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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】携帯カードケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 1/02 20060101AFI20230630BHJP
   A45C 11/00 20060101ALI20230630BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20230630BHJP
   H04M 1/11 20060101ALI20230630BHJP
   A45C 1/08 20060101ALN20230630BHJP
【FI】
A45C1/02 Z
A45C11/00 E
A45C11/00 T
G06F1/16 312Q
H04M1/11 Z
A45C1/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019096019
(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公開番号】P2020188954
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】398043193
【氏名又は名称】株式会社グルマンディーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(72)【発明者】
【氏名】久保田 秀一
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-126223(JP,A)
【文献】特開2017-021642(JP,A)
【文献】特開2017-228916(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0013463(US,A1)
【文献】登録実用新案第3190989(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 1/02
A45C 11/00
A45C 1/08
G06F 1/16
H04M 1/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
見開いた状態において、ヒンジ部を介して左右方向に連接された左右片を有してなると共に、前記左右片を見開いた状態から前記ヒンジ部で折畳可能に形成されてなる本体部と、
折畳まれた状態において外側となる面のうち、前記左右片の一片の外側面に配設されてなり、携帯電子端末の背面若しくは携帯電子端末ケースの背面と前記本体部との取付けを可能とする取付手段と、
前記一片の外縁から突出するように設けられてなる突出片と、
前記左右片の他片の外側面に前記突出片と係止可能に配設されてなる係止部材と、を備えてなり、
前記一片の内側面と前記他片の内側面との一方又はその両方には、カード類を挿入自在に形成されてなるポケットが形成されてなり、
前記本体部を前記一片の内側面と前記他片の内側面とが対峙するように折り畳まれ、前記他片の外縁を跨いで前記他片の外側面へと折り返された前記突出片が前記係止部材との係合により係止された状態において、前記突出片の先端部が前記他片の外側面内に位置するように配設されてなり、
前記突出片の先端部には、指が挿通自在となる大きさに形成されてなるリング部材が配設され、
前記突出片の先端部に貫通孔が形成されてなり、
前記リング部材の一部は、該一部を回動軸として前記貫通孔に挿通されてなり、
前記リング部材は、前記回動軸を回動中心として任意の回動角度で静止可能に回動自在である
ことを特徴とする携帯カードケース。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記突出片の先端部が巻回されることにより形成されてなる
ことを特徴とする請求項に記載の携帯カードケース。
【請求項3】
前記突出片の先端部に配設されてなるリング座を有し、
前記リング座は、
前記突出片の前記リング座と接する面と直角となる方向を軸として回動自在に形成されてなり、
前記リング部材は、
前記リング部材の一部を回動軸として前記リング座に枢設されてなり、前記回動軸を回動中心として任意の回動角度で静止可能に回動自在である
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯カードケース。
【請求項4】
前記本体部が折畳まれた状態を保持する係止手段を有してなる
ことを特徴とする請求項1~請求項のいずれか一つに記載の携帯カードケース。
【請求項5】
前記リング部材を構成する輪の一部が開放可能に形成されてなる
ことを特徴とする請求項1~請求項のいずれか一つに記載の携帯カードケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の携帯電子端末の背面に取り付けて使用して、カード類を携帯電子端末と併せて持ち運び可能とする携帯カードケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に係るカメラ露出が可能で携帯電子端末を携帯可能な張財布が知られているが、その構成の概略は、折り畳まれる張財布の一側面には紙幣やカードなどを収納することができる収納部を形成して、対応される他側面には一定面積で接着面を具備するようにして、前記接着面は上下に昇降されるスライド材に接着するようにして、前記スライド板はスライド空間で上下に昇降するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実登第3204856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術は、カード等を収納することができる収納部を有している一方で携帯電子端末の使用をする際には、携帯電子端末の正面を覆っている張財布の一側面を折り畳み部を軸として携帯電子端末の正面から離間する方向に回動させ、携帯電子端末の画面を露出させなければ、スマートフォンを操作することができなかった。
【0005】
したがって、従来技術は、いわゆる手帳型のスマートフォンケースを使用するのが前記の点で煩わしいと考える消費者のニーズに応えることができるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記課題を解決する手段として本発明に係る携帯カードケースは、見開いた状態において、ヒンジ部を介して左右方向に連接された左右片を有してなると共に、前記左右片を見開いた状態から前記ヒンジ部で折畳可能に形成されてなる本体部と、折畳まれた状態において外側となる面のうち、前記左右片の一片の外側面に配設されてなり、携帯電子端末の背面若しくは携帯電子端末ケースの背面と前記本体部との取付けを可能とする取付手段と、前記一片の外縁から突出するように設けられてなる突出片と、前記左右片の他片の外側面に前記突出片と係止可能に配設されてなる係止部材と、を備えてなり、前記一片の内側面と前記他片の内側面との一方又はその両方には、カード類を挿入自在に形成されてなるポケットが形成されてなり、
前記突出片の先端部には、指が挿通自在となる大きさに形成されてなるリング部材が配設されてなることを特徴とする。
【0007】
また、前記突出片の先端部に貫通孔が形成されてなり、前記リング部材の一部は、該一部を回動軸として前記貫通孔に挿通されてなり、前記リング部材は、前記回動軸を回動中心として任意の回動角度で静止可能に回動自在であることとしても好ましい。
【0008】
また、前記貫通孔は、前記突出片の先端部が巻回されることにより形成されてなる
こととしても好ましい。
【0009】
また、前記突出片の先端部に配設されてなるリング座を有し、前記リング座は、前記突出片の前記リング座と接する面と直角となる方向を軸として回動自在に形成されてなり、前記リング部材は、前記リング部材の一部を回動軸として前記リング座に枢設されてなり、前記回動軸を回動中心として任意の回動角度で静止可能に回動自在である
こととしても好ましい。
【0010】
また、前記本体部が折畳まれた状態を保持する係止手段を有してなる
こととしても好ましい。
【0011】
また、前記リング部材を構成する輪の一部が開放可能に形成されてなる
こととしても好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る携帯カードケースによれば、携帯電子端末に直接に、又は、カード類収納部を有しないケースにカード類収納部を具備させることができる。
【0013】
さらに、所謂手帳型の携帯電子端末保護カバーは、携帯電子端末を使用する度に、一片を開放し操作画面を露出させなければならないが、本発明に係る携帯カードケースによれば、前記点で所謂手帳型の携帯電子端末保護カバーの使用が煩わしいと考えている使用者であっても、前記煩わしさを回避し、かつ、携帯電子端末と併せてカード類の持ち運びを容易に行うことができることとなる。
【0014】
また、本発明に係る携帯カードケースによれば、携帯カードケースを折り畳んだ状態で携帯電子端末を保持する際に、リング部材に指を挿通することで、携帯電子端末の落下を防止し、携帯電子端末を保持することができる。
【0015】
さらに、本発明に係る携帯カードケースによれば、前記突出片の先端部に指が挿通自在となる大きさに形成されてなるリング部材が配設されてなることにより、前記リング部材に指を挿通して引っ張ることができ、前記突出部材と前記係止部材との係止状態を容易に解除することができる。
【0016】
またさらに、前記突出片の先端部に前記リング部材が配設されてなることにより、前記リング部材を鞄等の内部に用意したカラビナ等に挿通することで、鞄内での携帯電子端末及びカード類の紛失を防止することができ、また、すぐに所望のカード類及び携帯電子端末を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】携帯カードケース1の折り畳まれた状態を示す斜視図である。
図2】携帯カードケース1を携帯電子端末Sに取り付けた状態で、かつ、第一突出片8と係止部材との係止状態を解除した状態を示す斜視図である。
図3】(a)は、携帯カードケース1を開いた状態の外側面を示す図である。(b)は、携帯カードケース1を開いた状態の内側面を示す図である。
図4】携帯カードケース1を携帯電子端末Sに取り付けた状態で、かつ、携帯カードケース1を開いた状態を示す斜視図である。
図5】携帯カードケース1を用いて、携帯電子端末Sを立て掛けた状態に支持する状態を示す斜視図である。
図6】(a)は、本体部2が折畳まれた状態を保持する係止手段を有しない携帯カードケース1を開いた状態の外側面を示す図である。(b)は、本体部2が折畳まれた状態を保持する係止手段を有しない携帯カードケース1を開いた状態の内側面を示す図である。
図7】リング座18を有する携帯カードケース1の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施の形態を、図を参照しながら詳しく説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
〔実施形態1〕
図1から図5に基づいて、本発明に係る携帯カードケース1の実施形態1を説明する。図1は、携帯カードケース1の折り畳まれた状態を示す斜視図であり、図2は、携帯カードケース1を携帯電子端末Sに取り付けた状態で、かつ、第一突出片8と係止部材との係止状態を解除した状態を示す斜視図であり、図3(a)は、携帯カードケース1を開いた状態の外側面を示す図であり、図3(b)は、携帯カードケース1を開いた状態の内側面を示す図であり、図4は、携帯カードケース1を携帯電子端末Sに取り付けた状態で、かつ、携帯カードケース1を開いた状態を示す斜視図であり、図5は、携帯カードケース1を用いて、携帯電子端末Sを立て掛けた状態に支持する状態を示す斜視図である。
【0020】
実施形態1における携帯カードケース1の構成は、左右片がヒンジ部を介して連接されてなる本体部2を有する。さらに、携帯電子端末Sの背面と本体部2との取付を可能とする取付手段である両面接着シール6を有する。またさらに、一片3の外縁から突出するように設けられてなる第一突出片8を有する。さらに、他片4の外側面に配設されてなる係止部材である第一係止雄スナップ9aを有する。またさらに、一片3の内側面と他片4の内側面とにそれぞれ配設されてなるポケット17a,17bを有する。さらに、第一突出片8の先端に配設されてなるリング12を有する。さらに、本体部2が折畳まれた状態を保持することができる係止手段を有する。また、本体部2の外縁には、携帯カードケース1の耐久性の向上を図るため縫目16が一周にわたって形成されてなる。
【0021】
図3に示すように、本体部2は、見開いた状態において、ヒンジ部である肉薄部5を介して左右方向に連接された左右片である一片3と他片4とを有してなる。また、一片3と他片4とは、それぞれ肉薄部5よりも硬質に形成されてなり、肉薄部5を介して一片3と他片4とを折り畳むことができる。
ここで、本実施形態における携帯カードケース1は、一片3の内側面と他片4の内側面とが対峙する方向、及び、一片3の外側面と他片4の外側面とが対峙する方向の両方向に折畳むことができるようになっている。しかし、本発明におけるヒンジ部は、該両方向に折畳むことができるものに限られず、一片3の内側面と他片4の内側面とが対峙する方向にのみ折畳むことができるものでもよい。
【0022】
また、本体部2は、折り畳んだ状態において上下方向(肉薄部5の長さ方向をいう。)長が10cm程度、左右方向(本体部2を見開いた状態における左右片の連接方向をいう。)長が6cm程度となっている。これは、携帯カードケース1を折り畳んだ状態で、一般的なカード類よりも大きく、かつ、携帯電子端末Sの下端からカメラまでの上下方向長より短い大きさとなっている。
前記大きさは、携帯電子端末Sであるスマートフォンに取り付けた際に、一般的な大きさのスマートフォンであれば、本体部2によってカメラのレンズ部が隠れない大きさとなっている。したがって、一般的な大きさのスマートフォンを所持している使用者は、携帯カードケース1の使用をしている状態においても、携帯カードケース1によってカメラの撮影が妨げられることがない。しかし、本発明における本体部2は、上記の大きさに限られるものではなく、普段携帯電子端末Sにおけるカメラを使用しない携帯カードケース1の使用者に対しては、さらに大きな本体部2とすることができるものとし、また、大きな本体部2を有する本発明の本体部2に、携帯電子端末Sのカメラに対応する位置に開口を設け、カメラによる写真の撮影を可能としてもよい。
【0023】
携帯電子端末Sの背面と本体部2との取付を可能とする取付手段である両面接着シール6は、一片3の外側面の略全面にわたって配設されてなる。これにより、携帯電子端末Sの背面と、本体部2とを接着、取付することが可能となる。また、両面接着シール6の一片3と当接しない面には、剥離紙7が貼付されてなる。これにより、携帯カードケース1の使用者が本体部2を携帯電子端末Sに貼り付けるまでの間に両面接着シール6に埃などのゴミが付着することによる、両面接着シール6の粘着力の低下を防止することができる。
なお、本発明は、取付手段によって携帯電子端末Sの背面に取り付けることができるものであるが、かならずしも携帯電子端末Sの背面に直接取り付けることを要するものではなく、携帯電子端末Sを落下等から保護する携帯電子端末ケースCの背面に取り付けることとしてもよい。
【0024】
また、一片3の外縁から突出するように設けられてなる第一突出片8は、本体部2の一片3の側縁から突出するように本体部2と一体形成されてなる。
さらに、第一突出片8は、第一突出片8の左右方向長の中間よりも僅かに本体側において、第一突出片8の内側面の方向を第二係止雄スナップ10aと係合する方向として、第一突出片8の内側面と外側面とを貫設されてなる第二係止雌スナップ10bを有する。さらに、第一突出片8の左右方向長の中間よりも僅かに本体に対して反対側において、折り返された第一突出片8を折り返された状態に固定するように、第一突出片8の内側面の方向を第一係止雄スナップ9aと係合する方向として、折り返された第一突出片8の外側面から折り返されていない第一突出片8の外側面へと貫設されてなる第一係止雌スナップ9bを有してなる。
【0025】
さらに、第一突出片8の前記巻回された部分には、図1に示すように、リング12の貫通孔15に対する挿通部分である回動軸部の直径よりも僅かに小さい直径寸法の貫通孔15が形成されてなる。貫通孔15の直径が当該寸法となっている場合は、貫通孔15に挿通されたリング12の一部を回動軸として回動自在に枢設されたリング12を、貫通孔を形成する突出片の一部が締め付けることによって、任意の回動角度に固定することができることとなる。
【0026】
本実施形態においては、第一突出片8の巻回部分の左右方向の幅を、巻回されたことにより形成される貫通孔15の直径がリング12を締め付けることができる寸法となっているが、第一突出片8の貫通孔15の直径は、上記寸法に限られるものではなく、任意の寸法とすることもできる。
さらに、前記貫通孔15は、第一突出片8を巻回することにより形成されるものに限られず、例えば、第一突出片8の内側面と外側面との間に孔を開けることにより形成してもよく、また、第一突出片8の厚み方向に孔を開けることにより形成してもよい。
【0027】
係止部材である第一係止雄スナップ9aは、他片4の外側面であって、本体部2を一片3の内側面と他片4の内側面とを対峙するように折畳み、第一突出片8を他片4の肉薄部5と連接されてなる辺の対辺となる辺の外縁を他片4の外側面へと折り返した際に第一係止雌スナップ9bと対応する位置に配設されてなる。
【0028】
また、本実施形態では、一片3の内側面と他片4の内側面とのそれぞれに一つずつのポケット17aとポケット17bが配設されてなる。ポケット17aは、一片3の内側面に配設されてなり、内側面の肉薄部5に近接する部分にカード類の長手方向の長さと略同寸法の開放口を形成してなり、ポケット17bは、他片4の内側面に配設されてなり、内側面の肉薄部5に近接する部分にカード類の長手方向の長さと略同寸法の開放口を形成してなる。
ポケット17a、17bの開放口を前記の通り、ヒンジ部である肉薄部5の方向に配設した場合には、本体部2を折り畳んだ際に、カード類が開放口から抜けそうになった場合であっても、抜けそうになったカードと折り畳まれた肉薄部5とが当接し、それ以上カードがポケット17a、17bから抜け出すのを防止する。これにより、カード類が携帯カードケース1の使用者の知らない間に携帯カードケース1から抜け出し、カード類を紛失してしまうという事態を防止することができる。
【0029】
また、本発明におけるリング12は、指を挿通自在な大きさの空洞を空けて形成されてなり、第一突出片8の先端部が巻回されることにより形成されてなる貫通孔15に挿通されてなる。さらに、リング12を構成する輪の一部には、開放軸14を軸として常時閉の状態で、リング12の径方向内側に向って力を加えた時に開放可能となる開放部13が形成されてなる。また、リング12は、貫通孔14に挿通されてなるリング12の一部である回動軸(図示しない。)を回動中心として回動自在であり、前記回動軸が貫通孔15に挿通されてなる。
【0030】
また、本実施形態における本体部2が折畳まれた状態を保持することができる係止手段は、第二突出片11と、第二係止雄スナップ10aと、第二係止雌スナップ10bとからなる。また、第二突出片11は、本体部2の他端の肉薄部5と連接されてなる辺との対辺となる側縁から突出してなる。さらに、第二係止雄スナップ10aは、第二突出片11の先端部において第二突出片11の内側面と外側面とを貫通してなり、前記先端部の内側方向を係止部としてなる。またさらに、第二係止雌スナップ10bは、第一突出片8に配設されてなる。
【0031】
前記係止手段により、第一係止雄スナップ9aと第一係止雌スナップ9bとの係止状態を解除した場合においても、一片3と他片4との折り畳み状態を保持することができる。
【0032】
上記構成の携帯カードケース1は、カード類を挿入して、携帯電子端末Sと併せてカード類を容易に持ち運ぶことができると共に、携帯電子端末Sを落下から防止することができる携帯電子端末保持具として使用することができる。また、携帯電子端末Sを起立した状態に保持する携帯電子端末Sスタンドとして使用することができる。さらに、携帯カードケース1を鞄内に繋止することで、カード類及び携帯電子端末Sを鞄内からすぐに取り出すこともできる。
【0033】
携帯電子端末Sと併せてカード類を容易に持ち運び、カード類を携帯カードケース1から取り出す場合について説明する。
【0034】
まず、両面接着シール6から剥離紙7を剥離することで携帯カードケース1の一片3の外側面に表れた接着部を携帯電子端末S若しくは携帯電子端末ケースの背面に貼り付けることで、携帯電子端末の背面と携帯カードケース1の本体部2とを取り付ける。
【0035】
次に、携帯電子端末Sの背面に取付けられた携帯カードケース1の第一係止雄スナップ9aと第一係止雌スナップ9bとの係止状態を解除し、かつ、第二係止雄スナップ10aと第二係止雌スナップ10bとの係止状態を解除することで、本体部2を見開いた状態として、本体部2の内側に配設されてなるポケット17aとポケット17bとを露出させる。
【0036】
次に、露出したポケット17aとポケット17bとのそれぞれの開放口に、所望のカード類を挿入することができる。なお、ここで、ポケット17aとポケット17bとの双方にカード類を挿入することもでき、また、ポケット17a若しくはポケット17bの一方にのみカード類を挿入することもできる。
【0037】
その次に、カード類を挿入した携帯カードケース1の本体部2を一片3の内側面と他片4の内側面とが対峙するように折り畳み、第一係止雄スナップ9aと第一係止雌スナップ9bとを係止する。また、さらに第二係止雄スナップ10aと第二係止雌スナップ10bとを係止してもよく、又は、第一係止雄スナップ9aと第一係止雌スナップ9bとを係止することに代えて、第二係止雄スナップ10aと第二係止雌スナップ10bとを係止することとしてもよい。
【0038】
これにより、携帯カードケース1にカード類が挿入され、かつ、携帯カードケース1がコンパクトに折畳まれて、携帯電子端末Sと併せてカード類を容易に持ち運ぶことが可能となる。さらにポケット17a、17bから抜けそうになったカードが肉薄部5に当接するため、カード類の抜け落ちが防止される。
【0039】
また、レジなどで携帯カードケース1からカード類を取り出す際には、まず、第一突出片8と他片4の外側面との係止状態を解除するためにリング12を引っ張り、第一係止雄スナップ9aと第一係止雌スナップ9bとの係止状態を解除する。ここで、本発明に係る携帯カードケース1は、第一突出片8の先端部にリング12が配設されてなることにより、第一突出片8と他片4の背面との隙間に指を潜り込ませて、第一係止雄スナップ9aと第二係止雌スナップ10bとの係止状態を解除しなくとも、第一突出片8の先端部に配設されてなるリング部材に指を掛けて引くことで第一係止雄スナップ9aと第一係止雌スナップ9bとの係止状態を解除することができるため、第一突出片8の係止状態を解除するのが容易である。
【0040】
その次に、携帯カードケース1の一片3と他片4との折りたたみ状態を展開し、ポケット17aとポケット17bとを露出させる。
【0041】
これにより、カード類を使用する際に容易にカード類を取り出すことができ、本発明の効果が奏される。
【0042】
次に、携帯電子端末Sを落下から防止することができる携帯電子端末S保持具として使用する場合について説明する。
【0043】
まず、一片3の内側面と他片4の内側面とが対峙する状態に折畳まれた携帯カードケース1の第一係止雄スナップ9aと第一係止雌スナップ9bとを係止状態として、第一突出片8と他片4の外側面とを係止させる。
【0044】
その次に、任意の回動角度で静止可能に回動自在であるリング12を、他片4の外側面に対して略垂直となる角度まで回動させ、該角度に固定する。
【0045】
その後、他片4の外側面に対して垂直となる角度に固定されているリング12に、携帯カードケース1の使用者の手の指を挿入し、挿入した指のある手全体で携帯カードケース1及び携帯電子端末Sを背面から覆うように把持する。
【0046】
この場合、仮に携帯電子端末Sが手から落下しそうになった場合であっても、リング12が挿通した指に引っ掛かることとなる。これにより、携帯電子端末Sが手から抜け落ちて落下することを防止することができる。
【0047】
次に、携帯電子端末Sを起立した状態に保持する携帯電子端末Sスタンドとして使用する場合について説明する。
【0048】
携帯カードケース1を携帯電子端末Sスタンドとして使用する場合には、まず、携帯電子端末Sスタンドを、一片3の内側面と他片4の内側面とが対峙するように折り畳む。
【0049】
次に、折り畳んだ状態の携帯カードケース1のリング12を任意の角度に回動・固定し、その後、肉薄部5の外側面と貫通孔15と対向するリング12の外周面の部分を、携帯を立てた状態に保持しようとする机などの面に当接するよう載置する。
【0050】
この場合、リング12が携帯電子端末Sを支持する支柱として働き、携帯電子端末Sは図5に示すように携帯カードケース1に立て掛けられ、携帯カードケース1を携帯電子端末Sスタンドとして使用することができる。
【0051】
次に、カード類及び携帯電子端末Sを鞄内からすぐに取り出すことができる場合について説明する。
【0052】
この場合、まず携帯カードケース1を使用者の鞄等の中に挿入し、鞄内に存在する環状体や環状につながった紐などに対して、リング12の開放軸14を回動軸として、リング12の開放部13を開放し、開放部13よりリング12を挿通する。
そして、その後開放部13を閉鎖する。
【0053】
この際、携帯カードケースを折り畳み、第一係止雄スナップ9aと第一係止雌スナップ9bとの係止を解除状態とし、かつ、第二係止雄スナップ10aと第二係止雌スナップ10bとのみを係止した状態とすることが好ましい。このようにした場合は、第二係止雄スナップ10a及び第二係止雌スナップ10bの係止により、鞄内で携帯カードケース1が折畳み状態から開いてしまうことを防止することができ、かつ、第一突出片8が他片4の外側面に係止されていないため、極めて容易にリング12を鞄内の環状体や環状につながった紐などに容易に挿通することができる。
【0054】
このようにすることで、鞄内で小物同士が移動してしまった場合であっても、リング12とつながった第一突出片8を手繰り寄せることで、すぐに携帯カードケース1及び携帯電子端末Sを取り出すことができる。
【0055】
また、リング12が開放部13を有しない構成とした場合であっても、鞄内に所謂カラビナ状の環状体が存在する場合等は、前記のすぐに携帯カードケース1及び携帯電子端末Sを取り出すことができる効果を発揮させることができる。
【0056】
〔実施形態2〕
また、携帯カードケース1のリング12は、図7に示すようにリング座18に枢設されてなることとしてもよい。
【0057】
実施形態2における携帯カードケース1は、第一突出片8の外側面の先端部に配設されてなるリング座18とリング座18に形成されてなる貫通孔15と、貫通孔15に回動軸が挿通されてなるリング12とを有してなる。また、第一突出片8の内側面のリング座18と対応する位置には、第一係止雌スナップ9bが配設されてなる(図示しない。)点で異なる。なお、実施形態1と同様に、第一係止雌スナップ9bは他片4の外側面に配設されてなる第一係止雄スナップ9aと係止可能とされている。
【0058】
また、前記リング座18は、その中心を通る第一突出片8の外側面と垂直方向の軸を回動軸として、360度回動自在であり、かつ、任意の角度に固定することができる。
またさらに、リング12は、リング座18の貫通孔15に挿通された回動軸を中心として、略180度の回動が自在であり、かつ、任意の角度に固定することができる。
【0059】
この場合、実施形態2における携帯カードケース1の使用者は、リング座18の貫通孔15を、折り畳んだ状態の携帯カードケース1の短手方向と平行となる角度に固定し、かつ、リング12を任意の角度に固定することで、携帯電子端末Sの長手方向を水平とした状態だけではなく、携帯電子端末Sの短手方向を水平として起立した状態に保持することが可能となる。
【0060】
また、実施形態2における携帯カードケース1であっても、実施形態1と同様に、カード類を挿入して、携帯電子端末Sと併せてカード類を容易に持ち運ぶことができると共に、携帯電子端末Sを落下から防止することができる携帯電子端末保持具として使用することができる。また、携帯電子端末Sを起立した状態に保持する携帯電子端末Sスタンドとして使用することができる。かつ、携帯カードケース1を鞄内に繋止することで、カード類及び携帯電子端末Sを鞄内からすぐに取り出すこともできる。
【0061】
なお、実施形態1及び実施形態2において、第一突出片8は、携帯カードケースの一片の外縁である、一片の肉薄部と連接された辺の対辺から突出することとした。しかし、第一突出片8の配設位置は前記位置に限られるものではなく、例えば、一片の肉薄部と連接された辺と共に角を形成する他の辺に配設することとしてもよい。
【0062】
また、実施形態1及び実施形態2において、第一係止雄スナップ9aと第一係止雌スナップ9bは、第一突出片8と係止可能に配設されてなる係止部材の実施形態の一例を示したものであり、上記構成に限られるものではなく、例えば、面ファスナー、ホック、磁石、爪と係止片が係合する構成等種々の構成を採用することができる。
【0063】
また、実施形態1及び実施形態2において、第二突出片11と第二係止雄スナップ10aと第二係止雌スナップ10bとは、係止手段の一例を示したものである。しかし、係止手段は上記構成に限られるものでなく、例えば、面ファスナー、ホック、磁石、爪と係止片が係合する構成等種々の構成を採用することができる。
【0064】
またさらに、本発明に係る携帯カードケース1は、図6に示すように、本体部2が折畳まれた状態を保持する係止手段である第二係止雄スナップ10a及び第二係止雌スナップ10bを有しない構成とすることもできる。
この場合であっても、第一係止雄スナップ9aと第一係止雌スナップ9bを用い、他片4の外側面と、第一突出片8とを係止することにより、携帯カードケース1の折りたたみ状態を保持することができる。
【0065】
また、発明を実施するための形態において、ヒンジ部は肉薄部5としたが、ヒンジ部は当該構成に限られず、例えば、蝶番を用いた構成等種々の構成を採用することができる。
【0066】
また更に、発明を実施するための形態における一片3と他片4とは、折り畳み及び展開を容易とするために肉薄部5と比較して硬質に形成されてなることとしたが、一片3と他片4とは硬質に形成されてなるものに限られるものではなく、肉薄部5と同等の柔らかさとすることもできる。この場合であっても、ポケットにカードを収納することで、ヒンジ部である肉薄部5よりも硬質となり、折り畳み及び展開を容易とすることができる。
【0067】
また、リング12の開放構造は、発明を実施するための形態における構成に限られず、常時閉であり、開放可能とされている構成、例えば、開放部13がネジ構造となっておりネジ軸に沿って回転させることで開放することができるような構成等種々の構成を採用することができる。
【0068】
本実施形態におけるポケット17a、17bは、それぞれ肉薄部5の方向を開放口としているが、本発明におけるポケットは、上記位置を開放口とするものに限られず、他の位置を開放口とすることもできる。例えば、ポケット17aとポケット17bとの開放口をそれぞれ本体部2に対して第一突出片8の方向とした場合には、第一係止雄スナップ9aと第一係止雌スナップ9bとの係止状態を解除した手で、携帯電子端末Sの持ち手を変えることなくそのままカード類を容易取り出すことが可能となる。
【符号の説明】
【0069】
1 携帯カードケース
2 本体部
3 一片
4 他片
5 肉薄部
6 両面接着シール
7 剥離紙
8 第一突出片
9a 第一係止雄スナップ
9b 第一係止雌スナップ
10a 第二係止雄スナップ
10b 第二係止雌スナップ
11 第二突出片
12 リング
13 開放部
14 開放軸
15 貫通孔
16 縫目
17a ポケット
17b ポケット
18 リング座
S 携帯電子端末
C 携帯電子端末ケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7