(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20230629BHJP
【FI】
D06F39/08 331
D06F39/08 301B
(21)【出願番号】P 2020572500
(86)(22)【出願日】2019-06-25
(86)【国際出願番号】 KR2019007671
(87)【国際公開番号】W WO2020004911
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2018-0074393
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0075429
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】キム,クヮンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ハンソル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ホサン
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-139815(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02719814(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/136154(WO,A1)
【文献】特開2012-070810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機であって、
前面に形成された入口を有するケーシング;
前記ケーシング内に備えられ、水を収容し、かつ、前面に形成された投入口を有するタブ;
前記タブ内に回転可能に備えられたドラム;
円筒状であり、かつ、前記入口と前記タブの前記投入口を連結する通路を形成するガスケットボディを備えるガスケット;
前記ガスケットボディの外周面に沿って延長する分配管;
前記分配管は、
下から上への方向に、前記ガスケットボディの前記外周面に沿って延長する移送管路と、
前記ガスケットボディの前記外周面に面する前記移送管路の一側から突出する第1吐出ポート及び第2吐出ポートと、
前記移送管路の前記一側と反対の前記移送管路の他側から突出する流入ポートと、を備え、
前記ガスケットボディに配置され、かつ、前記第1吐出ポートに連結される第1ノズル;
前記ガスケットボディに配置され、かつ、前記第2吐出ポートに連結され、前記第1ノズルの上に位置する第2ノズル;
前記タブから前記流入ポートに排出される水を汲み出すように構成されたポンプ;
前記流入ポート及び前記ポンプを連結する循環管;を備えてなり、
前記流入ポート、前記第1吐出ポート、及び前記第2吐出ポートは、前記移送管路に沿って順次配置され、
前記流入ポートは、下から上への方向に、前記第1吐出ポートと前記ガスケットボディの下端の間に配置される、洗濯機。
【請求項2】
前記流入ポート及び前記第1吐出ポートは、下から上への方向に、配置されることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記分配管はペア(pair)であり、
分配管のペアは、前記通路の中心を備え、かつ、正面及び背面方向及び下から上への方向に拡張される仮想の基準平面に関して対称に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記第1吐出ポート及び前記第2吐出ポートは、前記通路の中心を備え、かつ、正面及び背面方向及び下から上への方向に拡張される仮想の基準平面に向かう方向に拡張され、及び、
前記流入ポートは、前記基準平面から離れる方向に拡張されることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記移送管路は、
前記第1吐出ポート及び前記第2吐出ポートがこれから突出する第1管路部と、
前記流入ポートが突出し、かつ、前記第1管路部の下端から前記ガスケットボディの前記外周面に向かう方向に折曲される第2管路部と、を備えることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記第2管路部は、前記流入ポートと前記第1吐出ポートの間で折曲することを特徴とする、請求項
5に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記流入ポートは、前記第2管路部から下向きに傾斜した方向に拡張されることを特徴とする、請求項6に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記流入ポートは、前記第2管路部と直角をなすことを特徴とする、請求項5~7の何れか一項に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記ガスケットは、
前記第1ノズルと連通し、かつ、前記第1吐出ポートと連結する第1ポート挿入管と、
前記第2ノズルと連通し、かつ、前記第2吐出ポートと連結する第2ポート挿入管と、を更に備えてなり、
前記第1ポート挿入管及び前記第2ポート挿入管は、前記ガスケットボディの外部面から水平方向に拡張されることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記第1吐出ポート及び前記第2吐出ポートは互いに平行であることを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の洗濯機。
【請求項11】
前記ポンプは、前記ケーシングの内側、前記ガスケットの下に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【請求項12】
前記第1吐出ポートは、前記第2吐出ポートより前記流入ポートに近いことを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関し、より詳細には、タブから排出されて循環管に沿って循環された水をドラム内に噴射するノズルを備えた洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
大韓民国公開特許10-2018-0131894(以下、「従来技術」という。)は、ポンプにより圧送された循環水をドラム内に噴射するノズルを備えた洗濯機を開示している。前記洗濯機は、外観を形成するケーシングと、水が溜まるタブとの間に介在するガスケットの内周面に沿って多数のノズルが備えられ、前記ガスケットの外周面から突出した多数のポート挿入管が前記ノズルとそれぞれ連通する。
【0003】
前記ポンプにより圧送された水(循環水)を案内する案内管が備えられ、前記案内管は、環状の流路から突出した多数の吐出ポートが前記多数のポート挿入管にそれぞれ挿入される。
【0004】
それぞれの前記ポート挿入管は、前記ガスケットの外周面から大略半径方向外側に突出した形態であり、これに対応してそれぞれの前記吐出ポートも前記環状の流路から半径方向内側に突出している。
【0005】
前記案内管は、前記環状の流路から突出して循環管と連結される循環管連結ポートを含み、前記循環管は前記ポンプと連結される。前記ポンプにより圧送された水が前記循環管に沿って案内されて前記循環管連結ポートに流入される。
【0006】
前記循環管連結ポートから排出された水は、前記環形の流路に流入して前記流路の内側面にぶつかって二股に分岐した後、前記流路に沿って上側に移送されながら吐出ポートを介して順次吐出される。この時、前記循環管連結ポートから排出された水が前記流路の内側面にぶつかる過程で抵抗が発生し、このような抵抗は騒音を誘発するだけでなく、流動に撹乱を起こして二股に均一に流動を分配することを妨げる要因となる。
【0007】
また、それぞれの前記ポート挿入管に前記吐出ポートが挿入される方向が異なるため、2つ以上の吐出ポートを2つ以上のポート挿入管に組み立てることが容易でない問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、第1に、循環水をノズルに案内する分配管が1つの移送管路から分岐した複数の吐出ポートから構成され、ガスケットには前記複数の吐出ポートと対応して複数のポート挿入管が形成されることにより、前記複数の吐出ポートから水流が均一に噴出できる洗濯機を提供することにある。
【0009】
第2に、前記移送管路とポンプを連結する循環管の設置位置を最適化した洗濯機を提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、第1に、ドラム内に循環水を噴射する複数のノズルがガスケットに備えられる洗濯機を提供するものの、前記ガスケットが射出方式で容易に成形できる構造を有する洗濯機を提供することにある。
【0011】
第2に、ガスケットの左右両側にそれぞれ2つ以上のノズルを備え、前記ノズルに循環水を供給する給水ポートを固定するポート挿入管が前記ガスケットに一体に形成された洗濯機を提供することにある。
【0012】
第3に、前記ポート挿入管が互いに平行に配置される洗濯機を提供することにある。
【0013】
第4に、前記ノズルに循環水を供給する分配管を前記ガスケットに容易に組み立てることができる洗濯機を提供することにある。
【0014】
本発明の課題は、以上で言及した課題に限定されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の洗濯機は、前面に投入口が形成されたケーシング内にタブが備えられ、前記タブ内にはドラムが回転可能に備えられ、前記タブにはガスケットが設置される。
【0016】
前記ガスケットは、前記タブの前面に形成された入口と前記投入口を連結する通路を形成するガスケットボディと、前記ガスケットボディの内周面に備えられる第1ないし第4ノズルとを含む。
【0017】
前記ガスケットボディを左右に配分して第1領域と第2領域に区分するとき、前記第1、第2ノズルは前記第1領域において下から上へ順に配置され、前記第3、第4ノズルは、前記第2領域において下から上へ順に配置される。
【0018】
前記ガスケットは、前記第1ないし第4ノズルとそれぞれ連通する第1ないし第4ポート挿入管を備える。前記第1、第2ポート挿入管は、前記第1領域において前記ガスケットボディの外周面から突出する。前記第3、第4ポート挿入管は、前記第2領域において前記ガスケットボディの外周面から突出する。
【0019】
前記タブから排出された水を圧送する少なくとも1つのポンプが備えられる。前記ポンプにより圧送された水が第1分配管と第2分配管を介して前記第1ないし第4ノズルに案内される。
【0020】
前記第1分配管は、前記第1領域において前記ガスケットと結合される。前記第1分配管は、前記少なくとも1つのポンプにより圧送された水の一部が流入する第1流入ポートと、前記第1流入ポートを介して流入した水を上側に案内する第1移送管路と、前記第1移送管路上において下から上へ順に分岐されて前記第1、第2ポート挿入管とそれぞれ連結される第1、第2吐出ポートとを備える。
【0021】
前記第2分配管は、前記第2領域において前記ガスケットと結合される。前記第2分配管は、前記少なくとも1つのポンプにより圧送された水の他の一部が流入する第2流入ポートと、前記第2流入ポートを介して流入した水を上側に案内する第2移送管路と、前記第2移送管路上において下から上へ順に分岐されて前記第3、第4ポート挿入管とそれぞれ連結される第3、第4吐出ポートとを備える。
【0022】
前記第1移送管路を基準に第1側と第2側を定義するとき、前記第1流入ポートは、前記第1移送管路を基準に前記第1、第2ポート挿入管の反対側に位置してもよい。
【0023】
前記第1分配管と前記第2分配管は左右対称に配置されてもよい。
【0024】
前記通路を二分する仮想の垂直な基準面を定義するとき、前記第1、第2吐出ポートは前記基準面と近くなる方向に延長され、前記第1流入ポートは前記基準面から遠くなる方向に延長される。
【0025】
前記第1移送管路は、前記第1、第2吐出ポートが突出した第1管路部と、前記第1管路部の下端において前記ガスケットボディの外周面に近くなる方向に折曲されて前記第1流入ポートと連結される第2管路部とを含む。
【0026】
前記第2管路部は、前記第1吐出ポートより下側において折曲される。前記第2管路部は、前記第1流入ポートと前記第1吐出ポートとの間において折曲される。
【0027】
前記第1流入ポートは、前記第2管路部から下向きに傾斜した方向に延長される。前記第1流入ポートは、前記第2管路部と直交する。
【0028】
前記第1ないし第4ポート挿入管は、それぞれ前記ガスケットボディの外側面において水平方向に延長される。前記第1、第2吐出ポートは互いに平行であってもよく、前記第3、第4吐出ポートは互いに平行であってもよい。
【0029】
前記ポンプは、前記ガスケットの下側に配置される。
【0030】
本発明の他の側面によれば、洗濯機は、前面に投入口が形成されたケーシングと、前記ケーシング内に備えられて洗濯水を収容し、前面に入口が形成されたタブと、前記タブ内に回転可能に備えられるドラムと、前記投入口と前記タブの入口とを連結する通路を形成するガスケットボディと、前記ガスケットボディの内周面に備えられるものの、前記ガスケットボディを左右に配分した第1、第2領域のうち前記第1領域に下から上へ順に配置される第1、第2ノズルと、前記第1領域において前記ガスケットボディの外周面から突出して前記第1、第2ノズルとそれぞれ連通する第1、第2ポート挿入管を備えたガスケットと、前記タブから排出された水を圧送するポンプと、前記第1領域において前記ガスケットと結合され、前記ポンプにより圧送されたモズが流入する流入ポートと、前記流入ポートを介して流入した水を上側に案内する移送管路と、前記移送管路上において下から上へ順に分岐されて前記第1、第2ポート挿入管とそれぞれ連結される第1、第2吐出ポートを備えた分配管とを含む。
【0031】
前記移送管路を基準に第1側と第2側を定義するとき、前記流入ポートは、前記移送管路を基準に前記第1、第2ポート挿入管の反対側に位置してもよい。
【0032】
前記通路の中心が属し、前後方向に延長される仮想の垂直な基準面を定義するとき、前記第1、第2吐出ポートは前記基準面と近くなる方向に延長され、前記第1流入ポートは前記基準面から遠くなる方向に延長される。
【0033】
前記移送管路は、前記第1、第2吐出ポートが突出した第1管路部と、前記第1管路部の下端において前記ガスケットボディの外周面と近くなる方向に折曲されて前記流入ポートと連結される第2管路部とを含む。
【0034】
前記第1、第2吐出ポートは互いに平行であってもよい。
【発明の効果】
【0035】
本発明による洗濯機は、次のような効果が1つあるいはそれ以上存在する。
【0036】
本発明の洗濯機は、第1に、流入ポートを介して分配管に流入した循環水が移送管路に沿って移送される中に順に第1吐出ポートと第2吐出ポートを介して分配されるため、前記移送管路内での流動抵抗を減らすことができ、それだけ第1吐出ポートと第2吐出ポートに均一な流量を供給するのに有利である。
【0037】
第2に、前記分配管は、ポンプと連結された循環管と連結される流入ポートが吐出ポートより下側に位置するので、前記循環管の設置がタブ下側(特に、タブ下側の左側又は右側)の空間を活用して行われる。
【0038】
本発明の効果は、以上で言及した効果に限定されず、言及されていない他の効果は、請求の範囲の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の一実施形態による洗濯機の斜視図である。
【
図3】ガスケットに分配管が設置された組立体を示す図である。
【
図5】
図4において点線で表示された部分を拡大した図である。
【
図7】
図6のA-A'に沿って切開した断面図である。
【
図8】第1分配管と第2分配管を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の利点及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付の図面とともに詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるだろう。しかしながら、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、他の多様な形態で実現でき、単に、本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇により定義されるだけである。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を表す。
【0041】
以下、添付の図面を参照して本発明について具体的に説明する。
【0042】
図1は、本発明の一実施形態による洗濯機の斜視図である。
図2は、
図1に示す洗濯機の側断面図である。
図3は、ガスケットに分配管が設置された組立体を示す図である。
図4は、
図3に示す組立体を前方から見た図である。
図5は、
図4において点線で表示された部分を拡大した図である。
図6は、ガスケットを後方から見た図である。
図7は、
図6のA-A'に沿って切開した断面図である。
図8は、第1分配管と第2分配管を示す正面図である。
【0043】
図1ないし
図8を参照すると、本発明の実施形態による洗濯機は、外観を形成するケーシング10と、ケーシング10内に配置され、洗濯水が溜まるタブ30と、タブ30内に回転可能に設置されて洗濯物が投入されるドラム40と、ドラム40を回転させるモータ50とを含む。
【0044】
ケーシング10の前面には、投入口12が形成された前方パネル11が配置され、前方パネル11には投入口12を開閉するドア20が配置され、洗剤が投入されるディスペンサ14が設置される。前方パネル11の上側には、洗濯機の作動制御のために使用者から各種制御命令が入力されるコントロールパネル13が備えられる。
【0045】
また、ケーシング10の内部には、給水弁15、給水供給管16、給水ホース17が設置される。給水のとき、給水弁15、給水供給管16を通過した洗濯水がディスペンサ14において洗剤と混合された後、給水ホース17を介してタブ30に供給される。
【0046】
一方、給水弁15に直水供給管18が連結されて、直水供給管18を介して洗濯水が洗剤と混合されずにタブ30内に直接供給されてもよい。直水供給管18を介して供給された水をドラム40内に噴射する直水ノズル19が備えられる。
【0047】
タブ30から排出された水を圧送する少なくとも1つのポンプ70が備えられる。前記少なくとも1つのポンプ70により圧送された水が第1分配管80(1)と第2分配管80(2)に供給される。以下、1つのポンプ70により第1、第2分配管80(1)、80(2)に同時に水が供給されることを例にしているが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、第1分配管80(1)に水を供給するポンプと第2分配管80(2)に水を供給するポンプとがそれぞれ備えられることも可能である。
【0048】
ポンプ70は、ガスケット60の下側に配置される。好ましくは、ポンプ70はガスケット60の下側において左右両側のいずれか一側に配置される。
【0049】
第1分配管80(1)と第2分配管80(2)を介して案内された水がガスケット60に備えられた複数のノズル66a、66b、66c、66dに供給される。
図6に示すように、ガスケット60の内周面62から、4つの突出部65a、65b、65c、65dがガスケット60の内側に向かって突出し、それぞれのノズル66a、66b、66c、66dが対応する突出部65a、65b、65c、65dにそれぞれ形成される。従って、各分配管80(1)、80(2)の吐出ポート83a、83b、83c、83dを介して排出された循環水がノズル66a、66b、66c、66dを介してドラム40の内部に噴射される。
【0050】
複数のノズル66a、66b、66c、66dには同じ分配管80(1)、80(2)を介して水が供給されるが、異なる高さに配置される2つのノズル(66a/b、66c/d)を含み、この2つのノズル(66a/b、66c/d)のうちの下に位置するもの(66a、66c)を下部ノズルといい、下部ノズル(66a、66c)より上側に位置するノズル(66c、66d)を上部ノズルと区分する。
という。
【0051】
分配管80は、ガスケット60の両側にそれぞれ備えられる。以下、ガスケット60の左側に配置されたものを第1分配管80(1)といい、右側に配置されるものを第2分配管80(2)といい、「第1」又は「第2」の区分がないときは、第1分配管80(1)又は第2分配管80(2)のいずれを示しているとみなしてもよい。
【0052】
ポンプ70とタブ30は排出ホース72により連結され、分配管80とポンプ70は直結するか、循環管86により連結される。後者の場合、第1分配管80(1)と第2分配管80(2)をそれぞれポンプ70と連結する第1循環管86(1)と第2循環管86(2)が備えられる。
【0053】
ポンプ70が作動すると、タブ30内に溜まっていた洗濯水が第1分配管80(1)と第2分配管80(2)を介して複数のノズル66a、66b、66c、66dに案内された後、ドラム40の内部に噴射されて、洗濯水の循環が行われる。ポンプ70は排水管74と連結されて、排水管74を介して洗濯水を外部に排出することができる。
【0054】
以上で説明したポンプ70は、洗濯水を循環させる循環ポンプと洗濯水を外部に排出させる排水ポンプとしての機能を果たすが、これとは異なり、循環ポンプと排水ポンプが別個に設置されてもよい。循環ポンプと排水ポンプが別個に設置される場合は、前記排水ポンプに排水管74が連結され、前記循環ポンプに循環管86が連結されることが当然である。
【0055】
一方、タブ30は、単一のタブ体で形成されてもよく、第1、第2タブ体30a、30bが互いに締結されて形成されてもよい。本発明の実施形態においては、第1、第2タブ体30a、30bが締結されてタブ30を形成することを例として説明する。以下では、第1タブ体30aを単に「タブ30」と称して説明する。
【0056】
タブ30の前方面31には、前方パネル11に形成された投入口12に対向するように入口32が形成される。タブ30の前方面31には少なくとも1つのバランサ90が締結される。第1バランサ90(1)が前方面31の上部に配置され、第2バランサ90(2)が前方面31の下部に配置される。
【0057】
投入口12を形成する前方パネル11の投入口12の枠と入口32を形成するタブ30の枠との間にガスケット60が配置される。ガスケット60は、ゴムのような柔軟性を有する材質で形成され、略円筒状に形成されて、投入口12とタブ30の開口部を連結する通路60Pを形成する。
【0058】
ガスケット60は、前方縁部が前方パネル11の投入口12の枠に連結され、後方縁部はタブ30の開口部の枠に連結されて、タブ30と前方パネル11との間が密封される。ドア20が閉じた状態で、ドア20とガスケット60の先端部が密着してドア20とガスケット60の間が密封されるので、洗濯水の漏洩が防止される。
【0059】
図7を参照すると、ガスケット60は、前方パネル11の投入口12の周りに結合されるケーシング結合部61と、入口32の周りに結合されるタブ結合部62と、ケーシング結合部61とタブ結合部62との間において延長されるガスケットボディ63とを含む。
【0060】
前方パネル11は、投入口12の周りが外側に巻かれており、このように巻かれた部分により形成された凹部内にケーシング結合部61が嵌め込まれる。ケーシング結合部61には針金が巻かれる環状の溝61rが形成される。溝61rに沿って針金が巻かれた後、針金の両端が結束されることにより、ケーシング結合部61が入口12の周りに強固に固定される。
【0061】
タブ30は、入口周りが外側に巻かれており、このように巻かれた部分により形成された凹部内にタブ結合部62が嵌め込まれる。タブ結合部62には、針金が巻かれる環状の溝62rが形成される。溝62rに沿って針金が巻かれた後、針金の両端が結束されることにより、タブ結合部62がタブ30の入口周りに強固に結合される。
【0062】
一方、ケーシング結合部61は前方パネル11に固定されるが、タブ結合部62はタブ30の動きによって変位する。従って、ガスケットボディ63は、タブ結合部62の変位に対応して変形が行わなければならない。このような変形が円滑に行われるように、ガスケット60は、ケーシング結合部61とタブ結合部62との間の区間(又は、ガスケットボディ63)に、タブ30が偏心により移動される方向(又は、半径方向)に移動されるにつれて折り畳まれる折り畳み部63bを含む。
【0063】
より詳細に、ガスケットボディ63にはケーシング結合部61からタブ結合部62に向かって(又は、後方に向かって)延長される管状のリム部63aが形成され、折り畳み部63bは63aとタブ結合部62との間に形成される。
【0064】
ガスケット60は、リム部63aの前端から外側に折曲されてドア20が閉まった状態で、投入口12hの外側においてドア20の背面に密着する外側ドア密着部68を含む。ケーシング結合部61は、外側ドア密着部68の外側端から延長された部分に前述の溝61rが形成されてもよい。
【0065】
ガスケット60は、リム部63aの前端から内側に折曲されて、ドア20が閉まった状態で投入口12の内側においてドア20の背面(好ましくは、ウインドウ22)と密着する内側ドア密着部66をさらに含む。
【0066】
一方、ドラム40は、回転過程において振動(すなわち、ドラム40の回転中心線Cが移動)し、それにつれてタブ30の中心線(ドラム32の回転中心線Cとほぼ同一)も移動し、そのときの移動方向(以下、「偏心方向」という。)は半径方向成分を有する。
【0067】
折り畳み部63bは、タブ30が偏心方向に移動するとき、折れたり広がったりする。折り畳み部63bは、リム部63aからケーシング結合部61側に折曲された内径部631と、内径部631からタブ結合部62側に折曲されてタブ結合部62と連結される外径部632とを含む。前方から見ると、内径部631は外径部632により囲まれた内側に位置する。
図7に示すように、リム部63aと折り畳み部63bは、略「S」字状の断面を有する。
【0068】
タブ30の中心が偏心方向に移動されるとき、折り畳み部63bの一部分が折り畳まれると、その部分において内径部631と外径部632との間が縮まり、それに対して、このように折り畳まれる部分の反対側においては折り畳み部63bが広がって内径部631と外径部632との間が広くなる。
【0069】
一方、複数のノズル66a、66b、66c、66dは第1ないし第4ノズル66a、66b、66c、66dを含む。ガスケットボディ63を左右に配分して第1領域(I)と第2領域(II)を定義するとき(
図6を参照)、第1、第2ノズル66a、66bは第1領域(I)に下から上へ順に配置される。そして、第3、第4ノズル66c、66dは第2領域(II)に下から上へ順に配置される。実施形態において、第1領域(I)はガスケット60を前方から見たときの左側(又は、ガスケット60の背面を見たときの右側)であり、第2領域(II)はガスケット60を前方から見たときの右側(又は、ガスケット60の背面を見たときの左側)であるが、これに限定されるものではなく、第1領域(I) が右側で、第2領域(I)が左側であってもよい。
【0070】
具体的に、第1、第2ポート挿入管64a、64bが第1領域(I)においてガスケットボディ63の外周面から突出する。第1、第2ポート挿入管64a、64bは、第1、第2ノズル66a、66bとそれぞれ連通する。第1ポート挿入管64aと第2ポート挿入管64bは互いに平行であってもよい。
【0071】
第3、第4ポート挿入管64c、64dが第2領域(II)においてガスケットボディ63の外周面から突出する。第3、第4ポート挿入管64c、64dは、第3、第4ノズル66c、66dとそれぞれ連通する。第3ポート挿入管64cと第4ポート挿入管64dは互いに平行であってもよい。第1、第2分配管80(1)、80(2)はガスケット60に設置される。それぞれの分配管80(1)、80(2)は、ポンプ70から吐出された水が流入する流入ポート81と、流入ポート81を介して流入した水を案内する移送管路82と、移送管路82から分岐される複数の吐出ポート83、84とを含む。
【0072】
複数の吐出ポート83、84は互いに異なる高さに形成される2つの吐出ポート83、84を含み、以下、2つの吐出ポート83、84のうち下側に位置するものを第1吐出ポート83又は下部吐出ポートといい、第1吐出ポート83より上側に位置するものを第2吐出ポート84又は上部吐出ポートという。第1分配管80(1)と第2分配管80(2)のそれぞれに第1吐出ポート83と第2吐出ポート84が備えられてもよい。
【0073】
移送管路82は、ガスケット60により規定された通路60Pの外側に配置され、流入ポート81を介して流入した水を上方向に案内する。移送管路82は流入ポート81と連通した流路を構成し、前記流路はガスケット60の外周面に対応する形態に曲がって上下方向に長く延長される。
【0074】
具体的に、第1分配管80(1)は、第1領域(I)においてガスケット60と結合される。第1分配管80(1)は、ポンプ70により圧送された水の一部が流入する第1流入ポート81と、第1流入ポート81を介して流入した水を上側に案内する第1移送管路82と、第1移送管路82から分岐されて第1、第2ポート挿入管64a、64bとそれぞれ連結される第1、第2吐出ポート83、84とを含む。
【0075】
第1移送管路82上において第2吐出ポート84は第1吐出ポート83よりも上側に位置し、従って、第1移送管路82に沿って上側に案内される水の一部が第1吐出ポート83において先に分岐された後、残りは第2吐出ポート84に分岐される。
【0076】
同様に、第2分配管80(2)は、第2領域(II)においてガスケット60と結合される。第2分配管80(2)は、ポンプ70により圧送された水のうちの一部(又は、残り)が流入する第2流入ポート81と、第2流入ポート81を介して流入した水を上側に案内する第2移送管路82と、第2移送管路82から分岐されて第3、第4ポート挿入管64c、64dとそれぞれ連結される第3、第4吐出ポート83、84とを含む。
【0077】
第2移送管路82上において第4吐出ポート84は第3吐出ポート83より上側に位置し、従って、第2移送管路82に沿って上側に案内される水の一部が第3吐出ポート83において先に分岐された後、残りは第4吐出ポート84に分岐される。
【0078】
流入ポート81は、ポンプ70から吐出された水が流入する。流入ポート81は、循環管86(1)、86(2)によりポンプ70と連結される。分配管80の数に対応してポンプ70には循環水が吐出される循環ポート71a、71b(
図3を参照)が備えられる。実施形態において、ポンプ70は第1循環ポート71aと第2循環ポート71bを備え、第1循環ポート71aは第1循環管86(1)により第1分配管80(1)の第1流入ポート81(1)と連結され、第2循環ポート71bは第2循環管86(2)により第2分配管80(2)と連結される。
【0079】
移送管路82に沿って移送された循環水が複数の吐出ポート83、84を介して排出される。これらの吐出ポート83、84は、流入ポート81の上側において移送管路82から分岐される。すなわち、流入ポート81の出口(すなわち、流入ポート81が移送管路82と連結される部分)より吐出ポート83、84の入口(すなわち、吐出ポート83、84が移送管路82と連結される部分)の方がより上側に位置する。
【0080】
第1分配管80(1)及び/又は第2分配管80(2)において、移送管路82を基準に第1側と第2側を定義するとき、流入ポート81(1)、81(2)は移送管路82(1)、82(2)を基準に前記第1側に位置し、吐出ポート83a/b、83c/dは前記第2側に位置する。言い換えれば、流入ポート81(1)、81(2)は移送管路82(1)、82(2)を基準に吐出ポート83a/b、83c/dとは反対側に位置する。また、ガスケット60のポート挿入管64a/b、64c/dはこれらに結合される分配管80(1)、80(2)の移送管路82(1)、82(2))に対して吐出ポート83a/b、83c/dと同一側に位置し、流入ポート81(1)、81(2)は、移送管路82(1)、82(2)に対してポート挿入管64c/bとも反対側に位置する。
【0081】
一方、ガスケット60を前方から見た状態で、通路60Pの中心を通る仮想の垂直な基準面(OV)(
図6を参照)を定義するとき、それぞれのポート挿入管64a、64b、64c、64dは基準面(OV)から離れる方向に延長され、流入ポート81(1)、81(2)も基準面(OV)から離れる方向に延長される。
【0082】
吐出ポート83a、83b、83c、83dから排出される水流圧による反作用は、分配管80をガスケット60から離れる方向に加えられるが、流入ポート81(1)、81(2)を介して移送管路82(1)、82(2)内に流入する水流は移送管路82(1)、82(2))をガスケット60側に押す方向に作用し、従って、分配管80がガスケット60から脱去することを防止する効果がある。
【0083】
言い換えれば、下部吐出ポート83a、83cと上部吐出ポート83b、83dは、移送管路82に対して第1側(すなわち、前方から見るときに左右両側のいずれか一側)に位置する。下部吐出ポート83a、83cと上部吐出ポート83b、83dは互いに平行に延長されてもよい。また、流入ポート81は、移送管路82に前記第1側の反対側に該当する第2側に位置する。
【0084】
下部/上部吐出ポート(83a、83c/83b、83d)を介して排出される水流は、移送管路82から前記第1側に向かう方向であるため、水流の噴出圧が反力として作用して、移送管路82は前記第2側に力を受けることになる。ここで、前記第2側は上部吐出ポート83b、83dが上部ポート挿入管64b、64dから分離される方向である。
【0085】
これに対して、流入ポート81は移送管路82から上部吐出ポート83c、83dとは反対方向に突出している。従って、流入ポート81を介して流入する水流は、移送管路82を前記第1方向に押す力として作用するため、上部吐出ポート83b、83dが上部ポート挿入管64b、64dから脱去することを防止することができる。
【0086】
一方、
図4ないし
図5を参照すると、それぞれの移送管路82は、吐出ポート(83a/b、83c/d)が突出した第1管路部82aと、第1管路部82aの下端においてガスケット60の外周面に近づく方向に折曲された第2管路部82bとを含む。流入ポート81は、第2管路部82bに形成されてもよい。流入ポート81は、第2管路部82bからガスケット60から遠ざかる方向に延長される。流入ポート81は、第2管路部82bから下向きに傾斜した方向に延長される。
【0087】
第1管路部82aと第2管路部82bが折曲しているため、折曲した部分において流動抵抗が発生する。すなわち、第2管路部82bから第1管路部82aに水流が進入する過程で抵抗が発生して水流が直ちに下部吐出ポート83を通ることなく、管路部82の内側面において反射、屈折して下部吐出ポート83に誘導され、従って、下部吐出ポート83を介して十分な流量が吐出されることができる。
【0088】
第2管路部82bにおいて流入ポート81の出口(すなわち、流入ポート81から循環水が排出される孔)が形成された面は、流入ポート81と直交する部分82cを含む。直交する部分82cは実質的に平らに形成される。流入ポート81は、直交する部分82cから実質的に直線(又は、平面)形態に延長されることができる。直交する部分82cにおいて移送管路82内の流路は、実質的に流入ポート81と直交する方向に延長される。
【0089】
流入ポート81を介して流入した循環水が移送管路82に沿って上側に移動しながら、先に下部吐出ポート83a、83cを介して吐出された後、残った流量が上部吐出ポート83b、83dを介して吐出される。特に、水流が移送管路82に沿って一方向(上方向)に案内される途中に下部吐出ポート83a、83cと上部吐出ポート83c、83dに順に分岐されるため、移送管路82内における水流抵抗がほぼ一定である。下部吐出ポート83a、83cの吐出流量と上部吐出ポート83b、83dの吐出流量が均衡をなすように吐出ポート83a、83b、83c、83dの内径、ノズル()の内径、移送管路82の内径を適切に設計することにより、下部吐出ポート83a、83cと上部吐出ポート83c、83dから均一に循環水が噴射されるようにすることができる。
【0090】
一方、流入ポート81が下部吐出ポート83a、83cと上部吐出ポート83b、83dとの間において移送管路82に連結されたと仮定すると、流入ポート81を介して流入した循環水が上下に分岐された後、それぞれが上部吐出ポート83b、83dと下部吐出ポート83a、83cを介して排出される。この場合、循環水が上下に分岐される区間において流路抵抗が過度であるため、流路内で水流の撹乱が発生し、それにより下部/上部吐出ポート83a、83c/83b、83dに供給される流量が一定でないという問題が発生する。
【0091】
一方、ポンプ70は、速度可変(又は、吐出流量可変)が可能な可変速ポンプであり得る。この場合、流入ポート81が下部吐出ポート83a、83cと上部吐出ポート83b、83dとの間に連結されると、ポンプ70が低速で回転される場合(すなわち、吐出流量が少ない場合)、重力による影響が高速であるときより相対的に大きく影響を与えるため、移送管路82内において上下に分岐された水流のうち下側に分岐した流量が大幅に多くなり、本発明と比較して、上部吐出ポート83b、83dを介して吐出される流量が少なくなる問題がある。
【0092】
ガスケット60の外周面61には4つの吐出ポートにそれぞれ対応するように、ポート挿入管64a、64b、64c、64dがガスケット60の外側方向に突出、形成される。ポート挿入管64a、64b、64c、64dは管状であり、一端はノズル66a、66b、66c、66dと連結され、他端は吐出ポート83、84と連結される。ポート挿入管64a、64b、64c、64dは少なくとも一部分がガスケット60の外周面61から突出し、このように突出した部分の端部に形成された入口を介して吐出ポート83、84が挿入される。4つの吐出ポート83、84がそれぞれ4つのポート挿入管64a、64b、64c、64dに挿入、連結される。
【0093】
ガスケット60の内周面62には4つのポート挿入管64a、64b、64c、64dとそれぞれ連通する4つのノズル66a、66b、66c、66dが備えられる。本発明の一実施形態では、ノズル66a、66b、66c、66dがガスケット60と一体に形成されるが、これとは異なり、ガスケット60と別個の部品として形成されてガスケット60に結合されるか、ガスケット60から離隔された状態で別途の流路連結部材(図示せず)を介してポート挿入管64a、64b、64c、64dと流路連結されてもよい。
【0094】
一方、第1バランサ90(1)は、タブ30の前方面31に配置される。第1バランサ90(1)は、ガスケット60の外周面から横方向に離隔されて、前記外周面との間に組立空間(AS)を規定する離隔部分91を含む。
【0095】
移送管路82は、組立空間(AS)内に配置される部分82dを含む。第2吐出ポート84は部分82dから突出する。上部吐出ポート83b、83dは、組立空間(AS)内において上部ポート挿入管64b、64dに挿入される。
【0096】
従って、上部吐出ポート83b、83dから循環水が吐出されるときの水流圧又はタブ30の振動により上部吐出ポート83b、83dが横方向に移動されても、部分82dが第1バランサ90(1)と接触(又は、干渉)されるため、移動が制止され、従って、上部吐出ポート83b、83dが上部ポート挿入管()から分離されることが防止できる。
【0097】
一方、第1分配管80(1)と第2分配管80(2)はガスケット60に対して左右対称に配置されてもよい。この場合、ガスケット60のポート挿入管64a、64b、64c、64dも左右対称に配置されてもよい。また、第1分配管80(1)と第2分配管80(2)は、実質的に同じ構造となるが、設置しようとする位置に応じて左右にひっくり返してどちらでも使用することができる。
【0098】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、相異なる様々な形態で製造されることができ、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施できることが理解できるであろう。従って、以上で記述した実施形態は、すべての面で例示的なものであり、限定的はものではないと理解されるべきである。