(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】製造工場の物品搬送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230629BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20230629BHJP
B61B 13/00 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
B65G1/04 555
H01L21/68 A
B61B13/00 V
B61B13/00 W
B65G1/04 551
(21)【出願番号】P 2021164306
(22)【出願日】2021-10-05
【審査請求日】2021-10-05
(31)【優先権主張番号】10-2020-0128815
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン、サン ピョ
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-110193(JP,A)
【文献】特開平11-085272(JP,A)
【文献】特開昭61-293760(JP,A)
【文献】特開2007-008397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
H01L 21/677
B61B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造工場の物品搬送システムで物品を搬送する搬送車両であって、
走行レールに沿って走行する走行ユニットと、
前記走行レールが分岐する分岐部で選択的にステアリングガイドレールに接触するステアリングユニットと、を含み、
前記ステアリングユニットは、
前記ステアリングガイドレールの垂直ガイド部に接触する水平ステアリングホイールと、
前記ステアリングガイドレールの水平ガイド部に接触する垂直ステアリングホイールと、を含
み、
前記垂直ステアリングホイールは、前記搬送車両が前記分岐部を通過するとき、前記走行レールに接触せず励起状態になる前記走行ユニットの代わりに、前記水平ガイド部に接触することを特徴とする、搬送車両。
【請求項2】
前記ステアリングユニットは、
前記搬送車両の移動方向に対して垂直な方向に移動する移動体と、
前記移動体に結合された水平ボディと、
前記水平ボディの上部に結合された垂直ボディと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の搬送車両。
【請求項3】
前記移動体は、前記分岐部から前記搬送車両の移動方向と反対の方向に移動することを特徴とする、請求項2に記載の搬送車両。
【請求項4】
前記水平ステアリングホイールは、前記水平ボディに結合された一対の水平ステアリングホイールとして提供され、
前記垂直ステアリングホイールは、前記垂直ボディに結合された一対の垂直ステアリングホイールとして提供されることを特徴とする、請求項2に記載の搬送車両。
【請求項5】
前記一対の垂直ステアリングホイール間の間隔は、直進走行ガイドレールと分岐走行ガイドレールとの交差部における水平ガイド部の離隔距離よりも大きいことを特徴とする、請求項4に記載の搬送車両。
【請求項6】
製造工場の物品搬送システムにおける搬送車両の移動のためのレールであって、
前記搬送車両
の走行ユニットが走行するための経路を提供する走行レールと、
前記走行レールが分岐する分岐部で前記搬送車両の走行方向をガイドするステアリングガイドレールと、を含み、
前記ステアリングガイドレールは、
前記搬送車両の水平ステアリングホイールと接触して前記搬送車両をガイドする垂直ガイド部と、
前記搬送車両の垂直ステアリングホイールと接触して前記搬送車両をガイドする水平ガイド部と、を含
み、
前記水平ガイド部は、前記搬送車両が前記分岐部を通過するとき、前記走行レールに接触せず励起状態になる前記走行ユニットの代わりに、前記垂直ステアリングホイールに接触することを特徴とする、レール。
【請求項7】
前記水平ガイド部は、
前記垂直ガイド部に対向して設置された垂直構造物と、
前記垂直構造物から水平方向に突出するように結合された水平構造物と、を含むことを特徴とする、請求項6に記載のレール。
【請求項8】
前記ステアリングガイドレールは、
前記搬送車両を直進方向にガイドする直進走行ガイドレールと、
前記搬送車両を分岐方向にガイドする分岐走行ガイドレールと、を含むことを特徴とする、請求項6に記載のレール。
【請求項9】
前記分岐走行ガイドレールは、前記分岐方向の反対側から前記直進走行ガイドレールとの交差部を介して前記分岐方向に形成されることを特徴とする、請求項8に記載のレール。
【請求項10】
前記交差部における前記水平ガイド部の離隔距離は、前記搬送車両の一対の垂直ステアリングホイール間の間隔よりも小さいことを特徴とする、請求項9に記載のレール。
【請求項11】
製造工場の物品搬送システムであって、
物品を搬送する搬送車両と、
搬送車両の移動のためのレールと、を含み、
前記レールは、
前記搬送車両
の走行ユニットが走行するための経路を提供する走行レールと、
前記走行レールが分岐する分岐部で前記搬送車両の走行方向をガイドするステアリングガイドレールと、を含み、
前記ステアリングガイドレールは、
前記搬送車両の水平ステアリングホイールと接触して前記搬送車両をガイドする垂直ガイド部と、
前記搬送車両の垂直ステアリングホイールと接触して前記搬送車両をガイドする水平ガイド部と、を含
み、
前記水平ガイド部は、前記搬送車両が前記分岐部を通過するとき、前記走行レールに接触せず励起状態になる前記走行ユニットの代わりに、前記垂直ステアリングホイールに接触することを特徴とする、物品搬送システム。
【請求項12】
前記搬送車両は、
走行レールに沿って走行する走行ユニットと、
前記走行レールが分岐する分岐部で選択的にステアリングガイドレールに接触するステアリングユニットと、を含み、
前記ステアリングユニットは、
前記ステアリングガイドレールの垂直ガイド部に接触する水平ステアリングホイールと、
前記ステアリングガイドレールの水平ガイド部に接触する垂直ステアリングホイールと、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の物品搬送システム。
【請求項13】
前記ステアリングユニットは、
前記搬送車両の移動方向に対して垂直な方向に移動する移動体と、
前記移動体に結合された水平ボディと、
前記水平ボディの上部に結合された垂直ボディと、をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の物品搬送システム。
【請求項14】
前記移動体は、前記分岐部から前記搬送車両の移動方向と反対の方向に移動することを特徴とする、請求項13に記載の物品搬送システム。
【請求項15】
前記水平ステアリングホイールは、前記水平ボディに結合された一対の水平ステアリングホイールとして提供され、
前記垂直ステアリングホイールは、前記垂直ボディに結合された一対の垂直ステアリングホイールとして提供されることを特徴とする、請求項13に記載の物品搬送システム。
【請求項16】
前記一対の垂直ステアリングホイール間の間隔は、直進走行ガイドレールと分岐走行ガイドレールとの交差部における水平ガイド部の離隔距離よりも大きいことを特徴とする、請求項15に記載の物品搬送システム。
【請求項17】
前記水平ガイド部は、
前記垂直ガイド部に対向して設置された垂直構造物と、
前記垂直構造物から水平方向に突出するように結合された水平構造物と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の物品搬送システム。
【請求項18】
前記ステアリングガイドレールは、
前記搬送車両を直進方向にガイドする直進走行ガイドレールと、
前記搬送車両を分岐方向にガイドする分岐走行ガイドレールと、を含むことを特徴とする、請求項11に記載の物品搬送システム。
【請求項19】
前記分岐走行ガイドレールは、前記分岐方向の反対側から前記直進走行ガイドレールとの交差部を介して前記分岐方向に形成されることを特徴とする、請求項18に記載の物品搬送システム。
【請求項20】
前記交差部における前記水平ガイド部の離隔距離は、前記搬送車両の一対の垂直ステアリングホイール間の間隔よりも小さいことを特徴とする、請求項19に記載の物品搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造工場内の物品搬送システムに係り、より具体的には、分岐部でよりスムーズに走行することができる搬送車両、レール及び物品搬送システムを提供する。
【背景技術】
【0002】
半導体(またはディスプレイ)製造工程は、基板(例えば、ウェーハ)上に半導体素子を製造するための工程であって、例えば露光、蒸着、エッチング、イオン注入、洗浄、パッケージングなどを含む。半導体素子を製造するための製造工場の一つまたはそれ以上の層のクリーンルームで構成され、半導体製造工程を行うための製造設備が各層に配置される。
【0003】
半導体製造工程の効率を最大化するために、各半導体製造工程を改善する方法だけでなく、各製造設備の間で物品(例えば、基板)を迅速かつ効率的に搬送するための技法が導入されている。代表的に、半導体製造工場の天井に設置された経路に沿って物品を搬送するOHT(overhead hoist transport)システムが適用されている。一般的に、OHTシステムは、走行経路を構成するレール、及び該レールに沿って走行し物品を搬送する搬送車両を含む。また、半導体製造設備間の搬送中に物品の保管が必要な場合には、当該物品を貯蔵するための貯蔵システムを備えることができる。
【0004】
一方、搬送車両の走行経路のいずれかから2つ以上の経路のいずれかへと選択的に走行するように誘導する分岐部が形成される。当該分岐部から、搬送車両は直進方向に走行するか或いは分岐方向に走行することができる。搬送車両の高速化が要求されるにつれて、直進または分岐走行の際に発生する振動又は衝撃を抑えつつ搬送車両がスムーズに走行するための手法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、走行経路の分岐部で搬送車両がスムーズに走行することができる搬送車両、レール及び物品搬送システムを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の解決課題は、上述したものに限定されず、上述していない他の解決課題は、以降の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る製造工場の物品搬送システムで物品を搬送する搬送車両は、走行レールに沿って走行する走行ユニットと、前記走行レールが分岐する分岐部で選択的にステアリングガイドレールに接触するステアリングユニットと、を含む。前記ステアリングユニットは、前記ステアリングガイドレールの垂直ガイド部に接触する水平ステアリングホイールと、前記ステアリングガイドレールの水平ガイド部に接触する垂直ステアリングホイールと、を含む。
【0008】
一実施形態において、前記ステアリングユニットは、前記搬送車両の移動方向に対して垂直な方向に移動する移動体と、前記移動体に結合された水平ボディと、前記水平ボディの上部に結合された垂直ボディと、をさらに含むことができる。
【0009】
一実施形態において、前記移動体は、前記分岐部から前記搬送車両の移動方向と反対の方向に移動することができる。
【0010】
一実施形態において、前記水平ステアリングホイールは、前記水平ボディに結合された一対の水平ステアリングホイールとして提供され、前記垂直ステアリングホイールは、前記垂直ボディに結合された一対の垂直ステアリングホイールとして提供できる。
【0011】
一実施形態において、前記一対の垂直ステアリングホイール間の間隔は、直進走行ガイドレールと分岐走行ガイドレールとの交差部における水平ガイド部の離隔距離よりも大きく設定できる。
【0012】
本発明の実施形態による製造工場の物品搬送システムにおける搬送車両の移動のためのレールは、前記搬送車両が走行するための経路を提供する走行レールと、前記走行レールが分岐する分岐部において前記搬送車両の走行方向をガイドするステアリングガイドレールと、を含む。前記ステアリングガイドレールは、前記搬送車両の水平ステアリングホイールと接触して前記搬送車両をガイドする垂直ガイド部と、前記搬送車両の垂直ステアリングホイールと接触して前記搬送車両をガイドする水平ガイド部と、を含むことができる。
【0013】
一実施形態において、前記水平ガイド部は、前記垂直ガイド部に対向して設置された垂直構造物と、前記垂直構造物から水平方向に突出するように結合された水平構造物と、を含むことができる。
【0014】
一実施形態において、前記ステアリングガイドレールは、前記搬送車両を直進方向にガイドする直進走行ガイドレールと、前記搬送車両を分岐方向にガイドする分岐走行ガイドレールと、を含むことができる。
【0015】
一実施形態において、前記分岐走行ガイドレールは、前記分岐方向の反対側から前記直進走行ガイドレールとの交差部を介して前記分岐方向に形成されることができる。
【0016】
一実施形態において、前記交差部における前記水平ガイド部の離隔距離は、前記搬送車両の一対の垂直ステアリングホイール間の間隔よりも小さく設定できる。
【0017】
本発明の実施形態に係る製造工場の物品搬送システムは、物品を搬送する搬送車両と、搬送車両の移動のためのレールと、を含む。前記レールは、前記搬送車両が走行するための経路を提供する走行レールと、前記走行レールが分岐する分岐部において前記搬送車両の走行方向をガイドするステアリングガイドレールと、を含む。前記ステアリングガイドレールは、前記搬送車両の水平ステアリングホイールと接触して前記搬送車両をガイドする垂直ガイド部と、前記搬送車両の垂直ステアリングホイールと接触して前記搬送車両をガイドする水平ガイド部と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施形態によれば、分岐走行時に搬送車両の水平ステアリングホイールがステアリングガイドレールの垂直ガイド部に接触し、搬送車両の垂直ステアリングホイールがステアリングガイドレールの水平ガイド部に接触することにより、搬送車両がよりスムーズに分岐部を走行することができる。
【0019】
本発明の効果は、上述したものに限定されず、上述していない他の効果は、以降の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】製造工場内の物品搬送システムの例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態による搬送車両の概略的な構造を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態による搬送車両の概略的な構造を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態による物品搬送システムにおける分岐部で走行する搬送車両の例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態による物品搬送システムにおける分岐部で走行する搬送車両の例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態による物品搬送システムにおけるレール及び搬送車両の例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態によるステアリングガイドレールの例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態による搬送車両のステアリング部の例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態によるレールの分岐部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。本発明は、様々な異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0022】
本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたって、同一又は類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付する。
【0023】
また、幾つかの実施形態において、同一の構成を有する構成要素については同一の符号を使用して代表的な実施形態でのみ説明し、その他の実施形態では代表的な実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
【0024】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結(または結合)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(または結合)」されている場合だけでなく、別の部材を挟んで「間接的に連結(または結合)」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対される記載がない限り、別の構成要素を除外するのではなく、別の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0025】
別に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を持っている。一般的に使用される、辞典に定義されている用語は、関連技術の文脈上持つ意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0026】
図1は製造工場内の物品搬送システムの例を示す。半導体またはディスプレイ製造ラインは、一つ又はそれ以上のクリーンルームで構成され、各クリーンルームに製造工程を実行するための製造設備1が設置され得る。一般的に、基板(例えば、ウェーハ)に複数の製造工程が繰り返し行われることにより、最終的に処理された基板が完成できるが、特定の半導体製造設備1で製造工程が完了すると、次の製造工程のための設備へと基板が搬送される。ここで、基板は、複数の基板を収容することが可能な容器(例えば、front opening unified pod、FOUP)に保管された状態で搬送できる。基板を収容した容器は、搬送車両(例えば、overhead hoist transport、OHT)20によって搬送できる。
【0027】
搬送車両20は、天井に設置されたレール(rail)10を走行し、搬送作業命令を指令する上位サーバー(車両制御装置)と無線通信方式でインターフェースされる。車両制御装置は、統合制御システムから作業工程による移送に関する命令の伝達を受け、統合制御システムの命令に基づいて搬送車両20に最短時間で移送作業を完了するために出発地から目的地までの最短経路を探索し、移送作業を実行するのに適した最適の位置にある搬送車両20を選定して移送命令を指令する。車両制御装置の移送命令に基づいて、搬送車両20は、車両制御装置が指令する任意のポート(port)から目的地ポート(port)へと物流を移送する。
【0028】
図1を参照すると、半導体又はディスプレイ製造ラインには、工程を行うための製造設備1が設置され、製造設備1同士の間で物品を搬送するための搬送経路(例えば、天井レール)を形成するレール10と、該レール10を走行しながら製造設備1へ物品を搬送する複数の搬送車両20が提供できる。このとき、物品搬送車両20は、レール10に沿って形成された給電ユニット(例えば、電源供給ケーブル)を介して駆動電源の供給を受けることができる。
【0029】
搬送車両20が製造設備1同士の間で物品を搬送するとき、物品は、直ちに特定の製造設備から他の製造設備へと搬送されることもあり、貯蔵装置に貯蔵された後で他の製造設備へと搬送されることもある。レール10の一側には、貯蔵装置(例えば、物品保管部30)が設置できる。貯蔵装置は、容器内のクリーン環境を維持するために不活性ガスを注入することが可能なラックタイプの倉庫(ストッカ―)、レール10の側面に隣接して設置され、物品を保管するレール側面バッファ、またはレール10の下部領域に設置され、物品を保管するレール下部バッファ、または搬送車両の維持及び保守のためのメンテナンス用リフターを含むことができる。
【0030】
図2及び
図3は本発明の実施形態による搬送車両20の概略的な構造を示す。
図2は走行経路の方向から見た搬送車両20を示し、
図3は走行経路の側面から見た搬送車両20を示す。
【0031】
図2及び
図3を参照すると、搬送車両20は、走行レール110に沿って走行する走行ユニット210、走行レール110が分岐する分岐部で選択的にステアリングガイドレールに接触するステアリングユニット220、及び搬送される物品を把持する把持ユニット230を含む。
【0032】
走行ユニット210は、搬送車両20の走行のための装置が設置される駆動ボディ211、走行レール110と接触して回転する走行ホイール212、及び走行レール110の側面に沿って接触して回転する走行ガイドホイール213を含む。搬送車両20は、走行ホイール212の回転によって走行レール110に沿って走行し、走行ガイドホイール213は、搬送車両20が走行レール110から離脱することを防止することができる。
【0033】
ステアリングユニット220は、分岐部から搬送車両20が選択的に走行するように誘導する装置であって、本発明の実施形態によるステアリングユニット220の詳細な構成について以下に詳細に説明する。把持ユニット230は、搬送対象物品を把持し、昇降駆動によって各設備1に対して物品をロードまたはアンロードすることができる。
【0034】
図4及び
図5は本発明の実施形態による物品搬送システムにおける分岐部で走行する搬送車両の例を示す。
図4は搬送車両20が分岐部から分岐方向に向かって走行する場合を示し、
図5は搬送車両20が分岐部から直進方向に向かって走行する場合を示す。
【0035】
図4及び
図5に示されているように、ステアリングガイドレール120の分岐ステアリングガイドレールは、分岐方向の反対方向から直進分岐ガイドレールとの交差点を通過して分岐方向に形成されている。
図4に示されているように、搬送車両20が分岐方向(例えば左方向)に走行する場合、搬送車両20のステアリングユニット220が分岐方向の反対方向(例えば、右方向)に移動する。一方、
図5に示されているように、搬送車両20が直進方向に走行する場合、搬送車両20のステアリングユニット220は、分岐方向(例えば左方向)に移動する。
図4及び
図5に示されているようなステアリングガイドレール120が構成され、搬送車両20のステアリングユニット220がステアリングガイドレール120に沿って走行することにより、搬送車両20が分岐方向に走行するときに発生する衝撃や振動を低減させることができる。
【0036】
また、
図4及び
図5に示されているように、搬送車両20が分岐方向に走行するとき、搬送車両20の一方の走行ホイール212は、走行レール110に接触するが、反対側の走行ホイール212は、走行レール110と接触せずに励起状態になる。本発明の実施形態によれば、反対側の走行ホイール212の代わりに、ステアリングユニット220の垂直ステアリングホイール222がステアリングガイドレール120の水平ガイド部122と接触して走行する。つまり、分岐走行の際に、一方の走行ホイール212は、走行レール110に接触して走行し、反対側では、垂直ステアリングホイール222がステアリングガイドレール120の水平ガイド部122に接触して走行することにより、搬送車両20の傾きを防止し、励起状態で発生しうる衝撃と振動を緩和することができる。
【0037】
図6は本発明の実施形態による物品搬送システムにおけるレール10及び搬送車両20の例を示す。
図6は
図5のように搬送車両20が直進方向に走行する場合を示す。
【0038】
本発明の実施形態による製造工場の物品搬送システムは、物品を搬送する搬送車両20と、搬送車両20の移動のためのレール10と、を含む。本発明の実施形態において、搬送車両20は、走行レール110に沿って走行する走行ユニット210、及び走行レール110が分岐する分岐部で選択的にステアリングガイドレール120に接触するステアリングユニット220を含む。ステアリングユニット220は、ステアリングガイドレール120の垂直ガイド部121に接触する水平ステアリングホイール221と、ステアリングガイドレール120の水平ガイド部122に接触する垂直ステアリングホイール222と、を含む。
【0039】
本発明の実施形態によれば、レール10は、搬送車両20が走行するための経路を提供する走行レール110と、走行レール110が分岐する分岐部で搬送車両20の走行方向をガイドするステアリングガイドレール120と、を含む。ステアリングガイドレール120は、搬送車両20の水平ステアリングホイール221と接触して搬送車両20をガイドする垂直ガイド部121と、搬送車両20の垂直ステアリングホイール222と接触して搬送車両をガイドする水平ガイド部122と、を含む。
【0040】
本発明の実施形態において、ステアリングユニット220は、搬送車両20の移動方向に対して垂直な方向に移動する移動体223と、移動体223に結合された水平ボディ224と、水平ボディ224の上部に結合された垂直ボディ225と、をさらに含む。
図6に示されているように、移動体223は、ステアリングユニット220からガイドレールに沿って搬送車両20の走行方向に対して垂直な方向(左右方向)に移動することができる。移動体223の上部に水平ボディ224が設置でき、水平ボディ224の上部に垂直ボディ225が設置できる。
【0041】
本発明の実施形態において、移動体223は、分岐部から搬送車両20の移動方向と反対の方向に移動することができる。すなわち、
図4及び
図5に示されているように、搬送車両20が分岐方向(例えば左方向)に走行する場合には、移動体223が分岐方向の反対方向(例えば、右方向)に移動し、搬送車両20が直進方向に走行する場合には、移動体223は分岐方向(例えば、左方向)に移動する。
図4及び
図5に示されているようなステアリングガイドレール120が構成され、搬送車両20のステアリングユニット220がステアリングガイドレール120に沿って走行することにより、搬送車両20が分岐方向に走行するときに発生する衝撃や振動を低減させることができる。
【0042】
本発明の実施形態において、水平ステアリングホイール221は、水平ボディ224に結合された一対の水平ステアリングホイールとして提供され、垂直ステアリングホイール222は、垂直ボディ225に結合された一対の垂直ステアリングホイールとして提供されることができる。つまり、水平ステアリングホイール221と垂直ステアリングホイール222のそれぞれは、前後方向に一定間隔d0で離隔して配置される一対のホイールで構成できる。
図8を参照すると、水平ステアリングホイール221は、水平ボディ224に結合された前方の水平ステアリングホイール221Aと後方の水平ステアリングホイール221Bを含むことができる。垂直ステアリングホイール222は、前方の垂直ステアリングホイール222Aと後方の垂直ステアリングホイール222Bを含むことができる。
【0043】
ここで、一対の垂直ステアリングホイール間の間隔d0は、直進走行ガイドレールと分岐走行ガイドレールとの交差部における水平ガイド部の離隔距離d1、d2よりも大きく設定できる。つまり、前方の垂直ステアリングホイール222Aと後方の垂直ステアリングホイール222Bとの間隔d0を交差部での水平ガイド部122が存在せず、離れた領域よりも大きく構成することにより、前方の垂直ステアリングホイール222Aまたは後方の垂直ステアリングホイール222Bのうちの少なくとも一つがステアリングガイドレール120の水平ガイド部122に常に接触するようにする。そして、垂直ステアリングホイール222が励起状態にある場合を防止し、励起状態で発生する衝撃や振動を低減させることができる。
【0044】
一方、本発明の実施形態によれば、ステアリングガイドレール120の水平ガイド部122は、垂直ガイド部121に対向して設置された垂直構造物122Aと、垂直構造物122Aから水平方向に突出するように結合された水平構造物122Bと、を含むことができる。
【0045】
本発明の実施形態において、ステアリングガイドレール120は、搬送車両20を直進方向にガイドする直進走行ガイドレールと、搬送車両20を分岐方向にガイドする分岐走行ガイドレールと、を含むことができる。
図6を参照すると、直進走行ガイドレールは、直進走行垂直ガイド部121、及び直進走行水平ガイド部122を含み、分岐走行ガイドレールは、分岐走行垂直ガイド部123、及び直進走行水平ガイド部124を含むことができる。
【0046】
本発明の実施形態において、分岐走行ガイドレールは、分岐方向の反対側から直進走行ガイドレールとの交差部を介して分岐方向に形成できる。
図7に示されているように、分岐走行ガイドレール123、124は、分岐方向の反対方向から直進走行ガイドレール121、122との交差部を介して分岐方向に形成される。
【0047】
また、
図9に示されているように、N字状の分岐部を実現するために、分岐走行ガイドレール123、124は、分岐方向の反対方向から直進走行ガイドレール121、122との交差部を介して分岐方向に形成され、合流部から再び搬送車両20が走行する曲線経路の外側方向に延びて形成されることができる。この場合、分岐部と合流部の両方で前方の垂直ステアリングホイール222Aまたは後方の垂直ステアリングホイール222Bのうちの少なくとも一つがステアリングガイドレール120の水平ガイド部122に常に接触するようにする。そして、分岐部と合流部で垂直ステアリングホイール222が励起状態にある場合を防止し、励起状態で発生する衝撃や振動を低減させることができる。
【0048】
上述したように、交差部における水平ガイド部122の離隔距離d1、d2は、搬送車両20の一対の垂直ステアリングホイール間の間隔d0よりも小さく設定される。つまり、交差部における水平ガイド部122の離隔距離d1、d2を前方の垂直ステアリングホイール222Aと後方の垂直ステアリングホイール222Bとの間隔d0よりも小さく構成することにより、前方の垂直ステアリングホイール222Aまたは後方の垂直ステアリングホイール222Bのうちの少なくとも一つがステアリングガイドレール120の水平ガイド部122に常に接触するようにする。よって、垂直ステアリングホイール222が励起状態にある場合を防止し、励起状態で発生する衝撃や振動を低減させることができる。
【0049】
また、本発明の実施形態によれば、垂直ステアリングホイール222は、前方/後方だけでなく、垂直ボディ225を中心に両側にそれぞれ構成できる。この場合、ステアリングガイドレール120の垂直ガイド部121にも、垂直ステアリングホイール222が接触することが可能な水平構造物122Bが形成されるだろう。垂直ボディ225を中心に両側に垂直ステアリングホイール222を構成し、垂直ガイド部121と水平ガイド部122の両方に、垂直ステアリングホイール222が接触することが可能な水平構造物を構成することにより、より搬送車両20が安定的に分岐部を走行するようにすることができる。
【0050】
本実施形態および本明細書に添付された図面は、本発明に含まれる技術思想の一部を明確に示しているものに過ぎず、本発明の明細書及び図面に含まれている技術思想の範囲内で当業者が容易に類推することが可能な変形例と具体的な実施形態は、いずれも本発明の権利範囲に含まれることが自明であろう。
【0051】
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等である或いは等価的変形があるすべてのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。