IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サングロー パワー サプライ カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7305033電力変換装置の駆動回路及びその応用装置
<>
  • 特許-電力変換装置の駆動回路及びその応用装置 図1
  • 特許-電力変換装置の駆動回路及びその応用装置 図2
  • 特許-電力変換装置の駆動回路及びその応用装置 図3
  • 特許-電力変換装置の駆動回路及びその応用装置 図4
  • 特許-電力変換装置の駆動回路及びその応用装置 図5
  • 特許-電力変換装置の駆動回路及びその応用装置 図6
  • 特許-電力変換装置の駆動回路及びその応用装置 図7
  • 特許-電力変換装置の駆動回路及びその応用装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-06-29
(45)【発行日】2023-07-07
(54)【発明の名称】電力変換装置の駆動回路及びその応用装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20230630BHJP
【FI】
H02M1/08 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022511049
(86)(22)【出願日】2020-05-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-24
(86)【国際出願番号】 CN2020092060
(87)【国際公開番号】W WO2021098173
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】201911127613.0
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515249628
【氏名又は名称】サングロー パワー サプライ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】チェン ペン
(72)【発明者】
【氏名】チュー イン
(72)【発明者】
【氏名】シュー チィンチィン
【審査官】鈴木 圭一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-045562(JP,A)
【文献】特開2016-077057(JP,A)
【文献】特開2014-175886(JP,A)
【文献】特開2012-249357(JP,A)
【文献】中国実用新案第209001922(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107027205(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換装置の駆動回路であって、少なくとも1つの電源切替回路、N個の分離モジュール及び少なくとも1つの分離電源を含み、Nは、電力変換装置の主回路におけるパワー半導体デバイスの数であり、且つ正の整数であり、
各前記パワー半導体デバイスの制御端は、それぞれの駆動抵抗を介して、対応する前記分離モジュールの出力端に接続されており、
各前記分離モジュールの電源端は、それぞれ対応する前記分離電源の出力端に接続されており、対応する駆動電圧を受信し、
各前記分離モジュールの入力端は、それぞれ前記電力変換装置におけるコントローラの対応する第1の出力端に接続されており、対応するパワー半導体デバイスのパルス幅変調PWM信号を受信し、
前記分離電源の入力端は、前記電源切替回路の出力端に接続されており、
前記電源切替回路の入力端は、電源に接続されており、
前記電源切替回路は、コンデンサ、及び出力電圧が異なる第1のブランチ、第2のブランチを含み、
前記電源切替回路の制御端は、前記コントローラの第2の出力端に接続されており、駆動電圧制御信号を受信し、
前記電源切替回路は、各前記分離モジュールの駆動電圧が、前記電力変換装置が過渡遷移プロセスにある場合、所定電圧に等しく、各パワー半導体デバイスのオン/オフの速度を落とし、前記電力変換装置が正常動作状態にある場合、所定電圧とは異なる正常電圧に等しくなるように、前記駆動電圧制御信号に基づき、それ自体の出力を変更する、ことを特徴とする電力変換装置の駆動回路。
【請求項2】
記第1のブランチと前記第2のブランチとのうちの少なくとも1つには、前記電源切替回路の制御端として、制御端が設けられ、
前記第1のブランチの入力端は前記電源切替回路の1つの入力端として、第1の電源に接続されており、
前記第2のブランチの入力端は前記電源切替回路の他の入力端として、第2の電源に接続されており、
前記第1のブランチの出力端及び前記第2のブランチの出力端はいずれも前記コンデンサの一端に接続されており、接続点は前記電源切替回路の出力端正極とされ、
前記コンデンサの他端は接地されており、前記電源切替回路の出力端負極とされる、ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置の駆動回路。
【請求項3】
前記第1のブランチは、第1の電流制限抵抗と第1のダイオードとを含み、前記第2のブランチは、直列接続された第2の電流制限抵抗と、第1の電子スイッチと、第2のダイオードとを含み、
前記第1のダイオードの陰極は、前記第1のブランチの出力端とされ、
前記第1のダイオードの陽極は、前記第1の電流制限抵抗の一端に接続され、
前記第1の電流制限抵抗の他端は、前記第1のブランチの入力端とされ、
前記第2のダイオードの陰極は、前記第2のブランチの出力端とされ、
前記第2のダイオードの陽極は、前記第2の電流制限抵抗を介して前記第1の電子スイッチの出力端に接続されており、
前記第1の電子スイッチの入力端は、前記第2のブランチの入力端とされ、
前記第1の電子スイッチの制御端は、前記電源切替回路の制御端とされる、ことを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置の駆動回路。
【請求項4】
前記第1のブランチは、直列接続された第1の電流制限抵抗と第2の電子スイッチとを含み、前記第2のブランチは、直列接続された第2の電流制限抵抗と第1の電子スイッチとを含み、
前記第1の電子スイッチの制御端は、前記電源切替回路の制御端であり、
前記第1の電子スイッチの制御端はさらに、逆変換器を介して前記第2の電子スイッチの制御端に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置の駆動回路。
【請求項5】
前記第2の電源の電圧は、前記第1の電源の電圧よりも大きく、前記第1の電流制限抵抗の抵抗値は、前記第2の電流制限抵抗の抵抗値に等しく、
または、前記第2の電源の電圧は、前記第1の電源の電圧に等しく、前記第1の電流制限抵抗の抵抗値は、前記第2の電流制限抵抗の抵抗値よりも大きく、
或いは、前記第2の電源の電圧は、前記第1の電源の電圧よりも大きく、前記第1の電流制限抵抗の抵抗値は、前記第2の電流制限抵抗の抵抗値よりも大きく、することによって、前記第1のブランチの出力電圧が前記第2のブランチの出力電圧よりも小さいようにし
前記駆動電圧制御信号は、前記電力変換装置が正常動作状態にある場合、前記第1の電子スイッチをオンになるように制御し、前記電力変換装置が過渡遷移プロセスにある場合、前記第1の電子スイッチをオフになるように制御する信号である、ことを特徴とする請求項3または4に記載の電力変換装置の駆動回路。
【請求項6】
前記第1の電子スイッチは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタMOSFET、トランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタIGBT、及びMOSFET、トランジスタ、IGBTのうちの少なくとも2つの組み合わせのいずれかである、ことを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置の駆動回路。
【請求項7】
さらに増幅回路を含み、
各前記パワー半導体デバイスの制御端は、それぞれの駆動抵抗を介して対応する前記増幅回路の出力端に接続されており、
各前記増幅回路の入力端は、それぞれ対応する前記分離モジュールの出力端に接続される、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置の駆動回路。
【請求項8】
前記分離電源は、開ループ制御を採用する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置の駆動回路。
【請求項9】
前記分離モジュールは、分離フォトカプラ、分離型容量結合及び分離型磁気結合のいずれかである、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置の駆動回路。
【請求項10】
電力変換装置であって、コントローラ、M個の電力変換モジュール及び請求項1からのいずれか1項に記載の駆動回路を含み、Mは、正の整数であり、
前記コントローラは、前記駆動回路を介して、M個の電力変換モジュールにおける各パワー半導体デバイスの制御端に接続される、ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項11】
インバータであって、コントローラ、M個の電力変換モジュール、及び請求項1からのいずれか1項に記載の駆動回路を含み、Mは、正の整数であり、
M個の電力変換モジュールは少なくとも1つのインバータ回路を含み、
前記コントローラは、前記駆動回路を介して、M個の電力変換モジュールにおける各パワー半導体デバイスの制御端に接続される、ことを特徴とするインバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年11月18日に中国特許庁に提出された、出願番号が201911127613.0であって、発明の名称が「電力変換装置の駆動回路及びその応用装置」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、その全内容を援用により本出願に組み込む。
【0002】
本発明は、パワーエレクトロニクスの技術分野に属し、より具体的に、特に、電力変換装置の駆動回路及びその応用装置に関している。
【背景技術】
【0003】
パワーエレクトロニクスの電源では、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)及びIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)は広く使用されている。MOSFET及びIGBTはいずれもパワー半導体デバイスであり、このようなデバイスは、その駆動信号の電圧値を制御することで、その内部のオン/オフ機能を実現する。正常の場合、そのオン電圧よりも大きい正電圧を印加すると、それをオンさせ、負電圧またはゼロ電圧を印加すると、それをオフさせる。オンの場合、駆動信号の電圧値が高いほど、オン状態での損失が小さくなり、性能が向上し、オフの場合、デバイスの確実なオフを保証するために、駆動信号の電圧値が負になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実際の使用では、スイッチ回路の寄生インダクタンスの存在のため、MOSFET及びIGBTはいずれも、オフされる際、電圧スパイクがあり、オフ電圧ストレスが比較的高い。オンされる際でも、還流ダイオードの逆回復電流が流れて、オン損失及び電流ストレスを大きくする。オフ際の電圧ストレス、オン際の電流ストレスはいずれも、MOSFETとIGBTの損壊のリスクを増やし、その確実性を低減させる。
【0005】
MOSFETとIGBTとの損壊のリスクを増やし、その確実性を低減させるという上記の問題を避けるために、従来技術には、駆動抵抗の大きさを変更することで、オン/オフの速度を調節し、それにより、対応するストレスを低減させる技術案がある。ただし、駆動抵抗を常に調整した後、正常動作と異常動作との性能を両立できない。
【0006】
これに鑑みると、本発明は、駆動電圧を所定電圧と正常電圧との間で切り替えるための電力変換装置の駆動回路及びその応用装置を提供することを目的とし、駆動抵抗の抵抗値を常に調整する必要がなく、電力変換装置の正常動作時の性能への影響を避ける。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の形態は、電力変換装置の駆動回路を開示し、少なくとも1つの電源切替回路、N個の分離モジュール及び少なくとも1つの分離電源を含み、Nは、前記電力変換装置の主回路におけるパワー半導体デバイスの数であり、且つ、正の整数であり、
各前記パワー半導体デバイスの制御端は、それぞれの駆動抵抗を介して、対応する前記分離モジュールの出力端に接続されており、
各前記分離モジュールの電源端は、それぞれ対応する前記分離電源の出力端に接続されており、対応する駆動電圧を受信し、
各前記分離モジュールの入力端は、それぞれ前記電力変換装置におけるコントローラの対応する第1の出力端に接続されており、対応するパワー半導体デバイスのPWM(Pulse-Width Modulation、パルス幅変調)信号を受信し、
前記分離電源の入力端は、前記電源切替回路の出力端に接続されており、
前記電源切替回路の入力端は、電源に接続されており、
前記電源切替回路の制御端は、前記コントローラの第2の出力端に接続されており、駆動電圧制御信号を受信し、前記電源切替回路は、各前記分離モジュールの駆動電圧が、前記電力変換装置が過渡遷移プロセスにある場合、所定電圧に等しく、前記電力変換装置が正常動作状態にある場合、正常電圧に等しくなるように、前記駆動電圧制御信号に基づき、それ自体の出力を変更する。
【0008】
好ましくは、前記電源切替回路は、コンデンサ、及び出力電圧が異なる第1のブランチ、第2のブランチを含み、
前記第1のブランチと前記第2のブランチとのうちの少なくとも1つには、前記電源切替回路の制御端として、制御端が設けられ、
前記第1のブランチの入力端は、前記電源切替回路の1つの入力端として、第1の電源に接続されており、
前記第2のブランチの入力端は、前記電源切替回路の他の入力端として、第2の電源に接続されており、
前記第1のブランチの出力端及び前記第2のブランチの出力端はいずれも前記コンデンサの一端に接続され、接続点は前記電源切替回路の出力端正極とされ、
前記コンデンサの他端は接地されており、前記電源切替回路の出力端負極とされる。
【0009】
好ましくは、前記第1のブランチは、第1の電流制限抵抗と第1のダイオードとを含み、前記第2のブランチは、直列接続された第2の電流制限抵抗と、第1の電子スイッチと、第2のダイオードとを含み、
前記第1のダイオードの陰極は、前記第1のブランチの出力端とされ、
前記第1のダイオードの陽極は、前記第1の電流制限抵抗の一端に接続されており、
前記第1の電流制限抵抗の他端は、前記第1のブランチの入力端とされ、
前記第2のダイオードの陰極は、前記第2のブランチの出力端とされ、
前記第2のダイオードの陽極は、前記第2の電流制限抵抗を介して前記第1の電子スイッチの出力端に接続されており、
前記第1の電子スイッチの入力端は、前記第2のブランチの入力端とされ、
前記第1の電子スイッチの制御端は、前記電源切替回路の制御端とされる。
【0010】
好ましくは、前記第1のブランチは、直列接続された第1の電流制限抵抗と第2の電子スイッチとを含み、前記第2のブランチは、直列接続された第2の電流制限抵抗と第1の電子スイッチとを含み、
前記第1の電子スイッチの制御端は、前記電源切替回路の制御端であり、
前記第1の電子スイッチの制御端はさらに、逆変換器を介して前記第2の電子スイッチの制御端に接続される。
【0011】
好ましくは、前記第1のブランチの出力電圧は、前記第2のブランチの出力電圧よりも小さく、
前記駆動電圧制御信号は、前記電力変換装置が正常動作状態にある場合、前記第1の電子スイッチをオンになるように制御し、前記電力変換装置が過渡遷移プロセスにある場合、前記第1の電子スイッチをオフになるように制御する信号である。
【0012】
好ましくは、前記第2の電源の電圧は、前記第1の電源の電圧よりも大きく、前記第1の電流制限抵抗の抵抗値は、前記第2の電流制限抵抗の抵抗値に等しく、
または、前記第2の電源の電圧は、前記第1の電源の電圧に等しく、前記第1の電流制限抵抗の抵抗値は、前記第2の電流制限抵抗の抵抗値よりも大きく、
或いは、前記第2の電源の電圧は、前記第1の電源の電圧よりも大きく、前記第1の電流制限抵抗の抵抗値は、前記第2の電流制限抵抗の抵抗値よりも大きい。
【0013】
好ましくは、前記第1の電子スイッチは、MOSFET、トランジスタ、IGBT、及びMOSFET、トランジスタ、IGBTのうちの少なくとも2つの組み合わせのいずれかである。
【0014】
好ましくは、前記電力変換装置の駆動回路はさらに増幅回路を含み、
各前記パワー半導体デバイスの制御端は、それぞれの駆動抵抗を介して対応する前記増幅回路の出力端に接続されており、
各前記増幅回路の入力端はそれぞれ対応する前記分離モジュールの出力端に接続される。
【0015】
好ましくは、前記分離電源は、開ループ制御を採用する。
【0016】
好ましくは、前記分離モジュールは、分離フォトカプラ、分離型容量結合及び分離型磁気結合のいずれかである。
【0017】
本発明の第2の形態は、電力変換装置を開示し、コントローラ、M個の電力変換モジュール、及び第1の形態のいずれか1項に記載の駆動回路を含み、Mは正の整数であり、
前記コントローラは、前記駆動回路を介してM個の電力変換モジュールにおける各パワー半導体デバイスの制御端に接続される。
【0018】
本発明の第3形態はインバータを開示し、コントローラ、M個の電力変換モジュール、及び第1の形態のいずれか1項に記載の駆動回路を含み、Mは、正の整数であり、
M個の電力変換モジュールは、少なくとも1つのインバータ回路を含み、
前記コントローラは、前記駆動回路を介してM個の電力変換モジュールにおける各パワー半導体デバイスの制御端に接続される。
【0019】
前記技術案から分かるように、本発明によって提供された電力変換装置の駆動回路は、少なくとも1つの電源切替回路、N個の分離モジュール及び少なくとも1つの分離電源を含み、各パワー半導体デバイスの制御端は、それぞれの駆動抵抗を介して対応する分離モジュールの出力端に接続されており、各分離モジュールの電源端はそれぞれ、対応する分離電源の出力端に接続されており、対応する駆動電圧を受信し、電源切替回路は、各パワー半導体デバイスの損壊のリスクを避けるために、各分離モジュールの駆動電圧が、電力変換装置が過渡遷移プロセスにある場合、所定電圧に等しく、電力変換装置が正常動作状態にある場合、正常電圧に等しくなるように、その制御端が受信した駆動電圧制御信号に基づき、それ自体の出力を変更し、また、駆動抵抗の抵抗値を常に調整する必要がなく、電力変換装置の正常動作時の性能への影響を避ける。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例が提供した電力変換装置の駆動回路の模式図である。
図2】本発明の実施例が提供した別の電力変換装置の駆動回路における電源切替回路の模式図である。
図3】本発明の実施例が提供した別の電力変換装置の駆動回路における電源切替回路の模式図である。
図4】本発明の実施例が提供した別の電力変換装置の駆動回路における電源切替回路の模式図である。
図5】本発明の実施例が提供したインバータの模式図である。
図6】本発明の実施例が提供した別の電力変換装置の駆動回路における電源切替回路の模式図である。
図7】本発明の実施例が提供した別の電力変換装置の駆動回路の模式図である。
図8】本発明の実施例が提供した電力変換装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下は、本発明の実施例の図面を結合して、本発明の実施例の技術案を明確且つ完全に記載し、明らかに、記載された実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例のみである。本発明の実施例に基づき、当業者は進歩性に値する労働をしない前提で、取得した他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属している。
【0022】
本出願では、「含む」「包含」という用語又はそれらの他の任意の変形は、非排他的包含を含むように意図され、それにより、一連の要素を含む過程、方法、品物又は機器は、それらの要素を含むだけでなく、更に明確に列挙されていない他の要素を含み、或いは、更にこのような過程、方法、品物又は機器に固有の要素を含む。これ以上限定しない限り、「○○を含む」という語句で限定された要素は、当該要素を含む過程、方法、品物又は機器には更に他の同じ要素があることを排除しない。
【0023】
本発明の実施例は、電力変換装置の主回路におけるパワー半導体デバイスの駆動電圧を所定電圧と正常電圧との間で切り替えるように制御するための電力変換装置の駆動回路を提供し、また、駆動抵抗の抵抗値を常に調整する必要がなく、電力変換装置の正常動作時の性能への影響を避ける。
【0024】
図1を参照し、当該電力変換装置の駆動回路は、少なくとも1つの電源切替回路10、N個の分離モジュール(ここで、分離モジュールが分離フォトカプラ30であるように示す)、及び少なくとも1つの分離電源20を含み、Nは、電力変換装置の主回路におけるパワー半導体デバイスの数であり、且つ、正の整数であり、
各パワー半導体デバイスの制御端は、それぞれの駆動抵抗を介して対応する分離モジュール30の出力端に接続される。
【0025】
各分離モジュール30の電源端はそれぞれ、対応する分離電源20の出力端に接続されており、対応する駆動電圧を受信する。なお、分離電源20の出力端は、正電圧出力端、制御電圧出力端及び負電圧出力端を含み、3つの出力端のうち隣接する2つの出力端の間にはいずれもコンデンサが設けられ、正電圧出力端の出力電圧はVPであり、制御電圧出力端の出力電圧はVEであり、負電圧出力端の出力電圧はVNである。分離モジュール30の電源端は、正電圧入力端、制御電圧入力端及び負電圧入力端を含む。分離モジュール30と分離電源20との間の具体的な接続関係は次のとおりであり、即ち、分離モジュール30の正電圧入力端は、分離電源20の正電圧出力端に接続され、分離モジュール30の制御電圧入力端は、分離電源20の制御電圧出力端に接続され、分離モジュール30の負電圧入力端は、分離電源20の負電圧出力端に接続され、この場合、分離電源20の正電圧出力端の出力電圧VPと負電圧出力端の出力電圧VNとの間の電圧差は、分離電源20から分離モジュール30へ提供される駆動電圧である。または、分離モジュール30の負電圧入力端は、分離電源20の負電圧出力端に接続されず、フローティング状態にあってもよく、この場合、分離電源20の正電圧出力端の出力電圧VPは、分離電源20から分離モジュール30へ提供される駆動電圧である。
【0026】
実際応用において、分離モジュール30は、分離フォトカプラ、分離型磁気結合及び分離型容量結合のうちのいずれかであってもよく、無論、分離モジュール30は、分離及び信号伝送機能を具備する他のデバイスまたは回路であってもよく、ここで一々贅言していなく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0027】
分離電源20の入力端は、電源切替回路10の出力端に接続されており、電源切替回路10の入力端は電源に接続される。
【0028】
実際応用において、分離電源20は開ループ制御であるため、分離電源20の出力電圧及び入力電圧は線形変化を呈している。分離電源20の入力電圧が大きい場合、その出力電圧も大きくなり、分離電源20の入力電圧が小さい場合、その出力電圧も小さくなり、これにより、電源切替回路10から分離電源20へ出力される電圧と、分離電源20から出力される駆動電圧とは線形変化を呈している。
【0029】
実際応用において、電力変換装置における1つの電力変換モジュール、例えば、インバータ回路またはDC/DC変換回路について、その内部の各パワー半導体デバイスには、いずれもそれぞれの分離モジュール30が配置される。複数の分離モジュール30、例えば同じ電力変換モジュール内における各パワー半導体デバイスの分離モジュール30は、1つの分離電源20を共有してもよく、電力変換装置の駆動ボード上の全ての分離モジュール30は同じ分離電源20を共有してもよく、ここで限定していない。電力変換装置駆動基板が複数の分離電源20を含む場合、これらの分離電源20は、1つの電源切替回路10を共有してもよい。
【0030】
電力変換装置が正常動作状態にある場合、当該駆動回路の内部において、電源切替回路10は、その入力端が受信した電圧を変換した後、その出力端を介して分離電源20に出力する。分離電源20は、その出力端を介して、対応する分離モジュール30の電源端に、対応する駆動電圧を出力する。各分離モジュール30の入力端はそれぞれ電力変換装置におけるコントローラの対応する第1の出力端に接続されており、対応するパワー半導体デバイスのPWM信号を受信する。各分離モジュール30は、受信したPWM信号に基づき、それ自体の出力端を介して、それぞれの対応するパワー半導体デバイスの制御端に駆動信号を出力することで、各パワー半導体デバイスは駆動信号に基づき、対応する動作を実行する。
【0031】
電源切替回路10の制御端は、コントローラの第2の出力端に接続されており、駆動電圧制御信号を受信することで、当該電源切替回路10は、その制御端が受信した駆動電圧制御信号に基づき、それ自体の出力を変更することができ、これによって、各分離モジュール30の駆動電圧は、電力変換装置が過渡遷移プロセスにある場合、所定電圧に等しく、電力変換装置が正常動作状態にある場合、正常電圧に等しくなる。
【0032】
具体的に、当該過渡遷移プロセスは、低電圧ライドスルー、高電圧ライドスルー、起動プロセス及びシャットダウンなどのプロセスを指し、電力変換装置が上記の過渡遷移プロセスのいずれかにある場合、電力変換装置のコントローラは、電源切替回路10の制御端に第1の駆動電圧制御信号、例えば、あるレベルの駆動電圧制御信号を出力することで、電源切替回路10の出力電圧は、低くなり、これにより、各分離モジュール30の駆動電圧は、所定電圧になる。電力変換装置が正常動作状態にある場合、電力変換装置のコントローラは、電源切替回路10の制御端に第2の駆動電圧制御信号、例えば、別のレベルの駆動電圧制御信号を出力することで、電源切替回路10の出力電圧は高くなり、これにより、各分離モジュール30の駆動電圧は正常電圧になる。当該所定電圧は正常電圧よりも低いため、電力変換装置が低電圧ライドスルー、高電圧ライドスルー、起動プロセス及び停止などの過渡遷移プロセスのいずれかの状態にある場合、その主回路におけるパワー半導体デバイスが受信した駆動信号は、電力変換装置が正常動作状態にあるときに対して、変化して、各パワー半導体デバイスのオン/オフの速度を落として、これにより、オフ際の電圧ストレスまたはオン際の電流ストレスはいずれも許容範囲内にあり、パワー半導体デバイスの損壊のリスクを低減させ、その確実性を向上させる。駆動抵抗の抵抗値を常に調整する必要がなく、電力変換装置の正常動作際の性能に対する影響を避ける。なお、実際応用において、当該所定電圧は、当該正常電圧よりも高くなってもよく、電力変換装置は低電圧ライドスルー、高電圧ライドスルー、起動プロセス及びシャットダウンなどの過渡遷移プロセスのいずれかの状態にある場合、各パワー半導体デバイスのオン/オフの速度を落として、オフ際の電圧ストレスまたはオン際の電流ストレスがいずれも許容範囲内にあることを確保すればよく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0033】
従来技術のさらなる技術案は次のとおりであり、即ち、分離電源の二次側には駆動抵抗または電圧調整回路が設けられるが、回路に切り込むように異なる駆動抵抗を区分して制御し、または、イネーブルされるように異なる機能を区分して制御するために、いずれも2つの分離チャネルを設計する必要があり、そのため、回路のコストが高くなり、より複雑になる。
【0034】
本発明の実施例において、分離電源20の一次電圧、さらに二次電圧を変更することで、区分制御ための複数の分離チャネルの必要性が回避され、分離電源20及び分離モジュール30を変更しない場合、1つの電源切替回路10は複数の分離電源20に対応することができ、回路のコスト、複雑度をさらに低減させる。
【0035】
また、図1に基づいて、また、図7に示される増幅回路40を含んでもよく、
各パワー半導体デバイスの制御端は、それぞれの駆動抵抗を介して、対応する増幅回路40の出力端に接続されており、各増幅回路40の入力端はそれぞれ、対応する分離モジュール30の出力端に接続される。
【0036】
なお、図7の他のデバイスの接続関係は、図1の接続関係に類似するので、ここで一々贅言していなく、詳細について、図1の記載を参照すればよく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0037】
実際応用において、前記電源切替回路10の具体的な構成について、図2を参照し、コンデンサC、及び出力電圧が異なる第1のブランチ201、第2のブランチ202を含む。
【0038】
第1のブランチ201と第2のブランチ202とのうちの少なくとも1つには、電源切替回路10の制御端として、制御端が設けられる。
【0039】
第1のブランチ201の入力端は電源切替回路10の1つの入力端として、第1の電源V1に接続されており、第2のブランチ202の入力端は電源切替回路10の他の入力端として、第2の電源V2に接続されており、第1のブランチ201の出力端と第2のブランチ202の出力端とはいずれもコンデンサCの一端に接続され、接続点は電源切替回路10の出力端正極とされ、コンデンサCの他端は接地されており、電源切替回路10の出力端負極とされる。
【0040】
実際応用において、第1のブランチ201は図4に示すように、第1の電流制限抵抗R1と第1のダイオードD1とを含む。
【0041】
具体的に、第1のダイオードD1は、陰極が第1のブランチ201の出力端とされ、陽極が、第1の電流制限抵抗R1の一端に接続され、第1の電流制限抵抗R1の他端は第1のブランチ201の入力端とされる。
【0042】
第2のブランチ202は、図4に示すように、直列接続された第2の電流制限抵抗R2、第1の電子スイッチK1及び第2のダイオードD2を含む。
【0043】
具体的に、第2のダイオードD2は、陰極が、第2のブランチ202の出力端とされ、陽極が、第2の電流制限抵抗R2を介して、第1の電子スイッチK1の出力端に接続され、第1の電子スイッチK1の入力端は、第2のブランチ202の入力端とされ、その制御端は電源切替回路10の制御端である。
【0044】
第1の電子スイッチK1は、MOSFET、トランジスタ、IGBT、及びMOSFET、トランジスタ、IGBTのうちの少なくとも2つの組み合わせのいずれかであり、第1の電子スイッチK1は他の半導体スイッチであってもよく、ここで、一々列挙していなく、実際の状況に応じて決定すればよく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0045】
実際応用において、第1のブランチ201の出力電圧は、第2のブランチ202の出力電圧よりも小さい。
【0046】
第1の電源V1、第2の電源V2、第1の電流制限抵抗R1及び第2の電流制限抵抗R2をそれぞれ、第2の電源V2の電圧が、第1の電源V1の電圧より大きく、第1の電流制限抵抗R1の抵抗値が、第2の電流制限抵抗R2の抵抗値に等しいように配置することができる。
【0047】
または、第1の電源V1、第2の電源V2、第1の電流制限抵抗R1及び第2の電流制限抵抗R2をそれぞれ、第2の電源V2の電圧が第1の電源V1の電圧に等しく、第1の電流制限抵抗R1の抵抗値が第2の電流制限抵抗R2の抵抗値より大きいように配置する。この場合、第1の電源V1と第2の電源V2とは、同じ電源であってもよく、第1のブランチ201の入力端は第2のブランチ202の入力端に接続され、図3に示すように、他の接続関係は図4に類似するため、ここで一々贅言していない。
【0048】
或いは、第1の電源V1、第2の電源V2、第1の電流制限抵抗R1及び第2の電流制限抵抗R2をそれぞれ、第2の電源V2の電圧が第1の電源V1の電圧より大きく、第1の電流制限抵抗R1の抵抗値が第2の電流制限抵抗R2の抵抗値より大きいように配置する。
【0049】
以上の3つの形態はいずれも、第1のブランチ201の出力電圧が第2のブランチ202の出力電圧よりも小さいことを実現するためのものであり、第1のブランチ201の出力電圧が第2のブランチ202の出力電圧よりも小さいことを実現するための他の形態も、本出願の保護範囲に該当している。
【0050】
本実施例において、その駆動電圧制御信号は、電力変換装置が正常動作状態にある場合、第1の電子スイッチK1をオンになるように制御し、電力変換装置が低電圧ライドスルー、高電圧ライドスルー、起動プロセス及びシャットダウンなどの過渡遷移プロセスにある場合、第1の電子スイッチK1をオフになるように制御する信号である。
【0051】
第1の電子スイッチK1がオンされる場合、第1のブランチ201の出力電圧は、第2のブランチ202の出力電圧よりも小さいため、第1のブランチ201における第1のダイオードD1は逆に遮断され、第1のブランチ201における第1の電流制限抵抗R1には電流が流れなく、この場合、第2のブランチ202のみは、コンデンサCに電圧を出力し、駆動電圧が正常電圧に等しくなる。
【0052】
第1の電子スイッチK1がオフされる、即ち、第2のブランチ202が切断される場合、第1のブランチ201はコンデンサCに電圧を出力し、第2のブランチ202における第2のダイオードD2は逆に遮断され、第1のブランチ201の出力電圧は、第2のブランチ202の出力電圧よりも小さいため、駆動電圧を正常電圧から低い所定電圧に切り替える。
【0053】
コンデンサCに電圧を出力するものが第1のブランチ201であるかそれとも第2のブランチ202であるかということに関係なく、充電後のコンデンサCの正極電圧は、電源切替回路10の出力電圧であり、第1のブランチ201の出力電圧が、第2のブランチ202の出力電圧よりも小さいため、電力変換装置が正常動作状態にある場合、駆動電圧制御信号は、コンデンサCに電圧を出力するように、出力電圧がより高い第2のブランチ202を制御することで、充電後のコンデンサCの正極電圧が高くなり、これにより、駆動電圧は、正常電圧に等しくなり、電力変換装置が低電圧ライドスルー、高電圧ライドスルー、起動プロセス及びシャットダウンなどの過渡遷移プロセスにある場合、駆動電圧制御信号は、コンデンサCに電圧を出力するように、出力電圧がより低い第1のブランチ201を制御することで、充電後のコンデンサCの正極電圧が低くなり、これにより、駆動電圧は、所定電圧に等しくなる。
【0054】
実際応用において、図6に示すように、第1のブランチ201には1つの第2の電子スイッチK2が設けられ、1つの逆変換器によって、その制御信号と第2のブランチ202における第1の電子スイッチK1の制御信号とを反転させばよく、この場合、2つのブランチにおけるダイオードを省略することができ、その動作原理は上記の状況に類似するため、ここで、贅言していない。
【0055】
本発明の実施例は電力変換装置を提供し、図8を参照し、コントローラ830、M個の電力変換モジュール820及び上記の実施例のいずれか1つに記載の駆動回路810を含む。
【0056】
Mは正の整数であり、図8はM=1を例として示す。
【0057】
M個の電力変換モジュール820はDC/AC変換回路、DC/DC変換回路、AC/AC変換回路及びAC/DC変換回路のうちの少なくとも1つを含み、ここで、具体的に限定していなく、具体的な応用環境に応じて決定すればよく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0058】
コントローラ830は、駆動回路810を介して、M個の電力変換モジュール820における各パワー半導体デバイスの制御端に接続され、駆動回路810における分離モジュール30に、対応するパワー半導体デバイスのPWM信号を出力して、対応する電力変換モジュール820における各パワー半導体デバイスをオン/オフになるように制御する。電力変換モジュール820における各パワー半導体デバイスはMOSFET、またはIGBTであってもよいし、他のパワー半導体デバイスであってもよく、ここで一々列挙していなく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0059】
駆動回路810の具体的な構成及び動作原理について、ここで一々贅言していなく、詳細について、上記の各実施例を参照すればよい。
【0060】
本発明の実施例はインバータを提供し、図5を参照し、コントローラ430、M個の電力変換モジュール420及び上記の実施例のいずれか1つに記載の駆動回路410を含む。
【0061】
Mは正の整数であり、図5はM=1を例として示す。
【0062】
M個の電力変換モジュール420は少なくとも1つのインバータ回路を含み、即ち、M=1の場合、当該電力変換モジュール420はインバータ回路であり、M>1の場合、他のいくつかの電力変換モジュール420はDC/DC変換回路であってもよい。
【0063】
コントローラ430は、駆動回路410を介して、M個の電力変換モジュール420における各パワー半導体デバイスの制御端に接続されており、駆動回路410における分離モジュール30に、対応するパワー半導体デバイスのPWM信号を出力し、これにより、対応する電力変換モジュール420における各パワー半導体デバイスをオン/オフになるように制御する。電力変換モジュール420における各パワー半導体デバイスは、MOSFET、またはIGBTであってもよいし、他のパワー半導体デバイスであってもよく、ここで一々列挙していなく、いずれも本出願の保護範囲に該当している。
【0064】
駆動回路410の具体的な構成及び動作原理について、ここで一々贅言していなく、詳細について、上記の各実施例を参照すればよい。
【0065】
ここで、インバータの具体的な動作プロセスについて説明し、
インバータが動作状態にある場合、そのコントローラ430は、駆動回路410における各分離モジュール30に、対応するパワー半導体デバイスのPWM信号を出力することで、対応するパワー半導体デバイスをオン/オフになるように制御する。動作状態は、正常動作状態、低電圧ライドスルー、高電圧ライドスルー、起動プロセス及びシャットダウンなどの過渡遷移プロセスを含む。
【0066】
具体的に、駆動回路410の分離モジュール30が受信したPWM信号がオフを要求する場合、分離モジュール30は、対応するパワー半導体デバイスに禁止制御信号を出力して、対応するパワー半導体デバイスをオフさせる。駆動回路410の分離モジュール30が受信したPWM信号がオンを要求する場合、分離モジュール30は、対応するパワー半導体デバイスにイネーブル制御信号を出力して、対応するパワー半導体デバイスをオンさせる。
【0067】
インバータが正常動作状態にある場合、そのコントローラ430は、駆動回路410の駆動電圧が正常電圧に等しくなるように制御することで、M個の電力変換モジュール420における各パワー半導体デバイスは、そのPWM信号に従って、正常の駆動信号を出力し、その後、正常に動作する。
【0068】
インバータが低電圧ライドスルー、高電圧ライドスルー、起動プロセス及びシャットダウンなどの過渡遷移プロセスにある場合、そのコントローラ430は、駆動回路410の駆動電圧が所定電圧に等しくなるように制御することで、低電圧ライドスルー、高電圧ライドスルー、起動プロセス及びシャットダウンなどの過渡遷移プロセスでは、各パワー半導体デバイスのオン/オフの速度を落として、各パワー半導体デバイスの電圧及び電流ストレスを低減させ、各パワー半導体デバイスの損壊のリスクを避け、その確実性を向上させる。
【0069】
本実施例において、インバータが異なる状態にある場合、駆動回路410の駆動電圧は、正常電圧と所定電圧との間で切り替えられ、インバータが過渡電圧ストレス及び電流ストレスが高いという状態にあるときに電力変換モジュール420における各パワー半導体デバイスの損壊のリスクを避ける。
【0070】
本明細書における各実施例に対して、いずれも漸進の方式で記載し、各実施例の間の同じまたは類似の部分について、互いに参照すればよく、各実施例はいずれも他の実施例との相違点を主に説明する。特に、システムまたはシステムの実施例について、方法の実施形態と基本的に類似しているため、記載が比較的簡単であり、関連部分について、方法の実施例の説明の一部を参照すればよい。上記のシステム及びシステムの実施例は単なる例示に過ぎない。個別の部材として説明されているユニットは、物理的に分離している場合があり、そうではない場合がある。ユニットとして表示されている部材は、物理的なユニットであってもよく、そうではなくてもよく、1つの場所に位置してもよいし、または、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。実際の必要性に応じて、モジュールのいくつかまたは全てを選択することで、本実施例の技術案の目的を実現することができる。当業者は、進歩性に値する労働をしなくても、本発明を理解し実施することができる。
【0071】
当業者であれば、さらに意識できるように、本明細書に開示された実施例を結合して記載された各例示のユニット、及びアルゴリズムのステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はそれらの組み合わせによって実現されることができる。ハードウェアとソフトウェアとの間の互換性を明確に説明するために、各例示の構成及びステップは、以上、機能に従って一般的に説明した。これらの機能は、ハードウェアで実行されるかそれともソフトウェアで実行されるかということは、技術案の特定の適用及び設計制約条件に依存する。当業者は、各特定の適用ごとに、異なる方法を利用して、説明された機能を実施することができるが、このような実現は、本発明の範囲を超えると見なされるべきではない。
【0072】
開示された実施例に対する前述の説明によって、当業者は、本発明を実現または使用することができる。これらの実施例に対する様々な補正は、当業者には明らかであり、本明細書で定義された一般原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施例で実現することができる。従って、本発明は、本明細書に示されたこれらの実施例に限定されず、本明細書に開示された原理及び新規の特点と一致する最も幅広い範囲に合う。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8