(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/165 20200101AFI20230630BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20230630BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B47/19
(21)【出願番号】P 2020032401
(22)【出願日】2020-02-27
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中村 重雄
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 朝
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-32943(JP,A)
【文献】特開2019-12678(JP,A)
【文献】特開2014-86149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末によって実行される情報処理方法であって、
複数の照明器具が設置された空間の第一範囲に電波通信によって送信された第一要求への応答として、前記複数の照明器具の識別情報を取得する第一取得ステップと、
前記空間の前記第一範囲よりも狭い第二範囲に電波通信によって送信された第二要求への応答として、前記複数の照明器具の一部の識別情報を取得する第二取得ステップとを含む
情報処理方法。
【請求項2】
前記情報端末は、表示部を有し、
前記情報処理方法は、さらに、前記第一取得ステップを実行する前に、前記第二取得ステップの実行を指示する操作をユーザから受け付けた場合に、前記第一取得ステップが行われていないことを通知するための通知画面を前記表示部に表示する第一通知ステップを含む
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記情報端末は、ユーザの操作を受け付ける操作受付部を備え、
前記第一取得ステップが実行される前に、前記第二取得ステップの実行を指示する操作が前記操作受付部によって受け付けられた場合、前記第一取得ステップが実行されてから前記第二取得ステップが実行される
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記第二取得ステップは、前記第一取得ステップが実行済みであることを要件として実行される
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記情報端末は、表示部を有し、
前記情報処理方法は、さらに、
ユーザが前記第一取得ステップの実行を前記情報端末に指示するために操作する第一実行アイコンを前記表示部に表示する第一表示ステップと、
前記第一取得ステップが実行された後に、前記ユーザが前記第二取得ステップの実行を前記情報端末に指示するために操作する第二実行アイコンを前記表示部に表示する第二表示ステップとを含む
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記第二表示ステップにおいては、前記第一取得ステップが実行された後の一定期間に前記第二実行アイコンを前記表示部に表示し、前記一定期間の経過後に前記第二実行アイコンの表示を解除する
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記情報端末は、表示部を有し、
前記情報処理方法は、さらに、
ユーザが前記第一取得ステップの実行を前記情報端末に指示するために操作する第一実行アイコンを前記表示部に表示する第一表示ステップと、
前記ユーザが前記第二取得ステップの実行を前記情報端末に指示するために操作する第二実行アイコンを前記表示部に表示する第二表示ステップとを含み、
前記第一取得ステップが実行される前には、前記第二実行アイコンへの操作は無効とされる
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記情報端末は、記憶部を有し、
前記情報処理方法は、さらに、
前記第二取得ステップにおいて取得された識別情報を記憶部に記憶する第一記憶ステップと、
前記第一記憶ステップの後、前記第一取得ステップが再度実行された場合に、前記第一記憶ステップにおいて記憶された識別情報を削除する削除ステップとを含む
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記情報端末は、表示部を有し、
前記情報処理方法は、さらに、前記第二取得ステップにおいて取得された識別情報に、前記第一取得ステップにおいて取得されなかった識別情報が含まれる場合、その旨を通知するための第二通知画面を前記表示部に表示する第二通知ステップを含む
請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記情報端末は、表示部を有し、
前記情報処理方法は、さらに、前記第一取得ステップ及び前記第二取得ステップのうち第一取得ステップにおいてのみ取得された識別情報を選択するための第一アイコン、並びに、前記第一取得ステップ及び前記第二取得ステップのいずれにおいても取得された識別情報を選択するための第二アイコンを、互いに異なる態様で前記表示部に表示する第三表示ステップを含む
請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記第三表示ステップの後に再度前記第一取得ステップが実行された場合、表示中の前記第一アイコン及び前記第二アイコンが更新される
請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記第三表示ステップにおいては、前記第一アイコン及び前記第二アイコンを含む複数のアイコンが表示され、
前記情報処理方法は、さらに、
前記複数の照明器具の設置位置を示すマップ画像を前記表示部に表示する第四表示ステップと、
前記複数のアイコンの選択操作、及び、前記マップ画像内の照明器具の設置位置の選択操作を受け付ける受付ステップと、
受け付けられた選択操作に基づいて、選択された前記アイコンが示す前記識別情報を、選択された設置位置と対応付けて記憶する第二記憶ステップと、
前記複数のアイコンのうち、設置位置との対応付けが完了したアイコンの表示を解除する表示解除ステップとを含む
請求項10または11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
さらに、前記第二取得ステップが実行されたときの前記空間における前記情報端末の位置を表示する第五表示ステップを含む
請求項1~12のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムの初期設定等に用いられる情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具の識別情報とレイアウト情報との関連付けを行う技術が提案されている。特許文献1には、このような関連付けを、タブレットPCまたはスマートフォンなどの操作装置を用いて行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の関連付けに際して、ユーザは、照明器具の位置を目視で確認する必要がある。ユーザから離れて位置する照明器具は、正確な位置が把握しづらく、レイアウト情報との関連付けが困難となる。したがって、操作装置の近くに位置する照明器具が他の照明器具と区別できる仕組みが望まれる。
【0005】
本発明は、情報端末の近くに位置する照明器具をユーザに提示することができる情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、情報端末によって実行される情報処理方法であって、複数の照明器具が設置された空間の第一範囲に電波通信によって送信された第一要求への応答として、前記複数の照明器具の識別情報を取得する第一取得ステップと、前記空間の前記第一範囲よりも狭い第二範囲に電波通信によって送信された第二要求への応答として、前記複数の照明器具の一部の識別情報を取得する第二取得ステップとを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の情報処理方法は、情報端末の近くに位置する照明器具をユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、比較例に係る初期設定動作のシーケンス図である。
【
図3】
図3は、比較例に係る初期設定画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る初期設定動作のシーケンス図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る初期設定画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、複数のアイコンがソート表示された初期設定画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第一アイコン及び第二アイコンのうち第二アイコンにのみ選択的にマークが重畳される例を示す図である。
【
図10】
図10は、第一アイコン及び第二アイコンのうち第二アイコンが大きく表示される例を示す図である。
【
図11】
図11は、第一アイコン及び第二アイコンのうち第二アイコンのみが点滅表示される例を示す図である。
【
図12】
図12は、第一アイコン及び第二アイコンの文字の表示態様が変更される例を示す図である。
【
図13】
図13は、第一取得処理及び第二取得処理の実行順序を制限するための動作例1のフローチャートである。
【
図14】
図14は、第一取得処理が行われていないことを通知するための通知画面の第一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第一取得処理が行われていないことを通知するための通知画面の第二例を示す図である。
【
図16】
図16は、第一取得処理及び第二取得処理の実行順序を制限するための動作例2のフローチャートである。
【
図17】
図17は、第一取得処理及び第二取得処理の実行順序を制限するための動作例3のフローチャートである。
【
図18】
図18は、第二実行アイコンが無効化された状態の初期設定画面の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、第一取得処理及び第二取得処理の実行順序を制限するための動作例4のフローチャートである。
【
図20】
図20は、第二実行アイコンが表示されていない状態の初期設定画面の一例を示す図である。
【
図21】
図20は、第二実行アイコンが表示された状態の初期設定画面の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、第一取得処理及び第二取得処理の実行順序を制限するための動作例5のフローチャートである。
【
図23】
図23は、変形例1に係る動作のフローチャートである。
【
図24】
図24は、変形例2に係る動作のフローチャートである。
【
図25】
図25は、新たなMACアドレスが取得されたことを通知するための通知画面の第一例を示す図である。
【
図26】
図26は、新たなMACアドレスが取得されたことを通知するための通知画面の第二例を示す図である。
【
図27】
図27は、新たに取得されたMACアドレスに対応するアイコンの表示例を示す図である。
【
図28】
図28は、変形例3に係る動作のフローチャートである。
【
図29】
図29は、第二取得処理が行われた位置の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0011】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る照明システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、照明システム100は、複数の照明器具10と、照明コントローラ20と、情報端末30と、通信アダプタ40とを備える。なお、照明システム100は、複数の照明コントローラ20を備えてもよい。
【0012】
まず、照明器具10について説明する。照明器具10は、室内空間の天井に設置されて、当該室内空間を照明するベースライトなどであり、照明コントローラ20によって発光制御される。照明器具10と照明コントローラ20との間の通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。なお、照明器具10の態様は、特に限定されるものではなく、シーリングライト、ダウンライト、または、スポットライト等であってもよい。
【0013】
次に、照明コントローラ20について説明する。照明コントローラ20は、情報端末30に対して行われたユーザの操作に基づいて、複数の照明器具10の少なくとも一部に制御指令を送信することにより、複数の照明器具10の少なくとも一部の発光制御を行う。照明コントローラ20は、具体的には、情報端末30から受信した制御指示信号に基づいて複数の照明器具10の少なくとも一部の発光制御を行う。ここでの発光制御には、点灯制御、消灯制御、調光制御、及び、調色制御などが含まれる。照明コントローラ20及び照明器具10の間の通信は、例えば、無線通信(より具体的には、電波通信)である。この無線通信の通信規格は、例えば、Wi-Fi(登録商標)などである。
【0014】
次に、情報端末30の構成について説明する。情報端末30は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作に応じて照明コントローラ20に制御指令を送信する。情報端末30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、またはPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末である。また、情報端末30は、照明システム100において用いられる専用のリモートコントローラであってもよい。情報端末30は、操作受付部31と、表示部32と、無線通信部33と、制御部34と、記憶部35と、加速度センサ36とを備える。また、情報端末30には、通信アダプタ40が接続される。
【0015】
操作受付部31は、ユーザの操作を受け付ける。操作受付部31は、具体的には、タッチパネルなどによって実現される。
【0016】
表示部32は、制御部34の制御に基づいて画像を表示する表示装置である。表示部32は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルによって実現される。
【0017】
無線通信部33は、情報端末30が照明コントローラ20と無線通信(より具体的には、電波通信)を行うための無線通信回路である。無線通信部33は、例えば、照明コントローラ20に制御指示信号を送信する。
【0018】
制御部34は、操作受付部31によって受け付けられたユーザの操作に応じて無線通信部33に制御指示信号を送信させる。制御部34は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。
【0019】
記憶部35は、制御部34が実行する制御プログラム等が記憶される記憶装置である。記憶部35は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0020】
加速度センサ36は、情報端末30の傾き、及び、情報端末30の動きを検出するためのセンサである。加速度センサ36は、具体的には、3軸加速度センサなどである。なお、ここでの加速度センサ36は、広義の加速度センサを意味し、加速度に基づいて傾斜を計測する傾斜センサなども含まれる。
【0021】
通信アダプタ40は、情報端末30に着脱自在に接続され、情報端末30に電波の到達範囲が限定的な通信機能を付与する装置である。通信アダプタ40は、例えば、情報端末30が有するUSB(Universal Serial Bus)ソケットに接続される。通信アダプタ40は、無線通信部41を備える。無線通信部41によって行われる無線通信の通信規格は、例えば、920MHz帯無線(特定小電力無線)などである。
【0022】
[初期設定動作(比較例)]
次に、比較例に係る初期設定動作について説明する。
図2は、比較例に係る初期設定動作のシーケンス図である。
図2の初期設定動作は、例えば、設置者によって複数の照明器具10が天井に設置された後に行われる。設置者は、ユーザの一例である。
【0023】
まず、情報端末30の操作受付部31は、初期設定動作の開始を指示する開始操作を受け付ける(S11)。操作受付部31は、例えば、開始操作を設置者から受け付ける。
【0024】
制御部34は、操作受付部31によって受け付けられた開始操作に基づき、マップ画像を含む初期設定画面を表示部32に表示する(S12)。
図3は、比較例に係る初期設定画面の一例を示す図である。マップ画像32mは、複数の照明器具10が設置されたエリアの上面から見た図であり、
図3の例では照明器具の設置位置P1~P6が丸印で示されている。つまり、マップ画像32mは、複数の照明器具10の設置位置を示す画像である。なお、
図3の初期設定画面における複数のアイコン32aは、実際にはステップS12の時点では表示されず、後述のステップS17において表示される。
【0025】
また、制御部34は、操作受付部31によって受け付けられた開始操作に基づき、無線通信部33にMAC(Media Access Control)アドレスの要求を送信させる(S13)。MACアドレスの要求は、照明コントローラ20によって複数の照明器具10へブロードキャスト送信される(S14)。
【0026】
複数の照明器具10のそれぞれは、MACアドレスの要求を受信すると、この要求への応答として、当該照明器具のMACアドレスを送信する(S15)。MACアドレスは、照明コントローラ20によって中継され、無線通信部33によって取得される(S16)。取得されたMACアドレスは、記憶部35に記憶される。
【0027】
制御部34は、無線通信部33によって複数のMACアドレスが取得されると、初期設定画面に複数のMACアドレスに1対1で対応する複数のアイコン32aを表示部32に表示する(S17)。複数のアイコン32aは、複数のMACアドレスを設置者が選択するために、設置者の操作対象となるアイコンである。
【0028】
次に、操作受付部31は、複数のアイコン32aの選択操作を受け付ける(S18)。選択操作は、例えば、複数のアイコン32aのいずれかへのタップ操作である。制御部34は、操作受付部31によって受け付けられた選択操作に基づき、無線通信部33に点滅指令を送信させる(S19)。点滅指令においては、選択されたアイコン32aに対応するMACアドレスが指定されている。点滅指令は、複数の照明器具10のうち当該MACアドレスを有する照明器具10を選択的に点滅させるための信号である。点滅指令は、照明コントローラ20によって中継され、複数の照明器具10のそれぞれによって受信される(S20)。
【0029】
複数の照明器具10のうち、点滅指令で指定されたMACアドレスを有する照明器具10(つまり、点滅指令の対象となる照明器具10)は、点滅指令を受信すると、点滅する(S21)。
【0030】
情報端末30を操作している設置者は、点滅している照明器具10の実際の設置位置を目視で確認し(S22)、点滅している照明器具10のマップ画像32m上での設置位置(例えば、設置位置P1~P6のいずれか)を選択する。操作受付部31は、マップ画像32m内の照明器具10の設置位置の選択操作を設置者受け付ける(S23)。そうすると、制御部34は、ステップS18で選択されたアイコン32aが示すMACアドレスと、ステップS23で選択された設置位置とを対応付けて記憶部35に記憶する(S24)。また、制御部34は、対応付けが完了したアイコン32aの表示を解除する(S25)。つまり、ステップS17で表示された複数のアイコン32aの数が1つ減少する。
【0031】
ステップS18~ステップS25の処理は、全てのアイコン32a(MACアドレス)と、設置位置との対応付けが完了するまで繰り返される。この結果、記憶部35には、複数の照明器具10のMACアドレスと、その設置位置との対応関係を示す対応情報が記憶される。
図4は、対応情報の一例を示す図である。
【0032】
このように記憶部35に対応情報が記憶されれば、照明システム100は、情報端末30に表示されたマップ画像を通じて設置位置が指定されることにより、当該設置位置に設置された照明器具10を発光制御することができるようになる。
【0033】
[実施の形態に係る初期設定動作]
上述のステップS22で説明したように、照明器具10の実際の設置位置と、マップ画像32m上の位置との照合は、設置者の目視によって行われる。そうすると、複数の照明器具10が数百~数千台あり、広大な空間に設置されているような場合、点滅中の照明器具10が設置者から遠く離れていることで、設置者が点滅中の照明器具10の正確な設置位置を把握できない場合がある。
【0034】
このような課題に対し、MACアドレスの要求を送信するときに電波の到達範囲を絞ることにより、情報端末30の近くに位置する照明器具10のアイコンだけを表示するような構成が考えられる。このような構成では、室内空間に設置された複数の照明器具10の総数が把握できず、複数の照明器具10の全てが適切に設置されているか(例えば、複数の照明器具10の全てが無線通信可能な状態であるか否か)など、全体的な施工の良否を把握することができない。
【0035】
そこで、照明システム100においては、複数の照明器具10の全部を対象としてMACアドレスを取得しつつ、情報端末30の近辺の照明器具10だけを対象としてもMACアドレスを取得する。
図5は、このような本実施の形態に係る初期設定動作のシーケンス図である。
【0036】
ステップS11~ステップS16の処理は、上述の通りである。ステップS16の後、制御部34は、無線通信部33によって取得されたMACアドレスを記憶部35に記憶する(S31)。
【0037】
次に、制御部34は、情報端末30に接続された通信アダプタ40の無線通信部41にMACアドレスの要求を送信させる(S32)。MACアドレスの要求は、無線通信部41によって複数の照明器具10へブロードキャスト送信される。
【0038】
無線通信部41は、送信電力、または、アンテナの指向性などが調整されることにより、電波の到達範囲が制限されている。上述のステップS14においては、照明コントローラ20は、室内空間の第一範囲(例えば、室内空間のほぼ全範囲)に、電波通信によってMACアドレスの要求を送信する。これに対し、ステップS32においては、無線通信部41は、室内空間の第一範囲よりも狭い第二範囲(例えば、情報端末30の近辺のみ)に、電波通信によってMACアドレスの要求を送信する。
【0039】
複数の照明器具10のそれぞれは、MACアドレスの要求を受信すると、この要求への応答として、当該照明器具のMACアドレスを送信する。MACアドレスは、無線通信部33によって取得される(S33)。取得されたMACアドレスは、記憶部35に記憶される(S34)。
【0040】
制御部34は、ステップS31において記憶部35に記憶された複数のMACアドレス、及び、ステップS34において記憶部35に記憶された複数のMACアドレスに基づいて、複数MACアドレスに対応する複数のアイコンを表示部32に表示する(S35)。
【0041】
ステップS35においては、ステップS16及びステップS33のうちステップS16においてのみ取得されたMACアドレスに対応する第一アイコンと、ステップS16及びステップS33のいずれにおいても取得されたMACアドレスに対応する第二アイコンとは、互いに異なる態様で表示される。
図6は、本実施の形態に係る初期設定画面の一例を示す図である。
【0042】
第一アイコン32a1は、情報端末30から遠く離れて位置する照明器具10を示し、第二アイコン32a2は、情報端末30の近くに位置する照明器具10を位置しているといえる。つまり、第二アイコン32a2は、設置者が目視で位置を確認するのに適しているが、第一アイコン32a1は、設置者が目視で位置を確認するのに適していない。そこで、
図6の例では、第一アイコン32a1は、ウォッシュアウト表示(グレー表示)され、第二アイコン32a2は、カラー表示される。
【0043】
このように、情報端末30の近くに位置する照明器具10のアイコンと、情報端末30の遠くに位置する照明器具10のアイコンとが区別して表示されれば、設置者は、目視で位置を確認するのに適した、情報端末30の近くに位置する照明器具10のアイコンだけを選択して、MACアドレスと設置位置との対応付け作業を行うことができる。つまり、設置者は、MACアドレスと設置位置との対応付け作業の効率化を図ることができる。
【0044】
なお、第一アイコン32a1への選択操作は無効とされてもよいし、有効とされてもよい。また、第一アイコン32a1への選択操作が有効で、設置者によってこのような選択操作が行われた場合には、第一アイコン32a1に対応する照明器具10が遠くに位置していること(正確な位置を把握できない可能性が高いこと)を設置者に通知するための通知画面がポップアップ表示(重畳表示)されてもよい。
図7は、このような通知画面の一例を示す図である。このような通知画面によれば、設置者が誤って第一アイコン32a1への選択操作を行ってしまうことが抑制される。
【0045】
また、第一アイコン32a1は、表示されなくてもよく、初期設定画面においては、少なくとも複数の照明器具10の総数(つまり、第一アイコン32a1の数。
図6の複数のアイコン32aの表示リストの右端に表示)と、第二アイコン32a2が表示されればよい。
【0046】
また、制御部34は、複数のアイコン32aを、第二アイコン32a2を優先してソート表示(整列表示)してもよい。
図8は、複数のアイコン32aがソート表示された初期設定画面の一例を示す図である。
図8の例では、第二アイコン32a2は、表示部32の左側に集約される。これにより、第二アイコン32a2への選択操作が容易となる。
【0047】
なお、複数のアイコン32aが表示されているときに、再度、上記ステップS13~S16、S31のMACアドレスの取得処理(以下、第一取得処理とも記載される)が行われた場合、この第一取得処理が行われる直前に表示されていた複数のアイコン32aは、更新される。
【0048】
[アイコンの表示態様の変形例]
なお、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2は、表示態様が異なればよい。以下、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2の表示態様の変形例について説明する。
【0049】
例えば、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2のうち一方に、マークが重畳されてもよい。
図9は、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2のうち第二アイコン32a2にのみ選択的にマークが重畳される例を示す図である。なお、図示されないが、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2のうち第一アイコン32a1にのみ選択的にマークが重畳されてもよい。
【0050】
また、例えば、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2は、大きさ(サイズ)が変更されてもよい。
図10は、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2のうち第二アイコン32a2が大きく表示される例を示す図である。なお、図示されないが、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2のうち第一アイコン32a1が大きく表示されてもよい。
【0051】
また、例えば、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2のうち一方が点滅表示されてもよい。
図11は、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2のうち第二アイコン32a2のみが点滅表示される例を示す図である。なお、図示されないが、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2のうち第一アイコン32a1のみが点滅表示されてもよい。また、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2の両方が点滅表示され、点滅周期が互いに異なってもよい。
【0052】
また、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2のそれぞれが文字情報を含む場合、文字の表示態様(フォント、文字の太さ、または、文字の色など)が変更されてもよい。
図12は、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2の文字の表示態様が変更される例を示す図である。
【0053】
[MACアドレスの取得処理の実行順序を制限するための動作例1]
ところで、上記ステップS13~S16、S31のMACアドレスの取得処理(以下、第一取得処理とも記載される)は、
図6の初期設定画面に表示された第一実行アイコン32bがタップ操作されることによって実行される。同様に、上記ステップS32~S34のMACアドレスの取得処理(以下、第二取得処理とも記載される)は、
図6の初期設定画面に表示された第二実行アイコン32cがタップ操作されることによって実行される。ここで、設置者は、照明システム100に含まれる照明器具10の総数を把握した上で、設置者の周辺の照明器具10の識別情報と設置位置との対応付けを開始することが好ましい。つまり、第一取得処理の後で第二取得処理が行われることが好ましい。
【0054】
そこで、第一取得処理及び第二取得処理の実行順序を制限するための動作例1について説明する。
図13は、このような動作例1のフローチャートである。
【0055】
まず、操作受付部31は、第二実行アイコン32cへのタップ操作(つまり、第二取得処理の実行を指示する操作)を受け付ける(S41)。操作受付部31によって第二実行アイコン32cへのタップ操作が受け付けられると、制御部34は、第一取得処理が実行済みであるか否かを判定する(S42)。
【0056】
制御部34は、第一取得処理が実行済みであると判定した場合(S42でYes)、第二取得処理を実行する(S43)。一方、制御部34は、第一取得処理が実行されていないと判定した場合、第一取得処理が行われていないことを設置者に通知するための通知画面を表示部32に表示し(S44)、第二取得処理を実行しない。通知画面は、例えば、初期設定画面にポップアップ表示(重畳表示)される。
図14は、第一取得処理が行われていないことを通知するための通知画面の第一例を示す図であり、
図15は、第一取得処理が行われていないことを通知するための通知画面の第二例を示す図である。なお、
図14の例では、設置者は、第一取得処理を行うために第一実行アイコン32bへの操作を行う必要があるが、
図15の例では、通知画面に含まれる「はい」のアイコンがタップ操作されることで、第一取得処理が開始される。
【0057】
このように、情報端末30は、第一取得処理を実行する前に、第二取得処理の実行を指示する操作をユーザから受け付けた場合に、第一取得処理が行われていないことを通知するための通知画面を表示部32に表示する。これにより、情報端末30は、第一取得処理が第二取得処理よりも前に行われるように設置者を誘導することができる。
【0058】
[MACアドレスの取得処理の実行順序を制限するための動作例2]
次に、第一取得処理及び第二取得処理の実行順序を制限するための動作例2について説明する。
図16は、このような動作例2のフローチャートである。
【0059】
まず、操作受付部31は、第二実行アイコン32cへのタップ操作(つまり、第二取得処理の実行を指示する操作)を受け付ける(S51)。操作受付部31によって第二実行アイコン32cへのタップ操作が受け付けられると、制御部34は、第一取得処理が実行済みであるか否かを判定する(S52)。
【0060】
制御部34は、第一取得処理が実行済みであると判定した場合(S52でYes)、第二取得処理を実行する(S53)。一方、制御部34は、第一取得処理が実行されていないと判定した場合、第一取得処理を実行し(S54)、その後、第二取得処理を実行する(S53)。
【0061】
このように、情報端末30は、第一取得処理が実行される前に、第二取得処理の実行を指示する操作が操作受付部31によって受け付けられた場合、第一取得処理を実行してから第二取得処理を実行する。つまり、第一取得処理が自動的に実行される。これにより、情報端末30は、第一取得処理が第二取得処理よりも前に行われるように設置者を誘導することができる。
【0062】
[MACアドレスの取得処理の実行順序を制限するための動作例3]
次に、第一取得処理及び第二取得処理の実行順序を制限するための動作例3について説明する。
図17は、このような動作例3のフローチャートである。
【0063】
動作例3では、第一取得処理が実行されるまでの間、第二実行アイコン32cがウォッシュアウト表示(グレー表示)され(S61)、かつ、第二実行アイコン32cへの操作が無効化される(S62)。
図18は、このような状態の初期設定画面の一例を示す図である。
【0064】
この状態で、操作受付部31は、第一実行アイコン32bへのタップ操作(つまり、第二取得処理の実行を指示する操作)を受け付ける(S63)。操作受付部31によって第一実行アイコン32bへのタップ操作が受け付けられると、制御部34は、第一取得処理を実行し(S64)、第二実行アイコン32cをウォッシュアウト表示からカラー表示に変更する(S65)。制御部34は、以降は、第二実行アイコン32cへの操作を有効なものとして取り扱う(S66)。
【0065】
このように、情報端末30は、第一取得処理が実行される前には、第二実行アイコン32cへの操作を無効なものとして取り扱う。これにより、情報端末30は、第一取得処理を第二取得処理よりも前に行うことができる。
【0066】
[MACアドレスの取得処理の実行順序を制限するための動作例4]
次に、第一取得処理及び第二取得処理の実行順序を制限するための動作例4について説明する。
図19は、このような動作例4のフローチャートである。
【0067】
動作例4では、第一取得処理が実行されるまでの間は、第一実行アイコン32bは表示されるが、第二実行アイコン32cは表示されない(S71)。
図20は、このような状態の初期設定画面の一例を示す図である。
【0068】
この状態で、操作受付部31は、第一実行アイコン32bへのタップ操作(つまり、第二取得処理の実行を指示する操作)を受け付ける(S72)。操作受付部31によって第一実行アイコン32bへのタップ操作が受け付けられると、制御部34は、第一取得処理を実行し(S73)、第二実行アイコン32cを表示する(S74)。
図21は、第二実行アイコン32cが表示された初期設定画面の一例を示す図である。なお、
図21の例では、初期設定画面においては、第一実行アイコン32bに代えて第二実行アイコン32cが表示されているが、第一実行アイコン32bに加えて第二実行アイコン32cが表示されてもよい。
【0069】
このように、情報端末30は、第一取得処理が実行された後に、設置者が第二取得処理の実行を情報端末30に指示するために操作する第二実行アイコン32cを表示部32に表示する。これにより、情報端末30は、第一取得処理を第二取得処理よりも前に行うことができる。
【0070】
[MACアドレスの取得処理の実行順序を制限するための動作例5]
次に、第一取得処理及び第二取得処理の実行順序を制限するための動作例5について説明する。
図22は、このような動作例5のフローチャートである。
【0071】
動作例5では、動作例4において、第二実行アイコン32cが表示される期間にさらに制限が加えられる。
【0072】
図20に示されるように、第二実行アイコン32cが表示されていない状態で(S81)、操作受付部31は、第一実行アイコン32bへのタップ操作(つまり、第二取得処理の実行を指示する操作)を受け付ける(S82)。操作受付部31によって第一実行アイコン32bへのタップ操作が受け付けられると、制御部34は、第一取得処理を実行し(S83)、第二実行アイコン32cを表示する(S84)。
【0073】
次に、制御部34は、第一取得処理が実行されてから(言い換えれば、第二実行アイコン32cが表示されてから)一定期間が経過したか否かを判定する(S85)。制御部34は、第一取得処理が実行されてから(言い換えれば、第二実行アイコンが表示されてから)一定期間が経過するまでは(S85でNo)、第二実行アイコン32cの表示を継続する(S84)。一方、制御部34は、第一取得処理が実行されてから(言い換えれば、第二実行アイコンが表示されてから)一定期間が経過したと判定すると(S85でYes)、第二実行アイコン32cの表示を解除し(S86)、ステップS83の第一取得処理によって取得され、かつ、記憶部35に記憶されていたMACアドレスを削除する(S87)。つまり、設置者は、第一取得処理からやり直すことになる。
【0074】
このように、情報端末30は、第一取得処理が実行された後の一定期間に第二実行アイコン32cを表示部32に表示し、一定期間の経過後に第二実行アイコン32cの表示を解除する。また、情報端末30は、第一取得処理によって取得され、かつ、記憶部35に記憶されていたMACアドレスを削除する。これにより、情報端末30は、第一取得処理、及び、第二取得処理を一定期間内に行うことができる。
【0075】
[変形例1]
第一取得処理、及び、第二取得処理がこの順で行われた後、再度第一取得処理が行われた場合には、第二取得処理によって記憶部35に記憶されたMACアドレスの削除が行われてもよい、つまり、第二取得処理のリセットが行われてもよい。
図23は、このような変形例1に係る動作のフローチャートである。
【0076】
制御部34は、第一実行アイコン32bへの操作が受け付けられたことをトリガに第一取得処理を実行し(S91)、第二実行アイコン32cへの操作が受け付けられたことをトリガに第二取得処理を実行する(S92)。その後、再度、第一実行アイコン32bへの操作が受け付けられたことをトリガに第一取得処理を実行すると(S93)、ステップS92の第二取得処理によって取得され、かつ、記憶部35に記憶されていたMACアドレスを削除する(S94)。つまり、第二取得処理によって取得されたMACアドレスがリセットされる。
【0077】
このように、情報端末30は、第二取得処理(記憶部35へのMACアドレスの記憶処理を含む)の後、第一取得処理が再度実行された場合に、第二取得処理において記憶されたMACアドレスを削除する。これにより、例えば、別の空間に移動して第一取得処理を開始するときに、前の空間において実行された第二取得処理の結果(MACアドレス)が自動的に削除される。つまり、情報端末30は、設置者の作業の効率化を支援することができる。
【0078】
なお、再度、第一取得処理が行われた場合、この第一取得処理が行われる直前に表示されていた複数のアイコン32aは、更新される。
【0079】
[変形例2]
上述のように、第一取得処理は、全ての照明器具10を対象とし、第二取得処理は、一部の照明器具10を対象としている。このため、第二取得処理において取得されたMACアドレスは必ず、第一取得処理において取得されたMACアドレスに含まれるはずである。しかしながら、通信状況が悪い時などには、このようにならないイレギュラーなケースが想定される。以下、このようなイレギュラーなケースを想定した変形例2に係る動作について説明する。
図24は、このような変形例2に係る動作のフローチャートである。
【0080】
制御部34は、第一実行アイコン32bへの操作が受け付けられたことをトリガに第一取得処理を実行し(S101)、第二実行アイコン32cへの操作が受け付けられたことをトリガに第二取得処理を実行する(S102)。その後、制御部34は、第一取得処理によって取得されたMACアドレスと、第二取得処理によって取得されたMACアドレスとを比較し(S103)、第二取得処理において取得されたMACアドレスに、第一取得処理において取得されなかったMACアドレスが含まれるか否かを判定する(S104)。
【0081】
第二取得処理において取得されたMACアドレスに、第一取得処理において取得されなかったMACアドレスが含まれないと判定されると(S104でNo)、動作は終了となる。一方、制御部34は、第二取得処理において取得されたMACアドレスに、第一取得処理において取得されなかったMACアドレスが含まれると判定すると(S104でYes)、新たなMACアドレスが取得されたことを設置者に通知するための通知画面を表示部32に表示する(S105)。通知画面は、例えば、初期設定画面にポップアップ表示(重畳表示)される。
図25は、新たなMACアドレスが取得されたことを通知するための通知画面の第一例を示す図であり、
図26は、このような通知画面の第二例を示す図である。
【0082】
なお、
図25の例では、通知画面に含まれる「OK」のアイコンがタップ操作されることで、新たなMACアドレスが、第一取得処理によって取得されたMACアドレスとして登録される。
図26の例では、通知画面に含まれる「リストを更新する」のアイコンがタップ操作されることで、再度、第一取得処理が実行される。
【0083】
このように情報端末30は、第二取得処理において取得されたMACアドレスに、第一取得処理において取得されなかったMACアドレスが含まれる場合、その旨を通知するための第二通知画面を表示部32に表示する。これにより、設置者は、新たにMACアドレスが取得されたことを容易に認識することができる。
【0084】
なお、複数のアイコン32aの表示リストにおいて、新たに取得されたMACアドレスに対応するアイコンは、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2のいずれとも異なる態様で表示されてもよい。
図27は、新たに取得されたMACアドレスに対応するアイコン32a3の表示例を示す図である。これにより、設置者は、新たに取得されたMACアドレスに対応するアイコンを容易に認識することができる。
【0085】
[変形例3]
MACアドレスと設置位置との対応付け作業において、設置者は、情報端末30を操作して第二取得処理を実行することを、室内空間において移動しながら何度か繰り返すことになる。ここで、室内空間内のどの場所(位置)で第二取得処理の実行を指示したかが履歴として記憶部35に記憶され、設置者の求めに応じて表示されてもよい。
図28は、このような変形例3に係る動作のフローチャートである。
【0086】
まず、操作受付部31は、第二実行アイコン32cへのタップ操作を受け付ける(S111)。操作受付部31によって第二実行アイコン32cへのタップ操作が受け付けられると、制御部34は、第二取得処理を実行する(S112)。
【0087】
このとき、制御部34は、情報端末30の現在位置を算出する(S113)。例えば、室内空間に、設置位置が既知の複数の無線通信機が設置されていれば、制御部34は、複数の無線通信機それぞれが発する信号(電波)の受信信号強度に基づいて、情報端末30の現在位置を算出(推定)することができる。なお、複数の無線通信機それぞれが発する信号(電波)は、無線通信部33によって受信されてもよいし、無線通信部41によって受信されてもよい。また、制御部34は、加速度センサ36を用いて初期位置からの変位を算出することにより、情報端末30の現在位置を算出してもよい。
【0088】
そして、制御部34は、算出した情報端末30の現在位置を、第二取得処理が行われた位置(位置情報)として記憶部35に記憶する(S114)。その後、操作受付部31によって第二取得処理が行われた位置の表示を要求する操作が受け付けられると(S115)、制御部34は、マップ画像32mに第二取得処理が行われた位置を示すアイコン32dを重畳表示する(S116)。
図29は、第二取得処理が行われた位置の表示例を示す図である。
【0089】
このように、情報端末30は、第二取得処理が実行されたときの室内空間における情報端末30の位置を表示する。これにより、情報端末30は、設置者が、第二取得処理が行われた位置を把握することを支援することができる。
【0090】
[効果等]
以上説明したように、情報端末30などのコンピュータによって実行される情報処理方法は、情報端末30によって実行される情報処理方法であって、複数の照明器具10が設置された空間の第一範囲に電波通信によって送信された第一要求への応答として、複数の照明器具10の識別情報を取得する第一取得ステップ(S16など)と、空間の第一範囲よりも狭い第二範囲に電波通信によって送信された第二要求への応答として、複数の照明器具10の一部の識別情報を取得する第二取得ステップ(S33など)とを含む。このような情報処理方法は、例えば、
図5に示される。識別情報は、例えば、MACアドレスである。
【0091】
このような情報処理方法は、電波の到達範囲の異なる2回の電波通信のそれぞれにおいて識別情報を取得することで、空間における全ての照明器具10の識別情報と、情報端末30の近くに位置する一部の照明器具10の識別情報とを区別してユーザに表示することができる。つまり、情報処理方法は、情報端末30の近くに位置する照明器具10をユーザに提示することができる。
【0092】
また、例えば、情報処理方法は、さらに、第一取得ステップを実行する前に、第二取得ステップの実行を指示する操作をユーザから受け付けた場合に、第一取得ステップが行われていないことを通知するための通知画面を表示部32に表示する第一通知ステップ(S44)を含む。このような情報処理方法は、例えば、
図13に示される。ユーザは、例えば、設置者である。
【0093】
このような情報処理方法は、第一取得ステップが第二取得ステップよりも前に行われるようにユーザを誘導することができる。
【0094】
また、例えば、第一取得ステップが実行される前に、第二取得ステップの実行を指示する操作が操作受付部31によって受け付けられた場合、第一取得ステップが実行されてから第二取得ステップが実行される。このような情報処理方法は、例えば、
図16に示される。
【0095】
このような情報処理方法は、第一取得ステップが第二取得ステップよりも前に行われるようにユーザを誘導することができる。
【0096】
また、例えば、第二取得ステップは、第一取得ステップが実行済みであることを要件として実行される。
【0097】
このような情報処理方法は、第一取得ステップを第二取得ステップよりも前に行うことができる。
【0098】
また、例えば、情報処理方法は、さらに、ユーザが第一取得ステップの実行を情報端末30に指示するために操作する第一実行アイコン32bを表示部32に表示する第一表示ステップ(S71)と、第一取得ステップが実行された後に、ユーザが第二取得ステップの実行を情報端末30に指示するために操作する第二実行アイコン32cを表示部32に表示する第二表示ステップ(S74)とを含む。このような情報処理方法は、例えば、
図19に示される。
【0099】
このような情報処理方法は、第一取得ステップを第二取得ステップよりも前に行うことができる。
【0100】
また、例えば、第二表示ステップ(S84)においては、第一取得ステップが実行された後の一定期間に第二実行アイコン32cを表示部32に表示し、一定期間の経過後に第二実行アイコン32cの表示を解除する。このような情報処理方法は、例えば、
図22に示される。
【0101】
このような情報処理方法は、第一取得処理、及び、第二取得処理を一定期間内に行うことができる。
【0102】
また、例えば、情報処理方法は、さらに、ユーザが第一取得ステップの実行を情報端末30に指示するために操作する第一実行アイコン32bを表示部32に表示する第一表示ステップと、ユーザが第二取得ステップの実行を情報端末30に指示するために操作する第二実行アイコン32cを表示部32に表示する第二表示ステップ(S61)とを含み、第一取得ステップが実行される前には、第二実行アイコン32cへの操作は無効とされる(S62)。このような情報処理方法は、例えば、
図17に示される。
【0103】
このような情報処理方法は、第一取得ステップを第二取得ステップよりも前に行うことができる。
【0104】
また、例えば、情報処理方法は、さらに、第二取得ステップにおいて取得された識別情報を記憶部35に記憶する第一記憶ステップ(S91)と、第一記憶ステップの後、第一取得ステップが再度実行された場合に、第一記憶ステップにおいて記憶された識別情報を削除する削除ステップ(S94)とを含む。このような情報処理方法は、例えば、
図23に示される。
【0105】
このような情報処理方法は、第一取得処理が行われるごとに、第二取得処理の結果(識別情報)を自動的に削除することで、ユーザの作業の効率化を支援することができる。
【0106】
また、例えば、情報処理方法は、さらに、第二取得ステップにおいて取得された識別情報に、第一取得ステップにおいて取得されなかった識別情報が含まれる場合、その旨を通知するための第二通知画面を表示部32に表示する第二通知ステップ(S105)を含む。このような情報処理方法は、例えば、
図24に示される。
【0107】
このような情報処理方法は、ユーザが新たな識別情報が取得されたことを認識することを支援することができる。
【0108】
また、例えば、情報処理方法は、さらに、第一取得ステップ及び第二取得ステップのうち第一取得ステップにおいてのみ取得された識別情報を選択するための第一アイコン32a1、並びに、第一取得ステップ及び第二取得ステップのいずれにおいても取得された識別情報を選択するための第二アイコン32a2を、互いに異なる態様で表示部32に表示する第三表示ステップ(S35)を含む。このような情報処理方法は、例えば、
図5に示される。
【0109】
このような情報処理方法は、目視による確認が容易な、情報端末30の近くに位置する照明器具10の識別情報をユーザが選択することを支援することができる。
【0110】
また、例えば、第三表示ステップの後に再度第一取得ステップが実行された場合、表示中の第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2が更新される。
【0111】
このような情報処理方法は、第一取得処理が行われるごとに、複数のアイコン32aを更新することで、ユーザの作業の効率化を支援することができる。
【0112】
また、例えば、第三表示ステップにおいては、第一アイコン32a1及び第二アイコン32a2を含む複数のアイコン32aが表示される。情報処理方法は、さらに、複数の照明器具10の設置位置を示すマップ画像32mを表示部32に表示する第四表示ステップ(S12)と、複数のアイコン32aの選択操作、及び、マップ画像32m内の照明器具10の設置位置の選択操作を受け付ける受付ステップ(S23)と、受け付けられた選択操作に基づいて、選択されたアイコン32aが示す識別情報を、選択された設置位置と対応付けて記憶する第二記憶ステップ(S24)と、複数のアイコン32aのうち、設置位置との対応付けが完了したアイコン32aの表示を解除する表示解除ステップ(S25)とを含む。このような情報処理方法は、例えば、
図5に示される。
【0113】
このような情報処理方法によれば、ユーザは、目視による確認が容易な、情報端末30の近くに位置する照明器具10の設置位置への対応付けを優先して行うことができる。つまり、情報処理方法は、アイコン32aの設置位置への対応付け作業の効率化を支援することができる。
【0114】
また、例えば、情報処理方法は、さらに、第二取得ステップが実行されたときの空間における情報端末30の位置を表示する第五表示ステップ(S116)を含む。このような情報処理方法は、例えば、
図28に示される。
【0115】
このような情報処理方法は、ユーザが、第二取得ステップが行われた位置を把握することを支援することができる。
【0116】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0117】
例えば、上記実施の形態では、識別情報としてMACアドレスが例示されたが、識別情報は、照明器具を一意に特定できるものであればよく、MACアドレスに限定されない。
【0118】
また、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法は、一例である。装置間の通信方法については特に限定されるものではない。
【0119】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0120】
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0121】
また、制御部などの構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、制御部などの構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0122】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、上記実施の形態の照明システムまたは情報端末として実現されてもよいし、情報処理方法を情報端末に実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録された非一時的な記録媒体として実現されてもよい。なお、このようなプログラムには、汎用の情報端末を上記実施の形態の情報端末として動作させるためのアプリケーションプログラムが含まれる。
【0123】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0124】
10 照明器具
30 情報端末
31 操作受付部
32 表示部
32a、32a3 アイコン
32a1 第一アイコン
32a2 第二アイコン
32b 第一実行アイコン
32c 第二実行アイコン
32m マップ画像