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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20230630BHJP
   G06Q 50/00 20120101ALI20230630BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q50/00 300
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021043429
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2022143090
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2021-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】517268544
【氏名又は名称】AIQ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】弁理士法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高松 睦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 求
(72)【発明者】
【氏名】高島 孝太郎
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-028793(JP,A)
【文献】特開2020-184260(JP,A)
【文献】特開2019-139364(JP,A)
【文献】特開2019-148943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品の売り上げを管理するための売上管理装置と、前記商品をWebページを経由して販売する販売Webサーバと、SNSを提供するSNSサーバとに対してインターネット回線を介して接続される販売力予測装置において、
前記SNSサーバに対して、前記商品の販売者としての投稿者が投稿した複数の投稿画像、前記投稿者をフォローするフォロワー各々のプロフィール、前記投稿画像各々に対する複数種類のエンゲージメント(評価、コメント、前記投稿画像の保存)を実行した複数のエンゲージメントユーザ各々のプロフィール、前記投稿画像各々に対するコメント及び前記コメントに対する前記投稿者による返信を要求し、受信する手段と、
前記売上管理装置に対して、前記投稿者による前記商品の売上実績を要求し、受信する手段と、
前記販売Webサーバに対して、前記SNSを経由して前記Webページへ流入した流入数を要求し、受信する手段と、
前記エンゲージメント各々の数に基づいて前記投稿画像各々に関するユーザの反応程度を表す反応スコアを前記投稿画像ごとに計算する手段と、
前記フォロワーのプロフィールと前記エンゲージメントユーザのプロフィールとに基づいて、前記投稿画像の中の特定の投稿画像の商品に対して事前設定されているターゲット層に対する前記フォロワー及び前記エンゲージメントユーザの整合度を表す整合度スコアを計算する手段と、
前記投稿画像の数と前記流入数とに基づいて、前記投稿者の接客能力を表す接客スコアを計算する手段と、
前記SNSを通じて前記投稿者が前記商品を販売する能力を表す販売力スコアを計算する手段と、を具備する販売力予測装置。
【請求項2】
前記販売力スコアと前記売上実績とに基づいて、売上予測を計算する手段をさらに備える、請求項1記載の販売力予測装置。
【請求項3】
前記投稿画像各々の商品の属性と、前記投稿画像各々に対して投稿された前記コメントの言語処理結果とに基づいて、前記コメントを送信した前記フォロワー、前記エンゲージメントユーザの嗜好傾向を推定する手段と、
前記特定の投稿画像の商品の属性に対する前記フォロワー、前記エンゲージメントユーザの嗜好傾向の整合度を計算する手段とをさらに備え、
前記整合度スコアを計算する手段は、前記特定の投稿画像の商品に対して事前設定されているターゲット層に対する前記フォロワー及び前記エンゲージメントユーザの整合度に加えて、前記特定の投稿画像の商品の属性に対する前記フォロワー、前記エンゲージメントユーザの嗜好傾向の整合度に基づいて、前記整合度スコアを計算する、請求項1記載の販売力予測装置。
【請求項4】
前記コメントの言語処理結果に基づいて、前記投稿画像内の商品の種類を特定する手段と、
前記特定した商品の種類に応じて選択された畳み込みニューラルネットワークに前記投稿画像を適用することにより前記投稿画像に映っている商品を特定する手段とをさらに備える、請求項3記載の販売力予測装置。
【請求項5】
前記投稿画像を畳み込みニューラルネットワークに適用することにより前記投稿画像が商品単体カテゴリーと前記商品を構図に含むカテゴリーとのいずれのカテゴリーであるかを判定する手段とをさらに備え、
前記接客スコアを計算する手段は、前記投稿画像の数と前記流入数とに加えて、前記投稿画像のカテゴリーに割り当てられているスコアに基づいて、前記接客スコアを計算する、請求項1記載の販売力予測装置。
【請求項6】
前記接客スコアを計算する手段は、前記投稿画像の数と前記流入数と前記投稿画像のカテゴリーに割り当てられているスコアとに加えて、前記フォロワーの数と前記コメントに対する返信率とに基づいて、前記接客スコアを計算する、請求項5記載の販売力予測装置。
【請求項7】
前記反応スコアを計算する手段、前記整合度スコアを計算する手段、前記接客スコアを計算する手段、前記販売力スコアを計算する手段はそれぞれニューラルネットワークにより構成される請求項1記載の販売力予測装置。
【請求項8】
複数の商品の売り上げを管理するための売上管理装置と、前記複数の商品をWebページを経由して販売する販売Webサーバと、SNSを提供するSNSサーバとに対してインターネット回線を介して接続される販売力予測装置において、
前記SNSサーバに対して、前記複数の商品の販売者としての投稿者が投稿した投稿画像の数、前記投稿画像各々に対する複数種類のエンゲージメント(評価、コメント、前記投稿画像の保存)の数を要求し、受信する手段と、
前記売上管理装置に対して、前記投稿者による売上実績を要求し、受信する手段と、
前記販売Webサーバに対して、前記SNSを経由して前記Webページへ流入した流入数を要求し、受信する手段と、
前記投稿画像の数と、前記エンゲージメントの数と、前記流入数とに基づいて、前記SNSを通じて前記投稿者が前記商品を販売する能力を表す販売力スコアを計算する手段と、
前記販売力スコアと前記売上実績とに基づいて、売上予測を計算する手段とを具備する販売力予測装置。
【請求項9】
複数の商品の売り上げを管理するための売上管理装置と、SNSを提供するSNSサーバとに対してインターネット回線を介して接続される販売力予測装置において、
前記売上管理装置から受信した前記投稿者による売上実績情報に加えて、前記SNSサーバから受信した前記複数の商品の販売者としての投稿者による投稿に関する情報に基づいて、前記SNSを通じて前記投稿者が前記商品を販売する能力を表す販売力スコアを推定する、販売力予測装置。
【請求項10】
複数の商品の売り上げを管理するための売上管理装置と、前記商品をWebページを経由して販売する販売Webサーバと、SNSを提供するSNSサーバとに対してインターネット回線を介して接続されるコンピュータを、
前記SNSサーバに対して、前記商品の販売者としての投稿者が投稿した複数の投稿画像、前記投稿者をフォローするフォロワー各々のプロフィール、前記投稿画像各々に対する複数種類のエンゲージメント(評価、コメント、前記投稿画像の保存)を実行した複数のエンゲージメントユーザ各々のプロフィール、前記投稿画像各々に対するコメント及び前記コメントに対する前記投稿者による返信を要求し、受信する手段と、
前記売上管理装置に対して、前記投稿者による前記商品の売上実績を要求し、受信する手段と、
前記販売Webサーバに対して、前記SNSを経由して前記Webページへ流入した流入数を要求し、受信する手段と、
前記エンゲージメント各々の数に基づいて前記投稿画像各々に関するユーザの反応程度を表す反応スコアを前記投稿画像ごとに計算する手段と、
前記フォロワーのプロフィールと前記エンゲージメントユーザのプロフィールとに基づいて、前記投稿画像の中の特定の投稿画像の商品に対して事前設定されているターゲット層に対する前記フォロワー及び前記エンゲージメントユーザの整合度を表す整合度スコアを計算する手段と、
前記投稿画像の数と前記流入数とに基づいて、前記投稿者の接客能力を表す接客スコアを計算する手段と、
前記SNSを通じて前記投稿者が前記商品を販売する能力を表す販売力スコアを計算する手段として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
複数の商品の売り上げを管理するための売上管理装置と、前記商品をWebページを経由して販売する販売Webサーバと、SNSを提供するSNSサーバとに対してインターネット回線を介して接続されるコンピュータを、
複数の商品の売り上げを管理するための売上管理装置と、前記複数の商品をWebページを経由して販売する販売Webサーバと、SNSを提供するSNSサーバとに対してインターネット回線を介して接続される販売力予測装置において、
前記SNSサーバに対して、前記複数の商品の販売者としての投稿者が投稿した投稿画像の数、前記投稿画像各々に対する複数種類のエンゲージメント(評価、コメント、前記投稿画像の保存)の数を要求し、受信する手段と、
前記売上管理装置に対して、前記投稿者による売上実績を要求し、受信する手段と、
前記販売Webサーバに対して、前記SNSを経由して前記Webページへ流入した流入数を要求し、受信する手段と、
前記投稿画像の数と、前記エンゲージメントの数と、前記流入数とに基づいて、前記SNSを通じて前記投稿者が前記商品を販売する能力を表す販売力スコアを計算する手段と、
前記販売力スコアと前記売上実績とに基づいて、売上予測を計算する手段として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
複数の商品の売り上げを管理するための売上管理装置と、SNSを提供するSNSサーバとに対してインターネット回線を介して接続されるコンピュータを、
前記売上管理装置から受信した前記投稿者による売上実績情報に加えて、前記SNSサーバから受信した前記複数の商品の販売者としての投稿者による投稿に関する情報に基づいて、前記SNSを通じて前記投稿者が前記商品を販売する能力を表す販売力スコアを推定する手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売員がインターネットを通じて販売する販売能力を予測するための情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、店舗において販売員が接客しながら商品を販売する販売形態(実店舗販売)が難しくなってきている。販売総売上に対する実店舗販売額の割合が下がり、インターネットを介した電子商取引(EC:Electronic Commerce)を利用した販売形態(EC販売)の割合が拡大しつつある。
【0003】
さらに、ECサイトへの集客にSNS(Social networking service)を活用すること、つまり実店舗の販売員(投稿者)が例えばインスタグラム(登録商標)に商品の画像等を投稿し、その投稿からECサイトにユーザを誘導することが盛んになってきている。
【0004】
しかし、店舗販売と異なり、SNSを活用した集客及び販売力の予測処理は手法が確立していない現状では非常に難しく、その精度は高くはない。またSNSを活用して集客を増やし、売上を増大させるために、何が足りていないのか、どのような活動をすればよいのか、混沌としており、投稿者は勿論のこと、企業側にとってもSNS活用について教育できない状況にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目的は、SNS活動を経由したEC販売の販売力の予測精度を向上すること、さらにSNS活動によりEC販売の売上を増やすには何が足りていないのか、どのような活動をすれば良いのかについての提案を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る情報処理装置は、複数の商品の売り上げを管理するための売上管理装置と、SNSを提供するSNSサーバとに対してインターネット回線を介して接続され、売上管理装置から受信した複数の商品の販売者としての投稿者による売上実績情報に加えて、SNSサーバから受信した投稿者による投稿に関する情報に基づいて、SNSを通じて投稿者が商品を販売する能力を表す販売力スコアを推定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1はSNS画面の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る販売力予測処理装置(情報処理装置)を含む全体システムの構成図である。
図3図3は、図1の販売力予測処理装置のブロック図である。
図4図4は、図3の記憶装置に記憶される各種データを示す図である。
図5図5は、図2のプロセッサで実現されるニューラルネットワークのデータの入出力を示す図である。
図6図6は、本実施形態における情報処理の動作手順を示すフローチャートである。
図7図7は、図6の商品番号、投稿画像のカテゴリー、嗜好傾向の推定処理の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、人と人とのつながりを促進・サポートするコミュニティ型のサービスとしてソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という)、インターネットなどのネットワークを介して商品やサービスをウェブサイトで販売するサービスを展開するEC(electronic commerce、電子商取引)サービス、YouTube(登録商標)等の動画投稿閲覧サービス等の画像(静止画、動画を含む)が投稿されるインターネットサービスに関連する。ここでは「フェイスブック(登録商標)」、「ツイッター(登録商標)」、「インスタグラム(登録商標)」を代表例とするSNSを例に説明する。またここでは、洋服を店舗及びWeb経由で販売する場合を例に説明する。
【0009】
これらSNSは自分のプロフィールや趣味等に関する画像を自身のコメントと共に投稿でき、またそれを閲覧するユーザからコメントの投稿、「いいね」や「やだね」等の好感、否定及び共感等の評価、投稿画像の保存等の反応(エンゲージメント)を返すことができるコミュニティ性の高いインターネット上のサービスである。またユーザは投稿者をフォローすることもできる。通常、投稿者は自身のプロフィール画面等から各エンゲージメントの数やエンゲージメントユーザ及びフォロワーのアカウントを視認することができる
まずSNS画面構成について簡単に説明する。図1にはインスタグラムのユーザの端末に表示される画面例を示している。図1(a)に例示するように当該画面には、投稿者が投稿した投稿画像の枚数、投稿者をフォローしているフォロワーの数、投稿者がフォローしているユーザの数(フォロー数)、投稿画像、投稿画像に対して投稿者が付帯させたコメント、「いいね」や「やだね」等の好感、否定及び共感等の評価ボタン、投稿画像に対して閲覧者がコメントを投稿するコメントボタン、閲覧者が投稿画像を保存する画像保存ボタン、投稿画像に対して閲覧者が投稿したコメントが表示される。
【0010】
図2に示すように本実施形態に係る販売力予測装置1に対して、公衆通信回線網(インターネット回線)9を介して、店舗販売及びWeb販売による複数の商品の売り上げを管理するための売上管理装置2と、複数の商品をWebページを経由して販売する販売Webサーバ3と、SNSを提供するSNSサーバ4とが接続される。またSNSサーバ4にはインターネット回線9を介して投稿者や閲覧者などのSNSユーザが所有するPC、スマートフォン、PHS、PDA、タブレット端末などの端末(ユーザ端末)5-8が接続される。例えば、投稿者はユーザ端末5を介して画像やコメント等をSNSサーバ4に投稿することができる。またエンゲージメントユーザは、投稿に対してコメント、「いいね」や「やだね」等の評価、画像保存等のエンゲージメントを発信することができ、また投稿者をフォローすることができる。なお、当該SNSアカウントにより当該SNS上に構築された商品販売用ページのサイトは、販売Webサーバ3により提供される商品販売Webサイトと実質的に同一である。
【0011】
図3に示すように販売力予測装置1は、情報処理装置により実現されるもので、プロセッサ11に対してシステムバス20を介して、RAM12、ROM13、記憶装置14、入力コントローラ15、ビデオコントローラ16、通信装置17が接続される。入力コントローラ15には入力デバイス18が接続される。ビデオコントローラ16にはディスプレイ19が接続される。
【0012】
プロセッサ201は、例えばCPU(Central Processing Unit)、及びGPU(Graphics Processing Unit)により構成される。プロセッサ11は、記憶装置14及びROM13からRAM12にロードされたプログラムを実行して、販売力予測処理を実行する。RAM12は、プロセッサ11の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM13あるいは記憶装置14は、プロセッサ201により実行されるBIOS(Basic Input Output System)、オペレーティングシステムプログラム(OS)、本実施形態に係る販売力予測処理プログラム、その他前処理等の各種機能を実現するためのプログラム、それら処理に必要とされる各種データ等が記憶される。
【0013】
入力コントローラ15で、キーボード(KB)、マウスやタッチパネル等のポインティングデバイス等の入力デバイス18からの入力を制御する。ビデオコントローラ16は、プロセッサ11の制御のもとで、LCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ19の表示を制御する。
【0014】
記憶装置14には、販売力予測処理用プログラム及び前処理用プログラムの他に、販売力予測処理や前処理等に必要とされる各種データが予め記憶される。図4(a)に例示するように、商品属性に関するデータとして、商品を特定するための商品番号に、その商品の基本的な色調、商品がトップスであるのかアウターであるのか等のその種類(商品カテゴリー)、商品が新作であるのか旧作であるのかさらにセール品であるのか等を区別する販売区分を表す商品区分、デザインの基本的な分類などの属性が対応付けられている。図4(b)に例示するように、商品ターゲット層に関するデータとして、商品番号に、商品がターゲットとする性別、年齢層などが対応付けられている。
【0015】
図4(c)に例示するように、投稿画像カテゴリースコアに関するデータとして、投稿画像が商品単体の画像であるのか、商品を構図に含む画像であるのか、そのカテゴリーに対して個別にスコアが設定されている。さらに詳細に、商品を構図に含む画像として、他の商品(洋服)と組み合わせて着用したコーディネートの画像であるのか、商品を着用したモデル等を風景の中でリラックスした状態で写した画像であるのか、商品を着用したモデル等を仕事場等の中で写した画像であるのかが区別される。商品の売れ行きは、投稿画像が商品単体の画像である場合よりも、商品を構図に含む画像である場合が高いと想定され、さらに商品を構図に含む画像であっても、コーディネート画像よりも、風景画像や仕事場画像である場合が高いと想定されている。想定される売れ行きの増加に応じて投稿画像カテゴリースコアも高値が設定されるべきであり、これら売れ行きの想定に応じて投稿画像カテゴリースコアが予め個々に設定されている。
【0016】
図4(d)に例示するように、商品固有スコアに関するデータとして、商品番号に、商品に対して個別にスコアが設定されている。商品固有スコアとは、ブランド力、デザイン力、素材品質等によるその商品が内在している売れる力を総合的に既定したスコアであり、換言すると、商品ごとにその売れ行きが予想されており、その予想に応じて販売予定数が設定されることが多く、販売予定数に応じたスコアが既定されている。想定される売れ行きの増加に応じて商品固有スコアも高値が設定されるべきであり、その商品が内在する売れる力、売れ行きの想定に応じて商品固有スコアが予め個々に設定されている。なお、商品固有スコアは実際の販売数に応じて適宜更新されることが好ましい。
【0017】
なお、予測処理は例えば予測処理時点とそれより所定期間(1週間若しくは1か月等)前の時点との間の期間を“予測処理対象期間”として、この予測処理対象期間内に投稿された投稿画像が予測処理対象とされる。
【0018】
販売力予測用プログラムはそれを実行するプロセッサ11を、
SNSサーバ4に対して、商品の販売者としての投稿者が予測処理対象期間内に投稿した複数の投稿画像、投稿者をフォローするフォロワー各々のプロフィール、投稿画像各々に対する複数種類のエンゲージメント数(評価数、コメント数、投稿画像の保存数)、投稿画像各々に対する複数種類のエンゲージメント(評価、コメント、投稿画像の保存)を実行した複数のエンゲージメントユーザ各々のプロフィール、投稿画像各々に対するコメント及びその返信を要求し、受信する手段と、
売上管理装置2に対して、投稿者による商品の売上実績を要求し、受信する手段と、
販売Webサーバ3に対して、SNSを経由して販売Webページへ流入した流入数を要求し、受信する手段として機能させる。
【0019】
さらに、販売力予測用プログラムはプロセッサ11を、
予測処理対象期間内に投稿された投稿画像に対するいいね数、やだね数等の評価数、コメント数及び保存数と、商品固有スコアとに基づいて投稿画像各々に関するユーザの反応程度を表す反応スコアを投稿画像ごとに計算する手段と(図5(a)参照)、
予測処理時点のフォロワーのプロフィールとエンゲージメントユーザのプロフィールとに基づいて、予測処理対象期間内の投稿画像の商品に対して事前設定されているターゲット層に対するフォロワー及びエンゲージメントユーザの整合度と、対象画像の商品の属性に対するフォロワー及びエンゲージメントユーザの嗜好傾向の整合度とに基づいて、対象画像の商品とフォロワー及びエンゲージメントユーザとの整合程度を表す整合度スコアを計算する手段と(図5(b)参照)、
予測処理対象期間内に投稿者により投稿された全ての投稿画像の数と、それら投稿画像のページから販売Webページへ流入した流入数、さらに予測処理時点のフォロワー数、フォロー数、これら投稿画像に対して付けられたコメントの数、当該コメントに対する返信数、当該コメントに対する返信率、予測処理対象期間内に投稿者により投稿された全ての投稿画像各々のカテゴリースコアに基づいて、投稿者固有の接客能力を表す接客スコアを計算する手段と(図5(c)参照)、
商品スコア、整合度スコア、接客スコアに基づいて、SNSを通じて投稿者が商品を販売する能力を表す販売力スコアを計算する手段と(図5(d)参照)、
販売力スコアと売上実績と、さらに予測処理時点の季節とに基づいて、売上予測(週単位/月単位/年単位等の売上予測額)を計算する手段(図5(e)参照)として機能させる。
【0020】
なお、これら処理手段は、プロセッサ11におけるニューラルネットワークにより実現される。ニューラルネットワークは、週及び月に一回の頻度又は任意の頻度で定期的に、エンゲージメント数、整合度、流入数、フォロワー数、フォロー数、コメント数、コメントに対する返信数、コメントに対する返信率、および投稿画像のカテゴリースコア等とその週単位又は月単位の売上実績とを教師データとして取り込み、機械学習される。
【0021】
またプログラムはプロセッサ11を、
予測処理対象期間内に投稿者により投稿された全ての投稿画像各々を畳み込みニューラルネットワークに適用することにより投稿画像が商品単体カテゴリーと、商品を構図に含むカテゴリーとのいずれのカテゴリーに属する画像であるかを判定する手段と、
予測処理対象期間内に投稿者により投稿された全ての投稿画像各々を畳み込みニューラルネットワークに適用することにより当該投稿画像各々に写っている商品の商品番号を特定する手段と、
予測処理対象期間内に投稿者により投稿された全ての投稿画像各々から特定された商品の属性と、当該投稿画像各々に対して投稿されたコメントの言語処理結果(形容詞、副詞)とに基づいて、当該投稿画像各々に対してコメントを送信した閲覧者のうちフォロワー、エンゲージメントユーザの嗜好傾向を推定する手段として機能させる。
【0022】
なお、フォロワー、エンゲージメントユーザの嗜好傾向は、当以外投稿者による過去全ての投稿画像を対象として推定するものであってもよい。
【0023】
商品を特定する手段として、プログラムはプロセッサ11を、
投稿者のコメントの言語処理結果(名詞)から商品の種類を特定する手段と、
複数の商品の種類にそれぞれ対応して用意されている複数の畳み込みニューラルネットワークから、特定された商品の種類に従って一の畳み込みニューラルネットワークを選択する手段と、
商品種類に応じて選択された一の畳み込みニューラルネットワークに投稿画像(対象画像)を適用することにより投稿画像に映っている商品を特定する手段として機能させる。
【0024】
本実施形態では、反応スコア、整合度スコア及び接客スコアに基づいて、SNSを通じて投稿者が商品を販売する能力を数値化した販売力スコアが得られるので、当該能力を客観的に投稿者ごとに評価する基礎資料として活用できるとともに、販売力スコアを高めるために何が必要なのか、何が足りないのかを、反応スコア、整合度スコア、接客スコア、それぞれのスコアの基礎になった情報から具体的に把握することができ、どのようなSNS活動を増やすのか、より具体的に認識することができるようになる。さらには販売力スコアと売上実績とからSNS活動による売上を高精度で予測することができる。
【0025】
次に本実施形態に係る販売力予測装置1の処理手順を説明する。
図6に示すように、例えば売上管理装置2又は他の端末から販売力予測装置1に、販売力予測依頼が予測対象の販売員(画像投稿者)のSNSアカウントと共に送信される。販売力予測装置1は、売上管理装置2に対して売上実績データの提供を要求する。それに呼応して売上管理装置2は、販売力予測装置1に、予測対象の販売員の売上実績データを返信する。売上実績データとしては、予測処理対象期間内で販売した商品番号、その販売価格、販売日時等が含まれる。なお、売上実績データとしては、予測処理対象期間に制限することなく、当該投稿者が過去全ての販売した全ての商品に関するものであってもよい。
【0026】
また、販売力予測装置1は、販売Webサーバ3に対して、予測処理対象期間においてSNSにおける当該販売員(画像投稿者)のSNSアカウントのページを経由して販売Webページへ流入した流入数を要求する。それに呼応して、販売Webサーバ3は、販売力予測装置1に、当該流入数のデータを返信する。
【0027】
さらに、販売力予測装置1は、SNSサーバ4に対して、当該投稿者が予測処理対象期間に当該SNSアカウントを使用して投稿した複数の投稿画像、当該投稿者を予測処理時点においてフォローするフォロワー各々のプロフィール、投稿画像各々に対する複数種類のエンゲージメント数(評価数、コメント数、投稿画像の保存数)、投稿画像各々に対する複数種類のエンゲージメント(評価、コメント、投稿画像の保存)を実行した複数のエンゲージメントユーザ各々のプロフィール、投稿画像各々に対するコメント及びそのコメントに対して当該投稿者が返信した数及び返信内容を要求する。それに呼応して、SNSサーバ4は、販売力予測装置1に、予測処理対象期間内の全ての投稿画像、現時点のフォロワープロフィール、予測処理対象期間内の全ての投稿画像各々のエンゲージメント数(評価数、コメント数、投稿画像の保存数)、それらエンゲージメントユーザのプロフィール、コメント、返信数及び返信内容を返信する。
【0028】
次にプロセッサ11は、コメントに対して言語解析処理を実行して、それに含まれる名詞、形容詞、副詞等を抽出する。プロセッサ11は、言語解析結果の名詞から商品種類(トップス/ボトムス等)を推定して、その種類に応じた畳み込みニューラルネットワークを選択し、投稿画像に対して畳み込みニューラルネットワークを実行して投稿画像内の商品の商品番号を特定する。
【0029】
実際には、図7に示すように、セパレータ111は画像とコメントとを分離する、画像は、オブジェクト抽出処理部112と投稿カテゴリー解析部115に送られ、コメントは言語解析部113に送られる。
【0030】
言語解析部113は、投稿者や閲覧者のコメントをテキストマイニング処理にかけて、品詞として名詞、形容詞、副詞を抽出する。なお、コメントに絵文字やスタンプ等の絵柄、記号、シンボルが含まれる場合、それらは形容詞として抽出する。画像投稿者コメントから抽出された名詞はほとんどの場合、その画像内の注目オブジェクトの種類を表している。画像投稿者コメントから抽出された名詞(それを表すコード)は商品解析部114に供給され、形容詞及び副詞(それを表すコード)は嗜好解析部116に供給される。
【0031】
オブジェクト抽出処理部112は、供給された画像からオブジェクトを抽出し解析する。この処理は典型的には畳み込みニューラルネットワークが適用され、オブジェクトの種類(大分類)、オブジェクトの位置(フレーム内の区画)、オブジェクト領域の大きさ(フレームに対するオブジェクト領域のピクセル数の割合)が判断される。例えば図7の例では、画像内に2つのオブジェクトが含まれ、第1のオブジェクトとしては種類が「トップス」であり、それが中央上区画に位置し、サイズクラスが”中”である。同様に第2のオブジェクトは種類が「ボトムス」であり、中央下区画に位置し、サイズクラスが”中”である。これらオブジェクト情報に基づいて、部分画像が切り出される。切り出された部分画像は商品解析部114に供給される。
【0032】
商品解析部114では、部分画像を解像度正規化処理、コントラスト正規化処理等の前処理を実行した後に、画像投稿者コメントから抽出された名詞から推定される商品種類に応じて選択される畳み込みニューラルネットワークにより商品番号が特定される。なお、畳み込みニューラルネットワークを作成する際の機械学習には、膨大な実際の教師画像を用意し学習を繰り返される。周知の通り、畳み込みニューラルネットワークは、2次元画像に対してフィルタによる畳み込みを行うことで、画像から特徴量を抽出する。畳み込みニューラルネットワークは、畳み込みとプーリングとを繰り返す多層ネットワークからなる。畳み込みニューラルネットワークにおいて畳み込み層を構成する識別に有効なフィルタの係数(重み)を、大量の学習用画像などの大量のデータを用いて学習させる。当該係数(重み)は、大量のデータを用いて、フィルタによる畳み込みと、一定領域の反応をまとめるプーリングとを繰り返すことで多様な変形に対する不変性を獲得する学習を行うことにより得られる。なお、畳み込みニューラルネットワークの識別性能は、畳み込み層を構成するフィルタに依存する。フィルタは、オブジェクトの種類ごとに用意される。
【0033】
投稿カテゴリー解析部115にでは、セパレータ111から供給された画像に対して、畳み込みニューラルネットワークを適用され、投稿画像が商品単体の画像であるのか、商品を構図に含む画像であるのか、さらに商品を構図に含む画像カテゴリーの中でもさらに詳細に他の商品(洋服)と組み合わせて着用したコーディネートの画像であるのか、商品を着用したモデル等を風景の中でリラックスした状態で写した画像であるのか、商品を着用したモデル等を仕事場等の中で写した画像であるのかが区別される。
【0034】
嗜好解析部116は、商品解析部114で特定した商品番号に応じた商品属性データを記憶装置17から読み取り、商品属性の各項目(色調、商品種類、商品区分、デザイン分類等)ごとに、嗜好極性(ポジティブ(プラス)/ネガティブ(マイナス))を対応付けて、ユーザの嗜好傾向を推定する。なお、商品区分は嗜好傾向の購入指向に対応付けられる。ユーザの嗜好傾向を推定するに際しては、形容詞から嗜好極性を判定するためのテーブルを世代ごと、さらに性別ごとに事前に作成して記憶装置14に記憶しており、コメントを寄せたユーザプロフィール内の年齢、性別に従って選択したテーブルに言語解析部113で抽出した形容詞を照会することにより、ユーザの主観的な嗜好極性を推定する。
【0035】
この嗜好傾向の推定処理は、対象の販売員(画像投稿者)に対する現在(予測処理時点)のフォロワー及びエンゲージメントユーザを対象とするものである。当該フォロワー及びエンゲージメントユーザの嗜好傾向の解析対象とする投稿としては対象の販売員(画像投稿者)の投稿に限定することなく、当該フォロワー及びエンゲージメントユーザがコメントを寄せている同じ店舗の他の販売員が投稿した他の投稿画像及びコメントも対象としてできるだけ多くの投稿に対して適用することが嗜好傾向の精度を高める点で好ましい。そして、多くの投稿やコメントから推定し、収集した商品属性項目ごとの嗜好極性に対して、ポジティブ(プラス)数とネガティブ(マイナス)数が計数され、その多寡に応じて総合的な嗜好極性が決まる。なお、総数に対するポジティブ(プラス)数又はネガティブ(マイナス)数の割合により嗜好程度をさらに決定しても良い。
【0036】
次に販売力予測処理の対象である投稿画像(対象画像)の商品の属性に対して、フォロワーやエンゲージメントユーザの嗜好傾向がどの程度整合しているかを嗜好整合度が計算される。この処理は、例えば投稿画像の商品の属性に対して、フォロワーやエンゲージメントユーザの各属性項目に対する嗜好極性を照合し、合致が否かを判定する。例えば商品の属性の「色調項目が赤であり、色調“赤”に対する嗜好極性がポジティブであればカウンタを1つインクリメントする。商品の色調属性が赤であるのに対して、色調赤に対する嗜好極性がネガティブであったり、他の色調に対してポジティブであれば、カウンタのインクリメント処理は実行しない。この計数処理を全ての投稿画像の商品の全ての属性項目に対して、全てのフォロワーやエンゲージメントユーザの嗜好傾向を照合する。計数値を照合総数で除算することにより投稿画像の商品の属性に対するフォロワーやエンゲージメントユーザの嗜好傾向の整合度が計算される。
【0037】
また対象の販売員(画像投稿者)に対する現在(予測処理時点)のフォロワー及びエンゲージメントユーザのプロフィール(年齢、性別)に対して、予測処理対象の投稿画像の商品に対して事前設定されているターゲット層の整合度、つまりフォロワー及びエンゲージメントユーザの総数に対するターゲット層に合致するフォロワー及びエンゲージメントユーザの数の割合が求められる。
【0038】
このように求められた投稿画像の商品の属性に対するフォロワー及びエンゲージメントユーザの嗜好傾向の整合度と、投稿画像の商品のターゲット層に対するフォロワー及びエンゲージメントユーザの整合度とをニューラルネットワークに適用して、整合度スコアを計算する。
【0039】
整合度スコアは、フォロワーやエンゲージメントユーザの嗜好傾向に応じた属性に沿った商品の画像を投稿することにより、またフォロワー及びエンゲージメントユーザのプロフィールに整合するターゲット層が設定されている商品の画像を投稿することにより、上昇する。
【0040】
販売員(投稿者)やその投稿に対するフォロワー及びエンゲージメントユーザの嗜好傾向の集計結果、フォロワー及びエンゲージメントユーザの年齢や性別分布をとりまとめて、その分布を商品のターゲット層の一覧、さらに整合度スコアとともに、売上管理装置2及びユーザ端末5に送信して、販売店舗や販売員(投稿者)に参考資料としてフィードバックすることは好ましい。
【0041】
また、販売力予測処理の対象である最新の1又は数枚の投稿画像に対して寄せられたエンゲージメント各々の数、つまり評価数(「いいね」数を原則とするが、「やだね」数を加えるものであってもよい)、コメント数、画像保存数に加えて、当該投稿画像の商品(商品番号)に対して既定されている商品固有スコアをニューラルネットワークに適用して、投稿画像各々に関するユーザの反応程度を表す反応スコアを投稿画像ごとに計算する。反応スコアは、「いいね」数、コメント数、画像保存数が増加するほど上昇する。また、反応スコアは商品固有スコアが高い商品の画像を投稿することにより、また投稿数を増やすことにより上昇する。
【0042】
「いいね」数、コメント数、画像保存数、商品固有スコアを、整合度スコアとともに、売上管理装置2及びユーザ端末5に送信して、販売店舗や販売員(投稿者)に参考資料としてフィードバックすることは好ましい。
【0043】
また、販売力予測処理の対象である販売員(画像投稿者)が予測処理対象期間内に投稿した全ての投稿画像の数、それら投稿からの流入数(流入総数)、さらに予測処理時点のフォロワー数、フォロー数、予測処理対象期間内の全ての投稿画像に対するコメント数、コメントに対する返信数、コメントに対する返信率、予測処理対象期間内の全ての投稿画像のカテゴリースコアをニューラルネットワークに適用して、投稿者の接客能力を表す接客スコアを計算する。接客スコアは、投稿画像の数、流入数、フォロワー数、フォロー数、コメント数、コメントに対する返信数、コメントに対する返信率が高くなるほど上昇し、また投稿画像が商品単体の画像である場合よりも、コーディネート画像であったり、商品を着用した画像である場合に上昇する。
【0044】
投稿画像の数、流入数、フォロワー数、フォロー数、コメント数、コメントに対する返信数、コメントに対する返信率、投稿画像カテゴリースコア一覧を売上管理装置2及びユーザ端末5に送信して、販売店舗や販売員(投稿者)に参考資料としてフィードバックすることは好ましい。
【0045】
このように販売力予測処理の対象である販売員(画像投稿者)が投稿した予測処理対象期間内の全ての投稿画像毎に計算した反応スコア及び整合度スコアと、販売力予測処理の対象である販売員(画像投稿者)が予測処理対象期間内に投稿した投稿画像から総合的に計算した接客スコアとをニューラルネットワークに適用して、販売力予測処理の対象である販売員(画像投稿者)が予測処理時点で内在している、SNSを通じて商品を販売する能力を表す販売力スコアを計算する。
【0046】
販売力スコアは、それぞれの反応スコア、整合度スコア、接客スコアの各スコアの上昇に応じて上昇する。その店舗の販売員(投稿者)全員に関する販売力スコア、それぞれの反応スコア、整合度スコア、接客スコアの一覧を売上管理装置2及びユーザ端末5に送信して、販売店舗や販売員(投稿者)に参考資料としてフィードバックすることは好ましい。
【0047】
さらに、売上実績から、週単位の売上実績及びその経時的推移、月単位の売上実績及びその経時的推移、週単位の販売点数及びその経時的推移、月週単位の販売点数及びその経時的推移、販売商品の商品番号分布、販売した商品の種類の分布を集計し、さらに販売価格帯の特徴値(中央値、最大値、最小値等)を求め、こられ売上実績から導出される様々なパラメータに加えて、販売力スコアをニューラルネットワークに適用して、販売員(投稿者)がSNSを通じて商品を今週、今月、さらに翌週、翌月、翌年等の売上を予測する。
【0048】
これら売上予測のデータは、対象販売員の反応スコア、整合度スコア、接客スコアのデータと共に売上管理装置2に送信される。必要に応じて販売員の端末5にも送信される。
【0049】
このように本実施形態によると、SNS情報を活用して、反応スコア、整合度スコア及び接客スコアを計算し、SNSを通じて投稿者が商品を販売する能力を数値化した販売力スコアを得て、その販売力スコアと売上実績とからSNS活動による売上を高精度で予測することができる。販売力スコアや売上予測は、SNSを通じて投稿者が商品を販売する能力を客観的に投稿者ごとに評価する基礎資料として活用できる。また販売力スコアを高めるために何が必要なのか、何が足りないのかを、反応スコア、整合度スコア、接客スコアから具体的に把握することができ、どのようなSNS活動を増やすのか、より具体的に認識することができるようになる。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0051】
1…販売力予測装置、2…売上管理装置、3…販売Webサーバ、4…SNSサーバ、5-8…ユーザ端末。
図1
図2
図3
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図5
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図7