(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230630BHJP
F21V 7/30 20180101ALI20230630BHJP
F21V 9/30 20180101ALI20230630BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230630BHJP
【FI】
F21S2/00 440
F21V7/30
F21V9/30
F21S2/00 441
F21S2/00 437
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2020030800
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】市川 拓也
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-518445(JP,A)
【文献】特開2012-063567(JP,A)
【文献】特開2016-157096(JP,A)
【文献】特開2002-056713(JP,A)
【文献】特開2021-005524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 7/30
F21V 9/30
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源の発する光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が出射する出射面とを有し、前記出射面から光を出射させるための複数の光取出構造が形成される柱状又は板状の導光体と、
前記導光体と前記光源との間に配置され、前記光源が発する光を前記入射面に案内する筒状の反射体とを備え、
前記入射面には、前記反射体を介さずに前記入射面に入射した前記光源が発する光である第1色の光と、前記反射体を介して前記入射面に入射した前記光源が発する光である、前記第1色の光と異なる第2色の光とが入射し、
前記出射面は、前記第1色の光を第1領域から出射し、前記第2色の光を前記第1領域と異なる第2領域から出射する
照明器具。
【請求項2】
前記反射体の内面に沿って配置される波長制御部材を備え、
前記光源と前記入射面との間には、前記光源が発した光が通過する空間が形成される
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記光源が発する前記第1色の光の一部は、前記波長制御部材を介さずに、前記入射面に入射し、
前記光源が発する前記第1色の光の別の一部は、前記波長制御部材を介して前記第1色の光が前記第2色の光に波長制御されて前記入射面に入射する
請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記光源は、前記第1色の光を発する第1光源と、前記第2色の光を発する第2光源とを含み、
前記第1光源が発する光の光軸は、前記入射面と交差し、
前記第2光源が発する光の光軸は、前記反射体の内面と交差する
請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項5】
前記反射体の内面に沿って配置される波長制御部材を備え、
前記光源は、さらに第3光源を含み、
前記第3光源が発する第3色の光の光軸と前記波長制御部材と交差する交点は、前記第2光源が発する前記第2色の光の光軸と前記波長制御部材との交点よりも前記光源側に位置する
請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記反射体は、
前記入射面と前記光源とを対向する姿勢で前記導光体を支持し、
前記導光体と前記光源との距離を可変する
請求項1~5のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光を発する光源と、光源が発した光の色を変化させて出射する干渉フィルタと、外面にプリズム面を施し、干渉フィルタを出射した光を発する透光性筒状体とを備える照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術の照明装置とした照明器具では、光源の発した光が干渉フィルタを透過して、透光性筒状体とした導光体に入射する。干渉フィルタは、一様な色の光を出射するため、導光体からは、一様な色の光が出射される。しかしながら、導光体から複数の色の光を出射させたい場合には、照明器具の構造が複雑化してしまうことがある。
【0005】
そこで、本開示は、簡易な構造で、第1色の光と第2色の光との間で次第に変化する光を出射することができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の一態様に係る照明器具は、光源と、前記光源の発する光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が出射する出射面とを有し、前記出射面から光を出射させるための複数の光取出構造が形成される柱状又は板状の導光体と、前記導光体と前記光源との間に配置され、前記光源が発する光を前記入射面に案内する筒状の反射体とを備え、前記入射面には、前記反射体を介さずに前記入射面に入射した前記光源が発する光である第1色の光と、前記反射体を介して前記入射面に入射した前記光源が発する光である、前記第1色の光と異なる第2色の光とが入射し、前記出射面は、前記第1色の光を第1領域から出射し、前記第2色の光を前記第1領域と異なる第2領域から出射する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る照明器具は、簡易な構造で、第1色の光と第2色の光との間で次第に変化する光を出射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る照明器具を例示する斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のII-II線に係る照明器具を例示する断面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る照明器具の点灯状態を例示する斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る照明器具が出射する光の光路を例示する断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1の変形例に係る照明器具を例示する斜視図である。
【
図6】
図6は、実施の形態2に係る照明器具が出射する光の光路を例示する断面図である。
【
図7】
図7は、その他変形例に係る照明器具が出射する光の光路を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0011】
また、以下の実施の形態において、略一致等の表現を用いている。例えば、略一致は、一致であることを意味するだけでなく、実質的に一致である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略一致は、本開示による効果を奏し得る範囲において一致という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0012】
以下の説明において、
図1では、反射体に対する導光体をZ軸プラス方向と称し、その反対側をZ軸マイナス方向と称する。
図2以降においても、同様に適用する。
【0013】
以下、本開示の実施の形態に係る照明器具について説明する。
【0014】
(実施の形態1)
<構成:照明器具1>
図1は、実施の形態1に係る照明器具1を例示する斜視図である。
【0015】
図1に示すように、照明器具1は、円柱状又は板状の導光体10を用いた照明器具であり、例えば、机等の卓上に配置される。なお、本実施の形態の照明器具1は、天井、壁等の造営材に設置されてもよい。照明器具1は、周囲に光を照射することで、空間を照明することができる。本実施の形態の照明器具1は、主に、長尺な導光体10の長さ方向に対して直交する方向に光を出射することで、周囲を照明する。本実施の形態の照明器具1は、エッジライト方式の導光体10である。
【0016】
照明器具1は、反射体20と、光源30と、波長制御部材40と、導光体10とを備える。
【0017】
[反射体20]
図2は、
図1のII-II線に係る照明器具1を例示する断面図である。
図2のaは光源30に対する距離を可変する前の照明器具1を例示する断面図であり、
図2のbは光源30に対する距離を可変した後の照明器具1を例示する断面図である。
【0018】
図1及び
図2に示すように、反射体20は、導光体10の端部に配置され、光源30が発する光を入射面11aに案内することが可能な筒状である。具体的には、反射体20は、有底筒状であり、内部の空間Kに波長制御部材40及び光源30を収容する。反射体20は、一端側のZ軸プラス方向側の端縁が開口43し、他端側のZ軸マイナス方向側の端縁が閉口する。
【0019】
また、反射体20の内面は、光源30の発する光を反射する反射面である。つまり、光源30が発した光を効率的に導光体10に入射させるために、鏡面加工される。反射体20は、例えば、アルミニウム等の金属であってもよく、白色樹脂等であってもよい。
【0020】
反射体20は、Z軸マイナス方向側の端縁である底部に配置される光源30を、導光体10と対向するように支持する。また、反射体20は、導光体10の入射面11aと光源30とを対向する姿勢で導光体10を支持する。反射体20の一端側におけるZ軸プラス方向側の開口43には導光体10が挿入され、反射体20は導光体10を直立させる姿勢で支持する。
【0021】
本実施の形態では、反射体20には、開口43に挿入される導光体10を支持する段部42が内面に形成される。段部42は、導光体10の入射面11a側の端面と当接することで、導光体10を直立させる姿勢で支持する環状溝部である。つまり、段部42は、光源30の光軸に対する導光体10の入射面11aの位置合わせと、導光体10の姿勢を保持する役割を有する。また、段部42にリング状のスペーサ45を配置することで、光源30の発光面と導光体10の入射面11aとの距離を可変させることができる。
【0022】
なお、反射体20の周囲に取り付けられるネジ等によって、導光体10が反射体20に固定されてもよく、反射体20に対する導光体10の姿勢を維持する手段は、本実施の形態に限定されない。この場合も、ネジ締めによって、光源30の発光面と導光体10の入射面11aとの距離を可変することができる。
【0023】
また、反射体20は、本実施の形態では、円筒状であるが、多角筒状、半円筒状等でもよい。反射体20の形状は、導光体10の形状、つまり導光体10の長さ方向の断面形状に応じて適宜設定されてもよい。
【0024】
[光源30]
光源30は、反射体20に収容され、反射体20の底部に配置される。光源30は、反射体20の底部で、導光体10に対して光を出射する姿勢で保持される。つまり、光源30は、光源30の発光面が導光体10と対向し、光源30の光軸が導光体10と交差する姿勢で、反射体20に保持される。本実施の形態では、光源30は、光軸が反射体20の中心軸Oと略一致するように、反射体20の内部に配置される。ここで、光軸とは、光源30が発する主たる光の出射方向と略一致する直線である。
【0025】
光源30が発する第1色の光の一部は、波長制御部材40を介さずに、入射面11aに入射される。また、光源30が発する第1色の光の別の一部は、波長制御部材40を介して第1色の光を第2色の光に波長制御して入射面11aに入射される。
【0026】
複数の光源30のそれぞれは、例えば、SMD(Surface Mount Device)型のLED(Light Emitting Diode)素子である。複数の光源30のそれぞれは、LEDチップである発光素子と、発光素子が発する光を波長変換することで蛍光を発する蛍光体とを有する。なお、光源30として、COB(Chip On Board)型の発光モジュールが用いられてもよい。
【0027】
発光素子は、樹脂成型されたキャビティの中に配置されたLEDチップであり、照明器具1の出射光となる光を出射する。発光素子は、キャビティ内に蛍光体を含有する樹脂によって封入される。つまり、SMD型のLED素子とは、発光素子がこの樹脂によって封入されたパッケージ型のLED素子である。
【0028】
なお、光源30は、電源回路に電気的に接続され、電源回路からの電力が供給されてもよい。また、照明器具1は、電源回路を備えていてもよい。光源30は、電源回路に設けられている図示しない制御部により制御されて点灯及び消灯が行われてもよい。光源30は、電源回路に設けられている制御部により制御されて、調光調色が行われてもよい。例えば、光源30は、青色LEDチップと黄色蛍光体含有樹脂との組み合わせにより白色光を放出する表面実装型LED素子を採用してもよい。
【0029】
[波長制御部材40]
波長制御部材40は、光源30が発した光を波長変換することで、第1色の光を第2色の光に変換する波長変換部材であってもよい。波長制御部材40は、光の照射によって波長変換光を発する蛍光体を含み、当該蛍光体をガラス等のセラミック、シリコーン樹脂等からなる透明材料であるバインダに、分散されて保持される。波長制御部材40は、例えばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)系蛍光体、カズン系蛍光体、エスカズン系蛍光体又はBAM(Ba、Mg、Al)系蛍光体等であり、導光体10の出射面11bから出射させる光の色に応じて適宜選択できる。
【0030】
また、波長制御部材40は、誘電体多層膜を用いた光学薄膜(色フィルタ)であってもよい。波長制御部材40は、光源30が発した光の一部を吸収し、その他の光を反射する。波長制御部材40は、光源30が発する光のうちの所定の波長の光を反射させるために、導光体10の出射面11bから出射させる光の色に応じて適宜選択できる。
【0031】
波長制御部材40は、反射体20の内面に沿って配置される。具体的には、波長制御部材40は、反射体20の内面に積層され、反射体20の内面を覆う。波長制御部材40は、反射体20内で円筒状に配置され、光源30と入射面11aとの間に光源30の発した光が通過する空間Kを形成する。これにより、波長制御部材40は、光源30の発した光の一部を反射させる際に、波長制御部材40の性質に応じて所定の色の光を出射する。
【0032】
[導光体10]
導光体10は、光源30の発する光を導光させて、出射面11bから光を出射させるための複数の光取出構造12が形成される柱状又は板状である。本実施の形態では、導光体10は、透光性を有し、Z軸方向に長尺な円柱状の透光部材である。導光体10は、反射体20の開口43を覆うように、Z軸マイナス方向側の端部を反射体20の開口43に挿入することで、反射体20に支持される。反射体20に支持された際に、導光体10の長さ方向の中心軸Oは、光源30の光軸と略一致する。
【0033】
導光体10は、入射面11aと、出射面11bとを有する。
【0034】
入射面11aは、光源30の発する光が入射する面であり、光源30の発光面と対向する面である。つまり入射面11aは、導光体10のZ軸マイナス方向側の端面である。入射面11aの中心の法線は、光源30の光軸と略一致する。
【0035】
入射面11aには、第1色の光と、第2色の光とが入射する。
【0036】
第1色の光は、光源30が発した光であり、反射体20を介さずに入射面11aに入射した光である。反射体20を介さずに入射面11aに入射した光とは、光源30が発した光が反射体20の波長制御部材40で反射されずに、直接的に入射面11aに入射した光である。第2色の光は、光源30が発した光であり、反射体20を介して入射面11aに入射した第1色の光と異なる光である。第2色は、第1色と異なる色である。つまり、第2色の光の波長は、第1色の光の波長と異なる。反射体20を介して入射面11aに入射した光とは、光源30の発した光が反射体20の波長制御部材40で反射することで、第1色から第2色に波長制御された後に、間接的に入射面11aに入射した光である。
【0037】
出射面11bは、入射面11aから入射した光を出射させる面であり、導光体10の長さ方向に対する外周面である。出射面11bには、光を出射させるための複数の光取出構造12が形成される。
【0038】
光取出構造12は、錐状、錐台状、長溝状等の凸部又は凹部である。本実施の形態では、光取出構造12は、円錐状の凹部である。
【0039】
図3は、実施の形態1に係る照明器具1の点灯状態を例示する斜視図である。
図3のaは光源30に対する距離を可変する前の照明器具1の点灯状態を例示する斜視図であり、
図3のbは光源30に対する距離を可変した後の照明器具1の点灯状態を例示する斜視図である。
【0040】
図3に示すように、出射面11bは、第1色の光を第1領域R1から出射し、第2色の光を第1領域R1と異なる第2領域R2から出射する。第1領域R1及び第2領域R2の大きさは、光源30の発光面と入射面11aとの距離に応じて変化する。例えば、入射面11aを光源30に近付ければ、次第に、第1領域R1がZ軸プラス方向に移動し、かつ、第2領域R2もZ軸プラス方向に移動する。本実施の形態の導光体10では、第1領域R1のZ軸方向の長さが短くなり、第2領域R2のZ軸方向の長さが大きくなる。つまり、第1領域R1の面積が小さくなり、第2領域R2の面積が大きくなる。また、入射面11aを光源30から遠ざければ、次第に、第1領域R1がZ軸マイナス方向に移動し、かつ、第2領域R2もZ軸マイナス方向に移動する。本実施の形態の導光体10では、第1領域R1のZ軸方向の長さが長くなり、第2領域R2のZ軸方向の長さが短くなる。つまり、第1領域R1の面積が大きくなり、第2領域R2の面積が小さくなる。
【0041】
<動作>
図4は、実施の形態1に係る照明器具1が出射する光の光路を例示する断面図である。
【0042】
本実施の形態では、
図3及び
図4に示すように、波長制御部材40として赤色蛍光体を有する波長変換部材を用いる。波長制御部材40は、光源30が発する白色光を赤色光に変換する。このような照明器具1では、
図3に示すように、光源30が白色光を発すると、一部の白色光は、波長制御部材40を介さずに導光体10の入射面11aに入射して導光体10を導光する。白色光は、光源30が発する光の光軸に対する角度が小さいため、導光体10のZ軸プラス方向側の端部側まで届く。これにより、導光体10の出射面11bの第1領域R1からは、白色光が出射する。
【0043】
また、別の一部の白色光は、波長制御部材40に入射することで、赤色光に波長変換され、赤色光が反射する。そして、波長変換された赤色光は、導光体10の入射面11aに入射して導光体10を導光する。赤色光は、白色光に比べて光源30が発する光の光軸に対する角度が大きいため、導光体10のZ軸プラス方向側の端部に届くまでに、導光体10のZ軸マイナス方向側の端部側から光が出射されてしまう。これにより、導光体10の出射面11bの第2領域R2からは、赤色光が出射する。
【0044】
<作用効果>
次に、本実施の形態における照明器具1の作用効果について説明する。
【0045】
上述したように、本実施の形態の照明器具1は、光源30と、光源30の発する光が入射する入射面11aと、入射面11aから入射した光が出射する出射面11bとを有し、出射面11bから光を出射させるための複数の光取出構造12が形成される柱状又は板状の導光体10と、導光体10と光源30との間に配置され、光源30が発する光を入射面11aに案内する筒状の反射体20とを備える。また、入射面11aには、反射体20を介さずに入射面11aに入射した光源30が発する光である第1色の光と、反射体20を介して入射面11aに入射した光源30が発する光である、第1色の光と異なる第2色の光とが入射する。そして、出射面11bは、第1色の光を第1領域R1から出射し、第2色の光を第1領域R1と異なる第2領域R2から出射する。
【0046】
これによれば、光源30が発した光の一部は、反射体20を介さずに第1色の光として入射面11aに入射する。第1色の光は、反射体20で反射していないため、導光体10の入射面11a側の出射面11bと反対側の出射面11bまで届き易い。このため、導光体10の当該出射面11bからは、第1色の光が出射される。また、光源30が発した光の別の一部は、反射体20を介して反射することで、第2色の光として入射面11aに入射する。第2色の光は、反射体20で反射しているため、導光体10の入射面11a側の出射面11bと反対側の出射面11bに届くまでに、導光体10の入射面11a側の出射面11bから出射され易い。このため、導光体10の入射面11a側の出射面11bからは、第2色の光が出射される。このため、この照明器具1では、構造を複雑化し難い。
【0047】
したがって、この照明器具1では、簡易な構造で、第1色の光と第2色の光との間で次第に変化する光を出射することができる。
【0048】
また、本実施の形態の照明器具1は、反射体20の内面に沿って配置される波長制御部材40を備える。光源30と入射面11aとの間には、光源30が発した光が通過する空間Kが形成される。
【0049】
これによれば、反射体20を介さない第1色の光と、反射体20を介した第2色の光とを導光体10の入射面11aに入射させることができる。このため、導光体10の出射面11bからは、第1色の光と第2色の光とを確実に出射させることができる。
【0050】
また、本実施の形態の照明器具1において、光源30が発する第1色の光の一部は、波長制御部材40を介さずに、入射面11aに入射される。そして、光源30が発する第1色の光の別の一部は、波長制御部材40を介して第1色の光が第2色の光に波長制御されて入射面11aに入射する。
【0051】
これによれば、反射体20を介さない第1色の光と、反射体20を介して第1色の光を波長変換した第2色の光とを導光体10の入射面11aに入射させることができる。このため、導光体10の出射面11bからは、第1色の光と第2色の光とを確実に出射させることができる。
【0052】
また、本実施の形態の照明器具1において、反射体20は、入射面11aと光源30とを対向する姿勢で導光体10を支持する。そして、反射体20は、導光体10と光源30との距離を可変する。
【0053】
これによれば、導光体10の入射面11aと、光源30の発光面との距離を可変させることができる。このため、導光体10と光源30との距離を可変することで、第1領域R1と第2領域R2との大きさ及び位置を可変することができる。このため、導光体10の出射面11bから出射する第1色の光と第2色の光とを導光体10の長さ方向に対して経時的に変化させることができる。
【0054】
(実施の形態1の変形例)
本変形例の照明器具100について説明する。
【0055】
図5は、実施の形態1の変形例に係る照明器具100を例示する斜視図である。
【0056】
本変形例では、円柱状の導光体110の代わりに板状の導光体110(導光板)を用いる点で、実施の形態1の照明器具と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0057】
筐体120は、導光体110の入射面111aに応じて長尺であり、複数の光源130、電源部等を収容する。筐体120は、導光体110の入射面111a側の端部を収容して固定することで、導光体110を支持する。
【0058】
光源130は、導光体110の出射光となる光を出射する。光源130は、導光体110の入射面111aに対向した位置で筐体120に固定され、入射面111aの長さ方向に沿って複数配置される。
【0059】
導光体110は、出射面111bに対する反対側の面に、複数の光取出構造112を有する。本実施の形態では、一方の面に複数の光取出構造112が形成されるが、他方の面にもさらに複数の光取出構造112が形成されていてもよい。また、複数の光取出構造112は、導光体110の側面に形成されていてもよい。
【0060】
本変形例においても上述の実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0061】
(実施の形態2)
本実施の形態の照明器具1bについて説明する。
【0062】
本実施の形態では、光源30として第1光源30a、第2光源30b及び第3光源30cを含む点で、実施の形態1の照明器具1bと相違する。本実施の形態おける他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0063】
図6は、実施の形態2に係る照明器具1bが出射する光の光路を例示する断面図である。
【0064】
本実施の形態では、
図6に示すように、反射体20は、1以上の第1光源30a、1以上の第2光源30b及び1以上の第3光源30cを収容する。
【0065】
光源30は、第1色の光を発する1以上の第1光源30aと、第2色の光を発する1以上の第2光源30bと、第3色の光を発する1以上の第3光源30cとを含む。
【0066】
具体的には、1以上の第1光源30aは、反射体20の中心軸O上又はその近傍に配置され、1以上の第2光源30bは、1以上の第1光源30aの周囲を囲むように配置され、1以上の第3光源30cは、1以上の第2光源30bのさらに外側の周囲を囲むように配置される。つまり、1以上の第2光源30b及び1以上の第3光源30cは、1以上の第1光源30aの集合を中心とした同心円状に配置される。
【0067】
第1光源30aは、キャビティを覆う第1レンズ30c1を有する。第1レンズ30c1は、反射体20を介さずに導光体10の入射面11aに第1光源30aが発した光を入射させるように配光制御する。つまり、第1光源30aが発する光の光軸は、入射面11aと交差する。
【0068】
第2光源30bは、キャビティを覆う第2レンズ30c2を有する。第2レンズ30c2は、反射体20を介して導光体10の入射面11aに第2光源30bが発した光を入射させるように配光制御する。第2光源30bが発する光の光軸は、反射体20の内面と交差する。
【0069】
第3光源30cは、キャビティを覆う第3レンズ30c3を有する。第3レンズ30c3は、反射体20を介して導光体10の入射面11aに第3光源30cが発した光を入射させるように配光制御する。第3光源30cが発する光の光軸は、反射体20の内面と交差する。第3光源30cが発する第3色の光の光軸と反射体20の内面と交差する交点P2は、第2光源30bが発する第2色の光の光軸と反射体20の内面との交点P1よりも光源30側に位置する。
【0070】
<作用効果>
次に、本実施の形態における照明器具1bの作用効果について説明する。
【0071】
上述したように、本実施の形態の照明器具1bにおいて、光源30は、第1色の光を発する第1光源30aと、第2色の光を発する第2光源30bとを含む。そして、第1光源30aが発する光の光軸は、入射面11aと交差し、第2光源30bが発する光の光軸は、反射体20の内面と交差する。
【0072】
これによれば、第1光源30aが反射体20を介さずに、導光体10の入射面11aに第1色の光を入射させることができる。第1色の光は、反射体20で反射しないため、導光体10の入射面11a側の出射面11bと反対側の出射面11bまで届き易い。このため、導光体10の当該出射面11bからは、第1色の光が出射される。また、第2色の光は、反射体20で反射するため、導光体10の入射面11a側の出射面11bと反対側の出射面11bに届くまでに、導光体10の入射面11a側の出射面11bから出射される。このため、導光体10の入射面11a側の出射面11bからは、第2色の光が出射される。このように、この照明器具1bでは、第1光源30aが発する光の光軸を0導光体10の入射面11aに交差させ、第2光源30bが発する光の光軸を反射体20に交差させることで、導光体10の出射面11bから、第1領域R1から第1色の光と、第2領域R2から第2色の光とを出射させることができる。このため、この照明器具1bでは、構造が複雑化し難く、簡易な構造で第1色の光と第2色の光との間で次第に変化する光を出射させることができる。
【0073】
本実施の形態における作用効果は、上述の実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
【0074】
(その他変形例)
以上、本開示に係る照明器具について、実施の形態1、2及び実施の形態1の変形例に基づいて説明したが、本開示は、上記の各実施の形態1、2及び実施の形態1の変形例に限定されるものではない。
【0075】
例えば、上記の実施の形態2に係る照明器具1cにおいて、照明器具1cは、反射体20に波長変換部材を備えていてもよい。
図7は、その他変形例に係る照明器具が出射する光の光路を例示する断面図である。第1光源30a、第2光源30bと第3光源30cは、電源回路に設けられている制御部によって、点灯、消灯、調光及び調色が制御される。その他変形例の照明器具1cにおいて、反射体20の内面に沿って配置される波長制御部材40を備えてもよい。また、光源は、さらに第3光源30cを含んでもよい。また、第3光源30cが発する第3色の光の光軸と波長制御部材40と交差する交点P4は、第2光源30bが発する第2色の光の光軸と波長制御部材40との交点P3よりも光源側に位置してもよい。これによれば、例えば第2光源30bと第3光源30cとを別々に点灯させることで、第2領域R2が導光体10の長さ方向に移動するように見える。例えば、導光体10を反射体20に対して駆動させる駆動機構を備えなくても、第2光源30b及び第3光源30cの点灯及び消灯を制御することで、第2領域R2を移動させることができる。このため、照明器具1cが大型化し難く、かつ、構造が複雑化し難い。
【0076】
また、上記の実施の形態2に係る照明器具1cにおいて、導光体のZ軸プラス方向の先端面には、導光体を導光した光を反射する反射部材を配置していてもよい。
【0077】
また、上記の実施の形態1、2及び実施の形態1の変形例に係る照明器具において、第1色の光は、第2色の光と色温度が異なる光であってもよい。この場合、第1色の光は、第2色の光よりも低色温度の光であってもよく、高色温度の光であってもよい。この場合、光源が1つであれば、キャビティ内の蛍光体の濃度又は種類を異ならせてもよい。例えば、発光素子と反射体との間におけるキャビティ内の蛍光体の濃度又は種類を、導光体と発光素子との間におけるキャビティ内の蛍光体の濃度又は種類とを異ならせてもよい。
【0078】
なお、上記の各実施の形態1、2及び実施の形態1の変形例に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態1、2及び実施の形態1の変形例における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
1、1b、1c、100 照明器具
10、110 導光体
11a、111a 入射面
11b、111b 出射面
12、112 光取出構造
20 反射体
30、130 光源
30a 第1光源
30b 第2光源
30c 第3光源
40 波長制御部材
K 空間
R1 第1領域
R2 第2領域