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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-28
(45)【発行日】2023-07-06
(54)【発明の名称】バルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/06 20060101AFI20230629BHJP
   F16K 51/00 20060101ALN20230629BHJP
【FI】
F16K27/06 C
F16K51/00 E
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022503711
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 JP2021007175
(87)【国際公開番号】W WO2021172457
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-08-23
(31)【優先権主張番号】P 2020029678
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390002381
【氏名又は名称】株式会社キッツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】船渡 正澄
(72)【発明者】
【氏名】細川 充
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 哲弥
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 統
(72)【発明者】
【氏名】清水 久
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】実公昭48-29236(JP,Y1)
【文献】実公平2-12375(JP,Y2)
【文献】独国特許発明第19842199(DE,C1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12
F16K 5/00- 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を流通させるための複数の第一の開口部と、前記複数の第一の開口部が向いている方向に交差する方向に開口し、弁体が通過可能な第二の開口部とを有し、流体の流路を構成するボデーと、
前記第二の開口部を介して前記ボデー内に収容され、前記流体の流路を開閉可能な弁体と、
前記弁体に連結し、前記第二の開口部よりも外側まで延在するステムと、
前記ステムを作動可能に前記第二の開口部を密封するボンネットと、
前記ボデー内の空間を前記ボンネット側の空間と前記弁体側の空間とに、前記ステムを作動可能かつ液密または気密に仕切る中蓋体と、
を有するバルブ。
【請求項2】
前記中蓋体は、前記弁体に近い側から、第1のプレートと、第2のプレートとをこの順に有しており、
前記第2のプレートは、固定手段にて前記ボデーに固定されており、
前記第1のプレートは、前記ボデーに対して固定されておらず、前記第2のプレートが前記ボデーに固定されることによって、前記ボンネット側の空間への移動が規制されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記第2のプレートの外周面には、前記ボデーの内周面に設けられたネジ構造と螺合するネジ構造が設けられており、
前記第2のプレートが前記ボデーに螺合することによって、前記第1のプレートを前記弁体側に押圧していることを特徴とする請求項2に記載のバルブ。
【請求項4】
前記第2のプレート及び前記第1のプレートには、それぞれ、ボルト用貫通孔が設けられており、前記固定手段であるボルトが、前記第2のプレートの前記ボルト用貫通孔及び前記第1のプレートのボルト用貫通孔を通ってその先端側が前記ボデーに固定されるともに、当該ボルトの他端側が前記第2のプレートに当接することによって、前記第2のプレートの前記ボンネット側の空間への移動が規制されていることを特徴とする請求項2に記載のバルブ。
【請求項5】
前記第1のプレートと前記第2のプレートとは、シール部材を介して接触しており、
前記第2のプレートが、前記シール部材を前記第1のプレートに向かって押圧し、
前記シール部材は、前記第2のプレートからの押圧を受けて前記第1のプレートと前記ボデーの内周面との間を封止するとともに、前記第1のプレートを前記弁体側に押圧することを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載のバルブ。
【請求項6】
前記中蓋体は、前記弁体に近い側から、第1のプレートと、第2のプレートとをこの順に有しており、
前記第2のプレートは、前記ボンネットの下面と当該第2のプレートの上面とに接続されたストッパによって前記ボンネット側の空間への移動が規制されており、
前記第1のプレートは、前記ボデーに対して固定されておらず、前記第2のプレートによって、前記ボンネット側の空間への移動が規制されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブ。
【請求項7】
前記弁体には、前記ステムに対して反対側の位置に凸部が設けられており、
前記ボデーには、前記凸部を嵌合させる凹部が設けられており、
前記凸部は、突出している先端部分のほうが基部よりも小径であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のバルブ。
【請求項8】
前記ボンネットは、前記ボデーにおける前記中蓋体および前記ボンネットで区切られる空間中の流体をパージするパージ用バルブを更に有する、ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のバルブ。
【請求項9】
前記弁体は、ボール弁のボールであることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のバルブ。
【請求項10】
前記ボデーは、溶接以外による接合部を有しない一体型のボデーであることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載のバルブ。
【請求項11】
気密に密閉される真空ジャケットを前記ボデーの外側に更に有する、ことを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載のバルブ。
【請求項12】
前記第一の開口部の口径は、25~65センチメートルであることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載のバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブに関し、例えば、液化水素等の極低温流体を流すバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
液化水素(-253℃)等の極低温流体を流すバルブは、流体からの熱伝導・熱伝達を最小限にして保冷効果を持たせるとともに、低温に弱い部品(パッキン等)を流体からなるべく離して配置することができるよう、バルブの操作部と弁体とをつなぐステムが長くされる。また、極低温用のバルブは、低温を維持するため、真空に維持されたジャケット(真空ジャケット)の内部に配置されることが多く、その場合、ボデーが真空ジャケットの内部に、また操作部が真空ジャケットの外部に位置するように設置される。例えば、特許文献1には、真空ジャケットとバタフライ弁とを有し、ステムが長く構成された真空ジャケット形バタフライ弁が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開昭59-37382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
低温流体のなかでも液化水素用のバルブのボデーは、漏れ防止の観点から、ボデーを構成する複数のパーツを互いに溶接によって接合して一体構造とすることが好ましい。また、液体水素用のバルブは、弁を収納する弁箱から、弁の開閉を操作する操作部に至る領域に先述した真空ジャケットを設けることが望ましい。そのため、弁体と操作部とをつなぐステムを一体構造のボデー内に収める必要がある。このため、ボデーは、弁体が通ることができる径を備えている必要がある。
【0005】
その一方で、このように構成した場合、弁体を所定の位置に保持しておくための部材が必要になる。この点に関し、特許文献1には、弁棒を挿入するための小径筒が貫通し、その小径筒の外側に中空室が形成されている弁箱固定軸(特許文献1における符号6)を備える旨が記載されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、弁体を所定の位置に保持しておくために、複雑な構成の弁箱固定軸を必要とするため、製造コスト及びメンテナンスコストが増大するという課題がある。また、弁箱固定軸自体の熱伝導により、弁体側の温度がバンドルに伝わりやすいという問題もある。
【0007】
そこで、本発明の一形態は、製造コストおよびメンテナンスコストの増大を抑制しつつ、極低温流体に適用可能なバルブを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るバルブは、流体を流通させるための複数の第一の開口部と、前記複数の第一の開口部が向いている方向に交差する方向に開口し、弁体が通過可能な第二の開口部とを有し、流体の流路を構成するボデーと、前記第二の開口部を介して前記ボデー内に収容され、前記流体の流路を開閉可能な弁体と、前記弁体に連結し、前記第二の開口部よりも外側まで延在するステムと、前記ステムを作動可能に前記第二の開口部を密封するボンネットと、前記ボデー内の空間を前記ボンネット側の空間と前記弁体側の空間とに、前記ステムを作動可能かつ液密または気密に仕切る中蓋体と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、製造コストおよびメンテナンスコストの増大を抑制しつつ、弁体側の熱がバンドルに伝わり難いバルブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るトップエントリ型のバルブの外観を示す斜視図である。
図2図1に示す切断線A-A´においてバルブを切断した状態を示す矢視断面図である。
図3図1に示すバルブの別形態として、図1に示すバルブに真空ジャケットを取り付けた状態の断面図である。
図4図2に示す一点破線の枠囲み部分Bの拡大断面図である。
図5図2に示す一点破線の枠囲み部分Cの拡大断面図である。
図6】本発明の他の形態に係るトップエントリ型のバルブの一部分の構成を示す断面斜視図である。
図7】本発明の他の形態に係るトップエントリ型のバルブの一部分の構成を示す断面斜視図である。
図8図7のバルブの一部分の構成を示す断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1から図5を用いて説明する。本発明の一形態に係るバルブは、凡そ水平方向に流路が形成されている途中に配設するトップエントリ型バルブを例に挙げるが、これは本実施形態を限定するものではなく、トップエントリ型以外のバルブであってもよい。
【0012】
本実施形態に係るバルブは、弁体よりも上流から流路を流れてきた流体を、当該弁体よりも下流に流したりそれを遮断したりすることができる。流路を流れる流体としては周知の液体あるいは周知の気体を採用することができる。ただし、本発明の一形態のバルブは、先述の極低温流体用のバルブとして用いることができ、なかでも液体水素用のバルブとして好適に用いることができる。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態におけるバルブ10の外観斜視図である。図2は、図1に示す切断線A-A´においてバルブを切断した状態を示す矢視断面図である。なお、図1および図2には、説明の便宜上、水平面をXY平面として、天頂方向にZ方向として規定した三次元座標を併せて図示する。
【0014】
本実施形態のバルブ10は、いわゆるボールバルブとして構成される。そのため、バルブ10は、ボデー1と、ボール弁のボール4(弁体)と、ステム3と、ボンネット2と、操作部9とを備えている。
【0015】
ボデー1は、流体を流通させるための複数の第一の開口部(配管構造部7)と、前記複数の第一の開口部(配管構造部7)が向いている方向(後述するX軸方向)に交差する方向(後述するZ軸方向)に開口し、ボール4が通過可能な上端開口部6b(第二の開口部)とを有し、流体の流路を構成する。また、ステム3は、図2に示す鉛直方向に延伸している弁軸を構成し、ボール弁のボール4(弁体)に連結し、上端開口部6bよりも外側まで延在している。また、ボンネット2は、ステム3を作動可能に上端開口部6bを密封する。ボンネット2は、上端開口部6b(第二の開口部)を密閉し、ボデー1の上端部にボルト等によって着脱可能に連結している。ボンネット2には、操作部9が固定されており、操作部9による操作は、このステム3を介して、ボール4に伝わる。その操作は、ボンネット2に配設されたハンドル99(図1)によっておこなう。具体的には、ハンドル99の回転量に応じて、ボール4が鉛直方向に延びる中心軸O(図2)を中心に回転する。本実施形態では、ボール4によって流路の開閉が行われ、90°回転することによって閉状態から開状態に状態を変えることができる。図2に図示している状態は、ボール4が開状態となっており、ボール4の紙面左側にある配管構造部7と、紙面右側にある配管構造部7とが連通しており、例えば紙面左側から右側に流体が流れることを可能にした状態である。なお、操作部9(例えばハンドル99)には、ハンドル99の回転方向をガイドする矢印や、ボールが現状どちらの状態なのかが判るような目印が設けられていてもよい。
【0016】
本実施形態のバルブ10は、X軸方向(第1の方向)に沿った流路Pを下端部に設けており、その流路Pの途中にボール4(図2)を配した構成となっている。ステム3は、軸方向が鉛直方向(Z方向)と平行であり、その下端にボール4、上端にボンネット2が連結されている。
【0017】
図1に示すように、バルブ10は、ボデー1が天地方向(第2の方向)に長く、下端部から上端部まで径がほぼ変わらない寸胴な外観フォルムを有している。これについては、図2にも示されている通りであり、ステム3は細い棒状であるものの、ボデー1におけるステム3を囲む部分は、ステム3の径よりも十分に大きい内径を有している。この理由については、後述する。
【0018】
<ボデー1>
ボデー1は、収納空間の下部に弁体を収納し、上部に当該弁体に連結したステムを収納する溶接構造のボデーである。具体的には、ボデー1は、ボール4(図2)を収納している弁体収納部5と、ステム3(図2)を収納しているステム収納部6と、弁体収納部5の側面から水平方向に延びた配管構造部7とを有している。
【0019】
(弁体収納部5)
弁体収納部5は、ボール4を回転可能に配置することができる中空の中央領域51を有する。
【0020】
中央領域51は、ボール4の下面と当接する内面を有し、この内面に、ボール4の下面に設けられた凸部4bが嵌合する凹部51aが設けられている。また、中央領域51の上部には、中央領域51の中空部分とステム収納部6の内部空間と連通する連通口6aが開設されている。
【0021】
弁体収納部5は、中央領域51と配管構造部7との間に、当該中央領域51の中空部分と配管構造部7の管内とを連通する端領域52を更に有している。端領域52は、図2の紙面左右方向に沿って延びる管軸を有した円管状の内周面を有し、この内周面には、ボール4を側方から支持する支持機構80が配設されている。支持機構80については、後述する。
【0022】
(ボール4)
ここで、ボール4について説明する。ボール4は、球体であり、流路4aが貫通形成されている。流路4aは、口径が、弁体収納部5の側面から水平方向(X軸方向)に延びた配管構造部7の管径(Z軸方向に沿った長さ)と等しい。このように、ボール4の流路4aの口径と、配管構造部7の管径とを合致させることにより、配管構造部7から形成される流路内においてボール4が流体の障害物とならないため、高圧で大容量の流体を良好に流すことができる。
【0023】
ボール4は、ステム3と連結する上面と、その反対側にある下面とを有し、下面には下方に向かって突出する凸部4bが設けられている。また、この凸部4bは、ステム3に近い側の部分(基部)の径よりも、ステム3から遠い側の先端部分(突出端4b´)の径のほうが小径である。このように突出端4b´を小径とすることにより、凸部4bの突出端4b´が弁体収納部5の凹部51aへの嵌合のガイドとして機能するため、バルブ組み立て時のボール4の設置操作が容易になる。
【0024】
(ステム収納部6)
ステム収納部6は、鉛直方向(Z方向)に管軸を有する円管状の構造体であり、その下端部に、中央領域51の中空部分と連通する連通口6aが設けられている。連通口6aの水平方向に沿った開口径(口径)は、ボール4の水平方向に沿った径よりも大きい構成となっている。この連通口6aにおいて、ボール4の上面とステム3との連結部分が位置している。また、ステム収納部6の上端部には、ボール4の水平方向に沿った径よりも大きく開口した上端開口部6b(開口部)が設けられている。また、ステム収納部6の下端部と上端部とに挟まれた中間部分6cの内径も、ボール4の水平方向に沿った径よりも大きい。また、具体的には、図2に示すように、連通口6aよりも、上端開口部6bおよび中間部分6cのほうが、内径が大きい。中間部分6cの内径は、鉛直方向に沿って均一であっても構わないが、図2に示すように、上端部および下端部において端に向かって段階的に縮径していてもよい。
【0025】
このように、ステム収納部6の内径(連通口6aおよび上端開口部6bを含む)が、ボール4の水平方向に沿った径よりも大きく構成されていることにより、ボール4をステム3とともに引き上げ、ボデー1の外に取り出すことが可能である。これにより、ボール4のメンテナンスをおこなうことができる。また、反対に、上端開口部6bからボール4をボデー1内に下ろすことにより、弁体収納部5にボール4を設置することができる。本明細書では、このように弁体をボデー上部から出し入れするタイプを「トップエントリ(型)」と称する。
【0026】
それゆえ、中間部分6cの内径は、トップエントリの操作性を考慮して、ボール4の水平方向に沿った径よりも十分大きく構成されている。また、後述するように、ボール4を上方から押圧する中蓋体60を具備しており、中蓋体60の設置の態様を考慮して、中間部分6cの内径を大きく構成している。本実施形態のバルブ10は、一例として、中間部分6cの内径を、弁体収納部5の水平方向に沿った長さに近い長さとしている。
【0027】
また、ステム収納部6の管壁の厚さは、ステム収納部6の内径に対して例えば20分の1程度に薄く構成することができる。これは、ステム収納部6には流体圧が加わらないため、弁体収納部5ほどには内圧が高くならないことによる。一例としては、ステム収納部6の管壁の厚さは、4~7センチメートルとすることができる。また、ステム収納部6の外径は、図2に示すように、弁体収納部5の水平方向に沿った長さと略等しい。そのため、要するに、バルブ10の外観フォルムは先述のように寸胴型であるといえる。
【0028】
ここで、本実施形態のバルブ10は、例えば図3に示すようにボデー1の外側に、気密に密閉される真空ジャケット100を設けることが可能である。真空ジャケット100を配設することによる断熱効果により、流路を流れる液体水素を適温に維持することができる。真空ジャケット100は、図2に示すステム収納部6の上端部において側方に突設されたフランジ部6dに取り付けられており、ボンネット2が真空ジャケット100の外に露出している形態となっている。先述のようにバルブ10がトップエントリ型であることにより、真空ジャケット100は、ボンネット2以外の部分を完全に覆うことができる。なお、本実施形態のバルブ10は、真空ジャケット100を構成要素として含めてもよく、含めなくてもよい。
【0029】
(ステム3)
次に、ステム収納部6に収納されているステム3について説明する。ステム3は、先述のように操作部9とボール4とを繋ぐ役目を担うが、低温に弱い部品と流体が通るボール4とを大きく離間させるために長くされた、いわゆるロングステムとされる。このように構成する理由の一つには、本実施形態のバルブ10が、液体水素用のトップエントリ型バルブであることが挙げられる。流路Pを液体水素が流れると、ボール4を含む弁体収納部5が液体水素(-253°)と同等の温度になる。一方、ボンネット2の部分には、ステム3の軸周りからの流体の漏れを防ぐグランドパッキン23が設置されるが、グランドパッキン23は、過度に低温になるとステムが正常に動作しなくなる虞がある。また、操作部9も、過度に低温となると、操作不良を生じるおそれがある。そこで、本実施形態では、ボンネット2や操作部9とボール4とを離間させることによってこれらの部分の温度低下を抑える対策をとっている。そして、これらをステム3で繋ぐことにより、離間している状態であっても、操作部9の操作を離れた位置にあるボール4に伝達される構成としている。
【0030】
ステム収納部6の鉛直方向(Z方向)の長さは、ステム3の長さによって決めることができ、ステム3の長さは、バルブの操作性に応じて決めることが可能である。たとえば、液体水素などの超低温の流体用のバルブであれば、ステム3の長さは、当該流体による冷熱がバルブの操作部の操作を実質的に制限しない範囲において、計算値にあるいは実験値に基づいて、適宜に決めることが可能である。また、ステム3の長さは、弁体の操作のために求められる機械的強度などの特性を備える範囲において、例えば、ステム3の材料および構造によって決めることが可能である。たとえば、ステム3の材料の伝熱性が低ければ、あるいはステム3が多孔質構造であれば、あるいはフィンなどの放熱性を高める構成を有していれば、ステム3の長さをより短くすることが期待される。ステム3の好適な長さは、これら各種条件によって変化するが、例えば、流体が液化水素である場合、操作部やパッキン(グランドパッキン23)が凍結しない温度(好ましくは-20~0℃、より好ましくは-10~0℃、特に好ましくは0℃程度)となるボデーの長さを設定し、それに合わせたステムの長さとすることが好ましい。
【0031】
なお、本実施形態のバルブ10は、ステム3が長く、且つ、トップエントリ型を実現したステム収納部6であっても、ボール4を弁体収納部5内に確実に収容するべく、本実施形態では、ステム収納部6の連通口6aに、中蓋体60を取り付けている。以下、この中蓋体60について説明する。
【0032】
(中蓋体60)
中蓋体60は、ボデー1の収納空間を構成する内面に取り付けられており、ステム3を作動可能にボデー1内におけるボール4側の空間(弁体収納部5)を液密または気密に仕切る。具体的には、中蓋体60は、ステム収納部6に収納されており、ステム3を貫通させた状態で、ステム収納部6側から連通口6aを封止してボデー1の収納空間を仕切っており、且つ弁体収納部5内にボール4を回転可能に収容する。中蓋体60は、弁体収納部5に近い側から、トラニオンプレート61(第1のプレート)と、ヨークプレート62(第2のプレート)とをこの順で有している。本実施形態のバルブ10においては、このように、ボデー1内において、弁体収納部5とステム収納部6とは中蓋体60によってのみ区画され、特に、弁体であるボール4とステム収納部6との間には中蓋体60のみが配置されている。つまり、本実施形態において、弁体収納部5と中蓋体60がいわゆる弁箱を構成し、この中蓋体60が無ければボール4はステム収納部6に露出することになる。また、トラニオンプレート61およびヨークプレート62というプレート構造から中蓋体60を構成し、ボデー1内にコンパクトに取り付けられるため、バルブ10全体としてもコンパクトな外形とすることができる。
【0033】
トラニオンプレート61およびヨークプレート62は共に円形のプレート体である。トラニオンプレート61の中央には、ステム3が貫通する貫通孔61aが設けられており、ヨークプレート62の中央にも、ステム3が貫通する貫通孔62aが設けられている。
【0034】
また、ヨークプレート62の外周面62bには、ステム収納部6の内周面の一部に設けられたネジ構造と螺合するネジ構造が設けられており、螺合によりヨークプレート62をステム収納部6の所望の位置に固定することができる。なお、中蓋体60が嵌合する部分は、ステム収納部6の内周面のうち中間部分6cの下端部であり、内径が縮径している部分に相当する。すなわち、この部分の管壁の厚さは、ステム収納部6の他の部分の管壁に比べて厚く構成されている。これにより、中蓋体60の嵌合に伴う径方向への負荷に耐えることができる。なお、ヨークプレート62は、このようなネジによる固定以外に、例えばボデー1へのボルトによる固定など、ボデー1に対する着脱が可能な所定の固定手段にて固定されていればよい。組み立ての容易性などを考慮すると、ボデーとのネジ構造による螺合が好ましい。
【0035】
一方、トラニオンプレート61は、ステム収納部6の内周面に嵌合しているが、ヨークプレート62とは異なり、螺合など、ボデー1に対して何らかの固定手段による固定はしていない。トラニオンプレート61は、ヨークプレート62によってボール4側に押圧されることによって、図2に示す位置に固定されている。これに関して、図4に基づいて更に説明する。
【0036】
図4は、図2に示す一点破線の枠囲み部分Bの拡大断面図である。図4では、ボール4、トラニオンプレート61およびヨークプレート62付近を拡大して示している。ボール4の上部にトラニオンプレート61が配置され、その上にヨークプレート62が配置されている。トラニオンプレート61は、連通口6aに嵌合する縮径部分と、連通口6aよりも中間部分6c側にあって当該縮径部分よりも拡径している拡径部分とを有する。またトラニオンプレート61は、拡径部分と縮径部分との段差の下面が、連通口6aにてボデー1の内径側に張り出した縮径部分の上面に当接することで、それ以上ボール4側に移動しないように支えられている。さらに、トラニオンプレート61は、このように連通口6aの縮径部分に支えられることで、ボール4側の面とボール4やステム3との間のクリアランスが維持され、これらが互いに接しないようにされている。これにより、ボール4の開閉時にトラニオンプレート61とボール4やステム3とが摺動することがなく、開閉トルクを低減できるほか、摺動によるボール4等の摩耗も防止される。
【0037】
また、トラニオンプレート61とヨークプレート62とは、互いの対向面では接しておらず、シール部材69a,69cを介して接触している。具体的には、トラニオンプレート61の貫通孔61aの内周とステム3との間、および、トラニオンプレート61の外周面とボデー1(ステム収納部6)の内周面との間には、それぞれシール部材69a,69cが挟まれ、この部分をシールしている。ヨークプレート62は、外周部においてトラニオンプレート61側に突出した突出部62cを有し、シール部材69cを上方から押している。また、ヨークプレート62の貫通孔62aの端部の下方には、グランド部材68が配置され、これがシール部材69aを下方に押している。シール部材69a,69cとトラニオンプレート61とは互いにテーパ面で接しており、この状態で上方からヨークプレート62によって下方に押されることで、くさびのような力が発生してトラニオンプレート61の内外周がシール部材69a,69cによって確実に封止され、その結果、高いシール性が発揮される。
【0038】
トラニオンプレート61は、上記のように、下方(ボール4側)への移動が構造的に規制されているが、それ以外の方向(上方や回転方向)への動作は可能である。例えば、流路4aを流れる流体はトラニオンプレート61の位置に回り込み、シール部材69a,69cによってシールされるが、流体圧がシール部材69a,69cによる保持力を超える力を上回る場合は、トラニオンプレート61は上方に押し出されることになる。本実施形態においては、このように、事実上ボデー1には固定されておらずフリーな状態のトラニオンプレート61が、ボデー1に固定されたヨークプレート62によって上方への移動が規制されるようになっている。そして、本実施形態において、ステム3周囲のシール部材69aによるシール(軸シール)、及び、トラニオンプレート61の外周部のシール部材69cによるシール(外周シール)は、それぞれ、流体圧がトラニオンプレート61を押し上げるほど、各シール部材69a,69cに力が加わることによりシール力が増す、いわゆるプレッシャーシール構造となっているので、ヨークプレート62の外周付近が固定されているだけの状態であっても、外周シール及び軸シールともに十分なシール性を発揮し得る。
【0039】
また、トラニオンプレート61における下面(ボール4に近い側の端部)と、後述する支持機構80のボールシート81との間には、アウターリング67が挟まれている。
【0040】
このように中蓋体60がステム収納部6に取り付けられていることにより、ボール4を弁体収納部5に確実に収納することができる。且つ、中蓋体60によって連通口6aが封止されるため、ボール4が不都合に上方に飛び出す事態を回避することができ、液体水素のステム収納部6への漏れ出しを防ぐことができる。
【0041】
また、ヨークプレート62が、ネジ構造によってステム収納部6のネジ構造6eに螺合することによって、連通口6aの周囲にトラニオンプレート61を押圧固定する。すなわち、トラニオンプレート61は、ヨークプレート62のねじ込みに伴ってボール4に向かってねじ込まれる態様ではなく、ねじ込みの力がトラニオンプレート61を介してボール4に伝わらないようにしている。また、特に、トラニオンプレート61とヨークプレート62とが互いの対向面では直接接触していないため、ヨークプレート62のねじ込みの力がトラニオンプレート61を介してボール4に伝わらないようにすることができる。
【0042】
また、図3を参照して説明したように、本実施形態のバルブ10は、プレート構造の中蓋体60をステム収納部6(ボデー1)の中空部分に配設しており、中蓋体60とボンネット2との間には、ステム3以外の構造体を配置していない。そのため、当該中空部分に他の構造体を配設している場合に比べて、ボール4とボンネット2との間の熱伝導を、ボデー1とステム3による熱伝導に制限することができる。そのため、ボンネット2あるいは操作部9の熱が、液体水素を流している流路Pに過度に及ぶことがない。反対に、流体Pの極低温の温度が、流路Pからボンネット2および操作部9に伝わり過ぎて、先述のような問題を生じることもない。
【0043】
(支持機構80)
支持機構80は、ボール4を側方から支持する。以下、支持機構80について、図5を用いて説明する。図5は、図2に示す一点破線の枠囲み部分Cの拡大断面図である。
【0044】
支持機構80は、ボール4側から、ボールシート81、シートリテーナ82およびリテーナグランド83が配置されている。リテーナグランド83は、スプリング84によってボール4側に付勢されている。シートリテーナ82の外径側には段部82aが設けられている。リテーナグランド83の外径側は、このシートリテーナ82の段部82aの位置においてボール4側に突出し、シートパッキン85を介してシートリテーナ82の段部82aの端面を押している。すなわち、スプリング84の力は、リテーナグランド83、シートパッキン85、シートリテーナ82の順に伝わり、ボールシート81をボール4に押し付けるように働いている。この構造により、ボール4とボールシート81との間、ボールシート81とシートリテーナ82との間が密着し、これらの部分がシールとして機能し、流路から外部への流体の漏出が防がれる。ボールシート81は、金属より軟質な樹脂材料等からなる。そのため、流体圧が加わった場合等に変形せずに形状が維持されるように、その外径側をアウターリング67によって支持されている。ボールシート81とアウターリング67とは、両者の対向面に設けた溝にCリング90を嵌め込むことで、互いに固定された状態となっている。
【0045】
<ボンネット2>
ボンネット2は、図1および図2に示すように、ボデー1(ステム収納部6)の上端部に、複数箇所においてネジ留めされている。このネジ留めによって、ステム収納部6の上端開口部6bを封止することができるが、ネジを外せばボンネット2をボデー1(ステム収納部6)から外すことができる。要するに、ボンネット2は、着脱可能にボデー1(ステム収納部6)の上端部に固定されている。
【0046】
ボンネット2は、ステム3の上端部を貫通固定する貫通部2aが設けられている。また、ボンネット2の上端には、ステム3の上端に連結したグランドプレート22を有している。グランドプレート22には、操作部9が連結されている。
【0047】
ボンネット2は、ボデー1における中蓋体60およびボンネット2で区切られる空間中(ステム収納部6の中空部分)の流体をパージするパージ用バルブ21を有している。本実施形態のように液体水素用のバルブ10である場合、ステム収納部6の中空部分に空気が残存することは好ましくない。そのため、パージ用バルブ21によって、バルブ組み立て時に当該中空部分の空気をパージすることができる。また、当該中空部分を真空にしたり、水素ガスを投入したりすることも可能である。また万が一、流路Pからの液体水素が当該中空部分に漏れて膨張したとしても、パージ用バルブ21によりパージすることによって、安全性を確保することができる。要するに、パージ用バルブ21がパージする流体には、液体および気体の少なくとも一方が含まれ得る。
【0048】
<操作部9>
操作部9は、ハンドル99(図1)を有し、ハンドル99の回転動作を、ステム3に伝達することができる。この伝達機構としては、周知の操作部の機構を採用することができる。
【0049】
以上のように、本実施形態のバルブ10は、液体水素用のトップエントリ型バルブとして用いる。そのため、ボデー1の外殻的な要素を構成する弁体収納部5(ボール4および支持機構80は除く)と、ステム収納部6(ステム3および中蓋体60は除く)と、配管構造部7とが、真空ジャケット内に配置される部分において、溶接以外による接合部を有しない一体型のボデーであることが好ましい。一体構造であるとは、ボルトやネジといった他の治具を用いて連結するのではなく、そのような連結部を有しない完全な一体構造であるか、連結部を有しても溶接部のみによって複数のパーツ(部品)を接合していることを指す。ここで、溶接によって接合する場合、弁体収納部5とステム収納部6とを溶接し、弁体収納部5と配管構造部7とを溶接してもよいが、これに限らない。例えば、本実施形態では、図2に示すように、弁体収納部5と配管構造部7との間で溶接されているが、ステム収納部6は3つのパーツを溶接してなり、そのうちの下側のパーツは弁体収納部5と溶接継ぎ目を有さず一つの部材によって実現されている。要するに、ボデー1の外殻的な要素を構成する部分が、複数のパーツを溶接することによって一体構造となっている。
【0050】
このように一体構造とすることにより、液体水素に対しても液漏れしない信頼性の高いボデー1を提供することができる。また治具を用いて連結する態様に比べて、ボデー1の外面に治具を配設する必要がなく、当該外面を凹凸の少ない面とすることができる。これは、先述の真空ジャケット100の内面構造の簡素化に寄与し、良好に真空ジャケットを取り付けることができる。
【0051】
また、このように溶接のみによって複数のパーツが連結されているため、ボデー1の構造的強度が高い。そのため、流路を大きく構成して液体水素を大量に流すことが可能である。流量に関しては、配管構造部7の管径、およびボール4の大きさと流路4aの口径に基づいて適宜設定することができる。例えば、本実施形態のバルブ10は、配管構造部7の管径および流路4aの口径(第一の開口部の口径)を、25センチメートル以上という比較的大口径で実現できる。例えば、当該管径および口径を約10~24インチ(約25~65センチメートル)で構成することができる。本実施形態のように、ボールバルブとすることによって、圧損を小さくすることができるため、低温弁として用いられるその他の弁種(グローブバルブやバタフライバルブ)に比べ、同等のCv値を小さい口径で実現することができる。例えば、本実施形態のボールバルブが24インチであれば、36インチのバタフライバルブと同程度のCv値を達成することが可能である。
【0052】
最後に、各構成要素の材質について説明する。先述の一体構造によって実現されるボデー1、ボール4、トラニオンプレート61、ヨークプレート62、アウターリング67、シートリテーナ82、スプリング84およびリテーナグランド83に関しては、例えば、ステンレス鋼から構成することができる。また、ステム3に関しては、耐熱鋼から構成することができる。また、シール部材69a,69cに関しては、グラファイトから構成することができる。また、ボールシート81は、耐熱性、耐摩耗性を有する樹脂から構成することができる。また、ボンネット2は、ステンレス鋼から構成することができる。
本実施形態のバルブ10の組み立てにおいては、ボール4にステム3を連結した状態でステム3の上部を保持し、上端開口部6bからボール4をボデー1内の弁体収納部5まで導入する。この際、支持機構80は、予めボデー1内の弁体収納部5に設置しておいてもよく、ボール4に沿わせるように同時に弁体収納部5に導入しても良い。このようにしてボール4や支持機構80を弁体収納部5に収納したら、次に、トラニオンプレート61を、所定の固定具により釣るなどして、上端開口部6bからボデー1内に導入し、連通口6aまで下ろす。次いで、トラニオンプレート61の固定具を取り外した後、同様にヨークプレート62を上端開口部6bからボデー1内に導入する。そして、ヨークプレート62を、固定具やその他の回転用の治具等を利用して、ボデー1内で回転させ、その外周に設けたネジ構造と、ボデー1内のステム収納部6の内面に設けたネジ構造とを螺合させる。これにより、ヨークプレート62をボデー1に固定するとともに、トラニオンプレート61をボール4側に押圧する。このようにボデー1内にボール4、支持機構80、中蓋体60を収容した後、ボデー1の上端部にボンネット2を取り付け、操作部9等を設置することで、バルブ10の組み立てが完了する。このような組み立て方法により、本実施形態のバルブ10は、ボデー1が縦方向に長い寸胴形状であるにもかかわらず容易に組み立てが可能であるほか、メンテナンス時等のボデー内の部材の取り出し等も容易となる。
【0053】
〔変形例〕
(変形例1)
上述した実施形態では、ボール弁を構成しているが、本発明の一態様はこれに限定されるものではない。例えば、グローブ弁およびバタフライ弁を構成するトップエントリ型バルブも、本発明の一態様に含まれる。本発明のバルブとしては、弁体を支持するステムの径よりも、少なくとも一方向の径が大きい(すなわち、ステムの径をはみ出す)形状の弁体を備えるものが、本発明の構造において有効に効果を発揮し得る。また、ステムの回転に伴って弁体が90°回転することで開閉が切り替えられるボールバルブやバタフライバルブに対して特に好適である。
【0054】
なお、上述の実施形態では、流路が一方向に沿って延設されていて、ボール4を挟んで上流側の配管構造部7と下流側の配管構造部7が流路の開口部として在る態様である。しかしながら、このように流路が二方に開口した態様だけでなく、三方以上に開口した態様であってもよい。
【0055】
(変形例2)
上述した実施形態に代えて、ボンネット2を断熱材によって構成したり、ボンネット2に断熱体を付加したりしてもよい。これらの態様も、本発明の一態様に含まれる。
【0056】
(変形例3)
上述した実施形態では、ステム収納部6が中空部分となっているが、この中空部分に断熱体が配されていてもよい。これらの態様も、本発明の一態様に含まれる。
【0057】
(変形例4)
上述した実施形態では、中蓋体60には、トラニオンプレート61、ヨークプレート62、シール部材69a,69c、グランド部材68が設けられているが、これに更に別の構成が含まれていてもよい。例えば、トラニオンプレート61とヨークプレート62との間や、トラニオンプレート61とボール4との間に、シート状のスラストワッシャーを設けてもよい。また、ヨークプレート62の貫通孔62aの内周面と、ステム3の外周面との間に、カールヘアリングを設けてもよい。また、グランド部材68とヨークプレート62との間に、シート状のトラストワッシャーを設けてもよい。
【0058】
(変形例5)
上述した実施形態では、ステム3の延伸方向を鉛直方向と平行にしたトップエントリ型として構成したバルブを説明したが、本発明の一態様はこれに限定されるものではなく、ステム3の延伸方向(軸方向)が鉛直方向に対して傾斜している構成であってもよい。
【0059】
(変形例6)
上述した実施形態では、ボデー1を溶接構造としているが、溶接以外の方法で複数のパーツを連結してもよい。なお、本変形例において、例えばステム収納部6を複数の管状パーツをボルト等の治具を用いて連結して構成する場合には、連結させる当該パーツ数を変更することにより、ステム収納部6の長さ(ボデー1の長さともいう)を調整することが可能である。
【0060】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0061】
上述の実施形態1では、ヨークプレート62の外周面62bに設けられたネジ構造と、ボデー1のステム収納部6のネジ構造6eとが螺合することによって、中蓋体60がステム収納部6に固定されている(図4)。しかしながら、中蓋体60の固定方法はこれに限らず、例えば先述したようにボルトを用いた固定方法であってもよい。そこで、以下では、ボルトによる固定方法を採用した態様を説明する。なお、以下では、上述の実施形態1との相違点のみを説明する。以下で説明しない内容については、上述の実施形態1において説明した内容と同一である。
【0062】
図6は、中蓋体60とステム収納部6との固定部分を中心とする拡大断面図である。本実施形態では、ヨークプレート62の外周面と、それに対向するステム収納部6の内周面とにはネジ構造は無く、ボルト200(固定手段)を用いて中蓋体60をステム収納部6に固定する。
【0063】
具体的には、図6に示すように、ヨークプレート62にボルト用貫通孔62dが設けられ、トラニオンプレート61にボルト用貫通孔61dが設けられ、これらにボルト200が挿通される。ボルト200は更に、ステム収納部6の中間部分6cの下端部に設けられた連通口6aの内径が縮径している部分6fの上面に設けられたボルト用凹部6gに挿入固定されている。
【0064】
ここで、ボルト200の先端部200aには、ネジ切りが設けられている。先端部200aは、ボルト用凹部6gの内周面に設けられたネジ切りと螺合する。このように螺合することにより、ヨークプレート62をボデー1のステム収納部6内に固定することができる。
【0065】
ボルト200には、更に、拡径した頭部200bに穴が設けられている。拡径した頭部200bの下面は、ヨークプレート62のボルト用貫通孔62d内において係止される構造となっている。そのため、ボルト用貫通孔62dが、ステム収納部6の上端開口部6b側において拡径したザグリ部を有している。図6に示す例では、ボルト200の拡径した頭部200bは、ボルト用貫通孔62d内に完全に埋まる構成となっている。
【0066】
上述の実施形態1と同様に、本実施形態でもトラニオンプレート61とヨークプレート62とは直接的に接合しておらず、シール部材69a,69bを介在させている。また、トラニオンプレート61のボルト用貫通孔61dの内周面には、ボルト200のネジ切りが無い部分200cが対応する構成となっており、且つこれらの間には僅かなクリアランスが設けられている。そのため、ボルト200が所定の位置に挿入されて、ヨークプレート62を介してトラニオンプレート61が連通口6aを封止している状態において、上述の実施形態1のトラニオンプレート61と同様に、トラニオンプレート61は、流体圧の上昇を受けて上方に僅かに押し出される形態となっている。これにより、本実施形態のようにボルト200による固定を行う場合であっても、流体圧がトラニオンプレート61を押し上げることによるプレッシャーシール構造によるシールが発揮されやすくなっている。
【0067】
このようなボルト200を用いた固定箇所が、ステム3を中心とした円周方向に、複数箇所設けられている(図6では2箇所を図示)。
【0068】
ボルト200の締結は、ステム収納部6の上端開口部6b側から、六角レンチなどを挿入して、拡径した頭部200bの穴に挿し込んで行う。
【0069】
上述の実施形態1では、ヨークプレート62の外周面62bに設けられたネジ構造と、ボデー1のネジ構造とを螺合させるために、ヨークプレート62の水平を保ったままステム収納部6内に導入する必要があるなど、ヨークプレート62の位置を微調整する必要があり、時間を要する場合がある。これに対し、本実施形態によれば、ボルト留めによる固定方法を採用することにより、ステム収納部6内におけるトラニオンプレート61及びヨークプレート62の位置合わせが比較的容易であり、作業効率を向上させることができる。また、同様の理由により、ヨークプレート61及びトラニオンプレート62の取り外しも容易に行うことができるため、例えばボールシート81の交換等のメンテナンスを行う際にも有利な構造となっている。
【0070】
〔実施形態3〕
中蓋体60の別の固定態様を、図7及び図8を用いて説明する。
【0071】
図7は、中蓋体60とボデー1のステム収納部6との固定部分を中心とする拡大断面図である。本実施形態でも、上述の実施形態2と同様、ヨークプレート62の外周面と、それに対向するステム収納部6の内周面とにはネジ構造は無い。本実施形態では、ヨークプレート62とトラニオンプレート61とがプレート連結用ボルト300によって一体となっている点において、上述の実施形態2と異なる。また、中蓋体60を連通口6aに押圧固定するためのストッパ500(固定手段)がヨークプレート62側に設けられている点において、上述の実施形態2と異なる。
【0072】
具体的には、図7に示すように、プレート連結用ボルト300が、ヨークプレート62に設けられた連結用貫通孔62eに貫通しており、更に、トラニオンプレート61の上面に設けられた連結用凹部61eに挿入されている。
【0073】
プレート連結用ボルト300は、両端300a、300bにネジ切りがあり、中間部分300cにネジ切りがない、いわゆる両ネジボルトを用いることができる。ネジ切りが設けられた一方の端300aは、連結用凹部61eの内周面に設けられたネジ切りと螺合する。ネジ切りが設けられた他方の端300bは、ヨークプレート62の上面側に突出しており、ナット400が螺合している。このようにナット400がプレート連結用ボルト300にネジ留めされることにより、ヨークプレート62がトラニオンプレート61に向かって押圧固定される。本実施形態では、プレート連結用ボルト300によるボルト留めを、ステム3が貫通する貫通孔62aを中心とする円周方向に沿って、複数箇所設けている(図7では3箇所を図示)。
【0074】
ここで上述の実施形態と同様に、本実施形態でもトラニオンプレート61とヨークプレート62とは直接的に接合しておらず、シール部材69a,69bを介在させているが、プレート連結用ボルト300によって一体的な構造となっている。そのため、本実施形態では、トラニオンプレート61およびヨークプレート62は、ストッパ500が無い状態では、ステム収納部6内を上下動できる。換言すれば、この上下動を、ストッパ500が抑制し、トラニオンプレート61およびヨークプレート62によって連通口6aを封止する態様を実現している。また、ヨークプレート62における連結用貫通孔62eが、ボルト300との間にわずかにクリアランスを有するように設けられていることで、トラニオンプレート61は、ヨークプレート62に対する上下動が規制されておらず、流体圧が加わった場合にヨークプレート62側に移動可能である。これにより、本実施形態のようにボルト300による両プレート61,62の一体化を行う場合であっても、流体圧がトラニオンプレート61を押し上げることによるプレッシャーシール構造によるシールが発揮されやすくなっている。
【0075】
ストッパ500は、図8に示すように、ヨークプレート62の上面に一端部が接続され、他端部がボンネット2の下面に接続された棒状の支持体である。ストッパ500は、所定の長さを有し、ボンネット2がステム収納部6の上端開口部6bを封止した状態において、ヨークプレート62をステム収納部6の所定の位置に固定する。ストッパ500は、プレート連結用ボルト300と同様に、ステム3が貫通する貫通孔62aを中心とする円周方向に、複数箇所設けられている(図7では2箇所、図8では3箇所を図示)。なお、ヨークプレート62およびボンネット2には、ストッパ500を受け入れるための窪み等の構造が設けられていてもよい。ストッパ500は、単体であってもよいが、ボンネット2またはヨークプレート62に固定された構造であってもよい。
【0076】
本実施形態によれば、上述の実施形態2と同様に、実施形態1に比べ、ヨークプレート62とステム収納部6との螺合が不要である点において、作業効率を向上させることができる。更に、本実施形態によれば、トラニオンプレート61とヨークプレート62とを予めユニット状に固定してから、ステム収納部6に設置することが可能である。そのため、トラニオンプレート61とヨークプレート62の間にシール部材69a,69bを介在させることが容易であるほか、ヨークプレート62のバルブ本体に固定する必要がなく、ヨークプレート62の配置後にストッパ500による固定を行えばよいので、ボデーに対する各プレート61,62の位置合わせが容易であるなど、トラニオンプレート61およびヨークプレート62をステム収納部6に配置する作業効率を、実施形態2に比べて向上させることができる。
【0077】
〔実施形態4〕
本発明のその他の実施形態について、以下に説明する。例えば、上述した各実施形態では、ヨークプレート62を外周部のねじ込みあるいはボルトを用いた固定により、ボデーに固定していたが、それらに限定されず、例えば、ヨークプレート62とボデー1とをバヨネット構造で固定してもよい。また、トラニオンプレート61として、一体のプレートを用いたが、ステム3周辺の部品と、その外周側の部品とを組み合わせて一つのプレートとするような分割構造を適用してもよい。その場合、トラニオンプレート61のシール部材69aによる軸シールと、シール部材69cによる外周シールとを、それぞれ別々の部材で構築できるので、それぞれについてより優れたシール性を得やすくなる可能性がある。
【0078】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るバルブ10は、流体を流通させるための複数の第一の開口部(配管構造部7)と、前記複数の第一の開口部が向いている方向(X軸方向)に交差する方向(Z軸方向)に開口し、弁体(ボール4)が通過可能な第二の開口部(上端開口部6b)とを有し、流体の流路を構成するボデー1と、前記第二の開口部を介して前記ボデー内に収容され、前記流体の流路Pを開閉可能な弁体(ボール4)と、前記弁体に連結し、前記第二の開口部よりも外側まで延在するステム3と、前記ステム3を作動可能に前記第二の開口部を密封するボンネット2と、前記ボデー1内の空間を前記ボンネット側の空間と前記弁体側の空間とに、前記ステム3を作動可能かつ液密または気密に仕切る中蓋体と、を有する。
【0079】
前記態様1の構成によれば、中蓋体60によって、ボデー内の空間をボンネット2側の空間と弁体(ボール4)側の空間とに液密または気密に仕切り、弁体をボデー1内における収納位置に収納することができる。これにより、ステム3を長く構成でき、弁体とボンネット2との間を大きく離間させて、流体として液体水素のような極低温流体を採用する場合であっても、冷却された弁体の温度が、操作部9等に伝わり難い。要するに、ステム3を長くするという簡易な構成によって、流体の熱がボンネット2側に伝わり難いバルブ10を提供することができる。そのため、製造コストおよびメンテナンスコストの増大を抑制することができ、且つ極低温流体に適用可能なバルブ10を実現できる。
【0080】
また、前記態様1の構成によれば、当該弁体に連結したステム3の軸方向に沿って第二の開口部から弁体を取り出すトップエントリ型を実現することができる。
【0081】
また本発明の態様2に係るバルブは、前記の態様1において、前記中蓋体60は、前記弁体に近い側から、第1のプレート(トラニオンプレート61)と、第2のプレート(ヨークプレート62)とをこの順で有しており、前記第2のプレートは、固定手段にて前記ボデーに固定されており、前記第1のプレートは、前記ボデーに対して固定されておらず、前記第2のプレートが前記ボデーに固定されることによって、前記ボンネット側の空間への移動が規制されている構成であってもよい。
【0082】
また本発明の態様3に係るバルブは、前記の態様2において、前記第2のプレートの外周面には、前記ボデー1の内周面に設けられたネジ構造6eと螺合するネジ構造が設けられており、前記第2のプレートが前記ボデーに螺合することによって、前記第1のプレートを前記弁体側に対して押圧していてもよい。
【0083】
前記態様3の構成によれば、第2のプレートが、第1のプレートを弁体側に押圧する。すなわち、第1のプレートは、第2のプレートのねじ込みに伴って弁体に向かってねじ込まれる態様ではない。そのため、ねじ込みの力が第1のプレートを介して弁体に伝わらないようにすることができる。
【0084】
また本発明の態様4に係るバルブは、前記の態様2において、前記第2のプレート及び前記第1のプレートには、それぞれ、ボルト用貫通孔が設けられており、前記固定手段であるボルトが、前記第2のプレートの前記ボルト用貫通孔及び前記第1のプレートのボルト用貫通孔を通ってその先端側が前記ボデーに固定されるともに、当該ボルトの他端側が前記第2のプレートに当接することによって、前記第2のプレートの前記ボンネット側の空間への移動が規制されていてもよい。
【0085】
また本発明の態様5に係るバルブは、前記の態様2から4において、前記第1のプレートと前記第2のプレートとは、シール部材69a、69cを介して接触しており、前記第2のプレートが、前記シール部材69a、69cを前記第1のプレートに向かって押圧し、前記シール部材は、前記第2のプレートからの押圧を受けて前記第1のプレートと前記ボデーの内周面との間を封止するとともに、前記第1のプレートを前記弁体側に対して押圧する構成となっていてもよい。
【0086】
前記態様5の構成によれば、第1のプレートと第2のプレートとが直接接触していないため、第2のプレートのねじ込みの力が第1のプレートを介して弁体に伝わらないようすることができる。また、第1のプレートはいわゆるフローティングの状態であり、ボデーに直接的に連結している態様ではないものの、前記シール部材69a、69cを設けていることによって、流体が流路からステム収納部分に漏れ出ることを回避することができる。
【0087】
また本発明の態様6に係るバルブは、前記の態様1において、前記中蓋体は、前記弁体に近い側から、第1のプレートと、第2のプレートとをこの順に有しており、前記第2のプレートは、前記ボンネットの下面と当該第2のプレートの上面とに接続されたストッパ500によって前記ボンネット側の空間への移動が規制されており、前記第1のプレートは、前記ボデーに対して固定されておらず、前記第2のプレートによって、前記ボンネット側の空間への移動が規制されていてもよい。
【0088】
また本発明の態様7に係るバルブは、前記の態様1から6において、前記弁体には、前記ステムに対して反対側の位置に凸部4bが設けられており、前記ボデー1には、前記凸部4bを嵌合させる凹部51aが設けられており、前記凸部4bは、突出している先端のほうが基部よりも小径である構成となっていてもよい。
【0089】
前記態様7の構成によれば、弁体の凸部4bを、ボデー1の凹部51aに嵌合させることによって、ボデー1に弁体を固定することができる。また、前記の構成によれば、弁体の凸部4bの突出端が突出の基部よりも小径となっている。これにより、前記凸部4bの突出端が前記凹部51aへの嵌合のガイドとして機能する。本発明の一形態に係るバルブは、ボデーがロングステムを収納した比較的長いステム収納部分を具備することができる。そのような場合にあっても、ガイド機能を凸部4bが有していれば、バルブ組み立て時の弁体の固定が容易になる。
【0090】
また本発明の態様8に係るバルブは、前記態様1から7において、前記ボンネット2には、前記ボデー1における前記ステム3を収納している中空部分の気体をパージするパージ用バルブ21が取り付けられていてもよい。
【0091】
液体水素用のバルブの場合、ステム収納部分の中空部分に空気が残存することは好ましくない。これに対して、前記態様8の構成によれば、バルブ組み立て時に当該中空部分の空気をパージすることができる。また、当該中空部分を真空にしたり、水素ガスを投入したりすることも可能となる。また万が一、流路からの流体が当該中空部分に漏れて膨張したとしても、パージ用バルブ21によりパージすることによって、安全性を確保することができる。
【0092】
また本発明の態様9に係るバルブは、前記態様1から8において、前記弁体は、ボール弁のボール4であってもよい。
【0093】
前記態様9の構成によれば、ボール弁の流路の口径と、配管構造部7の管径とを合致させることにより、配管構造部7の流路内に弁体による障害物が無い状態とすることができ、高圧で大容量の流体を良好に流すことができる。また、このようなボール弁のボール4を、ボール4よりもわずかに径が大きいだけのボデー1内に収容するとともに、ボデー1内の空間を、ボデー1の内周面に固定する中蓋体60のみで弁体側の空間とボンネット側の空間に仕切ることができるので、全体としてもコンパクトな外形とすることが可能である。
【0094】
また本発明の態様10に係るバルブは、前記態様1から9において、前記ボデー1が、溶接以外による接合部を有しない一体型のボデーであってもよい。
【0095】
前記態様10の構成によれば、液体水素用のバルブとして適用することが可能である。
【0096】
また本発明の態様11に係るバルブは、前記態様1から10において、前記気密に密閉される真空ジャケットを前記ボデーの外側に更に有していてもよい。
【0097】
前記態様11の構成によれば、流体が液体水素のように低温である場合に、流体を低温に維持することができ、信頼性の高いバルブ10を提供することができる。
【0098】
また本発明の態様12に係るバルブは、前記態様1から11において、前記第一の開口部の口径が、25~65センチメートルであってもよい。
【0099】
前記態様12の構成によれば、比較的大口径の流路に適用可能なバルブを実現することができる。
【0100】
本発明は上述した実施形態および各変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態および変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1 ボデー
2 ボンネット
3 ステム
4 ボール(弁体)(ボール弁のボール)
4a 流路
4b 凸部
5 弁体収納部
6 ステム収納部
6b 上端開口部
6d フランジ部
6e ネジ構造
7 配管構造部
9 操作部
10 バルブ
21 パージ用バルブ
51a 凹部
60 中蓋体
61 トラニオンプレート(第1のプレート)
62 ヨークプレート(第2のプレート)
62b 外周面
62c 突出部
69a、69c シール部材
80 支持機構
99 ハンドル
100 真空ジャケット
図1
図2
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