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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】流体物質用の光センサデバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/552 20140101AFI20230630BHJP
【FI】
G01N21/552
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020554086
(86)(22)【出願日】2019-04-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 IB2019052733
(87)【国際公開番号】W WO2019193517
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】102018000004247
(32)【優先日】2018-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518314084
【氏名又は名称】エルテック・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ELTEK S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ファビオ・カヴァッリ
(72)【発明者】
【氏名】マウロ・ゾルゼット
(72)【発明者】
【氏名】コスタンツォ・ガディーニ
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-098654(JP,A)
【文献】特開2014-102217(JP,A)
【文献】国際公開第2017/149476(WO,A2)
【文献】特表平10-500483(JP,A)
【文献】特開平11-271224(JP,A)
【文献】特開2017-131697(JP,A)
【文献】米国特許第05773825(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0018200(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/01
G01N 21/17 - G01N 21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象である流体物質(LS)の少なくとも1つの特性を検出するための光センサデバイスであって、光センサデバイス(1)は、検出部(14)を有するデバイス本体(2)を含み、検出部には、光放射(Re、Rr)の発光器(20)および受光器(21)を含む感度のある光学部が関連づけられ、
デバイス本体(2)は、検出対象である流体物質(LS)の封じ込めまたは流れのための空間(P)の一部を規定する第1の本体部分(3)と、空間(P)の少なくとも一部を規定する第1の本体部分(3)の領域で第1の本体部分(3)に結合された第2の本体部分(7)とを含み、第2の本体部分(7)は検出部(14)を含む形状であり、
出部(14)は、光放射(Re、Rr)に対して透明な材料で作られ、内側表面(23a、23b)と外側表面(15)とを有する界面壁(7a)を含み、外側表面(15)は検出対象である流体物質(LS)と接触し、空間(P)の少なくとも一部分を規定するように設計され、内側表面(23a、23b)は検出対象である流体物質から隔離されて、発光器(20)および受光器(21)に面するように設計され、
使用時に、光学放射(Re、Rr)が少なくとも部分的に、発光器(20)から受光器(21)に検出部(14)を通るように、感度のある光学部の発光器(20)および受光器(21)は、検出部(14)の界面壁(7a)の内側表面(23a、23b)に光学的に結合されており、
使用時に、発光器(20)からの光放射(Re、Rr)が界面壁(7a)を通過して外側表面(15)と検出対象である流体物質(LS)との間の界面に衝突するように、発光器(20)と受光器(21)は、界面壁(7a)の内側表面(23a、23b)に光学的に結合され、これにより、少なくとも部分的に反射され、界面壁(7a)を通過して受光器(21)に向かう角度が、検出対象である流体物質(LS)の特性の関数として可変であり、
第2の本体部(7)は、第1の本体部(3)に固定かつ液密に結合され、
光センサデバイスはさらに、検出対象である流体物質(LS)の体積または圧力の増加に起因する検出部(14)の変形を防止するように構成された保護のための配置を含み、
保護のための配置は、検出対象である流体物質(LS)の体積または圧力の増加を補償するために、空間(P)内にあり、検出対象である流体物質(LS)と接触するように設計された少なくとも1つの補償要素(13、13 -13 )を含み、少なくとも1つの補償要素(13、13 -13 )は、少なくとも部分的に弾性的に変形可能または圧縮可能な本体を有する、光センサデバイス。
【請求項2】
少なくとも1つの補償要素(13、13 -13 )の本体は、検出対象である流体物質(LS)の封じ込めまたは流れのための空間(P)の少なくとも1つの部分を規定する請求項に記載の光学センサデバイス。
【請求項3】
少なくとも1つの補償要素は、少なくとも2つの補償部材(13、13)を含み、それぞれは弾性的に変形可能または圧縮可能な本体を有する請求項1に記載の光センサデバイス。
【請求項4】
少なくとも1つの補償要素(13、13 -13 )は、検出部(14)またはデバイス本体(2)の対応する接続または位置決め部分(7d、7e、7d)のための少なくとも1つの接続または位置決め領域(43、44、45)を規定する請求項1に記載の光センサデバイス。
【請求項5】
第1の本体部(3)は、少なくとも1つの補償要素(13、13 -13 )のための位置決め領域(12)を規定する請求項1~のいずれか1項に記載の光センサデバイス。
【請求項6】
位置決め領域(12)は、第2の本体部(7)と対向する位置にある請求項5に記載の光センサデバイス。
【請求項7】
少なくとも1つのシール要素(32)が、第1の本体部(3)と第2の本体部(7)との間に設けられた請求項1に記載の光センサデバイス。
【請求項8】
少なくとも1つの補償要素(13)の少なくとも1部分は、少なくとも1つの補償要素(10)と界面壁(7a)との間の空間が検出対象である流体物質(LS)によって占有され得るように、界面壁(7a)の外側表面(15)に、そこから距離を置いて面する請求項1に記載の光学センサデバイス。
【請求項9】
第1の本体部(3)は、少なくとも1つの油圧コネクタ(5a、6a)を備える少なくとも1つの管状部分(5、6)を含む請求項1に記載の光センサデバイス。
【請求項10】
検出対象である流体物質(LS)の少なくとも1つの特性を検出するための光センサデバイスであって、光センサデバイス(1)は、少なくとも1つの検出部(14)を有するデバイス本体(2)を含み、検出部には、光放射(Re、Rr)の発光器(20)と受光器(21)含む感度のある光学部が関連づけられ、
デバイス本体(2)は、検出対象である流体物質(LS)の封じ込めまたは流れのための空間(P)の一部を規定する第1の本体部分(3)と、空間(P)の少なくとも一部を規定する第1の本体部分(3)の領域で第1の本体部分(3)に結合された第2の本体部分(7)とを含み、第2の本体部分(7)は検出部(14)を含む形状であり、
出部(14)は、光放射(Re、Rr)に対して透明な材料で作られ、内側表面(23a、23b)と外側表面(15)とを有する界面壁(7a)を含み、外側表面(15)は検出対象である流体物質(LS)と接触し、空間(P)の少なくとも一部分を規定するように設計され、内側表面(23a、23b)は検出対象である流体物質(LS)から隔離されて、発光器(20)および受光器(21)に面するように設計され、
感度のある光学部の発光器(20)および受光器(21)は、検出部(14)の界面壁の内側表面(23a、23b)に光学的に結合されており、使用時に、発光器(20)からの光放射(Re、Rr)は界面壁(7a)を通過し、外側表面(15)と検出対象である流体物質(LS)との間の界面に衝突し、それによって少なくとも部分的に反射され、検出対象である流体物質(LS)の特性の関数として可変である角度をもって、受信器(21)に向かって界面壁(7a)を通過し、
第1の本体部(3)と第2の本体部(7)は、少なくとも1つのシール要素(32)を介在させて結合された別個の部品として構成され、
第1の本体部(3)と第2の本体部(7)とは、固定され液密に結合され、
光センサデバイス(1)はさらに、検出対象である流体物質(LS)の体積および/または圧力の増加から検出部(14)を保護するための配置を含み、保護のための配置は、空間(P)内にあり、検出対象である流体物質(LS)と接触するように設計された少なくとも1つの補償要素(13;13 -13 )を含み、
少なくとも1つの補償要素(13)の少なくとも1部分は、少なくとも1つの補償要素(10)と界面壁(7a)との間の空間が検出対象である流体物質(LS)によって占有され得るように、界面壁(7a)の外側表面(15)に、そこから距離を置いて面している光センサデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的な容器またはダクト、好ましくは車両の一般的な容器またはダクト内に存在する液体物質の1つ以上の特性を検出するために使用される光学センサデバイスに関する。本発明は、例えば、液体溶液の濃度を検出するため、または液体物質中の可能性のある不純物の存在を検出するために、定性タイプの検出のための光学センサの分野で好ましい用途を見出す。
【背景技術】
【0002】
一般的な容器に入っている流体物質や一般的なダクト内を流れる流体物質の管理を目的とした場合、液面、温度、品質などの特性を検出するセンサを使用することが一般的である。典型的な例としては、窒素酸化物(NOx)の大気中への放出を低減する目的で考えられた、ある種の自動車の排気ガス排出システムに属するタンクやダクトが挙げられる。
【0003】
この目的のために特に普及しているシステムは、SCR(Selective Catalytic Reduction)と呼ばれるプロセスに基づいており、排気ラインに還元性液体物質を注入することで、ガス中の窒素酸化物を還元できる。これらの処理システムでは、窒素酸化物を窒素(N)と水(HO)に変換するために、還元剤を排出ガスの流れの中に注入することを前提とする。還元剤は通常、水と尿素の溶液で構成されている。
【0004】
これらのシステムの適切な運転は、特に還元性物質の定性的な特性に基づいており、これはその組成に関連した特性を意味している。この目的のために、様々なタイプのセンサデバイスが提案されているが、その中でも特に興味深いのは、本発明の目的のために、一般的に光放射の少なくとも1つの発光器と少なくとも1つの受光器を含む電気光学式または光電子式のデバイスである。
【0005】
一般に、そのようなセンサデバイスにおいて、発光器は、流体物質と接触する表面を有する、プリズムまたは類似の光学体を介して放射を向ける。流体物質との界面では、放射線の一部は物質に屈折し、一部は反射し、後者の部分は受光器によって検出される。放射線の反射部分は、流体物質の屈折率に直接比例すると考えられ、これにより、問題の物質が水であるか尿素の溶液であるかを決定し、この溶液の濃度を決定することが可能になる。
【0006】
特定の用途では、参照されているタイプのデバイスは、非常に低い温度の条件で動作する。例えば、自動車の場合、0℃より低い温度に晒され続ける。このため、測定されている流体物質が凍結して体積が増加することが時々ある。流体物質の凍結は、その機械的構造が一般的に強力であることと、その感度の高い光学部すなわち発光器と受光器が、いずれの場合も物質から隔離された位置にあることから、一般的にはデバイスの故障の特別なリスクを伴うものではない。
【0007】
しかしながら、本出願人は、流体物質の凍結による体積の増加が、光学プリズムの表面、特に固液界面におけるその表面、または放射線がプリズムに入るかそこから出るかのいずれかの表面の、特にプリズムまたはそれを一体化するデバイスの本体部分がプラスチック材料または脆い材料で作られている場合に、時折、永久的な変形または変位または故障をもたらす可能性があることを発見した。物質の圧力が過度に上昇した場合にも、同様の問題が生じる可能性がある。
【0008】
前述の表面の1つ以上の位置または幾何学的構成のわずかな変化でさえ、光放射の反射角の変化を生じさせる。特に、流体物質の関心のある特性の検出が、全反射の臨界角の原理に基づいている場合には、関心のある光放射は、関心のある特性の関数として可変の角度で反射され得るため、これは検出の重大な誤差の原因となり得る。
【0009】
このような問題は、排気ガス処理システムとは異なる分野でも発生するが、このような分野では、体積が増加したり圧力が高くなり過ぎたりする可能性のある流体物質の特性を検出するために光学センサが使用される。
【発明の概要】
【0010】
一般的に言えば、本発明は、簡単で経済的に有利でありながら、同時に長期的に効率的で信頼性の高い方法で、少なくとも前述の欠点を克服することを目的とする。この文脈において、本発明の目的は、例えば、物質の体積の増加またはその圧力へ急増に起因して、センサ自体の一部で検出される物質によって生じる高い応力の条件下でも、適切に機能するように設計された、および/または損傷を受けないように設計された、光学タイプのセンサデバイスを提供することである。
【0011】
以下でより明確になるであろう上述のおよび他の目的は、本発明によれば、添付の特許請求の範囲で言及されている特性を有する光学センサデバイスによって達成される。特許請求の範囲は、本発明に関連して、ここに提供される技術的教示の不可欠な部分を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、純粋に非限定的な例示として提供される添付の概略図面を参照して提供される、続く詳細な説明から明らかになるであろう。
【0013】
図1】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスの概略透視図である。
図2】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスの分解概略図である。
図3】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスの分解概略図である。
図4】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスの一部の概略断面図であり、光検出配置を一体化している。
図5】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスに使用される補償要素の概略透視図である。
図6】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスに使用される補償要素の概略透視図である。
図7図5~6の補償要素の概略断面図である。
図8】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスの概略縦断面図である。
図9】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスの一部の縦方向断面の概略斜視図である。
図10】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスの一部の横方向断面の概略斜視図である。
図11】本発明によらない一般的なセンサデバイスの第1の使用状態における概略断面図である。
図12】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスの第1の使用状態における概略断面図である。
図13図11と同様のセンサデバイスの概略断面図で、第2の使用状態を示す。
図14図12と同様のセンサデバイスの概略断面図で、第2の使用状態を示す。
図15】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスに使用される2つの補償要素の概略斜視図である。
図16】本発明の可能な具体例にかかるセンサデバイスに使用される2つの補償要素の概略斜視図である。
図17図8と同様のセンサデバイスの断面図であり、図15に示されたタイプの2つの補償要素を使用するセンサデバイスに対応する。
図18図9と同様のセンサデバイスの断面図であり、図15に示されたタイプの2つの補償要素を使用するセンサデバイスに対応する。
図19図10と同様のセンサデバイスの断面図であり、図15に示されたタイプの2つの補償要素を使用するセンサデバイスに対応する。
図20図17~19に示されたタイプのセンサデバイスの、2つの異なる使用条件における概略断面図である。
図21図17~19に示されたタイプのセンサデバイスの、2つの異なる使用条件における概略断面図である。
図22】本発明のさらなる可能な具体例にかかるセンサデバイスの、2つの異なる使用条件における概略断面図である。
図23】本発明のさらなる可能な具体例にかかるセンサデバイスの、2つの異なる使用条件における概略断面図である。
図24】本発明のさらなる可能な具体例にかかるセンサデバイスの、2つの異なる使用条件における概略的な断面図である。
図25】本発明のさらなる可能な具体例にかかるセンサデバイスの、2つの異なる使用条件における概略的な断面図である。
図26】本発明のさらなる可能な具体例にかかるセンサデバイスの2つの異なる使用状態における概略断面図である。
図27】本発明のさらなる可能な具体例にかかるセンサデバイスの2つの異なる使用状態における概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書の枠組みの中で「具体例」または「1つの具体例」という言及は、具体例に関連して記載された特定の構成、構造、または特性が少なくとも1つの具体例に含まれていることを示すことを意図する。従って、本明細書の様々な点に存在する「ある具体例では」、「1つの具体例では」、「様々な具体例では」などの表現は、必ずしも1つの同じ具体例を指すものではない。さらに、本明細書の枠組みの中で定義された特定の態様、構造、または特性は、表現された具体例が異なるものであっても、1つまたは複数の具体例において、任意の適切な方法で組み合わせられる。参照番号および空間参照(「上方」、「下方」、「上」、「下」など)は、単に便宜上本明細書で使用されており、それゆえに、保護領域または具体例の範囲を定義するものではない。さらに、本明細書および添付の特許請求の範囲において、形容詞「外側」は、本明細書に記載されたデバイスの少なくとも一部の表面を指す場合、一般的な容器またはダクトの内部に面する表面、すなわち、検出される流体物質と接触する表面を指すことが意図されている。これに対して、形容詞「内側」は、壁の反対側の表面、すなわち、容器またはダクトの外側(例えば、回路または電気的、電子的、または光電子的構成要素が少なくとも部分的に配置されている)に配置される表面で、いかなる場合も物質と接触していない表面を意味することが意図されている。また、本明細書および添付の特許請求の範囲において、「光学放射」という用語は、紫外放射(100~400nm)、可視放射(380~780nm)、および赤外放射(780nm~lmm)を含む、100nmから1mmの間の波長を有する放射を含む電磁スペクトルの一部を意味する。また、本発明の範囲内には、コヒーレント型またはレーザー型の光放射源と、非コヒーレント型の光放射源の両方が含まれることが理解されるであろう。さらに、記載された文脈から明らかなように、他に指定されていない場合または記載された文脈から明らかな場合を除き、「材料」の用語は、例えば記載された要素の本体に言及される場合、単一の材料(例えば、プラスチック材料)または多数の材料の組成物(例えば、複合材料または材料の混合物)を示すものとして理解されるべきである。
【0015】
図において、互いに類似または技術的に等価な要素を指定するために、同じ参照番号が使用されている。
【0016】
図1において、本発明の可能な具体例にかかる光センサデバイスが、全体が1で表されている。
【0017】
本明細書の続きでは、デバイス1は、内燃機関の排気ガス処理システムに属するダクト内を流れる液体添加剤または還元剤の1つ以上の特性を検出するために使用されることを想定している。前述の処理システムは、例えば、本明細書の最初の部分で説明したように、例えば、自動車、特にディーゼルエンジンでの窒素酸化物の排出を低減するために使用されるSCRタイプのものであってもよい。前述の添加剤は、尿素と蒸留水の溶液であってもよく、例えば、AdBlue(登録商標)という商品名で商業的に知られているものなどが挙げられる。
【0018】
代わりに、例えば、デバイス1は、ADI(アンチ・デトナント・インジェクション)システムに属するダクト内または水注入システムのダクト内を流れる添加剤、一般的な流体物質、または一般的な物質の混合物の1つ以上の特性を検出するために使用することができる。
【0019】
デバイス1は、いかなる場合でも、ダクトではなくタンクに適用され、および/または他の目的に使用され、および/または自動車以外の分野で使用され、および/または還元剤とは異なる流体物質の少なくとも1つの特性を検出するように設計されている(流体物質または還元剤に言及している定義は、それゆえ、異なる流体物質に言及していると理解される)。一般的に、本発明にかかるセンサデバイスの使用は、水を含み、凍結の可能性がある物質の光学的検出の場合に特に示される。
【0020】
デバイス1は、支持構造体または本体部2を有し、好ましくは、少なくとも一部が流体的に気密に結合された多数の部品から構成されている。例では、3によって指定された第1の本体部は、検出される液体物質の流れまたは封じ込めのための空間を少なくとも部分的に規定するように構成されている。以下では、第1の本体部分3は、この本体が主に液体物質を運搬または含有するように設計されていることから、「液圧本体(hydraulic body)」とも呼ばれる。この例では、液圧本体3は、実質的にカップ状の中央部分4を有し、そこから2つの管状部分5、6が延びており、ここでは、検出された液体物質の入口と出口であると仮定されている。管状部分5、6は、液体物質のための液圧回路、特に液体物質が循環するそれぞれの液圧ダクトの液圧アタッチメントに接続するためのそれぞれのコネクタ5a、6aを規定するか、またはそれらに関連付けられています。非限定的な例では、この目的のために、コネクタ5a、6aは、それぞれダボまたは同様のブロッキング部材5b、6bを含むか、またはより一般的には、クイックカップリングタイプの液圧アタッチメントを構成してもよい。前述のコネクタは、他の方法で得られるか、あるいは省略することも可能である(例えば、2つの管状部分5、6を提供される液圧回路のそれぞれのダクトに溶接または接着で固定することを想定している)ことを考えると、本質的ではないが、好ましい特徴を構成している。
【0021】
前述したように、さらに、デバイス1はタンクに関連することができ、その場合、その液圧本体3は、前述の管状部分がなくても、図に例示されているものに関しては、別の形状にすることができる。例えば、本発明にかかるデバイスの液圧本体は、タンクに取り付けられるか、またはその本体3は、少なくとも部分的には、前述のタンクの本体の一部によって直接規定されることができる。
【0022】
様々な具体例では、液圧本体3は、ポリプロピレン(PP)、または高密度ポリエチレン(HDPE)、またはポリスルフォン(PSU)、またはシクロオレフィンコポリマー(COC)などの成形可能な熱可塑性材料で作られている。
【0023】
センサデバイス1の本体部2は、そのカップ状の中央部分4で第1の部分3に結合されるように設計された、またはより一般的には、液状物質の封じ込めまたは流動のための空間を少なくとも部分的に規定する液圧本体の領域に結合されるように設計された、図2および図3において7で規定される第2の部分を含む。本体部分7は、光学的配置を構成することを考慮して、以下では「センサ本体」とも称される。即ち、本体部分7はデバイス1の光学的検出部分を規定し、および/または関連する。見られるように、様々な具体例では、センサ本体部7は、少なくとも部分的には液圧本体部3内に収容されているか、またはその外面が液体物質によって到達できるように、少なくともそれに結合されている。
【0024】
様々な具体例では、センサデバイス1の本体2は、さらにセンサ本体7が間にセットされた状態で液圧本体3に結合されるように設計された第3の本体部分8を含む。この本体部分8は、センサデバイス1の構成要素の一部をその中に取り囲むことを考慮して、以下では「ケーシング本体」とも呼ばれる。様々な具体例では、ケーシング本体8は、デバイス1の電気的接続のための端子が配置されたコネクタ本体9を規定するか、または関連付けられている。好ましくは、本体部8に関連付けられているのは、閉鎖蓋10である。
【0025】
特に、図2および図3を参照して、様々な具体例では、液圧本体3のカップ状部分4は、基本的に、壁4’によって横方向に区切られたハウジング4aを規定し、これは、好ましくは実質的に円筒状であり、前述のハウジング4aは、管状部分5および6と流体通信で接続されており、それぞれが対応する内部ダクト11を規定している。様々な具体例では、センサ本体7を受けるように設計された液圧本体3の領域において、保護または補償要素13の本体、特に、以下に詳細に説明するように、センサデバイス1の保護配置に属する少なくとも部分的に弾性変形可能な本体のためのシート12が定義されている。
【0026】
実施例では、シート12は、本体3のカップ状部分4の底部、またはセンサ本体7と一般的に対向する位置に規定されている。
【0027】
センサ本体7は、好ましくは、それが設置される対応する領域、ここではハウジング4aによって表される、すなわち液圧本体3の部分4の対応する実質的に円筒状の壁4’によって表される領域、と嵌合する周辺プロファイルを有する、好ましくはカップ状の本体を有する。
【0028】
その周辺プロファイルの特定の形状とは無関係に、センサ本体7は、センサデバイス1の検出部分を含むように形成され、これには、少なくとも1つの対応する電気光学部品または光学電子部品を含む、センサデバイス1の少なくとも1つの感度のある光学部品が、操作的に関連付けられるように設計されている。実施例では、本体7に取り付けられた、前述の検出部分は、全体として14で示されている。
【0029】
様々な具体例では、検出部分14は、液体物質の封じ込めまたは通過のための前述の空間の少なくとも一部分を区切るように設計された、図3において15で示された外側下面を有する、センサ本体7の少なくとも1つの底面または界面壁7aを含む。検出部分14は、好ましくは、液体物質から隔離された界面壁7aの側、すなわち表面15に対向するその内面に規定されている側で、図2において16で示される前述の感度のある光学部分のための位置決め部位を構成する。以下に明らかになるように、様々な具体例では、位置決め部位16は、壁7aの内側面または表面の特定の形態、すなわち、光放射の伝播のために設計されたその部分の特定の形態を構成する。
【0030】
また図4を参照して、好ましい具体例では、検出配置または感度のある光学部分は、光放射の少なくとも1つの発光器と、光放射の少なくとも1つの受光器とを含む、発光器から受光器への光放射の少なくとも一部の伝播に寄与するように構成された検出部分14を有する。以下では、簡単のために、前述の光放射は可視光の周波数であると仮定されるが、本発明の実施のためには、光放射の周波数が異なることが可能である。したがって、以下では、可視光の光線またはビームについて言及する。
【0031】
様々な具体例では、検出部分14は、少なくとも屈折および/または反射によって、光の伝播のために設計された材料の少なくとも一部で作られており、発光器および受光器の両方がこの部分14に操作的に関連付けられている。この材料は、好ましくは透明材料であり、例えば、シクロオレフィンコポリマー(COC)、またはポリスルフォン(PSU)、またはポリプロピレン(PP)、または高密度ポリエチレン(HDPE)から選択されるが、しかしながら、それは、場合によっては、ガラスまたはシリカ、またはシリコンを含む材料であっても良い。
【0032】
様々な好ましい具体例では、発光器および受光器は、光学位置決め部位16に取り付けられた単一の光学モジュールの一部である。検出部14のような光学モジュールは、本出願人の名前で出願されたWO2017/149476Aの記載に従って得られ、操作できる。
【0033】
一般的に、そして図2~4を参照して、前述のモジュールは、好ましくは、一部が電気的に絶縁性の材料で形成され、一部が電気的に導電性の材料で形成されている、全体が17で示される支持構造および電気的接続構造を有する。特定の具体例とは無関係に、光モジュールの構造17は、発光器20および少なくとも1つの受光器21の設置および電気的接続のために予め配置されている。発光器20は、非拡散ランバート発光光源(non-diffused Lambertian-emission light source)であってもよく、例えば、好適なLEDおよび/または受光器21は、発光器によって生成された発光を検出するのに適した光検出器またはフォトダイオードのような、2つの異なる受光器を含んでもよい。
【0034】
様々な具体例では、発光器20および受光器21は、それぞれ発光および受信のための活性部分を有し、これらの活性部分は、一般的に互いに対向しているが、好ましくは、それぞれの軸が交差するような方法で、互いに角度をつけて配置されている。発光器20および受信器21のための相対的な配置角度は、検出部分14に使用される材料の種類、それが採用されることを意図している光放射の種類、および検出を受ける物質の種類に実質的に依存する。好適な角度は、例えば、読者が参照されるWO2017/149476号に言及されているものである。
【0035】
様々な具体例では、発光器20に関連付けられているのは、光学フィルタまたは空間フィルタ20aであり、特に光ビームを選択または集光する目的を有する。空間フィルタ20aは、基本的には、光放射または光に対して浸透性ではないプラスチック材料で作られた構成要素であり、特に、例えば発光器20の上に直接、または構造体17に固定されて、取り付けられて、成形されている。フィルタ20aは、好ましくは、発光器20の光源に対向するその壁に開口部を備えたキャップとして構成され、この開口部は、発光器自体によって放出された光ビームをフィルタリングし、選択または集光するために予め配置されている。
【0036】
支持および接続構造17から突出しているのは、光学モジュールすなわち発光器20および受光器21を、デバイス1の制御電子機器、特に回路支持体に、電気的に接続するために使用される端子である。これらの端子の一部は、図2~3および図8~9においてl7aで示されており、前述の回路支持体はPCBで示されている。
【0037】
位置決めサイト16は、基本的に、界面壁7aの内側から、好ましくは直交方向に立ち上がる形状に構成され、実質的に光学プリズムの機能を果たすように設計されている。この形状は、基本的には、壁7aと同じ材料、特に透明な材料または使用される光または光放射に対して透過な材料で作られた、図4において22で示された壁から構成される。壁部22は、その2つの対向する長手方向の端部において、2つの傾斜した横方向の面または表面23a、23bを規定し、これらの面は、それぞれ、発光器20および受光器21に面するように設計されている。
【0038】
再び図4を参照して、様々な具体例では、壁22は中間空洞によって少なくとも部分的に分割され、好ましくは互いに実質的に鏡面対称の2つの直立部分22a、22bを規定する。前述の中間空洞は、有利には、光学モジュールの接続および支持構造体17の対応する部分を受け取ることができる。2つの直立部分22a、22bの上端部は、参照番号で示されていないが、図4で明確に見える位置決め付属品を提供するように形成され、そこには、24で示されたブロッキング部材が接続されるように設計され、サイト16上すなわち検出部分14上に、構造体17自体を所定の位置に保持するように予め配置される。
【0039】
様々な具体例では、前述の付属品および部材24は、光学モジュール、すなわちその構造体17を位置決めするために、弾性要素25を所定の位置に固定するためにも利用される。弾性要素25は、好ましくは金属材料で作られており、タブ付きの穴(図2および3参照)を備えた中央部分を有しており、前述の付属品に固定することを可能にし、一般的に湾曲した対向する弾性腕と同様に、発光器20および受光器21が取り付けられている領域で、光学モジュールの構造体17に弾性力を及ぼすように設計されている。図4を参照して、弾性要素25によって(すなわち、その2つの対向する腕によって)及ぼされる力は、発光器20の側面で、空間フィルタ20aが傾斜面23aによって表される光学面に係合し、そこで正しく位置決めされることを保証する。受光器21の側では、要素24に加えられた力は、代わりに、光学モジュールの構造体17の意図的に提供された下側の突起l7bが、好ましくは光学表面23bに対してわずかな距離を置いて対向したままの受光器21を備え、傾斜表面23b上に載置されることを保証する。その結果、図4に見られるように、光学モジュールの組み立てられた状態では、一方の側の発光器20と、他方の側の受光器21を提供する2つの光検出器は、それぞれ壁22の傾斜面23aおよび23bに対向して、一般的に平行に設定される。光学面23a、23bの傾斜は、光の入口面および出口面に対して可能な限り直交する方向にそれを横断するように計算され、空気-固体界面および固体-空気界面での光放射の反射をそれぞれ最小にする。
【0040】
様々な具体例では、本発明にかかるセンサデバイスは、液体物質の温度と、周囲温度、例えばデバイス本体2内の空気の温度との、少なくとも1つを検出するための少なくとも1つの温度センサを含む。様々な具体例では、例えばNTCタイプのような、少なくとも1つの温度センサは、センサ本体7に取り付けられて、界面壁7aの内面に実質的に接触する、すなわちサイト16が規定されているのと同じ側と実質的に接触しても良い。例えば、例示された実施例(図2図3および図9を参照)では、センサ本体7は、温度センサ31の検出部分のためのシート30を規定し、その接続ピンまたは端子3laは、回路支持PCBに電気的に接続されている。
【0041】
ここで例示されるような様々な具体例では、少なくとも1つの温度センサ31によって行われた測定は、温度センサが液体物質と直接接触していない場合は、間接的な測定である。様々な具体例では、少なくとも1つの温度センサ31は、センサ本体7内に収容され、それゆえに物質から隔離された位置にあるという事実が理解されるであろう。この目的のために、様々な具体例では、デバイス10の制御回路配置(支持基板上に実装されている)は、温度センサ31と液体物質との間に設けられた壁(ここでは壁7a)の存在を少なくとも考慮に入れた、温度測定の適切な補正を行うために予め配置されている。例えば、回路配置のメモリには、実験的分析に基づいて、対応する補正パラメータが含まれても良い。
【0042】
図1~3に戻ると、好ましくは軸方向に中空であるケーシング本体8は、液圧本体3と結合するように設計された下部部分8aと、蓋体10が結合するように設計された上部ハウジング部分8bとを有する。下部部分8aは、好ましくは、液圧本体3の中央部分4のそれに実質的に対応する周辺形状を有し、ここでは実質的に円筒形状である。例示的には、部分8aは、このカップ状部分4内に部分的に受けられるように設計されており、特に、少なくとも部分的に壁4’によって囲まれる(例えば、図9および図10を参照)が、逆の構成が可能であることは明らかである。2つの本体部8、3の間の相互固定は、流体的に気密な方法が好ましいが、必ずしもこれで無くても良く、任意の適切な方法で、例えば、溶接、または接着、またはねじ結合、または係合機構、またはバヨネット結合などによって得られてもよい。見られるように、他の具体例によれば、2つの本体8、3は、代わりに、互いに変位可能または移動可能な方法で結合され得る。
【0043】
好ましくは、ケーシング本体8は、センサ本体7に機械的に固定されているが、本体7、8は、場合によっては、単一のピースで作られているか、または共成形されてもよい。様々な好ましい具体例では、本体7、8は、別個の部品として構成され、実質的にスナップアクション型および/またはバヨネット型のカップリングによって結合されているが、溶接または接着されても良い。図示された例では、この目的のために、センサ本体7の円筒状の周壁の外側に規定されたそれぞれのシート7bに係合するように、ケーシング本体8の下部部分8aを横断する貫通キャビティの内周に沿ってレリーフ8a1が設けられ、これらのレリーフ8a1およびシート7bは、バヨネットカップリングを提供するように形成されている。
【0044】
好ましくは、センサ本体7とケーシング本体8との間に設けられたガスケットは、弾性材料、特にエラストマー材料からなるガスケットであり、これは、例えば図2~3において26で示されている。様々な具体例では、前述のガスケット26は、必ずしもシール機能を果たすものではなく、主に、センサ本体7とケーシング本体8との間の比較的弾性的な結合を可能にすることを意図している。特に、それらがバヨネット結合またはスナップアクション結合、または互いに関して予め定められた動きを可能にするように設計された他のタイプの係合機構によって互いに拘束されている場合には、センサ本体7とケーシング本体8との間の比較的弾性的な結合を可能にすることが意図されている。ガスケット26は、ここでは実質的に平面リングのような形状をしているが、以下に説明するいくつかの具体例では、どのような場合でも、シール機能も果たすことができる。図9、10において、例えばガスケット26は、本体8の下側部分8aおよび本体7の周縁部に規定された、それぞれの周縁部の段差またはレリーフの間に設定することができる。例示的には、段差27は部分8aの内側に規定され、一方、環状レリーフまたはフランジ28は、本体7の周縁壁の外側に規定される。
【0045】
本体8は、本体3の形成に使用されたものと同様の材料、好ましくは成形可能な熱可塑性材料で作られてもよい(言われてきたように、好ましい材料は、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリスルフォン、またはシクロオレフィンコポリマーである)。
【0046】
なお、図2において、ケーシング本体8の上側上部部分8bは、蓋10と共に、センサデバイスの電気的および/または電子的構成要素の少なくとも一部のためのハウジングを区切る、それぞれの貫通空洞を定義することができる。好ましい具体例では、この構成要素の少なくとも一部は、電気的に絶縁された基板上に取り付けられており、この基板は、前述の支持基板を形成する。前述の支持PCBは、好ましくは、プリント回路を製造するのに適した材料、例えば、FR4またはファイバーガラスタイプの類似の複合材料、または他のセラミック材料またはポリマーベースの材料、好ましくは成形可能な材料で作られる。有利には、本体8の部分8bによって定義されるハウジング内には、ピンまたは類似の要素のような、支持PCBの位置決めおよび/または固定のための要素8bが設けられてもよい。
【0047】
発光器20および受光器21を含む光学センサに接続されているデバイス1の検出および/または制御のための電子部品が、一般には支持基板に関連付けられている。前述の構成要素は、好ましくは、その品質または組成などの物質の少なくとも1つの特性、場合によっては、言われてきたようにその温度も含む特性の検出に関する信号の処理および処理のための構成要素を含む。様々な具体例では、前述の構成要素は、電子制御デバイス、例えばマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラからなり、好ましくは、少なくとも1つの処理および/または制御ロジックユニット、メモリ回路、および入出力、とりわけアナログ/デジタルタイプの入力を含む。次に、前述の構成要素は、液体溶液の品質および/または温度の検出に関する信号の条件付けおよび/または処理のための要素を含む。
【0048】
好ましくは、図8~10に部分的に見える、デバイス1の外部電気的接続に対応する端子が支持基板に関連付けられており、ここでは9aで示されている。前述の端子9aは、前述のコネクタ本体9と共に、デバイス1の外部電気的接続のためのインターフェースまたはコネクタを提供し、例えば、車両に搭載されたシステムの電子制御ユニットへの接続を提供する。
【0049】
既に述べたように、図9および図10に部分的に見えるように、センサ本体7は、液圧本体3の部分4の壁4’によって周方向に区切られたハウジング(4a、図2)内に少なくとも部分的に挿入されている、あるいはいずれの場合も好ましくは実質的に固定された位置で本体3に結合されている。これにより界面壁7aの外表面15は、液状物質と接触する。すなわち、液状物質の封じ込めまたは流動のための空間の少なくとも一部分を区切る。このため、様々な具体例では、少なくとも1つのシール要素32が、2つの本体3、7の間に提供され、例えば、エラストマー材料で作られたシールリングが提供される。図示された例では、要素32は、センサ本体7の周壁と、前述のハウジング(4a、図2)内に規定された内側円筒状壁4bとの間に、すなわち、壁4’よりも小さい直径を有し、かつそれと同心の直径を有する壁との間に、放射状のタイプのシールを形成するように設計されている。好ましくは、2つの本体3、7のうちの少なくとも1つは、前述の封止要素32を位置決めするためのそれぞれのシートを規定する。図示された例では(図8~10を参照)、7cによって規定されるシートは、センサ本体7内に、特にその周壁の外側に規定されており、他方の側にある封止要素32は、本体3の前述の内側円筒壁4bの内側で作用するように設計されている。
【0050】
また、本体3、7は、相互に休息するための、それぞれのアバットメントまたは対照面を規定することが好ましい。再度図8~10の例を参照すると、液圧本体3は、この目的のために前述の内壁4bを利用し、その上端に、ガスケット26を位置決めするために使用される環状リリーフまたはフランジ28の下面を載置することができる。
【0051】
図8~10では、デバイス1は、その組み立てられた状態で図示されている。前に説明したように、様々な具体例では、センサ本体7はケーシング本体8に固定され(ここではバヨネット結合を介して)、ケーシング本体8は液圧本体3に固定されている。本体7の少なくとも1つの表面(ここでは、界面壁7aの外表面15)が、検出される物質の封じ込めまたは通過のための空間の少なくとも1つの部分を区切るように(ここでは、要素32を介して)、本体7、3は液蜜に結合されている。
【0052】
本発明の1つの形態では、光センサデバイスは、本体2またはその検出部分14の少なくとも一部の損傷または変形(それによって故障も含む)を防止するように構成された保護配置を含み、これらは、例えばその凍結の場合、物質の体積の増加またはそれによって発生した推力によって引き起こされる。
【0053】
前述の保護配置は、少なくとも部分的に弾性的に変形可能または降伏可能な本体を有する、13によって先に規定されたような、少なくとも1つの補償要素を含む。様々な具体例では、前述の少なくとも1つの補償要素の弾性的に変形可能な本体は、それによって物質の体積の増加を補償するために、収縮するか、またはそれ自体が少なくとも部分的に圧縮されることを許容する。他の具体例では、代わりに、少なくとも1つの補償要素の弾性的に変形可能な本体は、そのような体積の増加に続いて、検出部分14またはそれを統合する本体7の可逆的な変位を可能にするために、実質的にバネとして動作する。
【0054】
様々な具体例では、少なくとも1つの補償要素の弾性的に変形可能な本体は、エラストマー材料、または弾性および/または少なくとも部分的に圧縮可能なポリマーからなり、0.1MPaから1GPa、好ましくは0.2MPaから100MPa、より好ましくは0.5MPaから10MPa、特に好ましくは1MPaから5MPaのバルク弾性率を有する。再び好ましくは、使用される材料は、5ShoreA(ショアA)から100ShoreA、好ましくは10ShoreAから70ShoreA、非常に好ましくは15ShoreAから30ShoreAの硬度を有する。
【0055】
シリコーンエラストマーまたは液体シリコーンゴム(LSR)またはフルオロ液体シリコーンゴム(FLSR)のようなシリコーン材料、好ましくは二成分材料または二成分シリコーンを使用して、前述の弾性変形可能なボディを得ることが特に有利である。様々な具体例では、弾性変形可能な本体はまた、センサ本体7または液圧本体8と共成形されてもよく、または重ね形成(オーバーモールド)されてもよい。
【0056】
図1~10に例示される場合には、補償要素13の本体は、液体物質と接触するように設計されている。この目的のために、言われてきたように、補償要素13は、液圧本体3の管状部分5、6によって規定されるダクト11に対して、実質的に中間位置に位置する、液圧本体3中に形成された対応するシート12に配置されている。より一般的には、このタイプの用途では、前述の弾性変形可能な本体は、流体物質の封じ込めまたは通過のための空間の少なくとも一部を区切ることが好ましい。
【0057】
補償要素13の可能な具体例が、図5~7に模式的に示されている。これらの図において、40で示されているのは、弾性的に圧縮可能な要素13の本体であり、この本体は、好ましくは、ここでは実質的に円形のプロファイルを有する、底壁41および周壁42を含む。
【0058】
底壁41および/または周壁42は、好ましくは、液体物質の存在および/または流れを可能にするように設計された空洞または通路Pを規定するように形成される。
【0059】
この目的のために、本実施例では、周壁42は、好ましくは、必ずしもそうではないが対角線上の位置にある2つの中断部42aを有する。再び好ましくは、底壁41は、以下に明らかにされる目的のために、その中央領域4laにおいて厚くなるように形状されており、一方、側壁42の中断部42aにおいては、液体物質の出入りのためのランプの形状の傾斜面4lbが規定される。また、中断部42aには、例えば流体力学的な理由のために、傾斜した壁が設けられていてもよい。
【0060】
様々な好ましい具体例では、弾性的に圧縮可能な本体40は、検出部分14またはより一般的にはセンサ本体7の対応する結合部分のための少なくとも1つの結合シートを規定する。好ましくは、本体40の少なくとも一部は、検出部分14またはセンサ本体7の少なくとも一部と実質的に相補的に結合するか、または結合するように設計された形状を有する。
【0061】
例示された例では、例えば、周壁42によって囲まれた領域では、2つの側方シート43が、特に底壁41で規定されている。そのそれぞれでは、センサ本体7の底の対応する底の下側突出部またはセンサ本体7の内壁7aが接続され、これらの突出部は、例えば図3、4の7dで示される。図10から、取り付けられた状態では、前述の下側突出部7dが、液圧本体3に規定された対応するシート12内で補償要素13の本体の軸方向の位置決めを確実にすることにも寄与し得ることを考慮して、シート43に係合していることが、明らかに留意され得る。あるいは、シート43として規定された領域は、レリーフとして構成することができ、前述の突起部7dはシートとして構成することができ、あるいは、部品間の相互結合の領域を規定するように設計された場合は、他の形状の組み合わせを有することができる(好ましくは、実質的に事前に規定された位置での固有の結合を可能にするように設計された領域または形状であり、また、誤った位置への取り付けの危険性を防止するものでもある)。
【0062】
有利にも、圧縮性本体40の周壁42は、検出部14またはセンサ本体7の対応する係合部と協働するように設計された1つまたは複数のシートを備えていてもよい。例示されたケースでは、例えば、周壁42の内側には、互いに直径方向に対向する位置に、2つのさらなるシート44(図7参照)が規定されており、それぞれの中で、本体7の対応する半径方向の突起が結合するように設計されており、これらの突起は、ここでは、実質的に界面壁7aにおいて、センサ本体7の周壁の外側に規定されている。これらの半径方向の突起は、例えば、図4および図10において7eで示されている。後者の図から、装着状態において、前述の突起7dが、補償要素13の半径方向の結合を確実にすることに寄与するために、シート44に係合していることに留意される。また、センサ本体7および/または液圧本体3に対する位置決め、および/または対応するシート12内での位置決めに寄与する可能性があることにも留意されよう。
【0063】
補償要素13とセンサ本体7との間の位置決めおよび/または固定のための手段は、好ましくは、光学モジュールの構造体17および/または外側下面15に対する補償要素13自体の予め定められた位置も決定する。
【0064】
好ましくは、弾性的に圧縮可能な本体40とセンサ本体7との間の相互係合のための手段(例えば手段44および7e)が設けられており、この手段は、例えば製造段階において、互いに結合された2つの要素を取り扱うことができるためにも有用である。代わりに、弾性的に圧縮可能な本体40とセンサ本体7との間の接着または溶接を想定することも可能であろう。
【0065】
有利には、補償要素またはその圧縮性本体は、相互の位置決めおよび/または結合または固定の目的のために、対応する形状または液圧本体3の係合部分と協働するように設計された形状(例えば、シートまたはレリーフを介して)でも良い。好ましくは、この目的のために、予め定められた位置(例えば、シート12に対する本体40の壁42および/または壁41の相互の位置決めまたは固定)にのみ、部品を相互に組み立てることを可能にする手段が設けられている。好ましくは、補償要素またはその弾性的に圧縮可能な本体を液圧本体7に相互に固定するための手段、例えば係合手段または溶接手段または接着手段が設けられており、これは、例えば生産段階において、結合された2つの要素の取り扱いを可能にするためにも有用である。特に、補償要素、またはその圧縮性本体を液圧本体3に位置決めおよび/または固定するための前述の手段はまた、センサ本体7および/または光学モジュールの構造体17および/または界面壁7aの外側下面15に対して、補償要素またはその圧縮性本体の位置決めを決定する。
【0066】
図示された例では、本体7の前述の下側突出部7dの少なくとも1つは、その外側に、少なくとも1つの長手方向のリリーフ7d図3および図10参照)を有しており、これは、弾性的に圧縮可能な本体40に規定された対応するシート45内に等しく結合され得る。
【0067】
部品7d、および/または7e、および/または7d1の、対応するシート43、および/または44、および/または45への前述の結合はまた、対応するシート12内での本体40の起こりうる回転の危険性を防止する。または補償要素13の本体40の前述の取り付けを、予め定義された位置でのみ可能にする。
【0068】
ところで、シート12内には、対応するまたは相補的な半径方向のリセス46(図6~7)が本体40の底壁42の外側に規定され、係合するように設計された、例えば図10において12aで指定された、少なくとも1つのコントラストレリーフが設けられてもよい。
【0069】
留意されてもよいが、例えば図8~10において、デバイス1の組み立てられた状態では、補償要素13は、検出部分14の実質的な下方および/または近接した位置に、特に、センサ本体7の界面壁7aの外側面15に面しているおよび/または近接している要素13の本体底壁の中央部分4laの上面を有し、それゆえに要素13を径方向に横断する通路P内では、流動するか、またはいかなる場合にも存在し得る液体物質を有する。
【0070】
注目されるかもしれないが、要素13の少なくとも1つの部分は、問題となっている2つの要素の間の空間が液体物質によって占められることができる距離で、外側表面15に面している。
【0071】
前述の底壁41(図5~7)の中央部分4laは好ましくは比較的厚いか、または浮き彫りになっているという事実は、一方では、界面壁7aによって表される検出領域において正確に液体物質のための通過断面を減少させ、他方では、上述の界面壁7aにおいて正確に要素13の本体の圧縮可能な材料の量を増加させる。
【0072】
底壁41は、液体物質の通過断面の減少をもたらすように形成されており、凍結物質の厚さをより小さくすることが可能となり、その結果、界面壁7aの方向への少ない膨張および低い推力を有することが可能となる。別の観点から、より大きな厚さまたは圧縮性物質の量の増加を決定するように形成された底壁41は、より大きな変形、したがって、特に界面壁7aの方向とは反対の方向において、凍結物質の膨張および/またはそれによって及ぼされる推力の、より大きな補償を可能にする。
【0073】
見られているように、補償要素13の本体40(図5)の周壁42の中断部42a(図5および図9)における前述の傾斜した延伸部4lb(図5および図9)が、前述の中央部分4laの上流側および下流側に提供される。この方法では、入口領域を有する液体物質のための通路Pを利用可能にすることが可能であり、その通路の断面は、前述の検出領域より減少または狭くなり、その後、前述の液体物質の出口の隣接領域が続き、その通路のセクションは、再び広くなる。
【0074】
好ましくは、補償要素またはその圧縮可能な本体は、液体物質を予め定義された検出領域に搬送するために少なくとも部分的に(延伸部4lbおよび/または通路Pについて)得られ、その中に補償を介した保護配置があり、ここでは実質的に界面壁7aに対応する位置にある。
【0075】
本発明の根底にある原理は、図11~14を参照して説明され、図11および図13は、補償要素13を含む保護配置のないデバイス100の場合を表し、図12および図14は、代わりに、本発明にかかるデバイス1の場合、すなわち補償要素13を含む前述の保護配置を備えたデバイス1の場合を例示している。
【0076】
既に述べたように、本発明により提供される品質センサの一般的な動作は、光放射の屈折/反射を記述する光学の法則、特に全反射の臨界角に関連している。より具体的には、動作原理は、液体物質の屈折率の、後者の組成または濃度への依存性に基づいている。したがって、測定は、分析される液体と、検出部分14が作られた固体物質(すなわち、界面壁7aと、発光器20と受光器21が関連するサイト16)との間の屈折率のジャンプに基づいており、2つの媒体間の界面での全内部反射の原理を利用している。言い換えれば、後者を測定するために、物質の濃度の関数として変化する全反射の臨界角の存在を、それ自体既知の原理に従って利用することが可能である。また、この場合、読者は、本明細書で考慮されるタイプのデバイスでも使用することができる光検出の原理の詳細な説明のために、WO2017/149476Aを参照されたい。
【0077】
極端な合成では、界面表面(すなわち、液体と接触している壁7aの外側表面15)は、臨界角の周りのすべての関心のある角度で、したがって、臨界角よりも大きい入射角および臨界角よりも小さい入射角で、発光器20を介して照明される。このようにして、全反射光線(臨界角よりも大きい入射角を有する光線に由来する)が入射する領域と、部分的に反射する光線(臨界角よりも小さい入射角を有する光線に由来する)が入射する、より低い強度を特徴とする領域の2つの領域が存在することになる。このようにして、照明強度の高い領域(全内部反射)と低い強度の領域(部分反射)の間の分離が液体の濃度の関数となるような強度の範囲を、出力においてに得ることができる。したがって、2つの光検出器21を使用して、それらの出力信号の変化を通して、臨界角の変化を評価することが可能であり、その結果、組成または濃度の変化、および最終的な分析では、液体溶液の品質を評価することが可能である。この目的のために、光検出器21は、反射された光ビームの各部分を受けるように配置されており、一方の光検出器には臨界角よりも大きな入射角を有する高輝度の光が、他方の光検出器には反射光ビームの「尾」側の低輝度の光が入射する。
【0078】
以上のことから、センサデバイスの適切な動作、すなわち液体物質の濃度検出の正確さは、検出部の形状、特に表面15と、発光器20および受光器21の軸との間の角度、すなわち光学表面15、23aおよび23bの間の相対的な傾斜に依存することが理解されるであろう。
【0079】
図11、12は、それぞれ、デバイス100および1の通常の動作の状態を示しており、「通常の動作の状態」は、LSで示された物質が通常の液体状態にあることを理解されたい。いずれの場合も、発光器20によって放出された放射ビームReは、外表面15と物質LSとの間の界面に衝突し、その後、物質LS自体の濃度に依存する角度で、受光器21に向かってビームRrで部分的に反射される。これまで説明してきたように、受光器21から出力される信号の変化から、液状物質LSの品質を評価することができる。
【0080】
図13、14では、代わりに、液体物質LSが凍結して体積が増加した場合を例示する。この現象をより簡単に理解するために、凍結した物質LSは、図11、12の液体状態の物質とは異なる方法で表現(塗りつぶされている)されています。実質的に類似した状況は、例えば、いわゆる突っ込み(ramming)による物質LSの偶発的な過圧の存在下で生じる可能性がある。
【0081】
図13は、デバイス100において、物質LSの体積の増加が、その変形、すなわち、外表面15(物質LSとの界面)の幾何学的構成の変化、および/または傾斜した光学表面23aおよび/または23bの変化を引き起こすような、検出部分14への機械的応力を決定する方法を示している。変形の程度は、現象をより明確に引き出すために、図13では意図的に誇張されていることに留意すべきである。
【0082】
図13から、表面15および/または表面23a、23bの一方または両方の前述の変形が、出射ビームReおよび特に反射ビームRrの角度の変化をどのように決定するかが理解されるであろう。この変化は、しかしながら、液体物質LSの濃度の変化に依存するものではなく、単に機械的な理由によるものであり、特に、物質の体積の増加によって決定される応力によるものである。したがって、この場合、センサデバイスの側では検出に大きな誤差が生じることが明らかである。
【0083】
過度の変形は、電気および/または光電子部品が収容されている領域に液体が浸潤し、結果的に動作不良を伴う界面壁7aの故障につながる可能性があることも明らかである。故障の危険性は、比較的脆い材料で作られた界面壁7aの場合、またはガラスや光ビームに対して透明な所定のタイプのポリマーのような低い弾性を有する材料で作られた界面壁7aの場合に顕著になる。
【0084】
図14から、本発明にかかるデバイス1では、液体物質LSの体積の増加は、界面表面15に対して反対方向に「緩和」され、すなわち、下方に圧縮される補償要素13によって吸収されることが理解されるであろう。このようにして、検出部14は機械的にストレスを受けず、それによってその幾何学的完全性を保護し、それゆえに、図12に示されている場合(明らかに、物質LSの濃度の変動を除いて)に対して、光線ReとRrの角度の変動が発生しない。物質LSの凍結が解除された後、補償要素13の本体40は、図12に示されているように、再び弾性的にそれ自身の初期構成となると思われ、それによって保護機能が回復する。
【0085】
もちろん、デバイス100の場合も、物質LSの凍結が解除されて液体状態に戻ると、検出部14は、もはや前述の機械的応力を受けなくなる。しかしながら、故障が発生していない場合にも、物質の体積増加によって誘発された機械的応力は、センサ本体の材料の弾性的挙動の閾値を超えること(例えば、材料の塑性変形または降伏の閾値に達すること)につながる可能性があり、すなわち、永久変形を生じさせる可能性がある。このような場合には、検出部分14および/または界面壁7aの少なくとも一部は、元の幾何学的構成を再び戻らない可能性がある。
【0086】
この結果、検出部分を形成する材料は、比較的剛性であるとはいえ、最小限の弾性を示すことができる場合であっても、前述の機械的応力は、不可避的な検出誤差を伴って、表面15および/または表面23aおよび/または23bの幾何学的形状を不可逆的な方法で変更する可能性がある。この問題は、代わりに、本発明にかかるデバイスでは回避される。
【0087】
様々な具体例では、光センサデバイス1は、少なくとも2つの補償部材を含み、それぞれが弾性的に変形可能なおよび/または少なくとも部分的に圧縮可能な本体を有する。
【0088】
図15、16は、本発明にかかるデバイスで使用される、13および13で示された2つの補償要素のありそうな具体例の概略図である。
【0089】
要素13および13はそれぞれ弾性的に変形可能な本体40を有し、その周辺形状は、実質的に円形のセクターまたはセグメントのような形状である。また、この場合も、それぞれの本体40は、底壁41と、それ自体の周辺壁を有し、ここでは、長手方向の壁部分42’によってその端部でR状(radiused)に形成されたアーチ状の壁部分42を含む。
【0090】
また、この場合、それぞれの本体40は、図5~7を参照して、43、44、45、46によって示されたものと同等の1つ以上のシートを規定してもよく、または、異なるおよび/またはさらなる位置決めおよび/または固定手段を規定してもよい。補償要素13および13は、特に、対応するアーチ状の壁部42の半径方向に特定の大きさを有しており、それにより、それらの両方が、一定の距離を隔てて互いに対向するように設定された長手方向の壁部42’を有するように、液圧本体3に設けられたシート12内に収容され得る。このようにして、2つの壁部42’の間に定規定された、液体物質のための通路Pが形成される。
【0091】
組み立てられた状態の補償要素13および13は、図17~19に示されており、そこから、これらの要素が、実質的に前の具体例の単一の補償要素13に入れ替わるように、シート12内にどのように配置されているかが分かるであろう。要素13、13は、例えば図19に明確に示されているように、通路Pを画定するために、長手方向壁部42’が、好ましくは液体物質の主な流れの方向(すなわち、液圧本体3の2つの管状部分5、6を連結する方向)に、互いに対向して延びるように、シート12内に配置されている。もちろん、前述の位置決めを可能にするために、単一のシート12の代わりに、それぞれの要素13および13のために、2つの別個のシートを提供することができる。
【0092】
図15~19に示された保護配置の動作は、既に説明したものと実質的に類似している。例えば、図20に模式的に表されているのは、デバイス1の通常の動作状態、即ち、物質LSが液体状態にある場合である。発光器20によって放出された放射ビームReは、それゆえに、外表面15と物質LSとの間の界面に衝突し、物質LSの濃度に依存する角度で、部分的に受光器21に向かってビームRrで反射される。
【0093】
図21は、代わりに、例えば凍結により物質LSの体積が増加した場合を示している。この場合、物質LSの体積は、主に、液体状態にあるときに物質自体が従う方向に対して横方向(すなわち、ダクト11間の通常の流れの方向に対して横方向)に増加し、すなわち、2つの補償要素13、13によって吸収され、これらの要素は、一方が右方向に向かって圧縮され、他方が左方向に向かって他方が圧縮され(図示のように)、そして部分的には垂直方向にも圧縮される。このようにして、検出部14は機械的な応力を受けず、それにより、以前に説明したように、その幾何学的な完全性、および発光および反射の角度の正確性が守られる。また、この場合、物質LSの凍結が解除された後、補償要素13および13の本体40は、図20に図示されているように、弾性的に再び初期の構成をとることができる。
【0094】
様々な具体例において、本発明によって提供される保護配置は、検出部14を担うデバイスの本体の一部が、液体物質の体積が増加する可能性があることに続いて、同じ本体の別の部分に対して、第1の位置から第2の位置へと変位できるように考えられており、この変位は、補償要素の弾性的に変形可能な本体の弾性的な変形によって可能となる。
【0095】
このタイプの具体例は、図22、23に模式的に示されている。図22のデバイス1は、先に説明した具体例と非常に類似した構造を有する。第1の相違点は、センサ本体7が液圧本体3に対して案内された方法で結合されているという事実によって表され、すなわち、後者に対して制御された方法で変位させることができる。この目的のために、問題の2つの本体の間には、例えば実質的に伸縮可能な方法で、一方の本体を他方に対して相対的に軸方向にスライドさせることを可能にする適切なガイド手段が設けられていてもよい。例では、センサ本体7はガイド体として機能し、一方、液圧本体3はガイド体として機能し、この目的のために、より高さ方向に展開する部分4を有する。
【0096】
より具体的には、図22を参照して、カップ状の部分4を横方向に区切る周壁4’は、前の具体例の場合とは異なりケーシング本体8の下側部分8aを包囲することができ、液圧本体3に固定されていない後者と一緒に、前に図示されたものよりも高くなっている。
【0097】
前に説明したように、センサ本体7が好ましくはケーシング本体8に固定された場合、本体3に対するケーシング本体8の軸方向の変位は、結果的に本体3に対するセンサ本体7の軸方向の変位を引き起こし、その逆もまた然りであることが理解されるであろう。
【0098】
このような変位を可能にするために、デバイス1の本体として、例えば中空かまたは任意の場合には補償要素を収容しおよび/または補償要素と協働するような形状をした、以下では「外部本体」とも定義される、50により示された本体部分のような更なる外部本体部分を想定することが好ましい。実施例では、外部本体50は、好ましくは円筒状であり、ケーシング本体8の上側部分8bを取り囲む上壁51と、それぞれの周壁52とを有する。外側本体50は、液圧本体3に固定されている。実施例では、外側本体50の壁52は、液圧本体3のカップ状部分4の周壁4’の上部に固定された突起またはフランジ52aを有する。
【0099】
この例では、保護配置に属する補償要素は、本体50と本体8との間に設けられ、本体8および関連する本体7を本体3の内側に向かって押すように(または少なくともそこに保持するように)取り付けられる、特に本体8の部分8aの下端が本体3の壁4bの上端に支えられるように取り付けられる、弾性要素によって表されている。図示された特定の実施例では、補償要素は、好ましくは金属材料で作られた本体40を有する、ばね13によって表される。例示された好ましい具体例では、ばね13はベルビルばねであるが、目的のために設計された他のタイプのばね、例えばリーフばね、波動ばね、またはヘリカルばねであってもよい。実施例では、ベルビルばね13は、好ましくは、本体50の上壁51とケーシング本体8の上蓋10との間に、少なくともわずかな予圧状態でセットされているが、明らかに、ばねは、異なる位置に配置されてもよいし、複数のばねまたは他の弾性要素によって置き換えられてもよい。壁部51と蓋10との間の収容空間は、少なくとも部分的には、スプリング13のための位置決めシート12を定義するような形状にすることができる。
【0100】
この配置は、ばね13によって表される補償要素の作用が、センサ本体7を第1の軸方向動作位置に保持する効果を有するものである。
【0101】
デバイス1の動作は、光学的検出の様式に関しては、前に説明したものと同様である。
【0102】
図22は物質LSが液体状態にある場合を示しており、図23は物質LSの凍結とそれに伴う体積増加の場合を示している。この場合も、物質LSの体積の増加は、保護配置の動作原理をより明確に理解できるように、意図的に誇張されている。
【0103】
図23から分かるように、物質LSの体積の増加は、スプリング13によって構成された補償要素の弾性反作用の力に打ち勝って、センサ本体7、ひいてはそれに関連するケーシング本体8を上方に押し上げる効果がある。ばね13は、この目的のために予め規定された反力を有しており、特に、デバイス1の通常の動作条件の間はそれ自体が圧縮を受けることを許容せず、代わりに補償システムの作用に入ることが想定されている液体の凍結のような異常な条件の間はそれ自体が圧縮を受けることを許容するように、予め規定された反力を有している。
【0104】
このようにして、本体8は、静止した本体部分に対して、すなわち本体3に対して(カップ状部分4に対して実質的に伸縮可能な方法で)および外側本体50に対して、ベルビルばね13が徐々に平坦になるように、上方にスライドすることができる。もちろん、必要な相対的な軸方向の変位を正確にガイドし、同時に角度または回転運動を防止するために、本体3と8との間、および/または本体3と7との間、および/または本体8と50との間に適切なガイド手段が提供されてもよい。
【0105】
図23に例示された第2の軸方向位置でのセンサ本体7の変位のおかげで、検出部14および/または界面壁7aは、以前に例示された他の具体例のように、物質LSの体積の増加によって機械的にストレスを受けず、それによってその幾何学的完全性を保護することができることが理解されるであろう。同様に、物質LSの凍結が解除される過程で、すなわち、氷による推力が減少および/または停止すると、バネ13は、その初期構成を弾性的に再び復元する傾向にあり、それによって本体7、8が図22に示されているそれぞれの初期位置に戻ることが理解されるであろう。
【0106】
固定された液圧本体3に対するセンサボディ7の動きに代わるものとして、デバイスの構造は、逆の変位を可能にするように、すなわち固定されたセンサボディに対する液圧本体の動きを可能にするように、考えられることに留意すべきであろう。
【0107】
図24、25は、デバイス1の保護配置の動作が、図22、23を参照して説明した具体例に関連して述べたものと同じ原理に本質的に基づいている、すなわち弾性的に変形可能な補償要素の作用に対する検出部分14を載せる本体部分の制御された変位の可能性に基づいている、さらなる可能性のある具体例を示す。
【0108】
また、この例では、保護配置に属する補償要素は、本体50と本体8との間に設けられて、本体8および関連する本体7を液圧本体3の中に押し込むように、またはそこに保持するように取り付けられた、特に本体8の下側部分8aの下端が液圧本体3の壁4bの上端に載るように取り付けられた、弾性要素によって表される。
【0109】
図22~23の場合と比較して変化しているのは補償要素の種類であり、ここでは弾性環状要素によって表され、ボディ8と50との間に位置する。前述の弾性環状要素は、ガスケットとしても機能することができる。したがって、様々な具体例では、少なくとも1つの補償要素は、シール要素などによって構成されることができることが理解されるであろう。
【0110】
図24に例示された場合、補償要素は、それゆえに例えばOリングタイプの、13で示された弾性環状要素であり、好ましくは、エラストマー材料または弾性ポリマーで作られ、ガスケットのように動作し、流体の気密性を確保することもできる。この環状要素13は、32によって示されたシール要素と完全に類似しているかもしれない。しかしながら、要素32が基本的に本体3と7との間の半径方向の流体気密性を確保するように設計されているのに対して、環状要素13は、必ずしもシール機能を実行する必要はなく、軸方向に弾性的に圧縮されるように設計されており、特に、本発明による補償の目的のために設計されている。
【0111】
図示された例を参照すると、環状要素13は、ケーシング本体8の外側、特に対応するシート12(ここでは、本体8自体の部分8a、8bの間に形成された段差によって提供される)に配置され、外側本体50の周壁52のフランジ52aと上方で接触するようになっている。注目されるかもしれないが、環状要素13が軸方向に圧縮されていない状態では、図21に関連して既に説明したものと同様の第1の作動位置において、環状要素13は本体8および関連する本体7を液圧本体3の内側に向かって押すか、またはそこに保持する。
【0112】
図25は、物質LSの凍結、およびその結果としての体積の増加の場合を模式的に示している。留意されるかもしれないが、この場合にも、物質LSの体積の増加は、環状要素13の弾性反応の力に打ち勝って、センサ本体7、ひいてはそれに関連するケーシング本体8を上方に押し上げる効果がある。従って、本体8は、それゆえに環状要素13が軸方向に徐々に圧縮され、半径方向に膨張する状態で、本体3に対しても、外側本体50に対しても、上方にスライドすることができる。また、この場合には、必要な相対的な軸方向の変位を案内すると同時に、それらの角運動または回転運動を防止するために、本体3と本体8との間、および/または本体3と本体7との間、および/または本体8と本体50との間に、適切な手段を設けることも可能である。
【0113】
図25に例示された第2の軸方向位置でのセンサ本体7の変位のおかげで、検出部14および/または界面壁7aは、以前に例示された他の具体例と同様に、機械的ストレスを受けることなく、それによって、それらの/またはその幾何学的完全性を保護することができる。また、物質LSの凍結が解除される過程で、ガスケット13は、弾性的な方法でその軸方向に拡張された初期構成に再び戻ろうとする傾向があり、それによって、本体7、8が図24に示されたそれぞれの初期位置に戻ることが理解されるであろう。
【0114】
同様に、図24~25に示されるタイプの具体例では、補償要素は、弾性環状要素によって構成される必要はなく、代わりに、例えば本体部8の周囲または円周に沿って互いに離れた位置に設定された複数の軸方向に変形可能な弾性要素によって置き換えることができることが同様に理解されるであろう。
【0115】
この観点では、例えば、本体部8の部分8a、8bの間に規定された段差において、それぞれのヘリカルばねまたは他の弾力性のある要素(例えば、ゴムパッド)の下端をそれらの内部に収容するシートを提供することができ、フランジ52aの下面が、代わりに、前述のばねまたは他の弾力性のある要素の下端の上に支持される。
【0116】
弾性環状要素13はまた、環状体、またはエラストマー材料で作られ、本体50および8の少なくとも1つの上に共形成または重ね形成(overmoulded)された複数の弾性要素によって置き換えられてもよい。同様に、エラストマー材料で作られた環状体は、例えば膜の形態で、本体3と8の少なくとも一方に、または本体3と8の両方の間に、例えば要素13の代わりとして、重ね形成されることができ、それによって外側本体50の存在を厳密に必要としないようにする。
【0117】
言われてきたように、本発明にかかるセンサデバイスの保護配置の少なくとも1つの補償要素は、弾性要素によって構成されてもよく、また、シール要素などの形態でもよい。この観点では、デバイス本体の異なる部分の間の液圧シールを保証するために使用される1つの、そして同じ要素が補償要素として機能し得る。
【0118】
例えば、図26~27は、図24~25を参照して説明したタイプの要素13が、本体8と本体50との間のシール要素として、および補償要素としての両方に使用され、前の具体例のシール要素32が省略されている具体例を示している。このタイプの適用では、シール要素32とは異なり、要素13は、本体8と50との間の軸方向タイプのシールをも提供するように予め配置される。
【0119】
図26は、図24に示されたものと類似の状態を示すが、この場合は、シール要素32が提供されていないので、液体状態の物質LSは、ガスケット13のシート12のように、本体3、7、8、50の間に存在する隙間に侵入することができ、その軸方向シールの作用は、本体8の上部部分8bに向かって、すなわち本体50の内側に向かって、物質LSの通過を防止できる点で異なっている。ガスケット26によって前述のボディの間に及ぼされたシールの作用により、物質LSがボディ7と8の中に侵入することさえできないことに注意すべきである。
【0120】
図27は、代わりに、液体物質LSが凍結し、その結果として体積が増加した場合を示す。図25の場合と同様に、物質LSの体積の増加は、補償およびシーリング要素13の弾性反応の力に打ち勝って、他のセンサ本体7、ひいてはそれに関連するケーシング本体8を上方に押し上げる効果がある。本体8は、それゆえに本体4および外側本体50の双方に対して上方にスライドし、軸方向に徐々に圧縮を受け同時に半径方向に膨張するガスケット13により、本体3、8、および外側本体50の間の必要なシールを確保することができる。また、この場合には、もちろん、本体3と8との間、および/または本体3と7との間、および/または本体8と50との間に、必要な相対的な軸方向の変位を案内し、同時にその角度または回転運動を防止するための適切な手段が設けられていてもよい。
【0121】
先に説明した具体例のように、図27に例示された第2の軸方向位置にセンサ本体7の変位のおかげで、検出部分14は機械的ストレスを受けておらず、物質LSの凍結を解除する過程で、補償およびシール要素13は、弾性的な方法で軸方向に延びた初期構成に戻る傾向にあり、それによって図26に示されているそれぞれの初期位置に本体7、8が戻る。
【0122】
また、この場合には、補償およびシール要素13は、おそらく、本体50と本体8との間に、または本体3と本体8との間に共成形または重ね形成されたエラストマー材料で作られた環状体によって置き換えられる(後者の場合には、外側の本体50の存在は必要でないかもしれない)。
【0123】
図24~25および図26~27の具体例を参照して、外側本体50のフランジ52aは、例えばその周壁4’の上部領域において、液圧本体3によって直接規定された機能的に類似した部分に置き換えられ得ることを、もう一度指摘すべきである。それゆえに、この観点では、補償およびシール要素13もまた、本体8と液圧本体3との間で共に作動するものとして理解され得る。
【0124】
さらなる一般的な用語では、固定の本体部分(例えば、本体3および/または本体50)と可動の本体部分(例えば、本体7および/または本体8)との間で、補償要素として、または補償およびシール要素として動作するために、先に13によって示されたものと同じ機能を有するガスケットまたは類似の要素(既に述べたように、重ね形成のものであってもよい)が提供されてもよい。例えば、図26~27の要素13の機能を果たすガスケットまたは補償要素が、後者の単純な幾何学的な修正を伴って、本体3と本体7との間に機能的に設定され得ることが理解されるであろう。
【0125】
図24~25および図26~27の具体例の場合には、リングナットまたは類似の環状要素で置き換えることができ、液圧本体3に固定することができ、例えば、壁4’の上部領域の外側に係合するそれぞれの部分を有することができることを考えると、外側ボディ50は、必ずしも箱のような構造を有する必要はないことをもう一度指摘しておくべきである。
【0126】
ガスケットまたはシール部材32および/または13は、好ましくは、実質的に楕円形の断面を有するが、本発明の範囲からはずれない範囲で、実質的に円形または実質的に正方形の断面を有する。
【0127】
本発明の範囲から逸脱することなく、ここに例示的に記載された光センサデバイスに多数のバリエーションが当業者によってなされ得ることは明らかである。1つの具体例に関連して記載された個々の特徴が、先の実施例に記載されたものとは異なるものであっても、これらの特徴がここに記載された他の具体例において使用され得ることは、当業者には同様に明らかである。
【0128】
本発明の主題を形成するように記載されている光学センサデバイスは、例えば予め規定された臨界角および/またはその光学的配置の種類に関連して、明白な構造的な修正を用いて、燃料の特性を検出するため、および/または燃料の混合物、例えばガソリン-エタノール混合物またはディーゼル-バイオディーゼル混合物を区別するために、または燃料または一般液体の汚染の可能性を検出するために使用することができる。さらに、既に述べたように、本発明にかかるセンサデバイスは、自動車以外の装置にも適用可能である。
【0129】
本発明は、一般的なダクト内を流れる液体物質の特性を検出するために使用されるデバイスに特に言及して説明してきたが、これまでに述べてきたように、本発明の根底にある原理は、タンクなどの液体物質の容器に適用可能な光センサデバイスを提供するために使用することができる。同様に、反射角の変化以外の原理に基づいて動作する光センサや、品質や濃度の検出とは異なる目的を有する光センサの場合にも本発明を適用することができる。
【0130】
また、デバイスの検出部分には、必ずしも光放射の発光器と受光器の両方を関連付ける必要はないことも指摘すべきである。例えば、可能な変形具体例では、デバイスは、検出を受ける物質の流れの間に、一方の部分に関連付けられている少なくとも1つの発光器と他方の部分に関連付けられている少なくとも1つの受光器がある2つの空間的に異なる検出部分を含むことができる。本発明は、それゆえに、少なくとも1つの補償要素に関連付けられた、光放射に対して透明な少なくとも1つの本体部分と、光発光器および光受光器のうちの少なくとも1つとを含む光センサのような、記載されたタイプのデバイスの一部のみを示すこともできる。
【0131】
本発明にかかるデバイスの補償要素、または少なくとも1つの補償要素は、またその本体部分の薄くなった(thinned-out)部分(例えば、本体7と本体8との間の接続のための部分)によって構成されるか、またはいずれの場合においても、図22~23、図24~25、または図26~27を参照して説明した方法により保護配置の動作を可能にするために、すなわち、光学配置14を支持する本体部分の可逆的な変位を可能にするために、弾性要素のように動作するように予め配置される。
【0132】
移動可能なセンサ本体を有するデバイスのバージョンでは、補償要素は、体積または圧力が増加する物質の推力の下で伸長を受け、それゆえ、物質が解凍するか、または通常の動作圧力に戻るときに、センサ本体を初期位置に向かって引っ張るばねまたは類似の弾性要素を含んでもよい(すなわち、例示されたものとは反対の方法で働くばね)。
【0133】
本発明の基礎となる原理は、凍結の場合および/または圧力増加(pressure jump)の場合に、体積増加を受ける液体以外の流体物質(例えば気体)の場合にも適用することができる。記載されているように、記載されている保護配置は、過圧によるデバイスのより精巧な液圧部分内での物質の体積の増加の可能性を防止するためにも使用することができる。
図1
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図3
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図5
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図12
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