(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】レーザダイオードを用いた特殊一体型光源
(51)【国際特許分類】
H01S 5/0239 20210101AFI20230630BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20230630BHJP
【FI】
H01S5/0239
G02B5/20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022085690
(22)【出願日】2022-05-26
(62)【分割の表示】P 2018508644の分割
【原出願日】2016-08-19
【審査請求日】2022-06-23
(32)【優先日】2015-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108104
【氏名又は名称】キョウセラ エスエルディー レイザー,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】KYOCERA SLD LASER, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】ラリング,ジェームズ ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ルディ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ゴウタイン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】トロティエ,トロイ
(72)【発明者】
【氏名】マックローリン,メルビン
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン,ジェームス
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-054272(JP,A)
【文献】特表2012-512508(JP,A)
【文献】特開2015-022954(JP,A)
【文献】国際公開第2012/053245(WO,A1)
【文献】特開2010-238784(JP,A)
【文献】特開2010-251686(JP,A)
【文献】特開2010-225917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ化された一体型白色光源であって、
ベース部材で構成されたパッケージ部材と、
ガリウムおよび窒素含有材料を含み、励起源として構成されたレーザダイオード装置と、前記レーザダイオード装置はp電極およびn電極を含んでおり、
波長コンバータおよびエミッタとして構成された蛍光体部材と、
前記ベース部材の上面に配置された共通支持部材と、前記共通支持部材は、前記レーザダイオード装置および前記蛍光体部材を支持するように構成され、前記共通支持部材は、前記レーザダイオード装置を支持するための上面を有する角度付けられた部分と、前記蛍光体部材を支持するための上面を有する平坦部分とを含み、ここで、前記角度付けられた部分の前記上面は、前記平坦部分の前記上面に対して鈍角であり、前記平坦部分の前記上面は、前記ベース部材の前記上面に対して高くなっており、
前記共通支持部材へ熱的に結合されたヒートシンクと、前記共通支持部材は、前記レーザダイオード装置および前記蛍光体部材からの熱エネルギーを前記ヒートシンクへ伝えるように構成され、
前記パッケージ部材上にて、前記レーザダイオード装置の前記p電極から第1の内部フィードスルーへ構成された第1の電気的接続と、
前記パッケージ部材上にて、前記レーザダイオード装置の前記n電極から第2の内部フィードスルーへ構成された第2の電気的接続と、
サブマウント構造上にチップを形成するように、前記レーザダイオード装置に設けられたサブマウント部材と、前記サブマウント部材は、前記レーザダイオード装置の前記ガリウムおよび窒素含有材料と、前記共通支持部材の前記角度付けられた部分との間に延在し、
電磁放射のレーザビームを出力するように、前記レーザダイオード装置に形成された出力ファセットと、前記出力ファセットから出力された前記電磁放射の前記レーザビームは、400nm~485nmの範囲の第1の波長を伴う紫色および/または青色放射から選択され、前記レーザビームは、波長範囲、スペクトル幅、電力および空間構成によって特徴付けられ、
前記レーザダイオード装置からの前記レーザビームを前記蛍光体部材へ伝達可能な非導特性を備える、前記出力ファセットと前記蛍光体部材との間の自由空間と、ここで、前記レーザビームは、前記蛍光体部材の空間領域に励起スポットを形成し、幾何形状および直径寸法が、前記蛍光体部材上の前記励起スポットを特徴付け、
前記レーザビームと前記蛍光体部材の励起面との間に設定された非直角の入射角と、前記蛍光体部材は、第1の波長を有する前記レーザビームにおける前記電磁放射の少なくとも一部を、前記第1の波長よりも長い第2の波長に変換するように構成されており、
前記レーザビームが前記蛍光体部材の前記励起面に入射するときに、前記蛍光体部材の前記励起面から白色光が放射されるように、前記蛍光体部材を特徴付ける反射モードと、前記白色光の放射は、前記蛍光体部材からの少なくとも前記第2の波長によって特徴付けられた複数の波長のミクスチャで構成され、
前記パッケージ部材上に設けられた第1および第2の外部リード線と、前記第1の内部フィードスルーおよび前記第2の内部フィードスルーは、前記第1および第2の外部リード線のそれぞれとの電気的結合をなすように構成されており、
白色光源の周囲にシールを形成するように、前記パッケージ部材上に設けられた蓋部と、
電源へ接続し、前記レーザダイオード装置へ電力を供給し、前記蛍光体部材に入射する前記レーザビームを放射するように、前記第1および第2の外部リード線に対してなされた電気的結合と、
長さ、幅および高さ寸法を有し、前記一体型白色光源を特徴付ける形状因子と、を含むことを特徴とする一体型白色光源。
【請求項2】
前記パッケージ部材は、表面実装装置(SMD)パッケージであり、前記ベース部材は、前記SMDパッケージのベースから構成される請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項3】
前記共通支持部材は金属を含み、前記サブマウント部材は、AlN、SiC、BeO、ダイヤモンドまたはセラミックの少なくとも1つを含み、前記サブマウント部材は、その上に複数のボンドパッドを含み、前記複数のボンドパッドの少なくとも1つは、前記レーザダイオード装置の前記p電極を前記第1の内部フィードスルーと電気的に結合し、前記複数のボンドパッドの少なくとも他の1つは、前記レーザダイオード装置の前記n電極を前記第2の内部フィードスルーと電気的に結合する請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項4】
前記蛍光体部材は、前記共通支持部材に直接結合される請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項5】
前記レーザダイオード装置は、マルチストライプエミッタを有するように構成され、前記マルチストライプエミッタは、2つ以上のレーザビームを生成するように構成された2以上の隣接するレーザダイオードストライプで構成され、前記2つ以上のレーザビームは、前記蛍光体部材上に前記励起スポットを提供する請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項6】
前記レーザダイオード装置は、2つのレーザビーム、3つのレーザビームまたは4つのレーザビームをそれぞれ生成する2つのレーザダイオード、3つのレーザダイオードまたは4つのレーザダイオードで構成され、前記複数のレーザビームは、前記蛍光体部材上に、前記励起スポットを形成するように重なり合う複数の励起スポットを形成し、前記複数のレーザダイオードは、440nm~460nmの範囲の複数の青色波長によって特徴付けられ、前記複数のレーザダイオードの第1のレーザダイオードは、前記複数の青色波長の第1の発光帯域を有し、前記複数のレーザダイオードの第2のレーザダイオードは、前記複数の青色波長の第2の発光帯域を有し、前記第1の発光帯域が、前記第2の発光帯域と完全に重なっていない請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項7】
前記レーザダイオード装置は、425nm~480nmの範囲の前記第1の青色波長によって特徴付けられ、前記蛍光体部材からの前記第2の波長は、黄色波長範囲を含み、前記白色光の放射は、前記第1の波長および前記第2の波長で構成される請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項8】
前記蛍光体部材の放射主面を出る有用な白色光の量を増加させることにより、前記白色光源の効率を変化させるように構成された、スペクトルフィルタ、空間フィルタ、角度フィルタまたはリフレクタの少なくとも1つまたはそれらの組合せをさらに含み、前記スペクトルフィルタ、前記空間フィルタ、前記角度フィルタまたは前記リフレクタは、前記蛍光体部材の表面上のコーティング材料、前記蛍光体部材の表面に塗布されるシート材料、または、前記蛍光体部材に隣接して位置付けられる追加の要素から形成される請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項9】
信号の変化が感知されたときに、前記レーザダイオード装置をオフにするように構成された一体型フォトダイオードを備えた能動安全機構、および前記レーザビームを吸収するように構成されたビームダンプを備えた受動安全機構の少なくとも1つまたはそれらの組合せをさらに含む請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項10】
前記レーザビームと前記蛍光体部材の前記励起面との間の前記非直角の入射角は、速軸に対する入射角で構成され、25度および40度の間の範囲にある角度によって特徴付けられる請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項11】
前記高さが15mm未満の寸法によって特徴付けられる請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項12】
前記長さおよび前記幅は、前記15mm未満の寸法によって特徴付けられる請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項13】
前記蛍光体部材の前記励起面から反射される前記第1の波長を有する前記レーザビームの一部を反射して、前記蛍光体部材に戻すための再結像光学系をさらに含む請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項14】
前記パッケージ部材が、開放環境シーリング、環境シーリングまたは気密シーリングから選択されるシーリングによって特徴付けられる請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項15】
前記パッケージ部材は、缶タイプ、フラットパッケージタイプ、表面実装タイプ、バタフライタイプ、Cマウントタイプ、Qマウントタイプ、LEDパッケージタイプから適合されたパッケージ、またはフラッシュパッケージから選択される請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項16】
前記共通支持部材に結合され、前記白色光をビーム形状に投射するように構成された光学系をさらに含み、前記光学系は、リフレクタまたはレンズで構成される請求項1に記載の一体型白色光源。
【請求項17】
パッケージ化された一体型白色光源であって、
ベース部材で構成されたパッケージ部材と、
ガリウムおよび窒素含有材料を含み、励起源として構成されたレーザダイオード装置と、前記レーザダイオード装置はp電極およびn電極を含んでおり、
波長コンバータおよびエミッタとして構成された蛍光体部材と、
前記ベース部材の上面に配置された少なくとも1つの共通支持部材と、前記少なくとも1つの共通支持部材は、前記レーザダイオード装置および前記蛍光体部材を支持するように構成され、前記少なくとも1つの共通支持部材は、前記レーザダイオード装置を支持するための上面を有する角度付けられた部分と、前記蛍光体部材を支持するための上面を有する平坦部分とを含み、ここで、前記角度付けられた部分の前記上面は、前記平坦部分の前記上面に対して鈍角であり、前記平坦部分の前記上面は、前記ベース部材の前記上面に対して高くなっており、
前記少なくとも1つの共通支持部材へ熱的に結合されたヒートシンクと、前記少なくとも1つの共通支持部材は、前記少なくとも1つの共通支持部材上の前記レーザダイオード装置および前記蛍光体部材からの熱エネルギーを前記ヒートシンクへ伝えるように構成され、
前記レーザダイオード装置の前記ガリウムおよび窒素含有材料と、前記少なくとも1つの共通支持部材の前記角度付けられた部分との間に延在するサブマウント部材と、
電磁放射のレーザビームを出力するように、前記レーザダイオード装置に形成された出力ファセットと、前記出力ファセットから出力された前記電磁放射の前記レーザビームは、400nm~485nmの範囲の第1の波長を伴う紫色および/または青色放射から選択され、前記レーザビームは、波長範囲、スペクトル幅、電力および空間構成によって特徴付けられ、
空間領域を含み、前記レーザダイオード装置からの前記レーザビームを前記蛍光体部材へ伝達可能な非導特性を備える、前記出力ファセットと前記蛍光体部材との間の自由空間と、前記蛍光体部材は、第1の波長を有する前記レーザビームにおける前記電磁放射の少なくとも一部を、前記第1の波長よりも長い第2の波長に変換するように構成されており、
前記レーザビームと前記蛍光体部材の放射面との間に設定された非直角の入射角と、前記蛍光体部材は、白色光の一次放射を放射するように構成され、前記白色光の一次放射は、前記蛍光体部材からの少なくとも前記第2の波長によって特徴付けられた複数の波長のミクスチャで構成され、
長さ、幅および高さ寸法を有し、前記一体型白色光源を特徴付ける形状因子と、を含むことを特徴とする一体型白色光源。
【請求項18】
パッケージ化された一体型白色光源であって、
ベース部材で構成されたパッケージ部材と、
ガリウムおよび窒素含有材料を含み、励起源として構成されたレーザダイオード装置と、
波長コンバータおよびエミッタとして構成された蛍光体部材と、
前記ベース部材の上面に配置された共通支持部材と、前記共通支持部材は、前記レーザダイオード装置および前記蛍光体部材を支持するように構成され、前記共通支持部材は、前記レーザダイオード装置を支持するための上面を有する角度付けられた部分と、前記蛍光体部材を支持するための上面を有する平坦部分とを含み、ここで、前記角度付けられた部分の前記上面は、前記平坦部分の前記上面に対して鈍角であり、前記平坦部分の前記上面は、前記ベース部材の前記上面に対して高くなっており、
前記パッケージ部材は、表面実装装置(SMD)パッケージであり、前記共通支持部材は、前記ベース部材から構成され、
電磁放射のレーザビームを出力するように、前記レーザダイオード装置に形成された出力ファセットと、前記出力ファセットから出力された前記電磁放射の前記レーザビームは、400nm~485nmの範囲の第1の波長を伴う紫色および/または青色放射から選択され、前記レーザビームは、波長範囲、スペクトル幅、電力および空間構成によって特徴付けられ、
前記レーザダイオード装置からの前記レーザビームを前記蛍光体部材へ伝達可能な非導特性を備える、前記出力ファセットと前記蛍光体部材との間の自由空間と、ここで、前記レーザビームは、前記蛍光体部材の空間領域に励起スポットを形成し、幾何形状および直径寸法が、前記蛍光体部材上の前記励起スポットを特徴付け、
前記蛍光体部材は、第1の波長を有する前記レーザビームにおける前記電磁放射の少なくとも一部を、前記第1の波長よりも長い第2の波長に変換するように構成されており、
前記レーザビームが前記蛍光体部材の励起面に入射するように、前記蛍光体部材を特徴付ける反射モードと、
長さ、幅および高さ寸法を有し、前記一体型白色光源を特徴付ける形状因子と、
前記蛍光体部材の前記励起面から放射される白色光と、を含み、
前記白色光の放射は、前記蛍光体部材からの少なくとも前記第2の波長によって特徴付けられた複数の波長のミクスチャで構成されることを特徴とする一体型白色光源。
【請求項19】
前記レーザダイオード装置は、425nm~480nmの範囲の前記第1の波長を有する前記青色放射によって特徴付けられ、前記蛍光体部材からの前記第2の波長は、黄色放射によって特徴付けられ、前記白色光の放射は、前記第1の波長および前記第2の波長で構成される請求項18に記載の一体型白色光源。
【請求項20】
前記レーザダイオード装置は、2つのレーザビーム、3つのレーザビームまたは4つのレーザビームをそれぞれ生成する2つのレーザダイオード、3つのレーザダイオードまたは4つのレーザダイオードで構成され、前記複数のレーザビームは、前記蛍光体部材上に前記励起スポットを形成する請求項18に記載の一体型白色光源。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ソリッドステート照明技術によって提供される高効率、長寿命、低コストおよび非毒性のために、選択された照明技術として発光ダイオード(LED)が急速に出現した。最も初期の青色および紫色窒化ガリウム(GaN)ベースのLEDは、p型GaNの欠如のために金属‐絶縁体‐半導体構造を用いて製造された。最初のp-n接合GaN LEDは、LEEBI処理を用いてAmano et al.によって実証され、1989年にp型GaNを得た。Nakamura et al.は、20mAで42μWの出力で、1991年に、LEEBI処理および低温GaNバッファを用いて、p-n接合GaN LEDを実証した。1994年に、Nakamura et al.は、450nmの発光波長、2.7%のEQEおよび1.5mWの出力を有する市販可能な青色LEDを実証した。2014年10月7日、「明るく省エネルギーな白色光源を可能にした効率的な青色発光ダイオードの発明」(すなわち、正式的ではないがLEDランプ)について、赤崎勇、天野浩、中村修二にノーベル物理学賞が授与された。
【0002】
有用であるが、LEDは、以下の開示に記載された発明に従って克服することが望ましい制限を依然として有する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、ガリウムおよび窒素含有材料に基づくレーザダイオード励起源と、蛍光材料に基づく発光源との組合せを使用する一体型白色光電磁放射線源用装置および方法を提供する。本発明では、ガリウムおよび窒素材料に基づく紫色、青色または他の波長のレーザダイオード源は、黄色蛍光体のような蛍光材料と密接に一体化され、コンパクト、高輝度および高効率の白色光源を形成する。一例では、その源は、一般的用途などの中でも、特殊用途用に提供される。
【0004】
一実施形態では、白色源は、チップ形成用サブマウント上の一体型蛍光体を有するサブマウント上のチップ(CoS)と、白色光源サブマウント上の蛍光体(CPoS)とから構成される。いくつかの実施形態では、光源および蛍光体は共通支持部材上に設けられ、共通支持部材はパッケージ部材であってもよい。
【0005】
様々な実施形態では、レーザ装置および蛍光体装置は、(中間サブマウントを備えたまたは備えない)共通支持部材上に搭載され、蛍光体材料は、白色発光レーザベース光源をもたらすために、透過モード、反射モードまたはサイドポンプピングモード(side-pumped mode)において動作する。単なる例示として、本発明は、白色照明、白色スポット照明、フラッシュライト、自動車用ヘッドライト、全地形車両照明、フラッシュ源(カメラフラッシュ等)、レクリエーションスポーツ(バイク、サーフィン、ランニング、レース、ボート等)に使用される光源、ドローン、飛行機、ロボット、その他のモバイルまたはロボット用途、安全、防衛用途における対抗手段、マルチカラー照明、フラットパネル用照明、医療、計測、ビームプロジェクターおよび他のディスプレイ、高輝度ランプ、分光器、娯楽、劇場、音楽およびコンサート、分析不正利用検知および/または認証、ツール、水処理、レーザダズラー、ターゲティング、通信、LiFi、可視光通信(VLC)、センシング、検出、距離検出、光検出および測距(LIDAR)、変換、輸送、レベリング、硬化および他の化学処理、加熱、切断および/または切除、ポンピング、他の光学装置、他のオプトエレクトロニクス装置および関連用途に使用される光源、ならびに、源照明(source lighting)等の用途に適用される。
【0006】
レーザダイオードは、蛍光体励起源として理想的である。従来のLEDの1万倍以上の空間輝度(単位面積あたりの光強度)を持ち、レーザ発光の指向性が強く、LEDを悩ますドループ現象がないため、レーザダイオードは、LEDや他の光源では不可能な特性を実現する。この前例のない光源の輝度は、スポット照明や測距などの(パラボラリフレクタやレンズ光学系(lensing optics)を点光源と組み合わせることで、LEDまたは電球技術を使用するこれまで可能だった距離よりも、はるかに遠くまで飛ぶことができる非常にコリメートされた白色光スポットを作成することができる)用途において、現状を打破することができる。
【0007】
このCPoS一体型白色光源のさらに別の好ましい変形例では、ガリウムおよび窒素含有エピタキシャル材料をリフトオフし、それを共通支持部材へ転写するプロセスが用いられ、ガリウムおよび窒素含有レーザエピタキシャル材料をサブマウント部材へ取り付けることができる。この実施形態では、ガリウムおよび窒素エピタキシャル材料は、それがエピタキシャルに成長されたガリウムおよび窒素含有基板から剥離される。一例として、エピタキシャル材料は、光電気化学(PEC)エッチング技術を用いて剥離される。次いで、それは、接合界面が形成されるウエハボンディングなどの技術を使用して、サブマウント材料へ転写される。レーザ作製が完了した後、蛍光体材料がサブマウント上に導入され、一体型白色光源が形成される。蛍光体材料は、サブマウントと蛍光体との間に位置する中間材料を有することができる。リフトオフされかつ転写されたガリウムおよび窒素含有材料を用いるこの実施形態を使用する利点は、低減されたコスト、向上したレーザ性能およびこの技術を使用する一体化に関するより高い適応性である。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態では、一体型白色光源が光学部材と組み合わされ、生成された白色光を操作する。一例では、白色光源は、懐中電灯や自動車のヘッドランプなどのスポットライトシステム、または特定のロケーションまたはエリアに光が向けられまたは投射されなければならない他の光用途に役立つ可能性がある。一実施形態では、リフレクタが白色光源に結合される。
【0009】
本発明の別の実施形態では、複数の蛍光体が白色発光のために透過モードで動作する。
【0010】
一体型白色光源の別の特定の好ましい実施形態では、本発明は、反射モード蛍光体動作に構成されている。この構成では、蛍光体は、レーザビームを出力するレーザファセットの前面に位置され、レーザおよび蛍光体の両方が支持部材上に設けられる。
【0011】
本発明の反射モード一体型白色光源の実施形態は、共通支持部材に取り付けられた蛍光体部材を用いて構成され、共通支持部材は、レーザ励起光を受け取り、蛍光体を励起するように機能するレーザダイオード出力ビームの軸に対して非直角(約0度~約89度)で、または、直角(約90度)で位置決められた有用な白色光を放射するように構成された大型主面(large primary surface)を有する。
【0012】
本発明によるいくつかの実施形態では、複数のレーザダイオード光源は、同じ蛍光体または蛍光体ネットワークを励起するように構成される。複数のレーザ源を組み合わせることは、本発明によれば多くの潜在的利益をもたらすことができる。第1に、ビーム結合によって励起パワーを増加させることができ、より強力な励起スピットを提供し、より明るい光源を生成する。いくつかの実施形態では、別々の個々のレーザチップが、レーザ‐蛍光体光源内に設けられている。複数のレーザを含めることによって、励起パワーを増加させることができ、したがって、光源の輝度を増加させることができる。
【0013】
本発明の性質および利点のさらなる理解は、本明細書の後半部分および添付図面を参照することによって実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明による半極性基板上に設けられたレーザダイオード装置を示す簡略図である。
【0015】
【
図2】
図2は、本発明による極c面基板上に設けられたレーザダイオード装置を示す簡略図である。
【0016】
【
図3】
図3は、本発明による従来のリッジレーザダイオード平面基板の簡略化された概略断面図である。
【0017】
【
図4】
図4は、本発明によるサブマウント(CoS)上の従来のレーザダイオードチップを示す簡略図である。
【0018】
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による、ガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層の転写後にウエハレベルレーザ処理によって作製されたサブマウント(CoS)上のチップを示す簡略図である。
【0019】
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による、蛍光体が透過動作のために構成された、サブマウント上へ一体化されたレーザダイオードおよび蛍光体部材を備える一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0020】
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による、蛍光体が透過動作のために構成された、サブマウント部材へ転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層において作製されたレーザダイオードと、サブマウント部材上へ一体化された蛍光体部材とを備えた一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0021】
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態による、有用な白色光出力を増加させる改変またはコーティングにより構成された蛍光体の改変を伴う、
図7の装置構成を示す簡略図である。
【0022】
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による従来のレーザダイオードからの楕円形の投射レーザビームの一例を示す簡略図である。
【0023】
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による蛍光体部材への直角入射時のレーザビームの側面図を示す簡略図である。
【0024】
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態による、蛍光体からの放射距離に対するビーム直径の比および楕円形のビーム直径の計算例を示すプロットである。
【0025】
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態による蛍光体に入射する前にコリメート光学系を介して構成されたレーザビームの改変を伴う、
図7の装置構成を示す簡略図である。
【0026】
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態による、レーザダイオードの速軸(fast axis)に対して傾斜した投射面を有する従来のレーザダイオードからの悪化した楕円形のレーザビームプロファイルの一例を示す簡略図である。
【0027】
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態による、レーザダイオードの遅軸(slow axis)に対して傾斜した投射面を有する従来のレーザダイオードからのより円形化されたレーザビームプロファイルの例を示す簡略図である。
【0028】
【
図15】
図15は、本発明の一実施形態による、傾斜配向で蛍光体部材上に投射されたレーザビームの側面図を示す簡略図である。
【0029】
【
図16】
図16は、本発明の一実施形態による、遅軸に対して33度の角度で傾いた蛍光体からの放射距離に対するビーム直径の比および楕円ビーム直径の計算例を示すプロットである。
【0030】
【
図17】
図17は、本発明の一実施形態による、蛍光体がビーム成形用レーザダイオードに対してある角度で設けられた、サブマウント上へ一体化されたレーザダイオードおよび蛍光体部材を備える一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0031】
【
図18】
図18は、本発明の一実施形態による、蛍光体がビーム成形用レーザダイオードに対してある角度で構成された、サブマウント部材へ転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層において作製されたレーザダイオードと、サブマウント部材上へ一体化された蛍光体部材とを備える一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0032】
【
図19a】
図19aは、本発明の一実施形態による、蛍光体が点光源として構成された、サブマウント部材へ転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層において作製されたレーザダイオードと、サブマウント部材上へ一体化された蛍光体部材とを備える一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0033】
【
図19b】
図19bは、本発明の一実施形態による、レーザが主に、蛍光体の側面から蛍光体部材を励起またはポンピングする、サブマウント上へ一体化された蛍光体部材およびレーザダイオードを備える一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0034】
【
図20】
図20は、本発明の一実施形態による、蛍光体が反射動作のために構成され、レーザビームが蛍光体への非直角入射を有する、パッケージ部材のような共通支持部材上へ一体化されるように構成された蛍光体部材およびレーザダイオードを備える一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0035】
【
図21】
図21は、本発明の一実施形態による、蛍光体がオフアクシス反射動作のために構成され、レーザビームがコリメートまたは成形(shaping)光学系によって構成される、共通支持部材上へ一体化された蛍光体部材およびレーザダイオードを備える一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0036】
【
図22】
図22は、本発明の一実施形態による、反射性蛍光体動作について、遅軸に対して22度、速軸に対して45度の角度で傾いた蛍光体からの放射距離に対するビーム直径の比と、楕円形のビーム直径の計算例を示すプロットである。
【0037】
【
図23a】
図23aは、本発明の一実施形態による、蛍光体が反射動作のために構成され、レーザビームが遅軸と速軸の両方に対する蛍光体への非直角入射について、蛍光体に対して二軸回転(dual axis rotation)を有し、共通支持部材上へ一体化された蛍光体部材およびレーザダイオードを備える一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0038】
【
図23b】
図23bは、蛍光体が反射動作のために構成され、レーザダイオードの2つの出力ビームが、励起スポット幾何形状を改変し、および/またはレーザ放射スポットにおける総出力を増加させる、パッケージ部材のような共通支持部材上へ一体化されるように構成された蛍光体部材および2つのレーザダイオード装置を備える一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0039】
【
図23c】
図23cは、蛍光体が反射動作のために構成され、レーザダイオード装置が、遅軸方向におけるスポット径を増大させる、および/またはレーザ放射スポットにおける総出力を増加させる複数の隣接する出力ストライプ放射ビームを用いるマルチストライプレーザダイオードとして構成され、パッケージ部材のような共通支持部材上へ一体化されるように構成された蛍光体部材およびレーザダイオード装置を備えた一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0040】
【
図24】
図24は、本発明の一実施形態による、缶型パッケージに搭載された透過モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0041】
【
図25】
図25は、本発明の一実施形態による、缶型パッケージに搭載され、キャップ部材で封止された透過モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0042】
【
図26a】
図26aは、本発明の一実施形態による、表面実装パッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0043】
【
図26b】
図26bは、本発明の一実施形態による、表面実装パッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0044】
【
図26c】
図26cは、本発明の一実施形態による、表面実装パッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0045】
【
図26d】
図26dは、本発明の一実施形態による、表面実装パッケージに搭載された複数のレーザダイオード装置を備える反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0046】
【
図26e】
図26eは、本発明の一実施形態による、表面実装パッケージに搭載された複数のレーザダイオード装置を備える反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0047】
【
図26f】
図26fは、本発明の一実施形態による、表面実装パッケージに搭載されたサイドポンピング蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0048】
【
図27a】
図27aは、本発明の一実施形態による、表面実装型パッケージに搭載され、キャップ部材で封止された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0049】
【
図27b】
図27bは、本発明の一実施形態による、表面実装型パッケージに搭載され、キャップ部材で封止された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0050】
【
図28a】
図28aは、本発明の一実施形態による、一体型ビームダンプ安全機構(integrated beam dump safety feature)を備える表面実装パッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0051】
【
図28b】
図28bは、本発明の一実施形態による、一体型ビームダンプ安全機構を備える表面実装パッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0052】
【
図28c】
図28cは、本発明の一実施形態による、蛍光体から反射された入射レーザビームを反射し再集束する一体型再結像光学系(integrated re-imaging optic)を備える表面実装パッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0053】
【
図28d】
図28dは、ダイレクトレーザビームを蛍光体部材上へ反射し集束する一体型再結像光学系を備える表面実装パッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0054】
【
図28e】
図28eは、シールド(shield)またはアパーチャ部材を備える表面実装パッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0055】
【
図29a】
図29aは、本発明の一実施形態による、表面実装型パッケージに搭載され、キャップ部材で封止され、およびヒートシンク上に搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0056】
【
図29b】
図29bは、本発明の一実施形態による、スターボードへ搭載されるとともに表面実装パッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0057】
【
図30】
図30は、本発明の一実施形態による、コリメート光学系を備えるフラットタイプパッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0058】
【
図31】
図31は、本発明の一実施形態による、コリメート光学系を備えるフラットタイプパッケージに搭載された透過モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0059】
【
図32】
図32は、本発明の一実施形態による、フラットタイプパッケージに搭載され、キャップ部材で封止された一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0060】
【
図33】
図33は、本発明の一実施形態による、コリメートレンズを用いて透過モードで動作する一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0061】
【
図34】
図34は、本発明の一実施形態による、コリメートリフレクタを用いて反射モードで動作する一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0062】
【
図35】
図35は、本発明の一実施形態による、コリメートレンズを用いて反射モードで動作する一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0063】
【
図36】
図36は、本発明の一実施形態による、コリメートリフレクタを備える缶型パッケージに搭載された一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0064】
【
図37】
図37は、本発明の一実施形態による、コリメートレンズを備える缶型パッケージに搭載された一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0065】
【
図38a】
図38aは、本発明の一実施形態による、コリメートリフレクタを備えるヒートシンク上に搭載された表面実装型パッケージに実装された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0066】
【
図38b】
図38bは、本発明の一実施形態による、コリメートリフレクタを備えるスターボード上に搭載されるとともに表面実装型パッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0067】
【
図39】
図39は、本発明の一実施形態による、コリメートレンズを備えるヒートシンク上に実装されるとともに表面実装型パッケージに実装された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【0068】
【
図40】
図40は、本発明の一実施形態による、コリメートレンズおよびリフレクタ部材を備えるヒートシンク上に搭載されるとともに表面実装型パッケージに搭載された反射モード蛍光体一体型レーザ系白色光源を示す簡略図である。
【詳細な説明】
【0069】
本発明は、ガリウムおよび窒素含有材料に基づくレーザダイオード励起源と、蛍光体材料に基づく発光源との組合せを使用して、白色電磁放射線を放射するための方法および装置を提供する。本発明では、ガリウムおよび窒素材料に基づく紫色、青色または他の波長のレーザダイオード光源は、蛍光体材料と密接に一体化され、コンパクト、高輝度および高効率の白色光源を形成する。
【0070】
LEDのように、レーザダイオードに基づくソリッドステート照明のエキサイティングな新しいクラスが急速に登場している。レーザダイオードは、電磁放射線を放射する2リード半導体光源である。しかしながら、主に自然放射であるLEDからの出力とは異なり、レーザダイオードの出力は主に誘発放射からなる。GaN関連材料からの発光ダイオードの製造は、Si、SiCおよびサファイアのような異種基板上のGaNのヘテロエピタキシャル成長による影響を受ける。レーザダイオード装置は、高電流密度で動作し、ヘテロエピタキシャル成長に関連する結晶欠陥は受け入れられない。このため、非常に低い欠陥密度のフリースタンディングGaN基板が、GaNレーザダイオード製造のための選択の基礎となっている。残念なことに、そのようなバルクGaN基板は、大きな直径では広く入手できず、高価である。例えば、成熟した基板技術のために市販されている6インチ以上の直径と比べてまだ比較的小さい2インチの直径(最近の進歩により直径4インチ)は、今日最も一般的なレーザ品質のバルクGaNのc面基板サイズである。本発明の更なる詳細は、本明細書を通して、より詳細には以下に見出すことができる。
【0071】
本発明を使用して既存の技術を上回るさらなる利点が達成される。特に、本発明は、費用効果のある白色光源を可能にする。特定の実施形態では、本光学装置は、比較的簡単で費用効果がある方法で製造することができる。実施形態に応じて、本装置および方法は、当業者による従来の材料および/または方法を使用して製造することができる。本発明のいくつかの実施形態では、ガリウムおよび窒素含有レーザダイオード源は、c面窒化ガリウム材料に基づいており、他の実施形態では、レーザダイオードは、非極性または半極性ガリウムおよび窒化物材料に基づいている。一実施形態では、白色源は、チップを形成するためのサブマウント上の一体型蛍光体を備えるサブマウント(CoS)上のチップと、サブマウント(CPoS)白色光源上の蛍光体から構成される。いくつかの実施形態では、中間サブマウント部材を含めることができる。いくつかの実施形態では、レーザダイオードおよび蛍光体部材は、パッケージベースのような共通支持部材によって支持される。この実施形態では、レーザダイオードと共通支持部材との間に含まれる追加支持部材またはサブマウント部材が存在し得る。同様に、蛍光体部材と共通支持部材との間に含まれる追加支持部材またはサブマウント部材が存在し得る。
【0072】
様々な実施形態では、レーザ装置および蛍光体装置は、(中間サブマウントを備えるまたは備えない)共通支持部材上に搭載され、蛍光体材料は、透過モード、反射モード、または、サイドポンピングモードにおいて動作し、白色放射レーザ系光源をもたらす。単なる例示として、本発明は、白色照明、白色スポット照明、フラッシュライト、自動車用ヘッドライト、全地形車両照明、フラッシュ源(カメラフラッシュ等)、レクリエーションスポーツ(バイク、サーフィン、ランニング、レース、ボート等)に使用される光源、ドローン、飛行機、ロボット、その他のモバイルまたはロボット用途、安全、防衛用途における対抗手段、マルチカラー照明、フラットパネル用照明、医療、計測、ビームプロジェクターおよび他のディスプレイ、高輝度ランプ、分光器、娯楽、劇場、音楽およびコンサート、分析不正利用検知および/または認証、ツール、水処理、レーザダズラー、ターゲティング、通信、LiFi、可視光通信(VLC)、センシング、検出、距離検出、光検出および測距(LIDAR)、変換、輸送、レベリング、硬化および他の化学処理、加熱、切断および/または切除、ポンピング、他の光学装置、他のオプトエレクトロニクス装置および関連用途に使用される光源、ならびに、源照明(source lighting)等の用途に適用される。
【0073】
レーザダイオードは、蛍光体励起源として理想的である。従来のLEDの10000倍以上の空間輝度(単位面積当たりの光強度)とレーザ発光の極めて高い指向性により、レーザダイオードは、LEDや他の光源では不可能な特性を実現する。具体的には、1W、5W、10Wを超える、またはさらには100Wを超えるレーザダイオード出力ビームは、直径が1mm未満、直径が500ミクロン未満、直径が100ミクロン未満、またはさらには直径が50ミクロン未満の非常に小さなスポットサイズに集束可能なため、1W/mm2、100W/mm2を超える、またはさらに2500W/mm2を超えるパワー密度を達成することができる。レーザ励起光のこの非常に小さく強力なビームが蛍光体材料に入射すると、白色光の最終的な点光源を達成することができる。励起光の光学ワット当たりの放射白色光200ルーメンの蛍光体変換比を仮定すると、5W励起パワーは、100ミクロンまたは50ミクロン以下のビーム直径において1000ルーメンを生成することができる。このような点光源は、スポット照明や測距などの(パラボラリフレクタやレンズ光学系を点光源と組み合わせることで、LEDまたは電球技術を使用するこれまでの可能よりも、はるかに遠くまで飛ぶことができる非常にコリメートされた白色光スポットを作成することができる)用途において、現状を打破することができる。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態では、ガリウムおよび窒素含有発光装置は、レーザ装置でなくてもよく、代わりに、スーパールミネセントダイオードまたはスーパールミネセント発光ダイオード(SLED)装置として構成されてもよい。本発明の目的のために、SLED装置およびレーザダイオード装置は互換的に使用することができる。SLEDは、電流を注入すると光学的に活性化され、広範囲の波長にわたって増幅された自然放射(ASE)および利得を生成する電動結合(electrically driven junction)に基づいているため、レーザダイオードに類似する。光出力がASEによって影響を受けると、電流(LI)特性に対する光出力において折れ曲がりがあり、光出力の単位は注入電流の単位当たりに劇的に大きくなる。LI曲線におけるこの折れ曲がりは、レーザダイオードの閾値のようであるが、はるかになだらかである。SLED装置の利点は、SLEDは、レーザダイオードの非常に高い空間輝度と高い光学発光パワーとの独特の特性を組み合わせることができ、これにより、レーザダイオードが、5nmを超える幅広いスペクトル幅を伴い(場合によっては目の安全性と画質を改善し)、高効率のロングスロー照明および高輝度の蛍光励起用途にとって理想的となる。広いスペクトル幅は、LEDに類似する低コヒーレンス長をもたらす。低コヒーレンス長は、改善された安全性を提供し、眼の安全性を改善する。さらに、広いスペクトル幅は、ディスプレイまたは照明用途における光学的歪みを大幅に低減することができる。一例として、「スペックル」と呼ばれるよく知られている歪みパターンは、表面上または観察平面内の1組の波面の相互干渉によって生成される強度パターンの結果である。スペックルの程度を定量化するために典型的に使用される一般式は、スペクトル幅に反比例する。
【0075】
本発明の用途例では、本発明によるレーザダイオード装置またはスーパールミネセントダイオード(SLED)装置は、Li-Fi通信システムなどの可視光通信(VLC)システムの好ましい光源として使用することができる。VLCシステムは、データ伝送のために、可視、UV、赤外線または近赤外線光源の変調を使用するシステムである。可視光源の変調を使用するVLCシステムは、2つの理由で本発明の有利な用途である。第1に、帯域幅は、レーザダイオードおよびSLEDに見られる誘発放射の著しい量に起因するキャリア再結合レートの増加のため、発光ダイオードを使用する場合に予想されるよりも高くなる。LED、ダイオードレーザおよびSLEDでは、キャリア密度とともに再結合レートが増加するが、比較的高いキャリア密度で効率がピークとなるSLEDおよびダイオードレーザとは異なり、LEDは非常に低いキャリア密度で効率がピークとなる。典型的には、LEDのピーク効率は、典型的なSLEDまたはレーザダイオード動作条件で見られるキャリア密度より2~3桁低いキャリア密度でのものである。変調、したがってデータ転送レートは、LEDを使用して達成可能な速度よりもはるかに高くなる。
【0076】
さらに、白色光系VLC光源では、LEDまたはレーザダイオードまたはSLEDから構成されている紫色または青色の「ポンプ」光源が、蛍光体素子を光学的に励起または「ポンプ」するように使用され、緑色および赤色また時には青に対応する波長をカバーする広域スペクトルを生成する。蛍光体由来のスペクトルおよび吸収されていないポンプ光は結合されて、白色光スペクトルが生成される。レーザおよびSLED光源は、青色LEDよりもかなり狭いスペクトルを有する(青色LEDについての約20nmと比較して、それぞれ1.5nm未満および5nm未満である)。より狭い半値全幅(FWHM)は、ノッチ(すなわちバンドパス)フィルタを使用する蛍光体放射からのポンプ光信号の分離をより容易にする。白色光スペクトルの蛍光体由来成分は、装置によって放射される全光学パワーのかなりの部分を含むが、蛍光体の長い再結合寿命は、スペクトルの蛍光体放射成分について非常に低い変調レートをもたらすため、これは重要である。
【0077】
一実施形態では、異なる波長で放射する複数のレーザダイが、互いに近接して(好ましくは互いの1ミリメートル以内、より好ましくは互いに約200マイクロメートル以内、最も好ましくは互いに約50ミクロン以内で)、同じキャリアウエハに転写される。レーザダイの波長は、それらのスペクトルの半値全幅の少なくとも2倍の波長で分離されるように選択される。例えば、ダイにより放射されるレーザ光の全横方向分離(中心間距離)が200ミクロン未満であるように、440nm、450nmおよび460nmでそれぞれ放射する3つのダイは、50ミクロン未満のダイと50ミクロン未満のダイ幅との間の分離を伴い単一のキャリアチップへ転写される。レーザダイの近さは、それらの放射が、同一光学縦列または光ファイバ導波路に容易に結合されることを可能にするか、または遠距離場において重複スポットへ容易に投射されることを可能にする。ある意味では、レーザは単一レーザ光源として効果的に動作することができる。
【0078】
このような構成は、DCオフセットに重畳されたRF信号の位相変調および周波数を例えば用いて、個々のレーザ光源を独立して動作させ情報を伝達することができるという利点を提供する。異なる光源からの光の時間平均割合(time-averaged proportion)は、各信号のDCオフセットを調整することによって調整される。レシーバーでは、個々のレーザ源からの信号は、白色光スペクトルの蛍光体由来成分と、レーザ源の1つを除く全部からのポンプ光の両方を透過する個々のフォトディテクタを覆うノッチフィルタの使用によって、分離(デマルチプレックス)される。このような構成は、帯域幅がレーザエミッタの数によって容易にスケールすることができるという点で、LED系VLC源に優る利点を提供する。もちろん、同様の利点を有する同様の実施形態をSLEDエミッタから構成することができる。
【0079】
一実施形態では、本発明は、長さ、幅および高さによって特徴付けられる形状因子を含むレーザ系白色光源を提供する。一例では、高さは、25mm未満の寸法と0.5mmを超える寸法とによって特徴付けられるが、変動があってもよい。別の例では、高さは、12.5mm未満の寸法と0.5mmを超える寸法とによって特徴付けられるが、変動があってもよい。さらに別の例では、長さおよび幅は、30mm未満、15mm未満または5mm未満の寸法によって特徴付けられるが、変動があってもよい。装置は、支持部材と、支持部材を覆う少なくとも1つのガリウムおよび窒素含有レーザダイオード装置および蛍光体材料とを有する。レーザ装置は、好ましくは425nm~475nmの青色領域または380nm~425nmの紫外または紫色領域であるが、475nm~510nmのシアン領域または510nm~560nmの緑領域など他の領域であってもよい波長を有するレーザビームの放射が可能である。
【0080】
本発明によるいくつかの実施形態では、複数のレーザダイオード源は、同じ蛍光体または蛍光体ネットワークを励起するように構成される。複数のレーザ源を組み合わせることは、本発明によれば多くの潜在的利益をもたらすことができる。第1に、ビーム結合によって励起パワーを増加させることができ、より強力な励起スピットexcitation spit)を提供し、したがって、より明るい光源を生成する。いくつかの実施形態では、別々の個々のレーザチップが、レーザ蛍光体光源内に設けられる。1W、2W、3W、4W、5W以上のパワーをそれぞれ放射する複数のレーザを含むことにより、励起パワーを増加させることができ、したがって源輝度(source brightness)が高められる。例えば、同じ蛍光体領域を励起する2つの3Wレーザを含むことによって、励起パワーを6W(白色光の輝度の2倍)まで増加させることができる。レーザ励起パワー1ワット当たり白色光約200ルーメンが生成される例では、白色光出力は600ルーメンから1200ルーメンに増加する。同様に、より低い駆動条件で複数の光源を使用して、より過酷な条件(より高い電流および電圧など)で駆動される単一光源と同じ励起パワーを達成することにより、光源の信頼性を高めることができる。第2の利点は、第1の自由空間の発散楕円レーザビームを第2の自由空間の発散楕円レーザビームに対して90度回転させ、蛍光体上の中心楕円を重ね合わせることによる、より円形のスポットの可能性にある。あるいは、より円形のスポットは、第1の自由空間の発散楕円レーザビームを第2の自由空間の発散楕円レーザビームに対して180度回転させ、蛍光体上の楕円をずらして重ね合わせ、遅軸発散方向のスポット直径を増加させることにより、達成される。別の構成では、2つより多いレーザが含まれ、上述のビーム成形スポットの幾何形状のいくつかの組合せが達成される。第3の重要な利点は、放射装置における複数のカラーレーザが、可視スペクトルの紫/青およびシアン領域におけるスペクトル充填を改善することによって、色品質(CRIおよびCQS)を大幅に改善できることである。例えば、わずかに離調した波長を有する2つ以上の青色励起レーザ(例えば、5nm、10nm、15nmなど)が含められ、黄色蛍光体を励起してより大きな青色スペクトルを生成することができる。
【0081】
本明細書で使用するGaN基板という用語は、GaN、InGaN、AlGaN、または、出発材料として使用される他のIII族含有合金または組成物を含むIII族窒化物系材料に関連する。このような出発材料には、極性GaN基板(すなわち、最大面積面が名目上(h k l)平面であり、h=k=0であり、lが0でない基板)、非極性GaN基板(すなわち、最大面積面が、上記の極性配向から(h k l)平面に向かって約80~100度の範囲の角度で配向され、l = 0であり、hおよびkの少なくとも1つは0でない基板材料)、または、半極性GaN基板(すなわち、最大面積面が、上記の極性配向から(h k l)平面に向かって約+ 0.1~80度または110~179.9度の範囲の角度で配向され、l=0であり、hおよびkの少なくとも1つは0ではない基板材料)が含まれる。
【0082】
レーザダイオード装置は、極c面のようなガリウムおよび窒素含有フィルムまたは基板(例えば、GaN)の従来の配向に、m面のような無極性の配向に、または、{30-31}、{20-21}、{30-32}、{11-22}、{10-11}、{30-3-1}、{20-2-1}、{30-3-2}、またはこれらの極性、無極性および半極性面のいずれかのオフカット(c面に向かって+/-10度以内、および/または、a面に向かって+/-10度以内、および/または、m面に向かって+/-10度以内)のような半極性の配向に作製することができる。
【0083】
図1aは、切れ込まれたまたはエッチングされたミラーによってm方向に整列されたキャビティを備えるガリウムおよび窒素含有基板上に形成された極c面レーザダイオードの一例の簡略化された概略図である。レーザストライプ領域は、a方向に対して実質的に直角である実質的にm方向におけるキャビティ配向によって特徴付けられるが、実質的にa方向におけるキャビティ配列などの他のものであってもよい。レーザストライプ領域は、第1の端部107と第2の端部109とを有し、互いに対向する一対の切り込まれたまたはエッチングされたミラー構造を有する{0001}ガリウムおよび窒素含有基板上のm方向に形成される。例えば、窒化ガリウム基板部材は、非極性または半極性結晶表面領域を有することによって特徴付けられるバルクGaN基板であるが、他のものであってもよい。バルクGaN基板は、10
5cm
-2または10
5~10
7cm
-2未満の表面転位密度を有することができる。窒化物結晶またはウエハは、0≦x、y、x + y≦1であるAl
xIn
yGa
1-x-yNを含むことができる。特定の一実施形態では、窒化物結晶はGaNを含む。一実施形態では、GaN基板は、表面に対して実質的に直交または傾斜方向において、約10
5cm
-2および約10
8cm
-2の間のコンセントレーションで、貫通転位を有する。
【0084】
図1bは、切り込まれたまたはエッチングされたミラーによってc方向の投射において整列されたキャビティを備えるガリウムおよび窒素含有基板上に形成された半極性面レーザダイオードの一例の簡略化された概略図である。レーザストライプ領域は、a方向に対して実質的に直角である実質的にc方向の投射におけるキャビティ配向によって特徴付けられるが、実質的にa方向におけるキャビティ配列などの他のものであってもよい。レーザストライプ領域は、第1の端部107および第2の端部109を有し、{40-41}、{30-31}、{20-21}、{40-4-1}、{30-3-1}、{20-2-1}、{20-21}、またはc面およびa面ガリウムおよび窒素含有基板から+/-5度以内のこれらの面のオフカットなどの半極性基板上に形成される。例えば、窒化ガリウム基板部材は、非極性または半極性結晶表面領域を有することによって特徴付けられるバルクGaN基板であるが、他のものであってもよい。バルクGaN基板は、10
5cm
-2または10
5~10
7cm
-2未満の表面転位密度を有することができる。窒化物結晶またはウエハは、0≦x、y、x + y≦1であるAl
xIn
yGa
1-x-yNを含むことができる。特定の一実施形態では、窒化物結晶はGaNを含む。一実施形態では、GaN基板は、表面に対して実質的に直交または傾斜方向において、約10
5cm
-2および約10
8cm
-2の間のコンセントレーションで、貫通転位を有する。
【0085】
レーザストライプは、長さと幅によって特徴付けられる。長さは、約50ミクロン~約3000ミクロンの範囲であるが、好ましくは約10ミクロンおよび約400ミクロンの間、約400ミクロンおよび約800ミクロンの間、または約800ミクロンおよび約1600ミクロンの間であるが、他のものであってもよい。ストライプはまた、約0.5ミクロン~約50ミクロンの範囲の幅を有するが、単一横モード動作の場合には約0.8ミクロンおよび約2.5ミクロンの間であるのが好ましく、多重横モード動作の場合は約2.5μmおよび約50μmの間であるのが好ましいが、他の寸法であってもよい。特定の実施形態では、本装置は、約0.5ミクロン~約1.5ミクロンの範囲の幅、約1.5ミクロン~約3.0ミクロンの幅、約3.0ミクロン~約50ミクロンの範囲の幅、およびその他の範囲の幅を有する。特定の実施形態では、幅は実質的に寸法が一定であるが、若干の変動があってもよい。幅および長さは、しばしば、当技術分野で一般に使用されるマスキングおよびエッチングプロセスを用いて形成される。
【0086】
ガリウムおよび窒素含有基板の高いコスト、ガリウムおよび窒素含有基板のサイズを拡大することの難しさ、小さなウエハの処理に固有の非効率性、および潜在的な供給制限を考慮すると、利用可能なガリウムおよび窒素含有基板および覆っているエピタキシャル材料の利用を最大にすることが極めて望ましい。横方向キャビティレーザダイオード(lateral cavity laser diodes)の作製では、通常、レーザキャビティ幅ではなく、ワイヤボンディングパッドまたはメカニカルハンドリング考慮事項などの装置コンポーネントによって最小ダイサイズが決定される。ダイサイズを小さくすると、1回の処理ランで単一ウエハ上に作製される装置の数をより多くすることができるため、ダイサイズの最小化は製造コストを削減するうえで重要である。本発明は、ダイ拡張プロセスによってエピタキシャル材料をキャリアウエハ上に広げることによって、所与のガリウムおよび窒素含有基板および覆っているエピタキシャル材料から作製することができる装置の数を最大にする方法である。
【0087】
端面発光レーザダイオードと同様に、SLEDは、典型的には端面放射装置として構成され、高輝度で高い指向性の光学的発光が、半導体チップ側から外側へ向けられた導波路を出る。SLEDは、導波路に沿って生成される自然放射に対する高い単一通過利得または増幅を有するように設計される。しかしながら、それらは、レーザダイオードとは異なり、キャビティ内への不十分なフィードバックを提供し、利得が導波路キャビティ内の全損失に等しいレージング条件(lasing condition)を達成するように設計されている。典型的な例では、導波路の端部またはファセットの少なくとも1つは、導波路へ戻る非常に低い反射率を提供するように設計されている。導波路の端部またはファセット上の低減された反射率を達成するために、いくつかの方法を使用することができる。1つのアプローチでは、光学コーティングがファセットの少なくとも1つに適用され、ここで、光学コーティングは、1%未満、0.1%未満、0.001%未満、または0.0001%未満の反射率のような低反射率用に設計される。低減された反射率についての別のアプローチでは、チップへ反射し戻ってきた光が、フィードバックを提供するようなキャビティ内の光との積極的な干渉をしないように、導波路の端部は、光の伝搬方向に対して傾斜するまたは角度を付けるように設計される。最適な性能のためには、傾斜角度は、反射率対角度の関係においてゼロ付近で注意深く設計されなければならない。傾斜したまたは角度を付けたファセットのアプローチは、光の伝搬方向に対して最適な角度の外側角で設計されたエッチングされたファセットを設けることを含む多くの方法で達成される。傾斜の角度は、リソグラフィによって規定されたエッチングされたファセットパターンによって予め決定される。あるいは、角度を付けた出力は、半導体チップ内の所定の結晶面上に形成される切り込まれたファセットに対して導波路を湾曲させるおよび/または角度を付けることによって、達成される。反射率を低減する別のアプローチは、ファセット上に粗面または模様面を設け、キャビティへのフィードバックを低減することである。粗面化は、ケミカルエッチングおよび/またはドライエッチングを使用して、または代替技術を用いて、達成される。もちろん、SLED装置を形成するために、キャビティへの低減されたフィードバックに関する他の方法が存在してもよい。多くの実施形態では、光の伝播に対して角度を付けたまたは傾斜した出力ファセットとの組合せにおいて低反射率コーティングを使用することを含む、ファセット反射率を低減する多くの技術が組合せにおいて使用される。
【0088】
図3は、レーザ装置200の断面図である。図示されるように、レーザ装置は、下層のn型金属背面接触領域(n-type metal back contact region)201を有する窒化ガリウム基板203を含む。例えば、基板203は、半極性または非極性の配向によって特徴付けられてもよい。この装置はまた、上層のn型窒化ガリウム層205、活性領域207、およびレーザストライプ領域209として構成された上層のp型窒化ガリウム層を有する。エピタキシャル層は、n型窒化ガリウム層を覆う高品質のエピタキシャル層である。いくつかの実施形態では、高品質層は、例えばSiまたはOでドープされて、約10
16cm
-3および10
20cm
-3の間のドーパント濃度を有するn型材料を形成する。
【0089】
0≦u、v、u + v≦1であるn型AluInvGa1-u-vN層が基板上に積層される。キャリア濃度は、約1016cm-3および1020cm-3の間の範囲内にあってもよい。
【0090】
一実施形態では、レーザストライプ領域はp型窒化ガリウム層209である。この装置はまた、213接触領域を露出する上層の誘電体領域(dielectric region)を有する。誘電体領域は、二酸化ケイ素または窒化ケイ素などの酸化物であり、接触領域は、上層の金属層215に結合される。上層の金属層は、金と白金(Pt/Au)、パラジウムと金(Pd/Au)、またはニッケル金(Ni/Au)、またはこれらの組み合わせを含む多層構造であることが好ましい。
【0091】
活性領域207は、好ましくは、光放射のための1~10個の量子井戸領域またはダブルヘテロ構造領域を含む。n型AluInvGa1-u-vN層の積層後、所望の厚さを達成するために、活性層が積層される。量子井戸は、それらを分離するGaN、AlGaN、InAlGaNまたはInGaN障壁層を有するInGaNであることが好ましい。他の実施形態では、井戸層および障壁層は、AlwInxGa1-w-xNおよびAlyInzGa1-y-zをそれぞれ含み、ここで、井戸層のバンドギャップが障壁層およびn型層のバンドギャップよりも小さくなるように、0≦w、x、y、z、w+x、y+z≦1であり、w<u、yおよび/またはx>v、zである。井戸層および障壁層はそれぞれ約1nmおよび約20nmの間の厚さを有する。活性層の組成および構造は、予め選択された波長で光放射を提供するように選択される。活性層は、ドープされていないままでもよく(または意図せずにドープされていてもよく)、n型またはp型にドープされていてもよい。
【0092】
活性領域はまた、電子阻止領域(electron blocking region)と、分離封じ込めヘテロ構造(separate confinement heterostructure)とを含むことができる。電子阻止層は、活性層よりも高いバンドギャップを有するAlsIntGa1-s-tN(0≦s、t、s+t≦1)を含み、p型にドープされてもよい。1つの特定の実施形態では、電子阻止層はAlGaNを含む。別の実施形態では、電子阻止層は、それぞれ約0.2nmおよび約5nmの間の厚さである、AlGaNおよびGaNの交互層を含むAlGaN/GaN超格子構造を含む。
【0093】
上述したように、p型窒化ガリウムまたは窒化アルミニウムガリウム構造は、電子阻止層および活性層の上に積層される。p型層は、Mgにより、約1016cm-3および1022cm-3の間のレベルまで、約5nmおよび約1000nmの間の厚さでドープされる。p型層の最も外側の1~50nmは、改善された電気的接触を可能にするように、層の残りの部分よりも重くドープされてもよい。この装置はまた、213接触領域を露出する上層の誘電体領域(例えば二酸化ケイ素)を有する。
【0094】
金属接触(metal contact)は、銀、金、アルミニウム、ニッケル、白金、ロジウム、パラジウム、クロムなどの適切な材料で作られる。接触は、加熱蒸散(thermal evaporation)、電子ビーム蒸着、電気めっき、スパッタリング、または別の適切な技術によって積層されてもよい。好ましい実施形態では、電気接点(electrical contact)は、光学装置用p型電極として機能する。別の実施形態では、電気接点は、光学装置用n型電極として機能する。
図1および
図2に示され、上述したレーザ装置は、典型的には、比較的低電力用途に適している。
【0095】
様々な実施形態において、本発明は、1.0~3.0μmの単一横モード領域から5.0~20μmのマルチ横モード領域までレーザキャビティ部材の部分を拡大することによって、ダイオードレーザからの高出力パワーを実現する。ある場合には、50μm以上の幅のキャビティを有するレーザダイオードが用いられる。
【0096】
本発明による複数の実施形態では、素子層は、スーパールミネセント発光ダイオードまたはSLEDを含む。すべての適用可能な実施形態において、SLED装置は、本発明に記載の方法およびアーキテクチャに従って、レーザダイオード装置と交換または組み合わせることができる。SLEDは多くの点で端面発光レーザダイオードに類似しているが、装置の放射ファセットは、非常に低い反射率を有するように設計されている。SLEDは、電流を注入すると光学的に活性化され、広範囲の波長にわたって増幅された自然放射(ASE)および利得を生成する電動結合に基づいているため、レーザダイオードに類似する。光出力がASEによって影響を受けると、電流(LI)特性に対する光出力において折れ曲がりがあり、光出力の単位は注入電流の単位当たりに劇的に大きくなる。LI曲線におけるこの折れ曲がりは、レーザダイオードの閾値のようであるが、はるかになだらかである。SLEDは、横方向にガイドされた光学モードが形成されるように、より低光学指数の材料で上下を被覆された1つまたは複数の発光層を有するよう設計された層構造を有する。SLEDはまた、横方向の光封じ込めを提供する機構を備えて作製される。これらの横方向封じ込め機構は、リッジを取り囲み、低光学指数クラッディングを提供する空気、真空、金属または誘電材料を伴うエッチングされたリッジから構成されてもよい。横方向封じ込め機構はまた、注入された電流が装置内の有限領域に閉じ込められるように電気接点を成形することによって提供されてもよい。このような「利得ガイド」構造では、注入されたキャリア密度による発光層の光学指数の分散は、光学モードの横方向封じ込めを提供するために必要とされる光学指数コントラストを提供する。
【0097】
SLEDは、導波路に沿って生成される自然放射に対する高い単一通過利得または増幅を有するように設計される。SLED装置は、好ましくは1cm-1未満の低い内部損失を有するように設計されるが、SLEDはこれより高い内部損失で動作することができる。理想的な場合、放射ファセット反射率はゼロであるが、実用化においては、ゼロの反射率は達成することが困難であり、放射ファセット反射率は、1%未満、0.1%未満、0.001%未満、または0.0001%未満の反射率となるように設計される。放射ファセット反射率を低減することにより、装置キャビティへのフィードバックが低減され、それによって、装置がレーザ照射を開始する注入電流密度が増加する。非常に低い反射率の放射ファセットは、ファセットの面法線および導波モードの伝播方向が実質的に非平行であるように、SLEDキャビティに対して放射ファセットを角度付けることと、反射防止膜の追加の組合せによって達成される。一般に、これは1度~2度を超えるずれを意味する。実際には、理想的な角度は、使用される反射防止膜に部分的に依存し、傾斜角は、最適な性能のために、反射率対角度の関係においてゼロ付近で注意深く設計されなければならない。導波モードの伝搬方向に対するファセットの傾斜は、導波モードの伝搬方向に対して任意の方向で行うことができる。もっとも、ファセット形成の方法によっては、いくつかの方向で、作製がより容易ではある。エッチングされたファセットは、ファセット角度決定についての最も高い適応性を提供する。あるいは、キャビティ内の積極的干渉を低減するための角度付き出力を達成する非常に一般的な方法は、半導体チップ内の所定の結晶面上に形成される切り込まれたファセットに対して導波路を湾曲させるおよび/または角度を付けることである。この構成では、光の伝搬角度は、切り込まれたファセットに対する低反射率のために設計された特定の角度で非直角である。
【0098】
SLEDによって放射されるスペクトルは、いくつかの点でレーザとは異なる。SLED装置は、横方向導波モードで光学利得を生成する一方、放射ファセットでの低減された光フィードバックは、より広い、より連続的な放射スペクトルをもたらす。例えば、ファブリーペロー(FP)レーザでは、導波路の端部での光の反射は、キャビティの長さに依存する積極的干渉をもたらすものへの利得を経験することができる光の波長を制限する。したがって、FPレーザのスペクトルは、縦モードに対応するピークと谷と、キャビティによって支持される利得媒体および横モードによって規定されるエンベロープとを有するコームである。さらに、レーザでは、放射ファセットからのフィードバックは、横モードが有限電流密度(finite current density)で閾値に達することを確保する。これが起こると、縦モードのサブセットがスペクトルに影響を及ぼすことになる。 SLEDでは、光フィードバックが抑制され、利得スペクトルにおけるコームの高さをピークから谷まで減少させ、閾値をより高い電流密度へ押し出す。次に、SLEDは、比較的広く(5nmより大きく)およびインコヒーレントなスペクトルによって特徴付けられ、スペクトロスコピー、目の安全性および低減されたスペックルに利点がある。一例として、「スペックル」と呼ばれるよく知られている歪みパターンは、表面上または観察平面内の1組の波面の相互干渉によって生成される強度パターンの結果である。スペックルの程度を定量化するために典型的に使用される一般式は、スペクトル幅に反比例する。
【0099】
本発明の用途例では、本発明によるレーザダイオード装置またはスーパールミネセントダイオード(SLED)装置は、Li-Fi通信システムなどの可視光通信(VLC)システムの好ましい光源として使用することができる。VLCシステムは、データ伝送のために、可視、UV、赤外線または近赤外線光源の変調を使用するシステムである。可視光源の変調を使用するVLCシステムは、2つの理由で本発明の有利な用途である。第1に、帯域幅は、レーザダイオードおよびSLEDに見られる誘発放射の著しい量に起因するキャリア再結合レートの増加のため、発光ダイオードを使用する場合に予想されるよりも高くなる。LED、ダイオードレーザおよびSLEDでは、キャリア密度とともに再結合レートが増加するが、比較的高いキャリア密度で効率がピークとなるSLEDおよびダイオードレーザとは異なり、LEDは非常に低いキャリア密度で効率がピークとなる。典型的には、LEDのピーク効率は、典型的なSLEDまたはレーザダイオード動作条件で見られるキャリア密度より2~3桁低いキャリア密度でのものである。変調、したがってデータ転送レートは、LEDを使用して達成可能な速度よりもはるかに高くなる。
【0100】
さらに、白色光系VLC光源では、LEDまたはレーザダイオードまたはSLEDから構成されている紫色または青色の「ポンプ」光源が、蛍光体素子を光学的に励起または「ポンプ」するように使用され、緑色および赤色また時には青に対応する波長をカバーする広域スペクトルを生成する。蛍光体由来のスペクトルおよび吸収されていないポンプ光は結合されて、白色光スペクトルが生成される。レーザおよびSLED光源は、青色LEDよりもかなり狭いスペクトルを有する(青色LEDについての約20nmと比較して、それぞれ1.5nm未満および5nm未満である)。より狭い半値全幅(FWHM)は、ノッチ(すなわちバンドパス)フィルタを使用する蛍光体放射からのポンプ光信号の分離をより容易にする。白色光スペクトルの蛍光体由来成分は、装置によって放射される全光学パワーのかなりの部分を含むが、蛍光体の長い再結合寿命は、スペクトルの蛍光体放射成分について非常に低い変調レートをもたらすため、これは重要である。
【0101】
一実施形態では、異なる波長で放射する複数のレーザダイが、互いに近接して(好ましくは互いの1ミリメートル以内、より好ましくは互いに約200マイクロメートル以内、最も好ましくは互いに約50ミクロン以内で)、同じキャリアウエハに転写される。レーザダイの波長は、それらのスペクトルの半値全幅の少なくとも2倍の波長で分離されるように選択される。例えば、ダイにより放射されるレーザ光の全横方向分離(中心間距離)が200ミクロン未満であるように、440nm、450nmおよび460nmでそれぞれ放射する3つのダイは、50ミクロン未満のダイと50ミクロン未満のダイ幅との間の分離を伴い単一のキャリアチップへ転写される。レーザダイの近さは、それらの放射が、同一光学縦列または光ファイバ導波路に容易に結合されることを可能にするか、または遠距離場において重複スポットへ容易に投射されることを可能にする。ある意味では、レーザは単一レーザ光源として効果的に動作させることができる。
【0102】
このような構成は、DCオフセットに重畳されたRF信号の位相変調および周波数を例えば用いて、個々のレーザ光源を独立して動作させ情報を伝達することができるという利点を提供する。異なる光源からの光の時間平均割合は、各信号のDCオフセットを調整することによって調整される。レシーバーでは、個々のレーザ源からの信号は、白色光スペクトルの蛍光体由来成分と、レーザ源の1つを除く全部からのポンプ光の両方を透過する個々のフォトディテクタを覆うノッチフィルタの使用によって、分離(デマルチプレックス)される。このような構成は、帯域幅がレーザエミッタの数によって容易にスケールすることができるという点で、LED系VLC源に優る利点を提供する。もちろん、同様の利点を有する同様の実施形態をSLEDエミッタから構成することができる。
【0103】
上記のようなレーザダイオードチップ作製の後、レーザダイオードはサブマウントに搭載される。いくつかの例では、サブマウントは、AlN、SiC、BeO、ダイヤモンドまたは他の材料(金属、セラミックまたは複合材料等)からなる。サブマウントは、CPoSの蛍光体部材も取り付けられる共通支持部材とすることができる。あるいは、サブマウントは、蛍光体材料が取り付けられた共通支持部材に搭載されるように意図された中間サブマウントであってもよい。サブマウント部材は、幅、長さおよび厚さによって特徴付けることができる。サブマウントが、蛍光体およびレーザダイオードチップのための共通支持部材である例では、サブマウントは、約0.5mmから約5mmまでまたは約15mmまでの寸法範囲の幅および長さと、約150μmから約2mmまでの範囲の厚さと、を有する。サブマウントがレーザダイオードチップおよび共通支持部材の間の中間サブマウントである例では、約0.5mmから約5mmまでの寸法範囲の幅および長さによって特徴付けられ、厚さは、約50μmから約500μmまでの範囲とすることができる。レーザダイオードは、ボンディングプロセス、はんだ付けプロセス、接着プロセス、またはそれらの組合せを使用してサブマウントに取り付けられる。一実施形態では、サブマウントは電気的に絶縁されており、上部に積層された金属ボンドパッドを有する。レーザチップは、これらの金属パッドの少なくとも1つに搭載される。レーザチップは、p側下方またはp側上方構造に搭載され得る。レーザチップをボンディングした後、サブマウント(CoS)上の最終チップが完成し、一体化準備が整うように、チップからサブマウントへのワイヤボンドが形成される。
【0104】
本発明による、ガリウムおよび窒素含有基板技術上に形成された従来のレーザダイオードに基づくCoSを示す概略図が
図4に示されている。CoSは、レーザダイオードチップ202と最終実装面との間の中間材料として作用するように構成されたサブマウント材料201からなる。サブマウントは、Auなどの金属蒸着層で形成される電極203および電極205で構成される。一例では、Ti/Pt/Auが電極として使用される。ワイヤボンド204は、サブマウント上の電極203および電極205からの電力をレーザダイオードチップへ結合して、レーザダイオードからのレーザビーム出力206を生成するように構成される。電極203および電極205は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。電力をレーザダイオード装置に結合しかつレーザを作動するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。
【0105】
別の実施形態では、ガリウムおよび窒素含有レーザダイオード作製は、エピタキシャルに成長したガリウムおよび窒素層をリフトオフし、それらを、レーザ作製後のサブマウントを含むことができるキャリアウエハへ転写する準備をするエピタキシャル剥離工程を含む。転写工程は、レーザダイオード装置へのエピタキシャル層の後続処理を可能にするために、キャリアウエハ上へのエピタキシャル層の正確な配置を必要とする。キャリアウエハへの取り付けプロセスは、金属-金属、半導体-半導体、ガラス-ガラス、誘電体-誘電体、またはそれらの組合せからなる接合界面を伴うウエハボンディング工程を含むことができる。
【0106】
このCPoS白色光源のさらに別の好ましい変形例では、ガリウムおよび窒素含有エピタキシャル材料をリフトオフしてそれを共通支持部材へ転写するプロセスが用いられ、ガリウムおよび窒素含有レーザエピタキシャル材料をサブマウント部材へ取り付けることができる。この実施形態では、ガリウムおよび窒素エピタキシャル材料は、それがエピタキシャルに成長されたガリウムおよび窒素含有基板から剥離される。一例として、エピタキシャル材料は、光電気化学(PEC)エッチング技術を用いて剥離される。次いで、それは、接合界面が形成されるウエハボンディングなどの技術を使用して、サブマウント材料へ転写される。サブマウント材料は、好ましくは、SiCのような高い熱伝導率を有し、エピタキシャル材料は、続いて処理され、キャビティ部材、フロントファセットおよびバックファセットならびに電流注入のための電気接点を有するレーザダイオードが形成される。レーザ作製が完了した後、蛍光体材料がサブマウント上に導入され、一体型白色光源が形成される。蛍光体材料は、サブマウントと蛍光体との間に位置する中間材料を有していてもよい。中間材料は、銅のような熱伝導性材料から形成され得る。蛍光体材料は、AuSnはんだ等のはんだを使用する従来のダイ取り付け技術を用いてサブマウントに取り付けることができるが、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだ、または、インジウムなどの他の技術であってもよく、その他のものであってもよい。最も低い熱インピーダンスを目指して接合を最適化することは、蛍光体からの熱放散についてのパラメータであり、蛍光体劣化および蛍光体材料の熱消光を防止する。リフトオフされかつ転写されたガリウムおよび窒素含有材料を用いるこの実施形態を使用する利点は、低減されたコスト、向上したレーザ性能およびこの技術を使用する一体化に関するより高い適応性である。
【0107】
この実施形態では、ガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層は、バルクガリウムおよび窒素含有基板上に成長させられる。エピタキシャル層スタックは、少なくとも犠牲剥離層と、剥離層を覆うレーザダイオード素子層とを含む。バルクガリウムおよび窒素含有基板上のエピタキシャル層の成長に続いて、犠牲層を選択的に除去し、キャリアウエハに対する素子層の剥離を可能にするように構成されたPECエッチングなどの選択的ウエットエッチングプロセスによって、半導体素子層が基板から分離される。一実施形態では、半導体素子層を覆う表面上に接合材料が堆積される。接合材料はまた、ブランケットコーティングとして堆積されるか、またはキャリアウエハ上にパターニングされる。標準リソグラフィプロセスは、半導体素子層を選択的にマスクするために使用される。次いで、ウエハは、ドライエッチングまたはウエットエッチングプロセスのようなエッチングプロセスを受けて、メサ構造の側壁上の犠牲層を露出させるビア構造を規定する。本明細書では、用語「メサ領域またはメサ」は、ガリウムおよび窒素含有基板上のパターニングされたエピタキシャル材料を記述するために使用され、キャリアウエハへの転写のために準備される。メサ領域は、矩形、正方形、三角形、円形、楕円形、多面体、または他の形状を含む任意の形状または形態とすることができる。
【0108】
メサの規定に続いて、選択的エッチングプロセスが実行され、半導体素子層をそのまま残す一方、犠牲層を完全にまたは部分的に除去する。得られた構造は、エピタキシャル素子層からなるアンダーカットメサを含む。アンダーカットメサは、半導体素子が形成されるダイスに対応する。いくつかの実施形態では、エッチング選択性が完全でない場合に素子層が選択的エッチングに曝されるのを防止するように、保護パッシベーション層がメサ領域の側壁に採用され得る。他の実施形態では、素子層が選択的エッチングに対してセンシティブではないため、または、アノードおよびカソードを短絡させるなどのセンシティブ層のエッチングを防止する措置がとられているため、保護パッシベーションは不要である。次に、素子ダイスに対応するアンダーカットメサは、接合技術を用いて、キャリアウエハへ転写される。ここで、半導体素子層を覆う接合材料がキャリアウエハ上の接合材料と接合される。結果として得られる構造体は、接合領域を覆うガリウムおよび窒素含有エピタキシャル素子層を含むキャリアウエハである。
【0109】
好ましい実施形態では、PECエッチングが、犠牲層を除去するための選択的エッチングとして活用される。PECは、GaNおよびその合金をエッチングするために用いられることができる光ウエットエッチング技術(photo-assisted wet etch technique)である。このプロセスは、上記バンドギャップ励起源と、半導体および電解質溶液によって形成される電気化学セルとを必要とする。この場合、露出した(Al、In、Ga)N材料表面はアノードとして機能し、半導体上に積層された金属パッドはカソードとして機能する。上記バンドギャップ光源は、半導体において電子正孔対を生成する。電子はカソードを介して半導体から取り出され、正孔は材料の表面に拡散して酸化物を形成する。p型材料をエッチングするためのいくつかの方法が開発されているが、表面への正孔の拡散は、正孔の収集に有利なように表面でのバンドベンディングを必要とするので、PECエッチングは、典型的にはn型材料に対してのみ働く。酸化物は、半導体のウエットエッチングの結果、電解質によって溶解される。HCl、KOHおよびHNO 3を含む様々なタイプの電解質が、GaNおよびその合金のPECエッチングに有効であることが示されている。エッチング選択性およびエッチングレートは、好ましい電解質を選択することによって最適化される。PECエッチングプロセスを補助するように、半導体とカソードとの間に外部バイアスを生成することも可能である。
【0110】
好ましい実施形態では、アンカー領域は、接合工程の前に、ガリウムおよび窒素含有基板に対してメサを機械的に支持するために使用され、それらは、ガリウムおよび窒素含有基板から剥離され、キャリアウエハへ転写される。アンカー領域は、フォトマスクへ設計することができる特別な機構である。このアンカー領域は、アンダーカット素子層(アンダーカットされるには大きすぎるもの)をガリウムおよび窒素含有基板へ取り付ける。また、アンカー領域は、マスクの設計上、犠牲層が除去されない、または、これらの機構がエッチングに耐性のある金属または誘電体で構成される領域を含む。これらの機構は、アンカーとして機能し、アンダーカット素子層が基板から離れるのを防止し、素子層が空間的にシフトするのを防止する。この基板への取り付けは、アンダーカット素子層と、接合中に破損する可能性がある基板との間に薄い接続部が存在するように、犠牲層を不完全に除去することによっても達成することができる。次いで、キャリアウエハおよびデバイスウエハ上の接合材料の表面が互いに接触させられ、犠牲層の残材またはアンカーに対するアンダーカット素子層の取り付けよりも強い接合が形成される。接合後、キャリアおよびデバイスウエハの分離により、素子層がキャリアウエハへ転写される。
【0111】
一実施形態では、アンカー領域は、素子層のアンダーカットの間にこれらのアンカー領域における犠牲領域が完全に除去されないように、素子層メサより広い機構によって形成される。一例では、メサを基板へ接続することによりアンカーとして機能する耐エッチング材料の堆積によって、メサが基板上に保持される。この例では、基板ウエハは、素子層の集まり、バッファ層、および、選択的にエッチング可能な犠牲層によって覆われる。接合層は、犠牲層を選択的に除去する光電気化学エッチングプロセスを促進するように使用されるカソード金属に沿って積層される。金属、セラミック、ポリマーまたはガラスからなる耐エッチング材料の層は、メサと基板の両方に接続するように積層される。選択的エッチングプロセスは、犠牲層が完全に除去され、耐エッチング層のみがメサを基板に接続するように実行される。
【0112】
アンカー技術の別の例では、エピタキシャル材料からなるアンカーの使用により、メサが基板上に保持される。この例では、基板ウエハは、素子層の集まり、バッファ層、および、選択的にエッチング可能な犠牲層によって覆われる。 接合層は、犠牲層を選択的に除去する光電気化学エッチングプロセスを促進するように使用されるカソード金属に沿って積層される。アンカーは、エッチング中に犠牲層の僅かな部分がエッチングされずに残り、アンダーカットメサと基板ウエハとの間に接続部を形成するように成形される。
【0113】
一実施形態では、アンカーは、それらが狭いアンダーカット領域の材料によって接続されるように、アンダーカットダイの端部または側部のいずれかに配置される。別の実施形態では、アンカーは、それらがアンダーカットされ得るほど横方向に十分小さいが、保護コーティングは、エッチング溶液がアンカー内の犠牲層にアクセスするのを防止するために使用される。別の実施形態では、アンカーは、ダイの端部に設置され、アンカーは、全部または複数のダイへ接続する連続的なストリップを形成する。
【0114】
好ましい実施形態では、アンカーは、エピタキシャルおよび基板材料へ良好に付着する耐エッチング材料の領域を堆積することによって形成される。これらの領域は、半導体素子層メサの一部と、基板などのエッチング中にアンダーカットされない構造のいつくかの部分を覆う。これらの領域は、半導体素子層メサが完全にアンダーカットされた後に、それらが、半導体素子層メサが基板から離れることを防止する機械的支持を提供するように、連続的な接続部を形成する。次いで、半導体素子層メサの頂部、半導体素子層メサの側壁およびメサを取り囲むエッチングされた領域の底部に金属層が積層され、連続的な接続部が形成される。
【0115】
好ましい実施形態では、下層に犠牲領域を有する半導体素子エピタキシ材料は、上層に半導体素子層を有するガリウムおよび窒素含有バルク基板上のメサのちょう密配列(dense array)へと作製される。メサは、パターニングおよびウエットまたはドライエッチングプロセスを使用して形成される。ここで、パターニングは、メサ領域のサイズおよびピッチを規定するリソグラフィ工程を含む。反応性イオンエッチング、誘導結合プラズマエッチング、または化学アシストイオンビームエッチングなどのドライエッチング技術が候補の方法である。あるいは、ウエットエッチングが使用される。エッチングは、素子層の下の犠牲領域で、またはその下で終わるように構成される。これに続いて、PECのような選択的エッチングプロセスが行われ、メサがアンダーカットされるように、露出した犠牲領域を完全にまたは部分的にエッチングする。このアンダーカットメサパターンピッチを「第1のピッチ」という。第1のピッチは、しばしば基板上のエピタキシャル領域のそれぞれを作製するのに適した設計幅であるが、所望の完璧な半導体素子設計(接点等のためのより大きな非活性領域または領域を頻繁に望む)のためには十分に大きくない。例えば、これらのメサは、約5ミクロン~約500ミクロンまでまたは約5000ミクロンまでの範囲の第1のピッチを有する。これらのメサのそれぞれは「ダイ」である。
【0116】
好ましい実施形態では、キャリアウエハ上の第2のピッチがガリウムおよび窒素含有基板上の第1のピッチよりも大きくなるように、これらのダイは、選択的接合プロセスを用いて第2のピッチでキャリアウエハへ転写される。この実施形態では、ダイは、いわゆる「ダイ拡張」のために、拡張されたピッチ上にある。一例では、第2のピッチは、キャリアウエハの一部を有する各ダイが接点および他の構成要素を含む半導体素子であることを可能にするように、ダイによって構成されている。例えば、第2のピッチは、約50ミクロンから約1000ミクロンまでまたは約5000ミクロンまでであるが、大きな半導体素子チップが用途のために必要とされる場合には、約3~10mmまたはそれ以上の大きさであり得る。より大きな第2のピッチは、高価なガリウムおよび窒素含有基板およびエピタキシャル材料を費やすことなくより容易な機械的取扱いを可能にし、高価なガリウムおよび窒素含有基板およびエピタキシャル材料を必要としない接合パッドなどの追加的機構のためのスペースを半導体素子チップへ追加すること、および/または、低減された処理コストを目的とした後続の処理のために、エピタキシャル層を含むより小さなガリウムおよび窒素含有エピタキシャルウエハをより大きなキャリアウエハに配置することを可能にする。特に、本発明は、選択的領域接合プロセスを介して、基板ウエハおよびエピタキシ材料の利用を増加させ、ダイピッチが元のエピタキシャルウエハに対してキャリアウエハ上で拡大されるように、エピタキシャル材料の個々のダイをキャリアウエハへ転写する。
【0117】
レーザチップと実装面との間のサブマウントとして好適なAlN、BeO、ダイヤモンドまたはSiCなどのキャリアウエハ材料を選択することによって、キャリアウエハ上のダイシングされたレーザチップが、それ自体でサブマウント(CoS)上のチップとなる。このウエハレベルパッケージングの特徴は、本発明の実施形態のリフトオフおよび転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層の強力な利点である。サブマウントは、CPoSの蛍光体部材も取り付けられる共通支持部材とすることができる。
【0118】
本発明による、リフトオフおよび転写されたエピタキシャルガリウムおよび窒素含有層に基づくCoSを示す概略図が
図5に示される。CoSは、エピタキシ202内に設けられたレーザダイオードと転写されたエピタキシャル材料とを備えるキャリアウエハから構成されたサブマウント材料201からなる。電極203および電極204は、レーザダイオード装置のn側およびp側に電気的に結合され、外部源からの電力をレーザダイオードに伝送して、レーザダイオードからレーザビーム出力205を生成するように構成されている。電極は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気接続のために構成されている。ワイヤボンドが電極上に形成され、電力をレーザダイオード装置に結合する。転写されたエピタキシャル材料を有するこの一体型CoS装置は、サイズ、コスト、および低熱インピーダンスに起因する性能などの
図4に示される従来の構成を上回る利点を提供する。
【0119】
この実施形態では、キャリアウエハは、一体型CPoS白色光源用の理想的なサブマウント材料を提供するように選択されることができる。すなわち、レーザダイオードサブマウントとして機能するキャリアウエハは、レーザダイオードおよび蛍光体のための共通支持部材としても機能し、超小型CPoS一体白色光源を可能にする。一例では、キャリアウエハは炭化ケイ素(SiC)から形成される。SiCは、その高い熱伝導率、低い電気伝導率、高い硬度および堅牢性、ならびに広範な利用可能性のために理想的な候補である。他の例では、AlN、ダイヤモンド、GaN、InP、GaAsまたは他の材料は、キャリアウエハとして使用され、その結果、CPoS用サブマウントとなる。一例では、レーザチップは、蛍光体向け前面レーザファセットの前に領域が存在するようにダイシングアウトされる。次いで、蛍光体材料は、キャリアウエハに接合され、この実施形態によるレーザ励起用に構成される。
【0120】
サブマウント部材上にレーザダイオードを作製した後、本発明の一実施形態では、一体型白色光源の組立は、蛍光体と、レーザダイオードおよび共通支持部材との一体化へ進む。蛍光体の選択は、レーザ系一体型白色光源における重要な考慮事項である。蛍光体は、極端な光強度およびそれに伴う、レーザ励起点により引き起こされる加熱に、シビアな劣化無しで耐えることができなければならない。蛍光体選択のために考慮すべき重要な特性を以下に列挙する。
・白色光ルーメンに対する光励起パワーの高い変換効率。黄色蛍光体を励起する青色レーザダイオードの例では、光学ワット当たり150ルーメンを超える、または光学ワット当たり200ルーメンを超える、または光学ワット当たり300ルーメンを超える変換効率が望まれる。
・1mm、500μm、200μm、100μm、さらには50μmの直径を含むスポットで1~20Wのレーザパワーに耐えることができる高い光損傷閾値。
・分解無しに、150℃を超える、200℃を超える、300℃を超える温度に耐えることができる高い熱損傷閾値。
・蛍光体が、150℃、200℃または250℃を超える温度に達する時に、効率のよい状態であり続けるような低い熱消光特性。
・熱を放散し、温度を調節する高い熱伝導率。3W/mKより大きい、5W/mKより大きい、10W/mKより大きい、さらには15W/mKより大きい熱伝導率が望ましい。
・用途に適した蛍光体発光色。
・熱伝導率または光学効率の許容できない低下無しに、コヒーレントな励起の所望の散乱(scattering)をもたらす適切な多孔率特性(porosity characteristic)。
・用途に適切な形状因子。このような形状因子は、ブロック、プレート、ディスク、球体、シリンダ、ロッド、または同様の幾何学要素を非限定的に含む。適切な選択は、蛍光体が透過モードまたは反射モードで動作するかどうか、および蛍光体における励起光の吸収長(absorption length)に依存する。
・用途に最適化された表面条件。一例では、改善された光抽出を目的に蛍光体表面が意図的に粗面化される。
【0121】
好ましい実施形態では、420nmから480nmまでの波長範囲で動作する青色レーザダイオードは、560nmから580nmまでの範囲の黄色発光を提供する蛍光体材料と組み合わされ、レーザダイオードの青色発光と混合されると、白色光が生成される。例えば、黒体ライン上に白色点を当てるために、混合スペクトルのエネルギーは、青色レーザ放射からの約30%、および黄色蛍光体放射からの約70%で構成される。他の実施形態では、赤色、緑色、黄色、さらには青色発光を有する蛍光体が、紫色、紫外、または青色波長範囲のレーザダイオード励起源と組み合わせて使用され、色混合による白色光を生成することができる。このような白色光システムは、1つより多い蛍光体部材の使用によりさらに複雑になる可能性があるが、改善された演色のような利点が達成される。
【0122】
ある例では、レーザダイオードから放射された光は、蛍光体要素によって部分的に変換される。一例では、蛍光体要素で生成された部分的に変換された光は、外観が白色であるカラーポイントをもたらす。一例では、白色光のカラーポイントは、ポイントのプランク黒体軌跡(Planckian blackbody locus of points)に位置する。一例では、白色光のカラーポイントは、ポイントのプランク黒体軌跡の0.010未満のdu'v'内に位置する。一例では、白色光のカラーポイントは、好ましくは、ポイントのプランク黒体軌跡の0.03未満のdu'v'内に位置する。
【0123】
蛍光体材料は、透過モード、反射モードまたは透過モードと反射モードとの組合せ、または他のモードで動作させることができる。蛍光体材料は、変換効率、熱損傷に対する耐性、光学的損傷に対する耐性、熱消光特性、励起光を散乱させるための多孔率、および熱伝導率によって特徴付けられる。好ましい実施形態では、蛍光体材料は、光学ワット当たり100ルーメンより大きい、光学ワット当たり200ルーメンより大きい、または光学ワット当たり300ルーメンより大きい変換効率を有するCeでドープされた黄色発光YAG材料からなり、多結晶セラミック材料または単結晶材料であってもよい。
【0124】
本発明のいくつかの実施形態では、蛍光体の周囲を個別に適合させて、追加コストをほとんどまたは全く伴わずに高効率をもたらすことができる。レーザダイオード励起を目的とした蛍光体最適化は、高い透明度、散乱または非散乱特性、およびセラミック蛍光体プレートの使用を含むことができる。低下された温度感度は、ドーピングレベルによって決定することができる。リフレクタをセラミック蛍光体の後面に追加することができ、損失を低減することができる。蛍光体は、インカップリング結合を増大させ、アウトカップリングを増大させ、および/または後方反射を低減するように、成形することができる。表面粗面化は、固体材料からの光の抽出を増加させるための周知手段である。コーティング、ミラーまたはフィルタを蛍光体に追加して、放射非主面(非一次放射の面)から出る光の総量を減少させ、放射主面(一次放射の面)を介してより効率的な光の放射を促進し、また、レーザ励起光のより効率的なインカップリングを促進することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、特定のタイプの蛍光体が、レーザ励起源を伴うこの過酷な用途に最も適している。一例として、Ce3+イオンでドープされたセラミックイットリウムアルミニウムガーネット(YAG)またはYAG系蛍光体が理想的な候補であり得る。それらは、適切な発光色を得るためにCeのような種でドープされ、しばしば、励起源の光を散乱させるための多孔率特性からなり、レーザ励起のコヒーレンスをうまく分解する。その立方結晶構造の結果として、YAG:Ceは、高透明性単結晶および多結晶バルク材料として用意される。透明度および発光の程度は、化学量論的組成、ドーパントの含有量、ならびに全処理および焼結経路(entire processing and sintering route)に依存している。散乱中心の程度および透明度は、青色光および黄色光の均質なミクスチャに対して最適化されることができる。YAG:CEは、緑色発光を放射するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、YAGをEuでドープして、赤色発光を放射することができる。
【0126】
本発明による好ましい実施形態では、白色光源は、光学励起ワット当たり100ルーメンより大きい、光学励起ワット当たり200ルーメンより大きい、またはさらには光学励起ワット当たり300ルーメンより大きい光学変換効率を含むセラミック多結晶YAG:Ce蛍光体で構成される。さらに、セラミックYAG:Ce蛍光体は、150℃超、200℃超、または250℃超の温度消光特性および5~10W/mKの高い熱伝導率によって特徴付けられ、熱をヒートシンク部材へ効果的に放散し、蛍光体を動作可能温度に保つ。
【0127】
本発明による別の好ましい実施形態では、白色光源は、YAG:Ceなどの単結晶蛍光体(SCP)で構成される。一例において、Ce:Y3Al5O12のSCPは、チョクラルスキー技術によって成長させることができる。本発明によるこの実施形態では、YAG:Ceに基づくSCPは、光学励起ワット当たり100ルーメンより大きい、光学励起ワットあたり200ルーメンより大きい、またはさらには光学励起当たり300ルーメンより大きい光学変換効率によって特徴付けられる。さらに、単結晶YAG:Ce蛍光体は、150℃超、200℃超、または300℃超の温度消光特性および8~20W/mKの高い熱伝導率によって特徴付けられ、熱をヒートシンク部材へ効果的に放散し、蛍光体を動作可能温度に保つ。高い熱伝導率、高い熱消光閾値および高い変換効率に加えて、レーザで励起されたときに理想的な「点」源として機能することができる非常に小さな形態へと蛍光体を成形する能力は、魅力的な特徴である。
【0128】
いくつかの実施形態では、YAG:CEは、黄色発光を放射するように構成することができる。別のまたは同じ実施形態では、YAG:CEは、緑色発光を放射するように構成することができる。さらに別のまたは同じ実施形態では、YAGをEuでドープして、赤色発光を放射することができる。いくつかの実施形態では、LuAGが放射のために構成される。別の実施形態では、赤色発光、緑色発光、黄色発光または青色発光のための結晶ホスト材料として窒化ケイ素またはアルミニウムオキシ窒化物(aluminum-oxi-nitrides)を使用することができる。
【0129】
別の実施形態では、黄色蛍光体または緑色蛍光体のような粉末状の単結晶またはセラミック蛍光体が含まれる。粉末状の蛍光体は、反射モードで動作するように、透過モード動作のための透明部材上に、または反射モードで動作するように、蛍光体の後面の反射層を有する固体部材上に、または蛍光体と固体部材の間に、分配され得る。蛍光体粉末は、バインダー材料を用いて固体構造中に一緒に保持することができる。ここで、バインダー材料は、高い光損傷閾値および良好な熱伝導率を有する無機材料におけるものが好ましい。蛍光体パワーは、有色蛍光体で構成され、青色レーザビームによって励起および結合されるか、または紫色レーザビームによって励起される場合に白色光を放射するように構成される。粉末状の蛍光体は、YAG、LuAG、または他の種類の蛍光体で構成することができる。
【0130】
本発明の一実施形態では、蛍光体材料は、イットリウムアルミニウムガーネットホスト材料および希土類ドーピング元素などを含有する。一例では、波長変換素子は、Ce、Nd、Er、Yb、Ho、Tm、DyおよびSmならびにこれらの組合せ等から選択される希土類ドーピング元素を含有する蛍光体である。一例では、蛍光体材料は高密度蛍光素子である。一例では、高密度蛍光体要素は、純粋な母体結晶の90%を超える密度を有する。セリウム(III)がドープされたYAG(YAG:Ce3+またはY3Al5O12:Ce3+)を用いることができる。ここで、蛍光体は青色レーザダイオードからの光を吸収し、緑色から赤色の広い範囲で(大部分の出力が黄色で)発光する。この黄色発光を残った青色発光と組み合わせることにより、白色光が得られ、この白色光は暖色(黄色)または寒色(青色)の色温度へ調整可能である。Ce3+:YAGの黄色発光は、テルビウムおよびガドリニウムのような他の希土類元素でセリウムを置換することによって調整することができ、さらには、YAG中のアルミニウムの一部または全部をガリウムで置換することによってさらに調整することができる。
【0131】
別の例では、有機染料、複合ポリマー、AlInGaPまたはInGaNなどの半導体、Ce3 +イオンでドープされたイットリウムアルミニウムガーネット(YAGs)(Y1-aGda)3(Al1-bGab)5O12:Ce3+、SrGa2S4:Eu2+、SrS:Eu2+、テルビウムアルミニウム系ガーネット(TAGs)(Tb3Al5O5)、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdSeまたはCdTeを含有するコロイド量子ドット薄膜などを非限定的に含む様々な蛍光体を本発明に適用することができる。
【0132】
さらに別の例では、希土類がドープされたサイアロンのいくつかが蛍光体として機能することができる。ユウロピウム(II)がドープされたβサイアロンは、紫外および可視光スペクトルにおいて吸収し、非常に広帯域の可視発光を放射する。その輝度と色は、温度安定の結晶構造により、温度によって大きく変化しない。別の例では、緑色および黄色のサイアロン蛍光体および赤色のCaAlSiN3系(CASN)蛍光体を使用することができる。
【0133】
さらに別の例では、近紫外発光レーザダイオードと、高効率ユウロピウム系赤色青色発光蛍光体および緑色発光銅アルミニウムがドープされた硫化亜鉛(ZnS:Cu、Al)のミクスチャとを組み合わせることによって、白色光源を作ることができる。
【0134】
一例では、蛍光体または蛍光体ブレンドは、(Y、Gd、Tb、Sc、Lu、La)3(Al、Ga、In)5O12:Ce3+、SrGa2S4:Eu2+、SrS:Eu2+、およびCdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdSe、またはCdTeを含むコロイド量子ドット薄膜から選択することができる。一例では、蛍光体は実質的に赤色光を放射することができる。ここで、蛍光体は、(Gd、Y、Lu、La)2O3:Eu3+、Bi3+;(Gd、Y、Lu、La)2O2S:Eu3+、Bi3+;(Gd、Y、Lu、La)VO4:Eu3+、Bi3+; Y2(O、S)3:Eu3+;Ca1-xMo1-ySiyO4:0.05≦x≦0.5、0≦y≦0.1; (Li、Na、K)5Eu(W、Mo)O4;(Ca、Sr)S:Eu2+;SrY2S4:Eu2+;CaLa2S4:Ce3+;(Ca、Sr)S:Eu2+;3.5MgO * 0.5MgF 2 * GeO2:Mn 4+(MFG);(Ba、Sr、Ca)MgxP2O7:Eu2+、Mn2+;(Y、Lu)2WO 6:Eu3+、Mo6+;(Ba、Sr、Ca)3Mgx Si2O8:Eu2+、Mn2+(1<x≦2);(RE1-yCey)Mg2-xLixSi3-xPxO12(REは、Sc、Lu、Gd、YおよびTb の少なくとも1つであり、0.0001 <x <0.1および0.001 <y <0.1である);(Y、Gd、Lu、La)2-x Eu xW1-yMoyO6(0.5≦x≦1.0、0.01≦ y≦1.0);(SrCa)1-xEuxSi5N8(0.01≦x≦0.3);SrZnO2:Sm+ 3;MmOnX(Mは、Sc、Y、ランタニド、アルカリ土類金属およびそれらのミクスチャの群から選択され;Xはハロゲンであり;1≦m≦3;1≦n≦4であり、ランタニドドーピングレベルは、0.1~40%のスペクトル重量の範囲とすることができる);Eu3+活性化リン酸塩蛍光体またはホウ酸塩蛍光体;および、それらのミクスチャからなる群から選択される。他の蛍光体の種類および関連技術のさらなる詳細は、2015年2月17日に発行され一般に所有される、Raringらの米国特許第8,956,894号の明細書(タイトル:非極性または半極性ガリウム含有材料および蛍光体を使用する白色光装置)に見出すことができ、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0135】
本発明のいくつかの実施形態では、セラミック蛍光体材料は、シリコンなどのバインダー材料に埋め込まれる。この構成は、バインダー材料がしばしば低い熱伝導率を有し、したがって非常に高温になり、急速に劣化さらには燃焼するので、一般に望ましくない。このような「埋め込まれた」蛍光体は、スピニングホイールが蛍光体を冷却し、放射状パターンで蛍光体の周囲に励起スポットを広げるカラーホイールのような動的蛍光体用途にしばしば使用される。
【0136】
蛍光体からの十分な熱放散は、レーザダイオード励起に基づいた一体型白色光源にとって重要な設計上の考慮事項である。具体的には、光ポンピング蛍光体システムは、蛍光体での源損失を有し、その結果としての熱エネルギーは、したがって、最適な性能のためにヒートシンクへ放散されなければならない。2つの主源の損失は、高エネルギーの光子を低エネルギーの光子に変換した結果である、エネルギーの差がシステムの損失となり、熱形態で放散されるようなストークス損失(Stokes loss)である。さらに、首尾よく再放射された吸収光子の割合を測定する量子効率または量子収量は、非変換光子に関連する他の内部吸収プロセスからの熱生成があるように、単一ではない。励起波長および変換された波長に応じて、ストークス損失は、10%より大きい、20%より大きい、および30%より大きい、入射光パワーのより大きな損失をもたらし、放散しなければならない熱パワーが生じる。量子損失は、付加的な10%、20%より大きい、および30%より大きい、より大きな入射光パワーをもたらし、放散しなければならない熱パワーが生じる。直径が1mm未満、直径が500ミクロン未満、またはさらには直径が100ミクロン未満のスポットへ集束された、1Wから100Wまでの範囲のレーザービームパワーによると、1W/mm2を超える、100W/mm2を超える、またはさらには2500W/mm2を超えるパワー密度が生成される。一例として、スペクトルが、青色ポンプ光の30%と変換された黄色光の70%とからなり、また、ストークスおよび量子損失に関する最良のケースシナリオからなると仮定すると、蛍光体における10%全損失に対する熱形態での放散パワー密度(dissipated power density)を0.1W/mm2、10W/mm2、またはさらには250W/mm2超と算定することができる。したがって、この最良のケースシナリオの例であっても、これは放散するには膨大な量の熱である。高強度レーザ励起下で蛍光体内に生成されたこの熱は、蛍光体変換性能、色品質および寿命を制限する可能性がある。
【0137】
最適な蛍光体性能および寿命のために、蛍光体材料自体が高い熱伝導率を有するだけでなく、それは、蛍光体からヒートシンクへ熱を逃がすように、高い熱伝導率のジョイントとともに共通支持部材またはサブマウントへ取り付けられるべきである。本発明では、蛍光体は、CPoSにおいてなるべくレーザダイオードと同じ共通支持部材へ取り付けられるか、または共通支持部材へ後から取り付けられる中間サブマウント部材へ取り付けられる。共通支持部材または中間サブマウント部材の候補材料は、SiC、AlN、BeO、ダイヤモンド、銅、銅タングステン、サファイア、アルミニウム、またはその他のものである。蛍光体をサブマウント部材または共通支持部材へ接合する界面は、注意深く考慮する必要がある。接合材料は、はんだ(または他のもの)のような高い熱伝導率材料から構成されるべきであり、熱流を妨げることがあるボイドまたは他の欠陥が実質的にないようにすべきである。いくつかの実施形態では、接着剤材料を使用して蛍光体を固定することができる。理想的には、蛍光体接合界面は、界面の蛍光体側と支持部材側の両方に平坦面をともなう実質的大型領域を有する。
【0138】
本発明では、レーザダイオード出力ビームは、蛍光体材料に入射して蛍光体を励起するように設定される必要がある。いくつかの実施形態では、レーザビームを蛍光体に直接入射させてもよく、他の実施形態では、蛍光体に入射する前にビームを操作するように、レーザビームが、光学系、リフレクタまたは他の対象物と相互作用してもよい。そのような光学系の例には、ボールレンズ、非球面コリメータ、非球面レンズ、速軸または遅軸コリメータ、ダイクロイックミラー、反射鏡、光アイソレータや他のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0139】
装置は、典型的には、レーザ装置から蛍光体材料へのレーザビームの放射を伝達する非導レーザビーム特性を備える自由空間を有する。レーザビームのスペクトル幅、波長、サイズ、形状、強度、および偏光(polarization)は、蛍光体材料を励起するように設定される。レーザダイオードのビーム発散特性(beam divergence properties)を逆に利用して所望のスポットサイズを達成するように、ビームを蛍光体からの正確な距離に位置決めることによって、ビームを設定することができる。一実施形態では、蛍光体に対するレーザの入射角は、蛍光体での所望のビーム形状を達成するように最適化される。例えば、レーザアパーチャの非対称性およびビームの速軸および遅軸における異なる発散角に起因して、蛍光体へ直角に設定されたレーザから生成される蛍光体でのスポットは、楕円形状である(典型的には 速軸直径は遅軸直径よりも大きい)。これを補正するために、蛍光体でのレーザビーム入射角を最適化して、ビームが蛍光体でより円形になるように、ビームを遅軸方向に引き伸ばすことができる。他の実施形態では、コリメートレンズなどの自由空間光学系を用いて、蛍光体に入射する前にビームを成形することができる。ビームは、50%より大きく100%より小さい偏光純度(polarization purity)によって特徴付けられる。本明細書で使用される「偏光純度」という用語は、放射された電磁放射線の50%超が、実質的に類似の偏光状態(例えば、横電気(Transverse Electric)または横磁気(Transverse Magnetic)偏光状態)にあることを意味するが、通常の意味と一致する他の意味を持つこともできる。
【0140】
白色光装置はまた、電気入力パワーをレーザダイオード装置に結合してレーザビームを生成し、蛍光体材料を励起するように構成された電気入力インターフェースを有する。一例では、蛍光体に入射するレーザビームは、0.1W未満、0.1W超、0.5W超、1W超、5W超、10W超または20W超のパワーを有する。白色光源は、1ルーメン、10ルーメン、100ルーメン、1000ルーメン、10000ルーメンを超える、またはより大きな白色光出力を生成するように構成されている。
【0141】
支持部材は、少なくとも1つのレーザダイオード装置および蛍光体材料からヒートシンクへ熱エネルギーを伝えるように構成される。支持部材は、レーザ装置からヒートシンクへの熱経路を特徴付ける放散パワーのワット当たり摂氏10度未満、ワット当たり摂氏5度未満、またはワット当たり摂氏3度未満の熱インピーダンスを提供するように構成される。支持部材は、約400W/(mK)の熱伝導率を有する銅、約200W/(mK)の熱伝導率を有するアルミニウム、約370W/(mK)の熱伝導率を有する4H-SiC、約490W/(mK)の熱伝導率を有する6H-SiC、約230W/(mK)の熱伝導率を有するAlN、約1000W/(mK)超の熱伝導率を有する合成ダイヤモンド、サファイア、または他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。支持部材は、SiC、AlNまたは合成ダイヤモンドのような成長過程から形成され、次に、マシニング、カッティング、トリミングまたはモールディングによって機械的に成形されてもよい。あるいは、支持部材は、マシニング、カッティング、トリミングまたはモールディングによって、銅、銅タングステン、アルミニウムまたは他の金属から形成されてもよい。
【0142】
このCPoS白色光源の好ましい構成では、共通支持部材は、ガリウムおよび窒素含有レーザダイオードチップが直接接合されるのと同一のサブマウントを含む。すなわち、レーザダイオードチップは、SiC、AlNまたはダイヤモンドなどの材料から形成されたサブマウントに搭載または取り付けられ、また蛍光体材料も、このサブマウントに搭載され、当該サブマウントが共通支持部材となる。蛍光体材料は、サブマウントと蛍光体との間に位置する中間材料を有していてもよい。中間材料は、銅のような熱伝導性材料から形成され得る。レーザダイオードは、AuSnはんだ等のはんだを使用する従来のダイ取り付け技術を用いてサブマウントの第1の面に取り付けることができるが、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだ、または、インジウムなどの他の技術であってもよく、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。焼結Ag取り付け材料は、より高い熱伝導率および改善された電気伝導率の付加利益を伴い、標準処理器材およびサイクル温度を使用して分配または堆積されることができる。例えば、AuSnは約50W/mKの熱伝導率と約16マイクロオーム*cmの電気伝導率とを有する一方、無加圧焼結Agは約125W/mKの熱伝導率と約4マイクロオーム*cmの電気伝導率とを有することができ、あるいは加圧焼結Agは約250W/mKの熱伝導率と約2.5マイクロオーム*cmの電気伝導率とを有することができる。ペーストから焼結形態までの溶融温度の極端な変化(260℃~900℃)のために、プロセスは、下流プロセスでの熱負荷制限を回避することができ、完成した装置が非常に良好で一貫した接合を終始有することができる。同様に、蛍光体材料は、AuSnはんだ、SACはんだ、鉛含有蛍光体などのはんだ付け技術を使用してまたはインジウムを用いてサブマウントへ接合され得るが、それは焼結Ag界面材料のような他の技術であってもよい。ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシ、熱粘着剤および他の材料から形成することもできる。あるいは、ジョイントは、Au-Au接合のような金属-金属接合から形成することができる。最も低い熱インピーダンスを目指して接合を最適化することは、蛍光体からの熱放散についての重要パラメータであり、蛍光体劣化および蛍光体材料の熱消光を防止するために重要である。
【0143】
このCPoS白色光源の別の構成では、レーザダイオードは、ガリウムおよび窒素含有レーザチップと共通支持部材との間に設けられた中間サブマウントへ接合される。この構成では、中間サブマウントは、SiC、AlN、ダイヤモンドまたはその他のもので形成することができ、レーザは、AuSnはんだ等のはんだを使用する従来のダイ取り付け技術を用いてサブマウントの第1の面に取り付けることができるが、他の技術であってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。焼結Ag取り付け材料は、より高い熱伝導率および改善された電気伝導率の付加利益を伴い、標準処理器材およびサイクル温度を使用して分配または堆積されることができる。例えば、AuSnは約50W/mKの熱伝導率と約16マイクロオーム*cmの電気伝導率とを有する一方、無加圧焼結Agは約125W/mKの熱伝導率と約4マイクロオーム*cmの電気伝導率とを有することができ、あるいは加圧焼結Agは約250W/mKの熱伝導率と約2.5マイクロオーム*cmの電気伝導率とを有することができる。ペーストから焼結形態までの溶融温度の極端な変化(260℃~900℃)のために、プロセスは、下流プロセスでの熱負荷制限を回避することができ、完成した装置が非常に良好で一貫した接合を終始有することができる。サブマウントの第2の面は、同様の技術を使用して共通支持部材へ取り付けることができるが、他のものであってもよい。同様に、蛍光体材料は、共通支持部材と蛍光体との間に位置するサブマウントまたは中間材料を有していてもよい。中間材料は、銅のような熱伝導性材料から形成され得る。蛍光体材料は、はんだ付け技術を用いて接合されてもよい。この構成では、共通支持部材は、銅のような熱伝導性材料から形成されるべきである。最も低い熱インピーダンスを目指して接合を最適化することは、蛍光体からの熱放散についての重要パラメータであり、蛍光体劣化および蛍光体材料の熱消光を防止するために重要である。
【0144】
本発明の特定の実施形態では、CPoS白色光源は、透過モードにおいて動作するサイドポンピング蛍光体用に構成される。この構成では、蛍光体は、活性化の際に、生成されたレーザビームが蛍光体の裏側に入射するように、レーザビームを出力するレーザファセットの前に位置決められる。ここで、レーザと蛍光体の両方が支持部材に設けられる。ガリウムおよび窒素含有レーザダイオードは、キャビティを有するように構成される。キャビティは、100μmより大きい、500μmより大きい、1000μmより大きい、または1500μmより大きい細長い長さと、1μmより大きい、10μmより大きい、20μmより大きい、より大きい30μm、または45μmより大きい幅とを有する。キャビティは、端部において、フロントファセットまたはフロントミラーと、バックファセットまたはバックミラーとを備えるように構成される。ここで、フロントファセットは出力ファセットを含み、蛍光体に入射するレーザビームを放射するように構成される。フロントファセットは、反射率を減少させる反射防止コーティングを有するように構成されてもよいし、全くコーティングがなくてもよく、それにより、放射線が過度な反射率なしにミラーを通過することができる。場合によっては、コーティングは、反射率をわずかに増加させるように構成されてもよい。キャビティ部材の後端部から放射されるレーザビームは無いので、バックファセットまたはバックミラーは、放射線を反射してキャビティ内へ戻すように構成される。例えば、バックファセットは、85%または95%より大きい反射率を有する高反射コーティングを含む。一例では、蛍光体は、Ce3+イオンでドープされたセラミックイットリウムアルミニウムガーネット(YAG)からなり、黄色発光を放射する。蛍光体は、ブロック、プレート、球体、円筒形または他の幾何形状に成形される。具体的には、蛍光体の幾何形状主寸法(geometry primary dimensions)は、50μm未満、100μm未満、200μm未満、500μm未満、1mm未満、または10mm未満であり得る。透過モードで動作する場合、蛍光体は、入射レーザビームを受け入れる第1の主側面(後側面)と、有用な白色光の大部が用途に結合されるように蛍光体を抜け出る少なくとも第2の主側面(前側面)とを有する。蛍光体は、励起光を受け取るように構成された蛍光体の第1の主側面がレーザ出力ビームの光路に入るように、レーザダイオード出力ファセットの前にある共通支持部材またはサブマウントへ取り付けられる。レーザビームの幾何形状、サイズ、スペクトル幅、波長、強度および偏光は、蛍光体材料を励起するように構成される。透過モードの蛍光体動作の利点は、励起源が放射主面から放射される有用な白色光を遮断または妨害することの軽減である。さらに、蛍光体の後面から励起することによって、白色光源をコリメートまたは投射するような光学系の統合を困難にする可能性がある、励起源またはビームに関連する障害物は存在しない。別の実施形態では、YAG:CEは緑色発光を放射するように構成される。さらに別のまたは同じ実施形態では、赤色発光を放射するようにYAGはEuをドープされる。別の実施形態では、赤色発光、緑色発光、黄色発光または青色発光のための結晶ホスト材料として窒化ケイ素またはアルミニウムオキシ窒化物を使用することができる。
【0145】
図6は、本発明による、ガリウムおよび窒素含有基板技術上に形成された従来のレーザダイオードに基づくCPoS一体型白色光源の透過実施形態を示す概略図である。レーザ系CPoS白色光装置は、レーザダイオードチップ302と最終実装面との間の中間材料として、かつ、蛍光体材料306と最終実装面との間の中間材料として作用するように構成された共通支持部材として機能するサブマウント材料301からなる。サブマウントは、Auなどの金属蒸着層で形成される電極303および電極304で構成される。一例では、Ti/Pt/Auが電極として使用される。ワイヤボンド305は、サブマウント上の電極303および電極304からの電力をレーザダイオードチップへ結合して、レーザダイオードから出力されるレーザビームを生成するように構成される。レーザビーム出力は、出力レーザファセットの前に位置決められた蛍光体プレート306を励起する。蛍光体プレートは、棚部307または凹部領域でのサブマウントへ取り付けられる。電極303および電極304は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。パワーをレーザダイオード装置へ結合するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。もちろん、これは構成の一例に過ぎず、この実施形態には、異なる形状の蛍光体、サブマウントまたは共通支持部材の異なる幾何的設計、蛍光体に対するレーザ出力ビームの異なる方向、異なる電極および電気的設計およびその他を非限定的に含む多くの変形例が存在し得る。
【0146】
図7は、本発明に基づくCPoS一体型白色光源の別の透過実施形態を示す概略図である。この実施形態では、転写されたエピタキシ層から形成されたレーザダイオードチップを備えた、非常に小型でコンパクトなサブマウント部材を作製するように、ガリウムおよび窒素含有リフトオフおよび転写技術が活用される。レーザ系CPoS白色光装置は、転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層から形成されたレーザダイオード302と最終実装面との間の中間材料として、かつ、蛍光体プレート材料305と最終実装面との間の中間材料として作用するように構成された共通支持部材として機能するサブマウント材料301からなる。レーザダイオードまたはCoSサブマウントは、Au、Pd、Pt、Ni、Al、チタンまたはその他のものを非限定的に含む金属層の組合せおよび金属蒸着層で形成される電極303および電極304で構成される。レーザビーム出力は、出力レーザファセットの前に位置決められた蛍光体プレート305を励起する。蛍光体プレートは、棚部306または凹部領域でのサブマウントへ取り付けられる。電極303および電極304は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。電力をレーザダイオード装置へ結合して、レーザダイオードから出力されるレーザビームを生成するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。
【0147】
本発明の多くの実施形態では、蛍光体と共通支持部材との間の取り付け界面は、注意して設計され、処理される必要がある。この取り付けジョイントの熱インピーダンスは、熱放散を可能にするのに十分に低い熱インピーダンスを目指して、適切な取り付け材料、界面幾何形状および取り付けプロセス手段を使用して、最小限に抑えられるべきである。さらに、取り付け界面は、蛍光体の放射面から抜け出る有用な白色光を最大化する増加した反射率のために設計されてもよい。例として、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだ、またはインジウムが含まれるが、他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。ジョイントは、熱伝導性接着剤、熱エポキシ、および他の材料から形成されることができる。レーザおよび蛍光体材料を伴う共通支持部材は、レーザ装置からヒートシンクへの熱経路を特徴付ける、放散パワーのワット当たり摂氏10度未満またはワット当たり摂氏5度未満の熱インピーダンスを提供するように構成される。支持部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、SiC、サファイア、AlNまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。サイドポンピング透過装置は、長さ、幅および高さによって特徴付けられる形状因子を有する。一例では、高さは、25mm未満および0.5mm超の寸法によって特徴付けられるが、変動があってもよい。
【0148】
一体型白色光源の効率を改善するために、第1の面から抜け出る光の総量を最小化する措置が取られ得る。ここで、レーザ励起光は蛍光体に入射し、有用な白色光が存在する蛍光体の第2の白色光放射主側面から抜け出る光を最大化する。そのような措置は、フィルタ、スペクトル選択リフレクタ、従来のミラー、空間ミラー、偏光系フィルタ、ホログラフィック素子、またはコーティング層の使用を含むことができるが、他のものであってもよい。
【0149】
透過モード蛍光体の一例では、フィルタが蛍光体の後面に位置決められ、後方に伝搬する黄色発光を蛍光体の前方へ反射し、それが放射主面を抜け出し有用な白色光になる別の機会を有する。この構成では、リフレクタは、レーザからの青色励起光を遮断しないように設計されなければならない。リフレクタは、広範囲の角度にわたって黄色光を反射するように設計された異なる屈折率を有する2つ以上の交互層からなるスペクトル選択分布ブラッグ反射器(DBR)ミラーから構成されることができる。DBRは、電子ビーム蒸着、スパッタリング蒸着、または熱蒸着などの技術を使用して、蛍光体上に直接置くことができる。あるいは、DBRは、蛍光体へ適用される板状素子の形態であってもよい。黄色発光および青色発光のミックスから構成された典型的な白色光源では、黄色発光が約70%のエネルギーを含むので、黄色光を反射するこの手法は、多くの用途において十分な措置であり得る。
【0150】
透過モード蛍光体に関する別の例では、フィルタシステムが蛍光体の後側面に位置決められ、後方に伝搬する黄色発光および散乱した青色励起光を蛍光体の前方へ反射し、それが放射主面を抜け出し有用な白色光になる別の機会を有する。この構成の課題は、散乱した後方に伝搬する青色光を通すことなく、前方に伝搬する青色ポンプ励起光をフィルタに通過させることである。この課題を克服する1つのアプローチは、入射角反射率依存(incident angular reflectivity dependence)のために設計されたフィルタを活用し、ある入射角にレーザを設定することである。ここで反射率は、直角入射のような最小値である。再び、この構成では、決定された角度依存によって、1つのDBRミラー対が黄色を反射し、第2のDBR対が青色光を反射するのに貢献するように、リフレクタをDBRミラーから構成することができる。DBRは、電子ビーム蒸着、スパッタリング蒸着、または熱蒸着などの技術を使用して、蛍光体上に直接置くことができる。あるいは、DBRは、蛍光体へ適用される板状素子の形態であってもよい。
【0151】
図8は、本発明によるCPoS一体型白色光源の別の透過実施形態を示す概略図である。この実施形態では、転写されたエピタキシ層から形成されたレーザダイオードチップを備えた、非常に小型でコンパクトなサブマウント部材を作製するように、ガリウムおよび窒素含有リフトオフおよび転写技術が活用される。もちろん、効率向上を目的とする光学素子を含むこの実施形態用に、
図4および
図6に示されるようなサブマウント実施形態での従来のチップを使用することができる。レーザ系CPoS白色光装置は、転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層から形成されたレーザダイオード302と最終実装面との間の中間材料として、かつ、蛍光体プレート材料305と最終実装面との間の中間材料として作用するように構成された共通支持部材として機能するサブマウント材料301からなる。レーザダイオードまたはCoSサブマウントは、Au、Pd、Pt、Ni、Al、チタンまたはその他のものを非限定的に含む金属層の組合せおよび金属蒸着層で形成される電極303および電極304で構成される。レーザビーム出力は、出力レーザファセットの前に位置決められた蛍光体プレート305を励起する。この実施形態では、より多くの有用な白色光が蛍光体の放射主面から抜けるように、白色源の効率を高めるように構成された材料307で蛍光体がコーティングされる。この実施形態では、コーティング307は、黄色発光および場合によっては青色発光の反射率を増加させて、光を反射し前放射面へ向けて戻すように構成される。蛍光体プレートは、棚部306または凹部領域でのサブマウントへ取り付けられる。電極303および電極304は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。電力をレーザダイオード装置へ結合して、レーザダイオードから出力されるレーザビームを生成するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。
【0152】
前方青色発光を通しつつ、後方に伝搬する青色発光および黄色発光を反射する課題を克服する第2のアプローチは、DBRのような黄色スペクトル選択リフレクタと青色光用偏光系リフレクタとを組み合わせたフィルタシステムを活用することである。レーザ励起源からの青色発光は、90%より大きい偏光比または95%より大きい偏光比で高度に偏光され、後方に伝搬する散乱青色光は混合偏光を有することになるので、偏光系リフレクタは、他の偏光状態に対するリフレクタとして作用する一方、レーザダイオード出力ビームの偏光状態(例えば、TE)がフィルタを自由に通過できるように構成されることができる。この構成は、単一フィルム(single thing film)へ組み込まれる2つのエレメントを必要とするように思われる。第1のエレメントは、黄色を反射するように設計された、DBRミラー対または他の単層または多層フィルム等の黄色リフレクタである。第2のエレメントは、プラスチック、セラミック、金属またはガラスのような偏光センシティブ材料である。DBRまたは他の黄色反射材料は、電子ビーム蒸着、スパッタリング蒸着、または熱蒸着などの技術を使用して、蛍光体上にまたは偏光フィルタエレメント上に、直接置くことができる。あるいは、DBRは、蛍光体へ適用される板状素子の形態であってもよい。偏光センシティブエレメント(polarization sensitive element)は、蛍光体上に置くことができ、または蛍光体の後側面に位置決め、接着し、または取り付けることができる。
【0153】
前方青色発光を通しつつ、後方に伝搬する青色発光および黄色発光を反射する課題を克服する第3のアプローチは、DBRのような黄色スペクトル選択リフレクタと青色光用空間系リフレクタとを組み合わせたフィルタシステムを活用することである。この構成は、単一フィルム(single thing film)へ組み込まれる2つのエレメントを必要とするように思われる。第1のエレメントは、黄色を反射するように設計された、DBRミラー対または他の単層または多層フィルム等の黄色リフレクタである。第2のエレメントは、青色を反射するエレメントからなり、レーザビームが蛍光体に入射するところには存在せず、レーザビームが入射しない領域上に存在するような選択的方法において、蛍光体の背面へ適用される。第2のエレメントは、別のDBRコーティングスタックまたはAgまたはAlなどの広帯域反射材であってもよい。DBRのような第1のエレメントまたは他の黄色反射材料および青色光に対して空間的反射性(spatially reflective)がある第2のエレメントの両方は、電子ビーム蒸着、スパッタリング蒸着、または熱蒸着などの技術を使用して、蛍光体上にまたは偏光フィルタエレメント上に、直接置くことができる。あるいは、DBRは、蛍光体へ適用される板状素子の形態であってもよい。偏光センシティブエレメントは、蛍光体上に置くことができ、または蛍光体の後側面に位置決め、接着し、または取り付けることができる。
【0154】
他の実施形態では、コーティングまたは他の材料を使用して、蛍光体の前放射面の反射率を低減することができる。さらに他の実施形態では、コーティングまたは追加要素を適用して、蛍光体表面での入射ビームの反射率を低減することができる。オフアクシスレーザビーム入射角が使用される構成では、蛍光体でのレーザビームの反射率を低減するような措置が重要である。
【0155】
本発明では、レーザダイオード出力ビームは、蛍光体材料に入射して蛍光体を励起するように設定される必要がある。装置は、典型的には、レーザ装置から蛍光体材料へのレーザビームの放射を伝達する非導レーザビーム特性を備える自由空間を有する。レーザビームのスペクトル幅、波長、サイズ、形状、強度、および偏光は、蛍光体材料を励起するように設定される。具体的には、多くの用途において、蛍光体上の照射されたスポットも円形であり、得られる白色発光が丸い領域から放射するように、円形レーザ励起ビームを有することが望ましい。このような丸い領域は、円形放射のために一般的に利用可能な、従来の光学系およびリフレクタを使用して、コリメートまたはスポット光源を形成するのに有利である。さらに、円形ビームは、蛍光体変換効率の変化をもたらし、またはさらには蛍光体の故障メカニズムを引き起こす熱ホットスポットが存在しないように、蛍光体においてある程度の対称性を示す。
【0156】
この同じ概念を利用して、非円形ビームを必要とする用途に対して、楕円形、円錐形、長方形等の他の形状を生成することもできる。例えば、自動車のヘッドライトでは、他の対向するドライバにグレアをもたらすことを避けるために、所望の領域で照明を生成し、ビームパターンにおいてより暗いスポットを生成するように、カスタマイズされた空間パターンが望まれる。
【0157】
典型的な端面発光ダイオードレーザからの出力ビームの固有の発散特性は、それが自由/非導空間を伝搬する際に、x方向(遅い発散軸)とy方向(速い発散軸)の両方でのビームの広がりをもたらす。問題を複雑にするのは、レーザダイオードにおける導波路封じ込め特性に起因する速軸および遅軸でのビームの異なる発散レートである。例えば、典型的な半値全幅(FWHM)ビームの発散は、遅軸にて約5~20度、速軸にて10~40度の範囲であるが、他の範囲も可能性である。レーザビームの発散の別の尺度は、パワーが1/e
2レベルまで落ちる出力ビームにおけるポイントで取られる発散角である。この1/e
2尺度について、典型的なビームの発散は、遅軸にて約10~30度、速軸にて20~80度の範囲であるが、その他の範囲も可能である。したがって、速軸対遅軸の発散角の比は、約2:1から約4:1までの範囲である。自由空間/非導レーザビームから得られる投射されたスポットは、楕円形であり、典型的には速軸直径が遅軸直径よりも大きい。
図9は、速軸発散角θ
1、速軸スポット径D
1、遅軸発散角θ
2および遅軸スポット径D
2を有するレーザダイオードからの楕円出力ビームの例を示す概略図である 。
【0158】
図10は、平坦面から距離L離れたレーザダイオードを用いて、速軸または遅軸でのビーム直径を算定するために使用することができる幾何形状の簡略された例を概略的に示す図である。スポット径D1およびD2の定量値を算定するために、レーザダイオードのアパーチャ寸法、およびレーザアパーチャからの平坦投射面の距離を知る必要がある。
図11は、速軸スポット径D1、遅軸スポット径D2、およびレーザアパーチャからの変化した距離Lに対する、速軸スポット径と遅軸スポット径の比のプロットである。
図11の計算例は、40度の1/e
2速軸発散、20度の1/e
2遅軸発散、25μmのアパーチャ幅、および1μmのアパーチャ高さを仮定している。この例の図に見られるように、投射面(すなわち蛍光体)をレーザアパーチャから100μmより大きく離すと、ビームは素早く楕円形になり、速軸直径は、遅軸直径の約2倍超で収束(saturating)している。アパーチャから約70μm離れた距離では、速軸と遅軸の直径は約50μmでほぼ同等である。したがって、このレーザダイオード構造で最も円形のスポットを達成するには、スポットの直径が50μmとなるレーザダイオードの前の約70μmに蛍光体を配置すべきである。追加のコリメーションおよび成形用光学系を用いることなく、円形ビームを有することが有利であるが、このような設計は、レーザに対する蛍光体近傍に(組立および作製上の課題をもたらす可能性があることに)起因して、実施するのが最も実用的ではないかもしれない。さらに、1Wより大きいまたは4Wより大きい非常に高いパワーを有する非常に小さいビーム直径は、蛍光体の品質および/またはヒートシンクが高パワー密度に耐えることができない場合、蛍光体に問題を生じさせ得る。しかし、蛍光体をアパーチャからさらに移動させると、ビームはすぐに楕円形になり、多くの用途において円形スポットほど理想的ではない。
【0159】
本発明の一実施形態では、コリメート光学系がレーザダイオードおよび蛍光体の間に位置決められ、レーザ出力ビームをコリメートしてビーム成形する。出力レーザビームの前に自由空間光学系を設置することにより、ビーム形状は、円形ビームプロファイルを提供するように成形され、蛍光体が、大きなトレランスを有するファセットの前にある距離で位置決められ、比較的一定のスポットサイズを維持することができるように、コリメートされる。一例では、レーザビームをコリメートおよび/または成形するために非球面レンズが使用される。別の実施形態では、レーザビームは、速軸コリメート(FAC)レンズおよび/または遅軸コリメート(SAC)レンズを使用してコリメートされる。別の実施形態では、光ビームの成形、コリメート、方向付け、フィルタリングまたは操作のために、他の光学系を様々な組み合わせで含めることができる。このような光学系の例には、再結像リフレクタ、ボールレンズ、非球面コリメータ、ダイクロイックミラー、反射鏡、光アイソレータが含まれるが、これらに限定されず、その他のものであってもよい。
【0160】
図12は、本発明による、蛍光体への入射のためにレーザビームをコリメートして成形する自由空間光学系を含むCPoS一体型白色光源の透過蛍光体の実施形態を示す概略図である。この実施形態では、転写されたエピタキシ層から形成されたレーザダイオードチップを備えた、非常に小型でコンパクトなサブマウント部材を作製するように、ガリウムおよび窒素含有リフトオフおよび転写技術が活用される。
【0161】
別の好ましい実施形態では、ビーム成形は、レーザダイオードのビーム発散特性を逆に利用して所望のスポットサイズを達成するように、蛍光体励起面をレーザダイオードアパーチャに対して傾斜させ、レーザダイオードを蛍光体から設計された距離に位置決めることによってなされる。この「光学系レス」ビーム成形の実施形態は、ビーム成形およびコリメーションのために光学素子が導入される実施形態よりも有利である。白色光源装置についてのこの実施形態のこれらの利点は、簡易設計、より低コストの材料費、より低コストの組立工程、および潜在的によりコンパクトな白色光源を含む。一実施形態では、レーザから蛍光体への入射角は、蛍光体での所望のビーム形状を達成するように最適化される。
図11の例について説明したように、蛍光体をレーザアパーチャから約70μm離して位置づけることによって、約50μmの直径を有する相対的に均一なビームを実現することができる。蛍光体からのレーザの距離を制御することに加えて、レーザビームの入射角を用いて、蛍光体に入射するビームの形状を制御することもできる。一例として、
図13は、蛍光体または投射面が速軸に対して傾けられたときのスポットサイズでの影響を示す。この軸に沿って傾斜することにより、ビームスポットがより楕円形になるように、より大きな速軸直径D1が蛍光体上に生成される。同じ原理によって、
図14に示すように、蛍光体または投射面を遅軸中心で回転する場合、スポット径の比が1に近づき、ビームがより円形になるように、遅軸直径D2を増加させることができる。
【0162】
図15は、高速または遅軸から角度ωで傾けられた投射面または傾斜した蛍光体から距離L離れたレーザダイオードを用いて、速軸または遅軸におけるビーム直径(r1+r2)を算定するために使用することができる幾何形状の簡略された例を概略的に示す図である。幾何形状および最適化シーケンスを実行することによって、最適な蛍光体傾斜角が、比較的円形のビーム形状に対して決定される。例えば、
図16は、遅軸に対して33度の蛍光体傾斜角を仮定した、速軸スポット径D1、遅軸スポット径D2、および、レーザアパーチャからの変化した距離Lに対する速・遅スポット径の比率のプロットである。
図16の計算例は、40度の1/e
2速軸発散、20度の1/e
2遅軸発散、25μmのアパーチャ幅、および1μmのアパーチャ高さを仮定している。この例の図に見られるように、蛍光体のような投射面について、レーザアパーチャと蛍光体を分離する約600μmの距離Lで、ビーム比1が生じる。ここで、ビーム直径D1およびD2は約500μmである。この構成は、Lの大きな範囲および対応するスポットサイズにわたって、なおビーム比1を維持するように最適化される。
【0163】
図17は、本発明による、レーザでより円形の励起スポットを達成するよう設計された傾斜蛍光体を含むCPoS一体型白色光源の透過蛍光体の実施形態を示す概略図である。この実施形態では、従来のフルレーザダイオードチップ含有基板がサブマウント上に搭載されている。レーザ系CPoS白色光装置は、転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層から形成されたレーザダイオード302と最終実装面との間の中間材料として、かつ、蛍光体プレート材料306と最終実装面との間の中間材料として作用するように構成された共通支持部材として機能するサブマウント材料301からなる。レーザダイオードまたはCoSは、Au、Pd、Pt、Ni、Al、チタンまたはその他のものを非限定的に含む金属層の組合せおよび金属蒸着層で形成される電極303および電極304で構成される。ワイヤボンド305は、電極303および電極304からの電力を結合するように構成される。蛍光体プレート306は、レーザダイオード出力の遅軸に対して傾いて、蛍光体上により円形の励起スポットをもたらす。例えば、
図15の計算によれば、蛍光体は約33度の角度である。蛍光体プレートは、棚部307または凹部領域でのサブマウントへ取り付けられる。電極303および電極304は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。電力をレーザダイオード装置へ結合して、レーザダイオードから出力されるレーザビームを生成するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。
【0164】
図18は、本発明による、レーザでより円形の励起スポットを達成するよう設計された傾斜蛍光体を含むCPoS一体型白色光源の透過蛍光体の実施形態を示す概略図である。この実施形態では、転写されたエピタキシ層から形成されたレーザダイオードチップを備えた、非常に小型でコンパクトなサブマウント部材を作製するように、ガリウムおよび窒素含有リフトオフおよび転写技術が活用される。
【0165】
本発明の別の実施形態では、複数の蛍光体が白色発光のために透過モードで動作する。一例では、紫色レーザダイオードは、395nmから425nmの波長を放射し、第1の青色蛍光体および第2の黄色蛍光体を励起するように構成される。この構成では、第1の青色蛍光体プレートを第2の黄色蛍光体プレートに融着または接合することができる。実用的な構成では、レーザビームは、第1の青色蛍光体に直接入射する。ここで、青色発光の一部は第2の黄色蛍光体を励起して、黄色発光を放射し、青色発光と結合して白色光を生成する。さらに、青色蛍光体に吸収されないものが黄色蛍光体に吸収されるので、紫色ポンプは本質的にすべて吸収される。別の実用的な構成では、レーザビームは、第2の黄色蛍光体に直接入射する。ここで、紫色電磁放射の一部が黄色蛍光体に吸収されて黄色発光を励起し、残りの紫色放射が青色蛍光体に移行して青色発光を生成し、黄色発光と青色発光とを組み合わせて白色光を生成する。
【0166】
本発明による複数の蛍光体の透過例の別の実施形態では、425nmから480nmの波長で動作する青色レーザダイオードは、第1の緑色蛍光体および第2の赤色蛍光体を励起するように構成される。この構成では、第1の緑色蛍光体プレートを第2の赤色蛍光体プレートに融着または接合することができる。実用的な構成では、レーザビームは、第1の緑色蛍光体に直接入射する。ここで、緑色発光の一部は第2の赤色蛍光体を励起して、赤色発光を放射し、緑色蛍光体発光および青色レーザダイオード発光が組み合わさり、白色光を生成する。別の実用的な構成では、レーザビームは、第2の赤色蛍光体に直接入射する。ここで、青色電磁放射の一部が赤色蛍光体に吸収されて赤色発光を励起し、残りの青色レーザ放射の一部が緑色蛍光体に移行して緑色発光を生成し、赤色蛍光体発光と青色レーザダイオード発光とを組み合わせて、白色光を生成する。この実施形態の利点または特徴は、赤色、緑色および青色発光からなる白色光から達成され得るより高い色品質である。もちろん、2より多い蛍光体を一体化することを含む本発明の他の変形例があり、赤色、緑色、青色および黄色蛍光体の1つまたは組合せを含むことができる。
【0167】
サイドポンピング蛍光体構成のさらに別の変形例では、「点光源」または「点光源のような」CPoS白色発光装置が達成される。この構成では、蛍光体は、白色光が複数の放射主面から(理想的には三次元蛍光体幾何形状の表面積の全体から)放射されるように、立方体幾何形状または球体幾何形状などの三次元幾何形状を有する。例えば、立方体幾何形状では、立方体の6面すべてまでが白色光を発光することができ、あるいは球体構成では、面全体が発光して完全な点光源を作成できる。本発明のいくつかの実用的な実施では、三次元蛍光体の幾何形状のある表面は、障害物または妨害物のために自由に発光できない場合がある。例えば、この実施形態のいくつかの構成では、蛍光体は、共通支持部材へ取り付けられるが、共通支持部材は完全に透明でない場合がある。この構成では、実装面または支持部材は、実装面または支持部材に対向する蛍光体の側面または部分からの蛍光体発光を妨害することになる。この妨害は、点光源白色発光体の全体的な効率または品質を低下させる。しかしながら、この発光妨害は、非常に効率的な点光源を提供する様々な技術を用いて、最小化または軽減され得る。1つの構成では、光が、蛍光体点光源からあらゆる方向に自由に放射するように、光学的に透明な部材によって蛍光体は支持される。1つの変形例では、蛍光体は、SiC、サファイア、ダイヤモンド、GaN等のような固体材料、または、水や熱伝導性がより高い液体などの液体材料等の光学的に透明な材料によって、完全に包囲または封入される。
【0168】
図19aは、本発明による、点光源を提供するように設計された三次元幾何形状を有する蛍光体を含むCPoS一体型白色光源の点光源レーザポンピング蛍光体の実施形態を示す概略図である。この実施形態では、転写されたエピタキシ層から形成されたレーザダイオードチップを備えた、非常に小型でコンパクトなサブマウント部材を作製するように、ガリウムおよび窒素含有リフトオフおよび転写技術が活用される。蛍光体のすべての側面まで発光することができるが、
図19aに示すようないくつかの実施形態では、発光は、蛍光体が棚部307または凹部領域でのサブマウントに取り付けられる搭載面から、遮られてもよい。電極303および電極304は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。電力をレーザダイオード装置へ結合して、レーザダイオードから出力されるレーザビーム306を生成するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。
【0169】
本発明によるいくつかの実施形態では、周期的な2Dフォトニック結晶構造が、単結晶または多結晶蛍光体材料構造へ適用されることができる。その構造は、所定の方向の放射を抑制し、結晶からの光を、装置設計に適する選択された方向にリダイレクトするために採用される。今日の蛍光体構造は、導波路および臨界角が作用するところを除いて、主にランベルト放射体である。今日、多くの蛍光体は、フォトニック結晶構造(光吸収が低い誘電体(絶縁体)または金属誘電体材料)を作るために必要な基本的な材料要件を満たしている。蛍光体プレート材料にフォトニック結晶構造を加えることにより、光抽出をこれらの材料のその他の方向に対して一方向に強化することができる。これは、励起特性および放射特性を分離することができ、それによって設計の柔軟性をより高めることができる。
【0170】
サイドポンピング蛍光体の実施形態のさらに別の変形例では、蛍光体が側面から励起され、上面から白色光の実質的な部分を放射するように構成される。この構成では、蛍光体は、立方体幾何形状、円筒幾何形状、ファセット幾何形状、六角形幾何形状、三角形幾何形状、ピラミッド幾何形状、または他の多面幾何形状を有する可能性が最も高い。ここで、白色光は主に蛍光体の上面から放射されるように構成されている。この構成では、レーザビームは、第1の波長を有するレーザ励起光の一部が第2の波長に変換される蛍光体の第1の側面から蛍光体に入る。蛍光体のこの第1の側面は、青色または紫色の波長範囲における反射率を低減することを目的としたコーティングまたは処理等の修正された反射率のために、および黄色のような蛍光体発光波長範囲に対する増加した反射率のために構成され得る。サイドポンピング実施形態の一例では、レーザ励起ビームは、ブルースター角で蛍光体の第1の側面に入射する。蛍光体の付加的な側面は、蛍光体内の光が、上面から抜けるまで、蛍光体の内部で反射されるように、レーザ励起波長および蛍光体変換波長の両方に対する増加した反射率のためにコーティング、処理、または成形されてもよい。特殊な蛍光体成形技術または蛍光体コーティング技術を使用して、上面から抜ける光の割合を高めることができる。この構成の第1の強力な利点は、白色光スポットサイズが蛍光体サイズによって制御され、蛍光体における散乱、反射および効率的な吸収の欠如に起因して蛍光体内で起こるスポットサイズ成長を回避することにより、代替の透過または反射モード構成よりも小さなスポットサイズを可能にすることである。超小型のスポットサイズは、指向性用途における最も効率的なコリメーションに理想的である。この構成の第2の利点は、理想的なヒートシンク構成である。ここで、蛍光体部材について、蛍光体の底面全体にて熱的および機械的にヒートシンクへ取り付けることができる反射モード構成と同一である。さらに、レーザダイオード部材は、反射モード構成のように、ビームを上方にセットし斜めの入射を決定づける厚いまたは角度の付いた中間支持部材を必要としないので、ヒートシンクへのより短い熱伝導経路のために、レーザをベース部材のより近くに搭載することができる。主発光は、レーザビームの方向に直交する蛍光体の上面からなので、第3の利点は、蛍光体の破損または損傷の場合には、レーザビームが白色光捕捉の方向を向いていないような、安全のための固有の設計である。この構成では、蛍光体が取り外されまたは損傷した場合、レーザビームはパッケージの側面に入射する。さらに、この構成は、抜けたビームが上部表面での入射ビームの反射から生じ得る反射構成における潜在的な問題を回避する。このサイドポンピング構成では、反射されたビームはパッケージに実質的に封じ込められる。第4の利点は、レーザダイオードまたはSLED装置をベース部材に平坦に搭載できるので、組立工程およびコンポーネントを簡略化できることである。このサイドポンピング構成では、蛍光体の上面からの主発光(一次放射)を促進することが有利であり得る。これは、反射防止膜または粗面化の適用のような上面からの光の抜けを促進する処理、および、金属層や誘電体層のような反射率の高い層の適用のような、側面および底面からの光の抜けを低減する処理によって、達成することができる。
【0171】
図19bは、本発明による、点光源を提供するよう設計された三次元幾何形状を有する蛍光体を含む一体型レーザ‐蛍光体白色光源の別の実施形態におけるサイドポンピング蛍光体を示す概略図である。レーザ系白色光装置は、レーザダイオードチップ302とパッケージ部材の表面のような最終実装面との間の中間材料として作用するように構成された支持部材として機能するサブマウント材料301からなる。サブマウントは、Auなどの金属蒸着層で形成される電極303および電極304で構成される。一例では、Ti/Pt/Auが電極として使用される。この例では、レーザダイオードチップはp側下方で搭載され、ワイヤボンド305はチップのn側からサブマウントへ設けられる。サブマウント上の電極303および電極304へ供給される電力は、レーザダイオードチップへ電流を供給して、レーザダイオードから出力されるレーザビーム306を生成する。レーザビーム出力は、出力レーザファセットの前に位置決められた、およびサブマウントまたは支持部材308上に搭載された蛍光体プレート307を励起する。サブマウント部材308は、レーザダイオードチップ307とパッケージ部材の表面のような最終実装面との間の中間材料として作用する。電極303および電極304は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。パワーをレーザダイオード装置へ結合して、レーザダイオード306からの発光ビームを生成するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。発光ビーム306は、蛍光体307を側面で励起するように構成されている。ここで、白色光または波長変換光は、少なくとも上面から放射される(309)。好ましい実施形態では、上面は、発光を促進する低減された反射率のために構成され、これは、光学コーティング、粗面化、または別の処理により構成されることができる。
【0172】
他の変形例では、支持部材は、一体型白色光源における光を操作するように使用されることができる。一例では、光学的に透明な支持部材は、レーザ光が蛍光体に到達するための導波路として機能することができる。別の例では、光学的に透明な支持部材は、レーザ光を蛍光体部材へ伝達するように構成されることができる。支持部材が光を操作するこの変形例の他の例では、支持部材は、リフレクタ、ミラー、ディフューザ、レンズ、吸収体、または光を操作する他の部材を形成するように成形または構成されることができる。別の変形例では、支持部材は、直接放射レーザ光が、蛍光体へ到達するよう通過する際に、露出しないことを確実にするための保護安全手段として機能することもできる。後続の光学系およびリフレクタが追加されるにつれて、放射アパーチャおよび放射角度の結果(product)が保存されるまたは失われるという事実に起因して、真の無指向性発光を生成するそのような点光源は、点光源が小さくなっていくにつれて有用性を増していく。具体的には、例えば、小型の点光源を小型の光学系またはリフレクタでコリメートすることができる。しかし、同じ小型の光学系またはリフレクタアセンブリを大型の点光源に適用すると、光学的制御およびコリメーションが減少する。
【0173】
CPoS白色光源の別の特定の好ましい実施形態では、本発明は、反射モード蛍光体動作のために構成される。一例では、励起レーザビームは、有用な白色光が放射されるところと同じ主面を介して蛍光体に入る。すなわち、反射モードで動作すると、蛍光体は、入射励起レーザビームを受け取り、かつ有用な白色光を放射するために構成された第1の主面を有することができる。この構成では、蛍光体が、レーザビームを出力するレーザファセットの前に位置決められる。ここで、レーザと蛍光体の両方が支持部材に設けられる。一例では、蛍光体は、CeがドープされたYAGからなり、黄色発光を放射する。蛍光体は、セラミック蛍光体であってもよく、単結晶蛍光体であってもよい。蛍光体は、正方形、長方形、多角形、円形、または楕円形などの形状を有するプレートまたはシートのような実質的に平坦な部材として成形され、厚さによって特徴付けられることが好ましい。好ましい実施形態では、蛍光体の広い表面積の長さ、幅、および/または直径の寸法は、蛍光体の厚さよりも大きい。例えば、直径、長さ、および/または幅の寸法は、厚さより2倍大きく、厚さより5倍大きく、厚さより10倍大きく、または厚さより50倍大きい。具体的には、蛍光体プレートは、50μmより大きい、100μmより大きい、200μmより大きい、500μmより大きい、1mmより大きい、または10mmより大きい直径と、500μm未満、200μm未満、100μm未満または50μm未満である厚さとを有する円形のものに構成されてもよい。反射モード蛍光体の重要な利点は、蛍光体の表面の裏側は、共通支持部材または中間サブマウント部材に対して直接的に熱を沈められ得るので、優れた熱放散のためにそれを構成できる能力である。蛍光体は好ましくは薄いため、熱経路が短く、支持部材へ素早く伝わることができる。別のまたは同じ実施形態では、YAG:CEは、緑色発光を放射するように構成されることができる。さらに別のまたは同じ実施形態では、赤色発光を放射するようにYAGはEuをドープされる。別の実施形態では、赤色発光、緑色発光、黄色発光または青色発光のための結晶ホスト材料として窒化ケイ素またはアルミニウムオキシ窒化物を使用することができる。
【0174】
本発明の反射モードCPoS白色光源の実施形態の一例では、蛍光体の主面から抜け出る光の総量を最大限にすることによって効率を改善するように、光学コーティング、材料選択、または特殊な設計考慮事項がなされる。一例では、蛍光体の後面は、反射層で被覆されていてもよく、あるいは、放射主面に隣接する蛍光体の後面に反射材料が位置決められてもよい。反射層、コーティング、または材料は、光がバウンドして有用な光が捕捉される主面を介して抜け出るように、蛍光体の後面に当たる光を反射するのに役立つ。一例では、蛍光体を共通支持部材へ取り付ける前に、黄色光および青色光に対する反射率を高めるように構成されたコーティングが、蛍光体に適用される。このようなコーティングは、良好な熱伝導率および良好な反射率を提供する、銀やアルミニウムなどの金属層または金などの他の金属層からなり得、あるいは、単一層、多層、またはDBRスタックとして構成された誘電体層からなり得るが、他のものであってもよい。別の例では、反射材料が、蛍光体を支持部材へまたは中間サブマウント部材へ取り付ける結合剤として使用される。反射材料の例には、AuSn、SnAgC (SAC)のような反射はんだ、または鉛含有蛍光体、または反射性接着剤が含まれるが、他のものであってもよい。蛍光体を共通支持部材へ取り付けることに関して、熱インピーダンスが重要な考慮事項である。この取り付けジョイントの熱インピーダンスは、十分な反射率とともに最も低い熱インピーダンスを目指して、最適な取り付け材料、界面幾何形状および取り付けプロセス手段を使用して、最小限に抑えられるべきである。例として、AuSnはんだ、SACはんだ、鉛含有はんだ、インジウム、およびその他のはんだが含まれる。別のアプローチでは、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシ、熱粘着剤および他の材料から形成することもできる。あるいは、ジョイントは、Au-Au接合のような金属-金属接合から形成することができる。レーザおよび蛍光体材料を伴う共通支持部材は、レーザ装置からヒートシンクへの熱経路を特徴付ける、放散パワーのワット当たり摂氏10度未満またはワット当たり摂氏5度未満の熱インピーダンスを提供するように構成される。支持部材は、銅、アルミニウム、SiC、サファイア、AlNまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。反射モード白色光源装置は、長さ、幅および高さによって特徴付けられる形状因子を有する。一例では、高さは、25mm未満および0.5mm超の寸法によって特徴付けられるが、変動があってもよい。別の例では、高さは、12.5mm未満および0.5mm超の寸法によって特徴付けられるが、変動があってもよい。さらに別の例では、長さおよび幅は、30mm未満、15mm未満または5mm未満の寸法によって特徴付けられるが、変動があってもよい。
【0175】
本発明の反射モードCPoS白色光源の実施形態は、共通支持部材に取り付けられた蛍光体部材を用いて構成され、共通支持部材は、レーザ励起光を受け取り、蛍光体を励起するように機能するレーザダイオード出力ビームの軸に対して非直角(約0度~約89度)で、または、直角(約90度)で位置決められた有用な白色光を放射するように構成された大型主面(large primary surface)を有する。すなわち、レーザ出力ビームは、0度と90度との間の角度で蛍光体の放射面へ向いており、ここで、90度(直交)は直角入射と考えられる。有用な白色光が蛍光体から外界へ向かって抜け出る方向とは反対方向にまたは離れて、レーザビームを向けるこの構成の固有の幾何形状は、安全のために理想的である。この幾何形状の結果として、動作中にまたは改造により蛍光体が損傷または取り外されたとしても、レーザビームは、それが有害になり得る外界へ向けられない。代わりに、レーザビームは、蛍光体が取り付けられた支持面(backing surface)に入射する。この支持面の適切な設計により、レーザビームは、白色光源を抜け出て周囲環境へ入る代わりに、散乱する、吸収される、または外界から遠ざけられることができる。
【0176】
この反射モードCPoS白色光源の一実施形態では、レーザビームは、蛍光体放射主面に直角に設定される。この構成では、レーザダイオードは、蛍光体から放射される有用な白色光を妨害し得るところである蛍光体の放射主面の前に位置決められる。これは、白色光装置の損失または非効率を生じさせ、蛍光体から放射されるすべての白色光を効率的に捕捉することを困難にする。このような光学系およびリフレクタには、非球面レンズまたはパラボラリフレクタが含まれるが、これらに限定されない。直角入射反射モードの蛍光体励起の課題を克服するために、好ましい実施形態では、レーザビームは、0度および89度の間の角度で、または「グレージング」角度で蛍光体表面に当たるように、蛍光体に対してオフアクシスの入射角で設定される。この好ましい実施形態では、レーザダイオード装置は、蛍光体の前の代わりに、放射された白色光を実質的に遮断または妨害しないところである蛍光体に隣接してまたは蛍光体の側面に位置決められ、重要なことに、コリメートレンズまたはリフレクタ等の光学系が有用な光にアクセスしてそれを用途に投射することが可能になる。さらに、この構成では、蛍光体の損傷または除去の場合にある角度で入射する際、入射レーザビームは、蛍光体が取り付けられた支持部材の後面から直接反射することはないので、ビルトイン安全機構(built in safety feature)は直角入射構成よりも最適である。オフ角またはグレージング角で表面に当たることによって、潜在的に反射されたビームコンポーネントのいずれをも、装置内に留め、人間、動物、および環境に対して危険となり得る外部環境に出ないように、向けることができる。
【0177】
いくつかの構成では、レーザ励起ビームが入射する蛍光体の上部主面は、青色または紫色励起ビーム波長および/または黄色波長等の蛍光体発光波長に対する低減された反射率のために構成される。低減された反射率は、誘電体層を用いる蛍光体の光学コーティング、蛍光体表面の成形、および/または蛍光体表面の粗面化、または他の技術によって達成することができる。いくつかの例では、レーザビームの入射角はブルースター角で、またはその付近で設定される。ここで、特定の偏光を有する光は、蛍光体の主面を介して完全に伝達される。ビーム内の平面波に対する入射角に変化をもたらすレーザの発散に起因して、完全な伝達は困難であるかもしれないが、理想的には、蛍光体に入射する光の実質的な部分は、ブルースター角で、またはその付近であり得る。例えば、YAGまたはLuAG蛍光体は、紫色および青色波長範囲において約1.8の屈折率を有していてもよい。ブルースター角にて、n1が空気のインデックスであり、n2が蛍光体のインデックスである場合、逆タンジェント(n2/n1)として与えられるθBは、直角入射の軸から約61度(または約55~65度)ズレている。代わりに、蛍光体表面に平行な軸から約29度(または約25~35度)回転させてもよい。
【0178】
図20は、本発明による、一体型レーザ-蛍光体白色光源のオフアクシス反射モードの実施形態を示す概略図である。この実施形態では、転写されたエピタキシ層から形成されたレーザダイオードチップを備えた、非常に小型でコンパクトなサブマウント部材を作製するように、ガリウムおよび窒素含有リフトオフおよび転写技術が活用される。さらに、この例では、蛍光体は角度ω1でレーザビームの速軸に対して傾いている。レーザ系白色光装置は、転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層403に形成されたレーザダイオードCoS402に対する支持部材として機能する支持部材401からなる。蛍光体材料406は、支持部材408に搭載されている。ここで、支持部材401および支持部材408は、共通支持部材(例えば、表面実装パッケージ等のパッケージ部材の表面)へ取り付けられる。レーザダイオードまたはCoSは、Au、Pd、Pt、Ni、Al、Agチタンまたはその他のもの(例えば酸化インジウムスズ等の透明導電性酸化物)を非限定的に含む金属層の組合せおよび金属蒸着層で形成される電極404および電極405で構成される。レーザビーム出力は、出力レーザファセットの前に位置決められた蛍光体材料406を励起する。電極404および電極405は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。電力をレーザダイオード装置へ結合して、レーザダイオードから出力され、蛍光体406に入射するレーザビーム407を生成するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。
【0179】
典型的な端面発光ダイオードレーザ出力ビームの固有の発散特性は、それが自由/非導空間を伝搬する際に、x方向(遅い発散軸)とy方向(速い発散軸)の両方でのビームの広がりをもたらす。問題を複雑にするのは、レーザダイオードにおける導波路封じ込め特性に起因する速軸および遅軸でのビームの異なる発散レートである。例えば、典型的な半値全幅(FWHM)ビームの発散は、遅軸にて約5~20度、速軸にて10~40度の範囲であるが、他の範囲も可能性である。レーザビームの発散の別の尺度は、パワーが1/e
2レベルまで落ちる出力ビームにおけるポイントで取られる発散角である。この1/e
2尺度について、典型的なビームの発散は、遅軸にて約10~30度、速軸にて20~80度の範囲であるが、その他の範囲も可能である。したがって、速軸対遅軸の発散角の比は、約2:1から約4:1までの範囲である。自由空間/非導レーザビームから得られる投射されたスポットは、楕円形であり、典型的には速軸直径が遅軸直径よりも大きい。速軸方向におけるオフアクシス入射に対して構成されたレーザビームについて、
図13に示すように、その角度が速軸直径D1を増加させるので、ビームの楕円性が悪化する。
【0180】
本発明の一実施形態では、ビーム発散およびオフアクシスレーザビーム励起入射からのビームの楕円性は、コリメート光学系等のビーム成形光学系を使用して軽減している。この光学系は、レーザダイオードおよび蛍光体の間に位置決められ、蛍光体に入射する前にレーザ出力ビームを成形および/またはコリメートする。出力レーザビームの前に自由空間光学系を設置することにより、ビーム形状は、円形ビームプロファイルを提供するように成形され、蛍光体が、大きなトレランスを有するファセットの前にある距離で位置決められ、比較的一定のスポットサイズを維持することができるように、コリメートされる。一例では、レーザビームをコリメートおよび/または成形するために非球面レンズが使用される。別の実施形態では、レーザビームは、速軸コリメート(FAC)レンズおよび/または遅軸コリメート(SAC)レンズを使用してコリメートされる。別の実施形態では、光ビームの成形、コリメート、方向付け、フィルタリングまたは操作のために、他の光学系を様々な組み合わせで含めることができる。このような光学系の例には、ボールレンズ、非球面コリメータ、ダイクロイックミラー、反射鏡、光アイソレータが含まれるが、これらに限定されず、その他のものであってもよい。
【0181】
図21は、本発明によるCPoS一体型白色光源のオフアクシス反射モードの実施形態を示す概略図である。この実施形態では、転写されたエピタキシ層から形成されたレーザダイオードチップを備えた、非常に小型でコンパクトなサブマウント部材を作製するように、ガリウムおよび窒素含有リフトオフおよび転写技術が活用される。さらに、この例では、蛍光体は角度ω1でレーザビームの速軸に対して傾いている。レーザ系CPoS白色光装置は、(転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層403に形成された)レーザダイオードまたはレーザダイオードCoS402と、最終実装面との間の中間材料として、かつ、蛍光体プレート材料406と最終実装面との間の中間材料として作用するように構成された共通支持部材として機能する共通支持部材401からなる。レーザダイオードまたはCoSは、Au、Pd、Pt、Ni、Al、チタンまたはその他のものを非限定的に含む金属層の組合せおよび金属蒸着層で形成される電極404および電極405で構成される。レーザビームは、蛍光体プレート406に入射する前に、ビーム成形および/またはコリメートのために非球面レンズ407を通過する。蛍光体プレートは、表面408での共通支持部材へ取り付けられる。電極404および電極405は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。電力をレーザダイオード装置へ結合して、レーザダイオードから出力され、蛍光体406に入射するレーザビーム407を生成するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。
【0182】
別の好適なオフアクシス反射モードの実施形態では、傾斜した蛍光体励起面に対してレーザビームを回転させることによって、ビーム成形を達成することができる。ビーム放射の軸を中心にレーザを回転させることによって、蛍光体の傾斜は、速軸ビーム直径を増加することから遅軸ビーム直径を増加することへとシフトすることになり、したがって、より遅い発散遅軸のビーム軸直径について補正し、より円形のビームにすることができる。「光学系レス」ビーム成形の、この二軸傾斜または回転(dual-axis tilting or rotation)の実施形態は、ビーム成形およびコリメーションのために光学素子が導入される実施形態よりも有利である。白色光源装置についてのこの実施形態の利点は、簡易設計、より低コストの材料費、より低コストの組立工程、および潜在的によりコンパクトな白色光源を含む。一実施形態では、レーザから蛍光体への入射角は、蛍光体での所望のビーム形状を達成するように最適化される。
【0183】
いくつかの構成では、レーザ励起ビームが入射する蛍光体の上部主面は、青色または紫色励起ビーム波長および/または黄色波長等の蛍光体発光波長に対する低減された反射率のために構成される。低減された反射率は、誘電体層を用いる蛍光体の光学コーティング、蛍光体表面の成形、および蛍光体表面の粗面化、または他の技術によって達成することができる。いくつかの例では、レーザビームの入射角はブルースター角で、またはその付近で設定される。ここで、特定の偏光を有する光は、蛍光体の主面を介して完全に伝達される。ビーム内の平面波に対する入射角に変化をもたらすレーザの発散に起因して、完全な伝達は困難であるかもしれないが、理想的には、蛍光体に入射する光の実質的な部分は、ブルースター角で、またはその付近であり得る。例えば、YAGまたはLuAG蛍光体は、紫色および青色波長範囲において約1.8の屈折率を有していてもよい。ブルースター角にて、n1が空気のインデックスであり、n2が蛍光体のインデックスである場合、逆タンジェント(n2/n1)として与えられるθBは、直角入射の軸から約61度(または約55~65度)ズレている。代わりに、蛍光体表面に平行な軸から約29度(または約25~35度)回転させてもよい。
【0184】
図11の例について説明したように、蛍光体をレーザアパーチャから約70μm離して位置づけることによって、約50μmの直径を有する相対的に均一なビームを実現することができる。蛍光体からのレーザの距離を制御することに加えて、レーザビームの入射角を用いて、蛍光体に入射するビームの形状を制御することもできる。一例として、
図13は、蛍光体または投射面が速軸に対して傾けられたときのスポットサイズでの影響を示す。この軸に沿って傾斜することにより、ビームスポットがより楕円形になるように、より大きな速軸直径D1が蛍光体上に生成される。同じ原理によって、
図14に示すように、蛍光体または投射面を遅軸中心で回転する場合、スポット径の比が1に近づき、ビームがより円形になるように、遅軸直径D2を増加させることができる。
【0185】
速軸に対する所定の蛍光体傾斜(ω1)に対して、レーザビームスポット(ω2)の回転を最適化することにより、蛍光体でのより円形のビーム形状を実現することができる。例として、
図22は、速軸に対して45度の蛍光体傾斜角(ω
1)と、遅軸に対してビームを傾ける22度のレーザ回転(ω
2)とを仮定した、速軸スポット径D1、遅軸スポット径D2、および、レーザアパーチャからの変化した距離Lに対する速・遅スポット径の比率のプロットである。
図22の計算例は、40度の1/e
2速軸発散、20度の1/e
2遅軸発散、25μmのアパーチャ幅、および1μmのアパーチャ高さを仮定している。この例の図に見られるように、蛍光体などの投射面について、ビーム比は約200μmの距離Lで急速に1に近づき、約800μmの距離Lで1に収束する。したがって、この例では、200μm以上の距離Lに対して、約1の直径比を有するビームを達成することができ、200μm以上の直径を有する所望のスポットサイズを達成することができる。
【0186】
図23aは、本発明による、レーザ回転を伴うCPoS一体型白色光源のオフアクシス反射モードの実施形態を示す概略図である。この実施形態では、転写されたエピタキシ層から形成されたレーザダイオードチップを備えた、非常に小型でコンパクトなサブマウント部材を作製するように、ガリウムおよび窒素含有リフトオフおよび転写技術が活用される。この例では、蛍光体は角度ω1でレーザビームの速軸に対して傾き、レーザは遅軸に対して角度ω1で回転する。レーザ系CPoS白色光装置は、(転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層403に形成された)レーザダイオードまたはレーザダイオードCoS402と、最終実装面との間の中間材料として、かつ、蛍光体プレート材料406と最終実装面との間の中間材料として作用するように構成された共通支持部材として機能する共通支持部材401からなる。レーザダイオードまたはCoSは、Au、Pd、Pt、Ni、Al、チタンまたはその他のものを非限定的に含む金属層の組合せおよび金属蒸着層で形成される電極404および電極405で構成される。レーザビーム出力は、出力レーザファセットの前に位置決められた蛍光体プレート406を励起する。蛍光体プレートは、表面408での共通支持部材へ取り付けられる。電極404および電極405は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。電力をレーザダイオード装置へ結合して、レーザダイオードから出力され、蛍光体406に入射するレーザビーム407を生成するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。
【0187】
本発明によるいくつかの実施形態では、複数のレーザダイオード源は、同じ蛍光体または蛍光体ネットワークが励起されるように構成される。複数のレーザ源を組み合わせることは、本発明によれば多くの潜在的利益をもたらすことができる。第1に、ビーム結合によって励起パワーを増加させることができ、より強力な励起スピットexcitation spit)を提供し、したがって、より明るい光源を生成する。いくつかの実施形態では、別々の個々のレーザチップが、レーザ蛍光体光源内に設けられる。1W、2W、3W、4W、5W以上のパワーをそれぞれ放射する複数のレーザを含むことにより、励起パワーを増加させることができ、したがって源輝度(source brightness)が高められる。例えば、同じ蛍光体領域を励起する2つの3Wレーザを含むことによって、励起パワーを6W(白色光の輝度の2倍)まで増加させることができる。レーザ励起パワー1ワット当たり白色光約200ルーメンが生成される例では、白色光出力は600ルーメンから1200ルーメンに増加する。例えば、いくつかの実施形態では、3~4Wの出力パワーで動作する単一のレーザダイオードは、少なくとも500ルーメンの白色光源を可能にする。第2の3~4Wレーザダイオードを追加することによって、光出力を少なくとも1000ルーメンの白色光源まで増加させることができ、または第2、第3および第4の3~4Wレーザダイオードを追加することによって、白色光源の光出力を少なくとも2000ルーメンまで増加させることができる。同様に、より低い駆動条件で複数の光源を使用して、より過酷な条件(より高い電流および電圧など)で駆動される単一光源と同じ励起パワーを達成することにより、光源の信頼性を高めることができる。
【0188】
蛍光体に入射する2つ以上のレーザダイオード励起ビームを有することの第2の利点は、より望ましいスポット幾何形状(例えばより円形のスポット)を得るスポット成形にある。一例では、別個の個々のレーザチップまたはCoS装置は、ビームが互いに対して回転され、第1のビームの速軸が、第2のビームの速軸まで回転されるように(例えば約90度回転されるように)、光源内に構成される。すなわち、複数のレーザチップを所定の構成に位置決めることにより、複数の励起ビームが蛍光体スポット上に重ね合わされ、より理想的なスポット幾何形状を作成することができる。
【0189】
第3の重要な利点は、放射装置における複数のカラーレーザが、可視スペクトルの紫/青およびシアン領域におけるスペクトル充填を改善することによって、色品質(CRIおよびCQS)を大幅に改善できることである。例えば、わずかに離調した波長を有する2つ以上の青色励起レーザ(例えば、5nm、10nm、15nmなど)が含められ、黄色蛍光体を励起してより大きな青色スペクトルを生成することができる。約20~30nmのFWHMの青色発光を有するLED系白色源と比較して、青色レーザ源は1または2nmのFWHMを有するのみであってもよい。同様のカラーターゲットレーザ系白色(color targeted laser based white)は、単一レーザのこの狭い放射に起因して、CRIにおいて約5-10pts欠損する。第1とは異なる発光波長の第2、第3、第nのレーザを加えることにより、パワースペクトルのこれらの空き領域を充填することができ、改善された色品質を得ることができる。
【0190】
エミッタの波長の選択は、達成されるべき所望の最終的なスペクトルおよび色品質によって決定される。紫色光は、可視の色品質に寄与しないが、私たちの周りの世界の材料を蛍光発光する能力を有し、それによって、それらを、近UV刺激下でそれらの環境に対してわずかに輝くようにする。この付加色(additive color)の利点は、近UV(400~430nm)レーザの単純な追加によって、レーザプラス蛍光体装置に組み込みこまれ、装置によって放射される最終的な光スペクトルにおいて十分な紫色光を提供することができる。
【0191】
色品質を向上させることの他に、スペクトル成分をより狭いスペクトル成分に置き換えることは、パワースペクトルの全体発光効率(overall Luminous efficacy)の改善と、装置に関する電力効率の向上をもたらす。この一例は、大きなFWHM(80~100nm)を有する緑色または黄色蛍光体を、より低いFWHM(LEDでは~20nm、レーザでは~1nm)を備える適切なLEDまたはレーザ装置と置き換えることである。赤色蛍光体(90nm FWHM)を置き換えるAlInGaP赤色LED(20nm FWHM)の使用において、この改善の現実世界の例を今日見ることができる。発光効率の改善に起因して、赤色LED系スペクトルについて、比較可能な赤色蛍光体スペクトルよりも、装置全体の性能がはるかに高い。
【0192】
本発明によるいくつかの実施形態では、レーザ系一体型白色光源は、CRIが70超、80超または90超の高CRI白色光源として構成されている。これらの実施形態では、複数の蛍光体が、ミックスパワー蛍光体組成物(mixed power phosphor composition)または複数の蛍光体プレート構成またはその他の形態で使用される。このような蛍光体の例には、YAG、LuAG、赤色窒化物、アルミン酸塩、酸窒化物、CaMgSi2O6:Eu2+、BAM:Eu2+、AlN:Eu2+、(Sr、Ca)3MgSi2O8:Eu2+およびJEMが非限定的に含まれる。
【0193】
一体型レーザ系白色光源の高CRI実施形態のいくつかの構成では、430nm~470nmの波長範囲で動作する青色レーザダイオード励起源を使用して、
・黄色蛍光体+赤色蛍光体、または
・緑色蛍光体+赤色蛍光体、または
・シアン蛍光体+オレンジ色蛍光体、または
・シアン蛍光体+オレンジ色蛍光体+赤色蛍光体、または
・シアン蛍光体+黄色蛍光体+赤色蛍光体、または
・シアン蛍光体+緑色蛍光体+赤色蛍光体を励起する。
【0194】
一体型レーザ系白色光源の高CRI実施形態のいくつかの別の構成では、390nm~430nmの波長範囲で動作する紫色レーザダイオード励起源を使用して、
・青色蛍光体+黄色蛍光体+赤色蛍光体、または
・青色蛍光体+緑色蛍光体+赤色蛍光体、または
・青色蛍光体+シアン蛍光体+オレンジ色蛍光体、または
・青色蛍光体+シアン蛍光体+オレンジ色蛍光体+赤色蛍光体、または
・青色蛍光体+シアン蛍光体+黄色蛍光体+赤色蛍光体、または
・青色蛍光体+シアン蛍光体+緑色蛍光体+赤色蛍光体を励起する。
【0195】
図23bは、本発明による一体型レーザ-蛍光体白色光源の実施形態の2つのレーザダイオード装置を伴うオフアクシス反射モード蛍光体を示す概略図である。この実施形態では、転写されたエピタキシ層から形成されたレーザダイオードチップを備えた、非常に小型でコンパクトなサブマウント部材を作製するように、ガリウムおよび窒素含有リフトオフおよび転写技術が活用される。さらに、この例では、蛍光体は角度ω1でレーザビームの速軸に対して傾いている。レーザ系白色光源は、転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層403に形成された2つのレーザダイオード402に対する支持部材として機能する支持部材401を含む2つ以上のレーザダイオードからなる。蛍光体材料406は、支持部材408に搭載されている。ここで、支持部材401および支持部材408は、共通支持部材(例えば、表面実装パッケージ等のパッケージ部材の表面)へ取り付けられる。レーザダイオードまたはCoS装置は、Au、Pd、Pt、Ni、Al、Agチタンまたはその他のもの(例えば酸化インジウムスズ等の透明導電性酸化物)を非限定的に含む金属層の組合せおよび金属蒸着層で形成される電極404および電極405で構成される。複数のレーザビーム出力407は、出力レーザファセットの前に位置決められた蛍光体材料406を励起する。
図23bによる好ましい実施形態では、レーザダイオード励起ビーム407は、第1のビームの速軸が第2のビームの遅軸と整列し(aligned)、より円形の励起スポットを形成するように、互いに対して回転される。電極404および電極405は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。電力をレーザダイオード装置へ結合して、蛍光体406に入射する複数のレーザビーム407を生成するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。
【0196】
本発明による複数のレーザの実施形態の別の例では、2つ以上のレーザストライプが単一のレーザチップまたはサブマウント上に形成され、マルチストライプまたはマルチレーザ構成を形成する。この例は、複数の個々のレーザに対して前述したのと同じ利点すべてを提供することができるが、わずかに異なる方法においてスポット幾何形状を改善することができる。互いに隣接する複数のレーザストライプを所定の寸法だけ離れた水平または遅軸方向に位置決めることによって、複数のレーザストライプから放射されるレーザビームからの蛍光体で生じた励起スポットは、単一エミッタから生じる楕円励起スポットより、実質的により円形となる。すなわち、隣接するレーザストライプからのレーザビームは、励起スポット幅が遅軸方向に増加するような設計に応じて、水平方向に重なり合う。典型的な構成では、レーザ励起ビームは、スポットを水平方向に拡大することによって、垂直または速軸発散方向においてはるかに大きくなるので、ビームはより円形になる。この構成の一実施形態では、複数の隣接するレーザストライプ、マルチストライプレーザを有するレーザダイオードが、一体型白色光源に含まれる。複数のストライプは、より明るい光源のための増加した励起パワー、および/または、蛍光体での改善または修正されたスポットパターンを可能とする。
【0197】
図23cは、本発明による一体型レーザ-蛍光体白色光源の実施形態のデュアルストライプレーザダイオードを伴うオフアクシス反射モード蛍光体を示す概略図である。この実施形態では、転写されたエピタキシ層から形成されたレーザダイオードチップを備えた、非常に小型でコンパクトなサブマウント部材を作製するように、ガリウムおよび窒素含有リフトオフおよび転写技術が活用される。もちろん、サブマウント上の従来のレーザダイオード装置またはレーザなどの他の実施形態も存在し得る。さらに、この例では、蛍光体は角度ω1でレーザビームの速軸に対して傾いている。レーザ系白色光装置は、マルチストライプまたはデュアルストライプ403レーザダイオード構造を形成し、転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層に形成されたレーザダイオードCoS402に対する支持部材として機能する支持部材401からなる。蛍光体材料406は、支持部材408に搭載されている。ここで、支持部材401および支持部材408は、共通支持部材(例えば、表面実装パッケージ等のパッケージ部材の表面)へ取り付けられる。マルチストライプレーザダイオードまたはCoSは、Au、Pd、Pt、Ni、Al、Agチタンまたはその他のもの(例えば酸化インジウムスズ等の透明導電性酸化物)を非限定的に含む金属層の組合せおよび金属蒸着層で形成される電極404および電極405で構成される。デュアルストライプレーザダイオードは、横方向または遅軸方向に所定距離だけ離間された少なくとも2つのレーザビームを放射し、これにより、励起スポットの幅を増大させ、それをより円形にするように機能する。デュアルビーム出力放射407は、出力レーザファセットの前に位置決められた蛍光体材料406を励起する。電極404および電極405は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。ワイヤボンドは、蛍光体406に入射する、レーザダイオードからの複数の隣接するレーザビーム407出力上に形成され得る。もちろんこれは構成の一例にすぎず、この実施形態に関して、3つ以上の放射ビームのための3つ以上のレーザストライプ等の2つより多い放射ビームを非限定的に含む多くの変形例が存在し得る。
【0198】
もちろん、
図21および
図23aに示される反射モード実施形態の構成は、単なる例示であり、広範囲の他の配置、幾何形状および設計が存在する。このデュアル回転オフアクシスレーザビーム入射構成の別の実施形態における特定の例では、
図23aに示すように、レーザダイオードを回転させる代わりに、蛍光体をレーザダイオードの遅軸に対して傾けることができる。この別の実施形態の1つの利点は、共通支持部材の幾何形状の簡素化であり、より容易な製造を可能とする。しかし、この別の実施形態の欠点は、蛍光体がもはや水平ベースに平行でないことにより、有用な白色光を集め、しコリメートすることが困難になることである。
図25、26および28の例では、蛍光体を水平方向に保持し、レーザを回転/傾けて、所望のレーザ入射構成を達成できた。しかしながら、これは一例に過ぎず、他の配置では、蛍光体は水平軸に対して傾けられてもよい。
【0199】
レーザダイオードをその放射軸中心に回転させる本発明の
図23aの例に関する考慮事項は、放射されるレーザビームの偏光である。蛍光体とレーザが一緒にまとめてパッケージされるので、蛍光体での環境的保護ウィンドウの必要性がなくなる。これは、ウィンドウの反射損失がなくなるため、設計の高効率化という特徴をもたらす。具体的には、上述した偏光を有する高度に偏光されたレーザダイオードを利用することにより、これは、蛍光体へのs偏光の入射光であるので、実質的損失(すなわち30%超)がなくなる。まとめてパッケージ(co-packaging)することで、このウィンドウを回避し、30%超の損失を回避する。レーザと蛍光体がまとめてパッケージされない設計では、蛍光体でのウィンドウが必要とされ、ウィンドウに入射するレーザ光は約30%以上の実質的反射を経験することになるだろう。このウィンドウに反射防止コーティングを施すことは可能かもしれないが、レーザ光がコリメートされないことがあるので、レーザ光が様々な放射角度でウィンドウに入射するために、高価で複雑な反射コーティング設計が必要であろう。
【0200】
他の変形例では、支持部材は、一体型白色光源における光を操作するように使用されることができる。一例では、光学的に透明な支持部材は、レーザ光が蛍光体に到達するための導波路として機能することができる。別の例では、光学的に透明な支持部材は、レーザ光を蛍光体部材へ伝達するように構成されることができる。支持部材が光を操作するこの変形例の他の例では、支持部材は、リフレクタ、ミラー、ディフューザ、レンズ、吸収体、または光を操作する他の部材を形成するように成形または構成されることができる。別の変形例では、支持部材は、直接放射レーザ光が、蛍光体へ到達するよう進む際に、露出しないことを確実にするための保護安全手段として機能することもできる。後続の光学系およびリフレクタが追加されるにつれて、放射アパーチャおよび放射角度の結果(product)が保存されるまたは失われるという事実に起因して、真の無指向性発光を生成するそのような点光源は、点光源が小さくなっていくにつれて有用性を増していく。具体的には、例えば、小型の点光源を小型の光学系またはリフレクタでコリメートすることができる。しかし、同じ小型の光学系またはリフレクタアセンブリを大型の点光源に適用すると、光学的制御およびコリメーションが減少する。
【0201】
CPoS白色光源の全ての実施形態において、最終的なパッケージングを考慮する必要がある。形状因子、コスト、機能性、熱インピーダンス、シーリング特性、および用途との基本的互換性など、パッケージには考慮すべき多くの側面がある。形状因子は用途に依存するが、一般に、最小サイズのパッケージ化された白色源を作ることが望ましいであろう。すべての用途でコストを最小限にすべきであるが、用途によってはコストが最も重要な考慮事項になるそのような場合には、大量生産された市販のパッケージを使用することが望ましいこともある。機能性選択には、用途のために抜け出る光放射の方向および特性、また、フォトディテクタ、サーミスタや、他のエレクトロニクスまたはオプトエレクトロニクスなどの機構の一体化が含まれる。最高の性能と耐用年数のために、特に高出力用途においては、パッケージの熱インピーダンスを最小限に抑えるべきである。
【0202】
パッケージは、シーリング構成によって特徴付けられる。シーリング構成の一例は、白色光源が周囲条件にさらされる開放環境を含む。開放環境動作のために意図された堅牢なレーザダイオードおよび蛍光体設計を有するいくつかの実施形態では、この実施形態は好ましい。一例として、レーザダイオードチップは、レーザダイオードの酸化、化学反応または汚染を防止するために保護層に封入されてもよい。いくつかの実施形態では、レーザは、実質的アルミニウムフリー非極性または半極性設計から形成される。ここで、レーザダイオードファセット領域は、酸化および劣化の傾向が少ない。同様に、蛍光体も、蛍光体の酸化、化学反応または汚染を防ぐために、保護層内に封入することができる。
【0203】
別の実施形態では、一体型白色光源用「フラッシュ」パッケージを使用することができる。例えば、このパッケージを使用して、レーザ系白色光源をカメラフラッシュ用途へ適合することができる。今日のLED用の標準パッケージフォーマットの1つは、フラットセラミックパッケージ(「フラッシュ」パッケージと呼ばれることもある)の使用を採用し、これらのプラットフォーム上に構築された装置は、カメラフラッシュおよび携帯電話用途で主に使用されている。典型的なフラッシュパッケージは、LEDおよびESD装置用の取り付けパッドを備えたフラットセラミック基板(アルミナまたはAlN)と、装置に電力を供給するように外部電気接続をクリッピングまたははんだ付けするための場所を提供するリードとからなる。蛍光体は、モールディングまたは他のシリコン含有ディスペンシング用途によってLEDダイの近くに収容される。この層は次に、典型的には、光抽出を改善するように、クリアシリコンレンズでオーバーモールドされる。このフォーマットにおけるパッケージの主な利点は、非常に小さい全体パッケージ寸法(~3mmx~5mm)、妥当な光出力性能(数百ルーメン)、小さな光源サイズおよび全体的に低コストのLED装置である。このパッケージスタイルは、レーザプラス蛍光体設計スタイル(封止工程およびレンズ工程を潜在的に省くことができ、優れたスポットサイズおよび輝度を伴うLED代替を提供する)を採用することによって達成することもできる。レーザおよび蛍光体サブコンポーネントを収容するために保護カバーが仮に必要ならば、中空ガラスドームを使用して保護を提供することができる。
【0204】
図24は、本発明によるパッケージ型CPoS白色光源の一例の概略図である。この例では、伝送モード(transmission mode)の白色光源がTO缶型パッケージに設けられている。TO缶は、突出した台座部材502を備えるベース部材501を有する。ここで、台座部材は、台座部から、ベースへ熱を伝える(熱はその後ヒートシンクへ伝わる)ように構成されている。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、またはスチールなどの金属またはその他からなることができる。本発明による透過白色光源503は、台座502に搭載されている。台座部への搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。レーザダイオードのp電極およびn電極からの電気的接続は、ワイヤボンド504およびワイヤボンド505を用いてなされる。ワイヤボンドは、電極を、TO缶ベースの後面の外部ピン508および外部ピン509に電気的に接続された電気フィードスルー506および電気フィードスルー507へ接続する。ピンは、次いで、電源に電気的に結合されて、白色光源に電力を供給し、白色発光を生成する。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。もちろん、
図24の例は単なる例示であり、パッケージされたCPoS白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。具体的には、缶型パッケージはレーザダイオード用に広く普及しており、市販品を入手可能であるため、それらは、低コストかつ適合性の高いソリューションの1つの選択肢になり得る。
【0205】
図25は、
図24に示す缶型パッケージに設けられたCPoS白色光源の概略図であるが、白色光源を囲むシールを形成する追加のキャップ部材を伴っている。
図25に見られるように、TO缶型パッケージ501は、ベースへ搭載されたキャップ502を有する。キャップは、ベースへ、はんだ付け、ろう付け、溶接または接着することができる。キャップ部材は、放射された白色光が外部環境へ移行することができるように構成された透明なウィンドウ領域503を有しており、それは用途において利用することができる。シールタイプは、環境シールまたはハーメチックシール(気密封止)とすることができ、一例では、シールパッケージは、窒素ガスまたは窒素ガスと酸素ガスとの組合せで埋め戻される。いくつかの実施形態では、白色光を成形、方向付け、またはコリメートするレンズまたは他のタイプの光学素子が、キャップ部材に直接含まれる。もちろん、
図25の例は単なる例示であり、白色光源を封止する1つの可能な構成を示すことが意図されている。具体的には、TO缶型パッケージは容易に気密封止されるので、この実施形態は気密封止が必要な用途に適している。一体型白色光源装置のこの実施形態のいくつかの例では、過渡電圧抑制(TVS)素子などの静電気放電(ESD)保護素子が含まれる。
【0206】
本発明によるパッケージされたCPoS白色光源の代替例が、
図26aの概略図に示されている。この例では、反射モード白色光源は、表面実装デバイス(SMD)型パッケージに設けられている。例示的なSMDパッケージは、ベース部材に搭載された反射モード白色光源502を備えるベース部材501を有する。ここで、ベース部材は、白色光源からの熱を逃がしヒートシンクへ伝導するように構成されている。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、SiC、スチール、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、AlN、サファイアまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。ベース部材への搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。搭載ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシおよび他の材料から形成することもできる。レーザダイオードのp電極およびn電極からの電気的接続は、内部フィードスルー505および内部フィードスルー506に対するワイヤボンド503およびワイヤボンド504を用いてなされる。フィードスルーは、507などの外部リードへ電気的に結合される。外部リードは、電源に電気的に結合されて、白色光源に電力を供給し、白色発光を生成することができる。表面実装パッケージの上面508は、下向きまたは反射された光に起因するいかなる損失も防止または軽減するように、反射層で構成されてもよく、または反射層で覆われてもよい。さらに、レーザダイオード部材およびサブマウント部材を含むパッケージ内のすべての表面は、有用な白色光出力を改善するのを助ける増加した反射率を目的として強化されてもよい。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。一体型白色光源装置のこの実施形態のいくつかの例では、過渡電圧抑制(TVS)素子などの静電気放電(ESD)保護素子が含まれる。もちろん、
図26aの例は単なる例示であり、表面実装パッケージされたCPoS白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。具体的には、表面実装型パッケージはLEDおよび他の装置用に広く普及しており、市販品を入手可能であるため、それらは、低コストかつ適合性の高いソリューションの1つの選択肢になり得る。
【0207】
本発明によるパッケージされた白色光源の代替例が、
図26bの概略図に示されている。この例では、反射モード白色光源は、表面実装デバイス(SMD)型パッケージに設けられている。例示的なSMDパッケージは、支持部材またはベース部材に搭載された反射モード蛍光体部材502を備えるベース部材501を有する。レーザダイオード装置503は、支持部材504またはベース部材に搭載されてもよい。支持部材およびベース部材は、蛍光体部材およびレーザダイオード部材から熱を逃がし伝導するように構成される。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、SiC、スチール、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、AlN、サファイアまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。ベース部材への搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。搭載ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシおよび他の材料から形成することもできる。レーザダイオードのp電極およびn電極からの電気的接続は、内部フィードスルー507および内部フィードスルー508に対するワイヤボンド505およびワイヤボンド506を用いてなされる。フィードスルーは、外部リードへ電気的に結合される。外部リードは、電源に電気的に結合されて、白色光源に電力を供給し、白色発光を生成することができる。ベース部材501の上面は、下向きまたは反射された光に起因するいかなる損失も防止または軽減するように、反射層で構成されてもよく、反射層で覆われてもよく、反射層で満たされてもよい。さらに、レーザダイオード部材およびサブマウント部材を含むパッケージ内のすべての表面は、有用な白色光出力を改善するのを助ける増加した反射率を目的として強化されてもよい。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。一体型白色光源装置のこの実施形態のいくつかの例では、過渡電圧抑制(TVS)素子などの静電気放電(ESD)保護素子が含まれる。もちろん、
図26bの例は単なる例示であり、表面実装パッケージされた白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。具体的には、表面実装型パッケージはLEDおよび他の装置用に広く普及しており、市販品を入手可能であるため、それらは、低コストかつ適合性の高いソリューションの1つの選択肢になり得る。
【0208】
本発明によるパッケージされた白色光源の代替例が、
図26cの概略図に示されている。この例では、反射モード白色光源は、表面実装デバイス(SMD)型パッケージに設けられている。例示的なSMDパッケージは、共通支持ベース部材501を有する。反射モード蛍光体部材502は、ベース部材へ取り付けられ、蛍光体部材とベース部材との間の中間サブマウント部材を含むこともできる。レーザダイオード503は、角度付けられた支持部材504に搭載され、ここで、角度付けられた支持部材は、ベース部材に取り付けられる。ベース部材は、白色光源からの熱を逃がしヒートシンクへ伝導するように構成されている。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、SiC、スチール、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、AlN、サファイアまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。ベース部材への搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。搭載ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシおよび他の材料から形成することもできる。レーザダイオードの電極からの電気的接続は、部材506に対するワイヤボンド505を用いてなされる。ワイヤボンド507およびワイヤボンド508は、内部フィードスルー509および内部フィードスルー510に対して形成される。フィードスルーは、外部リードへ電気的に結合される。外部リードは、電源に電気的に結合されて、白色光源に電力を供給し、白色発光を生成することができる。ベース部材501の上面は、下向きまたは反射された光に起因するいかなる損失も防止または軽減するように、反射層で構成されてもよく、反射層で覆われてもよく、反射層で満たされてもよい。さらに、レーザダイオード部材およびサブマウント部材を含むパッケージ内のすべての表面は、有用な白色光出力を改善するのを助ける増加した反射率を目的として強化されてもよい。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。一体型白色光源装置のこの実施形態のいくつかの例では、過渡電圧抑制(TVS)素子などの静電気放電(ESD)保護素子が含まれる。もちろん、
図26cの例は単なる例示であり、表面実装パッケージされた白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。具体的には、表面実装型パッケージはLEDおよび他の装置用に広く普及しており、市販品を入手可能であるため、それらは、低コストかつ適合性の高いソリューションの1つの選択肢になり得る。
【0209】
本発明による、2つのレーザダイオードチップを含むパッケージされた白色光源の代替例が、
図26dの概略図に示されている。この例では、反射モード白色光源は、表面実装デバイス(SMD)型パッケージに設けられている。例示的なSMDパッケージは、支持部材またはベース部材に搭載された反射モード蛍光体部材502を備えるベース部材501を有する。第1のレーザダイオード装置503は、第1の支持部材504またはベース部材に搭載されてもよい。第2のレーザダイオード装置505は、第2の支持部材506またはベース部材に搭載されてもよい。支持部材およびベース部材は、蛍光体部材およびレーザダイオード部材から熱を逃がし伝導するように構成される。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、アルミナ、SiC、スチール、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、AlN、サファイアまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。ベース部材への搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。搭載ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシおよび他の材料から形成することもできる。レーザダイオードのp電極およびn電極からの電気的接続は、内部フィードスルーに対するワイヤボンドを用いてなされ得る。フィードスルーは、外部リードへ電気的に結合される。外部リードは、電源に電気的に結合されて、レーザダイオード源に電力を供給し、第1のレーザダイオード装置から第1のレーザビーム508を放射し、第2のレーザダイオード装置から第2のレーザビームを放射することができる。レーザビームは、蛍光体部材502に入射し、励起スポットおよび白色発光を生成する。レーザビームは、好ましくは、最適化された幾何形状および/またはサイズの励起スポットを生成するように、蛍光体で重ね合わされる。例えば、
図26dによる例では、第1および第2のレーザダイオードからのレーザビームは、第1のレーザビームの遅軸が第2のレーザビームの速軸と整列するように、互いに対して90度回転される。ベース部材501の上面は、下向きまたは反射された光に起因するいかなる損失も防止または軽減するように、反射層で構成されてもよく、反射層で覆われてもよく、反射層で満たされてもよい。さらに、レーザダイオード部材およびサブマウント部材を含むパッケージ内のすべての表面は、有用な白色光出力を改善するのを助ける増加した反射率を目的として強化されてもよい。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。一体型白色光源装置のこの実施形態のいくつかの例では、過渡電圧抑制(TVS)素子などの静電気放電(ESD)保護素子が含まれる。もちろん、
図26dの例は単なる例示であり、表面実装パッケージされた白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。具体的には、表面実装型パッケージはLEDおよび他の装置用に広く普及しており、市販品を入手可能であるため、それらは、低コストかつ適合性の高いソリューションの1つの選択肢になり得る。
【0210】
本発明による、3つのレーザダイオードチップを含むパッケージされた白色光源の代替例が、
図26eの概略図に示されている。この例では、反射モード白色光源は、表面実装デバイス(SMD)型パッケージに設けられている。例示的なSMDパッケージは、支持部材またはベース部材に搭載された反射モード蛍光体部材502を備えるベース部材501を有する。第1のレーザダイオード装置503は、第1の支持部材504またはベース部材に搭載されてもよい。第2のレーザダイオード装置505は、第2の支持部材506またはベース部材に搭載されてもよい。第3のレーザダイオード装置507は、第3の支持部材508またはベース部材に搭載されてもよい。支持部材およびベース部材は、蛍光体部材およびレーザダイオード部材から熱を逃がし伝導するように構成される。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、SiC、スチール、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、AlN、サファイアまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。ベース部材への搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。搭載ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシおよび他の材料から形成することもできる。レーザダイオードのp電極およびn電極からの電気的接続は、内部フィードスルーに対するワイヤボンドを用いてなされ得る。フィードスルーは、外部リードへ電気的に結合される。外部リードは、電源に電気的に結合されて、レーザダイオード源に電力を供給し、第1のレーザダイオード装置から第1のレーザビームを放射し、第2のレーザダイオード装置から第2のレーザビームを放射し、第3のレーザダイオード装置から第3のレーザビームを放射することができる。レーザビームは、蛍光体部材502に入射し、励起スポットおよび白色発光を生成する。レーザビームは、好ましくは、最適化された幾何形状および/またはサイズの励起スポットを生成するように、蛍光体で重ね合わされる。ベース部材501の上面は、下向きまたは反射された光に起因するいかなる損失も防止または軽減するように、反射層で構成されてもよく、反射層で覆われてもよく、反射層で満たされてもよい。さらに、レーザダイオード部材およびサブマウント部材を含むパッケージ内のすべての表面は、有用な白色光出力を改善するのを助ける増加した反射率を目的として強化されてもよい。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。一体型白色光源装置のこの実施形態のいくつかの例では、過渡電圧抑制(TVS)素子などの静電気放電(ESD)保護素子が含まれる。もちろん、
図26eの例は単なる例示であり、表面実装パッケージされた白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。具体的には、表面実装型パッケージはLEDおよび他の装置用に広く普及しており、市販品を入手可能であるため、それらは、低コストかつ適合性の高いソリューションの1つの選択肢になり得る。
【0211】
本発明によるパッケージされた白色光源の代替例が、
図26fの概略図に示されている。この例では、反射モード白色光源は、表面実装デバイス(SMD)型パッケージに設けられている。例示的なSMDパッケージは、サブマウントまたは支持部材503に搭載されたサイドポンピング蛍光体部材502と、サブマウントまたは支持部材505に搭載されたレーザダイオード装置504とに対する共通支持部材として機能するベース部材501を有する。本発明のいくつかの実施形態では、レーザダイオードおよび/または蛍光体部材は、パッケージのベース部材501へ直接搭載されてもよい。支持部材およびベース部材は、蛍光体部材およびレーザダイオード部材から熱を逃がし伝導するように構成される。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、SiC、スチール、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、AlN、サファイアまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。ベース部材へのサブマウントまたは支持部材の搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。搭載ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシおよび他の材料から形成することもできる。p電極およびn電極からの電気的接続は、サブマウント部材上の電極506および電極507へ電気的に結合され得、それらは、パッケージ部材における内部フィードスルーへ結合される。フィードスルーは、外部リードへ電気的に結合される。外部リードは電源に電気的に結合され、レーザダイオードに電力を供給し、蛍光体部材の側面に入射するレーザビームを生成することができる。蛍光体部材は、好ましくは、蛍光体部材502の上面からの一次白色光放射(primary white light emission)508を目的に構成され得る。ベース部材501の上面は、下向きまたは反射された光に起因するいかなる損失も防止または軽減するように、反射層で構成されてもよく、反射層で覆われてもよく、反射層で満たされてもよい。さらに、レーザダイオード部材およびサブマウント部材を含むパッケージ内のすべての表面は、有用な白色光出力を改善するのを助ける増加した反射率を目的として強化されてもよい。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。一体型白色光源装置のこの実施形態のいくつかの例では、過渡電圧抑制(TVS)素子などの静電気放電(ESD)保護素子が含まれる。もちろん、
図26fの例は単なる例示であり、表面実装パッケージされた白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。具体的には、表面実装型パッケージはLEDおよび他の装置用に広く普及しており、市販品を入手可能であるため、それらは、低コストかつ適合性の高いソリューションの1つの選択肢になり得る。
【0212】
図27aは、
図26aに示すSMD型パッケージに設けられたCPoS白色光源の概略図であるが、白色光源を囲むシールを形成する追加のキャップ部材を伴っている。
図27aに見られるように、SMD型パッケージは、ベースへ搭載された白色光源502を備えるベース部材501を有する。ベースへの搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。白色光源を覆うキャップ部材503は、側面周囲のベース部材へ取り付けられている。一例では、アタッチメントは、ベース部材への、はんだ付けアタッチメント、ろう付けアタッチメント、溶接アタッチメントまたは接着アタッチメントとすることができる。キャップ部材は、少なくとも透明ウィンドウ領域を有し、好ましい実施形態では、
図27aに示す透明ドームキャップのような透明ウィンドウ領域から主になる。透明材料は、ガラス、石英、サファイア、炭化ケイ素、ダイヤモンド、プラスチック、または任意の適切な透明材料とすることができる。シールタイプは、環境シールまたはハーメチックシール(気密封止)とすることができ、一例では、シールパッケージは、窒素ガスまたは窒素ガスと酸素ガスとの組合せで埋め戻される。レーザダイオードのp電極およびn電極からの電気的接続は、ワイヤボンド504およびワイヤボンド505を用いてなされる。ワイヤボンドは、電極を、封止されたSMDパッケージの外側の508などの外部リードへ電気的に接続された電気フィードスルー506および電気フィードスルー507へ接続する。リードは、次いで、電源に電気的に結合されて、白色光源に電力を供給し、白色発光を生成する。いくつかの実施形態では、白色光を成形、方向付け、またはコリメートするレンズまたは他のタイプの光学素子が、キャップ部材に直接含まれる。もちろん、
図27aの例は単なる例示であり、白色光源を封止する1つの可能な構成を示すことが意図されている。具体的には、SMD型パッケージは容易に気密封止されるので、この実施形態は気密封止が必要な用途に適している。
【0213】
図27bは、
図26cに示すSMD型パッケージに設けられた白色光源の概略図であるが、白色光源を囲むシールを形成する追加のキャップ部材を伴っている。
図27bに見られるように、SMD型パッケージは、サブマウント部材またはベース部材へ取り付けられた反射モード蛍光体部材502およびレーザダイオード部材503からなる白色光源を備えるベース部材501を有する。サブマウントおよび/またはベースへの搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。白色光源を覆うキャップ部材504は、側面周囲のベース部材へ取り付けられている。一例では、アタッチメントは、ベース部材への、はんだ付けアタッチメント、ろう付けアタッチメント、溶接アタッチメントまたは接着アタッチメントとすることができる。キャップ部材は、少なくとも透明ウィンドウ領域を有し、好ましい実施形態では、
図27bに示す透明フラットキャップまたは蓋部504ような透明ウィンドウ領域から主になる。透明材料は、ガラス、石英、サファイア、炭化ケイ素、ダイヤモンド、プラスチック、または任意の適切な透明材料とすることができる。シールタイプは、環境シールまたはハーメチックシール(気密封止)とすることができ、一例では、シールパッケージは、窒素ガスまたは窒素ガスと酸素ガスとの組合せで埋め戻される。レーザダイオードのp電極およびn電極からの電気的接続は、ワイヤボンド505およびワイヤボンド506を用いてなされる。ワイヤボンドは、電極を、封止されたSMDパッケージの外側の外部リードへ電気的に接続された電気フィードスルーへ接続する。リードは、次いで、電源に電気的に結合されて、白色光源に電力を供給し、白色発光を生成する。いくつかの実施形態では、白色光を成形、方向付け、またはコリメートするレンズまたは他のタイプの光学素子が、キャップ部材に直接含まれる。もちろん、
図27bの例は単なる例示であり、白色光源を封止する1つの可能な構成を示すことが意図されている。具体的には、SMD型パッケージは容易に気密封止されるので、この実施形態は気密封止が必要な用途に適している。
【0214】
もちろん、
図27bおよび本発明による他の実施形態に示されているような一体型レーザ系白色光源の作製には、適切な組立工程が必要である。多くの実施形態では、そのような装置に適した組立工程は、標準的な半導体およびLED組立工程に従う。
【0215】
本発明による透過および反射モード一体型CPoS白色光源のすべての実施形態において、安全機構および設計考慮事項を含めることができる。どのようなレーザ系源においても、安全性は重要な側面である。光源が、人間、動物または環境に対して有害となるレーザダイオードビームを生成するように損傷または修正され得ないようにすることは重要である。したがって、全体設計には、安全性の考慮事項と機能、場合によっては監視用アクティブコンポーネントも含めるべきである。安全性を目的とした設計考慮事項および機能の例には、蛍光体が取り外されまたは損傷した場合であっても、露出したレーザビームが、コリメートされたコヒーレントビームのような有害な形態で外部環境に照射されないように、蛍光体に対してレーザビームを位置決めることが含まれる。より具体的には、白色光源は、レーザビームが外部環境から離れ、(ビームが外界へ反射されることを防止する)表面または機構へ向いていくように設計される。パッシブ設計の例では、安全用機構は、蛍光体が取り外れまたは損傷した場合にレーザビームが当たる位置に特に設置され得るビームダンプおよび/または吸収材料を含む。
【0216】
一実施形態では、光ビームダンプは、(そうでなければ外部環境に対して危険性のある)レーザビームを吸収する光学素子として役立つ。ビームダンプにおける設計上の関心事として、レーザビームの後方反射と散乱の管理および低減、ならびに吸収により発生する熱放散が含まれる。光学パワーが高すぎない簡易解法では、吸収材料はできる限り簡易に、接着剤、はんだまたは他の材料を用いて基材へ取り付けられた黒いビロードまたはラシャ紙の一片とすることができる。高出力レーザシステムに組み込まれるような高出力用途では、ビームダンプは、後方反射、過熱または過剰ノイズを避けるように、より精巧な機構を組み込む必要が頻繁にある。レーザビームを簡易な平坦面でダンプすることは、(直接反射が軽減されたとしても環境への危険性がある)外界へ抜ける許容できないほどの大量の光をもたらすことになる。散乱を最小限に抑えるための1つのアプローチは、ビームをダンプするように、吸収材料を深く敷き詰めた多孔質または深く暗いキャビティ材料を使用することである。
【0217】
ほとんどの中出力レーザに適した一般的に利用可能なタイプのビームダンプは、黒色に陽極酸化され、黒色でリブ付きの内部を有するキャニスタに封入された、ビームよりも大きな直径を有するアルミニウム円錐体である。円錐体の先端のみがビームに正面からさらされ、 大抵は、入射光はある角度で円錐体をかすり、性能要件を緩和する。この黒い表面からの反射はいずれも、その後キャニスタによって吸収される。リブは、光が抜ける可能性を低下させること、および周囲空気への熱伝達を改善することの両方に役立つ(https://en.wikipedia.org/wiki/Beam_dump)。
【0218】
本発明によるビームダンプ安全機構を含むパッケージされたCPoS白色光源の一例が、
図28aの概略図に示されている。この例では、反射モード白色光源は、表面実装デバイス(SMD)型パッケージに設けられている。例示的なSMDパッケージは、ベース部材に搭載された反射モード白色光源502を備えるベース部材501を有する。ここで、ベース部材は、白色光源からの熱を逃がしヒートシンクへ伝導するように構成されている。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、アルミナ、SiC、スチール、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、AlN、サファイアまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。ベース部材への搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシ、熱粘着剤および他の材料から形成することもできる。あるいは、ジョイントは、Au-Au接合のような金属-金属接合から形成することができる。レーザダイオードのp電極およびn電極からの電気的接続は、内部フィードスルー505および内部フィードスルー506に対するワイヤボンド503およびワイヤボンド504を用いてなされる。フィードスルーは、507などの外部リードへ電気的に結合される。外部リードは、電源に電気的に結合されて、白色光源に電力を供給し、白色発光を生成することができる。例示的なビーム(example beam)508は、仮に、蛍光体が損傷または取り外され、レーザビームが蛍光体の支持部材から反射した場合における、レーザダイオードの光路に構成されている。この例では、ビームダンプは立方体のように成形されているが、これは単なる例示であり、ビームダンプの形状、サイズおよび位置は、安全機能を提供することに基づいて最適化されるが、白色光源の効率を含めることが許容できないわけではない。この例では、反射ビームの光路にあるように設けられたビームダンプの面(正面)は、立方体ビームダンプを介して伝搬する深いキャビティを有する多孔質材料から構成することができる。さらに、ビームダンプは、レーザビームを吸収する吸収材で構成することができ、ビームがパッケージ部材およびヒートシンクに対して十分に熱を沈められ、レーザビーム吸収中に生成された熱エネルギーを放散する。レーザビーム経路に位置決められていないビームダンプ部材508の側面は、有用な出力白色光を増加させるように、反射材料で構成することができる。さらに、レーザダイオード部材およびサブマウント部材を含むパッケージ内のすべての表面は、有用な白色光出力を改善するのを助ける増加した反射率を目的として強化されてもよい。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。もちろん、
図28aの例は単なる例示であり、ビルトイン安全機構を備えるパッケージされたCPoS白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。他の実施形態では、1つより多い安全機構を含めることができ、複数の安全要素からなる安全システムを含めることができ、そのような安全システムは、能動および受動安全要素(active and passive safety elements)からなり得る。さらに、安全要素または安全システムは、フラットパッケージ、カスタムパッケージまたは缶型パッケージを含む他のパッケージに含めることができる。
【0219】
本発明によるパッケージされた白色光源の代替例が、
図28bの概略図に示されている。この例では、反射モード白色光源は、安全機構としてのビームバンプ部材を含む表面実装デバイス(SMD)型パッケージに設けられている。例示的なSMDパッケージは、共通支持ベース部材501を有する。反射モード蛍光体部材502は、ベース部材へ取り付けられ、蛍光体部材とベース部材との間の中間サブマウント部材を含むこともできる。レーザダイオード503は、角度付けられた支持部材504に搭載され、ここで、角度付けられた支持部材は、ベース部材に取り付けられる。ベース部材は、白色光源からの熱を逃がしヒートシンクへ伝導するように構成されている。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、SiC、スチール、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、AlN、サファイアまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。ベース部材への搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。搭載ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシおよび他の材料から形成することもできる。レーザダイオードの電極からの電気的接続は、部材506に対するワイヤボンド505を用いてなされる。ワイヤボンド507およびワイヤボンド508は、内部フィードスルー509および内部フィードスルー510に対して形成される。フィードスルーは、外部リードへ電気的に結合される。外部リードは、電源へ電気的に結合され、これにより、白色光源に電力を供給し、蛍光体部材502に入射するレーザビーム511を生成して、白色発光を生じさせることができる。ビームダンプ512は、レーザ励起源に対して蛍光体部材の反対側に設置される。ビームダンプは、重要な安全機構を提供し、蛍光体の上部から反射された紫色または青色レーザ光を吸収してストレイ(stray)する機能を果たす。さらに、蛍光体部材が取り外されまたは損傷して潜在的に危険な状況を作り出す(ここで、全出力またはほぼ全出力のレーザビームがベース部材または他の反射部材から反射する極端な場合には、ビームダンプは、大部分の光を吸収し、外界への危険なレーザビーム露出を防止する役割を果たす。ビームバンプ部材は、過渡電圧抑制(TVS)素子などの静電気放電(ESD)保護素子のような機能要素で構成することもできる。いくつかの実施形態では、ビームダンプは、温度ヒューズであり、レーザビームに直接曝されると、温度が上がり開回路を生成してレーザダイオードをオフにする機能を果たす。ベース部材501の上面は、下向きまたは反射された光に起因するいかなる損失も防止または軽減するように、反射層で構成されてもよく、反射層で覆われてもよく、反射層で満たされてもよい。さらに、レーザダイオード部材およびサブマウント部材を含むパッケージ内のすべての表面は、有用な白色光出力を改善するのを助ける増加した反射率を目的として強化されてもよい。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。もちろん、
図28bの例は単なる例示であり、表面実装パッケージされた白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。具体的には、表面実装型パッケージはLEDおよび他の装置用に広く普及しており、市販品を入手可能であるため、それらは、低コストかつ適合性の高いソリューションの1つの選択肢になり得る。
【0220】
もちろん、光ビームダンプはレーザ安全機構の単なる一例であり、他にも多くのものがある。一般に、レーザダイオードは、損傷または改造があった場合でも直接的なレーザが外界へ抜け出ないように、外部環境を向くように構成されるべきではない。
【0221】
本発明のいくつかの実施形態では、温度ヒューズが、蛍光体部材を備えるパッケージへ一体化される。温度ヒューズは、通常動作下で電気を伝導するように構成された簡易装置であり、典型的には低融点合金からなる。一例では、温度ヒューズは、低融点金属材料からなり、紫色または青色レーザビーム光で直接的または間接的に照射されたときに急速に温度が高くなるように構成されている。温度ヒューズ材料の急速な温度上昇は、材料の溶融を引き起こし、ヒューズ金属に切れ目を生じさせ、電気伝導経路を開き、ヒューズを介した電流フローを阻む。
【0222】
本発明のこの実施形態では、温度ヒューズは、外部電源からレーザダイオードの利得素子への電流入力を提供する電気経路内に含まれる。温度ヒューズは、蛍光体部材が損傷したり取り外された状態からなる場合に紫色または青色レーザビームの出力が入射する所に、物理的に位置決められる。すなわち、温度ヒューズは、ビームラインの上流障害が生じない限りビームの存在が予期されないパッケージ内に設置される。そのような事態の場合には、紫色または青色レーザ光がヒューズ材料を照射し、その融点またはそれ以上の温度上昇を誘発し、よって、温度ヒューズ素子の溶融を引き起こす。この溶融は、電気経路を開き、外部電源からレーザダイオード利得要素への電気回路を遮断し、それによってレーザ装置をシャットオフする。この好ましい例では、温度ヒューズは、外部制御メカニズムを必要とせずにレーザへの電力を遮断することができる。
【0223】
本発明による可融合金温度ヒューズ構造には多くの変形例がある。別の例では、可融性ボールの内側の所定の位置にはんだ付けされた引張バネを利用することができる。バネと合金は電気回路を提供する。合金が十分に柔らかくなると、バネが自由に引っ張り(the spring pulls free)、それによって回路接続を遮断する。いくつかの実施形態では、十分な温度になったかまたはそれを超えたときに動作装置の接続を遮断するのみとするように、融点は適切に選択されることができる。
【0224】
本発明のいくつかの実施形態では、安全機能および安全システムは能動素子(active components)を使用する。例示的な能動素子には、フォトディテクタ/フォトダイオードおよびサーミスタが含まれる。フォトダイオードは、ディテクタに入射する光の波長または偏光選択を提供する光学フィルタ、光を集束させるまたはディテクタに入射する光を操作する内蔵レンズなどのコンポーネントと組み合わせてもよく、特定の受光感度および/またはノイズレベルを選択する大型または小型表面領域を有していてもよい。最も普及しているフォトダイオードタイプは、光吸収材料としてのSiに基づくものであり、空乏領域が形成されている。この領域に光子が吸収されると、電子-正孔対が形成され、光電流が生じる。フォトダイオードの感度を規定する主要なパラメータは、その量子効率(QE)であり、これは、出力信号にその後に寄与する電子-正孔対を生成する入射光子の割合として定義される。800~900nm領域の波長で動作するシリコンディテクタにとって、約80%の量子効率が通常である。フォトダイオードの感度は、入射照明ワット当たりのフォトダイオード電流のアンペアの単位で表すこともできる。この関係は、波長が短くなるにつれて受光感度が低下する傾向にある。
【0225】
このようなより短い波長での受光感度の低下は、紫色または青色波長範囲の高性能シリコン系フォトダイオードを達成することを困難にする。この困難を克服するために、青色強化および/またはフィルタ技術(blue enhancement and/or filter techniques)を使用して、この波長範囲の受光感度を改善することができる。一実施形態では、InGaNおよび/またはGaN含有フォトダイオードが、一体型白色光源と組み合わされる。本発明の別の実施形態では、青色波長領域において高い受光感度で動作可能な低コストのシリコン系フォトダイオードを実現することの困難を克服するために、蛍光体などの波長変換材料を使用して、本発明の実施形態で要求される基準に従って、紫外、紫色または青色レーザ光を高感度光検出により適した波長にダウンコンバートすることができる。
【0226】
レーザからの直接青色発光、散乱した青色発光、または黄色蛍光体発光などの蛍光体発光を検出するように設計された戦略的に設置されたディテクタを使用して、青色ビームが露光され得る蛍光体の不具合または白色光源の他の機能不全を検出することができる。このような事態が検出されると、閉回路またはフィードバックループが、レーザダイオードへの電力供給を停止し、効果的にそれをオフにするように構成される。
【0227】
能動安全機構のさらに別の例では、サーミスタを蛍光体材料の近くまたは下に設置して、突然の温度上昇(青色レーザダイオードからの直接照射の増加の結果であり、損傷したまたは取り外れた蛍光体を示している)があったかどうかを特定することができる。再度、この場合、サーミスタ信号は、レーザダイオードへの電力を停止し、それをシャットオフするように、フィードバックループをトリップする。
【0228】
いくつかの実施形態では、追加の光学素子を使用して、反射または迷光した励起光を再利用する。一例では、再結像光学系を使用して、反射したレーザビームを蛍光体へ戻すよう再結像し、このように反射光を再利用する。
【0229】
本発明による、再結像光学系を含むパッケージされた白色光源の代替例が、
図28cの概略図に示されている。この例では、反射モード白色光源は、安全機構および光子再利用機構としての再結像オプティカルを含む表面実装デバイス(SMD)型パッケージに設けられている。例示的なSMDパッケージは、共通支持ベース部材501を有する。反射モード蛍光体部材502は、ベース部材へ取り付けられ、蛍光体部材とベース部材との間の中間サブマウント部材を含むこともできる。レーザダイオード503は、角度付けられた支持部材504に搭載され、ここで、角度付けられた支持部材は、ベース部材に取り付けられる。ベース部材は、白色光源からの熱を逃がしヒートシンクへ伝導するように構成されている。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、SiC、スチール、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、AlN、サファイアまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。ベース部材への搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。搭載ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシおよび他の材料から形成することもできる。レーザダイオードの電極からの電気的接続は、部材506に対するワイヤボンド505を用いてなされる。ワイヤボンド507およびワイヤボンド508は、内部フィードスルー509および内部フィードスルー510に対して形成される。フィードスルーは、外部リードへ電気的に結合される。外部リードは、電源へ電気的に結合され、これにより、白色光源に電力を供給し、蛍光体部材502に入射するレーザビーム511を生成して、その結果、一次励起スポットを生成し、白色発光を生じさせることができる。再結像光学系512は、レーザ励起源に対して蛍光体部材の反対側に設置される。再結像光学系は、蛍光体の上部表面から反射された励起光の一部をリダイレクトおよびリフォーカスするように機能する。輝度の低下またはスポットサイズの増大を回避するために、再結像光学系は、一次励起スポットのものに対してサイズ、形状が類似する反射励起スポットを蛍光体に生成してもよい。あるいは、再結像励起スポットは、一次励起スポットよりも小さくてもよい。この再結像光学系は、ストレイ(stray)反射レーザ光が安全機構としてのパッケージを抜けることを防止するよう機能し、残された反射励起光を蛍光体に戻すよう再利用することによって白色光装置の効率を高めることができる。ベース部材501の上面は、下向きまたは反射された光に起因するいかなる損失も防止または軽減するように、反射層で構成されてもよく、反射層で覆われてもよく、反射層で満たされてもよい。さらに、レーザダイオード部材およびサブマウント部材を含むパッケージ内のすべての表面は、有用な白色光出力を改善するのを助ける増加した反射率を目的として強化されてもよい。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。もちろん、
図28cの例は単なる例示であり、表面実装パッケージされた白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。具体的には、表面実装型パッケージはLEDおよび他の装置用に広く普及しており、市販品を入手可能であるため、それらは、低コストかつ適合性の高いソリューションの1つの選択肢になり得る。
【0230】
本発明による、反射光学系を含むパッケージされた白色光源の代替例が、
図28dの概略図に示されている。この例では、反射モード白色光源は、反射光学系(ビーム成形利益、製造性利益、および熱インピーダンスの可能な低減を提供する)を含む表面実装デバイス(SMD)型パッケージに設けられている。この例では、SMDパッケージは、共通支持ベース部材501を有する。反射モード蛍光体部材502は、ベース部材へ取り付けられ、蛍光体部材とベース部材との間の中間サブマウント部材を含むこともできる。サブマウント503上のレーザダイオードは、
図28cおよび他の実施形態のように傾斜支持部材を必要とせずに、パッケージのベースへ直接搭載される。ベース部材は、白色光源からの熱を逃がしヒートシンクへ伝導するように構成されている。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、SiC、スチール、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、AlN、サファイアまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。ベース部材への搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。搭載ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシおよび他の材料から形成することもできる。レーザダイオードの電極からの電気的接続は、外部リードへ接続されたパッケージ内のフィードスルーへの電気的結合によってなされる。外部リードは、電源へ電気的に結合され、これにより、白色光源に電力を供給し、レーザ励起源に対して蛍光体部材の反対側に設置された再結像光学系505に入射するレーザビーム504を生成することができる。再結像光学系は、レーザダイオードからの直接レーザビームを、蛍光体502の上部表面の入射ビーム506へとリダイレクトおよびリフォーカスするように機能する。別の構成では、再結像光学系は、レーザおよび蛍光体に対して代替位置に置かれてもよい。再結像光学系を使用するこの一般的な例は、再結像光学系によって決定付けられる、より理想的なスポットサイズおよび幾何形状を潜在的に提供するという利点を提供し、より容易な製造およびより低い熱インピーダンスのために、傾斜支持部材のような中間部材を含めることを必要としない。さらに、この例は安全上の利益を提供する。再結像光学系の使用は、1mm未満、500μm未満、300μm未満、100μm未満、または50μm未満などの非常に小さな励起スポットおよび/または非常に丸い励起スポットを可能にすることができる。この再結像光学系は、ストレイ(stray)反射レーザ光が安全機構としてのパッケージを抜けることを防止するよう機能し、残された反射励起光を蛍光体に戻すよう再利用することによって白色光装置の効率を高めることができる。ベース部材501の上面は、下向きまたは反射された光に起因するいかなる損失も防止または軽減するように、反射層で構成されてもよく、反射層で覆われてもよく、反射層で満たされてもよい。さらに、レーザダイオード部材およびサブマウント部材を含むパッケージ内のすべての表面は、有用な白色光出力を改善するのを助ける増加した反射率を目的として強化されてもよい。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。もちろん、
図28dの例は単なる例示であり、表面実装パッケージされた白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。具体的には、表面実装型パッケージはLEDおよび他の装置用に広く普及しており、市販品を入手可能であるため、それらは、低コストかつ適合性の高いソリューションの1つの選択肢になり得る。
【0231】
本発明のいくつかの実施形態では、レーザダイオード部材からの迷光または反射光に対するシールド(shield)またはブロッキング機能を提供するために、パッケージ部材内に追加要素を含めることができる。反射された励起光、蛍光体ブルームパターン(phosphor bloom patterns)、または一次放射ビームにはないレーザダイオードから放射された光(例えば、自発光、散乱光、またはバックファセットを抜ける光)などの光学アーチファクトをブロッキングすることにより、白色光源からの光学的発光は、照明システムへの一体化にとってより理想的となり得る。さらに、そのような迷光をブロッキングすることにより、一体型白色光源は、本質的により安全であるだろう。最後に、シールド部材は、蛍光体部材からの白色放射が、シールド内の開口を介するアパーチャであるように、アパーチャとして作用することができる。このアパーチャ機構は、白色源から発光パターンを形成することができる。
【0232】
本発明による、反射光学系を含むパッケージされた白色光源の代替例が、
図28eの概略図に示されている。この例では、反射モード白色光源は、(改善された白色発光空間パターン、反射された励起光または不必要なレーザ放射などの望ましくない光アーチファクトの低減、および/またはストレイレーザ光(stray laser light)がパッケージされたものを抜けることの防止による向上した安全性などの追加の利点を提供する)シールド部材を含む表面実装デバイス(SMD)型パッケージに設けられている。この例では、SMDパッケージは、共通支持ベース部材501を有する。反射モード蛍光体部材502は、ベース部材へ取り付けられ、シールド部材またはアパーチャ部材によって少なくとも部分的に囲まれている。シールド部材505は、レーザダイオードエミッタファセット上に延在するオーバーハング506を少なくとも有するように構成されている。サブマウント503上のレーザダイオードは、傾斜支持部材504に搭載され、パッケージのベースへ取り付けられている。ベース部材は、白色光源からの熱を逃がしヒートシンクへ伝導するように構成されている。ベース部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、SiC、スチール、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、AlN、サファイアまたは他の金属、セラミック、または半導体などの熱伝導性材料からなる。ベース部材への搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。搭載ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシおよび他の材料から形成することもできる。レーザダイオードの電極からの電気的接続は、外部リードへ接続されたパッケージ内のフィードスルーへの電気的結合によってなされる。外部リードは、電源へ電気的に結合され、これにより、白色光源に電力を供給し、シールド部材505内の蛍光体502に入射するレーザビームを生成することができる。シールド部材は、白色光の放射を可能にするアパーチャ507を有するように構成されている。別の構成では、シールド部材はレーザダイオード全体を囲み、さらなる安全レベルを提供することができる。アパーチャの使用は、1mm未満、500μm未満、300μm未満、100μm未満、または50μm未満などの非常に小さな励起スポットおよび/または非常に理想的なあるいは丸い励起スポットを可能にすることができる。ベース部材501の上面は、下向きまたは反射された光に起因するいかなる損失も防止または軽減するように、反射層で構成されてもよく、反射層で覆われてもよく、反射層で満たされてもよい。さらに、レーザダイオード部材およびサブマウント部材を含むパッケージ内のすべての表面は、有用な白色光出力を改善するのを助ける増加した反射率を目的として強化されてもよい。この構成では、白色光源は、開放環境に曝されるように、キャップまたは封止されていない。もちろん、
図28eの例は単なる例示であり、表面実装パッケージされた白色光源の1つの可能な簡易構成を示すことが意図されている。具体的には、表面実装型パッケージはLEDおよび他の装置用に広く普及しており、市販品を入手可能であるため、それらは、低コストかつ適合性の高いソリューションの1つの選択肢になり得る。
【0233】
本発明による多くの用途では、パッケージされた一体型白色光源がヒートシンク部材へ取り付けられる。ヒートシンクは、パッケージされた白色光源からの熱エネルギーを冷却媒体へ伝えるように構成される。冷却媒体は、熱電クーラーまたはマイクロチャネルクーラーなどの能動的冷却媒体とすることができ、あるいは、表面を最大にし、空気との相互作用を増加させる機構(フィン、ピラー、ポスト、シート、チューブ、または他の形状をなす)を有する空冷設計などの受動的冷却媒体とすることができる。ヒートシンクは、典型的には、金属部材から形成されるが、熱伝導性のセラミックス、半導体、または複合材のような他のものであってもよい。
【0234】
ヒートシンク部材は、パッケージされたレーザダイオード系白色光源からの熱エネルギーを冷却媒体へ伝えるように構成される。ヒートシンク部材は、金属、セラミック、複合材、半導体、プラスチックからなり得、好ましくは熱伝導性材料からなる。候補材料の例として、約400W/(mK)の熱伝導率を有する銅、約200W/(mK)の熱伝導率を有するアルミニウム、約370W/(mK)の熱伝導率を有する4H-SiC、約490W/(mK)の熱伝導率を有する6H-SiC、約230W/(mK)の熱伝導率を有するAlN、約1000W/(mK)超の熱伝導率を有する合成ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、サファイア、または他の金属、セラミック、複合材、または半導体が含まれる。ヒートシンク部材は、マシニング、カッティング、トリミングまたはモールディングによって、銅、銅タングステン、アルミニウムまたは他の金属から形成されてもよい。
【0235】
本発明によるパッケージされた白色光源をヒートシンク部材へ接合する取り付けジョイントは、熱インピーダンスを最小にするように、慎重に設計および処理されるべきである。したがって、十分な取り付け強度を伴う適切な熱インピーダンスを目指して、適切な取り付け材料、界面幾何形状、および取り付けプロセス手段が選択されなければならない。例としては、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだ、またはインジウムが含まれるが、他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。ジョイントは、熱伝導性接着剤、銀エポキシ等の熱エポキシ、熱粘着剤および他の材料から形成することもできる。あるいは、ジョイントは、Au-Au接合のような金属-金属接合から形成することができる。レーザおよび蛍光体材料を伴う共通支持部材は、レーザ装置からヒートシンクへの熱経路を特徴付ける、放散パワーのワット当たり摂氏10度未満またはワット当たり摂氏5度未満の熱インピーダンスを提供するように構成される。
【0236】
図29aは、本発明によるヒートシンク部材に搭載された封止されたSMDに設けられたCPoS白色光源の概略図である。SMDパッケージ内の封止された白色光源は、
図27aに示される例のものと同様である。
図27aに見られるように、SMD型パッケージは、ベースへ搭載された白色光源602と、光源用シールを提供するキャップ部材603とを備えるベース部材601を有する。ベースへの搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。キャップ部材は、少なくとも透明ウィンドウ領域を有する。透明材料は、ガラス、石英、サファイア、炭化ケイ素、ダイヤモンド、プラスチック、または任意の適切な透明材料とすることができる。SMDパッケージのベース部材は、ヒートシンク部材604へ取り付けられている。ヒートシンク部材は、金属、セラミック、複合材、半導体またはプラスチック等の材料からなり得、好ましくは熱伝導性材料からなる。候補材料の例は、アルミニウム、銅、銅タングステン、スチール、SiC、AlN、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、サファイア、または他の材料を含む。もちろん、
図29aの例は単なる例示であり、ヒートシンクに搭載された本発明による白色光源の1つの可能な構成を示すことが意図されている。具体的には、ヒートシンクは、フィンなどの熱を伝えるのを助ける機構を含むことができる。
【0237】
SMDのようなパッケージに搭載された一体型レーザおよび蛍光体に基づく光源は、パッケージの電気的および機械的実装を可能にするように、外部ボードへ取り付けることができる。これらのボードは、SMDパッケージへ電気的および機械的インターフェースを提供することに加えて、ヒートシンクなどの外界へサーマルインターフェースも供給する。このようなボードは、最終組立中に、SMD(典型的には2cm×2cm未満)のような小型パッケージの取り扱いを改善することもできる。カスタムボード設計に加えて、多くの業界標準のボード設計があり、Cu、AlまたはFe合金をベースにした金属コアプリント回路基板(MCPCB)、FR4のような繊維充填エポキシ基板、フレックス/ハイブリッドフレックス基板(典型的には、非平坦面周りで曲げられる必要がある用途に使用される、Cu中間層および誘電体分離を伴うポリイミド構造である)、または、より大型システムにおける既存金属フレームへ直接搭載可能な標準ヒートシンク材基板が含まれる。
【0238】
本発明による多くの実施形態では、完成したSMDは、業界標準の取り付け技法および材料を採用して、次の段階のボードへ取り付けられる。これらの材料の選択およびプロセスには、Au-Au相互接続、ディスペンスまたはステンシルアプリケーション若しくはプリフォーム取り付けの使用による標準Pbフリーはんだ付け、ディスペンスまたはステンシルアプリケーションあるいはプリフォーム取り付けの使用による標準Pb含有はんだ付け、ディスペンスを使用するおよびスクリーニングアプリケーションのダイ取り付けエポキシ、またはディスペンス、ステンシル若しくはプリフォームを使用する焼結銀はんだが非限定的に含まれ得る。
【0239】
図29bは、本発明によるボード部材(例えばスターボード)に搭載された封止されたSMDに設けられた白色光源の概略図である。SMDパッケージ内の封止された白色光源は、
図27bに示される例のものと同様である。
図29bに見られるように、SMD型パッケージは、ベースへ搭載された白色光源602と、光源用シールを提供するキャップ部材603とを備えるベース部材601を有する。ベースへの搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。キャップ部材は、少なくとも透明ウィンドウ領域を有する。透明材料は、ガラス、石英、サファイア、炭化ケイ素、ダイヤモンド、プラスチック、または任意の適切な透明材料とすることができる。SMDパッケージのベース部材は、スターボード部材604へ取り付けられている。スターボード部材604は、一体型白色光源の電気的および機械的実装を可能にし、SMDパッケージへ電気的および機械的インターフェースを提供し、また、ヒートシンクなどの外界へサーマルインターフェースを供給するように構成されている。ヒートシンク部材は、金属、セラミック、複合材、半導体またはプラスチック等の材料からなり得、好ましくは熱伝導性材料からなる。候補材料の例は、アルミニウム、アルミナ、銅、銅タングステン、スチール、SiC、AlN、ダイヤモンド、複合ダイヤモンド、サファイア、または他の材料を含む。もちろん、
図29bの例は単なる例示であり、ヒートシンクに搭載された本発明による白色光源の1つの可能な構成を示すことが意図されている。具体的には、ヒートシンクは、フィンなどの熱を伝えるのを助ける機構を含むことができる。
【0240】
本発明のいくつかの実施形態では、CPoS一体型白色光源は、生成された白色光を操作するように光学部材と組み合わされる。一例では、白色光源は、懐中電灯や自動車のヘッドランプなどのスポットライトシステム、または特定の場所またはエリアへ光を向けるまたは投射することが必要な他の光用途に役立ち得る。一例として、光を方向付けるためには、白色光を含む光子が所望の伝搬軸に沿って互いに平行に伝搬するように、コリメートする必要がある。コリメーションの程度は、光源と、光源をコリメートするために使用する光学系とに依存する。最も高いコリメーションを目指して、4π放射およびサブミクロンまたはミクロンスケールの直径を有する完全な点光源が望ましい。一例では、点光源はパラボラリフレクタと組み合わされる。ここで、光源はリフレクタの焦点に置かれ、リフレクタは、点光源によって生成された球面波を、軸に沿って伝搬する平面波のコリメートされたビームへ変換する。
【0241】
一実施形態では、リフレクタが白色光源へ結合される。具体的には、白色光を投射するように、パラボラ(パラボロイドまたは放物面)リフレクタが活用される。パラボラリフレクタの焦点に白色光源を置くことにより、平面波は、反射され、パラボラリフレクタの軸に沿ってコリメートされたビームとして伝播する。
【0242】
別の例では、簡易単一レンズまたはレンズ系(system of lenses)を使用して、白色光を投射ビームへとコリメートする。特定の例では、単一非球面レンズが、白色光を放射する蛍光体部材の前に置かれ、放射された白色光をコリメートするように構成される。別の実施形態では、レンズは、一体型白色光源を含むパッケージのキャップ内に設けられる。いくつかの実施形態では、白色光を成形、方向付け、またはコリメートするレンズまたは他のタイプの光学素子が、キャップ部材に直接含まれる。一例では、レンズは、ガラス、SiC、サファイア、石英、セラミック、複合材または半導体などの透明材料からなる。
【0243】
このような白色光コリメート光学部材は、様々な一体度で白色光源と組み合わせることができる。例えば、コリメート光学系は、まとめてパッケージされた構成(co-packaged configuration)の一体型白色光源と同じパッケージ内に存在することができる。さらなる一体度では、コリメート光学系は、白色光源と同じサブマウントまたは支持部材上に存在することができる。別の実施形態では、コリメート光学系は、一体型白色光源を含むパッケージの外側に存在することができる。
【0244】
本発明による一実施形態では、反射モード一体型白色光源が、
図31に示されるようなコリメートされた白色ビームを生成するように、レンズ部材を有するフラットタイプパッケージに設けられる。
図30に見られるように、フラットタイプパッケージは、コリメートされた白色光源602を備えるベースまたはハウジング部材601を有する。白色光源602は、ベースへ搭載され、(ベースまたはハウジング部材の側面に形成されたウィンドウ603を抜け出る)コリメートされた白色ビームを生成するように構成される。ベースまたはハウジングへの搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。白色光源への電気的接続は、外部ピン605へ電気的に結合されたフィードスルー604に対するワイヤボンドを用いてなされ得る。この例では、コリメートされた反射モード白色光源602は、レーザダイオード606と、レーザビームを受け入れるように構成された蛍光体波長コンバータ607と、放射された白色光を集めてコリメートされたビームを形成するように蛍光体の前に設けられた非球面レンズ608のようなコリメートレンズとを含む。コリメートされたビームはウィンドウ603へ方向付けられ、ウィンドウ領域は透明材料から形成される。透明材料は、ガラス、石英、サファイア、炭化ケイ素、ダイヤモンド、プラスチック、または任意の適切な透明材料とすることができる。外部ピン605は、次いで、電源に電気的に結合されて、白色光源に電力を供給し、白色発光を生成する。図に見られるように、任意の数のピンをフラットパックに含めることができる。この例では6つのピンがあり、典型的なレーザダイオードドライバは2つのピンを必要とするのみであり、1つはアノード用であり、もう1つはカソード用である。したがって、余分なピンは、温度制御を監視および助けるサーミスタまたはフォトダイオードのような安全機構等の追加要素に使用することができる。もちろん、
図30の例は単なる例示であり、白色光源を封止する1つの可能な構成を示すことが意図されている。
【0245】
本発明による一実施形態では、透過モード一体型白色光源が、
図31に示されるようなコリメートされた白色ビームを生成するように、レンズ部材を有するフラットタイプパッケージに設けられる。
図31に見られるように、フラットタイプパッケージは、コリメートされた白色光源602を備えるベースまたはハウジング部材601を有する。白色光源602は、ベースへ搭載され、(ベースまたはハウジング部材の側面に形成されたウィンドウ603を抜け出る)コリメートされた白色ビームを生成するように構成される。ベースまたはハウジングへの搭載は、AuSnはんだ、SAC305等のSACはんだ、鉛含有はんだまたはインジウムを用いるような、はんだ付けまたは接着技術を使用して達成することができるが、その他のものであってもよい。別の実施形態では、界面での取り付けプロセスのために、焼結Agペーストまたは焼結Agフィルムを使用することができる。白色光源への電気的接続は、外部ピン605へ電気的に結合されたフィードスルー604に対するワイヤボンドを用いてなされ得る。この例では、コリメートされた透過モード白色光源602は、レーザダイオード606と、レーザビームを受け入れるように構成された蛍光体波長コンバータ607と、放射された白色光を集めてコリメートされたビームを形成するように蛍光体の前に設けられた非球面レンズ608のようなコリメートレンズとを含む。コリメートされたビームはウィンドウ603へ方向付けられ、ウィンドウ領域は透明材料から形成される。透明材料は、ガラス、石英、サファイア、炭化ケイ素、ダイヤモンド、プラスチック、または任意の適切な透明材料とすることができる。外部ピン605は、次いで、電源に電気的に結合されて、白色光源に電力を供給し、白色発光を生成する。図に見られるように、任意の数のピンをフラットパックに含めることができる。この例では6つのピンがあり、典型的なレーザダイオードドライバは2つのピンを必要とするのみであり、1つはアノード用であり、もう1つはカソード用である。したがって、余分なピンは、温度制御を監視および助けるサーミスタまたはフォトダイオードのような安全機構等の追加要素に使用することができる。もちろん、
図31の例は単なる例示であり、白色光源を封止する1つの可能な構成を示すことが意図されている。
【0246】
本発明による
図35および
図36に示されるフラットタイプパッケージの例は、内部構成の例を示すように蓋部のない封止されていない構成で示されている。しかし、フラットパッケージは、蓋またはキャップ部材で容易に封止される。
図32は、内部にコリメートされた白色光源を有する封止されたフラットパッケージの例である。
図32に見られるように、フラットタイプパッケージは、白色光源、安全機構およびサーミスタなどの内部コンポーネントへの電気的結合のために構成された外部ピン602を備えるベースまたはハウジング部材601を有する。封止されたフラットパッケージは、コリメートされた白色ビームが抜け出るウィンドウ603と、外部環境と内部コンポーネントとの間にシールを形成する蓋部またはキャップ604とを備えるように構成される。蓋部またはキャップは、ベースまたは他のものへ、はんだ付け、ろう付け、溶接、接着することができる。シールタイプは、環境シールまたはハーメチックシール(気密封止)とすることができ、一例では、シールパッケージは、窒素ガスまたは窒素ガスと酸素ガスとの組合せで埋め戻される。
【0247】
図33は、本発明による白色光コリメート光学系を含む一体型白色光源の透過蛍光体実施形態を示す概略図である。この実施形態では、転写されたエピタキシ層から形成されたレーザダイオードチップを備えた、非常に小型でコンパクトなサブマウント部材を作製するように、ガリウムおよび窒素含有リフトオフおよび転写技術が活用される。もちろん、一体型コリメート白色光の実施形態用に、
図4および
図6に示されるようなサブマウント実施形態での従来のチップを使用することができる。レーザ系CPoS白色光装置は、転写されたガリウムおよび窒素含有エピタキシャル層から形成されたレーザダイオード602と最終実装面との間の中間材料として、かつ、蛍光体プレート材料605と最終実装面との間の中間材料として作用するように構成された共通支持部材として機能するサブマウント材料601からなる。レーザダイオードおよび/またはサブマウントは、Au、Pd、Pt、Ni、Al、チタンまたはその他のものを非限定的に含む金属層の組合せおよび金属蒸着層で形成される電極603および電極604で構成される。ワイヤボンドは、レーザダイオード上の電極603および電極604へ電力を結合するように構成することができる。レーザビーム606は蛍光体に入射し、蛍光体を抜け出る白色光を形成する。蛍光体部材を抜け出る白色光は、コリメーションおよびビーム成形のために非球面レンズ607のようなレンズへ結合される。電極603および電極604は、レーザドライバ、電流源または電圧源などの外部電源への電気的接続のために構成される。電力をレーザダイオード装置へ結合して、レーザダイオードから出力されるレーザビームを生成するように、ワイヤボンドが電極上に形成される。もちろん、これは、一体型コリメート光学系を備えた構成の単なる例示であり、コリメーション光学系をレーザダイオードおよび蛍光体と一体化するために、
図4に示すサブマウント構造上の従来のチップを使用することを含む、この実施形態には多くの変形例があり得る。他の代替例では、異なるサイズおよび形状の蛍光体を用いることができ、サブマウントまたは共通支持部材の異なる幾何形状設計を用いることができ、蛍光体に対するレーザ出力ビームの異なる配向を活用することができ、異なる電極および電気設計を提供することができ、また、その他のものを用いることもできる。
【0248】
図34は、本発明による、白色光をコリメートするパラボラリフレクタ等のリフレクタ光学系を含む一体型白色光源の反射モード蛍光体の実施形態を示す概略図である。この実施形態では、サブマウント上のガリウムおよび窒素含有レーザダイオード601またはチップは、レーザダイオード用サブマウント部材とすることができる共通支持部材602に搭載される。共通支持部材はまた、レーザダイオード出力ビーム604の経路に設置されるように構成された蛍光体部材603を支持する。ここで、レーザダイオードビームは蛍光体を励起することができ、白色光が放射される。パラボラリフレクタ等のリフレクタ部材605は、蛍光体部材がリフレクタの焦点の近くにあるように、蛍光体部材の放射主面に対して位置決められる。リフレクタは、蛍光体からの白色放射を集め、それを、軸606に沿って投射された白色光ビームへとコリメートするように構成される。リフレクタ部材は、蛍光体と相互作用するようにレーザビーム604がリフレクタの内部に入るための開口または他の入口を有するように構成される。他の代替例では、異なるサイズおよび形状の蛍光体を用いることができ、サブマウントまたは共通支持部材の異なる幾何形状設計を用いることができ、蛍光体に対するレーザ出力ビームの異なる配向を活用することができ、異なるコリメーション光学系または他の光学系を用いることができ、異なる電極および電気設計を提供することができ、また、その他のものを用いることもできる。
【0249】
図35は、本発明による、
図23aの(ただし、白色光をコリメートする非球面レンズ等のレンズも含む)一体型白色光源の反射モード蛍光体の実施形態を示す概略図である。この実施形態では、サブマウント上のガリウムおよび窒素含有レーザダイオード601またはチップは、レーザダイオード用サブマウント部材とすることができる共通支持部材602に搭載される。共通支持部材はまた、レーザダイオード出力ビーム604の経路に設置されるように構成された蛍光体部材603を支持する。ここで、レーザダイオードビームは蛍光体を励起することができ、白色光が放射される。非球面レンズ等のレンズ部材605は、蛍光体からの放射主面の前または上に位置決められる。レンズは、蛍光体からの白色放射を集め、それを、軸606に沿って投射された白色光ビームへとコリメートするように構成される。レンズ部材は、(追加部材607とし得る)機械的支持部材によって支持されているが、共通支持部材によって直接支持されることもできる。他の代替例では、異なるサイズおよび形状の蛍光体を用いることができ、サブマウントまたは共通支持部材の異なる幾何形状設計を用いることができ、蛍光体に対するレーザ出力ビームの異なる配向を活用することができ、異なるコリメーション光学系または他の光学系を用いることができ、異なる電極および電気設計を提供することができ、また、その他のものを用いることもできる。
【0250】
図36は、
図25に示す(ただし、白色光をコリメートして投射するように構成された追加のリフレクタ部材を備える)缶型パッケージに設けられたCPoS白色光源の概略図である。
図37のTO缶型パッケージからのコリメートされた白色光のための例示的な構成は、TO缶ベース601と、ベースに搭載され、透明ウィンドウ領域602を備えるように形成されたキャップとを含む。キャップは、ベースへ、はんだ付け、ろう付け、溶接または接着することができる。リフレクタ部材603は、ウィンドウ領域の外側に設けられている。ここで、リフレクタは、ウィンドウを通過する放射された白色光を捕捉し、その光をコリメートし、次いでそれを軸604に沿って投射するように機能する。もちろん、これは単なる例示であり、本発明による一体型CPoS白色光源をコリメーション光学系と組み合わせる1つの可能な構成を示すことが意図されている。別の例では、リフレクタは、キャップのウィンドウ部材へ一体化されることもでき、またはTOパッケージ部材内に含められることもできる。
【0251】
別の実施形態では、
図37は、
図25に示す(ただし、白色光をコリメートして投射するように構成された追加のレンズ部材を備える)缶型パッケージに設けられたCPoS白色光源の概略図である。
図37のTO缶型パッケージからのコリメートされた白色光のための例示的な構成は、TO缶ベース601と、ベースに搭載され、透明ウィンドウ領域602を備えるように形成されたキャップとを含む。キャップは、ベースへ、はんだ付け、ろう付け、溶接または接着することができる。非球面レンズ部材603は、ウィンドウ領域の外側に設けられている。ここで、レンズは、ウィンドウを通過する放射された白色光を捕捉し、その光をコリメートし、次いでそれを軸604に沿って投射するように機能する。もちろん、これは単なる例示であり、本発明による一体型白色光源をコリメーション光学系と組み合わせる1つの可能な構成を示すことが意図されている。別の例では、コリメートレンズは、キャップのウィンドウ部材へ一体化されることもでき、またはパッケージ部材内に含められることもできる。
【0252】
別の実施形態では、
図38aは、
図27aに示す(ただし、白色光をコリメートして投射するように構成された追加のパラボラ部材を備える)SMD型パッケージに設けられた本発明による白色光源の概略図である。
図38aのSMD型パッケージからのコリメートされた白色光のための例示的な構成は、(ベースと、キャップまたはウィンドウ領域とを含む)SMD型パッケージ601と、一体型白色光源602とを含む。SMDパッケージは、レーザおよび蛍光体部材からのSMDパッケージで発生した熱を伝えるおよび/または蓄えるように構成されたヒートシンク部材603へ搭載される。パラボラリフレクタ等のリフレクタ部材604は、リフレクタの焦点でまたはその近くで、白色光源の白色光放射蛍光体部材とともに設けられる。パラボラリフレクタは、投射軸605に沿って白色光をコリメートして投射するように機能する。もちろん、これは単なる例示であり、本発明による一体型白色光源とリフレクタコリメーション光学系とを組み合わせる1つの可能な構成を示すことが意図されている。別の例では、コリメートリフレクタは、キャップのウィンドウ部材へ一体化されることができ、またはパッケージ部材内に含められることができる。好ましい実施形態では、リフレクタは、サブマウントと一体化されるか、サブマウントへ取り付けられる。
【0253】
別の実施形態では、
図38bは、
図29bに示す(ただし、白色光をコリメートして投射するように構成された追加のパラボラリフレクタ部材またはレンズやTIR光学系等の代替コリメート光学系部材を備える)SMD型パッケージに設けられた本発明による白色光源の概略図である。
図38bのSMD型パッケージからのコリメートされた白色光のための例示的な構成は、(ベースと、キャップまたはウィンドウ領域とを含む)SMD型パッケージ601と、一体型白色レーザ系光源602とを含む。SMDパッケージは、スターボード部材603へ搭載され、スターボード部材603は、一体型白色光源の電気的および機械的実装を可能にし、SMDパッケージへ電気的および機械的インターフェースを提供し、また、ヒートシンクのような外界へサーマルインターフェースを供給するように構成される。パラボラリフレクタ等のリフレクタ部材604は、リフレクタの焦点でまたはその近くで、白色光源の白色光放射蛍光体部材とともに設けられる。パラボラリフレクタは、投射軸605に沿って白色光をコリメートして投射するように機能する。もちろん、これは単なる例示であり、本発明による一体型白色光源とリフレクタコリメート光学系とを組み合わせる1つの可能な構成を示すことが意図されている。別の例では、コリメーションリフレクタは、キャップのウィンドウ部材へ一体化されることができ、またはパッケージ部材内に含められることができる。コリメート光学系は、レンズ部材、TIR光学系部材、パラボラリフレクタ部材、若しくは代替コリメート技術、またはそれらの組合せとすることができる。別の実施形態では、リフレクタは、サブマウントと一体化されるか、サブマウントへ取り付けられる。
【0254】
別の実施形態では、
図39は、
図27aに示す(ただし、白色光をコリメートして投射するように構成された追加のレンズ部材を備える)SMD型パッケージに設けられた本発明による白色光源の概略図である。
図39のSMD型パッケージからのコリメートされた白色光のための例示的な構成は、(ベースと、キャップまたはウィンドウ領域とを含む)SMD型パッケージ601と、一体型白色光源602とを含む。SMDパッケージは、レーザおよび蛍光体部材からのSMDパッケージで発生した熱を伝えるおよび/または蓄えるように構成されたヒートシンク部材603へ搭載される。非球面レンズのようなレンズ部材604は、放射された白色光の実質的な部分を集めてコリメートするように、白色光源の白色光放射蛍光体部材とともに設けられている。レンズ部材は支持部材605によって支持され、白色光源に対して固定された位置でレンズ部材を機械的に支える。支持部材は、金属、プラスチック、セラミック、複合材、半導体または他のものからなり得る。レンズ部材は、投射軸606に沿って白色光をコリメートして投射するように機能する。もちろん、これは単なる例示であり、本発明による一体型白色光源とリフレクタコリメート光学系とを組み合わせる1つの可能な構成を示すことが意図されている。別の例では、コリメーションリフレクタは、キャップのウィンドウ部材へ一体化されることができ、またはパッケージ部材内に含められることができる。好ましい実施形態では、リフレクタは、サブマウントと一体化されるか、サブマウントへ取り付けられる。
【0255】
本発明による実施形態では、
図40は、
図27aに示す(ただし、白色光をコリメートして投射するように構成された追加のレンズ部材およびリフレクタ部材を備える)SMD型パッケージに設けられた本発明による白色光源の概略図である。
図40のSMD型パッケージからのコリメートされた白色光のための例示的な構成は、(ベースと、キャップまたはウィンドウ領域とを含む)SMD型パッケージ601と、一体型白色光源602とを含む。SMDパッケージは、レーザおよび蛍光体部材からのSMDパッケージで発生した熱を伝えるおよび/または蓄えるように構成されたヒートシンク部材603へ搭載される。非球面レンズのようなレンズ部材604は、放射された白色光の実質的な部分を集めてコリメートするように、白色光源とともに設けられている。リフレクタハウジング605またはレンズ部材は、白色光源とレンズ部材との間に設けられ、コリメートされたビームへの寄与およびコリメーションのために、さもなければレンズ部材に到達しないであろう光または迷光のいずれもをレンズ部材内へ反射する。一実施形態では、レンズ部材はリフレクタハウジング部材によって支持され、白色光源に対して固定された位置でレンズ部材を機械的に支える。レンズ部材は、投射軸606に沿って白色光をコリメートして投射するように機能する。もちろん、これは単なる例示であり、本発明による一体型白色光源とリフレクタコリメーション光学系とを組み合わせる1つの可能な構成を示すことが意図されている。別の例では、コリメートリフレクタは、キャップのウィンドウ部材へ一体化されることができ、またはパッケージ部材内に含められることができる。好ましい実施形態では、リフレクタは、サブマウントと一体化されるか、サブマウントへ取り付けられる。
【0256】
SMDのようなパッケージにおける一体型レーザプラス蛍光体光源装置は、パッケージの電気的および機械的実装を可能にするように、外部ボードへ取り付けることができる。これらのボードは、SMDパッケージへ電気的および機械的インターフェースを提供することに加えて、ヒートシンクなどの外界へサーマルインターフェースも供給する。このようなボードは、最終組立中に、SMD(典型的には2cm×2cm未満)のような小型パッケージの取り扱いを改善することもできる。カスタムボード設計に加えて、多くの業界標準のボード設計があり、Cu、AlまたはFe合金をベースにした金属コアプリント回路基板(MCPCB)、FR4のような繊維充填エポキシ基板、フレックス/ハイブリッドフレックス基板(典型的には、非平坦面周りで曲げられる必要がある用途に使用される、Cu中間層および誘電体分離を伴うポリイミド構造である)、または、より大型システムにおける既存金属フレームへ直接搭載可能な標準ヒートシンク材基板が含まれる。
【0257】
本発明の特質および利点のさらなる理解は、添付図面および本明細書の後半部分を参照することによって実現され得る。
【0258】
本発明のサイドポンピングおよび透過および反射実施形態のすべてにおいて、追加の機構および設計を含めることができる。例えば、蛍光体でのビームスポット特性を最適化するための励起レーザビームの成形は、蛍光体へのレーザビーム入射角の慎重な設計考慮事項またはコリメートレンズのような自由空間光学系等の一体型光学系を用いることにより達成することができる。物理的設計考慮事項やビームダンプのような受動機構、および/または、信号が示されたときにレーザをオフにするように閉ループで使用できるサーミスタやフォトディテクタなどの能動機構等の安全機構を含めることができる。さらに、生成された白色光を操作するように光学素子を含めることができる。いくつかの実施形態では、パラボラリフレクタなどのリフレクタまたはコリメートレンズなどのレンズを使用して、自動車ヘッドライト、懐中電灯、スポットライトまたは他のライトに適用可能であり得るスポットライトを生成する、または白色光をコリメートする。
【0259】
一実施形態では、本発明は、長さ、幅および高さによって特徴付けられる形状因子を含むレーザ系白色光源を提供する。 装置は、支持部材と、支持部材を覆う少なくとも1つのガリウムおよび窒素含有レーザダイオード装置および蛍光体材料とを有する。レーザ装置は、好ましくは425nm~475nmの青色領域または380nm~425nmの紫外または紫色領域であるが、475nm~510nmのシアン領域または510nm~560nmの緑領域など他の領域であってもよい波長を有するレーザビームの放射が可能である。好ましい実施形態では、蛍光体材料は、560nmから580nmまでの範囲の黄色発光を提供することができ、レーザダイオードの青色発光と混合されると、白色光が生成される。他の実施形態では、赤色、緑色、黄色、さらには青色発光を有する蛍光体が、レーザダイオード励起源と組み合わせて使用され、色混合による白色光を生成することができる。装置は、典型的には、レーザ装置から蛍光体材料へのレーザビームの放射を伝達する非導レーザビーム特性を備える自由空間を有する。レーザビームのスペクトル幅、波長、サイズ、形状、強度、および偏光(polarization)は、蛍光体材料を励起するように設定される。レーザダイオードのビーム発散特性(beam divergence properties)を逆に利用して所望のスポットサイズを達成するように、ビームを蛍光体からの正確な距離に位置決めることによって、ビームを設定することができる。他の実施形態では、コリメートレンズなどの自由空間光学系を用いて、蛍光体に入射する前にビームを成形することができる。ビームは、60%より大きく100%より小さい偏光純度(polarization purity)によって特徴付けられる。本明細書で使用される「偏光純度」という用語は、放射された電磁放射線の50%超が、実質的に類似の偏光状態(例えば、横電気(Transverse Electric)または横磁気(Transverse Magnetic)偏光状態)にあることを意味するが、通常の意味と一致する他の意味を持つこともできる。一例では、蛍光体に入射するレーザビームは、0.1W未満、0.1W超、0.5W超、1W超、5W超、10W超または10W超のパワーを有する。蛍光体材料は、変換効率、熱損傷に対する耐性、光学的損傷に対する耐性、熱消光特性、励起光を散乱させるための多孔率、および熱伝導率によって特徴付けられる。好ましい実施形態では、蛍光体材料は、光学ワット当たり100ルーメンより大きい、光学ワット当たり200ルーメンより大きい、または光学ワット当たり300ルーメンより大きい変換効率を有するCeでドープされた黄色発光YAG材料からなり、多結晶セラミック材料または単結晶材料であってもよい。白色光装置はまた、電気入力パワーをレーザダイオード装置に結合してレーザビームを生成し、蛍光体材料を励起するように構成された電気入力インターフェースを有する。白色光源は、1ルーメン、10ルーメン、100ルーメン、1000ルーメンを超える、またはより大きな白色光出力を生成するように構成されている。支持部材は、少なくとも1つのレーザダイオード装置および蛍光体材料からヒートシンクへ熱エネルギーを伝えるように構成される。
【0260】
一実施形態によれば、本発明は、微小電気機械システム(MEMS)走査ミラー若しくは「フライングミラー」などのマイクロディスプレイ、または、空間パターンおよび/または放射された光の色を動的に修正するデジタル光処理(DLP)チップを含む動的レーザ系光源または光投射装置を提供する。一実施形態では、光は、あるピクセルを作動し他のピクセルを作動しないようにピクセル化され、白色光の空間パターンまたは画像を形成する。別の例では、動的光源は、光ビームをステアリングまたはポインティングするために構成される。ステアリングまたはポインティングは、ダイヤル、スイッチ、またはジョイスティック機構からなされるユーザ入力によって行うことができ、またはセンサを含むフィードバックループによって指令することができる。
【0261】
一実施形態によれば、本発明は、アパーチャを有するハウジングを含む動的レーザ系光源または光投射装置を提供する。装置は、信号受信用入力インターフェースを含み、光源の動的機構を作動することができる。装置は、映像または信号処理モジュールを含むことができる。さらに、装置は、レーザ源に基づく光源を含む。レーザ源は紫色レーザダイオードまたは青色レーザダイオードを含む。動的光機構出力は、レーザダイオードの出力ビームによって励起される蛍光体放射、またはレーザダイオードと蛍光体部材との組合せからなる。紫色または青色レーザダイオードは、極性、非極性または半極性配向Ga含有基板に作製される。装置は、レーザ光またはレーザポンピング蛍光体白色光を外界への特定の場所へ投射するように構成された微小電気機械システム(MEMS)走査ミラーまたは「フライングミラー」を含むことができる。MEMSミラーを使用してレーザビームをラスタ走査(rastering)することによって、2次元のピクセルを形成して、あるパターンまたは画像を生成することができる。
【0262】
一実施形態によれば、本発明は、アパーチャと、画像のフレームなどの信号受信用入力インターフェースとを有するハウジングを含む。動的光システムは、処理モジュールも含む。一実施形態では、処理モジュールは、レーザダイオードおよびMEMS走査ミラーを駆動するためのASICへ電気的に結合される。
【0263】
一実施形態では、レーザドライバモジュールが提供される。とりわけ、レーザドライバモジュールは、レーザダイオードへ提供されるべきパワーの総量を調整するように適合されている。例えば、レーザドライバモジュールは、画像のフレーム等の信号からの1つまたは複数のピクセルに基づいて、駆動電流(レーザダイオードを駆動するように適合されている駆動電流)を生成する。特定の実施形態では、レーザドライバモジュールは、約50~300MHzの周波数範囲でパルス変調信号を生成するように構成される。
【0264】
一実施形態によれば、本発明は、アパーチャを有するハウジングを含む動的レーザ系光源または光投射装置を提供する。装置は、信号受信用入力インターフェースを含み、光源の動的機構を作動することができる。装置は、映像または信号処理モジュールを含むことができる。さらに、装置は、レーザ源に基づく光源を含む。レーザ源は紫色レーザダイオードまたは青色レーザダイオードを含む。動的光機構出力は、レーザダイオードの出力ビームによって励起される蛍光体放射、またはレーザダイオードと蛍光体部材との組合せからなる。紫色または青色レーザダイオードは、極性、非極性または半極性配向Ga含有基板に作製される。装置は、レーザ源へ結合されたレーザドライバモジュールを含むことができる。装置は、デジタルミラーデバイスを含むデジタル光処理(DLP)チップを含むことができる。デジタルミラーデバイスは、複数のミラーを含み、ミラーのそれぞれは、画像のフレームの1つ以上のピクセルに対応する。装置は、レーザ源およびデジタル光処理チップへ電気的に結合された電源を含む。
【0265】
装置は、レーザ源へ結合されたレーザドライバモジュールを含むことができる。装置は、レーザ源の近傍内で設けられた光学部材を含み、光学部材は、レーザビームをデジタル光処理チップへ方向付けるよう適合されている。装置は、レーザ源およびデジタル光処理チップへ電気的に結合された電源を含む。一実施形態では、光源の動的特性は、装置のユーザによって開始されてもよい。例えば、ユーザは、スイッチ、ダイヤル、ジョイスティックまたはトリガを動かして、光出力を静的モードから動的モードに、ある動的モードから異なる動的モードに、またはある静的モードから別の静的モードに変更することができる。
【0266】
動的光源を含む本発明の特定の実施形態では、動的機構は、センサを含むフィードバックループによって作動される。そのようなセンサは、マイクロフォン、ジオホン、ハイドロホン、水素センサ、CO2センサまたは電子鼻センサなどの化学センサ、流量センサ、水量計、ガス量計、ガイガーカウンタ、高度計、対気速度センサ、速度センサ、レンジファインダ、圧電センサ、ジャイロスコープ、慣性センサ、加速度計、MEMSセンサ、ホール効果センサ、金属検出器、電圧検出器、光電センサ、光検出器、フォトレジスタ、圧力センサ、ひずみゲージ、サーミスタ、熱電対、パイロメータ、温度計、動き検出器、受動型赤外線センサ、ドップラーセンサ、バイオセンサ、静電容量センサ、映像センサ、トランスデューサ、画像センサ、赤外線センサ、ソナー、ライダー、または他のものから選択され得るが、これらに限定されない。
【0267】
センサ付フィードバックループを含む動的光機構の一例では、動きセンサが含まれる。動的光源は、動きの位置の空間をセンシングし、出力ビームをその位置にステアリングすることによって、動きが検出される位置を照らすように構成される。センサ付フィードバックループを含む動的光機構の別の例では、加速度計が含まれる。加速度計は、装置のユーザが光源を移動させて所望の位置をポインティングすることができる前であっても、レーザ光源装置がどこに向かって移動しているかを予測し、出力ビームをその位置に導くように構成される。もちろん、これらは、センサを含むフィードバックループを備えた動的光源の実施の単なる例である。動的光源とセンサとを組み合わせることを含む、本発明概念の他の多くの実施例が存在し得る。
【0268】
特定の実施形態では、一体型白色光源装置は、静電気放電(ESD)保護素子を含む。例えば、ESD保護素子は、電荷の蓄積に起因する突然の電流フローに伴って発生し得る損傷から一体型白色光源を保護するように使用される。一例では、過渡電圧抑制(TVS)素子が採用される。
【0269】
特定の実施形態では、一体型白色光源装置であって、その源は、少なくとも150000ppmの酸素ガスを含む環境で動作可能である。
【0270】
特定の実施形態では、一体型白色光源装置であって、その支持部材は、銅、銅タングステン、アルミニウム、シリコン、および上記のいずれかの組合せから選択される材料を含む。
【0271】
特定の実施形態では、一体型白色光源装置は、支持部材へ熱的に結合されたマイクロチャネルクーラーを含む。
【0272】
特定の実施形態では、一体型白色光源装置は、共通支持部材へ熱的に結合されたヒートシンクを含む。一例では、ヒートシンクは、フィンまたは表面積を増加させる手段を有する。
【0273】
特定の実施形態では、一体型白色光源装置は、共通支持部材とヒートシンクとの間に結合されたヒートスプレッダを含む。
【0274】
特定の実施形態では、一体型白色光源装置であって、光結合器は、光ファイバを含む。
【0275】
一体型白色光源装置の特定の実施形態では、出力ビームは、蛍光体材料との相互作用を最適化するように幾何学的に構成されている。
【0276】
一体型白色光源装置の特定の実施形態では、白色光源はパッケージ内に設けられている。 一例では、パッケージは気密封止されている。
【0277】
一体型白色光源装置の特定の実施形態では、白色光源は、パッケージ内に設けられている。パッケージとしては、フラットパッケージ、SMD、TO9缶、TO56 缶、TO-5缶、TO-46缶などの表面実装パッケージ、CSマウント、Gマウント、Cマウント、マイクロチャネル冷却パッケージ、およびその他のものが挙げられる。
【0278】
一体型白色光源装置の特定の実施形態では、放射された白色光は、リフレクタまたはレンズを使用してコリメートされる。