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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】アダプタ
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20230629BHJP
   G03B 17/14 20210101ALI20230629BHJP
【FI】
G03B17/56 Z
G03B17/14
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021575057
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 CN2021074317
(87)【国際公開番号】W WO2021159970
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】202010093868.6
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521548940
【氏名又は名称】梁 燕玲
【氏名又は名称原語表記】LEUNG, Yinling
【住所又は居所原語表記】C16, 2/F, Por Mee Ind. Bldg., 500 Castle Peak Road, Lai Chi Kok, Kowloon, Hong Kong
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】梁 国輝
(72)【発明者】
【氏名】梁 燕玲
(72)【発明者】
【氏名】茹 偉東
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212083874(CN,U)
【文献】中国実用新案第2742463(CN,Y)
【文献】中国特許出願公開第105223672(CN,A)
【文献】特開平02-006933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 11/00 - 11/06
G03B 17/14
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影アクセサリーに合わせるように接続されたインターフェースがアダプタ本体の第一側(110a)に設けられている中空のアダプタ本体(110)と、
アダプタ本体の第二側(110b)に回動可能に接続された回動リング(120)と、
少なくとも三つの摺動アダプタ部品(130)を含み、
回動リング(120)は、各摺動アダプタ部品(130)に対して、それぞれ、少なくとも二つの回動環状案内溝が設けられており、アダプタ本体(110)は、各摺動アダプタ部品(130)に対して、それぞれ、少なくとも二つのアダプタ本体案内溝が設けられており、前記少なくとも二つの回動環状案内溝のそれぞれと前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝のそれぞれは、一対一に対応し、各摺動アダプタ部品(130)は、少なくとも二つの案内手段に対応して固定接続され、前記少なくとも二つの案内手段は、前記少なくとも二つの回動環状案内溝を貫通して前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝に摺動可能に接続され、各摺動アダプタ部品(130)は、前記少なくとも二つの回動環状案内溝を貫通した前記少なくとも二つの案内手段によって、それぞれ、前記少なくとも二つの回動環状案内溝と前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝とに摺動可能に接続されることにより、前記摺動アダプタ部品(130)は、回動リング(120)とアダプタ本体(110)の相対的回動に伴って、同時に、前記少なくとも二つの回動環状案内溝と前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝に沿って移動可能であり、ここで、各摺動アダプタ部品(130)と対応する前記少なくとも二つの案内手段のそれぞれは、前記少なくとも二つの回動環状案内溝のそれぞれと一対一に対応しながら、前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝のそれぞれと一対一に対応し、
各摺動アダプタ部品(130)には、それぞれ、アダプタ部(131)が設けられており、前記少なくとも二つの回動環状案内溝と前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝は、前記摺動アダプタ部品(130)が前記少なくとも二つの回動環状案内溝と前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝に沿って移動する場合に、各摺動アダプタ部品(130)のアダプタ部(131)が円周方向に分布するように形成されると共に当該円周方向に分布する直径がアダプタ部(131)の移動に伴って増減することにより、カメラレンズに合わせるように接続可能であるように設置される、ことを特徴とするアダプタ(100)。
【請求項2】
各摺動アダプタ部品(130)と対応する前記少なくとも二つの回動環状案内溝は、第一回動環状案内溝(121)と第二回動環状案内溝(122)を含み、前記第一回動環状案内溝(121)と第二回動環状案内溝(122)は、それぞれ、回動リング(120)に沿って円周方向に分布するように形成され、前記少なくとも二つの案内手段は、第一案内手段(141)と第二案内手段(142)を含み、各摺動アダプタ部品(130)と対応する前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝は、第一アダプタ本体案内溝(111)と第二アダプタ本体案内溝(112)を含み、前記第一アダプタ本体案内溝(111)と第二アダプタ本体案内溝(112)は、それぞれ、アダプタ本体(110)に円周方向に分布するように形成され、前記第一案内手段(141)は、第一回動環状案内溝(121)を貫通し、前記第一案内手段の第一端(141a)が摺動アダプタ部品(130)に接続されると共に前記第一案内手段の第二端(141b)が前記第一アダプタ本体案内溝(111)に摺動可能に接続され、前記第二案内手段(142)は、第二回動環状案内溝(122)を貫通し、前記第二案内手段の第一端(142a)が摺動アダプタ部品(130)に接続されると共に前記第二案内手段の第二端(142b)が前記第二アダプタ本体案内溝(112)に摺動可能に接続され、アダプタ本体(110)の所在する平面における前記第一回動環状案内溝(121)の正投影と第一アダプタ本体案内溝(111)が前記第一案内手段(141)に位置する箇所とが交差し、アダプタ本体(110)の所在する平面における前記第二回動環状案内溝(122)の正投影と第二アダプタ本体案内溝(112)が前記第二案内手段(142)に位置する箇所とが交差する、ことを特徴とする請求項1に記載のアダプタ(100)。
【請求項3】
第一回動環状案内溝の第一端(121a)と第二回動環状案内溝の第一端(122a)とは、互いに間隔をあけると共にそれぞれが回動リングの外辺縁に近く位置しており、第一回動環状案内溝の第二端(121b)と第二回動環状案内溝の第二端(122b)とは、互いに間隔をあけると共にそれぞれが回動リングの内辺縁に近く位置しており、第一アダプタ本体案内溝の第一端(111a)と第二アダプタ本体案内溝の第一端(112a)は、互いに間隔をあけると共にそれぞれがアダプタ本体(110)の外辺縁に近く位置しており、第一アダプタ本体案内溝の第二端と第二アダプタ本体案内溝の第二端(112b)は、互いに間隔をあけると共にそれぞれが回動リングの内辺縁に近く位置する、ことを特徴とする請求項2に記載のアダプタ(100)。
【請求項4】
前記アダプタ本体は、前記インターフェースを形成するように、撮影アクセサリーに合わせるように接続される第一環状凹溝(113)が第一側(110a)に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のアダプタ(100)。
【請求項5】
前記アダプタ部(131)は、アダプタ部品(130)に設置された凸部であり、
当該凸部は、アダプタ本体(110)における軸方向にアダプタ本体(110)から離れた方向に凸となると共にカメラレンズに合わせるように接続されるように設置される、ことを特徴とする請求項1に記載のアダプタ(100)。
【請求項6】
前記凸部(131)は、アダプタ本体(110)から離れた方向において軸方向に沿って延びる円弧状板であり、しかも、各アダプタ部(131)における円弧状板は、円周方向に分布するように形成され、当該円弧状板は、カメラレンズに螺合接続されるように設置される、ことを特徴とする請求項5に記載のアダプタ(100)。
【請求項7】
前記アダプタ本体(110)には、ストッパー部品(150)がさらに設けられており、前記ストッパー部品(150)は、前記アダプタ部(131)が止まるように、回動リング(120)が前記アダプタ本体(110)に対して回動するのを阻止できるように設置される、ことを特徴とする請求項1に記載のアダプタ(100)。
【請求項8】
前記アダプタ本体の第二側(110b)には、第二環状凹溝(114)が設けられており、
前記回動リング(120)は、前記第二環状凹溝(114)に嵌合してアダプタ本体(110)に回動可能に接続され、前記アダプタ本体(110)における周方向の側壁には、前記第二環状凹溝(114)と連通するねじ貫通穴(115)が設けられ、前記ストッパー部品(150)は、ねじ貫通穴(115)に合わせるように接続されるネジであり、前記ネジは、前記ねじ貫通穴を貫通してねじ貫通穴(115)に沿って移動することにより、前記回動リング(120)に当接し又は離開することが可能である、ことを特徴とする請求項7に記載のアダプタ(100)。
【請求項9】
各摺動アダプタ部品(130)は、扇形環を呈するシート状本体(132)を含み、前記シート状本体(132)には、第一取り付け穴(133)と第二取り付け穴(134)が設けられており、前記シート状本体(132)は、前記アダプタ部(131)が上方側に設けられており、第一案内手段の第一端(141a)は、第一取り付け穴(133)に螺合接続され、シート状本体(132)は、第一案内手段(141)を介してそれぞれ第一回動環状案内溝(121)と前記第一アダプタ本体案内溝(111)に摺動可能に接続され、第二案内手段第一端(142a)は第二取り付け穴(134)に螺合接続され、シート状本体(132)は、第二案内手段(142)を介して、それぞれ、第二回動環状案内溝(122)と前記第二アダプタ本体案内溝(112)に摺動可能に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載のアダプタ(100)。
【請求項10】
各シート状本体(132)は、それぞれ、シート状本体第一端(132a)とシート状本体第二端(132b)を含み、前記シート状本体第一端には、第一遮光部(135)が設けられており、前記シート状本体第二端には、第二遮光部(136)が設けられており、前記第一遮光部(135)と前記第二遮光部(136)は、厚さがシート状本体の厚さよりも薄いシート状構成であり、前記第一遮光部(135)と第二遮光部(136)は、隣り合う前記シート状本体(132)が互いに近接する場合に、前記第一遮光部(135)と前記第二遮光部(136)が重なり合うように設置されることを特徴とする請求項9に記載のアダプタ(100)。
【請求項11】
アダプタ本体(110)には、アダプタ部品(130)を自動的にロックするための弾性部材がさらに設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のアダプタ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影機器の分野に関し、特に、先端に異なる円形状の開口を有するカメラレンズに撮影アクセサリーを取り付けるためのアダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
レンズフィルターは、撮影や撮像に良く使われる撮影アクセサリーであり、レンズの先端に固定することにより、例えば、空の青さを深くしたり、白い雲の色や線を強調したりするように、主に色濃度を増加し、又は、例えば、ガラスや水面のような非金属表面での反射光を除去し、画像全体に色調のバランスを変えることなく、シャッター速度を上げて動的画像がより豊かになるようにするためのものである。
【0003】
レンズフィルター又はレンズフィルターアセンブリは、ホルダーを介してレンズに接続され、ホルダーとレンズとはアダプタを介して接続される。レンズフィルター又はレンズフィルターアセンブリは、直接、アダプタを介してレンズに取り付けられてもよい。円形状のレンズフィルターのサイズとカメラレンズの先端の円形状の開口径がマッチングしていない場合には、円形状のレンズフィルターをアダプタリングを介してレンズに直接取り付けることが一般的である。四辺形のレンズフィルターは、四辺形のレンズフィルターのホルダーと共に、アダプタリングを介して、レンズに取り付けられることが必要である。一般的なアダプタは、異なる商標を付けたレンズのメーカーや異なる焦点距離を有するレンズによって、レンズの先端の開口径のサイズも異なるアダプタリングである。各サイズのレンズについては、サイズが同じである円形状レンズフィルター、又は、サイズが同じであるアダプタリングを介して取り付けられることが必要である。撮影者は、サイズが異なるレンズによって、サイズが異なるアダプタリング又はサイズが異なる円形状レンズフィルターを必要とする。従って、撮影者は、一般的に、サイズが異なるアダプタリング、又は、サイズが異なる円形状のレンズフィルターを複数買わないとサイズが異なるレンズとマッチングできず、この場合、撮影者の支払うコストを増やしてしまうことになる。また、撮影者が外で撮影を行う場合には、サイズが異なるレンズとマッチングさせるために、サイズが異なるアダプタリング、又は、サイズが異なる円形状レンズフィルターを携帯することが必要となる。サイズが異なるレンズを交換して用いることを必要とする場合には、サイズが同じであるアダプタリング、又は、サイズが同じである円形状レンズフィルターを時々交換することが必要になり、撮影や使用が極めて不便となる。それと同時に、従来のアダプタリング又は円形状のレンズフィルターは、全体として円形状に構成されたものであるため、ネジによってレンズに螺合接続されることが必要となる。多くの場合、レンズに取り付けられたとき、熱膨張・冷収縮又は公差のような問題によって、接続リングをレンズから取り外すことが難しくなり、レンズに引っ掛かってしまうことが珍しくない。これは、しばしば発生する重大な欠陥であり、撮影者は、例えば、接続リングを交換しようとするが接続リングがレンズに引っ掛かっているという問題が発生すると、撮影にとって最も良いタイミングを失うことになる。
【0004】
纏めると、アダプタリングには、レンズが引っ掛かり易く、交換用コストが高く、汎用性が低く、携帯に不便であるという欠陥が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の従来技術における前記の少なくとも一つの欠陥を克服すためのアダプタを提供する。本発明は、構造が簡単であり、使用が簡便であり、コストが安く、汎用性が高く、サイズが異なる多種多様な先端に円形状の開口径を有するレンズに適用されると共に、摺動アダプタ部品が伸縮自在に移動可能であり、また、接続リング又は円形状のレンズフィルターがレンズに引っ掛かるという問題を完璧に解決することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的問題を解決するために、本発明が採用する技術的手段は、以下の通りである。
【0007】
アダプタは、
撮影アクセサリーに合わせるように接続されるインターフェースがアダプタ本体の第一側に設けられている中空のアダプタ本体と、
アダプタ本体の第二側に回動可能に接続された回動リングと、
少なくとも三つの摺動アダプタ部品を含み、
回動リングは、各摺動アダプタ部品に対して、それぞれ、少なくとも二つの回動環状案内溝が設けられており、アダプタ本体は、各摺動アダプタ部品に対して、それぞれ、少なくとも二つのアダプタ本体案内溝が設けられており、前記少なくとも二つの回動環状案内溝のそれぞれと前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝のそれぞれは、一対一に対応し、各摺動アダプタ部品は、少なくとも二つの案内手段に対応して固定接続され、前記少なくとも二つの案内手段は、前記少なくとも二つの回動環状案内溝を貫通して前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝に溝摺動可能に接続され、各摺動アダプタ部品は、前記少なくとも二つの回動環状案内溝を貫通した前記少なくとも二つの案内手段によって、それぞれ、前記少なくとも二つの回動環状案内溝と前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝に摺動可能に接続されることにより、前記摺動アダプタ部品は、回動リングとアダプタ本体との相対的回動に伴って、同時に、前記少なくとも二つの回動環状案内溝と前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝に沿って移動可能であり、ここで、各摺動アダプタ部品と対応する前記少なくとも二つの案内手段のそれぞれは、前記少なくとも二つの回動環状案内溝のそれぞれと一対一に対応しながら、前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝のそれぞれと一対一に対応し、
各摺動アダプタ部品には、それぞれ、アダプタ部が設けられており、前記少なくとも二つの回動環状案内溝と前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝は、前記摺動アダプタ部品が前記少なくとも二つの回動環状案内溝と前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝に沿って移動する場合に、各摺動アダプタ部品のアダプタ部が円周方向に分布するように形成されると共に、当該円周方向に分布する直径がアダプタ部の移動に伴って増減することにより、カメラレンズに合わせるように接続可能であるように設置される。
【0008】
上記の技術的手段を用いることにより、上記のアダプタを、先端の円形状の開口径のサイズが異なるレンズに合わせるように接続させる効果を果たすことができる。回動リングとアダプタ本体との相対的回動によって、各摺動アダプタ部品は、対応する少なくとも二つの回動環状案内溝、及び、対応する少なくとも二つのアダプタ本体案内溝に沿って移動可能であり、各アダプタ部は、円周方向に分布するように形成される。回動リングとアダプタ本体との相対的回動によって、各アダプタ部は、半径が変化して円周方向に分布するように形成される。具体的には、前記摺動アダプタ部品が前記少なくとも二つの回動環状案内溝と前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝に沿って移動する場合には、摺動アダプタ部品のアダプタ部が、回動リングの軸方向と垂直な方向に沿って回動リングに離開し又は近接すると共に円周方向に分布するように形成されることにより、カメラレンズに合わせるように接続される。各アダプタ部が回動リングに近接する場合には、アダプタ部による円周方向に分布する半径が大きくなる一方、各アダプタ部が回動リングから離開する場合には、アダプタ部による円周方向に分布する半径が小さくなる。従って、ある開口径の大きさを有するカメラレンズである場合には、回動リングとアダプタ本体を相対的に回動させることにより、各アダプタ部の位置、及び、円周方向に分布するように形成される半径の大きさを適正に調整して、当該カメラレンズの開口径に合わせ、ひいては、カメラレンズに合わせるように接続される。開口径の大きさが異なるカメラレンズである場合には、上記の形態に基づいて、各アダプタ部の位置、及び、円周方向に分布するよう形成される半径の大きさを合わせて調整することにより、カメラレンズに合わせるように接続される。
【0009】
一実施形態では、各摺動アダプタ部品と対応する前記少なくとも二つの回動環状案内溝は、第一回動環状案内溝と第二回動環状案内溝を含み、前記第一回動環状案内溝と第二回動環状案内溝は、それぞれ、回動リングに沿って円周方向に分布するように形成され、前記少なくとも二つの案内手段は、第一案内手段と第二案内手段を含み、各摺動アダプタ部品と対応する前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝は、第一アダプタ本体案内溝と第二アダプタ本体案内溝を含み、前記アダプタ本体案内溝と第二アダプタ本体案内溝は、それぞれ、アダプタ本体に沿って円周方向に分布するように形成され、前記第一案内手段は、第一回動環状案内溝を貫通し、前記第一案内手段の第一端が摺動アダプタ部品に接続されると共に前記第一案内手段の第二端が前記第一アダプタ本体案内溝に摺動可能に接続され、前記第二案内手段は、第二回動環状案内溝を貫通して、前記第二案内手段第一端が摺動アダプタ部品に接続されると共に前記第二案内手段の第二端が前記第二アダプタ本体案内溝に摺動可能に接続され、アダプタ本体の所在する平面における前記第一回動環状案内溝の正投影と第一アダプタ本体案内溝が前記第一案内手段に位置する箇所とが交差し、アダプタ本体の所在する平面における前記第二回動環状案内溝の正投影と第二アダプタ本体案内溝が前記第二案内手段に位置する箇所とが交差する。
【0010】
第一案内手段が第一回動環状案内溝を貫通して第一アダプタ本体案内溝に摺動可能に接続されると共に、回動本体の所在する平面における第一回動環状案内溝の正投影と第一アダプタ本体案内溝が前記第一案内手段に位置する箇所とが交差することから、回動リングがアダプタ本体に相対的に回動すると、第一回動環状案内溝が第一アダプタ本体案内溝に対して移動することになり、第一回動環状案内溝は、アダプタ本体の所在する平面における正投影、及び、第一アダプタ本体案内溝との交差点がそれに伴って変わり、そして、第一案内手段が同時に第一回動環状案内溝と第一アダプタ本体案内溝に沿って移動することになる。同様に、前記第二案内手段は、第二回動環状案内溝を貫通して前記第二アダプタ本体案内溝に摺動可能に接続されると共に、アダプタ本体に所在する平面における前記第二回動環状案内溝の正投影と第二アダプタ本体案内溝が前記第二案内手段に位置する箇所とが交差することから、回動リングがアダプタ本体に相対的に回動すると、第二回動環状案内溝は、回動リングの所在する平面における正投影、及び、第二アダプタ本体案内溝との交差点がそれに伴って変わり、そして、第二案内手段が同時に第二回動環状案内溝と第二アダプタ本体案内溝に沿って移動することになる。
【0011】
好ましい一実施形態では、第一回動環状案内溝の第一端と第二回動環状案内溝の第一端が互いに間隔をあけると共にそれぞれ回動リング外辺縁に近く位置しており、第一回動環状案内溝の第二端と第二回動環状案内溝の第二端が互いに間隔をあけると共にそれぞれ回動リング内辺縁に近く位置しており、第一アダプタ本体案内溝の第一端と第二アダプタ本体案内溝の第一端が互いに間隔をあけると共にそれぞれアダプタ本体外辺縁に近く位置しており、第一アダプタ本体案内溝の第二端と第二アダプタ本体案内溝の第二端が互いに間隔をあけると共にそれぞれ回動リング内辺縁に近く位置する。第一回動環状案内溝の第一端と第二回動環状案内溝の第一端がそれぞれ、回動リング外辺縁に近く位置すると共に、第一回動環状案内溝の第二端と第二回動環状案内溝の第二端がそれぞれ回動リング内辺縁に近く位置すると、回動リングにおける内径と外径が変わらない場合でも、第一回動環状案内溝と第二回動環状案内溝が比較的長い長さを有することができる。同様に、第一アダプタ本体案内溝の第一端と第二アダプタ本体案内溝の第一端が互いに間隔をあけると共にそれぞれアダプタ本体外辺縁に近く位置すると、アダプタ本体のサイズが変わらない場合でも、第一アダプタ本体案内溝と第二アダプタ本体案内溝が比較的長い長さを有することができる。従って、第一案内手段と第二案内手段が比較的広い移動可能な範囲を有し、各アダプタ部が円周方向に分布するように形成される半径の調節可能な範囲を広げることに役立つことが可能である。
【0012】
一実施形態では、前記アダプタ本体の第一側には、前記インターフェースを形成するように、撮影アクセサリーに合わせるように接続される第一環状凹溝が設けられている。具体的には、第一環状凹溝の側壁にメスネジを設置してもよい。この場合、例えば、レンズフィルター、レンズフィルターホルダー又はレンズフィルターアセンブリなどの撮影アクセサリーは、螺合接続によって当該第一環状凹溝に回り込んで固定される。又は、当該インターフェースは、磁気吸着の形態によって撮影アクセサリーに接続されてもよい。
【0013】
具体的には、前記アダプタ部は、アダプタ部品に設置された凸部であり、当該凸部は、アダプタ本体における軸方向にアダプタ本体から離れた方向に凸となると共に、カメラレンズに合わせるように接続されるように設置される。前記アダプタ部は、アダプタ本体から離れた方向に沿って軸方向に延びる凸部であり、当該凸部は、カメラレンズに合わせるように接続されるように設置される。具体的には、当該凸部は、カメラレンズに係合接続され又は螺合接続されるように設置されてもよい。従って、各アダプタ部を当該カメラレンズに固定することができる。
【0014】
一実施形態では、前記凸部は、アダプタ本体から離れた方向に沿って軸方向に延びる円弧状板であり、各アダプタ部における円弧状板は、円周方向に分布するように形成され、当該円弧状板は、カメラレンズに螺合接続されるように設置される。
【0015】
一実施形態では、前記アダプタ本体には、ストッパー部品がさらに設けられており、前記ストッパー部品は、前記アダプタ部が止まるように、回動リングが前記アダプタ本体に対して回動するのを阻止できるように設置される。回動リングが前記アダプタ本体に対して回動することにより、アダプタ部を連動することができるため、回動リングが前記アダプタ本体に対して回動するのを阻止することにより、各アダプタ部を止めることができる。アダプタ部をカメラレンズに接続する場合に、ストッパー部品によって各アダプタ部が止まることにより、アダプタ部をカメラレンズに固定し、アダプタがカメラレンズから外れるのを防ぐことができる。
【0016】
一実施形態では、アダプタ本体には各アダプタ部品を押さえ込み、アダプタ本体を回動させると自動的にロックする役割を果たす弾性部材が設置されている。具体的には、当該弾性部材は、ばね又は弾性シートであってもよい。具体的には、当該弾性部材は、渦巻ばねであってもよい。当該渦巻ばねは、基本的に、弧状に形成されており、円柱状を形成する渦巻ばね第一端と渦巻ばね第二端を有し、渦巻ばね第一端がアダプタ本体に回動可能に接続され、渦巻ばね第二端が回動リングに固定接続される。渦巻ばね第一端がアダプタ本体に回動可能に接続され、渦巻ばね第二端が回動リングに固定されることから、回動リングがアダプタ本体に対して回動する場合に、渦巻ばね第二端が回動リングの回動により引っ張られることにより、渦巻ばねが変形して弾力が生じ、そして、当該弾力によりアダプタ部品が撮影アクセサリーに対してロックされることになり、つまり、自動的にロックする役割を果たすことができる。
【0017】
一実施形態では、前記アダプタ本体の第二側には、第二環状凹溝が設けられており、前記回動リングは、前記第二環状凹溝に嵌合してアダプタ本体に回動可能に接続され、前記アダプタ本体における周方向の側壁には、前記第二環状凹溝に連通するねじ貫通穴が設けられており、前記ストッパー部品は、ねじ貫通穴に合わせるように接続されるネジであり、前記ネジは、前記ねじ貫通穴を貫通してねじ貫通穴に沿って移動し、前記回動リングに当接し又は離開する。アダプタ部を止めることを必要とする場合に、ネジをねじ貫通穴に沿って回動リングに向かって当接回動リングに回り込むと、アダプタ部の移動を阻止することができ、アダプタ部を移動させることを必要とする場合に、ネジをねじ貫通穴に対して外へ回り出して回動リングから離開させると、アダプタ部の移動をネジにより妨げることがないため、操作が極めて簡単である。
【0018】
一実施形態では、各摺動アダプタ部品は、扇形環を呈するシート状本体を含み、前記シート状本体には、第一取り付け穴と第二取り付け穴が設けられており、前記シート状本体は、前記アダプタ部が上方側に設けられており、第一案内手段の第一端は、第一取り付け穴に螺合接続され、シート状本体は、第一案内手段を介して、それぞれ、第一回動環状案内溝と前記第一アダプタ本体案内溝に摺動可能に接続され、第二案内手段第一端は第二取り付け穴に螺合接続され、シート状本体は、第二案内手段を介して、それぞれ、第二回動環状案内溝と前記第二アダプタ本体案内溝に摺動可能に接続される。
【0019】
アダプタを用いる場合には、開口径が比較的小さいカメラレンズである場合に、特に、開口径が回動リングの開口径よりも小さいカメラレンズである場合に、シート状本体を回動リングの円心に近づくように移動して、各アダプタ部を回動リングにおける中空部位と対応する位置まで移動することを必要とすることから、このとき、各シート状本体に存在している隙間によって光線が干渉し易く、そして、漏れが発生し、撮影の効果に悪い影響を与えてしまうことがある。発生のおそれがある光漏の問題を解決して撮影の効果を高めるために、好ましい実施形態では、各シート状本体にシート状本体第一端とシート状本体第二端を有し、前記シート状本体第一端に第一遮光部を設け、前記シート状本体第二端に第二遮光部を設ける。第一遮光部と第二遮光部によって、各シート状本体に存在している隙間を遮って、光漏れを防ぐことができる。また、シート状本体が回動リングの円心に近づくように移動する場合に、第一遮光部と第二遮光部との衝突によってシート状本体の移動を妨げるのを防ぐために第一遮光部と第二遮光部を、厚さがシート状本体の厚さよりも薄いシート状構造であり、第一遮光部を設置することにより隣り合う前記シート状本体が互いに近接する場合に、第一遮光部と第二遮光部を設置することにより隣り合う前記シート状本体が互いに近接する場合に、第一遮光部と第二遮光部とが重なり合うことができる。
【発明の効果】
【0020】
従来技術と比較すると、本発明による有益な効果は以下の通りである。
【0021】
本発明の技術的手段は、アダプタが、異なる開口径のサイズを有するレンズに合わせるように接続されるという効果を果たすことができる。回動リングがアダプタ本体に相対的に回動することにより、摺動アダプタ部品は、前記少なくとも二つの回動環状案内溝と前記少なくとも二つのアダプタ本体案内溝に沿って移動すると共に、アダプタ部は、回動リング軸方向と垂直な方向に回動リングに離開し又は近接し、しかも、各アダプタ部は、円周方向に分布するように形成される。つまり、回動リングがアダプタ本体に相対的に回動することにより、各アダプタ部は、半径が変化可能であるように、円周方向に分布するように形成される。各アダプタ部の位置、及び、円周方向に分布するように形成される半径に大きさを調節して調整することにより、異なる開口径のサイズを有するレンズに合わせるように接続される。本発明によるアダプタは、構造が簡単であり、使用が簡便であり、コストが安く、汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例1に係るアダプタの構造の模式図である。
図2】本発明の実施例1に係るアダプタの分解構造の模式図である。
図3】本発明の実施例1に係るアダプタの構造の模式図である。
図4】本発明の実施例1に係るアダプタの構造の模式図である。
図5図4のアダプタのA-A断面図である。
図6図5のD部の拡大図である。
図7図5のF部の拡大図である。
図8】本発明の実施例1に係るアダプタにおける隣り合う二つの摺動アダプタ部品の構造の模式図である。
図9】本発明の実施例1に係るアダプタにおける第一案内手段と第二案内手段である。
図10】本発明の実施例1に係る回動リングの構造の模式図である。
図11】本発明の実施例1に係る回動リングの立体構造の模式図である。
図12】本発明の実施例1に係る回動リングの側面構造の模式図である。
図13】本発明の実施例1に係るアダプタ本体の構造の模式図である。
図14】本発明の実施例1に係るアダプタ本体の立体構造の模式図である。
図15図13のアダプタ本体のアダプタのA-A断面図である。
図16】本発明の実施例1に係るアダプタ本体のアダプタ部が円周方向に分布するように形成され開口径が変化する状態図である。
図17】本発明の実施例1に係る摺動アダプタ部品が動く軌跡の変化状態図である。
図18】本発明実施例3のアダプタの分解構造の模式図である。
図19】本発明実施例3のアダプタ本体の構造の模式図である。
図20】本発明実施例3の渦巻ばねの構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面は、例示的に説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。本実施例をよりよく説明するために、図面のある部品について、省略、拡大又は縮小があり、実際の製品のサイズではない。当業者にとって、図面中の一部の周知な構成やその説明が省略され得ることは理解できることである。図面に示す位置関係は、例示的な説明であり、本願を限定するものではない。
【0024】
実施例1
本発明は、上記の従来技術に記載された少なくともの一つの欠陥を克服するために、アダプタを提供する。本発明は、構造が簡単であり、使用が簡便であり、コストが安く、汎用性が高く、サイズが異なる多種多様な先端に円形状の開口径を有するレンズに適用されると共に、摺動アダプタ部品が伸縮自在に移動可能であり、また、接続リング又は円形状のレンズフィルターがレンズに引っ掛かるという問題を完璧に解決することができる。
【0025】
上記の技術的問題を解決するために、本発明の採用する技術的手段は、以下の通りである。
図1~4及び図13~15を参照すると、アダプタ100は、撮影アクセサリーに合わせるように接続されるインターフェースがアダプタ本体の第一側110aに設けられている中空のアダプタ本体110と、アダプタ本体の第二側11bに回動可能に接続された回動リング120と、八つの摺動アダプタ部品130を含み、回動リングは、各摺動アダプタ部品に対してそれぞれ、第一回動環状案内溝121と第二回動環状案内溝122が設けられており、アダプタ本体110は、各摺動アダプタ部品に対してそれぞれ第一アダプタ本体案内溝111と第二アダプタ本体案内溝112が設けられており、第一回動環状案内溝121と第二回動環状案内溝122とは、対応しており、各摺動アダプタ部品130は、第一案内手段141と第二案内手段142に固定接続され、第一案内手段141と第二案内手段142は、第一回動環状案内溝121と第二回動環状案内溝122を貫通して第一アダプタ本体案内溝111と第二アダプタ本体案内溝112に摺動可能に接続され、各摺動アダプタ部品130は、第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122の第一案内手段141及び第二案内手段142を貫通してそれぞれ第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122、第一アダプタ本体案内溝111及び第二アダプタ本体案内溝112に摺動可能に接続されることにより、前記摺動アダプタ部品130は、回動リング120とアダプタ本体110の相対的回動に伴って同時に、第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122及び第一アダプタ本体案内溝111、第二アダプタ本体案内溝112に沿って移動可能であり、ここで、第一案内手段141は、第一回動環状案内溝121と第一アダプタ本体案内溝111に対応しており、第二案内手段142は、第二回動環状案内溝122と第二アダプタ本体案内溝112に対応している。
【0026】
各摺動アダプタ部品130には、それぞれ、アダプタ部131、第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122及び第一アダプタ本体案内溝111が設けられており、第二アダプタ本体案内溝112は、前記摺動アダプタ部品130が第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122、第一アダプタ本体案内溝111及び第二アダプタ本体案内溝112に沿って移動する場合に、摺動アダプタ部品130のアダプタ部131が、回動リング120の軸方向と垂直な方向に沿って回動リング120に離開し又は近接し、円周方向に分布するように形成され、ひいては、カメラレンズに合わせるように接続されるように設置される。本実施例では、当前記摺動アダプタ部品130は、第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122、第一アダプタ本体案内溝111及び第二アダプタ本体案内溝112に沿って移動する場合に、摺動アダプタ部品130のアダプタ部131が、回動リング120の軸方向と垂直な平面において曲線に沿って回動リング120に離開し又は近接し、円周方向に分布するように形成される。
【0027】
上記の技術的手段を採用することにより、上記のアダプタ100が、異なる開口径のサイズを有するレンズに合わせるように接続される効果を果たすことができる。回動リング120とアダプタ本体110との相対的回動によって、各摺動アダプタ部品130が、第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122、第一アダプタ本体案内溝111及び第二アダプタ本体案内溝112に沿って対応して移動可能であり、同時に、アダプタ部130が、回動リング軸方向と垂直な方向に沿って回動リング120に離開し又は近接するように移動すると共に、各アダプタ部131が円周方向に分布するように形成される。つまり、各アダプタ部131は、回動リング120とアダプタ本体110との相対的回動によって、半径が変化して円周方向に分布するように形成される。各アダプタ部131が回動リング110に近づく場合には、アダプタ部130が円周方向に分布するように形成される半径が大きくなり、各アダプタ部131が回動リング120から離開する場合には、アダプタ部131が円周方向に分布するように形成される半径が小さくなる。従って、ある開口径の大きさを有するカメラレンズである場合には、回動リング120とアダプタ本体110との相対的回動によって、各アダプタ部131の位置、及び、円周方向に分布するように形成される半径の大きさを適正に調整することにより、当該カメラレンズの開口径に合わせて、ひいては、カメラレンズに合わせるように接続される。開口径の大きさが異なるカメラレンズである場合には、上記の形態によって、各アダプタ部130の位置及び、円周方向に分布するように形成される半径の大きさを適正に調整することにより、カメラレンズに合わせるように接続される。
【0028】
図3図9~15を参照すると、前記第一回動環状案内溝121と第二回動環状案内溝122は、それぞれ、回動リング120に沿って円周方向に分布するように形成され、前記第一アダプタ本体案内溝111と第二アダプタ本体案内溝112は、それぞれ、アダプタ本体110に沿って円周方向に分布するように形成され、前記第一案内手段141は、第一回動環状案内溝121及び前記第一案内手段の第一端141aを貫通して摺動アダプタ部品130に接続されると共に、前記第一案内手段第二端141bが前記第一アダプタ本体案内溝111に摺動可能に接続され、前記第二案内手段142は、第二回動環状案内溝122及び前記第二案内手段第一端142aを貫通して摺動アダプタ部品130に接続されると共に、前記第二案内手段第二端142bが前記第二アダプタ本体案内溝112に摺動可能に接続され、アダプタ本体110の所在する平面における前記第一回動環状案内溝121の正投影と第一アダプタ本体案内溝111が前記第一案内手段141に位置する箇所とが交差し、アダプタ本体110の所在する平面における前記第二回動環状案内溝122の正投影と第二アダプタ本体案内溝112が前記第一案内手段141に位置する箇所とが交差する。本実施例では、第一回動環状案内溝121の底部と第二回動環状案内溝122の底部とは、実際に、くり抜かれたものであるため、前記第一案内手段141が第一回動環状案内溝121を貫通し、第二案内手段142が第二回動環状案内溝122を貫通する。
【0029】
第一案内手段141は、第一回動環状案内溝121を貫通して第一アダプタ本体案内溝111に摺動可能に接続されると共に、回動本体110の所在する平面における第一回動環状案内溝121の正投影と第一アダプタ本体案内溝111が前記第一案内手段141に位置する箇所とが交差することから、回動リング120とアダプタ本体110が相対的に回動する場合に、第一回動環状案内溝121が合わせて第一アダプタ本体案内溝111に対して移動し、第一回動環状案内溝121は、アダプタ本体110の所在する平面における正投影、及び、第一アダプタ本体案内溝111との交差点もそれに伴って変わり、第一案内手段141が同時に第一回動環状案内溝121と第一アダプタ本体案内溝111に移動することになる。同様に、前記第二案内手段142は、第二回動環状案内溝122を貫通して前記第二アダプタ本体案内溝112に摺動可能に接続されると共に、アダプタ本体110の所在する平面における前記第二回動環状案内溝122の正投影と第二アダプタ本体案内溝が前記第二案内手段142に位置する箇所とが交差することから、当回動リング120とアダプタ本体110が相対的に回動する場合に、第二回動環状案内溝122は、アダプタ本体110の所在する平面における正投影及び第二アダプタ本体案内溝112との交差点とがそれに伴って変わり、第二案内手段142が同時に、第二回動環状案内溝122と第二アダプタ本体案内溝112に沿って移動することになる。
【0030】
第一回動環状案内溝の第一端121aと第二回動環状案内溝の第一端122aとが互いに間隔をあけると共にそれぞれ回動リング120外辺縁に近く位置しており、第一回動環状案内溝の第二端121bと第二回動環状案内溝の第二端122bが互いに間隔をあけると共にそれぞれ回動リング110内辺縁に近く位置しており、第一アダプタ本体案内溝の第一端111aと第二アダプタ本体案内溝の第一端112aとが互いに間隔をあけると共にそれぞれアダプタ本体110外辺縁に近く位置しており、第一アダプタ本体案内溝の第二端111aと第二アダプタ本体案内溝の第二端112bが互いに間隔をあけると共にそれぞれ回動リング内辺縁に近く位置している。図10図12に示すように、アダプタ本体110外辺縁には、環状フランジ123が設けられている。図10に示すように、本実施例では、回動リング120の内部半径R1が20mm、内部直径が40mmであり、外部半径R2が50.25mm、外部直径が105mmである。なお、他の実施例では、必要に応じて回動リング120の内部直径を40mm以下に設置し、必要に応じて回動リング120の外部直径を105mm以上に設置してもよい。
【0031】
図13~15に示すように、前記アダプタ本体の第一側110aには、前記インターフェースを形成するように、撮影アクセサリーに合わせるように接続される第一環状凹溝113が設けられている。
【0032】
図1図8に示すように、前記アダプタ部131は、アダプタ部品130に設置された凸部であり、当該凸部は、アダプタ本体110の軸方向において、アダプタ本体110から離れた方向に向かって凸となり、前記凸部131は、アダプタ本体110から離れた方向において軸方向に延びる円弧状板であると共に、各アダプタ部131の円弧状板は、円周方向に分布するように形成される。当該円弧状板は、カメラレンズに螺合接続されるように設置される。図8から明確に分かるように、円弧状板における径方向おける外に面する側壁に、カメラレンズのメスネジに合わせるように接続される雄ネジが設けられている。
【0033】
図1~2及び図7に示すように、前記アダプタ本体110には、ストッパー部品150が設けられている。前記ストッパー部品150は、前記アダプタ部131が止まるように、回動リング120が前記アダプタ本体110に対して回動するのを阻止するように設置される。回動リング120が前記アダプタ本体110に対して回動することにより、アダプタ部131が移動するように連動することができる。従って、回動リング120が前記アダプタ本体110に対して回動するのを阻止することにより、各アダプタ部131を止めることができる。アダプタ部131をカメラレンズに接続する場合には、ストッパー部品150によって、各アダプタ部130を止めることにより、アダプタ部131を一層にカメラレンズに固定することができる。前記アダプタ本体の第二側110bには、第二環状凹溝114が設けられており、前記回動リング120は、前記第二環状凹溝114に嵌合してアダプタ本体110回動可能に接続され、前記アダプタ本体110における周方向の側壁に、前記第二環状凹溝114と連通するねじ貫通穴115が設けられている。前記ストッパー部品150は、ねじ貫通穴115に合わせるように接続されるネジである。前記ネジは、前記ねじ貫通穴115を貫通してねじ貫通穴113に沿って移動し、前記回動リング120に当接又は離開する。図15に示すように、第二環状凹溝114は、第三環状凹溝116が側壁に設けられており、回動リング120は、第三環状凹溝116に対応して階段が設けられている。前記回動リング120は、前記第二環状凹溝114に嵌合する場合に、当該階段が第三環状凹溝116に嵌合して係合することになり、そして、前記回動リングをアダプタ本体110に相対的に固定することができる。この相対的な固定は、前記回動リング120がアダプタ本体110から外れないようにするだけであり、前記回動リング120とアダプタ本体110を相対的に回動するのを阻止することができない。
【0034】
図1~2及び図8図9に示すように、各摺動アダプタ部品130は、扇形環を呈するシート状本体132を含み、前記シート状本体132には、第一取り付け穴133と第二取り付け穴134が設けられており、前記シート状本体132は、前記アダプタ部131が上方側に設けられており、第一案内手段の第一端141aは、第一取り付け穴133に螺合接続され、シート状本体132は、第一案内手段141を介して、それぞれ、第一回動環状案内溝121と前記第一アダプタ本体案内溝111に摺動可能に接続され、第二案内手段第一端142aは、第二取り付け穴134に螺合接続され、シート状本体132は、第二案内手段142を介して、それぞれ、第二回動環状案内溝122と前記第二アダプタ本体案内溝112に摺動可能に接続される。各シート状本体132は、シート状本体第一端132aとシート状本体第二端132bを有し、前記シート状本体第一端132aには、第一遮光部135が設けられており、前記シート状本体第二端132bには、第二遮光部136が設けられており、第一遮光部135と第二遮光部136は、厚さがシート状本体の厚さよりも薄いシート状構造である。前記第一遮光部135と第二遮光部136は、隣り合う前記シート状本体132が互いに近接する場合に、第一遮光部135と第二遮光部136とが重なり合うように設置される。具体的には、当該前記第一遮光部135は、シート状本体第一端132aに延びて、シート状本体よりもさらに薄いシート状構成を形成し、当該第一遮光部135の下側面とシート状本体132の下側面とが揃い、第一遮光部135の上方側面がシート状本体132の上方側面よりも低い。当該前記第二遮光部136は、シート状本体第一端132bに延び、シート状本体よりもさらに薄いシート状構成を形成し、当該第二遮光部136の上方側面とシート状本体132の上方側面とが揃い、第二遮光部136の下側面がシート状本体132の下側面よりも低い。第一遮光部135と当該第二遮光部136とは、それらの厚さの総和がシート状本体132の厚さ以下である。また、本実施例では、第一遮光部135の長さを第二遮光部136の長さと同じであるように設置することにより、隣り合う摺動アダプタ部品130が互いに最も近接する場合に、第一遮光部135と第二遮光部136が、ぴったり完全に重なり合うと共に、第一遮光部135が隣り合うシート状本体第二端132bとぴったり結合でき、また、第一遮光部136及び隣り合うシート状本体第二端132bがぴったりシート状本体第一端132aに結合できるようにする。
【0035】
図16は、本発明の実施例1に係るアダプタのアダプタ部131が円周方向に分布して開口径が変化する状態図である。図16及び17を組み合わせて参照すると、回動リング120とアダプタ本体110とが相対的に回動する角度θを調整することにより、アダプタ部131が円周方向に分布するように形成された開口径の大きさを調整することができる。ここで、図16の小さい図aでは、θが0度であり、アダプタ部131における円周方向に分布する開口径Dは、対応して40mmであり、図16における図bでは、θが10度であり、アダプタ部131における円周方向に分布する開口径Dは、対応して、60mmであり、図16の小さい図cでは、θが20度であり、アダプタ部131における円周方向に分布するように形成された開口径Dは、対応して80mmであり、図16の小さい図dではそれが50度であり、アダプタ部131における円周方向に分布するように形成された開口径Dは、対応して105mmである。図17の小さい図a1では、θが0度であり、アダプタ部131における円周方向に分布する開口径Dが対応して40mmであり、図17の小さい図b1では、θが10度であり、アダプタ部131における円周方向に分布する開口径Dが対応して60mmであり、図17の小さい図c1では、θが20度であり、アダプタ部131における円周方向に分布する開口径Dが対応して80mmであり、図17の小さい図d1は50度であり、アダプタ部131における円周方向に分布する開口径Dが対応して105mmである。本実施例では、第一案内手段141を第一アダプタ本体案内溝の第一端111aと第一回動環状案内溝の第一端121aまで移動すると共に、第二案内手段142を第二アダプタ本体案内溝の第一端112aと第二回動環状案内溝の第一端122aまで移動する場合において、アダプタ部131が円周方向に分布するように形成された開口径Dは、最小となり、対応して40mmとなる。このとき、隣り合う摺動アダプタ部品130がぴったり互いに結合して、円を形成する。第一案内手段141を第一アダプタ本体案内溝の第二端111bと第一回動環状案内溝の第二端121bまで移動すると共に第二案内手段142を第二アダプタ本体案内溝の第二端112bと第二回動環状案内溝の第二端122bまで移動する場合において、アダプタ部131が円周方向に分布するように形成された開口径Dは、最大となり、対応して、105mmとなる。このとき、隣り合う摺動アダプタ部品130が最も遠くなり、各摺動アダプタ部品130が第一回動リングの外辺縁に接近することになる。本実施例では、回動リング120とアダプタ本体110と相対的に回動する角度θは、0度乃至50度の範囲であり、アダプタ部131が円周方向に分布するように形成された開口径Dは、40mm乃至105mmである。なお、他の実施例において、必要に応じて回動リング120をアダプタ本体110との相対的回動の角度θの範囲を大きくしたり小さくしたりするように設置してもよいし、例えば、θ範囲を0度乃至90度に、開口径D在20mm乃至200mmに設置してもよい。
【0036】
実施例2
本実施例は、実施例1と基本的に同じであるが、図1~17(構成がほぼ同じであるため、新たな図面は示していない)を参照すると、摺動アダプタ部品130の数が三つであるということが相違である。回動リング120は、各摺動アダプタ部品130に対応して、それぞれ、第一回動環状案内溝121と第二回動環状案内溝122が設けられており、アダプタ本体110は、各摺動アダプタ部品130に対応して、それぞれ、第一アダプタ本体案内溝111と第二アダプタ本体案内溝112が設けられている。
【0037】
実施例3
本実施例は、実施例1に基本的に同じであり、図1~7及び図18~19を参照すると、同様に、本実施例では、アダプタ100は、前記アダプタ本体の第一側110aに、撮影アクセサリーに合わせるように接続されるインターフェースが設けられている中空のアダプタ本体110と、アダプタ本体の第二側11bに回動可能に接続された回動リング120と、八つの摺動アダプタ部品130を含み、回動リング120は、各摺動アダプタ部品130に対応して、それぞれ、第一回動環状案内溝121と第二回動環状案内溝122が設けられており、アダプタ本体110は、各摺動アダプタ部品130に対応して、それぞれ、第一アダプタ本体案内溝111と第二アダプタ本体案内溝112が設けられており、第一回動環状案内溝121と第二回動環状案内溝122は、対応しており、各摺動アダプタ部品130は、第一案内手段141と第二案内手段142に固定接続され、第一案内手段141と和第二案内手段142は、第一回動環状案内溝121と第二回動環状案内溝122を貫通して第一アダプタ本体案内溝111と第二アダプタ本体案内溝112に摺動可能に接続され、各摺動アダプタ部品130は、第一回動環状案内溝121と第二回動環状案内溝122を貫通した第一案内手段141と第二案内手段142を介して、それぞれ、第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122、第一アダプタ本体案内溝111及び第二アダプタ本体案内溝112に摺動可能に接続されることにより、前記摺動アダプタ部品130が回動リング120とアダプタ本体110との相対的回動に伴って、同時に、第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122、第一アダプタ本体案内溝111及び第二アダプタ本体案内溝112に沿って移動可能であり、ここで、第一案内手段141と第一回動環状案内溝121が第一アダプタ本体案内溝111に対応しており、第二案内手段142と第二回動環状案内溝122が第二アダプタ本体案内溝112に対応しており、各摺動アダプタ部品130には、それぞれアダプタ部131、第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122及び第一アダプタ本体案内溝111が設けられており、第二アダプタ本体案内溝112は、前記摺動アダプタ部品130が第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122、第一アダプタ本体案内溝111及び第二アダプタ本体案内溝112に沿って移動する場合に、摺動アダプタ部品130のアダプタ部131が回動リング120の軸方向と垂直な方向に沿って回動リング120に離開し又は近接し、円周方向に分布するように形成され、カメラレンズに合わせるように接続される、ように設置される。本実施例では、前記摺動アダプタ部品130が第一回動環状案内溝121、第二回動環状案内溝122、第一アダプタ本体案内溝111及び第二アダプタ本体案内溝112に移動する場合に、摺動アダプタ部品130のアダプタ部131が回動リング120の軸方向と垂直な平面において曲線に沿って回動リング120に離開し又は近接し、円周方向に分布するように形成される。
【0038】
図18~20を参照すると、本実施例と実施例1との相違は、本実施例に係るアダプタには、アダプタ部品130を自動的にロックするための弾性部材が設けられていることにある。当該弾性部材は、実施例1のストッパー部品に取って代わっている。具体的には、当該弾性部材は渦巻ばね160である。図20を参照すると、当該渦巻ばねは、基本的に弧形を呈すると共に、円柱状である渦巻ばね第一端161と渦巻ばね第二端162を有し、渦巻ばね第一端161がアダプタ本体110に回動可能に接続され、渦巻ばね第二端162が回動リング120に固定接続される。アダプタ本体110における回動リング120に面する側には、渦巻ばね160を取り付けるための取り付け溝117が設けられており、当該取り付け溝117は、その形状が渦巻ばね160の形状に合わせるように設置される。回動リング120には、渦巻ばね第二端162を固定するための第一固定穴124が設けられている。取り付け溝117は、一端に渦巻ばね第一端161と対応して位置決め柱118が設けられている。渦巻ばね第一端161には、位置決め柱118と対応する位置決め穴163が設けられている。渦巻ばね第二端162には、第二固定穴164が設けられている。取り付けの際には、渦巻ばね160を取り付け溝117に入れて、位置決め柱118を位置決め穴163に挿入することにより、渦巻ばね第一端161を位置決めにして外力により位置決め穴163周りに回動することができる。締め付け部165は、第一固定穴124と第二固定穴164を貫通して渦巻ばね第二端162を回動リング120に固定する。
【0039】
本実施例では、アダプタ本体110に四つの取り付け溝117が設置されていると共に、そのうちの三つ取り付け溝117に渦巻ばね160が対応して取り付けられている。なお、他の実施例では、必要に応じて一つの渦巻ばね160しか取り付けられなくてもよいし、二つ又は四つの渦巻ばね160が取り付けられてもよい。他の実施例では、必要に応じてアダプタ本体110に一つ又は複数の取り付け溝117を設置してもよいし、一つ又は複数の渦巻ばね160を対応して取り付けてもよい。
【0040】
アダプタ100を用いる場合に、必要に応じて、回動リング120とアダプタ本体110と相対的に回動する角度を調整し、アダプタ部131が円周方向に分布するように形成された開口径の大きさを調整することができる。本実施例では、回動リング120とアダプタ本体110が相対的に回動する場合に、アダプタ部131が円周方向に分布するように形成された開口径が実施例1と一致している。詳細について実施例1を参照可能であるため、ここでは、重複して説明しない。渦巻ばね第一端161は、アダプタ本体110に回動可能に接続され、渦巻ばね第二端162は、回動リング120に固定され、当回動リング120がアダプタ本体110に対して回動する場合に、渦巻ばね第二端162が回動リング120の回動に伴って引っ張られることになり、渦巻ばね160が変形して弾力が生じ、当該弾力によってアダプタ部が撮影アクセサリーに対してロックされることになる。なお、各アダプタ部品130間に光漏れが生じるのを確実に防ぐために、アダプタ100に遮光リング180を設けてもよい。回動リング120には、環状側壁125が設けられている。当該遮光リング180は、アダプタ部品130のシート状本体132に位置しており、当該環状側壁125には、当該遮光リング180に対応して、環状取り付け溝が設けられている。当該遮光リング180は、当該環状取り付け溝に嵌合して回動リング120に固定される。
図1
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図20