(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20230630BHJP
F21V 19/04 20060101ALI20230630BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230630BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20230630BHJP
F21Y 105/10 20160101ALN20230630BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20230630BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230630BHJP
【FI】
F21V19/00 414
F21V19/00 510
F21V19/04
F21S2/00 230
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21Y105:10
F21Y103:10
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021007248
(22)【出願日】2021-01-20
(62)【分割の表示】P 2017041395の分割
【原出願日】2017-03-06
【審査請求日】2021-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505162412
【氏名又は名称】コイズミライティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】樫根 宗則
(72)【発明者】
【氏名】山田 尚之
(72)【発明者】
【氏名】富田 拓未
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-072136(JP,A)
【文献】国際公開第2016/052484(WO,A1)
【文献】特開2016-213173(JP,A)
【文献】特開2015-035274(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0113642(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21V 19/04
F21S 2/00
F21S 8/04
F21Y 105/10
F21Y 103/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する照明器具であって、
第1ユニットと、
前記第1ユニットに着脱可能な第2ユニットと
を備え、
前記第1ユニットは、
前記第2ユニットに前記第1ユニットを取り付ける装着部材と、
ベース部材と
を含み、
前記第2ユニットは、内部に一対の内壁面を有する筐体を含み、
前記装着部材は、弾性を有する弾性部を有し、
前記弾性部は、互いに離れるように形成された一対の凸状部分を備え、
前記一対の凸状部分は、それぞれ、前記筐体の内部に嵌め込み可能であり、
前記筐体の内部に嵌め込まれた前記一対の凸状部分の頂部は、それぞれ、前記一対の内壁面に当接し、
前記ベース部材は、
前記第1ユニットの延びる方向と同方向に延びる溝部を有し、
前記装着部材は、前記ベース部材の前記溝部に篏合可能な爪部を有し、
前記爪部は、前記一対の凸状部分の間に位置する、照明器具。
【請求項2】
前記一対の凸状部分は、円弧状であり、互いに離れるように凸状に湾曲する、請求項1に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された照明器具は、取付部品とLEDモジュールとを備える。取付部品は天井に固定される。そして、LEDモジュールは、一枚の板状部材によって取付部品に取り付けられる。板状部材は、板状体と、連結部と、半円状の突起とからなる。連結部は、板状体と突起とを連結する。そして、板状部材は、LEDモジュールの本体に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された照明器具では、板状部材が、ビスのような留め具によって、LEDモジュールの本体に固定される。従って、留め具が必須であり、部品点数が増加する。部品点数の増加は、照明器具のコストを上昇させたり、本体への板状部材の固定作業を煩雑にしたりする。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を減少できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明器具は、光を出射する照明器具である。照明器具は、第1ユニットと、第2ユニットとを備える。前記第2ユニットは、前記第1ユニットに着脱可能である。前記第1ユニットは、前記第2ユニットに前記第1ユニットを取り付ける装着部材を含む。前記装着部材は、弾性を有する弾性部を有する。前記弾性部は、前記第2ユニットの内部に嵌め込み可能である。
【0007】
本願に開示する照明器具において、前記弾性部は、互いに離れるように形成された一対の凸状部分を備えることが好ましい。
【0008】
本願に開示する照明器具において、前記第1ユニットは、ベース部材を更に備えることが好ましい。前記装着部材は、前記ベース部材に装着可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、部品点数を減少できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る照明器具を見下ろしたときの照明器具を示す分解斜視図である。
【
図3】実施形態に係る照明器具を見上げたときの照明器具を示す分解斜視図である。
【
図4】(a)は、実施形態に係るベース部材を示す平面図である。(b)は、
図4(a)のIVB-IVB線に沿ったベース部材の断面図である。
【
図5】(a)は、実施形態に係る装着部材の表側と裏側とのうち表側を示す斜視図である。(b)は、実施形態に係る装着部材の裏側を示す斜視図である。
【
図6】実施形態に係る装着部材及びベース部材を示す斜視図である。
【
図7】(a)は、実施形態に係る装着部材の装着前状態を示す平面図である。(b)は、実施形態に係る装着部材の装着後状態を示す平面図である。
【
図8】実施形態に係る照明器具を示す断面図である。
【
図9】本発明の実施形態の変形例に係る照明器具を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る照明器具1を示す斜視図である。
図1に示すように、照明器具1は光を出射する。具体的には、照明器具1は、第1ユニットU1と、第2ユニットU2とを備える。第1ユニットU1は、光を出射し、光源ユニットとして機能する。第1ユニットU1は第2ユニットU2に取り付けられる。第1ユニットU1は、一定方向PD(以下、「方向PD」と記載する。)に沿って延びている。
【0013】
具体的には、第1ユニットU1は、発光モジュール3と、カバー部材5とを含む。発光モジュール3は光を出射する。発光モジュール3は、例えば、LED(Light Emitting Diode)モジュールである。
【0014】
カバー部材5は発光モジュール3を覆う。カバー部材5は、例えば、発光モジュール3が出射した光を拡散する。カバー部材5は、例えば、白色半透明であってもよい。カバー部材5は、例えば、光拡散材料を含有した樹脂を成形することによって形成してもよいし、透明材料で成形した後に表面に光拡散処理を施して形成してもよい。
【0015】
第2ユニットU2は方向PDに沿って延びている。第2ユニットU2は、例えば、建造物のような構造物における取付部に取り付けられる。取付部は、例えば、建造物における部屋の天井面である。
【0016】
図2は、照明器具1を見下ろしたときの分解斜視図である。
図3は、照明器具1を見上げたときの分解斜視図である。
【0017】
図2に示すように、第1ユニットU1は、複数の装着部材7(本実施形態では、2個の装着部材7)と、ベース部材9とを含む。装着部材7はベース部材9に装着可能である。
図2では、装着部材7はベース部材9に装着されている。装着部材7は、弾性を有し、例えば、ステンレス製である。ベース部材9は、略長尺状であり、方向PDに沿って延びている。例えば、2個の装着部材7がベース部材9の両端部に装着される。ベース部材9は、例えば、アルミニウム製である。
【0018】
図3に示すように、第2ユニットU2は、筐体10と、電源部11とを含む。筐体10は、断面視略U字形状を有する。従って、筐体10には内部空間が形成される。そして、筐体10は電源部11を収容する。電源部11は、電源線(不図示)を介して発光モジュール3に電力を供給する。
【0019】
第1ユニットU1の装着部材7は、筐体10の内部12に嵌め込み可能である。従って、第1ユニットU1を筐体10の内部12に向かって方向D1に移動し、装着部材7を筐体10の内部12に嵌め込む。その結果、装着部材7の弾性によって、第2ユニットU2に第1ユニットU1が取り付けられる。
【0020】
次に、
図4(a)及び
図4(b)を参照して、ベース部材9について説明する。
図4(a)は、ベース部材9を示す平面図である。
図4(b)は、
図4(a)のIVB-IVB線に沿ったベース部材9の断面図である。
【0021】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、ベース部材9は、第1凹部41(凹部)と、一対の第1溝部43と、一対の縁部45と、一対の第1保持部49と、一対の第2保持部51とを有する。ベース部材9は、第2溝部47を有することが好ましい。例えば、第1凹部41と、一対の第1溝部43と、一対の縁部45と、一対の第1保持部49と、一対の第2保持部51と、第2溝部47とは、一体成形されて、ベース部材9を構成する。なお、
図4(a)では、図面を明確にするため、第1凹部41と第2溝部47の一部とをドットハッチングで示している。
【0022】
第1凹部41は、ベース部材9の表側と裏側とのうち、ベース部材9の表側に位置している。第1凹部41は、方向PDに沿って延びており、一対の縁部45に対して凹んでいる。一対の縁部45は、略平行であり、第1凹部41に沿って延びている。縁部45の各々は、当接面57と、第3溝部59とを有する。当接面57は、装着部材(
図2)に対応して設けられ、第1凹部41に隣接する。第3溝部59は当接面57に形成される。第3溝部59は、断面視略V字形状を有し、方向PDに沿って延びている。なお、
図4(a)では、図面の簡略化のため、第3溝部59を省略している。
【0023】
一対の第1溝部43は、第1凹部41に形成されており、方向PDに沿って延びている。一対の第1溝部43は、略平行であり、第2溝部47を介して対向している。第1溝部43の各々は、第1凹部41の側面55に形成され、第1凹部41から離れるように、第1凹部41の側面55に対して窪んでいる。第1溝部43の各々は、断面視略テーパー形状を有することが好ましい。例えば、第1溝部43の各々は、断面視略V字形状を有する。
【0024】
第2溝部47は方向PDに沿って延びている。第2溝部47は、第1凹部41の一対の側面55の間に位置し、第1凹部41内で突出している。第2溝部47は、互いに対向する一対の側壁部61を有する。側壁部61の各々は、断面視において、略円弧状に湾曲している。
【0025】
第2溝部47は、第1凹部41の内部から外部まで突出していることが好ましい。具体的には、第2溝部47は、当接面57に対して、距離Lだけ、第1凹部41の外部に向かって突出している。つまり、第2溝部47の先端部62(具体的には、側壁部61の先端部62)は、当接面57に対して、距離Lだけ、第1凹部41の外側に位置している。
【0026】
第2溝部47によって、第1凹部41は、2つの第2凹部53に分割される。つまり、ベース部材9は一対の第2凹部53を有する。一対の第2凹部53は、略平行であり、方向PDに沿って延びている。第1凹部41の一対の側面55のうちの一方は、一対の第2凹部53のうちの一方の側面に相当し、第1凹部41の一対の側面55のうちの他方は、一対の第2凹部53のうちの他方の側面に相当する。従って、第1溝部43は、第2凹部53の側面55に形成され、第2溝部47から離れるように、第2凹部53の側面55に対して窪んでいる。
【0027】
一対の第1保持部49は、カバー部材5(
図1)に対応して設けられ、一対の第1溝部43を挟むように位置している。一対の第2保持部51は、発光モジュール3(
図1)に対応して設けられ、ベース部材9の裏側に位置している。
【0028】
次に、
図4(b)~
図5(b)を参照して、装着部材7について説明する。
図5(a)は、装着部材7の表側と裏側とのうち表側を示す斜視図である。
図5(b)は、装着部材7の裏側を示す斜視図である。
【0029】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、装着部材7は、本体部21と、一対の係合部23とを有する。装着部材7は、一対の爪部25と、一対の弾性部27とを有することが好ましい。例えば、本体部21と、一対の係合部23と、一対の爪部25と、一対の弾性部27とは、一体成形されて、装着部材7を構成する。
【0030】
本体部21は、略平板形状を有する。
図4(b)~
図5(b)に示すように、一対の係合部23は、それぞれ、ベース部材9の一対の第1溝部43に係合可能である。一対の係合部23は本体部21から突出している。具体的には、係合部23の各々は、略L字形状を有しており、胴部29aと、係合片29bとを有する。胴部29aは、本体部21に対して略直角になるように、本体部21から屈曲して延びている。胴部29aは、本体部21に対して、弾性部27の反対側に延びている。係合片29bは、胴部29aに対して略直角になるように、胴部29aから屈曲して延びている。一対の係合片29bは、互いに離れるように延びている。一対の係合片29bが、それぞれ、ベース部材9の一対の第1溝部43に係合可能である。
【0031】
一対の爪部25は、本体部21に形成されており、第2溝部47に嵌合可能である。一対の爪部25は、互いに離れるように、本体部21から延びている。爪部25が延びる方向と係合部23の係合片29bが延びる方向とは、互いに略直交している。爪部25の各々は、本体部21に対して、係合部23の突出している側に屈曲している。つまり、爪部25の各々は、本体部21に対して、弾性部27の反対側に屈曲している。
【0032】
一対の弾性部27は、本体部21に形成されており、第2ユニットU2の内部12(
図3)に嵌め込み可能である。弾性部27の各々は、断面視略円弧状に湾曲しており、弾性を有する。一対の弾性部27は、本体部21に立設され、互いに対向している。一対の弾性部27は、互いに離れるように凸状に湾曲している。
【0033】
次に、
図6~
図7(b)を参照して、ベース部材9への装着部材7の装着手順について説明する。
図6は、装着部材7及びベース部材9を示す斜視図である。
図6では、
図2に示す第1ユニットU1の一部Aが示される。なお、
図6~
図7(b)では、図面の簡略化のため、第3溝部59を省略している。
【0034】
図6に示すように、装着部材7がベース部材9に装着されている。そして、爪部25が第2溝部47に嵌合している。
【0035】
装着部材7をベース部材9に装着するために、
図7(a)及び
図7(b)に示す手順に従う。
図7(a)は、装着部材7の装着前状態を示す平面図である。
図7(b)は、装着部材7の装着後状態を示す平面図である。なお、
図7(a)及び
図7(b)では、図面を明確にするため、第1凹部41と第2溝部47の一部とをドットハッチングで示している。
【0036】
図7(a)に示すように、作業者は、平面視において装着部材7を方向PDに対して傾斜させて、第1凹部41に係合部23を進入させる。平面視は、ベース部材9の長手方向と短手方向とに直交する方向から、装着部材7及びベース部材9を見ることを示す。具体的には、一対の第2凹部53に、それぞれ、一対の係合部23の係合片29bが進入する。そして、作業者は、回転方向R(
図7(a)では時計回り)に装着部材7を回転させる。
【0037】
係合部23が第1凹部41内に進入した位置から、係合部23が第1溝部43に係合する位置まで、装着部材7は回転可能である。具体的には、係合部23の一対の係合片29bがそれぞれ一対の第2凹部53内に進入した位置から、一対の係合片29bがそれぞれ一対の第1溝部43に係合する位置まで、装着部材7は回転可能である。
【0038】
従って、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、平面視において、装着部材7が方向PDに対して傾斜している位置から、装着部材7が方向PDに対して略直交する位置まで、作業者が装着部材7を回転方向Rに回転させると、一対の係合部23がそれぞれ一対の第1溝部43に係合する。具体的には、一対の係合片29bがそれぞれ一対の第1溝部43に係合する。その結果、装着部材7がベース部材9に装着される。なお、装着部材7を回転方向Rと逆方向(
図7(a)では反時計回り)に回転させて、装着部材7をベース部材9に装着してもよい。
【0039】
ここで、装着部材7の装着手順の理解を更に容易にするため、
図7(a)を参照して、装着部材7の係合部23を第1凹部41に進入させる前の手順(
図7(a)に示す手順の前の手順)について説明する。作業者は、ベース部材9上での装着部材7の装着位置に装着部材7を載置する。装着位置は、本実施形態では、ベース部材9の長手方向の端部近傍である。具体的には、作業者は、装着位置において、一対の係合片29bがそれぞれ一対の縁部45に当接するように、装着部材7をベース部材9上に載置する(以下、「載置手順」)。そして、作業者は、上述したように、装着部材7を方向PDに対して傾斜させて、第1凹部41に係合部23を進入させる。なお、作業者は、載置手順を省略して、装着部材7がベース部材9から離間した位置から、平面視において装着部材7を方向PDに対して傾斜させたまま装着部材7を移動して、第1凹部41に係合部23を進入させてもよい。
【0040】
以上、
図7(a)及び
図7(b)を参照して説明したように、本実施形態によれば、装着部材7の係合部23をベース部材9の第1凹部41に進入させて、装着部材7を回転させることによって、装着部材7をベース部材9に装着する。従って、ベース部材の端部から装着部材を挿入して、装着部材をスライドさせる場合と比較して、装着部材7をベース部材9に容易に装着できる。例えば、ベース部材9が方向PDに沿って長く延びている場合でも、装着部材7をベース部材9に容易に装着できる。
【0041】
次に、
図7(b)及び
図8を参照して、ベース部材9に装着された装着部材7について説明する。
図8は、照明器具1を示す断面図であり、
図6のVIII-VIII線に沿った第1ユニットU1の断面を含む。
【0042】
図7(b)及び
図8に示すように、第1方向D11と第2方向D12と第3方向D13とを定義する。第1方向D11と第2方向D12と第3方向D13とは互いに直交する。第1方向D11は方向PDに平行である。第2方向D12は、ベース部材9の幅方向(例えば、ベース部材9の短手方向)を示す。第3方向D13は、ベース部材9(例えば、ベース部材の当接面57)に直交する方向を示す。
【0043】
図7(b)及び
図8に示すように、装着部材7の一対の係合部23が、それぞれ、ベース部材9の一対の第1溝部43に係合する。従って、ビスのような留め具を使用することなく、装着部材7をベース部材9に装着できる。その結果、留め具を使用する場合と比較して、部品点数を減少できる。部品点数の減少によって、照明器具1のコストを減少できる。また、工具を使用することなく、係合部23と第1溝部43との係合によって、装着部材7をベース部材9に容易に装着できる。
【0044】
また、ベース部材9の第1溝部43は、第2方向D12に沿って窪んでいる。そして、装着部材7の係合部23が第1溝部43に係合する。従って、一対の第1溝部43は、装着部材7の第3方向D13に沿った移動を規制する。その結果、本実施形態によれば、装着部材7の規定位置に対する位置ずれを抑制できる。なお、装着部材7の規定位置は、例えば、ベース部材9への装着部材7の装着直後の位置を示す。
【0045】
更に、第1溝部43は、断面視略テーパー形状を有している。従って、装着部材7を回転方向Rに回転させて係合部23(具体的には係合片29b)を第1溝部43に係合させる際に(
図7(a))、係合部23(具体的には係合片29b)を第1溝部43の奥まで誘導し易くなる。その結果、本実施形態によれば、装着部材7を第1溝部43に円滑に係合させることができる。また、第1溝部43が断面視略テーパー形状を有しているため、係合部23(具体的には係合片29b)が、第1溝部43の奥の狭小部分(具体的には、尖頭部分)によって挟持される。従って、一対の第1溝部43は、装着部材7の第3方向D13に沿った移動を更に規制するとともに、装着部材7の第1方向D11に沿った移動と第2方向D12に沿った移動とを規制する。その結果、本実施形態によれば、装着部材7の規定位置に対する位置ずれを更に抑制できる。
【0046】
更に、装着部材7の一対の係合部23が、ベース部材9の一対の第1溝部43に係合している。一方、装着部材7の本体部21が、ベース部材9の第2溝部47の先端部62に当接している。そして、第2溝部47は、第1凹部41の内部から外部まで突出している。つまり、第2溝部47の先端部62は、当接面57に対して、第1凹部41の外部に突出している(
図4(b))。従って、一対の係合部23が一対の第1溝部43に係合しつつ、本体部21が第2溝部47の先端部62によって第4方向D14に向かって押圧される。その結果、一対の係合片29bが、それぞれ、第4方向D14に向かって一対の第1溝部43の内面に付勢される。係合片29bが第4方向D14に向かって第1溝部43の内面に付勢されると、係合片29bと第1溝部43の内面との間の摩擦が大きくなる。その結果、本実施形態によれば、装着部材7の第1方向D11に沿った移動が規制されるため、装着部材7の規定位置に対する位置ずれを更に抑制できる。
【0047】
なお、第4方向D14は、第3方向D13に平行であり、第2溝部47が突出している方向を示す。
【0048】
更に、装着部材7の一対の爪部25が、ベース部材9の第2溝部47に嵌合している。従って、装着部材7がベース部材9に装着された後に、装着部材7が、回転方向R(
図7(a))または回転方向Rの逆方向に回転することを規制できる。その結果、本実施形態によれば、装着部材7の規定位置に対する位置ずれを更に抑制できる。また、爪部25が、第2溝部47の一対の側壁部61に圧接されつつ、第2溝部47に嵌合している。従って、装着部材7の第1方向D11に沿った移動が更に規制される。その結果、本実施形態によれば、装着部材7の規定位置に対する位置ずれを更に抑制できる。なお、爪部25が一対の側壁部61に良好に圧接するためには、爪部25の幅寸法が一対の側壁部61の最小間隙寸法よりも僅かに大きいことが好ましい。
【0049】
特に、爪部25が、本体部21に対して、係合部23の突出している側に屈曲している。従って、爪部25が第2溝部47に嵌合した後に、装着部材7が回転方向Rまたは回転方向Rの逆方向に回転することを規制できる。その結果、本実施形態によれば、爪部25が第2溝部47から抜けることを抑制できる。
【0050】
なお、爪部25を第2溝部47に嵌合させた後に(
図7(b)参照)、工具(例えば、マイナスドライバー)を使用して、爪部25を第2溝部47の内部に向かって更に押し込んで、爪部25を第2溝部47に深く挿入することもできる。この場合、爪部25は、塑性変形するため、第2溝部47に深く挿入された状態を保持する。従って、装着部材7が回転方向Rまたは回転方向Rの逆方向に回転することを更に規制できる。その結果、装着部材7がベース部材9から外れることを更に抑制できる。
【0051】
また、ベース部材9の第2溝部47の側壁部61は、湾曲しており、内湾曲面と外湾曲面とを有している。従って、装着部材7を回転方向Rに回転させて爪部25を第2溝部47に嵌合させる際に(
図7(a))、爪部25が側壁部61の外湾曲面に沿って摺動する。その結果、本実施形態によれば、爪部25を円滑に第2溝部47に嵌合できる。
【0052】
更に、装着部材7の本体部21が、ベース部材9の一対の当接面57に当接している。従って、本実施形態によれば、装着部材7をベース部材9に安定して装着できる。
【0053】
更に、ベース部材9の当接面57の各々には、第3溝部59が形成されている。従って、装着部材7を回転方向Rに回転させて装着部材7をベース部材9に装着する際に(
図7(a))、第3溝部59を有しない場合と比較して、装着部材7の本体部21と当接面57との間の摩擦を減らすことができる。その結果、本実施形態によれば、装着部材7をベース部材9に円滑に装着できる。
【0054】
更に、装着部材7の一対の第1保持部49は、カバー部材5を保持する。従って、本実施形態によれば、カバー部材5を保持する専用部材を設けることが要求されないため、部品点数を更に減少できる。
【0055】
更に、装着部材7の一対の第2保持部51は、発光モジュール3を保持する。従って、本実施形態によれば、発光モジュール3を保持する専用部材を設けることが要求されないため、部品点数を更に減少できる。
【0056】
発光モジュール3は、基板71と、複数の発光素子72とを含む。複数の発光素子72は基板71に実装される。そして、基板71の両側部がそれぞれ一対の第2保持部51に保持される。発光素子72の各々は、例えば、LEDである。複数の発光素子72は、カバー部材5の内面に対向し、カバー部材5の内面に向かって光を出射する。その結果、光は、カバー部材5を通して、照明器具1の外部に出射する。なお、発光モジュール3は単数の発光素子72を含んでいてもよい。
【0057】
以上、
図8を参照して説明したように、装着部材7がベース部材9に装着され、更に、ベース部材9がカバー部材5及び発光モジュール3を保持する。その結果、第1ユニットU1が構成される。また、本実施形態によれば、装着部材7の係合部23及び爪部25と、ベース部材9の第1溝部43及び第2溝部47とによって、留め具を使用することなく、装着部材7をベース部材9に固定できる。
【0058】
引き続き、
図8を参照して、第2ユニットU2に取り付けられた第1ユニットU1について説明する。第1ユニットU1の装着部材7の一対の弾性部27は、第2ユニットU2の筐体10の内部12に嵌まる。従って、一対の弾性部27は、それぞれ、筐体10の一対の内壁面75に当接する。そして、一対の弾性部27は弾性を有するため、弾性部27から内壁面75に向かって付勢力が作用する。その結果、第1ユニットU1が、第2ユニットU2に取り付けられる。なお、一対の内壁面75は、互いに対向している。
【0059】
(変形例)
図9を参照して、本実施形態の変形例に係る照明器具1Aについて説明する。変形例に係る照明器具1Aでは、第2ユニットU2が装着部材7及びベース部材9Aを有する点で、
図1~
図8を参照して説明した本実施形態に係る照明器具1と主に異なる。照明器具1Aのその他の構成は、照明器具1の構成と同様である。以下、変形例に係る照明器具1Aが本実施形態に係る照明器具1と異なる点を主に説明する。
【0060】
図9は、照明器具1Aを示す断面図である。
図9に示すように、照明器具1Aは、照明器具1のベース部材9(
図8)に代えて、ベース部材9Aを備える。ベース部材9Aは、第1保持部49及び第2保持部51を有しない点で、ベース部材9と異なる。ベース部材9Aのその他の構成は、ベース部材9の構成と同様である。
【0061】
ベース部材9Aには、
図6~
図8を参照して説明した本実施形態と同様に、装着部材7が装着される。そして、ベース部材9Aは筐体10に保持される。その結果、第2ユニットU2が構成される。
【0062】
一方、第1ユニットU1は筐体90を備える。筐体90は、発光モジュール3と、発光モジュール3を覆うカバー部材5とを保持する。その結果、第1ユニットU1が構成される。
【0063】
第2ユニットU2の装着部材7の一対の弾性部27は、第1ユニットU1の筐体90の内部92に嵌まる。従って、一対の弾性部27は、それぞれ、筐体90の一対の内壁面91に当接する。そして、一対の弾性部27は弾性を有するため、弾性部27から内壁面91に向かって付勢力が作用する。その結果、第1ユニットU1が、第2ユニットU2に取り付けられる。なお、一対の内壁面91は、互いに対向している。
【0064】
以上、
図9を参照して説明したように、変形例に係る装着部材7及びベース部材9Aの構成は、それぞれ、本実施形態の装着部材7及びベース部材9の構成と同様である。従って、変形例では、本実施形態と同様に、留め具を使用することなく、装着部材7をベース部材9Aに装着できる。その結果、留め具を使用する場合と比較して、部品点数を減少できる。その他、変形例は、本実施形態と同様の効果を有する。
【0065】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態(変形例を含む。)について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)、(2))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0066】
(1)
図1~
図9を参照して説明した本実施形態及び変形例では、装着部材7は弾性部27を有していた。そして、装着部材7は、第1ユニットU1を第2ユニットU2に取り付けるために使用された。ただし、装着部材7は、弾性部27を有することなく、様々な機能を有する部分、部品、または部材を有していてもよく、様々な用途に採用することができる。例えば、装着部材7に端子台を固定する。そして、装着部材7をベース部材9に装着する。その結果、端子台が装着部材7を介してベース部材9に装着される。
【0067】
(2)
図2を参照して説明した本実施形態では、複数の装着部材7を設けたが、単数の装着部材7を設けてもよい。また、1つの装着部材7が2つの係合部23を有していたが、1つの装着部材7が3以上の係合部23を有していてもよい。更に、1つの装着部材7が2つの爪部25を有していたが、1つの装着部材7が1つの爪部25を有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、照明器具を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0069】
1、1A 照明器具
7 装着部材
9、9A ベース部材
21 本体部
23 係合部
25 爪部
27 弾性部
41 第1凹部(凹部)
43 第1溝部
47 第2溝部
U1 第1ユニット
U2 第2ユニット