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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】網戸
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/52 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
E06B9/52 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022013468
(22)【出願日】2022-01-31
(65)【公開番号】P2022146875
(43)【公開日】2022-10-05
【審査請求日】2022-01-31
(31)【優先権主張番号】110110170
(32)【優先日】2021-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520343043
【氏名又は名称】上田▲りょ▼業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】呉律謙
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204851021(CN,U)
【文献】特開2018-193691(JP,A)
【文献】特開2004-156251(JP,A)
【文献】実開昭53-147557(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0267459(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/52-9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠であって、当該窓枠における周縁に沿って当該窓枠における表面より窪んで形成された取り付け溝を有する窓枠と、
周縁が当該取り付け溝に設置された網と、
当該取り付け溝に設置されると共に当該取り付け溝に位置する一部の網を当該取り付け溝における溝壁に押さえる第一押さえゴムと、
当該取り付け溝に設置された第二押さえゴムと、を含み、
当該第二押さえゴムは、当該第一押さえゴムよりも、当該取り付け溝における溝口と近づく位置に設置されており、当該取り付け溝に位置する一部の網を当該取り付け溝における溝壁に押さえ、
当該第一押さえゴムと当該第二押さえゴムは、それぞれ、当該取り付け溝に密着して嵌合し、
当該第二押さえゴムは、両者が接続されている底部と延出部を有しており、当該延出部は、当該取り付け溝の溝口を貫き通してから当該取り付け溝に突出し、これにより当該取り付け溝の溝口を閉鎖し、当該底部における外側面は、当該窓枠の表面における前記網を受ける部分と揃う、ことを特徴とする網戸。
【請求項2】
当該取り付け溝は、対向して設置されている第一溝壁と第二溝壁を有しており、
当該第一溝壁と当該第二溝壁は、それぞれ、複数の係合歯を有し、当該係合歯がそれぞれ当該第一溝壁と当該第二溝壁における壁面から外部へ延出して形成されたものである、ことを特徴とする請求項に記載の網戸。
【請求項3】
当該第一溝壁と当該第二溝壁は、互いに平行しており、当該係合歯は、それぞれ、当該第一溝壁と当該第二溝壁における壁面と垂直する方向に沿って外部へ延出する、ことを特徴とする請求項に記載の網戸。
【請求項4】
当該第一溝壁に設置される当該係合歯と当該第二溝壁に設置される当該係合歯は、互いに対向して設置される、ことを特徴とする請求項に記載の網戸。
【請求項5】
各当該係合歯は自由端を有し、当該自由端は、平面を有し、各当該平面は、互いに平行する、ことを特徴とする請求項に記載の網戸。
【請求項6】
当該第一溝壁に設置される当該係合歯は、当該取り付け溝の溝口と近く設置される第一外側係合歯と、当該取り付け溝の溝口と遠く離開する少なくとも第一内側係合歯と、を含み、
当該第二溝壁に設置される当該係合歯は、当該取り付け溝の溝口と近く設置される第二外側係合歯と、当該取り付け溝の溝口と遠く離開する少なくとも第二内側係合歯と、を含み、
当該第一外側係合歯と当該第二外側係合歯は、対向して設置され、当該少なくとも第一内側係合歯と当該少なくとも第二内側係合歯は、対向して設置され、当該第一外側係合歯における当該自由端と、当該第二外側係合歯における当該自由端との間には、第一間隔距離を有し、当該少なくとも第一内側係合歯における当該自由端と当該少なくとも第二外側係合歯における当該自由端との間には、第二間隔距離を有し、当該第一間隔距離が当該第二間隔距離よりも大きい、ことを特徴とする請求項に記載の網戸。
【請求項7】
当該第二押さえゴムは、当該延出部における対向両側に、それぞれ、突起部を有しており、
当該突起部は、それぞれ、第一外側係合歯と当該第二外側係合歯と嵌合する、ことを特徴とする請求項に記載の網戸。
【請求項8】
第一外側係合歯と当該第二外側係合歯は、当該取り付け溝の溝口と近づく一方側に、それぞれ、面取りを有する、ことを特徴とする請求項に記載の網戸。
【請求項9】
当該第二押さえゴムにおける断面は、「コ(開口下向き)」字形状とされる、ことを特徴とする請求項1に記載の網戸。
【請求項10】
窓枠であって、当該窓枠における周縁に沿って当該窓枠における表面より窪んで形成された取り付け溝を有する窓枠と、
周縁が当該取り付け溝に設置された網と、
当該取り付け溝に設置されると共に当該取り付け溝に位置する一部の網を当該取り付け溝における溝壁に押さえる第一押さえゴムと、
当該取り付け溝に設置された第二押さえゴムと、を含み、
当該第二押さえゴムは、当該第一押さえゴムよりも、当該取り付け溝における溝口と近づく位置に設置されており、当該取り付け溝に位置する一部の網を当該取り付け溝における溝壁に押さえ、
当該第一押さえゴムと当該第二押さえゴムは、それぞれ、当該取り付け溝に密着して嵌合し、
当該取り付け溝は、対向して設置されている第一溝壁と第二溝壁を有しており、
当該第一溝壁と当該第二溝壁は、それぞれ、複数の係合歯を有し、当該係合歯がそれぞれ当該第一溝壁と当該第二溝壁における壁面から外部へ延出して形成されたものである、ことを特徴とする網戸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、網戸に関し、特に、網戸における網を取り付ける構造に関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られている通り、空気の流通、蚊よけ又は室内への汚染物の侵入の防止などの効果を果たすためには、扉や窓に網を取り付け、網により、蚊や汚染物を効果的に遮断できると共に、空気が網における網穴を介して室内と室外を流通できることが一般的である。
【0003】
よく用いられる網戸は、ネジによる固定やテープによる粘着により網を窓枠に取り付ける方式以外に、押さえゴムにより網の外周縁を窓における取り付け溝に押さえる方式によって、網を取り付け溝と押さえゴムとの間に挟んで、網を窓枠に取り付けるものである。しかしながら、数多くの網は、可撓性を持った素材により生産されたものであることから、網をきれいに拭い、又は、網を予想せぬ押し付ける際に、網を窓枠に固定して接続する箇所が引き伸ばされることにより、変形や破壊が発生し易い。この場合に、網に折り目が生じることにより、美感に影響を与えてしまい、厳重の場合に網もそれにより窓枠から落下して、蚊よけや室内への汚染物の侵入の効果を失うことがある。そして、良く用いられる網戸は、改善すべき余地が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このことに鑑み、本発明は、網を窓枠に固定して接続箇所が引き伸ばされることにより、網において、変形、破壊、破損又は窓枠からの落下が生じてしまう、という問題を解決できる、網戸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明が提供する網戸は、窓枠、網、第一押さえゴム及び第二押さえゴムを含み、当該窓枠は、当該窓枠における周縁に沿って当該窓枠における表面より窪んで形成された取り付け溝を有しており、当該網における周縁は、当該取り付け溝に設置されており、当該第一押さえゴムは、当該取り付け溝に設置され、当該取り付け溝に位置する一部の網を当該取り付け溝における溝壁に押さえ、当該第二押さえゴムは、当該取り付け溝に設置され、当該第二押さえゴムは、当該第一押さえゴムよりも、当該取り付け溝の溝口と近づく位置に設置され、当該第二押さえゴムは、当該取り付け溝に位置する一部の網を当該取り付け溝における溝壁に押さえ、当該第一押さえゴムと当該第二押さえゴムは、それぞれ、当該取り付け溝に密着して嵌合する。
【発明の効果】
【0006】
本発明による効果は、当該第一押さえゴムと当該第二押さえゴムを設置することにより、更に、当該網を当該窓枠に堅固に設置することができる、ということにある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明における好ましい実施例に係る網戸の斜視図である。
図2】上記の好ましい実施例に係る網戸の正面図である。
図3図2における3-3方向の断面図である。
図4図3に示す局所部品4の拡大模式図である。
図5図3に示す局所部品4の拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を一層に明確に説明するためには、好ましい実施例を挙げて図面を参照しながら以下の通り詳しく説明する。図1図5に示すように、本発明における好ましい実施例による網戸1は、窓枠10、網20、第一押さえゴム30及び第二押さえゴム40を含む。
【0009】
当該窓枠10は、図2に示すように、当該窓枠10における周縁に沿って設置された取り付け溝12を有する。ただし、当該取り付け溝12は、環状に設置される。当該網20を当該窓枠10に取り付けようとすると、先に、当該網20における周縁を当該取り付け溝12に設置してから、当該第一押さえゴム30と当該第二押さえゴム40を順に当該取り付け溝12に入れる。当該第二押さえゴム40は、当該第一押さえゴム30よりも、当該取り付け溝12の溝口と近づく位置に設置される。当該第一押さえゴム30と当該第二押さえゴム40は、当該網20と接触して当該取り付け溝12に位置する一部の網を当該取り付け溝12の溝壁に押さえる。当該網20は、当該取り付け溝12の溝壁と当該第一押さえゴム30及び当該第二押さえゴム40との間に設置される。当該第一押さえゴム30と当該第二押さえゴム40をそれぞれ当該取り付け溝12に密着して嵌合することにより、当該網20を当該窓枠10に固定する。
【0010】
図3図4を参照すると、当該取り付け溝12は、当該窓枠10における表面10aより窪んで形成される。当該取り付け溝12は、両方が対向して設置される第一溝壁121と第二溝壁122を含み、ただし、当該第一溝壁121と当該第二溝壁122が互いに平行する。当該第一溝壁121と当該第二溝壁122は、それぞれ、複数の係合歯123を有する。当該係合歯123は、それぞれ、当該第一溝壁121と当該第二溝壁122における壁面から外方へ延出して形成される。そして、当該第一押さえゴム30と当該第二押さえゴム40は、それぞれ、当該第一溝壁121における係合歯と当該第二溝壁122における係合歯との間に設置される。当該係合歯123による係合により、当該第一押さえゴム30と当該第二押さえゴム40が当該取り付け溝12から抜けることが難しい。
【0011】
さらに説明することは、本実施例において、当該係合歯123は、それぞれ、当該第一溝壁121と当該第二溝壁122における壁面より、当該第一溝壁121及当該第二溝壁122における壁面と垂直する方向に沿って外方へ延出して形成される。他の実施例においては、当該係合歯123は、それぞれ、当該第一溝壁121と当該第二溝壁122における壁面より、壁面との間に夾角を成して外方へ延出して形成するということが排除されない。同様に、当該第一押さえゴム30と当該第二押さえゴム40が当該取り付け溝12を抜けるのを防ぐという効果を果たすことができる。
【0012】
また、本実施例では、当該第一溝壁121に設置された当該係合歯123と当該第二溝壁122に設置された当該係合歯123は、対向して設置される。各当該係合歯123は、それぞれ、自由端123aを有し、当該自由端123aは、平面を有しており、各当該平面は、互いに平行する。そして、当該平面を設置することにより、当該係合歯123と当該第一押さえゴム30及び当該第二押さえゴム40との接触面積が増え、一層に堅固に、当該第一押さえゴム30と当該第二押さえゴム40を当該取り付け溝12に置くことができる。
【0013】
図4を参照すると、当該第一溝壁121における当該係合歯123は、当該取り付け溝12の溝口と近く設置される第一外側係合歯121aと当該取り付け溝12の溝口から遠く離開する複数の第一内側係合歯121bを含む。第二溝壁122に設置される当該係合歯123は、当該取り付け溝12の溝口と近く設置される第二外側係合歯122aと当該取り付け溝12の溝口から遠く離開する複数の第二内側係合歯122bを含む。当該第一外側係合歯121aと当該第二外側係合歯122aは、対向して設置される。各当該第一内側係合歯121bと各当該第二内側係合歯122bは、対向して設置される。当該第一外側係合歯121aにおける当該自由端123aと当該第二外側係合歯122aにおける当該自由端123aとの間には、第一間隔距離D1を有し、各当該第一内側係合歯121bにおける当該自由端123aと各当該第二外側係合歯122aにおける当該自由端123aとの間には、第二間隔距離D2を有する。当該第一間隔距離D1は、当該第二間隔距離D2よりも大きい。また、当該第一外側係合歯121aと当該第二外側係合歯122aにおける当該取り付け溝12の溝口と近づく一方側には、それぞれ面取りAを有する。
【0014】
そして、利用者が当該第一押さえゴム30と当該第二押さえゴム40を当該第一外側係合歯121aと当該第二外側係合歯122aを貫き通して当該取り付け溝12に入れて、当該第一内側係合歯121bと当該第二内側係合歯122bにより、当該第二押さえゴム40を堅固に取り付け溝12に固定するということに役立つ。本実施例では、複数の第一内側係合歯121bと複数の第二内側係合歯122bを例に説明したが、実際に、第一内側係合歯と第二内側係合歯について、それぞれ一つだけ設置してもよい。同様に、利用者が当該第一押さえゴム30と当該第二押さえゴム40を当該第一外側係合歯121aと当該第二外側係合歯122aを貫き通して当該取り付け溝12に入れて、第一内側係合歯と第二内側係合歯により当該第二押さえゴム40を堅固に当該取り付け溝12に固定するという役割を果たすことができる。
【0015】
図5を参照すると、当該第二押さえゴム40は、接続された底部40aと延出部40bを有する。当該延出部40bは、当該取り付け溝12の溝口を貫き通して当該取り付け溝12に突出する。当該底部40aにおける外側面401は、当該表面10aと揃う。この場合に、当該第二押さえゴム40により当該取り付け溝12の溝口を閉鎖する設計により、埃や他の汚染物が当該取り付け溝12に沈積してしまうのを避けるのみならず、利用者が当該網戸を操作する場合に、当該第一押さえゴム30を誤ってタッチすることにより当該第一押さえゴム30が当該取り付け溝を抜けて、網が落下してしまうという問題を避けることも可能である。更に説明することは、当該第二押さえゴム40における断面が「コ(開口下向き)」という字形状とされており、また、当該第二押さえゴム40において当該延出部40bにおける対向する両側にそれぞれ突起部402を有し、当該突起部402がそれぞれ第一外側係合歯121aと当該第二外側係合歯122aに嵌合する。当該第二押さえゴム40に係る「コ(開口下向き)」という字形状の設計により、利用者が当該第二押さえゴム40を取り付ける場合に、弾性変形を生じさせるように、当該第二押さえゴム40の当該延出部40bにおける対向する両側を少々押し付けてから、当該第二押さえゴム40における当該延出部40bを当該取り付け溝12に入れるとよい。そして、取り付けの利便性を大幅に高めることが可能である。また、当該突起部402が、それぞれ、第一外側係合歯121aと当該第二外側係合歯122aに互いに嵌合するという設計により、当該第二押さえゴム40を確実に当該取り付け溝に嵌合でき、抜けが難しい。
【0016】
本実施例では、当該第一押さえゴム30を例に説明したが、実際において、一つ以上の第一押さえゴム30を設置することを排除しない。例に挙げると、利用者が当該網20を当該窓枠10に取り付けようとすると、先に当該網20における周縁を当該取り付け溝12に設置してから、複数の第一押さえゴム30と当該第二押さえゴム40を順に当該取り付け溝12に入れて、つまり、当該第一押さえゴム30を当該取り付け溝12の溝底と当該第二押さえゴム40との間に設置することによれば、同様に、押さえゴムと網との接触面積を増やして利用者が当該第一押さえゴム30を誤ってタッチすることにより当該第一押さえゴムが抜けるのを避ける、という効果を達することも可能である。
【0017】
纏めると、本発明による効果は、以下の通りである。
当該第一押さえゴム30と当該第二押さえゴム40を設置することにより、押さえゴム網20の接触面積が増え、当該網20を更に堅固に当該窓枠10に設置することができる。また、当該第二押さえゴム40における当該底部40aの外側面401と当該窓枠10における表面10aとが揃うという設計により、埃や他の汚染物が当該取り付け溝12に沈積してしまうのを避けると共に、利用者が当該網戸を操作する場合に、当該第一押さえゴム30を誤ってタッチすることにより当該第一押さえゴム30が当該取り付け溝12から抜けて網が落下してしまうという問題を避けることができる。
【0018】
以上に記載したのは、本発明における好ましい実施可能な実施例に過ぎず、本発明の明細書及び特許請求の範囲に基づく均等置換は、いずれも、特許請求の範囲に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0019】
1 網戸
10 窓枠
10a 表面
12 取り付け溝
121 第一溝壁
121a 第一外側係合歯
121b 第一内側係合歯
122 第二溝壁
122a 第二外側係合歯
122b 第二内側係合歯
123 係合歯
123a 自由端
20 網
30 第一押さえゴム
401 外側面
402 突起部
40a 底部
40b 延出部
40 第二押さえゴム
A 面取り
D1 第一間隔距離
D2 第二間隔距離
4 局所部品
図1
図2
図3
図4
図5