(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20230630BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20230630BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230630BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20230630BHJP
F21Y 105/18 20160101ALN20230630BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20230630BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20230630BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230630BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V15/01 370
F21V23/00 120
F21V19/00 450
F21Y105:18
F21Y115:15
F21Y115:20
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2019080010
(22)【出願日】2019-04-19
【審査請求日】2022-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】川端 克典
(72)【発明者】
【氏名】後藤 芳朗
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-108587(JP,A)
【文献】特開2010-015798(JP,A)
【文献】特開2017-054745(JP,A)
【文献】特開2017-054729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 15/01
F21V 23/00
F21V 19/00
F21Y 105/18
F21Y 115/15
F21Y 115/20
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部を有する器具本体と、
前記底面部に配置されたソケットと、
前記ソケットに着脱自在に取り付けられる電源部、及び、前記電源部が前記ソケットに取り付けられた状態の平面視において前記電源部を囲む発光部を有する光源ユニットとを備え、
前記器具本体は、さらに、前記底面部から前記発光部側に突出して形成されたリブであって、前記発光部の外周側の側面の少なくとも一部を囲むリブを有し、
前記リブは、前記発光部側の外周面が前記底面部側の外周面より凹む段差部を有
し、
前記リブの外周面は、前記発光部側の外周面と前記底面部側の外周面とが、前記段差部を介して連続している
照明器具。
【請求項2】
前記段差部は、前記リブに水滴が落ちる位置より前記発光部側に配置されている
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
さらに、前記光源ユニットを覆い、かつ、前記器具本体に取り付けられる透光性の器具カバーを備え、
前記位置は、前記器具カバーの前記底面部側の端部から前記リブに向けて前記水滴が落ちる地点である
請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記リブは、平面視形状が弧状であり、前記段差部より前記底面部側の第1リブ部と、前記段差部より前記発光部側の第2リブ部とを有し、
前記第1リブ部は、前記位置に平面視形状が尖状の尖部を有する
請求項2又は3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記リブは、前記発光部の外周側の側面を囲む環状に形成されており、
前記段差部は、前記リブの周方向に延在する環状に形成されている
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記器具本体は、樹脂成形品である
請求項1~5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記照明器具は、壁に取り付けられる
請求項1~6のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記発光部は、前記光源ユニットが前記器具本体に取り付けられた状態で、前記電源部よりも前記底面部側に配置される
請求項1~7のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の電極ピンを備えたいわゆるGX53形の口金を用いた光源ユニットが知られている。この光源ユニットは、造営材等に取り付けられた器具本体が有するソケットに電極ピンを挿入することで、ソケットに対する光源ユニットの支持と電気的な接続とを同時に実現している。
【0003】
光源ユニットは、給電用の点灯回路(電源回路)と、当該点灯回路からの電力により発光する光源(光源部)とを備える。特許文献1には、点灯回路と光源とが分離して配置された光源ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電源回路を有する電源部がソケットに取り付けられることで、光源ユニットは、器具本体に取り付けられる。光源ユニットが器具本体に取り付けられた状態で、充電部(電源部及びソケット)に水滴が落下するとショート等の問題が発生する。これにより、光源ユニット及び器具本体が故障する恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、充電部に水滴が落下することを抑制することができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る照明器具は、底面部を有する器具本体と、前記底面部に配置されたソケットと、前記ソケットに着脱自在に取り付けられる電源部、及び、前記電源部が前記ソケットに取り付けられた状態の平面視において前記電源部を囲む発光部を有する光源ユニットとを備え、前記器具本体は、さらに、前記底面部から前記発光部側に突出して形成されたリブであって、前記発光部の外周側の側面の少なくとも一部を囲むリブを有し、前記リブは、前記発光部側の外周面が前記底面部側の外周面より凹む段差部を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る照明器具によれば、充電部に水滴が落下することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】実施の形態1に係る照明器具の外観を示す斜視図である。
【
図1B】器具カバーを外した状態における、実施の形態1に係る照明器具の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具の構成を示す分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る器具本体の外観を示す平面図である。
【
図4】
図3のIV-IV線における、実施の形態1に係る照明器具の断面図である。
【
図5A】実施の形態1に係る器具本体に形成される第1リブ及び第2リブの一例を示す部分拡大断面図である。
【
図5B】実施の形態1に係る器具本体に形成される第1リブの他の一例を示す部分拡大断面図である。
【
図5C】実施の形態1に係る器具本体に形成される第1リブのさらに他の一例を示す部分拡大断面図である。
【
図6】壁に取り付けられた場合における、実施の形態2に係る照明器具の断面図である。
【
図7】実施の形態2に係る段差部の位置を説明するための部分拡大断面図である。
【
図8】壁に取り付けられた場合における、実施の形態2に係る第2リブに水滴が落ちたときの水滴の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の実施の形態に係る照明器具について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。
【0012】
また、以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標軸が示される場合がある。Z軸のマイナス側が設置面側(例えば、天井側)、Z軸のプラス側が設置面と反対側であり、例えば、照射面側を表している。また、X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に垂直な平面上において、互いに直交する方向である。X-Y平面は、例えば、器具本体が設置される造営材と平行な平面である。例えば、以下の実施の形態において、「平面視」とは、Z軸方向から見ることを意味する。
【0013】
また、本明細書において、平行などの要素間の関係性を示す用語、及び、円環状、アーチ状などの要素の形状を示す用語、並びに、数値、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0014】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態に係る照明器具10について、
図1A~
図5Cを参照しながら説明する。
【0015】
[1-1.照明器具の構成]
図1Aは、本実施の形態に係る照明器具10の外観を示す斜視図である。
図1Bは、器具カバー300を外した状態における、本実施の形態に係る照明器具10の外観を示す斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る照明器具10の構成を示す分解斜視図である。
図3は、本実施の形態に係る器具本体100の外観を示す平面図である。
図4は、
図3のIII-III線における、本実施の形態に係る照明器具10の断面図である。なお、
図4では、ソケット140に取り付けられた状態の光源ユニット200も図示している。
【0016】
図1A~
図2に示すように、本実施の形態に係る照明器具10は、器具本体100と、ソケット140と、ソケット台150と、光源ユニット200と、器具カバー300(例えば、グローブ)とを備える。照明器具10は、造営材等の設置面(例えば、天井500)に設置される。照明器具10は、例えば、マンションの共用通路の天井500などの外部環境に曝される場所に設置される。
【0017】
器具本体100は、設置面に設置され、光源ユニット200が着脱自在に取り付けられる本体部である。器具本体100は、商用電源(図示しない)と配線(図示しない)を介して電気的に接続されている。
【0018】
図2及び
図3に示すように、器具本体100は、底面部111及び底面部111の外周から突出して形成された環状の側壁部112を有する本体部110と、第1リブ120と、第2リブ130とを有する。
【0019】
底面部111は、例えば、設置面に取り付けられる板状の部材である。また、底面部111上には、以下に説明するソケット140及びソケット台150が配置される。側壁部112には、器具カバー300が取りつけられる。本実施の形態では、底面部111の平面視形状は円形であり、側壁部112の平面視形状は円環状であるが、底面部111及び側壁部112の平面視形状はこれに限定されない。
【0020】
第1リブ120は、底面部111と発光部200bとの間に配置され、かつ、発光部200bに向けて突出する突起である。第1リブ120は、例えば、底面部111から発光部200b側に突出した柱状の突起である。第1リブ120は、例えば、複数配置されていてもよい。具体的には、第1リブ120は、平面視における発光部200bの形状に沿って複数配置されてもよい。第1リブ120は、例えば、3以上配置される。例えば、3以上の第1リブ120は、発光部200bの外周方向に沿って等間隔に配置される。
【0021】
本実施の形態では、発光部200bの平面視形状は円環状であるので、第1リブ120は、円環状に沿って複数配置される。また、第1リブ120は、平面視において、発光部200bと重なる位置に配置される。
【0022】
図4に示すように、発光部200bは、器具本体100(例えば、底面部111)と離隔して配置されている。言い換えると、発光部200bと器具本体100(例えば、底面部111)との間には、すき間が形成されている。そのため、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、発光部200bに対して底面部111側(Z軸マイナス側)に応力が加えられると、ソケット140及び電源部200a(以降において、充電部とも記載する)、発光部200b等が破損する恐れがある。そこで、発光部200bを支えるため、つまり、発光部200bの底面部111側への変形を抑制するために、上記の第1リブ120が設けられる。
【0023】
第1リブ120の高さH1(Z軸方向の長さ)は、例えば、底面部111と発光部200bとの距離より小さい。また、第1リブ120の高さH1は、例えば、第2リブ130の高さH2(Z軸方向の長さ)より小さい。
【0024】
なお、第1リブ120の形状は、上記に限定されない。第1リブ120は、例えば、平面視において、発光部200bの形状に沿って環状に設けられてもよい。
【0025】
図1B及び
図2に示すように、第2リブ130は、光源ユニット200が器具本体100に着脱自在に取り付けられた状態で、発光部200bの外周側の側面200b1を囲む環状の突起である。本実施の形態では、第2リブ130は、円環状の突起であるが、これに限定されない。また、第2リブ130は、高さH2(
図4参照)、及び、発光部200bの側面200b1とのすき間S2の幅W2(
図5A参照)の少なくとも一方が、発光部200bの裏面200b2(底面部111側の面)に人の指が当たらないように形成されている。
【0026】
図4に示すように、発光部200bは、器具本体100(例えば、底面部111)と離隔して配置されている。言い換えると、発光部200bと器具本体100(例えば、底面部111)との間には、すき間が形成されている。つまり、第2リブ130が設けられていない場合、ユーザは発光部200bの裏面200b2に触れることができる。光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、ユーザが発光部200bの裏面200b2に触れることで、発光部200bに底面部111と反対側(照射面側であり、Z軸プラス側)に応力が加えられると、充電部等を破損する恐れがある。そこで、ユーザが発光部200bの裏面200b2に触れることを抑制するために、上記の第2リブ130が設けられる。
【0027】
また、
図1B、
図2及び
図4に示すように、本実施の形態では、第2リブ130は、第1リブ部131と、第2リブ部132と、段差部133とを有する。第1リブ部131は、第2リブ130において、底面部111側及び発光部200bのうち発光部200b側に位置する部分である。第2リブ部132は、第2リブ130において、第1リブ部131より底面部111側に位置する部分である。本実施の形態では、第1リブ部131及び第2リブ部132のそれぞれは、環状(例えば、円環状)に設けられる。段差部133は、第1リブ部131及び第2リブ部132の境界の外周面130aに形成され、かつ、第2リブ130の平面視における形状に沿って延在する。段差部133は、第2リブ部132の外周面130aが第1リブ部131の外周面130aより発光部200b側に凹む段差である。また、第1リブ部131及び第2リブ部132の外周面130aのそれぞれは、例えば、平坦な面である。
【0028】
また、第2リブ130の高さH2は、例えば、底面部111と発光部200bとの距離より大きい。第1リブ部131の高さH21は、第2リブ部132の高さH22より大きい。
【0029】
また、
図2に示すように、本実施の形態では、第2リブ130の内周面130bは、面一である。言い換えると、第2リブ部132は、第1リブ部131より厚み(径方向の長さ)が薄いリブである。
【0030】
なお、第2リブ130は、段差部133を有することに限定されない。言い換えると、第2リブ130の外周面130aに段差部133は形成されていなくてもよい。例えば、第1リブ部131及び第2リブ部132はそれぞれ、厚み(径方向の長さ)が等しく、かつ、面一となるように形成されていてもよい。また、例えば、第2リブ130は、底面部111側から発光部200b側に向けて、漸次的に厚みが薄くなるように形成されていてもよい。また、第2リブ130は、例えば、底面部111側から発光部200b側(Z軸マイナス側からZ軸プラス側)にむかうときに、外周面130aに凸状の段差を有していない。
【0031】
図3に示すように、第2リブ130は、平面視形状が尖状の尖部131aを有する。具体的には、第1リブ部131は、尖部131aを有する。第1リブ部131は、平面視形状が環状(例えば、円環状)であり、当該環状の一部に尖部131aが形成されている。なお、尖部131aは、頂部(Y軸プラス側の部分)が尖っていることに限定されず、尖部131aが形成されていない部分の曲率より曲率が大きい弧状であってもよい。
【0032】
尖部131aは、例えば、第1リブ部131に1箇所設けられる。また、尖部131aは、第1リブ部131において、Z軸に沿って延在して設けられる。また、尖部131aは、第2リブ部132にわたって形成されていてもよい。
【0033】
また、平面視において、第2リブ130における尖部131aが形成されている位置と反対側には、水抜き部130cが形成されている。例えば、平面視において、尖部131aと、第2リブ130の中心と、水抜き部130cとは、一直線上にこの順に配置される。
図3の例では、水抜き部130cは、第2リブ130に形成された切り欠きである。例えば、切り欠きは、ユーザが発光部200bの裏面200b2に触れることを抑制できる程度の大きさであるとよい。また、水抜き部130cは、切り欠きであることに限定されず、例えば、貫通孔などであってもよい。
【0034】
また、本体部110には、照明器具10内部の水を外部に排出するための排水口113(水抜き穴)が形成されていてもよい。
【0035】
なお、本体部110は、第1リブ120及び第2リブ130の両方を有する例について説明するが、第1リブ120及び第2リブ130の少なくとも1つを有していればよい。
【0036】
本体部110は、例えば、樹脂材料、又は、金属材料により構成される。本体部110は、例えば、樹脂成形品であってもよい。この場合、底面部111、側壁部112、第1リブ120及び第2リブ130は、一体形成される。
【0037】
図2及び
図3に示すように、ソケット140は、光源ユニット200を固定し、かつ、光源ユニット200が発光するための電力を供給する。ソケット140は、底面部111上に固定されて配置される。ソケット140には開口141が形成されており、当該開口141に光源ユニット200の電極ピン(図示しない)が挿通された状態でソケット140に対して光源ユニット200を回転させることで、光源ユニット200がソケット140に取り付けられる。つまり、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられる。
【0038】
ソケット台150は、底面部111とソケット140との間に配置され、ソケット140が取り付けられる板状の部材である。
図4に示すように、本実施の形態では、ソケット台150は、平面視において、少なくとも一部が発光部200bと重なるように設けられる。ソケット台150は、底面部111に対して固定されている。
【0039】
図1B及び
図2に示すように、光源ユニット200は、ソケット140から電力の供給を受けて発光する。光源ユニット200は、ソケット140に着脱自在に取り付けられる。光源ユニット200は、ソケット140に着脱自在に取り付けられる電源部200aと、発光部200bと、電源部200a及び発光部200bを接続する連結部200cとを有する。
【0040】
図4に示すように、電源部200aは、電源ユニット211と、口金212と、電源ユニット211と及び口金212が配置される回路カバー213と、回路カバー213が配置される第1本体部210と、第1本体部210を覆う透光性の第1カバー部220とを含んで構成される。例えば、回路カバー213は、第1本体部210に着脱自在に取り付けられる。第1カバー部220は、第1本体部210に取り付けられる。
【0041】
また、第1本体部210は、例えば、口金212から突出して設けられ、光源ユニット200を発光させるための電力を器具本体100から受電する電源受電用の電極ピンを有する。口金212は、例えば、GX53形又はE形の口金であるが、これに限定されない。電源ユニット211は、光源ユニット200を発光させるための電力を生成するための回路を有する。当該回路は、上述した商用電源から配線を介して供給されてきた交流電力を直流電力に変換する。電源ユニット211で生成された直流電力が、発光部200bが有する発光モジュール231に供給されることにより、発光部200bが発光する。
【0042】
発光部200bは、光源ユニット200の光源である。発光部200bは、電源部200aがソケット140に取り付けられた状態(言い換えると、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態)の平面視において電源部200aを囲むように設けられる。発光部200bは、発光モジュール231と、発光モジュール231が配置される第2本体部230と、発光モジュール231を覆い、かつ、第2本体部230に取り付けられる透光性の第2カバー部240とを有する。
【0043】
第2本体部230及び第2カバー部240は、例えば、環状に形成される。本実施の形態では、第2本体部230及び第2カバー部240は、円環状に形成される。
【0044】
発光モジュール231は、例えば、白色光を発するための光源である。白色光とは、例えば、色温度(相関色温度)が2600K~7100Kの光である。発光モジュール231は、基板232と、基板232に実装された複数の発光素子233とを有する。基板232は、複数の発光素子233を実装するためのプリント配線基板である。本実施の形態では、アーチ状の複数の基板232が環状に配置されている。
【0045】
また、発光部200bは、例えば、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、電源部200aよりも底面部111側(Z軸マイナス側であり、設置面側)に配置される。なお、発光部200bが発光部200bよりも底面部111側に配置されるとは、
図4に示す断面において、発光部200bの少なくとも一部が発光部200bより底面部111側に配置されていることを意味する。
【0046】
なお、照明器具10の光源は、特に限定されるものではない。例えば、上記の発光モジュールの代わりに、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL素子(OLED)、無機EL素子、又は、その他の固体発光素子を用いて構成された発光モジュールが用いられてもよい。また、発光モジュールは白色光を発光する例について説明したが、発光色はこれに限定されない。
【0047】
連結部200cは、第1本体部210及び第2本体部230を連結する第1連結部250と、第1カバー部220及び第2カバー部240を連結する第2連結部260(第3カバー部)とを有する。
【0048】
このように、光源ユニット200は、平面視において、電源部200aの外周に発光部200bが配置される。また、本実施の形態では、光源ユニット200には、開口200dが形成されている。本実施の形態に係る光源ユニット200は、電源部200aと発光部200bとが離隔して配置される。そして、少なくとも1つの連結部200cの内部に電源部200aから発光部200bに電力を供給するための配線が配置される。これにより、電源部200a及び発光部200bのそれぞれで発生する熱が互いに干渉することを抑制することができる。例えば、発光部200bからの熱により電源部200aがさらに温められることにより、電源部200a内の回路部品が破壊されることを抑制することができる。
【0049】
なお、第1本体部210、第2本体部230、及び、第1連結部250を含んで本体部270(光源本体部)が形成される。また、第1カバー部220、第2カバー部240、及び、第2連結部260を含んで光源カバー280が形成される。光源カバー280は、は、発光モジュール231から発せられた光を拡散する機能を有していてもよい。例えば、シリカもしくは炭酸カルシウムなどの光拡散材(微粒子)を含有する樹脂、又は、白色顔料を、透明なガラス又は樹脂で形成された光源カバー280の内面又は外面に付着させることで、乳白色の光拡散膜が光源カバー280に形成される。また、光源カバー280そのものが、光拡散材が分散された樹脂材料等を用いて成形されてもよい。本体部270及び光源カバー280それぞれは、樹脂成形品である。
【0050】
図1A及び
図2に示すように、器具カバー300は、透光性の部材により形成されており、光源ユニット200から発せられた光を透過する。器具カバー300は、光源ユニット200を覆うように、器具本体100に着脱自在に取り付けられる。
【0051】
器具カバー300は、光源ユニット200から発せられた光を拡散する機能を有していてもよい。例えば、シリカもしくは炭酸カルシウムなどの光拡散材(微粒子)を含有する樹脂、又は、白色顔料を、透明なガラス又は樹脂で形成された器具カバー300の内面又は外面に付着させることで、乳白色の光拡散膜が器具カバー300に形成される。また、器具カバー300そのものが、光拡散材が分散された樹脂材料等を用いて成形されてもよい。
【0052】
器具カバー300及び側壁部112は、器具カバー300を器具本体100に着脱自在に取り付けるための取付構造を有する。例えば、取付構造として、器具カバー300及び側壁部112の一方にはおねじが形成されており、他方にはめねじが形成されている。おねじ及びめねじが螺合することで、器具カバー300が器具本体100に取り付けられる。
【0053】
ここで、器具本体100が有する第1リブ120及び第2リブ130について、さらに
図5A~
図5Cを参照しながら説明する。
図5Aは、本実施の形態に係る器具本体100に形成される第1リブ120及び第2リブ130の一例を示す部分拡大断面図である。なお、
図5Aは、
図4の破線領域R1を拡大した部分拡大断面図である。
【0054】
図4及び
図5Aに示すように、第1リブ120は、底面部111から発光部200bに向けて(Z軸方向プラス側に向けて)突出しており、かつ、第2リブ130と一体形成されている。第1リブ120は、例えば、第2リブ130の内周面130b(
図2参照)から器具本体100の平面視における中心(例えば、ソケット140)に向けて突出して形成される。第1リブ120は、柱状(例えば、矩形柱状)の突起である。また、第1リブ120の上面120aは、例えば、平坦な面である。これにより、発光部200bの裏面200b2との接触面積を増やすことができるので、発光部200bからの応力が第1リブ120に局所的に加わることを抑制することができる。
【0055】
第1リブ120は、例えば、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、幅W1のすき間S1をあけて設けられる。幅W1は、すき間S1におけるZ軸方向の長さである。幅W1の最大値は、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、発光部200bが応力により変形したときに充電部等が破損しない程度の間隔である。幅W1の最小値は、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、発光部200bと第1リブ120とが物理的に干渉しない程度の間隔であるとよい。
【0056】
幅W1は、例えば、器具本体100及び光源ユニット200の寸法公差、熱膨張等を考慮し、発光部200bと第1リブ120とが物理的に干渉しない程度の間隔であってもよい。なお、ここでの物理的に干渉するとは、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、第1リブ120により発光部200bが底面部111と反対側(Z軸プラス側)に負荷(応力)が加えられることを意味する。幅W1は、例えば、5mm以下であり、より好ましくは3mm以下である。
【0057】
また、幅W1は、例えば、人の指F(例えば、指腹)が発光部200bの裏面200b2に当たらない程度の間隔であってもよい。例えば、指Fは、JIS(Japanese Industrial Standards:日本工業規格)の規定(例えば、JIS C0920)、又は、IEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)の規格(例えば、IEC 60335-1)で規定される試験指(テストフィンガー)であってもよい。例えば、指Fは、直径12mm、長さ80mmの関節付きの試験指であってもよい。これにより、第2リブ130を設けなくても、指Fが発光部200bの裏面200b2に当たることを抑制することができる。
【0058】
なお、第1リブ120と発光部200bの裏面200b2とは、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、少なくとも一部が接触していてもよい。
【0059】
第2リブ130は、例えば、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、発光部200bの側面200b1と幅W2のすき間S2をあけて設けられる。すき間S2は、例えば、平面視において、環状(例えば、円環状)のすき間である。幅W2は、すき間S2における径方向の長さである。幅W2の最大値は、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、指Fが発光部200bの裏面200b2に当たらない、つまり、指Fが発光部200bの裏面200b2に届かない程度の間隔である。例えば、すき間S2は、平面視において、指Fより小さい。また、幅W1の最小値は、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、発光部200bと第2リブ130とが物理的に干渉しない程度の間隔であるとよい。幅W2は、さらに、例えば、器具本体100及び光源ユニット200の寸法公差、熱膨張等を考慮し、発光部200bと第2リブ130とが物理的に干渉しない程度の間隔であってもよい。なお、ここでの物理的に干渉するとは、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、第2リブ130により発光部200bに負荷(応力)が加えられることを意味する。幅W2は、例えば、1cm以下であり、より好ましくは5mm以下である。
【0060】
また、第2リブ130は、例えば、発光部200bの第2本体部230及び第2カバー部240のうち第2本体部230の側面200b1の少なくとも一部を囲むように設けられてもよい。例えば、第2リブ130の先端部132a(第2リブ130のうち、設置面と反対側の端部)のZ軸方向における位置が、
図5Aに示す断面において、裏面200b2と第2本体部230及び第2カバー部240の境界Bとの間に位置するように第2リブ130が設けられてもよい。言い換えると、第2リブ130の高さH2は、底面部111及び裏面200b2の距離以上、かつ、底面部111及び境界Bの距離以下であってもよい。例えば、第2リブ130は、境界Bと面一となる位置まで突出して形成されてもよい。これにより、発光部200bから光の光束ロスの低下を抑制しつつ、指Fが裏面200b2に当たることを抑制することができる。
【0061】
また、第2リブ130の高さH2は、例えば、指Fが裏面200b2に当たることをより抑制する観点から高いとよい。第2リブ130は、例えば、発光部200bの第2本体部230及び第2カバー部240のうち、第2本体部230及び第2カバー部240の少なくとも一部の側面200b1を囲むように設けられてもよい。例えば、第2リブ130の先端部132aのZ軸方向における位置が、
図5Aに示す断面において、境界Bより底面部111と反対側に位置するように第2リブ130が設けられてもよい。言い換えると、第2リブ130の高さH2は、底面部111及び境界Bの距離より大きくてもよい。
【0062】
また、第2リブ130の高さH2は、幅W2が狭い(例えば、3mm以下である)場合、指Fが裏面200b2に当たらなければ、裏面200b2と底面部111と距離より小さくてもよい。
【0063】
このような第2リブ130は、光源ユニット200を器具本体100に取り付けるときのガイドとしても機能する。よって、第2リブ130が設けられていることで、光源ユニット200を取り付けるときの作業性が向上する。
【0064】
また、段差部133は、例えば、外周面130aのうち、第1リブ120の上面120aより底面部111側に形成されてもよい。
【0065】
上記では、
図5Aに基づいて、第1リブ120及び第2リブ130が一体形成されている例について説明したが、これに限定されない、第1リブ120及び第2リブ130は、互いに離隔して配置されていてもよい。また、第1リブ120は、底面部111から突出して設けられることに限定されない。第1リブ120は、発光部200bに対して底面部111側(Z軸マイナス側)に向けて応力が加えられたときに、当該発光部200bの裏面200b2の少なくとも一部と接触する位置又は形状であればよい。第1リブ120の他の例について、
図5B及び
図5Cを参照しながら説明する。
図5Bは、本実施の形態に係る器具本体100に形成される第1リブ120の他の一例を示す部分拡大断面図である。
図5Cは、本実施の形態に係る器具本体100に形成される第1リブ120のさらに他の一例を示す部分拡大断面図である。
【0066】
図5Bに示すように、第1リブ120は、ソケット台150から発光部200bに向けて(Z軸プラス側に向けて)突出して設けられてもよい。また、
図5Cに示すように、第1リブ120は、第2リブ130の内周面130bから突出して設けられてもよい。
図5Cの場合、第1リブ120は、平面視において、第2リブ130の内周面130bから発光部200bに向けて(
図5Cの場合は、X軸マイナス側に向けて)に突出して設けられてもよい。また、第1リブ120は、第2リブ130と離隔して配置され、かつ、底面部111から発光部200bに向けて(Z軸プラス側に向けて)突出して設けられてもよい。
【0067】
[1-2.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る照明器具10は、底面部111を有する器具本体100と、底面部111に配置されたソケット140と、ソケット140に着脱自在に取り付けられる電源部200a、及び、電源部200aがソケット140に取り付けられた状態の平面視において電源部200aを囲む発光部200bを有する光源ユニット200とを備える。そして、器具本体100は、さらに、底面部111と発光部200bとの間に配置され、かつ、発光部200bに向けて突出する第1リブ120を有する。
【0068】
これにより、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、発光部200bに底面部111側の応力が加わった場合に、第1リブ120が発光部200bを支えることができる。つまり、第1リブ120により、光源ユニット200が応力により変形することを抑制することができる。よって、本実施の形態に係る照明器具10によれば、発光部200bに応力が加わることによる光源ユニット200及びソケット140の破損を抑制することができる。例えば、光源ユニット200を取り付ける又は交換するときに、不用意に光源ユニット200の発光部200bに負荷を与え、充電部(電源部200a及びソケット140)、及び、光源ユニット200が破損することを抑制することができる。
【0069】
また、第1リブ120は、底面部111から発光部200bに向けて突出して設けられる。
【0070】
これにより、例えば、器具本体100が樹脂成形品である場合、第1リブ120を容易に形成することができる。
【0071】
また、照明器具10は、さらに、ソケット140と底面部111との間に、ソケット140が取り付けられるソケット台150であって、平面視において、少なくとも一部が発光部200bと重なるソケット台150を備える。そして、第1リブ120は、ソケット台150から発光部200bに向けて突出して設けられる。
【0072】
これにより、ソケット台150に設けた第1リブ120により、光源ユニット200等が破損することを抑制することができる。また、第1リブ120が底面部111から突出している場合に比べて、第1リブ120の高さH1を小さくすることができる。言い換えると、第1リブ120を形成するための材料を少なくすることができる。よって、より低コストで光源ユニット200の破損を抑制することができる照明器具10を実現することができる。
【0073】
また、第1リブ120は、柱状の突起であり、平面視において、発光部200bに沿って3以上設けられる。
【0074】
これにより、第1リブ120が環状に設けられている場合に比べて、低コストで第1リブ120を実現できる。また、第1リブ120が3以上あることで、効果的に光源ユニット200の変形を抑制することができる。
【0075】
また、第1リブ120は、環状の突起である。
【0076】
これにより、発光部200bに負荷が加えられる位置に関わらず、光源ユニット200の変形を抑制することができる。よって、光源ユニット200の破損をさらに抑制することができる。
【0077】
また、器具本体100は、さらに、発光部200bの外周側の側面200b1を囲む第2リブ130であって、高さH2、及び、側面200b1とのすき間S2の少なくとも一方が発光部200bの裏面200b2(底面部111側の面の一例)に人(例えば、作業者)の指Fが当たらないように形成されている第2リブ130を有する。
【0078】
これにより、人が発光部200bの裏面200b2に触れることを抑制することができる。つまり、人が発光部200bの裏面200b2に触れることで、発光部200bに底面部111と反対側の応力が加わることを抑制することができる。よって、発光部200bに応力が加わることによる光源ユニット200及びソケット140の破損をさらに抑制することができる。例えば、光源ユニット200を取り付ける又は交換するときに、不用意に発光部200bの裏面200b2に負荷を与え、充電部(電源部200a及びソケット140)、及び、光源ユニット200が破損することをさらに抑制することができる。
【0079】
また、第2リブ130は、光源ユニット200を器具本体100に取り付けるときのガイドとしても機能する。
【0080】
また、すき間S2の幅W2は、平面視において、指Fより小さい。
【0081】
これにより、すき間S2により指Fが発光部200bの裏面200b2に当たることを抑制することができる。また、すき間S2を狭くする(幅W2を小さくする)ことで、第2リブ130の高さH2を低くすることができる。
【0082】
また、すき間S2の幅W2は、1cm以下である。
【0083】
これにより、指F(例えば、指腹)が発光部200bの裏面200b2に当たることをさらに抑制することができる。
【0084】
また、指Fは、JISで規定する試験指である。
【0085】
これにより、所定の大きさの指Fが発光部200bの裏面200b2に当たることを抑制することができる。
【0086】
また、発光部200bは、発光モジュール231と、発光モジュール231が配置される第2本体部230(本体部の一例)と、発光モジュール231を覆い、かつ、第2本体部230に取り付けられる透光性の第2カバー部240(カバーの一例)とを有する。そして、第2リブ130は、第2本体部230と第2カバー部240との境界Bと面一となる位置まで突出して設けられている。
【0087】
これにより、発光部200bからの光の光束ロスを抑制しつつ、かつ、指Fが発光部200bの裏面200b2に当たることを抑制することができる。
【0088】
また、発光部200bは、光源ユニット200が器具本体100に取り付けられた状態で、電源部200aよりも底面部111側に配置される。
【0089】
これにより、発光部200bが設置面側に近い位置に配置されるので、照明器具10における照明効果を高めることができる。例えば、発光部200bは、明るさのムラの少ない光を出射することができる。
【0090】
また、器具本体100は、樹脂成形品である。
【0091】
これにより、器具本体100を容易に作製することができる。例えば、第1リブ120及び第2リブ130は、アンダーカットとなる凸部及び溝部等を有していない。よって、作業者は、器具本体100を金型から容易に取り出すことができる。
【0092】
また、以上のように、本実施の形態に係る照明器具10は、底面部111を有する器具本体100と、底面部111に配置されたソケット140と、ソケット140に着脱自在に取り付けられる電源部200a、及び、電源部200aがソケット140に取り付けられた状態の平面視において電源部200aを囲む発光部200bを有する光源ユニット200とを備える。そして、器具本体100は、さらに、発光部200bの外周側の側面200b1を囲む第2リブ130(リブの一例)であって、高さH2、及び、側面200b1とのすき間S2の少なくとも一方が発光部200bの裏面200b2(底面部111側の面の一例)に人の指Fが当たらないように形成されている第2リブ130を有する。
【0093】
これにより、人が発光部200bの裏面200b2に触れることを抑制することができる。つまり、人が発光部200bの裏面200b2に触れることで、発光部200bに底面部111と反対側の応力が加わることを抑制することができる。よって、発光部200bに応力が加わることによる光源ユニット200及びソケット140の破損をさらに抑制することができる。例えば、光源ユニット200を取り付ける又は交換するときに、不用意に発光部200bの裏面200b2に負荷を与え、充電部(電源部200a及びソケット140)、及び、光源ユニット200が破損することを抑制することができる。
【0094】
また、第2リブ130は、光源ユニット200を器具本体100に取り付けるときのガイドとしても機能する。
【0095】
(実施の形態2)
[2-1.照明器具の構成]
以下、本実施の形態に係る照明器具について、
図6~
図8を参照しながら説明する。本実施の形態に係る照明器具は、例えば、壁などに取り付けられて使用される。本実施の形態に係る照明器具は、実施の形態1に係る照明器具10であってもよい。以下では、実施の形態1に係る照明器具10が壁に取り付けられた場合について説明する。また、以下では、実施の形態1の照明器具10と異なる点を中心に説明する。
【0096】
図6は、壁600に取り付けられた場合における、本実施の形態に係る照明器具10の断面図である。
図7は、本実施の形態に係る段差部133の位置を説明するための部分拡大断面図である。
図7は、
図6の破線領域R2を拡大した部分拡大断面図である。なお、
図7は、器具本体100と器具カバー300との取り付け不良(例えば、螺合不足)により、器具本体100と器具カバー300との間にすき間S3が形成されている場合を示している。また、
図6及び
図7において、Y軸プラス側が鉛直上側であり、Y軸マイナス側が鉛直下側である。
【0097】
図6に示すように、本実施の形態に係る照明器具10は、造営材等の設置面(例えば、壁600)に設置される。照明器具10は、例えば、マンションの共用通路の壁600などの外部環境に曝される場所に設置される。
【0098】
図6及び
図7に示すように、照明器具10は、実施の形態1と同様、器具本体100と、ソケット140と、ソケット台150と、光源ユニット200と、器具カバー300(例えば、グローブ)とを備える。また、本実施の形態に係る照明器具10は、さらに器具本体100と器具カバー300との接合部に、外部からの水の浸入を抑制するためのパッキン400を備えている。パッキン400は、例えば、環状に設けられる。また、
図6及び
図7では、器具本体100が第1リブ120及び第2リブ130の両方を有している例を示しているが、本実施の形態に係る器具本体100は、少なくとも第2リブ130を有していればよい。また、第2リブ130には、段差部133が形成される。
【0099】
図7に示すように、器具本体100と器具カバー300との取り付け不良が発生している場合、すき間S3を介して第2リブ130に水滴Dが落下することがある。この場合、第2リブ130は、水滴Dから充電部(電源部200a及びソケット140)等を保護する壁として機能する。この場合、第2リブ130は、充電部を保護する観点から、充電部に水滴Dが落下しないような形状及び位置の少なくとも一方を満たすように形成される。第2リブ130は、例えば、鉛直上側から鉛直下側(例えば、Y軸プラス側からY軸マイナス側)を視たときに、充電部と重なるように設けられる。また、第2リブ130は、例えば、器具カバー300における鉛直上側の端部300a又はすき間S3と充電部との間に設けられていればよい。
【0100】
そのため、第2リブ130は、実施の形態1で説明したような平面視形状が環状であることに限定されず、弧状(例えば、アーチ状)であってもよい。本実施の形態に係る第2リブ130は、底面部111から発光部200b側に突出して形成されたリブであって、発光部200bの外周側の側面200b1の少なくとも一部を囲むリブであればよい。
【0101】
第2リブ130の平面視形状が弧状である場合、段差部133は、第2リブ130の周方向の一端から他端にわたって形成されるとよい。また、第2リブ130が環状である場合、段差部133は、第2リブ130の周方向に延在する環状に形成されるとよい。
【0102】
なお、水滴Dは、結露水又は器具本体100と器具カバー300との間から浸入した水等により形成される。
図7では、器具本体100と器具カバー300との間から浸入した水がすき間S3から落下することにより水滴Dが形成される例を示している。
【0103】
第2リブ130に水滴Dが落下すると、当該水滴Dの多くは、第2リブ130の周方向に沿って流れる。そして、第2リブ130の周方向に流れた水滴Dは、水抜き部130c及び排水口113を介して、照明器具10の外部に排出される。
【0104】
本実施の形態では、器具本体100は、第2リブ部132の水抜き部130cが鉛直下側となるように壁600に取り付けられる。言い換えると、器具本体100は、第2リブ130の尖部131aが鉛直上側となるように壁600に取り付けられる。よって、第2リブ130に水滴Dが落ちる位置には、平面視形状が尖状の尖部131aが配置される。これにより、さらに、第2リブ130に落下した水滴Dを第2リブ130の周方向に流すことができる。
【0105】
しかしながら、水滴Dの一部は、第2リブ130の高さ方向(Z軸方向)に流れることがある。段差部133は、第2リブ130の高さ方向に流れる水滴Dが第2リブ130の先端部132aから落下することを抑制する機能を有する。水滴Dは、当該水滴Dが流れる経路上に段差があると、表面張力等の影響により、当該段差が形成されている方向(本実施の形態では、第2リブ130の周方向)に沿って広がりながら流れる性質がある。よって、本実施の形態に係る段差部133であって、第2リブ130の周方向に延在する段差部133は、例えば、
図8に示すように、第2リブ130の高さ方向の流れてきた水滴Dを、第2リブ130の周方向に流すことができる。
図8は、壁600に取り付けられた場合における、本実施の形態に係る第2リブ130に水滴Dが落ちたときの水滴Dの流れを示す図である。
図8に示す矢印は、水滴Dの流れを示す。
【0106】
なお、第2リブ130における段差部133が形成される位置は、当該第2リブ130に水滴Dが落ちる位置Pより発光部200b側であるとよい。例えば、位置Pは、器具カバー300の底面部111側の端部300aから第2リブ130に向けて水滴Dが落ちる地点である。なお、水滴Dが落ちる地点とは、水滴Dが落ちると推測される地点を含む。
【0107】
また、第2リブ130は、発光部200bの側面200b1を囲むように設けられている場合、第2リブ130の先端部132aから境界Bに水滴Dが落下しないように形成されるとよい。第2リブ130の先端部132aは、例えば、境界Bと面一ではないとよい。第2リブ130の高さH2は、底面部111と境界Bとの距離以外の長さであるとよい。例えば、第2リブ130は、第2カバー部240及び第2本体部230の両方を囲むように形成されているとよい。これにより、第2リブ130の先端部132aから発光部200bの境界Bに水滴Dが落下することを抑制することができる。つまり、水滴Dにより、発光部200b(例えば、発光モジュール231)が故障することを抑制することができる。
【0108】
なお、
図6及び
図7では、段差部133は、第2リブ130の外周面130aに1つ形成されている例について説明したが、これに限定されない。第2リブ130は、水滴Dが落下する位置Pより第2リブ130の先端部132a側に2以上形成されていてもよい。この場合、2以上の段差部133のそれぞれにおいて、1の段差部133に対して底面部111側に配置されたリブ部と当該1の段差部133に対して先端部132a側に配置されたリブ部とでは、先端部132a側のリブ部の外周面130aが凹む段差である。例えば、
図7に示す断面において、第2リブ130の外周面130aの断面視形状は、底面部111側から先端部132a側に向かって下がる階段状であってもよい。
【0109】
なお、
図7に示すように、器具本体100には、Y軸プラス側の部分に排水口114(水抜き穴)が形成されていてもよい。器具本体100には、例えば、第2リブ部132の水抜き部130cが鉛直下側となるように壁600に取り付けられた状態で、鉛直上側の部分に排水口が形成されていてもよい。このような照明器具10を天井等に取り付けた場合に、排水口114を側壁部112の水抜き穴として利用することができる。
【0110】
[2-2.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る照明器具10は、底面部111を有する器具本体100と、底面部111に配置されたソケット140と、ソケット140に着脱自在に取り付けられる電源部200a、及び、電源部200aがソケット140に取り付けられた状態の平面視において電源部200aを囲む発光部200bを有する光源ユニット200とを備える。器具本体100は、さらに、底面部111から発光部200b側に突出して形成された第2リブ130(リブの一例)であって、発光部200bの外周側の側面200b1の少なくとも一部を囲む第2リブ130を有する。そして、第2リブ130は、発光部200b側の外周面130aが底面部111側の外周面130aより凹む段差部133を有する。
【0111】
例えば、第2リブ130は、発光部200b側に配置された第1リブ部131と、第1リブ部131より底面部111側に配置された第2リブ部132と、第1リブ部131及び第2リブ部132の境界の外周面130aに形成され、かつ、第2リブ130の平面視における形状に沿って延在する段差部133であって、第1リブ部131の外周面130aが第2リブ部132の外周面130aより発光部200b側に凹む段差部133とを有する。
【0112】
これにより、第2リブ130に落下して第2リブ130の高さ方向(Z軸方向であって、発光部200bに向かう方向)に流れる水滴Dの流れ方向を、段差部133に沿う方向に変えることができる。よって、充電部(電源部200a及びソケット140)に向けて落下した水滴Dが当該充電部に落下することを抑制することができる。
【0113】
また、段差部133は、第2リブ130に水滴Dが落ちる位置Pより発光部200b側に配置されている。
【0114】
これにより、第2リブ130の高さ方向に流れる水滴Dを効果的に第2リブ130の周方向に流すことができる。
【0115】
また、照明器具10は、さらに、光源ユニット200を覆い、かつ、器具本体100に取り付けられる透光性の器具カバー300を備える。そして、位置Pは、器具カバー300の底面部111側の端部300aから第2リブ130に向けて水滴Dが落ちる地点である。
【0116】
これにより、器具カバー300から充電部に向けて落下した水滴Dが、充電部に落下することを抑制することができる。例えば、器具カバー300と器具本体100との取り付け不良により生じた器具カバー300と器具本体100とのすき間から浸入してきた水が、充電部に落下することを抑制することができる。
【0117】
また、第2リブ130は、平面視形状が弧状であり、段差部133より底面部111側の第1リブ部131と、段差部133より発光部200b側の第2リブ部132とを有する。そして、第1リブ部131は、位置Pに平面視形状が尖状の尖部131aを有する。
【0118】
これにより、第2リブ130に落下した水滴Dを効率よく第2リブ130の周方向に流すことができる。よって、さらに効果的に充電部を保護することができる。
【0119】
また、第2リブ130は、発光部200bの外周側の側面200b1を囲む環状に形成されている。そして、段差部133は、第2リブ130の周方向に延在する環状に形成されている。
【0120】
これにより、器具本体100の平面視における回転方向の取り付け位置によらず、充電部に水滴Dが落ちることを抑制することができる。例えば、器具本体100が正規の取り付け方向に取り付けられなかった場合(例えば、器具本体100の排水口113が鉛直上側となるように取り付けられるなど)においても、充電部を水滴Dから保護することができる。
【0121】
また、照明器具10は、壁600に取り付けられる。
【0122】
これにより、壁600に取り付けられた場合、鉛直下方に落下する水滴Dから充電部を保護することができる。
【0123】
(他の実施の形態)
以上、照明器具について、各実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの及び異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0124】
例えば、上記各実施の形態では、光源ユニット200には、開口200dが形成されている例について説明したが、これに限定されない。光源ユニット200には、開口200dが形成されていなくてもよい。例えば、電源部200aと発光部200bとは、離隔して配置されていなくてもよい。例えば、電源部200a及び発光部200bが、1つの筐体内に配置されていてもよい。
【0125】
また、上記各実施の形態では、電源部200aには発光モジュールが配置されていない例について説明したが、これに限定されない。照射面をより均一に照らす観点から、電源部200aにも発光モジュールが配置されていてもよい。
【0126】
また、上記実施の形態では、光源ユニット200が器具本体100に着脱自在に取り付けられる例について説明したが、本願発明は、光源ユニット200が器具本体100に固定して取り付けられる照明器具10に対しても適用することができる。器具本体100及び光源ユニット200は、光源ユニット200を器具本体100に着脱自在似鳥付けられる構成を有していなくてもよい。
【0127】
また、上記各実施の形態では、第1リブ120と発光部200bの裏面200b2との間に他の部材が配置されていない例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1リブ120の上面120a、及び、発光部200bの裏面200b2の少なくとも一方には、第1リブ120と発光部200bとの間のすき間の少なくとも一部を埋めるクッション部材(例えば、ウレタン等で形成されたクッション部材)等が配置されていてもよい。
【0128】
また、上記各実施の形態では、第2リブ130と発光部200bの側面200b1との間に他の部材が配置されていない例について説明したが、これに限定されない。例えば、第2リブ130の内周面130b(例えば、第2リブ部132の内周面130b)、及び、発光部200bの側面200b1の少なくとも一方には、第2リブ130と発光部200bとの間のすき間の少なくとも一部を埋めるクッション部材等が配置されていてもよい。
【0129】
また、上記実施の形態では、第1リブ120及び第2リブ130は、底面部111に対して立設して設けられる例について説明したが、第1リブ120及び第2リブ130の少なくとも一方は、底面部111に対して所定の角度で突出する突起であってもよい。
【0130】
また、上記実施の形態2では、第2リブ130は、発光部200bの側面200b1を囲むように設けられる例について説明したが、これに限定されない。例えば、段差部133が形成された第2リブ130は、発光部200bと底面部111との間に設けられてもよい。
【0131】
また、上記各実施の形態に係る段差部133は、第1リブ部131から第2リブ部132に向けて所定の傾斜をなすように形成されていてもよい。言い換えると、段差部133は、第1リブ部131から第2リブ部132に向けて傾斜する傾斜面を有していてもよい。
【符号の説明】
【0132】
10 照明器具
100 器具本体
111 底面部
120 第1リブ
130 第2リブ
130a 外周面
131 第1リブ部
131a 尖部
132 第2リブ部
133 段差部
140 ソケット
200 光源ユニット
200a 電源部
200b 発光部
200b1 側面
300 器具カバー
300a 端部
600 壁
D 水滴
P 位置