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特許7304855新規イミダゾピリミジン化合物およびそれらの使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】新規イミダゾピリミジン化合物およびそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20230630BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20230630BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 33/06 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230630BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20230630BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
C07D487/04 144
C07D487/04 CSP
A61K31/519
A61K45/00
A61P9/00
A61P31/00
A61P35/00
A61P29/00
A61P37/06
A61P31/04
A61P31/16
A61P31/12
A61P33/00
A61P33/06
A61P37/08
A61P31/10
A61K39/39
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020526527
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-04
(86)【国際出願番号】 US2018061117
(87)【国際公開番号】W WO2019099564
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-11-15
(31)【優先権主張番号】62/586,124
(32)【優先日】2017-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596115687
【氏名又は名称】ザ チルドレンズ メディカル センター コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】511071555
【氏名又は名称】ダナ-ファーバー キャンサー インスティテュート, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ,オファー
(72)【発明者】
【氏名】ドウリング,デイヴィッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ボリーロ,フランセスコ
(72)【発明者】
【氏名】スコット,デイヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】ブライトマン,スペンサー イー.
(72)【発明者】
【氏名】フェル,フレデリク
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08486945(US,B2)
【文献】特表2014-500331(JP,A)
【文献】特表2015-526412(JP,A)
【文献】国際公開第2007/064902(WO,A2)
【文献】国際公開第2014/151784(WO,A1)
【文献】特表2016-539982(JP,A)
【文献】特表2003-513977(JP,A)
【文献】Cytometry, Part A ,2009年,Vol. 75A,pp. 253-263
【文献】N-(5-IMIDAZO[1,2-A]PYRIMIDIN-2-YL-2-METHYLPHENYL)-3-METHOXYBENZAMIDE,PUBCHEM CID: 7080208,2006年07月29日,PAGE(S): 1 - 10
【文献】DATABASE STN REGISTRY file,RN:863020-21-7, 863020-23-9, 863020-29-5, [online], Entered STN: 13 Sep. 2005, [retrieved on 16 Sep. 2022]
【文献】DATABASE STN REGISTRY file,RN: 862810-06-8, 862810-83-1, 862810-91-1, 862811-03-8, [online], Entered STN: 9 Sep. 2005, [retrieved on 16 Sep. 2022]
【文献】DATABASE STN REGISTRY file,RN: 847387-50-2, 847387-51-3, 847387-61-5, 847387-73-9, 847387-98-8, 847387-99-9, 847388-07-2, [online], Entered STN: 28 Mar. 2005, [retrieved on 16 Sep. 2022]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
で表される化合物、またはその薬学的許容し得る塩であり、式中:
R1Aは、置換もしくは非置換のフェニル、または置換もしくは非置換のベンジル、または置換もしくは非置換の6員ヘテロアリールである;
R1、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル、-ORa、または-N(Ra1)2である;
RAの各場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra1)2、-SRa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra1)2、または-NO2である;
RBの各場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra1)2、-SRa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra1)2、または-NO2である;
Raの各場合は、独立して、水素、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、窒素原子へ付着されているとき窒素保護基、酸素原子へ付着されているとき酸素保護基、または硫黄原子へ付着されているとき硫黄保護基である;
Ra1の各場合は、独立して、水素、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、窒素原子へ付着されているとき窒素保護基であるか、あるいは
2個のR a1 は、結び合うことで、置換もしくは非置換の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成する;
aは、1、2、または3である;および
bは、0、1、2、または3である;
ここで窒素保護基は、-OH、-OR aa 、-N(R cc ) 2 、-C(=O)R aa 、-C(=O)N(R cc ) 2 、-CO2R aa 、-SO 2 R aa 、-C(=NR cc )R aa 、-C(=NR cc )OR aa 、-C(=NR cc )N(R cc ) 2 、-SO 2 N(R cc ) 2 、-SO 2 R cc 、-SO 2 OR cc 、-SOR aa 、-C(=S)N(R cc ) 2 、-C(=O)SR cc 、-C(=S)SR cc 、C 1~10 アルキル、C 2~10 アルケニル、C 2~10 アルキニル、ヘテロC 1~10 アルキル、ヘテロC 2~10 アルケニル、ヘテロC 2~10 アルキニル、C 3~10 カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C 6~14 アリール、および5~14員ヘテロアリール基から選択され、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5個のR dd 基で置換されている;
ここで酸素保護基は、R aa 、-N(R bb ) 2 、-C(=O)SR aa 、-C(=O)R aa 、-CO 2 R aa 、-C(=O)N(R bb ) 2 、-C(=NR bb )R aa 、-C(=NR bb )OR aa 、-C(=NR bb )N(R bb ) 2 、-S(=O)R aa 、-SO 2 R aa 、-Si(R aa ) 3 、-P(R cc ) 2 、-P(R cc ) 3 X - 、-P(OR cc ) 2 、-P(OR cc ) 3 X - 、-P(=O)(R aa ) 2 、-P(=O)(OR cc ) 2 、および-P(=O)(N(R bb ) 2 ) 2 から選択される;
ここで硫黄保護基は、-R aa 、-N(R bb ) 2 、-C(=O)SR aa 、-C(=O)R aa 、-CO 2 R aa 、-C(=O)N(R bb ) 2 、-C(=NR bb )R aa 、-C(=NR bb )OR aa 、-C(=NR bb )N(R bb ) 2 、-S(=O)R aa 、-SO 2 R aa 、-Si(R aa ) 3 、-P(R cc ) 2 、-P(R cc ) 3 X - 、-P(OR cc ) 2 、-P(OR cc ) 3 X - 、-P(=O)(R aa ) 2 、-P(=O)(OR cc ) 2 、および-P(=O)(N(R bb ) 2 ) 2 から選択される;
ここでR aa の各場合は、独立して、C 1~10 アルキル、C 1~10 ペルハロアルキル、C 2~10 アルケニル、C 2~10 アルキニル、ヘテロC 1~10 アルキル、ヘテロC 2~10 アルケニル、ヘテロC 2~10 アルキニル、C 3~10 カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C 6~14 アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、あるいは、2個のR aa 基は、結び合うことで、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のR dd 基で置換されている;
ここでR bb の各場合は、独立して、水素、-OH、-OR aa 、-N(R cc ) 2 、-CN、-C(=O)R aa 、-C(=O)N(R cc ) 2 、-CO 2 R aa 、-SO 2 R aa 、-C(=NR cc )OR aa 、-C(=NR cc )N(R cc ) 2 、-SO 2 N(R cc ) 2 、-SO 2 R cc 、-SO 2 OR cc 、-SOR aa 、-C(=S)N(R cc ) 2 、-C(=O)SR cc 、-C(=S)SR cc 、-P(=O)(R aa ) 2 、-P(=O)(OR cc ) 2 、-P(=O)(N(R cc ) 2 ) 2 、C 1~10 アルキル、C 1~10 ペルハロアルキル、C 2~10 アルケニル、C 2~10 アルキニル、ヘテロC 1~10 アルキル、ヘテロC 2~10 アルケニル、ヘテロC 2~10 アルキニル、C 3~10 カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C 6~14 アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、あるいは、2個のR bb 基は、結び合うことで、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のR dd 基で置換されている;ここでX - は、対イオンである;
ここでR cc の各場合は、独立して、水素、C 1~10 アルキル、C 1~10 ペルハロアルキル、C 2~10 アルケニル、C 2~10 アルキニル、ヘテロC 1~10 アルキル、ヘテロC 2~10 アルケニル、ヘテロC 2~10 アルキニル、C 3~10 カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C 6~14 アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、あるいは、2個のR cc 基は、結び合うことで、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のR dd 基で置換されている;
ここでR dd の各場合は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO 2 、-N 3 、-SO 2 H、-SO 3 H、-OH、-OR ee 、-ON(R ff ) 2 、-N(R ff ) 2 、-N(R ff ) 3 X - 、-N(OR ee )R ff 、-SH、-SR ee 、-SSR ee 、-C(=O)R ee 、-CO 2 H、-CO 2 R ee 、-OC(=O)R ee 、-OCO 2 R ee 、-C(=O)N(R ff ) 2 、-OC(=O)N(R ff ) 2 、-NR ff C(=O)R ee 、-NR ff CO 2 R ee 、-NR ff C(=O)N(R ff ) 2 、-C(=NR ff )OR ee 、-OC(=NR ff )R ee 、-OC(=NR ff )OR ee 、-C(=NR ff )N(R ff ) 2 、-OC(=NR ff )N(R ff ) 2 、-NR ff C(=NR ff )N(R ff ) 2 、-NR ff SO 2 R ee 、-SO 2 N(R ff ) 2 、-SO 2 R ee 、-SO 2 OR ee 、-OSO 2 R ee 、-S(=O)R ee 、-Si(R ee ) 3 、-OSi(R ee ) 3 、-C(=S)N(R ff ) 2 、-C(=O)SR ee 、-C(=S)SR ee 、-SC(=S)SR ee 、-P(=O)(OR ee ) 2 、-P(=O)(R ee ) 2 、-OP(=O)(R ee ) 2 、-OP(=O)(OR ee ) 2 、C 1~6 アルキル、C 1~6 ペルハロアルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヘテロC 1~6 アルキル、ヘテロC 2~6 アルケニル、ヘテロC 2~6 アルキニル、C 3~10 カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C 6~10 アリール、および5~10員ヘテロアリールから選択されるが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のR gg 基で置換されているか、あるいは、2個のジェミナルR dd 置換基は、結び合うことで、=Oまたは=Sを形成し得る;ここで、X - は、対イオンである;
ここでR ee の各場合は、独立して、C 1~6 アルキル、C 1~6 ペルハロアルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヘテロC 1~6 アルキル、ヘテロC 2~6 アルケニル、ヘテロC 2~6 アルキニル、C 3~10 カルボシクリル、C 6~10 アリール、3~10員ヘテロシクリル、および3~10員ヘテロアリールから選択されるが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のR gg 基で置換されている;
ここでR ff の各場合は、独立して、水素、C 1~6 アルキル、C 1~6 ペルハロアルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヘテロC 1~6 アルキル、ヘテロC 2~6 アルケニル、ヘテロC 2~6 アルキニル、C 3~10 カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C 6~10 アリール、および5~10員ヘテロアリールから選択されるか、あるいは、2個のR ff 基は、結び合うことで、3~10員ヘテロシクリルまたは5~10員ヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のR gg 基で置換されている;
ここでR gg の各場合は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO 2 、-N 3 、-SO 2 H、-SO 3 H、-OH、-OC 1~6 アルキル、-ON(C 1~6 アルキル) 2 、-N(C 1~6 アルキル) 2 、-N(C 1~6 アルキル) 3 X - 、-NH(C 1~6 アルキル) 2 X - 、-NH 2 (C 1~6 アルキル) X - 、-NH 3 X - 、-N(OC 1~6 アルキル)(C 1~6 アルキル)、-N(OH)(C 1~6 アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC 1~6 アルキル、-SS(C 1~6 アルキル)、-C(=O)(C 1~6 アルキル)、-CO 2 H、-CO 2 (C 1~6 アルキル)、-OC(=O)(C 1~6 アルキル)、-OCO 2 (C 1~6 アルキル)、-C(=O)NH 2 、-C(=O)N(C 1~6 アルキル) 2 、-OC(=O)NH(C 1~6 アルキル)、-NHC(=O)(C 1~6 アルキル)、-N(C 1~6 アルキル)C(=O)(C 1~6 アルキル)、-NHCO 2 (C 1~6 アルキル)、-NHC(=O)N(C 1~6 アルキル) 2 、-NHC(=O)NH(C 1~6 アルキル)、-NHC(=O)NH 2 、-C(=NH)O(C 1~6 アルキル)、-OC(=NH)(C 1~6 アルキル)、-OC(=NH)OC 1~6 アルキル、-C(=NH)N(C 1~6 アルキル) 2 、-C(=NH)NH(C 1~6 アルキル)、-C(=NH)NH 2 、-OC(=NH)N(C 1~6 アルキル) 2 、-OC(NH)NH(C 1~6 アルキル)、-OC(NH)NH 2 、-NHC(NH)N(C 1~6 アルキル) 2 、-NHC(=NH)NH 2 、-NHSO 2 (C 1~6 アルキル)、-SO 2 N(C 1~6 アルキル) 2 、-SO 2 NH(C 1~6 アルキル)、-SO 2 NH 2 、-SO 2 C 1~6 アルキル、-SO 2 OC 1~6 アルキル、-OSO 2 C 1~6 アルキル、-SOC 1~6 アルキル、-Si(C 1~6 アルキル) 3 、-OSi(C 1~6 アルキル) 3 、-C(=S)N(C 1~6 アルキル) 2 、C(=S)NH(C 1~6 アルキル)、C(=S)NH 2 、-C(=O)S(C 1~6 アルキル)、-C(=S)SC 1~6 アルキル、-SC(=S)SC 1~6 アルキル、-P(=O)(OC 1~6 アルキル) 2 、-P(=O)(C 1~6 アルキル) 2 、-OP(=O)(C 1~6 アルキル) 2 、-OP(=O)(OC 1~6 アルキル) 2 、C 1~6 アルキル、C 1~6 ペルハロアルキル、C 2~6 アルケニル、C 2~6 アルキニル、ヘテロC 1~6 アルキル、ヘテロC 2~6 アルケニル、ヘテロC 2~6 アルキニル、C 3~10 カルボシクリル、C 6~10 アリール、3~10員ヘテロシクリル、および、5~10員ヘテロアリールから選択される;あるいは、2個のジェミナルR gg 置換基は、結び合うことで、=Oまたは=Sを形成し得る;ここでX - は、対イオンである;
ここで、対イオンは、ハロゲン化物イオン(例えば、F 、Cl 、Br 、またはI )、NO 3 、ClO 4 、OH 、H 2 PO 4 、HCO 3 、HSO 4 、スルホナートイオン(例えば、メタンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、p-トルエンスルホナート、ベンゼンスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-2-スルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、またはエタン-1-スルホン酸-2-スルホナート)、カルボキシラートイオン(例えば、アセタート、プロパノアート、ベンゾアート、グリセラート、ラクタート、タートラート、グリコラート、グルコナート)、BF 4- 、PF 4 、PF 6 、AsF 6 、SbF 6 、B[3,5-(CF3) 2 C 6 H 3 ] 4 ] 、B(C 6 F 5 ) 4 、BPh 4 、Al(OC(CF 3 ) 3 ) 4 、およびカルボランアニオン(例えば、CB 11 H 12 、または(HCB 11 Me 5 Br 6 ) )から選択される、前記化合物。
【請求項2】
化合物が、式:
【化2】
で表されるか、またはその薬学的許容し得る塩であり、式中:
R2の各場合は、独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル、-ORa、または-N(Ra1)2である;
RCの各場合は、独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra1)2、-SRa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra1)2、または-NO2である;および
cは、0、1、2、3、4、または5である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1が、ハロゲンまたは置換もしくは非置換のC1~6アルキルである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
R1Aが、式:
【化3】
で表される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
少なくとも1個のR 2 が、置換または非置換のC1~6アルキルである、請求項2~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R 2 が、MeまたはEtである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
RAが、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル、または-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
RAが、-F、Me、または-OMeである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
aが、1である、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
bが、0である、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
cが、0または1である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
RCが、ハロゲンまたは置換もしくは非置換のC1~6アルキルである、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
化合物が、式:
【化4】

で表される、またはその薬学的許容し得る塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
化合物が、式:
【化5】

で表される、またはその薬学的許容し得る塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
化合物が、式:
【化6】

で表される、またはその薬学的許容し得る塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
化合物が、式:
【化7】

で表される、またはその薬学的許容し得る塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
化合物が、式:
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
で表されるか、またはその薬学的許容し得る塩である、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
(i)請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物;
(ii)前記化合物および薬学的に許容し得る賦形剤;または
(iii)前記化合物、薬学的に許容し得る賦形剤、および追加の医薬品
を含む、医薬組成物。
【請求項19】
これを必要とする対象における、疾患の処置における使用のための、請求項18に記載の医薬組成物であって、前記医薬組成物の治療的に有効な量を対象に投与することを含む、前記医薬組成物。
【請求項20】
化合物が、疾患のためのワクチン中のアジュバンドである、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
(i)疾患が、増殖性疾患である;または
(ii)疾患が、炎症性疾患である;または
(iii)疾患が、自己免疫疾患である;または
(iv)疾患が、感染症である;または
(v)疾患が、線維症である;または
(vi)疾患が、心血管疾患である;または
(vii)疾患が、移植片拒絶または移植片対宿主病である;または
(viii)ワクチンが、広範な病原体に対する異種の保護を提供する、
請求項19または20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
感染症が、
(a)ウイルス感染症;または
(b)インフルエンザ;または
(c)敗血症;または
(d)小児感染症;または
(e)細菌感染症であって、Streptococcus spp.またはBordetellapertussisでの感染によって引き起こされるか、あるいはその細菌性感染因子が、炭疽病、ジフテリア、破傷風、Bordetella spp.、Haemophilus influenzae b型、Neiserria spp.、Vibrio spp.、コレラ、Yersinia spp.、Staphylococci spp.、Streptococci spp.、またはSalmonella spp.である、細菌感染症;または
(f)結核感染または非結核性抗酸菌症から選択されるマイコバクテリア感染症;または
(g)アデノウイルス、灰白髄炎、エボラ、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、ヒトパピローマウイルス、インフルエンザ、狂犬病、日本脳炎、ロタウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、天然痘、黄熱病、またはジカウイルスによるウイルス感染症;または
(h)マラリアまたはリーシュマニア症である寄生虫感染症;
または
(i)がん;または
(j)アレルギー;または
(k)Candida spp.、Aspergillus spp.、Cryptococcus spp.、Mucormycete、Blastomyces dermatitidis、Histoplasma capsulatum、またはSporothrix schenckiiによって引き起こされる真菌感染症
から選択される、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
組成物が、
(i-a)対象へ1度投与される;または
(i-b)対象へ繰り返し投与される;および/または
(ii)組成物が、皮内に、筋肉内に、膣内に、静脈内に、鼻腔内に、経口的に、皮下に、局所的に、および/または舌下に投与される;および/または
(iii)組成物が、予防的なものとして投与される;および/または
(iv)組成物が、別の免疫調節剤、免疫調節抗体、免疫調節生物製剤、または免疫応答を限定する分子経路のインヒビターとの併用治療として投与される、請求項19~22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
対象が、
(i)ヒト未成年者である;または
(ii)ヒト成年者である;および/または
(iii)対象が、免疫無防備状態である、
請求項1923のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
(a)ヒト未成年者が、投与時に28日齢未満である;または
(b)ヒト未成年者が、投与時に4日齢未満である;または
(c)ヒト未成年者が、投与時に2日齢未満である;または
(d)ヒト未成年者が、投与時に出生から24時間未満である;または
(e)投与が、出生時に行われる;または
(f)第2投与が、対象が28日齢以下であるときに行われる;または
(g)第2投与が、対象が6月齢未満であるときに行われる;または
(h)投与が、ヒト未成年者が2月齢、4月齢、および6月齢であるときに行われる;または
(i)未成年者が、低体重で生まれるか、または低出生体重を有する、
請求項24に記載の使用のための医薬組成物。
【請求項26】
これを必要とする対象における、免疫応答の増強における使用のための、請求項18に記載の医薬組成物であって、前記医薬組成物の治療的に有効な量を対象に投与することを含む、前記医薬組成物。
【請求項27】
免疫調節物質としての使用のための、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項28】
求項18に記載の医薬組成物;およ
薬組成物を対象へ投与するか、またはこれを生体試料に接触させるための指示を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、35 U.S.C.§119(e)の下、2017年11月14日に出願された米国仮出願第62/586,124号に対して利益を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
政府の支援
本開示は、国立衛生研究所(NIH)および国立アレルギー感染病研究所(NIAID)契約アジュバント発見プログラム(Contract Adjuvant Discovery Program)によって授与されたHHSN272201400052Cの下での政府の支援によりなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
背景
ヒト免疫は健康と病気との両方に極めて重要であり、感染症(infectious disease)、アレルギー、自己免疫、がん、ならびに慢性疾患(心血管疾患および糖尿病など)を包含する複数の大病において中心的な役割を果たす。動物およびヒトの研究によって、ある小分子が免疫アクチベーターとして働くことが示唆されている。
【発明の概要】
【0004】
概要
いくつかの本開示の側面は、イミダゾピリミジン化合物が、ヒト白血球の堅固な(robust)活性化をin vitroで誘導し、かつアジュバントとしてin vivoで作用するという知見に、少なくとも一部は基づく。結果的に、本明細書に提供されるのは、先天性免疫応答および適応免疫応答を包含するヒト免疫応答を増強することにおける使用のためのイミダゾピリミジン化合物である。いくつかの態様において、イミダゾピリミジン化合物は、ワクチン中のアジュバントとして使用される。アジュバントは、防御免疫を最大にするためワクチン抗原に対する免疫応答を増強し(enhance)、長引かせ(prolong)、かつ調節し(modulate)得る。いくつかの側面において、イミダゾピリミジンをワクチンアジュバントとして使用することは、脆弱な集団(例として、新生児(neonates)、未成年者(infants)、高齢者(the elderly)、または免疫無防備状態の(immunocompromised)個体)における有効な免疫付与を可能にさせる。一側面において、本明細書に記載されるのは、式(I)で表される化合物、ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグである。本明細書に記載の化合物は、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)の増強因子(enhancers)および/または修飾因子(modifiers)である。本明細書に記載の化合物は、これを必要とする対象における疾患、例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、もしくは慢性疾患のための、または独立型の(stand alone)抗感染もしくは免疫応答の修飾剤(modifying agents)としての、ワクチン中のアジュバントである。また提供されるものには、本明細書に記載の化合物を包含する医薬組成物、キット、方法、および使用もある。
【0005】
一側面において、本開示は、式(I):
【化1】

で表される化合物、ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを提供し、式中R1A、RA、RB、R1、a、およびbは、本明細書に定義される。
【0006】
式(I)で表される例示の化合物は、これらに限定されないが:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを包含する。
【0007】
別の側面において、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載の化合物、および任意に、薬学的に許容し得る賦形剤を包含する、医薬組成物である。ある態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、治療的または予防的に有効な量の本明細書に記載の化合物を包含する。ある態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、追加の医薬品をさらに含む。医薬組成物は、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応)の増強因子および/または修飾因子、および/または疾患、例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、もしくは慢性疾患のためのワクチン中のアジュバントとして、あるいは独立型の抗感染または免疫応答の修飾剤として、有用なこともある。
【0008】
ある態様において、対象は、本明細書に記載の疾患(例として、感染症、自己免疫疾患、アレルギー、がん、または慢性疾患)のいずれを有する。いくつかの態様において、対象は、本明細書に記載の疾患(例として、感染症、自己免疫疾患、アレルギー、がん、または慢性疾患)のいずれを発症するリスクがある。いくつかの態様において、本明細書に記載の抗原およびイミダゾピリミジン化合物を、疾患を有する対象へ投与することは、疾患を処置する(治療的な使用)。いくつかの態様において、疾患を発症するリスクのある対象へ本明細書に記載の化合物を投与することは、疾患を発症する対象の可能性を(例として、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%以上)低減させる(予防的な使用)。ある態様において、対象は、ヒトである。いくつかの態様において、対象は、ヒト新生児である。いくつかの態様において、対象は、ヒト未成年者である。いくつかの態様において、ヒト未成年者は、28日齢以下(less than or equal to)の新生児である。
【0009】
いくつかの態様において、ヒト未成年者は、出生から(of age)、0~28日、0~27日、0~26日、0~25日、0~24日、0~23日、0~22日、0~21日、0~20日、0~19日、0~18日、0~17日、0~16日、0~15日、0~14日、0~13日、0~12日、0~11日、0~10日、0~9日、0~8日、0~7日、0~6日、0~5日、0~4日、0~3日、0~2日、0~1日、0~12時間、0~6時間、0~2時間、0~1 時間、1~28日、1~27日、1~26日、1~25日、1~24日、1~23日、1~22日、1~21日、1~20日、1~19日、1~18日、1~17日、1~16日、1~15日、1~14日、1~13日、1~12日、1~11日、1~10日、1~9日、1~8日、1~7日、1~6日、1~5日、1~4日、1~3日、1~2日、2~28日、2~27日、2~26日、2~25日、2~24日、2~23日、2~22日、2~21日、2~20日、2~19日、2~18日、2~17日、2~16日、2~15日、2~14日、2~13日、2~12日、2~11日、2~10日、2~9日、2~8日、2~7日、2~6日、2~5日、2~4日、2~3日、3~28日、3~27日、3~26日、3~25日、3~24日、3~23日、3~22日、3~21日、3~20日、3~19日、3~18日、3~17日、3~16日、3~15日、3~14日、3~13日、3~12日、3~11日、3~10日、3~9日、3~8日、3~7日、3~6日、3~5日、3~4日、4~28日、4~27日、4~26日、4~25日、4~24日、4~23日、4~22日、4~21日、4~20日、4~19日、4~18日、4~17日、4~16日、4~15日、4~14日、4~13日、4~12日、4~11日、4~10日、4~9日、4~8日、4~7日、4~6日、4~5日、5~28日、5~27日、5~26日、5~25日、5~24日、5~23日、5~22日、5~21日、5~20日、5~19日、5~18日、5~17日、5~16日、5~15日、5~14日、5~13日、5~12日、5~11日、5~10日、5~9日、5~8日、5~7日、5~6日、6~28日、6~27日、6~26日、6~25日、6~24日、6~23日、6~22日、6~21日、6~20日、6~19日、6~18日、6~17日、6~16日、6~15日、6~14日、6~13日、6~12日、6~11日、6~10日、6~9日、6~8日、6~7日、7~28日、7~27日、7~26日、7~25日、7~24日、7~23日、7~22日、7~21日、7~20日、7~19日、7~18日、7~17日、7~16日、7~15日、7~14日、7~13日、7~12日、7~11日、7~10日、7~9日、7~8日、9~28日、9~27日、9~26日、9~25日、9~24日、9~23日、9~22日、9~21日、9~20日、9~19日、9~18日、9~17日、9~16日、9~15日、9~14日、9~13日、9~12日、9~11日、9~10日、10~28日、10~27日、10~26日、10~25日、10~24日、10~23日、10~22日、10~21日、10~20日、10~19日、10~18日、10~17日、10~16日、10~15日、10~14日、10~13日、10~12日、10~11日、11~28日、11~27日、11~26日、11~25日、11~24日、11~23日、11~22日、11~21日、11~20日、11~19日、11~18日、11~17日、11~16日、11~15日、11~14日、11~13日、11~12日、12~28日、12~27日、12~26日、12~25日、12~24日、12~23日、12~22日、12~21日、12~20日、12~19日、12~18日、12~17日、12~16日、12~15日、12~14日、12~13日、13~28日、13~27日、13~26日、13~25日、13~24日、13~23日、13~22日、13~21日、13~20日、13~19日、13~18日、13~17日、13~16日、13~15日、13~14日、14~28日、14~27日、14~26日、14~25日、14~24日、14~23日、14~22日、14~21日、14~20日、14~19日、14~18日、14~17日、14~16日、14~15日、15~28日、15~27日、15~26日、15~25日、15~24日、15~23日、15~22日、15~21日、15~20日、15~19日、15~18日、15~17日、15~16日、16~28日、16~27日、16~26日、16~25日、16~24日、16~23日、16~22日、16~21日、16~20日、16~19日、16~18日、16~17日、17~28日、17~27日、17~26日、17~25日、17~24日、17~23日、17~22日、17~21日、17~20日、17~19日、17~18日、18~28日、18~27日、18~26日、18~25日、18~24日、18~23日、18~22日、18~21日、18~20日、18~19日、19~28日、19~27日、19~26日、19~25日、19~24日、19~23日、19~22日、19~21日、19~20日、20~28日、20~27日、20~26日、20~25日、20~24日、20~23日、20~22日、20~21日、21~28日、21~27日、21~26日、21~25日、21~24日、21~23日、21~22日、22~28日、22~27日、22~26日、22~25日、22~24日、22~23日、23~28日、23~27日、23~26日、23~25日、23~24日、24~28日、24~27日、24~26日、24~25日、25~28日、25~27日、25~26日、26~28日、26~27日、または27~28日である。
【0010】
いくつかの態様において、ヒト未成年者は、投与(ワクチン接種)時に28日齢未満である。いくつかの態様において、ヒト未成年者は、投与(ワクチン接種)時に4日齢未満である。いくつかの態様において、ヒト未成年者は、投与(ワクチン接種)時に2日齢未満である。いくつかの態様において、ヒト未成年者は、投与(ワクチン接種)時に24日齢未満である。いくつかの態様において、投与(ワクチン接種)は、出生時に行われる(occurs)。いくつかの態様において、第2投与は、対象が28日齢以下であるときに行われる。いくつかの態様において、第2投与は、対象が6月齢未満であるときに行われる。いくつかの態様において、ヒト対象は、1または2用量の本明細書に記載のワクチンを受ける(receives)ヒト新生児(例として、28日齢未満)である。いくつかの態様において、ヒト新生児は、28日齢前(例として、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20日齢)に1用量を、および28日齢前または28日時点で第2用量を受ける。いくつかの態様において、ヒト対象は、2月齢、4月齢、6月齢、9月齢、または12月齢にて1用量を、および2月齢、4月齢、6月齢、9月齢、または12月齢での第1用量後に、第2用量を受ける。いくつかの態様において、ヒト対象は、12月齢(例として、1、2、3、4、5、6、9、または12月齢)以前(before or equal to)に第2用量を受ける。いくつかの態様において、ヒト対象は、6月齢後(例として、年齢1歳、2歳、3歳(years of age))に第2用量を受ける。いくつかの態様において、ヒト対象は、低体重で生まれるか、または低出生体重を有する。「低体重で生まれる」は、ヒト対象が出産予定日より40週前に生まれる(born before 40-weeks of term)ことを意味する。いくつかの態様において、ヒト対象は、出産予定日より37週前に生まれる。いくつかの態様において、ヒト対象は、出産予定日より32週前に生まれる。いくつかの態様において、ヒト対象は、出産予定日より24週前に生まれる。いくつかの態様において、ヒト対象は、出産予定日より40週、39週、38週、37週、36週、35週、34週、33週、32週、31週、30週、29週、28週、27週、26週、25週、または24週前に生まれる。いくつかの態様において、ヒト対象は、28日齢を超えている(more than)(例として、1月齢、2月齢、3月齢、4月齢、5月齢、6月齢、7月齢、8月齢、9月齢、10月齢、11月齢、12月齢、年齢2歳、3歳、4歳、5歳、10歳、11歳、12歳、13歳、14歳、15歳、16歳、17歳である)。いくつかの態様において、ヒト対象は、低出生体重で(例として、正常な出生時体重より少なくとも20%軽く(lower than))生まれる。いくつかの態様において、ヒト対象は、未発達な免疫系を有するか(例として、未成年者または新生児)、免疫系が弱いか(高齢の個体)、または免疫系の機能が低下している(compromised immune system)。免疫無防備状態の対象は、限定せずに、敗血症を患う対象、HIV患者、および放射線を(例として、がんの処置のために)受けた患者を包含する。いくつかの態様において、ヒト対象は、成年者(adult)である(例として、18歳(years old)を超えている)。いくつかの態様において、ヒト対象は、高齢のヒト(elderly human)である(例として、60歳を超えている)。いくつかの態様において、ヒト新生児は、本明細書に記載の化合物の投与時に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、または28日齢である。いくつかの態様において、ヒト対象は、未成年者である。ある態様において、対象は、成年したヒト(adult human)である。ある態様において、対象は、高齢のヒトである。ある態様において、対象は、年齢65歳を超えている。いくつかの態様において、対象は、免疫無防備状態である(例として、原発性または後天性の免疫不全に起因する)。いくつかの態様において、ヒト対象は、年齢65歳後に1または2用量の本明細書に記載のワクチンを受ける。ある態様において、対象は、非ヒト動物である。ある態様において、細胞は、in vitroのものである。ある態様において、細胞は、in vivoのものである。
【0011】
いっそう別の側面において、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載の化合物または医薬組成物とともに容器を包含するキットである。本明細書に記載のキットは、単回用量もしくは複数回用量の化合物または医薬組成物を包含していてもよい。記載されるキットは、対象、生体試料、組織、または細胞において免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を増強するのに、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)の処置を、これを必要とする対象においてするのに、および/または、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)の予防を、これを必要とする対象においてするのに、有用なこともある。ある態様において、本明細書に記載のキットは、キット中に包含される化合物または医薬組成物を使用するための指示をさらに包含する。
【0012】
別の側面において、本開示は、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)の増強を、これを必要とする対象においてする方法を提供するが、方法は、治療的に有効な量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を対象へ投与することを含む。
【0013】
別の側面において、本開示は、生体試料、組織、または細胞において、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を増強する方法を提供するが、方法は、生体試料、組織、または細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物に接触させることを含む。
【0014】
別の側面において、本開示は、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)の処置を、これを必要とする対象においてする方法を提供するが、方法は、治療的に有効な量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を対象へ投与することを含む。別の側面において、本開示は、疾患の予防を、これを必要とする対象においてする方法を提供するが、方法は、予防的に有効な量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を対象へ投与することを含む。
【0015】
もう1つの側面において、本開示は、本開示の(例として、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答を増強する))方法、疾患(例として、増殖性疾患)を処置および/または予防する方法における使用のための本明細書に記載の化合物および医薬組成物を提供する。
【0016】
定義
特定の官能基および化学用語の定義はより詳細に下に記載される。化学元素はHandbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.内表紙の元素周期表CAS版に従って同定され、特定の官能基はそこに記載されるとおり一般に定義される。加えて、有機化学の一般原則ならびに特定の官能部分および反応性は、Thomas Sorrell, Organic Chemistry, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March, March's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。本開示は、本明細書に記載の置換基の例示列挙によって何ら(in any manner)限定されることを意図しない。
【0017】
本明細書に記載の化合物は1以上の不斉中心を含み得、ひいては様々な異性体形態、例として鏡像異性体および/またはジアステレオマーで存在し得る。例えば、本明細書に記載の化合物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体の形態であり得るか、または立体異性体の混合物の形態であり得る(ラセミ混合物、および1以上の立体異性体が富化された混合物を包含する)。異性体は、当業者に知られている方法(キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、およびキラル塩の形成および結晶化を含む)によって混合物から単離され得る;または好ましい異性体は、不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions(Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen et al., Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel, Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill, NY, 1962);およびWilen, Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268(E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照。加えて、本開示は、他の異性体が実質的にない個々の異性体としての、代替的に様々な異性体の混合物としての、本明細書に記載の化合物をも網羅する。
【0018】
値の範囲が列挙されているとき、その範囲内の各値および部分範囲を網羅することを意図する。例えば「C1~6」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1~6、C1~5、C1~4、C1~3、C1~2、C2~6、C2~5、C2~4、C2~3、C3~6、C3~5、C3~4、C4~6、C4~5、およびC5~6を網羅することを意図する。
【0019】
用語「脂肪族」は、飽和および不飽和両方の、直鎖(すなわち、非分岐)の、分岐の、非環式の、環式の、または多環式の脂肪族炭化水素を包含するが、これらは任意に1以上の官能基で置換されているか、または非置換である。当業者には当然のことならがら、「脂肪族」は、これらに限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル部分を本明細書に包含することを意図する。よって、用語「アルキル」は、直鎖の、分岐の、および環式のアルキル基を包含する。例えば「アルケニル」、「アルキニル」等の他の一般名称にも、類似の規則を適用する。さらにまた、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」等は、置換および非置換の基の両方を網羅する。ある態様において、「低級アルキル」は、1~6個の炭素原子を有する(環式の、非環式の、置換の、非置換の、分岐の、または非分岐の)それらアルキル基を指摘するために使用される。
【0020】
ある態様において、本開示に採用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1~20個の脂肪族炭素原子を含有する。他のある態様において、本開示に採用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1~10個の脂肪族炭素原子を含有する。もう1つの他の態様において、本開示に採用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1~8個の脂肪族炭素原子を含有する。いっそう他の態様において、本開示に採用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1~6個の脂肪族炭素原子を含有する。もう1つの他の態様において、本開示に採用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1~4個の炭素原子を含有する。よって、例示脂肪族基は、これらに限定されないが、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、-CH2-シクロプロピル、ビニル、アリル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、シクロブチル、-CH2-シクロブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、シクロペンチル、-CH2-シクロペンチル、n-ヘキシル、sec-ヘキシル、シクロヘキシル、-CH2-シクロヘキシル部分等を包含し、これらもやはり、1以上の置換基を持っていてもよい。アルケニル基は、これらに限定されないが、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-1-イル等を包含する。代表的なアルキニル基は、これらに限定されないが、エチニル、2-プロピニル(プロパルギル)、1-プロピニル等を包含する。
【0021】
用語「アルキル」は、1個から10個までの炭素原子を有する、直鎖のまたは分岐の飽和炭化水素基のラジカルを指す(「C1~10アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~9個の炭素原子を有する(「C1~9アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~8個の炭素原子を有する(「C1~8アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~7個の炭素原子を有する(「C1~7アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~6個の炭素原子を有する(「C1~6アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~5個の炭素原子を有する(「C1~5アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する(「C1~4アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~3個の炭素原子を有する(「C1~3アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1~2個の炭素原子を有する(「C1~2アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「C1アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキル」)。C1~6アルキル基の例は、メチル(C1)、エチル(C2)、プロピル(C3)(例として、n-プロピル、イソプロピル)、ブチル(C4)(例として、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソブチル)、ペンチル(C5)(例として、n-ペンチル、3-ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3-メチル-2-ブタニル、三級アミル)、およびヘキシル(C6)(例として、n-ヘキシル)を含む。アルキル基の追加の例は、n-ヘプチル(C7)、n-オクチル(C8)等を含む。そのように特定されない限り、アルキル基の各場合は、独立して、非置換であるか(「非置換アルキル」)、または1以上の置換基(例として、Fなどのハロゲン)で置換されている(「置換アルキル」)。ある態様において、アルキル基は、非置換C1~10アルキルである(非置換C1~6アルキルなど、例として-CH3(Me)、非置換エチル(Et)、非置換プロピル(Pr、例として、非置換n-プロピル(n-Pr)、非置換イソプロピル(i-Pr))、非置換ブチル(Bu、例として、非置換n-ブチル(n-Bu)、非置換tert-ブチル(tert-Buまたはt-Bu)、非置換sec-ブチル(sec-Bu)、非置換イソブチル(i-Bu)など)である。ある態様において、アルキル基は、置換C1~10アルキル(置換C1~6アルキルなど、例として-CF3、Bn)である。
【0022】
「アルケニル」は、2個から20個までの炭素原子および1以上の炭素-炭素二重結合を有し、三重結合を有さない、直鎖のまたは分岐の炭化水素基のラジカルを指す(「C2~20アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2~10アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~9個の炭素原子を有する(「C2~9アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2~5アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルケニル」)。1以上の炭素-炭素二重結合は、内部(2-ブテニルにおいて、など)または末端(1-ブテニルにおいて、など)であり得る。C2~4アルケニル基の例は、エテニル(C2)、1-プロペニル(C3)、2-プロペニル(C3)、1-ブテニル(C4)、2-ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)等を包含する。C2~6アルケニル基の例は、前述のC2~4アルケニル基ならびにペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)等を含む。アルケニルの追加の例は、ヘプテニル(C7)、オクテニル(C8)、オクタトリエニル(C8)等を包含する。そのように特定されない限り、アルケニル基の各場合は、独立して、任意に置換されていてもよい、すなわち非置換であるか(「非置換アルケニル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アルケニル」)。ある態様において、アルケニル基は、非置換C2~10アルケニルである。ある態様において、アルケニル基は、置換C2~10アルケニルである。アルケニル基において、立体化学が特定されていないC=C二重結合(例として、-CH=CHCH3または
【化6】

は、(E)-または(Z)-二重結合であってもよい。
【0023】
「アルキニル」は、2個から20個までの炭素原子、1以上の炭素-炭素三重結合、および任意に1以上の二重結合を有する、直鎖のまたは分岐の炭化水素基のラジカルを指す(「C2~20アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2~10アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~9個の炭素原子を有する(「C2~9アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2~5アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルキニル」)。1以上の炭素-炭素三重結合は、内部(2-ブチニルにおいて、など)または末端(1-ブチニルにおいて、など)であり得る。C2~4アルキニル基の例は、限定せずに、エチニル(C2)、1-プロピニル(C3)、2-プロピニル(C3)、1-ブチニル(C4)、2-ブチニル(C4)等を包含する。C2~6アルケニル基の例は、前述のC2~4アルキニル基ならびにペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)等を包含する。アルキニルの追加の例は、ヘプチニル(C7)、オクチニル(C8)等を包含する。そのように特定されない限り、アルキニル基の各場合は、独立して、任意に置換されていてもよく、すなわち非置換であるか(「非置換アルキニル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アルキニル」)。ある態様において、アルキニル基は、非置換C2~10アルキニルである。ある態様において、アルキニル基は、置換C2~10アルキニルである。
【0024】
「カルボシクリル」または「炭素環式」は、3個から10個までの環炭素原子(「C3~10カルボシクリル」)およびゼロ個のヘテロ原子を非芳香族環系中に有する非芳香族環式の炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~8カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~10カルボシクリル」)。例示的なC3~6カルボシクリル基は、限定せずに、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)等を包含する。例示的なC3~8カルボシクリル基は、限定せずに、前述のC3~6カルボシクリル基ならびにシクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)、シクロオクチル(C8)、シクロオクテニル(C8)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C7)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)等を包含する。例示的なC3~10カルボシクリル基は、限定せずに、前述のC3~8カルボシクリル基ならびにシクロノニル(C9)、シクロノネニル(C9)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C9)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)等を包含する。上記例が説明するとおり、ある態様において、カルボシクリル基は、単環式であるか(「単環式カルボシクリル」)、または縮合、架橋、もしくはスピロ環系、例えば二環式系を含有するか(「二環式カルボシクリル」)のいずれかであり、飽和であり得るかまたは部分不飽和であり得る。「カルボシクリル」はまた、上に定義されているとおり、炭素環が1以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合されており、付着点が炭素環上にある環系をも包含し、かかる実例において、炭素数は、炭素環系中の炭素数を通して指定する。そのように特定されない限り、カルボシクリル基の各場合は、独立して、任意に置換されていてもよく、すなわち非置換であるか(「非置換カルボシクリル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。ある態様において、カルボシクリル基は、非置換C3~10カルボシクリルである。ある態様において、カルボシクリル基は、置換C3~10カルボシクリルである。
【0025】
いくつかの態様において、「カルボシクリル」は、3個から10個までの環炭素原子を有する、単環式の飽和カルボシクリル基である(「C3~10シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~8シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5~6個の環炭素原子を有する(「C5~6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~10シクロアルキル」)。C5~6シクロアルキル基の例は、シクロペンチル(C5)およびシクロヘキシル(C5)を包含する。C3~6シクロアルキル基の例は、前述のC5~6シクロアルキル基ならびにシクロプロピル(C3)およびシクロブチル(C4)を包含する。C3~8シクロアルキル基の例は、前述のC3~6シクロアルキル基ならびにシクロヘプチル(C7)およびシクロオクチル(C8)を包含する。そのように特定されない限り、シクロアルキル基の各場合は、独立して、非置換であるか(「非置換シクロアルキル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある態様において、シクロアルキル基は、非置換C3~10シクロアルキルである。ある態様において、シクロアルキル基は、置換C3~10シクロアルキルである。
【0026】
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式」は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する3~10員の非芳香族環系のラジカルを指し、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「3~10員ヘテロシクリル」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、原子価が許す限り、付着点は、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または縮合、架橋、もしくはスピロ環系(例えば、二環式系(「二環式ヘテロシクリル」))のいずれかであり得、飽和であり得るかまたは部分不飽和であり得る。ヘテロシクリル二環式の環系は、1以上のへテロ原子を一方または両方の環中に包含し得る。「ヘテロシクリル」は、上に定義されるとおり、ヘテロ環が1以上のカルボシクリル基と縮合しており、付着点がカルボシクリルまたはヘテロ環上のいずれかにある環系、または上に定義されるとおり、ヘテロ環が1以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合しており、付着点がヘテロ環上にある環系をもまた包含する。かかる実例において、環員数は、ヘテロ環式の環系中の環員数を通して指定する。そのように特定されない限り、ヘテロシクリルの各場合は、独立して、任意に置換されていてもよく、すなわち非置換であるか(「非置換ヘテロシクリル」)または1以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。ある態様において、ヘテロシクリル基は、非置換3~10員ヘテロシクリルである。ある態様において、ヘテロシクリル基は、置換3~10員ヘテロシクリルである。
【0027】
いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の非芳香族環系であり、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「5~10員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員の非芳香族環系であり、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~8員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員の非芳香族環系であり、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~6員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
【0028】
1個のへテロ原子を含有する例示の3員ヘテロシクリル基は、限定せずに、アジリジニル、オキシラニル、チイラニルを含有する。1個のへテロ原子を含有する例示の4員ヘテロシクリル基は、限定せずに、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示の5員ヘテロシクリル基は、限定せずに、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル-2,5-ジオンを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示の5員ヘテロシクリル基は、限定せずに、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、およびオキサゾリジン-2-オンを包含する。3個のへテロ原子を含有する例示の5員ヘテロシクリル基は、限定せずに、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示の6員ヘテロシクリル基は、限定せずに、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示の6員ヘテロシクリル基は、限定せずに、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示の6員ヘテロシクリル基は、限定せずに、トリアジナニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示の7員ヘテロシクリル基は、限定せずに、アゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示の8員ヘテロシクリル基は、限定せずに、アゾカニル、オキセカニル、およびチオカニルを包含する。C6アリール環へ縮合された例示の5員ヘテロシクリル基(本明細書においてはまた、5,6-二環式ヘテロ環とも言及される)は、限定せずに、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニル等を包含する。アリール環へ縮合された例示の6員ヘテロシクリル基(本明細書においてはまた、6,6-二環式ヘテロ環とも言及される)は、限定せずに、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等を包含する。
【0029】
「アリール」は、芳香族環系において提供された6~14個の環炭素原子およびゼロ個のへテロ原子を有する、単環式または多環式の(例として、二環式もしくは三環式の)4n+2芳香族環系(例として、環式のアレイ中に共有される6個、10個、または14個のπ電子を有する)のラジカルを指す(「C6~14アリール」)。いくつかの態様において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」;例としてフェニル)。いくつかの態様において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例として、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)。いくつかの態様において、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例としてアントラシル(anthracyl))。「アリール」はまた、上に定義されるとおり、アリール環が1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合されており、ラジカルまたは付着点がアリール環上にある環系をも包含する。かかる実例において、炭素原子数は、アリール環系中の炭素原子数を通して指定する。そのように特定されない限り、アリール基の各場合は、独立して、任意に置換されていてもよい、すなわち非置換であるか(「非置換アリール」)または1以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。ある態様において、アリール基は、非置換C6~14アリールである。ある態様において、アリール基は、置換C6~14アリールである。
【0030】
「アラルキル」は、アルキルかつアリールの一部(subset of)であって、任意に置換されていてもよいアリール基によって置換された、任意に置換されていてもよいアルキル基を指す。ある態様において、アラルキルは、任意に置換されていてもよいベンジルである。ある態様において、アラルキルは、ベンジルである。ある態様において、アラルキルは、任意に置換されていてもよいフェネチルである。ある態様において、アラルキルは、フェネチルである。
【0031】
「ヘテロアリール」は、芳香族環系において提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の単環式または二環式の4n+2芳香族環系(例として、環式アレイ中に共有された6個または10個のπ電子を有する)のラジカルを指し、ここで各へテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~10員のヘテロアリール」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、原子価が許す限り、付着点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式の環系は、1以上のへテロ原子を一方または両方の環中に含み得る。「ヘテロアリール」は、上に定義されるとおり、ヘテロアリール環が1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合されており、付着点がヘテロアリール環上にある環系を包含する。かかる実例において、環員数は、ヘテロアリール環系中の環員数を通して指定する。「ヘテロアリール」は、上に定義されるとおり、ヘテロアリール環が1以上のアリール基と縮合されており、付着点がアリールまたはヘテロアリール環上のいずれかにある環系をもまた包含する。かかる実例において、環員数は、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員数を指定する。一方の環がへテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例として、インドリル、キノリニル、カルバゾリル等)において、付着点は、いずれかの環(すなわち、へテロ原子を持つ環(例として2-インドリル)またはへテロ原子を含有しない環(例として5-インドリル)のいずれか)上にあり得る。
【0032】
いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系において提供された環炭素原子および1~4員の環ヘテロ原子を有する5~10員の芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~10員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系において提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員の芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5~8員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系において提供された環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員の芳香族環系であって、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5~6員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。そのように特定されない限り、ヘテロアリール基の各場合は、独立して、任意に置換されていてもよい、すなわち非置換であるか(「非置換ヘテロアリール」)または1以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。ある態様において、ヘテロアリール基は、非置換5~14員のヘテロアリールである。ある態様において、ヘテロアリール基は、置換5~14員のヘテロアリールである。
【0033】
1個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基は、限定せずに、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基は、限定せずに、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルを包含する。3個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基は、限定せずに、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルを包含する。4個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基は、限定せずに、テトラゾリルを包含する。1個のヘテロ原子を含有する例示の6員ヘテロアリール基は、限定せずに、ピリジニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示の6員ヘテロアリール基は、限定せずに、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルを包含する。3個または4個のヘテロ原子を含有する例示の6員ヘテロアリール基は夫々、限定せずに、トリアジニルおよびテトラジニルを包含する。1個のヘテロ原子を含有する例示の7員ヘテロアリール基は、限定せずに、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルを包含する。例示の5,6-二環式ヘテロアリール基は、限定せずに、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルを包含する。例示の6,6-二環式ヘテロアリール基は、限定せずに、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルを含む。
【0034】
「ヘテロアラルキル」は、アルキルかつヘテロアリールの一部であって、任意に置換されていてもよいヘテロアリール基によって置換された、任意に置換されていてもよいアルキル基を指す。
「不飽和(の)」または「部分的に不飽和(の)」は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を包含する基を指す。「部分的に不飽和」の環系は、不飽和を複数部位に有する環を網羅することをさらに意図するが、芳香族基(例として、アリールまたはヘテロアリール基)を包含することは意図しない。同じく、「飽和(の)」は、二重結合または三重結合を含有しない、すなわちすべて単結合を含有する基を指す。
【0035】
二価の架橋基である、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基はさらに、接尾辞エン(-ene)を使用して言及され、例として、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレン、およびヘテロアリーレンである。
本明細書に記載の原子、部分(moiety)、または基は原子価が許す限り、そのように明示的に提供されなければ、非置換であっても、または置換されていてもよい。用語「任意に置換されていてもよい」は、置換または非置換を指す。
【0036】
基は、そのように明示的に提供されない限り、任意に置換されていてもよい。用語「任意に置換されていてもよい」は、置換されているか、または非置換であることを指す。ある態様において、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は、任意に置換されていてもよい(例として、「置換(された)」もしくは「非置換(の)」アルキル、「置換(された)」もしくは「非置換(の)」アルケニル、「置換(された)」もしくは「非置換(の)」アルキニル、「置換(された)」もしくは「非置換(の)」カルボシクリル、「置換(された)」もしくは「非置換(の)」ヘテロシクリル、「置換(された)」もしくは「非置換(の)」アリール、または「置換(された)」もしくは「非置換(の)」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換(された)」は、用語「任意に」によって先行されているか否かにかかわらず、基(例として、炭素原子または窒素原子)上に存在する少なくとも1個の水素が、許され得る置換基(例として、置換によって安定な化合物(例として、転位、環化、脱離、または他の反応によって、などの自発的に変換をしない化合物)をもたらす置換基)によって置き換えられるということを意味する。そのように指摘されない限り、「置換された」基は、基の1以上の置換可能な位置にて置換基を有し、いずれか所与の構造中1より多くの位置で置換されるとき、置換基は、各位置にて同じかまたは異なるかのいずれかである。用語「置換(された)」は、有機化合物のすべての許され得る置換基での置換を包含することが企図され、本明細書に記載の置換基のいずれかは、安定な化合物の形成をもたらす。本開示は、安定な化合物に到達するために、ありとあらゆるかかる組み合わせを企図する。本開示の目的上、窒素などのへテロ原子は、へテロ原子の原子価を満たし、および安定な部分の形成をもたらす、本明細書に記載の水素置換基および/またはいずれか好適な置換基を有していてもよい。ある態様において、置換基は、炭素原子置換基である。ある態様において、置換基は、窒素原子置換基である。ある態様において、置換基は、酸素原子置換基である。ある態様において、置換基は、硫黄原子置換基である。
【0037】
例示の炭素原子置換基は、これらに限定されないが、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORaa、-ON(Rbb)2、-N(Rbb)2、-N(Rbb)3 +X-、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-CO2H、-CHO、-C(ORcc)2、-CO2Raa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-OC(=O)N(Rbb)2、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCO2Raa、-NRbbC(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-NRbbSO2Raa、-SO2N(Rbb)2、-SO2Raa、-SO2ORaa、-OSO2Raa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa)3、-OSi(Raa)3 -C(=S)N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)(ORcc)2、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORcc)2、-P(=O)(N(Rbb)2)2、-OP(=O)(N(Rbb)2)2、-NRbbP(=O)(Raa)2、-NRbbP(=O)(ORcc)2、-NRbbP(=O)(N(Rbb)2)2、-P(Rcc)2、-P(ORcc)2、-P(Rcc)3 +X-、-P(ORcc)3 +X-、-P(Rcc)4、-P(ORcc)4、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3 +X-、-OP(ORcc)2、-OP(ORcc)3 +X-、-OP(Rcc)4、-OP(ORcc)4、-B(Raa)2、-B(ORcc)2、-BRaa(ORcc)、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6-14アリール、および5~14員ヘテロアリールを包含し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;ここでX-は、対イオンである;
あるいは、炭素原子上の2個のジェミナル(geminal)水素は、基=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbb、または=NORccに置き換えられている;
【0038】
Raaの各場合は、独立して、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6-14アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、あるいは、2個のRaa基は、結び合うことで、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;
【0039】
Rbbの各場合は、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)(ORcc)2、-P(=O)(N(Rcc)2)2、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6-14アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、あるいは、2個のRbb基は、結び合うことで、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;ここでX-は、対イオンである;
【0040】
Rccの各場合は、独立して、水素、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6-14アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、あるいは、2個のRcc基は、結び合うことで、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されている;
【0041】
Rddの各場合は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3 +X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2、-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)(ORee)2、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリールから選択されるが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されているか、あるいは、2個のジェミナルRdd置換基は、結び合うことで、=Oまたは=Sを形成し得る;ここでX-は、対イオンである;
【0042】
Reeの各場合は、独立して、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3-10カルボシクリル、C6-10アリール、3~10員ヘテロシクリル、および3~10員ヘテロアリールから選択されるが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されている;
【0043】
Rffの各場合は、独立して、水素、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、および5~10員ヘテロアリールから選択されるか、あるいは、2個のRff基は、結び合うことで、3~10員ヘテロシクリルまたは5~10員ヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されている;ならびに
【0044】
Rggの各場合は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1~6アルキル、-ON(C1~6アルキル)2、-N(C1~6アルキル)2、-N(C1~6アルキル)3 +X-、-NH(C1~6アルキル)2 +X-、-NH2(C1~6アルキル) +X-、-NH3 +X-、-N(OC1~6アルキル)(C1~6アルキル)、-N(OH)(C1~6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1~6アルキル、-SS(C1~6アルキル)、-C(=O)(C1~6アルキル)、-CO2H、-CO2(C1~6アルキル)、-OC(=O)(C1~6アルキル)、-OCO2(C1~6アルキル)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1~6アルキル)2、-OC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)C(=O)(C1~6アルキル)、-NHCO2(C1~6アルキル)、-NHC(=O)N(C1~6アルキル)2、-NHC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1~6アルキル)、-OC(=NH)(C1~6アルキル)、-OC(=NH)OC1~6アルキル、-C(=NH)N(C1~6アルキル)2、-C(=NH)NH(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1~6アルキル)2、-OC(NH)NH(C1~6アルキル)、-OC(NH)NH2、-NHC(NH)N(C1~6アルキル)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1~6アルキル)、-SO2N(C1~6アルキル)2、-SO2NH(C1~6アルキル)、-SO2NH2、-SO2C1~6アルキル、-SO2OC1~6アルキル、-OSO2C1~6アルキル、-SOC1~6アルキル、-Si(C1~6アルキル)3、-OSi(C1~6アルキル)3 -C(=S)N(C1~6アルキル)2、C(=S)NH(C1~6アルキル)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1~6アルキル)、-C(=S)SC1~6アルキル、-SC(=S)SC1~6アルキル、-P(=O)(OC1~6アルキル)2、-P(=O)(C1~6アルキル)2、-OP(=O)(C1~6アルキル)2、-OP(=O)(OC1~6アルキル)2、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3-10カルボシクリル、C6-10アリール、3~10員ヘテロシクリル、5~10員ヘテロアリールである;あるいは、2個のジェミナルRgg置換基は、結び合うことで、=Oまたは=Sを形成し得る;ここでX-は、対イオンである。
【0045】
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電子的中性を維持するために、正に帯電した基と結び付いた、負に帯電した基である。アニオン性対イオンは、一価であってもよい(すなわち、1つの負の形式電荷を包含する)。アニオン性対イオンはまた、二価または三価などの多価であってもよい(すなわち、1つより多くの負の形式電荷を包含する)。例示の対イオンは、ハロゲン化物イオン(例として、F、Cl、Br、I)、NO3 、ClO4 、OH、H2PO4 、HCO3 -、HSO4 、スルホナートイオン(例として、メタンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、p-トルエンスルホナート、ベンゼンスルホナート、10-カンファースルホナート、ナフタレン-2-スルホナート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホナート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホナート等)、カルボキシラートイオン(例として、アセタート、プロパノアート、ベンゾアート、グリセラート、ラクタート、タートラート、グリコラート、グルコナート等)、BF4 -、PF4 、PF6 、AsF6 、SbF6 、B[3,5-(CF3)2C6H3]4]、B(C6F5)4 -、BPh4 、Al(OC(CF3)3)4 、およびカルボランアニオン(例として、CB11H12 、または(HCB11Me5Br6))包含する。例示の対イオンは、多価であってもよく、CO3 2-、HPO4 2-、PO4 3-、B4O7 2-、SO4 2-、S2O3 2-、カルボキシラートアニオン(例として、タートラート、シトラート、フマラート、マレアート、マラート、マロナート、グルコナート、スクシナート、グルタラート、アジパート、ピメラート、スベラート、アゼラート、セバカート、サリチラート、フタラート、アスパルタート、グルタマート等)、およびカルボランを包含する。
【0046】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、-F)、塩素(クロロ、-Cl)、臭素(ブロモ、-Br)、またはヨウ素(ヨード、-I)を指す。
「アシル」は、-C(=O)Raa、-CHO、-CO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-C(=S)N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、または-C(=S)SRaaからなる群から選択される部分を指すが、ここでRaaおよびRbbは、本明細書に定義されるとおりである。
【0047】
窒素原子は、原子価が許す限り、置換または非置換であり得、一級、二級、三級、および四級の窒素原子を包含する。例示の窒素原子置換基は、これらに限定されないが、水素、OH、ORaa、N(Rcc)2、CN、C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員ヘテロアリールを包含するか、あるいは、N原子へ付着された2個のRcc基は、結び合うことで、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5個のRdd基で置換されており、およびここでRaa、Rbb、Rcc、およびRddは、上に定義されているとおりである。
【0048】
ある態様において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基(また本明細書中「アミノ保護基」とも言及される)である。窒素保護基は、これらに限定されないが、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、C1~10アルキル(例として、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリール、および5~14員ヘテロアリール基を包含するが、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0個、1個、2個、3個、4個、または5個のRdd基で置換されており、およびここでRaa、Rbb、RccおよびRddは、本明細書に定義されるとおりである。窒素保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されているものを包含する。
【0049】
例えば、アミド基(例として、-C(=O)Raa)などの窒素保護基は、これらに限定されないが、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3-フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3-ピリジルカルボキサミド、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p-フェニルベンズアミド、o-ニトロフェニルアセトアミド、o-ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’-ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3-(p-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3-(o-ニトロフェニル)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4-クロロブタンアミド、3-メチル-3-ニトロブタンアミド、o-ニトロシンアミド(nitrocinnamide)、N-アセチルメチオニン誘導体、o-ニトロベンズアミド、およびo-(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドを包含する。
【0050】
カルバマート基などの窒素保護基(例として、-C(=O)ORaa)は、これらに限定されないが、メチルカルバマート、エチルカルバマート、9-フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、9-(2-スルホ)フルオレニルメチルカルバマート、9-(2,7-ジブロモ)フルオレニルメチルカルバマート、2,7-ジ-t-ブチル-[9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバマート(DBD-Tmoc)、4-メトキシフェナシルカルバマート(Phenoc)、2,2,2-トリクロロエチルカルバマート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、2-フェニルエチルカルバマート(hZ)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチルカルバマート(Adpoc)、1,1-ジメチル-2-ハロエチルカルバマート、1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチルカルバマート(DB-t-BOC)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカルバマート(TCBOC)、1-メチル-1-(4-ビフェニリル)エチルカルバマート(Bpoc)、1-(3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-1-メチルエチルカルバマート(t-Bumeoc)、2-(2’-および4’-ピリジル)エチルカルバマート(Pyoc)、2-(N,N-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバマート、t-ブチルカルバマート(BOC)、1-アダマンチルカルバマート(Adoc)、ビニルカルバマート(Voc)、アリルカルバマート(Alloc)、1-イソプロピルアリルカルバマート(Ipaoc)、シンナミルカルバマート(Coc)、4-ニトロシンナミルカルバマート(Noc)、8-キノリルカルバマート、N-ヒドロキシピペリジニルカルバマート、アルキルジチオカルバマート、ベンジルカルバマート(Cbz)、p-メトキシベンジルカルバマート(Moz)、p-ニトベンジルカルバマート、p-ブロモベンジルカルバマート、p-クロロベンジルカルバマート、2,4-ジクロロベンジルカルバマート、4-メチルスルフィニルベンジルカルバマート(Msz)、9-アントリルメチルカルバマート、ジフェニルメチルカルバマート、2-メチルチオエチルカルバマート、2-メチルスルホニルエチルカルバマート、2-(p-トルエンスルホニル)エチルカルバマート、[2-(1,3-ジチアニル)]メチルカルバマート(Dmoc)、4-メチルチオフェニルカルバマート(Mtpc)、2,4-ジメチルチオフェニルカルバマート(Bmpc)、2-ホスホニオエチルカルバマート(Peoc)、2-トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバマート(Ppoc)、1,1-ジメチル-2-シアノエチルカルバマート、m-クロロ-p-アシルオキシベンジルカルバマート、p-(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバマート、5-ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバマート、2-(トリフルオロメチル)-6-クロモニルメチルカルバマート(Tcroc)、m-ニトロフェニルカルバマート、3,5-ジメトキシベンジルカルバマート、o-ニトロベンジルカルバマート、3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジルカルバマート、フェニル(o-ニトロフェニル)メチルカルバマート、t-アミルカルバマート、S-ベンジルチオカルバマート、p-シアノベンジルカルバマート、シクロブチルカルバマート,シクロヘキシルカルバマート、シクロペンチルカルバマート、シクロプロピルメチルカルバマート、p-デシルオキシベンジルカルバマート、2,2-ジメトキシアシルビニルカルバマート、o-(N,N-ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバマート、1,1-ジメチル-3-(N,N-ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバマート、1,1-ジメチルプロピニルカルバマート、ジ(2-ピリジル)メチルカルバマート、2-フラニルメチルカルバマート、2-ヨードエチルカルバマート、イソボルニルカルバマート、イソブチルカルバマート、イソニコチニルカルバマート、p-(p’-メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバマート、1-メチルシクロブチルカルバマート、1-メチルシクロヘキシルカルバマート、1-メチル-1-シクロプロピルメチルカルバマート、1-メチル-1-(3,5-ジメトキシフェニル)エチルカルバマート、1-メチル-1-(p-フェニルアゾフェニル)エチルカルバマート、1-メチル-1-フェニルエチルカルバマート、1-メチル-1-(4-ピリジル)エチルカルバマート、フェニルカルバマート、p-(フェニルアゾ)ベンジルカルバマート、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルカルバマート、4-(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバマート、および2,4,6-トリメチルベンジルカルバマートを包含する。
【0051】
スルホンアミド基などの窒素保護基(例として、-S(=O)2Raa)は、これらに限定されないが、p-トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,-トリメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6-ジメトキシ-4-メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β-トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9-アントラセンスルホンアミド、4-(4’,8’-ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを包含する。
【0052】
他の窒素保護基は、これらに限定されないが、フェノチアジニル-(10)-アシル誘導体、N’-p-トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’-フェニルアミノチオアシル誘導体、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N-アセチルメチオニン誘導体、4,5-ジフェニル-3-オキサゾリン-2-オン、N-フタルイミド、N-ジチアスクシンイミド(Dts)、N-2,3-ジフェニルマレイミド、N-2,5-ジメチルピロール、N-1,1,4,4-テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加体(STABASE)、5-置換1,3-ジメチル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、5-置換1,3-ジベンジル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、1-置換3,5-ジニトロ-4-ピリドン、N-メチルアミン、N-アリルアミン、N-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N-3-アセトキシプロピルアミン、N-(1-イソプロピル-4-ニトロ-2-オキソ-3-ピロリン-3-イル)アミン、四級アンモニウム塩、N-ベンジルアミン、N-ジ(4-メトキシフェニル)メチルアミン、N-5-ジベンゾスベリルアミン、N-トリフェニルメチルアミン(Tr)、N-[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N-9-フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N-2,7-ジクロロ-9-フルオレニルメチレンアミン、N-フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N-2-ピコリルアミノN’-オキシド、N-1,1-ジメチルチオメチレンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-p-メトキシベンジリデンアミン、N-ジフェニルメチレンアミン、N-[(2-ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N-(N’,N’-ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’-イソプロピリデンジアミン、N-p-ニトロベンジリデンアミン、N-サリチリデンアミン、N-5-クロロサリチリデンアミン、N-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N-シクロヘキシリデンアミン、N-(5,5-ジメチル-3-オキソ-1-シクロヘキセニル)アミン、N-ボラン誘導体、N-ジフェニルボロン酸誘導体、N-[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N-銅キレート、N-亜鉛キレート、N-ニトロアミン、N-ニトロソアミン、アミンN-オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o-ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4-ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3-ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)を包含する。
【0053】
ある態様において、酸素原子上に存在する置換基は、酸素保護基(また本明細書中「ヒドロキシル保護基」とも言及される)である。酸素保護基は、これらに限定されないが、-Raa、-N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=O)Raa、-CO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-S(=O)Raa、-SO2Raa、-Si(Raa)3、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3 X-、-P(ORcc)2、-P(ORcc)3 X-、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)(ORcc)2、および-P(=O)(N(Rbb)2)2を包含するが、ここでX-、Raa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。酸素保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wut, 3rd edition, John Wiley & Son, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されるものを包含する。
【0054】
例示的な酸素保護基は、これらに限定されないが、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t-ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p-メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4-メトキシフェノキシ)メチル(p-AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t-ブトキシメチル、4-ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2-メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3-ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-メトキシシクロヘキシル、4-メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S-ジオキシド、1-[(2-クロロ-4-メチル)フェニル]-4-メトキシピペリジン-4-イル(CTMP)、1,4-ジオキサン-2-イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロ-7,8,8-トリメチル-4,7-メタノベンゾフラン-2-イル、1-エトキシエチル、1-(2-クロロエトキシ)エチル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-トリメチルシリルエチル、2-(フェニルセレニル)エチル、t-ブチル、アリル、p-クロロフェニル、p-メトキシフェニル、2,4-ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、o-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル、p-フェニルベンジル、2-ピコリル、4-ピコリル、3-メチル-2-ピコリルN-オキシド、ジフェニルメチル、p,p’-ジニトロベンズヒドリル、5-ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α-ナフチルジフェニルメチル、p-メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p-メトキシフェニル)メチル、4-(4’-ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4"-トリス(4,5-ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4"-トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4"-トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3-(イミダゾール-1-イル)ビス(4’,4"-ジメトキシフェニル)メチル、1,1-ビス(4-メトキシフェニル)-1’-ピレニルメチル、9-アントリル、9-(9-フェニル)キサンテニル、9-(9-フェニル-10-オキソ)アントリル、1,3-ベンゾジチオラン-2-イル、ベンゾイソチアゾリルS,S-ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルtヘキシルシリル、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ-p-キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t-ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルマート、ギ酸ベンゾイル、アセタート、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メトキシ酢酸、トリフェニルメトキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p-クロロフェノキシ酢酸、3-フェニルプロピオン酸、4-オキソペンタノアート(レブリアート)、4,4-(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロアート、アダマントアート(adamantoate)、クロトナート、4-メトキシクロトン酸、ベンゾアート、p-フェニル安息香酸、2,4,6-トリメチル安息香酸(メシトアート)、炭酸メチル、炭酸9-フルオレニルメチル(Fmoc)、炭酸エチル、炭酸2,2,2-トリクロロエチル(Troc)、炭酸2-(トリメチルシリル)エチル(TMSEC)、炭酸2-(フェニルスルホニル)エチル(Psec)、炭酸2-(トリフェニルホスホニオ)エチル(Peoc)、炭酸イソブチル、炭酸ビニル、炭酸アリル、炭酸t-ブチル(BOCまたはBoc)、炭酸p-ニトロフェニル、炭酸ベンジル、炭酸p-メトキシベンジル、炭酸3,4-ジメトキシベンジル、炭酸o-ニトロベンジル、炭酸p-ニトロベンジル、S-ベンジルチオカーボナート、4-エトキシ-1-ナフチルカーボナート、メチルジチオカーボナート、2-ヨード安息香酸、4-アジドブチラート、4-ニトロ-4-メチルペンタノアート、o-(ジブロモメチル)安息香酸、2-ホルミルベンゼンスルホン酸、2-(メチルチオメトキシ)エチル、4-(メチルチオメトキシ)酪酸、2-(メチルチオメトキシメチル)安息香酸、2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシ酢酸、2,6-ジクロロ-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシ酢酸、2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェノキシ酢酸、クロロジフェニル酢酸、イソ酪酸、モノコハク酸、(E)-2-メチル-2-ブテン酸、o-(メトキシアシル)安息香酸、α-ナフトアート、硝酸、アルキルN,N,N’,N’-テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN-フェニルカルバマート、ホウ酸、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4-ジニトロフェニルスルフェン酸、硫酸、メタンスルホン酸(メシラート)、ベンジルスルホン酸、およびトシル酸(Ts)を包含する。
【0055】
ある態様において、硫黄原子上に存在する置換基は、硫黄保護基(また「チオール保護基」とも称される)。硫黄保護基は、これらに限定されないが、-Raa、-N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=O)Raa、-CO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-S(=O)Raa、-SO2Raa、-Si(Raa)3、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3 X-、-P(ORcc)2、-P(ORcc)3 X-、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)(ORcc)2、および-P(=O)(N(Rbb)2)2を包含するが、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである。硫黄保護基は、当該技術分野において周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wut, 3rd edition, John Wiley & Son, 1999(参照により本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されるものを包含する。
【0056】
本明細書に使用されるとき「脱離基」(LG)は、不均等結合開裂(heterolytic bond cleavage)において一対の電子とともに離れる分子フラグメントを指す、当該技術分野で理解されている用語(art-understood term)であるが、ここで分子フラグメントは、アニオン分子または中性分子である。本明細書に使用されるとき、脱離基は、求核試薬によって置き換えられることが可能な原子または基であり得る。例えば、Smith, March Advanced Organic Chemistry 6th ed.(501-502)を参照。例示の脱離基は、これらに限定されないが、ハロ(例として、クロロ、ブロモ、ヨード)および活性化された置換ヒドロキシル基(例として、-OC(=O)SRaa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-OC(=O)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-OS(=O)Raa、-OSO2Raa、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3、-OP(=O)2Raa、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORcc)2、-OP(=O)2N(Rbb)2、および-OP(=O)(NRbb)2、ここでRaa、Rbb、およびRccは、本明細書に定義されるとおりである)を包含する。
【0057】
「炭化水素鎖」は、置換もしくは非置換の二価のアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を指す。炭化水素鎖は、(1)炭化水素鎖の2個のラジカル間にすぐ接して(immediately)、炭素原子の1以上の鎖;(2)炭素原子の鎖(単数または複数)上に、任意に1以上の水素原子;および(3)炭素原子の鎖(単数または複数)上に、任意に1以上の置換基(水素ではない「非鎖置換基(non-chain substituents)」)を包含する。炭素原子の鎖は、連続的に接続された炭素原子(「鎖原子(chain atoms)」)からなり、水素原子もへテロ原子も包含しない。しかしながら、炭化水素鎖の非鎖置換基は、水素原子、炭素原子、およびへテロ原子を包含する、いずれの原子も包含していてもよい。例えば、炭化水素鎖-CAH(CBH2CCH3)-は、1個の鎖原子CA、CA上の1個の水素原子、および非鎖置換基-(CBH2CCH3)を包含する。用語「Cx炭化水素鎖」(ここでxは正の整数である)は、炭化水素鎖の2個のラジカル間に鎖原子(単数または複数)のx数を包含する炭化水素鎖を指す。xの取り得る値が1より大きい場合、xの取り得る最も小さい値が、炭化水素鎖の定義に使用される。例えば、-CH(C2H5)-は、C1炭化水素鎖であり、
【化7】

は、C3炭化水素鎖である。値のある範囲が使用されるとき、その範囲の意味は、本明細書に記載のとおりである。例えば、C3~10炭化水素鎖は、炭化水素鎖の2個のラジカル間にすぐ接して、炭素原子の最も短い鎖の鎖原子数が3、4、5、6、7、8、9、または10である、炭化水素鎖を指す。炭化水素鎖は、飽和(例として-(CH2)4-)であってもよい。炭化水素鎖はまた、不飽和であってもよく、1以上のC=Cおよび/またはC≡C結合を、炭化水素鎖中のどこかに包含してもよい。実例として、-CH=CH-(CH2)2-、-CH2-C≡C-CH2-、および-C≡C-CH=CH-はすべて、非置換かつ不飽和の炭化水素鎖の例である。ある態様において、炭化水素鎖は、非置換である(例として、-C≡C-または-(CH2)4-)。ある態様において、炭化水素鎖は、置換されている(例として、-CH(C2H5)-および-CF2-)。炭化水素鎖上のいずれか2個の置換基は、結び合うことで、任意に置換されていてもよいカルボシクリル、任意に置換されていてもよいヘテロシクリル、任意に置換されていてもよいアリール、または任意に置換されていてもよいヘテロアリール環を形成してもよい。実例として、
【化8】

はすべて、炭化水素鎖の例である。対照的に、ある態様において、
【化9】

は、本明細書に記載の炭化水素鎖の範囲内にはない。Cx炭化水素鎖の鎖原子がへテロ原子で置き換えられているとき、その結果得られる基は、Cx-1炭化水素鎖とは対照的に、鎖原子がへテロ原子に置き換えられたCx炭化水素鎖と称される。例えば、
【化10】

は、1個の鎖原子が酸素原子に置き換えられたC3炭化水素鎖である。
【0058】
用語「薬学的に許容し得る塩」は、妥当な医学的判断の範囲内において、ヒトおよび下等動物の組織との接触における使用に好適であって、過度の毒性、刺激(irritation)、アレルギー反応等がなく、合理的なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容し得る塩は、当該技術分野において周知である。例えば、Bergeらは薬学的に許容し得る塩を詳細にJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19(参照により本明細書に組み込まれる)に記載している。本明細書に記載の化合物の薬学的に許容し得る塩は、好適な無機および有機の酸ならびに塩基に由来するものを包含する。薬学的に許容し得る無毒な酸付加塩の例は、無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸など)で、または有機酸(酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、またはマロン酸)で、または当該技術分野において知られている他の方法(イオン交換など)を使用することによって、形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容し得る塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、しょうのう酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等を包含する。適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN(C1~4アルキル)4 -塩を包含する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属の塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を包含する。さらなる薬学的に許容し得る塩は、適切な場合、無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、および対イオン(ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸、硫酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸、およびアリールスルホン酸など)を使用して形成されたアミンカチオンを包含する。
【0059】
用語「溶媒和物」は大抵ソルボリシス反応によって溶媒と結び付いた化合物またはその塩の形態を指す。この物理的な結び付きは、水素結合を包含してもよい。従来の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテル等を包含する。本明細書に記載の化合物は、例として結晶形態で調製されてもよく、溶媒和されてもよい。好適な溶媒和物は、薬学的に許容し得る溶媒和物を包含し、さらに、化学量論的な溶媒和物および非化学量論的な溶媒和物の両方を包含する。ある実例において、溶媒和物は、例えば1以上の溶媒分子が、結晶固体の結晶格子中に組み込まれるときに、単離することが可能であろう。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を網羅する。代表的な溶媒和物は、水和物、エタノラート、およびメタノラートを包含する。
【0060】
用語「水和物」は、水と結び付いた化合物を指す。典型的には、化合物の水和物中に含有される水分子数が、水和物中の化合物分子数に対して一定の比率である。したがって、化合物の水和物は、例えば一般的式R・xH2O(ここでRは、化合物であり、xは0より大きい数である)によって表されてもよい。所与の化合物は、1より多いタイプの水和物を形成してもよく、例として、一水和物(xは1である)、低級水和物(xは0より大きく1より小さい数であり、例としてヘミ水和物(R・0.5H2O))、および多水和物(xは1より大きい数であり、例として二水和物(R・2H2O)および六水和物(R・6H2O))包含する。
【0061】
用語「互変異性体(tautomer)」または「互変異性体の(tautomeric)」は、水素原子の少なくとも1つの形式的な移動と、原子価の少なくとも1つの変化(例として、単結合~二重結合、三重結合~単結合、またはその逆)とからもたらされる、2以上の相互変換可能な化合物を指す。互変異性体の厳密な比は、温度、溶媒、およびpHを包含する数個の因子に依存する。互変異性体化(すなわち、互変異性体の対を提供する反応)は、酸または塩基によって触媒されてもよい。例示の互変異性体化は、ケト-エノール、アミド-イミド、ラクタム-ラクチム、エナミン-イミン、およびエナミン-(異なる)エナミン互変異性化を包含する。
【0062】
同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは順番、または空間中のそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれることもまた理解されるであろう。空間中のそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。
【0063】
相互に鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いの重ね合わせ不可能な鏡像であるものは「鏡像異性体」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する(例えば、それが4個の異なる基へ結合している)とき、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心の絶対立体配置によって特徴付けられ得、CahnおよびPrelogのRおよびS順位則によって、または分子が偏光(polarized)面を回転させる様式(manner)によって、記載され、右旋性または左旋性として(すなわち、夫々(+)または(-)異性体として)指定される。キラル化合物は、個々の鏡像異性体またはその混合物のいずれかとして存在し得る。等しい割合の鏡像異性体を含有する混合物は「ラセミ混合物」と呼称される。
【0064】
用語「多形」は、化合物(またはその塩、水和物、または溶媒和物)の結晶形態を指す。すべての多形は同じ元素組成を有する。異なる結晶形態は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性、および可溶性を有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、保管温度、および他の因子は、1つの結晶形態を優勢にさせ得る。化合物の種々の多形は、異なる条件下の結晶化によって調製され得る。
【0065】
用語「プロドラッグ」は、切断可能な基を有し、および加溶媒分解によってまたは生理条件下で本明細書に記載の化合物になる化合物を指し、これはin vivoで薬学的に活性である。かかる例は、これらに限定されないが、コリンエステル誘導体等、N-アルキルモルホリンエステル等を包含する。本明細書に記載の化合物の他の誘導体は、それらの酸および酸誘導体の両方の形態で活性を有するが、酸感応性形態においてはしばしば、可溶性、組織適合性、または遅延放出の利点を哺乳生物に提供する(Bundgard, H., Design of Prodrugs, pp. 7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam 1985を参照)。プロドラッグは、例えば、親酸と好適なアルコールとの反応によって調製されたエステル、または親酸化合物と置換または非置換のアミンとの反応によって調製されたアミド、または酸無水物、または混合無水物などの、当該技術分野の専門家に周知の酸誘導体を包含する。本明細書に記載の化合物上にぶら下がっている(pendant)酸性基に由来する、単純な脂肪族または芳香族のエステル、アミド、および無水物は、特定のプロドラッグである。いくつかのケースにおいて、例えば(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルなどの二重エステル型プロドラッグを調製することが望ましい。本明細書に記載の化合物の、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル、アリール、C7~C12置換アリール、およびC7~C12アリールアルキルエステルが、好ましいこともある。
【0066】
用語「小分子」は、天然に存在するものかまたは人工的に(例として、化学合成を介して)創出されたものかにかかわらず、相対的に低分子量を有する分子を指す。典型的には、小分子は有機化合物である(すなわち、これは炭素を含有する)。小分子は、複数の炭素-炭素結合、立体中心、および他の官能基(例として、アミン、ヒドロキシル、カルボニル、および複素環式の環等々)を含有していてもよい。ある態様において、小分子の分子量は、約1,000g/mol以下、約900g/mol以下、約800g/mol以下、約700g/mol以下、約600g/mol以下、約500g/mol以下、約400g/mol以下、約300g/mol以下、約200g/mol以下、または約100g/mol以下である。ある態様において、小分子の分子量は、少なくとも約100g/mol、少なくとも約200g/mol、少なくとも約300g/mol、少なくとも約400g/mol、少なくとも約500g/mol、少なくとも約600g/mol、少なくとも約700g/mol、少なくとも約800g/mol、または少なくとも約900g/mol、または少なくとも約1,000g/molである。上の範囲の組み合わせ(例として、少なくとも約200g/molであり、かつ約500g/mol以下である)もまた、実行可能である。ある態様において、小分子は、薬物(例として、連邦規則集(C.F.R.)に規定される(provided in)とおりの米国食品医薬品局によって承認された分子)などの治療的に活性な剤である。小分子はまた、1以上の金属原子および/または金属イオンと複合体化されていてもよい。この実例において、小分子はまた、「有機金属小分子」とも称される。好ましい小分子は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいて生物学的効果を産生する点で生物学的に活性がある。小分子は、これらに限定されないが、放射性核種および造影剤を包含する。ある態様において、小分子は、薬物である。好ましくは、そうとは限らないが(though not necessarily)、薬物は、適切な政府機関(governmental agency)または規制機関(regulatory body)によってヒトまたは動物における使用に安全かつ有効であると既に見なされたものである。例えば、ヒト使用に承認された薬物は、21 C.F.R.§§330.5、331~361、および440~460(参照により本明細書に組み込まれる)の下FDAによって列挙されている;獣医が使用するための(for veterinary use)薬物は、21 C.F.R.§§500~589(参照により本明細書に組み込まれる)の下FDAによって列挙されている。列挙されたすべての薬物は、本発明に従う使用に許容し得るものと考えられる。
【0067】
用語「組成物」および「製剤」は、互換的に使用される。
【0068】
投与が企図される「対象」は、ヒト(すなわち、いずれの年齢群の男性(male)もしくは女性(female)、例として、小児対象(例として、未成年者、子ども(child)、もしくは若者(adolescent))、または成年対象(例として、年少の成年者、中年の成年者、もしくは年長の成年者))、あるいは非ヒト動物を指す。ある態様において、非ヒト動物は、哺乳動物(例として、霊長目の動物(例として、カニクイザルもしくは赤毛猿)、商業的に関係のある哺乳動物(例として、畜牛(cattle)、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、もしくはイヌ)、または鳥類(例として、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、もしくはシチメンチョウなどの、商業的に関係のあるトリ))である。ある態様において、非ヒト動物は、魚類、爬虫類、または両生類の動物である。非ヒト動物は、いずれの発生段階でのオス(male)またはメス(female)であってもよい。非ヒト動物は、トランスジェニック動物または遺伝子学的に改変された動物であってもよい。「患者」は、疾患の処置を必要とするヒト対象を指す。対象はまた、植物であってもよい。ある態様において、植物は、陸生植物である。ある態様において、植物は、非維管束陸生植物である。ある態様において、植物は、維管束陸生植物である。ある態様において、植物は、種子植物である。ある態様において、植物は、栽培植物である。ある態様において、植物は、双子葉植物である。ある態様において、植物は、単子葉植物である。ある態様において、植物は、顕花植物である。いくつかの態様において、植物は、穀物用植物、例として、トウモロコシ(maize)、トウキビ(corn)、小麦、稲、燕麦、大麦、ライ麦、またはキビである。いくつかの態様において、植物は、マメ科植物(legume)、例として、豆植物(bean plant)、例として、大豆植物である。いくつかの態様において、植物は、高木(tree)または低木(shrub)である。
【0069】
用語「生体試料」は、組織試料(組織切片および組織の針生検など);細胞試料(例として、細胞学的なスメア(smears)(Papもしくは血液スメアなど)または顕微解剖によって得られた細胞試料);全生物試料(酵母または細菌の試料など);あるいは、細胞画分、フラグメント、またはオルガネラ(細胞を溶解し(lysing)その構成要素を遠心分離または別の方法(otherwise)によって分離することで得られたものなど)を包含するいずれの試料をも指す。生体試料の他の例は、血液、血清、尿、精液、排泄物、脳脊髄液、間質液、粘液(mucous)、涙液、汗、膿、生検組織(例として、外科生検もしくは針生検によって得られた)、乳頭吸引物(nipple aspirates)、乳、膣液、唾液、ぬぐい液(頬内側の(buccal)ぬぐい液など)、または第1生体試料に由来する生体分子を含有するいずれの材料をも包含する。
【0070】
用語「投与する(施す)(administer)」、「投与すること」、または「投与」は、本明細書に記載の化合物またはその組成物を対象中または対象上に、移植すること、吸収させること、摂取させること、注射すること、吸入させること、またはそうでなければ(otherwise)導入することを指す。
【0071】
用語「処置」、「処置する」、および「処置すること」は、本明細書に記載の疾患を回復に向かわせ(reversing)、和らげ(alleviating)、その発病(onset)を遅延させるか、またはその進行を阻害することを指す。いくつかの態様において、処置は、疾患の1以上の兆候または症状が現れたかまたは観察された後に、施され(administered)てもよい。他の態様において、処置は、疾患の兆候または症状がないときに施されてもよい。例えば、処置は、症状の発現(onset)に先立ち(例として、症状の経歴の観点および/または病原体への曝露の観点から)感染しやすい対象へ施してもよい。処置はまた、症状が消散した(resolved)後にも、例えば、再発を遅延または防止するために継続してもよい。
【0072】
用語「予防する」、「予防すること」、または「予防」は、疾患をもっていないしもってもいなかったが、疾患を発症するリスクがある対象、または疾患をもってはいたが今はもっていないものの疾患が後戻りする(regression)リスクがある対象の予防的な処置を指す。ある態様において、対象は、平均して健康なメンバーの集団より、疾患を発症するリスクがより高いか、または疾患が後戻りするリスクがより高い。
【0073】
用語「疾病」、「疾患」、および「障害」は、互換的に使用される。
【0074】
本明細書に記載の化合物の「有効(な)量」は、所望される生物学的な応答を惹起するのに充分な量を指す。有効量の本明細書に記載の化合物は、所望される生物学的なエンドポイント、化合物の薬物動態、処置されている疾病、投与モード、ならびに対象の年齢(age)および健康状態などの因子に応じて変動してもよい。いくつかの態様において、有効量は、治療的に有効な量である。ある態様において、有効量は、予防的な処置である。ある態様において、有効量は、単回用量中の本明細書に記載の化合物の量である。ある態様において、有効量は、複数回用量中の本明細書に記載の化合物の組み合わされた量である。組成物の有効量が本明細書に言及されるとき、量は、対象および/または処置されるべき疾患に応じて、予防的および/または治療的に有効であることを意味する。有効量または投薬量を決定することは、当業者の能力の範囲内にある(within)。
【0075】
本明細書に記載の化合物の「治療的に有効な量」は、疾病の処置において治療上の利益を提供するのに、または疾病に関連する1以上の症状を遅延もしくは最小化するのに充分な量である。化合物の治療的に有効な量は、治療剤単独の量、または疾病の処置において治療上の利益を提供する他の治療と組み合わせた治療剤の量を意味する。用語「治療的に有効な量」は、治療を全面的に改善するか、症状、兆候、もしくは疾病を低減または回避するか、および/または別の治療剤の治療的有効性を増強する量を網羅し得る。
【0076】
本明細書に記載の化合物の「予防的に有効量」は、疾病もしくは疾病に関連する1以上の症状を予防するか、またはその再発を予防するのに有効な量である。化合物の予防的に有効な量は、治療剤単独の量、または疾病の予防において予防上の利益を提供する他の剤と組み合わせた治療剤の量を意味する。用語「予防的に有効量」は、予防法を全面的に改善するか、または別の予防剤(prophylactic agent)の予防的有効性を増強する量を網羅し得る。
【0077】
「抗原」は、抗体もしくは受容体によって結合される実体、または抗体の産生を誘導する実体を指す。いくつかの態様において、抗原は、抗原に特異的に結合する抗体の産生を増大させる。いくつかの態様において、抗原は、タンパク質またはポリペプチドを含む。かかるタンパク質またはペプチドは、本明細書中「免疫原性ポリペプチド」とも言及される。いくつかの態様において、用語「抗原」は、免疫原性ポリペプチドをコードする核酸(例として、DNAまたはRNA分子)を網羅する。いくつかの態様において、抗原は、微生物病原体からのものである。例えば、抗原は、細菌、ウイルス、菌類、および他の微生物の一部(parts)(外皮(coats)、カプセル、細胞壁、鞭毛、線毛、および毒素)を含んでいてもよい。いくつかの態様において、抗原は、がん特異的抗原である。
【0078】
「免疫原性」であるとは、組成物が対象(例として、ヒトなどの哺乳動物の対象)へ投与されたとき免疫応答を惹起することを意味する。本明細書に使用されるとき、「免疫応答」は、刺激に対する(例として、抗原もしくはアジュバントに対する)、B細胞、T細胞(CD4またはCD8)、制御性T細胞、抗原提示細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、NKT細胞、NK細胞、好塩基球、好酸球、または好中球などの免疫系の細胞による応答を指す。本明細書に使用されるとき、「免疫応答」は、刺激に対する(例として、抗原もしくはアジュバントに対する)、抗原提示細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、NKT細胞、NK細胞、または他の先天性リンパ球様細胞、好塩基球、好酸球もしくは好中球、B細胞、T細胞(CD4もしくはCD8)、制御性T細胞などの免疫系の細胞による応答を指す。
【0079】
「抗原特異的応答」または「適応免疫応答」は、CD4 T細胞、CD8 T細胞、またはB細胞による、それらの抗原特異的受容体を介した応答を指す。いくつかの態様において、免疫応答は、CD4+応答またはCD8+応答などのT細胞応答である。これらの細胞によるかかる応答は、例えば、細胞傷害性、増殖、サイトカインもしくはケモカイン産生、輸送、または食作用を包含し得、応答を受けた免疫細胞の性質に依存し得る。
【0080】
いくつかの態様において、抗原特異的免疫応答は、抗原に対する体液性免疫応答および/または細胞性免疫応答の両方を包含する。「体液性免疫応答」は抗体媒介免疫応答であり、本発明の免疫原性組成物中の抗原を認識しかつある親和性で結合する抗体の誘導および生成を伴う一方、「細胞性免疫応答」は、T細胞および/または他の白血球(white blood cells)によって媒介される免疫応答である。「細胞性免疫応答」は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)のクラスIもしくはクラスII分子、CD1、または他の非古典的なMHC様分子に関連する抗原エピトープの提示によって惹起される。これによって抗原特異的CD4+ Tヘルパー細胞またはCD8+細胞傷害性リンパ球細胞(「CTLs」)が活性化される。CTLsは、古典的または非古典的なMHCsによってコードされたタンパク質および細胞表面上に発現されたタンパク質に関連して提示されたペプチド抗原に対する特異性を有する。CTLsは、細胞内微生物の細胞内破壊またはかかる微生物に感染した細胞の溶解(lysis)を誘導および促進するのに一役買っている。細胞性免疫の別の側面は、ヘルパーT細胞による抗原特異的応答を伴う。ヘルパーT細胞は、その機能を刺激するのに一役買うよう働き、ペプチドまたは他の抗原をディスプレーしている細胞に対する、それらの表面上の古典的または非古典的なMHC分子に関連した、非特異的エフェクター細胞の活性に焦点を合わせる。「細胞性免疫応答」はまた、サイトカイン、ケモカイン、ならびに、CD4+およびCD8+ T細胞に由来する分子を包含する、活性化T細胞および/または他の白血球(white blood cells)によって産生される他のかかる分子の産生をも指す。細胞媒介性の免疫学的な応答を刺激する、具体的な抗原または組成物の能力は、リンパ増殖(リンパ球活性化)アッセイ、CTL細胞傷害性細胞アッセイによって、感作対象における抗原に特異的なTリンパ球のアッセイによって、または抗原での再刺激に応答したT細胞によるサイトカイン産生の測定によって、など、数多のアッセイによって決定されてもよい。かかるアッセイは、当該技術分野において周知である。例として、Erickson et al.(1993) J. Immunol. 151:4189-4199;およびDoe et al.(1994) Eur. J. Immunol. 24:2369-2376を参照。
【0081】
いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物によって惹起される免疫応答は、自然免疫応答である。「自然免疫応答」は、自然免疫系による応答を指す。自然免疫系は、微生物に存在する保存された分子パターンを認識するための、生殖細胞系列にコードされた一連の(set of)受容体(「パターン認識受容体」または「PRR」)を使用する。これらの分子パターンは、以下:リポ多糖、ペプチドグリカン、リポタイコ酸、ホスファチジルコリン、リポタンパク質を包含する細菌特異的タンパク質、細菌のDNA、ウイルスの一本鎖および二本鎖RNA、非メチル化CpG-DNA、マンナンを包含する微生物のある構成物質、ならびに様々な他の細菌および真菌の細胞壁構成要素に見られる(occur in)。かかる分子パターンはまた、植物性アルカロイドなどの他の分子においても見られ得る。先天性免疫認識のこれらの標的は、感染した宿主生物によってではなく微生物によって産生されることから、病原体関連分子パターン(Pathogen Associated Molecular Patterns)(PAMPs)と呼ばれる。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物によって惹起される自然免疫応答は、広範囲の病原性微生物に対する異種の(「非特異的な」)免疫を、これに続く刺激に対して自然免疫応答を増強することによって付与する。「訓練された(trained)免疫」として知られている現象であって、例として、Netea et al. (Trained Immunity: An Ancient Way of Remembering. Cell Host Microbe. 2017 Mar 8;21(3):297-300(参照により本明細書に組み込まれる))に記載されるとおり、先天性記憶の1形態である。
【0082】
「アジュバント」は、他の剤の効果、例えばワクチンにおける抗原の効果を修飾する薬理学的または免疫学的な剤を指す。アジュバントは、典型的には、抗原に対するレシピエント対象の免疫応答を増強するワクチン中に包含される。アジュバントの使用は、対象において、同じ用量の抗原でより高いレベルの(greater)免疫応答の誘導を可能にさせるか、またはより低用量の注入抗原で同様のレベルの免疫応答の誘導を可能にさせる。当業者に知られているアジュバントは、限定せずに:アルミニウム塩、リポソーム、リポ多糖(LPS)、抗原のための分子の檻(cages)、細菌の細胞壁の構成要素、二本鎖RNA(dsRNA)、細胞内に取り込まれた(endocytosed)核酸(一本鎖DNA(ssDNA)、および非メチル化CpGジヌクレオチドを含有するDNAなど)を包含する。アジュバントは、例えば、これらに限定されないが、抗原の表面面積を増大させること、生体内の抗原の保持を長引かせ、よってリンパ系が抗原へアクセスする時間を有するようにさせること、抗原の放出を遅くさせること、マクロファージが抗原を標的にすること、マクロファージを活性化すること、抗原提示細胞(例として、単球、マクロファージ、および/または樹状細胞)などの白血球を活性化すること、あるいは、それ以外には(otherwise)免疫系細胞の活性化を広く導くことによって、数通りに機能するものと考えられる。例として、H. S. Warren et al, Annu. Rev. immunol., 4:369 (1986)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照。
【0083】
異種の免疫(Heterologous immunity)は、刺激または病原体に対する免疫応答の履歴が、無関係な第2の刺激または病原体に対する免疫レベルを提供し得る現象を指す(例として、Chen et al., Virology 2015 482: 89-97(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるとおり)。例えば、インフルエンザAおよびエプスタイン・バーウイルス(EBV)などの無関係な複数のウイルスに対して交差反応性の記憶CD8+ T細胞を誘導する抗原は、Watkin et al., J Allerg Clin Immunol 2017 Oct; 140(4) 1206-1210(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるとおりである。いくつかの態様において、本明細書に記載の化合物は、異種の保護(heterologous protection)を誘導および/または増強する。
【0084】
特定のタイプの免疫応答を誘導および増大するアジュバントの能力、ならびにその能力を同定することは、具体的な病原体に対するワクチン使用のための具体的なアジュバントの選択において、鍵となる(key)因子である。当業者に知られているアジュバントは、限定せずに:アルミニウム塩(本明細書中「ミョウバン」と言及される)、リポソーム、リポ多糖(LPS)または誘導体(モノホスホリル脂質A(MPLA)およびグリコピラノシル脂質A(GLA))、抗原のための分子の檻(cages)、細菌の細胞壁の構成要素、二本鎖RNA(dsRNA)、一本鎖DNA(ssDNA)、および非メチル化Cpジヌクレオチドを含有するDNAなどの細胞内に取り込まれた(endocytosed)核酸を包含する。典型的なアジュバントは、水および油のエマルション、例として、フロイントアジュバントおよびMF59、ならびに水酸化アルミニウム物またはミョウバンなどの化学化合物を包含する。現在、合衆国において目下認可を受けている(licensed)ワクチンは、トール様受容体4(TLR4)を介して自然免疫を活性化するTH2細胞およびMPLAの産生を増強するミョウバンなど、限定された数のアジュバントしか含有していない。最も有効なアジュバントの多くは、細菌またはそれらの産物、例として、Mycobacterium bovis、Bacille Calmette-Guerin(BCG)の弱毒化株などの微生物;微生物構成要素、例として、ミョウバンで沈殿した(alum-precipitated)ジフテリアトキソイド、細菌のリポ多糖(「内毒素」)およびそれらの誘導体(MPLAおよびGLAなど)を包含する。
【0085】
本明細書に使用されるとき、用語「感染症(infectious disease)」は、感染した人、動物、または保有宿主(reservoir)から感受性宿主(susceptible host)への伝染を、中間の植物もしくは動物宿主、ベクター、または無生物環境を通して、直接的または間接的のいずれかでもたらす、病原性の生物学的な作用因子(agent)によって引き起こされる病気を指す。Last J M. ed. A dictionary of epidemiology. 4th ed., New York: Oxford University Press, 1988を参照。感染性疾患はまた、伝染性の(transmissible)疾患または伝染性(communicable)疾患としても知られている。ある態様において、感染症は、所定の宿主におけるそれらの進行(course)のほとんどまたはすべてでさえも無症候性であってもよい。感染性病原体は、いくつかのウイルス、細菌、菌類、原生動物、多細胞寄生体、およびプリオンとして知られている異常なタンパク質を包含する。
【0086】
「増殖性疾患(proliferative disease)」は、細胞の増加(multiplication)による正常でない成長または拡張(extension)に起因して生じる疾患を指す(Walker, Cambridge Dictionary of Biology; Cambridge University Press: Cambridge, UK, 1990)。増殖性疾患は以下に関連することがある:1)通常静止状態にある細胞の病的な増殖(proliferation);2)細胞の、それらの正常な場所からの病的な遊走(例として、新生物細胞の転移);3)マトリックスメタロプロテイナーゼ(例として、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、およびエラスターゼ)などのタンパク質分解酵素の病的な発現;または、4)増殖性網膜症および腫瘍転移にあるような病的な血管新生。例示の増殖性疾患は、がん(すなわち、「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患、および自己免疫疾患を包含する。
【0087】
用語「血管新生」は、新しい血管(blood vessels)が既存の血管(vessels)から形成される生理学的プロセスを指す。血管新生は、中胚葉細胞前駆体からの内皮細胞のde novo形成である脈管形成とは別個のものである。発生中の胚における第1の血管が脈管形成を通して形成され、その後に血管新生は、正常なまたは正常でない発生の最中のほとんどの血管成長を担っている。血管新生は、成長および発生において、ならびに創傷治癒において、および肉芽組織の形成において、欠かせないプロセスである。しかしながら、血管新生はまた、良性の状態から悪性の状態への腫瘍の移行(transition)における基本のステップでもあり、これががんの処置における血管新生インヒビターの使用に繋がる。血管新生は、成長因子(例として、VEGF)などの血管新生タンパク質によって化学的に刺激されることもある。「病的な血管新生」は、疾患になるかおよび/または疾患に関連する正常でない(例として、過度のまたは不充分な)血管新生を指す。
【0088】
用語「新生物」および「腫瘍」は、本明細書中互換的に使用され、正常でない組織の塊を指すが、ここで塊の成長は、正常組織の成長を凌駕し、これとは調和しない。新生物または腫瘍は、以下の特徴に応じ「良性」であっても「悪性」であってもよい:(形態学および機能性を包含する)細胞分化の程度、成長速度、局部の 浸潤、および転移。「良性新生物」は一般に、十分に分化しており、特徴として悪性新生物より遅い成長を有し、原発部位(site of origin)に局在化したままである。加えて、良性新生物は、遠位部位に浸透するか、浸潤するか、または遠位部位へ転移する潜在的可能性(capacity)を有さない。例示の良性新生物は、これらに限定されないが、脂肪腫、軟骨腫、腺腫、アクロコルドン、老人性血管腫、脂漏性角化症、黒子、および脂腺過形成を包含する。いくつかのケースにおいて、ある「良性」腫瘍は、悪性新生物を後に生み出すこともある。前記悪性新生物は、腫瘍の新生物細胞の亜集団において追加の遺伝子変化を生じさせることもあり、これらの腫瘍は「前悪性新生物」と称される。例示の前悪性新生物は、奇形腫である。対照的に、「悪性新生物」は一般に分化が乏しく(退形成)、特徴的に、周囲組織への進行性の浸透、浸潤、およびその破壊に付随して起こる迅速な成長を有する。さらにまた、悪性新生物は一般に、遠位部位へ転移する潜在的可能性を有する。用語「転移」、「転移性の」、または「転移する」は、原発腫瘍もしくは元の腫瘍から別の器官もしくは組織へのがん性細胞の蔓延(spread)または遊走を指し、典型的には、原発腫瘍もしくは元の腫瘍の組織型(二次(転移性)腫瘍が位置付けられた器官または組織の型ではない)の「二次腫瘍」または「二次細胞塊」の存在によって同定可能である。例えば、骨へ移動した前立腺がんは、転移した前立腺がんであると言われ、骨組織中で成長するがん性の前立腺がん細胞を包含する。
【0089】
用語「がん」は、制御不能に増殖し、かつ正常な生体組織に浸潤し破壊する能力を有する、正常でない細胞の発生によって特徴付けられる疾患の類を指す。例として、Stedman’s Medical Dictionary, 25th ed.; Hensyl ed.; Williams & Wilkins: Philadelphia, 1990を参照。例示のがんは、これらに限定されないが、血液悪性腫瘍を包含する。追加の例示のがんは、これらに限定はされないが、肺がん(例として、気管支癌、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺癌);腎臓がん(例として、腎芽細胞腫、別名(a.k.a.)ウィルムス腫瘍、腎細胞癌);聴神経腫;腺癌;副腎のがん;肛門がん;血管肉腫(例として、リンパ管肉腫、リンパ管内皮性肉腫、血管肉腫);虫垂がん;良性単一クローン性免疫グロブリン血症;胆管がん(例として、胆管癌);膀胱がん;乳房がん(breast cancer)(例として、乳房の腺癌、乳房の乳頭癌、乳がん(mammary cancer)、乳房の髄様癌);脳がん(例として、髄膜腫、神経膠芽腫、神経膠腫(例として、星状細胞腫、乏突起神経膠腫)、髄芽腫);気管支がん;カルチノイド腫瘍;子宮頚がん(例として、子宮頸部腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;大腸がん(colorectal cancer)(例として、結腸(colon)がん、直腸(rectal)がん、結腸直腸腺癌);結合組織のがん;上皮癌;上衣腫;内皮性肉腫(例として、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例として、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例として、食道の腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼のがん(例として、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性過好酸球増加症;胆嚢がん;胃がん(例として、胃腺癌);消化管間質腫瘍(GIST);胚細胞がん;頭頸部がん(例として、頭頸部扁平上皮癌、口腔がん(例として、口腔扁平上皮癌)、咽喉がん(例として、喉頭がん、咽頭がん、鼻咽頭がん、口腔咽頭がん));重鎖病(例として、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病);血管芽腫;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫球性アミロイドーシス;肝臓がん(例として、肝細胞がん(HCC)、悪性肝細胞癌);平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例として、全身性肥満細胞症);筋肉のがん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性疾患(MPD)(例として、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、特発性骨髄様化生(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES));神経芽細胞腫;神経線維腫(例として、神経線維腫症(NF)1または2型、神経鞘腫症);神経内分泌癌(例として、胃腸膵管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例として、骨のがん);卵巣がん(例として、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭腺癌;膵臓がん(例として、膵臓腺癌、管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎がん(例として、陰茎と陰嚢のパジェット病);松果体腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞新生物;腫瘍随伴症候群;上皮内新生物;前立腺がん(例として、前立腺腺癌);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺のがん;皮膚がん(例として、扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸がん(例として、虫垂がん);軟部組織肉腫(例として、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);皮脂腺癌;小腸がん;汗腺癌;滑膜腫;精巣がん(例として、精上皮腫、精巣胚性癌腫);甲状腺がん(例として、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様がん);尿道がん;膣のがん;および外陰がん(例として、外陰部パジェット病)を包含する。いくつかの態様において、本開示の組成物および方法を使用してされるがんは、黒色腫である。
【0090】
用語「炎症性疾患」は、炎症をもたらすかまたは結果として炎症になることによって引き起こされる疾患を指す。用語「炎症性疾患」はまた、マクロファージ、顆粒球、および/またはT-リンパ球による、異常な組織損傷および/または細胞死に繋がる過剰な(exaggerated)応答を引き起こす調節不全の炎症性反応をも指すことがある。炎症性疾患は、急性または慢性いずれかの炎症性の疾病であり得、感染または非感染性の原因から生じ得る。炎症性疾患は、限定せずに、アテローム性動脈硬化、動脈硬化症、自己免疫障害、多発性硬化症、全身性の紅斑性狼瘡、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、痛風性関節炎、変形性関節炎、腱炎、滑液包炎、乾癬、嚢胞性線維症、骨関節炎、リウマチ性関節炎、炎症性関節炎、シェーグレン症候群、巨細胞性動脈炎、進行性の全身性硬化症(強皮症)、強直性脊椎炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、天疱瘡、類天疱瘡、糖尿病(例として、I型)、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、グッドパスチャー症候群、混合性結合組織疾患、硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、悪性貧血、炎症性皮膚疾患、通常型間質性肺臓炎(UIP)、石綿症、珪肺症、気管支拡張症、ベリリウム中毒、滑石肺、塵肺、サルコイドーシス、剥離性間質性肺炎、リンパ球様間質性肺炎、巨細胞性間質性肺炎、細胞性の間質性肺炎、外因性アレルギー性肺胞炎、ウェゲナー肉芽腫症および血管炎(angiitis)の関連形態(側頭動脈炎および結節性多発動脈炎)、炎症性皮膚疾患、肝炎、遅延型の過敏反応(例として、毒ツタ皮膚炎)、肺炎、気道炎症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、脳炎、即時型過敏反応、喘息、花粉症、アレルギー、急性のアナフィラキシー、リウマチ熱、糸球体腎炎、腎盂腎炎、蜂巣炎、膀胱炎、慢性胆嚢炎、虚血(虚血性傷害)、再灌流傷害、虫垂炎、動脈炎、眼臉炎、細気管支炎、気管支炎、子宮頸炎、胆管炎、絨毛羊膜炎、結膜炎、涙腺炎、皮膚筋炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、小腸結腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合織炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、回腸炎、虹彩炎、咽頭炎、脊髄炎、心筋炎、腎炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺臓炎、直腸炎、前立腺炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、精巣炎、扁桃炎、尿道炎、膀胱炎(urocystitis)、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、外陰炎、外陰膣炎、血管炎(angitis)、慢性気管支炎、骨髄炎、視神経炎、側頭動脈炎、横断性脊髄炎、壊死性筋膜炎、および壊死性腸炎を包含する。眼の炎症性疾患は、術後の炎症を包含するがこれに限定されない。
【0091】
「自己免疫疾患」は、生体中に通常存在する物質および組織に対する対象の生体の不適切な免疫応答から生まれる疾患を指す。換言すれば、免疫系は、生体のある部分を病原体と誤解し、その自身の(own)細胞を攻撃する。これは、(例として、自己免疫甲状腺炎における)ある器官に制限されることも、または種々の場所における具体的な組織を伴うこともある(例として、肺と腎臓との両方における基底膜に影響を及ぼすこともあるグッドパスチャー症候群)。自己免疫疾患の処置は、典型的には免疫抑制、例として、免疫応答を減少させる薬(medications)を用いる。例示の自己免疫疾患は、これらに限定されないが、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、皮膚筋炎/多発性筋炎、抗ホスホ脂質抗体症候群、強皮症、尋常性天疱瘡、ANCA関連血管炎(例として、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎)、ブドウ膜炎、シェーグレン症候群、クローン病、ライター症候群、強直性脊椎炎、ライム病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、および心筋症を包含する。
【0092】
「慢性疾患」は、3カ月以上持続する疾患を指す。例示の慢性疾患は、これらに限定されないが、関節炎、心臓疾患などの心血管疾患、脳卒中、がん(例として、乳房がんまたは結腸がん)、慢性呼吸器疾患、糖尿病、てんかん、発作、肥満、および口腔衛生の問題を包含する。
【0093】
「ワクチン」または「ワクチン組成物」は、ワクチンが対象へ投与された後に、抗原に対する対象の免疫応答を活性化または増強する組成物を指す。
【図面の簡単な説明】
【0094】
図面の簡単な記載
添付の図面は、縮尺どおりに描画されることを意図していない。図面中、様々な図において説明されている同一のまたはほぼ(nearly)同一の各構成要素は、同じ(like)数字によって表示される。明確にする目的上、どの構成要素も、図面ごとに標識されているとは限らない。図面中:
【0095】
図1A-B】図1A~1Dは、ヒット化合物での成年者の末梢血単核球(PBMCs)の刺激を示す、TNF AlphaLISAスクリーンからの散布図である。PBMCsは18時間刺激された。(図1A~1C)3名のユニークな成年者のPBMC試料/ドナーからの個々の散布図は二通りに行ったものである(run)(x軸およびy軸)。
図1C-D】(図1A~1C)3名のユニークな成年者のPBMC試料/ドナーからの個々の散布図は二通りに行ったものである(run)(x軸およびy軸)。(図1D)ベン図は、3名のユニークな成年ドナーの間でのヒットを比較したものであり、少なくとも2名のドナーについては分析閾値を越えた24ヒットが同定され、~10ヒットが各ドナーについてrZ>3をもつすべてに共通していた。
【0096】
図2A図2A~2Bは、化合物037および038が成年者および高齢者のPBMCsからTNFおよびIL-1βを誘導することを実証する。(図2A)ヒト成年者(上部)および高齢者(下部)のPBMCsは、TLR7/8アゴニストR848とTNF AlphaLISAスクリーンから確認された24種のヒット化合物とで18時間刺激された。TNF(左パネル)およびIL-1β(右パネル)が無細胞上清中ELISAによって査定された。データはN=5の中央値および四分位範囲として示される。
図2B】(図2B)化合物037および038は、両小分子とも同じクラス内にあるが、先天性免疫サイトカインの最も強力な誘導因子として同定された。
【0097】
図3A-B】図3A~3Bは、R848と比較した037化合物の効能および有効性を描く。(図3A)ヒト成年者の末梢血単核球(PBMCs)をR848または化合物037で7つの異なる濃度(0.05μM~33μM)にて18時間刺激した後ELISAによって測定されたTNF産生(N=8~12)。(図3B)PBMCsを化合物037およびR848で10μMの濃度にて刺激した後ELISAによって測定されたTNF産生。化合物R848は、PRRs(TLR7/8およびインフラマソーム)を介してヒト白血球(leukocytes)を活性化する小分子イミダゾキノリンである。
【0098】
図4図4は、化合物037がR848と比較して広い濃度に応じて、別個の効能、有効性、およびサイトカインパターンをもつサイトカイン応答を誘導したことを実証するレーダープロット(radar plots)である。示されているのは、成年者の末梢血単核球(PBMCs)を化合物037またはR848で4つの異なる濃度(0.1μM~33μM)にて刺激した後の9重の(-plex)多重サイトカインアッセイである。10%自己血漿中18時間刺激されたヒト成年者PBMCsからのサイトカイン産生を偏らせる免疫のレーダープロットは、RPMI非刺激対照に対して倍の変化(fold-change)として表された(N=4)。
【0099】
図5A-B】図5A~5Bは、化合物037が、ヒト初代末梢血単核球からTNF-αの堅固な産生を有しつつも、NF-κB駆動ルシフェラーゼ発現を介してTHP1-Lucia細胞へ向かわせる(towards)活性がほとんどないことを実証することを実証する。(図5A)ヒト成年者PBMCsは化合物037またはR848で33μMにて18時間刺激された。産生ヒトTNFの産生は無細胞上清中ELISAによって査定された(N=5)。(図5B)陽性対照化合物R848との比較において、037は、NF-κB駆動ルシフェラーゼ発現によって測定されたとおり、THP1細胞を実質的に活性化しない(N=4)。結果は、中央値、25thおよび75thパーセンタイル(percentiles)(箱)、ならびに5thおよび95thパーセンタイル(ひげ)として示される。**p<0.01は、DMSO(対照条件)での各化合物と比較した対数変換データ上のダネットの多重比較検定(Dunnett’s multiple comparison test)での反復測定(repeated measure)一元配置分散分析(one-way ANOVA)によって決定された。
【0100】
図6A-B】図6A~6Bは、ヒト成年者PBMCsに対する化合物037および市販の化合物037類似体(イミダゾピリミジン)の活性を示す。ヒト成年者PBMCsは化合物037およびその類似体で33μMにて18時間刺激された。ヒトTNFの産生は無細胞上清中ELISAによって査定された。結果は中央値、25thおよび75thパーセンタイル(箱)、ならびに5thおよび95thパーセンタイル(ヒゲ)として示され、R848と比較したパーセンテージTNF産生(TNF%)として(図6A)またはng/ml単位でのTNF濃度として(図6B)表現される(N=3~5)。**p<0.01は、DMSO(対照条件)での各化合物と比較した対数変換データ上のダネットの多重比較検定での反復測定一元配置分散分析によって決定された。
【0101】
図7A図7A~7Bは、ヒト成年者PBMCsに対する化合物037およびde novo合成された化合物037類似体(イミダゾピリミジン)の活性を示す。ヒト成年者PBMCsは化合物037およびその類似体で33μMにて18時間刺激された。ヒトTNFの産生は無細胞上清中ELISAによって査定された。結果は中央値、25thおよび75thパーセンタイル(箱)、ならびに5thおよび95thパーセンタイル(ひげ)として示され、R848と比較したパーセンテージTNF産生(TNF%)として(図7A)またはng/ml単位でのTNF濃度として(図7B)表現される(N=5)。類似体はTNF%によって左から右へ順位付けされる(化合物037は左端にある)。化合物037類似体は、以下の、TNF%:高活性-クラスA:TNF%>15%;中(medium)活性-クラスB:1%<TNF%≦15%;低活性-クラスC:TNF%≦1%に従うカテゴリーに分類された。**p<0.01は、DMSO(対照条件)での各化合物と比較した対数変換データ上のダネットの多重比較検定での反復測定一元配置分散分析によって決定された。
図7B図7A~7Bは、ヒト成年者PBMCsに対する化合物037およびde novo合成された化合物037類似体(イミダゾピリミジン)の活性を示す。ヒト成年者PBMCsは化合物037およびその類似体で33μMにて18時間刺激された。ヒトTNFの産生は無細胞上清中ELISAによって査定された。結果は中央値、25thおよび75thパーセンタイル(箱)、ならびに5thおよび95thパーセンタイル(ひげ)として示され、R848と比較したパーセンテージTNF産生(TNF%)として(図7A)またはng/ml単位でのTNF濃度として(図7B)表現される(N=5)。類似体はTNF%によって左から右へ順位付けされる(化合物037は左端にある)。化合物037類似体は、以下の、TNF%:高活性-クラスA:TNF%>15%;中(medium)活性-クラスB:1%<TNF%≦15%;低活性-クラスC:TNF%≦1%に従うカテゴリーに分類された。**p<0.01は、DMSO(対照条件)での各化合物と比較した対数変換データ上のダネットの多重比較検定での反復測定一元配置分散分析によって決定された。
【0102】
図8図8は、化合物037類似体02-144-3がヒトPBMCsとマウス脾細胞との両方を活性化することを実証する。6~8週齢C57BL/6マウスから単離された脾細胞およびヒト成年者PBMCsは化合物037およびその類似体で33μMにて18時間刺激された。マウスIL-6およびヒトTNFの産生は無細胞上清中ELISAによって査定された。結果は各ドットが各化合物につきヒトTNF(N=3~5)またはマウスIL-6(N=6)の産生の中央値を表す散布図として提示される。
【0103】
図9図9は、化合物037類似体のin vitro活性とin vivo活性との間の相関を示す。6~8週齢C57BL/6マウスは、第0日(プライム(prime))および第28日(ブースト(boost))にrHA単独で免疫されたか、または化合物02-184-02(不活性な類似体)、化合物037、化合物02-144-3(ヒト細胞とマウス細胞との両方に活性があった類似体)、もしくはミョウバンで処方された(formulated)。血清試料は第28日(ブースト前(pre-boost))および第42日(14ブースト後(post-boost))にて収集されて、抗rHA IgG力価がELISAによって測定された。結果は、1群あたり10匹のマウスの中央値、25thおよび75thパーセンタイル(箱)、ならびに5thおよび95thパーセンタイル(ひげ)として示される。*p<0.05および**p<0.01はダネットの多重比較検定とともにクラスカル・ワリス(Kruskal-Wallis)によって決定された。
【0104】
図10図10は、イミダゾピリミジンがヒト新生子(newborn)全血アッセイにおいてTNF産生を誘導することを実証する。ヒト新生子臍帯血はパイロジェンフリーのヘパリンで抗凝固剤処置され(anticoagulated)、化合物037類似体ファミリーまたはR848で11μMにて18時間刺激された。遠心分離後に上清が収集され、ELISAによるTNF産生の測定に先立ち凍結保存された。N=5。**p<0.01は、DMSO(対照条件)での各化合物と比較した対数変換データ上のダネットの多重比較検定での反復測定一元配置分散分析によって決定された。
【発明を実施するための形態】
【0105】
ある態様の詳細な記載
本明細書に記載されるのは、式(I)で表される化合物、ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグである。本明細書に記載の化合物は、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)の増強因子および/または修飾因子、および/または、疾患、例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、もしくは慢性疾患のためのワクチン中のアジュバントであるか、あるいは独立型の抗感染もしくは免疫応答の修飾剤としてである。化合物は、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、もしくは慢性疾患)の処置または予防を、これを必要とする対象においてするのに有用なこともある。また提供されるのには、本明細書に記載の化合物を包含する医薬組成物、キット、および使用もある。
【0106】
化合物
本開示の一側面は、本明細書に記載の化合物に関する。本明細書に記載の化合物は、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)の増強因子および/または修飾因子、および/または、疾患、例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、もしくは慢性疾患のためのワクチン中のアジュバントであるか、あるいは、独立型の抗感染もしくは免疫応答の修飾剤としてである。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、免疫調節物質(immunomodulator)である。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0107】
一側面において、本開示は、式(I):
【化11】

で表される化合物、ならびにそれらの薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを提供し、式中:
R1Aは、置換もしくは非置換のフェニル、または置換もしくは非置換のベンジル、または置換もしくは非置換の6員ヘテロアリールである;
R1は、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル、-ORa、または-N(Ra1)2である;
RAの各場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra1)2、-SRa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra1)2、または-NO2である;
RBの各場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra1)2、-SRa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra1)2、または-NO2である;
Raの各場合は、独立して、水素、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、窒素原子へ付着されているとき窒素保護基、酸素原子へ付着されているとき酸素保護基、または硫黄原子へ付着されているとき硫黄保護基である;
Ra1の各場合は、独立して、水素、置換もしくは非置換のアシル、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、窒素原子へ付着されているとき窒素保護基であるか、あるいは、Ra1のうち2個の場合は、結び合うことで、置換もしくは非置換の複素環式の環または置換もしくは非置換のヘテロアリール環を形成する;
aは、0、1、2、または3である;および
bは、0、1、2、または3である;
ここで化合物は、式:
【化12】

のいずれでも表されない。
【0108】
式(I)は、置換基R1をフェニル環上に包含する。ある態様において、R1は、水素である。ある態様において、RA1は、ハロゲン(例として、F、Cl、Br、またはI)である。ある態様において、R1は、置換もしくは非置換のC1~6アルキル(例として、置換もしくは非置換のMeまたは置換もしくは非置換のEt)である。ある態様において、R1は、Meである。ある態様において、R1は、Etである。ある態様において、R1は、-ORa(例として、-OH、-O(置換または非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe、-OEt、-OPr、-OBu、もしくは-OBn)である。ある態様において、R1は、-N(Ra1)2(例として、-NH2、-NH(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHMe)、または-N(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)-(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NMe2))である。
【0109】
式(I)は、置換基R1Aを包含する。ある態様において、R1Aは、置換もしくは非置換のフェニルである。ある態様において、R1Aは、式:
【化13】

で表され、式中RCの各場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra1)2、-SRa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra1)2、または-NO2である;および、cは、0、1、2、3、4、または5である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、ハロゲンである。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、Fである。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、Brである。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、Clである。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、Iである。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキル(例として、C1~6アルキル)である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のMeである。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、Meである。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、置換メチル(例として、-CF3またはBn)である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、-CF3である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルケニル(例として、置換または非置換のC2~6アルケニル)である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキニル(例として、置換または非置換のC2~6アルキニル)である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のカルボシクリル(例として、炭素環式の環系中、ゼロ個、1個、もしくは2個の二重結合を含む、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換もしくは非置換の5~10員の単環式または二環式の複素環式の環、ここで複素環式の環中1個または2個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアリール(例として、置換または非置換の6~10員アリール)である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロアリール(例として、置換または非置換の5~6員の単環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;あるいは、置換または非置換の9~10員の二環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、-ORa(例として、-OHまたは-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe))である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、-OMeである。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、-N(Ra1)2(例として、-NH2、-NH(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHMe)、または-NMe2)である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、-SRa(例として、-SH、-S(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-SMe、-SEt、-SPr、-SBu、もしくは-SBn)、または-S(置換もしくは非置換のフェニル)(例として、-SPh))である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、-CNである。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)Ra(例として、-C(=O)(置換もしくは非置換のアルキル)または-C(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)ORa(例として、-C(=O)OH、-C(=O)O(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)OMe)または-C(=O)O(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)N(Ra1)2(例として、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のアルキル)、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のフェニル)、-C(=O)N(置換もしくは非置換のアルキル)-(置換もしくは非置換のアルキル)、または-C(=O)N(置換もしくは非置換のフェニル)-(置換もしくは非置換のアルキル))である。ある態様において、RCのうち少なくとも1個の場合は、-NO2である。
【0110】
ある態様において、R1Aは、式:
【化14】

で表される。ある態様において、R1Aは、式:
【化15】

で表される。
【0111】
ある態様において、R1Aは、置換または非置換のベンジルである。ある態様において、R1Aは、式:
【化16】

で表され、式中R2の各場合は、独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル、-ORa、または-N(Ra1)2である;RCの各場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra1)2、-SRa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra1)2、または-NO2である;および、cは、0、1、2、3、4、または5である。ある態様において、R1Aは、式:
【化17】

で表され、式中R2は、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル、-ORa、または-N(Ra1)2である;RCの各場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra1)2、-SRa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra1)2、または-NO2である;および、cは、0、1、2、3、4、または5である。ある態様において、R1Aは、式:
【化18】

で表される。
【0112】
ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、水素である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、ハロゲン(例として、F、Cl、Br、またはI)である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のC1~6アルキル(例として、置換もしくは非置換のMeまたは置換もしくは非置換のEt)である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、Meである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のMeである。ある態様において、R2は、-CH2OHである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、Etである。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-ORa(例として、-OH、-O(置換または非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe、-OEt、-OPr、-OBu、または-OBn)である。ある態様において、R2のうち少なくとも1個の場合は、-N(Ra1)2(例として、-NH2、-NH(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHMe)、または-N(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)-(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NMe2))である。ある態様において、R1Aは、式:
【化19】

で表される。
【0113】
ある態様において、R1Aは、置換または非置換の6員ヘテロアリールである。
ある態様において、R1Aは、置換もしくは非置換のピリジン、置換もしくは非置換のピリミジン、または置換もしくは非置換のピラジンである。
【0114】
式(I)は、RAのうち1個以上の場合をイミダゾピリミジン環上に包含していてもよい。式(I)がRAのうち2個以上の場合を包含するとき、RAのうちいずれか2個の場合は、互いに同じであっても、または異なっていてもよい。ある態様において、aは、0である。ある態様において、aは、1である。ある態様において、aは、2である。ある態様において、aは、3である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、ハロゲンである。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、Fである。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、Br、Cl、またはIである。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキル(例として、置換または非置換のC1~6アルキル)である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、Meである。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、置換メチル(例として、-CF3またはBn)である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、Etである。ある態様においてRA1、のうち少なくとも1個の場合は、置換エチルである。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、n-Prである。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、i-Prである。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、置換プロピル(例として、ペルフルオロプロピル)である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、Me、Et、またはn-Prである。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルケニル(例として、置換または非置換のC2~6アルケニル)である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキニル(例として、置換または非置換のC2~6アルキニル)である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のカルボシクリル(例として、炭素環式の環系中ゼロ個、1個、もしくは2個の二重結合を含む、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換もしくは非置換の5~10員の単環式または二環式の複素環式の環、ここで複素環式の環中1個または2個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアリール(例として、置換または非置換の6~10員アリール)である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロアリール(例として、置換または非置換の5~6員の単環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;あるいは、置換または非置換の9~10員の二環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、-ORa(例として、-OHまたは-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe))である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、-OMeである。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、-N(Ra1)2(例として、-NH2、-NH(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHMe)、または-NMe2)である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、-SRa(例として、-SH、-S(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-SMe、-SEt、-SPr、-SBu、もしくは-SBn)、または-S(置換もしくは非置換のフェニル)(例として、-SPh))である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、-CNである。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)Ra(例として、-C(=O)(置換もしくは非置換のアルキル)または-C(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)ORa(例として、-C(=O)OH、-C(=O)O(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)OMe)、または-C(=O)O(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)N(Ra1)2(例として、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のアルキル)、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のフェニル)、-C(=O)N(置換もしくは非置換のアルキル)-(置換もしくは非置換のアルキル)、または-C(=O)N(置換もしくは非置換のフェニル)-(置換もしくは非置換のアルキル))である。ある態様において、RAのうち少なくとも1個の場合は、-NO2である。
【0115】
式(I)は、RBのうち1個以上の場合をフェニル環上に包含していてもよい。式(I)がRBのうち2個以上の場合を包含するとき、RBのうちいずれか2個の場合は、互いに同じであっても、または異なっていてもよい。ある態様において、bは、0である。ある態様において、bは、1である。ある態様において、bは、2である。ある態様において、bは、3である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、ハロゲンである。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、Fである。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、Br、Cl、またはIである。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキル(例として、置換または非置換のC1~6アルキル)である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、Meである。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、置換メチル(例として、-CF3またはBn)である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、Etである。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、置換エチルである。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、n-Prである。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、i-Prである。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、置換プロピル(例として、ペルフルオロプロピル)である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、Me、Et、またはn-Prである。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルケニル(例として、置換または非置換のC2~6アルケニル)である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキニル(例として、置換または非置換のC2~6アルキニル)である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のカルボシクリル(例として、炭素環式の環系中ゼロ個、1個、もしくは2個の二重結合を含む、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換または非置換の5~10員の単環式または二環式の複素環式の環、ここで複素環式の環中1個または2個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアリール(例として、置換または非置換の6~10員アリール)である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロアリール(例として、置換または非置換の5~6員の単環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;あるいは、置換または非置換の9~10員の二環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、-ORa(例として、-OHまたは-O(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-OMe))である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、-OMeである。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、-N(Ra1)2(例として、-NH2、-NH(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-NHMe)、または-NMe2)である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、-SRa(例として、-SH、-S(置換もしくは非置換のC1~6アルキル)(例として、-SMe、-SEt、-SPr、-SBu、もしくは-SBn)、または-S(置換もしくは非置換のフェニル)(例として、-SPh))である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、-CNである。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)Ra(例として、-C(=O)(置換もしくは非置換のアルキル)または-C(=O)(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)ORa(例として、-C(=O)OH、-C(=O)O(置換もしくは非置換のアルキル)(例として、-C(=O)OMe)または-C(=O)O(置換もしくは非置換のフェニル))である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、-C(=O)N(Ra1)2(例として、-C(=O)NH2、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のアルキル)、-C(=O)NH(置換もしくは非置換のフェニル)、-C(=O)N(置換もしくは非置換のアルキル)-(置換もしくは非置換のアルキル)、または-C(=O)N(置換もしくは非置換のフェニル)-(置換もしくは非置換のアルキル))である。ある態様において、RBのうち少なくとも1個の場合は、-NO2である。
【0116】
式(I)は、Raのうち1個以上の場合を包含していてもよい。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、水素である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアシル(例として、-C(=O)Me)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキル(例として、C1~6アルキル)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルケニル(例として、置換または非置換のC2~6アルケニル)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキニル(例として、置換または非置換のC2~6アルキニル)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のカルボシクリル(例として、炭素環式の環系中ゼロ個、1個、もしくは2個の二重結合を含む、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換もしくは非置換の5~10員の単環式または二環式の複素環式の環、ここで複素環式の環中1個または2個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアリール(例として、置換または非置換の6~10員アリール)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロアリール(例として、置換または非置換の5~6員の単環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;あるいは、置換または非置換の9~10員の二環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、窒素原子へ付着されているとき窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、酸素原子へ付着されているとき酸素保護基(例として、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t-Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイル、またはベンゾイル)である。ある態様において、Raのうち少なくとも1個の場合は、硫黄原子へ付着されているとき硫黄保護基である。
【0117】
式(I)は、Ra1のうち1個以上の場合を包含していてもよい。ある態様において、Ra1のうち少なくとも1個の場合は、水素である。ある態様において、Ra1のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアシル(例として、-C(=O)Me)である。ある態様において、Ra1のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキル(例として、C1~6アルキル)である。ある態様において、Ra1のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルケニル(例として、置換または非置換のC2~6アルケニル)である。ある態様において、Ra1のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアルキニル(例として、置換または非置換のC2~6アルキニル)である。ある態様において、Ra1のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のカルボシクリル(例として、炭素環式の環系中ゼロ個、1個、もしくは2個の二重結合を含む、置換または非置換の3~7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、Ra1のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロシクリル(例として、置換もしくは非置換の5~10員の単環式または二環式の複素環式の環、ここで複素環式の環中1個または2個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、Ra1のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のアリール(例として、置換または非置換の6~10員アリール)である。ある態様において、Ra1のうち少なくとも1個の場合は、置換または非置換のヘテロアリール(例として、置換または非置換の5~6員の単環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;あるいは、置換または非置換の9~10員の二環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)である。ある態様において、Ra1のうち少なくとも1個の場合は、窒素原子へ付着されているとき窒素保護基(例として、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTs)である。ある態様において、Ra1のうち2個の場合は、結び合うことで、置換または非置換の複素環式の環(例として、置換もしくは非置換の5~10員の単環式または二環式の複素環式の環、ここで複素環式の環中1個または2個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)を形成する。ある態様において、Ra1のうち2個の場合は、結び合うことで、置換または非置換のヘテロアリール環(例として、置換または非置換の5~6員の単環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である;あるいは、置換または非置換の9~10員の二環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中1個、2個、3個、または4個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄である)を形成する。
【0118】
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
【化20】

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中:
R2の各場合は、独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換のC1~6アルキル、-ORa、または-N(Ra1)2である;
RCの各場合は、独立して、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra1)2、-SRa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra1)2、または-NO2である;および
cは、0、1、2、3、4、または5である。
【0119】
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
【化21】

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグであり、式中:
RCの各場合は、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、-ORa、-N(Ra1)2、-SRa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)N(Ra1)2、または-NO2である;および
cは、0、1、2、3、4、または5である。
【0120】
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
【化22】

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0121】
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
【化23】

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0122】
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
【化24】

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0123】
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
【化25】

【化26】

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0124】
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
【化27】

のいずれでも表されず、その薬学的に許容し得る塩でも、溶媒和物でも、水和物でも、多形でも、共結晶でも、互変異性体でも、立体異性体でも、同位体標識された誘導体でも、プロドラッグでもない。
【0125】
ある態様において、式(I)で表される化合物は、式:
【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

で表されるか、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体、もしくはプロドラッグである。
【0126】
医薬組成物、キット、および投与
本開示はまた、本明細書に記載の化合物、および任意に、薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物をも提供する。ある態様において、本明細書に記載の化合物は、式(I)で表される。
【0127】
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、医薬組成物中、有効量で提供されている。ある態様において、有効量は、治療的に有効な量である。ある態様において、有効量は、予防的に有効な量である。ある態様において、治療的に有効な量は、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を増強するのに有効な量である。ある態様において、治療的に有効な量は、疾患(例として、増殖性疾患)を処置するのに有効な量である。ある態様において、治療的に有効な量は、疾患、例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、もしくは慢性疾患のためのワクチン中のアジュバントとして、または独立型の抗感染もしくは免疫応答の修飾剤として働くのに有効な量である。ある態様において、予防的に有効な量は、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)を予防するのに有効な量である。ある態様において、予防的に有効な量は、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を増強し、かつ疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)を予防するのに有効な量である。
【0128】
ある態様において、有効量は、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%の差で増強するのに有効な量である。ある態様において、有効量は、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を、10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下、95%以下、または98%以下の差で増強するのに有効な量である。
【0129】
ある態様において、対象は、動物である。動物は、いずれの性別であってもよく、いずれの発生段階にあってもよい。ある態様において、本明細書に記載の対象は、ヒトである。ある態様において、対象は、非ヒト動物である。ある態様において、対象は、哺乳動物である。ある態様において、対象は、非ヒト哺乳動物である。家畜(veterinary)ワクチンにおける本明細書に記載の化合物の使用もまた、本開示の範囲内にある。「伴侶動物(companion animal)」は、本明細書に使用されるとき、ペットおよび他の家畜(domestic animals)を指す。伴侶動物の非限定例は、イヌおよびネコ;ウマ、畜牛(cattle)、ブタ、ヒツジ、ヤギ、およびニワトリなどの家畜類(livestock);ならびに、マウス、ラット、モルモット、およびハムスターなどの他の動物を包含する。ある態様において、対象は、イヌ、ネコ、ウシ(cow)、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの家畜化された(domesticated)動物である。ある態様において、対象は、イヌまたはネコなどの伴侶動物である。ある態様において、対象は、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギなどの家畜動物(livestock animal)である。ある態様において、対象は、動物園の動物である。別の態様において、対象は、齧歯類の動物(例として、マウス、ラット、モルモット、およびハムスター)などの実験動物、イヌ、ブタ、ウサギ、または非ヒト霊長目の動物である。ある態様において、動物は、遺伝子学的に改変された動物である。ある態様において、動物は、トランスジェニック動物(例として、トランスジェニックマウスおよびトランスジェニックブタ)である。ある態様において、対象は、魚類または爬虫類の動物である。
【0130】
ある態様において、細胞は、in vitroに存在する。ある態様において、細胞は、in vivoに存在する。
【0131】
本明細書に記載の医薬組成物は、薬理学の技術分野において知られているいずれの方法によっても調製され得る。一般に、かかる予備方法は、本明細書に記載の化合物(すなわち、「活性成分」)を担体もしくは賦形剤および/または1以上の他の副成分に結び付けること、ならびに次いで、必要および/または所望ならば、産物を所望の単回-もしくは複数回-用量ユニットに成形および/またはパッケージングするというステップを包含する。
【0132】
医薬組成物は、バルクで、単回単位用量として、および/または複数の単回単位用量として、調製され、パッケージングされ、および/または販売され得る。「単位用量」は、予め決められた量の活性成分を含む医薬組成物の不連続(discrete)な量である。活性成分の量は、一般に、対象へ投与されるであろう活性成分の投薬量、および/またはかかる投薬量の二分の一もしくは三分の一などの、かかる投薬量の使い勝手のよい(convenient)画分と等しい。
【0133】
本明細書に記載の医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容し得る賦形剤、および/またはいずれの追加成分の相対量は、処置される対象の固有性(identity)、サイズ、および/または疾病に応じて、およびさらに組成物が投与されるべきルートに応じて変動し得る。組成物は、0.1%と100%(w/w)との間で活性成分を含んでいてもよい。
【0134】
提供される医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容し得る賦形剤は、不活性希釈剤、分散および/または造粒剤、表面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、防腐剤、緩衝剤、平滑剤、および/または油を包含する。カカオバターおよび坐薬ワックスなどの賦形剤、着色剤、コーティング剤、甘味料、香味料(flavoring)、および香料(perfuming agents)もまた、組成物中に存在していてもよい。
【0135】
例示の希釈剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖、およびこれらの混合物を包含する。
【0136】
例示の造粒および/または分散剤は、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレー、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロース、および木製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル-ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(starch 1500)、微晶質デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物、およびこれらの混合物を包含する。
【0137】
例示の表面活性剤および/または乳化剤は、天然の乳化剤(例として、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイドクレー(例として、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびVeegum(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例として、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアラート、エチレングリコールジステアラート、グリセリルモノステアラート、およびプロピレングリコールモノステアラート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例として、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例として、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル類(例として、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(Tween(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween(登録商標)80)、ソルビタンモノパルミタート(Span(登録商標)40)、ソルビタンモノステアラート(Span(登録商標)60)、ソルビタントリステアラート(Span(登録商標)65)、グリセリルモノオレアート、ソルビタンモノオレアート(Span(登録商標)80))、ポリオキシエチレンエステル(例として、ポリオキシエチレンモノステアラート(Myrj(登録商標)45)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアラート、およびSolutol(登録商標))、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例として、Cremophor(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij(登録商標)30))、ポリ(ビニルピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウラート、トリエタノールアミンオレアート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic(登録商標)F-68、Poloxamer P-188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサート・ナトリウム、および/またはこれらの混合物を包含する。
【0138】
例示の結合剤は、デンプン(例として、コーンスターチおよびデンプン糊)、ゼラチン、糖(例として、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ゴム(例として、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワルゴム(panwar gum)、ガッチゴム(ghatti gum)、イサポール殻(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum(登録商標))、および落葉松アラボガラクタン)、アルギナート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリラート、ワックス、水、アルコール、および/またはこれらの混合物を包含する。
【0139】
例示の防腐剤は、抗酸化剤、キレート剤、抗微生物防腐剤、抗真菌防腐剤、抗原生動物防腐剤(antiprotozoan preservatives)、アルコール防腐剤、酸性防腐剤、およびその他の防腐剤を包含する。ある態様において、防腐剤は、抗酸化剤である。他の態様において、防腐剤は、キレート剤である。
【0140】
例示の抗酸化剤は、アルファ トコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムを包含する。
【0141】
例示のキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩および水和物(例として、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウム等)、クエン酸およびその塩および水和物(例として、クエン酸一水和物)、フマル酸およびその塩および水和物、リンゴ酸塩およびその塩および水和物、リン酸およびその塩および水和物、および酒石酸およびその塩および水和物を包含する。例示の抗微生物防腐剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールを包含する。
【0142】
例示の抗真菌防腐剤は、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸を包含する。
【0143】
例示のアルコール防腐剤は、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾアート、およびフェニルエチルアルコールを包含する。
【0144】
例示の酸性防腐剤は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ カロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸を包含する。
【0145】
その他の防腐剤は、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant(登録商標)Plus、Phenonip(登録商標)、メチルパラベン、Germall(登録商標)115、Germaben(登録商標)II、Neolone(登録商標)、Kathon(登録商標)、およびEuxyl(登録商標)を包含する。
【0146】
例示の緩衝剤は、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、リン酸カルシウムヒドロキシド(calcium hydroxide phosphate)、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリーの水、等張の生理食塩水、リンガー溶液、エチルアルコール、およびこれらの混合物を包含する。
【0147】
例示の平滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物を包含する。
【0148】
例示の天然油は、アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、ブラックカレント種子、ルリジサ、カデ、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナバ、ヒマシ油、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝臓、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、アマニ、ゲラニオール、ヘチマ、ブドウ種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リツェアクベバ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォームシード、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パーム核、桃仁、ピーナッツ、ケシの実、カボチャの種、菜種、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サザンカ、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチベル、クルミ、および小麦胚芽を包含する。例示的な合成油は、これらに限定はされないが、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコーン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびこれらの混合物を包含する。
【0149】
経口および非経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容し得るエマルション、マイクロエマルション、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を包含する。活性成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒などの、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸酢酸エチルエチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(例として、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルなどの、可溶化剤および乳化剤、およびこれらの混合物を含んでもよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤などのアジュバント、甘味料、香味料、および香料を包含し得る。非経口投与のためのある態様において、本明細書に記載のコンジュゲートは、Cremophor(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルバート、シクロデキストリン、ポリマー、およびこれらの混合物などの可溶化剤と混合される。
【0150】
注射可能な調製物、例えば、滅菌された注射可能な水性または油性の懸濁液は、好適な分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用し知られている技術(art)に従って製剤化され得る。滅菌された注射可能な調製は、非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤もしくは溶媒中の、例えば、溶液として1,3ブタンジオール中の、滅菌された注射可能な溶液、懸濁液、またはエマルションでもあり得る。許容し得るビヒクルおよび溶媒のうち、採用されてもよいものは、水、リンガー溶液、U.S.P.、および等張の塩化ナトリウム溶液である。加えて、滅菌された固定油は、溶媒または懸濁化媒体として従来採用されている。このために、合成モノ-またはジ-グリセリドを包含する、いずれの無菌性の(bland)固定油も採用され得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製において使用されている。
【0151】
注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターに通す濾過によって、あるいは使用に先立ち、滅菌水もしくは他の滅菌された注射可能な媒体に溶解(dissolved)または分散され得る滅菌された固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。
【0152】
薬物の効果を長引かせるために、皮下または筋肉内の注射からの薬物の吸収を遅らせることがしばしば所望される。これは、難水溶性の結晶またはアモルファス材料の液体懸濁液の使用によって達成され得る。薬物の吸収速度は次いで、その溶解速度に依存し、これは次に、結晶サイズおよび結晶形態に依存することもある。代替的に、非経口的に投与された薬物形態の遅延吸収は、油ビヒクル中に薬物を溶解または懸濁させることによって達成されることもある。
【0153】
直腸または膣内投与のための組成物は、典型的には、本明細書に記載の抱合体を、カカオバター、ポリエチレングリコール、または坐薬ワックスなどの好適な非刺激性の(non-irritating)賦形剤または担体(周囲温度では固体であるが体温では液体であり、したがって直腸または膣腔中で溶融して活性成分を放出する)と混合することによって調製され得る坐薬である。
【0154】
経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、および顆粒剤を含む。かかる固体剤形において、活性成分は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの少なくとも1種の不活性な、薬学的に許容し得る賦形剤または担体および/または(a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシアなどのバインダー、(c)グリセロールなどの湿潤剤(humectant)、(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、あるシリカート、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(e)パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarding agent)、(f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアラートなどの湿潤剤(wetting agent)、(h)カオリンおよびベントナイトクレーなどの吸収剤、ならびに(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤、およびこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤のケースにおいて、剤形は、緩衝剤を包含してもよい。
【0155】
同様のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を使用する、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル中の充填剤として採用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬理学の技術分野において知られている他のコーティングなどのコーティングおよび外郭(shells)で調製され得る。それらは、任意に不透明化剤を含んでいてもよく、それらが、活性成分(単数または複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管のある部分において、任意に遅延様式で、放出するという組成物から成り得る。使用され得るカプセル化組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを包含する。類似するタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を使用する、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル中の充填剤として採用され得る。
【0156】
活性成分は、上に述べたとおりの1以上の賦形剤をもつマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤分野において知られている他のコーティングなどの、コーティングおよび外郭で調製され得る。かかる固体剤形において、活性成分は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1個の不活性希釈剤と混和され得る。かかる固体剤形は、通常の実践の場合、不活性な希釈剤以外に追加の物質、例として、錠剤化潤滑剤および他の錠剤化補助剤(ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなど)を含んでいてもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤のケースにおいて、剤形は、緩衝剤を含んでいてもよい。それらは、任意に不透明化剤を含んでもよく、それらが、活性成分(単数または複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管のある部分において、任意に遅延様式で、放出するという組成物から成り得る。使用され得るカプセル化組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを包含する。
【0157】
本明細書に記載の化合物の局所および/または経皮投与のための剤形は、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉末剤、溶液剤、スプレー剤、吸入剤および/または貼付剤を包含してもよい。一般に、活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容し得る担体もしくは賦形剤および/または必要とされるいずれの防腐剤および/または必要に応じて緩衝剤と混和される。加えて、本開示は、経皮貼付剤の使用を企図し、これはしばしば、活性成分の身体への制御送達を提供するという追加の利点を有する。かかる剤形は、例えば、活性成分を適正な媒体に溶解および/または分配することによって、調製され得る。代わりにまたは加えて、速度は、速度制御膜を提供することおよび/または活性成分をポリマーマトリックスおよび/またはゲルに分散させることのいずれかにより、制御され得る。
【0158】
本明細書に記載の皮内医薬組成物の送達における使用に好適なデバイスは、短針デバイスを包含する。皮内組成物は、皮膚中への針の有効侵入長を限定するデバイスによって、投与され得る。代替的にまたは加えて、従来のシリンジは、皮内投与の古典的なマントー法において使用され得る。液体ジェット注射器を介しておよび/または角質層を貫通して真皮に達するジェットを生成する針を介して、液体製剤を真皮へ送達するジェット式注射デバイスは、好適である。圧縮ガスを使用することで粉末形態の化合物を皮膚の外側の層を通って真皮へと加速させる、衝撃(ballistic)粉末/粒子送達デバイスは、好適である。
【0159】
局所投与に好適な製剤は、これらに限定はされないが、リニメント剤、ローション剤などの液体調製物および/または半液体調製物、クリーム剤、軟膏剤などの水中油型および/または油中水型エマルション、および/またはペースト剤、および/または溶液剤および/または懸濁液剤を包含する。局所的に投与可能な製剤は、例えば、約1%から約10%(w/w)までの活性成分を含んでもよいが、活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の溶解限度まで高められる。局所投与のための製剤はさらに、本明細書に記載の1以上の追加成分を含んでいてもよい。
【0160】
本明細書に記載の医薬組成物は、口腔を介する経肺投与に好適な製剤において、調製、パッケージング、および/または販売され得る。かかる製剤は、有効成分を含み、約0.5から約7ナノメートルまで、または約1から約6ナノメートルまでの範囲の直径を有する、乾燥粒子を含んでもよい。かかる組成物は便宜上、乾燥粉末リザーバ(絶え間なく続く噴射剤がそれへと導かれることで粉末を分散させ得る)を含むデバイスを使用するか、および/または自己推進溶媒/粉末分注容器(密閉された容器中の低沸点噴射剤中に溶解および/または懸濁された活性成分を含むデバイスなど)を使用する、投与のための乾燥粉末の形態である。かかる粉末剤は、重量で少なくとも98%の粒子が、0.5ナノメートルより大きい直径を有し、数で少なくとも95%の粒子が、7ナノメートル未満の直径を有する、粒子を含む。代替的に、重量で少なくとも95%の粒子が、1ナノメートルより大きい直径を有し、数で少なくとも90%の粒子が、6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を包含してもよく、単位用量形態で便宜的に提供される。
【0161】
低沸点噴射剤は一般に、大気圧にて65°Fを下回る沸点を有する液体噴射剤を包含する。一般に噴射剤は、組成物の50~99.9%(w/w)を構成してもよく、活性成分は、組成物の0.1~20%(w/w)を構成してもよい。噴射剤はさらに、液体非イオン性および/または固体アニオン性の界面活性剤、および/または固体希釈剤(これは、有効成分を含む粒子と同程度の粒子サイズを有してもよい)などの、追加成分を含んでよい。
【0162】
経肺送達のために製剤化された本明細書に記載の医薬組成物は、溶液および/または懸濁液の液滴の形態で活性成分を提供してもよい。かかる製剤は、活性成分を含む水性のおよび/または希薄なアルコール性の溶液および/または懸濁液(任意に滅菌されていてもよい)として、調製、パッケージング、および/または販売され得、いずれの噴霧(nebulization)および/または微粒子化(atomization)デバイスをも使用して便宜上投与されてもよい。かかる製剤は、これらに限定されないが、香味剤(サッカリンナトリウムなど)、揮発性油、緩衝剤、表面活性剤、および/または防腐剤(メチルヒドロキシベンゾアートなど)を包含する1以上の追加成分をさらに含んでいてもよい。この投与ルートによって提供される液滴は、約0.1から約200ナノメートルまでの範囲にある平均直径を有していてもよい。
【0163】
本明細書に記載の製剤は、経肺送達に有用であるとおり、本明細書に記載の医薬組成物の鼻腔内送達にも有用である。鼻腔内投与に好適な別の製剤は、活性成分を含み、約0.2から500マイクロメートルまでの平均粒子有する粗粉末である。かかる製剤は、鼻孔近くに留めた粉末の容器から鼻道を通す迅速な吸入によって投与される。
【0164】
経鼻投与のための製剤は、例えば、活性成分を、わずか(as little as)約0.1%(w/w)から100%(w/w)までも(to as much as)含んでいてもよく、本明細書に記載の追加成分を1以上含んでいてもよい。本明細書に記載の医薬組成物は、口腔投与のための製剤に調製され、パッケージングされ、および/または販売され得る。かかる製剤は、例えば、従来の方法を使用し作製された錠剤および/またはトローチ剤の形態であってもよく、例えば、0.1~20%(w/w)活性成分を含有し、その残りは経口的に溶解可能な(dissolvable)および/または分解可能な(degradable)組成物、および任意に、本明細書に記載の追加成分を1以上含んでいてもよい。代わりに、口腔投与のための製剤は、活性成分を含む粉末および/またはエアロゾル化および/または微粒子化溶液および/または懸濁液を含んでいてもよい。かかる粉末状の、エアロゾル化された、および/またはエアロゾル化された製剤は、分散したとき、約0.1から約200ナノメートルまでの範囲にある粒子および/または液滴の平均サイズを有していてもよく、本明細書に記載の追加成分の1以上をさらに含んでいてもよい。
【0165】
本明細書に記載の医薬組成物は、点眼(ophthalmic administration)のための製剤に調製され、パッケージングされ、および/または販売され得る。かかる製剤は、例えば、水性もしくは油状の液体担体または賦形剤中0.1~1.0%(w/w)溶液および/または懸濁液の活性成分を包含する、例えば、点眼薬(eye drops)の形態であってもよい。かかる点眼薬は、緩衝剤、塩、および/またはその他の本明細書に記載の追加成分の1以上をさらに含んでいてもよい。他の有用な点眼可能な(opthalmically-administrable)製剤は、微結晶性の形態で、および/またはリポソーム調製物中に、活性成分を含む前記製剤を包含する。点耳薬(ear drops)および/または点眼薬もまた、本開示の範囲内にあるものとして企図される。
【0166】
本明細書に提供される医薬組成物の記載は主として、ヒトへの投与に好適な医薬組成物に向けられるものであるが、かかる組成物が一般に、あらゆる動物への投与に好適であることは、当業者によって理解されるであろう。様々な動物への投与に好適な組成物にするために、ヒトへの投与に好適な医薬組成物を改変することは十分に理解されており、通常の熟練した獣医の薬理学者(the ordinarily skilled veterinary pharmacologist)は、通常の実験法を用いてかかる改変を設計および/または実施し得る。
【0167】
本明細書に提供される化合物は、典型的には、投与の容易さおよび投薬量の均一性のために投薬量単位形態で製剤化されている。しかしながら、本明細書に記載の組成物の1日の総使用量は、堅実な医学的判断の範囲内で医師によって決められるであろうことが理解されるであろう。いずれの特定の対象または生物に対する具体的な治療有効用量レベルは、処置される疾患および障害の重症度;採用される具体的な活性成分の活性;採用される具体的な組成物;対象の年齢、体重、総体的な健康、性別、および食習慣;投与の時間、投与の経路、および採用される具体的な活性成分の排出速度;処置の期間;採用される具体的な活性成分と組み合わせて、またはこれと同時に使用される薬物;ならびに、医療分野において周知である同種の因子を包含する様々な因子に依存するであろう。
【0168】
本明細書に提供される化合物および組成物は、経腸(例として、経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、局所(粉末剤、軟膏剤、クリーム剤、および/または点滴剤によるとおり)、粘膜、経鼻、口腔内、舌下を包含する、いずれのルートによっても;気管内注入、気管支注入、および/または吸入によって;および/または経口スプレー、鼻腔スプレー、および/またはエアロゾルとして、投与され得る。具体的に企図されるルートは、経口投与、静脈内投与(例として、全身静脈内注射)、血液および/またはリンパ供給を介した局部投与、および/または患部への直接投与である。一般には、投与の最も適切なルートは、剤の性質(例として、胃腸管の環境においてのその安定性)、および/または対象の疾病(例として、対象が経口投与を忍容できるかどうか)を包含する様々な因子に依存するであろう。ある態様において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は、対象の目への局所投与に好適である。ある態様において、化合物または組成物は、皮内に、筋肉内に、膣内に、静脈内に、鼻腔内に、経口的に、皮下に、局所的に、および/または舌下に投与される。ある態様において、化合物または組成物は、予防的なものとして投与される。ある態様において、化合物または組成物は、別の免疫調節剤、免疫調節抗体、免疫調節生物製剤、または免疫応答を限定する分子経路のインヒビターとの併用治療として投与される。ある態様において、免疫調節剤は、パターン認識受容体アゴニスト(例として、ミョウバン(Alum)またはトール様受容体(TLR)アゴニスト)である。ある態様において、免疫調節抗体または免疫調節生物製剤は、サイトカイン、ケモカイン、またはコロニー刺激因子である。
【0169】
有効量を達成するために要求される化合物の正確な量は、例えば、対象の種、年齢、および総体的な疾病、副作用または障害の重症度、特定の化合物(単数または複数)の固有性、投与の様式等に依存して、対象毎に変動するであろう。有効量は、単回用量(例として、単回経口用量)または複数回用量(例として、複数回経口用量)において包含されてもよいである。ある態様において、複数回用量が対象へ投与されるか、または生体試料、組織、もしくは細胞へ適用されるとき、複数回用量のいずれか2回の用量は、本明細書に記載の化合物の、異なるかまたは実質的に同じ量を包含する。ある態様において、複数回用量が対象へ投与されるか、または生体試料、組織、もしくは細胞へ適用されるとき、複数回用量を対象へ投与するか、または複数回用量を生体試料、組織もしくは細胞へ適用する頻度は、1日につき3用量、1日につき2用量、1日につき1用量、1日おきに1用量、2日おきに1用量、毎週1用量、隔週1用量、3週毎に1用量、または4週毎に1用量である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与するか、または複数回用量を生体試料、組織、もしくは細胞へ適用する頻度は、1日あたり1用量である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与するか、または複数回用量を生体試料、組織、もしくは細胞へ適用する頻度は、1日あたり2用量である。ある態様において、複数回用量を対象へ投与するか、または複数回用量を生体試料、組織、もしくは細胞へ適用する頻度は、1日あたり3用量である。ある態様において、複数回用量が対象に投与されるか、または生体試料、組織、もしくは細胞へ適用されるとき、複数回用量の初回用量と終回用量との間の期間は、1日、2日、4日、1週間、2週間、3週間、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、6カ月、9カ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年、15年、20年、または対象、組織、もしくは細胞の寿命である。ある態様において、複数回用量の初回用量と終回用量との間の期間は、3カ月、6カ月、または1年である。ある態様において、複数回用量の初回用量と終回用量との間の期間は、対象、組織、または細胞の寿命である。ある態様において、本明細書に記載の用量(例として、単回用量または複数回用量のいずれかの用量)は独立して、本明細書に記載の化合物の、0.1μgと1μgとの間(両端を含む)、0.001mgと0.01mgとの間、0.01mgと0.1mgとの間、0.1mgと1mgとの間、1mgと3mgとの間、3mgと10mgとの間、10mgと30mgとの間、30mgと100mgとの間、100mgと300mgとの間、300mgと1,000mgとの間、または1gと10gとの間を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載の化合物の1mgと3mgとの間(両端を含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載の化合物の3mgと10mgとの間(両端を含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載の化合物の10mgと30mgとの間(両端を含む)を包含する。ある態様において、本明細書に記載の用量は独立して、本明細書に記載の化合物の30mgと100mgとの間(両端を含む)を包含する。
【0170】
本明細書に記載のとおりの用量範囲は、提供される医薬組成物の、成年者への投与のための指針を提供する。例えば、子ども(child)または若者(adolescent)へ投与されるべき量は、医師または当業者によって決定され得、成年者へ投与されるより少ないか、または同じであり得る。
【0171】
化合物または組成物は、本明細書に記載のとおり、1以上の追加の医薬品(例として、治療的におよび/または予防的に活性な剤)と組み合わせて投与され得る。化合物または組成物は、それらの活性(例として、疾患の処置をこれを必要とする対象においてすることにおける、疾患の予防をこれを必要とする対象においてすることにおける、対象、生体試料、組織、または細胞における免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を増強することにおける、活性(例として、効能および/または有効性))を改善するか、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)のためのワクチン中のアジュバントとして働くか、バイオアベイラビリティを改善するか、安全性を改善するか、薬物耐性を低減するか、代謝を低減および/または修飾するか、排出を阻害するか、および/または対象、生体試料、組織、もしくは細胞における分布を修飾する追加の医薬品と組み合わせて、あるいは独立型の抗感染または免疫応答の修飾剤として投与され得る。採用される治療が、同じ障害に対しても所望される効果を達成し得ること、および/または異なる効果を達成し得ることもまた、解されるであろう。ある態様において、本明細書に記載の化合物および追加の医薬品を包含する本明細書に記載の医薬組成物は、化合物と追加の医薬品とのうち一方を包含するが両方は包含しない医薬組成物にはない相乗効果を示す。
【0172】
化合物または組成物は、1以上の追加の医薬品と同時に、これに先立ち、またはこれに続いて投与され得るが、前記追加の医薬品は、例として、併用治療として有用なこともある。医薬品は、治療的に活性な剤を包含する。医薬品はまた、予防的に活性な剤も包含する。医薬品は、薬物化合物(例として、連邦規則集(CFR)に規定されるとおり米国食品医薬品局によってヒトへの使用または獣医学的使用が承認された化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に連結された小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞などの小有機分子を包含する。ある態様において、追加の医薬品は、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)を処置および/または予防するのに有用な医薬品である。各々の追加の医薬品は、その医薬品について決定された用量にておよび/または日程で投与されてもよい。追加の医薬品はまた、単回用量において、互いとともにおよび/または本明細書に記載の化合物もしくは組成物とともに投与されてもよく、あるいは異なる用量において、個別に投与されてもよい。レジメンに採用される具体的な組み合わせは、本明細書に記載の化合物の、追加の医薬品(単数または複数)との適合性、および/または達成されるべき所望の治療的および/または予防的効果を考慮するであろう。一般に、組み合わせにおける追加の医薬品(単数または複数)は、これらが個々に利用されるレベルを超えないレベルにて利用されることが期待される。いくつかの態様において、組み合わせにおいて利用されるレベルは、個々に利用されるレベルより低いものであろう。
【0173】
追加の医薬品は、これらに限定されないが、抗増殖剤、抗がん剤、抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、心血管作動薬、コレステロール降下剤、抗糖尿病剤、抗アレルギー剤、避妊剤、鎮痛剤、およびそれらの組み合わせを包含する。ある態様において、追加の医薬品は、抗増殖剤(例として、抗がん剤)である。ある態様において、追加の医薬品は、抗白血病剤である。あるの態様において、追加の医薬品は、ABITREXATE(メトトレキサート)、ADE、Adriamycin RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、Ambochlorin(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、ARZERRA(オファツムマブ)、BOSULIF(ボスチニブ)、BUSULFEX(ブスルファン)、CAMPATH(アレムツズマブ)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CLOFAREX(クロファラビン)、CLOLAR(クロファラビン)、CVP、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、ERWINAZE(Asparaginase Erwinia Chrysanthemi)、FLUDARA(フルダラビンリン酸エステル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、GAZYVA(オビヌツズマブ)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、Hyper-CVAD、ICLUSIG(ポナチニブ塩酸塩)、IMBRUVICA(イブルチニブ)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、MARQIBO(ビンクリスチン硫酸塩リポソーム)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、ミトキサントロン塩酸塩、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MYLERAN(ブスルファン)、NEOSAR(シクロホスファミド)、ONCASPAR(ペグアスパラガーゼ)、PURINETHOL(メルカプトプリン)、PURIXAN(メルカプトプリン)、ルビドマイシン(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、SYNRIBO(オマセタキシンメペスクシナート)、TARABINE PFS(シタラビン)、TASIGNA(ニロチニブ)、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、TRISENOX(三酸化ヒ素)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZYDELIG(イデラリシブ)、またはその組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品は、抗リンパ腫剤である。ある態様において、追加の医薬品は、ABITREXATE(メトトレキサート)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、ADCETRIS(ブレンツキシマブベドチン)、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRIAMYCIN RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、AMBOCHLORIN(クロラムブシル)、AMBOCLORIN(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、BEACOPP、BECENUM(カルムスチン)、BELEODAQ(ベリノスタット)、BEXXAR(トシツモマブおよびヨウ素I131トシツモマブ)、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CARMUBRIS(カルムスチン)、CHOP、CLAFEN(シクロホスファミド)、COPP、COPP-ABV、CVP、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DEPOCYT(シタラビンリポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EPOCH、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLOTYN(プララトレキサート)、HYPER-CVAD、ICE、IMBRUVICA(イブルチニブ)、INTRON A(組み換え体インターフェロンアルファ-2b)、ISTODAX(ロミデプシン)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、ロムスチン、MATULANE(プロカルバジン塩酸塩)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、MOPP、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、OEPA、ONTAK(デニロイキンディフティトックス)、OPPA、R-CHOP、REVLIMID(レナリドミド)、RITUXAN(リツキシマブ)、STANFORD V、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、VAMP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZEVALIN(イブリツモマブチウキセタン)、ZOLINZA(ボリノスタット)、ZYDELIG(イデラリシブ)、またはその組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品は、REVLIMID(レナリドミド)、DACOGEN(デシタビン)、VIDAZA(アザシチジン)、CYTOSAR-U(シタラビン)、IDAMYCIN(イダルビシン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン)、LEUKERAN(クロラムブシル)、NEOSAR(シクロホスファミド)、FLUDARA(フルダラビン)、LEUSTATIN(クラドリビン)、またはその組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品は、ABITREXATE(メトトレキサート)、ABRAXANE(アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤)、AC、AC-T、ADE、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRUCIL(フルオロウラシル)、AFINITOR(エベロリムス)、AFINITOR DISPERZ(エベロリムス)、ALDARA(イミキモド)、ALIMTA(ペメトレキセド二ナトリウム)、AREDIA(パミドロン酸二ナトリウム)、ARIMIDEX(アナストロゾール)、AROMASIN(エキセメスタン)、AVASTIN(ベバシズマブ)、BECENUM(カルムスチン)、BEP、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CAF、CAMPTOSAR(イリノテカン塩酸塩)、CAPOX、CAPRELSA(バンデタニブ)、CARBOPLATIN-TAXOL、CARMUBRIS(カルムスチン)、CASODEX(ビカルタミド)、CEENU(ロムスチン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CERVARIX(組み換え体HPV二価ワクチン)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CMF、COMETRIQ(カボザンチニブ-s-リンゴ酸塩)、COSMEGEN(ダクチノマイシン)、CYFOS(イホスファミド)、CYRAMZA(ラムシルマブ)、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DACOGEN(デシタビン)、DEGARELIX、DOXIL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DOXORUBICIN HYDROCHLORIDE、DOX-SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EFUDEX(フルオロウラシル)、ELLENCE(エピルビシン塩酸塩)、ELOXATIN(オキサリプラチン)、ERBITUX(セツキシマブ)、ERIVEDGE(ビスモデギブ)、ETOPOPHOS(リン酸エトポシド)、EVACET(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、FARESTON(トレミフェン)、FASLODEX(フルベストラント)、FEC、FEMARA(レトロゾール)、FLUOROPLEX(フルオロウラシル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLFIRI、FOLFIRI-BEVACIZUMAB、FOLFIRI-CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、FU-LV、GARDASIL(組み換え体ヒトパピローマウイルス(HPV)四価ワクチン)、GEMCITABINE-CISPLATIN、GEMCITABINE-OXALIPLATIN、GEMZAR(ゲムシタビン塩酸塩)、GILOTRIF(アファチニブ二マレイン酸塩)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、GLIADEL(カルムスチンインプラント)、GLIADEL WAFER(カルムスチンインプラント)、HERCEPTIN(トラスツズマブ)、HYCAMTIN(トポテカン塩酸塩)、IFEX(イホスファミド)、IFOSFAMIDUM(イホスファミド)、INLYTA(アキシチニブ)、INTRON A(組み換え体インターフェロンアルファ-2b)、IRESSA(ゲフィチニブ)、IXEMPRA(イキサベピロン)、JAKAFI(ルキソリチニブリン酸塩)、JEVTANA(カバジタキセル)、KADCYLA(ado-トラスツズマブエムタンシン)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、KYPROLIS(カルフィルゾミブ)、LIPODOX(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、LUPRON(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-3 MONTH(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-4 MONTH(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-PED(酢酸ロイプロリド)、MEGACE(酢酸メゲストロール)、MEKINIST(トラメチニブ)、METHAZOLASTONE(テモゾロミド)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、MITOXANTRONE HYDROCHLORIDE、MITOZYTREX(マイトマイシンc)、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MUTAMYCIN(マイトマイシンc)、MYLOSAR(アザシチジン)、NAVELBINE(ビノレルビン酒石酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、NEXAVAR(ソラフェニブトシル酸塩)、NOLVADEX(タモキシフェンクエン酸塩)、NOVALDEX(タモキシフェンクエン酸塩)、OFF、PAD、PARAPLAT(カルボプラチン)、PARAPLATIN(カルボプラチン)、PEG-INTRON(ペグインターフェロンアルファ-2b)、PEMETREXED DISODIUM、PERJETA(ペルツズマブ)、PLATINOL(シスプラチン)、PLATINOL-AQ(シスプラチン)、POMALYST(ポマリドミド)、プレドニゾン、PROLEUKIN(アルデスロイキン)、PROLIA(デノスマブ)、PROVENGE(シプリューセル-t)、REVLIMID(レナリドミド)、RUBIDOMYCIN(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、STIVARGA(レゴラフェニブ)、SUTENT(スニチニブリンゴ酸塩)、SYLATRON(ペグインターフェロンアルファ-2b)、SYLVANT(シルツキシマブ)、SYNOVIR(サリドマイド)、TAC、TAFINLAR(ダブラフェニブ)、TARABINE PFS(シタラビン)、TARCEVA(エルロチニブ塩酸塩)、TASIGNA(ニロチニブ)、TAXOL(パクリタキセル)、TAXOTERE(ドセタキセル)、TEMODAR(テモゾロミド)、THALOMID(サリドマイド)、TOPOSAR(エトポシド)、TORISEL(テムシロリムス)、TPF、TRISENOX(三酸化ヒ素)、TYKERB(ラパチニブ二トシル酸塩)、VECTIBIX(パニツムマブ)、VEIP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VEPESID(エトポシド)、VIADUR(酢酸ロイプロリド)、VIDAZA(アザシチジン)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、VOTRIENT(パゾパニブ塩酸塩)、WELLCOVORIN(ロイコボリンカルシウム)、XALKORI(クリゾチニブ)、XELODA(カペシタビン)、XELOX、XGEVA(デノスマブ)、XOFIGO(塩化ラジウム223)、XTANDI(エンザルタミド)、YERVOY(イピリムマブ)、ZALTRAP(ziv-アフリベルセプト)、ZELBORAF(ベムラフェニブ)、ZOLADEX(ゴセレリン酢酸塩)、ZOMETA(ゾレドロン酸)、ZYKADIA(セリチニブ)、ZYTIGA(酢酸アビラテロン)、ENMD-2076、PCI-32765、AC220、ドビチニブ(dovitinib)乳酸塩(lactate)(TKI258、CHIR-258)、BIBW 2992(TOVOKTM)、SGX523、PF-04217903、PF-02341066、PF-299804、BMS-777607、ABT-869、MP470、BIBF 1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ-26483327、MGCD265、DCC-2036、BMS-690154、CEP-11981、チボザニブ(AV-951)、OSI-930、MM-121、XL-184、XL-647、および/またはXL228)、プロテアソームインヒビター(例として、ボルテゾミブ(Velcade))、mTORインヒビター(例として、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD-001)、リダフォロリムス、AP23573(Ariad)、AZD8055(AstraZeneca)、BEZ235(Novartis)、BGT226(Norvartis)、XL765(Sanofi Aventis)、PF-4691502(Pfizer)、GDC0980(Genetech)、SF1126(Semafoe)およびOSI-027(OSI))、オブリメルセン、ゲムシタビン、カルミノマイシン、ロイコボリン、ペメトレキセド、シクロホスファミド、ダカルバジン、プロカルバジン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、カンプトテシン、プリカマイシン、アスパラギナーゼ、アミノプテリン、メトプテリン、ポルフィロマイシン、メルファラン、ロイロシジン(leurosidine)、ロイロシン、クロラムブシル、トラベクテジン、プロカルバジン、ディスコデルモリド、カルミノマイシン、アミノプテリン、およびヘキサメチルメラミン、またはそれらの組み合わせである。ある態様において、追加の医薬品は、HMT(例として、EZH1、EZH2、DOT1)のバインダーまたはインヒビターである。ある態様において、追加の医薬品は、タンパク質キナーゼインヒビター(例として、チロシンタンパク質キナーゼインヒビター)である。ある態様において、追加の剤は、エピジェネティックなまたは転写のモジュレーター(例として、DNAメチルトランスフェラーゼインヒビター、ヒストンデアセチラーゼインヒビター(HDACインヒビター)、リシンメチルトランスフェラーゼインヒビター)、抗有糸分裂薬(例として、タキサンおよびビンカアルカロイド)、ホルモン受容体モジュレーター(例として、エストロゲン受容体モジュレーターおよびアンドロゲン受容体モジュレーター)、細胞シグナリング経路インヒビター(例として、チロシンタンパク質キナーゼインヒビター)、タンパク質安定性のモジュレーター(例として、プロテアソームインヒビター)、Hsp90インヒビター、グルココルチコイド、オールトランス型レチノイン酸、ならびに分化を促進する他の剤からなる群から選択される。ある態様において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は、抗がん治療(これらに限定されないが、外科手術、放射線治療、移植(例として、幹細胞移植、骨髄移植)、免疫治療、および化学治療を包含する)と組み合わせて投与され得る。
【0174】
また本開示に網羅されるものには、キット(例として、製薬パック(pharmaceutical packs))もある。提供されるキットは、本明細書に記載の医薬組成物または化合物および容器(例として、バイアル、アンプル、瓶、シリンジ、および/またはディスペンサパッケージ、または他の好適な容器)を含んでいてもよい。いくつかの態様において、提供されるキットは、任意に、本明細書に記載の医薬組成物もしくは化合物の希釈または懸濁のための製薬用(pharmaceutical)賦形剤を含む第2容器をさらに包含していてもよい。いくつかの態様において、第1容器および第2容器において提供される本明細書に記載の医薬組成物または化合物は、1単位剤形を形成するために組み合わされる。
【0175】
よって、一側面において、提供されるのは、本明細書に記載の化合物または医薬組成物を含む第1容器を包含するキットである。ある態様において、キットは、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)の処置を、これを必要とする対象においてするのに有用である。ある態様において、キットは、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)の予防を、これを必要とする対象においてするのに有用である。ある態様において、キットは免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)の増強因子および/または修飾因子、および/または、対象、生体試料、組織、もしくは細胞における疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、もしくは慢性疾患)のためのワクチン中のアジュバントとして、あるいは、独立型の抗感染または免疫応答の修飾剤として、有用である。
【0176】
ある態様において、本明細書に記載のキットは、キット中に包含される化合物または医薬組成物を使用するための指示をさらに包含している。本明細書に記載のキットはまた、米国食品医薬品局(FDA)などの規制当局(regulatory agency)によって要求されるとおりの情報をも包含していてもよい。ある態様において、キット中に包含される情報は、処方情報である。ある態様において、キットおよび指示は、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)の処置を、これを必要とする対象に提供する。ある態様において、キットおよび指示は、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)の予防を、これを必要とする対象に提供する。ある態様において、キットおよび指示は、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)の増強を、対象、生体試料、組織、または細胞に提供する。ある態様において、キットおよび指示は、対象、生体試料、組織、もしくは細胞における疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、もしくは慢性疾患)のためのワクチン中のアジュバントとしての、または独立型の抗感染もしくは免疫応答の修飾剤としての、化合物の使用を提供する。本明細書に記載のキットは、本明細書に記載の1以上の追加の医薬品を別々の組成物として包含していてもよい。
【0177】
処置の方法および使用
本明細書に記載の化合物は、免疫応答 (例として、先天性および/または適応免疫応答)を増強することが可能である。よって本開示はまた、対象、生体試料、組織、または細胞における免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を増強する方法をも提供する。本開示はさらに、化合物の、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、および慢性疾患などの広範な疾患の処置のためのワクチン中のアジュバントとしての使用を、または独立型の抗感染または免疫応答の修飾剤としての使用を、これを必要とする対象においてする方法を提供する。
【0178】
別の側面において、本開示は、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を増強する方法を提供するが、方法は、有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を対象へ投与することを含む。
【0179】
別の側面において、本開示は、生体試料、組織、または細胞における免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を増強する方法を提供するが、方法は、生体試料、組織、または細胞を、有効量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物に接触させることを含む。
【0180】
ある態様において、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)は、本明細書に記載の化合物、医薬組成物、キット、使用、または方法によって、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%の差で増強される。ある態様において、対象、生体試料、組織、または細胞における免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)は、本明細書に記載の化合物、医薬組成物、キット、使用、または方法によって、1%以下、3%以下、10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、または90%以下の差で増強される。
【0181】
本開示の別の側面は、化合物の、疾患を処置するためのワクチン中のアジュバントとしての使用を、これを必要とする対象においてする方法に関し、方法は、治療的に有効な量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を対象へ投与することを含む。いくつかの本開示の側面は、ワクチンを、サブユニットワクチン、弱毒化ワクチン、または結合型ワクチンとして提供する。いくつかの態様において、ワクチンは、弱毒化されているか否か、不活性化されているか否か、または死滅されているか否かにかかわらず、対象の免疫系を刺激して抗原を外来のものとして認識させ、対象が後に病原体へ曝露された場合に対象の免疫応答を増強させる。ワクチンは、予防的であってもよく(例えば、病原体への今後の曝露による有害作用を予防もしくは緩和させる(ameliorating))、または治療的であってもよい(例えば、対象が病原体へ曝露された後に病原体に対する対象の免疫応答を活性化させる)。いくつかの態様において、ワクチン組成物は、疾患(例として、感染症もしくはがん)に対して生物を保護または処置するために使用される。いくつかの態様において、ワクチンは、サブユニットワクチン(例として、組み換えサブユニットワクチン)、弱毒化ワクチン(例として、細菌細胞もしくはウイルスゲノムなどの弱毒化病原体を含有する)、生(live)ワクチン(例として、細菌もしくはウイルスなどの弱毒化生病原体を含有する)、または抱合ワクチン(例として、より免疫原性が高い抗原へ共有結合的に付着された、あまり免疫原性が高くない抗原を含有するワクチン)である。抱合ワクチンの1つの非限定例は、強いタンパク質抗原へ付着されたLPSを含む。本開示の別の側面は、独立型の抗感染または免疫応答の修飾剤としての化合物の使用を、これを必要とする対象においてする方法に関し、方法は、治療的に有効な量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を対象へ投与することを含む。
【0182】
ある態様において、本明細書に記載の疾患は、増殖性疾患である。ある態様において、本明細書に記載の疾患は、がんである。ある態様において、本明細書に記載の疾患は、過形成(例として、胚中心(GC)過形成)である。ある態様において、本明細書に記載の疾患は、脳がん、乳房がん、または前立腺がんである。ある態様において、本明細書に記載の疾患は、良性新生物である。ある態様において、本明細書に記載の疾患は、病的な血管新生であるか、またはこれに関連する。ある態様において、本明細書に記載の疾患は、炎症性疾患である。ある態様において、本明細書に記載の疾患は、自己免疫疾患である。ある態様において、本明細書に記載の疾患は、感染症である。ある態様において、本明細書に記載の疾患は、(例として、抗酸菌、細菌、真菌、ウイルス、寄生体、またはプリオンからの)微生物病原体による感染症である。ある態様において、本明細書に記載の疾患は、微生物感染症である。ある態様において、感染症は、ウイルス感染症である。ある態様において、処置または予防されているウイルス感染症は、インフルエンザによる感染症である。ある態様において、感染症は、敗血症である。ある態様において、感染症は、小児感染症である。ある態様において、感染症は、新生子、未成年者、および/または学齢児童の疾患である。ある態様において、感染症は、アレルギーである。
【0183】
ある態様において、感染症は、細菌感染症である。ある態様において、処置または予防されている細菌感染症は、グラム陽性細菌による感染症である。例示のグラム陽性細菌は、これらに限定されないが、Staphylococcus spp.、Streptococcus spp.、Micrococcus spp.、Peptococcus spp.、Peptostreptococcus spp.、Enterococcus spp.、Bacillus spp.、Clostridium spp.、Lactobacillus spp.、Listeria spp.、Erysipelothrix spp.、Propionibacterium spp.、Eubacterium spp.、Corynebacterium spp.、Capnocytophaga spp.、Bifidobacterium spp.、およびGardnerella spp.を包含する。例示のグラム陽性細菌は、これらに限定されないが、Staphylococcus spp.、Streptococcus spp.、Micrococcus spp.、Peptococcus spp.、Peptostreptococcus spp.、Enterococcus spp.、Bacillus spp.、Clostridium spp.、Lactobacillus spp.、Listeria spp.、Erysipelothrix spp.、Propionibacterium spp.、Eubacterium spp.、およびCorynebacterium spp.を包含する。ある態様において、グラム陽性細菌は、ファーミキューテス門の細菌である。ある態様において、グラム陽性細菌は、Streptococcusである。
【0184】
ある態様において、治療または予防されている細菌感染症は、グラム陰性細菌による感染症である。例示のグラム陰性細菌種は、これらに限定されないが、Escherichia、Citrobacter、Enterobacter、Klebsiella、Proteus、Serratia、Shigella、Salmonella、Morganella、Providencia、Edwardsiella、Erwinia、Hafnia、Yersinia、Acinetobacter、Vibrio、Aeromonas、Pseudomonas、Haemophilus、Pasteurella、Campylobacter、Helicobacter、Branhamella、Moraxella、Neisseria、Veillonella、Fusobacterium、Bacteroides、Actinobacillus、Aggregatibacter、Agrobacterium、Porphyromonas、Prevotella、Ruminobacter、Roseburia、Caulobacter、Francisella、Borrelia、Treponema、Brucella、Bordetella、およびRickettsiaを包含する。いくつかの態様において、細菌性感染因子は、Bacillus anthracis(炭疽病を引き起こす)、Bordetella pertussis(百日咳を引き起こす)、Corynebacterium diphtheriae(ジフテリアを引き起こす)、Clostridium tetani(破傷風を引き起こす)、Haemophilus influenzae b型、pneumococcus(肺炎球菌感染症を引き起こす)、Staphylococci spp.(A群もしくはB群連鎖球菌を包含する)、Mycobacterium tuberculosis、Neiserria meningitidis(髄膜炎菌性疾患を引き起こす)、Salmonella typhi(腸チフスを引き起こす)、Vibrio cholerae(コレラを引き起こす)、またはYersinia pestis(ペストを引き起こす)である。いくつかの態様において、細菌性感染因子は、炭疽病、ジフテリア、破傷風、Bordetella spp.、Haemophilus influenzae b型、Neiserria spp.、Vibrio spp.、コレラ、Yersinia spp.、Staphylococci spp.、Streptococci spp.、またはSalmonella spp.である。いくつかの態様において、細菌感染症は、炭疽病、ジフテリア、破傷風、百日咳、Haemophilus influenzae b型、肺炎球菌感染症、髄膜炎菌性疾患、コレラ、ペスト、ブドウ球菌性の疾患(Staphylococcal disease)、A群もしくはB群連鎖球菌または肺炎球菌感染症、あるいは腸チフスである。
【0185】
ある態様において、グラム陰性細菌は、Bordetella pertussisである。ある態様において、細菌感染症は、百日咳である。いくつかの態様において、抗原は、グラム陰性細菌からのリポ多糖内毒素(LPS)である。グラム陰性細菌の種の非限定例は、以下:Neisseria gonorrhoeaeおよびNeisseria meningitidisを包含するNeisseria種、Branhamella catarrhalisを包含するBranhamella種、Escherichia coliを包含するEscherichia種、Enterobacter種、Proteus mirabilisを包含するProteus種、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas mallei、およびPseudomonas pseudomalleiを包含するPseudomonas種、Klebsiella pneumoniaeを包含するKlebsiella種、Salmonella種、Shigella種、Serratia種、Acinetobacter種;Haemophilus influenzaeおよびHaemophilus ducreyiを包含するHaemophilus種;Brucella種、Yersinia pestisおよびYersinia enterocoliticaを包含するYersinia種、Francisella tularensisを包含するFrancisella種、Pasteurella multocidaを包含するPasturella種、Vibrio cholerae、Flavobacterium種、meningosepticum、Campylobacter jejuniを包含するCampylobacter種、Bacteroides fragilisを包含するBacteroides種(経口、咽頭)、Fusobacterium nucleatumを包含するFusobacterium種、Calymmatobacterium granulomatis、Streptobacillus moniliformisを包含するStreptobacillus種、Legionella pneumophilaを包含するLegionella種を包含する。
【0186】
他のタイプの細菌は、抗酸菌、スピロヘータ、および放線菌を包含する。抗酸菌の例は、Mycobacterium tuberculosisおよびMycobacterium lepraeを包含するMycobacterium種を包含する。スピロヘータの例は、Treponema pallidum、Treponema pertenueを包含するTreponema種、Borrelia burgdorferi(ライム病)、およびBorrelia recurrentisを包含するBorrelia種、およびLeptospira種を包含する。放線菌の例は、以下:Actinomyces israeliiを包含するActinomyces種、およびNocardia asteroidesを包含するNocardia種を包含する。
【0187】
ある態様において、細菌は、Escherichia spp.、Enterobacter spp.(例として、Enterobacter cloacae)、Salmonella spp.(例として、Salmonella enteritidis、Salmonella typhi)、Shigella spp.、Pseudomonas spp.(例として、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas pachastrellae、Pseudomonas stutzeri)、Moraxella spp.(例として、Moraxella catarrhalis)、Neisseria spp.(例として、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis)、Helicobacter spp.(例として、Helicobacter pylori)、Stenotrophomonas spp.、Vibrio spp.(例として、Vibrio cholerae)、Legionella spp.(Legionella pneumophila)、Hemophilus spp.(例として、Hemophilus influenzae)、Klebsiella spp.(例として、Klebsiella pneumoniae)、Proteus spp.(例として、Proteus mirabilis)、Serratia spp.(Serratia marcescens)、Streptococcus spp.、Staphylococcus spp.、Corynebacterium spp.、Listeria spp.、およびClostridium spp.、Bacillus spp.(例として、Bacillus anthracis)、Bordetella spp.(例として、Bordetella pertussis);Borrelia spp.(例として、Borrelia burgdorferi);Brucella spp.(例として、Brucella abortus、Brucella canis、Brucella melitensis、Brucella suis);Campylobater spp.(例として、Campylobater jejuni);Chlamydia spp.およびChlamydophila spp.(例として、Chlamydia pneumoniae、Chlamydia trachomatis、Chlamydophila psittaci);Clostridium spp.(例として、Clostridium botulinum、Clostridium difficile、Clostridium perfringens、Clostridium tetani);Corynebacterium spp.(例として、Corynebacterium diphtheriae);Enterococcus spp.(例として、Enterococcus faecalis、Enterococcus faecium);Escherichia spp.(例として、Escherichia coli、Enterotoxic E.coli、enteropathogenic E.coli;E.coli O157:H7);Francisella spp.(例として、Francisella tularensis);Haemophilus spp.(例として、Haemophilus influenzae);Helicobacter spp.(例として、Helicobacter pylori);Legionella spp.(例として、Legionella pneumophila);Leptospira spp.(例として、Leptospira interrogans);Listeria spp.(例として、Listeria monocytogenes);Mycobacterium spp.(例として、Mycobacterium leprae、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium ulcerans);Mycoplasma spp.(例として、Mycoplasma pneumoniae);Neisseria spp.(例として、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis);Pseudomonas spp.(例として、Pseudomonas aeruginosa);Rickettsia spp.(例として、Rickettsia rickettsii);Salmonella spp.(例として、Salmonella typhi、Salmonella typhimurium);Shigella spp.(例として、Shigella sonnei);Staphylococcus spp.(例として、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus saprophyticus);Streptococcus spp.(例として、Streptococcus agalactiae、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes);Treponema spp.(例として、Treponema pallidum);Pseudodiomarina spp.(例として、P.maritima);Marinobacter spp.(例として、Marinobacter hydrocarbonoclasticus、Marinobacter vinifirmus)、Alcanivorax spp.(例として、alcanivorax dieselolei);Acetinobacter spp.(例として、A.venetianus);Halomonas spp.(例として、H.shengliensis);Labrenzia spp.;Microbulifer spp.(例として、M.schleiferi);Shewanella spp.(例として、S.algae);Vibrio spp.(例として、Vibrio cholerae、Vibrio alginolyticus、Vibrio hepatarius);およびYersinia spp.(例として、Yersinia pestis)である。
【0188】
ある態様において、感染症は、がんである。ある態様において、感染症は、線維症、心血管疾患、移植片拒絶、または移植片対宿主病である。ある態様において、細菌感染症は、炭疽病、ジフテリア、破傷風、百日咳、Haemophilus influenzae b型、肺炎球菌感染症、髄膜炎菌性疾患、コレラ、ペスト、ブドウ球菌性の疾患(Staphylococcal disease)、A群もしくはB群連鎖球菌または肺炎球菌感染症、あるいは腸チフスある態様において、感染症は、マイコバクテリア感染症(mycobacterial infectious disease)である。ある態様において、マイコバクテリア感染症は、結核感染または非結核性抗酸菌症(non-tuberculous mycobacterial infection)である。
【0189】
ある態様において、感染症は、ウイルス感染症である。ある態様において、ウイルス感染症は、レトロウイルス、HIV-1、HDTV-III、LAVE、HTLV-III/LAV、HIV-III、HIV-LPを包含するヒト免疫不全ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、カリシウイルス、トガウイルス、ウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス、フラビウイルス、デングウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス、コロナウイルス、ラブドウイルス、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス、フィロウイルス、エボラウイルス、パラミクソウイルス、パラインフルエンザウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、オルトミクソウイルス、インフルエンザウイルス、ブニアウイルス、ハンターンウイルス、フレボウイルスおよびナイロウイルス、アレナウイルス、出血熱ウイルス、レオウイルス、オルビウイルス、ロタウイルス、ビルナウイルス、ヘパドナウイルス、B型肝炎ウイルス、パルボウイルス、パポバウイルス科、パピローマウイルス、ポリオーマウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス1および2を包含するヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ポックスウイルス、天然痘ウイルス、ワクシニアウイルス、イリドウイルス、アフリカ豚熱ウイルス、デルタ肝炎ウイルス、非A型、非B型肝炎ウイルス、C型肝炎、ノーウォークウイルス、アストロウイルス、および未分類のウイルスによる感染症である。ある態様において、ウイルス感染症は、アデノウイルス、灰白髄炎、エボラ、ヘルペスウイルス(例として、単純ヘルペスウイルス)、サイトメガロウイルスおよび水痘帯状疱疹、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、ヒトパピローマウイルス、インフルエンザ、狂犬病、日本脳炎、ロタウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、天然痘、黄熱病、またはジカウイルスによる感染症である。ある態様において、ウイルス感染症は、ポリオ、水痘、または帯状疱疹である。ある態様において、ウイルス感染症は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)または呼吸器合胞体ウイルス(RSV)による感染症である。ある態様において、感染症は、寄生虫感染症である。ある態様において、寄生虫感染症は、マラリア、Leishmania、別の原生動物、または蠕虫による感染症である。ある態様において、寄生虫感染症は、Plasmodium falciparum、Plasmodium malariae、Plasmodium ovale、およびPlasmodium vivaxを包含するPlasmodium種などのPlasmodium種、ならびにToxoplasma gondiiによる感染症である。血液感染性の寄生体および/または組織寄生体は、Plasmodium種、Babesia microtiおよびBabesia divergensを包含するBabesia種、Leishmania tropica、Leishmania種、Leishmania braziliensis、Leishmania donovaniを包含するLeishmania種、Trypanosoma gambiense、Trypanosoma rhodesiense(アフリカ睡眠病)、およびTrypanosoma cruzi(シャーガス病)を包含するTrypanosoma種を包含する。ある態様において、寄生虫感染症は、マラリアまたはリーシュマニア症である。
【0190】
ある態様において、感染症は、真菌感染症である。ある態様において、真菌感染症は、Crytococcus neoformansを包含するCryptococcus種、Histoplasma capsulatumを包含するHistoplasma種、Coccidioides immitisを包含するCoccidioides種、Paracoccidioides brasiliensisを包含するParacoccidioides種、Blastomyces dermatitidisを包含するBlastomyces種、Chlamydia trachomatisを包含するChlamydia種、Candida albicansを包含するCandida種、Sporothrix schenckiiを包含するSporothrix種、Aspergillus種、およびムコール菌症の真菌である。いくつかの態様において、真菌は、Candida spp.、Aspergillus spp.、Cryptococcus spp.、Mucormycete、Blastomyces dermatitidis(ブラストミセス症を引き起こす)、またはHistoplasma capsulatum(ヒストプラスマ症を引き起こす)、もしくはSporothrix schenckii(スポロトリクム症を引き起こす)などの風土性の真菌症を引き起こす真菌である。ある態様において、ワクチンは、広範な病原体に対する異種の保護を提供する。医学的に関係のある他の微生物は文献に広範に記載されており、例として、C. G. Thomas, Medical Microbiology, Bailliere Tindall, Great Britain 1983を参照。これは参照により本明細書に組み込まれる。ある態様において、本明細書に記載の疾患は、慢性疾患である。ある態様において、慢性疾患は、関節炎、心臓疾患などの心血管疾患、脳卒中、がん(例として、乳房がんもしくは結腸がん)、慢性呼吸器疾患、糖尿病、てんかん、発作、肥満、または口腔衛生の問題である。
【0191】
いっそう別の側面において、本開示は、本明細書に記載の化合物または医薬組成物で処置されるはずの疾患の予防を、これを必要とする対象においてする方法を提供するが、方法は、予防的に有効な量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を対象へ投与することを含む。
【0192】
別の側面において、本開示は、本明細書に記載の方法(例として、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を増強する方法、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)を処置する方法、ならびに疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、もしくは慢性疾患)のための医薬またはワクチン中のアジュバントとして化合物を使用することによって疾患を処置および/または予防する方法)における使用、あるいは独立型の抗感染または免疫応答の修飾剤としての使用のための本明細書に記載の化合物を提供する。ある態様において、本開示は、免疫調節物質としての使用のための本明細書に記載の化合物を提供する。ある態様において、医薬は、免疫調節物質である。
【0193】
別の側面において、本開示は、対象における増殖性疾患を処置および/または予防することにおける使用のための本明細書に記載の化合物を提供する。別の側面において、本開示は、医薬としての使用のための本明細書に記載の化合物を提供する。
【0194】
いっそう別の側面において、本開示は、本明細書に記載の方法(例として、免疫応答(例として、先天性免疫応答および/または適応免疫応答)を増強する方法、疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、または慢性疾患)を処置する方法、ならびに疾患(例として、増殖性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、感染症、もしくは慢性疾患)のための医薬またはワクチン中のアジュバントとして化合物を使用することによって疾患を処置および/または予防する方法)における使用、あるいは独立型の抗感染または免疫応答の修飾剤としての使用のための本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0195】

本開示がより完全に(fully)理解されるために、以下の例を明記する(set forth)。本出願に記載の合成例および生物学的な例は、本明細書に提供される化合物、医薬組成物、および方法を説明するために用意し(offered)たものであって、形はどうあれそれらの範囲を限定するものとして解釈するべきではない。
【0196】
本明細書に記載の化合物の調製
本明細書に提供される化合物は、以下の一般の方法および手順を使用して容易に入手可能な出発材料から調製され得る。例えば、式(I)で表される化合物は、スキーム1に従い調製され得る。典型的なまたは好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力等々)が与えられている場合、他のプロセス条件もまた、そのように述べられない限り使用され得る。最適反応条件は、使用される具体的な反応物または溶媒とともに変動することもあるが、かかる条件は、当業者による定型的な最適化手順によって決定され得る。
【0197】
例の調製
スキーム1-例1の調製
【化32】
【0198】
2-ブロモ-1-(4-メチル-3-ニトロフェニル)エタノン(1)
【化33】

4'-メチルアセトフェノン(1g、7.5mmol)を濃(conc.)H2SO4(10mL)に溶解し溶液0℃まで冷却した。KNO3(1g、9.9mmol)を分けて(in portions)加えて混合物を0℃にて2時間撹拌し、次いで砕いた氷(100g)上へ注いでEtOAc(2×50mL)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し濃縮することで1.3gの黄色固体が与えられた。ニトロ中間体(200mg、1.1mmol)をアセトニトリル(2mL)に溶解した。NBS(237mg、1.3mmol)およびp-TsOH(200mg、1.1)を加えた。反応混合物を60℃にて4時間加熱し、次いでEtOAc(20mL)で希釈して飽和(sat.)Na2S2O3溶液およびブラインで洗浄した。有機層を濃縮することで標題化合物(260mg、収率91%)が黄色固体として与えられた。1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.56(s,1H),8.12(d,1H),7.52(d,1H),4.46(s,2H),2.70(s,3H)。
【0199】
6-メチル-2-(4-メチル-3-ニトロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン(2)
【化34】

2-ブロモ-1-(4-メチル-3-ニトロフェニル)エタノン(300mg、1.16)および2-アミノ-5-メチルピリミジン(200mg、1.83mmol)をEtOH(10mL)に溶解して溶液を終夜還流した。溶液をDCMで希釈、NaHCO3溶液で洗浄した。有機層を濃縮して残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製することで標題化合物(102mg、収率30%)が黄色固体として与えられた。MS m/z 269.9[M+H]
【0200】
2-メチル-5-(6-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル)アニリン(3)
【化35】

6-メチル-2-(4-メチル-3-ニトロフェニル)イミダゾ[1,2-a]ピリミジン(600mg、2.24mmol)をTHFおよびメタノール(3:1、4mL)に溶解した。亜鉛粉末(2.3g、35.4mmol)およびNH4Cl(2g、37.0mmol)を溶液へ加えて混合物を1時間撹拌した。固体を濾過、濾過物を濃縮、EtOAcに溶解し、次いで水で洗浄した。有機相を濃縮することで標題化合物(400mg、75%収率)が黄色固体として与えられた。MS m/z 238.7[M+H]
【0201】
2-ブロモ-1-(4-クロロ-3-ニトロフェニル)エタン-1-オン(4)
【化36】

2-ブロモ-1-(4-クロロ-3-ニトロフェニル)エタン-1-オンを、4'-クロロアセトフェノンから、1について記載された手順と同様の手順を使用して調製した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.62(s,1H),8.26(d,1H),8.00(d,1H),5.02(s,2H)。
【0202】
アニリン5~8を、対応するアミノピリミジンと1または4のいずれかとから3と同様の方法によって調製した。
【表1】
【0203】
例1 FRF-02-144-1
N-(2-メチル-5-(6-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル)フェニル)-2-フェニルブタンアミド
【化37】

2-メチル-5-(6-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル)アニリン(75mg、0.32mmol)をDMF(5mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.09mL、0.64mmol)および2-フェニルブタノイル塩化物(150mg、0.82mmol)を加えて混合物を1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈、飽和(sat.)NaHCO3溶液(20mL)で洗浄した。有機相を濃縮しフラッシュクロマトグラフィーによって精製することで標題化合物が与えられた(26mg、21%収率)。1H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ9.59(s,1H),8.72(s,1H),8.41(d,1H),8.23(s,1H),7.90(s,1H),7.68(d,1H),7.44(m,2H),7.37(m,2H),7.27(m,2H),3.69(m,1H),2.30(s,3H),2.11(s,3H),2.10(m,1H),1.74(m,1H),0.94(t,3H)。MS m/z 385.3[M+H]
【0204】
例2 FRF-02-119
N-(5-(6-フルオロイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル)-2-メチルフェニル)-2-フェニルブタンアミド
【化38】

2-フェニルブタン酸(16mg、0.099mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(29uL、0.165mmol)、およびHATU(38mg、0.0099mmol)をDMF(6mL)に溶解した。20分後5-(6-フルオロイミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル)-2-メチルアニリン(20mg、0.082mmol)を加えた。18時間撹拌した後、残りの分の(further portions of)2-フェニルブタン酸(8mg)、ジイソプロピルエチルアミン(15uL)、およびHATU(18.5mg)を加えて混合物をさらに4時間撹拌した。混合物をDCMで希釈、ブラインで洗浄、濃縮して残渣をシリカゲル上カラムクロマトグラフィー(DCM中0~5%MeOH)によって精製することで標題化合物が与えられた(19mg、56%収率)。1H NMR(500MHz,DMSO-d6):δ9.57(s,1H),9.18(m,1H),8.69(d,1H),8.33(s,1H),7.93(d,1H),7.70(m,1H),7.45(m,2H),7.36(m,2H),7.27(m,2H),3.70(m,1H),2.12(s,3H),2.09(m,1H),1.74(m,1H),0.94(t,3H)。MS m/z 389.16[M+H]
【0205】
例3~31を、対応するアニリンと酸塩化物またはカルボン酸のいずれかとから、例1および2と同様の方法によって調製した。

【表2-1】
【0206】
【表2-2】
【0207】
【表2-3】
【0208】
【表2-4】
【0209】
【表2-5】
【0210】
【表2-6】
【0211】
【表2-7】
【0212】
【表2-8】
【0213】
本明細書に記載の化合物の生物学的アッセイ
例1。イミダゾピリミジン化合物の免疫モジュレート活性
ヒト免疫は、健康と病気との両方に重大であって、感染症、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、腫瘍性疾患、および慢性疾患において中心的役割を果たす。これに関連して、病気を予防および/または処置するためにヒト免疫系をモジュレートするアプローチを開発するという関心が高まっている。感染性疾患は、幼少時期における罹患および死亡の原因の第1位である。免疫付与は、感染性疾患を予防するのに鍵となるストラテジーである。しかしながら、新生子および未成年者の免疫付与は、次善の対応(responses)という結果になることもあって、しばしば複数回のブースター用量を要し、かつ徐々に弱くなる免疫によって限定され得る。アジュバント化(adjuvantation)は、ワクチンで誘導される免疫を増強する鍵となるアプローチである。アジュバントは、防御免疫を最大化させるために、ワクチン抗原に対する免疫応答を増強し得、長引かせ得、かつ増強し得、脆弱な集団において(例として、極めて年少および高齢の者において、または有効なワクチンを欠く疾患のために)有効な免疫付与を潜在的に可能にさせることがある。ワクチンアジュバントはまた、がん免疫治療薬としての潜在力も多いに保っている。アジュバントとして使用されてもよい小分子が報告されている。アレルギーから離れる方向へ免疫応答を向かわせ直す(例として、Th1/Th2バランスを元に戻す)ことにおける実用性もまた、いくつかの分子について実証されている(例として、J Immunol March 15, 1998, 160 (6) 2555-2559;およびAdv Drug Deliv Rev. 2009 Mar 28;61(3):256-62に記載のとおり、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0214】
本明細書に記載されるのは、ヒト白血球のin vitroでの、およびアジュバントとしてin vivoでの確固たる活性化を誘導するためのイミダゾピリミジン小分子の製剤を使用してヒト免疫応答を方向付ける新規分子アプローチである。免疫増強およびアジュバント活性を有すると同定された親化合物は、ヒット検証についてLevy Lab(Boston Children’s Hospital)に命じた37番目の化合物であったところ、「化合物037」と名付けられた。
【0215】
ヒト免疫細胞を堅固に(robustly)活性化する免疫モジュレーター/アジュバントを同定するため、~200,000の小分子を、スクリーニングにおいてTHP1 NF-κBレポーター細胞に対して試験した。THP1細胞などの細胞培養株が天然の初代ヒト白血球の応答とは一致し(model)ないことがあるという証拠から、より小さな規模の新規ハイスループットスクリーニング方法論もまた採用した。ここで、~9,000の市販の化合物(THP1スクリーニングからの相対的に高い#のヒットを有する小分子ライブラリプレートに焦点を合わせた)を、3名の異なる成年ヒトドナーからの初代ヒト血液単核細胞(PBMC)を使用してスクリーニングした(TNFαLISAアッセイ)(図1A~1C)。
【0216】
TNF AlphaLISAスクリーンは、以下の3部から構成されていた:1)ヒト末梢血収集およびPBMC単離-ヒト成年者の末梢血を書面による同意により収集した。PBMCsはフィコール密度勾配を使用し血液から単離した。PBMCsを、20%自己(autologous)血漿および10%DMSOを含有する1ml RPMI中1バイアルにつき5千万細胞にて、使用するまで-80℃にて保管した;2)TNFαLISAアッセイ-第1日に、PBMCsを37℃水浴中3min解凍してPBSで2度洗浄した。トリパンブルー生存細胞総数(count)を得て、細胞を10%自己血漿をもつDMEM中、生存6.67×105細胞/mlになるよう再懸濁した。Corning 2712黒色384ウェル細胞培養プレート中1ウェルにつき30μlの細胞を分注した(最終濃度は20,000細胞/ウェルであった)。対照を細胞へ手動で加え、試験化合物をロボットのピン移動(robotic pin transfer)によって加えた。次いでプレートを37℃/5%CO2湿度制御インキュベーターにて18時間インキュベートした。アッセイの第2日にプレートを遠心分離して2μl上清をPerkin Elmer Alphaプレート中へ収集した。Perkin Elmer Human TNFαキット(cat# AL208F)を使用して上清からTNFαの存在を検出した。プレートをEnVision器械(Perkin Elmer)上で走らせて615nmでの光放射を検出した;3)ヒット判定(Hit Calling)方法-二通りにおいて、かつPBMCsの3名のヒト試料のうち少なくとも2つとも、2より大きい確固たるZスコアをもたらした試験化合物をヒットと見なした。
【0217】
抗体でコーティングされた蛍光分析の励起/放射ビーズを基にする、Alpha技術(PerkinElmer)は、ハイスループットスクリーニングと両立し得る(compatible with)洗浄なし(no-wash)で高度に高感度の定量的なアッセイにおいて、標的分子(このケースにおいてTNFα)の検出およびスクリーニングを可能にさせる。
【0218】
スクリーニングされた化合物ライブラリ(chemical libraries)は、ChemDiv、ChemBridge、およびAsinex(添付pdfのすべてのライブラリを参照)などの商用ライブラリを包含する様々な供給源から知られている生物活性の商用ライブラリを包含した。すべてのライブラリはInstitute of Chemistry and細胞Biology(ICCB)-Longwood(Harvard Medical School)によって所有かつ提供された。化合物037がPBMC TNFαLISAスクリーニングにおいて同定された。
【0219】
ヒットは、スクリーニングされた3名のヒト成年ドナーのうち少なくとも2名におけるTNF産生を誘導する小分子の能力に基づき決定した(図1D)。このスクリーニングから、イミダゾピリミジン化合物が、in vitroでの堅固なTNF産生の誘導において最も卓越した(greatest)効能をもつ化合物(chemical)ファミリーとして浮上した(図2A~2B)。これらの結果は、ELISAによるサイトカイン産生の測定ならびにThを偏らせる(Th-polarizing)他のサイトカイン(IL-12p70、IL-6、IL-1β等々)についてのアッセイの多重化を行う従来のヒトPBMCアッセイにおいて確認した(図3A、3B、および4)。注目すべきは、THP-1 NF-κBレポーター細胞株へ向かわせる活性の欠如によって実証されたとおり、イミダゾピリミジンが、フォーマット化され(formatted)試験されたいずれのアッセイにおいてもヒトTHP-1細胞株を活性化しなかった(図5A~5B)。
【0220】
実用上の利便性のため従来のハイスループットスクリーニングの多くはTHP-1細胞などの細胞株を採用するところ、相違初代細胞とTHP1細胞との間のイミダゾピリミジン活性におけるこの大きな相違は、注目に値するし、免疫刺激化合物としてのイミダゾピリミジンの同定におけるPBMCスクリーニング方法論の新規性および重要性が強調される。ヒト新生子および高齢者の白血球ならびにマウスの白血球を活性化させるイミダゾピリミジンの能力もまた、in vitroで確認した(図2A、8、および10)、この化合物(compound)ファミリーの潜在的な実用性を(例として、感染に対してハイリスクの亜集団まで)拡張する)。
【0221】
加えて、インフルエンザ免疫付与のマウスモデルにおけるin vivo研究によって、イミダゾピリミジンの添加が成体マウスのワクチン応答を著しく増強することが指摘された(図9)。組み換えインフルエンザ血球凝集素(rHA)+イミダゾピリミジンでワクチン接種されたマウスは、rHA単独かつ当量でワクチン接種されたマウスと比較してより高い抗体力価を実証し、またはrHA+ミョウバン(最も一般的にされるワクチンアジュバント)でワクチン接種されたマウスと比較して増強された力価を実証した。
【0222】
化合物037の追加の市販の類似体を、陽性対照としてのR848とともにPBMCアッセイにおいてプロファイリングし(図6A、6B、および表1)、イミダゾピリミジンシリーズ内に当初の(initial)構造活性相関(SAR)のいくつかが生成された。ある構造上の特色が活性にとって重要であるように見え、さらに一連のイミダゾピリミジンを調製し試験した。いくつかの例は、このアッセイにおいて化合物037とR848との両方に等価かまたはそれらより優れた活性を示した (例として図7Aおよび7Bならびに表1)。
【0223】
要約すれば、イミダゾピリミジン化合物は、免疫モジュレーター/アジュバントとしての活性を有し、ヒト白血球をin vitroで活性化し、かつマウスにおけるアジュバント性をin vivoで実証する。
【0224】
本明細書に記載のイミダゾピリミジン化合物は、ヒト免疫応答を修飾するために、独立型の剤として使用されてもよく、例として、免疫応答を増強することによって感染を処置するために局所的に適用される;粘膜免疫を増強するために経口的に、または呼吸器感染を処置もしくはアレルギー(例として、アレルギー性鼻炎)を低減するために鼻腔内に与えられる;腫瘍およびがんに対する免疫応答を増強するために局部的にまたは全身的に注射される。化合物はまた、ハイリスク集団における感染または放射線傷害に対する広い保護のため、免疫亢進を誘導するためにも予防的に与えられてよい。補助治療はまた、本明細書に記載の疾病のための他の処置とも併用されてよい。さらに、化合物は、免疫応答を増強、加速、および/または拡大させるために、および/または要求される用量数を低減させるために(「用量節約」)、ワクチン抗原とともに製剤化されることになっているワクチンアジュバントとして使用されてもよい。用量節約は、防御免疫応答を獲得するためにワクチンでブーストさせること(vaccine boosting)を要するとき、ワクチン抗原の費用および複数診療所への通院での抗原投与(challenges)を考慮すると、極めて重要である。
【0225】
本明細書に記載のイミダゾピリミジン化合物、組成物、および方法は、これらに限定されないが、以下の理由のため有利である:
(1)小分子カテゴリーは、大量生産/使用のための手頃な(affordable)規模拡大(scale up)に応じやすい(amenable to);
(2)化合物の分子足場は、同族体(congeners)/類似体の産生および創出への医薬品化学の視点から相対的に好ましいように見える;
(3)化合物は、年齢の両極端-例として、新生子および高齢者のヒト細胞を包含するヒト細胞への活性がある;ならびに
(4)化合物は、確立された他の小分子アジュバント(例として、R848とは異なる)と比べて、別個のパターンのサイトカインを誘導するが、これは別個の活性を示唆する。
【0226】
表1。PBMCsにおいてTNF産生を刺激した際の、化合物R848と比較した例示のイミダゾピリミジン化合物の活性
【0227】
表1は、PBMCsにおけるTNF産生を刺激した際の、ベンチマーク化合物R848と比較した例示化合物の活性を提供する。具体的に言うと、TNF産生を、成年者PBMCsを化合物037類似体ファミリーまたは化合物R848で33μMにて18時間刺激した後、ELISAによって測定した。類似体を、R848と比較した中央値パーセンテージTNF産生(TNF%)によって上位から下位までランク付けする(N=3~5)。化合物を、TNF%に従い以下のカテゴリー:高活性-クラスA:TNF%>15%;中(medium)活性-クラスB:1%<TNF%≦15%;低活性-クラスC:TNF%≦1%に分類した。
【0228】
表1.PBMCsにおいてTFN産生を刺激した際の、化合物R848と比較した例示イミダゾピリミジン化合物の活性
【表3-1】
【0229】
【表3-2】
【0230】
【表3-3】

【0231】
【表3-4】

【0232】
【表3-5】
【0233】
【表3-6】
【0234】
材料および方法
要旨。
ヒト免疫細胞を堅固に活性化する免疫モジュレーター/アジュバントを同定するため、THP1細胞に対して試験された~200,000の小分子のスクリーニングを行った。THP-1細胞などの細胞培養株が天然の初代ヒト白血球の応答とは一致しないこともあるという証拠から、より小さな規模の新規ハイスループットスクリーニング方法論もまた採用した。ここで、~9,000の市販の化合物(THP-1スクリーニングからの相対的に高い#のヒットを有する小分子ライブラリプレートに焦点を合わせた)を、3名の異なる成年ヒトドナーからの初代ヒト血液単核細胞およびTNFαLISAアッセイ(PerkinElmerから商業的に購入した)を使用してスクリーニングした。Schildberger et al., Mediators of Inflammation, Volume 2013, Article ID 697972 (2013)を参照。
【0235】
THP-1細胞株および培養条件。
THP1-Lucia(商標)細胞株をInvivogen(San Diego, CA)から得た。白血病をもつ少年(boy)の血液に由来するヒト単球細胞であるTHP1-Lucia細胞は、NF-kB誘導性Lucレポーター構築物を含有する。これによって、NF-kBの活性化が、分泌されたルシフェラーゼ酵素からの発光を定量することによって測定され得る。THP1-Lucia細胞を、10%非加熱不活性化されたウシ胎仔血清(fetal bovine serum)(FBS)、10mM HEPES、1.0mMピルビン酸ナトリウム、50ug/ml Pen-Strep、および100ug/mL Normocin(商標)で補充されたRPMI 1640中で培養した。一旦培養したら、細胞を、5%CO2および加湿雰囲気をもつ37oCインキュベーター中に保管した。細胞を2~3日ごとに継代し、2.0×106細胞/ml培地の濃度を超えないようにした。
【0236】
化合物(Chemical)ライブラリ。
スクリーニングされた化合物ライブラリは、知られている生物活性と、様々な供給源からの商用ライブラリ(例として、ChemDiv、ChemBridge、およびAsinexなどの商用ライブラリ;添付pdfのすべてのライブラリを参照)とを包含した。すべてのライブラリはInstitute of Chemistry and細胞Biology(ICCB)-Longwood(Harvard Medical School)によって所有かつ提供された。
【0237】
NF-kBに誘導される発光アッセイ。
15代と18代との間の継代であって培養培地中に懸濁されたTHP1-Lucia細胞を、Combi液体ディスペンサを使用し30,000細胞/30μl/ウェルにて384ウェル黒色透明底プレート(Corning 3712)中へ分注した。免疫刺激活性が知られているベンチマーク小分子との比較を可能にするため、同じ濃度での細胞を0.3%DMSO中50μM R848、TLR7/8アゴニストで刺激し、細胞が存在しない状態の列24の1つおきのウェルへ多チャネルピペットによって同体積にて加えた。THP1培養培地および2.3%DMSO中の700nM酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)(知られている末梢血細胞マイトジェン)の5μlを、多チャネルピペットによって列23の1つおきのウェルへ加えた(ウェル中の最終濃度:0.3%DMSO中100nM)。2.3%DMSOをもつTHP1培養培地の5μlを、多チャネルピペットによって列23の残りのウェルへ加えた(最終濃度0.3%DMSO)。100%DMSOに希釈されたライブラリ化合物の100nlアリコートを、Seikoピン移動機を使用しそれらの元の384ウェルプレートからアッセイプレートへ移した。各ライブラリプレートは二通りにピン移動させた(pinned)ものであり、比較のために同一条件をもつ2つのアッセイプレートを生産したことになる。次いでプレートを高湿度条件中5%CO2で37Cにて24時間インキュベートした。インキュベーションの後に10μLの上清を各ウェルから除去し、Vprep液体移動機を使用して白色プレート(Corning 3570)へ移した。THP1培養培地中1:2000に希釈された組み換えLuciタンパク質(Invivogen)の10μLを、空のウェル24Pへ加えた。Combi液体ディスペンサーを使用し、滅菌水中1:3に希釈した50μL/ウェルのQuanti-Luc基質(Invivogen)をアッセイプレートへ加えた。基質を加えた直後に、発光を、PerkinElmer Envisionプレートリーダーを使用して読んだ。
【0238】
THP1細胞接着アッセイ。
上に記載のインキュベーションおよび上清移動に続いて、各黒色アッセイプレートを手動で洗浄した。先ず、残存する懸濁細胞を、プレートを逆さまに振盪することによって取り出し(expelled)15%漂白剤(bleach)浴中へ入れた。次いでプレートを1×PBSの7L浴中に沈めた。一旦沈めたら、各プレートを左右交互に激しく振盪してウェル中に形成されるいずれの気泡をも放出させた。次いでプレートを除去し、漂白剤浴中へもう一度入れて振盪させた。このプロセスを1プレートにつき3回繰り返した。
【0239】
洗浄されたアッセイプレートへ、Combi液体ディスペンサを使用し、PBS(1%パラ-ホルムアルデヒドあり)中2μg/mL Hoechst 33342のミックス(mix)を30μL/ウェル加えた。プレートを染色かつ固定するため暗所中20分間放置した。次いで、洗浄され染色されたアッセイプレートをAcumenレーザー走査血球計算器上へ装填した(loaded)。各ウェルにつきその器械を使用し総蛍光面積および対象物(objects)(核)数を測定した。
【0240】
TNFαLISAアッセイ。
ヒト成年者末梢血を承認されたプロトコルに従って収集した。PBMCsをフィコール密度勾配から血液を単離した。PBMCsを、20%自己血漿および10%DMSOを含有する1mL RPMI中バイアルあたり5×107細胞にて使用するまで-80℃にて保管した。第1日にPBMCsを37℃水浴中3min解凍し、PBSで2度洗浄した。生存率をトリパンブルー染色によって査定し、次いで細胞を6.67×105生存細胞/mL(10%自己血漿をもつDMEM)になるよう再懸濁した。Corning 2712黒色384ウェル細胞培養プレート中1ウェルにつき30μlの細胞を分注した(最終濃度は20,000細胞/ウェルであった)。対照を細胞へ手動で加え、試験化合物をロボットのピン移動によって加えた。次いでプレートを37℃/5%CO2湿度制御インキュベーターにて18時間インキュベートした。アッセイの第2日にプレートを遠心分離し、2μl上清をPerkin Elmerアルファプレート中へ収集した。Perkin Elmer Human TNFαキット(cat# AL208F)を上清からTNFαの存在を検出するために使用した。プレートをEnVision(Perkin Elmer)器械上で走らせて615nmでの光放射を検出した。
【0241】
ヒット判定方法。
二通りにおいて、かつPBMCsの3名のヒト試料のうち≧2つとも、確固たるZスコア>2をもたらした試験化合物をヒットと見なした。
以下のヒット判定の標準操作手順書(SOPs)をTHP-1およびTNFαLISAアッセイのために使用した:
【0242】
すべてのデータをlog10に変換する(log10)-列EおよびFからのCrossTalk Corrected発光データを、列KおよびLにおいて対数変換する(log10)。実験ウェルのみを、「if」論理文(logic statement)をもつ列Cを参照して評価する。列Eからlog変換するデータである列Qにおける算出の例を下に示す:
=IF(C2="X",LOG10(E2),"")
【0243】
堅固なZスコアを、調整された中央値の絶対偏差(MAD)値をもつ各実験ウェルにつき算出する。最初に、プレートの中央値およびMAD値を対数変換データから生成する。絶対偏差を各ウェルの値につき列MおよびNにおいて算出し、この例を下に示す:
=IF(C2="X",ABS(K2-$I$3),"")ここでK2はlog変換されたデータ点であり、およびI3は、そのプレートのその読み出しの中央値の値である。
【0244】
次いでMADを、1.4286を乗じた列U~Xの各々の中央値として算出し、この例を下に示す:
=中央値(M2:M385)*1.4286
次いで堅固なZスコアを、(ウェル_値-中央値_プレート)/(MAD_プレート*1.4286)として算出し、算出例を下に示す:
=IF($C2="X",((K2-$I$3)/$I$5),"")ここでK2は対数変換ウェルの値であり、I3はその読み出しのプレート実験の中央値であり、およびI5はその読み出しのプレート実験のMADである。
【0245】
二通りとも堅固なZスコア値が2以上(or greater)であるいずれのウェルも、ヒットと見なす。これを、下の例示されるとおり列Qにおいて評価する。
=IF(AND((O2>$I$7),(P2>$J$7),($C2="X")),TRUE,FALSE)ここでO2およびP2は二通りの発光読み出しの堅固なZスコアである一方、I7およびJ7は、発光の堅固なZスコア閾値(2)を表す。「TRUE」は、化合物がこれらヒット基準を満たす場合、列Qに戻すことになる。
【0246】
ヒットであると決定されたいずれのウェルにつき、プレート:ウェル化合物IDを、下の例に示されるとおり列Rに表示することになる:
=IF(Q2,CONCATENATE(A2,":",B2),"")これにおいてQ2は、化合物のヒットステータス(hit status)を決定するTRUE/FALSE値である一方、A2はプレートIDであり、およびB2はウェルIDである。
【0247】
ヒトMoDCsアレイ。
ヘパリン化されたヒト成年者の末梢血をFicoll-Hypaque勾配(Ficoll-Paque PREMIUM, GE Healthcare, Waukesha, WI)血中単核細胞(PBMC’s)層上へ積層させた(layered)。単球を、製造業者の取扱説明書(Miltenyi Biotec, Auburn, CA)に従いCD14を汎マーカーとして使用し、磁気(magnetic)マイクロビーズでの正の選択によって単核細胞画分から単離した。単球調製物は、これまでに記載されたとおりの[1-5]、CD14に対するフローサイトメトリーによって査定されたとおり、定型的に>95%純粋であった。単離された単球を組織培養ディッシュ中、組み換えヒト(rh)IL-4(50ng/ml)およびrhGM-CSF(100ng/ml)(R&D Systems, Minneapolis, MN)で補充された新鮮な10%自己(autologous)乏血小板血漿を含有するRPMI 1640培地中0.4×106細胞/mlにて培養した。新鮮な培地およびサイトカインを培養の第3日に1回補充した。5~6日後、未熟MoDCs(定型的にHLA-DR、CD14、DC-SIGN[3]、>90%純度の)を、緩く接着した画分のみを穏やかにピペッティングすること(pipetting)によって回収し、96ウェル形式において所望の細胞密度にて再播種した。
【0248】
ELISAおよび多重化アナライトアッセイ。
ヒトPBMCsおよびDC刺激に由来する上清をTNFにつきELISAによってアッセイした(ThermoFisher Scientific; Waltham, MA, USA)。細胞培養上清中のサイトカインおよびケモカイン発現プロファイル(例として、IFNγ、IL-9、IL-10、IL-12(p70)、IL-13、IL-1β、IL-23、IL-27、IL-28A、IL-33、IL-6、MIP-3α/CCL20、およびTNF)を、製造業者の取扱説明書に従いカスタマイズされた9重のMilliplex(登録商標) Human Th17 Magnetic Bead Pane(Millipore, Chicago, IL, USA)lを使用し測定した。アッセイをLuminex(登録商標)100/200(商標)系およびxPOTENT(登録商標)ソフトウェア(Luminex, Austin, TX)上で読み分析した。最小限の閾値を個々の各アッセイにつき最小限検出可能な濃度にて設定し、平均バックグラウンドを上回る3つの標準偏差として定義した。
【0249】
In vitroでのPBMC刺激。
PBMCsを、フィコール密度勾配を使用し血液から単離した。PBMCsは新鮮なまま使用するか、または20%自己血漿および10%DMSOを含有する1mL RPMI中バイアルあたり5×107細胞にて使用するまで-80℃にて保管するかのいずれかであった。刺激プレートを、0.66μlのDMSOに溶解された化合物(10mM)を丸底96ウェルプレートの各ウェルへ移すことによって調製した。ヒト成年ドナーから単離されたPBMCsを、105細胞/200μl(10%の乏血小板血漿で補充されたRPMI)の濃度にて再懸濁した。200μlの細胞懸濁液を各ウェルへ移し、33μMの最終化合物濃度をもたらした。約18時間のインキュベーション(37℃、5%CO2)後にプレートをスピンダウンし(500×g、室温、5分)、上清をさらなる分析のために回収した。
【0250】
新生子全血アッセイ。
ヒト新生子臍帯血を、パイロジェンフリーのヘパリンを抗凝固薬として使用した帝王切開の直後の正期産児(term newborns)(n=5)から収集した。臍帯血をRPMI 1640培地中1:1(v/v)に希釈した。1マイクロリットルの、指摘された化合物の各々を、96ウェル丸底プレート中200マイクロリットルの希釈血液を含有する各ウェルへ11μMの最終濃度にて加えた。次いでプレートを5%CO2の存在下37℃にて加湿されたインキュベーター中18時間インキュベートした。~18時間のインキュベーション(37℃、5%CO2)後、プレートをスピンダウンし(500×g、室温、5分)、上清をさらなる分析のために回収した。
【0251】
動物
C57BL/6およびBALB/cマウスは、Taconic BiosciencesまたはCharles River Laboratoriesから得た。これらをBoston Children’s Hospitalでの動物研究施設中、特定病原体除去条件において収容した。
【0252】
脾細胞単離およびin vitro刺激。
脾臓を6~8週齢C57BL/6マウスから回収した。脾細胞単離のため、脾臓を70μM漉し器に通してすりつぶしてPBSで洗浄し、赤血球を塩化アンモニウムベースの溶解(lysis)緩衝液(BD Biosciences)中2minのインキュベーションで溶解した(lysed)。次いで細胞を計数し、33μMの最終化合物濃度を獲得するために0.66μlのDMSO溶解(-dissolved)化合物(10mM)をもつ200μlの完全培養培地(RPMI 1640に、10%熱不活性化ウシ胎仔血清[FBS、GE Healtycare HyClone]、50μM 2-メルカプトエタノール、2mM l-グルタミン、100U/ml ペニシリン/ストレプトマイシン[Gibco ThermoFisher Scientific]をプラスして)中1ウェル(丸底96ウェルプレート)あたり2×106個播種した。18時間のインキュベーション(37℃、5%CO2)後、プレートをスピンダウンし(500×g、室温、5分)、上清をさらなる分析のために回収した。
【0253】
抗原、免疫付与、および抗体定量化。
免疫付与実験につき、成体マウスを、FluBlokワクチン(Protein Sciences Corp.)の2016~2017年の製剤中に含有される、0.33μgの以下の組み換えインフルエンザウイルス血球凝集素(rHA)の各々:A/Michigan/45/2015(H1N1)、A/Hong Kong/4801/2014(H3N2)、およびB/Brisbane/60/2008を含有する、50μlのワクチンで右大腿後部の筋肉内に(i.m.)免疫した。マウスをプライム・ブーストスケジュール(4週空けて(apart)2回の注射)で免疫した。すべての実験群におけるワクチンを、10%(v/v)DMSO(小分子をDMSOに溶解したところ、小分子で免疫された群は除いた)および5%(v/v)Tween-80で製剤化した。特定の実験群について指摘したとおり、ワクチンをまた、水酸化アルミニウム(100μg)および/または化合物037(100nmol、最終DMSO濃度10%)でも製剤化した。血清をプライムから28日後に収集し(ブースト前(pre-boost)の血液試料)、抗体検出のためブーストから14日後に収集した。rHA特異的IgGをELISAによって定量化した。高結合(High binding)平底96ウェルプレート(Corning Life Sciences)を炭酸塩緩衝液(carbonate buffer)中1μg/ml rHA(pH 9.6)でコーティングし、4℃にて終夜インキュベートし、PBS+BSA 1%(Sigma-Aldrich)で室温にて(RT)1hブロッキングした。次いで、ワクチン接種されたマウスからの血清を、PBS+BSA 1%中、1:100の初期希釈および1:4の段階希釈となるように加え、rtにて2hインキュベートした。次いでプレートを洗浄し、HRP抱合抗マウスIgG(Southern Biotech)とともにrtにて1hインキュベートした。インキュベーションの終わりにプレートを再度洗浄して、テトラメチルベンジジン(BD Biosciences)で5分間現像し、次いで1N H2SO4で停止させた。光学密度を450nmにて、SoftMax Pro Version 5付きVersamaxマイクロプレートリーダー(ともにMolecular Devicesから)で読み、エンドポイント力価を、バックグラウンドの光学密度を3回カットオフ(cutoff)として使用し算出した。
【0254】
統計分析。
統計的有意性および図形出力は、Prism v. 5.0b(GraphPad Software)およびMicrosoft Excel(Microsoft Corporation, Redmond, WA)を使用して生成した。結果をp値<0.05にて有意であると見なし、かつ以下:*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001のように指摘した。
【0255】
参考文献
【表4】
【0256】
当量および範囲(Scope)
クレーム中、「a」、「an」、および「the」などの冠詞は、それとは反対との指摘がなされない限りまたはそうでなければ文脈から明白である限り、1つまたは1つより多くを意味することもある。群の1以上のメンバー間に「or」を包含するクレームまたは記載は、それとは反対との指摘がなされない限りまたはそうでなければ文脈から明白である限り、群のメンバーのうち、1つ、1つより多く、またはすべてが、所定の産物もしくはプロセス中に存在するか、採用されているか、またはそうでなければこれに関係がある場合に満足するものと見なされる。本発明は、群の厳密に1つのメンバーが、所定の産物もしくはプロセス中に存在するか、採用されているか、またはそうでなければこれに関係がある態様を包含する。本発明は、群のメンバーの1つより多くまたはすべてが、所定の産物もしくはプロセス中に存在するか、採用されているか、またはそうでなければこれに関係がある態様を包含する。
【0257】
さらにまた、本発明は、列挙された1以上のクレームから1以上の限定、要素、箇条、または記述用語が別のクレーム中へ導入される、すべてのバリエーション、組み合わせ、および順列を網羅する。例えば、いずれかのクレームは、別のクレームに従属しているとき、ベースとなる同じクレームに従属する他のいずれかのクレームから見出される1以上の限定を包含するように修飾され得る。要素が、リストとして、例としてマーカッシュ群の形式において提示されている場合、要素の各下位群もまた開示され、いずれの要素(単数または複数)が群から除去され得る。一般に、本発明または本発明の側面が具体的な要素および/または特色を含むものとして言及される場合、本発明のある態様または本発明の側面が、かかる要素および/または特色からなるか、または本質的にこれらからなることは理解されるはずである。簡潔にするために、それらの態様は、本明細書にこれらの言葉で(in haec verba)具体的には表されていない。用語「含むこと」および「含有すること」は、オープンであることが意図され、追加の要素またはステップの包含を許すことにもまた留意されたい。範囲が与えられている場合、端点(endpoints)も包含される。さらにまた、そのように指摘されない限り、あるいはそうでなければ文脈および/または当業者の理解から明白でない限り、範囲として表現されている値は、文脈が明確にそのように指示しない限り、本発明の種々の態様において言明された範囲内のいずれの特定の値または下位範囲~その範囲の下限の単位の10分の1も前提とし得る。
【0258】
本出願は、様々な交付済み特許、公開された特許出願、学術文献、および他の刊行物を指すが、これらのすべては参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参考文献のいずれかと本明細書との間にもし矛盾が生じたら、本明細書が支配することになる。加えて、先行技術の範囲内に収まる本発明のいずれの具体的な態様も、いずれの1以上のクレームから明示的に排除されてもよい。かかる態様が当業者に知られていると見なされることから、その排除が本明細書に明示的に表されていないとしても、それらは排除されてもよい。本発明のいずれの具体的な態様も、先行技術の存在に関与するか否かにかかわらず、いずれの理由によっても、いずれのクレームから排除され得る。
【0259】
当業者は、わずかな型どおりの実験法を使用し、本明細書に記載の特定の態様の多くの均等物を認識するか、または解明できるであろう。本明細書に記載の本態様は、上の記載に限定されることを意図しておらず、むしろ添付のクレームで表されるとおりである。当業者は、この記載に対して様々な変化および修飾が、以下のクレームにおいて定義されるとおりの本発明の精神または範囲から逸脱せずになされてもよいことを解するであろう。
図1A-B】
図1C-D】
図2A
図2B
図3A-B】
図4
図5A-B】
図6A-B】
図7A
図7B
図8
図9
図10