(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】引き戸の開き装置
(51)【国際特許分類】
E05F 13/02 20060101AFI20230630BHJP
E05B 1/00 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
E05F13/02
E05B1/00 311J
(21)【出願番号】P 2020030359
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】592062725
【氏名又は名称】株式会社システックキョーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100081385
【氏名又は名称】塩川 修治
(72)【発明者】
【氏名】高橋 徹
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0198774(US,A1)
【文献】特開2016-138393(JP,A)
【文献】特開2011-163075(JP,A)
【文献】特開2016-44428(JP,A)
【文献】実開平5-57246(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 13/02
E05B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き戸の戸先に固定される台座と、
台座に枢支される回動部と、
台座に支持され、回動部の正転によって該台座から突出し、引き戸枠の縦枠を押圧可能にする突出部と、
回動部に連結され、該回動部を正逆転させるハンドル部とを有し、
ハンドル部に加える操作力により回動部を正転させることで突出する突出部が引き戸枠を押圧したときの反力で引き戸を開く引き戸の開き装置であって、
ハンドル部は、回動部の端部にピン結合されて起伏可能にされるとともに、該回動部の正逆転方向では該回動部に相対回転不能に連結される引き戸の開き装置。
【請求項2】
前記ハンドル部が、
回動部に対する伏せ位置で、該回動部が枢支された台座に添う伏せ状態をなし、
回動部に対する起立位置で、上記伏せ位置におけるよりも該回動部に対する起立角度を大きくして該台座から引き起こされる起立状態をなす請求項1に記載の引き戸の開き装置。
【請求項3】
前記ハンドル部が、回動部に対する起立角度を伏せ位置と起立位置の中間に定めた半起立位置で、台座に対する半起立状態をなす請求項2に記載の引き戸の開き装置。
【請求項4】
前記ハンドル部が、回動部に対する起立角度を順に変化させた伏せ位置、及び起立位置のそれぞれにおいて、節度感を付与されて停留可能にされる請求項2又は3に記載の引き戸の開き装置。
【請求項5】
前記台座に回動部及び突出部を組込んだサブ組立体を構成し、
サブ組立体を構成している台座は引き戸の戸先に対して上下ひっくり返して固定可能にされるとともに、ハンドル部はサブ組立体を構成している回動部の両端部のいずれかに選択的に連結され、
ハンドル部の操作により突出する突出部が引き戸枠の左右の縦枠の双方を選択的に押圧可能にする請求項1乃至4のいずれかに記載の引き戸の開き装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は引き戸の開き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、住宅等の引き違い式又は片引き式の引き戸では、引き戸と引き戸枠の密着度を高めて気密性を高める構造のものが採用されている。使用者が引き戸をその密着状態にある引き戸枠から引き離して開く際の初期始動時には、非常に大きな操作力(初動力という)が必要になる。
【0003】
従来の引き戸の開き装置として、特許文献1、2に記載の如く、使用者が引き戸に設けたハンドル部に加える操作力をテコの原理を利用して拡大することにより、その操作力を低減するようにアシスト可能にするものが提案されている。
【0004】
特許文献1に記載の引き戸の開き装置は、ハンドル部を手で握る構造のものとしており、ハンドル部の支点と力点の距離を長くとれるため、使用者の操作力に対するアシスト効果が大きい。
【0005】
特許文献2に記載の引き戸の開き装置は、ハンドル部を指先に引っ掛ける引き手の構造のものとしており、ハンドル部の引き戸から室内方向への飛出し量が少ないため、カーテンやブラインド等が引っ掛かり易い、当たり易いという不都合がなく、外観上もコンパクトでインテリア性も向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-271520号公報
【文献】特開2006-97248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の引き戸の開き装置は、ハンドル部を手で握ることが前提とされており、引き戸とハンドル部の間に一定量の空間を設ける必要がある。このため、ハンドル部の引き戸から室内方向への飛出し量が大きく、カーテンやブラインド等が引っ掛かり易い、当たり易いという不都合がある。また、外観上も相当に大きなハンドル部が見えるため、インテリア性を損なうと感じることもある。
【0008】
特許文献2に記載の引き戸の開き装置は、ハンドル部を指先に引っ掛けて操作するものであり、ハンドル部の支点と力点の距離が短く、使用者の操作力に対するアシスト効果が小さい。また、ハンドル部を手で握るものに比して力を入れにくく、例えば手先の不自由な高齢者や障害者には操作性が劣る。
【0009】
本発明の課題は、手でハンドル部を握る、押す、引っ掛ける等の多様に操作可能にしながら、テコの原理で使用者が操作部に加える操作力のアシスト効果を大きくする使用態様と、ハンドル部の引き戸から室内方向への飛出し量を少なくする使用態様とを選択できる引き戸の開き装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、引き戸の戸先に固定される台座と、台座に枢支される回動部と、台座に支持され、回動部の正転によって該台座から突出し、引き戸枠の縦枠を押圧可能にする突出部と、回動部に連結され、該回動部を正逆転させるハンドル部とを有し、ハンドル部に加える操作力により回動部を正転させることで突出する突出部が引き戸枠を押圧したときの反力で引き戸を開く引き戸の開き装置であって、ハンドル部は、回動部の端部にピン結合されて起伏可能にされるとともに、該回動部の正逆転方向では該回動部に相対回転不能に連結されるようにしたものである。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記ハンドル部が、回動部に対する伏せ位置で、該回動部が枢支された台座に添う伏せ状態をなし、回動部に対する起立位置で、上記伏せ位置におけるよりも該回動部に対する起立角度を大きくして該台座から引き起こされる起立状態をなすようにしたものである。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において更に、前記ハンドル部が、回動部に対する起立角度を伏せ位置と起立位置の中間に定めた半起立位置で、台座に対する半起立状態をなすようにしたものである。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に係る発明において更に、前記ハンドル部が、回動部に対する起立角度を順に変化させた伏せ位置、及び起立位置のそれぞれにおいて、節度感を付与されて停留可能にされるようにしたものである。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに係る発明において更に、前記台座に回動部及び突出部を組込んだサブ組立体を構成し、サブ組立体を構成している台座は引き戸の戸先に対して上下ひっくり返して固定可能にされるとともに、ハンドル部はサブ組立体を構成している回動部の両端部のいずれかに選択的に連結され、ハンドル部の操作により突出する突出部が引き戸枠の左右の縦枠の双方を選択的に押圧可能にするようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
(請求項1)
(a)ハンドル部を回動部に対して起伏できる。
ハンドル部が回動部に対する伏せ位置に設定されるとき、使用者はハンドル部に指先を引っ掛けて使用するものになり、ハンドル部に対する力をやや入れにくいものの、コンパクトな構造のままでアシスト効果を発揮できる。
【0016】
ハンドル部が回動部に対する起立位置に設定されるとき、使用者はハンドル部を握る、手の平で押す、手の甲で押す、或いはハンドル部の先端に指先を引っ掛ける等して使用できる。
【0017】
ハンドル部を握る行為は力を入れ易いが、指先の不自由な高齢者や障害者には握れない人もいる。使用者の身体状態に関係なく多様な態様で使用できる。
【0018】
(b)ハンドル部を伏せ位置に設定したときには、ハンドル部の引き戸から室内方向への飛出し量を少なくした使用態様を選択したものになり、ハンドル部の未操作時におけるカーテンやブラインド等の開閉に際し、それらのカーテンやブラインド等が引っ掛かる、当たる等の干渉を招くことがなく、外観性もコンパクトでインテリア性も高い。
【0019】
(c)ハンドル部を起立位置に設定したときには、テコの原理で使用者がハンドル部に加える操作力のアシスト効果を大きく取る使用態様を選択したものになり、ハンドル部の長さを可能な限り長く取り、ハンドル部の支点と作用点の距離に対する、支点と力点の距離の比を大きく取ることで、使用者の操作力に対するアシスト効果が大きくなる。
【0020】
(請求項2)
(d)ハンドル部が台座に添う伏せ位置をなすことにより、ハンドル部の未操作時やハンドル部を起立させないで使用するアシスト操作時に、上述(b)におけるハンドル部の引き戸から室内方向への飛出し量を確実に少ないものにすることができる。
【0021】
(e)ハンドル部が台座から引き起こされる起立状態をなすことにより、上述(c)における使用者の操作力に対するアシスト効果を確実に大きく取ることができる。
【0022】
(請求項3)
(f)ハンドル部が台座から半分程度だけ引き起こされた半起立状態をなすことにより、アシスト効果は上述(e)よりは小さくなるが、ハンドル部を握る手首の曲げ角度がきつくならず、その手首への負担が少なくなり、ハンドル部の引き戸から室内方向への飛出し量も少な目になる。
【0023】
(請求項4)
(g)ハンドル部が、回動部に対する起立角度を順に変化させた伏せ位置、及び複数の起立位置のそれぞれにおいて、節度感をもって停留可能にされることにより、使用者の操作性が向上する。
【0024】
(請求項5)
(h)サブ組立体を構成している台座が引き戸の戸先に対して上下ひっくり返されて固定可能にされるとともに、ハンドル部がサブ組立体を構成している回動部の両端部のいずれかに選択的に連結される。開き装置を構成するサブ組立体の台座と回動部と突出部等を分解することなく、当該開き装置を引き戸枠の左右いずれかの縦枠に対する左勝手用と右勝手用として引き戸の左右の戸先に簡易に付け替えできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は本発明の第1実施形態に係る開き装置を示し、(A)はハンドル部の伏せ状態を示す斜視図、(B)は半起立状態を示す斜視図、(C)は起立状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は起立状態の開き装置を示し、(A)は側面図、(B)は正面図、(C)は背面図である。
【
図3】
図3は開き装置を示し、
図2(B)のIII-III線に沿う断面図である。
【
図4】
図4は開き装置を示し、(A)は
図2(A)のA-A線に沿う断面図、(B)は
図2(A)のB-B線に沿う断面図、(C)は
図2(C)のC-C線に沿う断面斜視図である。
【
図5】
図5は伏せ状態の開き装置の引き戸への固定状態を示し、(A)は未操作状態を示す平面図、(B)は操作状態を示す平面図である。
【
図6】
図6は伏せ状態の開き装置の引き戸への固定状態を示し、(A)は未操作状態のハンドル部に指先を当てた使用態様を示す斜視図、(B)は操作状態を示す斜視図である。
【
図7】
図7は半起立状態の開き装置の引き戸への固定状態を示し、(A)は未操作状態を示す平面図、(B)は操作状態を示す平面図である。
【
図8】
図8は半起立状態の開き装置の引き戸への固定状態を示し、(A)は未操作状態のハンドル部を握った使用態様を示す斜視図、(B)は操作状態を示す斜視図である。
【
図9】
図9は起立状態の開き装置の引き戸への固定状態を示し、(A)は未操作状態を示す平面図、(B)は操作状態を示す平面図である。
【
図10】
図10は起立状態の開き装置の引き戸への固定状態を示し、(A)は未操作状態のハンドル部を握った使用態様を示す斜視図、(B)は操作状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11は起立状態の開き装置におけるハンドル部の他の使用態様を示し、(A)はハンドル部を手の平で押す使用態様を示す斜視図、(B)はハンドル部を手の甲で押す使用態様を示す斜視図、(C)はハンドル部の先端に指先を引っ掛ける使用態様を示す斜視図である。
【
図12】
図12は開き装置の構成部品を分解して示す斜視図である。
【
図13】
図13は台座を示し、(A)は正面側から視た斜視図、(B)は背面側から視た斜視図である。
【
図14】
図14は台座を示し、(A)は上端面図、(B)は背面図、(C)は(B)のC-C線に沿う断面図である。
【
図15】
図15は回動部を示し、(A)は斜視図、(B)は上端面図、(C)は(A)のC-C線に沿う断面図、(D)は(B)のD-D線に沿う断面図である。
【
図16】
図16は上部軸を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)のB-B線に沿う断面図である。
【
図17】
図17は下部軸を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)のB-B線に沿う断面図である。
【
図18】
図18は突出部を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)のB-B線に沿う断面図である。
【
図19】
図19はハンドル部を示し、(A)は側面図、(B)は(A)のB-B線に沿う断面図である。
【
図20】
図20は裏蓋を示し、(A)は正面図、(B)は(A)のB-B線に沿う断面図である。
【
図21】
図21は上カバーを示し、(A)は斜視図、(B)は(A)のB-B線に沿う断面図である。
【
図22】
図22は下カバーを示し、(A)は斜視図、(B)は(A)のB-B線に沿う断面図である。
【
図23】
図23は開き装置の未操作状態における回動部の回り止め構造を示し、(A)は側面図、(B)は平面図、(C)は(A)のC-C線に沿う断面図、(D)は(A)のD-D線に沿う断面図である。
【
図24】
図24は開き装置の操作状態における回動部の回り止め構造を示し、(A)は側面図、(B)は平面図、(C)は(A)のC-C線に沿う断面図、(D)は(A)のD-D線に沿う断面図である。
【
図25】
図25は開き装置の左勝手と右勝手の付け替え構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1乃至
図4は本発明の第1実施形態に係る引き戸1の開き装置100を示すものである。
【0027】
引き戸1は、
図5乃至
図11に示す如く、建物の開口に取付けられる引き戸枠2内にスライド開閉可能に設けられた引き違いタイプである。
【0028】
開き装置100は、引き戸1の戸先1Aに設けられ、引き戸1を開けるときに使用者が該引き戸1に加える操作力を軽減するようにアシストする。尚、開き装置100は、引き戸1の右側の戸先1Aに設けられて、引き戸枠2の右側の縦枠2Aに対する右勝手用と、引き戸1の左側の戸先1B(不図示)に設けられて、引き戸枠2の左側の縦枠2Aに対する左勝手用とがある。
図5乃至
図10は右勝手用の開き装置100を示したものである。
【0029】
開き装置100は、
図1乃至
図4、
図12に示す如く、台座10、回動部20(ねじりコイルばね21、回動軸30、上部軸40、下部軸50)、突出部60、ハンドル部70、裏蓋80、上カバー90U、下カバー90Lを有して構成されている。開き装置100は、台座10に回動部20のねじりコイルばね21、回動軸30、突出部60及び裏蓋80を組込んだサブ組立体100A(
図25)を構成するものとしている。
【0030】
台座10は、
図13、
図14に示す如く、概ね鞍状をなして回動部20及び突出部60を収容するハウジング部11を長手方向中央部に備える。台座10は、ハウジング部11の貫通状空洞部11Hに回動部20の回動軸30を回動自在に装填可能にするとともに、回動部20の上部軸40と下部軸50のそれぞれを枢支可能にする一端軸孔部12と他端軸孔部13をハウジング部11の上下の両端面に開口して備える。
【0031】
台座10は、ハウジング部11に装填される突出部60をハウジング部11の長手方向に直交する短手方向にスライド自在とする。ハウジング部11は突出部60の後述するスライド体61と押圧部62とをそれぞれ収容して支持する広幅窓部11Kと狭幅窓部11Lのそれぞれを該ハウジング部11の短手方向の片側の側面に開口して備える。広幅窓部11Kと狭幅窓部11Lは空洞部11Hの背面側に連通して開口する。
【0032】
台座10は、ハウジング部11の長手方向に沿う両側に一端取付座15と他端取付座16を突き出して備える。台座10は、一端取付座15と他端取付座16に貫通状に設けたねじ挿通孔15A、16Aに挿通された不図示の取付ねじを引き戸1の戸先1Aに螺着してそれらの戸先1Aに固定される。尚、台座10は、裏蓋80を固定するためのねじ孔15A、16Aをハウジング部11の背面側に備える。
【0033】
回動部20は、台座10に枢支される。本実施形態の回動部20は、同軸状に連結される回動軸30、上部軸40、及び下部軸50の3部品から構成される。
【0034】
回動軸30は、
図15に示す如く、
図16に示した上部軸40の膨出状頭部41から下向きに延在している連結部42が挿通される軸孔31を上端面に開口し、連結部42の外周部の複数位置に備えたキー42Kが係入して周方向に一体回転可能にされるキー溝31Kを軸孔31の上端側内周部に備える。また、回動軸30は、
図15に示す如く、
図17に示した下部軸50のフランジ状底部51から上向きに延在している連結部52が挿通される軸孔32を下端面に開口し、連結部52の外周の複数位置に備えたキー52Kが係入して周方向に一体回転可能にされるキー溝32Kを軸孔32の下端側内周部に備える。
【0035】
回動部20は、回動軸30の軸孔31に上述の如くに上部軸40が挿通されてキー結合され、回動軸30の軸孔32に上述の如くに下部軸50の連結部52が挿通されてキー結合された状態で、該下部軸50の中心軸53、及び該中心軸53に設けた中心孔53Aにワッシャ54を介して挿入された連結ねじ55を、回動軸30の中心孔33に挿通し、更に上部軸40の中心ねじ部43に螺着することにより、回動軸30、上部軸40、及び下部軸50の3部品を一体化する。
【0036】
回動軸30は、
図15に示す如く、外周に沿う周方向の一部において外方に延在する翼状係合部34を備え、この翼状係合部34を突出部60の後述する係合溝63に係合可能にする。
【0037】
回動軸30は、
図15に示す如く、軸方向に沿う中央部において、中心孔33を囲む一定角度範囲を周方向に沿って凹設したばね装填部35とし、このばね装填部35にねじりコイルばね21を装填可能にしている。ねじりコイルばね21は、
図23、
図24に示す如く、回動軸30の中心孔33に挿通された下部軸50の中心軸53まわりに配置され、一端をハウジング部11における空洞部11Hの壁面に設けたばね受部11Sに当て止めし、他端を回動軸30の翼状係合部34に設けたばね受部34Sに当て止めすることで、該翼状係合部34が係合する突出部60のスライド体61をハウジング部11の狭幅突部11Lに没入させる方向に該突出部60を付勢する。
【0038】
突出部60は、
図18に示す如く、台座10のハウジング部11に設けた空洞部11Hの背面側に開口する広幅窓部11Kに装填され、広幅窓部11Kの空洞部11H寄り内側面に形成されたガイド面14A、及び台座10の背面側に固定される裏蓋80の内面に形成されたガイド面14Bに挟まれてスライド可能に支持されるスライド体61を備える。また、突出部60は、スライド体61の長手方向の中央部に設けられてハウジング部11の広幅窓部11Kに連通している狭幅窓部11Lに装填され、該狭幅窓部11Lから外方(開き装置100が取付けられた引き戸1の戸先1Aが相対する引き戸枠2の縦枠2Aに臨む方向)に対して出没自在に狭幅窓部11Lに支持される角柱状押圧部62を備える。突出部60のスライド体61は長手方向に延在する係合溝63を備えており、回動部20の回動軸30に設けた翼状係合部34がこの係合溝63に係合するものとされている(
図23、
図24)。これにより、突出部60は、台座10に支持され、ハンドル部70に操作力を加えない未操作時に、ねじりコイルばね21の付勢力によってハウジング部11の狭幅窓部11Lに没入され、ハンドル部70に操作力を加える操作時に、ねじりコイルばね21の付勢力に抗する当該操作力によってハウジング部11の狭幅窓部11Lから外方に突出し、引き戸枠2内で閉じ状態にある引き戸1の戸先1Aが相対する該引き戸枠2の縦枠2Aを押圧可能にするものになる。
【0039】
ハンドル部70は、
図3に示す如く、回動部20に連結され、使用者の操作力を加えられて該回動部20を正逆転させる。尚、回動部20の正転方向は、該回動部20がその回転中心軸まわりで回転したとき、突出部60の押圧部62をハウジング部11の狭幅窓部11Lから外方に突出させる方向をいう。また、回動部20の逆転方向は、該回動部20がその回転中心軸まわりで回転したとき、突出部60の押圧部62をハウジング部11の狭幅窓部11Lに没入させる方向をいう。
【0040】
開き装置100にあっては、使用者がハンドル部70に加える操作力により回動部20を正転させることで、ハウジング部11の狭幅窓部11Lから突出する突出部60の押圧部62が引き戸枠2の縦枠2Aを押圧したときの反力で引き戸1を開くものである。
【0041】
ここで、ハンドル部70は、長手方向の上端部71から下端部72に渡る長尺状をなし、上端部71と下端部72の間を一定長さの握り部73とするとともに、その横断面形状を
図19(B)に示す如くのコの字状としている。
【0042】
ハンドル部70は、上端部71の先端部を握り部73よりも背面側に突き出し、この先端部にピン78を挿通可能にしている。即ち、ハンドル部70は、上端部71の先端側に設けたピン孔71Pに挿通されて止ねじ79によって抜け止めされるピン78を、回動部20の上端部である上部軸40の頭部41に設けたピン孔41Pに挿通してピン結合され、該ピン78まわりに揺動して起伏可能にされる。上部軸40のピン孔41Pは回動部20(回動軸30、上部軸40及び下部軸50)の回転中心軸に直交配置される水平方向に延在され、ハンドル部70は該ピン孔41Pに挿通されるピン78を介して、回動部20の上記回転中心軸を含む面内における上下方向に起伏可能にされるものになる。
図3のθは上記ハンドル部70の起立角度を示す。
【0043】
また、ハンドル部70は、上記上部軸40のピン孔41Pに挿通されたピン78を介して、回動部20がその回転中心軸まわりで回転する正逆転方向では、該回動部20に相対回転不能に連結されるものになる。
【0044】
また、ハンドル部70は、握り部73を使用者によってしっかりと握ることのできる長さ、太さとしている。握り部73の両側面部には、使用者によって指先を当てることのできる丸味を帯びた凹み状の指先当て部74がその長手方向の概ね全域に渡って設けられている。
【0045】
また、ハンドル部70は、下端部72の先端部を握り部73よりも背面側に突き出し、この先端部まわりを、使用者によって指先を巻き付けるようにして引っ掛けできる丸味を帯びた指先引っ掛け部75としている。
【0046】
裏蓋80は、
図3、
図20に示す如く、回動部20のねじりコイルばね21及び回動軸30、並びに突出部60が前述の如くに装填された台座10におけるハウジング部11の背面に設けた凹所11Cに嵌め込まれ、ハウジング部11のねじ孔15A、16Aに螺着される止ねじ81によって該台座10に固定される。開き装置100は、台座10に裏蓋80を固定することで、台座10に装填された回動部20のねじりコイルばね21及び回動軸30、並びに突出部60を被覆し、サブ組立体100Aを形成する。
【0047】
上カバー90Uは、
図3、
図21に示す如く、台座10が一端取付座15に挿通された不図示の取付ねじによって、引き戸1の戸先1Aに固定された状態で、該一端取付座15まわりに係止され、該一端取付座15を被覆する。上カバー90Uは、一端取付座15に設けてある係止部に係止される複数の係止爪91を備える。
【0048】
下カバー90Lは、
図3、
図22に示す如く、台座10が他端取付座16に挿通される不図示の取付ねじによって、引き戸1の戸先1Aに固定された状態で、該他端取付座16まわりに係止され、該他端取付座16を被覆する。下カバー90Lは、他端取付座16に設けられる係止部に係止される複数の係止爪92を備える。
【0049】
しかるに、開き装置100は以下の如くに組立てられる。
(1)台座10のハウジング部11に設けた空洞部11Hに回動軸30を装填する。このとき、回動軸30のばね装填部35にはねじりコイルばね21が装填されている。
【0050】
(2)台座10のハウジング部11に設けた一端軸孔部12に上部軸40の連結部42を通し、連結部42のキー42Kを回動軸30のキー溝31Kに係入する。
【0051】
また、台座10のハウジング部11に設けた他端軸孔部13に下部軸50の連結部52を通し、連結部52のキー52Kを回動軸30のキー溝32Kに係入する。
【0052】
続いて、下部軸50の中心軸53、及び中心軸53に設けた中心孔53Aに挿入された連結ねじ55を、回動軸30の中心孔33に挿通し(中心軸53はねじりコイルばね21のコイル中心孔を串刺しにする)、更に上部軸40の中心ねじ部43に螺着する。これにより、回動軸30、上部軸40及び下部軸50の3部品が一体化されたものになる。
【0053】
(3)台座10のハウジング部11に設けた広幅窓部11K及び狭幅窓部11Lに、突出部60のスライド体61及び押圧部62を装填する。このとき、
図4(B)に示す如く、スライド体61の係合溝部63に回動軸30の翼状係合部34が係合するものとされる。また、ねじりコイルばね21は、一端をハウジング部11における空洞部11Hの壁面に設けたばね受部11Sに当て止めされ、他端を回動軸30の翼状係合部34に設けたばね受部34Sに当て止めされる。
【0054】
次に、裏蓋80が、
図4に示す如く、台座10におけるハウジング部11の背面に設けた凹所11Cに挿し込まれ、止ねじ81によって該台座10に固定される。これにより、サブ組立体100Aが形成される。
【0055】
(4)回動部20の端部である上部軸40の頭部41に設けたピン孔41Pに、ハンドル部70の上端部71に挿通されたピン78を挿通し(ピン78は止ねじ79によって抜け止めされる)、ハンドル部70を回動部20に対して起伏可能にピン結合する(
図3)。
【0056】
(5)台座10の一端取付座15、他端取付座16のそれぞれに挿通される取付ねじを引き戸1の戸先1Aに螺着することにより、該台座10を引き戸1の戸先1Aに固定する。
【0057】
上カバー90U、下カバー90Lのそれぞれが、台座10の一端取付座15、他端取付座16まわりのそれぞれに係止される。これにより、引き戸1の戸先1Aへの開き装置100の取付けが完了するものになる。
【0058】
尚、ハンドル部70に操作力を加えない未操作時に、ハンドル部70及び回動部20は、
図23に示す如く、ねじりコイルばね21の付勢力Eを受けて該回動部20の上部軸40における頭部41に設けた凸部41Sを台座10における一端取付座15及び他端取付座16の各正面におけるハウジング部11の直近部に突設した回り止め部17Aに当て止めされ、回動部20の上部軸40における連結部42の外周部に設けた突条ストッパ部42Sを、台座10における一端軸孔部12及び他端軸孔部13の内周面に凹設された回り止め部18Aに当て止めされ、回動部20の回動軸30における外周部に設けた凹状ストッパ部30Sを、台座10におけるハウジング部11の内周部に突設された回り止め部19Aに当て止めされ、それらの未操作位置に設定される。
【0059】
他方、ハンドル部70に操作力を加える操作時に、ハンドル部70及び回動部20は、
図24に示す如く、当該操作力Fを受けて、回動部20の上部軸40における頭部41に設けた凸部41Sを、台座10における一端取付座15及び他端取付座16の各正面におけるハウジング部11の直近部に突設した上記回り止め部17Aに隣接する回り止め部17Bに当て止めされ、回動部20の上部軸40における連結部42の外周部に設けた突条ストッパ部42Sを、台座10における一端軸孔部12の内周面に凹設された上記回り止め部18Aに隣接する回り止め部18Bに当て止めされ、回動部20の回動軸30における外周部に設けた凹状ストッパ部30Sを、台座10におけるハウジング部11の内周部に突設された回り止め部19Aに隣接する回り止め部19Bに当て止めされ、それらの操作位置に設定される。
【0060】
開き装置100によれば、ハンドル部70を以下の(i)乃至(iii)のいずれかの態様にて起伏させた状態下で、ハンドル部70に加える使用者の操作力によって、回動部20を未操作位置からねじりコイルばね21の付勢力に抗して操作位置にまで正転させ、突出部60の押圧部62をハウジング部11の狭幅窓部11Lから突出させることで、該押圧部62により引き戸枠2の縦枠2Aを押圧可能にする。これにより、開き装置100は、ハンドル部70の長さを長く取ることで、ハンドル部70の支点oと作用点sの距離L1に対する、支点oと力点rの距離L2の比L2/L1を大きく取り(
図3)、上記押圧部62の押圧力を拡大し、使用者がハンドル部70に加える操作力に対するアシスト効果を大きくするものになる。
【0061】
以下、開き装置100の使用時に、使用者により選択されるハンドル部70の(i)乃至(iii)の起伏態様について説明する。
【0062】
(i)ハンドル部70が、
図1(A)、
図5、
図6に示す如く、回動部20に対する伏せ位置にあるとき、該ハンドル部70は台座10に添う伏せ状態をなす。
【0063】
(ii)ハンドル部70が、
図1(C)、
図9、
図10に示す如く、回動部20に対する起立位置にあるとき、該ハンドル部70は上記伏せ位置におけるよりも該回動部20に対する起立角度を大きくして該台座10から引き起こされる起立状態をなす。
【0064】
(iii)ハンドル部70が、
図1(B)、
図7、
図8に示す如く、回動部20に対する起立角度を伏せ位置と起立位置の中間に定めた半起立位置にあるとき、該ハンドル部70は台座10に対する半起立状態をなす。
【0065】
尚、ハンドル部70は、
図3に示す如く、クリックストップ機構76を有し、回動部20に対する起立角度を順に変化させた伏せ位置、半起立位置(本実施形態では相隣る2個の半起立位置)、起立位置のそれぞれにおいて、節度感を付与されて停留可能にされる。具体的には、ハンドル部70における上端部71の先端側内面に設けた係止凸部76Sを、回動部20の上部軸40における頭部41のピン孔41Pまわりに挿通したピン78まわりの膨出状外周面の周方向に一定間隔をなす伏せ位置用の係止凹部41a、第1半起立位置用の係止凹部41b、第2半起立位置用の係止凹部41c、起立位置用の係止凹部41dのそれぞれに順に係止可能にしている。ハンドル部70がピン78まわりを揺動するとき、上端部71の係止凸部76Sは該上端部71の弾性変形を介して各係止凹部41a乃至41d間の凸部を乗り越え、各係止凹部41a乃至41dのそれぞれに落ち込み係止するものになる。
【0066】
従って、開き装置100によれば、ハンドル部70を回動部20に対して起伏できることから、下記(a)乃至(g)の作用効果を奏する。
【0067】
(a)ハンドル部70を回動部20に対して起伏できる。
ハンドル部70が回動部20に対する伏せ位置に設定されるとき、使用者はハンドル部70に設けた指先当て部74に指先を引っ掛けて使用するものになり(
図6(A))、ハンドル部70に対する力をやや入れにくいものの、コンパクトな構造のままでアシスト効果を発揮できる。
【0068】
ハンドル部70が回動部20に対する半起立位置又は起立位置に設定されるとき、使用者はハンドル部70に設けた握り部73を握る(
図8(A)、
図10(A))、手の平で押す(
図11(A))、手の甲で押す(
図11(B))、或いはハンドル部70の先端に設けた指先引っ掛け部75に指先を引っ掛ける(
図11(C))等して使用できる。
【0069】
ハンドル部70を握る行為は力を入れ易いが、指先の不自由な高齢者や障害者には握れない人もいる。使用者の身体状態に関係なく多様な態様で使用できる。
【0070】
(b)ハンドル部70を伏せ位置に設定したときには、ハンドル部70の引き戸1から室内方向への飛出し量を少なくした使用態様を選択したものになり、ハンドル部70の未操作時におけるカーテンやブラインド等の開閉に際し、それらのカーテンやブラインド等が引っ掛かる、当たる等の干渉を招くことがなく、外観性もコンパクトでインテリア性も高い。
【0071】
(c)ハンドル部70を起立位置に設定したときには、テコの原理で使用者がハンドル部70に加える操作力のアシスト効果を大きく取る使用態様を選択したものになり、ハンドル部70の長さを可能な限り長く取り、ハンドル部70の支点oと作用点sの距離L1に対する、支点oと力点rの距離L2の比L2/L1を大きく取ることで、使用者の操作力に対するアシスト効果が大きくなる。
【0072】
(d)ハンドル部70が台座10に添う伏せ位置をなすことにより、ハンドル部70の未操作時やハンドル部70を起立させないで使用するアシスト操作時に、上述(b)におけるハンドル部70の引き戸1から室内方向への飛出し量を確実に少ないものにすることができる。
【0073】
(e)ハンドル部70が台座10から引き起こされる起立状態をなすことにより、上述(c)における使用者の操作力に対するアシスト効果を確実に大きく取ることができる。
【0074】
(f)ハンドル部70が台座10から半分程度だけ引き起こされた半起立状態をなすことにより、アシスト効果は上述(e)よりは小さくなるが、ハンドル部70を握る手首の曲げ角度がきつくならず(
図8(A))、その手首への負担が少なくなり、ハンドル部70の引き戸1から室内方向への飛出し量も少な目になる。
【0075】
(g)ハンドル部70が、クリックストップ機構76を有することにより、回動部20に対する起立角度を順に変化させた伏せ位置、及び複数の起立位置のそれぞれにおいて、節度感をもって停留可能にされることにより、使用者の操作性が向上する。
【0076】
尚、開き装置100は、台座10に回動部20のねじりコイルばね21、回動軸30及び突出部60を組込んだサブ組立体100Aを構成していることは前述の通りであるが、このサブ組立体100Aを構成している台座10が開き戸10の戸先1Aに対して上下ひっくり返して固定可能にされるとともに、ハンドル部70がサブ組立体100Aを構成している回動部20の両端部(本実施形態では上部軸40と下部軸50)のいずれかに選択的にピン結合可能にされる。これにより、開き装置100を左勝手用にも右勝手用にも使い分けでき、ハンドル部70の操作により突出する突出部60の押圧部62が、引き戸枠2の左右の縦枠2Aの双方を選択的に押圧可能にするものになる。
【0077】
具体的には、
図25に示す如く、サブ組立体100Aと、該サブ組立体100Aを構成している台座10、回動軸30及び突出部60は、該サブ組立体100Aの長手方向に沿う上下間の中央部を通り、その長手方向に直交する切断面に関して、上下線対称をなすものとされており、左勝手用の開き装置100と右勝手用の開き装置100を以下の手順で組み替えできる
【0078】
(1)右勝手用の開き装置100が組立てられる。
(2)上述(1)の開き装置100の台座10から上カバー90U、下カバー90Lを取り外す。
【0079】
(3)上述(2)の開き装置100を構成しているサブ組立体100Aの台座10における一端軸孔部12と他端軸孔部13のそれぞれから、ハンドル部70が結合されている上部軸40と、下部軸50のそれぞれを取り外す。
(4)上述(3)のサブ組立体100Aを上下ひっくり返す。
【0080】
(5)上述(4)のひっくり返されたサブ組立体100Aの台座10における他端軸孔部13と一端軸孔部12のそれぞれに、ハンドル部70が結合された上部軸40と、下部軸50のそれぞれを挿入し、回動軸30の軸孔32と軸孔31のそれぞれに、ハンドル部70が結合された上部軸40の連結部42と、下部軸50の連結部52のそれぞれを挿通してキー結合し、それらの回動軸30、上部軸40及び下部軸50の3部品を連結ねじ55により一体化する。
【0081】
(6)上述(5)のサブ組立体100Aにより構成される開き装置100の台座10に上カバー90U、下カバー90Lを取付ける。
(7)上述(6)の開き装置100が左勝手用になる。
【0082】
従って、開き装置100によれば、サブ組立体100Aを構成している台座10が引き戸1の戸先1Aに対して上下ひっくり返されて固定可能にされるとともに、ハンドル部70がサブ組立体100Aを構成している回動部20の両端部のいずれかに選択的に連結される。開き装置100を構成するサブ組立体100Aの台座10と回動部20と突出部60等を分解することなく、当該開き装置100を引き戸枠2の左右いずれかの縦枠2Aに対する左勝手用と右勝手用として引き戸1の左右の戸先1Aに簡易に付け替えできる。
【0083】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明によれば、手でハンドル部を握る、押す、引っ掛ける等の多様に操作可能にしながら、テコの原理で使用者が操作部に加える操作力のアシスト効果を大きくする使用態様と、ハンドル部の引き戸から室内方向への飛出し量を少なくする使用態様とを選択できる引き戸の開き装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 引き戸
1A 戸先
2 引き戸枠
2A 縦枠
10 台座
20 回動部
60 突出部
70 ハンドル部
100 開き装置
100A サブ組立体