(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】基板処理システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20230629BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20230629BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/205
(21)【出願番号】P 2021184746
(22)【出願日】2021-11-12
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0159061
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ-ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム チャンドル
(72)【発明者】
【氏名】ナム ソンミン
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2005-0035449(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0134465(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0023940(KR,A)
【文献】特開2019-135776(JP,A)
【文献】特開2007-242791(JP,A)
【文献】特開2019-195049(JP,A)
【文献】特開2000-150387(JP,A)
【文献】特開2004-335994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02-21/48
H01L 21/67-21/687
C23C 16/00-16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対する処理空間を与える工程チューブと、
前記工程チューブの排気ポートに接続されて、前記処理空間内の工程残渣を外部に排気する排気モジュールと、
を備え、
前記排気モジュールは、
前記排気ポートに接続される排気管と、
前記排気管の少なくとも一部を収める気密ケースと、
前記気密ケースに配設され、前記気密ケースの内部を排気する局所排気部と、
を備え
、
前記工程チューブは、複数から構成されて前記排気管の延在方向と交差する方向に並べられ、
前記排気モジュールは、各前記工程チューブにそれぞれ配設され、
各前記工程チューブにそれぞれ配設され、互いに対称的に配置される複数のガス供給モジュールをさらに備え、
前記排気モジュールは、各前記排気管が互いに並ぶように配設されて前記複数のガス供給モジュールと並ぶように前記複数のガス供給モジュールの間に配置される基板処理システム。
【請求項2】
前記排気モジュールは、前記気密ケースに配設されて前記排気管の排ガスの漏れを感知する漏れ感知部をさらに備える請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記排気モジュールは、前記排気管と前記工程チューブの排気ポートとを接続する接続部をさらに備える請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記接続部は、
前記工程チューブに配設される第1のフランジと、
前記排気管の一方の端に配設される第2のフランジと、
前記第1のフランジと前記第2のフランジとの間に配設されるシール部材と、
を備える請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記接続部は、伸縮性を有する蛇腹をさらに備える請求項4に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記排気管は、前記排気ポートに接続されて第1の方向に延びる第1の排気管を備え、
前記気密ケースは、前記第1の排気管を収める第1のケーシング部を備える請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記工程チューブの下部に配設される下チャンバーをさらに備え、
前記排気管は、前記第1の排気管に接続されて下方に延びる第2の排気管をさらに備え、
前記気密ケースは、前記下チャンバーと離間し、前記第2の排気管を収める第2のケーシング部をさらに備える請求項6に記載の基板処理システム。
【請求項8】
複数枚の基板が多段に積載されて、前記工程チューブに収められる基板ボートをさらに備える請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記排気モジュールは、前記局所排気部と接続されて漏れた排ガスを希釈する漏れガス希釈部をさらに備える請求項1に記載の基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理システムに係り、さらに詳しくは、排気管を介して排気される排ガスの外部への漏れを防ぐ基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、基板処理方式には、一枚の基板に対して基板処理工程が行える枚葉式(Single wafer type)と、複数枚の基板に対して基板処理工が同時に行えるバッチ式(Batch type)と、がある。枚葉式は、設備の構成が簡単であるというメリットがあるものの、生産性に劣るという問題を抱えているが故に、量産可能なバッチ式が多用されている。
【0003】
基板処理システムにおいて、基板の処理のための工程ガスとして化学物質が使用可能であり、このような化学物質は、毒性、可燃性、腐食性、遅延性などを有する場合があり、人体に有害である虞もある。
【0004】
従来の基板処理システムにおいては、工程チューブの工程残渣を排気する排気管の少なくとも一部が晒されており、排気管により(または、排気管を介して)排気される工程残渣にも毒性などがある化学物質が含まれている可能性があるため、排気管に排ガスの漏れが生じてしまうと、化学物質による安全事故が起こることが懸念される。
【0005】
特に、工程チューブの排気ポートと排気管との間及び/又は排気管の間にシール(sealing)のために介在されるOリング(O-ring)などの繋ぎ部は、長時間にわたっての使用及び/又は熱により歪み及び/又は損傷が起きて漏れ口(leak)(または、隙間)が生じる虞があり、このような漏れ口への排ガスの漏れが生じることが懸念される。
【0006】
排ガスが漏れたときには、人体に有害になる可能性があるだけではなく、半導体製造設備(FAB)内の数十、数百台の全ての装置が作動中止(Shut Down)されることを余儀なくされるという問題も生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】大韓民国公開特許第10-2012-0074326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、排気管をケーシングして排ガスの外部への漏れを防ぐことのできる基板処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る基板処理システムは、基板に対する処理空間を与える工程チューブと、前記工程チューブの排気ポートに接続されて、前記処理空間内の工程残渣を外部に排気する排気モジュールと、を備え、前記排気モジュールは、前記排気ポートに接続される排気管と、前記排気管の少なくとも一部を収める気密ケースと、前記気密ケースに配設され、前記気密ケースの内部を排気する局所排気部と、を備えていてもよい。
【0010】
前記排気モジュールは、前記気密ケースに配設されて前記排気管の排ガスの漏れを感知する漏れ感知部をさらに備えていてもよい。
【0011】
前記排気モジュールは、前記排気管と前記工程チューブの排気ポートとを接続する接続部をさらに備えていてもよい。
【0012】
前記接続部は、前記工程チューブに配設される第1のフランジと、前記排気管の一方の端に配設される第2のフランジと、前記第1のフランジと前記第2のフランジとの間に配設されるシール部材と、を備えていてもよい。
【0013】
前記接続部は、伸縮性を有する蛇腹をさらに備えていてもよい。
【0014】
前記排気管は、前記排気ポートに接続されて第1の方向に延びる第1の排気管を備え、前記気密ケースは、前記第1の排気管を収める第1のケーシング部を備えていてもよい。
【0015】
前記基板処理システムは、前記工程チューブの下部に配設される下チャンバーをさらに備え、前記排気管は、前記第1の排気管に接続されて下方に延びる第2の排気管をさらに備え、前記気密ケースは、前記下チャンバーと離間し、前記第2の排気管を収める第2のケーシング部をさらに備えていてもよい。
【0016】
前記基板処理システムは、複数枚の基板が多段に積載されて、前記工程チューブに収められる基板ボートをさらに備えていてもよい。
【0017】
前記工程チューブは、複数から構成されて前記排気管の延在方向と交差する方向に並べられ、前記排気モジュールは、各前記工程チューブにそれぞれ配設されてもよい。
【0018】
各前記排気モジュールの排気管は、互いに並ぶように配設されてもよい。
【0019】
前記基板処理システムは、各前記工程チューブにそれぞれ配設され、互いに対称的に配置される複数のガス供給モジュールをさらに備えていてもよい。
【0020】
各前記排気モジュールの少なくとも一部は、前記複数のガス供給モジュールの間に配置されてもよい。
【0021】
前記複数のガス供給モジュールと前記排気モジュールは、少なくとも部分的に並ぶように配置されてもよい。
【0022】
前記排気モジュールは、前記局所排気部と接続されて漏れた排ガスを希釈する漏れガス希釈部をさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施形態に係る基板処理システムは、排気管を気密ケースでケーシングし、局所排気部を介して気密ケースの内部を排気することにより、たとえ排気管に漏れ口(leak)が生じるとしても、排ガスが外部に漏れることを防ぐことができる。これにより、排ガスに含まれている化学物質による安全事故を予防することができ、排ガスの漏れにより半導体製造設備(FAB)内の全ての装置が作動中止(Shut Down)される状況を防ぐこともできる。
【0024】
また、気密ケースに漏れ感知部を配設して排ガスの漏れを感知することにより、排気管から漏れた排ガスを効果的に取り除くことができるだけではなく、排気管及び/又は接続部の漏れ口の発生を把握して排ガスの漏れが生じている状態で基板処理システムが稼働され続けないように排気管及び/又は接続部をメンテナンス(maintenance)することもできる。
【0025】
そして、互いに独立した処理空間を与える複数の工程チューブを通して基板処理量を向上させることもでき、各工程チューブの第1の方向に複数のガス供給モジュールを対称的に配置して複数のガス供給モジュールの間の空間及び/又は気密ケースとガス供給モジュールとの間の離間空間にメンテナンス空間(maintenance space)を与えることもできる。
【0026】
一方、工程チューブの排気ポートには、工程チューブ、排気モジュールなどのメンテナンスのために異なる素材からなる排気管が頻繁に結合及び分離される。このとき、工程チューブの排気ポートと排気管との間に蛇腹(bellows)を配設して異なる素材からなる工程チューブの排気ポートと排気管とがぶつかり合うことを防ぐことができ、加圧などの衝撃により工程チューブの排気ポート及び/又は排気管が損傷されることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態に係る基板処理システムを示す概略斜視図。
【
図2】本発明の一実施形態に係る下チャンバーを説明するための概念図。
【
図3】本発明の一実施形態に係るデュアル基板処理システムを示す組み立て状態の斜視図。
【
図4】本発明の一実施形態に係るデュアル基板処理システムを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。本発明を説明するに当たって、同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付し、図面は、本発明の実施形態を正確に説明するために大きさが部分的に誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理システムを示す概略斜視図である。
【0030】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る基板処理システム100は、基板10に対する処理空間を与える工程チューブ110と、前記工程チューブ110の排気ポート111に接続されて、前記処理空間内の工程残渣を外部に排気する排気モジュール120と、を備えていてもよい。
【0031】
工程チューブ110は、基板10に対する処理空間を与えてもよく、前記処理空間において単一枚または複数枚の基板10に対する処理工程が行われてもよい。例えば、工程チューブ110は、上部が閉じられ、下部が開かれた円筒状に石英(quartz)またはセラミックなどの耐熱性材料から形成されてもよく、内部に複数枚の基板10が収められて処理されてもよい。ここで、前記処理空間は、複数枚の基板10が工程チューブ110の長手方向に積み重ねられた基板ボート115を収め、実際に処理工程(例えば、蒸着工程)が行われる空間であってもよい。
【0032】
排気モジュール120は、工程チューブ110の排気ポート111に接続されてもよく、前記処理空間内の工程残渣を外部に排気してもよい。例えば、排気管121が工程チューブ110の排気ポート111と連通されてもよく、これを通して、前記処理空間から前記工程残渣が排出されることができ、外部に排気されることができる。
【0033】
ここで、排気モジュール120は、排気ポート111に接続される排気管121と、排気管121の少なくとも一部を収める気密ケース122と、気密ケース122に配設され、気密ケース122の内部を排気する局所排気部123と、を備えていてもよい。排気管121は、排気ポート111に接続されてもよく、前記処理空間から排気ポート111を介して前記工程残渣が排出できる経路を与えてもよく、これを通して、前記工程残渣を含む排ガスを排気することができる。
【0034】
気密ケース122は、排気管121の少なくとも一部を収めてもよく、排気管121から漏れる排ガスが外部環境(例えば、半導体製造設備(FAB)の作業空間)に抜け出ることを防ぐことができる。これを通して、たとえ前記排ガスが排気管121から漏れるとしても、漏れた排ガスが外部環境の作業者及び/又は装置に影響または損傷(damage)を与えることを予防することができる。
【0035】
局所排気部123は、気密ケース122に配設されてもく、気密ケース122の内部を排気することができる。例えば、局所排気部123は、前記漏れた排ガスを気密ケース122の内部から排気してもよく、気密ケース122の内部に排ガスが飽和されることを防ぐことができる。また、前記漏れた排ガスが排気管121の外壁及び/又は気密ケース122の内壁に損傷などを与えることを防ぐこともできる。そして、前記漏れた排ガスを気密ケース122の内部から排気して取り除くことにより、漏れが生じた部分をメンテナンス(maintenance)することもできる。ここで、気密ケース122の内部から前記漏れた排ガスが完全に取り除かれた後に気密ケース122を開いて(open)気密ケース122の内部の漏れが生じた排気管121、接続部125などをメンテナンスすることができる。一方、局所排気部123は、気密ケース122の内部を排気して気密ケース122の内部を真空状態に保ってもよく、気密ケース122の内部の圧力(または、気圧)を低く保ってガスそれ自体が気密ケース122の内部から外部へと流出されることを源泉的に遮断してもよい。
【0036】
基板処理システム100においては、基板の処理のための工程ガスとして、毒性、可燃性、腐食性、遅延性などを有しており、しかも、人体に有害である虞がある化学物質が使用可能であり、排気管121により(または、排気管121を介して)排出される工程残渣にも毒性(toxic)などがある化学物質(例えば、DCS、NH3、F2など)が含まれていてもよい。これにより、前記工程残渣を含む排ガスが排気管121から漏れて外部環境に抜け出てしまう場合には、化学物質による安全事故が生じる虞がある。また、排ガスが漏れたときには、人体に有害になる可能性があるだけではなく、半導体製造設備(FAB)内の数十、数百台の全ての装置が作動中止(Shut Down)されることを余儀なくされるという問題も生じてしまう。これにより、たとえ排気管121から排ガスが漏れるとしても、前記漏れた排ガスが外部環境に抜け出ることを防ぐような仕組みが肝要である。
【0037】
したがって、本発明に係る基板処理システム100は、排気管121を気密ケース122でケーシング(casing)し、局所排気部123を介して気密ケース122の内部を排気することにより、たとえ排気管121、接続部125などに漏れ口(leak)が生じるとしても、排ガスが外部環境に漏れることを防ぐことができる。これにより、排ガスに含まれている化学物質による安全事故を予防することができ、排ガスの漏れにより半導体製造設備内の全ての装置が作動中止されてしまう状況を防ぐこともできる。
【0038】
そして、排気モジュール120は、気密ケース122に配設されて排気管121の排ガスの漏れを感知する漏れ感知部124をさらに備えていてもよい。漏れ感知部124は、気密ケース122に配設されてもよく、排気管121から排ガスが漏れるかどうかを感知(sensing)してもよい。例えば、漏れ感知部124は、排ガスを直接的に検出して前記漏れた排ガスを感知してもよく、気密ケース122の内部の圧力の変化を測定(または、感知)して排ガスの漏れを感知してもよい。これにより、排気管121から漏れた排ガスを、漏れが生じた途端、効果的に取り除くことができる。また、排気管121、接続部125などの漏れ口の発生を把握して排ガスの漏れが生じている状態で基板処理システム100が稼働され続けないように漏れ口が生じた排気管121及び/又は接続部125が接続されている工程チューブ110の稼働のみを止めて前記漏れ口が生じた排気管121及び/又は接続部125をメンテナンスすることができる。
【0039】
すなわち、本発明の基板処理システム100は、気密ケース122に漏れ感知部124を配設して排ガスの漏れを感知することにより、排気管121から漏れた排ガスを、漏れた途端、効果的に取り除くことができるだけではなく、排気管121及び/又は接続部125の漏れ口の発生を把握して排ガスの漏れが生じた状態で基板処理システム100が稼働され続けないように排気管121及び/又は接続部125をメンテナンスすることができる。
【0040】
また、排気モジュール120は、排気管121と工程チューブ110の排気ポート111とを接続する接続部125をさらに備えていてもよい。接続部125は、排気管121の一方の端と工程チューブ110の排気ポート111とを接続してもよく、排気管121の一方の端と工程チューブ110の排気ポート111との間をシール(sealing)してもよい。例えば、接続部125は、シールのために、Oリング(O-ring)などのシール部材125cを備えていてもよい。
【0041】
本発明の基板処理システム100は、工程チューブ110に配設されて、工程チューブ110に熱エネルギーを供給するヒーター部(図示せず)をさらに備えていてもよい。
【0042】
ヒーター部(図示せず)は、工程チューブ110に配設されてもよく、工程チューブ110に熱エネルギー(または、熱)を供給してもよい。例えば、ヒーター部(図示せず)は、工程チューブ110の外側に配設されてもよく、工程チューブ110を収めて加熱してもよい。これを通して、工程チューブ110に収められる複数枚の基板10を基板処理(または、反応)できる温度まで昇温することができる。
【0043】
基板処理システム100においては、基板の処理のために、工程チューブ110が高い温度に加熱されてしまうため、このような熱が接続部125に届いてシール部材125cが熱により歪まれたり損傷されたりする虞がある。このため、接続部125に漏れ口が生じてこのような漏れ口を介して排ガスが漏れる虞がある。なお、シール部材125cは、シールのために工程チューブ110の排気ポート111及び/又は排気管121と密着できるように軟性材質からなるため、長時間(または、長期間)にわたっての使用によっても歪まれたり損傷されたりする虞があり、漏れ口を生じさせることが懸念される。
【0044】
一方、排気管121が複数から構成される場合には、接続部125が排気管121の間にも配設されてもよい。排気管121の間に配設される接続部125もまた、シールのためにシール部材125cを備えていてもよく、これもまた、長時間にわたっての使用及び/又は熱により歪み及び/又は損傷が生じて漏れ口が生じることが懸念され、このような漏れ口への排ガスの漏れが生じる虞がある。
【0045】
接続部125は、工程チューブ110に配設される第1のフランジ125aと、排気管121の一方の端に配設される第2のフランジ125bと、第1のフランジ125aと第2のフランジ125bとの間に配設されるシール部材125cと、を備えていてもよい。第1のフランジ125aは、工程チューブ110に配設されてもよく、工程チューブ110の下端部に配設されて排気ポート111を形成してもよい。ここで、第1のフランジ125aは、工程チューブ110と同様に、石英またはセラミックから作製されてもよい。
【0046】
第2のフランジ125bは、排気管121の一方の端に配設されてもよく、第1のフランジ125aに接続されて排気ポート111と排気管121とを連通させてもよい。ここで、第2のフランジ125bは、排気管121と同じ素材から形成されてもよく、耐食性を有する金属(metal)素材から形成されてもよい。
【0047】
シール部材125cは、第1のフランジ125aと第2のフランジ125bとの間に配設されてもよく、第1のフランジ125aと第2のフランジ125bにそれぞれ密着されて第1のフランジ125aと第2のフランジ125bとをシールしてもよい。
【0048】
接続部125は、伸縮性または長さ可変性を有する蛇腹(bellows)125dをさらに備えていてもよい。蛇腹125dは、長さが可変になりながらも、第1のフランジ125aと第2のフランジ125bとをシールすることができ、第1のフランジ125aと第2のフランジ125bとを相互に対して衝撃を加えない安全距離以上に離間させることができる。
【0049】
第1のフランジ125aと第2のフランジ125bは、互いに異なる素材(例えば、石英と金属の素材)から形成されていて、互いに密着されて加圧されたりぶつかり合ったりする場合には、少なくともどちらか一方が損傷される虞がある。例えば、金属素材製の第2のフランジ125bが石英製の第1のフランジ125aよりも相対的に強いため、第2のフランジ125bが第1のフランジ125aにぶつかったり第1のフランジ125aを加圧したりする場合には、第1のフランジ125aが割れるなど損傷される虞がある。これにより、蛇腹125dを介して第1のフランジ125aと第2のフランジ125bとを前記安全距離以上に離間させることができながらも、第1のフランジ125aと第2のフランジ125bとをシールすることができる。ここで、工程チューブ110の排気ポートには、工程チューブ110、排気モジュール120などのメンテナンスのために、互いに異なる素材の排気管121が頻繁に結合及び分離される。このとき、蛇腹125dは、互いに異なる素材製の第1のフランジ125aと第2のフランジ125bが結合されながらぶつかり合ったり加圧されたりして損傷されることを防ぐことができる。
【0050】
接続部125が蛇腹125dを備える場合には、蛇腹125dが伸縮または(長さ)可変になりながら、その外壁からパーティクル(particle)が生じる虞もあり、長時間にわたっての使用及び/又は熱により歪み及び/又は損傷が生じて漏れ口が生じることも懸念される。本発明に係る基板処理システム100は、気密ケース122及び/又は局所排気部123を介して蛇腹125dの外壁から生じるパーティクルが外部環境に流出されることを防ぐことができるだけではなく、長時間にわたっての使用及び/又は熱により生じた漏れ口により漏れた排ガスが外部環境に抜け出ることを予防することができる。
【0051】
一方、基板処理システム100の初期の設置及び/又は工程チューブ110、排気管121、接続部125などをメンテナンスした後の再設置により工程チューブ110の排気ポート111と排気管121及び/又は排気管121とを結合(または、再結合)する場合に、工程チューブ110の排気ポート111と排気管121との間及び/又は排気管121の間の接続部125などからの漏れが生じるか否かの検査を行わなければならない。このような場合にも、本発明の基板処理システム100は、気密ケース122と漏れ感知部124を介して漏れがあるかどうかを効果的に検査することができ、たとえ結合不良により漏れが生じた場合であっても、外部環境への排ガスの漏れなしに局所排気部123を介して漏れた排ガスを効果的に取り除く(または、排気する)ことができる。ここで、別途の検査を省略し、工程を行いながら排ガスの漏れを感知してもよい。
【0052】
シール部材125cの熱による歪みを防ぐために冷却を行うと、シール部材125cの表面において排ガスが冷却されながら、シール部材125cの表面にパーティクルが付着してしまい、このようなパーティクルが排気に影響を及ぼしたり、処理工程に影響を及ぼしたりする虞がある。これにより、シール部材125cは冷却できず、たとえシール部材125cを冷却するとしても、空間が手狭いため、冷却のための構成要素を設置することも困難である。これにより、接続部125からの排ガスの漏れを検出し、漏れた排ガスを効果的に取り除き、漏れが生じた接続部125をメンテナンスすることが不可欠である。このため、本発明においては、排気管121、接続部125などを気密ケース122でケーシングし、局所排気部123を介して気密ケース122の内部を排気することにより、たとえ排気管121、接続部125などに漏れ口が生じるとしても、排ガスが外部環境に漏れることを防ぐことができる。
【0053】
ここで、排気管121は、排気ポート111に接続されて第1の方向11に延びる第1の排気管121aを備えていてもよい。第1の排気管121aは排気ポート111に接続されてもよく、第1の方向11に延びてもよく、少なくとも一部が気密ケース122に収められてもよい。このとき、第1の排気管121aは水平に配設されてもよく、直線区間のみからなる部分であってもよい。このような場合、排気管121が排気ポート111においてうねることなく、一直線状に配設されてもよく、排気管121がうねった形状ではなく、直進性を有する構造を有して、工程チューブ110の排気性能が向上することができる。
【0054】
もし、排気管121がうねってしまうと、排気管121のうねり回数に応じて排気性能が低下する虞があり、第1の排気管121aを水平に一直線状に配設して排気性能の低下を防ぎ、工程チューブ110の排気性能を確保することができる。このため、第1の排気管121aを備える排気管121の水平区間を一直線状に形成することができる。排気管121の水平区間が一直線状に形成される場合には、排気管121が50mm以上の内径(または、100A以上の大きさ)を有していてもよく、これにより、工程チューブ110の排気性能をさらに向上させることができる。このとき、排気管121の内径は、工程チューブ110の幅よりも小さくてもよい。
【0055】
気密ケース122は、第1の排気管121aを収める第1のケーシング部122aを備えていてもよい。第1のケーシング部122aは、第1の排気管121aを収めてもよく、少なくとも排気ポート111に接続される第1の排気管121aの一方の端部と接続部125を収めてもよい。これを通して、前記排ガスの漏れが頻繁に生じる工程チューブ110の排気ポート111と排気管121の一方の端との間が外部に晒されないようにケーシングすることができる。これにより、たとえこの部分(例えば、前記接続部)などから前記排ガスの漏れが生じるとしても、前記漏れた排ガスが外部環境に流出されることを防ぐことができる。
【0056】
一方、排気モジュール120は、排気管121に(例えば、前記第1の排気管に)接続されて工程チューブ110の真空度を測定する真空センサー部127をさらに備えていてもよい。真空センサー部127は、第1の排気管121aなどの排気管121に配設(または、接続)されてもよく、工程チューブ110の真空度を測定することができる。真空センサー部127は、工程チューブ110の真空度を測定するために、排気管121と連通されるように排気管121に接続されなければならない。このため、排気管121と真空センサー部127との接続部分にも接続部125が配設されてもよく、排気管121と真空センサー部127との間(例えば、前記接続部)から前記排ガスの漏れが生じる虞もある。これにより、気密ケース122は、排気管121と真空センサー部127との接続部分を収めることもできる。
【0057】
図2は、本発明の一実施形態に係る下チャンバーを説明するための概念図であって、
図2の(a)は、基板処理システムの側面図であり、
図2の(b)は、下チャンバーの正面図である。
【0058】
図2を参照すると、本発明に係る基板処理システム100は、工程チューブ110の下部に配設される下チャンバー130をさらに備えていてもよい。
【0059】
下チャンバー130は、工程チューブ110の下部に配設されてもよく、複数枚の基板10が搬入されて基板ボート115に多段に(または、上下方向に)積載される空間を与えてもよい。このとき、下チャンバー130において複数枚の基板10が積載された基板ボート115は、基板処理工程を行うために昇降して工程チューブ110の処理空間に収められてもよい。例えば、下チャンバー130は、基板ボート115が昇降できるように上部が開かれてもよく、複数枚の基板10が搬入できるように一方の側に基板10が出入りする通路が形成されてもよい。ここで、下チャンバー130は、搬送チャンバー(図示せず)に接続されてもよく、搬送チャンバー(図示せず)と接続される通路を有していてもよく、この通路を介して基板10が搬送チャンバー(図示せず)から下チャンバー130へと搬入されてもよい。前記通路の外側にはゲート弁(図示せず)が設けられてもよく、前記通路は、ゲート弁(図示せず)により開閉されてもよい。
【0060】
本発明に係る基板処理システム100は、複数枚の基板10が多段に積載されて、工程チューブ110に収められる基板ボート115をさらに備えていてもよい。
【0061】
基板ボート115は、複数枚の基板10が多段に積載されてもよく、基板の処理工程を行うために工程チューブ110に収められてもよい。すなわち、基板ボート115は、バッチ式(Batch type)で基板の処理工程を行うために複数枚の基板10が多段に積載されてもよく、工程チューブ110の処理空間に配設されてもよく、基板の処理工程に際して工程チューブ110の内部空間(すなわち、処理空間)に収められてもよい。このとき、基板ボート115は複数であってもよく、複数の工程チューブ110の処理空間にそれぞれ配設されてもよい。ここで、基板ボート115は、複数枚の基板10がそれぞれ別々に処理できる複数の独立空間を有するように構成されてもよい。
【0062】
そして、排気管121は、第1の排気管121aに接続されて下方に延びる第2の排気管121bをさらに備えていてもよい。第2の排気管121bは下方に延びてもよく、第1の排気管121aに接続されてもよく、第1の排気管121aに直結されてもよく、さらなる排気管121及び/又は接続部125を介して接続されてもよい。このような第2の排気管121bを介して、下チャンバー130により排気ポート111が高所に位置する場合であっても、第1の排気管121aを水平にし、しかも、第1の排気管121aに直進性を持たせることができる。
【0063】
また、第1の排気管121aによる水平区間と第2の排気管121bによる垂直区間とから構成されて排気管121がオーバーヘッド(overhead)構造を有する場合には、第1の排気管121aが底面(または、下部方向の対向面)から離間することができて、第1の排気管121aと前記底面との間にメンテナンス空間(maintenance space)を与えることもできる。
【0064】
ここで、気密ケース122は、下チャンバー130と離間し、第2の排気管121bを収める第2のケーシング部122bをさらに備えていてもよい。第2のケーシング部122bは、第2の排気管121bを収めてもよく、第2の排気管121b及び/又は第2の排気管121bを他の排気管121などに接続する接続部125にも前記排ガスの漏れが生じる虞があるため、第2の排気管121b、接続部125などが外部に晒されないようにケーシングしてもよい。これにより、たとえ第2の排気管121b、接続部125などに前記排ガスの漏れが生じるとしても、前記漏れた排ガスが外部環境に流出されることを防ぐことができる。
【0065】
さらに、第2のケーシング部122bは、下チャンバー130と離間してもよく、下チャンバー130との間にメンテナンス空間を与えてもよい。このとき、第2のケーシング部122bは、下チャンバー130と対向して配置されてもよく、下チャンバー130と対向する面に第2の排気管121bなどのメンテナンスのためのメンテナンスポート(maintenance port)を有していてもよい。第2のケーシング部122bが下チャンバー130と対向して配置されれば、排気ポート111が工程チューブ110の中央に第1の方向11に向かって配設され、第1の排気管121aが第1の方向11に一直線状に配設されることができて、工程チューブ110の排気性能が最大化(または、最適化)されることが可能になる。そして、第2のケーシング部122bがメンテナンスポートを有すると、下チャンバー130と第2のケーシング部122bとの間のメンテナンス空間において第2の排気管121bなどのメンテナンスを行い易くなる。
【0066】
一方、本発明の基板処理システム100は、第2のケーシング部122bの第1の方向11に配設される制御モジュール150をさらに備えていてもよい。
【0067】
制御モジュール150は、第2のケーシング部122bの第1の方向11に配設されてもよく、工程チューブ110において行われる基板の処理工程を制御してもよい。例えば、制御モジュール150は、排気モジュール120、ガス供給モジュール140などの作動を制御して基板処理工程を制御してもよい。ここで、制御モジュール150は、制御ボックス状に構成されてもよく、第2のケーシング部122bは、第1の方向11の面に第2の排気管121bなどのメンテナンスのためのメンテナンスポートを有していてもよく、前記メンテナンスポートは、制御モジュール150により開閉されてもよい。例えば、制御モジュール150は、ヒンジ(hinge)構造を介して第2のケーシング部122bに接続されて開閉してもよく、これを通して、第2のケーシング部122bの第1の方向11の面が開閉されることが可能になる。
【0068】
図3は、本発明の一実施形態に係るデュアル基板処理システムを示す組み立て状態の斜視図であり、
図4は、本発明の一実施形態に係るデュアル基板処理システムを示す平面図である。
【0069】
図3及び
図4を参照すると、工程チューブ110は、複数から構成されて排気管121の延在方向と交差する方向に並べられてもよい。例えば、排気管121は、第1の方向11に延びてもよく、複数の工程チューブ110は、第1の方向11と交差する第2の方向12に並べられてもよい。複数の工程チューブ110は、第2の方向12に互いに離隔して配置されてもよく、一対(pair)をなしてもよく、互いに独立した工程空間を与えてもよい。ここで、第2の方向12は、基板処理システム100を横切る方向であってもよい。複数の工程チューブ110は、内部空間を有していてもよく、基板の処理工程に際して基板ボート115が収められてもよく、ガス雰囲気(または、雰囲気ガス)、温度などが独立して制御されてもよい。複数の工程チューブ110が独立して制御されて基板の処理工程が安定して行われることができ、基板処理システム100を介した基板の処理量及び基板の処理品質が向上することができ、複数の工程チューブ110間の間隔及び/又は周りの配置構成点数を減らして占有面積(Foot Print)を減らすこともできる。ここで、複数の工程チューブ110は、単一のチューブから構成されてもよく、複数のチューブから構成されてもよく、基板ボート115が収められて基板処理工程が行える工程空間を与えられればよい。例えば、複数の工程チューブ110は、外部チューブと内部チューブとから構成されてもよい。
【0070】
ここで、排気モジュール120は、各工程チューブ110にそれぞれ配設されてもよい。排気モジュール120が各工程チューブ110にそれぞれ配設されることにより、各工程チューブ110の排気をそれぞれ制御することができ、各工程チューブ110の基板処理工程を独立して制御することができる。
【0071】
このとき、排気モジュール120の排気管121は、互いに並ぶように配設されてもよい。すなわち、排気モジュール120の排気管121は、互いに並ぶように配設されて工程チューブ110の中央の排気ポート111から一直線状に配設されてもよく、工程チューブ110の排気性能が最大化され得る。なお、排気管121が互いに対称をなして複数の工程チューブ110の間への均一な排気を通した均一な基板処理工程が行われるようにしてもよい。
【0072】
本発明に係る基板処理システム100は、各工程チューブ110にそれぞれ配設され、互いに対称的に配置される複数のガス供給モジュール140をさらに備えていてもよい。
【0073】
複数のガス供給モジュール140は、各工程チューブ110にそれぞれ配設されてもよく、互いに対称的に配置されてもよい。例えば、複数のガス供給モジュール140は、各工程チューブ110の第1の方向11にそれぞれ配設されてもよく、複数の工程チューブ110の間の中央から第1の方向11に延びる線(または、前記複数の工程チューブの間の中央からの前記第1の方向への延長線)を中心として互いに対称状に配置されてもよい。複数のガス供給モジュール140が各工程チューブ110の第1の方向11に相互に対称状をなしてそれぞれ配設されることにより、各工程チューブ110のガスの供給をそれぞれ制御して各工程チューブ110の基板の処理工程を独立して制御することができ、複数の工程チューブ110の間への均一なガスの供給を通した均一な基板処理工程が行われるようにすることができる。ここで、複数のガス供給モジュール140は、第2の方向12に互いに離隔してそれらの間の空間を与えてもよく、複数のガス供給モジュール140の間の空間においてガス供給モジュール140、工程チューブ110などのメンテナンスを行ってもよい。
【0074】
本発明に係る基板処理システム100は、互いに独立した処理空間を与える複数の工程チューブ110を介して基板処理量を向上させることもできる。また、基板処理システム100は、各工程チューブ110の第1の方向11に複数のガス供給モジュール140を対称的に配置して複数のガス供給モジュール140の間の空間及び/又は気密ケース122とガス供給モジュール140との間の離間空間にメンテナンス空間を与えることもできる。
【0075】
各排気モジュール120の少なくとも一部は、複数のガス供給モジュール140の間に配置されてもよい。例えば、各排気モジュール120の第1の排気管121aが複数のガス供給モジュール140の間に配置されてもよい。すなわち、複数のガス供給モジュール140は、複数の工程チューブ110のうちそれぞれ対応する工程チューブ110の中心から第1の方向11に延びる線(または、それぞれ対応する前記工程チューブの中心からの前記第1の方向への延長線)から両側の外側(または、互いに遠ざかる方向)にずれて対称的に配置されてもよい。
【0076】
複数のガス供給モジュール140が前記対応する工程チューブ110の中心から第1の方向11に延びる線からずれる場合には、複数のガス供給モジュール140の間の空間がさらに広くなり、その結果、複数のガス供給モジュール140の間に広いメンテナンス空間を確保することができる。例えば、前記対応する工程チューブ110から(例えば、前記対応する工程チューブの中心から)斜め方向(または、対角線方向)に延びて前記対応する工程チューブ110の中心から第1の方向11に延びる線からずれても良い。なお、前記対応する工程チューブ110の中心から第2の方向12にずれて延びて前記対応する工程チューブ110の中心から第1の方向11に延びる線からずれてもよい。
【0077】
このとき、複数のガス供給モジュール140と排気モジュール120は、少なくとも部分的に並ぶように配置されてもよい。例えば、排気モジュール120の第1の排気管121aが第1の方向11に一直線状に配設されてもよく、複数のガス供給モジュール140もまた、第1の排気管121aと並ぶように第1の方向11に延びてもよい。複数のガス供給モジュール140が第1の方向11に延びる場合には、基板処理システム100の第2の方向12の幅が最小化されてもよい。ここで、複数のガス供給モジュール140は、複数の工程チューブ110の両端に第1の方向11に並ぶように配置されてもよく、複数の工程チューブ110が配置される工程部(または、工程領域)の両端から第1の方向11に延びて互いに並ぶように配置されてもよい。このような場合、基板処理システム100の第2の方向12の幅が最小化できるだけではなく、メンテナンス空間を最大にすることができる。また、前記工程ガスの層流(laminar flow)のために、複数のガス供給モジュール140は、工程チューブ110の排気ポート111と対向する方向から前記工程ガスを供給せねばならない。ここで、基板処理システム100の第2の方向12の両端に複数のガス供給モジュール140が並ぶように配置されれば、ガス供給ラインのうねり回数及び/又はうねり距離を減らすことができ、最小化させることができる。そして、複数のガス供給モジュール140が排気管121などの排気モジュール120に干渉されないことができて、各工程チューブ110に最大限に近くに複数のガス供給モジュール140をそれぞれ配設することができる。これにより、前記ガス供給ラインの長さが短くなり、その結果、ガスの供給時間が短縮されることもでき、ガスの供給性能が向上することができる。
【0078】
一方、複数のガス供給モジュール140は、気密ケース122の下部(すなわち、前記第1のケーシング部の下部)にそれぞれ配設されて気密ケース122との離間空間(または、前記第1のケーシング部との離間空間)を与えてもよい。複数のガス供給モジュール140と第1のケーシング部122aとの間の離間空間にメンテナンス空間が与えられてガス供給モジュール140、排気モジュール120、工程チューブ110などのメンテナンスをすることができる。
【0079】
排気モジュール120は、局所排気部123と接続されて漏れた排ガスを希釈する漏れガス希釈部126をさらに備えていてもよい。漏れガス希釈部126は、局所排気部123と接続されて漏れた排ガスを希釈してもよく、前記漏れた排ガス中に含まれている有毒性ガス(toxic gas)を希釈して外部に排気してもよい。例えば、一定の空間に前記漏れた排ガスを溜めた後に、溜められた排ガスを窒素(N2)などで希釈して毒性がなくなった状態で排ガスを外部に排気してもよい。
【0080】
このように、本発明においては、排気管を気密ケースでケーシングし、局所排気部を介して気密ケースの内部を排気することにより、たとえ排気管に漏れ口が生じるとしても、排ガスが外部に漏れることを防ぐことができる。これにより、排ガスに含まれている化学物質による安全事故を予防することができ、排ガスの漏れにより半導体製造設備内のすべての装置が作動中止されてしまう状況を防ぐこともできる。また、気密ケースに漏れ感知部を配設して排ガスの漏れを感知することにより、排気管から漏れた排ガスを効果的に取り除くことができるだけではなく、排気管及び/又は接続部の漏れ口の発生を把握して排ガスの漏れが生じている状態で基板処理システムが稼働され続けないように排気管及び/又は接続部をメンテナンスすることもできる。そして、互いに独立した処理空間を与える複数の工程チューブを介して基板処理量を向上させることもでき、各工程チューブの第1の方向に複数のガス供給モジュールを対称的に配置して複数のガス供給モジュールの間の空間及び/又は気密ケースとガス供給モジュールとの間の離間空間にメンテナンス空間を与えることもできる。一方、工程チューブの排気ポートには工程チューブ、排気モジュールなどのメンテナンスのために互いに異なる素材製の排気管が頻繁に結合及び分離される。このとき、工程チューブの排気ポートと排気管との間に蛇腹を配設して互いに異なる素材製の工程チューブの排気ポートと排気管とがぶつかり合うことを防ぐことができ、加圧などの衝撃により工程チューブの排気ポート及び/又は排気管が損傷されることを防ぐことができる。
【0081】
以上、本発明の好適な実施形態について図示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、これより様々な変形が行え、且つ、均等な他の実施形態が採用可能であるということが理解できる筈である。よって、本発明の技術的な保護範囲は、次の特許請求の範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0082】
10:基板
11:第1の方向
12:第2の方向
100:基板処理システム
110:工程チューブ
111:排気ポート
115:基板ボート
120:排気モジュール
121:排気管
121a:第1の排気管
121b:第2の排気管
122:気密ケース
122a:第1のケーシング部
122b:第2のケーシング部
123:局所排気部
124:漏れ感知部
125:接続部
125a:第1のフランジ
125b:第2のフランジ
125c:シール部材
125d:蛇腹
126:漏れガス希釈部
127:真空センサー部
130:下チャンバー
140:ガス供給モジュール
150:制御モジュール