント拡張のレベルを示す前記血管のセグメントの第1の表現を生成することと、
前記検出されたステントストラットを使用して、前記ステントの第1の端部及び前記ステントの第2の端部を決定することと、
前記ステントの前記第1の端部からの第1のオフセット距離(D1)及び前記ステントの前記第2の端部からの第2のオフセット距離(D2)を規定することと、
前記セグメントのテーパリングプロファイルと組み合わせてD1及びD2を使用して、前記血管の前記セグメントの第2の表現を生成することと、
前記セグメントの長さに沿う異なる位置において、前記第1の表現に関連する第1の値を前記第2の表現に関連する第2の値と比較することによって、血管セグメントに沿う目標ステント拡張のレベルを決定することと
を実行させるシステム。
【請求項24】
前記第1の値は第1の面積又は第1の直径であり、前記第2の値は第2の面積又は第2の直径である、請求項
23に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には、血管系画像化及びデータ収集システム及び方法の分野に関する。詳細には、本開示は、ステント拡張レベルを評価し、関連する診断情報を提示する方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年5月29日に出願された米国仮特許出願第62/677,623号に対する優先権を主張するものであり、この内容全体を引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0003】
冠動脈疾患は、世界中の主要な死因の1つである。冠動脈疾患をより良く診断、監視、及び処置する能力は、救命上で重要であり得る。血管内光コヒーレンス断層撮影(OCT:optical coherence tomography)は、検討するために冠動脈壁を覗き込み、その画像を生成するために光を使用するカテーテルベースの画像化モダリティである。コヒーレント光、干渉法、及び微小光学部品を利用して、OCTは、病変部血管内のビデオレート生体内断層撮影をマイクロメータレベルの分解能で提供することができる。光ファイバプローブを使用して表面下の構造を高分解能で観察することは、内部の組織及び臓器の最小侵襲的画像化のために、OCTを特に有用にする。OCTによって可能になるこのレベルの詳細は、ユーザが冠動脈疾患の進行を監視するだけでなく、診断することを可能にする。
【0004】
患者の身体の部分のOCT画像化は、医者及び他の者のために有用な診断ツールを提供する。例えば、血管内OCTによる冠動脈の画像化は、狭小化又は狭窄の場所を明らかにし得る。この情報は、心臓専門医が、侵襲的冠動脈バイパス手術と、血管形成術(angioplasty)又はステントデリバリ等の低侵襲的カテーテルベース処置(procedure)との間で選択を行うことを助ける。普及している選択肢ではあるが、ステントデリバリはそれ自体の関連するリスクを有する。
【0005】
ステントは、しばしばメッシュで形成されるチューブ状の構造である。ステントは、血流を制限する狭窄状態に対処するために血管内に挿入し、拡張することができる。ステントは、典型的に金属又はポリマースキャフォールド(scaffold)で作られる。それらのステントを、カテーテルを介して狭窄の部位に留置することができる。心臓血管処置中に、ステントは、ガイドワイヤを介してカテーテルを通して狭窄部位に送出し、バルーンを使用して拡張することができる。典型的に、ステントは、狭窄した血管の管腔(lumen)を拡大するためにプリセット圧力を使用して拡張される。
【0006】
ステントを位置決めするときに患者の転帰(outcome)に影響を及ぼす幾つかの要因がある。幾つかの処置において、ステントは、隣接する健康な血管セグメントの直径に対応する直径まで拡張されるべきである。ステントの過剰拡張は、血管に大きな損傷を引き起こし、切開(dissection)、離断(disarticulation)、及び壁内出血(intra-mural hemorrhage)を生じやすくさせる場合がある。ステントの不十分な拡張(under expansion)は、血管を不適切に拡張する場合がある。ステントの所定の部分が血管壁に接触することができない場合、血栓症のリスクが増す場合がある。不十分に拡張したステントは正常な流れを回復できない場合がある。適切なステント拡張は対処するのが難しい問題である。
【0007】
ステント留置及び関連する処置に関連する他の課題がある。血管造影システムを使用して血管の壁に対するステント留置を可視化することは、検査によって行うことが困難である。画像毎にステント位置を特定するために画像を手動で検討することはまた、誤りを生じやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、ステント拡張に関連する有用な診断情報を提供するシステム、方法、及びデバイスについての必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、これらの課題及び他の課題に対処する。
【0010】
一部において、本開示は、管腔を画定する血管内のステント/スキャフォールドの拡張を評価する方法に関する。種々の実施の形態において、血管は動脈である。方法は、血管画像データの第1のセットを取得するために第1の画像化システムを使用してステント留置血管をスキャンすることと、血管画像データの第1のセットを、第1の画像化システムと電気通信状態にある電子メモリデバイスに記憶することと、1つ以上のソフトウェアモジュールを使用してステント留置血管の長さに沿ってステントストラットを検出することと、ステント拡張のレベルを示す血管のセグメントの第1の表現を生成することと、検出されたステントストラットを使用して、ステントの第1の端部及びステントの第2の端部を決定することと、ステントの第1の端部からの第1のオフセット距離(D1)及びステントの第2の端部からの第2のオフセット距離(D2)を規定することと、セグメントのテーパリングプロファイルと組み合わせてD1及びD2を使用して、血管のセグメントの第2の表現を生成することと、セグメントの長さに沿う異なる位置において、第1の表現に関連する第1の値を第2の表現に関連する第2の値と比較することによって、血管セグメントに沿う目標ステント拡張のレベルを査定することとのうちの1つ以上を含むことができる。
【0011】
1つの実施の形態において、血管をスキャンすることは、光コヒーレンス断層撮影、超音波、X線ベース画像化、干渉画像化(interferometric imaging)、2D画像化、MRI、3D画像化、磁気画像化、又は光画像化を使用して実施される。1つの実施の形態において、血管は第1の処置中に1つ以上のステントを受け取っており、ステント留置血管のスキャンは、第1の処置の延長としての診断解析として実施される。
【0012】
1つの実施の形態において、第1の表現はステント留置血管の第1の管腔プロファイルであり、管腔プロファイルは、セグメントの長さに沿うステントの実際の拡張レベルに基づいて生成される。1つの実施の形態において、第2の表現は、D1及びD2のそれぞれにおける血管の幾何学的値に基づいて生成された第2の管腔プロファイルであり、第2の管腔プロファイルは、血管のそのような幾何学的値及びテーパリングプロファイルに基づいて補間される。
【0013】
1つの実施の形態において、方法は、セグメントに沿う1つ以上の側枝を検出することを更に含み、第2の管腔プロファイルの補間は、1つ以上の検出された側枝を使用して生成される。1つの実施の形態において、血管の幾何学的値は、面積、直径、コード、ユークリッド距離メトリック、及び体積からなる群から選択される。
【0014】
1つの実施の形態において、目標ステント拡張のレベルを査定することは、セグメントに沿う複数の位置における、第1の管腔プロファイルの第1の値と第2の管腔プロファイルの第2の値との比を使用して、ステント拡張閾値に対してステント拡張の程度を決定することを更に含む。
【0015】
1つの実施の形態において、第1の表現は、血管の1つ以上のビューを含み、血管の1つ以上のビューは、検出されたステントストラット及び血管の管腔の表現を表示する。1つの実施の形態において、ステント留置血管のスキャンは、光コヒーレンス断層撮影、血管造影、超音波、X線、光画像化、圧力検知、流れ検知及び断層画像化を使用して実施される。1つの実施の形態において、ステント留置血管のスキャンは、血管を通して引き戻される血管内データ収集プローブを使用して実施される。1つの実施の形態において、ステント留置血管のスキャンは、血管画像データの第1のセットからの影又は反射の1つ以上を使用して実施される。
【0016】
1つの実施の形態において、D1及びD2は、ステントが留置されたときの、ユーザ選択目標着地ゾーンに対する近接性に基づいて選択される。1つの実施の形態において、方法は、血管内でのステントの展開後に、血管管腔プロファイルを、1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して生成することを更に含む。1つの実施の形態において、方法は、血管の1つ以上のビュー及び/又は第1の血管表現を表示することと、血管セグメントの長さに沿うステントの不十分な拡張の領域を示す1つ以上の視覚的キューを表示することとを更に含む。
【0017】
1つの実施の形態において、方法は、血管のセグメントの長さに沿う側枝を検出することと、側枝を管腔に対して表示することとを更に含む。1つの実施の形態において、側枝は、第1の表現に対して、ドット、楕円、円、又は他の形状として表示される。1つの実施の形態において、第1の表現は、画像化システムのユーザインタフェースを使用して表示される。1つの実施の形態において、方法は、血管を血管造影システムによってスキャンすることと、血管造影データに、検出されたステントストラット並びにステント拡張閾値を超えるステント拡張を示す第1の視覚的キュー及びステント拡張閾値未満のステント拡張を示す第2の視覚的キューを共記載することとを更に含む。1つの実施の形態において、方法は、ステントを含む第1の表現の領域を視覚的に強調することを更に含む。1つの実施の形態において、ユーザインタフェースは、領域に対して別の視覚的要素のコントラスト、輝度、カラーを変更することによって領域を強調する。1つの実施の形態において、D1及びD2は、約0.1mm~約1.0mmに及ぶ距離から選択される。1つの実施の形態において、D1及びD2は、約0.4mmである。
【0018】
一部において、本開示は、ステント留置血管内のステント拡張を評価するためのプロセッサベースシステムに関する。システムは、1つ以上のメモリデバイスと、メモリデバイスと通信状態にあるコンピューティングデバイスとを備え、メモリデバイスはコンピューティングデバイスによって実行可能な命令を含み、命令は、コンピューティングデバイスに、血管画像データの第1のセットであって、第1の画像化システムによって血管をスキャンすることによって生成される、血管画像データの第1のセットを、第1の画像化システムと電気通信状態にある電子メモリデバイスに記憶することと、1つ以上のソフトウェアモジュールを使用してステント留置血管の長さに沿ってステントストラットを検出することと、ステント拡張のレベルを示す血管のセグメントの第1の表現を生成することと、検出されたステントストラットを使用して、ステントの第1の端部及びステントの第2の端部を決定することと、ステントの第1の端部からの第1のオフセット距離(D1)及びステントの第2の端部からの第2のオフセット距離(D2)を規定することと、セグメントのテーパリングプロファイルと組み合わせてD1及びD2を使用して、血管のセグメントの第2の表現を生成することと、セグメントの長さに沿う異なる位置において、第1の表現に関連する第1の値を第2の表現に関連する第2の値と比較することによって、血管セグメントに沿う目標ステント拡張のレベルを査定することとを行わせる。
【0019】
1つの実施の形態において、第1の値は第1の面積又は第1の直径であり、第2の値は第2の面積又は第2の直径である。1つの実施の形態において、システムは、光コヒーレンス断層撮影システム、血管造影システム、超音波システム、X線システム、CTスキャンシステム、光画像化システム、圧力検知システム、流れ検知システム及び断層画像化システムのうちの1つ又はその組み合わせである。
【0020】
OCTデータは、初期ステント留置又は是正的(corrective)ステント関連処置の前に又は後に、血管の断面ビュー及び長手方向ビュー等の2Dビューを生成するために使用することができる。データ収集プローブ及び種々のデータ処理ソフトウェアモジュールを使用して取得されるOCTデータは、ステント及び/又はステントに関連する1つ以上の特性及び/又はステントが配設される管腔を、識別し、特徴付け、可視化するために使用することができる。
【0021】
1つの実施の形態において、1つ以上の出力は、血管管腔プロファイルの1つ以上の領域にオーバーラップする目標ステントプロファイルの視覚的描写である。1つの実施の形態において、1つ以上の出力は、血管のセグメントに対して測定又は計算されるパラメータの変化の相対的メトリック(comparative metric)である。1つの実施の形態において、パラメータは、冠血流予備量比、流量、血管抵抗比、仮想冠血流予備量比、シミュレートされた冠血流予備量比、測定された冠血流予備量比、及び圧力測定値からなる群から選択される。
【0022】
1つの実施の形態において、方法は、血管内でのステントの留置後の血管管腔プロファイル、及び、血管に関して取得される血管内データの第2のセットを使用した血管のセグメントの表現を、1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して生成することを含む。1つの実施の形態において、血管内データの第1のセットは、第1の光コヒーレンス断層撮影画像化セッション中に取得される。1つの実施の形態において、血管内データの第2のセットは、第2の光コヒーレンス断層撮影画像化セッション中に取得される。
【0023】
1つ以上のデバイスは、1つ以上のユーザインタフェース、及び、血管内データ又はそのようなデータから導出される他の情報を表示することができる。血管内データは、IVUS又はOCTベースのデータ収集システム及びプローブ又は他の画像化モダリティを使用して取得することができる。方法は、グラフィッカルユーザインタフェース(GUI)を介して血管内データ及びユーザ入力を受信し、1つ以上の画像処理及びフレーム選択ソフトウェアコンポーネントを含む、1つ以上のコンピューティングデバイス及びメモリストレージを使用して実施することができる。コンピューティングデバイスは、マイクロプロセッサ、ASIC、又は血管内画像化システムとともに使用するのに適する他のプロセッサとすることができる。
【0024】
本発明は、異なる態様及び実施形態に関するが、本明細書で開示される異なる態様及び実施形態が、必要に応じて、全体として又は一部において、ともに統合することができることが理解される。こうして、本明細書で開示される各実施形態は、所与の実装のために必要に応じて種々の程度で態様のそれぞれに組み込むことができる。さらに、医療画像化問題並びに他の関連する課題及び問題並びに上記の一部に対処するための種々のソフトウェアベースのツールは、限定することなく、医療アプリケーション、並びに、ステント、血管に関連する情報、並びに、その2次元ビュー及び3次元ビューを表示するための他のアプリケーションのために使用することができる。開示する実施形態の他の特徴及び利点は、以下の説明及び添付図面から明らかになるであろう。
【0025】
本開示は、本明細書で挙げられ示される異なる態様及び実施形態並びに他の特徴に関するが、本明細書で開示される上記のそれぞれが、必要に応じて、全体として又は一部において、ともに統合することができることが理解される。こうして、本明細書で開示される各実施形態は、所与の実装のために必要に応じて種々の程度で態様のそれぞれに組み込むことができる。さらに、本明細書で述べる種々のステント拡張診断ツールを、種々の画像化モダリティとともに使用することができる。
【0026】
開示される実施形態の他の特徴及び利点は、以下の説明及び添付図面から明らかになるであろう。
【0027】
本出願は、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を有するこの特許出願公開の写しは、請求され、必要な料金が支払われると米国特許商標庁によって提供されるであろう。
【0028】
図は必ずしも一定比例尺に従わず、代わりに、概して、例示的な原理に重点が置かれている。図は、あらゆる面で例示的であると考えられ、本開示を限定することを意図されず、その範囲は特許請求の範囲によってのみ規定される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】本開示の例示的な実施形態による、動脈、ステント、及び他の心臓血管系コンポーネントを画像化するのに適する画像化及びデータ収集システムの概略図である。
【
図1B】本開示の例示的な実施形態による、複数のディスプレイを含む、動脈、ステント、及び他の心臓血管系コンポーネントを画像化するのに適する画像化及びデータ収集システムの概略図である。
【
図2A】本開示の例示的な実施形態による、共記載された(co-registered)血管造影データ、プロファイルビュー、及び他の血管内画像化ビューに対するステント拡張解析結果を表示するグラフィックユーザインタフェースである。
【
図2B】本開示の例示的な実施形態による、プロファイルビューに対するステント拡張解析結果を表示するグラフィックユーザインタフェースである。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による、プロファイルビューに対するステント拡張解析結果及び別の動脈ビューにおける検出されたステントストラットを表示するグラフィックユーザインタフェースである。
【
図4A】本開示の例示的な実施形態による、ステント拡張を解析するのに適する管腔プロファイルモデルを生成するのに適する、図示する1つ以上の側枝を含む血管の概略表現である。
【
図4B】本開示の例示的な実施形態による、ステント拡張を解析するのに適する管腔プロファイルモデルを生成するのに適する、図示する1つ以上の側枝を含む血管の概略表現である。
【
図5A】本開示の例示的な実施形態による、共記載された血管造影データ、プロファイルビュー、動脈測定値、及び他の血管内画像化ビューに対するステント拡張解析結果を表示するグラフィックユーザインタフェースである。
【
図5B】本開示の例示的な実施形態による、ステント拡張解析結果、及び、ステント拡張レベルを調整するのに適するバルーンサイズに関連する詳細を表示するグラフィックユーザインタフェースである。
【
図6A】本開示の例示的な実施形態による、プロファイルビューに対するステント拡張解析結果及び別の動脈ビューにおける検出されたステントストラットを表示するグラフィックユーザインタフェースである。
【
図6B】本開示の例示的な実施形態による、プロファイルビューに対するステント拡張解析結果及び別の動脈ビューにおける検出されたステントストラットを表示するグラフィックユーザインタフェースである。
【
図7】本開示の例示的な実施形態による、プロファイルビューに対するステント拡張解析結果及び別の動脈ビューにおける検出されたステントストラットを表示するグラフィックユーザインタフェースである。
【
図8】本開示の例示的な実施形態による、ステント拡張及び他の動脈関連パラメータを解析するのに適するソフトウェアベース画像処理パイプラインの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
一部において、本開示は、血管画像化、解析、及び診断システムの文脈において、ステントの不十分な拡張を検出し、追加のステント拡張及びバルーン選択をサポートする診断情報を提供する技術的問題に対処するシステム及び方法に関する。ステント留置及び適切な拡張の関連する課題として、不十分に拡張したステントの領域が早められた時間枠(expedited timescale)上で容易に識別できるように、1つ以上の画像化モダリティに対して血管造影画像を調整することは、重要な技術的課題である。種々の管腔プロファイルの共記載及び生成の使用を、この課題に対処するために使用することができる。
【0031】
ステントは、膨張不足(underinflated)である場合、初期処置後、1年以内に血管不全をもたらす可能性がある。したがって、ステント留置直後に患者がカテラボ(cath lab)にいる間にステント拡張を査定すること、ステントが留置される動脈に対するステントの表現を生成すること、及び対応する血管造影ビューは、適切なステント拡張を達成する問題に対する技術的解決策である。また、適切に/完全に拡張した管腔モデルを生成するためのモデルの使用が、ステント拡張に関する診断ガイダンス(diagnostic guidance)を提供するために述べられる。
【0032】
冠動脈等の血管内でステントを適切に拡張させることは、重要な目標転帰であり、なぜならば、適切に拡張させることにより、エンドユーザに知らせるために画像化モダリティを使用しながらの適切なバルーン選択及びステント留置に基づいて、動脈の圧迫された狭窄領域が、成功裏に拡張され、拡張された状態に保たれる可能性が増すからである。この技術的問題に対処することにより、バイパス手術又は他の処置等の好ましくない転帰が軽減される。
【0033】
図1Aは、データを収集するか、又は被検者4の特徴を検出するか、又は被検者4の状態を検知するか、又はその他の方法で被検者4を診断するのに適する種々のデータ収集サブシステムを含むシステム5を示す。1つの実施形態において、被検者は、テーブルやベッドや椅子などの適切な支持体19又は他の適切な支持体上に配置される。典型的に、被検者4は、特定の関心領域25を有する人間又は別の動物である。
【0034】
データ収集システム5は、核磁気共鳴、X線、コンピュータ支援断層撮影、又は他の適切な非侵襲画像化技術等の非侵襲画像化システムを含む。そのような非侵襲画像化システムの1つの非制限的な例として示されるように、シネ(cines)を生成するのに適するような血管造影システム21が示される。血管造影システム21は透視(fluoroscopy)システムを含むことができる。血管造影システム21は、例えば、OCT又はIVUS等の1つ以上の画像化技術における血管造影を使用して被検者4の領域25内の血管が画像化されるように、プローブ30を使用して引き戻し処置が実施される間に、典型的には画像データのフレームの形態で血管造影データのフレームが生成されるように、被検者4を非侵襲的に画像化するように構成される。
【0035】
血管造影システム21は、血管造影データ記憶及び画像管理システム22と通信状態にあり、血管造影データ記憶及び画像管理システム22は、1つの実施形態においてワークステーション又はサーバとして実装することができる。1つの実施形態において、収集された血管造影信号に関連するデータ処理は、血管造影システム21の検出器上で直接実施される。システム21からの画像は、血管造影データ記憶及び画像管理部22によって記憶され管理される。本明細書で開示する他の画像化システムがシステム21に置き換わるか又はシステム21を増強することができる。
【0036】
一部において、本開示は、血管、ステント、又は関心の他の血管若しくは血管内情報に関する情報を評価し描写するのに適するソフトウェアベースの方法、システム、及びデバイスに関する。血管造影とOCT等の他の画像化モダリティとの両方において、ステント拡張、血管表現、管腔プロファイル(部分的に拡張した管腔及び完全に拡張した管腔に関する)、ステントエンドポイントの相対的位置に関連する詳細を示す種々のユーザインタフェースビューが、
図2A、
図2B、
図3、
図5A、
図5B、
図6A、
図6B、及び
図7に示される。特に、システム及び方法は、ステントの不十分な拡張を検出し軽減する技術的問題に対する技術的解決策に関し、概して、誘導式画像化/診断システムを使用するステント拡張に特に重点が置かれる。血管表現等の画像化データ及びそこから導出されるデータは、診断情報を素早く提供するためにユーザインタフェースの一部として生成され表示される。これらは、異なる管腔プロファイル、及び、面積、直径等のそれらの長さに沿う対応する位置における値又は他の幾何学的値の比の形態を取ることができる。
【0037】
図1Aのシステムは、CTスキャン、超音波、IVUS、X線ベース画像化モダリティ、磁気共鳴画像化、光コヒーレンス断層撮影、赤外ベース画像化、レーザベース画像化、並びに、血管内及び血管外画像化のための他の画像化モダリティのうちの1つ以上を使用して、心臓血管系の1つ以上の動脈及び/又はコンポーネントを画像化するための種々のコンポーネントを含む。1つの実施形態において、システムサーバ50又はワークステーション85はシステム22の機能を扱う。1つの実施形態において、システム21全体は、X線等の電磁放射を発生させる。システム21はまた、被検者4を通過した後のそのような放射線を受け取る。そして、データ処理システム22は、血管造影システム21からの信号を使用して、領域25を含む被検者4の1つ以上の領域を画像化する。
【0038】
この特定の例に示すように、関心領域25は、特定の血管等の血管系又は末梢血管系のサブセットである。このサブセットは、OCT、超音波(単独で又は組み合わせて)、又は、本明細書で開示される他の画像化モダリティのうちの1つを使用して画像化することができる。1つの実施形態において、この関心領域はステントを含むことができる。ステントは、展開後及び追加のステント拡張後等、異なる時点で画像化することができる。
【0039】
カテーテルベースのデータ収集プローブ30は、被検者4内に導入され、例えば冠動脈等の特定の血管の管腔内に配置される。バルーンを含むプローブ又は他のデバイスは、1つ以上の画像化モダリティを使用してステントの不十分な拡張を検出することに応答して、ステント拡張のレベルを上げるために使用することもできる。
【0040】
プローブ30は、例えば、OCTプローブ、FFRプローブ、IVUSプローブ、上記のうちの2つ以上の特徴を組み合わせるプローブ、及び血管内で画像化するのに適する他のプローブ等の、種々のタイプのデータ収集プローブとすることができる。1つの実施形態において、バルーンデリバリデバイス(balloon delivery device)は、本明細書で開示される画像化プローブのために使用されるガイドワイヤに沿って移動する。1つの実施形態において、プローブ30は、典型的には、プローブ先端部、1つ以上の放射線不透過性マーカ、光ファイバ、及びトルクワイヤを含む。さらに、プローブ先端部は、光ビームディレクタ、音響ビームディレクタ、圧力検出器センサ、他の変換器又は検出器、及び上記の組み合わせ等の、1つ以上のデータ収集サブシステムを含む。
【0041】
光ビームディレクタを含むプローブの場合、光ファイバ33は、ビームディレクタを用いてプローブと光通信状態にある。トルクワイヤは、光ファイバが配設される穴を画定する。
図1Aにおいて、光ファイバ33は、それを囲むトルクワイヤなしで示されている。さらに、プローブ30はまた、カテーテルの一部を形成するポリマーシース(図示せず)等のシースを含む。OCTシステムの文脈において、干渉計のサンプルアームの一部分である、光ファイバ33は、図示するように患者インタフェースユニット(PIU:patient interface unit)35に光結合する。
【0042】
患者インタフェースユニット35は、プローブ30の端部を受け入れ、それに光結合させられるのに適するプローブコネクタを含む。典型的には、データ収集プローブ30は使い捨て可能である。PIU35は、使用されるデータ収集プローブのタイプに基づいて適切なジョイント及び要素を含む。例えば、OCT及びIVUSデータ収集プローブの組み合わせは、OCT及びIVUS PIUを必要とする。PIU35は、典型的に、トルクワイヤ、シース、及び内部に配設される光ファイバ33を、引き戻し処置の一部として引き戻すのに適するモータも含む。引き戻されることに加えて、プローブ先端部はまた、典型的に、PIU35によって回転させられる。こうして、被検者4の血管は、長手方向に又は横断面を介して画像化することができる。プローブ30はまた、冠血流予備量比(FFR:fractional flow reserve)又は他の圧力測定値等の特定のパラメータを測定するために使用することができる。
【0043】
次いで、PIU35は、1つ以上の血管内データ収集システム42に接続される。血管内データ収集システム42は、OCTシステム、IVUSシステム、別の画像化システム、及び上記の組み合わせとすることができる。例えば、OCTプローブであるプローブ30の文脈におけるシステム42は、干渉計のサンプルアーム、干渉計の基準アーム(reference arm)、フォトダイオード、制御システム、及び患者インタフェースユニットを含むことができる。同様に、別の例として、IVUSシステムの文脈において、血管内データ収集システム42は、超音波信号生成及び処理回路、ノイズフィルタ、回転可能なジョイント、モータ、及びインタフェースユニットを含むことができる。1つの実施形態において、データ収集システム42及び血管造影システム21は、血管造影ビデオフレームタイムスタンプ及びOCT画像フレームタイムスタンプを同期させるように構成される、共有クロック又は他のタイミング信号を有する。
【0044】
血管造影システム等の種々の血管外画像化システムは、種々の拡張状態のステント等の所与の関心領域を画像化することができる。血管外画像化データは、血管内画像化データと共記載することができる。血管内及び血管外画像化モダリティの出力は、
図1Bに示す種々のディスプレイを使用してカテラボ内の患者に対して表示することができる。
【0045】
図1Aの侵襲的及び非侵襲的画像データ収集システム及び装置に加えて、被検者の領域25及び被検者の他の関心パラメータに関して、種々の他のタイプのデータを収集することができる。例えば、データ収集プローブ30は、例えば圧力ワイヤ等の1つ以上の圧力センサを含むことができる。圧力ワイヤは、OCT又は超音波コンポーネントの付加なしで使用することができる。圧力読み取り値は、被検者4の領域25内の血管のセグメントに沿って取得することができる。
【0046】
そのような読み取り値は、有線接続によって又は無線接続を介して中継することができる。冠血流予備量比FFRデータ収集システムに示すように、無線トランシーバ48は、プローブ30からの圧力読み取り値を受信し、それらをシステムに送信して、測定された血管に沿う1つ以上の場所のFFR測定値を生成するように構成される。1つ以上のディスプレイ82、83はまた、データの血管造影フレーム、OCTフレーム、OCT及び血管造影データのためのユーザインタフェース、並びに関心の他の制御及び特徴を示すために使用することができる。
【0047】
データ収集プローブ30を使用して生成される血管内データのフレーム等の血管内画像データは、PIU35を介してプローブに結合したデータ収集処理システム42にルーティングすることができる。血管造影システム22を使用して生成される非侵襲的画像データを、共記載(co-registration:コ・レジストレーション)サーバ50やワークステーション85などの1つ以上のサーバ又はワークステーションに送信し、そこに記憶し、それによって処理することができる。システム22から血管造影画像データを取り込むように構成されるコンピュータボード等のビデオフレームグラバデバイス55を、種々の実施形態で使用することができる。
【0048】
1つの実施形態において、サーバ50は、メモリ70に記憶され、プロセッサ80によって実行される1つ以上の共記載ソフトウェアモジュール67を含む。サーバ50は、プロセッサベースのコンピューティングサーバのための他の典型的なコンポーネントを含むことができる。代替的に、データベース90などの1つ以上のデータベースは、生成される画像データ、被検者のパラメータ、及び
図1に示すシステムデバイス又はコンポーネントの1つ以上によって生成され、データベース90によって受信されるか又はデータベース90に転送される他の情報を、受信するように構成することができる。データベース90は、ワークステーション85のメモリ内に記憶されている間、サーバ50に接続されているように示されるが、これは1つの例示的な構成に過ぎない。例えば、ソフトウェアモジュール67は、ワークステーション85のプロセッサ上で実行することができ、データベース90は、サーバ50のメモリ内に位置することができる。種々のソフトウェアモジュールを実行するためのデバイス又はシステムの使用は、例として提供される。種々の組み合わせにおいて、本明細書で述べるハードウェア及びソフトウェアは、画像データのフレームを取得し、そのような画像データを処理し、そのような画像データを記載するために使用することができる。
【0049】
別段に本明細書において述べない限り、ソフトウェアモジュール67は、前処理ソフトウェア等のソフトウェア、変換、行列、並びに、他のソフトウェアベースのコンポーネントであって、他のソフトウェアベースのコンポーネント67による異なるタイプの画像データの共記載を容易にするため又はその他の方法でそのような共記載を実施するために、画像データを処理する又は患者のトリガに応答するために使用される、他のソフトウェアベースのコンポーネントを含むことができる。モジュールは、スキャンラインベース又は画像ベースの手法を使用する管腔検出、スキャンラインベース又は画像ベースの手法を使用するステント検出、インジケータ生成、ステント拡張評価及びアセスメント(evaluation and assessment)、ステント着地ゾーン検出、及び展開したステントについての指標、血管造影及び血管内画像化の共記載、並びに、本明細書で開示する方法を実施するように支援しかつプログラムされる他のモジュールを含むことができる。
【0050】
データベース90は、血管造影システム21によって生成され、フレームグラバ55サーバ50によって取得される画像データ等の血管造影画像データ92を受信し記憶するように構成することができる。データベース90は、OCTシステム42によって生成され、フレームグラバ55サーバ50によって取得される画像データ等のOCT画像データ95を受信し記憶するように構成することができる。
【0051】
さらに、被検者4は、1つ以上の電極を介して、例えばモニタ49等の1つ以上のモニタに電気結合することができる。モニタ49は、限定することなく、心臓機能に関連し、収縮期及び拡張期等の被検者の種々の状態を示すデータを生成するように構成される心電図モニタを含むことができる。冠動脈を含む心臓の幾何学的形状は、たとえ異なる心周期にわたっても、或る特定の心位相においてはほぼ同じであるため、心位相を知ることは、血管中心ラインの追跡を支援するために使用することができる。
【0052】
所与の図における方向性を示す矢印の使用又はその欠如は、情報が流れることができる方向を制限又は要求することを意図されない。例えば、
図1Aに示す要素を接続するように示される矢印及びライン等の所与のコネクタについて、情報は、所与の実施形態のために適するように、1つ以上の方向に又は1つだけの方向に流れることができる。接続は、光接続、有線接続、電力接続、無線接続、又は電気接続等の種々の適切なデータ伝送接続を含むことができる。
【0053】
1つ以上のソフトウェアモジュールは、
図1Aに示すシステム21などの血管造影システムから受信される血管造影データのフレームを処理するために使用することができる。限定することなく、ソフトウェア、そのコンポーネント、又は、ソフトウェアベースの若しくはプロセッサ実行式の方法の1つ以上のステップを含むことができる種々のソフトウェアモジュールは、本開示の所与の実施形態において使用することができる。
【0054】
図1A及び
図1Bのシステムは、血管内及び血管外画像データを表示するのに適する。特に、システムは、ステント計画及びステント拡張のアセスメント及び目標ステント拡張アセスメントのために有利である。1つの実施形態において、ステント拡張閾値を、OCT、IVUS、又は他の画像データ収集システム等の診断システムによって提供することができる、又は、そのような閾値を、ユーザインタフェースを介してエンドユーザが調整し設定することができる。1つの実施形態において、ステントの不十分な膨張の領域を識別するために使用されるステント拡張閾値は、約80%~約90%に及ぶ。こうして、ステントが、その長さに沿う第1の場所で48%のレベルまで膨張する場合、それは、1つの視覚的キュー又は印でタグ付け又は表され、一方、別の領域において、ステントが閾値の又はそれを超えるレベルまで拡張する場合、それは、別の視覚的キュー又は印によって識別される。
【0055】
図1Bは、患者の1つ以上の動脈について、OCT、FFR、IVUS、血管造影、CTスキャン、又は他のタイプの画像化、測定、及びアセスメントを実施するための
図1Aのシステム等の画像化及びデータ収集システムのコンポーネントを有するカテラボセットアップを示す。ユーザは、データ収集システムと相互作用する、又は、その他の方法で、示す種々のディスプレイを通して、記憶された画像データにアクセスしそれを表示することができる。血管造影データと共記載された血管内画像化データ及びステント拡張データを示す例示的なユーザインタフェースが表示される。テーブル、ベッド、又は他の支持体120上のアクセサリレール等の支持部材115。支持部材115は、支持体120の一部とすることができ、コントローラは、1つの実施形態において、支持体120に直接取り付けることができる。
【0056】
1つの実施形態において、コントローラは、任意の適切な入力デバイスを含むことができ、ユーザインタフェーススクリーン並びに目標ステント拡張値及び他のステント拡張閾値等のパラメータをナビゲートするために使用することができる。1つの実施形態において、コントローラは、示すように搭載するためのクランプ等の取り付けデバイス60を含む。コントローラは、1つ以上のモニタ又はディスプレイ123上に表示されるグラフィカルユーザインタフェースを表示しナビゲートするために使用することができる。1つの実施形態において、モニタは、天井吊り下げ具(ceiling suspension)上に搭載することができる。グラフィカルユーザインタフェース127は、所与のモニタ上に表示することができる。ステント拡張、並びに、OCTデータ及び血管造影データ等の共記載された血管内データを含む2つの例示的なグラフィカルユーザインタフェース127a、127bが
図1Bに示される。
【0057】
1つの実施形態において、コントローラは、グラフィックユーザインタフェース127の一部としてユーザに利用可能なコマンド及びメニューにマッピングするように構成される特徴セットを有する。本明細書で開示される血管造影システム及び他の画像化システム125は、支持体120に対して位置決めして、OCT処置等の別のデータ収集処置が進行中である間に、患者のX線を取得することができる。グラフィックユーザインタフェース127は、そのような関心のOCTデータ、血管造影データ、FFRデータ、IVUSデータ、及び他のデータをユーザに対して表示することができる。コントローラは、インタフェース127を制御し、インタフェース127がユーザに提示するメニュー及び画像表示特徴をナビゲートするように構成される。血管造影データを血管内画像データと共記載することは、ステント拡張レベルのアセスメントをサポートする。
【0058】
1つの実施形態において、健康な管腔プロファイルは、シミュレートされた健康な血管の遠位端についての第1の幾何学的値及び健康な血管の近位端についての第2の幾何学的値を使用して効果的にシミュレートされる。1つの実施形態において、これらの幾何学的値は、ステント留置血管のプロファイルに対してオフセット又はシフトした位置において決定される。これらのシフト又はオフセット値は、種々の図においてD1及びD2として示される。幾何学的値は、断面積、直径、コード、流量値、又は健康な管腔プロファイルを補間するのに適する他の値とすることができる。シミュレートされた健康な管腔プロファイルは、その後、それぞれの各プロファイルの幾何学的値を比で比較することによってステントプロファイルと比較することができる。
【0059】
本開示は、ステントの不十分な拡張の領域を描写し、血管内データを使用して生成される血管の表現に対する目標拡張レベルにおいて、留置ステントに対する目標とするバルーン留置及びサイズ決定を容易にするシステム及び方法を述べる。光コヒーレンス断層撮影及び他の画像化モダリティは、本明細書で示され述べられるように、種々の血管表現を生成し、また、種々の画像データ処理技法を実施して、管腔L、ステントストラットSS、側枝SB、及び他のものを検出及び/又は視覚的に表現するために使用することができる。
【0060】
1つ以上のステント拡張メトリックを使用することができる。1つの実施形態において、ステント拡張メトリックは、エンドユーザが調整することができる。そのため、医師は、ステント拡張閾値を、90%又は別のパーセンテージ等のステント拡張のパーセンテージとして設定することができる。ステントが、この90%レベルに達するように拡張したか否かを示すためのそのような閾値は、説明文231によって
図2Aに示され、説明文231は、ステント留置血管の管腔プロファイルに沿う領域が、領域220としても示される不十分に膨張した(この閾値に基づく)赤色領域であることを示す。次いで、ステントが90%又はそれより大きい閾値まで膨張したステントの長さに沿う領域は白色としてすなわち領域225として示される。血管内の最小ステント面積(MSA:minimum stent area)はまた、種々の図においてカーソル227及びMSAによって示される。
【0061】
ステントが、血管の1つ以上の領域内で不十分に拡張しているとして検出された場合、ユーザインタフェースの一部として、色の赤又は別の視覚的キュー等の印220が使用されて、ステントが、目標拡張レベルまで、この例では90%まで、又は、その拡張レベルを超えて拡張した領域、領域225を医師に示すことができる。こうして、エンドユーザは、目標拡張レベルを達成するために適切な直径に基づいてバルーンを選択することを決めることができ、選択されたバルーンを位置決めするために血管造影画像及び他の画像化データを参照し、ステントが不十分に膨張している領域において1つ以上のステントの拡張を増加させることができる。
【0062】
図5Bは、N%拡張閾値より大きい白色領域225及びN%閾値より小さいハッチング領域220を示す血管表現の更新されたビューを示す。種々の直径を有するバルーンB1、B2、B3、及びB4を示すユーザインタフェースコンポーネントを、図上にそれらをオーバーレイするために使用することができる、又は、適切なバルーン直径を選択するために種々の表現に対して測定を実施することができる。バルーンサイズは、目標拡張閾値又はゴールに基づいて必要とされるステント拡張のレベルに基づいて提供される。1つの実施形態において、バルーンサイズは、1つ以上の位置における動脈の未拡張直径に基づいて計算される。1つの実施形態において、バルーンは、本明細書で示す所与の動脈ビューに対してユーザによって選択され配置され得る可動のグラフィカル要素である。例示的なバルーンB4は、MSAとオーバーラップする領域230の動脈内に配置されているように示される。この領域は、ステント拡張解析及び閾値に基づいて拡張が正当化される1つの場所である。
【0063】
90%レベル又は90%より大きいレベルまで適切に拡張していると示されるステントの領域は、不十分な拡張の領域にエンドユーザが対処することを可能にしながら、その現在の拡張レベルのままであることができる。適切なバルーン直径を選択することは、ユーザが、迅速に患者の元に戻り、血管造影画像上でステント及び不十分に拡張した領域を位置特定し、本明細書で示す管腔プロファイルビューをガイドとして使用して、単数又は複数の不十分に拡張した領域内にバルーンを位置決めし、カテラボ内のセッション全体を終了し、患者を解放する前に、ステントを更に拡張することを可能にする。種々のこれらの技術的診断ツール及び管腔プロファイル及び拡張比を使用して、バイパスについての必要性をもたらす可能性があるステント留置が、是正され、成功裏の患者転帰の可能性を高めることができる。
【0064】
ステントを適切に拡張させる問題に更に対処するために、ステント位置と拡張レベルと血管造影システムとの間で共記載が実施される。
図2Aは、2つ以上の画像化モダリティからの画像化データを使用して生成される全体的なユーザインタフェースを示す。血管造影画像は、血管造影インタフェースパネル205内に表示され、血管造影インタフェースパネル205は、OCT、超音波、又は他のもの等の第2の画像化モダリティに関してステント検出が実施された後に生成される基準場所R1及びR2を示す。ステントの不十分な拡張の領域220は、血管造影ビュー205及び管腔プロファイルビュー211に示される。カット平面(CP:cut plan)における血管の断面はインタフェースパネル205内に示される。平均直径値は、管腔L及びステントストラット影がそうであるように、このパネル内に示される。カット平面は、青色及び黄色ラインとして色分けされ得るB及びYとしてラベル付けされる2つのセクションに分割される。
【0065】
図2Aは、ステントが血管内に留置された後にエンドユーザを誘導するための診断結果の例示的な出力を示す。種々の診断結果は、グラフィカルユーザインタフェース200内で編成される。図示するように、グラフィカルユーザインタフェース200の種々のパネル又は領域が示される。これらは上側左パネル205を含み、上側左パネル205は、1つ以上の関連する画像又は血管表現と共記載される血管造影画像データを表示する。血管造影診断インタフェース205はまた、
図2Aに示す共通インタフェースディスプレイに加えて補助ディスプレイを使用して表示することができる。
【0066】
長手方向ビューがインタフェースパネル215の一部として示され、長手方向ビューはまた、画像化された血管の長手方向ビュー内に種々のステントストラットSSを示す。共記載が、血管造影画像と管腔プロファイルビュー211との間で実施された。管腔プロファイルビューは、ユーザの注意を惹くように設計される強調表示されたHL領域を含む。プロファイルのこの部分において、カット平面ラインCPすなわち240は、パネル209及び215に示す血管内画像の他のビューにともに示すようにラインセグメントB及びYに対応する。暗い管腔Lは、管腔プロファイルビューの中央に示される。ステントは、領域220及び225によって示すように視覚的キューを使用してコード化される。これらは、ステントの不十分な拡張及び
図2Aの90%として示す目標拡張閾値より大きい拡張のために使用される視覚的キューを示すために使用される説明文231に対応する。遠位方向は左であり、近位方向は右である。
【0067】
最小ステント面積MSAすなわち245が、示され、垂直ラインカーソル227を使用して同様に追跡される。MSAはステントの最も狭いエリアである。さらに、領域220は、明瞭に、管腔Lを境界付ける血管壁表現に対する狭小部になるように延在しかつ狭小部を示す。1つの実施形態において、MSAは、初期展開後にステント拡張を調整するためのバルーン展開のための領域として識別される。これらの領域220は、ステントが90%拡張閾値に達するために適切に拡張しなかった場所を示す。カット平面240の左に示す領域225は、90%閾値に又はそれを超えて拡張している。これらの表現は、エンドユーザが、患者の元に戻り、ガイドワイヤが依然として血管内にある間にデリバリカテーテル上にバルーンを配置し、ライブ血管造影を使用してバルーンを位置決めし、
図2Bに示すビューを参照して、目標エリア225を膨張させるために正確な直径のバルーンを適切に配置することを可能にする。これらの種々のツールは、ステントを適切に拡張させる複雑な技術的問題を解決する。このプロセスは、後続のステント拡張を必要とする領域が存在する場合、後続のステント拡張を早めることによって、カテラボで患者が過ごす総時間を低減する。
【0068】
これらのシステム、デバイス、及び方法は、1つ以上の心臓画像化モダリティ等の診断方法を使用して被検者が最初に評価されるときに実装される。これらの画像化モダリティは、限定することなく、OCT、IVUS、コンピュータ支援断層撮影、MRI、血管造影、X線、心臓及び/又は血管作用及びステータス(operation and status)の圧力データに基づくモデルを含むことができる。
【0069】
一部において、本開示は、血管又はステントに関して取得される1つ以上の計画ステージ及びプロファイルに対して血管内の留置ステントを評価するシステム、方法、及びデバイスに関する。血管又はステントに関連するプロファイル及び情報は、光コヒーレンス断層撮影(OCT)又は血管内超音波(IVUS:intravascular ultrasound)又は他の血管内データ収集モダリティ等の血管内データ収集システム及び関連するプローブを使用して取得することができる。さらに、本開示は、臨床医又は他の人等のユーザが、実質的に最適なレベル又は他の適合性メトリック等の適切なレベルまで血管内に留置されたステントが拡張したか否かを評価する自動化方法を提供する。これらのメトリックは、1つの実施形態において、ユーザが指定することができる。
【0070】
一部において、本開示は、血管内のステント留置を評価する方法に関する。方法は、ステントが血管内に位置決めされている血管に関して取得される血管内データの第1のセットを使用した血管のセグメントの表現を、1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して生成することを含む。これは、ステントが表示され、N%拡張閾値に対する適切な拡張の領域及び不十分な膨張の領域が示される種々の管腔プロファイルビュー211、211b、211c、211d、211e(
図2A、
図2B、
図5A、
図5B、
図6A、及び
図6B参照)に示される。
図6A及び
図6Bは、ユーザインタフェース320、321を示し、ユーザインタフェース320、321は、下部パネル内の検出されたステントストラット325、並びに、MSA、EXP、及び約90%閾値の拡張領域(説明文231参照)を示す管腔プロファイルビュー211d及び211eを含む。更なる拡張から利益を得ることになる領域220は、それぞれの各管腔プロファイルビューに示される。これらの図はまた、血管造影システムと共記載することもできる。
【0071】
システム及び方法の全体の一部として、種々の画像化処理技法を、
図1A、
図1B、及び
図8に関するシステムを含む本明細書で開示されるシステム等のシステムを使用して実施される。画像処理ステップは、管腔Lと、管腔Lを境界付ける血管の壁との間の境界に対応する管腔境界検出、ステント検出、側枝検出、及び他のものを含むことができる。管腔検出は、ステントが、画像内でそれに対して存在しようとしている場所を与えるため、ステント検出に情報を与える。
【0072】
管腔検出ソフトウェアは1つ以上のステップを含むことができる。例えば、1つの実施形態において管腔検出を実施するために、フィルタ又は他の画像処理デバイスが、2次元画像に適用されて、管腔境界を示す縁を画像内で検出することができる。別の実施形態において、スキャンラインベースの手法が使用される。1回以上の引き戻し中に、光又は超音波信号が、血管及び血管の管腔内に配設される1つ以上のステントに関するスキャンラインとして収集される。1つの実施形態において、コンピューティングデバイスで実行される管腔検出ソフトウェアは、コンピューティングデバイスを使用してスキャンラインのセットから1つ以上の画像を生成する。管腔検出を、他の画像化システムからの他の画像データセットを使用して実施することもできる。
【0073】
ステントストラットは、検出されると、図示するように種々の画像内に表示することができる。ステント検出後にかつ管腔プロファイルビューの生成の一部として、オフセット距離D1及びD2が生成される。これらは、左及び右(近位及び遠位)への距離のシフトとすることができる、又は、その逆も同様である。
図2Aにおいて、これらの参照はラインR1及びR2によって示される。
【0074】
図2Bにおいて、R1及びR2はドットラインとして示される。ステントのエンドポイントは垂直ラインEP1及びEP2によって示され、これらは、ステントの第1のエンドポイント及び第2のエンドポイントである。これらは、ステント検出ソフトウェアモジュールがステントを検出すると、自動的に検出することができる。ステントエンドポイントは、管腔から或る距離だけ離れて自動的に生成されるラインである参照R1及びR2を生成するために使用される。これらの距離は、
図2Bにおいて両矢印で示されるD1及びD2である。これらのオフセット距離における管腔の面積も示される。オフセット距離D1におけるより遠位の面積は8.5mm
2として示され、他のオフセット距離D2についてのより大きいより近位の面積は11.23mm
2として示される。D1及びD2の長さは、典型的には等しいが、変動する可能性がある。これらは、通常、ステントエンドポイントから比較的短い距離であり、約0.1mm~約1mmに及ぶ。約0.4mm又は約0.5mm等の値が、望ましいが、他のオフセット距離を選択することができる。第1の参照R1は遠位参照とすることができ、第2の参照R2は近位参照とすることができ、そして、その逆も同様である。
【0075】
オフセット距離D1及びD2は、ステントエンドポイントから或る距離だけ離れるために使用され、なぜならば、これらの点における管腔面積、距離、又は他の幾何学的値が、211a(
図3参照)及び211f(
図7参照)に示すプロファイル等のテーパリング(tapering)プロファイル290を有する別の管腔プロファイルを生成するために使用されるからである。ステント留置は、血管の健康な領域のためのプロキシと考えることができる。ステントエンドポイントそれら自体を選択することは、観察平面、ステント検出ソフトウェアモジュールの出力に対する種々の誤差、並びに、エンドポイントにおけるステントストラットからの反射、ブルーミング効果(blooming effect)、及び他のものを有する可能性がある。
【0076】
結果として、ステントエンドポイントから位置オフセットD1及びD2を選択することは、管腔の面積又は直径等の管腔プロファイルの幾何学的値が2つのポイントにおいて選択されることを可能にする。これらの値は、完全に拡張した管腔プロファイルとして使用され得るテーパリングプロファイル290を補間するために使用することができる。そのため、そのような管腔プロファイル290を補間すること(ステントが必要とされず、参照R1とR2との間に狭窄が存在しなかった場合の転帰に対応する)によって、管腔プロファイルを、画像データ処理ソフトウェアを使用して生成することができる。ステントと同じ領域にまたがる完全に拡張した管腔に対応する管腔プロファイルは、ステント留置領域に沿う各位置において拡張比が計算されることを可能にする。
【0077】
特に、ステント留置管腔プロファイルからの断面積又は直径又は別の値は、N%ステント拡張閾値を生成するために、補間された完全に拡張した管腔プロファイルからの対応する断面積又は直径又は別の値と比較することができる。
図7において、例えば、ドット付きテーパリングプロファイルは、組織が狭窄なしであった場合に、完全に拡張した管腔がどのように見えるかを示す。これは、ステント検出後に生成される管腔プロファイルから取得される面積又は直径の値と比較されて、異なるポイントにおける拡張量を示すことができる。1つの実施形態において、最小拡張フレーム48%(EXP)はまた、
図2B、
図3、及び
図7に示すように自動的に呼び出される。このフレームは、ステントが最も少なく拡張している場所を示す。結果として、これは、バルーンによる更なる拡張のための目標として役立つことができる。血管造影との共記載は、そのようなバルーン留置を誘導するのを更に助けることができる。
【0078】
1つの実施形態において、方法は、血管の第1の表現(ステント拡張ベース)、及び、ステントが存在しない状態で生成される補間された拡張した第2の表現を使用して取得されるN%拡張比に基づいて拡張レベルを生成し表示することを含む。健康な管腔プロファイル表現をシミュレートすることは、ステント拡張レベルを査定するメトリックを生成し、このメトリックが満たされる(N%を超えて拡張した)か否か(N%拡張に達するために位置Xにおいて十分に拡張しなかった)を示すことを容易にする。これらの表現は、血管内データ又は他の画像化データを使用して取得することができる。上記ステップは、それらの表現が、血管の1つ以上の血管造影画像と共記載されるように実施される。画像化データのこの診断表現を仮定すると、ユーザは、その後、ステント留置のための目標として識別された狭窄領域内にステントを留置することができる。
【0079】
さらに、1つ以上のステントが動脈内に留置された後、血管造影中に実施される2回目の血管内引き戻し等の第2の画像化セッションが実施される。動脈の第2の表現を生成することができ、再位置決め又は拡張された1つ以上のステントを査定することができる。
【0080】
一部において、本開示は、プロセッサベースのステント留置評価器又は評価システムに関する。システム又は評価器は、1つ以上のメモリデバイス及びメモリデバイスと通信状態にあるコンピューティングデバイスを含み、メモリデバイスは、ステント検出を実施した後に血管の1つ以上の表現をコンピューティングデバイスに生成させるコンピューティングデバイスによって実行可能な命令を含み、それにより、閾値又は他のメトリックに対して達成されたステント拡張のレベルは、カテラボで被検者が過ごす時間を低減するようエンドユーザに情報を迅速に提示するために、適切な印又はグラフィックユーザインタフェース要素によって表示することができる。ユーザは、
図5A等の図示するインタフェース特徴を使用して血管及び種々のパラメータを測定することができる。さらに、診断情報がエンドユーザにとって利用可能になると、エンドユーザは、必要な直径に基づいて適切なバルーンを選択して、ステントを更に拡張させ、それにより、狭窄領域内の血流を増加させ、フォローアップ処置を回避することができる。
【0081】
図5Aにおいて、種々のユーザインタフェースパネルが示される。種々のソフトウェアモジュールの使用及び
図8のソフトウェアパイプラインからの操作から決定される種々の測定値は、測定インタフェースパネル267に示すように決定し表示することができる。所与の管腔輪郭について、面積、平均直径、半径、最小直径、及び最大直径を決定し表示することができる。検出されるステントの種々の領域は、管腔L並びにR1及びR2がラベル付けされる中央プロファイルビュー211bの強調表示領域に示される。1つの実施形態において、ステントが90%まで又は閾値を超えて膨張したステントの長さに沿う領域は、白色としてすなわち領域225として示される。血管内の最小ステント面積(MSA)はまた、種々の図においてカーソル227によってかつMSAによって示される。MSAにおけるステントの拡張は、約48%として示される。白色及び赤色に対する参照は、カラー又は印を区別する1つの例に過ぎない。他の印を、所与の実施形態において使用することができる。
【0082】
ステントが、血管の1つ以上の領域内で不十分に拡張しているとして検出された場合、ユーザインタフェースの一部として、色の赤又は別の視覚的キュー等の印220が使用されて、ステントが、目標拡張レベルまで、この例では90%まで、又は、その拡張レベルを超えて拡張した領域、領域225を医師に示すことができる。
【0083】
一部において、本開示は、診断システムを使用して生成される血管内データ等の診断データに対して実施される操作及び方法に関する。そのようなシステムの例は、光コヒーレンス断層撮影システム、血管内超音波画像化システム、及び他の血管内データ収集システムを含むことができる。本明細書で述べる方法及びシステムは、血管内データを収集するために1回以上の画像化引き戻しを実施する種々のステップ及び処理ステージを使用することができる。1回以上の引き戻し画像化セッションのそれぞれ又はサブセットはまた、血管造影システムを使用して並列に画像化することができる。
【0084】
本開示は、ステント計画を支援するのに適する診断及び処置情報(procedural information)システムの一部としての、ステント検出及びステント表現に関連する種々の方法、システム、及び装置に関する。一部において、本開示は、2015年7月24日に出願され、「STENT AND VESSEL VISUALIZATION AND DIAGNOSTIC SYSTEMS, DEVICES, AND METHODS」という名称であり、米国特許出願公開第20160022208号として公開された特許出願、及び、2013年3月12日に出願され、「METHOD AND APPARATUS FOR AUTOMATED DETERMINATION OF A LUMEN CONTOUR OF A STENTED BLOOD VESSEL」という名称であり、米国特許出願公開第20150297373号として公開された特許出願に記載されている実施形態及び特徴を含み、それらの特許出願のそれぞれの全開示は引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0085】
一部において、本開示は、1つ以上の画像化モダリティを使用して血管を画像化し、画像化モダリティを共記載し、画像化された血管を、検出されたステントがその血管に対して示された状態で表現するのに適するコンピュータベースの方法、デバイス、及びシステムに関する。ステントの不十分な拡張及び所定の目標拡張レベル内の拡張のレベルも示される。種々のシステム及び画像化モダリティは、本明細書で開示するように、ステントをどのように適切に拡張させるかという問題を解決するために使用することができる。例示的なシステムに関連する更なる詳細は、
図1A及び
図1Bに関して本明細書で論じられる。ステント拡張の技術的課題に対処する診断ガイダンスを提供するために使用されるシステムの出力を説明することは有益である。
【0086】
管腔Lとラベル付けされている血管の2次元ビューは、グラフィックユーザインタフェースパネル209に示される。B又はYとしてラベル付けされるラインセグメントは、下部パネル215内のセグメントに対応する。管腔プロファイルパネル211は、インタフェース200全体の中央に示される。管腔プロファイルビューは、2つの中心参照フレームR1及びR2を有し、中心参照フレームR1及びR2は、ステントが検出され、図示する表現内に表示された血管のセクションを境界付ける。
【0087】
図2Bは、管腔プロファイル211のグラフィカルユーザインタフェースのズームインビューを示し、ステントのエンドポイントは垂直ドットラインEP1及びEP2で示される。ステントのこれらのエンドポイントは、血管のセグメントのサブセットにまたがる、検出されたステントストラットを使用して決定される。
【0088】
1つの実施形態において、オフセット距離は、画像データのフレーム内で検出される第1のステントストラットの縁及び画像データのフレーム内で検出される最後のステントストラットの縁からシフトさせるために使用される。第1の参照フレーム及び第2の参照フレームを使用して補間されるテーパリングプロファイルは、健康な管腔プロファイルをモデル化するために使用されるべき幾何学的値を、端部のステントストラットが捨てる場合、不正確にモデル化される可能性がある。したがって、ステントの端部から或る距離だけ離れるシフト距離、オフセット、又は血管表現に沿う位置が選択される。これらの距離は、
図2BにおいてD1及びD2として示される。これらは、テーパリングプロファイル290を示す管腔プロファイル211aを生成するために使用することができ、その管腔プロファイル211aは、本明細書で示され述べられるステント留置管腔プロファイルを比較するための基礎として使用することができる。
【0089】
ステントを留置する場合、正常/健康組織である着地ゾーンを選択することが有利であり、これは、ステントが実際に、どれほど拡張したか/不十分に拡張したかに基づいて生じる管腔プロファイルについてのベースライン比較器として、完全に拡張した健康な血管のシミュレーションの補間を容易にする。1つの実施形態において、カーソル又は他のオンスクリーンユーザインタフェース要素が、参照ポイントR1及びR2等のステント留置領域の両方の端部に配置される。断面積又は別の血管パラメータは、ステント留置領域の両方の端部に関して自動的に表示される。D1及びD2オフセットは、EP1、EP2のステントエンドポイントからR1、R2をシフトさせることによって計算することができる。
【0090】
図4A及び
図4Bは、最近ステント留置され画像化された血管と比較するために、画像化された血管の健康なバージョンの管腔プロファイルモデル/表現を生成するのに適する、図示する1つ以上の側枝を含む血管の概略的表現を示す。ステント検出が終了した後に実施され測定されたステント拡張の実際のレベルと比較するための基礎を生成するため、テーパリングプロファイルを補間するために種々の方法を使用することができる。
【0091】
冠動脈等の画像化される血管は、近位から遠位にテーパが付き(taper)、その間の側枝のサイズはテーパの量に影響を及ぼす。テーパリングの一部として、近位から遠位に移動するとき、血管直径は減少する。側枝を横断するときの直径の逓減(step down)は、中間側枝の直径に正比例する。
図4Aは中間側枝SBによるテーパリングを示し、D
proxは近位血管の直径であり、D
distは遠位参照の直径であり、Bは中間側枝の直径であり、スケーリング指数(scaling exponent)(exp)は、本明細書で開示されるモデル及び関連する式に従ってかつ本明細書で開示するように、種々の値に及ぶ。
【0092】
単一側枝についての血管テーパリングプロファイル又は関係は、遠位及び近位参照フレーム並びに複数の中間側枝を使用して、ステント留置セグメント内の理想的なテーパを計算するために使用することができる。図示するように、
図4Bにおいて、近位セグメントから遠位セグメントへのテーパリングは、2つの中間側枝とともに示される。増分δ
1及δ
2は、近位セグメントから遠位セグメントへの連続したテーパ付き参照を提供するために血管スケーリング則を使用して計算することができる。
【0093】
図4Bに示すように複数の中間側枝が存在する場合、各側枝による増分が計算される必要があり、中間参照直径D
iを計算することができる。中間参照直径は、その後、近位参照セグメントから遠位参照セグメントへのテーパの連続推定を可能にするであろう。テーパリングプロファイルを生成するために他の補間技法を使用することもできる。1つの実施形態において、以下の関係が使用される。
【数1】
【0094】
側枝の場所及び直径を測定することができ、一方、遠位及び近位参照フレーム直径は既知である。個々の増分δ1及δ2は、未知であり、計算される必要がある。任意の数の中間側枝について使用することができる増分を推定する一般化手法は以下に示される。
【0095】
近位参照直径と遠位参照直径との差は、
【数2】
であり、d
proxは近位参照フレームの直径であり、d
distは遠位参照フレーム直径である。
【数3】
δ
iは、N個の全分枝に関してi番目の分枝における遠位参照から近位参照への増分又は逓増(step up)である。各分枝におけるセグメント増分は、スケーリング則指数で累乗された分枝Bの直径に正比例する。
【数4】
i番目のセグメントにおける増分δ
iに対するi番目の分枝の寄与は、
【数5】
である。セグメントiにおける参照プロファイルの直径は、
【数6】
として計算される。
【0096】
種々の実施形態において、テーパ付き参照プロファイル/テーパリングプロファイル290は、
図3及び
図7等の管腔プロファイル上に示される。テーパの増分は、管腔プロファイル上で示すように自動的に検出された各側枝において起こる。近位及び遠位フレームは、ステント検出特徴を使用して自動的に位置特定される。
図3はまた、最小拡張フレーム(EXP)の場所及びそのフレームの拡張パーセンテージ及びMSAフレームを示す。
【0097】
適応的な理想的参照プロファイルは、側枝による血管の自然のテーパを使用して計算される。式1の遠位参照及び近位参照と中間側枝との間の数学的関係が存在する。
【数7】
ここで、D
proxは近位血管の直径であり、D
distは遠位参照の直径である。Bは中間側枝の直径である。遠位参照と近位参照との間に主要な側枝が検出されない場合、各場所における理想的な管腔直径が、遠位参照と近位参照との間の線形補間を使用することによって計算される。
【0098】
複数の側枝の場合、遠位参照フレームと近位参照フレームとの間の理想的な参照プロファイルは、側枝ごとに段差(step)を持ってテーパが付き、より大きい側枝はより大きい段差に比例的に寄与する。これは、テーパリングプロファイル290のドットラインにおいて見ることができる。
【0099】
遠位参照フレーム及び近位参照フレームが同じセグメント内にある場合、ステントプロファイルは、遠位参照フレームと近位参照フレームとの間の線形補間である。1つの実施形態において、1つ以上のユーザ選択参照フレームに応答して目標ステントプロファイルを決定する方法は次の通りである。参照フレーム間の側枝の総数はNとして入力される。
【0100】
例えば、4個(N=4)の側枝が、図示するセグメントの最も遠位のフレームと最も近位のフレームとの間に示される場合、側枝は、SBとして又は視覚的キューとしての円若しくはドットとして示され、例えば、
図5Aにおいて、1つの側枝は管腔の上部にあり、3つの側枝は下部に配設される。exp=2.3はスケーリング指数である。1つの実施形態において、exp値は約2以上から約3以下に及ぶ。このexp値は、ユーザ選択参照フレーム間のセグメントのテーパのスケーリングを記述する。正常な被検者において、exp値は約2.2~約2.7に及ぶ。1つの実施形態において、exp値は約7/3又は約2.3333である。他の実施形態において、expは約3より小さい。
【0101】
近位参照直径と遠位参照直径との差は、
【数8】
であり、d
proxは近位参照フレームの直径であり、d
distは遠位参照フレーム直径である。
【数9】
δ
nはn番目の分枝におけるステントセグメントの増分(計算される)である。各分枝におけるセグメント増分は、スケーリング則指数で累乗された分枝の直径に比例する。
【数10】
セグメントn+1におけるステントの直径:
【数11】
【0102】
上記セグメント直径はデルタ測定値(delta measurement)を提供し、デルタ測定値によって、テーパ付き境界が血管セグメントにわたって生成されるときに、目標ステントプロファイルの上側及び下側テーパの境界が、デルタ測定値等の量の段階的変化を受ける。血管内の健康な領域に関するこのテーパリング及び情報は、健康な血管を表す管腔プロファイル、すなわちステントの長さにわたる適切なステント拡張によって達成可能な管腔プロファイルを補間するために使用することができる。
【0103】
ステントが留置された後、ステント検出アルゴリズムはステント留置管腔領域を位置特定する。ステント留置領域内の管腔プロファイルは、ステントの検出されたエンドポイントからの血管シフト、距離D1及びD2の第1の位置と第2の位置との間で補間することによって生成される第2の管腔プロファイルと比較される。そのそれぞれのエンドポイントに対応するステントの着地ゾーンは、血管内の健康な組織と相関される。検出されたステントのエンドポイントに対して距離D1及びD2にわたってシフトさせることによって、2つの健康な管腔の直径、面積、コード等を選択することができる。これらの2つの選択された距離は、血管のテーパリングプロファイル並びに他の血管パラメータ及びモデルとともに、1つ以上の管腔プロファイルビューに示すことができるテーパリングプロファイル290を補間するために使用することができる。
【0104】
任意の過剰な又は不十分な拡張は、各プロファイルについての同じ位置の幾何学的値に基づいて、2つの管腔プロファイルビュー、測定された及び補間された比又は他のメトリックを比較することによって判定することができる。ステントに沿う各ポイントについて、理想的なステント拡張からの結果を示す、補間された管腔プロファイルビューからの直径又は面積等の値の比は、検出されたステントストラットを使用して生成された管腔プロファイルの対応する面積又は直径の値に対して生成することができる。検出されたステントストラットから生成されるプロファイルは、血管内で位置決めするためのステントを最初に拡張するためにバルーンが使用されたときに取得された拡張のレベルを表す。ステントは、目標着地ゾーンに留置される。これらの着地ゾーンの選択によって、1つの実施形態において、健康である、選択されているそのようなゾーンとの相関は、ステント拡張を査定する技術的課題に対処するための測定可能なパラメータとして使用されてきた。これらの及び他のメトリックを、ステント拡張アセスメント及び是正の一部としてエンドユーザ用のツールを生成するために使用することができる。
【0105】
本明細書で述べるシステム及びソフトウェアベースの方法は、血管に関して取得される光コヒーレンス断層撮影データのフレームを処理することができ、それにより、血管内に配設されるステントを、評価する又はその他の方法で特徴付けることができる。1つの実施形態において、各断面画像はOCT画像データのフレームを構成することができる。例えば、1つの実施形態において、そのようなステントは、収集された画像データを使用して生成された血管の3次元又は2次元画像を示すグラフィックユーザインタフェース上で識別される。
【0106】
本明細書で述べるソフトウェアモジュール並びにステント留置血管拡張評価及び表示特徴は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を使用して実装することができる。1つの実施形態において、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムを記憶し、プログラムは、コンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングデバイスに、血管内画像データ及び血管内パラメータを処理する又はその他の方法でそれに作用するための方法を実施させる。それぞれの方法は、本明細書で概説するステップの1つ以上を含むことができる。
【0107】
本明細書で述べるシステム及びソフトウェアベースの方法は、血管に関して取得される光コヒーレンス断層撮影データのフレームを処理することができ、それにより、血管内に配設されるステントを、評価する又はその他の方法で特徴付けることができる。1つの実施形態において、各断面画像は画像データのフレームを構成することができる。例えば、1つの実施形態において、そのようなステントは、収集された画像データを使用して生成された血管の3次元又は2次元画像を示すグラフィックユーザインタフェース上で識別される。
【0108】
本明細書で述べるソフトウェアモジュール並びにステント留置血管拡張評価及び表示特徴は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を使用して実装することができる。1つの実施形態において、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムを記憶し、プログラムは、コンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングデバイスに、血管内画像データ及び血管内パラメータを処理する又はその他の方法でそれに作用するための方法を実施させる。それぞれの方法は、本明細書で概説するステップの1つ以上を含むことができる。1つの実施形態において、ステント拡張閾値は約90%~約100%の範囲である。1つの実施形態において、ステント拡張閾値は約80%~約90%の範囲である。1つの実施形態において、ステント拡張閾値は約85%~約95%の範囲である。1つの実施形態において、ステント拡張閾値は約75%~約85%の範囲である。
【0109】
ステント拡張アセスメント及びユーザフィードバックを実施するための非制限的なソフトウェア特徴及び実施形態
一部において、本開示は、ステントを可視化するためのコンピュータベースの方法、システム、及びデバイスに関する。1つの実施形態において、本開示は、ステント留置血管の拡張、及び、更なる拡張が必要とされるか否か又はステント再位置決めが必要とされるか否かを評価する方法に関する。これらの評価方法は、ステントの1つ以上のビューを、血管に対して拡張した状態等、種々の状態で表示すること、及び、画像化されたステントを、1つ以上の選択されたステントプロファイルに対して比較することを含むことができる。1つの実施形態において、方法は自動的に実施される。本開示の方法は、ステント計画ソフトウェア及び病変前処置(lesion preparation)ソフトウェアを含むことができる(又はその逆も同様である)ステントプロファイル解析ソフトウェア等のソフトウェアを使用して実装することができる。
【0110】
ステントは、ステント未留置血管セグメントに対して取得され、その後、ステント留置血管と比較されるOCT、IVUS、血管造影、又は他のプローブデータを使用して留置するために選択することができる。ステント計画のステント留置及びステント未留置ステージは、その後、1つ以上のグラフィックユーザインタフェース(GUI)の一部として拡張状態又は未拡張状態で長手方向に又は断面ビューで表示することができる。そのようなインタフェースは、OCTシステム、IVUSシステム、血管造影システム、又は他のデータ収集システムを使用して取得される距離測定値を使用して生成される血管の1つ以上のビューを含むことができる。
【0111】
2回目の引き戻しは、更なる膨張又は再位置決め又は除去を実施できるように、ステント留置直後に実施することができる。これらは、価値ある時間が節約されること及びフォローアップ処置についての必要性をもたらすことができる。
【0112】
収集されたOCTデータを血管及びステントの2次元及び3次元ビューに変換し、ステント展開に対してプロファイルを比較するための例示的な画像データ処理パイプライン350は
図8に示される。画像データ処理パイプライン又は本明細書で述べる方法のうちの任意の方法は、メモリに記憶され、プロセッサ、デバイス、又は他の集積回路等の1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して実行される。1つの実施形態において、コンピューティングデバイス340は、側枝検出モジュール、ガイドワイヤ検出モジュール、管腔検出モジュール、ステント展開解析ソフトウェア、ステント拡張解析及び表示ソフトウェア、例えば
図1Aのソフトウェア67、及び、他のソフトウェアモジュール等のソフトウェアモジュール又はプログラムを含む又はそれにアクセスする。ソフトウェアモジュール又はプログラムは、画像データ処理パイプライン又はそのコンポーネントモジュール及び1つ以上のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含むことができる。
【0113】
図示するように、
図8において、1つ以上のディスプレイ346は、本明細書で示され開示される血管セグメントビュー及びプロファイル等の、収集された血管内データ及び血管造影データを使用して生成される血管の断面ビュー及び長手方向ビュー等の情報を示すために使用することができる。これらのディスプレイ346は
図1Bに示すように配置することができる。この情報は、1つ以上のグラフィックユーザインタフェース(GUI)を使用して表示することができる。さらに、この情報は、限定することなく、断面スキャンデータ、長手方向スキャン、管腔プロファイル、VRR値、FFR値、ステント、不完全密着(malapposition)エリア、管腔境界、拘留された(jailed)側枝、及び、血管の他の画像若しくは表現、又は、システム355及びデータ収集プローブを使用して取得される基礎になる距離測定値を含むことができる。1つの実施形態において、コンピューティングデバイス340はまた、1つ以上のメモリデバイスに記憶することができるソフトウェア又はプログラム344を含むことができ、ソフトウェア又はプログラム344は、テキスト、矢印、色分け、強調表示、輪郭ライン、又は他の適切な人間若しくは機械可読印によって等で、目標ステントプロファイル、管腔輪郭、並びにステント拡張値及び目標、並びに、他の血管特徴を識別するように構成される。ソフトウェアモジュールパイプラインは、ステント拡張解析及び表示をサポートし、提供する特徴を含むことができる。種々の印を、印適用モジュール370を介して適用して、検出され生成される動脈画像データ及び生成されるプロファイルビュー及びステント関連パラメータの任意のもの及び全てを強調し区別することができる。
【0114】
画像データは、OCT若しくはIVUS画像データ用のプローブ又は血管造影システム等の他の画像化システムによって取得され、メモリに記憶されると、引き戻し領域の長さ又はそのサブセットに沿う血管の断面ビュー、長手方向ビュー、及び/又は3次元ビュー等の情報を生成するために処理することができる。これらのビューは、種々の図において示すユーザインタフェースの一部として示すことができる。OCTシステムから取得される距離測定値を使用して生成される血管の画像は、血管及び血管内に配設された対象(objects)に関する情報を提供する。
【0115】
図示するように、パイプラインは、血管を画像化する初期引き戻し後に生ずることになるステント展開後(post stent deployment)引き戻しデータ352を受信することができる。ユーザ選択を、GUIを介して受信することができ、ステント計画データを、
図1Aのソフトウェア67等のステントプロファイル又はステント展開解析ソフトウェアに転送することができる。ガイドワイヤ検出354、側枝検出356、ステント検出358、及び管腔検出モジュール360は、収集されたスキャンラインとすることができるステント展開後引き戻しデータに作用することができる。ステント拡張解析及び表示ソフトウェア362は、検出されたステントを検出された管腔輪郭に対して評価すること、ステント拡張を計算すること、MSAを計算すること、ステントパラメータを測定すること、及び、動脈に沿う異なるフレームにおいてステントの拡張レベルを示すこと等の本明細書で述べる種々のステップ、並びに本明細書で開示する他の特徴及び方法を実施することができる。さらに、パイプラインは、血管造影データに対してステント拡張データを示すために、血管造影データ及び血管内データを共記載するための共記載ソフトウェアを含むことができる。1つの実施形態において、ステント拡張は、プローブが動脈のセクションを通って引き戻される2回以上の血管内画像化引き戻しセッションからのデータを使用して評価される。
【0116】
以下の説明は、本明細書で述べる本開示の方法を実施するのに適するデバイスハードウェア及び他の操作コンポーネント(operating components)の概要を提供することを意図される。この説明は、適用可能な環境又は本開示の範囲を限定することを意図されない。同様に、ハードウェア及び他の操作コンポーネントは、上述した装置の一部として適するものとすることができる。本開示は、パーソナルコンピュータ、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの又はプログラマブルな電子デバイス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等含む、他のシステム構成を用いて実施することができる。本開示はまた、カテーテル又はカテラボの異なる部屋内等の、通信ネットワークを通してリンクされる遠隔処理デバイスによってタスクが実施される分散コンピューティング環境において実施することもできる。
【0117】
詳細な説明の幾つかの部分は、コンピュータメモリ内でのデータビットに対する操作のアルゴリズム及び記号表現によって提示される。これらのアルゴリズム記述及び表現を、コンピュータ及びソフトウェア関連分野の当業者によって使用することができる。1つの実施形態において、アルゴリズムは、本明細書では、一般的に、所望の結果をもたらす操作の自己一貫性シーケンス(self-consistent sequence)であると考えられる。方法ステップとして実施される又は本明細書でその他の方法で述べる操作は、物理量の物理的マニピュレーション(manipulations)を必要とする操作である。必ずしもそうではないが通常は、これらの量は、記憶される、転送される、結合される、変換される、比較される、及びその他の方法でマニピュレートされることが可能な、電気信号又は磁気信号の形態を取る。
【0118】
別段の定めがない限り、以下の議論から明らかなように、説明全体を通して、「処理する(processing)」、「計算する(computing)」、「オーバーレイする(overlaying)」、「探索する(searching)」、「検出する(detecting)」、「測定する(measuring)」、「計算する(calculating)」、「比較する(comparing)」、「生成する(generating)」、「決定(determining)」又は「表示する(displaying)」などの用語又はブール論理又は操作に関連する他のセット等を利用する議論は、コンピュータシステム又は電子デバイスの動作(action)及びプロセスを指し、その動作及びプロセスは、コンピュータシステムの又は電子デバイスのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータをマニピュレートし、電子メモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶デバイス、伝送デバイス、又は表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換することが、認識される。
【0119】
本開示はまた、幾つかの実施形態において、本明細書の操作を実施するための装置に関する。この装置は、要求される目的のために特別に構築することができる、または、この装置は、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動又は再構成された汎用コンピュータを含むことができる。
【0120】
本開示の実施形態は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、又は汎用コンピュータ)とともに使用するためのコンピュータプログラムロジック、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス)とともに使用するためのプログラマブルロジック、ディスクリートコンポーネント、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、又はその任意の組み合わせを含む任意の他の手段を含むが、それらに全く限定されない多くの異なる形態で具現化することができる。本開示の典型的な実施形態において、OCTプローブ及びプロセッサベースのシステムを使用して収集されるデータの処理の一部又は全ては、コンピュータプログラム命令のセットとして実装され、その命令のセットは、コンピュータ実行可能な形式に変換され、コンピュータ可読媒体にそれ自体記憶され、オペレーティングシステムの制御下でマイクロプロセッサによって実行される。こうして、クエリ応答及び入力データは、画像化データを生成し、管腔境界を検出し、ステントストラットを検出し、測定された垂直距離を設定閾値と比較し、画像比較、信号処理、管腔検出、ステント検出、及び検出されたステントの比較、並びに、上述した他の特徴及び実施形態をその他の方法で実施するのに適するプロセッサ理解可能な命令に変換される。
【0121】
本明細書において上述した機能の全部又は一部を実施するコンピュータプログラムロジックは、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、及び種々の中間形式(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ、又はロケータによって生成される形式)を含むが、それらに全く限定されない、種々の形式で具現化することができる。ソースコードは、種々のオペレーティングシステム又はオペレーティング環境とともに使用するために、種々のプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、又は、Fortran、C、C++、JAVA(登録商標)、又はHTML等の高水準言語)のいずれかで実装された一連のコンピュータプログラム命令を含むことができる。ソースコードは、種々のデータ構造及び通信メッセージを規定し、使用することができる。ソースコードは、(例えば、インタプリタを介して)コンピュータ実行可能な形式とすることができる、又は、ソースコードは(例えば、トランスレータ、アセンブラ、又はコンパイラを介して)コンピュータ実行可能形式に変換することができる。
【0122】
コンピュータプログラムは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、又は他のメモリデバイス等の有形の記憶媒体に任意の形式(例えば、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、又は中間形式)で永続的又は一時的に固定することができる。コンピュータプログラムは、様々な通信技術のうちの任意のものを用いてコンピュータに送信可能である信号に任意の形式で固定することができる。これらの通信技術には、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術が含まれるが、これらに全く限定されるものではない。コンピュータプログラムは、添付の印刷文書又は電子文書を有するリムーバブル記憶媒体(例えば、市販(shrink wrapped)ソフトウェア)として任意の形式で配布することもできるし、コンピュータシステム(例えば、システムROM又は固定ディスク)にプリロードすることもできるし、サーバ又は電子掲示板から通信システム(例えば、インターネット又はワールドワイドウェブ)を介して配信することもできる。
【0123】
本明細書において上述した機能の全て又は一部分を実施するハードウェアロジック(プログラマブルロジックデバイスとともに用いられるプログラマブルロジックを含む)は、従来の手動の方法を用いて設計することもできるし、コンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDL又はAHDL)、又はPLDプログラミング言語(例えば、PALASM、ABEL、又はCUPL)等の様々なツールを用いて電子的に設計、取り込み、シミュレーション、又は文書化することもできる。
【0124】
プログラマブルロジックは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット又は固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、又は他のメモリデバイス等の有形の記憶媒体に永続的又は一時的のいずれかで固定することができる。プログラマブルロジックは、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキング技術を含むが、これらに全く限定されない様々な通信技術のうちの任意のものを用いてコンピュータに伝送可能な信号に固定することができる。プログラマブルロジックは、添付の印刷文書又は電子文書を有するリムーバブル記憶媒体(例えば、市販ソフトウェア)として配布することもできるし、コンピュータシステム(例えば、システムROM又は固定ディスク)にプリロードすることもできるし、サーバ又は電子掲示板から通信システム(例えば、インターネット又はワールドワイドウェブ)を介して配信することもできる。
【0125】
適切な処理モジュールの種々の例は、以下でより詳細に論じられる。本明細書で使用するとき、モジュールは、特定のデータ処理タスク又はデータ伝送タスクを実施するのに適するソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェアを指す。典型的には、好ましい実施形態において、モジュールは、命令、又は、OCTスキャンデータ、IVUSスキャンデータ、干渉計信号データ、目標ステントプロファイル、ステント展開後管腔プロファイル及び画像、完全に拡張したステントを示す補間された管腔プロファイルビュー、完全に拡張した管腔プロファイルに対する拡張したステントベースの管腔プロファイルの幾何学的値の比、ステント拡張レベル印(カラー、ハッチング等)、ピクセル特性の強調表示/強調、側枝の場所、側枝直径、ステント拡張パーセンテージ又は割合、ステント留置前FFR値、ステント留置後FFR値、並びに、他のステント留置前及び後の値、他の関心情報等の、種々のタイプのデータを、受信し、変換し、ルーティングし、処理するのに適する、ソフトウェアルーチン、プログラム、又は他のメモリ常駐アプリケーションを指す。
【0126】
本明細書で述べるコンピュータ及びコンピュータシステムは、データを取得する、処理する、記憶する及び/又は通信するときに使用されるソフトウェアアプリケーションを記憶するためのメモリ等の、動作可能に連結されたコンピュータ可読媒体を含むことができる。そのようなメモリが、その動作可能に連結されたコンピュータ又はコンピュータシステムに関して、内部、外部、遠隔、又はローカルにあることができることを認識することができる。
【0127】
メモリはまた、例えば、限定することなく、ハードディスク、光ディスク、フロッピーディスク、DVD(デジタル多用途ディスク)、CD(コンパクトディスク)、メモリスティック、フラッシュメモリ、ROM(読み出し専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、PROM(プログラマブルROM)、EEPROM(拡張消去可能PROM)、及び/又は他の同様なコンピュータ可読媒体を含む、ソフトウェア又は他の命令を記憶するための任意の手段を含むことができる。
【0128】
概して、本明細書で述べる本開示の実施形態に関連して適用されるコンピュータ可読メモリ媒体は、プログラマブル装置によって実行される命令を記憶することが可能な任意のメモリ媒体を含むことができる。適用可能である場合、本明細書で述べる方法ステップは、単数又は複数のコンピュータ可読メモリ媒体上に記憶された命令として具現化又は実行することができる。これらの命令は、C++、C、Java等の種々のプログラミング言語及び/又は本開示の実施形態による命令を作成するために適用され得る種々の他の種類のソフトウェアプログラミング言語で具現化されたソフトウェアとすることができる。
【0129】
記憶媒体は、非一時的である、又は、非一時的デバイスを含むことができる。したがって、非一時的記憶媒体又は非一時的デバイスは有形であるデバイスを含むことができ、これは、デバイスが、その物理的状態を変更する場合があるが、具体的な物理的形式を有することを意味する。こうして、例えば、非一時的は、この状態の変化があったとしてもデバイスが有形のままであることを指す。
【0130】
本開示の態様、実施形態、特徴、及び例は、全ての点で例示的であると考えられ、本開示を限定することを意図するものではなく、その範囲は特許請求の範囲によってのみ規定される。他の実施形態、修正形態、及び使用法は、特許請求される開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。
【0131】
本出願における見出し及び段落の使用は、本開示を制限することを意味せず、各段落は、本開示の任意の態様、実施形態、又は特徴に適用することができる。
【0132】
本出願全体を通して、構成物が特定のコンポーネントを有する、含む、又は備えるものとして述べられる場合、又は、プロセスが特定のプロセスステップを有する、含む、又は備えるものと述べられる場合、本教示の構成物が、本質的に列挙されるコンポーネントからなる又は列挙されるコンポーネントからなること、及び、本教示のプロセスが、本質的に列挙されるプロセスステップからなる又は列挙されるプロセスステップからなることが企図される。
【0133】
本出願において、要素又はコンポーネントが、列挙された要素又はコンポーネントのリストに含まれる及び/又はそのリストから選択されると言及される場合、その要素又はコンポーネントが、列挙される要素又はコンポーネントのいずれか1つとすることができ、また、列挙される要素又はコンポーネントの2つ以上からなる群から選択することができることが理解されるべきである。さらに、本明細書で述べる構成物、装置、又は方法の要素及び/又は特徴を、本明細書において明示的であろうと暗黙的であろうと、本教示の趣旨及び範囲から逸脱することなく種々の方法で組み合わせることができることが理解されるべきである。
【0134】
用語「含む(include)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(have)」、「有する(has)」、又は「有している(having)」の使用は、別段の定めがない限り、一般にオープンエンドでかつ非限定的であると理解されるべきである。
【0135】
本明細書での単数形の使用は、別段の定めがない限り、複数を含む(逆の場合も同様である)。さらに、別段に文脈が明確に指示しない限り、単数形「一("a," "an")」及び「その(the)」は、複数形を含む。さらに、用語「約(about)」又は「実質的に(substantially)」の使用が定量値の前である場合に、本教示は、別段の定めがない限り、特定の定量値自体も含む。本明細書で使用される用語「約」又は「実質的に」は、例えば、現実の世界における測定又はハンドリング処置を通して、これらの処置における偶発的な誤差を通して、複合テープ等の材料の製造における差/不具合を通して、欠陥を通して起こり得る数量の変動、並びに、変動であって、そのような変動が従来技術によって実施される既知の値を包含しない限り、当業者によって同等であるものと認識されることになる、変動を指す。典型的には、用語「約」又は「実質的に」は、述べる値の1/10、例えば、±10%だけ、述べた値又は値の範囲より大きい又は小さいことを意味する。
【0136】
ステップの順序又は或る特定の動作を実施するための順序が、本教示が使用可能なままである限り、重要でないことが理解されるべきである。さらに、2つ以上のステップ又は動作を、同時に行うことができる。
【0137】
本出願における見出し及び段落の使用は、本開示を制限することを意味しない。各段落は、本開示の任意の態様、実施形態、又は特徴に適用することができる。語「する手段(means for)」を使用する特許請求項のみが、米国特許法112条6項の下で解釈されることを意図される。特許請求項において「する手段(means for)」の列挙が存在しない場合、そのような特許請求項は、米国特許法112条の下で解釈されるべきでない。本明細書からの制限は、そのような制限が特許請求の範囲に明示的に含まれない限り、いずれの特許請求項に読み込まれることも意図されない。
【0138】
値又は値の範囲が与えられる場合、各値及び所与の範囲のエンドポイント及びその間の値は、何らかの異なる範囲が特に述べられない限り、本開示の教示内に依然として留まりながら、20%だけ増加又は減少することができる。
【0139】
値の範囲又はリストが提供される場合、値のその範囲又はリストの上限と下限との間の介在する各値は、個々に企図され、各値が本明細書に具体的に列挙されているかのように本開示内に包含される。さらに、所与の範囲の上限と下限との間及びそれらを含むより小さい範囲が、企図され、本開示内に包含される。例示的な値又は範囲のリストは、所与の範囲の上限及び下限の間並びにそれらを含む他の値又は範囲を排除するものではない。
【0140】
本開示の図及び説明が、明確化のために他の要素を削除しながら、本開示の明確な理解のために適切である要素を示すように簡略化されていることが理解される。当業者は、しかしながら、これら及び他の要素が望ましい場合があることを認識するであろう。しかしながら、そのような要素が当技術分野でよく知られているため、また、それらの要素が本開示のより良い理解を促進しないため、そのような要素の説明は、本明細書において提供されない。図が、構造図としてではなく、例示のために提示されていることが理解されるべきである。省略された詳細及び修正形態又は代替的な実施形態は、当業者の知識の範囲内にある。
【0141】
本開示の或る特定の態様において、要素又は構造を提供するため、又は単数若しくは複数の所与の機能を実施するために、単一コンポーネントを複数コンポーネントに置き換えることができ、また、複数コンポーネントを単一コンポーネントに置き換えることができることを、認識することができる。そのような置換が本開示の或る特定の実施形態を実施するために使用可能でない場合を除いて、そのような置換は、本開示の範囲内にあると考えられる。
【0142】
本明細書に提示される例は、本開示の可能性のあるかつ具体的な実装態様を例示することを意図される。その例が、主に、当業者のために本開示の例示のために意図されることを、認識することができる。本開示の趣旨から逸脱することなく、これらの図又は本明細書で述べる操作に対する変形が存在する場合がある。例えば、或る特定の場合には、方法ステップ又は操作を、異なる順序で実施若しくは実行することができる、又は、操作を、追加、削除、若しくは修正することができる。
なお、本願の出願当初の開示事項を維持するために、本願の出願当初の請求項1~25の記載内容を以下に追加する。
(請求項1)
管腔を画定する血管内のステント拡張を評価する方法であって、
血管画像データの第1のセットを取得するために第1の画像化システムを使用してステント留置血管をスキャンすることと、
血管画像データの前記第1のセットを、前記第1の画像化システムと電気通信状態にある電子メモリデバイスに記憶することと、
1つ以上のソフトウェアモジュールを使用して前記ステント留置血管の長さに沿ってステントストラットを検出することと、
ステント拡張のレベルを示す前記血管のセグメントの第1の表現を生成することと、
前記検出されたステントストラットを使用して、前記ステントの第1の端部及び前記ステントの第2の端部を決定することと、
前記ステントの前記第1の端部からの第1のオフセット距離(D1)及び前記ステントの前記第2の端部からの第2のオフセット距離(D2)を規定することと、
前記セグメントのテーパリングプロファイルと組み合わせてD1及びD2を使用して、前記血管の前記セグメントの第2の表現を生成することと、
前記セグメントの前記長さに沿う異なる位置において、前記第1の表現に関連する第1の値を前記第2の表現に関連する第2の値と比較することによって、血管セグメントに沿う目標ステント拡張のレベルを決定することと
を含んでなる方法。
(請求項2)
前記血管は第1の処置中に1つ以上のステントを受け取り、前記ステント留置血管の前記スキャンは、前記第1の処置の延長としての診断解析として実施される、請求項1に記載の方法。
(請求項3)
前記第1の表現は前記ステント留置血管の第1の管腔プロファイルであり、前記管腔プロファイルは、前記セグメントの長さに沿うステントの実際の拡張レベルに基づいて生成される、請求項1に記載の方法。
(請求項4)
前記第2の表現は、D1及びD2のそれぞれにおける前記血管の幾何学的値に基づいて生成された第2の管腔プロファイルであり、前記第2の管腔プロファイルは、前記血管の前記幾何学的値及び前記テーパリングプロファイルに基づいて補間される、請求項3に記載の方法。
(請求項5)
前記方法は、前記セグメントに沿う1つ以上の側枝を検出することを更に含み、前記第2の管腔プロファイルの補間は、1つ以上の検出された側枝を使用して生成される、請求項4に記載の方法。
(請求項6)
前記血管の前記幾何学的値は、面積、直径、コード、ユークリッド距離メトリック、及び体積からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
(請求項7)
前記目標ステント拡張のレベルを決定することは、前記セグメントに沿う複数の位置における、前記第1の管腔プロファイルの前記第1の値と前記第2の管腔プロファイルの前記第2の値との比を使用して、ステント拡張閾値に対してステント拡張の程度を決定することを更に含む、請求項4に記載の方法。
(請求項8)
前記第1の表現は、前記血管の1つ以上のビューを含み、前記血管の1つ以上のビューは、検出されたステントストラット及び前記血管の前記管腔の表現を表示する、請求項1に記載の方法。
(請求項9)
前記ステント留置血管の前記スキャンは、光コヒーレンス断層撮影、血管造影、超音波、X線、光画像化、圧力検知、流れ検知及び断層画像化を使用して実施される、請求項1に記載の方法。
(請求項10)
前記ステント留置血管の前記スキャンは、前記血管を通して引き戻される血管内データ収集プローブを使用して実施される、請求項1に記載の方法。
(請求項11)
前記ステント留置血管の前記スキャンは、血管画像データの前記第1のセットからの影又は反射の1つ以上を使用して実施される、請求項1に記載の方法。
(請求項12)
D1及びD2は、ステントが留置されたときの、ユーザ選択目標着地ゾーンに対する近接性に基づいて選択される、請求項1に記載の方法。
(請求項13)
前記血管内でのステントの展開後に、血管管腔プロファイルを、1つ以上のコンピューティングデバイスを使用して生成することを更に含む、請求項1に記載の方法。
(請求項14)
前記血管の1つ以上のビュー及び/又は前記第1の血管表現を表示することと、前記血管の前記セグメントの長さに沿うステントの不十分な拡張の領域を示す1つ以上の視覚的キューを表示することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
(請求項15)
前記血管のセグメントの長さに沿う側枝を検出することと、前記側枝を前記管腔に対して表示することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
(請求項16)
前記側枝は、前記第1の表現に対して、ドット、楕円、円、又は他の形状として表示される、請求項15に記載の方法。
(請求項17)
前記第1の表現は、画像化システムのユーザインタフェースを使用して表示される、請求項1に記載の方法。
(請求項18)
前記血管を血管造影システムによってスキャンすることと、血管造影データに、前記検出されたステントストラット並びにステント拡張閾値を超えるステント拡張を示す第1の視覚的キュー及び前記ステント拡張閾値未満のステント拡張を示す第2の視覚的キューを共記載することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
(請求項19)
ステントを含む前記第1の表現の領域を視覚的に強調することを更に含む、請求項1に記載の方法。
(請求項20)
ユーザインタフェースは、前記領域に対して別の視覚的要素のコントラスト、輝度、カラーを変更することによって前記領域を強調する、請求項19に記載の方法。
(請求項21)
D1及びD2は、0.1mm~1.0mmに及ぶ距離から選択される、請求項4に記載の方法。
(請求項22)
前記方法は、前記セグメントに沿って1つ以上の側枝を検出することを更に含み、前記セグメントのテーパリングプロファイルを決定することは、少なくとも1つの検出された側枝の直径に基づいてプロファイルを調整することを含む、請求項1に記載の方法。
(請求項23)
最小拡張フレームを決定することと、前記最小拡張フレームの指標を表示することとを更に含む、請求項1に記載の方法。
(請求項24)
ステント留置血管内のステント拡張を評価するためのプロセッサベースのシステムであって、
1つ以上のメモリデバイスと、
前記メモリデバイスと通信状態にあるコンピューティングデバイスと
を備えており、前記メモリデバイスは前記コンピューティングデバイスによって実行可能な命令を含み、前記命令は、前記コンピューティングデバイスに対し、
血管画像データの第1のセットであって、第1の画像化システムによって前記血管をスキャンすることによって生成される、血管画像データの前記第1のセットを、前記第1の画像化システムと電気通信状態にある電子メモリに記憶することと、
1つ以上のソフトウェアモジュールを使用して前記ステント留置血管の長さに沿ってステントストラットを検出することと、
ステント拡張のレベルを示す前記血管のセグメントの第1の表現を生成することと、
前記検出されたステントストラットを使用して、前記ステントの第1の端部及び前記ステントの第2の端部を決定することと、
前記ステントの前記第1の端部からの第1のオフセット距離(D1)及び前記ステントの前記第2の端部からの第2のオフセット距離(D2)を規定することと、
前記セグメントのテーパリングプロファイルと組み合わせてD1及びD2を使用して、前記血管の前記セグメントの第2の表現を生成することと、
前記セグメントの長さに沿う異なる位置において、前記第1の表現に関連する第1の値を前記第2の表現に関連する第2の値と比較することによって、血管セグメントに沿う目標ステント拡張のレベルを決定することと
を実行させるシステム。
(請求項25)
前記第1の値は第1の面積又は第1の直径であり、前記第2の値は第2の面積又は第2の直径である、請求項24に記載のシステム。