IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友不動産株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-レイアウト作成装置及び方法 図1
  • 特許-レイアウト作成装置及び方法 図2
  • 特許-レイアウト作成装置及び方法 図3
  • 特許-レイアウト作成装置及び方法 図4
  • 特許-レイアウト作成装置及び方法 図5
  • 特許-レイアウト作成装置及び方法 図6
  • 特許-レイアウト作成装置及び方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】レイアウト作成装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230630BHJP
【FI】
G06Q50/16
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022190320
(22)【出願日】2022-11-29
【審査請求日】2022-11-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592040826
【氏名又は名称】住友不動産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】松田 幸男
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-105939(JP,A)
【文献】特開平02-204869(JP,A)
【文献】特開平02-204870(JP,A)
【文献】特開平02-204871(JP,A)
【文献】特開平02-278464(JP,A)
【文献】特開平02-278465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 30/00-30/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレイアウト表示装置との間で通信回線により接続されるレイアウト作成装置であって、
オフィスを構成するフロアの形状を示すフロア画像と、前記フロアに対応するレイアウトを示すフロアレイアウト画像が記録された記録部と、
前記記録部からフロアレイアウト画像を抽出する抽出部と、
前記フロアレイアウト画像を前記フロア画像に合成して合成画像を生成する合成部と、
前記レイアウト表示装置より会議室数及び座席数を含むレイアウト要素のデータを受信し、前記フロアレイアウト画像のデータを前記レイアウト表示装置に送信する通信部を備え、
前記記録部は、前記レイアウト要素の組み合わせに応じた複数のフロアレイアウト画像を記録するレイアウトDBを備えており、
前記抽出部は、複数の前記フロアレイアウト画像の中から、入力されたレイアウト要素に対応する前記フロアレイアウト画像を抽出することを特徴とする、レイアウト作成装置。
【請求項2】
前記記録部は、複数のフロア画像を物件情報を示す物件IDに対応づけて記録する物件DBを備えており、
前記レイアウトDBは、前記物件ID毎に、前記レイアウト要素の組み合わせに応じた複数のフロアレイアウト画像を記録していることを特徴とする、請求項1記載のレイアウト作成装置。
【請求項3】
前記レイアウト要素は、受付の有無(有人、無人)、ひな壇席の有無、社長室/役員室の有無、座席の幅、隣接する座席列の間隔、会議室人数、フロア分割の有無の情報のうち、少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする、請求項1記載のレイアウト作成装置。
【請求項4】
レイアウト作成装置を用いてオフィスレイアウトを作成するレイアウト作成方法であって、
前記レイアウト作成装置は、オフィスを構成するフロアの形状を示すフロア画像と、前記フロアに対応するレイアウトを示すフロアレイアウト画像が記録された記録部を備えており、
抽出部において前記記録部からフロアレイアウト画像を抽出する抽出ステップと、
合成部において、抽出された前記フロアレイアウト画像を前記フロア画像に合成して合成画像を生成する合成ステップと、
表示部において前記合成画像を表示出力する表示ステップとを備え、
前記記録部は、会議室数及び座席数を含むレイアウト要素の組み合わせに応じた複数のフロアレイアウト画像を記録するレイアウトDBを備えており、
前記抽出ステップは、複数の前記フロアレイアウト画像の中から、入力されたレイアウト要素に対応する前記フロアレイアウト画像を抽出することを特徴とする、レイアウト作成方法。
【請求項5】
オフィスレイアウトを作成するレイアウト作成装置であって、
オフィスを構成するフロアの形状を示すフロア画像と、前記フロアに対応するレイアウトを示すフロアレイアウト画像が記録された記録部と、
会議室数及び座席数を含むレイアウト要素を入力する入力部と、
前記記録部からフロアレイアウト画像を抽出する抽出部と、
抽出された前記フロアレイアウト画像を前記フロア画像に合成して合成画像を生成する合成部と、
前記合成画像を表示出力する表示部とを備え、
前記記録部は、前記レイアウト要素の組み合わせに応じた複数のフロアレイアウト画像を記録するレイアウトDBを備えており、
前記抽出部は、複数の前記フロアレイアウト画像の中から、入力されたレイアウト要素に対応する前記フロアレイアウト画像を抽出することを特徴とする、レイアウト作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスビルのレイアウトを作成する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、オフィス内に家具や電気機器といった什器を選択・配置してオフィスレイアウトを作成する装置が知られている。例えば、特許文献1に記載のオフィスレイアウト提示装置では、オフィスの間取りに関する間取り情報を取得し、オフィスへの配置を希望する什器の種類や数といった情報を入力することで、当該間取りに什器を配置したオフィスレイアウトが利用者に提示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-105939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、オフィスビルのテナント誘致にあたっては、オフィス利用を検討している顧客に対して、想定している利用状況(例えば、フロア面積、人数、会議室数)をヒアリングした後にオフィスレイアウトの図面サンプルを作成し、作成されたオフィスレイアウトを顧客に提示して検討を促すことが行われる。
【0005】
ここで、上記特許文献1に記載の装置を利用した場合には、装置の利用者である不動産業者において、顧客の利用状況をヒアリングし、オフィスへの配置を希望する什器の種類や数といった情報を入力する必要が生じるため、オフィスレイアウトを作成する作業の時間が必要となり、入居を検討しているテナントに対して迅速にレイアウトを提示することが困難となっていた。このため、顧客に対して、入居後のイメージを簡便かつ迅速に把握できるようにするシステムが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数のレイアウト表示装置との間で通信回線により接続されるレイアウト作成装置であって、オフィスを構成するフロアの形状を示すフロア画像と、前記フロアに対応するレイアウトを示すフロアレイアウト画像が記録された記録部と、
前記記録部からフロアレイアウト画像を抽出する抽出部と、前記フロアレイアウト画像を前記フロア画像に合成して合成画像を生成する合成部と、前記レイアウト表示装置より会議室数及び座席数を含むレイアウト要素のデータを受信し、前記フロアレイアウト画像のデータを前記レイアウト表示装置に送信する通信部を備え、前記記録部は、前記レイアウト要素の組み合わせに応じた複数のフロアレイアウト画像を記録するレイアウトDBを備えており、前記抽出部は、複数の前記フロアレイアウト画像の中から、入力されたレイアウト要素に対応する前記フロアレイアウト画像を抽出する。
【0007】
本発明の一態様は、オフィスレイアウトを作成するレイアウト作成装置であって、 オフィスを構成するフロアの形状を示すフロア画像と、前記フロアに対応するレイアウトを示すフロアレイアウト画像が記録された記録部と、会議室数及び座席数を含むレイアウト要素を入力する入力部と、前記記録部からフロアレイアウト画像を抽出する抽出部と、抽出された前記フロアレイアウト画像を前記フロア画像に合成して合成画像を生成する合成部と、前記合成画像を表示出力する表示部とを備え、
前記記録部は、前記レイアウト要素の組み合わせに応じた複数のフロアレイアウト画像を記録するレイアウトDBを備えており、前記抽出部は、複数の前記フロアレイアウト画像の中から、入力されたレイアウト要素に対応する前記フロアレイアウト画像を抽出する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡便な方法により、オフィスレイアウトを作成し顧客に提示することができ、顧客において入居後のイメージを迅速に把握できるようになり、テナント誘致活動の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るレイアウト作成装置とレイアウト表示装置からなるシステムの構成を示すブロック図である。
図2】物件DBの構成の一例を示す説明図である。
図3】レイアウトDBの構成の一例を示す説明図である。
図4】レイアウト作成画面の一例を示す説明図である。
図5】レイアウト作成画面の一例を示す説明図である。
図6】レイアウト作成画面の一例を示す説明図である。
図7】本発明の別の実施形態に係るレイアウト作成装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係るレイアウト表示装置10とレイアウト作成装置20からなるシステムの構成を示すブロック図である。
【0011】
レイアウト表示装置10は、例えば汎用のコンピュータ装置(例えばタブレット端末)であり、CPUや入力部12、表示部14、通信部16を備えるとともに、周知のオペレーションシステムがインストールされている。レイアウト表示装置10は、さらに、後述するオフィスレイアウトの作成・表示を行うためのWebブラウザ18がインストールされている。
【0012】
入力部12は、例えばタッチパネルに表示されるソフトキーボードやプルダウンメニューであり、利用者が物件情報、席数、会議室数といった各種の情報を入力することができる。表示部14は例えば液晶パネルであり、レイアウト作成画面やレイアウト出力画面を表示する。入力部12と表示部14をタッチパネルとして構成するようにしても良い。通信部16は、公知の通信デバイスであり、通信回線11を介してレイアウト作成装置20との間で各種データの送受信を行う。
【0013】
レイアウト作成装置20は、例えば汎用のコンピュータ装置であり、CPUに加え、通信部22と記録部24を備えるとともに、周知のオペレーションシステムがインストールされている。また、レイアウト作成装置20は、後述するレイアウト作成のための各種処理を行うためのプログラム(レイアウト作成プログラム26)がインストールされている。通信部22は、公知の通信デバイスであり、通信回線11を介してレイアウト表示装置10との間で各種データの送受信を行う。
【0014】
記録部24は、例えばフラッシュメモリといった不揮発性の記録デバイスであり、レイアウト作成プログラム26のほか、後述する物件DB28、レイアウトDB30及び取得データ32といった各種のデータを記録する。レイアウト作成プログラム26は、レイアウト作成装置20を構成するコンピュータに予めインストールされている。
【0015】
レイアウト作成プログラム26は、レイアウト表示装置10のWebブラウザ18上で表示されるレイアウト作成画面の表示用データを生成するプログラムであり、選択されたプロジェクト(物件)に対して、フロア数、座席数、会議室数といった情報(レイアウト構成要素)が入力されると、当該入力情報を受けてオフィスレイアウトを自動で作成するプログラムである。レイアウト作成装置20では、レイアウト作成プログラム26が起動されることにより、抽出部34及び合成部36として動作することで、後述するレイアウト作成処理が行われる。
【0016】
図2は、物件DB28に記録された物件データの一例を示したものであり、物件名ごとに、フロア数、フロアID及びフロア画像データの情報が関連付けて記録されている。例えば、物件名「○○プロジェクト」の物件(ビル)については、1~3フロア(フロア数1~3)の場合のそれぞれに対して固有の識別番号(フロアID)が設けられ、各フロアIDの形状を示すフロア画像データ(図5の符番45、46参照)が記録されている。物件名「○○プロジェクト」の物件(ビル)で、フロア数が2の場合(フロアID:「0001-2」)に対しては、2フロア分のフロア画像データが「floor0001_2.jpg」として記録される。なお、フロア画像データは、あるフロアにおける共用部分(エレベータ、共用通路、トイレ等)を含むフロア全体の画像データ(ただし、レイアウト部分はブランクである)であり、予め用意されている。
【0017】
図3は、レイアウトDB30に記録されたレイアウトデータの一例を示したものであり、席数、会議室数、交流スペースのパターンと、フロアレイアウトを示すレイアウト画像データ(図6の符番64参照)が、対応づけて記録されている。
【0018】
図3の情報のうち、「席数」は、フロアの執務室に配置可能な座席数であり、本実施形態では、フロアID「0001-1」のフロアに対して100席~250席のパターンが用意されている。「会議室数」は、あるフロアレイアウトに配置可能な会議室の数であり、本実施形態では、フロアID「0001-1」のフロアに対して会議室数1~3のパターンが用意されている。フロア数が2の場合(例えば、フロアIDが「0001-2」)には、席数及び会議室数は2フロア合計での数を意味する。「交流スペース」は、フロアの交流スペースに配置される共用スペースのタイプであり、例えば、「コミュニケーション」「リラクゼーション」「集中ブース」の3タイプの交流スペースのイメージが用意されている。
【0019】
図3において、「レイアウト画像データ」は、上述した席数、会議室数、交流スペースの組み合わせにより定められるフロアレイアウトの画像データであり、予め用意されている。このレイアウト画像データは、図2のフロア画像データと組み合わされてレイアウト表示装置10に送信され、表示部14に表示される(図6参照)。
【0020】
なお、各物件についてのフロア数は3に限られることはなく、フロア数が1又は2であっても良いし、4以上のフロア数を設定しても良い。また、各フロアにおける席数、会議室数、交流スペースの組み合わせも、図3の例に限られることはなく、フロア面積に応じて適宜変更しても良い。数、会議室数、交流スペースの個々の組み合わせに対してレイアウト画像が用意され、レイアウトDB30に予め記録される。
【0021】
取得データ32は、入力部12を通じて利用者から入力され、レイアウト表示装置10から送信される情報(物件、席数、会議室数、交流スペースのパターンの情報など)のデータや、抽出部34により抽出された画像データを有しており、記録部24に一時的に記録される。抽出部34は、利用者により選択された物件IDに対応するフロア画像データを物件DB28から抽出し、また、利用者により選択された席数、会議室数、交流スペースの組み合わせに対応するレイアウト画像データをレイアウトDB30から抽出する。合成部36は、フロア画像データのレイアウトスペース(図5においてブランクになっているスペース)に、対応するフロア画像データを合成することで、利用者により選択されたフロアのレイアウト画像を生成する。
【0022】
図4は、本実施形態に係るレイアウト作成画面を示したものである。レイアウト作成画面40は、レイアウト表示装置10のWebブラウザ18により表示部14に表示され、物件選択ボックス41、フロア数選択ボタン42、決定ボタン43が設けられている。利用者は、入力部12を介して物件選択ボックス41に物件名(例えば「○○プロジェクト」)の全部又は一部を入力して、レイアウトを提示する物件を検索することができる。フロア数選択ボタン42は、レイアウトパターンを希望するフロア数を選択する。なお、該当するフロア数が存在しない場合(例えば、ある物件について3フロア分のレイアウトが存在しない場合)には、該当するフロア数の選択ボタン32を表示させない又はグレイアウトするようにしても良い。
【0023】
図4の画面において、物件名およびフロア数が決定された後に、利用者によって決定ボタン43がタップされると、レイアウト表示装置10より入力データ(物件名、フロア数の情報)がレイアウト作成装置20に送信される。レイアウト作成装置20の抽出部34は、利用者により決定された物件名に対応するフロア画像データを物件DB28から読み出して、取得データ32として記録部24に記録する。そして、レイアウト作成プログラム26は、情報入力画面の表示用データを生成してこれをレイアウト表示装置10に送信する。レイアウト表示装置10では、レイアウト作成装置20から受信した表示用データに基づき、図5の情報入力画面50を表示させる。
【0024】
情報入力画面50には、物件情報(プロジェクト名、フロア番号)を表示する物件表示エリア51、レイアウト画像を表示するレイアウト表示エリア52、座席数や会議室等の情報を入力する入力エリア53、座席数や会議室等の情報を表示する情報表示エリア54が含まれる。
【0025】
物件表示エリア51には、図4において利用者により選択された物件の情報(プロジェクト名、フロア番号)が表示される。レイアウト表示エリア52には、利用者により選択された物件のフロア画像が表示され、当該物件が複数のフロアを構成する場合には、物件表示エリア51で選択されたフロア(図5の例では「フロア1」)に対応する画像が表示される。
【0026】
レイアウト表示エリア52には、抽出部34により物件DB28から抽出されたフロア画像データに基づくフロア画像が表示される。フロア画像は、空白(ブランク)のフロアレイアウト部分55と共用部分56(図の斜線部分)を有している。入力エリア53には、座席数を選択するボックス57と会議室数を選択するボックス58が表示されており、利用者によって座席数および会議室数が入力又は選択可能とされている。ここで、レイアウトDB30に存在しない座席数および会議室数の組み合わせについては、選択候補として表示されないように構成される。あるいは、ユーザによって入力された座席数および会議室数に対応するレイアウト画像データがレイアウトDB30内に存在しない場合には、「次へ」ボタン49を表示しない又はグレーアウトする等して、レイアウト表示画面60に移行しないように構成しても良い。
【0027】
利用者により座席数および会議室数が入力され、「次へ」ボタン59がタップされると、レイアウト表示装置10から入力データ(座席数および会議室数の情報)がレイアウト作成装置20に送信される。レイアウト作成装置20の抽出部34は、決定された座席数および会議室数に対応するレイアウト画像データをレイアウトDB30から読み出し、取得データ32として記録部24に記録する。その後、合成部36が、フロア画像の空白(ブランク)部分にレイアウト画像が入り込むようにフロア画像データとレイアウト画像データを合成して、レイアウト画面の表示データを生成する。
【0028】
レイアウト作成装置20は、生成されたレイアウト画面の表示データをレイアウト表示装置10に送信する。レイアウト表示装置10では、レイアウト作成装置20から受信した表示用データに基づき、図6のレイアウト表示画面60を表示する。図6のレイアウト表示画面60では、レイアウト表示エリア52において、フロア画像データとレイアウト画像データが合成されたフロアレイアウト画像が表示される。レイアウト表示エリア52に表示される画像は、フロア画像のうち共用部分56(図の斜線部分)と、個々のレイアウトに対応するレイアウト画像64とが組み合わされた画像となる。
【0029】
入力エリア53には、交流スペースのタイプを選択する選択ボタン61、図5の画面に戻るための「戻る」ボタン62、フロアレイアウト画像に基づき提案書を作成するための「提案書作成」ボタン63が表示される。
【0030】
交流スペースに関して、図6の例では、「コミュニケーション」に対応する交流スペースが選択されており、抽出部34において、レイアウトDB30の「交流スペース」が「パターン1」に対応するレイアウト画像データが抽出され、レイアウト表示エリア52に表示される。ここで、別タイプの交流スペース(例えば「リラクゼーション」)が選択されると、抽出部34において、レイアウトDB30の「交流スペース」が「パターン2」に対応するレイアウト画像データが抽出され、レイアウト表示エリア52に表示される。
【0031】
情報表示エリア54には、利用者によって入力された座席数および会議室数の情報(図6の例では、1フロア内に160席、3会議室)と、フロア面積の情報が表示される。図6の例では、フロア数が「1」の場合におけるレイアウトパターンが表示されているが、フロア数が複数の場合においても、レイアウトDB30から対応するレイアウト画像データが抽出され、レイアウト表示装置10に送信することにより、フロア毎にレイアウト画像を表示することができる。
【0032】
このように、利用者によるオフィスレイアウトの設計や什器の配置といった煩雑な作業を省略し、座席数や会議室数といった基本的な情報の入力のみに基づきオフィスレイアウトを作成することで、簡便な方法により、オフィスレイアウトを作成し顧客に提示することができる。これにより、オフィスレイアウト作成に時間をかけることなく、顧客において入居後のイメージを迅速に把握できるようになり、テナント誘致活動の効率化を図ることができる。
【0033】
また、レイアウト画像のデータはレイアウト作成装置20に一元的に保存されるので、不動産業者側においてデータサーバ内の情報を更新するだけで、これに接続された全てのレイアウト表示装置10において更新後の物件DB28及びレイアウトDB30の情報を利用することができるから、物件及びフロアレイアウトの拡張を容易に行うことができる。
【0034】
上記実施形態では、座席数および会議室数の情報に基づきオフィスレイアウトを提示しているが、本発明はこれに限定されることはなく、利用者により簡易に選択可能な情報であれば、他の情報を追加してもよい。例えば、受付の有無(有人、無人)、ひな壇席の有無、社長室/役員室の有無、座席の幅、隣接する座席列の間隔、会議室人数、フロア分割の有無、といった情報を追加することができる。この場合において、追加した情報の候補毎に、レイアウト画像データをレイアウトDB30に記録しておき、抽出部34が利用者により選択された情報に対応するレイアウト画像データを抽出し、レイアウト表示エリア52に表示する。
【0035】
上記実施形態では、レイアウト表示装置10とレイアウト作成装置20とがネットワーク接続された場合について説明しているが、本発明はこれに限られることはなく、図7に示すように、ユーザが保有する単一のレイアウト作成装置70にて、図1のレイアウト表示装置10とレイアウト作成装置20の機能を一つに纏めても良い。これにより、ネットワーク接続がない環境下でもレイアウト作成及び表示を行うことができる。
【0036】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0037】
10 レイアウト表示装置
20、70 レイアウト作成装置
26 レイアウト作成プログラム
28 物件DB
30 レイアウトDB
40,50,60 レイアウト作成画面
55,56 フロア画像
64 レイアウト画像
【要約】
【課題】簡便な方法により、オフィスレイアウトを作成し顧客に提示する。
【解決手段】複数のレイアウト表示装置10との間で通信回線11により接続されるレイアウト作成装置20は、オフィスを構成するフロアの形状を示すフロア画像と、フロアに対応するレイアウトを示すフロアレイアウト画像が記録された記録部24と、記録部24からフロアレイアウト画像を抽出する抽出部34と、フロアレイアウト画像をフロア画像に合成して合成画像を生成する合成部36と、レイアウト表示装置10より会議室数及び座席数を含むレイアウト要素のデータを受信し、フロアレイアウト画像のデータをレイアウト表示装置10に送信する通信部22を備える。記録部は、レイアウト要素の組み合わせに応じた複数のフロアレイアウト画像を記録するレイアウトDB30を備えており、抽出部34は、複数のフロアレイアウト画像の中から、入力されたレイアウト要素に対応するフロアレイアウト画像を抽出する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7