(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230630BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20230630BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/792
(21)【出願番号】P 2019108284
(22)【出願日】2019-06-10
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 一輝
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-171473(JP,A)
【文献】特許第5817900(JP,B1)
【文献】「納涼ステップアップガチャ」開催のお知らせ,ぷよぷよ!!クエスト(ぷよクエ)公式サイト,2018年08月27日,https://puyopuyoquest.sega-net.com/sp/news/detail/180827_55646.html,[検索日 2023年3月2日]
【文献】移管キャンペーン!ステップアップガチャ登場!,少女とドラゴン-幻獣契約クリプトラクト-公式サイト,2016年03月03日,https://crw.lionsfilm.co.jp/news/detail.php?id=12&k=3,[検索日 2023年3月2日]
【文献】謹賀新年!期間限定のステップアップガチャで新年の運試し!お正月限定エイリアンをGET!,PRTIMES,2017年01月01日,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000155.000009755.html,[検索日 2023年3月2日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
複数のステップのそれぞれに対して設定された仮想景品の抽選条件を取得する抽選条件取得処理部、
取得された前記抽選条件に基づいて、前記複数のステップの各ステップにおいて前記仮想景品の抽選を実行する第1抽選実行処理部、
特定のステップ以外の前記ステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、前記ステップを予め設定された順序で次のステップに移行するステップ移行処理部、
前記特定のステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、次に移行するステップを抽選する第2抽選実行処理部、
として機能させ
、
前記ステップ移行処理部は、
前記特定のステップを前記順序での最後のステップとして前記ステップを移行し、
前記第2抽選実行処理部は、
前記最後のステップで前記仮想景品の抽選が実行された後に、次に移行するステップを前記順序での最初のステップ以外のステップの中から抽選する、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記情報処理装置を、
前記第2抽選実行処理部による前記ステップの抽選後に、プレイヤの指示により対価の支払いを受けたか否かを判定する対価支払判定処理部、
前記対価の支払いを受けた場合には、次に移行するステップを再抽選する再抽選実行処理部、
としてさらに機能させる、
請求項
1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記再抽選実行処理部は、
前記第2抽選実行処理部又は前記再抽選実行処理部により直前に当選したステップよりも前記順序で後順にあたるステップの中から次に移行するステップを再抽選する、
請求項
2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記第2抽選実行処理部は、
抽選対象の各ステップに対して予め設定された当選確率で抽選する、
請求項1乃至
3のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記抽選条件取得処理部は、
複数の前記仮想景品が分類される複数の種別のそれぞれに設定された当選確率のうち、他の種別よりも価値の高い種別の前記当選確率が前記順序で後順となるにつれて同じか高くなるよう設定された前記抽選条件を取得する、
請求項1乃至
4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
複数のステップのそれぞれに対して設定された仮想景品の抽選条件を取得する工程と、
取得された前記抽選条件に基づいて、前記複数のステップの各ステップにおいて前記仮想景品の抽選を実行する工程と、
特定のステップ以外の前記ステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、前記ステップを予め設定された順序で次のステップに移行する工程と、
前記特定のステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、次に移行するステップを抽選する工程と、
を有
し、
前記次のステップに移行する工程では、
前記特定のステップを前記順序での最後のステップとして前記ステップを移行し、
前記ステップを抽選する工程では、
前記最後のステップで前記仮想景品の抽選が実行された後に、次に移行するステップを前記順序での最初のステップ以外のステップの中から抽選する、ゲーム処理方法。
【請求項7】
前記ステップを抽選する工程における前記ステップの抽選後に、プレイヤの指示により対価の支払いを受けたか否かを判定する工程と、
前記対価の支払いを受けた場合には、次に移行するステップを再抽選する工程と、
をさらに有する、請求項
6に記載のゲーム処理方法。
【請求項8】
前記ステップを再抽選する工程では、
前記ステップを抽選する工程又は前記ステップを再抽選する工程により直前に当選したステップよりも前記順序で後順にあたるステップの中から次に移行するステップを再抽選する、
請求項
7に記載のゲーム処理方法。
【請求項9】
前記ステップを抽選する工程では、
抽選対象の各ステップに対して予め設定された当選確率で抽選する、
請求項
6乃至
8のいずれか1項に記載のゲーム処理方法。
【請求項10】
前記抽選条件を取得する工程では、
複数の前記仮想景品が分類される複数の種別のそれぞれに設定された当選確率のうち、他の種別よりも価値の高い種別の前記当選確率が前記順序で後順となるにつれて同じか高くなるよう設定された前記抽選条件を取得する、
請求項
6乃至
9のいずれか1項に記載のゲーム処理方法。
【請求項11】
複数のステップのそれぞれに対して設定された仮想景品の抽選条件を取得する抽選条件取得処理部と、
取得された前記抽選条件に基づいて、前記複数のステップの各ステップにおいて前記仮想景品の抽選を実行する第1抽選実行処理部と、
特定のステップ以外の前記ステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、前記ステップを予め設定された順序で次のステップに移行するステップ移行処理部と、
前記特定のステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、次に移行するステップを抽選する第2抽選実行処理部と、
を有
し、
前記ステップ移行処理部は、
前記特定のステップを前記順序での最後のステップとして前記ステップを移行し、
前記第2抽選実行処理部は、
前記最後のステップで前記仮想景品の抽選が実行された後に、次に移行するステップを前記順序での最初のステップ以外のステップの中から抽選する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された端末機器によりプレイされるいわゆるオンラインゲームにおいて、ゲーム上で使用できるキャラクタやアイテム等の仮想景品が、偶然性を利用して仮想景品の種類が決まる方法によってユーザに提供される、抽選ゲーム(いわゆるガチャ)が知られている。
【0003】
抽選ゲームの一例として、例えば特許文献1には、ユーザが抽選を行うほどゲーム的価値(レアリティ)の高い仮想景品の当選確率が上昇するステップアップ抽選が記載されている。このステップアップ抽選では、プレイヤによる抽選回数が回数と周回数とにより管理される。回数はプレイヤが抽選を実行する度に1ずつ増加し、回数が1周毎の上限回数に達した場合には周回数が1増加し、回数がリセットされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、回数が上限回数に達する度に最初のステップに戻って周回を繰り返すこととなるため、興趣性に乏しかった。このため、さらなる興趣性の向上が望まれていた。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、ステップアップ抽選ゲームの興趣性を向上することができるゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、情報処理装置を、複数のステップのそれぞれに対して設定された仮想景品の抽選条件を取得する抽選条件取得処理部、取得された前記抽選条件に基づいて、前記複数のステップの各ステップにおいて前記仮想景品の抽選を実行する第1抽選実行処理部、特定のステップ以外の前記ステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、前記ステップを予め設定された順序で次のステップに移行するステップ移行処理部、前記特定のステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、次に移行するステップを抽選する第2抽選実行処理部、として機能させる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、複数のステップのそれぞれに対して設定された仮想景品の抽選条件を取得する工程と、取得された前記抽選条件に基づいて、前記複数のステップの各ステップにおいて前記仮想景品の抽選を実行する工程と、特定のステップ以外の前記ステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、前記ステップを予め設定された順序で次のステップに移行する工程と、前記特定のステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、次に移行するステップを抽選する工程と、を有する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、複数のステップのそれぞれに対して設定された仮想景品の抽選条件を取得する抽選条件取得処理部と、取得された前記抽選条件に基づいて、前記複数のステップの各ステップにおいて前記仮想景品の抽選を実行する第1抽選実行処理部と、特定のステップ以外の前記ステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、前記ステップを予め設定された順序で次のステップに移行するステップ移行処理部と、前記特定のステップで前記仮想景品の抽選を実行した後に、次に移行するステップを抽選する第2抽選実行処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置によれば、ステップアップ抽選ゲームの興趣性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表す図である。
【
図2】サーバのステップアップ抽選ゲームに関わる機能的構成の一例を表すブロック図である。
【
図3】第1ステップに対応したゲーム画面の一例を表す図である。
【
図4】第1ステップでの基本当選確率の一例を表す図である。
【
図5】ステップアップ抽選ゲームのステップ移行マップの一例を表す図である。
【
図6】第2ステップに対応したゲーム画面の一例を表す図である。
【
図7】第2ステップでの当選確率の一例を表す図である。
【
図8】第3ステップでの当選確率の一例を表す図である。
【
図9】第4ステップでの当選確率の一例を表す図である。
【
図10】第5ステップでの当選確率の一例を表す図である。
【
図11】ステップ降格抽選についての説明操作用のゲーム画面の一例を表す図である。
【
図12】ステップ降格再抽選についての説明操作用のゲーム画面の一例を表す図である。
【
図13】サーバのCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
【
図14】情報処理装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、
図1を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。
図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のプレイヤによって操作される複数の端末装置3(
図1では1つのみ図示)と、サーバ5を有する。端末装置3とサーバ5は、例えばLANやインターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークNWは無線又は有線のいずれでもよい。また、
図1ではサーバ5が1台のコンピュータで構成されているが、複数台のコンピュータで構成されてもよい。
【0014】
端末装置3は、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯型ゲーム機等である。但し、これらに限定されるものではなく、例えば、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、据え置き型のゲーム機等としてもよい。端末装置3は、各種の表示及びプレイヤによる各種の入力操作が行われるタッチパネル7を有する。プレイヤは、指やペン等によりタッチパネル7に接触することで所望の操作入力を行う。
【0015】
タッチパネル7の検出方式は、特に限定されるものではないが、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式等、種々の検出手法を採用することが可能である。なお、端末装置3は、タッチパネル7以外に、ボタンやスイッチ等の入力部を備えてもよい。
【0016】
サーバ5(情報処理装置の一例)は、いわゆるサーバコンピュータである。サーバ5は、ゲームサービスを受ける各プレイヤの端末装置3からのネットワークNWを介したアクセスを受け付けて、各プレイヤのゲーム情報を記録装置に蓄積して管理し、各プレイヤにネットワークNWを介したオンラインゲームサービスを提供する。
【0017】
サーバ5によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲームプログラム(アプリケーションソフトウェアともいう)がサーバ5に実装されており、端末装置3でゲームを実行するのではなく、端末装置3でのプレイヤの操作入力に応じてサーバ5でゲームを実行し、その実行結果を各プレイヤの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各プレイヤの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームをプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ5が提供してもよい。また、サーバ5でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式等で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲームをサーバ5が提供してもよい。あるいは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)などの動作環境を基に作成されるアプリケーションソフトウェアによって実行される、いわゆるソーシャルゲームをサーバ5が提供してもよい。なお、端末装置3にゲームプログラムの一部をインストールし、サーバ5だけでなく端末装置3においても部分的にゲーム処理が実行されるようにしてもよい。
【0018】
<2.サーバの機能的構成>
次に、
図2を用いて、サーバ5の機能的構成のうち、ステップアップ抽選ゲーム(ステップアップガチャともいう)に関わる機能的構成の一例について説明する。
【0019】
図2に示すように、サーバ5は、仮想景品データベース9と、抽選条件取得処理部11と、第1抽選実行処理部12と、ステップ移行処理部13と、第2抽選実行処理部14と、対価支払判定処理部15と、再抽選実行処理部16とを有する。
【0020】
仮想景品データベース9には、サーバ5で実行されるステップアップ抽選ゲームで提供される複数の仮想景品が複数の種別に分類されて格納されている。ここでいう「仮想景品」とは、各種のゲーム上で使用可能なゲームキャラクタ(キャラクターカード等を含む)やアイテム(例えば武器、防具、装具、その他各種効能を備えた道具等)等である。なお、ステップアップ抽選ゲームは、それ自体が単独のゲームとして実行されてもよいし、例えばロールプレイングゲームやシミュレーションゲーム、アクションゲーム等、その他の種類のゲーム上にて実行されてもよい。
【0021】
また、仮想景品データベース9には、各プレイヤごとに保管庫(図示省略)が設定されており、当該保管庫にプレイヤが獲得した仮想景品が格納される。
【0022】
また、仮想景品データベース9には、確率記録部(図示省略)が設定されており、当該確率記録部に仮想景品の種別ごとに設定された当選確率及び各種別に分類された仮想景品ごとに設定された当選確率が記録されている。詳細は後述するが、当選確率はステップアップ抽選ゲームを繰り返し実行するたびに移行するステップごとに設定されており、確率記録部には各ステップに対応した当選確率がそれぞれ記録されている。
【0023】
抽選条件取得処理部11は、上記の各ステップのそれぞれに対して設定された仮想景品の抽選条件を取得する。「抽選条件」とは、後述の第1抽選実行処理部12が仮想景品の抽選(以下適宜「景品抽選」という)を実行する際の条件であり、例えば当選確率、必要対価、抽選対象となる仮想景品のラインナップ等である。本実施形態では、抽選条件が当選確率と必要対価である場合について説明する。
【0024】
「当選確率」には、抽選対象となる複数の仮想景品が分類される複数の種別のそれぞれに設定された種別当選確率、及び各種別に分類された仮想景品ごとに設定された景品当選確率が含まれている。「種別」とは、各仮想景品をゲーム内での価値(稀少度や能力、効能値等)に応じて分類するために設定された種別であり、例えば「ノーマル」、「レア」、「スーパーレア」等の名称で呼称される。一の種別に分類された仮想景品の景品当選確率の合計は当該種別の種別当選確率となり、複数の種別の種別当選確率の合計は100%となる(後述の
図4、7~10参照)。
【0025】
「必要対価」とは、上記の景品抽選や後述するステップ降格再抽選などの抽選処理を実行するために、その抽選内容に応じてプレイヤに対し要求する対価である。「対価」とは、ゲーム上で獲得、消費する仮想的な通貨やアイテムであり、所定の単位を基準とした数値やアイテム数で表される。この対価は、例えばプレイヤが所定のクエストやミッションをクリアした報酬として獲得するものやオンラインゲームの運営側から配布されるもの等の無償で取得できるものであってもよいし、またはプレイヤによる所定の購入手続きを経て有償で取得できるものであってもよい。
【0026】
第1抽選実行処理部12は、上記抽選条件取得処理部11が取得した抽選条件に基づいて仮想景品の景品抽選を実行する。具体的には、その時点のステップに対応して取得した抽選条件の必要対価がプレイヤにより支払われることを実行条件として、当該ステップに対応して取得した抽選条件の当選確率の配分に基づいて景品抽選を実行する。当選した仮想景品はプレイヤに提供され、仮想景品データベース9における当該プレイヤの保管庫に格納される。
【0027】
ステップ移行処理部13は、特定のステップ以外のステップで景品抽選が実行された後に、ステップを予め設定されたステップ順序で次のステップに移行する。本実施形態では、ステップアップ抽選ゲームは5つのステップから構成されており、ステップ移行処理部13は、最初の第1ステップから始めて、第2ステップ、第3ステップ、第4ステップ、そして最後の第5ステップのステップ順序で移行する(後述の
図5参照)。つまり、第5ステップが上記特定のステップに相当し、第1~第4ステップが上記特定のステップ以外のステップに相当する。なお、ステップ数は5以外としてもよい。
【0028】
第2抽選実行処理部14は、上記特定のステップで景品抽選が実行された後に、次に移行するステップを抽選(以下適宜「ステップ降格抽選」という)する。本実施形態では、第2抽選実行処理部14は、上記特定のステップである最後の第5ステップでの景品抽選後に、次に移行するステップを最初の第1ステップ以外の第2~第5ステップの中からステップ降格抽選する(後述の
図5参照)。
【0029】
対価支払判定処理部15は、上記第2抽選実行処理部14によるステップ降格抽選後に、プレイヤの指示により対価の支払いを受けたか否かを判定する。
【0030】
再抽選実行処理部16は、上記対価支払判定処理部15でプレイヤから対価の支払いを受けたと判定されることを実行条件として、次に移行するステップを再抽選(以下適宜「ステップ降格再抽選」という)する。本実施形態では、再抽選実行処理部16は、上記第2抽選実行処理部14又は再抽選実行処理部16により直前に当選したステップよりも上記ステップ順序で後順にあたるステップの中から次に移行するステップを再抽選する(後述の
図5参照)。
【0031】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU501(
図14参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。さらに、以上説明した各処理部は、全部がサーバ5側に実装される場合に限定されるものではなく、その一部又は全部が端末装置3側に実装されてもよい。
【0032】
<3.ステップアップ抽選ゲームの内容>
次に、
図3~
図12を用いて、本実施形態に係るステップアップ抽選ゲームの内容の一例について説明する。
【0033】
(3-1.ゲーム画面の表示)
図3に、ステップアップ抽選ゲームの開始直後に表示するゲーム画面の一例を示す。
図3に示す例では、ゲーム画面21に、抽選開始ボタン33、抽選終了ボタン34が表示されているとともに、各種の情報が表示されている。
【0034】
ゲーム画面21の最上段には、「ステップアップ抽選ゲーム」のタイトルが表示され、そのすぐ下方にはその時点でいずれのステップにいるかを示すメッセージ31が表示されている。
図3に示す例では、ステップアップ抽選ゲームの開始直後で第1ステップにいる状態を説明する「現在、第1ステップです」のメッセージ31が表示されている。
【0035】
さらにその下方には、当該第1ステップでの景品抽選を実行するか否かをプレイヤに確認するメッセージと必要対価(
図3に示す例では「0」(=対価不要))の情報32と、抽選開始ボタン33及び抽選終了ボタン34が並んで表示されている。
【0036】
そしてゲーム画面21の最下段には、参照用として現在の第1ステップにおける各種別についての種別当選確率が表示されている。
図3に示す例では、仮想景品は例えば3種類の種別「ノーマル」、「レア」、「スーパーレア」に分類されている。この例では「ノーマル」の種別当選確率が80%で最も高く、すなわち最も希少価値が低く設定されている。また、「スーパーレア」の種別当選確率が5%で最も低く、すなわち最も希少価値が高く設定されている。また、「レア」の当選確率が15%であり、すなわち「ノーマル」と「スーパーレア」の中間の希少価値に設定されている。
【0037】
なお、仮想景品の種別の数は3種類に限定されるものではなく、例えば2種類でもよいし、4種類以上としてもよい。また、種別の名称も上記に限定されるものではなく、例えば「ウルトラレア」、「レジェンド」、「五つ星」等、その他の名称を用いてもよい。
【0038】
以上説明したゲーム画面21に表示される必要対価と当選確率は、上記サーバ5の抽選条件取得処理部11がこの時点で該当するステップ(この例の第1ステップ)に対応して取得した抽選条件に基づいて表示される。
【0039】
(3-2.基本当選確率)
図4(a)~
図4(c)に、第1ステップに対応した仮想景品の当選確率の一例を示す。
図4(a)は「ノーマル」に分類された全ての仮想景品についての景品当選確率を個別に示している。
図4(a)に示す例では、40枚のキャラクターカードN-1~N-40(仮想景品の一例)について景品当選確率が個別に表示されている。個別表示された全カードの景品当選確率の合計は、
図3に示す種別ごとに設定された種別当選確率(この例では80%)と等しくなるように設定されている。なお、この例では各カードの景品当選確率が均等となるように設定されているが(80%/40=2%)、各カードで異ならせてもよい。
【0040】
また、
図4(b)は「レア」に分類された全ての仮想景品についての景品当選確率を個別に示している。
図4(b)に示す例では、10枚のキャラクターカードR-1~R-10(仮想景品の一例)について景品当選確率が個別に表示されている。個別表示された全カードの景品当選確率の合計は、
図3に示す種別ごとに設定された種別当選確率(この例では15%)と等しくなるように設定されている。なお、この例では各カードの景品当選確率が均等となるように設定されているが(15%/10=1.5%)、各カードで異ならせてもよい。
【0041】
また、
図4(c)は「スーパーレア」に分類された全ての仮想景品についての景品当選確率を個別に示している。
図4(c)に示す例では、5枚のキャラクターカードSR-1~SR-5(仮想景品の一例)について景品当選確率が個別に表示されている。個別表示された全カードの景品当選確率の合計は、
図3に示す種別ごとに設定された種別当選確率(この例では5%)と等しくなるように設定されている。なお、この例では各カードの景品当選確率が均等となるように設定されているが(5%/5=1%)、各カードで異ならせてもよい。
【0042】
本実施形態では、以上に示した
図4(a)~
図4(c)の当選確率(種別当選確率、景品当選確率)が、当該ステップアップ抽選ゲームにおいて基準となる基本的当選確率となる。
【0043】
図3に戻り、プレイヤにより抽選開始ボタン33が操作された場合には、自動的に必要対価の支払い(プレイヤのその時点における所持対価の自動減額)が実行され、当選確率に基づいた景品抽選が実行される。一方、プレイヤにより抽選終了ボタン34が操作された場合には、当該ステップアップ抽選ゲーム自体が終了する。
【0044】
(3-3.ステップ移行経路)
図5に、本実施形態のステップアップ抽選ゲームにおけるステップ移行経路を示すマップの一例を示す。上述したように、本実施形態では第1ステップから第5ステップまでの5つのステップが用意されている。そして各ステップごとに抽選条件が相違している。
【0045】
例えば当該ステップアップ抽選ゲームを開始した際には、まず初回の第1ステップとなる。この第1ステップで実行される景品抽選の抽選条件は、必要対価が0(つまり対価不要)であり、当選確率は上記
図4(a)~
図4(c)に示した基本当選確率がそのまま適用される。なお、
図5では、当選確率のうち最も価値の高い種別である「スーパーレア(図中では「SR」と略記)」の種別当選確率を示している。当該第1ステップではSR当選確率が基本当選確率(5%)と同じ(×1倍)であることを示している。上記
図3に示したゲーム画面21は、この第1ステップにいる状態で対応する抽選条件を表示し、必要対価の支払いとともに景品抽選を実行するか、もしくは当該ステップアップ抽選ゲームを終了するか、のいずれかをプレイヤに選択操作させる画面となる。
【0046】
そしてプレイヤが第1ステップでの景品抽選を実行した後には、自動的に第2ステップへ移行する。この第2ステップで実行される景品抽選の抽選条件は、例えば必要対価が2000であり、SR当選確率が例えば上記基本当選確率(5%)の2倍(=10%)となる。この第2ステップにおいても、上記
図3に対応した
図6に示すように、当該第2ステップに対応する抽選条件を表示し、プレイヤに景品抽選の実行と抽選終了のいずれかを選択操作させるゲーム画面22が表示される。
【0047】
このように各ステップでの景品抽選を実行した後には、自動的にステップ順序の昇順で次のステップへ移行する。
図5に示す例では、第3~第5ステップの各ステップで実行される景品抽選の抽選条件は、必要対価がステップ順序の昇順で例えば3000、5000、20000と増額し、SR当選確率はステップ順序の昇順で例えば基本当選確率(5%)の3倍(=15%)、5倍(=25%)、20倍(=100%、つまりSR種別の当選確定)で上昇する。特に図示しないが、第3~第5ステップにおいても上記
図6に相当するゲーム画面22で各ステップに対応する抽選条件を表示し、プレイヤに景品抽選の実行と抽選終了のいずれかを選択操作させる。
【0048】
以上のように本実施形態のステップアップ抽選ゲームにおいては、第1ステップから第5ステップまでの各ステップを昇順で移行(ステップアップ)するたびに、必要対価が増額するものの、その見返りとして価値の高い「スーパーレア」の種別当選確率が上昇して優遇されることになる。そして、最終ステップである第5ステップにおいては、「スーパーレア」の種別当選確率が100%となり当選が保証される。
【0049】
具体的な第2ステップから第5ステップまでの各ステップにおける当選確率の一例を、
図7~
図10に示す。これら第2~第5ステップの当選確率では、上述したように上記
図4の基本当選確率と比較して「スーパーレア」の種別当選確率及び景品当選確率がステップ順序の昇順に応じて高くなるよう設定されている。また、それに合わせて「ノーマル」の種別当選確率及び景品当選確率がそれぞれステップ順序の昇順に応じて低くなるよう設定されている。また、「レア」の種別当選確率及び景品当選確率はそれぞれ、第2~第4ステップにおいてステップ順序の昇順に応じて高くなるよう設定されている。なお、第5ステップにおいては「スーパーレア」の種別当選確率が100%となるため、「ノーマル」及び「レア」の当選確率はそれぞれ0%に設定されている(
図10)。
【0050】
なお、以上説明したステップ移行経路及び抽選条件は一例であり、上記以外としてもよい。例えば、上記ではステップが上がるごとに「スーパーレア」の種別当選確率を上昇させたが、「スーパーレア」の種別当選確率は、ステップ順序の後順となるにつれて必ずしも高くなるよう(つまり単調増加するよう)設定することに限定されない。例えば、ステップ順序で隣接する所定の2つのステップ間で種別当選確率が同じであってもよい。この場合でも、ステップアップを継続することで最終的に種別当選確率が有利になることをプレイヤが分かっていれば、その途中経過のステップ移行で種別当選確率が変化せずともステップアップ抽選ゲームの継続意欲を維持させることは可能である。そのためにも、上記
図5のステップ移行マップや
図4、
図7~
図10の各ステップの種別当選確率を、プレイヤがステップアップ抽選ゲームを実行する前又は実行中にゲーム画面上で確認できるようにしてもよい。
【0051】
また、ステップが上がるごとに、例えば「スーパーレア」の種別当選確率を同じ値に維持したまま、「レア」の種別当選確率を上昇させてもよい。また、ステップが上がるごとに、例えば当選確率を同じ値に維持したまま、仮想景品のラインナップをより価値のある景品に変更してもよいし、当選確率とラインナップの両方を変化させてもよい。また、第2~第4ステップの必要対価は無償又は有償のいずれの対価でもよいが、最終ステップである第5ステップの必要対価については有償の対価に限定してもよい。また、第5ステップにおける「スーパーレア」の種別当選確率を100%以外(例えば50%)としてもよい。また、第1ステップの景品抽選の実行に所定量の必要対価が必要となるように設定してもよい。
【0052】
(3-4.ステップ降格抽選)
最終の第5ステップでの景品抽選を実行した後には、例えば
図11に示すゲーム画面23が表示される。このゲーム画面23には、最終ステップまでステップアップが完了したことを示すメッセージ41と、ステップ降格抽選を実行するか否かをプレイヤに確認するメッセージと必要対価(
図11に示す例では「0」(=対価不要))の情報42と、ステップ降格抽選の抽選開始ボタン43及び抽選終了ボタン44が並んで表示されている。つまり、ゲーム画面23は、プレイヤにステップ降格抽選の実行と抽選終了のいずれかを選択操作させる画面である。このゲーム画面23でプレイヤにより抽選開始ボタン43が操作された場合には、この例では必要対価の支払いを経ることなく、ステップ降格抽選が実行される。一方、プレイヤにより抽選終了ボタン44が操作された場合には、当該ステップアップ抽選ゲーム自体が終了する。
【0053】
図5に戻り、上述した第5ステップでの景品抽選の完了直後に実行されるステップ降格抽選を、本実施形態では適宜初回のステップ降格抽選という。この初回のステップ降格抽選では、最終の第5ステップから次に移行するステップが、最初の第1ステップ以外の第2~第5ステップの中から抽選される。この初回のステップ降格抽選においては、抽選対象の第2~第5ステップのそれぞれに対してステップ順序の昇順に応じて同じか低くなるよう設定された当選確率(以下適宜「ステップ当選確率」という)に基づいて抽選を行う。
図5に示す例では、初回のステップ降格抽選におけるステップ当選確率は、例えば第2、第3ステップに対してそれぞれ30%、第4、第5ステップに対してそれぞれ20%に設定されている。
【0054】
なお本実施形態では、この初回のステップ降格抽選を実行するにあたって必要対価の支払いを不要としているが、所定量の必要対価の支払いが必要となるように設定してもよい。上記の
図11のゲーム画面23には、初回のステップ降格抽選での必要対価が不要であることと、ステップ降格抽選での抽選対象となるステップ範囲の情報(
図11に示す例では「第2~第5ステップ」の記述)も併せて表示される。
【0055】
そして、初回のステップ降格抽選を実行した後には、例えば
図12に示すゲーム画面24が表示される。このゲーム画面24では、降格移行先のステップ(言い換えると初回のステップ降格抽選で当選したステップ。
図12に示す例では第3ステップ)とそれに対応する抽選条件が表示されて、プレイヤに景品抽選の実行と抽選終了のいずれかを選択操作させる。このゲーム画面24においてプレイヤにより抽選開始ボタン33が操作された場合には、降格移行先のステップでの抽選条件に基づいて景品抽選が実行される。その後もステップ順序の昇順でのステップ移行と景品抽選が繰り返され、ステップアップ抽選ゲームを継続できる。つまり、本実施形態のステップアップ抽選ゲームでは、最終ステップである第5ステップまでステップアップした後に、移行先として固定的に設定された最初の第1ステップに戻って周回を繰り返すのではなく、移行先を抽選で決定し、そのステップから周回を繰り返すことができる。このとき、第1ステップは抽選対象から除外されるので、最初の第1ステップには降格することなく、第2~第5ステップのいずれかに戻って再びステップアップ抽選を実行することができる。
【0056】
(3-5.ステップ降格再抽選)
図12のゲーム画面24には、ステップ降格再抽選を実行するか否かをプレイヤに確認するメッセージと必要対価(
図12に示す例では300)の情報51と、ステップ降格再抽選を実行するための再抽選開始ボタン52も併せて表示されている。つまり、プレイヤは、ステップ降格抽選の抽選結果が気に入らない場合には、再抽選開始ボタン52を操作することにより、ステップ降格抽選を再度やりなおすことができる。
【0057】
図5に戻り、上述したステップ降格再抽選では、その直前に当選したステップよりもステップ順序で後順にあたるステップの中から次に移行するステップを再抽選する。例えば、ステップ降格抽選で第2ステップに降格抽選した直後でのステップ降格再抽選では、第3~第5ステップが再抽選対象となる。また、第3ステップに降格抽選した直後でのステップ降格再抽選では、第4ステップ又は第5ステップが再抽選対象となる。また、第4ステップに降格抽選した直後でのステップ降格再抽選では、第5ステップのみが再抽選対象となり、第5ステップへの移行が確定する。上記の
図12のゲーム画面24には、次のステップ降格再抽選での抽選対象となるステップ範囲の情報(図示する例では「第3ステップより上位のステップが保証されます」の記述)も併せて表示される。
【0058】
なお、このステップ降格再抽選においても、抽選対象の各ステップのそれぞれに対してステップ順序の昇順に応じて同じか低くなるようにステップ当選確率が設定されている。例えば
図5に示す例では、第2ステップへの降格からの再抽選の場合には、第3~第5ステップのステップ当選確率はそれぞれ40%、40%、20%であり、第3ステップへの降格からの再抽選の場合には、第4及び第5ステップのステップ当選確率はそれぞれ80%、20%である。なお、第4ステップへの降格からの再抽選の場合には、第5ステップのみが再抽選対象となるため、第5ステップのステップ当選確率が100%となる。
【0059】
また本実施形態では、上述した初回のステップ降格抽選では必要対価を不要としていたが、2回目以降のステップ降格再抽選の場合には、直前に降格抽選により決定されたステップがステップ順序での後順であるほど高い必要対価が設定されている。例えば
図5に示す例では、第2ステップへの降格からの再抽選の場合には300、第3ステップへの降格からの再抽選の場合には500、第4ステップへの降格からの再抽選の場合には10000に設定されている。なお、降格抽選により決定されたステップに関わらず必要対価を一定としてもよい。
【0060】
そしてステップ降格再抽選が実行された後においても、上記
図12と同等のゲーム画面24が表示され、プレイヤは降格移行先のステップでの景品抽選の実行と、抽選終了と、ステップ降格再抽選の実行のいずれかを選択することができる。つまり、ステップ降格再抽選は、初回のステップ降格抽選の直後に限られず、2回目以降のステップ降格再抽選の直後でも繰り返し実行できる。このため本実施形態では、初回のステップ降格抽選において最も悪い結果(本実施形態では第2ステップ)となった場合でも、ステップ降格再抽選を3回繰り返すことで、確実に第5ステップへ直接移行させることができる。
【0061】
<4.サーバの処理手順>
次に、
図13を用いて、サーバ5のCPU501によって実行される処理手順の一例を説明する。
【0062】
ステップS5では、サーバ5は、ステップアップ抽選ゲームにおけるステップ位置に相当する変数であるステップ数STを1にリセットする。
【0063】
ステップS10では、サーバ5は、抽選条件取得処理部11により、全てのステップ数ST(ST=1~5)に対応する抽選条件、すなわち第1ステップ~第5ステップにおける景品抽選の必要対価と当選確率(種別当選確率、景品当選確率)を取得する。なお、本ステップS10が仮想景品の抽選条件を取得する工程に相当する。
【0064】
ステップS15では、サーバ5は、上記ステップS10で取得した抽選条件に基づいて、現時点のステップ数STに対応する表示内容で、上記
図3、
図6に示した説明操作用のゲーム画面21,22を端末装置3のタッチパネル7に表示する。
【0065】
ステップS20では、サーバ5は、プレイヤにより抽選開始と抽選終了のいずれが選択操作されたかを判定する。具体的には、上記ステップS15で表示したゲーム画面21,22において、抽選開始ボタン33と抽選終了ボタン34のいずれが操作されたか判定する。抽選終了ボタン34が操作された場合には(ステップS20:抽選終了)、本フローチャートを終了する。一方、抽選開始ボタン33が操作された場合には(ステップS20:景品抽選)、次のステップS25に移る。
【0066】
ステップS25では、サーバ5は、第1抽選実行処理部12により、上記ステップS10で取得した抽選条件に基づいて景品抽選を実行し、その抽選結果に関する所定の演出画面や結果表示画面を端末装置3のタッチパネル7に表示する。なお、本ステップS25が仮想景品の抽選を実行する工程に相当する。
【0067】
ステップS27では、サーバ5は、上記ステップS25の景品抽選で当選した仮想景品をプレイヤに提供し、仮想景品データベース9における当該プレイヤの保管庫に格納する。
【0068】
ステップS30では、サーバ5は、ステップ数STの値が5であるか否かを判定する。ステップ数STの値が5である場合には(ステップS30:YES)、後述のステップS40に直接移る。一方、ステップ数STの値が5でない場合には(ステップS30:NO)、ステップS35に移る。
【0069】
ステップS35では、サーバ5は、ステップ移行処理部13により、ステップ数STの値を1増加し、先のステップS10に戻り、同様の手順を繰り返す。なお、本ステップS35がステップ予め設定された順序で次のステップに移行する工程に相当する。
【0070】
ステップS40では、サーバ5は、上記
図11に示したステップ降格抽選についての説明操作用のゲーム画面23を端末装置3のタッチパネル7に表示する。
【0071】
ステップS45では、サーバ5は、プレイヤによりステップ降格抽選の抽選開始と抽選終了のいずれが選択操作されたかを判定する。具体的には、上記ステップS40で表示したゲーム画面23において、抽選開始ボタン43と抽選終了ボタン44のいずれが操作されたか判定する。抽選終了ボタン44が操作された場合には(ステップS45:抽選終了)、本フローチャートを終了する。一方、抽選開始ボタン43が操作された場合には(ステップS45:降格抽選)、次のステップS50に移る。
【0072】
ステップS50では、サーバ5は、第2抽選実行処理部14により、初回のステップ当選確率(抽選対象ステップ範囲が第2~第5ステップ)に基づいてステップ降格抽選を実行する。なお、本ステップS50が次に移行するステップを抽選する工程に相当する。
【0073】
ステップS55では、サーバ5は、ステップ降格抽選(もしくはステップ降格再抽選)の抽選結果及び降格したステップ数STに対応した景品抽選の抽選条件とともに、ステップ降格再抽選に関する情報を表した、上記
図12に示した説明操作用のゲーム画面24を端末装置3のタッチパネル7に表示する。
【0074】
ステップS60では、サーバ5は、プレイヤにより景品抽選、抽選終了、又はステップ降格再抽選のいずれが選択操作されたかを判定する。具体的には、上記ステップS55で表示したゲーム画面24において、抽選開始ボタン33と、抽選終了ボタン34と、再抽選開始ボタン52のいずれが操作されたか判定する。抽選終了ボタン34が操作された場合には(ステップS60:抽選終了)、本フローチャートを終了する。一方、抽選開始ボタン33が操作された場合には(ステップS60:景品抽選)、先のステップS25に戻り、同様の手順を繰り返す。一方、再抽選開始ボタン52が操作された場合には(ステップS60:再抽選)、次のステップS65に移る。
【0075】
ステップS65では、サーバ5は、再抽選実行処理部16により、その時点の降格したステップ数STに対応する必要対価、ステップ当選確率(降格ステップに対応して抽選対象ステップ範囲が限定)に基づいてステップ降格再抽選を実行する。このとき、対価支払判定処理部15により、プレイヤから必要対価の支払いを受けたか否かを判定し、プレイヤから必要対価の支払いを受けたと判定された場合に再抽選実行処理部16がステップ降格再抽選を実行する。そして、先のステップS55に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0076】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよい。
【0077】
<5.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のゲームプログラムは、サーバ5を、複数のステップのそれぞれに対して設定された仮想景品の抽選条件(必要対価、当選確率)を取得する抽選条件取得処理部11、取得された抽選条件に基づいて、複数のステップの各ステップにおいて仮想景品の抽選を実行する第1抽選実行処理部12、特定のステップ以外のステップで仮想景品の抽選を実行した後に、ステップを予め設定されたステップ順序で次のステップに移行するステップ移行処理部13、特定のステップで仮想景品の抽選を実行した後に、次に移行するステップを抽選する第2抽選実行処理部14、として機能させる。
【0078】
本実施形態では、このように第1抽選実行処理部12で仮想景品の景品抽選を行うたびにステップ移行処理部13によって抽選条件が異なるステップに移行するステップアップ抽選ゲームにおいて、常に移行先のステップが予め設定されたステップ順序で固定的に決められているのではなく、特定のステップでは次の移行先のステップについて別途の第2抽選実行処理部14によるステップ降格抽選で決定される。これにより、プレイヤに各ステップでの景品抽選による期待感やスリル感に加えて、特定のステップでのステップ降格抽選による期待感やスリル感(抽選条件が有利なステップへ移行できるか否かといった期待感やどのステップに移行するか分からないスリル感等)を感じさせることができるため、ステップアップ抽選ゲームの興趣性を向上できる。
【0079】
また、本実施形態では特に、ステップ移行処理部13は、特定のステップをステップ順序での最後の第5ステップとしてステップを移行し、第2抽選実行処理部14は、最後の第5ステップで仮想景品の景品抽選が実行された後に、次に移行するステップをステップ順序での最初の第1ステップ以外の第2~第5ステップの中から抽選する。
【0080】
本実施形態のステップアップ抽選ゲームでは、各ステップにおいて景品抽選を実行しつつ最初の第1ステップから最後の第5ステップまでステップ順序での昇順で移行し、最後の第5ステップでの景品抽選を実行した後に、ステップ降格抽選を実行して次の移行先のステップを決定する。このとき、抽選対象となるステップ範囲から最初の第1ステップが除外される。これにより、少なくとも第2ステップ以降からの周回が保証され、最初の第1ステップからのやり直しとなることを回避できるため、プレイヤのステップアップ抽選ゲームの継続意欲を促進することができる。
【0081】
また、本実施形態では特に、サーバ5を、第2抽選実行処理部14によるステップ降格抽選後に、プレイヤの指示により対価の支払いを受けたか否かを判定する対価支払判定処理部15、対価の支払いを受けた場合には、次に移行するステップを再抽選する再抽選実行処理部16、としてさらに機能させる。
【0082】
これにより、プレイヤはステップ降格抽選の結果に満足できない場合には、対価を支払うことで再抽選を実行することができる。このようにして、ステップアップ抽選ゲームの周回時にさらに抽選条件が有利なステップへの移行を狙うことが可能となるので、興趣性をさらに向上できる。
【0083】
また、本実施形態では特に、再抽選実行処理部16は、第2抽選実行処理部14又は再抽選実行処理部16により直前に当選したステップよりもステップ順序で後順にあたるステップの中から次に移行するステップを再抽選する。
【0084】
これにより、ステップ降格抽選において再抽選を行った場合には、少なくとも直前に当選したステップよりも上位のステップが保証される。その結果、対価を支払って再抽選したにもかかわらず下位のステップになってしまった又は同じステップのままだった、といった不満がプレイヤに生じるのを防止でき、プレイヤのステップアップ抽選ゲームの継続意欲をさらに促進することができる。
【0085】
また、本実施形態では特に、第2抽選実行処理部14は、抽選対象の各ステップに対して予め設定されたステップ当選確率で抽選する。
【0086】
これにより、ステップ降格抽選において、例えばステップ順序で相対的に後順となるステップ(価値の高い仮想景品の当選確率が相対的に高いステップ)のステップ当選確率を相対的に前順となるステップ(価値の高い仮想景品の当選確率が相対的に低いステップ)のステップ当選確率よりも低く設定する等により、プレイヤに感じさせる期待感と仮想景品の価値の維持とのバランスをステップ当選確率の設定で操作して最適化することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態では特に、抽選条件取得処理部11は、複数の仮想景品が分類される複数の種別のそれぞれに設定された種別当選確率のうち、他の種別よりも価値の高い種別(この例の「スーパーレア」)の種別当選確率がステップ順序で後順となるにつれて高くなるよう設定された抽選条件を取得する。
【0088】
これにより、ステップアップを繰り返すことで価値の高い種別の当選可能性を引き上げることができるため、プレイヤのステップアップ抽選ゲームの継続意欲を促進することができる。
【0089】
<6.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0090】
例えば以上では、1回の操作で1回の抽選が実行される抽選ゲーム(いわゆるシングルガチャ)について説明したが、1回の操作で複数回の抽選が実行される抽選ゲーム(例えば5連ガチャ、10連ガチャ等)に本発明を適用してもよい。この場合、上記実施形態における第1~第5ステップの各ステップにおいて複数回の抽選が実行されるようにしてもよい。また、一部のステップは1回の抽選、残りのステップは複数回の抽選というように、混在させてもよい。
【0091】
また例えば、以上ではステップ降格抽選の抽選対象から第1ステップを除外したが、第1~第5ステップの全ステップを抽選対象としてもよい。
【0092】
また例えば、以上ではステップアップの最終ステップである第5ステップでステップ降格抽選が行われるようにしたが、これに代えて又は加えて、最終ステップ以外のステップ(例えば最初のステップや途中ステップ)において、次に移行するステップを抽選(以下適宜「ステップ抽選」という)できるようにしてもよい。例えば、最初の第1ステップにおいて所定の必要対価を支払うことを条件にステップ抽選を行い、第2ステップ以外の第3~第5ステップに飛び級で移行することを可能としてもよい。また、途中の第2又は第3ステップにおいて所定の必要対価を支払うことを条件にステップ抽選を行い、同様に飛び級で上位ステップに移行することを可能としてもよい。なおこの場合、抽選対象に上位ステップだけでなく下位ステップも含まれるようにし、ステップの昇格だけでなく降格もあり得るようにしてもよい。
【0093】
なお、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0094】
<7.サーバのハードウェア構成>
次に、
図14を用いて、上記で説明したCPU501が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現するサーバ5のハードウェア構成の一例について説明する。なお、端末装置3が同様のハードウェア構成を有してもよい。
【0095】
図14に示すように、サーバ5は、例えば、CPU501と、ROM503と、RAM505と、GPU506と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路507と、入力装置513と、出力装置515と、記録装置517と、ドライブ519と、接続ポート521と、通信装置523を有する。これらの構成は、バス509や入出力インターフェース511等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0096】
ゲームプログラムは、例えば、ROM503やRAM505、ハードディスク等の記録装置517等に記録しておくことができる。
【0097】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体525に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体525は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体525に記録されたゲームプログラムは、ドライブ519により読み出されて、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0098】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置523がこのプログラムを受信する。そして、通信装置523が受信したプログラムは、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0099】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器527に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート521を介し転送され、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0100】
そして、CPU501が、上記記録装置517に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述の抽選条件取得処理部11、第1抽選実行処理部12、ステップ移行処理部13、第2抽選実行処理部14、対価支払判定処理部15、再抽選実行処理部16等による処理が実現される。この際、CPU501は、例えば、上記記録装置517からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM505に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU501は、例えば、プログラムを通信装置523やドライブ519、接続ポート521を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置517に記録せずに直接実行してもよい。
【0101】
また、CPU501は、各端末装置3のタッチパネル7からネットワークNWを介して入力される信号に加えて、必要に応じて、例えばマウス、キーボード、マイク等の入力装置513から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0102】
GPU506は、CPU501からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0103】
そして、CPU501及びGPU506は、上記の処理を実行した結果を、ネットワークNWを介して各端末装置3のタッチパネル7に出力すると共に、必要に応じて、例えばスピーカーやヘッドフォン等の音声出力部(図示せず)を含む、出力装置515から出力する。さらにCPU501及びGPU506は、必要に応じてこの処理結果を通信装置523や接続ポート521を介し送信してもよく、上記記録装置517や記録媒体525に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0104】
5 サーバ(情報処理装置)
11 抽選条件取得処理部
12 第1抽選実行処理部
13 ステップ移行処理部
14 第2抽選実行処理部
15 対価支払判定処理部
16 再抽選実行処理部
N-1~N-40 キャラクターカード(仮想景品)
R-1~R-10 キャラクターカード(仮想景品)
SR-1~SR-5 キャラクターカード(仮想景品)