(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】井戸修復方法
(51)【国際特許分類】
E21B 37/08 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
E21B37/08
(21)【出願番号】P 2022091682
(22)【出願日】2022-06-06
(62)【分割の表示】P 2020543156の分割
【原出願日】2019-02-20
【審査請求日】2022-06-30
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503001414
【氏名又は名称】サブサーフェイス テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【氏名又は名称】安達 友和
(72)【発明者】
【氏名】マンスゥイ ニール
(72)【発明者】
【氏名】カタニア スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】オーランド ジョセフ
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-504847(JP,A)
【文献】米国特許第04534413(US,A)
【文献】特表2004-501303(JP,A)
【文献】特公昭47-027390(JP,B1)
【文献】特開昭63-300197(JP,A)
【文献】特開昭60-016626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
井戸修復用の改良された改良システムであって、前記改良システムは、
井戸
のスクリーン又はボアホール壁
の内径よりも小さい
外径を有
する円筒状の外形をなし、軸方向を鉛直方向に沿わせて前記井戸の中に挿入される体積置換管と、
長手管状をなし、遠位端を有するエネルギー注入ポート
と、を備え、
前記エネルギー注入ポートは、
前記スクリーン又はボアホール壁及びケーシングと、挿入された前記体積置換管との間に形成される環状空間内に前記遠位端が位置するように、前記井戸の中に鉛直方向に延在するように挿入された後に、前記遠位端を介してCO
2
を注入して前記井戸の中に前記井戸を洗浄するためのCO
2
エネルギーを注入可能に構成されており、
前記CO
2
エネルギーは、化学エネルギー、熱エネルギー、及び機械エネルギーの少なくとも一つである、改良システム。
【請求項2】
前記遠位端には、前記エネルギー注入ポートから前記井戸に注入されるCO
2
エネルギーの方向を、鉛直方向から、挿入された前記体積置換管側を向く方向に転換させるエネルギー方向転換ポートが設けられており、
前記エネルギー方向転換ポートは、前記環状空間内にCO
2
又は水の少なくとも一方を含む渦を生成するように構成されている、請求項1に記載の改良システム。
【請求項3】
前記エネルギー方向転換ポートは、エネルギー迅速放出バルブ
である、請求項
2に記載の改良システム。
【請求項4】
前記エネルギー方向転換ポートは、前記エネルギー注入ポートの遠位端の屈曲部(el)の形態である、請求項
2に記載の改良システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、井戸修復方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
Aqua Freed(登録商標)(以下、アクアフリードとする)は、天然炭酸ガスを利用する革新的な井戸洗浄プロセスであり、規制上の排出を容易に順守すること並びに井戸、フィルターパック、及び周囲帯水層のあらゆる場所への洗浄エネルギーの良好な分配を可能にする。様々な運転上の問題を引き起こす堆積物は、周囲層からの様々な鉱物、生物関連物、及び細粒で構成される。堆積物は、初期段階では柔らかいが、長期運転の間に完全な石化が起こり、硬くなった堆積物がもたらされる。この堆積物は、成長して取り除きにくくなる場合があり、井戸及び周囲フィルタパック及び近くの帯水層の中に積極的な有効エネルギーを適用することが必要となる(米国特許第7,270,179号参照)。
【0003】
井戸の洗浄には有効エネルギーが必要である。アクアフリードプロセスで使用される大部分のエネルギーは、炭酸ガス(CO2)の相変化を経る際の様々な相で供給される。CO2が存在する相は、温度及び圧力に相関関係があり、井戸環境においてCO2の3つの主要な相(固体、液体、及び気体)が生じる可能性がある。アクアフリードは、液相及び気相の炭酸ガスの制御された注入を伴う。液体CO2は、井戸の中に注入され、注入点で引き起こされる温度及び圧力は、最初は液体CO2が存在するための安定した環境を提供しない。従って、CO2は気体及び固体への相変化を経験する。CO2の液体から気体への相変化は、大気条件で570倍の体積膨張を引き起こすことができる。この体積膨張は、井戸の中及び井戸環境の近くで洗浄作用及び撹拌をもたらすエネルギーの1つの供給源である。
【0004】
他のエネルギー供給源は、液体CO2(液体及び固体CO2は非常に低温の可能性がある)の制御された注入による、井戸の中の水の熱力学的冷却である。水は十分に冷たくなると凍結することができる。固体水(氷)は、液体水よりも大きな体積を有し、氷の形成は、井戸の中の空孔容積を閉塞する物質を粉砕してバラバラにすることができる。
【0005】
利用することができるアクアフリードプロセスを用いて井戸の中に送られるエネルギーの様々な態様がある。
【0006】
液体及び気体CO2の形態でエネルギーを井戸の中に注入すると、液体から気体、液体から固体、及び固体から気体(昇華)への相変化が生じる。これは、閉塞物質をバラバラにするエネルギーを送る最も効率的な方法であることが明らかになっている。アクアフリードプロセスは、経済的で井戸のポンピング能力を回復させ、さらに危険な場合がある化学物資を中和して処分する必要性を取り除く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、長い生成間隔を有する場合がある井戸の生成間隔の全ての部分で有効エネルギーを良好に分配することで、アクアフリードプロセスを改良することである。また、本発明の目的は、井戸の全構造体にわたってエネルギーを分配するための課題を解決することである。
【0009】
本発明の別の目的は、井戸スクリーン及び周囲の帯水層を介して有効エネルギーを送ること、又は開放孔岩石井戸の割れ目の中にエネルギーを送ることである。より効率的にエネルギーを送ると炭酸ガス体積の低減につながり、井戸の開発段階の間にポンプ送給する必要がある炭酸塩及び炭酸ガスの残留がより少なくなるという結果になる。より少ない炭酸ガスは、水質を環境又は処理前の状態に戻す時間を早めることができる。エネルギーをより効率的に供給することに加えて、炭酸ガス体積の調整及び調節は、様々な種類の帯水層(地質学的単位)の間隙率の変動に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
エネルギー供給は、密閉された井戸の中に炭酸ガスエネルギーを利用して送って分配することができる環境に優しい化学物質を含む結合エネルギーで達成することができる。炭酸ガスの相変化は化学物質の撹拌を引き起こし、これらの化学物質が井戸の全領域に達するのを可能にする。結合エネルギーは、井戸が長い生成間隔を有する場合に必要である。既存のアクアフリード手法の改良は、洗浄エネルギーのより均等な分配を達成する結合エネルギーの使用を伴う。結合エネルギーは、液体から気体、液体から固体、及び固体から気体への炭酸ガスの相変化によって引き起こされる化学エネルギー、熱エネルギー、及び機械エネルギーを含む。化学エネルギーは、鉱物溶解に有効であり、生物学的分解及び消毒、金属分解、及び粘土分解に有効であるNSF認可の独自化学物質によって提供される。井戸の中に化学的性質を加えて炭酸ガス相変化の撹拌を利用することで、井戸の全ての部分に化学エネルギーがより効率的に供給される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】エネルギー注入用に構成されたフィルターパックを備えたスクリーン井戸を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、井戸修復の改良された方法を含み、この方法は、井戸の生成間隔の全ての部分及び周囲層を含む全ての井戸構造のあらゆる場所に有効エネルギーのより効率的な分配を提供するステップを含み、CO2注入の間にCO2相変化を制御することで全ての井戸構造のあらゆる場所にエネルギーを分配して、井戸ボア及び周囲層の中にサージ撹拌を引き起こして、CO2が機械エネルギー及び随意的に化学エネルギーを井戸の実質的に全ての領域に伝えることを可能にする。
【0013】
本方法は、化学エネルギー、熱エネルギー、及び機械エネルギーを含む、少なくとも1つのエネルギーを利用することができる。
【0014】
本方法の特徴は、環境的に安全な化学物質を井戸構造全体のあらゆる場所に分配するためにCO2の相変化を利用することを含む。
【0015】
本方法は、炭酸ガス注入の前に体積置換管を配置するステップをさらに含み、体積置換管は、井戸スクリーン又はボアホール壁よりも小さな直径を有し、井戸の中の水を置換するのに必要なエネルギーを抑え、洗浄結合エネルギーをスクリーン又は岩石井戸の割れ目により効率的に案内するのを可能にする。
【0016】
注入プロセスの間に井戸の中の体積置換管(VDP)は、炭酸ガスを抑えてプロセスをよりコスト効率の高いものにすると共に水質を処理前の品質に戻す前の後続の開発時間を短くすることをもたらす。
【0017】
本方法は、体積置換管と井戸スクリーン又はボアホール及びケーシングとの間の環状空間内に渦を生成する方法で炭酸ガスを注入して、結合エネルギーが井戸の全領域に分配されることを可能にするステップを含む。
【0018】
本方法は、岩石井戸が環境状態又は処理前の状態にもどる前のより短いポンプ開発時間をもたらす可溶化炭酸ガスが周囲層に入り込むのを抑えることにつながる、炭酸ガスエネルギー量を選択するステップを含む。
【0019】
本方法は、帯水層の間隙率に加えて、帯水層の緩衝能力を評価することで体積を選択するステップを含み、緩衝能力は、帯水層内の炭酸塩の量及び水の全アルカリ度を評価することで決定することができる。
【0020】
本方法は、炭酸ガス用の注入ノズルを所望の角度に向けて、体積置換管(VDP)と井戸スクリーン又はボアホール壁との間の環状空間内に渦をもたらすステップを含み、渦は、井戸又は周囲帯水層のあらゆる場所により効率的にエネルギー又は結合エネルギーを分配する。
【0021】
本方法は、炭酸ガスを密閉された井戸の中に注入して、液体注入サイクルと気体注入サイクルとの間で切り替えることで井戸をサージするステップを含み、各サイクルの長さは、生成間隔の長さ、井戸処理ゾーンの水量、及び炭酸ガスの流量に基づいて計算される。
【0022】
また、本方法は、水柱のサージを生成する高頻度の液体区間サイクルを使用して結果的にサージ効果を最大にする液体と気体との間の区間の頻度を高める、気体注入サイクルを短縮するステップを含む。
【0023】
本方法において、炭酸ガス量は、全間隙率及び井戸内部の処理ゾーンの体積を使用して微調整され、周囲層への影響を少なくして最大の洗浄効果を可能にし、洗浄エネルギーを生成間隔及び井戸から水平方向に短い距離に限定されたものにする。
【0024】
本方法において、化学エネルギーは、鉱物溶解、生物及び金属分散に有効なNSF許可の独自化学エネルギーであり、これは周囲フィルターパック及び帯水層に結合エネルギーを分配するために密閉井戸に注入される炭酸ガスの使用を必要とする。
【0025】
本発明は、井戸修復用の改良されたシステムをさらに備え、改良システムは、炭酸ガス注入の前に井戸の中に挿入されるように構成された体積置換管を備え、体積置換管は、井戸スクリーン又はボアホール壁よりも小さい直径を有し、体積置換管は、井戸の中の水を置換するのに必要なエネルギーを抑え、洗浄結合エネルギーをスクリーン又は岩石井戸の割れ目により効率的に案内するのを可能にするように構成され、改良システムは、さらにエネルギー注入ポートを備え、エネルギー注入ポートは、その遠位端にエネルギー方向転換ポートを有する。
【0026】
改良システムにおいて、エネルギー方向転換ポートは、エネルギー迅速放出バルブとすることができる。
【0027】
改良システムにおいて、エネルギー方向転換ポートは、その遠位端の屈曲部(el)の形態とすることができる。
【0028】
改良システムにおいて、エネルギー注入ポートは、結合エネルギーが井戸の全領域に分配されることを可能にする、体積置換管と井戸スクリーン又は井戸のボアホール及びケーシングとの間の環状空間内に渦を生成するように構成される。
【0029】
本発明の方法及びシステムは、井戸に限定されないが、この改良方法及びシステムを用いて修復することができる例えば脱塩井戸を含む、様々な種類の井戸に用いることができる。
【0030】
図1は、井戸に液体CO
2が注入される際の変動時間間隔の注入サイクルの利点を示し、水は炭酸ガスで過飽和になる。注入バルブにおいて液体から気体CO
2への遷移が行われる際に、CO
2で満たされた水はCO
2を放出し、水位が急激に低下する。液体から気体へ戻ることで、水が井戸の中に急激に逆流するので突然のサージが生じる。この井戸の中への突然のサージは、さらに井戸を囲む間隙空間に浸入した周囲帯水層からの付着物質を破壊し、付着した閉塞物質を動かし、微細にする。
【0031】
液体及び気体の注入時間間隔を操作すると、洗浄プロセスの効率及び有効性を改良することができる。液体と気体との間の変化によってもたらされるサージは、液体時間間隔を長くして気体注入時間間隔を短くすることで最大になる。サージ効果は、井戸の中の気泡の濃度変化によって井戸の中に引き起こされる。液体CO2が井戸の中の注入される場合、井戸の中の気泡の濃度は非常に高く、井戸の中の水の表面は激しく動かされる。井戸の中の高濃度の気泡は、井戸の中で高濃度の気泡の上向きの運動をもたらし、浮力効果をもたらす。CO2の制御された注入状態で液相から気相への遷移が生じる場合、高濃度の気泡は非常に低くなり井戸の中の水位はすぐに下がる。本質的に、高濃度気泡で満たされた水柱の体積は、高濃度CO2(液体注入)が終わると崩れる。液体CO2注入の間の浮力効果に加えて、井戸の中の水位は、溶液から出るガスと共に低下し、気体への相変化は、井戸の中への水の急激な戻りをもたらし、サージ効果を引き起こす。液体から気体への遷移によって引き起こされるサージは、「浮力」効果を生じるのに必要な液体量を計算することで最大にすることができる。所望の浮力効果に達すると、気体注入に切り替えることができる。井戸の中へのCO2の供給圧力及び流量が分かれば、液相及び気相CO2を供給するために計時機構を用いることができる。計時機構を用いた供給制御は、このサージ効果を最大にして、様々な相の供給が井戸の中の水の最大の運動量をもたらすことを保証することができる。
【0032】
水柱上での液体CO
2から気体CO
2への遷移が有するサージ効果を最大にするのに加えて、井戸へのCO
2の供給の高度の制御は、注入時の井戸の中への他の形態のエネルギー供給を最大にすることができる。多相流は、アクアフリードプロセスが引き起こす多相流の2つの形態があることを示す。第1の形態の多相流は、井戸の中へのCO
2の直接供給である。CO
2は、オペレータがどのように注入を制御したかに応じて3つの異なる形態、気体のみ、液体のみ、及び気体と液体の混合物で供給装備内を進むことになる。多数の流動様式がある。二相流体は垂直水柱内で、気泡流、スラグ流、チャーン流、環状流、及び環状噴霧流(wispy-annular)で流れることになる。流体が流入することになる流動様式は、気体対液体の濃度、並びに管内の液体の速度に基づく。CO
2混合物を供給する最良の方法の決定を行うことができ、供給管を通る流れは、決定された方法でCO
2を供給するために流れ制御装置で制御することができる。CO
2混合物を供給する最良の方法の決定は、どの流動様式が、1)注入プロセスで液体から気体への遷移によって引き起こされるサージ効果及び2)ボルテックス効果を引き起こす最も効率的な方法をもたらすかに基づいて行うことができる。CO
2供給の流動様式は、アクアフリードプロセスで選択された様式が有する効果の標的とすることができる。第2の態様は、注入点を超える多相流である。液相及び気相が井戸の中に入り、液相が気相に変化する場合、液相が井戸の中の水であり、気相が上昇する気体CO
2である新しい多相様式が生じる。この第2の流動様式の目的は、閉塞物質の大部分を除去することである。
図1を見ると、特定の流動様式が他の流動様式よりも破壊的に見えることが示されている。特に、気泡流及び環状流の様式は、スラグ流又はチャーン流と同じように破壊的には見えない。注入は、近くの井戸環境を最大に破壊することになる多相様式に従って制御することができる。
【0033】
炭酸ガス量の微調整は所望の洗浄効果を得るのに必要である。洗浄される井戸からの流動試験データは、「全間隙率」の推定値を与えることができる。全間隙率は、開放間隙空間である全地質学的単位の分率である。有効間隙率は、効率的に水を生成して炭酸ガスを取得することができる間隙空間である。これは、流体に使用可能な、従って炭酸ガスに使用可能な空間容量の単位定量化とすることができる。従って、全間隙率は、利用される炭酸ガス量を微調整するために用いることができる。炭酸ガス量の微調整は、周囲層への影響を少なくして最大の洗浄効果を可能にし、洗浄エネルギーを生成間隔及び井戸から水平方向に短い距離に限定されたものにする。この全容量の分率は、0から1の間とすることができる。井戸が入る一般的な土壌の一部は以下のような一般的な範囲を有する。
帯水層材料 間隙率%
沈泥 35から50
中砂から粗砂 25から40
均一砂 30から40
細砂から中砂の混合 30から35
礫岩 25から40
礫岩及び砂 20から35
破砕水晶質岩 0から10
破砕玄武岩 5から50
カルスト石灰石 5から50
石灰石 0から20
砂岩 5から30
【0034】
井戸からの放出率は、井戸の中に注入される炭酸ガスを調整するために利用することができる。有意な経験及びノウハウに基づいて現在利用されている炭酸ガス量は、井戸からの放出率に基づいて調整することができる。以下の既存の体積計算値からの調整を用いることができる。
【0035】
図2は、井戸7の中に体積置換管を有するフィルターパックを備えたスクリーン付き井戸を示すが、様々な種類の井戸が存在し洗浄のために同様のエネルギーを必要とする。
【0036】
様々な種類の井戸は、給水井戸、注入井戸、ASR井戸、回収井戸、監視井戸、収集井戸、斜め井戸、水平井戸、傾斜井戸などを含むことができる。開放孔岩石井戸を含む何らかの他の種類の井戸は、類似のステップで洗浄することができる。
【0037】
井戸は、フランジ2又は井戸ケーシング14の内部に配置されたパッカーで密閉される。炭酸ガス又は選択された化学物質は、注入ライン1、3を通って井戸の中に導入される。使用される場合、化学物質は、井戸の中に加えることが許可される必要がある。様々な間隔で、炭酸ガスは、注入ライン1、3を通って井戸の中に導入され、安全な圧力で密閉された井戸2の中への注入エネルギーに基づいて調整され、ポート15を介して圧力ゲージ5によって監視される。ポンプ注入されない水位又は静止水位は8で図示される。密閉された井戸2への炭酸ガスの注入は、井戸ケーシング14の周りに何らかのグラウト材6を有することを必要とする。気相及び液相の両方における炭酸ガスの間隔は、最大エネルギー分配を実現するために、洗浄プロセスの技術に基づいて導入される。非常に長いスクリーン又は開放孔間隔で、化学エネルギー及び炭酸ガスエネルギーは、井戸生成間隔10全体にわたって分配することができ、結合エネルギーはフィルターパック11及び周囲層13の中に入り込む。炭酸ガスの相変化からのエネルギー放出は、井戸構造10、11全体にわたりかつ帯水層からの鉱物、生物関連物、及び微細物質で閉塞された井戸領域の周囲層13の中にエネルギーを分配する必要がある。低減された炭酸ガス量及び/又は化学エネルギーは、体積置換管7と共に使用される。また、体積置換管7は、炭酸ガス又は結合エネルギーを閉塞堆積が起こった場所に案内する(10、11、13)。
【0038】
注入パイプ1、3を通り方向転換屈曲部4を介して密閉された井戸2の中に注入された炭酸ガスは、低減された環状空間9の中に渦12を形成する。渦12によって、結合エネルギーは、方向変換屈曲部4で表される注入点から分配されて内部を上昇し、井戸全体及び井戸の近くをより効率的に洗浄する。体積置換管7は、周囲層13の中へ入り込むエネルギーを抑えて井戸全体10、11、13を洗浄するのに必要なエネルギー量を低減することができる。周囲層13の中に入り込むエネルギーを抑えると、井戸を環境状態又は処理前の状態に戻すのに必要な時間が短くなる。通常、翌日、注入装置1、2、3及び体積置換管7が除去され、従来の開発方法を用いて、分離及び可溶化した閉塞堆積物を井戸10、11、13から除去する。
【符号の説明】
【0039】
1 エネルギー注入ポート
2 井戸密閉フランジ(パッカーを用いることができる)
3 井戸の下部への炭酸ガス及び/又は化学物質注入ライン
4 エネルギー方向変換ポート又はエネルギー迅速放出バルブ
5 井戸内部の圧力を測定する圧力ゲージ
6 グラウト材シール
7 体積置換管
8 静止水位
9 井戸ケーシング及びスクリーン又は開放孔と体積置換管との間の低減された環状空間
10 井戸スクリーン又は岩石井戸のボアホール面
11 フィルターパック又はナチュラルパック
12 炭酸ガス注入及び方向変換バルブで生成された渦
13 固化又は非固化帯水層
14 井戸ケーシング
15 密閉された井戸に通じるポート