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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】帳票連続紙
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20230630BHJP
   B42D 15/04 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
G06K19/077 136
G06K19/077 156
B42D15/04 E
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019170587
(22)【出願日】2019-09-19
(65)【公開番号】P2021047706
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】水流 慶太郎
【審査官】松平 英
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-068487(JP,A)
【文献】特開2012-048478(JP,A)
【文献】特開2016-087806(JP,A)
【文献】特開2004-333650(JP,A)
【文献】特開2009-163327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-25/485
G06K 7/00-7/14
17/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続する複数の帳票紙片を備え、各帳票紙片が蛇腹状に折り重ねられる帳票連続紙であって、
ICチップと該ICチップに接続されたアンテナとを備えてなるRFIDラベルが、各帳票紙片の一方の紙面にそれぞれ貼付され、
全ての帳票紙片の一方の紙面において、前記RFIDラベルが同一の位置に貼付され、
隣接する一対の帳票紙片相互で、該帳票紙片の一方の紙面における前記ICチップの配置を同一とし、さらに、前記一対の帳票紙片を、該一対の帳票紙片と前記帳票連続紙の長手方向における前記ICチップの配置が相互に異なる他の一対の帳票紙片と連続させてなるものであることを特徴とする帳票連続紙。
【請求項2】
前記RFIDラベルは、全て同じ構成であり、
前記一対の帳票紙片における前記RFIDラベルと、前記他の一対の帳票紙片における前記RFIDラベルとは、何れか一方が何れか他方に対して180度回転した状態で貼付されている、
請求項1記載の帳票連続紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票連続紙に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の帳票紙片が連続されてなる帳票連続紙としては、山折りと谷折りが交互に繰り返されて、該複数の帳票紙片が蛇腹状に折り重ねられるものが知られている。帳票連続紙は、蛇腹状に折り重ねられた状態で、保管されたり、運搬されたりする。このような帳票連続紙は、各帳票紙片が切り取られて使用されるものである。各帳票紙片としては、RFID(Radio Frequency IDentification)ラベルやカード等が貼付されたものが使用される場合がある。ここで、図6に、RFIDラベル111が貼付された帳票連続紙101を例示する。この帳票連続紙101は、長尺帯状をなし、その長手方向に一定間隔をおいて複数形成されたミシン目104を介して矩形状の帳票紙片105が複数連続してなるものである。そして、各帳票紙片105には、それぞれを区画する2つのミシン目104の一方側の領域(帳票紙片105の長手方向の一端側の領域)に、RFIDラベル111がそれぞれ貼付されている。RFIDラベル111としては、図示しないICチップとアンテナとを備えたRFIDインレット112が粘着シート(図示せず)により被着されたものが知られている。このようなRFIDラベル111を貼付した帳票紙片105は、そのRFIDインレット112が所定の通信装置(入出力装置)と非接触で通信可能である。したがって、RFIDラベル111を貼付した帳票紙片105は、近年、交通・レジャー分野、物流分野、セキュリティー分野、工場生産分野等の幅広い分野で導入されている。
【0003】
一方、上記の帳票連続紙を構成する各帳票紙片にそれぞれカードが貼付された構成としては、例えば、各帳票紙片に、カードを貼付すると共に、該カードの厚みと同一のシート片を貼付するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシート片によって、複数の帳票紙片を折り重ねた状態で、各帳票紙片のカードが重なって局部的に厚くなることを防止でき、保管時や運搬時等における作業性を向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3310341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したRFIDラベル111をそれぞれ貼付した帳票連続紙101にあっては、図6のように、各帳票紙片105において該RFIDラベル111を貼付する貼付位置が予め定められており、該貼付位置が全ての帳票紙片105で同じ位置に設定されている。図7に示すように、帳票連続紙101では、各ミシン目104の山折りと谷折りを交互に繰り返すことによって、複数の帳票紙片105を蛇腹状に折り重ねることがある。この場合、帳票紙片105を重ね合わせた上下方向で複数のRFIDラベル111が重なり、RFIDラベル111の重なった部位が局部的に厚くなる。これは、RFIDインレット112を構成するICチップが所定の厚みを有しており、RFIDインレット112が上下方向で複数重なることに起因する。このように複数のRFIDインレット112が上下方向で重なった場合、各RFIDインレット112のICチップの厚みや重量により、ICチップが上下方向から圧力を受けて破損することがある。さらに、折り重ねた状態の帳票連続紙101を、保管や運搬等のために、複数積み上げた場合には、RFIDインレット112のICチップが受ける圧力が一層大きくなる。その結果、ICチップの破損という問題が一層懸念される。また、RFIDラベル111の重なった部位が局部的に厚くなると、折り重ねた帳票連続紙101を複数積み上げた場合に、積み上げた状態が崩れ易くなり、保管や運搬の際の作業性に問題が生じることがある。
【0006】
一方、帳票紙片にRFIDラベルを貼付する構成に、上述した特許文献1の構成を適用することも考えられる。この場合、各帳票紙片に、RFIDラベルを貼付すると共に、RFIDラベルと同じ厚みのシート片を貼付する。このような構成によれば、局部的に厚くなることを防ぐことができ、カードを貼付する場合と同様に、保管時や運搬時の作業性を向上できるという作用効果を奏し得る。しかしながら、この構成の場合には、シート片を別途貼付する必要があることから、シート片のコストアップと、シート片を取り付ける工程の増加などが生じ、生産性が低減する。さらに、複数の帳票紙片を重ね合わせた状態では、上下方向で重なる各RFIDラベルのICチップがそれぞれのICチップの重量による圧力を受ける。そのため、ICチップの破損という問題は依然として残る。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、蛇腹状に折り重ねた状態でRFIDラベルのICチップが受ける圧力を低減し、そのICチップの破損を抑制することができる帳票連続紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の構成を有する。
連続する複数の帳票紙片を備え、各帳票紙片が蛇腹状に折り重ねられる帳票連続紙であって、ICチップと該ICチップに接続されたアンテナとを備えてなるRFIDラベルが、各帳票紙片の一方の紙面にそれぞれ貼付され、全ての帳票紙片の一方の紙面において、前記RFIDラベルが同一の位置に貼付され、隣接する一対の帳票紙片相互で、該帳票紙片の一方の紙面における前記ICチップの配置を同一とし、さらに、前記一対の帳票紙片を、該一対の帳票紙片と前記ICチップの配置が相互に異なる他の一対の帳票紙片と連続させてなるものである帳票連続紙。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、蛇腹状に折り重ねた状態でRFIDラベルのICチップが受ける圧力を低減し、そのICチップの破損を抑制することができる帳票連続紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明を適用した一実施形態である帳票連続紙を示す概略平面図である。
図2】本発明を適用した一実施形態である帳票連続紙を構成するRFIDラベルにおけるICチップとアンテナの配置を示す概略平面図である。
図3】本発明を適用した一実施形態である帳票連続紙を示す概略斜視図である。
図4】本発明を適用した一実施形態である帳票連続紙を示す概略側面図である。
図5】本発明を適用した一実施形態である帳票連続紙を示す概略側面図である。
図6】従来の帳票連続紙を示す概略平面図である。
図7】従来の帳票連続紙を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の帳票連続紙の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0012】
[帳票連続紙]
図1は、本実施形態の帳票連続紙を示す概略平面図である。図2は、本実施形態の帳票連続紙を構成するRFIDラベルにおけるICチップとアンテナの配置を示す概略平面図である。
本実施形態の帳票連続紙10は、連続する複数の帳票紙片20と、帳票紙片20の一方の紙面20aにそれぞれ貼付されるRFIDラベル30とを備える。
【0013】
本明細書では、帳票連続紙の長手方向が、複数の帳票紙片が連続する方向であり、該長手方向と直交する方向が該帳票連続紙および帳票紙片の幅方向である。また、個々の帳票紙片にあって、前記の連続する方向を前後方向として説明する。また、帳票連続紙の各帳票紙片を蛇腹状に折り重ねた状態で、複数の帳票紙片が積み重ねられた方向を、上下方向として説明する。なお、本発明は、このように定めた方向にのみ限定されて使用されるものではない。
また、後述する「上下方向に重なる」とは、蛇腹状に折り重ねられた状態で、上下方向に積層された各帳票紙片の紙面上における位置が略一致することにより、上下方向で隣接して重なること、または、上下方向で所定の間隔をおいて重なることをいう。
【0014】
本実施形態の帳票連続紙10は、例えば、上質紙等からなる長尺帯状の矩形紙からなる。帳票連続紙10には、図1に示すように、その幅方向に横断する複数のミシン目21が、長手方向に一定の間隔を置いて形成されている。ミシン目21は、折り曲げ可能かつ切断可能に形成され、隣り合う2つのミシン目21,21で区切られる(区画される)部位により矩形状の帳票紙片20A,20Bがそれぞれ構成される。このように帳票連続紙10は、ミシン目21を介して複数の帳票紙片20A,20Bが連続してなるものである。
【0015】
帳票連続紙10は、図3に示すように複数のミシン目21が交互に山折りと谷折りを繰り返されることにより、図4に示すように、連続する複数の帳票紙片20A,20Bを蛇腹状に折り重ねることができる。このように複数の帳票紙片20A,20Bを蛇腹状に折り重ねることにより、保管スペースや運搬作業等で有利となり、保管時や運搬時の作業性を向上できる。
【0016】
なお、帳票連続紙10は、各帳票紙片20A,20B毎に、その一方の紙面20aにプリンタなどで所定の情報が印刷される。そして、ミシン目21を切断することにより、帳票紙片20を切り離して使用することができる。なお、こうした帳票連続紙10には、従来から公知のものを適用できる。また、各帳票紙片20A,20Bには、ミシン目21以外に、各帳票紙片20A,20Bの一部を切り離すことが可能なミシン目が形成されていてもよい。
【0017】
本実施形態では、帳票連続紙10には、連続する各帳票紙片20A,20BにRFIDラベル30が貼付される。なお、帳票紙片20Aを第1の帳票紙片20Aと言い、帳票紙片20Bを第2の帳票紙片20Bと言うこともある。RFIDラベル30は、図2に示すように、フィルム状の基材31と、基材31の一方の面31aに設けられ、互いに接続されたICチップ32およびアンテナ33とを有する。RFIDラベル30は、基材31の一方の面31aとは反対側の面に、粘着剤または粘着フィルムからなる粘着層(図示略)が設けられていてもよい。RFIDラベル30は、粘着層を介して、または熱融着等により、各帳票紙片20A,20Bの一方の紙面20aに貼付されている。
【0018】
RFIDラベル30は、図示しない入出力装置(リーダ・ライタ装置)との間で、電磁波を利用してコマンドやデータ等の信号を非接触で送受信できる非接触型の電池レスタイプのものである。
ICチップ32が具備するメモリは、入出力装置と交信されるコマンドやデータ等を記憶する。
アンテナ33としては、特に限定されないが、例えば、図2に示すようなダイポールアンテナや、メアンダラインアンテナ等の小型のものが挙げられる。そして、アンテナ33は、RFIDラベル30の通信に使用する電磁波に応じて、そのアンテナ長さ等が適宜設定される。
【0019】
ここで、本実施形態における全てのRFIDラベル30は、基材31の略中央部分にICチップ32およびアンテナ33が配置されている。そのため、後述するように複数のRFIDラベル30が上下方向で重なった場合には、これらRFIDラベル30を構成するそれぞれのICチップ32およびアンテナ33が上下方向で重なる。
【0020】
このようなRFIDラベル30は、図1に示すように、上記の帳票連続紙10を構成する各帳票紙片20A,20Bの一方の紙面20aにそれぞれ1個ずつ貼付される。本実施形態では、全ての帳票紙片20A,20Bの一方の紙面20aにおいて、RFIDラベル30が同一の貼付位置41A,41Bに貼付されている。本実施形態では、図1に示すように、帳票紙片20A,20Bの一方の端部(一方の短辺20b(一方のミシン目21)側の端部)において、RFIDラベル30が同一の貼付位置41A,41Bに貼付されている。本実施形態の帳票連続紙10は、一対の第1帳票紙片20A,20Aと一対の第2帳票紙片20B,20Bとが交互に連続されてなり、各第1帳票紙片20Aの貼付位置41Aと各第2帳票紙片20Bの貼付位置41BとにRFIDラベル30がそれぞれ貼付されてなる。
【0021】
本実施形態の帳票連続紙10では、図1および図2に示すように、隣接する一対の第1帳票紙片20A,20A相互で、第1帳票紙片20A,20Aの一方の紙面20aにおけるICチップ32の配置を同一とする。さらに、本実施形態の帳票連続紙10は、一対の第1帳票紙片20A,20Aを、その一対の第1帳票紙片20A,20AとICチップ32の配置が相互に異なる一対の第2帳票紙片20B,20Bと連続させてなるものである。すなわち、図1および図2に示すように、一対の第1帳票紙片20A,20Aでは、一方の紙面20aにて、第1帳票紙片20A,20Aの一方の端部(一方の短辺20b(一方のミシン目21)側の端部)において、第1帳票紙片20Aの一方の短辺20b(一方のミシン目21)側にICチップ32が配置されている。また、一対の第2帳票紙片20B,20Bでは、一方の紙面20aにて、第2帳票紙片20B,20Bの一方の端部(一方の短辺20b(一方のミシン目21)側の端部)において、第2帳票紙片20Bの他方の短辺20c(他方のミシン目21)側にICチップ32が配置されている。これに伴って、第1帳票紙片20Aと第2帳票紙片20Bでは、アンテナ33の向きが互いに異なっている(逆向きとなっている)。
【0022】
本実施形態の帳票連続紙10は、上述したように一対の第1帳票紙片20A,20Aと一対の第2帳票紙片20B,20Bとが交互に連続したものであるから、第1帳票紙片20Aと第2帳票紙片20Bとが1つ置きに繰り返し存在している。なお、一対の第1帳票紙片20A,20Aにより、本発明の一対の帳票紙片が構成され、一対の第2帳票紙片20B,20Bにより、本発明の他の一対の帳票紙片が構成される。また、帳票紙片20A,20Bにあって、RFIDラベル30が貼付される一方の紙面20aが、本発明にかかる帳票紙片の一方の紙面である。
【0023】
図3に示すように、帳票連続紙10の各帳票紙片20A,20Bを蛇腹状に折り重ねると、隣接する一対の第1帳票紙片20A,20A同士では、互いの一方の紙面20aが対面して重なることから、両者の前後方向の位置関係が互いに逆向きとなる。そのため、隣接する一対の第1帳票紙片20A,20Aにそれぞれ貼付されたRFIDラベル30,30は、上下方向で重ならない。同様に、隣接する一対の第2帳票紙片20B,20B同士にあっても、互いの一方の紙面20aが対面して重なることから、両者の前後位置関係が逆になることから、これらにそれぞれ貼付されたRFIDラベル30,30は、上下方向で重ならない。さらに同様に、隣接する第1帳票紙片20Aと第2帳票紙片20B同士にあっても、両者の前後位置関係が逆になることから、これらにそれぞれ貼付されたRFIDラベル30,30は、上下方向で重ならない。
【0024】
また、図4および図5に示すように、帳票連続紙10の各帳票紙片20A,20Bを蛇腹状に折り重ねた状態で、1つ置きに配された第1帳票紙片20Aと第2帳票紙片20Bとは、両者のICチップ32の配置が異なる。すなわち、帳票連続紙10の各帳票紙片20A,20Bを蛇腹状に折り重ねた状態で、1つ置きの第1帳票紙片20Aと第2帳票紙片20Bの関係において、各帳票紙片20A,20Bにそれぞれ貼付されたRFIDラベル30,30は上下方向で重なるものの、それぞれのICチップ32,32は上下方向で重ならない。
【0025】
さらに、帳票連続紙10の各帳票紙片20A,20Bを蛇腹状に折り重ねた状態では、1つ置きに配された第1帳票紙片20Aと第2帳票紙片20Bが前後方向で互いに同じ向きとなる。すなわち、一対の第1帳票紙片20A,20Aと、これと連続する一対の第2帳票紙片20B,20Bを隔てた一対の第1帳票紙片20A,20Aとは、それぞれの前後方向の位置関係が互いに同じ向きとなる。同様に、一対の第2帳票紙片20B,20Bと、これと連続する一対の第1帳票紙片20A,20Aを隔てた一対の第2帳票紙片20B,20Bとは、それぞれの前後方向の位置関係が互いに同じ向きとなる。このように前後方向で互いに同じ向きとなる各第1帳票紙片20A,20Aでは、それぞれの貼付位置41A,41Aに貼付されたRFIDラベル30が上下方向で重なり、前後方向で互いに同じ向きなる各第2帳票紙片20B,20Bでは、それぞれの貼付位置41B,41Bに貼付された貼付されたRFIDラベル30が上下方向で重なる。一対の第1帳票紙片20A,20Aと、これと連続する一対の第2帳票紙片20B,20Bを隔てた一対の第1帳票紙片20A,20Aとの間では、それぞれのICチップ32,32が上下方向で重なる。しかしながら、互いに重なるICチップ32,32の間に、第1帳票紙片20AにおけるRFIDラベル30が配置されていない領域と一対の第2帳票紙片20B,20BにおけるICチップ32が配置されていない領域が介在するため、各帳票紙片20A,20Bを蛇腹状に折り重なる各RFIDラベル30の重量による圧力により、ICチップ32が破損することがない。
【0026】
さらに、本実施形態の帳票連続紙10では、各帳票紙片20A,20Bに設定した貼付位置41A,41Bが、帳票紙片20A,20Bの一方の端部(一方の短辺20b(一方のミシン目21)側の端部)に設定されていることから、蛇腹状に折り重ねた場合に、隣り合う帳票紙片20A,20Bが互いに前後逆向きとなる。そのため、複数のRFIDラベル30が上下方向で重なることによる局部的な厚み増加を抑制できる。さらに、第1帳票紙片20AにおけるICチップ32の配置と第2帳票紙片20BにおけるICチップ32とが、前後方向で異なる位置にそれぞれ設定されていることから、複数のRFIDラベル30が上下方向で重なることによる局部的な厚み増加を一層抑制できる。このように局部的な厚み増加を抑制できることによって、保管時や運搬時などで、蛇腹状に折り重ねた状態の帳票連続紙10を複数積み重ねた場合に、崩れ難くなり、該保管や運搬の際の作業性を向上できる。
【0027】
本実施形態の帳票連続紙10は、帳票連続紙10を構成する長尺帯状の矩形紙に、一定の間隔でミシン目21を形成し、予め製造されたRFIDラベル30を、貼付位置41A,41Bにそれぞれ貼付することによって製造することができる。すなわち、RFIDラベル30を貼付位置41A,41Bに貼り付ける工程以外は、従前の製造工程を適用可能である。そして、RFIDラベル30を貼付する工程では、所定の貼付装置を用い、前記貼付位置41A,41Bをセットすることにより実施可能である。このように、本実施形態の帳票連続紙10は、製造に要するコスト上昇を抑制しつつ、比較的容易かつ安定して製造することが可能である。
【0028】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述の実施形態以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。例えば、帳票連続紙を構成する複数の帳票紙片が、隣り合う一対の帳票紙片を1個の帳票として使用するものであり、1つ置きの帳票紙片にRFIDラベルが貼付される構成にも適用できる。この構成では、RFIDラベルが貼付される1つ置きの帳票紙片相互で、RFIDラベルの貼付位置が異なるようにする。
【符号の説明】
【0029】
10 帳票連続紙
20,20A,20B 帳票紙片
21 ミシン目
30 RFIDラベル
31 基材
32 ICチップ
33 アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7