(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】第1および第2の区分ならびに第2の区分における車輪のうちの2つの上のより大きい車輪モータを伴うコンテナ取扱車両
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/04 565
(21)【出願番号】P 2020559523
(86)(22)【出願日】2019-02-14
(86)【国際出願番号】 EP2019053681
(87)【国際公開番号】W WO2019206488
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-11-26
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2018/077687
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2018/077713
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2018/077732
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム, トロンド
(72)【発明者】
【氏名】フィエルドハイム, イヴァル
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-183050(JP,A)
【文献】特表2016-529181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0127143(US,A1)
【文献】特表2018-504337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下層保管システム(1)の3次元グリッド(4)から保管コンテナ(6)をピックアップするためのコンテナ取扱車両(9’)であって、
車輪の第1のセット(22)であって、前記車輪の第1のセット(22)は、前記グリッド(4)のレールシステム(8)上でX方向に沿って前記車両(9’)を移動させるためのものである、車輪の第1のセット(22)と、
車輪の第2のセット(23)であって、前記車輪の第2のセット(23)は、前記グリッド(4)の
前記レールシステム(8)上でY方向に沿って前記車両(9’)を移動させるためのものであり、前記Y方向は、前記X方向に
対して垂直である、車輪の第2のセット(23)と、
側を備える車両本体(13)であって、前記車両本体(13)は、
前記X方向および
前記Y方向における
前記車両本体(13)の範囲によって画定される車両本体占有面積(FV)を有し、前記車両本体は、第1の区分と、第2の区分とを備え、前記第1の区分(204)は、第1の占有面積(F1)を有し、前記第2の区分(205)は、第2の占有面積(F2)を有し、前記第1および第2の占有面積(F1、F2)
の各々は、前記X方向および
前記Y方向における
それぞれの前記第1の区分(204)および前記第2の区分(205)の範囲によって画定される、車両本体(13)と
を備え、
前記第1の区分(204)および前記第2の区分(205)は、前記第1および第2の占有面積(F1、F2)の合計面積が、車両本体占有面積(FV)の合計面積に等しく、前記第1の占有面積(F1)の中心点が、前記車両本体占有面積(FV)の中心点に対して中心外れに配列されるように、横並びに配列され、前記第1の区分(204)の分離要素(212)によって分離され、
前記第1の区分(204)は、保管コンテナ(6)を収容するように構成される保管コンテナ受容空間を画定し、
前記第2の区分(205)は、長方形占有面積を有し、前記車両本体(13)の第1の側の
部分と、前記車両本体(13)の第2の側の
部分とを備え、
前記車両本体(13)の前記第2の側の前記部分は、前記車両本体(13)の前記第1の側の前記部分に対向し、前記車両本体(13)の前記第2の側の前記部分および前記車両本体(13)の前記第1の側の前記部分は、前記分離要素に対して垂直であり、前記第2の区分(205)は、前記分離要素に隣接して延在し、2つの車輪が、前記分離要素に搭載され、1つの車輪
が、前記車両本体の
前記第1の側の前記部分に搭載され、1つの車輪
が、前記車両本体の
前記第2の側の前記部分に搭載され、前記車両本体の
前記第1
の側の前記部分および
前記第2の側の前記部分に搭載される前記車輪は、前記車両本体(13)の
前記側の内面から前記第2の区分(205)内の内部空間の中に延在する車輪モータ(203)によって駆動される、コンテナ取扱車両(9’)。
【請求項2】
前記車両本体(13)の
前記第1の側の前記部分および
前記第2の側の前記部分に搭載される前記車輪はそれぞれ、別個の車輪モータ(203)に接続される、請求項1に記載のコンテナ取扱車両(9’)。
【請求項3】
前記車両本体(13)の
前記第1の側は、前記第1および第2の区分(204、205)に共通であり、前記車両本体(13)の
前記第2の側は、前記第1および第2の区分に共通である、
請求項1~2のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
【請求項4】
前記車両本体(13)の
前記第1の
側の前記部分および前記第2の
側の前記部分に搭載される前記車輪は両方とも、共通の車輪モータ(203)によって駆動される、請求項1に記載のコンテナ取扱車両(9’)。
【請求項5】
前記分離要素(212)に搭載される前記車輪は、非電動である、
請求項1~4のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
【請求項6】
前記分離要素(212)に搭載される前記車輪はそれぞれ、車輪モータ(203)によって駆動される、請求項1
~4に記載のコンテナ取扱車両(9’)。
【請求項7】
前記車輪モータ(203)はそれぞれ、前記第2の区分(205)の内部空間の中に延在し、その空間は、前記分離要素(212)と、前記車両本体(13)の
前記第1の側の前記部分の内面と、
前記第2の側の前記部分の内面とによって、3つの側上で境界決定される、請求項1
~5に記載のコンテナ取扱車両(9’)。
【請求項8】
前記車輪の第1のセット(22)は、前記第1の区分(204)の対向する側上に配列され、前記車輪の第2のセット(23)は、
前記車輪の第1のセット(22)が配列されている前記第1の区分(204)の前記対向する側に対して垂直な前記車両本体(13)の対向する側上に配列される、
請求項1~7のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
【請求項9】
前記分離要素(212)に搭載される前記車輪を駆動する前記車輪モータ(203)は、前記車両本体(13)の
前記第1の
側の前記部分および前記第2の
側の前記部分に搭載される前記車輪を駆動する前記車輪モータ(203)と比較して、比較的に低い電力および/または加速度を有する、
請求項6
~8のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
【請求項10】
前記車輪モータ(203)は、前記車輪に対して直接駆動を提供するハブモータを備える、
請求項1~9のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
【請求項11】
前記第2の占有面積(F2)
のサイズは、前記第1の占有面積(F1)のサイズ
の半分未満である、
請求項1~10のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
【請求項12】
自動化保管および回収システムであって、前記自動化保管および回収システムは、3次元グリッド(4)と、
請求項1
~11のいずれかに記載の少なくとも1つのコンテナ取扱車両(9’)とを備え、前記グリッドは、その上で前記コンテナ取扱車両が移動し得るレールシステム(8)と、保管コンテナの複数のスタック(7)とを備え、
前記レールシステム(8)は、水平面(P)内に配列され、X方向に延在する平行軌道の第1のセット(10)と、前記水平面(P)内に配列され、前記X方向に直交するY方向に延在する平行軌道の第2のセット(11)とを備え、前記軌道の第1および第2のセット(10、11)は、複数の隣接するグリッドセル(14)を備えるグリッドパターンを前記水平面(P)内に形成し、各グリッドセルは、前記軌道の第1のセット(10)の対向する軌道の対(10a、10b)および前記軌道の第2のセット(11)の対向する軌道の対(10a、10b)によって画定されるグリッド開口部(15)を備え、
前記保管コンテナ(6)の複数のスタック(7)は、前記レールシステム(8)の真下に位置する保管縦列(5)内に配列され、各保管縦列(5)は、グリッド開口部(15)の垂直下方に位置し、
前記第1の占有面積(F1)は、前記軌道の第1のセット(10)の対向する軌道の対(10a、10b)と前記軌道の第2のセット(11)の対向する軌道の対(10a、10b)との間の、前記軌道の幅を含むある断面積によって画定されるグリッドセル(14)に実質的に等しく、前記第2の区分(205)は、前記第1の区分が、隣接するグリッド開口部にわたって位置付けられると、隣り合うグリッド開口部(15)の中に部分的に延在する、自動化保管および回収システム。
【請求項13】
前記X方向における前記コンテナ取扱車両(9’)の占有面積(FV)の範囲(LX)および前記Y方向における前記コンテナ取扱車両(9’)の占有面積(FV)の範囲(LY)は、
前記X方向においてLX=1.0グリッドセル(14)であり、
前記Y方向において1<LY<1.5グリッドセル(14)であり、
グリッドセル(14)は、前記X方向に延設される2つのレールの中間点と前記Y方向に延設される2つのレールの中間点との間の前記軌道の幅を含む断面積として画定される、請求項12に記載の自動化保管および回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動化保管および回収システムのためのフィールドコンテナ取扱車両およびそのようなコンテナ取扱車両を備える自動化保管および回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人のすでに公知のオートストアシステムは、3次元保管グリッド構造を備える、保管システムであり、保管コンテナ/複数のコンテナが、相互にある高さに重ねてスタックされる。そのような従来技術のシステムが、
図1に示される。保管システムは、例えば、第NO317366号および第WO 2014/090684 A1号に詳細に開示されている。
【0003】
図1は、典型的な従来技術の自動化保管および回収システム1のフレームワーク構造を開示し、
図2aおよび2bは、そのようなシステムの公知のコンテナ取扱車両を開示する。
【0004】
フレームワーク構造は、複数の直立部材/外形2と、直立部材2によって支持される、複数の水平部材3とを備える。部材2、3は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウム外形から作製され得る。
【0005】
フレームワーク構造は、横列において配列される複数のグリッド開口部/縦列12を備える、保管グリッド4を画定する。グリッド縦列12の大部分は、コンテナまたは容器としても公知の保管コンテナ6がスタック7を形成するように相互に重ねてスタックされる、保管縦列5である。各保管コンテナ6(または略してコンテナ)は、典型的には、複数の製品アイテム(図示せず)を保持し得、保管コンテナ6内の製品アイテムは、同じであり得る、または用途に応じて異なる製品タイプであり得る。フレームワーク構造は、保管コンテナ6のスタック7の水平移動に対して防御し、コンテナ6の垂直移動を誘導するが、通常、スタックされているときに保管コンテナ6を別様に支持しない。
【0006】
上側水平部材3は、グリッド縦列12の上部を横断してグリッドパターンにおいて配列される、レールシステム8を備え、そのレールシステム8上で、複数のコンテナ取扱車両9が、保管コンテナ6を保管縦列5から持ち上げ、保管コンテナ6をその中に降下させ、また、保管縦列5の上方に保管コンテナ6を輸送するために動作される。レールシステム8は、フレーム構造の上部を横断して第1の方向Xにおけるコンテナ取扱車両9の移動を誘導するように配列される、平行レールの第1のセット10と、第1の方向Xに垂直である、第2の方向Yにおけるコンテナ取扱車両9の移動を誘導するためにレールの第1のセット10に垂直に配列される、平行レールの第2のセット11とを備える(
図3参照)。このように、レールシステム8は、保管縦列5の上端を画定し、その上方で、コンテナ取扱車両9は、保管縦列5の上方で側方に、すなわち、水平X-Y平面に平行である平面内で移動することができる。
【0007】
各コンテナ取扱車両9は、車両本体13と、コンテナ取扱車両9の側方移動、すなわち、X方向およびY方向における移動を可能にする、車輪の第1および第2のセット22、23とを備える。
図2では、各セット内の2つの車輪が、可視である。車輪の第1のセット22は、レールの第1のセット10の2つの隣接するレールと係合するように配列され、車輪の第2のセット23は、レールの第2のセット11の2つの隣接するレールと係合するように配列される。車輪のセット22、23のうちの1つは、車輪の第1のセット22および/または車輪の第2のセット23が、任意の時点でレールのそれらの個別のセット10、11と係合され得るように、持ち上げられ、降下されることができる。
【0008】
各コンテナ取扱車両9はまた、保管コンテナ6の垂直輸送、例えば、保管コンテナ6を保管縦列5から持ち上げ、保管コンテナ6をその中に降下させるために、持上デバイス18(
図1および2aに図示されないが、
図2bに可視である)を備える。持上デバイス18は、保管コンテナ6に係合するように適合される、持上フレーム(
図2aに図示されないが、
図2bに示され、17と標識化されるものに類似する)を備え、その持上フレームは、車両本体13に対する持上フレームの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する、第3の方向Zにおいて調節され得るように、車両本体13から降下されることができる。
【0009】
従来、本願の目的のために、Z=1は、グリッド4の最も上側の層、すなわち、レールシステム8の直下の層を識別し(本願では、レールシステム8は、グリッドの上部レベルと呼ばれる)、Z=2は、レールシステム8の下方の第2の層であり、Z=3は、第3の層であり、以下同様である。
図1に開示される実施形態では、Z=8は、グリッド4の最も下側の底部層を識別する。その結果、実施例として、
図1に示されるデカルト座標系X、Y、Zを使用して、
図1の6’と識別される保管コンテナは、グリッド場所またはセルX=10、Y=2、Z=3を占有すると考えられることができる。コンテナ取扱車両9は、層Z=0において進行すると考えられることができ、各グリッド縦列12は、そのX座標およびY座標によって識別されることができる。
【0010】
各コンテナ取扱車両9は、グリッド4を横断して保管コンテナ6を輸送するとき、保管コンテナ6を受容し、詰め込むための保管コンパートメントまたは空間を備える。保管空間は、例えば、第WO2014/090684A1号(その内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、車両本体13内の中心に配列される、空洞21を備え得る。
【0011】
代替として、コンテナ取扱車両は、第NO317366号(その内容もまた、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、片持ち梁構造を有し得る。
【0012】
単一セルコンテナ取扱車両9は、例えば、第WO2015/193278A1号(その内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、グリッド縦列12の側方または水平範囲、すなわち、X方向およびY方向におけるグリッド縦列12の周辺/周囲にほぼ等しい、占有面積F、すなわち、X方向およびY方向における水平周辺(
図4参照)を有し得る。代替として、コンテナ取扱車両9は、例えば、第WO2014/090684A1号に開示されるように、グリッド縦列12の側方範囲よりも大きい占有面積を有し得る。
【0013】
レールシステム8は、
図3に示されるように、単一軌道システムであり得る。好ましくは、レールシステム8は、
図4に示されるように、二重軌道システムであり、したがって、概して、グリッド縦列12の側方範囲に対応する占有面積Fを有するコンテナ取扱車両9が、別のコンテナ取扱車両9が、その横列に隣接するグリッド縦列12の上方に位置付けられている場合であっても、XまたはY方向のいずれかにおいてグリッド縦列の横列に沿って進行することを可能にする。
【0014】
保管グリッドでは、グリッド縦列12の大部分は、保管縦列5、すなわち、保管コンテナがスタックにおいて保管されるグリッド縦列である。しかしながら、グリッドは、通常、保管コンテナを保管するために使用されないが、コンテナ取扱車両が保管コンテナを荷下ろしする、および/またはピックアップし得る場所を備える、少なくとも1つのグリッド縦列12を有し、したがって、それらは、保管コンテナ6がグリッドの外側からアクセスされ得る、またはグリッドから外に、またはその中に移送され得るアクセスステーション、すなわち、コンテナ取扱ステーションに輸送されることができる。当技術分野において、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、ポートが位置するグリッド縦列は、ポート縦列と称され得る。
【0015】
図1のグリッド4は、2つのポート縦列19および20を備える。第1のポート縦列19は、例えば、コンテナ取扱車両9がアクセスまたは移送ステーション(図示せず)に輸送されるべき保管コンテナを荷下ろしし得る、専用荷下ろしポート縦列であり得、第2のポート20縦列は、コンテナ取扱車両9がアクセスまたは移送ステーションからグリッド4に輸送された保管コンテナをピックアップし得る、専用ピックアップポート縦列であり得る。
【0016】
図1に開示されるグリッド4内に保管される保管コンテナ6が、アクセスされるべきであるとき、コンテナ取扱車両9のうちの1つは、標的保管コンテナをグリッド4内のその位置から回収し、これを荷下ろしポート19に輸送するように命令される。本動作は、コンテナ取扱車両9を、標的保管コンテナが位置付けられる保管縦列5の上方のグリッド場所に移動させるステップと、コンテナ取扱車両の持上デバイス(図示せず、車両の中心空洞内で内部に配列されるが、
図2bの第2の従来技術の車両の持上デバイス18に類似する)を使用して、保管縦列5から保管コンテナ6を回収するステップと、保管コンテナを荷下ろしポート19に輸送するステップとを伴う。第2の従来技術の車両9が、
図2bに示され、持上デバイスの一般的設計をより良好に図示する。第2の車両9の詳細が、ノルウェー特許第NO317366号に説明されている。両方の従来技術の車両9の持上デバイス18は、保管コンテナへの解放可能接続のために、持上フレーム17(把持デバイスとも呼ばれ得る)の角に近接して接続される、持上バンドのセットを備える。持上フレーム17(および随意に、接続された保管コンテナ6)を持ち上げる、または降下させるために、持上バンドは、コンテナ取扱車両内に配列される、少なくとも1つの回転持上シャフトまたはドラム(図示せず)上に巻取される/それから巻取解除される。少なくとも1つの持上シャフトの種々の設計が、例えば、第WO2015/193278 A1号および第PCT/EP2017/050195号に説明されている。持上フレーム17は、保管コンテナに解放可能に接続するためのコンテナ接続要素と、誘導ピンとを特徴とする。標的保管コンテナが、スタック7内の深くに位置する、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナが、標的保管コンテナの上方に位置付けられている場合、動作はまた、保管縦列から標的保管コンテナを持ち上げることに先立って、上方に位置付けられる保管コンテナを一時的に移動させるステップを伴う。時として、当技術分野において「採掘」と称される、本ステップは、標的保管コンテナを荷下ろしポート19に輸送するために続けて使用される、同一のコンテナ取扱車両を用いて、または1つまたは複数の他の協働するコンテナ取扱車両を用いて実施され得る。代替として、または加えて、自動化保管および回収システムは、保管縦列から保管コンテナを一時的に除去するタスクに特に専門化されたコンテナ取扱車両を有し得る。いったん標的保管コンテナが、保管縦列から除去されると、一時的に除去された保管コンテナは、元々の保管縦列の中に再位置付けされることができる。しかしながら、除去された保管コンテナは、代替として、他の保管縦列に再配置され得る。
【0017】
保管コンテナ6が、グリッド4内に保管されるべきであるとき、コンテナ取扱車両9のうちの1つは、ピックアップポート20から保管コンテナをピックアップし、これが保管されるべきである保管縦列5の上方のグリッド場所にこれを輸送するように命令される。保管縦列スタック内の標的位置に、またはその上方に位置付けられる任意の保管コンテナが、除去された後、コンテナ取扱車両9は、保管コンテナを所望の位置に位置付ける。除去された保管コンテナは、次いで、保管縦列の中に戻るように降下される、または他の保管縦列に再配置され得る。
【0018】
自動化保管および回収システムを監視および制御する、例えば、所望の保管コンテナが、コンテナ取扱車両9が相互に衝突することなく、所望の時間に所望の場所に送達され得るように、グリッド4内の個別の保管コンテナの場所、各保管コンテナ6の内容物、およびコンテナ取扱車両9の移動を監視および制御するために、自動化保管および回収システムは、制御システムを備え、これは、典型的には、コンピュータ化され、保管コンテナを追跡するためのデータベースを備える。
【0019】
従来技術の解決策は、いわゆる片持ち梁ロボットおよび単一セルロボットの両方を含む。片持ち梁ロボットは、より大きいモータのために利用可能な空間を有し得るが、しかしながら、ロボットは、その単一セル対応物よりも不安定であり得る。したがって、増加された加速度を伴うより大きいモータは、ロボットが過剰に傾くことをもたらし得る。単一セルロボットのいくつかの実施形態は、車輪内モータ構成の車輪ハブモータを有する。車輪内構成は、保管コンテナを受容するための空洞内の空間を占有しないように、車輪ハブモータが車輪および車両本体の内側に嵌合することを可能にする。したがって、従来技術の単一セルロボットは、ロボットの内側の保管コンテナ空間を妨害することなしでは、より大きいハブモータのためのいかなる利用可能な空間も有していない。
【0020】
その結果、従来技術の解決策は、ロボットの安定性および/または、特に、モータが、保管コンテナを受容するための空洞を占有しない間に車輪および車両本体内に嵌合するために可能な限り小さくあるために、いわゆる車輪内モータ構成であり得る、単一セルロボットに関して、より大きい、より強力な車輪モータのための限定された空間に関連する潜在的な欠点を有し得る。
【0021】
上記に照らして、ロボットに関連する前述の問題のうちの1つ以上のものを解決する、または少なくとも軽減する、コンテナ取扱車両、該コンテナ取扱車両を備える自動化保管および回収システムを提供することが、望ましい。
【0022】
特に、本発明の目的は、少なくとも1つの方向において改良された加速度および/または速度を伴うロボットを提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、改良された加速度、持上容量、および/または速度を伴う持上デバイスを有するロボットを提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、添付される請求項および以下において定義される。
【0026】
下層保管システムの3次元グリッドから保管コンテナをピックアップするための、コンテナ取扱車両であって、
グリッドのレールシステム上でX方向に沿って車両を移動させるための、車輪の第1のセットと、
グリッドのレールシステム上でY方向に沿って車両を移動させるための、車輪の第2のセットであって、Y方向は、X方向に垂直である、車輪の第2のセットと、
側を備える、車両本体であって、車両本体は、車両本体のX方向およびY方向における水平周辺によって画定される、車両本体占有面積を有し、車両本体は、第1の区分と、第2の区分とを備え、第1の区分は、第1の占有面積を有し、第2の区分は、第2の占有面積を有し、第1および第2の占有面積は、それぞれ、第1および第2の区分のX方向およびY方向における水平周辺によって画定される、車両本体と、
を備え、
第1の区分および第2の区分は、第1および第2の占有面積の合計面積が、車両本体占有面積の合計面積に等しく、第1の占有面積の中心点が、車両本体占有面積の中心点に対して中心外れに配列されるように、横並びに配列され、第1の区分の分離要素によって分離され、
第1の区分は、保管コンテナを収容するように構成される、保管コンテナ受容空間を画定し、
第2の区分は、長方形占有面積を有し、車両本体の第1の側の一部と、車両本体の第2の側の対向する部分とを備え、第2の区分は、分離要素に隣接して延在し、2つの車輪が、分離要素に搭載され、1つの車輪は、車両本体の第1の側の部分に搭載され、1つの車輪は、車両本体の第2の側の部分に搭載され、車両本体の第1および第2の側の該部分に搭載される車輪は、車両本体の側の内面から第2の区分内の内部空間の中に延在する、車輪モータによって駆動される、
コンテナ取扱車両が、説明される。
【0027】
コンテナ取扱車両の利点のうちの1つは、これが、より深い車両モータが第2の区分内で使用されることを確実に可能にすることである。車輪モータは、第2の区分の周囲のコンテナ取扱車両の側の厚さよりも深い直接駆動モータを装着されてもよい。さらに、深さにおいて分離要素の厚さに対応し得る、分離要素に搭載される車輪上ではなく、第1の側の部分および第2の側の部分上の車輪上のみに、第2の区分内の内部空間の中にこのように延在する、車輪モータを提供することは、さらにより深いモータを可能にする(車輪モータは、分離要素上に搭載される車輪上の車両モータによって限定されないため)。
【0028】
車両本体の第1の側の部分および第2の側の部分における車輪はそれぞれ、別個の車輪モータに接続されてもよい。
【0029】
車両本体の第1の側は、第1および第2の区分に共通であってもよい。車両本体の第2の側もまた、第1および第2の区分に共通であってもよい。
【0030】
代替として、車両本体の第1の側の部分および第2の側の部分に搭載される車輪は両方とも、共通の車輪モータによって駆動されてもよい。
【0031】
分離要素に搭載される車輪のうちの1つまたはそれを上回るものは、非電動であってもよい。
【0032】
代替として、分離要素に搭載される車輪はそれぞれ、車輪モータによって駆動されてもよい。
【0033】
車輪モータはそれぞれ、第2の区分の内部空間の中に延在してもよく、その内部空間は、分離要素、車両本体の第1の側の部分の内面、および第2の側の部分の内面によって3つの側上で境界決定されてもよい。
【0034】
第2の占有面積に対する第1の占有面積のサイズ比は、少なくとも2:1であってもよい。好ましくは、第2の占有面積に対する第1の占有面積のサイズ比は、3:1であってもよく、さらにより好ましくは、第2の占有面積に対する第1の占有面積のサイズ比は、4:1であってもよく、さらにより好ましくは、第2の占有面積に対する第1の占有面積のサイズ比は、5:1であってもよく、さらにより好ましくは、第2の占有面積に対する第1の占有面積のサイズ比は、6:1であってもよく、さらにより好ましくは、第2の占有面積に対する第1の占有面積のサイズ比は、7:1であってもよい。一般に、Y方向における第2の区分の範囲が小さいほど、すなわち、区分が狭いほど、概して、X方向において進行するとき、コンテナ取扱車両は、より安定するであろう。X方向は、第2の区分内の車輪が下層レールシステムと接触しない方向であり、したがって、第2の区分は、その点においてレールと接触する車輪のセット(車輪の第1のセット)のホイールベースに張り出す。
【0035】
車輪の第1のセットは、第1の区分の対向する側上に配列されてもよく、車輪の第2のセットは、車両本体の対向する側上に配列されてもよい。
【0036】
車輪の第1のセットは、合計4つの車輪を備える。4つの車輪は、X方向における移動のための車輪の2つの対として配列され、各対の車輪は、第1の区分の対向する側上に配列される。
【0037】
車輪の第2のセットは、合計4つの車輪を備える。4つの車輪は、Y方向における移動のための車輪の2つの対として配列され、各対の車輪は、車両本体の対向する側上に配列される(これはまた、第1の区分の対向する側上にあってもよい)。
【0038】
分離要素に搭載される車輪を駆動する車輪モータは、車両本体の第1の側の部分および第2の側の部分上に搭載される車輪を駆動する車輪モータと比較して、比較的に低い電力および/または加速度を有してもよい。
【0039】
車輪モータは、車輪に対して直接駆動を提供する、ハブモータを備えてもよい。
【0040】
下層保管システムの3次元グリッドから保管コンテナをピックアップするための、コンテナ取扱車両であって、
グリッドのレールシステム上で第1の方向に沿って車両を移動させるために、コンテナ取扱車両の車両本体の対向する部分に配列される、車輪の第1のセットと、
グリッドのレールシステム上で第2の方向に沿って車両を移動させるために、車両本体の対向する部分に配列される、車輪の第2のセットであって、第2の方向は、第1の方向に垂直である、車輪の第2のセットと、
を備え、
車両本体は、車両本体のX方向およびY方向における水平周辺によって画定される占有面積を形成する、全ての側上の壁(壁は、略垂直である)を備え、コンテナ取扱車両はさらに、
第1の区分の占有面積の中心点が、車両本体の占有面積FVの中心点に対して中心外れに配列されるように、横並びに配列される、第1の区分と、第2の区分とを備え、
第2の区分の占有面積F2に対する第1の区分の占有面積F1のサイズ比は、少なくとも2:1であり、
第1の区分は、保管コンテナを収容するように構成され、
第2の区分は、車輪のセットのそれぞれの少なくとも1つの車輪を駆動するためのモータのアセンブリを備える、
コンテナ取扱車両もまた、説明される。
【0041】
コンテナ取扱車両はまた、
グリッドのレールシステム上で第1の方向に沿って車両を移動させるために、コンテナ取扱車両の車両本体の対向する部分に配列される、車輪の第1のセットと、
グリッドのレールシステム上で第2の方向に沿って車両を移動させるために、車両本体の対向する部分に配列される、車輪の第2のセットであって、第2の方向は、第1の方向に垂直である、車輪の第2のセットと、
を備え、
車両本体は、車両本体のX方向およびY方向における水平周辺によって画定される占有面積を形成する、全ての側上の壁(壁は、略垂直である)を備え、コンテナ取扱車両はさらに、
第1の区分の占有面積の中心点が、車両本体の占有面積FVの中心点に対して中心外れに配列されるように、横並びに配列される、第1の区分と、第2の区分とを備え、
第2の区分の占有面積F2に対する第1の区分の占有面積F1のサイズ比は、少なくとも2:1であり、
第1の区分は、保管コンテナを収容するように構成され、
第2の区分は、車輪のセットのそれぞれの2つの車輪を駆動するための複数のハブモータ、持上デバイスを駆動するためのモータ、および/または再充電可能バッテリのうちのいずれかを備える、
下層保管システムの3次元グリッドから保管コンテナをピックアップするための、コンテナ取扱車両として定義されてもよい。
【0042】
第1の区分は、保管コンテナを収容するための空洞と、空洞の上部区分/上側レベルに配列される、持上デバイスとを備えてもよい。
【0043】
車輪の第1のセットは、車輪の第1のセットが第1の方向に沿った車両の移動を可能にする、第1の位置と、車輪の第2のセットが第2の方向に沿った車両の移動を可能にする、第2の位置との間で垂直方向に変位可能であってもよい。
【0044】
モータのアセンブリは、車輪の第1のセットを駆動するための少なくとも1つの第1のモータと、車輪の第2のセットを駆動するための少なくとも1つの第2のモータとを備えてもよい。
【0045】
コンテナ取扱車両は、3次元グリッドから保管コンテナをピックアップするための持上デバイスを備えてもよく、モータのアセンブリは、持上デバイスに接続される、持上デバイスモータを備える。
【0046】
第1の区分は、車輪の第1のセットの第1の車輪、第2の車輪、第3の車輪、および第4の車輪、ならびに車輪の第2のセットの第1の車輪および第2の車輪を収容してもよく、第2の区分は、車輪の第2のセットの第3の車輪および第4の車輪を収容してもよい。
【0047】
第1の区分は、車輪の第1のセットの第1の車輪および第3の車輪、ならびに車輪の第2のセットの第1の車輪および第2の車輪を収容してもよく、第2の区分は、車輪の第1のセットの第2の車輪および第4の車輪、ならびに車輪の第2のセットの第3の車輪および第4の車輪を収容してもよい。
【0048】
第1の区分は、4つの角を備えてもよく、車輪の第1のセットの第1の車輪、第2の車輪、第3の車輪、および第4の車輪、ならびに車輪の第2のセットの第1の車輪および第2の車輪のリムは、第1の区分の角まで延在してもよい。
【0049】
少なくとも1つの第1のモータは、車輪の第1のセットの第1の車輪および第4の車輪のそれぞれのためのハブモータを備えてもよく、少なくとも1つの第2のモータは、車輪の第2のセットにおける第3の車輪および第4の車輪のそれぞれのためのハブモータを備えてもよい。言い換えると、車輪の第1のセットの第1の車輪および第4の車輪のそれぞれ、ならびに車輪の第2のセットにおける第3の車輪および第4の車輪のそれぞれは、別個の/専用ハブモータによって駆動されてもよい。
【0050】
車輪の第1および第2のセットは、車両本体のある側方範囲に、またはその中に配列されてもよい。
【0051】
第1の区分の占有面積は、レールシステムのグリッドセルに対応してもよく、使用の間、コンテナ取扱車両は、保管コンテナを持ち上げる、または降下させるためのある位置にあり、第2の区分は、グリッドセルに対して水平に変位され、隣り合うグリッドセルの中に部分的に延在してもよい。
【0052】
モータのアセンブリは、複数のハブモータを備えてもよく、車輪の第1のセットの第1の車輪および第4の車輪、ならびに車輪の第2のセットの第3の車輪および第4の車輪はそれぞれ、別個のハブモータを備えてもよい。好ましくは、車輪の第1のセットの第1の車輪および第4の車輪、ならびに車輪の第2のセットの第3の車輪および第4の車輪のハブモータは、第2の区分内の内部空間の中に延在する。
【0053】
上記に説明されるような3次元グリッドと、少なくとも1つのコンテナ取扱車両とを備える、自動化保管および回収システムであって、グリッドは、その上でコンテナ取扱車両が移動し得る、レールシステムと、保管コンテナの複数のスタックとを備え、
レールシステムは、水平面内に配列され、第1の方向に延在する、平行軌道の第1のセットと、水平面内に配列され、第1の方向に直交する、第2の方向に延在する、平行軌道の第2のセットとを備え、軌道の第1および第2のセットは、複数の隣接するグリッドセルを備える、グリッドパターンを水平面内に形成し、各グリッドセルは、軌道の第1のセットの対向する軌道の対および軌道の第2のセットの対向する軌道の対によって画定される、グリッド開口部を備え、
保管コンテナの複数のスタックは、レールシステムの真下に位置する、保管縦列内に配列され、各保管縦列は、グリッド開口部の垂直下方に位置し、
第1の占有面積は、軌道の第1のセットの対向する軌道の対と軌道の第2のセットの対向する軌道の対との間の、軌道の幅を含む、ある断面積によって画定される、グリッドセルに実質的に等しく、第2の区分は、第1の区分が、隣接するグリッド開口部にわたって位置付けられると、隣り合うグリッド開口部の中に部分的に延在する、
自動化保管および回収システムが、さらに説明される。
【0054】
X方向におけるコンテナ取扱車両の占有面積の範囲(LX)およびY方向におけるコンテナ取扱車両の占有面積の範囲(LY)は、
X方向においてLX=1.0グリッドセルであり、
Y方向において1<LY<1.5グリッドセルであってもよく、
グリッドセルは、X方向に延設される2つのレールの中間点とY方向に延設される2つのレールの中間点との間の、軌道の幅を含む、断面積として画定される。
【0055】
第2の区分は、隣り合うグリッド開口部の中に50%未満、より好ましくは、隣り合うグリッド開口部の中に40%未満、さらにより好ましくは、隣り合うグリッド開口部の中に30%未満、さらにより好ましくは、隣り合うグリッド開口部の中に20%未満延在してもよい。
【0056】
上記に示されるように、コンテナ取扱車両は、第1および第2の区分を有する。第1の区分の占有面積は、下層グリッドセルのサイズに等しくあり得、第2の区分は、第1の区分の占有面積を越えて水平に延在する、突出区分である。
【0057】
グリッドセル開口部は、X方向に延設される2つの対向するレールとY方向に延設される2つの対向するレールとの間の開放断面積として画定されてもよい。
【0058】
第2の区分の占有面積は、第1の区分の占有面積のサイズの半分未満であってもよい(第1の区分に対して1:2未満のサイズ比)。コンテナ取扱車両が、これが保管コンテナを第1の区分の中に、またはそれから外に持ち上げる、もしくは降下させ得る位置においてグリッドセルの上方に位置付けられると、第2の区分は、隣り合うグリッドの中に延在する。しかしながら、車両本体の占有面積は、(Y方向において)1.5セル未満であり、他の方向(X方向)において最大1グリッドセル幅である。言い換えると、第1の方向におけるコンテナ取扱車両の側方範囲は、1セルにおける軌道の側方範囲に対応し、第1の方向に垂直な方向において最大1.5グリッドセルに対応する。その結果、保管コンテナを保管および回収するための例示的システムでは、上記に説明されるコンテナ取扱車両のうちの2つが動作され、対向する方向に配向される場合、それらは、第1の方向において、例えば、X方向において進行するとき、3つのグリッドセルを占有する一方、第2の方向において、例えば、Y方向において進行するとき、それらは、2つのグリッドセルを占有するグリッドセルの隣り合う横列に沿って進行することができる。
【0059】
コンテナ取扱車両の第1の区分は、保管コンテナを収容するための空洞と、スタック内の保管位置と空洞の内側の輸送位置との間で垂直に保管コンテナを輸送するように配列される、持上デバイスとを備えてもよい。持上デバイスは、保管コンテナを解放可能に把持するように構成される、把持デバイスと、空洞に対して把持デバイスを持ち上げ、降下させるように構成される、持上モータとを備えてもよい。
【0060】
第2の区分は、従来技術の単一セルロボットにおいて可能であるものよりも大きく、強力である、車輪のうちの少なくともいくつかを駆動するためのハブモータ、例えば、少なくとも70%を上回る軸方向深さを伴う持上デバイスモータおよびより強力な、例えば、少なくとも10%より強力な持上デバイスモータを利用することを可能にする。
【0061】
第2の区分内に配列される(または第2の区分の中に延在する)ハブモータは、それらの間に限定された距離を伴って配列されてもよい。モータの間のより小さい距離に起因して、より少ない、例えば、1つのブラシレス直流(BLDC)カードが、従来技術の単一セルロボットにおける4つのBLDCカードの代わりに要求されてもよい。従来技術の解決策では、コンテナ取扱車両内の車輪を駆動するモータの間の距離は、典型的には、4つのBLDCカードが要求されるような範囲のものである。BLDCカードの費用は、非常に高い。しかしながら、モータの間の距離が、第2の区分内にモータを配列することによって実質的に低減されることができるため、コンテナ取扱車両のための全体的費用は、より少ないBLDCカード(例えば、1つのみのBLDCカード)が要求されるため、削減されることができる。
【0062】
コンテナ取扱車両は、交換可能バッテリを備えてもよい。交換可能バッテリは、コンテナ保管コンパートメントおよび持上デバイスの上方の車両の上側部分内に配列されることができる。交換可能バッテリの交換シーケンスは、以下のステップを含んでもよい。
車両または全体制御システムが、バッテリが交換されるべきであると決定する。
車両が、バッテリ交換ステーションに移動するように動作される。
交換可能バッテリが、バッテリ筐体から除去される。
車両が、例えば、車両内のコントローラボックス内に配列されるコンデンサ電力供給源を使用して、充電されたバッテリを有するバッテリ交換ステーションに移動するように動作される。
充電されたバッテリが、バッテリ筐体の中に配設される。
車両が、使用できる状態になる。
【0063】
以下では、多数の具体的詳細が、本発明の実施形態の徹底的な理解を提供するために、実施例としてのみ導入される。しかしながら、当業者は、これらの実施形態が、具体的詳細のうちの1つ以上のものを伴わずに、または他の構成要素、システム等を用いて実践され得ることを認識するであろう。他の事例では、周知の構造または動作は、開示される実施形態の側面を不明瞭にすることを回避するために、示されない、または詳細に説明されない。
【0064】
本開示では、上側、下側、側方、垂直、X方向、Y方向、Z方向等の相対的用語は、参照システムとして上記に言及される従来技術の保管システム(
図1)を使用して解釈されるものとする。したがって、車両のX方向およびY方向における範囲に関連して側方の特徴は、X方向およびY方向における車両の範囲、例えば、X方向およびY方向における車両の占有面積であるように理解されるものとする。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
下層保管システム(1)の3次元グリッド(4)から保管コンテナ(6)をピックアップするためのコンテナ取扱車両(9’)であって、
車輪の第1のセット(22)であって、前記車輪の第1のセット(22)は、前記グリッド(4)のレールシステム(8)上でX方向に沿って前記車両(9’)を移動させるためのものである、車輪の第1のセット(22)と、
車輪の第2のセット(23)であって、前記車輪の第2のセット(23)は、前記グリッド(4)のレールシステム(8)上でY方向に沿って前記車両(9’)を移動させるためのものであり、前記Y方向は、前記X方向に垂直である、車輪の第2のセット(23)と、
側を備える車両本体(13)であって、前記車両本体(13)は、前記車両本体(13)のX方向およびY方向における水平周辺によって画定される車両本体占有面積(FV)を有し、前記車両本体は、第1の区分と、第2の区分とを備え、前記第1の区分(204)は、第1の占有面積(F1)を有し、前記第2の区分(205)は、第2の占有面積(F2)を有し、前記第1および第2の占有面積(F1、F2)は、それぞれ、前記第1および第2の区分(204、205)のX方向およびY方向における水平周辺によって画定される、車両本体(13)と
を備え、
前記第1の区分(204)および前記第2の区分(205)は、前記第1および第2の占有面積(F1、F2)の合計面積が、車両本体占有面積(FV)の合計面積に等しく、前記第1の占有面積(F1)の中心点が、前記車両本体占有面積(FV)の中心点に対して中心外れに配列されるように、横並びに配列され、前記第1の区分(204)の分離要素(212)によって分離され、
前記第1の区分(204)は、保管コンテナ(6)を収容するように構成される保管コンテナ受容空間を画定し、
前記第2の区分(205)は、長方形占有面積を有し、前記車両本体(13)の第1の側の一部と、前記車両本体(13)の第2の側の対向する部分とを備え、前記第2の区分(205)は、前記分離要素に隣接して延在し、2つの車輪が、前記分離要素に搭載され、1つの車輪は、前記車両本体の第1の側の前記部分に搭載され、1つの車輪は、前記車両本体の第2の側の前記部分に搭載され、前記車両本体の第1および第2の側の前記部分に搭載される前記車輪は、前記車両本体(13)の側の内面から前記第2の区分(205)内の内部空間の中に延在する車輪モータ(203)によって駆動される、コンテナ取扱車両(9’)。
(項目2)
前記車両本体(13)の第1の側の前記部分および第2の側の前記部分に搭載される前記車輪はそれぞれ、別個の車輪モータ(203)に接続される、項目1に記載のコンテナ取扱車両(9’)。
(項目3)
前記車両本体(13)の第1の側は、前記第1および第2の区分(204、205)に共通であり、前記車両本体(13)の第2の側は、前記第1および第2の区分に共通である、前記項目のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
(項目4)
前記車両本体(13)の側の前記第1の部分および前記第2の部分に搭載される前記車輪は両方とも、共通の車輪モータ(203)によって駆動される、項目1に記載のコンテナ取扱車両(9’)。
(項目5)
前記分離要素(212)に搭載される前記車輪は、非電動である、前記項目のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
(項目6)
前記分離要素(212)に搭載される前記車輪はそれぞれ、車輪モータ(203)によって駆動される、項目1-4に記載のコンテナ取扱車両(9’)。
(項目7)
前記車輪モータ(203)はそれぞれ、前記第2の区分(205)の内部空間の中に延在し、その空間は、前記分離要素(212)と、前記車両本体(13)の第1の側の前記部分の内面と、第2の側の前記部分の内面とによって、3つの側上で境界決定される、項目1-5に記載のコンテナ取扱車両(9’)。
(項目8)
前記車輪の第1のセット(22)は、前記第1の区分(204)の対向する側上に配列され、前記車輪の第2のセット(23)は、前記車両本体(13)の対向する側上に配列される、前記項目のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
(項目9)
前記分離要素(212)に搭載される前記車輪を駆動する前記車輪モータ(203)は、前記車両本体(13)の側の前記第1の部分および前記第2の部分に搭載される前記車輪を駆動する前記車輪モータ(203)と比較して、比較的に低い電力および/または加速度を有する、前記項目6-8のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
(項目10)
前記車輪モータ(203)は、前記車輪に対して直接駆動を提供するハブモータを備える、前記項目のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
(項目11)
前記第2の占有面積(F2)に対する前記第1の占有面積(F1)のサイズ比は、少なくとも2:1である、前記項目のいずれかに記載のコンテナ取扱車両(9’)。
(項目12)
自動化保管および回収システムであって、前記自動化保管および回収システムは、3次元グリッド(4)と、前記項目1-11のいずれかに記載の少なくとも1つのコンテナ取扱車両(9’)とを備え、前記グリッドは、その上で前記コンテナ取扱車両が移動し得るレールシステム(8)と、保管コンテナの複数のスタック(7)とを備え、
前記レールシステム(8)は、水平面(P)内に配列され、X方向に延在する平行軌道の第1のセット(10)と、前記水平面(P)内に配列され、前記X方向に直交するY方向に延在する平行軌道の第2のセット(11)とを備え、前記軌道の第1および第2のセット(10、11)は、複数の隣接するグリッドセル(14)を備えるグリッドパターンを前記水平面(P)内に形成し、各グリッドセルは、前記軌道の第1のセット(10)の対向する軌道の対(10a、10b)および前記軌道の第2のセット(11)の対向する軌道の対(10a、10b)によって画定されるグリッド開口部(15)を備え、
前記保管コンテナ(6)の複数のスタック(7)は、前記レールシステム(8)の真下に位置する保管縦列(5)内に配列され、各保管縦列(5)は、グリッド開口部(15)の垂直下方に位置し、
前記第1の占有面積(F1)は、前記軌道の第1のセット(10)の対向する軌道の対(10a、10b)と前記軌道の第2のセット(11)の対向する軌道の対(10a、10b)との間の、前記軌道の幅を含むある断面積によって画定されるグリッドセル(14)に実質的に等しく、前記第2の区分(205)は、前記第1の区分が、隣接するグリッド開口部にわたって位置付けられると、隣り合うグリッド開口部(15)の中に部分的に延在する、自動化保管および回収システム。
(項目13)
前記X方向における前記コンテナ取扱車両(9’)の占有面積(FV)の範囲(LX)および前記Y方向における前記コンテナ取扱車両(9’)の占有面積(FV)の範囲(LY)は、
前記X方向においてLX=1.0グリッドセル(14)であり、
前記Y方向において1<LY<1.5グリッドセル(14)であり、
グリッドセル(14)は、前記X方向に延設される2つのレールの中間点と前記Y方向に延設される2つのレールの中間点との間の前記軌道の幅を含む断面積として画定される、項目12に記載の自動化保管および回収システム。
【図面の簡単な説明】
【0065】
本発明のある実施形態が、ここで、実施例としてのみで、以下の図面を参照して、詳細に説明されるであろう。
【0066】
【
図1】
図1は、従来技術の保管および回収システムの斜視側面図である。
【
図2】
図2Aおよび2Bは、2つの異なる従来技術のコンテナ取扱車両を描写し、
図2Cは、第2の構成における
図2Bの従来技術のコンテナ取扱車両を示す。
【
図3】
図3および4Aは、
図1の保管システムにおいて使用するための2つのタイプのレールシステムの上面概略図である。
【
図4A】
図3および4Aは、
図1の保管システムにおいて使用するための2つのタイプのレールシステムの上面概略図である。
【
図4B】
図4Bおよび4Cは、グリッドセルの範囲およびこれの上で動作する単一セル車両の範囲を図示する、
図4Aに類似するレールシステムの上面図である。
【
図4C】
図4Bおよび4Cは、グリッドセルの範囲およびこれの上で動作する単一セル車両の範囲を図示する、
図4Aに類似するレールシステムの上面図である。
【
図5】
図5Aは、コンテナ取扱車両内に搭載され得る例示的持上デバイスの一部およびこれによって持ち上げられ得る関連付けられるコンテナの拡大斜視側面図である。
図5B、5C、5Dは、各場合における占有面積が斜線面積によって示される、それぞれ、例示的コンテナ取扱車両FV、第1の区分F1、および第2の区分F2の占有面積を示す。
【
図6】
図6Aは、コンテナ取扱車両の上方からの角度付けられた側面図である。
図6Bは、
図6Aのコンテナ取扱車両の上面図であり、レールシステム上のコンテナ取扱車両のX方向およびY方向における範囲を図示する。
【
図7】
図7は、相互に通過し、レールシステム上で動作する、3つのそのようなコンテナ取扱車両の上面図である。
【
図8】
図8Aは、第1の区分の内側の上側位置における持上デバイスを伴うコンテナ取扱車両の内部の下方からの斜視図である。
図8Bは、ある程度の詳細が省略され、下側位置における持上デバイスが第1の区分から降下されている、コンテナ取扱車両の内部の下方からの斜視図である。
【
図9】
図9は、2つのバッテリが第2の区分内で可視である、
図8Aのコンテナ取扱車両の側面図である。
【
図10-1】
図10Aは、内部詳細、例えば、コンテナ取扱車両の上側部分におけるバッテリ受容ユニットの内側に配列される交換可能バッテリを露見させるために除去されたカバーを含む、ある詳細が省略される、
図8Aのコンテナ取扱車両の斜視側面図である。
図10Bは、持上デバイスモータを含むモータのアセンブリが第2の区分において見られ得る、
図10Aのコンテナ取扱車両の別の斜視図である。
【
図10-2】
図10Cは、持上デバイスモータおよび角度付きトランスミッション(角度付きギヤ)が第2の区分において見られ得る、
図10Bの代替コンテナ取扱車両の斜視図である。
図10Dおよび10Eは、持上デバイスモータおよび角度付きギヤが
図10Cの持上デバイスモータおよび角度付きトランスミッションに対して90度回転される、
図10Cの代替コンテナ取扱車両の異なる図である。
【
図10-3】
図10Fおよび10Gは、持上デバイスモータおよび中空シャフトギヤが第2の区分において見られ得る、
図10Bの代替コンテナ取扱車両の斜視図である。
図10Hは、持上デバイスモータおよび持上車軸を接続するために使用される中空シャフトギヤの分解図である。
【
図10-4】
図10Iは、第2の区分内のY方向における車輪上に車輪モータを伴うコンテナ取扱車両の側面図である。
図10Jは、第2の区分内のY方向における車輪上のみのより大きい車輪モータを示す、コンテナ取扱車両の下方からの図である。
図10Kは、コンテナ取扱車両のY方向における第2の区分の中への側面図である。
【
図11-1】
図11Aは、レールシステムのX方向において相互に通過する、2つのコンテナ取扱車両の側面斜視図である。
図11Bは、
図11Aの上面斜視図である。
【
図11-2】
図11Cは、レールシステムのX方向において相互に通過する2つのコンテナ取扱車両の間の間隙を示す、
図11Aの別の側面図である。
図11Dは、コンテナ取扱車両の下方からの斜視図を示す。
【
図12】
図12A-Cは、車両本体の占有面積の中心に対する保管コンテナ空洞の内側の保管コンテナの重心の差異を示し、
図12Aは、従来技術の単一セルロボットを図示し、
図12Bは、従来技術の中心空洞ロボットであり、
図12Cは、本発明による、コンテナ取扱車両を示す。
【
図13】
図13A-Cは、車輪の同一のセットの対向する車輪の2つの対のそれぞれの間に延在する想像線の差異と、他の車輪の間の想像線と交差する、または交差しない該線のうちのものとを示し、
図13Aは、従来技術の単一セルロボットを図示し、
図13Bは、従来技術の中心空洞ロボットであり、
図13Cは、本発明によるコンテナ取扱車両を示す。
図13Dは、それぞれ、車輪の第1のセットおよび車輪の第2のセットに関するホイールベースの中心の可能性として考えられる設定を示し、該ホイールベースが相互に対して中心外れであることを示す。
【0067】
図面では、同様の参照番号は、別様に明示的に記載されない限り、または暗示的に文脈から理解されない限り、同様の部分、要素、または特徴を示すために使用された。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下では、本発明の実施形態が、実施例としてのみで、添付される図面を参照して、より詳細に議論されるであろう。しかしながら、図面は、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図しておらず、1つの図面に説明される特徴は、同一の図面に示される他の特徴の存在に必ずしも依存するわけではなく、他の図面の実施形態からの特徴と組み合わせられ得ることを理解されたい。
【0069】
図3-4Cを参照すると、自動化保管および回収システムの2つの異なるレールシステムの上面図が、示される。
【0070】
レールシステムは、水平面P内にグリッド構造またはグリッドパターンを形成する(
図1参照)。グリッド4は、複数の長方形かつ均一なグリッド場所またはグリッドセル14(
図4B参照)を備え、各グリッドセル14は、軌道の第1のセットの対向するレールの対10a、10bおよび軌道の第2のセットの対向するレールの対11a、11bによって境界決定される、グリッド開口部15(すなわち、保管縦列12の上端)を備える。レール10a、10b、11a、11bは、その上でコンテナ取扱車両9’が動作する、レールシステム8を形成する。
図4Bでは、グリッドセル14は、破線枠によって示され、グリッド開口部15は、平行線面積によって示される。
【0071】
その結果、対向するレール10aおよび10bの対は、X方向に延設されるグリッドセルの平行な横列を画定し、レール10aおよび10bに垂直に延在する対向するレール11aおよび11bの対は、Y方向に延設されるグリッドセルの平行な横列を画定する。
【0072】
各グリッドセル14は、典型的には、30~150cmの間隔内である幅Wcと、典型的には、50~200cmの間隔内である長さLcとを有する。各グリッドセル14は、Wc<Lcであるように、示されるように長方形であってもよい。各グリッド開口部15は、それぞれ、典型的には、グリッドセル14の幅Wcおよび長さLcを2~10cm下回る、幅Woと、長さLoとを有する。WcとWoとの間、およびLcとLoとの間の本差異は、2つの対向するレール10a、10b、11a、11bの幅(すなわち、軌道のセットの幅)、または事実上、グリッドセルが、そのような二重軌道レール(すなわち、10aおよび10bまたは11aおよび11bを備える二重軌道レール)の中間点まで延在するため、二重軌道レールの幅に対応する。
【0073】
二重軌道レールは、コンテナ取扱車両の車輪が中で走行するための2つの平行チャネルを提供するように輪郭設定されてもよい。
【0074】
図3は、単一軌道レール10、11を特徴とする従来技術のレールシステムを示す。そのようなレールシステムが、使用されるとき、2つのコンテナ取扱車両は、隣接するグリッドセル14において相互に通過することを可能にされない。
【0075】
単一軌道レールが、方向のうちの1つにおいて使用される場合、グリッドセルの境界は、作業されているものに対するグリッド開口部の対向する側上の軌道の側まで延在する(隣り合うグリッドセルは、類似する方法で本軌道幅だけ重複するであろう)。
【0076】
図4Bおよび4Cに示されるレールシステムは、水平二重軌道レールを特徴とする。その結果、各レールは、平行な2つの車輪を収容することが可能である。そのようなレールシステムでは、隣り合うグリッドセル14の間の境界は、
図4Bに示されるように、水平レールの中心線に沿って延設される。
【0077】
図4Cでは、図示されるグリッドシステムの区分の中間におけるグリッドセル14は、グリッド開口部/グリッドセル開口部15を備える。グリッドセル14の左(西)に、グリッド開口部15Wを備える、隣接するグリッドセル14Wが、存在する。同様に、グリッドセル14の右(東)に、グリッド開口部15Eを備える、隣接するグリッドセル14Eが、存在する。また、グリッドセル14の下方(南)に、グリッド開口部15Sを備える、隣接するグリッドセル14Sが、存在し、グリッドセル14の上方(北)に、グリッド開口部15Nを備える、隣接するグリッドセル14Nが、存在する。
【0078】
図4Cでは、従来技術のコンテナ取扱車両の占有面積30が、図式的に図示される。本実施形態では、占有面積30は、車両の車輪の水平範囲によって画定される。図から明白であるように、占有面積30は、グリッドセルの水平範囲未満である水平範囲を有する。
【0079】
図5Aは、コンテナ取扱車両内に搭載され得る持上デバイス18の一部および持上デバイスによって持ち上げられるべきコンテナ6の斜視側面図である。持上デバイスは、持上バンドを介して少なくとも1つの回転可能持上シャフトに一般的に接続される、持上フレーム17を備え、持上シャフトは、コンテナ取扱車両の空洞内の上側レベルに配列される。
【0080】
図5Bは、本発明による、例示的コンテナ取扱車両9’の占有面積、すなわち、FVと表される図の破線面積を示す。占有面積FVは、両方の方向においてコンテナ取扱車両9’の側方範囲に等しい。コンテナ取扱車両9’は、第1の区分204と、第2の区分205とから成る。
【0081】
図5Cは、第1の区分204の占有面積、すなわち、F1と表される図の破線面積を示す。開示される実施形態では、第1の区分は、
図5Aに示されるような保管容器6および持上デバイス18を収容するための空洞を備える。
【0082】
図5Dは、第2の区分205の占有面積、すなわち、F2と表される図の破線面積を示す。
【0083】
図6Aは、コンテナ取扱車両9’の上方からの斜視側面図である。コンテナ取扱車両9’は、レールシステム8上で動作し、図に示されるX方向およびY方向に側方に移動するように構成される。X方向は、Y方向に垂直である。
【0084】
車両9’は、保管システム1のレールシステム8上で第1の方向Xに沿って車両9’を移動させるために、車両本体13の対向する部分に配列される、車輪の第1のセット(図示せず、
図8A参照)と、レールシステム8上で第2の方向Yに沿って車両9’を移動させるために、車両本体13の対向する部分に配列される、車輪の第2のセット(車輪の第2のセットの車輪のうちの2つ(202’’、202’’’’)のみが、示される)とを備える。第2の方向Yは、第1の方向Xに垂直である。車輪の第1のセットは、第1の位置と第2の位置との間で垂直方向Zに変位可能である。第1の位置では、車輪の第1のセットは、第1の方向Xに沿った車両9’の移動を可能にし、第2の位置では、車輪の第2のセットは、第2の方向Yに沿った車両9’の移動を可能にする。変位可能な車輪のセットを提供するための好適なアセンブリの構造詳細が、例えば、第WO2015/193278 A1号および第WO2017/153583号(その内容が、参照することによって組み込まれる)に開示されている。
【0085】
図6Bは、
図6Aのコンテナ取扱車両9’の上面図であり、レールシステム8上のコンテナ取扱車両9’のX方向およびY方向における範囲(LXおよびLY)を図示する。線Cは、Y方向におけるグリッドセル14およびグリッドセル開口部15の中心線を示す。X方向におけるコンテナ取扱車両9’の占有面積(LX)は、X方向におけるグリッドセル14の寸法に実質的に等しく、Y方向におけるコンテナ取扱車両9’の占有面積(線LY)は、車両本体の一部が、隣り合うセル(示される実施形態では、これは、作業されているセルの左の隣り合うセルである)の中に延在するように、Y方向においてグリッドセル14の寸法よりも大きい。隣り合うセルの中への車両本体の本延在部は、隣り合うセル内のグリッドセル開口部のY方向における側方範囲の半分を下回るサイズであり、長さLYが、Y方向において1.0グリッドセルを上回るが、1.5グリッドセル14を下回ること(1.0<LY<1.5グリッドセル)を意味する。
【0086】
長方形グリッドセル14を用いて
図6Bに示されるようにレールシステム8上で動作するとき、コンテナ取扱車両9’の占有面積は、グリッドセル14の範囲が、Y方向よりもX方向において長く、コンテナ取扱車両が、Y方向において1つを上回るグリッドセル14を占有し、X方向において1つのみのグリッドセル14を占有するため、略正方形である。略正方形占有面積は、車両9’の全体的安定性が、多くの場合、比較的に高い重心と組み合わせてより長方形の占有面積を示す従来技術の解決策と比較して改良される利点を有する。
【0087】
図7は、同一の方向に配向され、相互に通過し、上記に議論されるような二重軌道レールを特徴とするレールシステム8上で動作する、3つの類似するコンテナ取扱車両9’の上面図である。図に示されるように、コンテナ取扱車両9’は、X方向におけるグリッドセル14の寸法に対応する占有面積を有し、Y方向において進行する他のコンテナ取扱車両9’が、車両9’の両側上の隣り合うセル(コンテナ取扱車両9’は、それらが、相互に通過する際、レールシステム8の2つの横列を占有する)内を通過することを可能にする。しかしながら、隣り合うセルの中への重複のサイズは、Y方向におけるグリッドセルの側方範囲の半分未満であるため、X方向において進行する類似するコンテナ取扱車両9’は、3つの横列を占有して相互に通過することができる。
【0088】
第2の区分205の存在は、
図2Aに示される従来技術の単一セルロボットにおけるものよりも大きく、強力である、車輪を駆動するためのモータ203(
図8A参照)を利用することを可能にすると同時に、そのようなロボットの利点の多くを保つ。
【0089】
図8Aに開示されるように、第1の区分204は、車輪の第1のセットの第1の車輪201’、第2の車輪201’’、第3の車輪201’’’、および第4の車輪201’’’’、および車輪の第2のセットの第1の車輪202’および第2の車輪202’’を収容し、第2の区分は、車輪の第2のセットの第3の車輪202’’’および第4の車輪202’’’’を収容する。本特定の車輪配列は、これが、車輪の第1のセットの第2の車輪201’’および第4の車輪201’’’’、および車輪の第2のセットの第3の車輪202’’’、第4の車輪202’’’’を駆動するためのより強力な車輪ハブモータ203の使用を可能にするため、非常に有利である。
【0090】
代替として、車輪の第1のセットの第2の車輪201’’および第4の車輪201’’’’は、該車輪のハブモータもまた、第2の区分内に配列されることを前提に、第2の区分(図示せず)内に収容されることができる。車両9’の安定性を改良するために、車輪201’、201’’’、202’、202’’、202’’’、202’’’’のリムは、好ましくは、車両9’の角まで延在する。
【0091】
車輪201’、201’’、201’’’、201’’’’、202’、202’’、202’’’、202’’’’は全て、好ましくは、車両本体13のX方向およびY方向における側方範囲LX、LYの内側に配列される(
図9に関連する説明もまた参照)。
【0092】
第1の区分204および第2の区分205は、壁または板または類似物等の第1および第2の区分204、205の間の交差部における物理的障壁によって完全に分離されてもよい。代替として、第1および第2の区分204、205は、例えば、交差部の一部にわたって障壁を提供することによって、第1および第2の区分204、205の間の交差部において部分的に分離されてもよい。
【0093】
図8Aでは、第1および第2の区分は、それに車輪の第1のセットの第2の車輪201’’および第4の車輪201’’’’およびそれらの個別のハブモータ203が接続される、車輪接続要素212(すなわち、接続板または梁)によって分離される。車輪接続要素212は、車輪の第1のセットの第2の車輪201’’および第4の車輪201’’’’が(車輪の第1のセットの第1の車輪201’および第3の車輪201’’とともに)、垂直方向において移動され得るように、車輪変位アセンブリ214の一部である。
【0094】
開示される実施形態では、第2の車輪201’’および第4の車輪201’’’’は、第1の区分204内に収容される一方、ハブモータ203は、第2の区分の中に延在する。代替実施形態では、第2の車輪201’’および第4の車輪201’’’’の両方、およびハブモータは、第2の区分205内に収容されてもよい。
【0095】
それらのハブモータ203が、第2の区分205の中に延在/突出するように配列される、車輪の第1のセットの第2の車輪201’’および第4の車輪201’’’’、および車輪の第2のセットの第3の車輪202’’’、第4の車輪202’’’’を有することが、ハブモータが、それらが、第1の区分204の中に延在するであろうように配列された場合にあろうものよりも強力なモータの使用を可能にすることに留意されたい。残りの車輪、すなわち、第2の区分の中に延在するハブモータを特徴としない車輪は、受動的または電動化のいずれかであり、例えば、第WO 2016/120075 A1号に開示されるような車輪内ハブモータによって電動化されてもよい。
【0096】
図8Bは、第1の区分204から下向きに延在する下側位置における持上デバイス18の持上フレーム17を示す、コンテナ取扱車両9’の内部の下方からの斜視図である。持上デバイス18は、
図2Aおよび2Bに関連して説明される持上デバイスと類似する特徴を有してもよい。
【0097】
図9は、ハブモータ203および2つのバッテリ213’、213’’が第2の区分205内に配列される、コンテナ取扱車両の側面図である。例えば、
図9から明白であるように、車輪の外部に面する側は、一側面では、それらが、(
図9の車両9’の各側上の点線によって示される)車両本体13の外側に延在しないように配列されてもよい。例えば、側方X方向およびY方向における車輪の外部に面する側は、車両本体13と同一平面であってもよい。
図9に示されないが(但し、
図8Aおよび8B+6Bに示される)、同一のことが、対向する方向(X)における車輪に適用され、すなわち、それらの車輪もまた、それらが、車両本体13の外側に延在しないように配列されてもよい。
【0098】
車両本体13は、全てが、存在する場合、またはいくつかが、欠落している場合であっても、以下の要素のうちのいずれか、すなわち、本体フレーム、側カバーパネルまたは板、車輪懸架装置、車輪の間の軌道センサのための筐体等を含む。車輪の回転する外面は、したがって、車両本体13内の壁のうちの1つと同一の垂直面内に配列されてもよい。代替として、車輪は、車輪の回転する外面が、車両本体13内の壁のうちの1つによって形成される垂直面に対して側方に変位され得るように、車両本体13の内側に配列されてもよい。
図6Bでは、車輪のうちのいずれも、上面図において可視ではなく、全ての車輪の最も外側の側方部分が、それらが、車両本体13の外側に延在しないように配列されることを示す。
【0099】
コンテナ取扱車両9’は、コンテナ取扱車両9’内のバッテリ213’、213’’の充電のためのインターフェース206(
図8A参照)を具備してもよい。
【0100】
図10Aは、カバーのようなある部分が除去される、コンテナ取扱車両9’の側面図である。コンテナ取扱車両9’は、コンテナ取扱車両の上側部分におけるバッテリ受容ユニット209の内側に配列される、交換可能バッテリ208を有する。全体制御システムと通信する、コントローラユニット210が、さらに開示される。コントローラユニット210はさらに、コンデンサ電力供給源(図示せず)を収容してもよい。コンデンサ電力供給源は、典型的には、主要電力供給源が、誤動作する、または失われる場合、車両9’の電気駆動構成要素のうちのいずれかを動作させるために十分な電力を貯蔵する能力を有する。そのような状況は、例えば、バッテリ208が、交換されるべきであるときであり得る。バッテリ交換は、典型的には、2つの異なる場所上で起こり、すなわち、交換されるべきバッテリ(「空の」バッテリ)は、交換バッテリ(「完全充電された」バッテリ)がピックアップされる場所と異なる場所において荷下ろしされ、したがって、コンデンサ電力供給源は、2つの異なる場所の間でロボットを移動させるために使用されてもよい。代替として、主要バッテリが、誤動作する場合、コンデンサ電力供給源は、持上デバイスを動作させる、および/またはロボットを保守エリアに移動させるために使用されることができる。さらに、任意の回生電力が、コンデンサ電力供給源がその所望の機能のうちのいずれかを実施するために十分な電力容量を有することを確実にするために、コンデンサ電力供給源に供給されることができる。
【0101】
図10Bは、第2の区分205内に配列される持上デバイスモータ211を備える、モータのアセンブリが開示される、
図10Aの別の図である。持上デバイスモータ211は、第1の区分内に配列される持上デバイスの回転可能持上シャフト(図示せず)の一方の端部に接続される。本持上デバイスモータ211は、第1の区分内に配列される他の持上デバイスモータ(図示せず)に取って代わる、または第1の区分内に配列される任意の持上デバイスモータに加えて、補助モータとして機能してもよい。したがって、第2の区分205は、第2の区分205内に配列される持上デバイスモータ211のサイズおよび持上容量が、第1の区分の利用可能な空間によって限定されないため、第1の区分内の持上デバイスモータの数を最小まで削減する(さらには第1の区分内の持上デバイスモータの使用を回避する)ことを可能にする。言い換えると、第2の区分内の持上デバイスモータ211は、車両9’の第1の区分の上部区分内の利用可能な空間が、増加されるように、車両の唯一の持上デバイスモータであってもよい、またはモータ211は、増加された持上容量を持上デバイスに提供する補助モータであってもよい。
【0102】
図10Cは、持上デバイスが単一の持上デバイスモータ211’を備え、角度付きトランスミッション215が第2の区分内に配列される、コンテナ取扱車両9’のある実施形態を示す。実施形態は、第2の区分の利用可能な空間が、第1の区分単独において配列することが可能であろうものよりも強力な(その結果、より大きい)持上デバイスモータ211’の使用を可能にする様子を例証する役割を果たす。これは、より高い合計重量(すなわち、コンテナ内に保管される製品を含む重量)を有する保管コンテナの使用を可能にする。
図2Bおよび2Cの従来技術の車両が、類似する大きい持上デバイスモータのための利用可能な空間を有する可能性が高いであろうが、片持ち梁設計に起因して、増加された持上容量の可能性を完全に利用することが可能ではないであろうことに留意されたい。
【0103】
再び、
図10Cを参照すると、接続された持上デバイスモータ211’を伴う角度付きトランスミッション215は、下向きに(すなわち、主に垂直方向に)角度付けられる。
【0104】
対照的に、
図10Dおよび10Eに見られるように、
図10Cにおけるものと類似する実施形態が、示されるが、しかしながら、接続された持上デバイスモータ211’を伴う角度付きトランスミッション215は、横方向に(すなわち、主に水平方向に)角度付けられ、
図10Cの実施形態に対して90度回転される。さらに、
図10Eは、それに、持上デバイス18(
図10Eに図示せず)に接続される車軸持上バンドが接続され、持上デバイスの持上および降下の間に巻上および巻出する、持上デバイス車軸216を示す。
【0105】
図10Fおよび10Gは、持上デバイスモータ211’および中空シャフトギヤ215が第2の区分内に配列される、
図10Bの代替コンテナ取扱車両の斜視図である。
【0106】
図10Bおよび10Cの持上デバイスモータ211’の構成は、個別の持上車軸216(1つのみの持上車軸が、図に示される)に接続される、2つの持上デバイスモータ211、211’の使用を可能にする。そのような設定、すなわち、第2の区分内の対向する側に配列される2つの持上デバイスモータ211、211’は、持上デバイスモータ211、211’からの重量分散が、コンテナ取扱車両9’に関する全体的重心の観点からより有利であろうため、より安定したコンテナ取扱車両9’を提供するであろう。
【0107】
図10Hは、持上デバイスモータ211’および持上デバイス車軸216を接続するために使用される、中空シャフトギヤ215の分解図である。
図10C-10Eの実施形態と比較して、
図10F-10Hの持上車軸217は、延在され、ギヤ215は、専用接続を伴わずに延在された持上車軸217に直接接続される。本直接接続を行うことを可能にするために、中空シャフトギヤ215が、角度付きトランスミッションの代わりに使用される。中空シャフトギヤ215は、例えば、クランプおよび楔構成が使用される図に示されるもの等の専用手段を使用して、延在された持上車軸217に固着されることができる。
【0108】
図10Iは、分離要素212上のX方向における車輪201’’、201’’’’上ではなく、第2の区分205内のY方向における車輪202’’’、202’’’’上に車輪モータ203を伴うコンテナ取扱車両9’の側面図である。
【0109】
図10Jは、分離要素212上のX方向における車輪201’’、201’’’’上ではなく、第2の区分205内のY方向における車輪202’’’、202’’’’上のみのより大きい車輪モータ203を示す、コンテナ取扱車両9’の下方からの図である。
図10Jに最も詳細に示されるように、第1の区分204の分離要素212は、コンテナ取扱車両9’の内部を第1および第2区分204、205に分割する。X方向における2つの車輪201’’、201’’’’は、分離要素212上に搭載される。
【0110】
図10Kは、コンテナ取扱車両9’のY方向における第2の区分の中への側面図である。
【0111】
図10I-10Kから明白であるように、第2の区分205は、例えば、
図10F-Hの第2の区分205よりも比較的に小さい、すなわち、あまり深くない。
【0112】
上記に示されるように、全ての
図10I-10Kでは、第1の区分204は、例えば、
図10F-10Hのコンテナ取扱車両9’の第1の区分204と同一のサイズであり、第2の区分205は、
図10F-10Hのコンテナ取扱車両9’の第2の区分205よりも小さい、すなわち、これは、あまり深くなく、Y方向において比較的に小さい範囲を有する。
図10I-10Kの第2の区分205の設定および比較的に小さいサイズ(すなわち、Y方向において小さい範囲)は、コンテナ取扱車両が、X方向に走行しているときに第2の区分205の形成される片持ち梁または張出が、コンテナ取扱車両9’の安定性に対して影響を殆ど及ぼさない点において、利点を有する。
【0113】
第2の区分内の車輪モータ203の半径方向および縦方向範囲は、第2の区分205のX方向およびY方向における利用可能な内部空間の中にフィットするように適合される。
図10I-10Kに示されるように、車輪モータ203の半径方向/直径範囲は、Y方向における第2の区分の範囲によって規定される(第1および第2の区分204、205の間の分離要素ならびに車両本体13によって限定される)。車輪モータ203は、第2の区分205内の内部空間の中に延在し、その内部空間は、分離要素212および第2の区分205に関する外側境界のうちの3つを形成する車両本体13の3つの側によって境界決定される。車輪モータ203の深さ(すなわち、X方向における車輪モータ203の範囲)は、X方向における幅LXによって限定され、Y方向における第2の区分205の幅LYよりも有意に大きく、例えば、最大50%より大きく、ならびに60%、70%、80%、および最大90%等、さらにより大きくあり得る。
【0114】
図11Aは、レールシステム8のY方向における合計3つのセルを使用して相互に通過する、レールシステム8のX方向において進行する、2つのコンテナ取扱車両9’の側面図である。本特定のレールシステムは、X方向における単一軌道レールと、Y方向における二重軌道レールとを備える。単一および二重軌道レールの組み合わせは、いくつかの事例では、二重軌道レールのみを使用するレールシステムが、その上に配列されるコンテナ取扱車両の可能性として考えられる進行経路に関して最適である場合であっても、最も費用が効率的な解決策であり得る。
【0115】
図11Bは、X方向に進行する2つの車両9’がY方向において3つのみの横列を占有することを可能にする、Y方向における車両本体13の間の間隙Gを示す、
図11Aの上面図である。
【0116】
図12A-Cは、車両本体の占有面積の中心に対する保管コンテナ空洞の内側の保管コンテナの重心の差異を示し、
図12Aは、従来技術の単一セルロボットを図示し、
図12Bは、従来技術の中心空洞ロボットであり、
図12Cは、本発明による、例示的コンテナ取扱車両を示す。
【0117】
単一セルおよび中心空洞ロボット(
図12A)では、保管コンテナの重心CGSCは、空洞の中心にあり、これはまた、車両本体の占有面積の中心CGVと一致する。
【0118】
中心空洞ロボット(
図12B)では、保管コンテナの重心CGSCは、空洞の中心にあり、これはまた、車両本体の占有面積の中心CGVと一致する。
【0119】
図12Cは、本発明による、例示的コンテナ取扱車両を示し、保管コンテナの重心CGSCは、車両本体の占有面積の中心CGVに対して変位される。
【0120】
図13A-Cは、車輪の同一のセットの車輪対の間に延在する想像線の差異と、該線が他の車輪の間の想像線と交差する、または交差しない様子とを示す、平面図である。
図13Aは、従来技術の単一セルロボットを図示し、
図13Bは、従来技術の中心空洞ロボットであり、
図13Cは、本発明による、例示的コンテナ取扱車両を示す。
【0121】
図13Aにおいて、単一セルおよび中心空洞ロボットでは、車輪の各セットにおける対向する車輪の2つの対のそれぞれの間に延在する各想像線L1、L2、L3、L4は、2つの他の想像線L1、L2、L3、L4と交差する。
【0122】
図13Bにおいて、中心空洞ロボットでは、車輪の各セットにおける対向する車輪の2つの対のそれぞれの間に延在する想像線L1、L2、L3、L4のいずれも、別の想像線L1、L2、L3、L4と交差しない。
【0123】
図13Cは、車輪の第1のセットにおける対向する車輪の2つの対のそれぞれの間の想像線L1、L2が、車輪の第2のセットにおける2つの車輪の間に延在する1つの想像線L3と交差し、車輪の第2のセットにおける2つの車輪の間の1つの想像線L4が、いかなる想像線とも交差しない、本発明による、例示的コンテナ取扱車両を示す。
【0124】
図13Dは、それぞれ、車輪の第1のセットおよび車輪の第2のセットに関するホイールベースの中心の可能性として考えられる設定を示し、該ホイールベースが相互に対して中心外れであることを示す。車輪の第1のセット22(第1の車輪対が201’、201’’と表される車輪を備え、第2の車輪対が車輪201’’’および201’’’’を備える、2つの車輪対を備える)のホイールベースは、中心CWB1を有し、車輪の第2のセット23(第1の車輪対が202’、202’’と表される対向する車輪を備え、第2の車輪対が対向する車輪202’’’および202’’’’を備える、2つの車輪対を備える)のホイールベースは、中心CWB2を有する。車輪の第1のセット22における車輪201’-201’’’’は、第1の区分204の対向する側上に配列され、車輪の第2のセット23における車輪202’-202’’’’は、車両本体13の対向する側上に配列される。車輪の第2のセット23の中心CWB2は、車両本体13の中心と一致する。
【0125】
車輪の第1のセット22は、合計4つの車輪201’、201’’、201’’’、201’’’’を備える。車輪の第1のセット22における4つの車輪201’、201’’、201’’’、201’’’’は、X方向における移動のための車輪の2つの対として配列され、各対の車輪201’、201’’;201’’’、201’’’’は、第1の区分204の対向する側上に配列される。
【0126】
車輪の第2のセット23は、合計4つ車輪202’、202’’、202’’’、202’’’’を備える。4つの車輪202’、202’’、202’’’、202’’’’は、Y方向における車輪の2つの対として配列され、各対の車輪202’、202’’;202’’’、202’’’’は、車両本体13の対向する側上に配列される(これはまた、第1の区分の対向する側上にあり得る)。
【0127】
本発明は、図を参照して説明されたが、しかしながら、当業者は、添付される請求項に説明されるような本発明の範囲から逸脱することなく、説明される実施形態の改変または修正が行われ得ることを理解するであろう。
【0128】