(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】部品実装装置及び部品実装方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
H05K13/04 A
(21)【出願番号】P 2019011792
(22)【出願日】2019-01-28
【審査請求日】2021-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】辻澤 孝文
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-243940(JP,A)
【文献】実開平04-117471(JP,U)
【文献】特開2010-141209(JP,A)
【文献】国際公開第2016/129057(WO,A1)
【文献】特開2006-114782(JP,A)
【文献】特開2010-212394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の面に認識対象部位を有する部品を部品実装対象物に実装する部品実装装置であって、
前記部品実装対象物に前記部品を搭載する部品搭載部と、
前記部品搭載部で前記部品が搭載された前記部品実装対象物を吸着部が設けられたアームで保持した状態で上下反転する反転部と、
前記アームが
前記部品実装対象物を保持した状態で
、かつ、前記反転部により前記部品実装対象物が上下反転される前のタイミングにおいて、前記部品搭載部で前記部品実装対象物に搭載された前記部品の前記認識対象部位を認識する認識部とを備えた部品実装装置。
【請求項2】
異常を報知する報知手段と、
前記認識部により前記認識対象部位が認識されなかった場合に前記報知手段に異常を報知させる報知制御部とを備えた請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記反転部は複数の前記アームを備え、複数の前記部品実装対象物を保持して回転させる請求項1または2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
少なくとも一方の面に認識対象部位を有する部品を部品実装対象物に実装する部品実装方法であって、
前記部品実装対象物に前記部品を搭載する部品搭載工程と、
前記部品搭載工程で前記部品を搭載した前記部品実装対象物を吸着部が設けられたアームで保持した状態で
反転部が上下反転する反転工程と、
前記アームが
前記部品実装対象物を保持した状態で
、かつ、前記反転工程で前記部品実装対象物を上下反転する前のタイミングにおいて、前記部品搭載工程で前記部品実装対象物に搭載した前記部品の前記認識対象部位を認識する認識工程とを含む部品実装方法。
【請求項5】
前記認識工程で前記認識対象部位が認識されなかった場合に報知手段に異常を報知させる報知工程を含む請求項4に記載の部品実装方法。
【請求項6】
前記反転部は複数の前記アームを備え、
前記反転工程において複数の前記部品実装対象物を保持して回転させる請求項4または5に記載の部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装対象物に部品を実装する部品実装装置及び部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルを製造するパネル製造装置等のような部品実装装置では、基板に取り付けられたテープ状部品であるTCP(Tape Carrier Package)にフレキシブル基板のようなフィルム状の部品を実装する。フィルム状の部品の一方の面にはその部品の個別情報が記録された認識マーク(通常、2次元コード)が設けられており、部品は実装後の状態で認識マークが外部から見えるようにテープ状部品に実装される。そして、部品が実装された基板(実装基板)が搬出される際、認識マークを認識対象部位として認識部により認識し、認識マークに記録された部品の個別情報を用いて実装基板を個別化することで、その後の実装基板を追跡できる(すなわちトレーサビリティを確保する)ようにしている。ここで、認識部としては、例えば、基板の上下方向に基板を透過する検査光を照射して部品実装対象物を認識する構成のものが知られている(下記の特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、部品が実装される部品実装対象物の構造によっては部品の実装過程で基板を上下反転させる必要があり、基板の搬出時に認識対象部位が上方を向いている場合と、下方を向いている場合と、またその両方との場合とが起こり得る。このような場合、部品実装装置が認識対象部位を下方から認識する認識部と認識対象部位を上方から認識する認識部との2つの認識部を備えるようにすればよいが、認識部を構成する装置は一般に高価であるため製造コストが増大するうえ、部品実装装置そのものが大型化してしまうという問題点がある。
【0005】
そこで本発明は、基板の搬出時における部品の認識対象部位の向きの如何によらず認識対象部位を認識できる構成を安価に構築できる部品実装装置及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品実装装置は、少なくとも一方の面に認識対象部位を有する部品を部品実装対象物に実装する部品実装装置であって、前記部品実装対象物に前記部品を搭載する部品搭載部と、前記部品搭載部で前記部品が搭載された前記部品実装対象物を吸着部が設けられたアームで保持した状態で上下反転する反転部と、前記アームが前記部品実装対象物を保持した状態で、かつ、前記反転部により前記部品実装対象物が上下反転される前のタイミングにおいて、前記部品搭載部で前記部品実装対象物に搭載された前記部品の前記認識対象部位を認識する認識部とを備えた。
【0007】
本発明の部品実装方法は、少なくとも一方の面に認識対象部位を有する部品を部品実装対象物に実装する部品実装方法であって、前記部品実装対象物に前記部品を搭載する部品搭載工程と、前記部品搭載工程で前記部品を搭載した前記部品実装対象物を吸着部が設けられたアームで保持した状態で反転部が上下反転する反転工程と、前記アームが前記部品実装対象物を保持した状態で、かつ、前記反転工程で前記部品実装対象物を上下反転する前のタイミングにおいて、前記部品搭載工程で前記部品実装対象物に搭載した前記部品の前記認識対象部位を認識する認識工程とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板の搬出時における部品の認識対象部位の向きの如何によらず認識対象部位を認識できる構成を安価に構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態における部品実装装置の平面図
【
図2】本発明の一実施の形態における部品実装装置の斜視図
【
図3】本発明の一実施の形態における部品実装装置により基板に部品を実装する手順を示す図
【
図4】本発明の一実施の形態における部品実装装置により基板に部品を実装する手順を示す図
【
図5】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える基板移送体の斜視図
【
図6】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える基板移動部及び認識部の斜視図
【
図7】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える基板移動部の動作説明図
【
図8】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える第1又は第2反転部の斜視図
【
図9】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える第1又は第2反転部の動作説明図
【
図10】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備えるテープ貼着部の斜視図
【
図11】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える部品搭載部の斜視図
【
図12】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える認識部により部品マークを認識している状態を示す図
【
図13】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える部品圧着部の斜視図
【
図14】本発明の一実施の形態における部品実装装置の制御系統を示すブロック図
【
図15】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備えるテープ貼着部の動作説明図
【
図16】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える部品搭載部の動作説明図
【
図17】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える部品圧着部の動作説明図
【
図18】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える認識部により部品マークを認識している状態を示す図
【
図19】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える部品搭載部の動作説明図
【
図20】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える認識部により部品マークを認識している状態を示す図
【
図21】(a)(b)(c)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える部品圧着部の動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1及び
図2は本発明の一実施の形態における部品実装装置1を示している。本実施の形態では説明の便宜上、作業者OPから見た部品実装装置1の左右方向をX軸方向と称し、前後方向をY軸方向とする。また、上下方向をZ軸方向と称する。更に、作業者OPから見た部品実装装置1の手前側を部品実装装置1の前方と称し、作業者OPから見た部品実装装置1の奥側を部品実装装置1の後方と称する。また、作業者OPから見た部品実装装置1の左方を部品実装装置1の左方と称し、作業者OPから見た部品実装装置1の右方を部品実装装置1の右方と称する。
【0011】
部品実装装置1は、
図3に示すように、基板2の端部に取り付けられたテープ状部品3(例えばTCP)にフィルム状の部品4(例えばフレキシブル基板)を実装して実装基板を製造する。部品4の実装は、搬入工程、テープ貼着工程、部品搭載工程、認識工程、圧着工程、搬出工程の順に進行する。
【0012】
ここで、搬入工程は基板2を搬入する工程である。テープ貼着工程は、テープ状部品3の先端部に接着テープ5(例えばACF:Anisotropic Conductive Film)を貼着する工程である。部品搭載工程は、接着テープ5を介してテープ状部品3に部品4を搭載する工程である。認識工程は、テープ状部品3に搭載された部品4の一方の面(テープ状部品3に接合される側の面)に設けられた認識マーク4Mを認識対象部位として認識する工程である。圧着工程は、テープ状部品3に搭載した部品4をテープ状部品3に圧着する工程である。そして、搬出工程は、部品4が実装された基板2(実装基板)を搬出する工程である。なお、テープ貼着工程から搬出工程までの間には、部品実装対象物であるテープ状部品3の構造形態に応じてテープ状部品3を基板2ごと上下反転させる反転工程が実行される。
【0013】
テープ状部品3は構造形態の違いとして、二層構造のもの(
図3)と一層構造のもの(
図4)とがある。テープ状部品3が二層構造であるか一層構造であるかによって、基板2に対する部品4の実装手順が異なり、実装基板の搬出時における認識マーク4Mの向きも異なる。
【0014】
図3及び
図4において、テープ状部品3は基板2の表面に取り付けられており、部品4がテープ状部品3の端子部3Tにその接合部を接合させてテープ状部品3に実装されることはテープ状部品3の構造形態によらず共通であるが、二層構造のテープ状部品3は端子部3Tを基板2の表面側に向けているのに対し、一層構造のテープ状部品3は端子部3Tを基板2の裏面側に向けているのが異なる。このため、テープ状部品3が二層構造である場合には、部品4はテープ状部品3が有する2面のうち基板2に対する接合部を有する側とは反対側の面に実装され、基板2が表面を上方に向けた姿勢(実装基板の搬出時における姿勢)では、認識マーク4Mは下方を向いた状態となる(
図3)。一方、テープ状部品3が一層構造である場合には、部品4はテープ状部品3が有する2面のうち基板2に対する接合部を有する側と同じ側の面に実装され、基板2が表面を上方に向けた姿勢(実装基板の搬出時における姿勢)では、認識マーク4Mは上方を向いた状態となる(
図4)。
【0015】
テープ状部品3が二層構造である場合には、
図3に示すように、先ず、テープ状部品3が取り付けられた状態の基板2が表面を上に向けた姿勢で搬入される(搬入工程)。そして、この姿勢で上方を向いているテープ状部品3の端部の端子部3Tに接着テープ5が貼着された後(テープ貼着工程)、接着テープ5の位置に部品4が搭載される(部品搭載工程)。部品4が搭載されたテープ状部品3は基板2ごと上下反転され(第1反転工程)、これにより部品4がテープ状部品3の下側になったら、テープ状部品3が部品4に押し付けられて部品4がテープ状部品3に圧着される(部品圧着工程)。部品4がテープ状部品3に圧着されたらテープ状部品3が基板2ごと上下反転され(第2反転工程)、基板2が(従ってテープ状部品3が)搬入時の姿勢にされる。そして、この状態で下方を向いている認識マーク4Mが下方から認識され(認識工程)、認識マーク4Mの認識が終了したら、そのまま基板2が搬出される(搬出工程)。
【0016】
テープ状部品3が一層構造である場合には、
図4に示すように、先ず、テープ状部品3が取り付けられた状態の基板2が表面を上に向けた姿勢で搬入される(搬入工程)。そして、テープ状部品3が基板2ごと上下反転され(第1反転工程)、テープ状部品3の端子部3Tが上方に向けられる。テープ状部品3が基板2ごと上下反転されたら、テープ状部品3の端子部3Tに接着テープ5が貼着され(テープ貼着工程)、接着テープ5の位置に部品4が搭載される(部品搭載工程)。テープ状部品3に部品4が搭載されたら、この状態で下方を向いている認識マーク4Mが下方から認識される(認識工程)。認識マーク4Mが認識されたらテープ状部品3が基板2ごと上下反転され(第2反転工程)、基板2が(従ってテープ状部品3が)搬入時の姿勢にされる。そして、この上下反転によって部品4がテープ状部品3の下側になったら、テープ状部品3が部品4に押し付けられて部品4がテープ状部品3に圧着される(部品圧着工程)。部品4がテープ状部品3に圧着されたら、そのまま基板2が搬出される(搬出工程)。
【0017】
上記認識工程で認識される認識マーク4Mには、その認識マーク4Mが設けられている部品4の個別情報が記録されている。このため認識マーク4Mを認識することで、その認識マーク4Mに記録された個別情報を用いて基板2を個別化することができ、部品4を実装した後の基板2(実装基板)のトレーサビリティを確保することが可能となる。
【0018】
次に、部品実装装置1の構成及び動作を説明する。
図1及び
図2において、部品実装装置1の最も前方に位置する領域には移送レール11がX軸方向に延びて設けられている。移送レール11には3つ(左側、中央及び右側)の基板移送体12がX軸方向に移動自在に設けられている。
【0019】
図5において、各基板移送体12は2つのアームユニット13を備えており、各アームユニット13は後方に延びた2本の移送アーム13aを有している。各移送アーム13aには吸着口を下方に向けた複数の吸着パッド13bが設けられている。各アームユニット13は2本の移送アーム13aの吸着パッド13bで基板2の表面を吸着することで、その基板2を保持する。各基板移送体12は2つのアームユニット13で2枚の基板2を同時に吸着することができる。各基板移送体12は、2枚の基板2を吸着した状態で移送レール11上を移動することで、2枚の基板2を同時にX軸方向に移送する。
【0020】
図1及び
図2において、移送レール11の後方にはガイドレール21がX軸方向に延びて設けられている。ガイドレール21には3つ(左側、中央及び右側)の基板移動部22がX軸方向に移動自在に設けられている。
【0021】
図6において、各基板移動部22はガイドレール21上をX軸方向に移動自在な移動テーブル23と、移動テーブル23上をY軸方向に移動自在な基板保持ステージ24を備えている。基板保持ステージ24はX軸方向の両端それぞれに真空吸着口25を有している。各基板移動部22は、基板保持ステージ24に設けられた2つの真空吸着口25において2枚の基板2を吸着することで、2枚の基板2を同時に保持することができる。
【0022】
各基板移動部22は、基板保持ステージ24を、作業者OP側の「準備位置」(
図7(a)に示す位置)と、「準備位置」の後方の「作業位置」(
図7(b)に示す位置)との間で移動させる。基板保持ステージ24の「準備位置」は、基板移送体12から基板2を受け取り、或いは基板移送体12に基板2を受け渡す位置である。また、基板保持ステージ24をX軸方向に移動させるときの位置でもある。基板保持ステージ24の「作業位置」は、基板保持ステージ24により保持した基板2を、後述するテープ貼着部32、部品搭載部33又は部品圧着部36による作業に供するときの位置である。
【0023】
図1及び
図2において、ガイドレール21の後方には左方から順に第1反転部31、テープ貼着部32、部品搭載部33、第2反転部34、認識部35、部品圧着部36が設けられている。
図8(a),(b)において、第1反転部31及び第2反転部34はそれぞれX軸方向に並んだ2つの反転機構部41を備えている。各反転機構部41は前方に延びた2本の反転アーム42を有しており、各反転アーム42には複数の吸着部43が設けられている。各反転機構部41は2本の反転アーム42の吸着部43で基板2の表面又は裏面を吸着することで、その基板2を保持する。第1反転部31と第2反転部34はそれぞれ、2つの反転機構部41で2枚の基板2を同時に保持することができる。
【0024】
2つの反転機構部41はそれぞれ、2本の反転アーム42をその相対位置関係を保ったままでY軸回りに回転させることができる(
図8(a)→
図8(b)及び
図8(b)→
図8(a))。このため第1反転部31と第2反転部34はそれぞれ、2つの反転アーム42により吸着した2枚の基板2を同時に上下反転させることができる(
図9(a)→
図9(b))。各反転機構部41は昇降自在であり、基板移送体12が保持した基板2をその下面側から吸着して受け取る場合や、基板移動部22に保持された基板2をその上面側から吸着する場合のほか、基板2の上下反転時に基板2がその下方の構造物と干渉しないようにする場合等には、反転機構部41が昇降される。
【0025】
図10(a),(b)において、テープ貼着部32は、テープ供給リール51、貼着ツール52、貼着シリンダ53及び貼着支持台54を備えている。テープ供給リール51は接着テープ5が貼り付けられたテープ部材5Tを供給する。貼着ツール52はX軸方向に延びた部材であり、貼着シリンダ53により昇降される。貼着ツール52は貼着シリンダ53によって下降されることで、テープ供給リール51が供給するテープ部材5Tを押し下げる。貼着支持台54は貼着ツール52の下方に位置している。テープ貼着部32は、基板移動部22により供される2枚の基板2に対して同時に作業を実行できるよう、テープ供給リール51、貼着ツール52、貼着シリンダ53及び貼着支持台54をそれぞれ2つずつ備えている。
【0026】
図11(a),(b)において、部品搭載部33は、部品供給部61、搭載ヘッド62、搭載支持台63及び位置合わせ用カメラ64を備えている。部品供給部61は基板2に搭載される部品4を供給する。搭載ヘッド62はX軸方向に延びた部材であり、下端に部品4を吸着する。搭載ヘッド62は直交座標移動機構から構成される搭載ヘッド移動機構62Kに駆動されてX軸方向、Y軸方向、Z軸方向及びZ軸回りの回転方向に移動する。位置合わせ用カメラ64は撮像光軸を上方に向けた状態で、搭載支持台63の近傍に設けられている。
【0027】
図6及び
図12(a),(b)おいて、認識部35は第2反転部34の前方に設置されており、撮像光軸35Jを前方斜め上方に向けてX軸方向に並んだ2つの認識カメラ35Cを備えている。2つの認識カメラ35Cは、第2反転部34により保持された2枚の基板2に搭載された2つの部品4それぞれの認識マーク4Mを同時に認識できるよう、その位置が設定されている。
【0028】
図13(a),(b)において、部品圧着部36は、圧着ツール71、圧着シリンダ72及び圧着支持台73を備えている。圧着ツール71はX軸方向に延びた部材であり、圧着シリンダ72によって昇降される。圧着支持台73は圧着ツール71の下方に位置している。部品圧着部36は基板移動部22により供される2枚の基板2に対して同時に作業を実行できるよう、圧着ツール71、圧着シリンダ72及び圧着支持台73をそれぞれ2つずつ備えている。
【0029】
部品実装装置1が備える各部の制御は、部品実装装置1の制御部80(
図14)が実行する。すなわち制御部80は、部品実装装置1が備える3つの基板移送体12の移動動作と3つの基板移送体12による基板2の吸着保持動作を制御する。また制御部80は、3つの基板移動部22による3つの基板保持ステージ24の移動動作と3つの基板保持ステージ24による基板2の吸着保持動作を制御する。また制御部80は、第1反転部31と第2反転部34それぞれの基板2の吸着動作と基板2の上下反転動作を制御する。
【0030】
また制御部80は、テープ貼着部32におけるテープ供給リール51によるテープ部材5Tの供給動作と貼着シリンダ53による貼着ツール52の昇降動作を制御する。また制御部80は、部品搭載部33における搭載ヘッド移動機構62Kによる搭載ヘッド62の移動動作、搭載ヘッド62による部品4の吸着動作、搭載ヘッド62の昇降動作及び位置合わせ用カメラ64の撮像動作を制御する。また制御部80は、認識部35における2つの認識カメラ35Cによる撮像動作を制御する。また制御部80は、部品圧着部36における圧着シリンダ72による圧着ツール71の昇降動作を制御する。位置合わせ用カメラ64の撮像により得られる画像データと2つの認識カメラ35Cの撮像により得られる画像データは制御部80に送られ、制御部80は送られてきた画像データを解析して所要の判断等を行う。
【0031】
図14において、制御部80には報知手段81が接続されている。報知手段81は作業者OPに異常を報知するものであり、例えば、ディスプレイ装置やブザー装置等から構成されている。報知手段81の動作は、制御部80が備える報知制御部80aによって制御される。
【0032】
次に、部品実装装置1の動作(部品実装装置1による部品実装方法)を説明する。初めに、テープ状部品3が二層構造である場合を説明する。部品4の実装では、先ず、部品実装装置1の外部から供給された2枚の基板2を左側の基板移送体12によって搬入する(
図3における搬入工程)。このとき2枚の基板2はそれぞれ表面を上方に向けており、その表面にはテープ状部品3が取り付けられている。テープ状部品3が二層構造である場合には、前述したように、基板2が搬入される時点において、テープ状部品3の端子部3Tは上方を向いている(
図3)。
【0033】
左側の基板移送体12は、基板2を搬入したら、移送レール11の左端側に移動した左側の基板移動部22の基板保持ステージ24に2枚の基板2を載置する。左側の基板移動部22は、基板保持ステージ24に載置された2枚の基板2を吸着したうえで、テープ貼着部32の前方に移動する(
図10(a))。そして、基板保持ステージ24を「準備位置」から「作業位置」に移動させて、2枚の基板2のテープ状部品3の下面を2つの貼着支持台54に支持させる(
図10(b))。
【0034】
2枚の基板2のテープ状部品3が2つの貼着支持台54に支持されたら、2つの貼着ツール52がそれぞれ下降し、それぞれテープ供給リール51が供給するテープ部材5Tを押し下げる。これによりテープ部材5Tがテープ状部品3に上方から押し付けられ、接着テープ5がテープ状部品3の端子部3Tに貼着される(
図3におけるテープ貼着工程。
図15(a)→
図15(b))。テープ貼着工程によって2枚の基板2のテープ状部品3に接着テープ5が貼着されたら、左側の基板移動部22は基板保持ステージ24を「作業位置」から「準備位置」に移動させる(
図10(b)→
図10(a))。
【0035】
左側の基板移動部22の基板保持ステージ24が「準備位置」に移動したら、中央の基板移動部22が基板保持ステージ24を「準備位置」に位置させた状態で部品搭載部33の前方に移動する。中央の基板移動部22が部品搭載部33の前方に移動したら、中央の基板移送体12が左側の基板移動部22の前方に移動する。そして、左側の基板移動部22の基板保持ステージ24に保持されている2枚の基板2を吸着した後、中央の基板移動部22の前方に移動し、2枚の基板2を中央の基板移動部22の基板保持ステージ24に載置する。
【0036】
中央の基板移動部22は、基板保持ステージ24に載置された2枚の基板2を吸着する。そして、基板保持ステージ24を「準備位置」から「作業位置」に移動させて、2枚の基板2のうちの一方の基板2に取り付けられているテープ状部品3の下面(接着テープ5が貼着された部分の下面)を搭載支持台63に支持させる(
図11(a)→
図11(b))。
【0037】
一方の基板2のテープ状部品3の下面が搭載支持台63に支持されたら、搭載ヘッド62が部品供給部61から部品4を吸着し、搭載支持台63の上方に位置する(
図11(a)→
図11(b))。そして、搭載支持台63の上方の位置から下降し、部品4を接着テープ5に押し付けることによって、部品4をテープ状部品3に搭載する(
図3における部品搭載工程。
図16(a)→
図16(b)→
図16(c))。この部品搭載工程では、制御部80は、位置合わせ用カメラ64が撮像するテープ状部品3に付されたマーク(図示せず)と部品4に付されたマーク(図示せず)との画像データに基づいて両マークの位置関係を解析し、両マークが上下方向に一致するように搭載ヘッド62と基板保持ステージ24の姿勢を調整する。
【0038】
一方の基板2のテープ状部品3に部品4が搭載されたら、中央の基板移動部22は基板保持ステージ24をX軸方向に移動させて、他の一方の基板2のテープ状部品3を搭載支持台63に支持させる。そして、同様の手順によってそのテープ状部品3に部品4を搭載する。このようにして2枚の基板2それぞれのテープ状部品3に部品4が搭載されたら、中央の基板移動部22は基板保持ステージ24を「作業位置」から「準備位置」に移動させる。
【0039】
中央の基板移動部22の基板保持ステージ24が「準備位置」に移動した後、第2反転部34の前方に移動する。第2反転部34は中央の基板移動部22の基板保持ステージ24に保持されている2枚の基板2を吸着する。2枚の基板2を受け取った第2反転部34は2つの反転機構部41により反転アーム42をY軸まわりに回転させて、2枚の基板2を上下反転させる(
図3における第1反転工程。
図9(a))。これにより基板2は表面側が下方を向いて裏面側が上方を向き、部品4がテープ状部品3の下側に位置した状態となる。
【0040】
第2反転部34の前方に移動した右側の基板移送体12は第2反転部34から2枚の基板2をその上面側から吸着して受け取る(
図9(b))。
【0041】
次いで、右側の基板移動部22が、基板保持ステージ24を「準備位置」に位置させた状態で、右側の基板移送体12の前方に移動する。右側の基板移動部22が右側の基板移送体12の前方に移動したら、右側の基板移送体12は、2枚の基板2を右側の基板移動部22の基板保持ステージ24に載置する。右側の基板移動部22は、基板保持ステージ24に載置された2枚の基板2を吸着したうえで、部品圧着部36の前方に移動する(
図13(a))。そして、基板保持ステージ24を「準備位置」から「作業位置」に移動させて、2枚の基板2それぞれのテープ状部品3に搭載された部品4の下面(テープ状部品3との接合部の下面)を2つの圧着支持台73に支持させる(
図13(b)及び
図17(a))。
【0042】
2つの部品4が2つの圧着支持台73に支持されたら、2つの圧着ツール71がそれぞれ下降し、テープ状部品3を部品4に押し付けることによって、部品4をテープ状部品3に圧着する(
図3における部品圧着工程。
図17(a)→
図17(b)→
図17(c))。2枚の基板2に部品4が圧着されたら、右側の基板移動部22は基板保持ステージ24を「作業位置」から「準備位置」に移動させる。
【0043】
右側の基板移動部22の基板保持ステージ24が「準備位置」に移動したら、右側の基板移送体12が右側の基板移動部22の前方に移動し、右側の基板移動部22の基板保持ステージ24に保持されている2枚の基板2を吸着したうえで、第2反転部34の前方に移動する。第2反転部34は吸着部43を上方に向けて待機しており、右側の基板移送体12が吸着している2枚の基板2を下方から吸着して受け取る。そして、2つの反転機構部41により反転アーム42をY軸まわりに回転させて、2枚の基板2を上下反転させる(
図3における第2反転工程)。これにより基板2は表面が上方を向いた搬入時の姿勢となり、認識マーク4Mは下方を向いた状態となる(
図3)。なお、第2反転部34で基板2が上下反転される際、右側の基板移送体12は基板2との干渉を避けるため、第2反転部34の前方領域から退避する。
【0044】
2枚の基板2が上下反転したら、この時点で下方を向いている2つの部品4それぞれの認識マーク4Mを、認識部35の2つの認識カメラ35Cが認識する(
図3における認識工程。
図12(a)及び
図18)。この認識マーク4Mの認識により、部品4の個別情報に基づいた基板2の個別化が可能となる。認識部35が2つの部品4の認識マーク4Mを認識したら、右側の基板移送体12が第2反転部34の前方に移動し、2枚の基板2を第2反転部34から受け取る。そして、そのまま右側に移動し、2枚の基板2を搬出する(
図3における搬出工程)。
【0045】
このように、部品実装装置1は、テープ状部品3が二層構造である場合には、基板2の搬出前の、基板2が上下反転される前(第2反転工程の後)の時点において、認識マーク4Mが下方を向いているときに、認識部35により認識マーク4Mを認識するようになっている。
【0046】
次に、テープ状部品3が一層構造である場合を説明する。先ず、部品実装装置1の外部から供給された2枚の基板2を左側の基板移送体12によって搬入する(
図4における搬入工程)。このとき2枚の基板2はそれぞれ表面を上方に向けており、その表面にはテープ状部品3が取り付けられている。テープ状部品3が一層構造である場合には、前述したように、基板2が搬入される時点において、テープ状部品3の端子部3Tは下方を向いている(
図4)。
【0047】
左側の基板移送体12は、基板2を搬入したら、第1反転部31の前方に移動する。第1反転部31はこのとき2つの反転機構部41の吸着部43を上方に向けて待機しており、第1反転部31の前方に位置した左側の基板移送体12から2枚の基板2を下方から吸着して受け取る。
【0048】
2枚の基板2を受け取った第1反転部31は2つの反転機構部41により反転アーム42をY軸まわりに回転させて、2枚の基板2を上下反転させる(
図4における第1反転工程)。これにより基板2は表面側が下方を向いて裏面側が上方を向いた姿勢となり、テープ状部品3の端子部3Tは上方を向いた状態となる(
図4)。
【0049】
第1反転部31によって2枚の基板2が上下反転されたら、左側の基板移動部22が第1反転部31の前方に移動する。そして、左側の基板移動部22が第1反転部31の前方に移動したら、第1反転部31は、2枚の基板2を左側の基板移動部22の基板保持ステージ24に載置する。左側の基板移動部22は、基板保持ステージ24に載置された2枚の基板2を吸着したうえで、テープ貼着部32の前方に移動する。そして、基板保持ステージ24を「準備位置」から「作業位置」に移動させて、2枚の基板2のテープ状部品3の下面を2つの貼着支持台54に支持させる。
【0050】
2枚の基板2のテープ状部品3の下面が2つの貼着支持台54に支持されたら、テープ状部品3が二層構造である場合と同様の要領によって、2枚の基板2のテープ状部品3に接着テープ5を貼着する(
図4におけるテープ貼着工程)。テープ貼着工程によって2枚の基板2のテープ状部品3に接着テープ5が貼着されたら、左側の基板移動部22は基板保持ステージ24を「作業位置」から「準備位置」に移動させる。
【0051】
左側の基板移動部22の基板保持ステージ24が「準備位置」に移動したら、中央の基板移動部22が基板保持ステージ24を「準備位置」に位置させた状態で部品搭載部33の前方に移動する。中央の基板移動部22が部品搭載部33の前方に移動したら、中央の基板移送体12が左側の基板移動部22の前方に移動する。そして、左側の基板移動部22の基板保持ステージ24に保持されている2枚の基板2を吸着したうえで、中央の基板移動部22の前方に移動する。そして、2枚の基板2を中央の基板移動部22の基板保持ステージ24に載置する。中央の基板移動部22は、基板保持ステージ24に2枚の基板2が載置されたら、その2枚の基板2を基板保持ステージ24において吸着する。
【0052】
中央の基板移動部22は、基板保持ステージ24に載置された2枚の基板2を吸着したら、基板保持ステージ24を「準備位置」から「作業位置」に位置させて、2枚の基板2のうちの一方の基板2に取り付けられているテープ状部品3の下面(接着テープ5が貼着された部分の下面)を搭載支持台63に支持させる。そして、テープ状部品3が二層構造である場合と同様の要領によって、テープ状部品3に部品4を搭載する(
図4における部品搭載工程。
図19(a)→
図19(b)→
図19(c))。これにより2枚の基板2それぞれのテープ状部品3に部品4が搭載されたら、中央の基板移動部22は基板保持ステージ24を「作業位置」から「準備位置」に移動させる。
【0053】
中央の基板移動部22の基板保持ステージ24が「準備位置」に移動した後、第2反転部34の前方に移動する。第2反転部34が中央の基板移動部22の基板保持ステージ24に保持されている2枚の基板2を吸着する。
【0054】
第2反転部34が2枚の基板2を受け取ったら、この時点で下方を向いている2つの部品4それぞれの認識マーク4Mを、認識部35の2つの認識カメラ35Cが認識する(
図4における認識工程。
図12(b)及び
図20)。この認識マーク4Mの認識により、部品4の個別情報に基づいた基板2の個別化が可能となる。
【0055】
認識部35が2つの部品4の認識マーク4Mを認識したら、第2反転部34は2つの反転機構部41により反転アーム42をY軸まわりに回転させて、2枚の基板2を上下反転させる(
図4における第2反転工程)。これにより基板2は表面が上方を向いた搬入時の姿勢となり、認識マーク4Mは上方を向いた状態となる(
図4)。
【0056】
次いで、第2反転部34の前方に移動した右側の基板移送体12が、2枚の基板2をその上面側から吸着して受け取る。そして、右側の基板移送体12が、基板保持ステージ24を「準備位置」に位置させた右側の基板移動部22の前方に移動する。右側の基板移送体12が右側の基板移動部22の前方に移動したら、右側の基板移送体12は、2枚の基板2を右側の基板移動部22の基板保持ステージ24に載置する。右側の基板移動部22は基板保持ステージ24に載置された2枚の基板2を吸着したうえで、部品圧着部36の前方に移動する。そして、基板保持ステージ24を「準備位置」から「作業位置」に位置させ、2枚の基板それぞれのテープ状部品3に搭載された部品4の下面(テープ状部品3との接合部の下面)を2つの圧着支持台73に支持させる(
図21(a))。
【0057】
2つの部品4が2つの圧着支持台73に支持されたら、2つの圧着ツール71がそれぞれ下降し、テープ状部品3を部品4に押し付けることによって、部品4をテープ状部品3に圧着する(
図4における部品圧着工程。
図21(a)→
図21(b)→
図21(c))。2枚の基板2に部品4が圧着されたら、右側の基板移動部22は基板保持ステージ24を「作業位置」から「準備位置」に移動させる。
【0058】
右側の基板移動部22の基板保持ステージ24が「準備位置」に移動したら、右側の基板移送体12が右側の基板移動部22の前方に位置し、2枚の基板2を右側の基板移動部22から受け取る。そして、そのまま右側に移動し、2枚の基板2を搬出する(
図4における搬出工程)。
【0059】
このように、部品実装装置1は、テープ状部品3が一層構造である場合には、基板2の搬出前の、基板2が上下反転される前(第2反転工程の前)の時点において、認識マーク4Mが下方を向いているときに、認識部35により認識マーク4Mを認識するようになっている。
【0060】
ここで、本実施の形態では、テープ状部品3が二層構造である場合と一層構造である場合とを問わず、認識工程で認識マーク4Mが認識されなかった場合には、異常な事態が発生したとして、報知制御部80aが報知手段81を作動させ、作業者OPに異常な事態が発生したことを報知するようになっている(報知工程)。これにより作業者OPは認識マーク4Mが確実に認識されるようにするための必要な対策を取ることができ、実装基板のトレーサビリティをより高度に確保することができる。なお、ここでいう認識工程で認識マーク4Mが認識されなかった場合とは、投入された基板2が誤っているケースと、認識部35の認識ミスによるケースが想定されるが、本実施の形態においては、特に、投入された基板2が誤っているケースのことをいう。そのため、投入された基板2が誤っているケースと、認識部35の認識ミスによる報知の種類を異ならせることが望ましい。
【0061】
以上説明したように、本実施の形態における部品実装装置1(部品実装方法)では、基板2に実装された部品4が搬出される前の基板2が上下反転される前又は後(第2反転工程の前又は後)のいずれかのタイミングにおいて、部品4に設けられた認識マーク4M(認識対象部位)を認識するようになっているので、基板2の搬出時に認識マーク4Mが上方を向いたり下方を向いたりする場合であっても、部品4の下方又は上方の一方(上述の例では部品4の下方)のみから認識マーク4Mを認識できる。このため認識部35は認識マーク4Mを下方から認識するものと上方から認識するものの双方を備える必要はなく、下方又は上方の一方から認識するもののみでよい。このため本実施の形態における部品実装装置1(部品実装方法)によれば、基板2の搬出時における部品の認識マーク4Mの向きの如何によらず認識マーク4Mを認識できる構成を安価に構築することができる。
【0062】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、認識部35を構成する認識カメラ35Cは部品4に設けられた認識マーク4Mを下方から認識するものであったが、これに替えて、認識マーク4Mを上方から認識するものであってもよい。このような構成であっても、基板2に実装された部品4が搬出される前の基板2が上下反転される前又は後のいずれかのタイミングにおいて、部品4に設けられた認識マーク4Mを認識することができ、基板2の搬出時に認識マーク4Mが上方を向いたり下方を向いたりする場合であっても、部品4の下方又は上方の一方(この場合には部品4の上方)のみから認識マーク4Mを認識できる。このため認識部35は認識マーク4Mを下方から認識するものと上方から認識するものの双方を備える必要はなく、上述の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0063】
また、上述の実施の形態では、部品4が実装される対象である部品実装対象物がテープ状部品3であったが、部品実装対象物の種類や形状等は特に限定されない。また、部品4は上述の実施の形態ではフィルム状の部品であるとしていたが、これは一例に過ぎず、必ずしもフィルム状の部品でなくてもよい。また、上述の実施の形態における部品実装装置1は2枚の基板2(テープ状部品3)に対して2つの部品4の実装を一括して処理する構成となっていたが、これは一例であり、一括して処理する部品4の数は特に限定されない。
【0064】
また、テープ状部品3が二層構造であるか一層構造であるかにかかわらず、部品4に設けられた認識マーク4M側に対応して、上下反転する前又は後に認識マーク4Mを認識してもよい。
【0065】
また、部品4の認識マーク4Mを認識するためだけに基板2を上下反転させ、認識後に基板2を再び上下反転させて元の状態に戻すようにしてもよい。
【0066】
また、部品実装装置1は、第1反転部31と第2反転部34のどちらか一方を備える構成でもよい。例えば、基板2の搬入時と基板2の搬出時とで基板2の表面と裏面が逆転してもよいし、1つの反転部で反転させた後に更に反転させて基板2を基板搬入時と同じ面にするような動作を行ってもよい。また、反転部が配置される位置にも限定はなく、例えば、反転部は部品圧着部36の下流側に配置されていてもよい。その場合、受け渡す下流側設備での作業に応じて基板2を表面若しくは裏面にして、基板2は搬出される。
【産業上の利用可能性】
【0067】
基板の搬出時における部品の認識対象部位の向きの如何によらず認識対象部位を認識できる構成を安価に構築できる部品実装装置及び部品実装方法を提供する。
【符号の説明】
【0068】
1 部品実装装置
3 テープ状部品(部品実装対象物)
4 部品
4M 認識マーク(認識対象部位)
31 第1反転部
32 テープ貼着部
33 部品搭載部
34 第2反転部(反転部)
35 認識部
36 部品圧着部
80a 報知制御部
81 報知手段